Synthetic hollow microspheres

申请号 JP2004529583 申请日 2003-08-21 公开(公告)号 JP4490816B2 公开(公告)日 2010-06-30
申请人 ジェームズ ハーディー インターナショナル ファイナンス ベスローテン フェンノートシャップ; 发明人 ジャン、ホアガン; ダッタ、アムラン; イー トンプスン、ノエル; ファーム、シン; ホジャジ、ハミッド; エー マクファーレイン、ジェイムズ; エル メルメス、デイビッド;
摘要
权利要求
  • 合成中空小球体の形成方法であって、
    (a) 第1の成分および発泡剤を含む凝集体前駆体を調製する工程;および (b)該前駆体の表面を密閉し、かつ発泡剤を活性化するのに十分な所定の温度プロファイルで前駆体を焼成する工程を含み、該 第1の成分が少なくとも1種のアルミノシリケート材料を含 み、
    前記凝集体前駆体が14重量%未満の含水率を有する合成中空小球体の形成方法。
  • 前記 第1の成分の量が、凝集体前駆体の総重量に基づいて、少なくとも40重量%である請求項1記載の方法。
  • 前記発泡剤の量が、凝集体前駆体の総重量に基づいて、0.05〜10重量%の範囲である請求項1または2記載の方法。
  • 前記 第1の成分に対する発泡剤の比が1000:1〜10:1の範囲である請求項1、2または3記載の方法。
  • 前記凝集体前駆体が30〜1000ミクロンの範囲の平均凝集体粒子サイズを有する微粒子である請求項1、2、3 または4記載の方法。
  • 前記凝集体前駆体が最大 で1 0重量%の総アルカリ金属酸化物含有率を有する請求項1、2、3、4 または5記載の方法。
  • 前記 第1の成分が、フライアッシュ、ボトムアッシュ、粉炭、ペーパーアッシュ、玄武岩、安山岩、長石、アルミノシリケートクレイ、ボーキサイト、黒曜石、火山灰、火山岩、火山ガラス、ジオポリマーおよびそれらの組み合わせから選択される少なくとも1種のアルミノシリケート材料を含む請求項1、2、3、4、5 または6記載の方法。
  • 前記少なくとも1種のアルミノシリケート材料がフライアッシュである請求項1、2、3、4、5、6 または7記載の方法。
  • 前記少なくとも1種のアルミノシリケート材料が炭化されている請求項1、2、3、4、5、6、7 または8記載の方法。
  • 前記少なくとも1種のアルミノシリケート材料中のシリカに対するアルミナの質量比 が1より大きい請求項1、2、3、4、5、6、7、8 または9記載の方法。
  • 前記少なくとも1種のアルミノシリケート材料が非晶相を包含する請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9 または10記載の方法。
  • 前記少なくとも1種のアルミノシリケート材料が0.01〜100ミクロンの範囲の平均主要粒子サイズを有する請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10 または11記載の方法。
  • 前記 第1の成分が、少なくとも1種の廃棄物材料および/または他のガラス形成材料をさらに含む請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11 または12記載の方法。
  • 前記少なくとも1種の廃棄物材料および/または他のガラス形成材料が、廃棄ガラス、廃棄セラミックス、窯ダスト、廃棄繊維セメント、コンクリート、焼却灰、珪藻土、ケイ砂、シリカフュームまたはそれらの組み合わせから選択される請求項 13記載の方法。
  • 前記発泡剤が、粉末状石炭、カーボンブラック、活性炭、グラファイト、炭素の高分子有機物、石油、炭水化物、PVA、カーボネート、カーバイド、スルフェート、スルフィド、ニトリド、ニトレート、アミン、ポリオール、グリコールまたはグリセリンから選択される請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13 または14記載の方法。
  • 前記発泡剤が、シリコンカーバイド、粉末状石炭、カーボンブラックまたは糖から選択される請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14 または15記載の方法。
  • 前記発泡剤が0.01〜10ミクロンの範囲の平均粒子サイズを有する請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15 または16記載の方法。
  • 前記凝集体前駆体が結合剤をさらに含む請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16 または17記載の方法。
  • 前記結合剤が、アルカリ金属シリケート、アルカリ金属アルミノシリケート、アルカリ金属ボレート、アルカリまたはアルカリ土類金属カーボネート、アルカリまたはアルカリ土類金属ニトレート、アルカリまたはアルカリ土類金属ニトリド、ホウ酸、アルカリまたはアルカリ土類金属スルフェート、アルカリまたはアルカリ土類金属ホスフェート、アルカリまたはアルカリ土類金属ヒドロキシド、炭水化物、コロイダルシリカ、超微細フライアッシュ、C型フライアッシュ、F型フライアッシュ、無機シリケートセメント、ポルトランドセメント、アルミナセメント、石灰基材セメント、ホスフェート基材セメント、有機高分子またはそれらの組み合わせから選択される請求項 18記載の方法。
  • 前記結合剤が全体として凝集体前駆体の融点より低い融点を有する請求項 18または19記載の方法。
  • 前記結合剤が700〜1000℃の範囲の融点を有する請求項 18、19または20記載の方法。
  • 前記結合剤が共 晶組成を有する請求項 18、19、20または21記載の方法。
  • 前記結合剤が5:1〜1:1の範囲のSiO 2に対するNa 2 Oの比を有する請求項 22記載の方法。
  • 前記結合剤がナトリウムシリケートである請求項 18、19、20、21、22または23記載の方法。
  • 前記結合剤が、水酸化アルカリ金属およびアルミノシリケート材料のインサイチュでの反応により生成されるアルカリ金属アルミノシリケートである請求項 18、19、20、21または22記載の方法。
  • 前記結合剤の量が、凝集体前駆体の総重量に基づいて、0.1〜50重量%の範囲の請求項 18、19、20、21、22、23、24または25記載の方法。
  • 前記 第1の成分、発泡剤および任意で結合剤が一緒に同時粉砕され、すべての凝集体前駆体成分 が等しい平均粒子サイズを有する請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25 または26記載の方法。
  • 前記焼成工程(b)が、0.05〜20秒間、600〜2500℃の範囲の温度で行われる請 求項 1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26 または27記載の方法。
  • 溶融膜が、焼成工程(b)において前駆体の周囲に形成される請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27 または28記載の方法。
  • 前記発泡剤が、溶融膜の形成中および/または形成後に活性化される請求項 29記載の方法。
  • 発泡気体が溶融膜の内側に捕捉される請求項 29または30記載の方法。
  • 前記焼成工程が、流動床式反応器、渦巻き型炉、加熱垂直パイプまたは燃料燃焼炉で行われる請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30 または31記載の方法。
  • 請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31または32記載の方法により得られる合成中空小球体であって、
    前記小球体の平均粒子サイズが30〜1000ミクロンの範囲であり、そして該小球体の総アルカリ金属酸化物含有率が、小球体の総重量に基づいて、2〜10重量%の範囲であるアルミノシリケート材料を含む合成中空小球体。
  • 前記小球体が1〜10重量%の範囲の量の酸化ナトリウムを含む請求項 33記載の合成中空小球体。
  • 以下の特徴を1つ以上有する請求項 33または34記載の合成中空小球体。
    (i )0 .8〜1のアスペクト比。
    (ii)小球体の総容積に基づいて 、3 0〜95%の空隙容積;
    (iii)小球体半径 の5 〜30%の壁厚;
    (iv)30〜85重量%のSiO 2 、2〜45重量%のAl 23 、最大 で3 0重量%の二価金属酸化物、2〜10重量%のアルカリ金属酸化物および最大 で2 0重量%の、複数の酸化状態で存在する金属酸化物を含む他の金属酸化物の組成;
    (v )1より大きなシリカ対アルミナ比;
    (vi)30〜1000ミクロンの平均直径;
    (vii)1〜50ミクロンの外側壁厚;
    (viii)0.1〜2.0g/cm 3の粒子密度;または (ix )1 .4g/cm 3未満の塊状密度。
  • フィラー用途、改質剤用途、 保持材用途または基材用途における、請求項 33、34または35記載の合成中空小球体の使用 方法
  • 前記フィラー用途が、ポリマー、無機セメント状材料、コンクリー トパテ、木 複合材、クレイおよびセラミックスから選択される複合材料におけるフィラーである請求項 36記載の使用 方法
  • 前記改質剤用途が、光反射用途、工業用爆発物、噴射エネルギー吸収構造物、塗料および粉末被覆用途、粉砕および噴射用途、掘削用途、吸着 配合物および音響または熱遮断用途から選択される請求項 36記載の使用 方法
  • 前記 保持材用途が、医学および医薬用途、放射性または毒性材料用の 微小保持材 、ならびに、気体および液体用の 微小保持材から選択される請求項 36記載の使用 方法
  • 前記基材用途が、イオン交換用途、触媒用途、濾過、ポリマー複合材用の伝導性フィラーまたはRF遮断フィラーおよび医学用画像化から選択される請求項 36記載の使用 方法
  • 合成中空小球体を製造するのに適切な凝集体前駆体であって、該凝集体前駆体が 第1の成分および発泡剤を含み、該 第1の成分が少なくとも1種のアルミノシリケート材料を含 み、
    前記凝集体前駆体が14重量%未満の含水率を有する凝集体前駆体。
  • 結合剤をさらに含む請求項 41記載の凝集体前駆体。
  • 合成中空小球体を形成するのに適切な凝集体前駆体の製造方法であって、
    (a)所定のサイズの 第1の成分を調製する工程であって、該 第1の成分が少なくとも1種のアルミノシリケート材料を含む工程;
    (b)水中で発泡剤と 第1の成分を混合する工程;および (c)混合物を乾燥させる工程を含 み、
    前記凝集体前駆体が14重量%未満の含水率を有する凝集体前駆体の製造方法。
  • 前記 第1の成分の量が、凝集体前駆体の総乾燥重量に基づいて 、4 0重量%より多い請求項 43記載の製造方法。
  • 前記発泡剤の量が、凝集体前駆体の総乾燥重量に基づいて 、1 0重量%未満である請求項 43または 44記載の製造方法。
  • 合剤が、工程(b)において 第1の成分および発泡剤と追加的に混合される請求項 43、44または45記載の製造方法。
  • 前記乾燥工程(c)が、30〜600℃の範囲の温度で乾燥することを含む請求項 43、44、45または46記載の製造方法。
  • (d)所定の粒子サイズの凝集体前駆体粒子を形成するために、工程(c)から得られた乾燥混合物を粉砕する工程をさらに含む請求項 43、44、45、46または47記載の製造方法。
  • 前記乾燥混合物を粉砕して、10〜1000ミクロンの範囲の平均粒子サイズを有する凝集体前駆体粒子を調製する請求項 48記載の製造方法。
  • 乾燥工程および粉砕工程が単一工程で実施される請求項 48または49記載の製造方法。
  • 前記乾燥工程(c)がスプレー乾燥機を使用して実施される請求項 43、44、45、46または47記載の製造方法。
  • 说明书全文

    本発明は、合成中空小球体の製造方法および当該方法により製造される合成中空小球体に関する。 これらは主に、市販のセノスフェア(cenospheres)に対して、コスト的に効果的な代替物を提供するために開発された。

    明細書全体にわたる先行技術のあらゆる議論は、そのような先行技術が周知または当該分野で一般的な知識の一部を形成するということを認めるものと考えるべきではない。

    セノスフェアは、フライアッシュ中に見られる球状の無機中空微粒子(小球体)であり、これは石炭火発電所で副産物として生成される。 セノスフェアは、代表的には、約1−2%のフライアッシュを作り出し、そして「収穫された(harvested)」セノスフェアは広く市販されている。 セノスフェアの組成、形態、サイズ、形状および密度は、多くの低密度製品の形成および製造にとくに利益をもたらす。

    セノスフェアの特徴の1つとして、それらの非常に高い化学的耐久性がある。 この非常に高い化学的耐久性は、それらの組成物中でのアルカリ金属酸化物(とくに酸化ナトリウム)の含有量が非常に低いことに起因すると解される。 したがって、収穫されたセノスフェアから製造される低密度複合材は、重量比に対する高い強度と化学的不活性という所望の性質を有する。 化学的不活性は、ポルトランドセメント用途でとくに重要であり、相対的な化学的不活性は、非常に耐久性のあるセメント製品を得るのに重要な役割を果たす。 したがって、収穫されたセノスフェアは、建築製品、ならびに高い化学的耐久性が所望される腐食環境と接触され得る一般的用途でとくに有用であることが立証されている。

    収穫されたセノスフェアの既知利用性にもかかわらず、それらの広範な使用は、それらの費用および利用可能性により広い範囲に限定されてきた。 フライアッシュからの多量のセノスフェアの回収は、集約労働および高価な工程である。 収集工程を改善することによって、フライアッシュからのセノスフェアの回収を増大させることは可能であるが、向上した回収の費用は、これを経済的に実現させるものではない。

    フライアッシュ中のセノスフェアの収量を増大させるために、発電所での燃焼条件を変えることも可能であるかもしれない。 しかし、発電所での燃焼条件は、セノスフェア生産ではなく石炭燃焼に最適化されている。 石炭燃焼効率を犠牲にしてセノスフェア生産の収量を増大させることは、経済的に実現性がない。

    小球体を生産するいくつかの方法は先行技術に記載されている。 中空ガラス小球体を製造する初期の方法は、ナトリウムシリケートおよびホウ砂を、適切な発泡剤と組み合わせて、混合物を乾燥および破砕し、破砕粒子のサイズを調整し、そして、その粒子を連続的に焼成する(firing)ことを含む。 しかし、この方法は、高価な出発材料(たとえば、ホウ砂)の使用に悩まされる。 したがって、生じた小球体は、必然的に高価となる。 さらに、製品は、生じたガラス組成物中の高含有率の酸化ナトリウムにより化学的耐久性に乏しい。

    米国特許第3,752,685号明細書は、天然に生じる火山岩であるシラスからガラス小球体を製造する方法を記述する。 800〜1000℃で加熱することにより、微細に分割されたシラスは、中空ガラス小球体を形成する。 しかし、この方法は、広く利用可能な出発材料でないシラスの供給による。

    米国特許第3,365,315号明細書は、蒸気の存在下で、約1200℃の温度で加熱することによって、ガラスビーズからガラス小球体を生成する方法を記述する。 この方法は、出発原料として予備形成された非晶ガラスの独占的使用を必要とする。

    米国特許第2,978,340号明細書は、本質的にアルカリ金属シリケートからなる別個の中実 (solid)粒子からガラス小球体を形成する方法を記述する。 小球体は、尿素またはNa 2 CO 3などの気化剤の存在下で、1000−2500°Fの範囲の温度で、アルカリ金属シリケートを加熱することによって形成される。 さらに、アルカリシリケート製品は、高含有率の酸化アルカリ金属のため、化学的耐久性に乏しいことに悩まされる。

    米国特許第2,676,892号明細書は、2500−3500°Fの温度で頁岩の粒子を加熱することによって、マッコケタ粘土頁岩から小球体を形成する方法を記述する。 得られた製品は、不適当にも開放孔構造を有することにより、水性セメント環境で比較的高い吸水性を導く。

    米国特許出願番号第2001/0043996号(欧州特許公報A−1156021号の等価物)は、1〜20ミクロンの直径を有する中空小球体を形成するスプレー燃焼方法を記述する。 しかし、この方法は、既知のセノスフェアの直径(すなわち、約200ミクロン)に類似の直径を有する中空小球体を作るのに不適切である。 スプレー燃焼方法では、迅速蒸気爆発(rapid steam explosion)が大きな粒子を破壊し、それにより直径約20ミクロンより大きな中空小球体の形成を防ぐ。

    米国特許出願番号第2002/0025436号は、フライアッシュから固形小球体を形成する方法を記述する。 その方法により、フライアッシュ粒子の球状体の均質性を改善し、そして約1.8g/cm 3の密度を有するフライアッシュ球状体を与えるといわれている。

    一般に利用可能な原材料から、低費用で高収量の方法で許容し得る化学的耐久性を有する小球体を製造することが望ましく、それにより、繊維セメントおよび他の製品で、このような材料をさらに広範に使用させる。

    先行技術の少なくとも1つの欠点を克服または緩和するか、または有用な代替物を提供することが本発明の目的である。

    したがって、第一の態様において、本発明は、合成中空小球体の形成方法であって、
    (a) 第1の成分および発泡剤を含む凝集体前駆体を調製する工程;および (b)該前駆体の表面を密閉し、かつ発泡剤を活性化するのに十分な所定の温度プロファイルで前駆体を焼成する工程を含み、該第1の成分が少なくとも1種のアルミノシリケート材料を含む合成中空小球体の形成方法を提供する。

    文脈において、明らかに別の意味を要求しない限り、明細書および特許請求の範囲全体にわたり、語「含む(comprise)」、「含む(含むこと)(comprising)」などは、排他的または徹底的な意味とは対照的に包括的意味であり、「含むが、それに限定されない(including, but not limited to)」の意味で、解釈されるべきである。

    本明細書中で使用される場合、用語「合成中空小球体」または「合成小球体」は、合成工程の主要な目的生成物として合成される中空小球体を意味する。 その用語は、たとえば、単に、石炭火力発電所で石炭を燃焼させたときの副産物である収穫されたセノスフェアを含まない。

    用語「小球体」は明細書全体にわたって使用されるが、この用語は、真の幾何学上の球体でない微粒子を含めて、あらゆる実質的に球状の別個の微粒子を含むことが意図される。

    本明細書中で使用される場合、用語「凝集体先駆体を製造すること」は、種々の構成要素を組み合わせること、たとえば、以下に記載される方法による凝集体前駆体の合成的製造を意味する。

    本明細書中で使用される場合、用語「 第1の成分」は、その成分が、凝集体前駆体の大多数の構成成分であることを意味し、 第1の成分の量が他の構成成分の量を超えるということである。

    本発明の好ましい方法は、フライアッシュ、天然岩石および鉱物などの広範に利用可能で、そして廉価な出発材料から高い収量で小球体を生成する手段を有利に提供する。 したがって、本発明の好ましい形態での方法は、小球体を生成する全費用を減じ、そして結果的に、それらの用途の範囲が、とくに建築産業(建築産業においては、現在利用可能なセノスフェアの使用が、それらの法外な費用および低い利用可能性により、比較的制限される)において増大する。
    ここで、中空小球体は、フライアッシュなどの廃棄物アルミノシリケート材料から形成することができるとは考えられなかった。

    本発明の好ましい形態で、本発明の別の利点は、生成された小球体が、特定の目的に適合するように合わせることができることである。 たとえば、小球体のサイズ、密度および組成は要求されるとおり、形成中に相対量の成分および/または温度プロファイル/露出時間を変更することによって改質され得る。

    本発明の好ましい形態で、本発明のさらに別の利点は、生成された小球体が、許容しうる高い化学的耐久性を有し、そしてたとえば、最大で48時間の間、pH12−14の非常に腐食性の環境によく耐えることができることである。 したがって、本発明の好ましい形態により生成された小球体は、ポルトランドセメントペーストなどの水性セメント環境に充分に耐えることができる。

    さらに、ほとんどの場合には、繊維セメント製品は、250℃と同じ高さの温度で保持されたオートクレーブ中で最大24時間の間で硬化される。 本発明の好ましい形態によって生成される小球体は、溶解に対して質量の損失が最少量であり(シリカの浸出により)、それらの形状を保持し、そして厳しいオートクレーブ条件にさらされた後でさえ、繊維セメント製品で高い機械的強度を有し続ける。

    第二の態様では、本発明は、上述される方法により得られ得る合成中空小球体を提供する。

    第三の態様では、本発明は、小球体の平均粒子サイズが30〜1000ミクロンの範囲であり、そして小球体の総アルカリ金属酸化物含有率が小球体の総重量に基づいて、3〜10重量%の範囲である、アルミノシリケート材料を含む合成中空小球体を提供する。

    第四の態様では、本発明は、フィラー用途、改質剤用途、 保持材用途および基材用途で上で記述されるとおりの合成中空小球体の使用を提供する。

    第五の態様では、本発明は、上述のとおりの合成中空小球体を含む繊維セメント建築用製品を提供する。

    第六の態様では、本発明は、凝集体前駆体が第1の成分および発泡剤を含み、該第1の成分が少なくとも1つのアルミノシリケート材料を含む、合成中空小球体を製造するのに適切な凝集体前駆体を提供する。

    第七の態様では、本発明は、合成中空小球体を形成するのに適切な凝集体前駆体の製造方法であって、
    (a)所定のサイズの第1の成分を調製する工程であって、該第1の成分が少なくとも1種のアルミノシリケート材料を含む工程;
    (b)水中で発泡剤と第1の成分を混合する工程;および (c)混合物を乾燥させる工程を含む凝集体前駆体の製造方法を提供する。

    本発明の全ての態様の好ましい特色は、以下に詳述される。

    凝集体前駆体 凝集体前駆体は、一般的に、それの構成要素材料からなる中実の凝集混合物である。

    第1の成分の量は、凝集体前駆体の総重量に基づいて、好ましくは少なくとも40重量%、より好ましくは少なくとも50重量%、より好ましくは少なくとも70重量%、より好ましくは少なくとも80重量%、そしてより好ましくは少なくとも90重量%含まれる。

    発泡剤の量は、凝集体前駆体の総重量に基づいて、好ましくは0.05重量%から10重量%まで、より好ましくは0.1〜6重量%、より好ましくは0.2〜4重量%の範囲である。 正確な量の発泡剤は、 第1の成分の組成、発泡剤の型および最終小球体の要求される密度に依存する。

    第1の成分対発泡剤の好ましい比は、これらの成分の各々の組成によって変化する。 一般に、 第1の成分対発泡剤の比は、1000:1〜10:1、より好ましくは700:1〜15:1、そしてより好ましくは500:1〜20:1の範囲である。

    凝集体前駆体は、好ましくは約14重量%未満、より好ましくは約10重量%未満、より好ましくは約5重量%未満、そしてより好ましくは約3重量%またはそれ未満の含水率を有する。 凝集体前駆体中の14重量%またはそれより多くの水分では、凝集体が燃焼中に粉砕される傾向があることが分かった。 この破壊は、多すぎる水の存在下での迅速な蒸気の爆発的急増によって引起されることは、本発明者らによって理解される。

    したがって、凝集体前駆体は本質的に乾燥しているが、前駆体形成のための溶液ベースの工程(たとえば、以下に記載される凝集体前駆体の形成のための溶液ベースの工程)後には少量の残余湿度が凝集体前駆体中に存在し得る。 実際には、少量の水分が、とくに凝集体前駆体中の粒子が水反応性である場合には、凝集体中の粒子を互いに結合する役目を果たし得る。 さらに、少量の水分が、燃焼中にいくかのH 2 Oガスが放出されることにより部分的な発泡剤としても作用し得る。

    凝集体前駆体は、好ましくは最大で約10重量%、そして代表的には2〜10重量%、3〜10重量%、4〜10重量%または5〜10重量%の範囲である総アルカリ金属酸化物含有率を有する。 このような凝集体前駆体から形成された小球体が、なお、ほとんどの用途に適切な、許容できる高い化学的耐久性を有することから、約10重量%未満の総アルカリ金属酸化物含有率が有利である。

    凝集体は、好ましくは10〜1000ミクロン、より好ましくは30〜1000ミクロン、そしてより好ましくは40〜500ミクロンの範囲である平均凝集体粒子サイズを有する微粒子である。

    第1の成分
    第1の成分は、好ましくは低アルカリ性材料である。 「低アルカリ性材料」によって、10重量%未満、より好ましくは8重量%未満、そしてより好ましくは5重量%未満のアルカリ金属酸化物含有率を有する材料が意味される。 本発明のこの好ましい形態で、比較的高いアルカリ材料が、なお第1の成分に含まれ得る。 したがって、約15重量%までのアルカリ含有率を有するソーダ石灰ガラス(しばしば、キュレットと称される)などの廃棄物ガラス粉が、 第1の成分化合物中に含まれ得る。 しかし、他の低アルカリ第1の成分と組み合わせた場合、 第1の成分の全体のアルカリ濃度は、本発明のこの好ましい形態で10重量%未満であるべきである。

    これまで、比較的多くのアルカリ金属酸化物が、アルカリ金属シリケートからガラス小球体を形成する上で融剤として作用することが要求されると考えられてきた(たとえば、米国特許第3,365,315号明細書を参照)。 しかし、本発明者らは、本発明の方法を使用して、合成小球体が多量の追加のアルカリ金属酸化物の必要なしに、市販の供給源の低アルカリ含有率アルミノシリケート原材料から形成され得ることを見出した。 これについては、以下で詳細に述べる。

    アルミノシリケート材料は当業者に周知である。 一般に、これらはシリカ(SiO 2 )およびアルミナ(Al 23 )の多量成分(すなわち、約50重量%より多く、好ましくは約60重量%より多く)を有する材料である。 しかし、「アルミノシリケート」として分類される材料のものは、当業者によって十分に理解される。

    アルミノシリケート材料中のシリカとアルミナの量は、供給源により変更され、そして同じ供給源であっても変更される可能性がある。 たとえば、フライアッシュは、使用される石炭の型および燃焼条件によって、可変量のシリカおよびアルミナを含有する。 好ましくは、シリカ(SiO 2 )対アルミナ(Al 23 )の質量比は、本発明で使用されるアルミノシリケート材料中で約1より大きい。

    とくに本発明で使用するためのアルミノシリケート材料は、30〜85重量%のSiO 2 ;2〜45重量%(好ましくは6〜45重量%)のAl 23 ;最大で約30重量%(好ましくは、最大で約15重量%)の二価金属酸化物(たとえば、MgO、CaO、SrO、BaO);最大で約10重量%の一価金属酸化物(たとえば、Li 2 O、Na 2 O、K 2 O);および複数の酸化状態で存在する金属酸化物(たとえば、TiO 2 、Fe 23など)を含めて最大で約20重量%の他の金属酸化物の組成を有する。

    本発明の方法は、アルミノシリケート材料のいかなる特定の供給源にも限定されない。 しかし、 第1の成分には、好ましくはフライアッシュ(たとえば、F型フライアッシュ、C型フライアッシュなど)、ボトムアッシュ、粉炭、ペーパーアッシュ、玄武岩、安山岩、長石、アルミノシリケート粘土(たとえば、カオリナイト粘土、イライト粘土、ベダライト粘土、ベントナイト粘土、磁器、耐火粘土など)、ボーキサイト、黒曜石、火山灰、火山岩、火山ガラス、ジオポリマーまたはそれの組み合わせから選択される少なくとも1種のアルミノシリケート材料が含まれる。 より好ましくは、 第1の成分には、フライアッシュ、安山岩、玄武岩、および/またはアルミノシリケート粘土が含まれる。

    アルミノシリケート材料は、炭化(calcined)または非炭化(non-calcined)のいずれかであり得る。 用語「炭化(calcined)」は、アルミノシリケート材料を、空気中で、所定の期間、所定の炭化温度に加熱して、アルミノシリケート材料の特定の成分を酸化または予備反応のいずれかを行ったことを意味する。 アルミノシリケート材料の炭化は本発明に有利であり得る。 なぜなら、
    発泡(膨張)工程がアルミノシリケート材料中に存在する多価酸化物の酸化還元状態に感受性であり得るからである。 理論に縛られることを望まずに、発泡剤の活性化は、アルミノシリケート材料中に存在する多価酸化物からの酸素の放出によって(たとえば、酸化還元反応により)影響されると考えられる。 例として、炭素の発泡剤を、酸化第二鉄(Fe 23 )によってCO 2に酸化し、そしてそれを、次に酸化第一鉄(FeO)に還元する。 発泡剤からのCO 2の放出は小球体を膨張させる。 したがって、空気中でアルミノシリケート材料を予備炭化することによって、相当量の酸化第二鉄を増大させ、そしてその後、それを、より多くの気体を発生するために発泡剤についての酸素の供給源として使用し、それにより小球体の密度を低下させる。

    さらに、炭化は、酸化物成分の予備反応を促進することができ、および/またはアルミノシリケート材料での部分的ガラス化状態を引起す。 それは、高品質の小球体の生産に有益であり得る。

    フライアッシュは、その費用が安いこと、および入手可能性が広いことにより、とくに好ましいアルミノシリケート第1の成分である。 本発明の1つの好ましい形態では、 第1の成分は、 第1の成分の総量に基づいて、少なくとも5重量%のフライアッシュ、そしてより好ましくは少なくとも10重量%のフライアッシュを含む。 別の好ましい形態では、 第1の成分は、 第1の成分の総量に基づいて、少なくとも50重量%のフライアッシュ、より好ましくは少なくとも70重量%のフライアッシュ、そしてより好ましくは少なくとも90重量%のフライアッシュを含む。 本発明のある実施態様では、 第1の成分は、実質的に全てのフライアッシュであり得る。

    フライアッシュは、フライアッシュジオポリマーの形態でも使用され得る。 これはフライアッシュを金属水酸化物(たとえば、NaOHまたはKOH)の水性溶液と接触させるときに形成される。 フライアッシュジオポリマーは、当該分野で周知である。

    少なくとも1種のアルミノシリケート材料は、好ましくは非晶相を含み、それは、部分的にか、全体的にかのいずれかで非晶である。

    少なくとも1種のアルミノシリケート材料は、好ましくは0.01〜100ミクロン、より好ましくは0.05〜50ミクロン、より好ましくは0.1〜25ミクロン、そしてより好ましくは0.2〜10ミクロンの範囲である平均主要粒子サイズを有する。 好ましい粒子サイズは、適切な粉砕および分級によって得られる。 全ての型の粉砕、破砕およびセラミックス産業で使用される全てのサイズ減少技術は、本発明に使用され得る。 脆い固体のために使用されるサイズ減少の他の方法に限定されずに、本発明による好ましい方法は、ボール破砕(湿式および乾式)、高エネルギー遠心分離破砕、ジェット破砕および摩擦破砕である。 1種より多くのアルミノシリケート材料を使用する予定である場合、それによりたくさんの成分が、一緒に同時粉砕できる。 本発明の1つの方法では、粉砕工程の前に発泡剤および任意で結合剤を、アルミノシリケート材料に添加する。 たとえば、全ての成分を、一緒に同時粉砕(たとえば、湿式ボールミルで)できる。 この場合、その後の水性混合が除かれる。

    代表的には、 第1の成分の大半は、少なくとも一種のアルミノシリケート材料である。 アルミノシリケート材料の量は、 第1の成分の総重量に基づいて、少なくとも50重量%、より好ましくは少なくとも70重量%、そしてより好ましくは少なくとも90重量%であることが一般に好ましい。 ある場合、 第1の成分は、実質的に全てのアルミノシリケート材料を含む。

    しかし、本発明の別の実施態様では、 第1の成分は、少なくとも1種のアルミノシリケート材料に加えて、廃棄物材料および/または他のガラス形成材料を含み得る。 この別の実施態様で使用され得る典型的な廃棄物材料または他のガラス形成材料は、廃棄物ガラス(たとえば、ソーダ石灰ガラス、ボロシリケートガラスまたは他の廃棄物ガラス)、廃棄物セラミックス、窯ダスト、廃棄物繊維セメント、コンクリート、焼却灰、珪藻土、ケイ砂、シリカフュームまたはそれらの組合わせである。 廃棄物材料および/または他のガラス形成材料の総量は、 第1の成分の重量に基づいて、最大で約50重量%(たとえば、最大で約40重量%、最大で約30重量%、または最大で約20重量%)であり得る。 前述のとおり、この型の第1の成分混合物中のアルカリ金属酸化物の総量は、なお約10重量%未満であることが好ましい。

    発泡剤 本発明で使用される発泡剤は、加熱されるときに、燃焼、蒸散、昇華、熱分解、気化または拡散のうちの1つ以上によって、発泡ガスを遊離する物質である。 発泡ガスは、たとえば、CO 2 、CO、O 2 、H 2 O、N 2 、N 2 O、NO、NO 2 、SO 2 、SO 3またはそれの混合物であり得る。 好ましくは、発泡ガスは、CO 2および/またはCOを含む。

    好ましくは、発泡剤は、粉末状石炭、カーボンブラック、活性炭、フラファイト、炭素の高分子有機物、石油、炭水化物(たとえば、糖、澱粉など)、PVA(ポリビニルアルコール)、カーボネート、カーバイド(たとえば、シリコンカーバイド、アルミニウムカーバイド、ボロンカーバイドなど)、スルフェート、スルフィット、ニトリド(たとえば、シリコンニトリド、アルミニウムニトリド、ボロンニトリドなど)、ニトレート、アミン、ポリオール、グリコールまたはグリセリンから選択される。 カーボンブラック、粉末状石炭、糖およびシリコンカーバイドは、とくに好ましい発泡剤である。

    好ましくは、そして、とくに発泡が非水溶性である場合、発泡剤は0.01〜10ミクロン、より好ましくは0.5〜8ミクロン、そしてより好ましくは1〜5ミクロンの範囲内の平均粒子サイズを有する。

    結合剤 本発明の好ましい実施態様では、凝集体前駆体は、さらに結合剤(または結合剤)を含む。 結合剤の主要機能は、凝集体中の粒子を一緒に密接に結合することである。

    ある例では、結合剤は、凝集体前駆体の形成中に、凝集体の粒子を一緒に最初に結合するように作用し、そしてその後、連続焼成中には発泡剤として作用し得る。

    一般的に、アルミノシリケート第1の成分と反応性および/または粘着性であるあらゆる化学的物質が、結合剤として使用され得る。 結合剤は、セラミックス産業での結合剤として使用されるあらゆる市販の材料であり得る。

    好ましくは、結合剤は、アルカリ金属シリケート(たとえば、ナトリウムシリケート)、アルカリ金属アルミノシリケート、アルカリ金属ボレート(たとえば、テトラ酸ナトリウム)、アルカリまたはアルカリ土類金属カーボネート、アルカリまたはアルカリ土類金属ニトレート、アルカリまたはアルカリ土類金属ニトリド、硼酸、アルカリまたはアルカリ土類金属スルフェート、アルカリまたはアルカリ土類金属ホスフェート、アルカリまたはアルカリ土類金属ヒドロキシド(たとえば、NaOH、KOHまたはCa(OH) 2 )、炭水化物(たとえば、糖、澱粉など)、コロイダルシリカ、無機シリケートセメント、ポルトランドセメント、アルミナセメント、石灰基材セメント、ホスフェート基材セメント、有機高分子(たとえば、ポリアクリレート)またはそれらの組み合わせから選択される。 ある場合には、超微粉末C型またはF型フライアッシュなどのフライアッシュも結合剤として作用し得る。

    ある場合(たとえば、糖、澱粉など)には、同じ物質は、二重の発泡/結合剤特性を有するが、結合剤および発泡剤は、代表的には互いに異なる。

    本明細書中で使用される場合、用語「結合剤(binder)」または「結合剤(binding agent)」は、前記の全ての結合剤、ならびに凝集体中でのこれらの結合剤と他の成分のインサイチュでの反応生成物を含む。 たとえば、アルカリ金属水酸化物(たとえば、NaOH)は、アルカリ金属アルミノシリケートを生成するためにアルミノシリケート材料の少なくとも一部でインサイチュで反応する。 水酸化ナトリウムは、CO 2を有する周囲の空気に暴露されるときに、炭酸ナトリウムも形成し得るが、この工程の速度は高温(たとえば400℃)で増大する。 生じた炭酸ナトリウムは、アルミノシリケート材料と反応して、アルミノナトリウムシリケートを形成できる。

    好ましくは、結合剤の量は、凝集体前駆体の総重量に基づいて、0.1〜50重量%、より好ましくは0.5〜40重量%、そしてより好ましくは1〜30重量%の範囲内である。

    結合剤の特性、そしてとくにそれの融点において、生じた小球体の特性に影響を及ぼすことが予想外に見出された。 理論に縛られることを望まずに、結合剤は、焼成工程(b)での発泡剤の活性化中または活性化前に、凝集体前駆体の周囲に溶融膜(molten skin)を形成する原因となることが、本発明者らによって理解される。 したがって、本発明の好ましい形態で、結合剤は、全凝集体前駆体の融点より低い融点を有する。 好ましくは、結合剤は、1200℃未満、より好ましくは1100℃未満、そしてより好ましくは1000℃未満(たとえば、700〜1000℃)の融点を有する。

    結合剤相での結晶性の程度が、溶融膜の形成速度論で明白な効果を有し得ることもまた予想外に見出された。 所定の温度での結晶性の程度は、混合物中に存在する酸化物の相略図から十分に決定され得る。 SiO 2およびNa 2 Oの簡単な二元系では、3つの共晶点(最も低いものは約790℃の液体温度)があり、約3のSiO 2対Na 2 O比を有する。 酸化ナトリウム濃度が増大される場合、液体温度は1:1のSiO 2 :Na 2 O比で、約1089℃まで急激に上昇する。 これは、図1でSiO 2 −Na 2 Oの相略図から見られ得る。 他のアルカリ金属酸化物は、酸化ナトリウムと類似に作用する。 たとえば、K 2 O−SiO 2系も、いくつかの共晶点(約2.1のSiO 2対K 2 O比で生じる約750℃が最も低い)を有する。 同様に、Li 2 Oは、その1つが1028℃で、比が約4.5であるいくつかの共晶点を有する。

    標準ガラス技術では、酸化ナトリウムは、強力な融剤であることが知られている。 酸化ナトリウムのシリケートガラスへの添加は、そのガラスの融点および粘度を低下させる。 たとえば、典型的なソーダ石灰ガラス組成物では、酸化ナトリウムが約15重量%であり、そしてそれは、SiO 2の溶融温度を1700℃を1400℃未満に低下させる。 しかし、市販のガラスを溶融させる上で、ガラス質量全体にわたって平衡濃度に達するための溶融には十分な時間(通常は、数時間またはそれより長い)が与えられる。 したがって、標準ガラス技術では、十分な酸化ナトリウムおよび/または他の融剤が、全体溶融が要求する粘度−温度特徴を有するように添加される。

    しかし、理論に縛られることを望まずに、燃焼の高速反応速度論(2000℃/秒と同様に早い温度上昇で)の下で、凝集体前駆体の周囲に溶融膜を形成するための決定的な要求は、結合剤成分の迅速な溶融であるが、本発明者らによって理解される。 したがって、結合剤(たとえば、ナトリウムシリケートまたはアルミノナトリウムシリケートとして存在する)は、共晶(eutectic)または共晶に近いを有することが好ましい。 好ましくは、結合剤は5:1〜1:1、より好ましくは4:1〜1.5:1、より好ましくは3.5:1〜2:1の範囲内であるSiO 2 :Na 2 O比を有するナトリウムシリケートである。 他のアルカリ金属酸化物(たとえば、Li 2 O、K 2 O)が、結合剤において同じ効果を有し得ることが認識される。 しかし、Na 2 Oはその費用が低いことからより好ましい。

    1:1比のSiO 2 :Na 2 Oを有するナトリウムシリケートが、凝集体前駆体を配合するための結合剤として使用される場合、約1.0g/cm 3の粒子密度を有する比較的密な小球体が生じることが予想外に見出された。 しかし、約3:1のSiO 2 :Na 2 O比を有するナトリウムシリケート結合剤は、約0.7g/cm 3の低い密度を有する小球体を生じた。 両方の場合で、凝集体に対するNa 2 Oの全濃度は同じであった。 典型的なガラス製造技術の原理において、同じ量の融剤を使用したときに、最終産物でほとんど、またはまったく差がないことが予想された。 しかし、本発明者らは、結合剤中の共晶または共晶に近い組成を用いて、溶融膜は、燃焼のあいだに迅速に形成され、そして低密度の小球体は、凝集体中の融剤の総量にかかわりなく生じることを見出した。

    同様に、意外にも、水酸化ナトリウムが、同じ傾向を示すことが見出された。 結合剤として使用されるときに、酸化ナトリウムは、アルミノシリケート粉に存在するシリカと反応して、ナトリウムシリケートの化合物を形成する。 より多くの水酸化ナトリウムが添加されるとき、シリカ対酸化ナトリウムの比は、低下し、そして累進的に高い溶融温度を有する結合剤を生じる。

    さらに、合成小球体の特性は、凝集体の乾燥温度、およびある程度の範囲の圧力に依存し得る。 たとえば、高い乾燥温度は、低いSiO 2 :Na 2 O比を有するナトリウムシリケートの形成を支持し、それにより高い溶融温度を有する結合剤を与える。 たとえば、約5重量%のNaOHは、凝集体が約50℃で乾燥されるときに、低密度の小球体を形成するのに適量の結合剤と見なされた。 しかし、凝集体が、400℃で乾燥されたときに、同一の配合が、高密度の小球体を生じた。 凝集体が400℃で乾燥されたときに、低濃度のNaOH(たとえば、2−3重量%)が、低密度の小球体を生成するのに要求されることが驚くべきことに見出された。

    伝統的に、比較的多い量(たとえば、15重量%)の酸化ナトリウムが、ガラス製造技術において、融剤として作用するのに必要とされると考えられた。 しかし、本発明では、比較的多い量の酸化ナトリウムは、あまり好ましくないことが、驚くべきことに見出された。

    凝集体前駆体は、凝集体前駆体成分を、水溶液または水相に分散させる助けになる界面活性剤も含み得る。 界面活性剤は、陰イオン、陽イオンまたは非イオン性界面活性剤であり得る。

    焼成条件 好ましくは、本発明に使用される温度プロファイルは、前駆体を溶融物に融合させ、溶融物の粘度を減じ、前駆体の表面を封鎖し、そして溶融物内のガスの膨張形成を促進して、気泡を形成する。 温度プロファイルも、好ましくは、ガス気泡を一体化させ、そして単独の主たる空隙を形成するのに十分な温度および時間で、溶融物を維持するべきである。 発泡後、新たに膨張した粒子を、迅速に冷却することによって、中空ガラス様小球体を形成する。 したがって、温度プロファイルは、好ましくは、ドロップ管炉、渦巻き型炉、流動床式炉または燃料燃焼炉などの1つ以上の温度領域を有する、上向きまたは下向き通気気流を有する炉によって提供される。 本発明の方法で使用される燃料燃焼炉は、凝集体前駆体が直接、1つまたは多数の燃焼領域に導入されて、粒子の膨張または発泡を引き起こす型の炉を含む。 これは、粒子が、高温まで直接迅速に加熱することにより利益が得られるので、好ましい型の炉であり、そしてそれは、望ましい。 熱源は、電気的であっても、天然ガスまたは燃料油などの化石燃料を燃焼させることによって供給されてもよい。 しかし、加熱の好ましい方法は天然ガスの燃焼によるものである。 これは、電気的加熱よりいっそう経済的であり、そして燃料油を燃焼させるより清潔であるからである。

    代表的には、焼成工程(b)での頂点の燃焼温度は、600〜2500℃、より好ましくは800〜2000℃、より好ましくは1000〜1500℃、そしてより好ましくは1100〜1400℃の範囲である。 しかし、要求する温度プロファイルは、使用されるアルミノシリケート第1の成分および発泡剤の型に依存することが認識される。

    好ましくは、前述の頂点の燃焼温度への露出時間は、0.05〜20秒、より好ましくは0.1〜10秒である。

    合成中空小球体 本発明は、前記小球体の平均粒子サイズが、30〜1000ミクロンの範囲であり、そして前記小球体の総アルカリ金属酸化物含有率が、小球体の総重量に基づいて、2〜10重量%の範囲である、アルミノシリケート材料を含有する合成中空小球体を提供する。

    本発明の合成中空小球体は、総アルカリ金属酸化物含有率を構成する、数種のアルカリ金属酸化物、とくにNa 2 OとK 2 Oの組み合わせを含有し得る。 好ましくは、総アルカリ金属酸化物含有率は、小球体の総重量に基づいて、3〜9重量%、そしてより好ましくは4〜8重量%の範囲である。 ある実施態様では、合成小球体の総アルカリ金属酸化物含有率は、小球体の総重量に基づいて、4〜6重量%または5〜8重量%の範囲である。

    好ましくは、合成中空小球体中の酸化ナトリウムの量は、小球体の総重量に基づいて、1〜10重量%、より好ましくは2〜10重量%、より好ましくは3〜9重量%、より好ましくは4〜8重量%、そしてより好ましくは4〜7重量%の範囲である。 合成中空小球体中の酸化ナトリウムの一部は、とくにナトリウムシリケートまたは水酸化ナトリウムのようなナトリウム化合物を含有する結合剤から誘導される。

    本発明の合成小球体は、当該分野で公知の小球体よりもいくつかの優れた点を有する。 第一に、小球体はアルミノシリケート材料を含む。 アルミノシリケートは廉価であり、そしてたとえば多様な岩石、粘土および鉱物から、そして廃棄物副産物、とくにボトムアッシュおよびフライアッシュからと、世界中で広く入手可能である。 本発明の合成中空小球体がフライアッシュから製造され得ることは、とくに有利である。 第二に、中程度の量のアルカリ金属酸化物の存在は、一貫した性質を有する小球体を、フライアッシュなどの廃棄物材料から合成で製造することを可能にさせる。 第三に、中程度の量のみのアルカリ金属酸化物の存在は、小球体が許容可能な高い化学的耐久性を有し、そして公知のセノスフェアと同じ状況で使用され得ることを意味する。 極端に低レベルのアルカリ金属酸化物、および収穫されたセノスフェアの結果的に非常に高い化学的耐久性が、セノスフェアのほとんどの用途に必須でないということは、本発明者らによって認識される。 本発明の好ましい形態による合成中空小球体は、非常に腐食性のある環境および厳しいオートクレーブ条件に充分に耐え得る。 対照的に、先行技術で知られる方法により製造される合成小球体は、一般に、多量のアルカリ金属酸化物を含有し、そして許容しがたい低さの化学的耐久性を有する。

    さらに、30〜1000ミクロンの平均粒子サイズは、そのような粒子が、 呼吸性粉塵であると見なされないので有利である。

    本発明による合成中空小球体は、代表的に、閉鎖シェル(空隙)構造を有する実質的に球状の壁を含む。 合成中空小球体は、好ましくは、以下の特徴を1つ以上有し、そしてそれは、一般に収穫されたセノスフェアの特徴でもある:
    (i)約0.8〜1のアスペクト比;
    (ii)小球体の総容積に基づいて、約30〜95%の空隙容積;
    (iii)小球体半径の約5〜30%の壁厚;
    (iv)30〜85重量%のSiO 2 、2〜45重量%(好ましくは6〜40重量%)のAl 23 、最大で約30重量%の二価金属酸化物(たとえば、MgO、CaO、SrO、BaO)、2〜10重量%の一価金属酸化物(たとえば、Na 2 O、K 2 O)、および最大で約20重量%の、複数の酸化状態で存在する金属酸化物(たとえば、TiO 2 、Fe 23など)を含む他の金属酸化物の組成;
    (v)約1より大きなシリカ対アルミナ比;
    (vi)30〜1000ミクロン、より好ましくは40〜500ミクロンの平均直径;
    (vii)1〜100ミクロン、好ましくは1〜70ミクロン、より好ましくは2.5〜20ミクロンの外側壁厚;
    (viii)0.1〜2.0g/cm 3 、より好ましくは0.2〜1.5g/cm 3 、そしてより好ましくは0.4〜1.0g/cm 3の粒子密度;または (ix)約1.4g/cm 3未満、好ましくは約1.0g/cm 3未満の塊状密度。

    合成中空小球体の使用 本発明による合成中空小球体は、広く多様な用途、たとえばフィラー用途、改質剤用途、 保持材 (containment)用途または基材用途に使用され得る。 用途の範囲は、合成小球体の費用が低く、そして一貫した特性により、収穫されたセノスフェアのものと比べて非常に広い。

    本発明による合成小球体は、それらが、費用削減、重量削減、改善された加工、性能増強、改善された可削性および/または改善された加工性の特性を与える、複合材料でフィラーとして使用され得る。 より詳細には、合成小球体は、ポリマー(熱硬化性、熱可塑性、および無機ジオポリマーを含む)、無機セメント材料(ポルトランドセメント、石灰セメント、アルミナ基材セメント、しっくい、燐酸基材セメント、マグネシア基材セメントおよび他の水硬性結合剤を包含する材料を含む)、コンクリート系(厳密なコンクリート構造、チルトアップコンクリートパネル、柱、懸濁コンクリート構造などを含む)、パテ(たとえば、空隙充填および補修用途のための)、木質複合材(粒子ボード、繊維ボード、木質/ポリマー複合材料および他の複合材木質構造を含む)、粘土およびセラミックスでのフィラーとして使用され得る。 本発明による小球体のとくに好ましい使用は、繊維セメント建築製品におけるものである。

    合成小球体は、他の材料と組み合わせて改質剤としても使用され得る。 サイズおよび幾何学の適切な選択により、小球体を特定の材料と組み合わせることにより、フィルム厚の増大、分布の改善、流動性の改善などの独特の特徴を与え得る。 代表的な改質剤用途は、光反射用途(たとえば、高速用標識および標示)、工業用爆発物、噴射エネルギー吸収構造物(たとえば、爆薬および爆発物のエネルギーを吸収するための)、塗料および粉末被覆用途、粉砕および噴射用途、掘削用途(たとえば、油田掘削のためのセメント)、吸着配合物ならびに音響または熱遮断用途を含む。

    合成小球体は、他の材料を含有および/または保存するためにも使用され得る。 代表的な保持材用途としては、医学および医薬用途(たとえば、薬剤のための微小容器)、放射性または毒性材料用の微小保持材 、ならびに、気体および液体用の微小保持材があげられる。

    合成小球体は、界面反応が使用される種々の用途(すなわち、基材用途)で、特異的界面活性を提供するためにも使用され得る。 合成小球体を、金属またはセラミック被覆、酸浸出などの第二の処理に供することによって、界面活性がさらに改善され得る。 代表的な基材用途としては、イオン交換用途(流動体から混入物を除去するための)、触媒用途(小球体の表面が、合成、変換または分解反応で触媒としての役割を果たすように処理される)、濾過(混入物は、気体または液体の流れから除去される)、ポリマー複合材のための伝導性フィラーまたはRF遮断フィラー、および医学用画像化(medical imaging)があげられる。

    小球体前駆体の形成方法 前述のとおり、本発明は、凝集体前駆体の製造方法も提供する。

    好ましくは、 第1の成分の量は、凝集体前駆体の総乾燥重量に基づいて、約40重量%より大きい。 好ましくは、発泡剤の量は、凝集体前駆体の総乾燥重量に基づいて、約10重量%未満である。 第1の成分および発泡剤のより好ましい形態は前述される。

    好ましくは、結合剤は、さらに、混合工程(b)で第1の成分および発泡剤と混合される。 好ましくは、結合剤の量は、凝集体前駆体の総乾燥重量に基づいて、0.1〜50重量%の範囲である。 結合剤のより好ましい形態は前述される。

    他の添加剤(たとえば、界面活性剤)は、適切な場合、混合工程(b)で添加され得る。 界面活性剤は、粒子を混合、懸濁および分散するのを助けるために使用され得る。

    代表的に、混合工程(b)は、水性分散液またはペーストを提供する。 これらは、工程(c)で乾燥される。 混合は、セラミック粉末をブレンドするために使用されるいずれかの従来の手段によって行われ得る。 好ましい混合技術の例としては、それに限定されないが、曝気タンク、ボールミル、単軸および二軸混合機、および摩擦ミルがあげられる。

    乾燥は、使用される乾燥技術によって、30〜600℃の範囲の温度で行われ得、そして最大で約48時間の期間をかけてなされ得る。 スラリーおよびペーストを乾燥させるために、工業的に慣例上使用されるあらゆる型の乾燥機が、本発明に使用され得る。 乾燥は、たとえば、定置皿または容器を使用するバッチ工程で行われ得る。 あるいは、乾燥は、流動床乾燥機、回転乾燥機、回転トレー乾燥機、スプレー乾燥機またはフラッシュ乾燥機で行われ得る。 あるいは、乾燥は、電子レンジオーブンを使用して行われ得る。 最適な乾燥期間は、使用される乾燥方法の型に依存することが十分に認識される。

    乾燥は、定置皿または容器で行われる場合、乾燥温度は、水の激しい沸騰、そしてそれにより乾燥容器の外に固形物を噴出させることを避けるために、最初に高く設定しすぎないことが好ましい。 この場合、乾燥温度は、最初の急速な水の沸騰を避けるために、少なくとも最初は、好ましくは30〜100℃で、そしてより好ましくは40〜80℃の範囲である。 しかし、水の初期の蒸発後に、乾燥温度を、最大で約350℃の温度に上昇させることができ、それによって、乾燥工程をいっそう迅速に完了する。

    好ましくは、小球体前駆体の形成方法は、(d)所定の粒子サイズの凝集体前駆体粒子を形成するために、工程(c)から得られた乾燥混合物を粉砕する工程をさらに含む。 乾燥工程および粉砕工程が単一工程で実施され得る。

    好ましくは、乾燥混合物は、10〜1000ミクロン、より好ましくは30〜1000ミクロン、より好ましくは40〜500ミクロン、そしてより好ましくは50〜300ミクロンの平均粒子サイズを有する凝集体前駆体粒子を提供するために粉砕される。

    凝集体前駆体の粒子サイズは、得られる合成中空小球体の粒子サイズに関連するが、当然に対応する程度はおおよそである。

    本発明は、制御された粒子サイズ分布を有する合成中空小球体を提供することが好ましい。 したがって、粉砕した凝集体前駆体は、所定の粒子サイズ分布に分類され得る。 あるいは、凝集体前駆体中の制御された粒子サイズ分布は、乾燥工程でスプレー乾燥機の使用によって達成され得る。 スプレー乾燥は、材料の高処理量および高速の乾燥時間を可能にする別の利点を有する。 したがって、本発明の好ましい実施態様では、乾燥工程(c)は、スプレー乾燥機を使用して行われ得る。 スプレー乾燥機は、多数の標準教科書(たとえば、Industrial Drying Equipment, CM van't Land;Handbook of Industrial Drying 2版、Arun S. Mujumbar)に記述され、そして当該分野で周知である。 本発明でのスプレー乾燥機の使用は、凝集体前駆体のあらゆるサイジング/分類の必要性を実質的に軽減することが見出されている。

    好ましくは、スプレー乾燥機に供給される水性スラリーは、20〜80重量%の固形物、より好ましくは25〜75重量%の固形物、そしてより好ましくは50〜70重量%の固形物を有する。

    前述される凝集体成分に加えて、スラリーは、スプレー乾燥機中で混合、流動性または液滴形成を改善するために別の加工助剤または添加剤を含有し得る。 適切な添加剤は、スプレー乾燥技術で周知である。 このような添加剤の例としては、スルホネート、グリコールエーテル、炭化水素、セルロースエーテルなどがあげられる。 これらは、0〜5重量%の範囲の量で水性スラリー中に含まれ得る。

    スプレー乾燥工程では、水性スラリーが、代表的に、所定の圧力および温度で、アトマイザーに汲み上げられて、スラリー液滴が形成される。 たとえば、アトマイザーは、回転ディスク上に設置されるアトマイザー(遠心分離微粒化)、圧力ノズル(油圧噴霧)、またはスラリーが別の流動体(空気圧噴霧)と混合される2流動体圧ノズルであり得る。 アトマイザーは、周期的な機械的または音波パルスにも供され得る。

    噴霧は、乾燥機チャンバーの頂部から、または底部から行われ得る。 熱乾燥ガスは噴霧の方向と同じ流れ、または対抗する流れに注入され得る。

    スラリーの噴霧される液滴は、所定の滞留時間のあいだ、スプレー乾燥機で乾燥される。 代表的には、スプレー乾燥機での滞留時間は0.1〜10秒の範囲であり、そして2秒より大きな相当に長い滞留時間が、一般的により好ましい。

    好ましくは、スプレー乾燥機での入口温度は300〜600℃の範囲であり、そして出口温度は100〜220℃の範囲である。

    ここで、本発明は、以下の図面を参照しながら例示のみの目的で説明される。

    実施例1
    この実施例は、フライアッシュ、ナトリウムシリケートおよび糖からなる処方物から合成小球体を製造する方法を例示する。

    市販グレードのナトリウムシリケート溶液(SiO 2 /Na 2 Oが3.22であり、40%固形物含有率である)、市販グレードの糖および水を有するF型フライアッシュ(5.4ミクロンの平均サイズに粉砕された)を混合して、3つの試料を作製した。 成分の量は表1に示される。 フライアッシュの組成は表2に示される。 混合物を均質スラリーに混ぜ、平面皿に注ぎ、そして約5分間、室温で固形化させた。 生じた生成物を、さらに約20時間、約50℃で乾燥させ、その後、それらを粉砕および濾して、106〜180ミクロンのサイズ範囲内の粉末を得た。 次の工程で、各試料について、粉末を0.14グラム/分のおよその供給速度で、垂直の加熱管炉に供給した。 管炉の内側の気体の流れは、1分当たり1リットルの空気+3リットルの窒素であった。 炉の一定温度ゾーンを、頂点の燃焼温度で、1秒未満からおよそ数秒までの滞留時間となるように調整した。 発泡小球体を、炉の底部に位置づけられる微細メッシュスクリーンで被覆された漏斗型収集装置で収集した。 小球体を収集する上で助けになるように漏斗の末端で穏やかな吸引を行った。 生成物は、粒子密度(たとえば、見かけ密度)、水浮遊物のパーセントおよびおおよその粒子サイズ分布について特徴づけた。 種々の燃焼温度および滞留時間についての結果は表3に要約される。 図2〜4は、それぞれ試料1、2および3から得られた生成物の断面を示す。

    実施例2
    この実施例は、フライアッシュ、ナトリウムシリケートおよびカーボンブラックからなる処方物から合成小球体を製造する方法を例示する。

    市販グレードのナトリウムシリケート溶液(SiO 2 /Na 2 Oが3.22であり、40%固形物含有率である)、市販グレードのカーボンブラックおよび水を有するF型フライアッシュ(5.4ミクロンの平均サイズに粉砕された)を混合して、3つの試料を作製した。 成分の量は表4に示される。 フライアッシュの組成は表2に示される。 各混合物を均質スラリーに混ぜ、平面皿に注ぎ、そして約5分間、室温で固形化させた。 生じた生成物を、さらに約20時間、約50℃で乾燥させ、その後、それらを粉砕および濾して、106〜180ミクロンのサイズ範囲内の粉末を得た。 次の工程で、各試料について、粉末を0.14グラム/分のおよその供給速度で、垂直の加熱管炉に供給した。 管炉の内側の気体の流れは、1分当たり1リットルの空気+3リットルの窒素であった。 炉の一定温度ゾーンを、頂点の燃焼温度で、1秒未満からおよそ数秒までの滞留時間となるように調整した。 発泡小球体を、炉の底部に位置づけられる微細メッシュスクリーンで被覆された漏斗型収集装置で収集した。 小球体を収集する上で助けになるように漏斗の末端で穏やかな吸引を行った。 生成物は、粒子密度(たとえば、見かけ密度)、水浮遊物のパーセントおよびおおよその粒子サイズ分布について特徴づけた。 種々の燃焼温度および滞留時間についての結果は表5に要約される。 図5〜7は、それぞれ試料4、5および6から得られた生成物の断面を示す。

    実施例3
    この実施例は、フライアッシュ、水酸化ナトリウムおよびカーボンブラックからなる処方物から合成小球体を製造する方法を例示する。

    市販グレードの固形水酸化ナトリウム(フレーク)、市販グレードのカーボンブラックおよび水を有するF型フライアッシュ(5.4ミクロンの平均サイズに粉砕された)を混合して、3つの試料を作製した。 成分の量は表6に示される。 フライアッシュの組成は表2に示される。 各混合物を均質スラリーに混ぜ、平面皿に注ぎ、そして約5分間、室温で固形化させた。 生じた生成物を、さらに約20時間、約50℃で乾燥させ、その後、それを粉砕および濾して、106〜180ミクロンのサイズ範囲内の粉末を得た。 次の工程で、粉末を0.14グラム/分のおよその供給速度で、垂直の加熱管炉に供給した。 管炉の内側の気体の流れは、1分当たり1リットルの空気+3リットルの窒素であった。 炉の一定温度ゾーンを、頂点の燃焼温度で、1秒未満からおよそ数秒までの滞留時間となるように調整した。 発泡小球体を、炉の底部に位置づけられる微細メッシュスクリーンで被覆された漏斗型収集装置で収集した。 小球体を収集する上で助けになるように漏斗の末端で穏やかな吸引を行った。 生成物は、粒子密度(たとえば、見かけ密度)、水浮遊物のパーセントおよびおおよその粒子サイズ分布について特徴づけた。 結果は表7に要約される。 図8は試料7から得られた生成物の断面を示す。

    実施例4
    この実施例は、フライアッシュ、玄武岩、水酸化ナトリウムおよびカーボンブラックからなる処方物から合成小球体を製造する方法を例示する。

    3.7ミクロンの平均サイズに同時粉砕された94グラムのF型フライアッシュおよび玄武岩を、5グラムの固形水酸化ナトリウム(フレーク)、1グラムの市販グレードのカーボンブラックおよび38mlの水と混合した。 表8に示されるとおりに、玄武岩対フライアッシュの比率を変化させることによって、いくつかの試料を作製した。 フライアッシュと玄武岩の組成は、それぞれ、表2および9に示される。 各混合物を均質スラリーに混ぜ、平面皿に注ぎ、そして約5分間、室温で固形化させた。 生じた生成物を、さらに約20時間、約50℃で乾燥させ、その後、それを粉砕および濾して、106〜180ミクロンのサイズ範囲内の粉末を得た。 次の工程で、粉末を0.14グラム/分のおよその供給速度で、垂直の加熱管炉に供給した。 管炉の内側の気体の流れは、1分当たり1リットルの空気+3リットルの窒素であった。 炉の一定温度ゾーンを、頂点の燃焼温度で、1秒未満からおよそ数秒までの滞留時間となるように調整した。 発泡小球体を、炉の底部に位置づけられる微細メッシュスクリーンで被覆された漏斗型収集装置で収集した。 小球体を収集する上で助けになるように漏斗の末端で穏やかな吸引を行った。 生成物は、粒子密度(たとえば、見かけ密度)、水浮遊物のパーセントおよびおおよその粒子サイズ分布について特徴づけた。 結果は表10に要約される。 図9および10は、それぞれ試料12および13から得られた生成物の断面を示す。

    実施例5
    この実施例は、玄武岩、水酸化ナトリウムおよびシリコンカーバイドからなる処方物から合成小球体を製造する方法を例示する。

    3.7ミクロンの平均サイズに粉砕された93.5グラムの玄武岩を、5グラムの市販グレードの固形水酸化ナトリウム(フレーク)、1.5グラムの市販グレードのシリコンカーバイドおよび37.5mlの水と混合した。 玄武岩の組成は表9に示される。 混合物を均質スラリーに混ぜ、平面皿に注ぎ、そして約5分間、室温で固形化させた。 生じた生成物を、さらに約20時間、約50℃で乾燥させ、その後、それを粉砕および濾して、106〜180ミクロンのサイズ範囲内の粉末を得た。 次の工程で、粉末を、0.14グラム/分のおよその供給速度で、垂直の加熱管炉に供給した。 管炉の内側の気体の流れは、1分当たり1リットルの空気+3リットルの窒素であった。 炉の一定温度ゾーンを、頂点の燃焼温度で、1秒未満からおよそ数秒までの滞留時間となるように調整した。 発泡小球体を、炉の底部に位置づけられる微細メッシュスクリーンで被覆された漏斗型収集装置で収集した。 小球体を収集する上で助けになるように漏斗の末端で穏やかな吸引を行った。 生成物は、粒子密度(たとえば、見かけ密度)、水浮遊物のパーセントおよびおおよその粒子サイズ分布について特徴づけた。 種々の燃焼温度および滞留時間についての結果は表11に要約される。 図11−13は、それぞれ1300℃、1250℃および1200℃で得られる生成物の断面を示す。

    実施例6
    この実施例は、フライアッシュ、水酸化ナトリウムおよびシリコンカーバイドからなる処方物から合成小球体を製造する方法を例示する。

    3.2ミクロンの平均サイズに粉砕された93.5グラムのF型フライアッシュを、5グラムの固形水酸化ナトリウム(フレーク)、1.5グラムの市販グレードのシリコンカーバイドおよび37.4mlの水と混合した。 フライアッシュの組成は表12に示される。 混合物を均質スラリーに混ぜ、平面皿に注ぎ、そして約5分間、室温で固形化させた。 生じた生成物を、さらに約20時間、約50℃で乾燥させ、その後、それを粉砕および濾して、106〜180ミクロンのサイズ範囲内の粉末を得た。 次の工程で、粉末を、0.14グラム/分のおよその供給速度で、垂直の加熱管炉に供給した。 管炉の内側の気体の流れは、1分当たり1リットルの空気+3リットルの窒素であった。 炉の一定温度ゾーンを、頂点の燃焼温度で、1秒未満からおよそ数秒までの滞留時間となるように調整した。 発泡小球体を、炉の底部に位置づけられる微細メッシュスクリーンで被覆された漏斗型収集装置で収集した。 小球体を収集する上で助けになるように漏斗の末端で穏やかな吸引を行った。 生成物は、粒子密度(たとえば、見かけ密度)、水浮遊物のパーセントおよびおおよその粒子サイズ分布について特徴づけた。 種々の燃焼温度および滞留時間についての結果は表13に要約される。 図14および15は、それぞれ、1300℃および1250℃で得られる生成物の断面を示す。

    実施例7
    この実施例は、フライアッシュ、水酸化ナトリウムおよびカーボンブラックからなる処方物から合成小球体を製造する方法を例示する。

    94グラムのF型フライアッシュ(5.4ミクロンの平均サイズに粉砕された)を、5グラムの固形水酸化ナトリウム(フレーク)、1グラムの市販グレードのカーボンブラックおよび38mlの水と混合して、試料を作製した。 フライアッシュの組成は表2に示される。 混合物を均質スラリーに混ぜ、凹面時計皿に注ぎ、その直後に、家庭用電子レンジ内に入れ、そして大型時計皿で覆った。 スラリーの過剰加熱を避けるために制御された断続的電力オン/電力オフ加熱プログラムを使用して4分間、電子レンジ中でスラリーを、乾燥させた。 生じた生成物は、粉砕およびさらなる試料調製に適切であったが、しかし、必要であれば、それを、摂氏約50℃でオーブン中に保持させ得た。 乾燥後、混合物を、粉砕および濾して、106〜180ミクロンのサイズ範囲内の粉末を得た。 次の工程で、粉末を、0.14グラム/分のおよその供給速度で、垂直の加熱管炉に供給した。 管炉の内側の気体の流れは、1分当たり1リットルの空気+3リットルの窒素であった。 炉の一定温度ゾーンを、頂点の燃焼温度で、1秒未満からおよそ数秒までの滞留時間を供するように調整し得た。 発泡小球体を、炉の底部に位置づけられる微細メッシュスクリーンで被覆された漏斗型収集装置で収集した。 小球体を収集する上で助けになるように漏斗の末端で穏やかな吸引を行った。 生成物は、粒子密度(見かけの密度)およびおおよその粒子サイズ分布について特徴づけた。 この試料の結果(MW)を、同じ処方物から製造されるが、対流オーブンを使用して50℃で乾燥した試料7の結果と比較する。 結果は表14および15に要約される。

    実施例8
    この実施例は、生のイライト、水酸化ナトリウムおよびカーボンブラックからなる処方物から合成小球体を製造する方法を例示する。

    2ミクロンの平均サイズに粉砕された112.86グラムの生のイライトを、5.94グラムの固形水酸化ナトリウム(フレーク)、1.2グラムの市販グレードのカーボンブラックおよび86.8mlの水と混合した。 生のイライトの組成は表16に示される。 混合物を均質スラリーに混ぜ、平面皿に注ぎ、そして約5分間、室温で固形化させた。 生じた生成物を、さらに約20時間、約50℃で乾燥させ、その後、それを粉砕および濾して、106〜180ミクロンのサイズ範囲内の粉末を得た。 次の工程で、粉末を、0.14グラム/分のおよその供給速度で、垂直の加熱管炉に供給した。 管炉の内側の気体の流れは、1分当たり1リットルの空気+3リットルの窒素であった。 炉の一定温度ゾーンを、頂点の燃焼温度で、1秒未満からおよそ数秒までの滞留時間となるように調整した。 発泡小球体を、炉の底部に位置づけられる微細メッシュスクリーンで被覆された漏斗型収集装置で収集した。 小球体を収集する上で助けになるように漏斗の末端で穏やかな吸引を行った。 生成物は、粒子密度(見かけの密度)およびおおよその粒子サイズ分布について特徴づけた。 種々の燃焼温度および滞留時間についての結果は表17に要約される。 図16、17および18は、それぞれ試料14、15および16から得られた生成物の断面を示す。

    実施例9
    本発明による合成小球体(「A」および「B」)の組成(重量パーセント)を、市販で入手可能な収穫セノスフェアの試料と比較した。 結果は表18に示される。

    実施例10
    この実施例は、本発明で凝集体前駆体を製造するために使用される代表的なスプレー乾燥条件を示す。
    乾燥機 :ボーエン・エンジニアリング,インク. 2流動体ノズル型59−BSを
    装着したNo. 1セラミック乾燥機空気ノズル圧 :約20プサイサイクロン真空:約4.5
    入口/出口温度:約550℃/120℃
    チャンバー真空:約1.6
    スラリー固形分:約50%

    これらのスプレー乾燥条件を使用して製造された凝集体前駆体は、それから合成中空小球体を形成するのに適切な平均粒子サイズおよび粒子サイズ分布を有した。 図19は、 第1の成分1、発泡剤2および結合剤3を有する凝集体前駆体を概略的に示す。

    本発明は例示の目的で記載され、そして、発明の範囲内の内容の変更は当業者に容易に明らかであることが認識される。

    二相系Na

    2 O−SiO

    2についての相平衡図であり、その組成は、SiO

    2の重量パーセントとして表される。

    実施例1から得られた合成中空小球体(試料1)の走査電子顕微鏡写真である。

    実施例1から得られた合成中空小球体(試料2)の走査電子顕微鏡写真である。

    実施例1から得られた合成中空小球体(試料3)の走査電子顕微鏡写真である。

    実施例2から得られた合成中空小球体(試料4)の走査電子顕微鏡写真である。

    実施例2から得られた合成中空小球体(試料5)の走査電子顕微鏡写真である。

    実施例2から得られた合成中空小球体(試料6)の走査電子顕微鏡写真である。

    実施例3から得られた合成中空小球体(試料7)の走査電子顕微鏡写真である。

    実施例4から得られた合成中空小球体(試料12)の走査電子顕微鏡写真である。

    実施例4から得られた合成中空小球体(試料13)の走査電子顕微鏡写真である。

    実施例5から得られた合成中空小球体の走査電子顕微鏡写真である。

    実施例5から得られた合成中空小球体の走査電子顕微鏡写真である。

    実施例5から得られた合成中空小球体の走査電子顕微鏡写真である。

    実施例6から得られた合成中空小球体の走査電子顕微鏡写真である。

    実施例6から得られた合成中空小球体の走査電子顕微鏡写真である。

    実施例8から得られた合成中空小球体(試料14)の走査電子顕微鏡写真である。

    実施例8から得られた合成中空小球体(試料15)の走査電子顕微鏡写真である。

    実施例8から得られた合成中空小球体(試料16)の走査電子顕微鏡写真である。

    凝集体前駆体の概略図である。

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