【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、骨材(砕石材又は高炉スラグ)を加工対象とし、コンクリート用骨材又はアスファルト用骨材や路盤材として利用するようにした丸形磨き骨材及び丸形磨き骨材の製造方法に関する。 【0002】 【従来の技術】コンクリート用骨材としては、粒径5m mアンダの細骨材、粒径5〜20mm、20〜40mm の粗骨材があり、これらのコンクリート用骨材は、その外形が丸い程、品質が高いとされ、このことから、外形が丸みを持っている川砂や海砂、川砂利や海砂利がコンクリート用骨材として好適とされ、骨材については、表面の凹凸や角張りが激しいため、これをそのまま用いるのは好ましくないとされている。 即ち、外形に丸みがあるコンクリート用骨材を用いると、実積率が向上すると共に、単位水量が低減し、コンクリートの流動性、いわゆるワーカビリティーを向上させることができる。 【0003】従来、骨材を加工して、外形に丸みを持たせるようにしたコンクリート用骨材としては、例えば、 回転ドラム内に原料骨材を投入し、この回転ドラムにより原料骨材を攪拌し、原料骨材同士の擦れ合いや衝突によって角張りを取るようにした摩砕骨材が知られている。 【0004】又、特開平7−126052号公報に記載されたコンクリート用丸形骨材のように、原料骨材の表面に、セメント、水、合成樹脂エマルジョンを練り混ぜたセメントペーストをまぶして、回転させながら外形が丸みを持つように付着させるようにしたものが知られている。 【0005】又、近年、雨水を地中に浸透させる技術として、アスファルト用骨材や路盤材に摩砕骨材を用いて透水性を向上させるようにしたものがある。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、コンクリート用骨材について、前者のように、ロータリードラム内に原料骨材を投入して、原料骨材同士の擦れ合いや衝突のみよって角張りを取っただけの摩砕骨材は、鋭利な角張り部分が面取りされてはいるものの、外形が十分な丸みを持つまでには至っていないのが実情である。 又、水を流しながらロータリードラムを回転させる湿式であるため、原料砕石中に含まれた微細砂が洗い流されてしまう。 従って、微細砂(微粒子を含む)をほとんど含まないコンクリート用骨材ができあがる。 また、洗い流しにより生じた微細砂は、これを回収することになるが、この微細砂については、その利用用途がほとんどなく、例えば、土木工事の埋め戻し用として使用するにしても、微細砂の保水性によって水分が抜け切れず、その水分によって軟弱化(いわゆる膿み)し、締め固め(水締め)ができないなどの問題があり、このため、堆積放置したり、産業廃棄物として費用を負担して廃棄するなど、その処理に困窮しているというのが現状である。 【0007】又、後者のように、原料骨材の表面に、セメントペーストを付着させて外形に丸みを持たせたものでは、外形の丸みによって実積率を向上できるものの、 セメントペーストの吸水率が高く、特に、セメントペーストを付着させただけでは、表面が粗いままであるため、吸水率が著しく高くなり、この結果、骨材としての品質が劣るという問題が生じる。 また、流動性のあるセメントペーストを原料骨材の表面にまぶすため、加工に際し、回転容器の内面にセメントペーストが付着固化して、回転容器の内面が汚損し、その除去に多大の手間を要するという問題が生じる。 【0008】本発明は、上述のような従来の問題を解決するためになされたもので、骨材(砕石材又は高炉スラグ)を加工対象とし、外形に丸みを持たせながら吸水性を抑えることで、これをコンクリート用骨材として用いた場合に、実積率を向上させると共に、単位水量を低減させ、コンクリートの流動性、いわゆるワーカビリティーを向上させることができ、又、これをアスファルト用骨材や路盤材として用いた場合に、表面積を向上させると共に透水性を向上させることができる丸形磨き骨材を提供することを第1の課題としている。 【0009】又、この丸形磨き骨材を製造するに当たり、製造過程で発生する微細砂について、これを産業廃棄物として廃棄することなく有効に利用し、この微細砂を製品である丸形磨き骨材中に取り込みながら効率よく製造できるようにした丸形磨き骨材の製造方法を提供することを第2の課題としている。 【0010】 【課題を解決するための手段】上記第1の課題を解決するために、本発明の丸形磨き骨材(請求項1)は、原料骨材を摩砕して得た摩砕骨材の外周面に、微細砂(微粒子を含む)をセメントにより結合させた微細砂層を付着させて丸みを持つ外形に形成されると共に、その表面が磨き面に形成されている構成とした。 【0011】この丸形磨き骨材において、原料骨材が粒径5mmアンダの細骨材である態様(請求項2)、原料骨材が粒径5mmアンダの細骨材と、粒径5〜25mm の粗骨材を含んでいる態様(請求項3)がある。 又、この丸形磨き骨材において、この丸形磨き骨材をそのまま或いは分級してコンクリート用骨材(請求項4)又はアスファルト用骨材や路盤材(請求項5)として利用するようにした態様がある。 又、この丸形磨き骨材において、原料骨材が砕石材又は高炉スラグである態様(請求項6)がある。 尚、砕石材としては、石灰岩、安山岩、 花崗岩等、一般的な砕石材を用いることができる。 【0012】又、上記第2の課題を解決するために、本発明の丸形磨き骨材の製造方法(請求項7)は、原料骨材の角張りを取るように、この原料骨材を摩砕して摩砕骨材及び微細砂(微粒子を含む)を得るようにした原料摩砕工程と、この原料摩砕工程により得た摩砕骨材及び微細砂中にセメントを混合して攪拌させることにより、 摩砕骨材の外周面に、微細砂をセメントにより結合させた微細砂層を付着させて丸みを持つ外形に形成された丸形粗面骨材を得るようにした微細砂層付着工程と、この微細砂層付着工程により得た丸形粗面骨材同士を擦り加工して、その表面を磨き面に形成した丸形磨き骨材及び擦れ落ち微細砂(擦れ落ち微粒子を含む)を得るようにした擦り工程とを備えている構成とした。 【0013】この丸形磨き骨材の製造方法において、原料骨材が砕石材又は高炉スラグである態様(請求項8) がある。 尚、砕石材としては、石灰岩、安山岩、花崗岩等、一般的な砕石材を用いることができる。 【0014】この製造方法では、まず、原料摩砕工程において、原料骨材(砕石材又は高炉スラグ)を摩砕して、この原料骨材の角張りを取った摩砕骨材を得ると同時に、摩砕より角張り部分等から削られた微細砂を得る。 この場合、原料骨材としては、粒径5mmアンダの細骨材、粒径5〜25mmの粗骨材を単独で用いたり、 あるいは組み合わせて用いるようにしてもよい。 又、原料骨材には、一般的に原料微細砂が含まれており、この原料微細砂を含んだままの原料骨材を原料摩砕工程において摩砕処理することになる。 従って、この原料摩砕工程を経た時点では、前記原料微細砂と合わせた量の摩砕微細砂が得られる。 【0015】又、摩砕装置としては、例えば、横型のロータリドラム内にロータを偏心して設け、ロータリドラムとロータとを逆回転させながら原料骨材を攪拌し、原料骨材同士の擦れ合いや衝突によって角張りを取るようにした摩砕装置を用いることができる。 その他、インペラ、バーマック等を用いて、原料骨材の角張りを取るようにしてもよい。 尚、ロッドミルについては、主に、原石を破砕して、本発明で言う原料骨材を得るために用いられる破砕装置であり、原料骨材の角張りを取って丸みを付けるといった作用はほとんどなく、摩砕加工には適さない。 又、原料骨材の供給、摩砕後の摩砕骨材及び微細砂の取り出しは、連続供給しながら連続して取り出す連続処理方式でもよいし、バッチ方式で一定量づつ処理してもよい。 【0016】次に、微細砂層付着工程において、前記原料摩砕工程により得た摩砕骨材及び微細砂中にセメントを混合して攪拌させるもので、これにより、摩砕骨材の外周面に、微細砂をセメントにより結合させた微細砂層を付着させて丸みを持つ外形に形成された丸形粗面骨材を得る。 このように、摩砕骨材及び微細砂中にセメントを混合して攪拌させると、セメントの接着力によって微細砂が結合すると共に、この微細砂が結合した微細砂層が摩砕骨材の外周面に付着し、丸形粗面骨材を得ることができる。 この場合、微細砂はセメントにより結合して、微細砂層に取り込まれるため、この微細砂層付着工程を経た時点では、微細砂はほとんどなくなることになる。 そして、セメントによる微細砂の結合は攪拌しながら行なわれるため、摩砕骨材の凹みにセメント及び微細砂が入り込んで、その凹みが微細砂層によって埋められ、全体的に見て外形に丸みが生じることになる。 【0017】尚、セメントによる接着力を得るためには、水分が必要なことは当然であり、この場合の水分については、セメントによる微細砂の結合ができるような表面水率に設定するもので、摩砕骨材の含水状態に応じて摩砕骨材を適当な表面水率に乾燥したり、あるいは適当な表面水率に加水してセメントによる微細砂の結合が適正に行えるように調整することになる。 一般的には、 表面水率3%程度が好ましい。 又、添加混合するセメントとしては、ポルトランドセメント系を使用するようにしている。 又、セメントの添加混合割合については、摩砕骨材及び微細砂の粒径、割合等の条件に応じて設定するもので、セメントの量が少な過ぎると接着力が得られず、一方、セメントの量が多すぎると摩砕骨材同士が固結してしまうし、コスト高になる。 従って、接着力の維持と固まり過ぎ等を勘案しながら設定することになる。 一般的には、セメントの添加混合割合は、原料骨材の3 〜5重量%程度が好ましい。 【0018】また、この微細砂層付着工程における混合攪拌については、摩砕骨材と、微細砂と、セメントとが十分に混ざり合うようにするのが望ましい。 例えば、横型の回転ドラムを用い、一方の開口部から摩砕骨材と、 微細砂と、セメントを投入し、これらを回転ドラムにより混合攪拌しながら処理後の丸形粗面骨材を他方の開口部から取り出すようにすれば、回転ドラムによって十分な混合攪拌が促されて、品質が均一になるし、丸形粗面骨材を連続して得ることができる。 尚、微細砂層付着工程で用いる装置については、上記の回転ドラムに限られることはなく、例えば、縦型あるいは横型の容器内に回転羽根を設けた混合攪拌装置等を用いることができる。 【0019】次に、擦り工程において、前記微細砂層付着工程により得た丸形粗面骨材同士を擦り加工して、その表面を磨き面に形成した丸形磨き骨材及び擦れ落ち微細砂(擦れ落ち微粒子を含む)を得る。 前記微細砂層付着工程により得た丸形粗面骨材は、セメントの接着力によって微細砂が結合した微細砂層が摩砕骨材の外周面に付着しただけのものであるため、その表面が粗く、表面積が大きい。 従って、吸水率が高くなり、骨材としての品質が問題になる。 そこで、この擦り工程によって、表面を磨き面に形成すると、ざらざらした表面の粗さが取れて、表面積を小さくすることができ、これにより、吸水率を抑えることができる。 また、同時に、微細砂層の表面から微細砂分が擦り取られるため、擦れ落ち微細砂を得ることができる。 【0020】又、擦り装置としては、例えば、前記した摩砕工程で用いたものと同様に、横型のロータリドラム内にロータを偏心して設け、ロータリドラムとロータとを逆回転させながら丸形粗面骨材を攪拌し、丸形粗面骨材同士の擦れ合いや衝突によって表面を擦るようにした擦り装置を用いることができる。 尚、擦りの程度は、表面のざらつきが取れる程度でよく、光沢が生じるほどの研磨は必ずしも必要でない。 【0021】このようにして製造した丸形磨き骨材及び擦れ落ち微細砂をコンクリート用骨材又はアスファルト用骨材や路盤材として利用する場合、この丸形磨き骨材を単独で使用することができるし、この丸形磨き骨材と既存の骨材(海砂、川砂、砕砂、砕石)を必要に応じて混ぜて使用することは任意である。 又、本発明の丸形磨き骨材では、同時に製造される擦れ落ち微細砂の含有量については特に制限はない。 ただ、コンクリート用骨材として好適に使用するには、擦れ落ち微細砂の含有量をJISA5308附属書1に適用するように管理するのが望ましい。 又、擦れ落ち微細砂の量の調節は、その必要量に対して磨き時間を調整することにより行う。 【0022】従って、本発明の丸形磨き骨材では、外形に丸みを持ちながら吸水性が抑えられるため、コンクリート用骨材として用いた場合に、骨材としての品質を維持しながら、実積率を向上させると共に、単位水量を低減させ、コンクリートの流動性、いわゆるワーカビリティーを向上させることができ、又、これをアスファルト用骨材や路盤材として用いた場合に、表面積を向上させると共に透水性を向上させることができる。 【0023】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面により説明する。 尚、本発明の具体的な構成は、この実施の形態に限定されないことは勿論である。 図1は本発明の丸形磨き骨材の製造方法の実施の1形態を示す工程図である。 【0024】この製造方法は、原料摩砕工程Aと、微細砂層付着工程Bと、擦り工程Cを備えており、以下、各工程について説明する。 まず、原料摩砕工程Aでは、原料骨材10(砕石材又は高炉スラグ)を摩砕装置2により摩砕して、原料骨材10の角張りを取った摩砕骨材1 2を得ると同時に、摩砕により角張り部分等から削られた微細砂13を得る。 この場合、原料骨材10としては、粒径5mmアンダの砕砂、粒径5〜25mmの砕石を単独で用いたり、あるいは組み合わせて用いることができる。 【0025】摩砕加工を行う装置としては、内周面に突条(図示せず)を形成した横型のロータリドラム20の内部に、外面に突起(図示せず)を形成したロータ21 を偏心して設けた摩砕装置2(例えば、新六精機株式会社製ハリケーン)を用い、ロータリドラム20内に所定量の原料骨材10を投入して、このロータリドラム20 とロータ21とを逆回転させながら原料骨材10を対向間隙22に挟み込んで原料骨材10,10同士を擦り合わせるように攪拌し、角張りを取って丸みを付けるようにしている。 又、この原料摩砕工程Aを経た時点では、 原料骨材10に含まれていた原料微細砂11と合わせた量の摩砕微細砂13が得られる。 【0026】次に、微細砂層付着工程Bでは、前記原料摩砕工程Aにより得た摩砕骨材12及び微細砂13中にセメント3を混合して攪拌させるもので、これにより、 摩砕骨材12の外周面に、微細砂13をセメント3により結合させた微細砂層14を付着させて丸みを持つ外形に形成された丸形粗面骨材15を得る。 この場合、微細砂13のセメント3による結合は攪拌しながら行なわれるため、摩砕骨材12の凹みにセメントにより結合した微細砂13が入り込んで、その凹みが微細砂層14によって埋められ、全体的に見て外形に丸みが生じることになる。 尚、この丸形粗面骨材15は、セメントの接着力によって微細砂13を結合した微細砂層14が摩砕骨材12の外周面に付着しただけのものであるため、その表面が粗く表面積が大きいものになっている。 そして、この場合、微細砂13は微細砂層14に取り込まれるため、この微細砂層付着工程Bを経た時点では、微細砂1 3はほとんどなくなる。 【0027】尚、セメントによる接着力を得るためには、水分が必要であることから、この実施の形態では、 表面水率3%程度にしている。 又、添加混合するセメントとしては、普通ポルトランドセメントを用いている。 又、セメントの添加混合割合については、原料骨材10 の4重量%程度としている。 【0028】また、この微細砂層付着工程Bにおける混合攪拌については、内面に突条(図示せず)が形成された横型の回転ドラム4を用い、この回転ドラム4内に、 前記摩砕装置2から取り出した摩砕骨材12及び微細砂13と、セメント3を投入し、これらを回転ドラム4により混合攪拌したのち、処理後の丸形粗面骨材15を取り出すようにしている。 【0029】次に、擦り工程Cでは、前記微細砂層付着工程Bにより得た丸形粗面骨材15,15同士を擦り加工して、その表面を磨き面16に形成した丸形磨き骨材17及び擦れ落ち微細砂18(擦れ落ち微粒子を含む) を得る。 前記微細砂層付着工程Bにより得た丸形粗面骨材15は、前記したように、その表面が粗く表面積が大きいと共に、微細砂層14の吸水性によって吸水率が高くなり、骨材としての品質が劣るという問題が生じる。 そこで、この擦り工程Cによって、表面を磨き面16に形成すると、ざらざらした表面の粗さが取れて、表面積を小さくすることができ、丸形粗面骨材15に比べて吸水率を抑えることができる。 また、同時に、微細砂層1 4の表面から微細砂分が擦り取られるため、擦れ落ち微細砂18を得ることができる。 この場合、コンクリート用骨材として好適に使用するには、擦れ落ち微細砂18 (擦れ落ち微粒子を含む)の含有量をJISA5308 附属書1に適用するように管理するのが望ましい。 【0030】又、擦り加工を行う装置としては、例えば、前記した原料摩砕工程Aで用いた摩砕装置2と同様に、横型のロータリドラム50内にロータ51を偏心して設けた擦り装置5(例えば、新六精機株式会社製ハリケーン)を用い、前記微細砂層付着工程Bの回転ドラム4から取り出した丸形粗面骨材15をロータリドラム5 0内に投入して、このロータリドラム50とロータ51 とを逆回転させながら丸形粗面骨材15を対向間隙52 に挟み込んで丸形粗面骨材15,15同士を擦り合わせるように攪拌し、表面のざらつきを擦り取るようにしている。 この場合、前記摩砕工程Aでは、原料骨材10, 10同士の擦れ合いを強くするために、ロータ21の偏心量を大きくして対向間隙22を狭く設定し、一方、擦り工程Cでは、丸形粗面骨材15,15同士の擦れ合いを弱くするために、ロータ51の偏心量を小さくして対向間隙52を広く設定している。 【0031】このようにして製造した丸形磨き骨材17 (擦れ落ち微細砂を含む)をコンクリート用骨材として利用した場合において、この丸形磨き骨材の品質及びスランプ値について、一般に使用される摩砕骨材と、擦り加工前の丸形粗面骨材と比較した試験結果を表1(品質)及び表2(スランプ値)に示す。 【0032】 【表1】 【0033】この表1で示すように、丸形磨き骨材は、 その実積率が摩砕骨材及び丸形粗面骨材に比べて向上し、又、吸水率が丸形粗面骨材に比べて大幅に低減していることが判る。 尚、JISA5308附属書1で、粗骨材の絶乾比重は2.5以上、吸水率は3.0%以下、 細骨材の絶乾比重は2.5以上、吸水率は3.5%以下と定められており、本発明の丸形磨き骨材は、比重及び吸水率の両方共にクリアしていることが判る。 【0034】 【表2】 【0035】このスランプ値測定試験において、生コンクリートのセメントとして普通ポルトランドセメントを用い、混和剤の使用量はC×1%であり、また、目標スランプ値は15±1cm、空気量は4.5±1%とした。 この表2で示すように、丸形磨き骨材を用いた生コンクリートのスランプ値は、摩砕骨材に比べて7.5c m、丸形粗面骨材に比べて3cm向上しているのが判る。 【0036】尚、表3は、目標スランプ値(15±1c m)に合わせて、単位水量の違いを確認するために、表2を修正して各骨材の配合を表したものである。 【0037】 【表3】 【0038】この表3で示すように、丸形磨き骨材を用いると、摩砕骨材に比べて18kg/m 3 、丸形粗面骨材に比べて8kg/m 3単位水量が低減できることが判る。 【0039】以上、表1、表2、表3で判るように、本発明の丸形磨き骨材は、これをコンクリート用骨材として使用した場合、実積率、吸水率、スランプ値(単位水量)の面で良好な結果が得られ、これは、丸形磨き骨材の外形が丸みを持つと共に、表面が磨き面に加工されていることを証明している。 尚、丸形磨き骨材が丸みを持ち、丸形粗面骨材に比べて表面のざらつきが除去されていることは、目視及び手触りによっても十分に確認することができた。 【0040】又、本発明の丸形磨き骨材をアスファルト用骨材や路盤材として用いた場合には、外形の丸みによって表面積を向上させると共に透水性を向上させることができる。 【0041】 【発明の効果】以上説明してきたように、本発明の丸形磨き骨材(請求項1〜6)では、外形に丸みを持ちながら吸水性が抑えられるため、コンクリート用骨材として用いた場合に、骨材としての品質を維持しながら、外形の丸みによって転がり易くなり、コンクリートの流動性、いわゆるワーカビリティーを向上させると共に、実積率が向上することによって大幅に単位水量が低減し、 コンクリートの高耐久性を実現できる。 又、これをアスファルト用骨材や路盤材として用いた場合に、外形の丸みによって表面積を向上させると共に透水性を向上させることができる。 【0042】又、本発明の丸形磨き骨材の製造方法(請求項7、8)にあっては、原料摩砕工程と、微細砂層付着工程と、擦り工程によって、丸形磨き骨材を効率的に製造することができるし、同時に擦れ落ち微細砂(擦れ落ち微粒子を含む)を得ることができるという効果が得られる。 又、原料摩砕工程で生じた微細砂を微細砂層に取り込むため、この微細砂を従来のように、堆積放置したり、産業廃棄物として処分する必要がなくなり、今まで処分に困窮していた微細砂の有効利用を図りながら、 骨材としての品質を維持でき、コンクリート用骨材又はアスファルト用骨材や路盤材として有用に使用できる丸形磨き骨材を製造することができる。 【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の丸形磨き骨材の製造方法の実施の1形態を示す工程図である。 【符号の説明】 A 原料摩砕工程 B 微細砂層付着工程 C 擦り工程 10 原料骨材 11 原料微細砂 12 摩砕骨材 13 微細砂 14 微細砂層 15 丸形粗面骨材 16 磨き面 17 丸形磨き骨材 18 擦れ落ち微細砂 2 摩砕装置 20 ロータリドラム 21 ロータ 22 対向間隙 3 セメント 4 回転ドラム 5 擦り装置 50 ロータリドラム 51 ロータ 52 対向間隙 ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 柳川 泰 福岡県福岡市西区横浜1丁目15−26 Fターム(参考) 4G012 LA01 LA06 |