【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、建築物保護粉末材料およびその製造方法、特に、断熱性、保温性、防水性、絶縁性、難燃性などのような建築物保護多機能特性を有する粉末材料および該粉末材料の製造方法に関する。 【0002】 【従来の技術】建築物の断熱性(heat isolation)、保温性(heat preservation) 、防水性、絶縁性および難燃性などは、建築工学において著しく重要である。 これらの問題を解決するため、数多くの種類の建築物保護材料が既に開発されている。 防水性材料には、防水ロ−ルおよびスライス、ポリクロロプレンアスファルトエマルジョン、ポリウレタン防水コ−ティングなどのような防水性コ−ティングまたはペイント、タ−ルポリメタン防水接着剤などのような封止用軟材がある。 断熱材、保温材、 絶縁材とともに難燃材もまた開発されている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これらの材料のほとんどは、1つの機能だけを有しているに過ぎない。 例えば、防水材料は防水の作用を行なうだけである。 更に、これらの材料には有機物質が使用されているが、かかる物質は可燃性であって、難燃性を備えていない。 更に、先行技術において公知の保護材料は、別の幾つかの補助材料の援助があった場合にのみ利用することができるので、コストがむしろ高くなるとともに、これらを利用する方法は複雑となる。 更にまた、これらの保護材料は、前記した補助材料の老化および/または建築物の基礎の隙間もしくは変形の際に変形するので、これらの保護材料の保護性が失われてしまう。 【0004】従って、本発明の目的は、断熱性、保温性、防水性とともに難燃性のような建築物を保護するための多機能特性を有する、先行技術の上記欠点を解消することができる建築物保護粉末材料を提供することにある。 【0005】本発明の別の目的は、前記した建築物保護粉末材料を製造する方法を提供することにある。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明の一の観点によれば、325メッシュ以下のサイズを有する精製した(ref ined) 石灰石(limestone) 、ドロマイトおよび大理石(m arble)の微細な粉末と、該粉末の全面に緊密に充填された炭素原子数が16乃至25の疎水剤(hydrophobic age nt) を含む直鎖アルキル酸(alkyl acid)または直鎖アルカンとを含有する建築物保護多機能粉末材料が提供されている。 この粉末材料は、微細粉末における精製された石灰石:ドロマイト:大理石の重量比が60−90:5 −25:5−25の範囲にあり、前記疎水剤は前記粉末混合部の全重量を基準として少なくとも0.3重量パ− セント使用されることを特徴とする構成に係る。 【0007】本発明の別の観点によれば、建築物保護粉末材料の製造方法が提供されているが、この方法は、 a. 天然の石灰石、ドロマイトおよび大理石をそれぞれ900−1000℃、1700−1750℃および73 0−760℃の範囲の温度でばい焼かつ分解させ、分解生成物を水で消化し(slake) 、20メッシュのスクリ− ンを用いた粗篩分けにより消化生成物から径の大きい粒子である未分解粗鉱(raw ore) を除去し、粗塊篩分け後の粗スクリ−ンアンダ−フロ−(coarse screen underfl ow) をロ−ル型クラッシャで粉砕し、粉砕後に含まれる重質成分を除去し、残留物を炭化炉において炭化してから脱水乾燥し、乾燥した粉末を325メッシュの細目(f ine)スクリ−ンにより篩分けして325メッシュ以下のサイズの精製された石灰石、ドロマイトおよび大理石の微細粉末を得る工程と、 b. 工程aで得られた粉末を乾燥炉に入れて160−3 00℃の温度で乾燥することにより水分含量が1.5重量パ−セント以下の粉末を得る工程と、 c. 工程bで得られた乾燥粉末を精製石灰石:ドロマイト:大理石=60−90:5−25:5−25の重量比で混合し、混合物を撹拌機に移し、該撹拌機内の温度を120−200℃の範囲に保持し、前記微細な粉末混合物の全重量を基準として少なくと0.3重量パ−セントの炭素原子数が16−25の直鎖アルキル酸または直鎖アルカンを前記撹拌機に加えて15−60分撹拌し、更に得られた生成物を周囲温度まで冷却する工程とを備えることを特徴とする構成を備えている。 【0008】上記したように、本発明は、建築物保護多機能粉末材料とその製造方法に関する。 本発明の粉末材料は、精製された石灰石、ドロマイトおよび大理石の、 325メッシュ以上の直径を有する微細な粉末と、該微細粉末の全面に緻密に充填された炭素原子数が16−2 5の疎水剤を含む直鎖のアルキル酸または直鎖のアルカンとを含み、疎水剤は、前記粉末混合物の全重量を基準として少なくとも0.3重量パ−セントの量が使用される。 【0009】本発明の建築物保護多機能粉末材料は、原材料として天然の石灰石、ドロマイトおよび大理石を使用することができる。 天然の石灰石、ドロマイトおよび大理石は、900−1000℃、1700−1800℃ および730−760℃の範囲の温度でそれぞればい焼され、分解生成物を形成する。 この分解生成物を水で消化し、次いで粗塊篩分けに供して未分解成分を除去する。 次に、スクリ−ンアンダ−フロ−を粉砕し、含まれる重質成分を除去し、かくして得られた物質を乾燥、脱水し、更に325メッシュのスクリ−ンで篩分けして、 それぞれ325メッシュ以上のサイズを有する精製された石灰石、ドロマイトおよび大理石の微細粉末を得る。 精製した石灰石の微細な粉末は、超軽質(super-light) 炭酸カルシウムの微細粉末である。 【0010】本発明に係る建築物保護多機能粉末材料の主成分は、精製された石灰石、ドロマイトおよび大理石の微細な粉末を含む精製された天然の無機鉱石である。 該粉末の熱伝導率は著しく小さく、これらの粉末の発熱量は著しく低い。 更に、これらの粉末は、絶縁性でありかつ非可燃性である。 これらの粉末の全面は、直鎖のアルキル酸または直鎖のアルカン疎水剤により覆われる。 従って、本発明の建築物保護多機能粉末材料は、断熱性、保温性、絶縁性、難燃性に加え、防水性を含む優れた特性を有する。 【0011】本発明の建築物保護多機能粉末材料においては、精製された石灰石、ドロマイトおよび大理石の微細粉末の重量比は、60−90:5−25:5−25の範囲にあり、好ましくは、75−80:10−15:1 0−15の範囲にあり、最も好ましくは80:10:1 0である。 【0012】16−25個の炭素原子を有する直鎖アルキル酸または直鎖アルカンのいずれか1つを疎水剤として使用することができる。 オクタデシル酸が好ましい。 石灰石、ドロマイトおよび大理石の粉末混合物を処理するのに使用される前記疎水剤の量は、(粉末混合物の全重量を基準として)少なくとも0.3重量パ−セント、 好ましくは0.3−0.5重量パ−セントの範囲、最も好ましくは0.5重量パ−セントである。 【0013】本発明の建築物保護多機能粉末材料においては、精製された石灰石、ドロマイトおよび大理石の微細粉末における重質成分は、除去されている。 例えば、 精製された石灰石の微細粉末は、超軽質炭酸カルシウムであり、ドロマイトと大理石の微細な粉末もまた、重質成分は含んでいない。 従って、前記した微細粉末から形成される本発明の建築物保護多機能粉末は、優れた流動性を有している。 本発明の多機能粉末材料は、建築物の屋根に保護層として塗布することができる。 屋根に本発明の粉末材料を塗装した建築物の基礎が隙間を有しあるいは変形しているときには、粉末材料は、建築物の基礎の隙間または変形により生ずる屋根の隙間を充填することになる。 本発明の粉末材料の保護作用は、十分に良好に保持することができる。 【0014】本発明の多機能粉末材料の主な物理的特性は次の通りである。 嵩密度(specific gravity): <550Kg/m 3熱伝導率: <0.090W/m. K 発熱量(heat value): <150KJ/Kg 水分含有量: <1.5重量パ−セント 【0015】本発明の建築物保護多機能粉末材料は、新しいまたは古い建築物の屋根、冷蔵庫、倉庫、地下室、 トンネルおよび導管に、防水性、断熱性、保温性、難燃性および絶縁性を付与するために単独で使用することができ、希釈後、家屋の隅部などの90−180°の垂直空間に噴霧することができ、またセメントを混合してから使用することもできる。 本発明の多機能粉末材料は、 不利益な影響を受けることなく湿潤表面に使用することができるという点で特に有利である。 【0016】本発明の建築物保護多機能粉末材料を建築物の最上階の保護材料として使用する場合には、屋根の基礎面に前記粉末材料を5−10mmの層として塗布し、絶縁紙で覆い、最後に3−5mmの厚さのNo. 2 00コンクリ−トの層を保護層として形成する。 このようにして前記屋根に形成された保護構造体は、最上階の部屋の内部と外部との温度差を約5℃とすることができる。 即ち、夏には、最上階の部屋の内部の温度は、外部の温度よりも約5℃低くすることができ、一方、冬は、 最上階の部屋の内部の温度を、外部の温度よりも約5℃ 高くすることができる。 従って、室内の温度を調節するのに必要なエネルギを少なくすることができる。 【0017】本発明の多機能粉末材料が垂直面の保護材料として使用されると、本発明の粉末材料、No. 42 5セメントおよび適度のサイズの砂を1:2:0.5の重量比で均一に混合し、水を混合物に加えて均一に撹拌し、次いで垂直面に均一に塗布する。 前記混合物の1− 2cmの厚さの層は、防水性、防湿性、難燃性、断熱性および保温性などの点で良好な保護作用を発揮する。 【0018】本発明の建築物保護多機能粉末材料の特徴となる因子は、次の方法に従って測定される。 1. 嵩密度: ASTM C97−83(1988) 2. 熱伝導率: ASTM C177−85 3. 発熱量: ISO1716 4. 透水試験 内径が20mmで長さが1000mmのガラス管を使用する。 このガラス管は両端に開口を備えている。 4mm よりも大きい直径の少なくとも4つの孔を有するゴム栓でこのガラス管の各端部を塞ぐ。 直径がガラス管の内径よりも多少小さいろ紙1枚をゴム栓にかぶせる。 次に、 試験する粉末材料のサンプルをガラス管に入れ、ゴム栓またはコルクを有するガラス棒でわずかに圧縮する。 試験サンプルの高さは、圧縮後5−8mmである。 次に、 前記ガラス管の内径よりもわずかに小さい直径を有するろ紙を、サンプルの表面に置く。 次に、粉末材料のサンプルを充填したガラス管を立て、水をこのガラス管に加えて、水のカラムの高さを600mm(5.88x10 -3 MPa)とする。 【0019】10日後に、ガラス管の底部で水の漏洩があるかどうかを検査する。 【0020】5. 耐アルカリ試験 この試験の装置と方法は、水の代わりに水酸化カルシウムの飽和水溶液を使用する点を除き、透水試験のものと同じである。 【0021】10日後に、ガラス管の底部で水の漏洩があるかどうかを検査する。 【0022】6. 耐酸試験 装置と方法は、水の代わりに1.2%HClの水溶液を使用する点を除き、透水試験のものと同じである。 【0023】10日後に、ガラス管の底部で水の漏洩があるかどうかを検査する。 【0024】7. 耐熱試験 本発明の粉末材料のサンプル100グラムを乾燥したるつぼに加える。 次に、本発明の粉末材料を装填したるつぼを190±2℃の温度の電気炉に入れる。 炉の温度を190±2℃に24時間保持し、次いで取り出してから周囲温度まで冷却する。 次に、耐熱試験後の粉末材料サンプルの透水試験を行なう。 【0025】8. 耐霜試験(Frost-resistant Test) 本発明の粉末材料のサンプル100グラムを秤量し、プラスチックのバッグに加える。 このバッグを手で絞り、 バッグ内の空気を絞り出す。 このバッグをワックスで封止し、温度が−70±2℃の冷蔵庫または冷凍庫に入れる。 本発明の粉末材料を装填したこのバッグを−70± 2℃の温度の冷蔵庫または冷凍庫に24時間入れる。 次に、このバッグを取り出し、このバッグの温度を周囲温度に達するまで自然に上昇させる。 次に、耐霜試験後の粉末材料サンプルの透水性試験を行なう。 【0026】9. 耐老化試験 本発明の粉末材料のサンプル100グラムを秤量し、白い紙に均一に拡げる。 紙に拡げたこの粉末材料の厚さは3mmである。 紙のサンプルに200時間連続して70 0Wの高電圧水銀石英紫外線ランプの光をサンプルの上方30cmの距離のところから照射する。 次に、耐老化試験後の粉末サンプルの透水性試験を行なう。 【0027】10. 絶縁試験 本発明の粉末の厚さが8mmの層を、直径が10cm で、高さが2cmの乾燥したガラス家庭用品の平坦な底に拡げる。 電圧を300ボルト、2つの試験端子間の距離を1mmにして、試験回路のミリアンペア計の読み取りを行なう。 【0028】11. 照射試験 本発明の粉末材料中の天然の放射性核種226 Ra、 232 Thおよび40 Kの含有量をGB6566−86に従って測定する。 【0029】本発明の多機能粉末材料の製造方法は、 a. 天然の石灰石、ドロマイトおよび大理石をそれぞれ900−1000℃、1700−1800℃および73 0−760℃の範囲の温度でばい焼かつ分解させ、分解生成物を水で消化し、20メッシュのスクリ−ンを用いた粗篩分けにより消化生成物から径の大きい粒子(未分解粗鉱)を除去し、粗塊篩分け後の粗スクリ−ンアンダ−フロ−をロ−ル型クラッシャで粉砕し、粉砕後に含まれる重質成分を除去し、残留物を炭化炉において炭化してから脱水乾燥し、乾燥した粉末を325メッシュの細目スクリ−ンにより篩分けして325メッシュ以下のサイズの精製された石灰石、ドロマイトおよび大理石の微細粉末を得る工程と、 b. 工程aで得られた粉末を乾燥炉に入れて160−3 00℃の温度で乾燥することにより水分含量が1.5重量パ−セント以下の粉末を得る工程と、 c. 工程bで得られた乾燥粉末を精製石灰石:ドロマイト:大理石=60−90:5−25:5−25の重量比で混合し、混合物を撹拌機に移し、該撹拌機内の温度を120−200℃の範囲に保持し、(前記微細な粉末混合物の全重量を基準として)少なくと0.3重量パ−セントの炭素原子数が16−25の直鎖アルキル酸または直鎖アルカンを前記撹拌機に加えて15−60分撹拌し、更に得られた生成物を周囲温度に冷却する工程とを備える。 【0030】本発明の方法によれば、石灰石、ドロマイトおよび大理石の微細粉末のサイズは、325メッシュ以上である。 これら3つの微細な粉末を撹拌機に加えて混合し、混合物を有機疎水剤である、16−25個の炭素原子を含む直鎖アルキル酸または直鎖アルカンを用いて160−200℃の温度で処理する。 これら3つの微細粉末の重量比、即ち、これら3つの粉末の混合物における精製された石灰石:ドロマイト:大理石は、好ましくは70−80:10−15:10−15、より好ましくは80:10:10である。 【0031】上記した3つの微細粉末の上記混合物は、 前記有機疎水剤と混合し、160−200℃の温度の撹拌機において約15−60分間撹拌する。 好ましい有機疎水剤はオクタデシル酸である。 撹拌機内においては、 前記粉末混合物と直鎖アルキル酸のような疎水剤との反応は、化1で表すことができる。 【0032】 【化1】 【0033】反応後は、前記微細粉末の全面が前記有機疎水剤で完全に充填され、前記疎水剤の層は前記粉末の全面を覆って形成される。 その顕微鏡組織が添付図面に示されている。 【0034】本発明の建築物保護多機能粉末材料の全面は完全に有機疎水層により充填されているので、防水性は優れたものとなる。 【0035】本発明の方法によれば、石灰石、ドロマイトおよび大理石の前記分解生成物を消化し、該消化した生成物を炭化し、更に該炭化生成物に存在する重質成分を除去するのに使用される方法と装置は、先行技術において知られている方法と装置である。 【0036】 【作用】上記構成の本発明においては、微細粉末の全面が前記有機疎水剤で完全に充填され、前記疎水剤の層が前記粉末の全面を覆って形成される。 本発明の建築物保護多機能粉末材料の全面は完全に有機疎水層により充填されているので、防水性は優れたものとなる。 【0037】 【実施例】本発明を以下の実施例により更に説明するが、本発明は、かかる実施例に限定されるものではない。 当業者であれば、これらの説明の範囲内において、 修正を行なうことができる。 【0038】実施例1 天然の石灰石を920℃でばい焼して分解を行なった。 水を分解生成物に加えて消化を行なった。 消化生成物を20メッシュの篩を用いて篩分け処理し、未分解の石灰石を除去した。 スクリ−ンアンダ−フロ−をロ−ルクラッシャにおいて更に粉砕し、重質成分を除去した。 次に、生成物の炭化を炭化炉において行なった。 炭化処理後、得られた粉末生成物を325メッシュのスクリ−ンを用いてスクリ−ン処理し、精製された石灰石(超軽質炭酸カルシウム)を得た。 【0039】天然のドロマイトと大理石を、分解温度を1720℃および750℃とした点を除いて、上記した手順と同じ手順で処理した。 【0040】精製された石灰石、ドロマイトおよび大理石の得られた微細粉末を300℃の温度で乾燥炉において別々に乾燥し、水分含有量を0.8重量パ−セントに下げた。 次に、粉末を180℃に冷却し、精製された石灰石:ドロマイト:大理石=70:15:15の重量比で撹拌機に装填した。 温度を180℃に保持し、(前記3つの粉末の混合物の全重量基準で)0.5重量パ−セントのオクタデシル酸を撹拌機に加えて30分間撹拌し、次に周囲温度に冷却して本発明の多機能粉末材料を得た。 多機能粉末材料の物理的特性は次の通りであった。 外観: 白 嵩密度: 505Kg/m 3熱伝導率: 0.085W/m. K 水分含有量: 0.5重量パ−セント 発熱量: <150KJ/Kg 耐熱性: 水の漏洩なし 耐霜性: 水の漏洩なし 耐アルカリ性: 水の漏洩なし 耐酸性: 水の漏洩なし 絶縁試験: ミリアンペア計の読みは零 放射性核種: 232 Th 1.30±0.32Bq/K g 226 Ra 3.47±0.34Bq/Kg 40 K 24.76±1.23Bq/Kg m Ra =0.018 m r =0.022 耐老化性: 凝集なし、水の漏洩なし 【0041】実施例2 多機能粉末を、精製された石灰石、ドロマイトおよび大理石の重量比を80:10:10に変え、撹拌機の温度を200℃に保持した点を除いて実施例1の手順を採用した。 本実施例において得られた粉末材料の物理的特性は、次の通りであった。 外観: 白 嵩密度: 508Kg/m 3熱伝導率: 0.083W/m. K 発熱量: <150KJ/Kg 水分含有量: 0.8重量パ−セント 耐熱性: 水の漏洩なし 耐霜性: 水の漏洩なし 耐アルカリ性: 水の漏洩なし 耐酸性: 水の漏洩なし 絶縁試験: ミリアンペア計の読みは零 放射性核種: 232 Th 1.33±0.31Bq/K g 226 Ra 3.53±0.33Bq/Kg 40 K 25.07±1.41Bq/Kg 耐老化性: 凝集なし、水の漏洩なし 【0042】実施例3 オクタデシル酸の代わりにワックスを使用した点を除いて、実施例2と同じ手順を採用した。 得られた粉末材料の物理的特性は、次の通りであった。 外観: 白 嵩密度: 515Kg/m 3熱伝導率: 0.089W/m. K 水分含有量: 0.82重量パ−セント 発熱量: <150KJ/Kg 耐熱性: 水の漏洩なし 耐霜性: 水の漏洩なし 耐アルカリ性: 水の漏洩なし 耐酸性: 水の漏洩なし 絶縁試験: ミリアンペア計の読みは零 放射性核種: 232 Th 1.31±0.29Bq/K g 226 Ra 3.50±0.30Bq/Kg 40 K 24.96±1.36Bq/Kg 耐老化性: 凝集なし、水の漏洩なし 【0043】実施例4 精製した石灰石、ドロマイトおよび大理石の重量比を8 5:10:5に変え、撹拌機の温度を200℃に変えた点を除いて、実施例2の手順を採用した。 0.5重量パ−セントのオクタデシル酸の代わりに0.4重量パ−セントのエイコサン酸を使用した。 本実施例において得られた粉末材料の物理的特性は、次の通りであった。 外観: 白 嵩密度: 525Kg/m 3熱伝導率: 0.086W/m. K 水分含有量: 0.98重量パ−セント 発熱量: <150KJ/Kg 耐熱性: 水の漏洩なし 耐霜性: 水の漏洩なし 耐アルカリ性: 水の漏洩なし 耐酸性: 水の漏洩なし 絶縁試験: ミリアンペア計の読みは零 放射性核種: 232 Th 1.37±0.35Bq/K g 226 Ra 3.60±0.36Bq/Kg 40 K 25.21±1.43Bq/Kg 耐老化性: 凝集なし、水の漏洩なし 【0044】実施例5 精製した石灰石、ドロマイトおよび大理石の重量比を6 5:20:15に変えた点を除いて、実施例1の手順を採用した。 本実施例において得られた粉末材料の物理的特性は、次の通りであった。 外観: 白 嵩密度: 514Kg/m 3熱伝導率: 0.087W/m. K 水分含有量: 0.95重量パ−セント 発熱量: <150KJ/Kg 耐熱性: 水の漏洩なし 耐霜性: 水の漏洩なし 耐アルカリ性: 水の漏洩なし 耐酸性: 水の漏洩なし 絶縁試験: ミリアンペア計の読みは零 放射性核種: 232 Th 1.29±0.30Bq/K g 226 Ra 3.57±0.31Bq/Kg 40 K 25.12±1.31Bq/Kg 耐老化性: 凝集なし、水の漏洩なし 【0045】 【発明の効果】本発明の建築物保護多機能粉末材料は、 先行技術において公知の建築物保護材料と比較すると、 次のような利点を有する。 1. 優れた断熱性、保温性、防水性、絶縁性および難燃性のような優れた保護特性を備えている。 2. 優れた耐衝撃性、耐亀裂性、耐滲出性、耐漏れ性および耐老化性を有するとともに、建築物の基礎に隙間がある場合には、本発明の粉末材料はかかる隙間を埋めて封止することができる。 3. 化学的に安定であり、非毒性であり、無臭であり、 非腐敗性であり、環境に対して非汚染性であり、簡単に使用することができる。 該粉末材料のコストは低く、使用分野は著しく広い。 更にまた、単独でも、セメントのようなバインダと組み合わせてもに使用することができ、著しい保護作用を発揮することができる。 【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の建築物保護多機能粉末材料の顕微鏡組織を示す概略図である。 |