Magnesium metal adjustment for anti-corrosion agent, this by adjusting the material obtained, and the method of preparation

申请号 JP2013501806 申请日 2011-03-29 公开(公告)号 JP2013523577A 公开(公告)日 2013-06-17
申请人 コミッサリア ア レネルジー アトミーク エ オ ゼネルジ ザルタナテイヴ; 发明人 ダヴィッド ランベルタン; ファビアン フリゾン; アドリアン ブランシェール; フロランス バール;
摘要 本発明は、セメントマトリックス中で調整されたマグネシウム金属の腐食による 水 素の産生を低下させる少なくとも1種の腐食防止添加物の使用に関する。 本発明はまた、このように使用されるマグネシウム金属調整用材料、およびその調製法に関する。
权利要求
  • セメントマトリックス中で調整されたマグネシウム金属の腐食による水素の産生を低下させるための少なくとも1種の腐食防止添加物の使用。
  • 当該マグネシウム金属が純品であるか、またはマグネシウム/アルミニウム合金、マグネシウム/ジルコニウム合金もしくはマグネシウム/マンガン合金などの合金の形状であることを特徴とする請求項1記載の使用。
  • 当該腐食防止添加物が、フッ素化合物、スズ酸塩化合物、モリブデン酸塩化合物、ケイ酸塩化合物、セリウム(III)化合物、リン酸塩化合物、(重)クロム酸塩化合物、コバルト化合物、カルボン酸塩化合物、およびその混合物からなる群より選択されることを特徴とする請求項1または2記載の使用。
  • 当該セメントマトリックスが水硬性セメントマトリックスであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の使用。
  • 当該セメントマトリックスがポートランドセメントまたは複合ポートランドセメントであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の使用。
  • 当該セメントマトリックスがスルホ−アルミナおよび/またはフェロ−アルミナセメントマトリックスであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の使用。
  • 当該セメントマトリックスがジオポリマー性セメントマトリックスであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の使用。
  • その内部でマグネシウム金属が調整される水硬性セメントマトリックスを含有し、該水硬性セメントマトリックスが、フッ素化合物、スズ酸塩化合物、モリブデン酸塩化合物、ケイ酸塩化合物、セリウム(III)化合物、リン酸塩化合物、(重)クロム酸塩化合物、コバルト化合物、カルボン酸塩化合物、およびその混合物からなる群より選択される少なくとも1種の腐食防止添加物をさらに含んでなるマグネシウム金属調整用材料。
  • その内部でマグネシウム金属が調整されるジオポリマーセメントマトリックスを含有し、該ジオポリマーセメントマトリックスが、フッ素化合物、スズ酸塩化合物、モリブデン酸塩化合物、ケイ酸塩化合物、セリウム(III)化合物、リン酸塩化合物、(重)クロム酸塩化合物、コバルト化合物、カルボン酸塩化合物、およびその混合物からなる群より選択される少なくとも1種の腐食防止添加物をさらに含んでなるマグネシウム金属調整用材料。
  • 当該腐食防止添加物が、当該材料の総重量に対し、20重量%までの取り込み率で該セメントマトリックス中に取り込まれており、この取り込み率が、当該材料の総重量に対して、有利には0.01〜15重量%、取り分け0.1〜10重量%であることを特徴とする請求項8または9に記載のマグネシウム金属調整用材料。
  • 以下の連続工程を含んでなることを特徴とする請求項8〜10のいずれかに記載のような調整用材料の調製法:
    −請求項8または9に記載のような腐食防止添加物の少なくとも1種を水硬性もしくはジオポリマー性セメントマトリックス中に取り込ませる工程;次いで −かくして得られた水硬性もしくはジオポリマー性セメント混合物中でマグネシウム金属またはマグネシウム金属含有の廃棄物を調整する工程。
  • 少なくとも1種の腐食防止添加物が、乾燥水硬性もしくはジオポリマー性セメント混合物に、該混合溶液または活性化溶液をそれぞれ加える前に、加えられることを特徴とする請求項11に記載の調製法。
  • 少なくとも1種の腐食防止添加物が、該混合溶液または活性化溶液に加えられることを特徴とする請求項11または12に記載の調製法。
  • 該混合溶液または活性化溶液を加えた後に、少なくとも1種の腐食防止添加物をセメント混合物に加えることを特徴とする請求項11〜13のいずれかに記載の調製法。
  • 水硬性もしくはジオポリマー性セメント混合物中のマグネシウム金属またはマグネシウム金属含有の廃棄物を調整した後に、セメント混合物を、セメントマトリックスの凝固を可能とする条件に付すことを特徴とする請求項11〜14のいずれかに記載の調製法。


  • 说明书全文

    本発明は、取り分けマグネシウム金属を含有する核金属廃棄物などの廃棄物の除去および調整(コンディショニング)(パッケージング)の技術分野に関する。

    本発明は、セメントマトリックスを介してマグネシウム金属を固定化する際の素発生源の条件を減弱させる方法を提案する。 より詳しくは、本発明は、水硬性もしくはジオポリマー性セメントマトリックス中にマグネシウム金属をコンディショニングする(パッケージングする)際に、水素の産生を低下させる防食剤を使用することを提案する。

    本発明はまた、本方法にて使用する調整用材料(コンディショニング物質とも称する)、およびかかる材料の調製方法にも関する。

    NUGG(天然ウラングラファイトガス)型核装置は、グラファイトで緩和し、冷却する天然ウラン反応装置に基づくものである。 これらの装置において使用される核分裂性物質は、金属形状の天然ウランであるが、一方、そのクラッディング物質はマグネシウム金属、特に合金形状である。

    この型の装置の運転は、フランスでは中止されて、それらの解体が進行中である。 それに対し英国では、これらの装置がマグノックス(MAGNOX)(MAGnesium Non Oxidising;マグネシウム非酸化性)の名称で主要な開発対象となっているが、そこではマグネシウム合金が使用され、その合金はマグネシウム/アルミニウム合金である。

    かかる装置の解体も運転も共に金属マグネシウム(またはマグネシウム金属)を含む反応性の金属廃棄物を産出する。 この廃棄物のコンディショニングを可能とする幾つもの方法が予測されてきた。

    しかし、それらの方法は、水の存在下、マグネシウム金属の腐食に由来する水素の放出(または産生)の問題に直面している。 当該水素の放出は、コンディショニングの安定化にとって有害であり得、しかも、かかるコンディショニングの固定化、倉庫保管、保存、真空排気および/または輸送に際して、事故のリスクを生じる。

    従って、マグネシウム金属含有の反応性金属廃棄物を被覆するためにポートランドセメントの水硬性結合剤を使用することは、水素の放出がセメントの水分とマグネシウム金属間の反応を原因とするという理由で、困難である[1]。

    しかし、1990年以来、マグネシウム金属を容れたマグノックス反応器に由来する金属廃棄物は、取り分け、ポートランドセメントと高炉アッシュもしくはフライアッシュの混合物によりコンディショニングされてきた[1、2、3]。 この処方方式の戦略は、セメントの水和に最少量の水分を使用することであり、(12.5のオーダーの)高いpHに到達させることである[1]。 少量の水を使用すべきであることについては、フェアホールとパルマー(Fairhall and Palmer)が、水/セメント重量比(以下、W/C比という)を0.37未満とした水硬性セメントマトリックスの使用を推奨している[2]。 同様に、文献[4]に記載されたセメントマトリックスは、0.33のW/C比を有する。 しかし、水素の放出は、マグネシウム金属の表面に水酸化マグネシウムが形成されたことで観察され、コンディショニングに障害をもたらしてきた[4]。

    ポートランドセメント使用に対するもう一つの別の解決法としては、鉱物ジオポリマーを使用することが提案されてきた[1、5]。

    マグネシウム含有のマグノックス型廃棄物に関するコーティングテストが、水分量を限定し、それによって水素の放出を予防するために、有機ポリマーで実施された[1、6]。 テストは、エポキシもしくはポリエステル樹脂などの熱硬化性ポリマーで実施された。 しかし、これらの有機ポリマーは急速な硬化などの幾つかのデメリットを有しており、従って、工業的使用には不向きであり、費用も高づく[1]。 文献[6]に記載された研究では、マグノックス型廃棄物を火条件下にポリウレタンの被膜を被せることにつきテストが行われた。

    それ故、本発明者らは、マグネシウム金属含有の廃棄物をコンディショニングする方法であって、その場合に、マグネシウム金属の腐食により産生される水素を極力低下させ、さらに防止する方法につき提案することを目的としてきた。

    マグネシウム金属およびその合金は、航空学における適用のための広範な研究の対象であり、多くの防食化学処理法が文献上利用可能である[7]。 これら処理法の大部分は、マグネシウム金属またはその合金の部分にコーティングを施すことからなり、該コーティングは、重クロム酸塩、ケイ酸塩、リン酸塩およびフッ化物などの試剤を含む。 さらに、マグネシウム金属に対する防食処理法として、フッ化カリウム(KF)、フッ化ナトリウム(NaF)またはフッ化アンモニウム(NH F)の形状で提供されるフッ化物イオンを使用することに関しては、電気化学的研究が、溶液中でマグネシウム金属が最低の腐食電流を示すpHとフッ化物イオン濃度帯域を決定することができる[8]。 pHとフッ化物濃度は、それぞれ13および2Mより高くなければならない。

    ソングおよびセントジョーン(Song and StJohn)は、純マグネシウムに対するエチレングリコール含有溶液の防食効果について、取り分け自動推進セクターにおける適用について検討した[9]。 この研究の結果は、第一に、マグネシウムの腐食速度がエチレングリコール濃度の上昇と共に低下すること、第二に、エチレングルコール中のマグネシウムの腐食はフッ化物の添加により効率的に防止し得ることを示した。 同様に、アルキル安息香酸と一塩基性もしくは二塩基性脂肪族酸の組合せなどの有機酸中、マグネシウム腐食の防止剤としてのフッ化物の使用は、自動車産業に対して提案されてきた[10]。

    最近、フルオロケイ酸塩、ポリリン酸塩および有機酸の混合物を使用して、塩基性環境においてマグネシウム金属を保護する方法が、中国特許出願にて提案された[11]。

    しかし、譬え土木工学用のコンクリートの腐食防止剤の使用が広く行渡っているとしても、当業者は、水素産生の問題を解消するために、マグネシウム金属含有廃棄物のコンディショニングにそれを使用することは思いとどまるであろう。 フェアホールとパルマー(Fairhall and Palmer)は、80年代の初めに行ったテストに際して、セメントマトリックスにクロム酸塩とフッ化物を使用しても、マグネシウム金属の腐食レベルに何ら影響を与えず、その結果、水素の産生にも影響のないことを明確に示している[2]。 さらに指摘すべきことは、かかる使用についての技術的、実用上の詳細が何ら文献に記載されていないことである[2]。

    10. 欧州特許出願EP0995785号明細書(テキサコ・デベロープメント・コーポレーション出願;2000年4月26日公開)

    11. 中国特許出願第101358343号明細書(南西交通大学出願;2009年2月4日公開)

    12. 欧州特許出願EP0900771号明細書(フランスセメント出願;1999年3月10日公開)

    1. Morris et al., 2009, " 英国におけるマグノックス消費燃料の乾燥、コンディショニング、およびパッケージングの付随事態の選択肢 "、環境改善と放射性廃棄物管理に関する第12回国際会議議事録、2009年10月11〜15日、リバプール、英国 2. Fairhall and Palmer, 1992, " 英国におけるマグノックスのセメント封じ込め "、Cement and Concrete Research, vol.22, 293-298 3. Spasova and Ojovan, 2008, " Al腐食の特性化およびアコースティックエミッション法による複合セメント廃棄物形状の機械的性能に対するその衝撃 ", Journal of Nuclear Materials, vol.375, 347-358 4. Setiadi et al., 2006, " BFS複合セメントにおけるアルミニウムとマグネシウムの腐食 ", Advances in Applied Ceramics, vol.105, 191-196 5. Zosin et al., 1998, " 放射性廃棄物の規格化と貯蔵のためのマグネシア−鉄スラグに基づくジオポリマー物質 ", Atomic Energy, vol.85, 510-514 6. Turner et al., 2007, " マグノックス廃棄物用の封じ込め物としてのポリマーの小規模引火試験 "、放射性物質のパッケージと輸送に関する第15回国際シンポジウムの議事録(PATRAM 2007)、マイアミ、フロリダ 7. Gray and Luan, 2002, " マグネシウムおよびその合金に対する保護コーティング − 論評 ", Journal of Alloys and Compounds, vol.336, 88-113 8. Gulbrandsen et al., 1993, " アルカリ性フッ化物溶液中のMgの受動的挙動。電気化学および電子顕微鏡での検討 ", Corrosion Science, vol.34, 1423-1440 9. Song and StJohn, 2004, " エチレングリコール中のマグネシウムの腐食挙動 ", Corrosion Science, vol.46, 1381-1399

    本発明は、マグネシウム金属含有廃棄物コンディショニングのための先行技術方法の欠点解消を可能とし、また本発明者らが達成すべきと定めた目標、すなわち、マグネシウム金属の酸化的腐食による水素の産生を低下させ、さらには防止する方法の提案を可能とするものである。

    実際に、本発明者らは、乾燥水硬性もしくはジオポリマー性セメント混合物、混合水に、活性化溶液、マグネシウム廃棄物をセメントマトリックスで被覆する際のスラリーに、防食製品を直接添加することにより、この技術上の問題を解決した。 従って、この研究によって、先行技術における先入観、すなわち、クロム酸塩とフッ化物はマグネシウム金属の腐食に対して何の影響ももたず、従って、水素の産生に対しても影響しないという先入観を克服することができた。

    乾燥ジオポリマー性もしくは水硬性セメント混合物に、混合水に、活性化溶液に、または得られるスラリーに、防食製品を直接添加することは、マグネシウム金属の前処理工程を回避し、また従って、コンディショニングの前に廃棄物中に含まれているマグネシウム金属の前処理工程を回避することが可能となる。 さらに、最終の被覆における防食製品の過剰な存在は、経時的有効性の保証を可能にする。

    マグネシウム金属またはマグネシウム金属含有の工業技術廃棄物を後に取り込むセメントマトリックス型の物質は、従って、調製が容易であり、取扱いが容易であり、またすぐに使用し得る。

    さらに詳しくは、本発明は、少なくとも1種の腐食防止添加物を使用して、セメントマトリックス中でコンディショニングしたマグネシウム金属の腐食による水素の産生を低下させることに関する。

    換言すると、本発明は、セメントマトリックス中でコンディショニングしたマグネシウム金属の腐食による水素の産生を低下させる方法を提案するものであって、当該方法は、少なくとも1種の腐食防止添加物を含むセメントマトリックス中でマグネシウム金属をコンディショニングすることからなる。

    本発明において、“水素の産生を低下させる”とは、同じセメントマトリックス中ではあるが、腐食防止添加物を加えずにコンディショニングした同じマグネシウム金属の腐食による水素の産生と比較して、水素産生が低下していること、最低となっていること、またはさらには防止されていることを意味する。

    本発明において、“マグネシウム金属”とは、純マグネシウム金属またはマグネシウム金属の合金形状のものを意味する。 マグネシウム金属の合金は、より詳しくは、マグネシウム/アルミニウム、マグネシウム/ジルコニウムおよびマグネシウム/マンガンからなる群より選択される。 これらの合金におけるマグネシウムの量は、合金の全重量に対して80重量%より、90重量%より、また95重量%より多くする。 さらに詳しくは、NUGG源に由来するマグネシウム/ジルコニウムおよびマグネシウム/マンガンの合金が本発明において使用され、マグネシウム/アルミニウム合金はマグノックス供給源に由来する。

    “マグネシウム金属”と“金属マグネシウム”という表現は等価であり、互いに置き換えて使用し得る。

    該マグネシウム金属は、有利には、NUGG型装置の解体作業現場からの産業廃棄物に含まれるか、またはマグノックス型装置の解体、操業、修復、メンテナンス作業現場からの廃棄物に含まれる。

    本発明において、“腐食防止添加物”とは、マグネシウム金属の腐食を防止し得る添加物を意味する。 当業者既知のマグネシウム金属の腐食防止を可能とするいずれの添加物も本発明において使用することができ、取り分け文献[7]に引用されている有機または無機の添加物を使用し得る。 有利には、本発明に使用される腐食防止添加物は、鉱物添加物(すなわち、無機添加物)である。 カルボン酸塩などの有機腐食防止添加物では、マグネシウム金属含有廃棄物が放射性であるため、事実上、放射線分解の恐れがある。

    より詳しくは、該腐食防止添加物は、フッ素化合物、スズ酸塩化合物、モリブデン酸塩化合物、ケイ酸塩化合物、セリウム(III)化合物、リン酸塩化合物、(重)クロム酸塩化合物およびコバルト化合物、カルボン酸塩化合物、およびその混合物からなる群より選択される。

    本発明にて使用されるフッ素化合物は、フッ素イオンの供給源である。 有利には、本化合物は鉱質フッ素化合物であり、特に、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化アンモニウム、フッ化セリウム(III)、フッ化リチウム、二フッ化鉄、二フッ化鉛、二フッ化カリウム、二フッ化ナトリウム、フッ化チタン、フッ化ルビジウムおよびその混合物からなる群より選択される。

    本発明にて使用されるスズ酸塩化合物は、スズ酸塩SnO 2−イオンまたはSn(OH) 2−イオンの供給源である。 有利には、本スズ酸塩化合物は、スズ酸カリウム、スズ酸ナトリウム、スズ酸バリウム、スズ酸亜鉛、スズ酸銅、およびその混合物からなる群より選択される。

    本発明にて使用されるモリブデン酸塩化合物は、MoO 2−またはMo 13 2−型のモリブデンを含むオキソアニオンの供給源である。 有利には、該モリブデン酸塩化合物は、モリブデン酸カリウム、モリブデン酸ナトリウム、モリブデン酸亜鉛、モリブデン酸カルシウム、モリブデン酸亜鉛とカルシウム、およびその混合物からなる群より選択される。

    本発明にて使用されるケイ酸塩化合物は、SiO 4−イオンの供給源である。 有利には、該ケイ酸塩化合物は、ケイ酸カルシウム、ケイ酸カリウム、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸アルミニウム、ホウ素ケイ酸カルシウム、およびその混合物からなる群より選択される。

    本発明にて使用されるセリウム(III)化合物は、Ce 3+カチオンの供給源である。 有利には、該セリウム(III)化合物は、硝酸セリウム(III)、フッ化セリウム(III)、塩化セリウム(III)、硫酸セリウム(III)、およびその混合物からなる群より選択される。

    本発明にて使用されるリン酸塩化合物は、リン酸亜鉛、リン酸マンガンまたはその混合物などのPO 3−アニオンの供給源である。

    本発明にて使用される(重)クロム酸塩化合物は、CrO 2−またはCr 2−アニオンの供給源である。 有利には、該(重)クロム酸化合物は、(重)クロム酸ナトリウム、(重)クロム酸カリウム、(重)クロム酸バリウム、(重)クロム酸アルミニウム、(重)クロム酸亜鉛、およびその混合物からなる群より選択される。

    本発明にて使用されるコバルト化合物は、Co 2+カチオンの供給源である。 有利には、該コバルト化合物は、リン酸コバルト、硫酸コバルト、水酸化コバルト、硝酸コバルト、およびその混合物からなる群より選択される。

    本発明にて使用されるカルボン酸塩化合物は、COO アニオンの供給源であり、カルボン酸マグネシウム、カルボン酸ナトリウムまたはその混合物などである。

    本発明における“混合物”という用語は、第一に、腐食防止添加物の同一もしくは異なるグループに属する少なくとも2種の別個の要素の混合物、および第二に、2種の異なるグループの腐食防止添加物に属する腐食防止添加物を意味する。 例えば、フッ化セリウム(III)は、フッ化イオンとセリウム(III)カチオン双方の供給源であり、それ故、フッ素化合物のグループとセリウム(III)化合物のグループの両方に属する。

    本発明における“セメントマトリックス”とは、微細に摩砕した物質と水もしくは塩類溶液を含む塑性混合物の調製後に得られる乾燥状態の多孔性固体物質を意味し、当該塑性混合物は経時的に凝結し、固化し得るものである。 この混合物は、“セメント混合物”または“セメント組成物”という用語でも呼称し得る。 セメントマトリックスは、天然または合成であっても、当業者既知であり、本発明にて使用し得る。 本発明におけるセメントマトリックスは、水硬性であっても、ジオポリマー性であってもよい。

    従って、本発明の第一の実施態様において、本発明に使用されるセメントマトリックスは、セメント混合物の微細に摩砕した物質の水和の結果凝結する水硬性セメントマトリックスである。 セメント混合物の微細に摩砕した物質は、全部が、または一部が微細に粉砕したクリンカー状に形成される。 “クリンカー”とは、以下からなる群より選択される1種以上の要素を含んでなる混合物を意味する:
    −石灰石、
    −CaO含有率が50〜60%で変化する石灰石、
    −常用のボーキサイトまたは赤ボーキサイトなどのアルミナ供給源、
    −クレー、および −石膏、半水和硫酸カルシウム、プラスター、天然硬石膏または石灰硫黄アッシュ;
    当該要素は粉砕し、均一化し、1200℃を超える温度、取り分け、1300℃より高い、さらには1450℃のオーダーの温度とする。 “1450℃のオーダーの”とは、1450℃±100℃の温度、有利には、1450℃±50℃の温度をいう。 高温度でのか焼工程は“クリンカー化”と呼ばれる。 クリンカーの調製後、またその摩砕前もしくはその間に、少なくとも1種の他の添加物、例えば、先に定義したような硫酸塩供給源をそこに加え得る。

    この第一の実施態様において、セメントマトリックスはポートランドセメントまたは複合ポートランドセメントであり得る。 ポートランドセメントは、有利には、50〜70%のケイ酸三カルシウム[(CaO) SiO ]、10〜25%のケイ酸二カルシウム[(CaO) SiO ]、5〜15%のアルミン酸三カルシウム[(CaO) Al ]、5〜10%のアルミノフェライト四カルシウム[(CaO) Al Fe ]を含んでなる。 かかるポートランドセメントは、二次化合物と混合して、“複合ポートランドセメント”とするが、その二次化合物(例えば、石灰石または高炉スラグなど)量は、当該複合ポートランドセメントの総重量に対して、3重量%より多くし、取り分け、5〜80重量%、さらに詳しくは10〜60重量%とする。

    この本発明第一の実施態様において、該セメントマトリックスは、アルミナセメントマトリックス、すなわち、大部分がアルミン酸カルシウムからなるクリンカーであってもよい。

    さらに、この本発明第一の実施態様において、該セメントマトリックスはスルホ−アルミナおよび/またはフェロ−アルミナセメントマトリックスであってもよい。 特許出願EP0900771は、特にスルホ−アルミナおよびフェロ−アルミナクリンカーを含有するセメントマトリックスについて記載している[12]。 これらのクリンカーは急速凝結性をもつセメント結合剤であり、少なくとも1種の石灰供給源(例えば、50ないし60%のCaO含有率をもつ石灰石)、少なくとも1種のアルミナ供給源、および少なくとも1種の硫酸塩供給源(例えば、先に定義のもの)を含有する混合物を1200ないし1350℃の温度でクリンカー化することにより得られる。 有利には、スルホ−アルミナクリンカーは28ないし40%のAl 、3ないし10%のSiO 、36ないし43%のCaO、1ないし3%のFe 、および8ないし15%のSO を含有してなる。 フェロ−アルミナクリンカーは、25ないし30%のAl 、6ないし12%のSiO 、36ないし43%のCaO、5ないし12%のFe 、および5ないし10%のSO を含有してなる。

    水硬性セメントマトリックスにおいては、セメント混合物の微細に摩砕した物質の水和に、いわゆる“混合溶液”の使用を必要とする。 本発明においては、この混合溶液が先に定義したような少なくとも1種の腐食防止添加物を含み得る。 該混合溶液の溶媒はプロトン性溶媒であり、取り分け水である。 該混合溶液中の腐食防止添加物(類)の濃度は、有利には、10mMないし10M、取り分け100mMないし8Mであり、より詳しくは、200mMないし5Mである。

    すでに説明したように、現時点での最新技術においてマグネシウム金属のコンディショニングに使用される水硬性セメントマトリックスは、マグネシウム金属の腐食を予防し、その結果、水素の産生を予防するために、少量の水を含有するものでなければならない。 本発明においては、腐食防止剤(類)を混合水に加えることで、水素産生の技術上の問題を解決することができる;従って、水硬性セメントマトリックスは使用する水の量に関して限定されるものではない。

    従って、本発明でのW/C比は、有利には、0.2より高く、取り分け、0.3ないし1.5であり、より詳しくは、0.38ないし1である。 “W/C比”とは、水の量(すなわち、混合溶液の量)とセメントの量(すなわち、混合溶液を含まないセメント混合物に相当する乾燥セメント混合物)の重量比を意味する。

    本発明の第二の実施態様においては、本発明にて使用するセメントマトリックスがジオポリマー性セメントマトリックスであり、そこでの凝結は、強pH塩溶液などの塩溶液中、セメント混合物の微細に摩砕した物質の溶解/重縮合の結果である。

    従って、この第二の実施態様においては、該ジオポリマー性セメントマトリックスはジオポリマーである。 本発明における“ジオポリマー”とは、無機無定形のアルミノ−ケイ酸塩ポリマーを意味する。 当該ポリマーは、実質的にシリカとアルミニウムを含有し、強アルカリ溶液により活性化した反応性物質から得られ、その処方の固体/溶液の重量比は低い。 ジオポリマーの構造は、ケイ酸塩(SiO )とアルミン酸塩(AlO )が共有する酸素原子によりその頂点で結合して、四面体状に形成されたSi−O−Al格子から構成される。 この格子内には、補償カチオンとも称される1個以上の電荷補償カチオンが存在し、このカチオンがAlO 複合体の負電荷を補償する。 当該補償カチオンは、有利には、アルカリ金属(例えば、リチウム(Li)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、ルビジウム(Rb)およびセシウム(Cs))、アルカリ土類金属(例えば、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)およびバリウム(Ba))およびその混合物からなる群より選択される。 本発明にて使用されるジオポリマー性セメントマトリックスを調製するために使用し得る実質的にシリカとアルミニウムを含有する反応性物質は、有利には、無定形のアルミノケイ酸塩を含有する固形の供給源である。 これらの無定形アルミノケイ酸塩は、特に、天然のアルミノケイ酸塩鉱物(例えば、イライト、束沸石、カオリナイト、ピロフィライト、紅柱石、ベントナイト、カイアナイト、ミラナイト、グローブナイト、アメサイト、キンセイ石、長石、アロファンなど);天然の焼成アルミノケイ酸塩鉱物(例えば、メタカオリン);純アルミノケイ酸塩含有の合成ガラス;アルミナセメント;軽石;高炉フライアッシュとスラグなどのか焼副生物もしくは工業残渣(それぞれ、高炉中での石炭燃焼から、および鉄鉱石を鋳鉄に変換する際に得られる);およびその混合物の中から選択される。

    強pHの塩溶液(ジオポリマー化の分野では“活性化溶液”としても知られる)は、ケイ酸塩成分、取り分け、シリカ、コロイドシリカおよびガラス質シリカからなる群より選択されるケイ酸塩成分を任意に含有し得る強アルカリ性水溶液である。 “強アルカリ性”または“強pHの”とは、pHが9より高い溶液、取り分け、10より高い、より詳しくは11より高く、さらに詳しくは12より高い溶液を意味する。

    強pH塩溶液は、塩もしくはイオン溶液の形状で、補償カチオンまたは補償カチオンの混合物を含んでなる。 従って、強pHの塩溶液は、特に、ケイ酸ナトリウム(Na SiO )の水溶液、ケイ酸カリウム(K SiO )の水溶液、水酸化ナトリウム(NaOH)の水溶液、水酸化カリウム(KOH)の水溶液、水酸化カルシウム(Ca(OH) )の水溶液、水酸化セシウム(CsOH)の水溶液、およびその誘導体などの中から選択される。

    本発明において、該活性化溶液はさらに先に定義したような少なくとも1種の腐食防止添加物を含んでなる。 活性化溶液中の腐食防止添加物(類)の濃度は、有利には、10mMないし10M、取り分け100mMないし8M、より詳しくは200mMないし5Mである。

    本発明はまた、セメントマトリックスを含有してなるマグネシウム金属を本発明に従って(すなわち、該セメントマトリックスについて予測される2つの実施態様に従って)、腐食防止添加物でコンディショニングするための物質に関する。

    従って、第一の実施態様においては、マグネシウム金属コンディショニング物質は、マグネシウム金属をコンディショニングする水硬性セメントマトリックスを含有してなり、水硬性セメントマトリックスはさらに、フッ素化合物、スズ酸塩化合物、モリブデン酸塩化合物、ケイ酸塩化合物、セリウム(III)化合物、リン酸塩化合物、(重)クロム酸塩化合物、コバルト化合物、カルボン酸塩化合物、およびその混合物からなる群より選択される少なくとも1種の腐食防止添加物を含有してなる。

    第二の実施態様において、本発明はまた、マグネシウム金属をコンディショニングするジオポリマー性セメントマトリックスを含んでなるマグネシウム金属コンディショニング物質にも関し、該ジオポリマー性セメントマトリックスはさらに、フッ素化合物、スズ酸塩化合物、モリブデン酸塩化合物、セリウム(III)化合物、リン酸塩化合物、(重)クロム酸塩化合物、コバルト化合物、カルボン酸塩化合物、およびその混合物からなる群より選択される少なくとも1種の腐食防止添加物を含有してなる。

    水硬性であるか、またはジオポリマー性のいずれかであるセメントマトリックスを有する本発明の物質対象において、腐食防止添加物はセメントマトリックス中に取り込まれており、その取り込み率は当該物質の総重量に対して、20重量%までである。 有利には、この取り込みレベルは、当該物質の総重量に対して0.01ないし15重量%、取り分け0.1ないし10重量%である。

    水硬性もしくはジオポリマー性マトリックスを有する本発明の物質対象は、コンディショニングすべきマグネシウム金属の所望の適用とその量に関連して、小型もしくは大型の様々な形状であり得る。 本発明においては、マグネシウム金属および、取り分け、それを含有する廃棄物がセメントマトリックス中に封じ込まれ、被覆され、および/または分散されている。

    本発明はまた、先に定義したマグネシウム金属のコンディショニング物質を調製する方法に関する。 当該調製方法は以下の連続工程を含んでなる:
    −少なくとも1種の腐食防止添加物を水硬性もしくはジオポリマー性セメント混合物に取り込む工程;次いで、
    −このようにして得られた水硬性もしくはジオポリマー性セメント混合物(すなわち、水硬性もしくはジオポリマー性セメント混合物+腐食防止添加物)中で、マグネシウム金属またはマグネシウム金属含有廃棄物をコンディショニングする工程。

    腐食防止添加物の取り込みに関しては、3つの変法が想定される。

    第一の変法においては、混合溶液または活性化溶液をそれぞれ加える前に、少なくとも1種の腐食防止添加物を乾燥水硬性もしくはジオポリマー性セメント混合物に加える。

    第一の実施態様に適用された第一の変法によるコンディショニング物質の調製法に使用するセメント混合物(水硬性セメント混合物)は、以下のものを含んでなる:
    i )混合溶液、取り分け先に定義したもの、
    ii )少なくとも1種の腐食防止添加物、取り分け先に定義したものを含有してなるクリンカー、取り分け先に定義したもの、および
    iii )選択肢としての硫酸塩供給源、取り分け先に定義したもの。

    第二の実施態様に適用された第一の変法によるコンディショニング物質の調製法に使用するセメント混合物(ジオポリマー性セメント混合物)は、以下のものを含んでなる:
    i ')活性化溶液、すなわち、強pHを有する塩溶液、取り分け先に定義したもの、
    ii ')少なくとも1種の腐食防止添加物、取り分け先に定義したものを含有してなる無定形アルミノケイ酸塩、取り分け先に定義したものを含有する固形供給源、および
    iii ')選択肢としてのケイ酸塩成分、取り分け先に定義したもの。

    第二の変法においては、少なくとも1種の腐食防止添加物を混合溶液(水硬性セメントマトリックス用)に、または活性化溶液(ジオポリマー性セメントマトリックス用)に加える。

    第一の実施態様に適用された第二の変法によるコンディショニング物質の調製法に使用するセメント混合物(水硬性セメント混合物)は、以下のものを含んでなる:
    i )少なくとも1種の腐食防止添加物、取り分け先に定義したものを含有してなる混合溶液、取り分け先に定義したもの、
    ii )クリンカー、取り分け先に定義したもの、および
    iii )選択肢としての硫酸塩供給源、取り分け先に定義したもの。

    第二の実施態様に適用された第二の変法によるコンディショニング物質の調製法に使用するセメント混合物(ジオポリマー性セメント混合物)は、以下のものを含んでなる:
    i ')少なくとも1種の腐食防止添加物、取り分け先に定義したものを含有してなる活性化溶液、すなわち、強pHを有する塩溶液、取り分け先に定義したもの、
    ii ')無定形アルミノケイ酸塩、取り分け先に定義したものを含有する固形供給源、および
    iii ')選択肢としてのケイ酸塩成分、取り分け先に定義したもの。

    該セメント混合物の構成要素は一緒にして、グループごとに、または同時に混合するとよい。 以下のプロトコールは水硬性もしくはジオポリマー性セメント調製の常套のプロトコールである。

    第三の変法においては、混合溶液(水硬性セメントマトリックス用)または活性化溶液(ジオポリマー性セメントマトリックス用)の添加の後に、少なくとも1種の腐食防止添加物をセメント混合物に加える。 この変法では、腐食防止添加物をスラリーに加える。

    第一の実施態様に適用された第三の変法によるコンディショニング物質の調製法に使用するセメント混合物(水硬性セメント混合物)は、以下のものを含んでなる:
    i )混合溶液、取り分け先に定義したもの、
    ii )クリンカー、取り分け先に定義したもの、
    iii )少なくとも1種の腐食防止添加物、取り分け先に定義したもの、および
    iv )選択肢としての硫酸塩供給源、取り分け先に定義したもの。

    第二の実施態様に適用された第三の変法によるコンディショニング物質の調製法に使用するセメント混合物(ジオポリマー性セメント混合物)は、以下のものを含んでなる:
    i ')活性化溶液、すなわち、強pHを有する塩溶液、取り分け先に定義したもの、
    ii ')無定形アルミノケイ酸塩、取り分け先に定義したものを含有する固形供給源、
    iii ')少なくとも1種の腐食防止添加物、取り分け先に定義したもの、および
    iv ')選択肢としてのケイ酸塩成分、取り分け先に定義したもの。

    本発明にて使用し得る腐食防止添加物は、市販品として入手可能な化合物であり、水硬性もしくはジオポリマー性セメント混合物に添加する前に特に調製する必要はない。 しかし、要すれば、当業者は既知の技法を用いて、1種(以上の)腐食防止添加物を容易に調製し得よう。

    該腐食防止添加物は、乾燥セメント混合物に、混合溶液に、活性化溶液に、またはスラリーに取り込ませる前、有利には、粉末などの固体形状であるか、または液体形状である。 従って、この添加物を乾燥セメント混合物に、混合溶液に、活性化溶液に、またはスラリーに加えることは、混合、溶解または希釈することからなる簡単なプロトコールである。

    数種の腐食防止添加物を使用する場合には、上記の3つの変法の中から選択される同じ変法に従って、または上記の3つの変法の中から選択される異なる変法に従って、それらを添加することができる。

    本発明方法による水硬性もしくはジオポリマー性セメント混合物に少なくとも1種の腐食防止添加物を取り込ませる工程に続いて、該腐食防止添加物を取り込ませたセメント混合物を使用して、マグネシウム金属を、取り分けマグネシウム金属含有廃棄物をコンディショニングする。 この工程は、より詳しくは、マグネシウム金属もしくは廃棄物をセメント混合物に加える(もしくは分散する)こと、またはマグネシウム金属もしくは廃棄物をセメント混合物で蔽う(被覆、包膜、捕捉もしくは遮断する)ことからなる。

    特定の一実施態様において、マグネシウム金属もしくは廃棄物、特に、マグネシウム金属を含む工業廃棄物は、ドラム型の容器に容れ、次いで、腐食防止添加物を取り込ませたセメント混合物を該容器中に注入し、マグネシウム金属もしくは廃棄物間の全自由空間を満たすようにする。

    本発明方法による、少なくとも1種の腐食防止添加物を含むセメント混合物中、マグネシウム金属もしくはそれを含有する廃棄物をコンディショニングする工程に続いて、該腐食防止添加物とマグネシウム金属(またはそれを含有する廃棄物)を取り込ませたセメント混合物は、有利には、セメントマトリックスの凝結を可能とする条件に付す。 従って、マグネシウム金属またはそれを含有する廃棄物を水硬性もしくはジオポリマー性セメント混合物中でコンディショニングした後、該セメント混合物をセメントマトリックスが凝結し得る条件に付す。 本方法の凝結工程に際しては、水硬性もしくはジオポリマー性セメント混合物の凝結を達成する当業者既知のいずれの技法も使用することができる。

    この凝結は、有利には、硬化工程および/または乾燥工程からなる。 凝結工程が硬化工程を含む場合、この工程は、腐食防止添加物とマグネシウム金属(またはそれを含有する廃棄物)を取り込ませたセメント混合物周囲の大気を加湿することにより、または当該混合物に不浸透性コーティングを施すことにより実施し得る。 この硬化工程は10ないし60℃の温度で、取り分け20ないし50℃、より詳しくは、30ないし40℃の温度で遂行され、また1ないし40日間、取り分け5ないし30日間、より詳しくは10ないし20日間継続することができる。

    該凝結工程が乾燥工程からなる場合、該工程は30ないし90℃の温度、取り分け40ないし80℃、より詳しくは50ないし70℃の温度で実施され、また6時間ないし10日間、取り分け12時間ないし5日間、より詳しくは24時間ないし60時間継続される。 有利には、該凝結工程は硬化工程、次いで先に定義した乾燥工程からなる。

    さらに、腐食防止添加物とマグネシウム金属(またはそれを含有する廃棄物)を取り込ませたセメント混合物の凝結に先立って、該混合物に、凝結後に所定の形状を付与するために、混合物を鋳型に入れることができる。

    本発明の他の特徴および有益性は、限定されるものではないが、説明としての下記に示す実施例を読み取り、添付の図面を参照することにより、さらに明らかとなろう。

    マグネシウム金属存在下の水素放出に対するCEM Iセメントの混合水中に存在するフッ化物の影響を図示する。

    マグネシウム金属存在下の水素放出に対するジオポリマーの活性化溶液中に存在するフッ化物の影響を図示する。

    1. マグネシウム金属を固定化するためのフッ化ナトリウムによるスラリーの調製 フッ化物含有スラリーを種々の結合剤から調製した。 スラリー調製のために、以下の2種類の結合剤を使用した:
    −ジオポリマー(スラリーNo.1およびNo.2)
    −CEM Iポートランドセメント(スラリーNo.3)
    フッ化ナトリウム(メルク;99%)の水溶液を2.58Mの濃度(スラリーNo.1と3)および0.258Mの濃度(スラリーNo.2)で調製した。 これらの溶液は、スラリーNo. 1とNo. 2では活性化溶液として、またスラリーNo. 3では混合溶液として使用された。

    ジオポリマーに使用した製品は、ピエリ・プレミックスMKからのメタカオリン(グレード・コンストラクション・プロダクツ)、NaOH(プロラボ98%)およびSiO (チキソシル;デガッサ)であった。

    ポートランド主体のスラリーは、CEM I 52.5Nタイプのセメント(ラファージ・ル・テイユ)で調製した。
    種々のスラリー組成を下記の表1に示す。

    スラリーを1時間混合した後、マグネシウム金属と接触させ、水素の放出を時間の関数として測定した。

    2. マグネシウム金属の存在下、スラリーからの水素放出に対するフッ化物の影響 マグネシウム金属の存在下、スラリーNo. 1、2および3からの水素放出に対するフッ化物存在の影響を判定するために、密閉型ポット中での分析を実施し、フッ化物不存在下のスラリーNo. 1、2および3間の比較を時間関数として実施した。

    図1は、マグネシウム金属の存在下、CEM I+NaFのスラリー(スラリーNo.3)およびNaFなしのCEM Iのスラリーにより産生される水素の容量を示す。 混合水中フッ化物の存在は、マグネシウム金属により産生される水素容量の明らかな減少を誘発する。

    図2はジオポリマーについての結果を示し、活性化溶液中のフッ化物量の増加が、マグネシウム金属により産生される水素量の減少を誘発することを示す。

    3. 結論 ポートランドセメントの混合水中またはジオポリマーの活性化溶液中の、マグネシウム腐食防止剤(フッ化物、ケイ酸塩など)の取り込みは、水硬性結合剤または非晶質アルミノケイ酸塩ポリマーのマトリックス中に含まれるマグネシウム金属が産生する水素の量を減少させ得る。

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