Cement mortar for tile using a water retention agent

申请号 JP2007510817 申请日 2005-04-21 公开(公告)号 JP2007534605A 公开(公告)日 2007-11-29
申请人 ハーキュリーズ・インコーポレーテッドHercules Incorporated; 发明人 シュヴァイツァー,ディーテル; ハーゲン,ヴォルフガング; ホーン,ヴィルフリート;
摘要 硬練りタイルセメント組成物で用いられる、未加工コットンリンターから製造されたセルロースエーテルおよび少なくとも1種の添加剤の混合物の組成物であって、本タイルセメント組成物中のセルロースエーテルの量は、有意に低減されている。 このタイルセメント組成物を 水 と混合し、基材に塗布すると、この軟練りモルタルの補正時間、塗布性能および垂れ下り抵抗は、従来の類似のセルロースエーテルを用いた場合と同等であるか、または、それに比べて改善されている。
权利要求
  • 硬練りタイルセメント組成物に使用するための混合組成物であって、
    a)20〜99.9重量%の量の、未加工コットンリンターから製造されたアルキルヒドロキシアルキルセルロースおよびヒドロキシアルキルセルロース、ならびにそれらの混合物からなる群より選択されるセルロースエーテル、および、
    b)0.1〜80重量%の量の、有機性または無機性の増粘剤、垂れ防止剤、空気連行剤、湿潤剤、消泡剤、流動化剤、分散剤、カルシウム錯化剤、遅延剤、促進剤、撥水剤、再分散性粉末、バイオポリマーおよび繊維からなる群より選択される少なくとも1種の添加剤、
    を含み、ここで、該混合組成物を硬練りタイルセメント配合物に用いて、十分な量の水と混合すると、該タイルセメント配合物は基材に塗布できるモルタルを生成し、ここで、該モルタル中の混合物の量は有意に低減されており、同時に、該軟練りモルタルの補正時間、塗布性能および垂れ下り抵抗は、従来の類似のセルロースエーテルを用いた場合と同等であるか、または、それに比べて改善されている、上記混合組成物。
  • 前記アルキルヒドロキシアルキルセルロースのアルキル基は、1〜24個の炭素原子を有し、ヒドロキシアルキル基は、2〜4個の炭素原子を有する、請求項1に記載の混合組成物。
  • 前記セルロースエーテルは、メチルヒドロキシエチルセルロース(MHEC)、メチルヒドロキシプロピルセルロース(MHPC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、エチルヒドロキシエチルセルロース(EHEC)、メチルエチルヒドロキシエチルセルロース(MEHEC)、疎水化修飾したエチルヒドロキシエチルセルロース(HMEHEC)、疎水化修飾したヒドロキシエチルセルロース(HMHEC)、および、それらの混合物からなる群より選択される、請求項1に記載の混合組成物。
  • 前記混合物は、メチルセルロース(MC)、メチルヒドロキシエチルセルロース(MHEC)、メチルヒドロキシプロピルセルロース(MHPC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、エチルヒドロキシエチルセルロース(EHEC)、疎水化修飾したヒドロキシエチルセルロース(HMHEC)、疎水化修飾したエチルヒドロキシエチルセルロース(HMEHEC)、メチルエチルヒドロキシエチルセルロース(MEHEC)、スルホエチルメチルヒドロキシエチルセルロース(SEMHEC)、スルホエチルメチルヒドロキシプロピルセルロース(SEMHPC)、および、スルホエチルヒドロキシエチルセルロース(SEHEC)からなる群より選択される1種またはそれ以上の従来のセルロースエーテルをさらに含む、請求項1に記載の混合組成物。
  • 前記セルロースエーテルの量は、70〜99重量%である、請求項1に記載の混合組成物。
  • 前記添加剤の量は、0.5〜30重量%である、請求項1に記載の混合組成物。
  • 前記少なくとも1種の添加剤は、多糖類からなる群より選択される有機性の増粘剤である、請求項1に記載の混合組成物。
  • 前記多糖類は、スターチエーテル、スターチ、グアール、グアール誘導体、デキストラン、キチン、キトサン、キシラン、キサンタンガム、ウェランガム、ジェランガム、マンナン、ガラクタン、グルカン、アラビノキシラン、アルギナート、および、セルロース繊維からなる群より選択される、請求項7に記載の混合組成物。
  • 前記少なくとも1種の添加剤は、アクリルアミドのホモまたはコポリマー、ゼラチン、ポリエチレングリコール、カゼイン、リグニンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、スルホン化メラミン−ホルムアルデヒド縮合体、スルホン化ナフタレン−ホルムアルデヒド縮合体、ポリアクリル酸塩、ポリカルボキシレートエーテル、ポリスチレンスルホン酸塩、リン酸塩、ホスホン酸塩、1〜4個の炭素原子を有する有機酸のカルシウム塩、アルカノアートの塩、硫酸アルミニウム、金属アルミニウム、ベントナイト、モンモリロナイト、海泡石、ポリアミド繊維、ポリプロピレン繊維、ポリビニルアルコール、および、酢酸ビニル系のホモ、コまたはターポリマー、マレイン酸エステル、エチレン、スチレン、ブタジエン、ビニルバーサテート、および、アクリル単量体からなる群より選択される、請求項1に記載の混合組成物。
  • 前記少なくとも1種の添加剤は、カルシウムキレート剤、フルーツ酸、および、表面活性物質からなる群より選択される、請求項1に記載の混合組成物。
  • 前記モルタルで用いられる混合物の有意に低減された量は、少なくとも5%の低減である、請求項1に記載の混合組成物。
  • 前記モルタルで用いられる混合物の有意に低減された量は、少なくとも10%の低減である、請求項1に記載の混合組成物。
  • 前記混合組成物は、MHEC、ならびに、アクリルアミドのホモまたはコポリマー、スターチエーテルおよびそれらの混合物からなる群より選択される添加剤である、請求項3に記載の混合組成物。
  • 前記アクリルアミドのコポリマーは、ポリ(アクリルアミド−コ−ナトリウムアクリラート)、ポリ(アクリルアミド−コ−アクリル酸)、ポリ(アクリルアミド−コ−ナトリウム−アクリルアミドメチルプロパンスルホナート)、ポリ(アクリルアミド−コ−アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸)、ポリ(アクリルアミド−コ−ジアリルジメチルアンモニウムクロライド)、ポリ(アクリルアミド−コ−(アクリロイルアミノ)プロピルトリメチルアンモニウムクロライド)、ポリ(アクリルアミド−コ−(アクリロイル)エチルトリメチルアンモニウムクロライド)、および、それらの混合物からなる群より選択される、請求項13に記載の混合組成物。
  • 前記スターチエーテルは、ヒドロキシアルキルスターチ(ここで、アルキルは、1〜4個の炭素原子を有する)、カルボキシメチル化したスターチエーテル、および、それらの混合物からなる群より選択される、請求項13に記載の混合組成物。
  • 前記混合物は、MHPC、ならびに、アクリルアミドのホモまたはコポリマー、スターチエーテルおよびそれらの混合物からなる群より選択される添加剤である、請求項3に記載の混合組成物。
  • 前記アクリルアミドのコポリマーは、ポリ(アクリルアミド−コ−ナトリウム−アクリラート)、ポリ(アクリルアミド−コ−アクリル酸)、ポリ(アクリルアミド−コ−ナトリウムアクリルアミドメチルプロパンスルホナート)、ポリ(アクリルアミド−コ−アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸)、ポリ(アクリルアミド−コ−ジアリルジメチルアンモニウムクロライド)、ポリ(アクリルアミド−コ−(アクリロイルアミノ)プロピルトリメチルアンモニウムクロライド)、ポリ(アクリルアミド−コ−(アクリロイル)エチルトリメチルアンモニウムクロライド)、および、それらの混合物からなる群より選択される、請求項16に記載の混合組成物。
  • 前記スターチエーテルは、ヒドロキシアルキルスターチ(ここで、アルキルは、1〜4個の炭素原子を有する)、カルボキシメチル化したスターチエーテル、および、それらの混合物からなる群より選択される、請求項16に記載の混合組成物。
  • 水硬性セメント、細骨材原料、および、未加工コットンリンターから製造されたセルロースエーテルである水分保持剤を少なくとも1種含むタイル用硬練りセメントモルタル組成物であって、該タイル用硬練りセメントモルタル組成物は、十分な量の水と混合すると、タイルを基材上に固定するための薄層に塗布できるモルタルを生成し、ここで、該モルタル中の水分保持剤の量は有意に低減されており、同時に、該モルタルの補正時間、塗布性能および垂れ下り抵抗は、従来の類似のセルロースエーテルを用いた場合と同等であるか、または、それに比べて改善されている、上記組成物。
  • 前記セルロースエーテルは、未加工コットンリンターから製造された、アルキルヒドロキシアルキルセルロースおよびヒドロキシアルキルセルロース、ならびにそれらの混合物からなる群より選択される、請求項9に記載のタイル用硬練りセメントモルタル組成物。
  • 前記アルキルヒドロキシアルキルセルロースのアルキル基は、1〜24個の炭素原子を有し、ヒドロキシアルキル基は、2〜4個の炭素原子を有する、請求項20に記載のタイル用硬練りセメントモルタル組成物。
  • 前記少なくとも1種のセルロースエーテルは、メチルヒドロキシエチルセルロース(MHEC)、メチルヒドロキシプロピルセルロース(MHPC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、メチルエチルヒドロキシエチルセルロース(MEHEC)、エチルヒドロキシエチルセルロース(EHEC)、疎水化修飾したエチルヒドロキシエチルセルロース(HMEHEC)、疎水化修飾したヒドロキシエチルセルロース(HMHEC)、および、それらの混合物からなる群より選択される、請求項19に記載のタイル用硬練りセメントモルタル組成物。
  • 前記セルロースエーテルは、適用可能であれば、無水グルコース単位あたり、0.5〜2.5のメチルまたはエチル置換度、0.01〜6のヒドロキシエチルまたはヒドロキシプロピルのモル置換度(MS)、および、0.01〜0.5の疎水性置換基のモル置換度(MS)を有する、請求項22に記載のタイル用硬練りセメントモルタル組成物。
  • 前記タイル用硬練りセメントモルタル組成物は、メチルセルロース(MC)、メチルヒドロキシエチルセルロース(MHEC)、メチルヒドロキシプロピルセルロース(MHPC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、メチルエチルヒドロキシエチルセルロース(MEHEC)、エチルヒドロキシエチルセルロース(EHEC)、疎水化修飾したエチルヒドロキシエチルセルロース(HMEHEC)、疎水化修飾したヒドロキシエチルセルロース(HMHEC)、スルホエチルメチルヒドロキシエチルセルロース(SEMHEC)、スルホエチルメチルヒドロキシプロピルセルロース(SEMHPC)、スルホエチルヒドロキシエチルセルロース(SEHEC)、および、それらの混合物からなる群より選択される1種またはそれ以上の従来のセルロースエーテルをさらに含む、請求項19に記載のタイル用硬練りセメントモルタル組成物。
  • 前記セルロースエーテルの量は、0.1〜2.0重量%である、請求項19に記載のタイル用硬練りセメントモルタル組成物。
  • 有機性または無機性の増粘剤、垂れ防止剤、空気連行剤、湿潤剤、消泡剤、流動化剤、分散剤、カルシウム錯化剤、遅延剤、促進剤、撥水剤、再分散性粉末、バイオポリマーおよび繊維からなる群より選択される1種またはそれ以上の添加剤を組み合わせた、請求項19に記載のタイル用硬練りセメントモルタル組成物。
  • 前記1種またはそれ以上の添加剤は、ポリアクリルアミド、スターチエーテル、スターチ、グアール/グアール誘導体、デキストラン、キチン、キトサン、キシラン、キサンタンガム、ウェランガム、ジェランガム、マンナン、ガラクタン、グルカン、ゼラチン、アルギナート、アラビノキシラン、ポリエチレングリコール、カゼイン、リグニンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、スルホン化メラミン−ホルムアルデヒド縮合体、スルホン化ナフタレン−ホルムアルデヒド縮合体、ポリアクリル酸塩、ポリカルボキシレートエーテル、ポリスチレンスルホン酸塩、リン酸塩、ホスホン酸塩、1〜4個の炭素原子を有する有機酸のカルシウム塩、アルカノアートの塩、硫酸アルミニウム、金属アルミニウム、ベントナイト、モンモリロナイト、海泡石、セルロース繊維、ポリアミド繊維、ポリプロピレン繊維、および、酢酸ビニル系のホモ、コまたはターポリマー、マレイン酸エステル、エチレン、スチレン、ブタジエン、ビニルバーサテート、および、アクリル単量体からなる群より選択される、請求項19に記載のタイル用硬練りセメントモルタル組成物。
  • 前記少なくとも1種の添加剤は、カルシウムキレート剤、フルーツ酸、および、表面活性物質からなる群より選択される、請求項19に記載のタイル用硬練りセメントモルタル組成物。
  • 前記添加剤の量は、0.001〜15重量%である、請求項19に記載のタイル用硬練りセメントモルタル組成物。
  • 前記細骨材原料は、ケイ砂、ドロマイト、石灰石、軽量骨材、ゴム粉末、および、フライアッシュからなる群より選択される、請求項19に記載のタイル用硬練りセメントモルタル組成物。
  • 前記軽量骨材は、パーライト、発泡ポリスチレン、および、中空ガラス球状体からなる群より選択される、請求項30に記載のタイル用硬練りセメントモルタル組成物。
  • 前記細骨材原料は、20〜90重量%の量で存在する、請求項19に記載のタイル用硬練りセメントモルタル組成物。
  • 前記細骨材原料は、50〜70重量%の量で存在する、請求項19に記載のタイル用硬練りセメントモルタル組成物。
  • 前記水硬性セメントは、ポルトランドセメント、ポルトランドスラグセメント、ポルトランドシリカフュームセメント、ポルトランドポゾランセメント、ポルトランドバーントシェールセメント、ポルトランド石灰石セメント、ポルトランド複合セメント、高炉セメント、ポゾランセメント、複合セメント、および、アルミン酸カルシウムセメントからなる群より選択される、請求項19に記載のタイル用硬練りセメントモルタル組成物。
  • 前記水硬性セメントは、10〜80重量%の量で存在する、請求項19に記載のタイル用硬練りセメントモルタル組成物。
  • 前記水硬性セメントは、20〜50重量%の量で存在する、請求項19に記載のタイル用硬練りセメントモルタル組成物。
  • 消石灰、石膏、ポゾラン、高炉スラグおよび水硬性石灰からなる群より選択される少なくとも1種の鉱物性の結合剤と組み合わせた、請求項19に記載のタイル用硬練りセメントモルタル組成物。
  • 前記少なくとも1種の鉱物性の結合剤は、0.1〜30重量%の量で存在する、請求項37に記載のタイル用硬練りセメントモルタル組成物。
  • 前記MHECおよびMHPCは、ブルックフィールドRVT粘度計で、2重量%、20℃および20rpmで、スピンドル番号7を用いて測定した場合、80,000mPaより大きい水溶液のブルックフィールド粘度を有する、請求項22に記載のタイル用硬練りセメントモルタル組成物。
  • 前記MHECおよびMHPCは、ブルックフィールドRVT粘度計で、2重量%、20℃および20rpmで、スピンドル番号7を用いて測定した場合、90,000mPaより大きい水溶液のブルックフィールド粘度を有する、請求項22に記載のタイル用硬練りセメントモルタル組成物。
  • 前記モルタルで用いられるセルロースエーテルの有意に低減された量は、少なくとも5%の低減である、請求項19に記載のタイル用硬練りセメントモルタル組成物。
  • 前記モルタルで用いられるセルロースエーテルの有意に低減された量は、少なくとも10%の低減である、請求項19に記載のタイル用硬練りセメントモルタル組成物。
  • 前記タイル用セメントモルタル組成物は、MHEC、ならびに、MHPC、ならびに、アクリルアミドのホモまたはコポリマー、スターチエーテルおよびそれらの混合物からなる群より選択される添加剤からなる群より選択されるセルロースエーテルである、請求項22に記載のタイル用硬練りセメントモルタル組成物。
  • 前記アクリルアミドのコポリマーは、ポリ(アクリルアミド−コ−ナトリウムアクリラート)、ポリ(アクリルアミド−コ−アクリル酸)、ポリ(アクリルアミド−コ−ナトリウム−アクリルアミドメチルプロパンスルホナート)、ポリ(アクリルアミド−コ−アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸)、ポリ(アクリルアミド−コ−ジアリルジメチルアンモニウムクロライド)、ポリ(アクリルアミド−コ−(アクリロイルアミノ)プロピルトリメチルアンモニウムクロライド)、ポリ(アクリルアミド−コ−(アクリロイル)エチルトリメチルアンモニウムクロライド)、および、それらの混合物からなる群より選択される、請求項43に記載のタイル用硬練りセメントモルタル組成物。
  • 前記スターチエーテルは、ヒドロキシアルキルスターチ(ここで、該アルキル基は、1〜4個の炭素原子を有する)、カルボキシメチル化したスターチエーテル、および、それらの混合物からなる群より選択される、請求項43に記載のタイル用硬練りセメントモルタル組成物。
  • 说明书全文

    本願は、2004年4月27日付けで出願された米国仮出願番号60/565,643の利益を主張する。

    発明の分野
    本発明は、セラミックタイルを壁や床に取り付けるためのタイル用硬練りセメントモルタル組成物において有用な混合組成物に関する。 本発明はまた、未加工コットンリンターから製造された改善された分保持剤を用いたタイル用硬練りセメントモルタルに関する。

    発明の背景
    従来のセラミックタイルセメントは、セメントと砂の簡単な乾燥混合物であることが多い。 この乾燥混合物を水と混合し、モルタルを形成することができる。 これらの従来のモルタルそのものは、低い流動性またはこて塗適性しか有さない。 その結果として、特に夏季、暑中条件下で、モルタルから水分が急速に蒸発または除去され、劣った、または低い作業性、ならびに、短い可使時間および補正時間、ならびにセメントの不十分な水和を引き起こすために、これらのモルタルの塗布は大きな労働を要する。

    従来の硬化モルタルの物理特性は、その水和プロセス、従って凝結工程中のそれらからの水分の除去速度の影響を強く受ける。 凝結反応の開始時の水分の除去速度の上昇によって、または、モルタル中の水の濃度の減少によって、これらのパラメーターに影響を与えるあらゆる作用が、モルタルの物理特性の劣化を引き起こす可能性がある。 ほとんどのセラミックタイルにおいて、それらの無釉の表面は高度な多孔質であり、モルタルから相当量の水を除去する可能性があるため、上述の難点が起こる。 同様に、これらのタイルが塗布されるほとんどの基材、例えば石灰砂岩、シンダーブロック、木材またはレンガもまた多孔質であるため同じ問題が起こる。

    上述の水分が失われる問題を克服する、または最小化するために、従来技術は、この問題を軽減するための水分保持剤としてセルロースエーテルの使用を開示している。 この従来技術の例は、米国特許第4,501,617号であり、こて塗適性、または、モルタルの流動性を改善するための保水性の補助剤として、ヒドロキシプロピルヒドロキシエチルセルロース(HPHEC)の使用を開示している。 硬練りモルタル用途におけるセルロースエーテルの使用もまた、DE3909070、DE3913518、CA2456793、および、EP773198で開示されている。

    ドイツ国公報第4,034,709号A1は、水硬性セメントモルタルまたはコンクリート組成物への添加剤としての、セルロースエーテルを製造するための未加工コットンリンターの使用を開示している。

    セルロースエーテル(CE)は、商業的に重要な水溶性ポリマーの重要なクラスの代表である。 これらのCEは、水性媒体の粘度を高めることができる。 CEの粘性化する能力は、主として、その分子量、それに結合した化学置換基およびポリマー鎖の構造的な特徴によって制御される。 CEは、構築、塗料、食品、パーソナルケア、医薬、接着剤、界面活性剤/洗剤、油田、製紙産業、セラミック、重合プロセス、皮革産業および織物のような多くの用途で用いられる。 建築産業では、メチルセルロース(MC)、メチルヒドロキシエチルセルロース(MHEC)、エチルヒドロキシエチルセルロース(EHEC)、メチルヒドロキシプロピルセルロース(MHPC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、疎水化修飾したヒドロキシエチルセルロース(HMHEC)が、単独で、または組み合わせのいずれかで、硬練りモルタル配合物に広く用いられている。 硬練りモルタル配合物は、無機性の結合剤としての石膏、セメントおよび/または石灰のブレンドを意味し、これらは、単独で、または、骨材(例えばシリカおよび/または炭酸塩砂/粉末)および添加剤と組み合わせて、のいずれかで用いられる。

    それらの最終用途で塗布するために、これらの硬練りモルタルは、水と混合して軟練り材料として塗布される。 目的とする塗布のために、水に溶解すると高粘性を付与する水溶性ポリマーが必要である。 MC、MHEC、MHPC、EHEC、HECおよびHMHEC、または、それらの組み合わせを用いることによって、高い保水性(すなわちその結果として、含水量の規定された制御)のような望ましいモルタル特性が達成される。 加えて、得られた材料の改善された作業性と十分な付着を観察することができる。 CE溶液の粘度の増加により、改善された保水能力および付着が得られるため、より効率的に、かつ費用効率よく作用するように溶液に高い粘度を付与する高分子量のCEが望ましい。 溶液の高い粘度を達成するために、開始時のセルロースエーテルは、慎重に選択する必要がある。 現在のところ、精製コットンリンターまたは高粘度の木材パルプを用いることによって、アルキルヒドロキシアルキルセルロースによって達成可能な最大2重量%の水溶液の粘度は、約70,000〜80,000mPaである(ブルックフィールドRVT粘度計を用いて、20℃および20rpmで、スピンドル番号7を用いて測定した場合)。

    タイル用セメントモルタル産業では、それでもなお、タイル用セメントモルタルの塗布および性能特性を改善するために、費用効率が高い様式で用いることができる水分保持剤を持つことが必要である。 この結果の達成を補助するために、増粘剤および/または水分保持剤として使用するための、好ましくは約80,000mPaより大きい2%水溶液のブルックフィールド粘度を付与し、それでもなお費用効率が高い水分保持剤を提供することが好ましいと予想される。

    発明の要約
    本発明は、硬練りモルタルであるタイルセメント組成物に使用するための、20〜99.9重量%の量の、未加工コットンリンターから製造されたアルキルヒドロキシアルキルセルロースおよびヒドロキシアルキルセルロースならびにそれらの混合物であるセルロースエーテル、および、0.1〜80重量%の量の、少なくとも1種の添加剤(有機性または無機性の増粘剤、垂れ防止剤、空気連行剤、湿潤剤、消泡剤、流動化剤、分散剤、カルシウム錯化剤、遅延剤、促進剤、撥水剤、再分散性粉末、バイオポリマーおよび繊維)で構成される混合組成物に関し;本混合組成物を硬練りタイルセメント配合物に用いて、十分な量の水と混合すると、該タイルセメント配合物は、基材に塗布することができるモルタルを生成し、ここで、該モルタル中の混合物の量は有意に低減されており、同時に、該軟練りモルタルの補正時間、塗布性能および垂れ下り抵抗は、従来の類似のセルロースエーテルを用いた場合と同等であるか、または、それに比べて改善されている。

    本発明はまた、水硬性セメント、細骨材原料、および、未加工コットンリンターから製造された少なくとも1種のセルロースエーテルである水分保持剤のタイル用硬練りセメントモルタル組成物にも向けられる;本タイル用硬練りセメントモルタル組成物は、十分な量の水と混合すると、タイルを基材上に固定するための薄層に塗布できるモルタルを生成し、ここで、該モルタル中の水分保持剤の量は有意に低減されており、同時に、該モルタルの補正時間、塗布性能および垂れ下り抵抗は、従来の類似のセルロースエーテルを用いた場合と同等であるか、または、それに比べて改善されている。

    発明の詳細な説明
    驚くべきことに、所定のセルロースエーテル、特に未加工コットンリンター(RCL)から製造されたアルキルヒドロキシアルキルセルロースおよびヒドロキシアルキルセルロースは、従来の精製コットンリンターまたは高粘度の木材パルプから製造された市販のセルロースエーテルの粘度に比べて、極めて高い溶液の粘度を付与することが見出された。 タイル用セメントモルタルでこれらのセルロースエーテルを用いることによって、これまで従来のセルロースエーテルを用いて達成することが不可能であった数種の利点(すなわち、使用におけるより低いコスト、および、より優れた塗布性能)、および、改善された性能特性が提供される。

    本発明によれば、アルキルヒドロキシアルキルセルロースおよびヒドロキシアルキルセルロースのセルロースエーテルは、切断された、または、切断されていない未加工コットンリンターから製造される。 アルキルヒドロキシアルキルセルロースのアルキル基は、1〜24個の炭素原子を有し、ヒドロキシアルキル基は、2〜4個の炭素原子を有する。 また、ヒドロキシアルキルセルロースのヒドロキシアルキル基は、2〜4個の炭素原子を有する。 これらのセルロースエーテルは、予想外の驚くべき利点をタイル用セメントモルタルに提供する。 RCL系CEの粘性は極めて高いために、タイルセメントにおいて極めて効率的な塗布性能を観察することができる。 現在のところ用いられる市販の高粘度CEより低いRCL系CEの使用量でも、保水性に関して、その結果として補正時間に関して、同様の、または、改善された塗布性能が達成される。

    また、RCLから製造されたアルキルヒドロキシアルキルセルロースおよびヒドロキシアルキルセルロース、例えばメチルヒドロキシエチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、および、疎水化修飾したヒドロキシエチルセルロースは、モルタルに、かなりの粘度と改善された垂れ下り抵抗を付与することも実証された。 これらのRCL系CEを用いて製造されたモルタルは、改善された水分保持能力を有するため、CEの使用量が低くてもより長い補正時間を提供する。 その上、モルタル中のこれらのRCL系CEは、刻み目のあるこてとの塗布性能によい影響を与える潤滑作用を示した。 モルタルにこれらのRCL系CEを使用すると、表面張力を減少させ、必要な構成する水の量を増加させる。 その結果として、硬練りモルタルであるタイルセメント製品と水との混合が簡単になる。

    本発明によれば、本混合組成物は、20〜99.9重量%、好ましくは70〜99.0重量%の量の上記セルロースエーテルを含む。

    本発明のRCL系の非イオン性CEとしては、(一次CEとして)、特に、未加工コットンリンター(RCL)から製造されたアルキルヒドロキシアルキルセルロースおよびヒドロキシアルキルセルロースが挙げられる。 このような誘導体の例としては、メチルヒドロキシエチルセルロース(MHEC)、メチルヒドロキシプロピルセルロース(MHPC)、メチルエチルヒドロキシエチルセルロース(MEHEC)、エチルヒドロキシエチルセルロース(EHEC)、疎水化修飾したエチルヒドロキシエチルセルロース(HMEHEC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、疎水化修飾したヒドロキシエチルセルロース(HMHEC)、および、それらの混合物が挙げられる。 疎水性置換基は、1〜25個の炭素原子を有していてもよい。 それらの化学組成に応じて、それらは、無水グルコース単位あたり、0.5〜2.5のメチルまたはエチル置換度(DS)、約0.01〜6のヒドロキシアルキルのモル置換度(HA−MS)、および、約0.01〜0.5の疎水性置換基のモル置換度(HS−MS)を有していてもよい。 より具体的には、本発明は、硬練りモルタルであるタイルセメント用途において効率的な増粘剤および/または水分保持剤としての、これらの水溶性、非イオン性CEの使用に関する。

    本発明の実施する際に、精製コットンリンターおよび木材パルプから製造された従来のCE(二次CE)を、RCL系CEと併用することができる。 精製セルロースからの様々なタイプのCEの製造は、当業界既知である。 これらの二次CEは、本発明を実施するために、一次RCL-CEと併用することができる。 これらの二次CEの多くは、市販品であるか、または、市場および/または文献で既知であるため、これらは本願において、従来のCEと称するものとする。

    二次CEの例は、メチルセルロース(MC)、メチルヒドロキシエチルセルロース(MHEC)、メチルヒドロキシプロピルセルロース(MHPC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、エチルヒドロキシエチルセルロース(EHEC)、疎水化修飾したヒドロキシエチルセルロース(HMHEC)、疎水化修飾したエチルヒドロキシエチルセルロース(HMEHEC)、メチルエチルヒドロキシエチルセルロース(MEHEC)、スルホエチルメチルヒドロキシエチルセルロース(SEMHEC)、スルホエチルメチルヒドロキシプロピルセルロース(SEMHPC)、および、スルホエチルヒドロキシエチルセルロース(SEHEC)である。

    本発明によれば、好ましい一実施形態は、ブルックフィールドRVT粘度計で、20℃、20rpmおよび2重量%の濃度で、スピンドル番号7を用いて測定した場合、80,000mPaより大きい、好ましくは90,000mPaより大きい水溶液のブルックフィールド粘度を有する、RCLから製造されたMHECおよびMHPCを利用する。

    本発明によれば、本混合組成物は、0.1〜80重量%、好ましくは0.5〜30重量%の量の、少なくとも1種の添加剤を含む。 用いられる添加剤としては、有機性または無機性の増粘剤、および/または、第二の水分保持剤、垂れ防止剤、空気連行剤、湿潤剤、消泡剤、流動化剤、分散剤、カルシウム錯化剤、遅延剤、促進剤、撥水剤、再分散性粉末、バイオポリマーおよび繊維が挙げられる。 有機性の増粘剤の例は、多糖類である。 添加剤のその他の例は、カルシウムキレート剤、フルーツ酸、および、表面活性物質である。

    上記の添加剤のより具体的な例は、アクリルアミドのホモまたはコポリマーである。 このようなポリマーの例は、ポリ(アクリルアミド−コ−ナトリウムアクリラート)、ポリ(アクリルアミド−コ−アクリル酸)、ポリ(アクリルアミド−コ−ナトリウム−アクリルアミドメチルプロパンスルホナート)、ポリ(アクリルアミド−コ−アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸)、ポリ(アクリルアミド−コ−ジアリルジメチルアンモニウムクロライド)、ポリ(アクリルアミド−コ−(アクリロイルアミノ)プロピルトリメチルアンモニウムクロライド)、ポリ(アクリルアミド−コ−(アクリロイル)エチルトリメチルアンモニウムクロライド)、および、それらの混合物である。

    多糖類の添加剤の例は、スターチエーテル、スターチ、グアール/グアール誘導体、デキストラン、キチン、キトサン、キシラン、キサンタンガム、ウェランガム、ジェランガム、マンナン、ガラクタン、グルカン、アルギナート、アラビノキシラン、および、セルロース繊維である。

    添加剤のその他の具体的な例は、ゼラチン、ポリエチレングリコール、カゼイン、リグニンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、スルホン化メラミン−ホルムアルデヒド縮合体、スルホン化ナフタレン−ホルムアルデヒド縮合体、ポリアクリル酸塩、ポリカルボキシレートエーテル、ポリスチレンスルホン酸塩、リン酸塩、ホスホン酸塩、1〜4個の炭素原子を有する有機酸のカルシウム塩、アルカノアートの塩、硫酸アルミニウム、金属アルミニウム、ベントナイト、モンモリロナイト、海泡石、ポリアミド繊維、ポリプロピレン繊維、ポリビニルアルコール、および、酢酸ビニル系のホモ、コまたはターポリマー、マレイン酸エステル、エチレン、スチレン、ブタジエン、ビニルバーサテート、および、アクリル単量体である。

    本発明の混合組成物は、従来技術において既知の多種多様の技術で製造することができる。 例としては、簡単な乾式混合、溶液の噴霧、または、乾燥材料上での溶融、共押出し、または、共粉砕が挙げられる。

    本発明によれば、本混合組成物は、硬練りタイルセメント配合物に用いて、十分な量の水と混合すると、タイル用セメントモルタルを生成し、この混合物の量、すなわちセルロースエーテルの量は有意に低減されている。 この混合物またはセルロースエーテルの低減された量は、少なくとも5%、好ましくは10%である。 CEをこのように少なくして用いたとしても、軟練りモルタルの補正時間、塗布性能および垂れ下り抵抗は、従来の類似のセルロースエーテルを用いた場合と同等であるか、または、それに比べて改善されている。

    本発明の混合組成物は、このような混合物を、製造施設で直接用いることができるタイルセメント製造元に直接的または間接的に販売することができる。 本混合組成物はまた、様々な製造元にとって好ましい必要条件に応じて受注ブレンドしてもよい。

    本発明の硬練りタイルセメント組成物は、約0.1〜2.0重量%の量のCEを含む。 少なくとも1種の添加剤の量は、約0.001〜15重量%である。 これらの重量パーセンテージは、硬練りタイルセメント組成物の全成分の総乾燥重量に基づく。

    本発明によれば、本タイル用硬練りセメントモルタル組成物は、20〜90重量%の量、好ましくは50〜70重量%の量で存在する細骨材原料を含む。 細骨材原料の例は、ケイ砂、ドロマイト、石灰石、軽量骨材(例えば、パーライト、発泡ポリスチレン、中空ガラス球状体)、ゴム粉末(車のタイヤからリサイクルされた)、および、フライアッシュである。 「細(fine)」は、骨材の材料が、1.0mmまで、好ましくは0.5mmまでの粒度を有することを意味する。

    本発明によれば、水硬性セメントの成分は、10〜80重量%の量、好ましくは20〜50重量%の量で存在する。 水硬性セメントの例は、ポルトランドセメント、ポルトランドスラグセメント、ポルトランドシリカフュームセメント、ポルトランドポゾランセメント、ポルトランドバーントシェールセメント、ポルトランド石灰石セメント、ポルトランド複合セメント、高炉セメント、ポゾランセメント、複合セメント、および、アルミン酸カルシウムセメントである。

    また、本発明のタイル用硬練りセメントモルタル組成物は、消石灰、石膏、ポゾラン、高炉スラグおよび水硬性石灰のうち少なくとも1種の鉱物性の結合剤を組み合わせて含んでいてもよい。 少なくとも1種の鉱物性の結合剤は、0.1〜30重量%の量で存在していてもよい。

    本発明によれば、好ましい実施形態は、混合物であり、従って、MHECまたはMHPC、および、添加剤を含む硬練りタイルセメント組成物であり、ここで、添加剤は、アクリルアミドのホモまたはコポリマー、スターチエーテルまたはそれらの混合物である。 この実施形態において、MHECおよびMHPCはそれぞれ、ブルックフィールドRVT粘度計で、2重量%、20℃および20rpmで、スピンドル番号7を用いて測定した場合、80,000mPaより大きい、好ましくは90,000mPaより大きい水溶液のブルックフィールド粘度を有する。

    本発明に係る好ましい実施形態によれば、セルロースエーテルは、2004年4月13日付けで出願された米国特許出願番号10/822,926(これは、参照により本発明に含まれる)に従って製造される。 本発明のこの実施形態の出発原料は、少なくとも8グラム/100mlのかさ密度を有する未精製の未加工コットンリンター繊維の集合体である。 この集合体中の繊維の少なくとも50重量%は、US篩の篩サイズ番号10(2mmの目開き)を通過する平均長さを有する。 この未精製の未加工コットンリンターの集合体は、AOCS(米国油化学会(American Oil Chemists'Society))の公定法Bb3−47で測定すると、少なくとも60%のセルロースを含む、一次切断、二次切断、三次切断および/または未選別の未精製の天然の未加工コットンリンター、または、それらの混合物からなる疎な集合体を得ること、および、該疎な集合体を、少なくとも50重量%の繊維が米国標準の篩サイズ番号10を通過する長さに粉砕することによって製造される。 このようなセルロースエーテル誘導体は、出発原料として、上述の、未加工コットンリンター繊維の粉砕した集合体を用いて製造される。 切断された未加工コットンリンターの集合体は、まず、スラリー法またはハイソリッド法で、9重量%より高いセルロース濃度で、塩基で処理され、活性セルローススラリーを形成する。 次に、活性セルローススラリーを、エーテル化剤またはエーテル化剤の混合物と十分な時間、十分な温度で反応させ、セルロースエーテル誘導体を形成し、続いてこれを回収する。 上記の様々な本発明のCEの製造方法の改変は、当業界周知である。

    本発明のCEはまた、製造元からの一次、二次、三次切断および/または未選別のいずれかのRCLの梱で得られる切断されていない未加工コットンリンターから製造することもできる。

    未加工コットンリンターの機械的な洗浄により得られた、未加工コットンリンターを含む組成物は、非セルロース系の異物(例えば田畑の塵、くず、種の外殻など)を実質的に含まず、これもまた、本発明のセルロースエーテルを製造するために用いることができる。 未加工コットンリンターの機械的洗浄技術としては、打綿、スクリーニングおよび空気分離技術に関するものが挙げられ、これらは当業者周知である。 機械的な打綿技術、および、空気分離技術の組み合わせを用いて、繊維とくずとの密度差を利用してくずから繊維を分離する。 また、機械的に洗浄した未加工コットンリンターと、「そのままの」未加工コットンリンターとの混合物も、セルロースエーテルを製造するのに用いることができる。

    水分保持剤としての従来のセルロースエーテルで製造されたモルタルと比較した場合、本発明のモルタルの性能は、補正時間、塗布性能および垂れ下り抵抗に関して改善されている。 これらは、タイル用セメントモルタルの性能を特徴付けるために当業界で広く用いられる重要なパラメーターである。

    「補正時間」は、壁上のタイルの位置を、モルタルからタイルを剥離させずに動かすことができる時間と定義される。

    「塗布性能(applicability)」は、基材(例えば床または壁の表面)へのタイルセメントの塗布しやすさと定義される。 塗布性能は、職人によって主観的に評価され、どれだけ容易にモルタルを基材に塗り広げることができるか、の説明である。

    「垂れ下り抵抗」は、タイルが滑り落ちないように、モルタル層に埋め込まれた位置にタイルを固定するために垂直に塗布されたタイルセメントの能力である。

    典型的なタイル用硬練りセメントモルタル は、以下の成分のうちいくつか、または全部を含んでいる可能性もある:

    以下の実施例で、本発明をさらに説明する。 部およびパーセンテージは、特に他の規定がない限り重量に基づく。

    実施例1
    実施例1および2は、類似の市販のポリマーと比較した、本発明のポリマーの化学特性および物理特性のいくつかを示す。

    置換度の測定
    セルロースエーテル を、150℃でヨウ化水素酸を用いたツァイゼル(Zeisel)の改変法によるエーテル切断で処理した。 得られた揮発性の反応生成物を、ガスクロマトグラフで定量的に測定した。

    粘度の測定
    セルロースエーテル水溶液の粘度を、1重量%および2重量%の濃度を有する溶液で測定した。 セルロースエーテル溶液の粘度を確認する場合、それに対応するメチルヒドロキシアルキルセルロースを乾燥基準で用いた(すなわち水分の割合を、量をさらに多くすることで補正した)。 精製コットンリンターまたは高粘度の木材パルプ系の、現在入手可能な市販のメチルヒドロキシアルキルセルロースの粘度は、最大2重量%の水溶液において、約70,000〜80,000mPaの粘度を有する(ブルックフィールドRVT粘度計を用いて、20℃および20rpmで、スピンドル番号7を用いて測定した場合)。

    粘度を測定するために、ブルックフィールドRVT回転式粘度計を用いた。 2重量%水溶液での全ての測定は、20℃および20rpmで、スピンドル番号7を用いてなされた。

    塩化ナトリウム含量
    塩化ナトリウム含量をモール方法によって測定した。 0.5gの生成物を化学天秤で計量し、150mlの蒸留水に溶解した。 続いて、30分間撹拌した後に、1mlの15%HNO を添加した。 その後、この溶液を、市販の装置を用いて標準化した硝酸銀(AgNO )溶液で滴定した。

    水分の測定
    サンプルの含水量を、市販の水分計を105℃で用いて測定した。 含水量は、重量の減少分と開始時の重量から得られた比率であり、パーセントで表示した。

    表面張力の測定
    セルロースエーテル水溶液の表面張力を、クルス(Kruss)のデジタル張力計K10を用いて、20℃および0.1重量%の濃度で測定した。 表面張力の測定のために、いわゆる「ヴィルヘルミーのプレート法」が用いられ、これは、薄いプレートを液体の表面まで下げて、プレートに向けられる下向きの力を測定するものである。

    表1は、RCLから誘導されたメチルヒドロキシエチルセルロースおよびメチルヒドロキシプロピルセルロースの分析データを示す。 この結果から、明らかに、これらの生成物は、現在市販されている高粘度のタイプより有意に高い粘度を有することが示される。 2重量%の濃度で、約100,000mPaの粘度が検出された。 その値は極めて高いために、1重量%水溶液の粘度を測定することは、信頼性が一層高く、簡単であった。 この濃度で、市販の高粘度のメチルヒドロキシエチルセルロースおよびメチルヒドロキシプロピルセルロースは、7300〜約9000mPaの範囲粘度を示した(表1を参照)。 未加工コットンリンター系の生成物に関する測定値は、市販の材料より有意に高かった。 その上、表1に記載のデータから、明らかに、未加工コットンリンター系のセルロースエーテルは、コントロールサンプルより低い表面張力を有することが示される。

    実施例2
    置換度の測定
    セルロースエーテルを、150℃でヨウ化水素酸を用いたツァイゼルの改変法によるエーテル切断で処理した。 得られた揮発性の反応生成物を、ガスクロマトグラフで定量的に測定した。

    粘度の測定
    セルロースエーテル水溶液の粘度を、1重量%の濃度を有する溶液で測定した。 セルロースエーテル溶液の粘度を確認する場合、それに対応するヒドロキシエチルセルロースを乾燥基準で用いた(すなわち水分の割合を、量をさらに多くすることで補正した)。

    粘度を測定するために、ブルックフィールドLVF回転式粘度計を用いた。 全ての測定は、25℃および30rpmで、スピンドル番号4を用いてなされた。

    ヒドロキシエチルセルロースを、ハーキュリーズ(Hercules)のパイロットプラントの反応装置で、精製コットンリンター、及び未加工コットンリンターから製造した。 表2で示されるように、両方のサンプルとも、ほぼ同じヒドロキシエトキシル含量を有するサンプルは、ほぼ同じヒドロキシエトキシル含量を有する。 しかしながら、得られたRCL系のHECの粘度は、より約23%高い。

    実施例3
    全ての試験を、30.00重量%ポルトランドセメント(CEM I42,5R)、69.70重量%のケイ砂(直径0.1〜0.3mm)、および、0.30重量%のセルロースエーテルからなるタイルセメントで行った。

    品質アセスメントのために、様々な試験方法を適用した。 同等の(550,000±50,000mPaの)ヘリパス粘度が達成されるように、水の要求量を調節した。

    モルタル粘度の測定
    モルタル粘度の測定を、回転式粘度計とスピンドルシステム(ヘリパス装置)によって行った。

    可使時間および補正時間の測定
    可使時間を測定するために、モルタルを、刻み目のあるスプレッダー(6×6mm)で繊維セメントスラブ上に塗布した。 5分ごとに、5×5cmの陶器質および石器質タイルを、2kgの重量を30秒かけることによって埋め込んだ。 タイルの裏面の50%未満がモルタルで被覆されたら、可使時間を終了とした。 一番目に示された値は、陶器質タイルの場合の可使時間を意味し、二番目に示された値は、石器質セラミックの場合の可使時間を意味する。

    所定期間密閉された水を保持するモルタルの能力は、補正時間で示されるが、調節可能性とも呼ばれる。 このモルタルを、石灰砂岩製のレンガと数種のタイルに塗布し、手作業で埋め込んだ。 これらのタイルのうち1つを、両方の方向にわずかな度で低い力で裏返すことによって、調節可能性を数秒ごとにチェックした。 タイルを裏返すことによって接着力が失われるまで、水の損失に伴ってモルタル層のコンシステンシーは増加した。

    垂れ防止の挙動
    垂直にした基材にセラミックタイルを貼ることは、タイルセメントの所定の垂直で保持する性能(stand up performance)を必要とした。 6×6mmのこてで、水平に設置されたポリ塩化ビニル(PVC)プレートにモルタルを塗布し、10×10cmの石器質タイル(重量200g)を、2kgの重量を30秒かけることによって埋め込んだ。 このプレートを垂直に置き、10分後に垂れ下がりを測定した。

    凝結の挙動
    タイルセメントの凝結の挙動を、DIN EN196−3法に従って、ビカー針装置を用いて調査した。 新たに製造したモルタルをリングに充填し、針を落とし、可塑性が許容する限りモルタルに貫通させた。 モルタルの凝結および/または硬化の間、貫通が少なくなっていった。 試験の開始と終了は、所定のミリメートルの貫通に係る時間と分で定義された。

    RCLから製造されたメチルヒドロキシエチルセルロース(MHEC)、および、メチルヒドロキシプロピルセルロース(MHPC)を、上述のタイルセメント組成物で試験し、それらの性能を、コントロールサンプルとしての市販の高粘性MHECおよびMHPC(ハーキュリーズ製)の性能と比較した。 表3に結果を示す。

    得られたタイルセメントのコンシステンシーを、550,000(±50,000)mPaに調節した。 目的とするコンシステンシーを達成するために、RCL−CE系タイルセメントに対する水の要求量は、市販のメチルヒドロキシアルキルセルロースの要求量より高かった。 使用量を減少させても(0.30重量%の代わりに0.27重量%)、水分因子はそれでもなお高く、すなわちRCL系のサンプルは、より強力な増粘作用を有していた。

    少ない適用量でも、RCL−MHEC系のタイルセメントは、「典型的な」レベルと少ない添加レベルのいずれにおいても、コントロールMHECに比べて可使時間における改善を示した。 この作用は、このサンプルのより高い水の比率に起因するものと思われる。 それにもかかわらず、得られたモルタルの垂れ下り抵抗もわずかに改善された。

    RCL−MHPC、および、市販のMHPC65000の性能を同じ添加レベルで比較したところ、RCL−MHPCで、市販のMHPC65000を超える可使時間および補正時間に関する明確な利点が観察された。 RCL−MHPCの垂れ下り抵抗はわずかに減少したが、これは恐らく、それらの有意に高い水の要求量によると思われる。

    通常は、同じCE添加レベルを用いると、水分因子の増加により、セルロースエーテル濃度の希釈が起こり、その結果として補正時間がより短くなる。 同じ添加レベルでのRCL−MHEC系のタイルセメントの水の要求量が、MHEC75000を含むモルタル比べて高いにもかかわらず、補正時間は、それでもなお同等であった。

    RCL−MHPCを、MHPC65000に比べて10%少ない適用量で添加したにもかかわらず、得られたタイルセメントに関して類似の補正時間が観察された。

    試験条件(23℃、および、50%の相対空気湿度)、および、タイルセメント基本混合物の組成、ならびに実験誤差(±1〜2分間)を考慮すると、測定された全ての補正時間は優れていた。 この肯定的な結果は、調査されたサンプルの極めて高い粘度によるものであった。

    RCLから製造されたサンプルでの試験の実行いずれにおいても、モルタルに有意に改善された粘度が付与された。 驚くべきことに、これらの生成物は、刻み目のあるこてでの塗布によい影響を与える潤滑作用を示した。 RCL−CEサンプルは、構成する水の表面張力を減少させるため(実施例1を参照)、RCL−CEサンプルを添加することによって、最終的な建設材料のより簡単な混合の挙動が得られた。

    この結果より、RCL-MHECまたはRCL-MHPCの10%少ない添加レベルで、それらは、「典型的な」適用量で試験されたコントロールMHECまたはMHPCサンプルと同等の、または、 それより優れた性能を示したことが示された。

    実施例4
    全ての試験を、30.00重量%ポルトランドセメント(CEM I42,5R)、69.70重量%のケイ砂(直径0.1〜0.3mm)、および、0.30重量%のセルロースエーテルからなるタイルセメントで行った。 サンプルの水の要求量を、同等の(550,000±50,000mPaの)コンシステンシーが達成されるように調節した。

    モルタル粘度、可使時間および補正時間の測定
    モルタル粘度、可使時間および補正時間を、実施例3で説明されているようにして測定した。

    その他の一連の試験において、RCLから製造されたメチルヒドロキシエチルセルロース(MHEC)、および、メチルヒドロキシプロピルセルロース(MHPC)を、ポリアクリルアミド、および/または、ヒドロキシプロピルスターチ(スターチエーテル、STEと略記される)とブレンドした。

    用いられたポリアクリルアミド(PAA)は、8〜15,000,000g/モルの分子量、825±50g/dm の密度;および、15〜50重量%のアニオン電荷を有していた。

    ヒドロキシプロピルスターチ(STE)は、10〜35重量%のヒドロキシプロポキシル含量、350〜550g/dm のかさ密度、最大8重量%の含水量(充填されたものとして)、0.4mm篩で最大20重量%が残留する粒度(アルペンエアー(Alpine air)のシフター)、および、1500〜3000mPaの溶液粘度(10重量%、ブルックフィールドRVT、20rpm、20℃で)を有していた。

    これらの添加剤(PAAおよびSTE)を、上述のタイルセメント組成物で、同様にブレンドしたコントロールサンプルとして、修飾した高粘性のMHECおよびMHPCそれぞれと比べて試験した。 表4に結果を示す。

    目的とするコンシステンシーの550,000(±50,000)mPaを達成するために、修飾されたRCL−CE系タイルセメントに対する水の要求量は、市販の修飾したメチルヒドロキシアルキルセルロース系タイルセメント(コントロール)の要求量より高かった。 使用量を減少させても(0.30重量%の代わりに0.27重量%)、RCL−CEの水分因子はそれでもなお高く、すなわちRCL系のサンプルは、より強力な増粘作用を有していた。

    少ない適用量でも、修飾したRCL−CE系のタイルセメントは、「典型的な」レベルと少ない添加レベルのいずれにおいても、少なくともそれに対応するコントロールサンプルと同等の可使時間を示した。

    両方のRCL−CEの添加レベルは10%少なかったにもかかわらず、得られたモルタルの補正時間は、それでもなお「典型的な」適用量で用いられたそれに対応するコントロールサンプルを含むタイルセメントと同等であった。

    上述したように、修飾したRCL−CEを添加すると、モルタルに有意に改善された粘度または増粘効率が付与された。 それにもかかわらず、これらの生成物は、刻み目のあるこてを用いた塗布をプラスに改善する潤滑作用を示した。 RCL−CEは構成する水の表面張力を減少させるため(実施例1を参照)、修飾したRCL−CEを添加することによって、最終的な建設材料のより簡単な混合の挙動が得られた。

    この結果より、10%少ない添加レベルでも、修飾したRCL−MHECまたはMHPCは、「典型的な」適用量で試験されたそれに対応するコントロールサンプルと同等の、または、それより優れた性能を示すことが示された。

    実施例5
    全ての試験を、30.00重量%ポルトランドセメント(CEM I42,5R)、69.75重量%のケイ砂(直径0.1〜0.3mm)、および、0.25重量%のセルロースエーテルからなるタイルセメントで行った。

    全ての試験に関する水の要求量を、同等の(550,000±50,000mPaの)コンシステンシーが達成されるように調節した。

    モルタル粘度、可使時間および補正時間の測定
    モルタル粘度、可使時間および補正時間を、実施例3で説明されているようにして測定した。

    この一連の試験において、RCLから製造されたHECを、タイルセメントの塗布性能に関して、コントロールとしての精製リンターから製造されたHECと比較した。 表5に結果を示す。

    全ての試験において、0.19の水分因子を用いた。 同じ添加レベルで、RCL−HECを含むタイルセメントはより長い補正時間を示した、それに対して、その他全ての調査された特性は、コントロールサンプルと同等であった。 RCL−HECの適用量を10%減少させた場合、コントロールサンプルと比べて正確に同じ塗布性能が観察された。

    好ましい実施形態を参照して本発明を説明したが、当然ながら、特許請求された発明の本質と範囲を逸脱することなく、それらの形態および詳細における変化形および改変を作製することができる。 このような変化形および改変は、ここに添付された請求項の権利および範囲内であるとみなされる。

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