Method of manufacturing an aqueous dispersion of particles made of inorganic solids in the polymer and particulate

申请号 JP2001531898 申请日 2000-10-10 公开(公告)号 JP4488475B2 公开(公告)日 2010-06-23
申请人 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピアBasf Se; 发明人 スー ツィージャン; ヴィーゼ ハルム;
摘要
权利要求
  • エチレン性不飽和モノマーの混合物を水性媒体中に分散して分配し、かつ少なくとも1種の分散して分配された微粒子の無機固形物および少なくとも1種の分散剤の存在で、少なくとも1種のラジカル重合開始剤を用いてラジカル水性乳化重合法により重合する、ポリマーおよび微粒子の無機固形物からなる粒子(複合粒子)の水性分散液の製造方法において、
    a)少なくとも1種の無機固形物の安定な水性分散液を使用し、前記分散液は、少なくとも1種の固形物の水性分散液に対して1質量%以上の開始固形物濃度で、分散液の製造の1時間後になお分散した形で、最初の分散した固形物の90質量%より多くを含有し、分散した固形物粒子が100nm以下の質量平均直径を有する特性を有し、
    b)少なくとも1種の無機固形物の分散した固形物粒子は乳化重合の開始時の水性反応媒体のpH値に相当するpH値で標準塩化カリウム水溶液中でゼロでない電気泳動の移動性を示し、およびc)エチレン性不飽和モノマーの混合物が混合物の全量に対して0質量%より多く、4質量%以下の少なくとも1種のエチレン性不飽和モノマーAを含有し、前記モノマーは、少なくとも1種の無機固形物の分散した固形物粒子が前記条件下で正の兆候を有する電気泳動の移動性を有する場合は、少なくとも1個の酸基および/またはその相当するアニオンを有するか、または少なくとも1種の無機固形物の分散した固形物粒子が前記条件下で負の兆候を有する電気泳動の移動性を有する場合は、少なくとも1個のアミノ基、アミド基、ウレイド基またはN−複素環の基および/またはその窒素でプロトン化またはアルキル化されたアンモニウム誘導体を有することを特徴とする、ポリマーおよび微粒子の無機固形物からなる粒子(複合粒子)の水性分散液の製造方法。
  • 少なくとも1種の無機固形物が、二酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化スズ(IV)、酸化イットリウム(III)、酸化セリウム(IV)、ヒドロキシアルミニウム酸化物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、オルト燐酸カルシウム、オルト燐酸マグネシウム、メタ燐酸カルシウム、メタ燐酸マグネシウム、ピロ燐酸カルシウム、ピロ燐酸マグネシウム、酸化鉄(II)、酸化鉄(III)、酸化鉄(II/III)、二酸化チタン、ヒドロキシルアパタイト、酸化亜鉛および硫化亜鉛からなる群から選択される請求項1記載の方法。
  • 少なくとも1種の無機固形物が水中、20℃および1バール(絶対圧力)で水1リットル当たり1g以下の溶解度を有する請求項1または2記載の方法。
  • 少なくとも1種の分散剤が乳化剤である請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
  • 少なくとも1種のモノマーAが、カルボン酸基、スルホン酸基、硫酸基、燐酸基およびホスホン酸基からなる群から選択される少なくとも1種の酸基および/またはその相当するアニオンを有する請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
  • 少なくとも1種のモノマーAが、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、クロトン酸、4−スチレンスルホン酸、2−メタクリルオキシエチルスルホン酸、ビニルスルホン酸およびビニルホスホン酸からなる群から選択される請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。
  • 少なくとも1種のモノマーAが、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、2−ビニルイミダゾール、2−(N,N−ジメチルアミノ)エチルアクリレート、2−(N,N−ジメチルアミノ)エチルメタクリレート、2−(N,N−ジエチルアミノ)エチルアクリレート、2−(N,N−ジエチルアミノ)エチルメタクリレート、2−(N−t−ブチルアミノ)エチルメタクリレート、N−(3−N´,N´−ジメチルアミノプロピル)メタクリルアミド、2−(1−イミダゾリン−2−オンイル)エチルメタクリレート、2−(N,N,N−トリメチルアンモニウム)エチルアクリレートクロリド、2−(N,N,N−トリメチルアンモニウム)エチルメタクリレートクロリド、2−(N−ベンジル−N,N−ジメチルアンモニウム)エチルアクリレートクロリドおよび2−(N−ベンジル−N,N−ジメチルアンモニウム)エチルメタクリレートクロリドからなる群から選択される請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
  • 少なくとも1種のラジカル重合開始剤が2、2´−アゾビス(アミジノプロピル)二塩酸塩である請求項1から6までのいずれか1項記載の方法。
  • 少なくとも1種のラジカル重合開始剤がペルオキソ二硫酸ナトリウム、ペルオキソ二硫酸カリウム、ペルオキソ二硫酸アンモニウムからなる群から選択される請求項7記載の方法。
  • 請求項1から9までのいずれか1項記載の方法により得られる複合粒子の水性分散液。
  • 複合粒子中に含有される微粒子の固形物粒子の全量に対して微粒子の固形物粒子の50質量%以上がポリマーマトリックスの表面に結合している請求項10記載の水性分散液。
  • 接着剤としての、結合剤としての、保護被膜を製造するための、セメント製剤およびモルタル製剤を変性するためのまたは医学的診断での請求項10または11記載の複合粒子の水性分散液の使用。
  • 請求項10または11記載の複合粒子の水性分散液を乾燥することにより得られる複合粒子粉末。
  • 说明书全文

    【0001】
    本発明は、エチレン性不飽和モノマーの混合物を性媒体中に分散して分配し、かつ少なくとも1種の分散して分配された微粒子の無機固形物および少なくとも1種の分散剤の存在で、少なくとも1種のラジカル重合開始剤を用いてラジカル水性乳化重合法により重合する、ポリマーおよび微粒子の無機固形物からなる粒子(複合粒子)の水性分散液の製造方法に関する。 本発明は更に水性複合粒子分散液および複合粒子粉末の使用に関する。
    【0002】
    複合粒子の水性分散液は一般に知られている。 これは水性分散媒体中の分散相として複数のより合わせられたポリマー鎖からなるポリマーコイル、いわゆるポリマーマトリックス、および微粒子の無機固形物から形成される粒子を分散した分布の形で含有する液体の系である。 複合粒子の直径はしばしば50〜5000nmの範囲内にある。
    【0003】
    溶剤が蒸発した場合のポリマー溶液および水性分散媒体が蒸発した場合の水性ポリマー分散液と同様に、複合粒子の水性分散液は微粒子の無機固形物を含有する変性したポリマー被膜を形成する可能性を有し、この可能性により、例えば塗料または皮革、紙またはプラスチックフィルムを被覆する組成物用の変性された結合剤として特に有利である。 原則的に複合粒子の水性分散液から得られる複合粒子粉末は、更にプラスチックの添加剤として、トナー製剤の成分として、または電子写真適用の添加剤として有利である。
    【0004】
    複合粒子の水性分散液の製造は以下の技術水準にもとづく。
    【0005】
    水性乳化重合によりポリマーに包囲された無機粒子を製造する方法は、米国特許第3544500号に記載されている。 この方法において本来の水性乳化重合の前に無機粒子を水不溶性ポリマーで被覆する。 複雑な方法で処理した無機粒子を特別の安定剤を使用して水性媒体中に分散する。
    【0006】
    欧州特許第104498号はポリマーに包囲された固形物の製造方法に関する。 この方法の特徴は、最も低い表面電荷を有する微粒子の固形物が非イオン性保護コロイドにより水性重合媒体に分散し、添加されるエチレン性不飽和モノマーが非イオン性重合開始剤により重合することである。
    【0007】
    米国特許第4421660号は分散粒子がポリマーシェルにより完全に包囲された無機粒子を有する水性分散液の製造方法を開示する。 分散して分配される無機粒子の存在で疎水性エチレン性不飽和モノマーのラジカル開始水性乳化重合により水性分散液を製造する。
    【0008】
    非イオン性分散剤を使用して水性反応媒体中で安定化された無電荷無機固形物粒子の存在でエチレン性不飽和モノマーを重合する方法は米国特許第4608401号に記載されている。
    【0009】
    変性された二酸化珪素粒子の存在でのスチレンのラジカル開始水性乳化重合はフルサワ等、Journal of Colloid and Interface Science 109(1986)69〜76に記載されている。 190nmの平均直径を有する球状二酸化珪素粒子はヒドロキシプロピルセルロースを使用して変性する。
    【0010】
    Hergeth等(Polymer30(1989)254〜258参照)は凝結した微粒子の石英粉末の存在でのメチルメタクリレートまたは酢酸ビニルのラジカル開始水性乳化重合を記載する。 使用される凝結した石英粉末の粒径は1〜35μmである。
    【0011】
    英国特許第2227739号はカチオン電荷を有する分散した無機粉末の存在で超音波を使用してエチレン性不飽和モノマーを重合する特別の乳化重合法に関する。 分散した固形物粒子のカチオン電荷はカチオン剤で粒子を処理することにより製造し、アルミニウム塩が有利である。 しかしこの文献には粒径および固形物の水性分散液の安定性が詳細に記載されていない。
    【0012】
    欧州特許第505230号は表面変性された二酸化珪素粒子の存在でのエチレン性不飽和モノマーのラジカル水性乳化重合を記載する。 モノマーはシラノール基を有する特別のアクリル酸エステルを使用して官能化される。
    【0013】
    米国特許第4981882号は特別の乳化重合法による複合粒子の製造に関する。 この方法の基本的な特徴は、微粒子の無機粒子が塩基分散剤により水性媒体中に分散し、この無機粒子をエチレン性不飽和カルボン酸で処理し、乳化重合中の固形物の分散液を安定化するために少なくとも1種の両親媒性成分を添加することである。 微細に分散した無機粒子は有利には100〜700nmの粒度を有する。
    【0014】
    Haga等(Die Angewandte Makromolekulare Chemie 189(1991)23〜34参照)はモノマーの特性および濃度の影響、重合開始剤の特性および濃度の影響、および水性媒体に分散した二酸化チタン粒子でのポリマー形成へのpH値の影響を記載する。 ポリマー鎖および二酸化チタン粒子が反対の電荷を有する場合に二酸化チタン粒子の高い封入収率が得られる。 しかしこの文献は粒径および二酸化チタン分散液の安定性に関する情報が記載されていない。
    【0015】
    Tianjin Daxue Xuebao(天津大学学報)4(1991)10〜15頁、Long等は二酸化珪素またはアルミニウムの微粒子の存在でのメチルメタクリレートの分散剤不含の重合を記載する。 ポリマー鎖の末端基および無機粒子が反対の電荷を有する場合に無機粒子の高い封入収率が得られる。
    【0016】
    欧州特許第572128号は水性媒体中で、決められたpH値で、無機粒子を有機ポリ酸またはその塩で処理し、引き続き9より低いpH値でエチレン性不飽和モノマーのラジカル開始水性乳化重合を実施する、複合粒子の製造方法に関する。
    【0017】
    Bourgeat−Lami等( Angewandte Makromolekulare Chemie 242(1996)105〜122参照)は、官能化されたおよび官能化されていない二酸化珪素粒子の存在でエチルアクリレートのラジカル水性乳化重合により得られる反応生成物を記載する。 アニオン電荷の二酸化珪素粒子、乳化剤として非イオン性ノニルフェノールエトキシレートNP30およびアニオン性ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)およびラジカル重合開始剤としてペルオキソ二硫酸カリウムを使用して重合試験を一般に実施する。 著者は1個より多い二酸化珪素粒子を含有する凝結物としてまたは二酸化珪素表面に形成されるポリマークラスターとして生じる反応生成物を記載する。
    【0018】
    Paulke等(Synthesis Studies of Paramagnetic Polystyrene Latex Particles in Scientific and Clinical Applications of Magnetic Carriers 69〜76頁、Plenum Press New York 1997参照)は酸化鉄を有する水性ポリマー分散液を製造する3つの基本的な合成法を記載する。 固形物の水性分散液の安定性の不足のために、新たに沈殿した酸化鉄(II/III)水和物の使用がすべての合成法の避けられない前提条件である。 第1の合成法では、この新たに沈殿した酸化鉄(II/III)水和物の存在で、スチレンのラジカル開始水性乳化重合を、乳化剤としてSDSおよび重合開始剤としてペルオキソ二硫酸カリウムを使用して実施する。 著者による好ましい第2の合成法では、メタノール/水性媒体中で新たに沈殿した酸化鉄(II/III)水和物、乳化剤、N−セチル−N,N,N−トリメチルアンモニウムブロミド(CTAB)および特別の表面活性重合開始剤(PEGA600)の存在で、スチレンおよびメタクリル酸を重合する。 第3の合成法は酸化鉄を含有するポリマー分散液を製造するために、重合媒体としてエタノールおよびメトキシエタノール、乳化剤としてヒドロキシプロピルセルロース、重合開始剤としてベンゾイルペルオキシドおよび特別の酸化鉄(II/III)/スチレン混合物を使用する。
    【0019】
    特開平11−209622号はシリカ粒子コアおよびポリマーシェルを有するコア/シェル粒子の製造方法を記載する。 水性媒体中にコロイドの形で存在するシリカ粒子をカチオン性ビニルモノマーまたはカチオン性ラジカル開始剤で前処理し、引き続きエチレン性不飽和モノマーとラジカル開始水性乳化重合することによりコア/シェル粒子を製造する。
    【0020】
    Armes等(Advanced Materials 11(5)(1999)408〜410)は、分散した二酸化珪素粒子の存在で、特定のオレフィン性不飽和モノマーを使用して、pH10で、乳化剤不含のラジカル開始水性乳化重合により得られる二酸化珪素複合粒子の製造を記載する。 形成されるポリマーと使用される酸性二酸化珪素粒子との強い酸/塩基相互作用が二酸化珪素を含有するポリマー粒子を形成する前提条件として仮定されている。 二酸化珪素を含有するポリマー粒子はポリ−4−ビニルピリジンおよびスチレンまたはメチルメタクリレートと4−ビニルピリジンとのコポリマーを使用して得られる。 二酸化珪素を含有する複合粒子を形成することができるメチルメタクリレートまたはスチレンのモノマー混合物中の4−ビニルピリジンの最も低い可能な含量として4〜10モル%が記載されている。
    【0021】
    本願の優先日に公開されていなかったドイツ特許第19942777.1号は、分散した無機固形物粒子およびラジカル開始水性乳化重合に使用されるラジカル発生成分および/または分散成分が反対の電荷を有する、水性複合粒子分散液の製造方法を記載する。
    【0022】
    本発明の課題は、公知方法の欠点により妨害されないかまたは妨害が少なく、良好な性能特性の釣り合いのとれた特性を有する複合粒子を提供する、ラジカル開始水性乳化重合法により複合粒子の水性分散液を製造する改良された方法を提供することである。
    【0023】
    前記課題は、エチレン性不飽和モノマーの混合物を水性媒体中に分散して分配し、かつ少なくとも1種の分散して分配された微粒子の無機固形物および少なくとも1種の分散剤の存在で、少なくとも1種のラジカル重合開始剤を用いてラジカル水性乳化重合法により重合する、ポリマーおよび微粒子の無機固形物からなる複合粒子の水性分散液の製造方法により解決され、この方法は、
    a)少なくとも1種の無機固形物の安定な水性分散液を使用し、前記分散液は、少なくとも1種の固形物の水性分散液に対して1質量%以上の開始固形物濃度で、分散液の製造の1時間後になお分散した形で、最初の分散した固形物の90質量%より多くを含有し、分散した固形物粒子が100nm以下の質量平均直径を有する特性を有し、
    b)少なくとも1種の無機固形物の分散した固形物粒子は乳化重合の開始時の水性反応媒体のpH値に相当するpH値で標準塩化カリウム水溶液中で0でない電気泳動の移動性を示し、およびc)エチレン性不飽和モノマーの混合物が混合物の全量に対して0質量%より多く、4質量%以下の少なくとも1種のエチレン性不飽和モノマーAを含有し、前記モノマーは、少なくとも1種の無機固形物の分散した固形物粒子が前記条件下で正の兆候を有する電気泳動の移動性を有する場合は、少なくとも1個の酸基および/またはその相当するアニオンを有するか、または少なくとも1種の無機固形物の分散した固形物粒子が前記条件下で負の兆候を有する電気泳動の移動性を有する場合は、少なくとも1個のアミノ基、アミド基、ウレイド基またはN−複素環の基および/またはその窒素でプロトン化またはアルキル化されたアンモニウム誘導体を有することを特徴とする。
    【0024】
    本発明の方法に関して、少なくとも1種の固形物の水性分散液に対して1質量%以上の開始固形物濃度で、分散液の製造の1時間後になお最初の分散した固形物の90質量%より多くを分散した形で含有し、分散した固形物粒子が100nm以下の質量平均直径を有し、更に乳化重合の開始時の水性反応媒体のpH値に相当するpH値で、0と異なる電気泳動の移動性を示す、安定な水性分散液を形成するすべての微粒子の無機固形物が適している。
    【0025】
    開始固形物濃度および1時間後の固形物濃度の定量的測定および質量平均粒子直径の測定は、例えば分析的遠心分離の方法により行うことができる(これに関しては、Harding等、Analytical Ultracentrifugation in Biochemistry and Polymer Science、Royal Society of Chemistry、Cambridge 英国 1992、第10章、Analysis of Polymer Dispersions with an Eight−Cell−AUC−Multiplexer:High Resolution Particle Size Distribution and Density Gradient Techniques、W.Maechtle、147〜175頁を参照)。
    【0026】
    本発明により使用可能な微粒子の無機固形物として、金属、金属化合物、例えば金属酸化物および金属塩、半金属化合物および非金属化合物が適している。 微粒子の金属粉末として、貴金属コロイド、例えばパラジウム、銀、ルテニウム、白金、金、ロジウムおよびこれらを含有する合金を使用することができる。 微粒子の金属酸化物として、例えば二酸化チタン(例えばHombitec(登録商標) Sachtleben Chemie社として市販されている)、酸化ジルコニウム(IV)、酸化錫(II)、酸化錫(IV)(例えばNyacol(登録商標)SN Akzo−Nobel社として市販されている)、酸化アルミニウム(例えばNyacol(登録商標)AL Akzo−Nobel社として市販されている)、酸化バリウム、酸化マグネシウム、種々の酸化鉄、例えば酸化鉄(II)(ウエスタイト)、酸化鉄(III)(ヘーマタイト)、酸化鉄(II/III)(マグネタイト)、酸化クロム(III)、酸化アンチモン(III)、酸化ビスマス(III)、酸化亜鉛(例えばSachtotec(登録商標)Sachtleben Chemie社として市販されている)、酸化ニッケル(II)、酸化ニッケル(III)、酸化コバルト(II)、酸化コバルト(III)、酸化銅(II)、酸化イットリウム(III)(例えばNyacol(登録商標)YTTRIA Akzo−Nobel社として市販されている)、酸化セリウム(IV)(例えばNyacol(登録商標)CEO2 Akzo−Nobel社として市販されている)が、非晶質および/またはその異なる結晶変態の形で示され、およびこれらのヒドロキシ酸化物、例えばヒドロキシチタン(IV)酸化物、ヒドロキシジルコニウム(IV)酸化物、ヒドロキシアルミニウム酸化物(例えばDisperal(登録商標) Condea Chemie社として市販されている)およびヒドロキシ鉄(III)酸化物が非晶質および/またはその異なる結晶変態の形で示される。 以下の非晶質および/またはその異なる結晶構造で存在する金属塩が、本発明の方法に原則的に使用することができる。 硫化物、例えば硫化鉄(II)、硫化鉄(III)、二硫化鉄(II)(パイライト)、硫化錫(II)、硫化錫(IV)、硫化水銀(II)、硫化カドミウム(II)、硫化亜鉛、硫化銅(II)、硫化銀、硫化ニッケル(II)、硫化コバルト(II)、硫化コバルト(III)、硫化マンガン(II)、硫化クロム(III)、硫化チタン(II)、硫化チタン(III)、硫化チタン(IV)、硫化ジルコン(IV)、硫化アンチモン(III)、硫化ビスマス(III)、水酸化物、例えば水酸化錫(II)、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化亜鉛、水酸化鉄(II)、水酸化鉄(III)、硫酸塩、例えば硫酸カルシウム、硫酸ストロンチウム、硫酸バリウム、硫酸鉛(IV)、炭酸塩、例えば炭酸リチウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸亜鉛、炭酸ジルコニウム(IV)、炭酸鉄(II)、炭酸鉄(III)、オルト燐酸塩、例えばオルト燐酸リチウム、オルト燐酸カルシウム、オルト燐酸亜鉛、オルト燐酸マグネシウム、オルト燐酸アルミニウム、オルト燐酸錫(III)、オルト燐酸鉄(II)、オルト燐酸鉄(III)、メタ燐酸塩、例えばメタ燐酸リチウム、メタ燐酸カルシウム、メタ燐酸アルミニウム、ピロ燐酸塩、例えばピロ燐酸マグネシウム、ピロ燐酸カルシウム、ピロ燐酸亜鉛、ピロ燐酸鉄(III)、ピロ燐酸錫(II)、燐酸アンモニウム、例えば燐酸マグネシウムアンモニウム、燐酸亜鉛アンモニウム、ヒドロキシルアパタイト[Ca {(PO OH}]、オルト珪酸塩、例えばオルト珪酸リチウム、オルト珪酸カルシウム/オルト珪酸マグネシウム、オルト珪酸アルミニウム、オルト珪酸鉄(II)、オルト珪酸鉄(III)、オルト珪酸マグネシウム、オルト珪酸亜鉛、オルト珪酸ジルコニウム(III)、オルト珪酸ジルコニウム(IV)、メタ珪酸塩、例えばメタ珪酸リチウム、メタ珪酸カルシウム/メタ珪酸マグネシウム、メタ珪酸カルシウム、メタ珪酸マグネシウム、メタ珪酸亜鉛、層状珪酸塩、例えば珪酸ナトリウムアルミニウム、珪酸ナトリウムマグネシウム、特に自発性の薄層の形で、例えばOptigel(登録商標)SH(Suedchemie社)、Saponit(登録商標)SKS−20、Hektorit(登録商標)SKS−21(Hoechst社)、Laponit(登録商標)RD、Laponit(登録商標)GS(Laporte Industries社)、アルミン酸塩、例えばアルミン酸リチウム、アルミン酸カルシウム、アルミン酸亜鉛、ホウ酸塩、例えばメタホウ酸マグネシウム、オルトホウ酸マグネシウム、シュウ酸塩、例えばシュウ酸カルシウム、シュウ酸ジルコニウム(IV)、シュウ酸マグネシウム、シュウ酸亜鉛、シュウ酸アルミニウム、酒石酸塩、例えば酒石酸カルシウム、アセチルアセトン酸塩、例えばアセチルアセトン酸アルミニウム、アセチルアセトン酸鉄(III)、サリチル酸塩、例えばサリチル酸アルミニウム、クエン酸塩、例えばクエン酸カルシウム、クエン酸鉄(II)、クエン酸亜鉛、パルミチン酸塩、例えばパルミチン酸アルミニウム、パルミチン酸カルシウム、パルミチン酸マグネシウム、ステアリン酸塩、例えばステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、ラウリン酸、例えばラウリン酸カルシウム、リノール酸塩、例えばリノール酸カルシウム、オレイン酸塩、例えばオレイン酸カルシウム、オレイン酸鉄(II)およびオレイン酸亜鉛である。
    【0027】
    本発明により使用することができる基本的な半金属化合物として、非晶質および/または異なる結晶構造で存在する二酸化珪素が挙げられる。 本発明による適当な二酸化珪素は市販されており、例えばAerosil(登録商標)Degussa社、Levasil(登録商標)Bayer社、Ludox(登録商標)Du Pont社、Nyacol(登録商標)、Bindzil(登録商標)Akzo−Nobel社、Snowtex(登録商標)Nisan Chemical Industries社を引用することができる。 本発明により適当な非金属化合物は、例えばコロイドで存在するグラファイトまたはダイアモンドである。
    【0028】
    少なくとも1種の微粒子の無機固形物として、更に表面がポリマー化合物または無機材料で変性された、前記のすべての化合物を使用することができる。
    【0029】
    微粒子の無機固形物として、特に20℃および1バール(絶対圧)で水中の溶解度が1g/l以下、有利には0.1g/l以下、特に0.01g/l以下である固形物が適している。 二酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化錫(IV)、酸化イットリウム(III)、酸化セリウム(IV)、ヒドロキシアルミニウム酸化物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、オルト燐酸カルシウム、オルト燐酸マグネシウム、メタ燐酸カルシウム、メタ燐酸マグネシウム、ピロ燐酸カルシウム、ピロ燐酸マグネシウム、酸化鉄(II)、酸化鉄(III)、酸化鉄(II/III)、二酸化チタン、ヒドロキシルアパタイト、酸化亜鉛、および硫化亜鉛からなる群から選択される化合物が特に有利である。 二酸化珪素、酸化アルミニウム、ヒドロキシアルミニウム酸化物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、オルト燐酸カルシウム、ヒドロキシルアパタイトおよび二酸化チタンが特に有利である。
    【0030】
    有利には市販の化合物、Aerosil(登録商標)、Levasil(登録商標)、Ludox(登録商標)、Nyacol(登録商標)、Bindzil(登録商標)(二酸化珪素)、Disperal(登録商標)(ヒドロキシアルミニウム酸化物)、Nyacol(登録商標)AL(酸化アルミニウム)、Hombitec(登録商標)(二酸化チタン)、Nyacol(登録商標)SN(酸化錫(IV))、Nyacol(登録商標)YTTRIA(酸化イットリウム(III))、Nyacol(登録商標)CEO2(酸化セリウム(IV))およびSachtotec(登録商標)(酸化亜鉛)を本発明の方法に使用することができる。
    【0031】
    本発明の方法に使用することができる微粒子の無機固形物は、水性反応媒体中で分散した固形物粒子が100nm以下の質量平均粒子直径を有する性質を備えている。 分散した粒子が0nmより大きく、90nm以下、80nm以下、70nm以下、60nm以下、50nm以下、40nm以下、30nm以下、20nm以下、10nm以下およびこの間のすべての値の質量平均粒子直径を有する微粒子の無機固形物を使用することが成果がある。 質量平均粒子直径の測定は、例えば分析的遠心分離法により行うことができる(これに関しては、Harding等、Analytical Ultracentrifugation in Biochemistry and Polymer Science、Royal Society of Chemistry、Cambridge 英国 1992、第10章、Analysis of Polymer Dispersions with an Eight−Cell−AUC−Multiplexer:High Resolution Particle Size Distribution and Density Gradient Techniques、W.Maechtle、147〜175頁を参照)。
    【0032】
    微粒子の固形物の入手法は当業者に原則的に知られており、例えば沈殿反応または気相中の化学反応により行う(これに関しては、E.Matijevic Chem.Mater.1993,5,412〜426頁、Ullmanns Encyclopedia of Industrial Chemistry A23巻、583〜660、Verlag Chemie、Weinheim、1992,D.F.Evans、H.Wennerstroem、The Colloidal Domain、363〜405、Verlag Chemie、Weinheim、1994,R.J.Hunter Foumdations of Colloid Science、I巻、10〜17頁、Clarendon Press Oxford 1991を参照)。
    【0033】
    安定な分散液の製造は、微粒子の無機固形物を水性媒体に分散することにより行う。 微粒子の無機固形物の製造に依存して、これは、直接、例えば沈殿したまたは熱分解性の二酸化珪素、酸化アルミニウム等で、または適当な助剤、例えば分散剤の添加により達成される。
    【0034】
    本発明により、本発明の方法の範囲で、微粒子の無機固形物粒子、モノマー滴および形成される複合粒子が水相に分散して分配されて維持され、これにより得られた水性複合粒子分散液の安定性が保証される分散剤を併用する。 分散剤としてラジカル水性乳化重合を実施するために通常使用される保護コロイドおよび乳化剤が該当する。
    【0035】
    適当な保護コロイドは、例えばポリビニルアルコール、ポリアルキレングリコール、ポリアクリル酸およびポリメタクリル酸のアルカリ金属塩、セルロース誘導体、澱粉誘導体、ゼラチン誘導体、またはアクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸および/または4−スチレンスルホン酸を含有するコポリマーおよびそのアルカリ金属塩、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルカルバゾール、1−ビニルイミダゾール、2−ビニルイミダゾール、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、アクリルアミド、メタクリルアミド、アミン基を有するアクリレート、メタクリレート、アクリルアミドおよび/またはメタクリルアミドを含有するホモポリマーおよびコポリマーである。 更に適当な保護コロイドの具体的な説明は、Houben−Weyl、Methoden der organischen Chemie、XIV/1巻、Makromolekulare Stoff、Georg−Thieme−Verlag、Stuttgart、1961、411〜420頁に記載される。
    【0036】
    分散した無機固形物粒子が負の兆候を有する電気泳動の移動性を有する場合は、本発明により、中性保護コロイド、例えばポリビニルアルコール、ポリアルキレングリコール、セルロース誘導体、澱粉誘導体、ゼラチン誘導体、およびアニオン性コロイド、すなわち分散作用成分が少なくとも1個の負の電荷を有する保護コロイド、例えばポリアクリル酸およびポリメタクリル酸のアルカリ金属塩、アクリル酸、メタクリル酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、4−スチレンスルホン酸および/または無水マレイン酸を含有するコポリマー、およびそのアルカリ金属塩、高分子化合物、例えばポリスチレンのスルホン酸のアルカリ金属塩が適している。 これに対して分散した無機固形物粒子が正の兆候を有する電気泳動の移動性を有する場合は、本発明により同様に中性の保護コロイド、例えばすでに記載されたポリビニルアルコール、ポリアルキレングリコール、セルロース誘導体、澱粉誘導体、ゼラチン誘導体、およびカチオン性保護コロイド、すなわち分散作用成分が少なくとも1個の正の電荷を有する保護コロイド、例えばN−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルカルバゾール、1−ビニルイミダゾール、2−ビニルイミダゾール、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、アクリルアミド、メタクリルアミド、アミノ官能性アクリレート、メタクリレート、アクリルアミドおよび/またはメタクリルアミドの窒素でプロトン化されたおよび/またはアルキル化された誘導体を含有するホモポリマーおよびコポリマーが適している。 負の兆候を有する電気泳動の移動性を有する分散した固形物粒子の場合は、原則的に妨害しない中性およびアニオン性保護コロイドの混合物を使用することもできる。 相当して正の兆候を有する電気泳動の移動性を有する固形物粒子の場合は、原則的に妨害しない中性およびカチオン性保護コロイドの混合物を使用することもできる。
    【0037】
    もちろん乳化剤および/または保護コロイドの混合物を使用することもできる。 しばしば分散剤として、相対分子量が保護コロイドと異なり一般に1500未満である乳化剤だけを使用する。 乳化剤はアニオン性、カチオン性または非イオン性の特性であってもよい。 もちろん界面活性剤の混合物を使用する場合は個々の成分は互いに相溶性でなければならず、これは必要な場合は若干の予備試験により調べることができる。 一般にアニオン性乳化剤は互いに相溶性であり、非イオン性乳化剤と相溶性である。 同じことはカチオン性乳化剤に該当するが、アニオン性乳化剤およびカチオン性乳化剤は多くの場合に互いに相溶性でない。 適当な乳化剤の概要は、Houben−Weyl Methoden der organischen Chemie、XIV/1巻、Makromolekulare Stoffe Georg−Thieme−Verlag、Stuttgart、1961、192〜208に記載される。
    【0038】
    使用できる非イオン性の乳化剤は、例えばエトキシル化モノ−、ジ−およびトリ−アルキルフェノール(EO(エトキシル化)度3〜50、アルキル基:C 〜C 12 )およびエトキシル化脂肪アルコール(EO(エトキシル化)度3〜80、アルキル基:C 〜C 36 )である。 例えばこのためにLutensol(登録商標)A(C 12 〜C 14 −脂肪アルコールエトキシレート、EO度:3〜8)、Lutensol(登録商標)AO(C 13 〜C 15 −オキソアルコールエトキシレート、EO度:3〜30)、Lutensol(登録商標)AT(C 16 〜C 18 −脂肪アルコールエトキシレート、EO度:11〜80)、Lutensol(登録商標)ON(C 10 −オキソアルコールエトキシレート、EO度:3〜11)、Lutensol(登録商標)TO(C 13 −オキソアルコールエトキシレート、EO度:3〜20)(BASF社)である。
    【0039】
    通常のアニオン性乳化剤は、例えばアルキル硫酸塩(アルキル基:C 〜C 12 )のアルカリ金属塩およびアンモニウム塩、エトキシル化アルカノール(EO度:4〜30、アルキル基:C 12 〜C 18 )の硫酸半エステルのアルカリ金属塩およびアンモニウム塩、エトキシル化アルキルフェノール(EO度:3〜50、アルキル基:C 〜C 12 )の硫酸半エステルのアルカリ金属塩およびアンモニウム塩、アルキルスルホン酸(アルキル基:C 12 〜C 18 )およびアルキルアリールスルホン酸(アルキル基:C 〜C 18 )のアルカリ金属塩およびアンモニウム塩である。
    【0040】
    他のアニオン性乳化剤として、更に一般式I:
    【0041】
    【化1】

    【0042】


    [式中、R

    およびR

    は水素原子またはC

    〜C

    24 −アルキルを表し、同時に水素原子であることはなく、AおよびBはアルカリ金属イオンおよび/またはアンモニウムイオンであってもよい]の化合物が示される。 一般式Iにおいて、R

    およびR

    は有利には6〜18個、特に6個、12個および16個の炭素原子を有する直鎖または分枝状のアルキル基または水素原子を表し、R

    およびR

    の両方が同時に水素原子であることはない。 AおよびBは有利にはナトリウム、カリウムまたはアンモニウムであり、その際ナトリウムが特に有利である。 AおよびBがナトリウムであり、R

    が炭素原子12個を有する分枝状アルキル基であり、R

    が水素原子であるかまたはR

    である、化合物Iが特に有利である。 しばしばモノアルキル化生成物50〜90質量%の割合を有する工業的化合物、例えばDowfax(登録商標)2A1(Dow Chemical社)が使用される。 化合物Iは、例えば米国特許第4269749号から一般に知られており、市販されている。


    【0043】


    適当なカチオン活性乳化剤は一般にC

    〜C

    18 −アルキル基またはC

    〜C

    18 −アラルキル基または複素環の基を有する、第一級、第二級、第三級または第四級アンモニウム塩、アルカノールアンモニウム塩、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩、オキサゾリニウム塩、モルホリニウム塩、チアゾリニウム塩およびアミン酸化物の塩、キノリニウム塩、イソキノリニウム塩、トロピリウム塩、スルホニウム塩およびホスホニウム塩である。 ドデシル酢酸アンモニウムまたは相当する塩酸塩、種々の2−(N,N,N−トリメチルアンモニウム)エチルパラフィン酸エステルの塩化物または酢酸塩、N−セチルピリジニウムクロリド、N−ラウリルピリジニウムスルフェート、N−セチル−N,N,N−トリメチルアンモニウムブロミド、N−ドデシル−N,N,N−トリメチルアンモニウムブロミド、N−オクチル−N,N,N−トリメチルアンモニウムブロミド、N,N−ジステアリル−N,N−ジメチルアンモニウムクロリド、双性界面活性剤、N,N−(ラウリルジメチル)エチレンジアミンジブロミドである。 他の多くの例は、H.Stache、Tensid−Taschenbuch、Carl−Hanser−Verlag、Muenchen、Wien、1981およびMc Cutcheons Emulsifiers and Detergents、MC Publishing Company Glen Rock 1989に記載される。


    【0044】


    非イオン性乳化剤は正または負の兆候を有する電気泳動の移動性を有する分散した固形物粒子で使用することができるので、本発明に特に適している。 更に正の兆候を有する電気泳動の移動性を有する分散した固形物粒子の場合は、カチオン性乳化剤または妨害しない非イオン性およびカチオン性乳化剤の混合物を使用することができる。 相当して負の兆候を有する電気泳動の移動性を有する分散した固形物粒子に関してアニオン性乳化剤または妨害しない非イオン性およびアニオン性乳化剤の混合物が適している。


    【0045】


    それぞれ少なくとも1種の微粒子の無機固形物の全量および重合に使用されるエチレン不飽和モノマーの混合物に対して、一般に0.05〜20質量%、しばしば0.1〜5質量%、頻繁には0.2〜3質量%の分散剤の量を使用する。 この方法に使用される少なくとも1種の分散剤の全部を開始装入物として固形物の水性分散液に導入することができる。 選択的方法は、所望の場合は少なくとも1種の分散剤の一部のみを開始装入物として、固形物の水性分散液に導入し、少なくとも1種の分散剤の全量または適当な場合は残りの量を、連続的にまたは不連続的にラジカル乳化重合の間に添加することである。


    【0046】


    しかし本発明により、適当な微粒子の無機固形物は、水性分散液が微粒子の無機固形物の水性分散液に対して開始固形物濃度1質量%以上で、分散液の製造の1時間後になお最初の分散した固形物の90質量%より多くを分散した形で含有し、分散した固形物粒子が質量平均直径100ッm以下を有する固形物のみである。 60質量%以下の開始固形物濃度が一般的である。 しかし有利にはそれぞれ微粒子の無機固形物の水性分散液に対して、55質量%以下、50質量%以下、45質量%以下、40質量%以下、35質量%以下、30質量%以下、25質量%以下、20質量%以下、15質量%以下、10質量%以下、および2質量%以上、3質量%以上、4質量%以上または5質量%以上およびこの間のすべての値の開始固形物濃度を使用することが可能である。


    【0047】


    本発明の基本的な特徴は、分散した固形物粒子が乳化重合の開始時に水性反応媒体のpH値に相当するpH値で標準的塩化カリウム水溶液中でゼロでない電気泳動の移動性を示すことである。 本発明では、乳化重合の開始時の水性反応媒体は、少なくとも1種のラジカル重合開始剤を添加する直前に存在する水性反応媒体であると理解される。 pH値は20℃、1バール(絶対圧力)で通常の市販されているpH測定装置を使用して測定する。 従って実施される方法に依存して、少なくとも1種の微粒子の無機固形物のみを含有するか、または更に少なくとも1種の分散剤および/または更に乳化重合に使用されるモノマーおよび場合による他の助剤を含有する水性分散液でpH値を測定する。


    【0048】


    電気泳動の移動性を測定する方法は当業者に周知である(例えばR.J.Hunter Introduction to Modern Colloid Science 8.4部、241〜248頁、Oxford University Press Oxford 1993,およびK.オカおよびK.フルサワ、Electrical Phenomena at Interfaces Surfactant Science Series、76巻、第8章、151〜232頁、Marcel Dekker New York 1998参照)。 水性反応媒体に分散した固形物粒子の電気泳動の移動性は通常の電気泳動装置、例えばゼータサイザー(Zetasizer)3000 Malvern Instruments社を使用して、20℃、1バール(絶対圧力)で測定する。 この目的のために、固形物粒子の水性分散液を、pH中性の10ミリモル(mM)の塩化カリウム水溶液(標準的塩化カリウム溶液)を使用して固形物粒子の濃度が約50〜100mg/lになるまで希釈する。 乳化重合の開始時に水性反応媒体により保持されるpH値への試料の調整は通常の無機酸、例えば希釈した塩酸または硝酸または塩基、例えば希釈した水酸化ナトリウム溶液または水酸化カリウム溶液を使用して実施する。 分散した固形物粒子の電界の移動を、電気泳動光走査計として知られている装置(例えばB.R.WareおよびW.H.Flygare Chem.Phys.Lett.12(1971)81〜85)を使用して検出する。 この方法において電気泳動の移動性の兆候は分散した固形物粒子の移動の方向により決定される。 言い換えると分散した固形物粒子がカソードに移動する場合は、その電気泳動の移動性は正であり、反対にアノードに移動する場合は負である。


    【0049】


    例えば技術水準に記載されるように、表面変性した固形物粒子を使用する場合は、これらの表面変性した粒子を使用して電気泳動の移動性を測定する。 他方で微粒子の無機固形物が分散剤を用いてのみ分散できる場合は、電気泳動の移動性は、本発明の方法にカチオン性またはアニオン性分散剤が実際に使用されるどうかに関係なく、適当な非イオン性分散剤を使用して測定しなければならない。 これはイオン性分散剤が分散した固形物粒子に吸着し、電気泳動の移動性を変更または変換することがあるので必要である。


    【0050】


    分散した固形物粒子の電気泳動の移動性を所定の範囲で移動するかまたは調節する適当なパラメーターは水性反応媒体のpH値である。 分散した固形物粒子のプロトン化および脱プロトン化はそれぞれ電気泳動の移動性を正の方向に酸性のPh範囲(<7)におよび負の方向にアルカリ性範囲(pH>7)に変動する。 本発明の方法に適当なpH範囲はラジカル開始水性乳化重合を実施できる範囲である。 このpH範囲は一般に1〜12、しばしば1.5〜11、頻繁に2〜10である。


    【0051】


    水性反応媒体のpH値は市販の酸、例えば希釈した塩酸、または塩基、例えば希釈した水酸化ナトリウム溶液を使用して調整することができる。 pH調節に使用される酸または塩基の一部の量または全部の量を、少なくとも1種の微粒子の無機固形物の前に水性反応媒体に添加する場合がしばしば好ましい。


    【0052】


    エチレン性不飽和モノマーのラジカル開始水性乳化重合の実施は多くの場合に技術水準に記載され、従って当業者に十分に知られている[例えばEncyclopedia of Polymer Science and Engineering、第8巻、659〜677頁、John Wiley and Sons Inc.1987、D. C. Blackley Emulsion Polymerisation 155〜465頁、Applied Science Publishers Ltd.Essex、1975、D. C. Blackley Polymer Latices、第2版 第1巻、33〜415頁、Chapman and Hall 1997、H.Warson The Applications of Synthetic Resin Emulsions 49〜244頁、Ernest Benn、Ltd、London、1972、D.Diederich、Chemie in Unserer Zeit24(1990)135〜142頁、Verlag Chemie、Weinheim、J. Piirma、Emulsion Polymerisation 1〜287頁、Academic Press 1982、F.Hoelscher Dispersionen Synthetischer Hochpolymerer、1〜160頁、Springer Verlag Berlin、1969,およびドイツ特許第4003422号参照]。 一般にエチレン性不飽和モノマーを、しばしば分散剤を使用して、水性媒体に分散して分配し、少なくとも1種のラジカル重合開始剤を使用してモノマーを重合することにより行う。 本発明の方法は、ゼロでない電気泳動の移動性を有する少なくとも1種の微粒子の無機固形物および少なくとも1種のモノマーAの付加的な存在でのみこの方法と異なる。


    【0053】


    本発明の方法にエチレン性不飽和モノマーとして適当なモノマーは、特に容易にラジカル重合できる非イオン性モノマー、例えばエチレン、ビニル芳香族モノマー、例えばスチレン、α−メチルスチレン、o−クロロスチレン、またはビニルトルエン、ビニルアルコールとC

    〜C

    18 −モノカルボン酸のエステル、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、n−酪酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、有利にはC

    〜C

    −α、β−モノエチレン性不飽和モノカルボン酸およびジカルボン酸、特にアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸およびイタコン酸と、一般にC

    〜C

    12 、有利にはC

    〜C

    、特にC

    〜C

    −アルカノールのエステル、特にメチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、n−ブチルアクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルアクリレート、イソブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ジメチルマレエート、ジ−n−ブチルマレエート、α、β−モノエチレン性不飽和カルボン酸のニトリル、例えばアクリロニトリル、およびC

    〜C

    −共役ジエン、例えば1、3−ブタジエンおよびイソプレンを含む。 これらのモノマーは一般に本発明の方法により重合されるモノマーの全部の量に対して一般に86質量%より多い割合を有する主要モノマーを形成する。 一般にこれらのモノマーは標準条件下(20℃、1バール(絶対圧力))で水中の適度から少ないまでの溶解度のみを有する。


    【0054】


    ポリマーマトリックスのフィルムの内部強度を一般に増加するモノマーは、一般に少なくとも1個のエポキシ基、ヒドロキシル基、N−メチロール基またはカルボニル基または少なくとも2個の非共役エチレン性不飽和二重結合を有する。 例は2個のビニル基を有するモノマー、2個のビニリデン基を有するモノマー、および2個のアルケニル基を有するモノマーである。 このために二価のアルコールとα、β−モノエチレン性不飽和モノカルボン酸のジエステルが特に有利であり、このカルボン酸のうちアクリル酸およびメタクリル酸が有利である。 2個の非共役エチレン性不飽和二重結合を有するこの種類のモノマーの例は、アルキレングリコールジアクリレートおよびアルキレングリコールジメタクリレート、例えばエチレングリコールジアクリレート、1,2−プロピレングリコールジアクリレート、1,3−プロピレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,4−ブチレングリコールジアクリレート、およびエチレングリコールジメタクリレート、1,2−プロピレングリコールジメタクリレート、1,3−プロピレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,4−ブチレングリコールジメタクリレート、およびジビニルベンゼン、ビニルメタクリレート、ビニルアクリレート、アリルメタクリレート、アリルアクリレート、ジアリルマレエート、ジアリルフマレート、メチレンビスアクリルアミド、シクロペンタジエニルアクリレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレートである。 メタクリル酸およびアクリル酸のC

    〜C

    −ヒドロキシアルキルエステル、例えばn−ヒドロキシエチルアクリレートおよびメタクリレート、n−ヒドロキシプロピルアクリレートおよびメタクリレート、またはn−ヒドロキシブチルアクリレートおよびメタクリレートおよびジアセトンアクリルアミドおよびアセチルアセトキシエチルアクリレートおよびメタクリレートのような化合物がこのために特に重要である。 本発明により前記モノマーは重合されるモノマーの全量に対して10質量%までの量でしばしば共重合される。


    【0055】


    本発明により使用されるモノマーAは、少なくとも1種の酸基および/またはその相当するアニオンまたは少なくとも1種のアミノ基、アミド基、ウレイド基またはN−複素環の基および/または窒素原子でアルキル化またはプロトン化されたそのアンモニウム誘導体をそれぞれ含有するエチレン性不飽和モノマーである。


    【0056】


    少なくとも1種の無機固形物の分散した固形物粒子が正の兆候を有する電気泳動の移動性を有する場合は、使用されるモノマーAは、カルボン酸基、スルホン酸基、硫酸基、燐酸基およびホスホン酸基からなる群から選択される少なくとも1種の酸基を有するエチレン性不飽和モノマーを含有する。 この例は、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、クロトン酸、4−スチレンスルホン酸、2−メタクリルオキシエチルスルホン酸、ビニルスルホン酸、ビニルホスホン酸、n−ヒドロキシアルキルアクリレートおよびn−ヒドロキシアルキルメタクリレートの燐酸モノエステル、例えば2−ヒドロキシエチルアクリレート、3−ヒドロキシプロピルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレートおよび2−ヒドロキシエチルメタクリレート、3−ヒドロキシプロピルメタクリレートまたは4−ヒドロキシブチルメタクリレートの燐酸モノエステルである。 しかし本発明により、少なくとも1個の酸基を有する前記のエチレン性不飽和モノマーのアンモニウム塩およびアルカリ金属塩を使用することも可能である。 特に有利なアルカリ金属はナトリウムおよびカリウムである。 この例は、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、クロトン酸、4−スチレンスルホン酸、2−メタクリルオキシエチルスルホン酸、ビニルスルホン酸、およびビニルホスホン酸のアンモニウム塩、ナトリウム塩およびカリウム塩、および2−ヒドロキシエチルアクリレート、3−ヒドロキシプロピルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレートおよび2−ヒドロキシエチルメタクリレート、3−ヒドロキシプロピルメタクリレートまたは4−ヒドロキシブチルメタクリレートの燐酸モノエステルのモノ−およびジアンモニウム塩、モノ−およびジナトリウム塩、およびモノ−およびジカリウム塩である。 モノマーAとして、エチレン性不飽和酸の無水物、例えば無水マレイン酸、および少なくとも1個のCH酸性官能基を有するエチレン性不飽和モノマー、例えば2−(アセチルアセトキシ)エチルメタクリレートを使用することも可能である。


    【0057】


    有利にはアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、クロトン酸、4−スチレンスルホン酸、2−メタクリルオキシエチルスルホン酸、ビニルスルホン酸およびビニルホスホン酸を使用する。


    【0058】


    しかし少なくとも1種の無機固形物の分散した無機固形物粒子が負の兆候を有する電気泳動の移動性を有する場合は、使用されるモノマーAは少なくとも1個のアミノ基、アミド基、ウレイド基またはN−複素環の基および/または窒素原子でアルキル化またはプロトン化されたそのアンモニウム誘導体を含有するエチレン性不飽和モノマーである。


    【0059】


    少なくとも1個のアミノ基を有するモノマーAの例は、2−アミノエチルアクリレート、2−アミノエチルメタクリレート、3−アミノプロピルアクリレート、3−アミノプロピルメタクリレート、4−アミノ−n−ブチルアクリレート、4−アミノ−n−ブチルメタクリレート、2−(N−メチルアミノ)エチルアクリレート、2−(N−メチルアミノ)エチルメタクリレート、2−(N−エチルアミノ)エチルアクリレート、2−(N−エチルアミノ)エチルメタクリレート、2−(N−n−プロピルアミノ)エチルアクリレート、2−(N−n−プロピルアミノ)エチルメタクリレート、2−(N−イソプロピルアミノ)エチルアクリレート、2−(N−イソプロピルアミノ)エチルメタクリレート、2−(N−t−ブチルアミノ)エチルアクリレート、2−(N−t−ブチルアミノ)エチルメタクリレート(例えばNorsocryl(登録商標)TBAEMA、Elf Atochem社として市販されている)、2−(N,N−ジメチルアミノ)エチルアクリレート(例えばNorsocryl(登録商標)ADAME、Elf Atochem社として市販されている)、2−(N,N−ジメチルアミノ)エチルメタクリレート(例えばNorsocryl(登録商標)MADAME、Elf Atochem社として市販されている)、2−(N,N−ジエチルアミノ)エチルアクリレート、2−(N,N−ジエチルアミノ)エチルメタクリレート、2−(N,N−ジ−n−プロピルアミノ)エチルアクリレート、2−(N,N−ジ−n−プロピルアミノ)エチルメタクリレート、2−(N,N−ジイソプロピルアミノ)エチルアクリレート、2−(N,N−ジイソプロプルアミノ)エチルメタクリレート、3−(N−メチルアミノ)プロピルアクリレート、3−(N−メチルアミノ)プロピルメタクリレート、3−(N−エチルアミノ)プロピルアクリレート、3−(N−エチルアミノ)プロピルメタクリレート、3−(N−n−プロピルアミノ)プロピルアクリレート、3−(N-n−プロピルアミノ)プロピルメタクリレート、3−(N−イソプロピルアミノ)プロピルアクリレート、3−(N−イソプロピルアミノ)プロピルメタクリレート、3−(N−t−ブチルアミノ)プロピルアクリレート、3−(N−t−ブチルアミノ)プロピルメタクリレート、3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピルアクリレート、3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピルメタクリレート、3−(N,N−ジエチルアミノ)プロピルアクリレート、3−(N,N−ジエチルアミノ)プロピルメタクリレート、3−(N,N−ジ−n−プロピルアミノ)プロピルアクリレート、3−(N,N−ジ−n−プロピルアミノ)プロピルメタクリレート、3−(N,N−ジイソプロピルアミノ)プロピルアクリレート、および3−(N,N−ジイソプロピルアミノ)プロピルメタクリレートである。


    【0060】


    少なくとも1個のアミド基を有するモノマーの例は、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−エチルメタクリルアミド、N−n−プロピルアクリルアミド、N−n−プロピルメタクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N−イソプロピルメタクリルアミド、N−t−ブチルアクリルアミド、N−t−ブチルメタクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N,N−ジエチルメタクリルアミド、N,N−ジ−n−プロピルアクリルアミド、N,N−ジ−n−プロピルメタクリルアミド、N,N−ジイソプロピルアクリルアミド、N,N−ジイソプロピルメタクリルアミド、N,N−ジ−n−ブチルアクリルアミド、N,N−ジ−n−ブチルメタクリルアミド、N−(3−N′,N′−ジメチルアミノプロピル)メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N,N′−メチレンビスアクリルアミド、N−(ジフェニルメチル)アクリルアミド、N−シクロヘキシルアクリルアミド、N−ビニルピロリドンおよびN−ビニルカプロラクタムである。


    【0061】


    少なくとも1個のウレイド基を有するモノマーAの例は、N,N′−ジビニルエチレン尿素、および2−(1−イミダゾリン−2−オンイル)エチルメタクリレート(例えばNorsocryl(登録商標)100、Elf Atochem社として市販されている)である。


    【0062】


    少なくとも1個のN−複素環の基を有するモノマーAの例は、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、1−ビニルイミダゾール、2−ビニルイミダゾールおよびN−ビニルカルバゾールである。


    【0063】


    有利には以下の化合物を使用する。 2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、2−ビニルイミダゾール、2−(N,N−ジメチルアミノ)エチルアクリレート、2−(N,N−ジメチルアミノ)エチルメタクリレート、2−(N,N−ジエチルアミノ)エチルアクリレート、2−(N,N−ジエチルアミノ)エチルメタクリレート、2−(N−t−ブチルアミノ)エチルメタクリレート、N−(3−N′,N′−ジメチルアミノプロピル)メタクリルアミド、および2−(1−イミダゾリン−2−オンイル)エチルメタクリルアミド。 水性反応媒体のpH値に依存して前記の窒素含有モノマーAの一部または全部が窒素原子でプロトン化された第四級アンモニウムの形で存在してもよい。


    【0064】


    窒素原子上に第四級アルキルアンモニウム構造を有するモノマーAとして、2−(N,N,N−トリメチルアンモニウム)エチルアクリレートクロリド(例えばNorsocryl(登録商標)ADAMQUAT MC80、Elf Atochem社として市販されている)、2−(N,N,N−トリメチルアンモニウム)エチルメタクリレートクロリド(例えばNorsocryl(登録商標)MADQUAT MC75、Elf Atochem社として市販されている)、2−(N−メチル−N,N−ジエチルアンモニウム)エチルアクリレートクロリド、2−(N−メチル−N,N−ジエチルアンモニウム)エチルメタクリレートクロリド、2−(N−メチル−N,N−ジ−n−プロピルアンモニウム)エチルアクリレートクロリド、2−(N−メチル−N,N−ジ−n−プロピルアンモニウム)エチルメタクリレートクロリド、2−(N−ベンジル−N,N−ジメチルアンモニウム)エチルアクリレートクロリド(例えばNorsocryl(登録商標)ADAMQUAT BZ80、Elf Atochem社として市販されている)、2−(N−ベンジル−N,N−ジメチルアンモニウム)エチルメタクリレートクロリド(例えばNorsocryl(登録商標)MADQUAT BZ75、Elf Atochem社として市販されている)、2−(N−ベンジル−N,N−ジエチルアンモニウム)エチルアクリレートクロリド、2−(N−ベンジル−N,N−ジエチルアンモニウム)エチルメタクリレートクロリド、2−(N−ベンジル−N,N−ジ−n−プロピルアンモニウム)エチルアクリレートクロリド、2−(N−ベンジル−N,N−ジ−n−プロピルアンモニウム)エチルメタクリレートクロリド、3−(N,N,N−トリメチルアンモニウム)プロピルアクリレートクロリド、3−(N,N,N−トリメチルアンモニウム)プロピルメタクリレートクロリド、3−(N−メチル−N,N−ジエチルアンモニウム)プロピルアクリレートクロリド、3−(N−メチル−N,N−ジエチルアンモニウム)プロピルメタクリレートクロリド、3−(N−メチル−N,N−ジ−n−プロピルアンモニウム)プロピルアクリレートクロリド、3−(N−メチル−N,N−ジ−n−プロピルアンモニウム)プロピルメタクリレートクロリド、3−(N−ベンジル−N,N−ジメチルアンモニウム)プロピルアクリレートクロリド、3−(N−ベンジル−N,N−ジメチルアンモニウム)プロピルメタクリレートクロリド、3−(N−ベンジル−N,N−ジエチルアンモニウム)プロピルアクリレートクロリド、3−(N−ベンジル−N,N−ジエチルアンモニウム)プロピルメタクリレートクロリド、3−(N−ベンジル−N,N−ジ−n−プロピルアンモニウム)プロピルアクリレートクロリド、および3−(N−ベンジル−N,N−ジ−n−プロピルアンモニウム)プロピルメタクリレートクロリドを例示することができる。 前記クロリドの代わりに相当するブロミドおよびスルフェートを使用することももちろん可能である。


    【0065】


    2−(N,N,N−トリメチルアンモニウム)エチルアクリレートクロリド、2−(N,N,N−トリメチルアンモニウム)エチルメタクリレートクロリド、2−(N−ベンジル−N,N−ジメチルアンモニウム)エチルアクリレートクロリドおよび2−(N−ベンジル−N,N−ジメチルアンモニウム)エチルメタクリレートクロリドの使用が有利である。


    【0066】


    本発明の方法において、エチレン性不飽和モノマーの混合物の全量に対して0質量%より多く、4質量%より少ない、一般に0.05〜3.0質量%、しばしば0.1〜2.5質量%、頻繁に0.2〜2.0質量%の前記の少なくとも1個のモノマーAを含有するエチレン性不飽和モノマーの混合物を使用する。


    【0067】


    少なくとも1個の微粒子の無機固形物およびエチレン性不飽和モノマーの混合物の全量に対する、エチレン性不飽和モノマーの混合物の質量割合は一般に10〜99質量%、しばしば25〜90質量%、頻繁に40〜80質量%である。 本発明により、モノマー混合物の全部の量を開始装入物として、反応媒体に、少なくとも1種の微粒子の無機固形物と一緒に導入することができる。 選択的な方法は、固形物の水性分散液中に、モノマー混合物の一部のみを開始装入物として導入し、その後、全量または適当な場合はモノマー混合物の残りの量をラジカル乳化重合中に消費される速度で連続的にまたは不連続的に添加することである。


    【0068】


    本発明のラジカル水性乳化重合の少なくとも1個のラジカル重合開始剤として使用するために適している開始剤は、少なくとも1個の微粒子の無機固形物の存在でラジカル水性乳化重合を誘発することができるすべての開始剤である。 開始剤は原則としてペルオキシドおよびアゾ化合物を含有することができる。 レドックス開始剤系ももちろん適している。 使用されるペルオキシドは、原則的に無機ペルオキシド、例えば過酸化水素またはペルオクソ二硫酸塩、例えばペルオクソ二硫酸のモノ−またはジアルカリ金属塩またはアンモニウム塩、例えばそのモノ−およびジナトリウム塩およびカリウム塩またはアンモニウム塩、または有機ペルオキシド、例えばアルキルヒドロペルオキシド、例えばt−ブチルヒドロペルオキシド、p−メンチルヒドロペルオキシド、およびクミルヒドロペルオキシド、およびジアルキルペルオキシドまたはジアリールペルオキシド、例えばジ−t−ブチルペルオキシドまたはジクミルペルオキシドであってもよい。 使用されるアゾ化合物は、主に2,2′−アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)および2,2′−アゾビス(アミジノプロピル)二塩酸塩(AIBA、Wako Chemical社のV−50に相当する)である。 レドックス開始剤系の適当な酸化剤は実質的に前記のペルオキシドである。 使用される相当する還元剤は、低い酸化段階の硫黄の化合物、例えばアルカリ金属亜硫酸塩、例えば亜硫酸カリウムおよび/または亜硫酸ナトリウム、アルカリ金属亜硫酸水素塩、例えば亜硫酸水素カリウムおよび/または亜硫酸水素ナトリウム、アルカリ金属メタ二亜硫酸塩、例えばメタ二亜硫酸カリウムおよび/またはメタ二亜硫酸ナトリウム、ホルムアルデヒドスルホキシレート、例えばカリウムホルムアルデヒドスルホキシレート、および/またはナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート、脂肪族スルフィン酸のアルカリ金属塩、特にカリウム塩および/またはナトリウム塩およびアルカリ金属硫化水素、、例えば硫化水素カリウムおよび/または硫化水素ナトリウム、多価金属の塩、例えば硫酸鉄(II)、硫酸鉄(II)/アンモニウム、燐酸鉄(II)、エンジオール、例えばジヒドロキシマレイン酸、ベンゾインおよび/またはアスコルビン酸および還元糖類、例えばソルボース、グルコース、フラクトースおよび/またはジヒドロキシアセトンであってもよい。 使用されるラジカル重合開始剤の量はモノマー混合物の全量に対して、一般に0.1〜3質量%である。


    【0069】


    少なくとも1個の無機固形物の分散した固形物粒子が負の兆候を有する電気泳動の移動性を有する場合は、少なくとも1種のラジカル重合開始剤として、有利にはペルオクソ二硫酸塩、例えばペルオクソ二硫酸のモノ−またはジアルカリ金属塩またはアンモニウム塩、例えばモノ−およびジナトリウム塩、カリウム塩またはアンモニウム塩および過酸化水素をアルカリ媒体中で使用する。


    【0070】


    少なくとも1種の無機固形物の分散した粒子が正の兆候を有する電気泳動の移動性を有する場合は、少なくとも1種のラジカル重合開始剤として、有利にはAIBAを使用する。


    【0071】


    本発明により、少なくとも1種のラジカル重合開始剤の全部の量を、少なくとも1種の微粒子の無機固形物と一緒に、開始装入物として反応媒体に導入することができる。 選択的な方法は、適当な場合は、少なくとも1種のラジカル重合開始剤の一部のみを、固形物の水性分散液に、開始装入物として導入し、その後全量または残りの量を、適当な場合は本発明のラジカル乳化重合中に消費される速度で、連続的または不連続的に添加することである。


    【0072】


    少なくとも1種の微粒子の無機固形物の存在での本発明のラジカル水性乳化重合の適当な反応温度は、0〜170℃の全部の範囲にわたる。 一般に使用される温度は50〜120℃、しばしば60〜110℃、頻繁に70℃以上で100℃までである。 本発明のラジカル水性乳化重合は1バール(絶対圧力)より低いか、1バールに等しいか、または高い圧力で実施することができ、重合温度は100℃を上回ることができ、170℃までであってよい。 容易に揮発するモノマー、例えばエチレン、ブタジエンまたは塩化ビニルは、有利には高い圧力下で重合する。 この場合に圧力は1.2バール、1.5バール、2バール、5バール、10バールまたは15バールの値またはこれより高い値を取ることができる。 乳化重合を気圧より低い圧力下で実施する場合は、950ミリバール、しばしば900ミリバール、頻繁に850ミリバールの圧力(絶対圧力)を設定する。 本発明のラジカル水性乳化重合は、有利には不活性ガス雰囲気、例えば窒素またはアルゴン下で1バール(絶対圧力)で実施する。


    【0073】


    水性反応媒体は原則的に水溶性有機溶剤、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、ペンタノールを含有することができるが、アセトン等を含有することもできる。 しかし有利には本発明の方法をこれらの溶剤の不在で実施する。


    【0074】


    前記条件下で、少なくとも1種の無機固形物の分散した固形物粒子がゼロでない電気泳動の移動性を有することが本発明の基本的な特徴である。 電気泳動の移動性の兆候が正である場合は、使用されるモノマーAは、少なくとも1個の酸基および/またはその相当するアニオンを有するエチレン性不飽和モノマーを含有する。 反対に電気泳動の移動性の兆候が負である場合は、使用されるモノマーAは、少なくとも1個のアミノ基、アミド基、ウレイド基またはN−複素環の基および/またはこれから誘導されるアンモニウム誘導体を有するエチレン性不飽和モノマーを含有する。


    【0075】


    本発明の方法は、例えば必要な水、少なくとも1種の分散剤、少なくとも1種の重合開始剤および/またはモノマー混合物および他の通常の助剤および添加剤の一部または全部を含有する少なくとも1種の微粒子の固形物の安定な水性分散液を反応容器に導入し、反応容器の内容物を反応温度に加熱することにより実施することができる。 この温度で、場合により水、少なくとも1種の分散剤、モノマー混合物、場合による他の通常の助剤および添加剤の残りの量を連続的または不連続的に撹拌しながら添加し、その後反応混合物を必要により反応温度に更に保持する。


    【0076】


    本発明の方法は、選択的に、必要な水、少なくとも1種の分散剤および/または他の通常の助剤および添加剤の一部または全部、および必要によりモノマー混合物および/または少なくとも1種の重合開始剤の一部のみを含有する少なくとも1種の微粒子の無機固形物の安定な水性分散液を反応容器に導入し、反応容器の内容物を反応温度に加熱することにより実施することができる。 この温度で、モノマー混合物および/または少なくとも1種の重合開始剤の全部の量または適当な場合は残りの量および水、少なくとも1種の分散剤および/または他の通常の助剤および添加剤の残りの量を、連続的または不連続的に撹拌しながら添加し、その後反応混合物を必要により反応温度で更に保持する。


    【0077】


    本発明により得られる複合粒子は一般に5000nm以下、しばしば1000nm以下、頻繁に400nm以下の粒子直径を有する。 粒子直径は一般に透過性電子顕微鏡分析により決定する(例えばL.Reimer Transmission Electron Microscopy Springer−Verlag、Berlin、Heiderberg、1989、D.C.Joy、The Basic Principles of EELS in Principles of Analytical Electron Microscopy D.C.Joy、A.D.Romig Jr.andJ.I.Goldstein、Plenum Press New York 1986、L.C.Sawyer and D.T.Grupp、Polymer Microscopy Chapman and Hall、London、1987参照)。


    【0078】


    本発明の方法により得られる複合粒子は種々の構造を有することができる。 ラズベリー形構造を有する複合粒子がしばしば得られる。 本発明の複合粒子は1個以上の微粒子の固形物粒子を含有することができる。 微粒子の固形物粒子はポリマーマトリックスにより完全に包囲されていてもよい。 選択的に、微粒子の固形物粒子の一部がポリマーマトリックスにより包囲され、他方がポリマーマトリックスの表面に配置されることも可能である。 微粒子の固形物粒子の大部分をポリマーマトリックスの表面に結合することももちろん可能である。 それぞれ複合粒子中に存在する微粒子の固形物粒子の全量に対して有利には50%以上または60%以上、しばしば70%以上または80%以上、頻繁に85%以上または90%以上の微粒子の固形物粒子がポリマーマトリックスの表面に結合している。 若干の場合に分散した複合粒子の固形物濃度に依存して複合粒子のわずかな部分的凝結が生じることを配慮すべきである。


    【0079】


    主要重合反応の終了後に複合粒子の水性分散液に残留するモノマー残留物は、例えばドイツ特許第4419518号、欧州特許第767180号およびドイツ特許第3834734号に記載されるように、蒸気ストリッピングおよび/または不活性ガスストリッピングおよび/または化学的脱臭によりもちろん除去することができ、複合粒子の水性分散液の特性に不利な影響を与えない。


    【0080】


    前記の本発明の方法により製造される複合粒子の水性分散液は、接着剤、例えば感圧接着剤、建築用接着剤または工業用接着剤、結合剤、例えば紙塗布用の結合剤、エマルジョンペイントまたはプラスチックフィルムを印刷するための印刷インキおよび印刷塗料を製造するための、不織布を製造するための、例えば下地での保護被膜および水蒸気バリアーを製造するための原料として適している。 更に本発明の方法により得られる複合粒子の分散液はセメント組成物およびモルタル組成物を変性するために使用することができる。 本発明に方法により得られる複合粒子は原則的に医学的診断におよび他の医学の適用に使用することができる(例えばK.Mosbach and L.Anderson Nature 270(1977)269−261、P.L.Kronick Science 200(1978)1074−1076、および米国特許第4157323号参照)。 更に複合粒子は種々の水性分散液系に触媒として使用することができる。


    【0081】


    本発明により得られる複合粒子の水性分散液が簡単な方法で乾燥し、再分散可能な複合粒子粉末を生じることを記載すべきである(例えば凍結乾燥または噴霧乾燥により)。 これは、特に本発明により得られる複合粒子のポリマーマトリックスのガラス転移温度が50℃以上、有利には60℃以上、より有利には70℃以上、特に80℃以上、特に有利には90℃以上または100℃以上である場合である。 複合粒子粉末は特にプラスチック添加剤、トナー製剤の成分、および電子写真適用の添加剤として適している。


    【0082】


    実施例以下の例に使用される微粒子の無機固形物は二酸化珪素、酸化イットリウム(III)および酸化セリウム(IV)であった。 代表的な例として市販されている二酸化珪素ゾルNyacol(登録商標)2040(20nm)およびNyacol(登録商標)830(10nm)Akzo−Nobel社およびLudox(登録商標)HS30(12nm)Dupont社を使用した。 Nyacol(登録商標)YTTRIA[酸化イットリウム(III)](10nm)およびNyacol(登録商標)CEO2{ACT}[酸化セリウム(IV)](10〜20nm)も使用した。 かっこで示された値は製造者の指示によるそれぞれの無機固形物粒子の直径に相当する。


    【0083】


    実施例に使用される固形物の分散液は分散液に課せられるすべての要求、すなわち固形物の水性分散液に対して1質量%以上の開始固形物濃度で、分散液の製造の1時間後になお分散液が分散した形で90質量%より多い本来の分散した固形物を含有し、その分散した固形物粒子が100nm以下の質量平均直径を有し、更に分散した無機固形物粒子が塩化カリウム標準水溶液中で乳化重合の開始時の水性反応媒体のpH値に相当するpH値で、ゼロでない電気泳動の移動性を示すことを満たす。


    【0084】


    実施例1


    還流凝縮器、温度計、機械的撹拌機および計量供給装置を装備した500ml四つ首フラスコに、窒素雰囲気下、20℃および1バール(絶対圧力)で脱イオン化した酸素不含の水80gおよび1モル水酸化ナトリウム水溶液0.04gを装入し、撹拌しながら(250rpm)Nyacol(登録商標)20040を添加した。 引き続き反応混合物を75℃の反応温度に加熱した。 室温で測定したこの水相のpH値は10であった。


    【0085】


    並行してスチレン10g、n−ブチルアクリレート10g、1モル水酸化ナトリウム溶液0.19g、脱イオン化された酸素不含の水80g、非イオン性乳化剤 Lutensol(登録商標)AT18(BASF社の商標、エチレンオキシド単位18個を有するC

    16

    18脂肪アルコールエトキシレート)の濃度20質量%水溶液1gおよびNorsocryl(登録商標)ADAMQUAT MC80(2−(N,N,N−トリメチルアンモニウム)エチルアクリレートクロリドの濃度80質量%水溶液)0.25gからなる水性エマルジョンを製造した(供給流1)。 ペルオクソ二硫酸アンモニウム0.23gおよび脱イオン化された酸素不含の水45gから開始剤溶液を製造した(供給流2)。


    【0086】


    反応温度で供給流2 5gを撹拌した反応媒体に添加した。 5分後同時に開始して供給流1を反応温度で2時間かけて撹拌した反応媒体に計量供給し、供給流2の残りを2.5時間かけて計量供給した。 引き続き反応混合物を反応温度で1時間撹拌し、その後室温に冷却した。


    【0087】


    得られる水性複合粒子分散液は水性複合粒子分散液の全質量に対して固形物含量11.4質量%を有した。


    【0088】


    ツァイス(Zeiss)902装置を使用して、脱イオン水で固形物含量約0.01質量%に希釈した複合粒子水性分散液の透過電子顕微鏡分析により直径約250nmを有するラズベリー形の複合粒子が示された。 遊離二酸化珪素粒子を検出することはほとんど不可能であった。


    【0089】


    複合粒子分散液の遠心分離(3000rpm,20分継続)により分散した粒子の完全な沈殿を生じた。 透過電子顕微鏡分析により上澄み液、澄んだ水溶液中に二酸化珪素粒子は検出できなかった。


    【0090】


    微粒子の無機固形物に関して、一般に、ゼータサイザー3000 Malvern Instrument社、英国により電気泳動の移動性の兆候を測定した。 この目的のために、微粒子の無機固形物の分散液をpH中性の塩化カリウム10ミリモル水溶液(標準塩化カリウム溶液)で固形物粒子の濃度が50mg/l〜100mg/lになるまで希釈した。 重合開始剤を添加する直前に水性反応媒体により保有されるpH値を設定するために薄い塩酸溶液または薄い水酸化ナトリウム溶液を使用した。


    【0091】


    二酸化珪素固形物含量60mg/lに希釈したNyacol(登録商標)2040分散液中でpH10を設定するために1モル水酸化ナトリウム溶液を使用した。 Nyacol(登録商標)2040中の二酸化珪素粒子の電気泳動の移動性の兆候はここでは負であった。


    【0092】


    固形物含量を一般に、内径約3cmを有する開いたアルミニウムるつぼ中の複合粒子分散液約1gを乾燥オーブン中で150℃で2時間乾燥することにより決定した。 固形物含量を決定するために、それぞれ2つの分離した測定を実施し、相当する平均値が形成された。


    【0093】


    比較例1


    実施例1を繰り返したが、Norsocryl(登録商標)ADAMQUAT MC80 0.25gの代わりに脱イオン化された酸素不含の水0.25gを使用した。


    【0094】


    得られる粒子分散液は水性粒子分散液の全質量に対して固形物含量11.1質量%を有した。 得られた不透明な反応混合物を透過電子顕微鏡測定により検査した。 ラズベリー形複合粒子は検出できなかった。


    【0095】


    不透明な分散液の遠心分離(3000rpm、20分継続)により分散した粒子の沈殿を生じなかった。


    【0096】


    比較例2


    実施例1を繰り返したが、Norsocryl(登録商標)ADAMQUAT MC80 0.25gの代わりに4−スチレンスルホン酸のナトリウム塩0.2gを使用した。


    【0097】


    得られる粒子分散液は水性粒子分散液の全質量に対して固形物含量11.4質量%を有した。 得られる不透明な反応混合物を透過電子顕微鏡測定により検査した。 ラズベリー形複合粒子は検出できなかった。


    【0098】


    不透明な分散液の遠心分離(3000rpm、20分継続)により分散した粒子の沈殿が生じなかった。


    【0099】


    実施例2


    窒素雰囲気下で、脱イオン化された酸素不含の水60gおよび1モル塩酸1.5gを20℃および1バール(絶対圧力)で500ml四つ首フラスコに装入し、Nyacol(登録商標)20gを撹拌しながら(250rpm)添加した。 引き続き水相を1モル塩酸1.62gを使用してpH2.5に調節し、1モル塩酸を使用してpH値を2.5に調節した水を加えて100gにした。 その後反応混合物を75℃の室温に加熱した。 室温で測定したこの水相のpH値は2.5であった。


    【0100】


    並行してスチレン10g、n−ブチルアクリレート10g、脱イオン化された酸素不含の水80g、Dowfax(登録商標)2A1の45質量%水溶液0.44gおよび4−ビニルピリジン0.2gからなる水性エマルジョンを製造した(供給流1)。 ペルオクソ二硫酸アンモニウム0.23gおよび脱イオン化された酸素不含の水45gから開始剤溶液を製造した(供給流2)。


    【0101】


    反応温度で、供給流2 5gを撹拌した反応媒体に添加した。 5分経過させ、同時に開始して供給流1を反応温度で撹拌した反応媒体に2時間かけて計量供給し、供給流2の残りを2.5時間かけて計量供給した。 引き続き反応混合物を反応温度で1時間撹拌し、室温に冷却した。


    【0102】


    得られる複合粒子分散液は水性複合粒子分散液の全質量に対して固形物含量11.5質量%を有した。 約200〜300nmの直径を有するラズベリー形複合粒子の存在が透過電子顕微鏡分析により示された。 遊離二酸化珪素粒子の検出はほとんど不可能であった。


    【0103】


    Nyacol(登録商標)2040の二酸化珪素粒子はpH2.5で負の兆候を有する電気泳動の移動性を有した。


    【0104】


    複合粒子分散液の遠心分離(3000rpm、20分継続)により分散した粒子の完全な沈殿を生じた。 透過電子顕微鏡分析により上澄み液、透明な水溶液中に二酸化珪素粒子がほとんど検出されなかった。


    【0105】


    比較例3


    実施例2を繰り返したが、4−ビニルピリジン0.2gの代わりに脱イオン化した酸素不含の水0.2gを使用した。


    【0106】


    得られる粒子分散液は水性粒子分散液の全質量に対して固形物含量11.6質量%を有した。 得られた不透明な反応混合物を透過電子顕微鏡測定により検査した。 ラズベリー形複合粒子は検出できなかった。


    【0107】


    不透明な分散液の遠心分離(3000rpm 、20分継続)により分散した粒子の沈殿が生じなかった。


    【0108】


    比較例4


    実施例2を繰り返したが、4−ビニルピリジン0.2gの代わりに4−スチレンスルホン酸のナトリウム塩0.2gを使用した。


    【0109】


    得られた粒子分散液は水性粒子分散液の全質量に対して固形物含量11.5質量%を有した。 得られた不透明な反応混合物を透過電子顕微鏡測定により検査した。 ラズベリー形複合粒子は検出できなかった。


    【0110】


    不透明な分散液の遠心分離(3000rpm,20分継続)により分散した粒子の沈殿は生じなかった。


    【0111】


    実施例3


    窒素雰囲気下で、脱イオン化された酸素不含の水60gおよび1モル塩酸1.5gを20℃および1バール(絶対圧力)で500ml四つ首フラスコに装入し、Nyacol(登録商標)2040 20gを撹拌しながら(250rpm)添加した。 引き続き水相を1モル塩酸1.62gを使用してpH値2.5に調節し、1モル塩酸を使用してpH値を2.5に調節した水を加えて100gにした。 その後反応混合物を75℃の反応温度に加熱した。 室温で測定した水相のpH値は2.5であった。


    【0112】


    並行して、スチレン10g、n−ブチルアクリレート10g,脱イオン化された酸素不含の水80g、非イオン性乳化剤Lutensol(登録商標)AT18の濃度20質量%水溶液1gおよび4−ビニルピリジン0.05gからなる水性エマルジョンを製造した(供給流1)。 ペルオクソ二硫酸アンモニウム0.23gおよび脱イオン化された酸素不含の水45gから開始剤溶液を製造した(供給流2)。


    【0113】


    反応温度で供給流2 5gを撹拌した反応媒体に添加した。 5分経過後、同時に開始して供給流1を反応温度で撹拌した反応媒体に2時間かけて計量供給し、供給流2の残りを2.5時間かけて計量供給した。 引き続き反応混合物を反応温度で1時間撹拌し、その後室温に冷却した。


    【0114】


    得られた複合粒子分散液は水性複合粒子分散液の全質量に対して固形物含量11.1質量%を有した。 透過電子顕微鏡分析により約220nmの直径を有するラズベリー形複合粒子の存在が示された。 遊離二酸化珪素粒子はわずかな量でのみ検出された。


    【0115】


    実施例4


    窒素雰囲気下で、脱イオン化された酸素不含の水60gおよび1モル塩酸1.5gを20℃および1バール(絶対圧力)で500ml四つ首フラスコに装入し、Nyacol(登録商標)2040 20gを撹拌しながら(250rpm)添加した。 引き続き水相を1モル塩酸0.5gを使用してpH値7に調節し、脱イオン化された酸素不含の水を加えて100gにした。 その後反応混合物を85℃の反応温度に加熱した。 室温で測定した水相のpH値は7であった。


    【0116】


    並行して、スチレン20g、脱イオン化された酸素不含の水80g、非イオン性乳化剤Lutensol(登録商標)AT18の濃度20質量%水溶液1gおよび4−ビニルピリジン0.2gからなる水性エマルジョンを製造した(供給流1)。 ペルオクソ二硫酸ナトリウム0.45gおよび脱イオン化された酸素不含の水45gから開始剤溶液を製造した(供給流2)。


    【0117】


    反応温度で供給流25gを撹拌した反応媒体に添加した。 5分経過後、同時に開始して供給流1を反応温度で撹拌した反応媒体に2時間かけて計量供給し、供給流2の残りを2.5時間かけて計量供給した。 引き続き反応混合物を反応温度で1時間撹拌し、その後室温に冷却した。


    【0118】


    得られた複合粒子分散液は水性複合粒子分散液の全質量に対して固形物含量11.6質量%を有した。 透過電子顕微鏡分析により約140〜220nmの直径を有するラズベリー形複合粒子の存在が示された。 遊離二酸化珪素粒子はわずかな量でのみ検出された。


    【0119】


    Nyacol(登録商標)2040の二酸化珪素粒子はpH7で負の兆候を有する電気泳動の移動性を有した。


    【0120】


    実施例5


    実施例4を繰り返したが、水性反応媒体をpH5に調節した。


    【0121】


    開始装入物を製造するために、窒素雰囲気下で脱イオン化された酸素不含の水60gおよび1モル塩酸1.5gを20℃および1バール(絶対圧力)で容器に装入し、Nyacol(登録商標)2040 20gを撹拌しながら(250rpm)添加した。 引き続き水相を1モル塩酸を使用してpH5に調節し、1モル塩酸を使用してpH5に調節した水を加えて100gにした。 その後反応混合物を85℃の反応温度に加熱した。 室温で測定したこの水相のpH値は5であった。


    【0122】


    得られた複合粒子分散液は水性複合粒子分散液の全質量に対して固形物含量11.6質量%を有した。 透過電子顕微鏡分析により約170nmの直径を有するラズベリー形複合粒子の存在が示された。 遊離二酸化珪素粒子がわずかな量でのみ検出された。


    【0123】


    Nyacol(登録商標)2040の二酸化珪素粒子はpH5で負の兆候を有する電気泳動の移動性を有した。


    【0124】


    実施例6


    窒素雰囲気下で、脱イオン化された酸素不含の水60gおよび1モル塩酸1.5gを20℃および1バール(絶対圧力)で500ml四つ首フラスコに装入し、Nyacol(登録商標)2040 20gを撹拌しながら(250rpm)添加した。 引き続き水相を1モル塩酸1.62gを使用してpH値2.5に調節し、1モル塩酸を使用してpH値2.5に調節した脱イオン化された酸素不含の水を加えて100gにした。 その後反応混合物を85℃の反応温度に加熱した。 室温で測定したこの水相のpH値は2.5であった。


    【0125】


    並行して、スチレン20g、脱イオン化された酸素不含の水80g、非イオン性乳化剤Lutensol(登録商標)AT18の濃度20質量%水溶液2gおよび2−ビニルピリジン0.2gからなる水性エマルジョンを製造した(供給流1)。 ペルオクソ二硫酸ナトリウム0.45gおよび脱イオン化された酸素不含の水45gから開始剤溶液を製造した(供給流2)。


    【0126】


    反応温度で供給流25gを撹拌した反応媒体に添加した。 5分経過後、同時に開始して供給流1を反応温度で撹拌した反応媒体に2時間かけて計量供給し、供給流2の残りを2.5時間かけて計量供給した。 引き続き反応混合物を反応温度で1時間撹拌し、その後室温に冷却した。


    【0127】


    得られた複合粒子分散液は水性複合粒子分散液の全質量に対して固形物含量10.5質量%を有した。 透過電子顕微鏡分析により約140〜180nmの直径を有するラズベリー形複合粒子の存在が示された。 遊離二酸化珪素粒子はわずかな量でのみ検出された。


    【0128】


    実施例7


    実施例6を繰り返したが、供給流1を製造するために、2−ビニルピリジン0.2gの代わりにNorsocryl(登録商標)MADAME[2−(N,N−(ジメチルアミノ)エチルメタクリレート)]0.2gを使用した。


    【0129】


    得られた複合粒子分散液は水性複合粒子分散液の全質量に対して固形物含量11.8質量%を有した。 透過電子顕微鏡分析により約170nmの直径を有するラズベリー形複合粒子の存在が示された。 遊離二酸化珪素粒子はほとんど検出されなかった。


    【0130】


    実施例8


    窒素雰囲気下で、脱イオン化された酸素不含の水60gおよび1モル塩酸1.5gを20℃および1バール(絶対圧力)で500ml四つ首フラスコに装入し、Nyacol(登録商標)2040 20gを撹拌しながら(250rpm)添加した。 引き続き水相を1モル塩酸1.62gを使用してpH値2.5に調節し、1モル塩酸を使用してpH値2.5に調節した脱イオン化された酸素不含の水を加えて100gにした。 その後反応混合物を85℃の反応温度に加熱した。 室温で測定したこの水相のpH値は2.5であった。


    【0131】


    並行して、スチレン10g、2−エチルヘキシルアクリレート10g、脱イオン化された酸素不含の水80g、非イオン性乳化剤Lutensol(登録商標)AT18の濃度20質量%水溶液1gおよび4−ビニルピリジン0.05gからなる水性エマルジョンを製造した(供給流1)。 ペルオクソ二硫酸ナトリウム0.45gおよび脱イオン化された酸素不含の水45gから開始剤溶液を製造した(供給流2)。


    【0132】


    反応温度で供給流25gを撹拌した反応媒体に添加した。 5分経過後、同時に開始して供給流1を反応温度で撹拌した反応媒体に2時間かけて計量供給し、供給流2の残りを2.5時間かけて計量供給した。 引き続き反応混合物を反応温度で1時間撹拌し、その後室温に冷却した。


    【0133】


    得られた複合粒子分散液は水性複合粒子分散液の全質量に対して固形物含量11.5質量%を有した。 透過電子顕微鏡分析により約300nmの直径を有するラズベリー形複合粒子の存在が示された。 遊離二酸化珪素粒子はわずかな量でのみ検出された。


    【0134】


    実施例9


    実施例8を繰り返したが、供給流1を製造するために、スチレン10gの代わりにメチルメタクリレート10gを使用した。


    【0135】


    得られた複合粒子分散液は水性複合粒子分散液の全質量に対して固形物含量11.1質量%を有した。 透過電子顕微鏡分析により約220nmの直径を有するラズベリー形複合粒子の存在が示された。 遊離二酸化珪素粒子の検出はほとんど不可能であった。


    【0136】


    実施例10


    実施例9を繰り返したが、供給流1を製造するために、2−エチルヘキシルアクリレート10gの代わりにn−ブチルアクリレート10gを使用した。


    【0137】


    得られた複合粒子分散液は水性複合粒子分散液の全質量に対して固形物含量11.4質量%を有した。 透過電子顕微鏡分析により約220nmの直径を有するラズベリー形複合粒子の存在が示された。 遊離二酸化珪素粒子の検出はほとんど不可能であった。


    【0138】


    実施例11


    窒素雰囲気下で、脱イオン化された酸素不含の水40gおよび1モル塩酸1.5gを20℃および1バール(絶対圧力)で500ml四つ首フラスコに装入し、Nyacol(登録商標)2040 40gを撹拌しながら(250rpm)添加した。 引き続き水相を1モル塩酸3.99gを使用してpH値2.5に調節し、1モル塩酸を使用してpH値2.5に調節した脱イオン化された酸素不含の水を加えて100gにした。 その後反応混合物を85℃の反応温度に加熱した。 室温で測定したこの水相のpH値は2.5であった。


    【0139】


    並行して、スチレン20g、n−ブチルアクリレート20g、脱イオン化された酸素不含の水60g、非イオン性乳化剤Lutensol(登録商標)AT18の濃度20質量%水溶液2gおよび4−ビニルピリジン0.1gからなる水性エマルジョンを製造した(供給流1)。 ペルオクソ二硫酸ナトリウム0.9gおよび脱イオン化された酸素不含の水45gから開始剤溶液を製造した(供給流2)。


    【0140】


    反応温度で供給流25gを撹拌した反応媒体に添加した。 5分経過後、同時に開始して供給流1を反応温度で撹拌した反応媒体に2時間かけて計量供給し、供給流2の残りを2.5時間かけて計量供給した。 引き続き反応混合物を反応温度で1時間撹拌し、その後室温に冷却した。


    【0141】


    得られた複合粒子分散液は水性複合粒子分散液の全質量に対して固形物含量22.9質量%を有した。 透過電子顕微鏡分析により約120〜300nmの直径を有するラズベリー形複合粒子の存在が示された。 遊離二酸化珪素粒子の検出はほとんど不可能であった。


    【0142】


    実施例12


    窒素雰囲気下で、脱イオン化された酸素不含の水15gおよび1モル塩酸1.5gを20℃および1バール(絶対圧力)で500ml四つ首フラスコに装入し、Nyacol(登録商標)2040 73.5gを撹拌しながら(250rpm)添加した。 引き続き水相を1モル塩酸8.24gを使用してpH値2.5に調節し、1モル塩酸を使用してpH値2.5に調節した脱イオン化された酸素不含の水を加えて100gにした。 その後反応混合物を85℃の反応温度に加熱した。 室温で測定したこの水相のpH値は2.5であった。


    【0143】


    並行して、スチレン34.3g、n−ブチルアクリレート34.3g、脱イオン化された酸素不含の水31.4g、非イオン性乳化剤Lutensol(登録商標)AT18の濃度20質量%水溶液3.43gおよび4−ビニルピリジン0.1gからなる水性エマルジョンを製造した(供給流1)。 ペルオクソ二硫酸ナトリウム1.54gおよび脱イオン化された酸素不含の水45gから開始剤溶液を製造した(供給流2)。


    【0144】


    反応温度で供給流25gを撹拌した反応媒体に添加した。 5分経過後、同時に開始して供給流1を反応温度で撹拌した反応媒体に2時間かけて計量供給し、供給流2の残りを2.5時間かけて計量供給した。 引き続き反応混合物を反応温度で1時間撹拌し、その後室温に冷却した。


    【0145】


    得られた複合粒子分散液は水性複合粒子分散液の全質量に対して固形物含量37.5質量%を有した。 透過電子顕微鏡分析により約120〜240nmの直径を有するラズベリー形複合粒子の存在が示された。 遊離二酸化珪素粒子の検出はほとんど不可能であった。


    【0146】


    実施例13


    窒素雰囲気下で、脱イオン化された酸素不含の水50gおよび1モル塩酸1.5gを20℃および1バール(絶対圧力)で500ml四つ首フラスコに装入し、Nyacol(登録商標)830(二酸化珪素固形物含量30質量%を有する)26.7gを撹拌しながら(250rpm)添加した。 引き続き水相を1モル塩酸4.06gを使用してpH値2.5に調節し、1モル塩酸を使用してpH値2.5に調節した脱イオン化された酸素不含の水を加えて100gにした。 その後反応混合物を85℃の反応温度に加熱した。 室温で測定したこの水相のpH値は2.5であった。


    【0147】


    並行して、スチレン20g、脱イオン化された酸素不含の水80g、非イオン性乳化剤Lutensol(登録商標)AT18の濃度20質量%水溶液2gおよびNorsocryl(登録商標)MADAME0.2gからなる水性エマルジョンを製造した(供給流1)。 ペルオクソ二硫酸ナトリウム0.45gおよび脱イオン化された酸素不含の水45gから開始剤溶液を製造した(供給流2)。


    【0148】


    反応温度で供給流25gを撹拌した反応媒体に添加した。 5分経過後、同時に開始して供給流1を反応温度で撹拌した反応媒体に2時間かけて計量供給し、供給流2の残りを2.5時間かけて計量供給した。 引き続き反応混合物を反応温度で1時間撹拌し、その後室温に冷却した。


    【0149】


    得られた複合粒子分散液は水性複合粒子分散液の全質量に対して固形物含量12.0質量%を有した。 透過電子顕微鏡分析により約160〜200nmの直径を有するラズベリー形複合粒子の存在が示された。 遊離二酸化珪素粒子の検出はほとんど不可能であった。


    【0150】


    Nyacol(登録商標)830の二酸化珪素粒子はpH2.5で負の兆候を有する電気泳動の移動性を有した。


    【0151】


    実施例14


    窒素雰囲気下で、脱イオン化された酸素不含の水50gおよび1モル塩酸1.5gを20℃および1バール(絶対圧力)で500ml四つ首フラスコに装入し、Ludox(登録商標)HS30(二酸化珪素固形物含量30質量%を有する)26.7gを撹拌しながら(250rpm)添加した。 引き続き水相を1モル塩酸1.88gを使用してpH値2.5に調節し、1モル塩酸を使用してpH値2.5に調節した脱イオン化された酸素不含の水を加えて100gにした。 その後反応混合物を85℃の反応温度に加熱した。 室温で測定したこの水相のpH値は2.5であった。


    【0152】


    並行して、スチレン10g、n−ブチルアクリレート10g、脱イオン化された酸素不含の水80g、非イオン性乳化剤Lutensol(登録商標)AT18の濃度20質量%水溶液1gおよび4−ビニルピリジン0.05gからなる水性エマルジョンを製造した(供給流1)。 ペルオクソ二硫酸ナトリウム0.45gおよび脱イオン化された酸素不含の水45gから開始剤溶液を製造した(供給流2)。


    【0153】


    反応温度で供給流25gを撹拌した反応媒体に添加した。 5分経過後、同時に開始して供給流1を反応温度で撹拌した反応媒体に2時間かけて計量供給し、供給流2の残りを2.5時間かけて計量供給した。 引き続き反応混合物を反応温度で1時間撹拌し、その後室温に冷却した。


    【0154】


    得られた複合粒子分散液は水性複合粒子分散液の全質量に対して固形物含量9.7質量%を有した。 透過電子顕微鏡分析により約200nmの直径を有するラズベリー形複合粒子の存在が示された。 遊離二酸化珪素粒子の検出はほとんど不可能であった。


    【0155】


    Ludox(登録商標)HS30の二酸化珪素粒子はpH2.5で負の兆候を有する電気泳動の移動性を有した。


    【0156】


    実施例15


    窒素雰囲気下で、脱イオン化された酸素不含の水60gおよび1モル塩酸0.01gを20℃および1バール(絶対圧力)で500ml四つ首フラスコに装入し、Nyacol(登録商標)CEO2{ACT}(酸化セリウム(IV)固形物含量20質量%を有する)40gを撹拌しながら(250rpm)添加した。 引き続き反応混合物を85℃の反応温度に加熱した。 室温で測定したこの水相のpH値は3であった。


    【0157】


    並行して、スチレン20g、 脱イオン化された酸素不含の水80g、非イオン性乳化剤Lutensol(登録商標)AT18の濃度20質量%水溶液1gおよび4−スチレンスルホン酸のナトリウム塩0.2gからなる水性エマルジョンを製造した(供給流1)。 AIBA0.45gおよび脱イオン化された酸素不含の水45gから開始剤溶液を製造した(供給流2)。


    【0158】


    反応温度で供給流25gを撹拌した反応媒体に添加した。 5分経過後、同時に開始して供給流1を反応温度で撹拌した反応媒体に2時間かけて計量供給し、供給流2の残りを2.5時間かけて計量供給した。 引き続き反応混合物を反応温度で1時間撹拌し、その後室温に冷却した。


    【0159】


    得られた複合粒子分散液は水性複合粒子分散液の全質量に対して固形物含量11.2質量%を有した。 透過電子顕微鏡分析により約200〜400nmの直径を有するラズベリー形複合粒子の存在が示された。 遊離酸化セリウム(IV)粒子の検出はほとんど不可能であった。


    【0160】


    Nyacol(登録商標)CEO2{ACT}の酸化セリウム(IV)粒子はpH3で正の兆候を有する電気泳動の移動性を有した。


    【0161】


    複合粒子分散液の遠心分離(3000rpm、20分継続)により分散した粒子の完全な沈殿を生じた。


    【0162】


    比較例5


    実施例15を繰り返したが、供給流1の製造に、4−スチレンスルホン酸のナトリウム塩0.2gの代わりにNorsocryl(登録商標)ADAMQUAT MC80 0.25gを使用した。


    【0163】


    形成された粒子分散液は水性粒子分散液の全質量に対して固形物含量11.4質量%を有した。 得られた不透明な反応混合物を透過電子顕微鏡測定により分析した。 ラズベリー形複合粒子は検出できなかった。


    【0164】


    不透明な分散液の遠心分離(3000rpm、20分継続)により分散した粒子の沈殿が形成されなかった。


    【0165】


    実施例16


    窒素雰囲気下で、脱イオン化された酸素不含の水42.9gを、20℃および1バール(絶対圧力)で500ml四つ首フラスコに装入し、Nyacol(登録商標)YTTRIA(酸化イットリウム(III)固形物含量14質量%を有する)57.1gを撹拌しながら(250rpm)添加した。 その後反応混合物を、85℃の反応温度に加熱した。 室温で測定したこの水相のpH値は7.2であった。


    【0166】


    並行して、スチレン20g、脱イオン化された酸素不含の水80g、非イオン性乳化剤Lutensol(登録商標)AT18の濃度20質量%水溶液1gおよびメタクリル酸0.2gからなる水性エマルジョンを製造した(供給流1)。 AIBA0.45gおよび脱イオン化された酸素不含の水45gから開始剤溶液を製造した(供給流2)。


    【0167】


    反応温度で供給流25gを撹拌した反応媒体に添加した。 5分経過後、同時に開始して供給流1を反応温度で撹拌した反応媒体に2時間かけて計量供給し、供給流2の残りを2.5時間かけて計量供給した。 引き続き反応混合物を反応温度で1時間撹拌し、その後室温に冷却した。


    【0168】


    得られた複合粒子分散液は水性複合粒子分散液の全質量に対して固形物含量13.7質量%を有した。 透過電子顕微鏡分析により約90nmの直径を有するラズベリー形複合粒子の存在が示された。 遊離二酸化珪素粒子の検出はほとんど不可能であった。


    【0169】


    Nyacol(登録商標)YTTRIAの酸化イットリウム(III)粒子はpH7.2で正の兆候を有する電気泳動の移動性を有した。

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