防塵および建築材製造のための組成物および方法

申请号 JP2017566616 申请日 2016-03-10 公开(公告)号 JP2018513096A 公开(公告)日 2018-05-24
申请人 バイオメイソン インコーポレイテッド; 发明人 ドージャー ジンジャー ケイ.; ダーラム ビクトリア エム.; ヒル トーマス エイ.; ドージャー ジェイ. マイケル; マカリスター スティーヴン ダブリュ.;
摘要 酵素産生細胞、一定量の窒素源、例えば尿素、および一定量のカルシウム、例えば塩化カルシウムを使用する、建築用および防塵用の材料を製造するための組成物および方法を記載する。カルシウムは、固体構造物、層、またはシールドを生成する炭酸カルシウムの形成に寄与する。本発明の組成物は、侵食制御、基礎支持、陥没穴形成の防止またはその他の用途のために表面に吹付けられ得るかまたはそれ以外の方法で適用され得る。アンモニア、 水 およびこのプロセスの他の副産物は、同じ目的もしくは例えば 肥料 およびエネルギー源を含む他の目的で再利用および再使用され得る、または選択的に培養された 微 生物 から別個に発酵され得る。
权利要求

ウレアーゼ産生細胞またはウレアーゼ産生細胞胞子が適用された支持材と輸送培地とを含む、組成物。支持材が、有機物もしくは無機物、岩石、ガラス、木材、紙、金属、プラスチック、ポリマー、繊維、鉱物またはそれらの組み合わせを含む、請求項1記載の組成物。液体または乾燥粉末である、請求項1記載の組成物。支持材が、ビーズ、粒、ロッド、ストランド、繊維、フレーク、繊維、粉砕もしくは破砕された石、結晶またはそれらの組み合わせの形態である、請求項1記載の組成物。支持材が、砂、ガラス、ガラス繊維、紙、灰、木材、金属、廃棄物またはそれらの組み合わせである、請求項1記載の組成物。ウレアーゼ産生細胞またはウレアーゼ産生細胞胞子が、酵母、藻類、細菌または真核生物の細胞または細胞胞子を含む、請求項1記載の組成物。細菌が、スポロサルシナ・パストゥリ(Sporosarcina pasteurii)、スポロサルシナ・ウレエ(Sporosarcina ureae)、プロテウス・ブルガリス(Proteus vulgaris)、バチルス・スファエリクス(Bacillus sphaericus)、ミキソコッカス・ザンサス(Myxococcus xanthus)、プロテウス・ミラビリス(Proteus mirabilis)、ヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori)、またはそれらの変種、血清型、変異体もしくは組み合わせである、請求項6記載の組成物。酵母、藻類、細菌または真核生物の細胞または細胞胞子が、遺伝子操作されている、請求項6記載の組成物。支持材および細胞が、疎結合、親水結合、イオン結合、非イオン結合、共有結合、ファンデルワールスまたはそれらの組み合わせによって結合される、請求項1記載の組成物。支持材が、ウレアーゼ産生細胞の結合を促進するフィルムによって少なくとも部分的に覆われる、請求項1記載の組成物。フィルムが、ポリマーまたは細胞栄養分を含む、請求項10記載の組成物。着色剤を含む、請求項1記載の組成物。識別剤または検出可能マーカーを含む、請求項1記載の組成物。輸送培地が、細胞成長のための成分を含む、請求項1記載の組成物。細胞成長のための成分が、水、栄養分、ビタミン、無機物、アミノ酸、タンパク質、油、脂肪酸、糖類および多糖類のうちの1つまたは複数を含む、請求項14記載の組成物。固体成形物を製造するためのキットであって、 請求項1記載の組成物、 ウレアーゼ産生細胞の増殖および/または細胞胞子の発芽のための栄養分を含む第2の組成物、 各セットが少なくとも1つの固体成形物の形状を取り囲み、かつ1つまたは複数の多孔性パネルを含む、複数の型枠セット、ならびに カルシウム、窒素、またはカルシウムおよび尿素の両方を含む第3の組成物、 を含む、キット。固体成形物が、長方形、正方形、円形、楕円形または不規則形状である、請求項16記載のキット。固体成形物が、ブロック、ボード、レンガ、敷石、パネル、タイルまたは単板である、請求項16記載のキット。ブロックが、コンクリート組積造ブロック、シンダーブロック、基礎ブロック、ブリーズブロック、中空ブロック、中実ブロック、ベッサー(besser)ブロック、クリンカーブロック、高もしくは低密度ブロック、または気泡ブロックである、請求項18記載のキット。栄養分が、アミノ酸、タンパク質、多糖類、脂肪酸、ビタミンおよび無機物を含む、請求項16記載のキット。固体成形物の製造方法であって、 請求項1記載の組成物を骨材材料および水と混合して混合物を形成する工程であって、骨材材料が、直径50 mm未満の粒子から主に構成される、工程、 該混合物を複数の型枠に分配する工程であって、各型枠が少なくとも1つの多孔性パネルを含む、工程、 該混合物に第2の組成物を添加する工程であって、第2の組成物がウレアーゼ産生細胞の増殖を促進する栄養分を含む、工程、 該混合物に第3の組成物を添加する工程であって、第3の組成物がカルシウムを含む液体である、工程、 粒子間で共有結合が形成されるよう一定期間該混合物をインキュベートする工程、および 型枠から固体成形物を取り出す工程 を含む、方法。骨材材料が、岩石、ガラス、木材、紙、金属、プラスチック、ポリマー、鉱物またはそれらの組み合わせを含む、請求項21記載の方法。混合する工程が、液体としての組成物を骨材材料上に吹付ける工程を含む、請求項21記載の方法。型枠が、インキュベートする工程の間、実質的に浸漬される、請求項21記載の方法。浸漬させた型枠に対して空気が泡立てられる、請求項24記載の方法。追加の第3の組成物が、インキュベートする工程の間繰り返し前記混合物に添加され、底面パネルを通じて排出され、任意で再利用される、請求項21記載の方法。インキュベートする工程が、周囲条件の下で実施される、請求項21記載の方法。インキュベートする工程が、5℃〜50℃の間で実施される、請求項21記載の方法。第3の組成物が、塩化カルシウム、酢酸カルシウム、リン酸カルシウム、炭酸カルシウム、乳酸カルシウム、硝酸カルシウムまたはカルシウム塩を含む、請求項21記載の方法。前記混合物のpHが、インキュベートする工程の間モニタリングされる、請求項21記載の方法。固体成形物が、ブロック、ボード、レンガ、敷石、パネル、タイルまたは単板である、請求項21記載の方法。前記混合物が、繊維またはナノ繊維をさらに含む、請求項21記載の方法。繊維またはナノ繊維が、木材、ガラス、プラスチック、金属またはポリマーから構成される、請求項32記載の方法。追加の栄養分が、インキュベートする工程の間に添加される、請求項21記載の方法。型枠から取り出された固体成形物が乾燥される、請求項21記載の方法。栄養分、タンパク質、多糖類、ポリマーまたは他の培地でカプセル化、マイクロカプセル化またはコーティングされたウレアーゼ産生細胞またはウレアーゼ産生細胞胞子を含む、組成物。栄養培地が、追加のウレアーゼ産生細胞またはウレアーゼ産生細胞胞子をさらに含む、請求項36記載の組成物。ウレアーゼおよび/またはウレアーゼ産生細胞、窒素源、カルシウム源ならびに水を含む、組成物。0.05 mm未満の平均直径を有する骨材材料をさらに含む、請求項38記載の組成物。1 nm〜40 nmの平均直径を有する骨材材料をさらに含む、請求項38記載の組成物。1.0 mm〜50 mmの平均直径を有する骨材材料をさらに含む、請求項38記載の組成物。窒素源が尿素であり、カルシウム源が塩化カルシウムである、請求項38記載の組成物。設定時間内の組成物の固化を提供する、一定量のウレアーゼおよび/またはウレアーゼ産生細胞、一定量の窒素源、一定量のカルシウム源ならびに一定量の水を含む、請求項38記載の組成物。ウレアーゼ産生細胞を含み、かつ細胞成長を促進する栄養分をさらに含む、請求項38記載の組成物。炭酸カルシウムで固体物体を層状化する方法であって、固体物体を請求項38記載の組成物と接触させる工程および炭酸カルシウムの形成を促進する工程を含む、方法。接触させる工程が、固体物体に前記組成物を吹付ける工程および/または所望の蒸気圧を維持する工程を含む、請求項45記載の方法。接触させる工程が、固体物体を前記組成物に浸漬する、固体物体に前記組成物を吹付ける、固体物体に前記組成物を霧吹きする、または固体物体を前記組成物とともに蒸気にさらす工程を含む、請求項45記載の方法。請求項38記載の組成物を表面上に吹付ける工程を含む、防塵方法。吹付けられた表面が、吹付けられていない表面と比較して侵食に対してより耐性となる、請求項48記載の方法。表面が、歩道、パイル、崖または車道である、請求項48記載の方法。

说明书全文

関連出願の参照 本願は、2015年8月3日に出願された米国仮出願第62/200,288号、2015年7月3日に出願された米国仮出願第62/188,556号および2015年3月10日に出願された米国仮出願第62/130,854号に対する優先権を主張し、各々の全体が詳細に参照により組み入れられる。

1. 発明の分野 本発明は、建築材製造のためおよび防塵のためのキット、組成物、ツールおよび方法に関する。より具体的に、本発明は、単離された酵素、酵素産生細菌もしくは細胞、または酵素産生生物を生じる胞子を用いる、レンガおよび組積造ブロックの製造のためならびに粉塵抑制のための材料および方法に関する。

2. 背景の説明 建築環境は、主として、限定された種類の伝統的材料である粘土、コンクリート、ガラス、鋼鉄および木材を用いて構築される。歴史を通して広く使用されている組積造は、今なお建築環境の大部分を構成しており、耐構造およびベニア建築の両方で利用されている。Chaissonによれば、伝統的な粘土質レンガ製造業は、全体で年間1.23兆ユニット超を生産しており、これらは再生可能でない天然資源に大きく依存している。石炭窯で製造される粘土質レンガは、1ユニットあたりおよそ1.3ポンドの二酸化炭素を発生させる。Burkeによれば、レンガ製造は、合計で毎年8億トンを超える人工的なCO2を発生させており、しかもこれは現在建造物建築で使用されている材料の1つにすぎない。

焼成粘土質レンガは、使用される機器およびプロセスに依存して、3〜20日で製造され得る。この範囲は、肉体労働によらずにレンガを処理することができる最新の自動化された工場から、多くの途上国において使用されている燃えさかる炎の周りにレンガが山積みされるクランプ法までを表わしている。

耐荷重性焼成粘土質石材の代替物として、コンクリート組積造ユニット[CMU]は、より経済的であり、より速く製造でき、建築物全体で類型構造として利用できることから、広く使用されている。コンクリートからなるこれらのユニットは、ポルトランドセメント、粗骨材および砂フィラー材を用いて製造される。米国環境保護庁のHanleyによれば、セメント生産からの総二酸化炭素(CO2)排出は、2000年におよそ8.29億メートルトンのCO2であった。

これらの伝統的な材料は、高い内包エネルギーを含んでおり、コンクリートおよび鋼鉄の成分は、再生可能でない供給源から採掘される。総二酸化炭素のおよそ40パーセントは、建築産業に関連し、主として材料の生産および廃棄が原因となっている。生物学的に成長する材料は、地域生態系の一部として生成された場合、汚染物質フリーであり、低い内包エネルギーを含み得る。

天然セメントは、化学的堆積および風化作用に伴う化学的プロセスを通じて生成され、地球上の地殻の様々な場所で見出され得る。天然砂岩の形成は、主として方解石セメントの沈殿によるものである。天然堆積に代わる方法として、天然セメントの形成は、化学反応を通じて方解石の生産を誘導する能力を有する非病原性一般土壌細菌であるウレアーゼ産生性スポロサルシナ・パストゥリ(Sporosarcina Pasteurii)を用いて行われている。その結果として、Stocks-Fischerによって微生物誘導方解石沈殿[MICP]と称されるプロセスにおいて形成される硬化した物質が得られる。用途は、汚染土壌の環境安定化ならびに天然土壌および酸性鉱山尾鉱中の有害物質および他の汚染物質のカプセル化を含む。RamachandranおよびJonkersは、コンクリート構造物におけるひび割れを修復するためおよびモニュメントにおけるひび割れの修理のための微生物の使用を提案した。DeJongおよびWhiffinによれば、米国、オーストラリアおよびオランダの土木工学研究者は、土壌安定化および侵食制御のためのMICPの使用を提唱している。

粘土質レンガおよび他の従来的な石代用物の製造に伴う高いエネルギー消費を要さず、容易に入手可能な材料を用い経済的かつ環境的に安全である建築材を製造するためのプロセスに対する必要性が存在している。

本発明は、現行の戦略および設計に付随する問題および欠点を克服し、建築材の製造のための新しいツール、組成物および方法を提供する。

本発明の1つの態様は、ウレアーゼ産生細胞またはウレアーゼ産生細胞胞子が結合された支持材および輸送培地および任意で栄養分混合物を含む、組成物に関する。好ましくは、支持材は、有機物または無機物であり、岩石、ガラス(例えば、Poraver)、木材、紙、金属、プラスチック、ポリマー、鉱物またはそれらの組み合わせを含む。好ましくは、組成物は、液体、ゲル、スラッジ、ポンプ可能なスラリー、乾燥粉末または結晶であり、支持材は、ビーズ、粒、ロッド、ストランド、繊維、フレーク、粉砕もしくは破砕された石、結晶、細粒またはそれらの組み合わせの形態である。好ましくは、支持材は、砂、ガラス、木材(例えば、残渣、パルプ、おがくず、リグニン)、金属、ポリマー、細粒(例えば、マイクロセルロース)、廃棄物(例えば、灰、スクラバ廃棄物、残渣)、共培養微生物またはそれらの組み合わせであり、ウレアーゼ産生細胞またはウレアーゼ産生細胞胞子は、酵母、藻類、細菌または真核生物の細胞、細胞胞子、嫌気性細胞または通性嫌気性細胞を含む。好ましい細菌は、スポロサルシナ・パストゥリ、スポロサルシナ・ウレエ(Sporosarcina ureae)、プロテウス・ブルガリス(Proteus vulgaris)、バチルス・スファエリクス(Bacillus sphaericus)、ミキソコッカス・ザンサス(Myxococcus xanthus)、プロテウス・ミラビリス(Proteus mirabilis)、ヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori)、またはそれらの変種、血清型、変異体もしくは組み合わせであり、好ましい酵母、藻類、細菌または真核生物の細胞または細胞胞子は、遺伝子操作される。支持材および細胞は、好ましくは、疎結合、親水結合、イオン結合、非イオン結合、共有結合、ファンデルワールス力もしくはそれらの組み合わせによって結合され、および/または支持材は、少なくとも部分的にもしくは完全に、ウレアーゼ産生細胞の結合を促進するフィルムによって覆われる。好ましいフィルムは、ポリマーまたは細胞栄養分を含み、好ましくは、組成物は、赤色、青色、緑色、黄色またはそれらの任意の組み合わせもしくは暗清色であり得る着色剤を含む。好ましくは、組成物は、識別剤または検出可能マーカー、例えば、顕微鏡タグ、色、核酸もしくはペプチド、酵素または別の物質を含む。

本発明の別の態様は、固体成形物を製造するためのキットに関し、キットは、本発明の組成物;ウレアーゼ産生細胞の増殖および/または細胞胞子の発芽のための栄養分を含む第2の組成物;各セットが少なくとも1つの固体成形物の形状を取り囲み、かつ1つまたは複数の多孔性パネルを含む、複数の型枠セット;ならびに、カルシウム源(例えば、CaCl2)、窒素源(例えば、尿素)またはカルシウム源および窒素源の両方を含む第3の組成物を含む。好ましくは、キットは、例えば長方形、正方形、円形、楕円形または不規則形状等の固体成形物を作製するためのものである。好ましい固体成形物は、ブロック、ボード、レンガ、敷石、パネル、タイルまたは単板を含むがこれらに限定されない。好ましくは、本発明のキットは、ブロック、例えばコンクリート組積造ブロック、シンダーブロック、基礎ブロック、ブリーズブロック、中空ブロック、中実ブロック、ベッサー(besser)ブロック、クリンカーブロック、高もしくは低密度ブロック、または気泡ブロック等を製造するためのものである。好ましくは、栄養分は、アミノ酸、タンパク質、多糖類、脂肪酸、ビタミンおよび無機物を含む。

本発明の別の態様は、固体成形物の製造方法に関し、方法は、本発明の組成物を骨材材料および水と混合して混合物を形成する工程であって、骨材材料が、直径5mm以上の粒子または直径5mm以下の粒子(例えば、細粒)から主に構成される、工程;任意で、混合物を複数の型枠に分配する工程であって、各型枠が少なくとも1つの多孔性パネルを含む、工程;混合物に第2の組成物を添加する工程であって、第2の組成物がウレアーゼ産生細胞の増殖を促進する栄養分を含む、工程;混合物に第3の組成物を添加する工程であって、第3の組成物がカルシウムを含む液体である、工程;粒子間で共有結合が形成されるよう一定期間混合物をインキュベートする工程;および型枠から固体成形物を取り出す工程を含む。好ましくは、骨材材料は、岩石、ガラス、木材、紙、金属、プラスチック、ポリマー、鉱物もしくはこれらの組み合わせを含み、および/または混合する工程は、液体としての組成物を骨材材料上に吹付ける工程を含む。好ましくは、型枠は、インキュベートする工程の間、実質的に浸漬され、浸漬させた型枠に対して空気が泡立てられる。好ましくは、第3の組成物は、インキュベートする工程の間繰り返し混合物に添加され、これは底面パネルを通じて排出され、任意で再利用される。好ましくは、インキュベートする工程は、周囲条件の下で実施され、第3の組成物は、塩化カルシウム、酢酸カルシウム、リン酸カルシウム、炭酸カルシウム、乳酸カルシウム、硝酸カルシウムまたはカルシウム塩を含む。好ましくは、インキュベートする工程の間、混合物のpHがモニタリングされる。好ましくは、固体成形物は、ブロック、ボード、レンガ、薄レンガ、敷石、パネル、タイルまたは単板、石(人造石、カルチャードストーン、色石)であり、混合物は、例えば木材、ガラス、プラスチック、金属またはポリマーの繊維またはナノ繊維である、繊維またはナノ繊維をさらに含む。好ましい繊維は、例えば、ポリプロピレン、HDPE、高強度炭素繊維を含む炭素繊維、レイヨンならびに生分解性および非生分解性繊維、例えば、ポリ乳酸等のポリマー、セルロース、無機物、キチン、リグニンおよび他の植物素材の各繊維を含む。好ましくは、追加の栄養分がインキュベートする工程の間に添加され、型枠から取り出された固体成形物は乾燥される。

本発明の別の態様は、栄養培地、例えばタンパク質もしくは多糖類等、またはポリマー、例えば水溶性であるポリ乳酸でカプセル化またはコーティングされたウレアーゼ産生細胞またはウレアーゼ産生細胞胞子を含む組成物を含む。好ましくは、栄養培地は、追加のウレアーゼ産生細胞またはウレアーゼ産生細胞胞子をさらに含む。

本発明の他の態様および利点は、一部は以下の説明に示されており、一部はこの説明から明らかとなり得るかまたは本発明の実施から習得され得る。

発明の説明 伝統的な建築材、例えば粘土質レンガおよびコンクリートは、製造プロセスの間に膨大な量のエネルギーを必要とする。これらのプロセスは、天然資源、例えば石油、石炭、木材の燃焼に大きく依存している。この依存は、莫大な量のエネルギー源を消費し、同時に多量の二酸化炭素を発生させ、したがって限られたエネルギー源に大きく依存している。微生物細胞によって産生される酵素を利用する、製造時にずっと少ないエネルギーを必要とする代替法が報告されている。典型的に、細胞は好気性および/または通性嫌気性細胞であり、例えば、スポロサルシナ・パストゥリ、スポロサルシナ・ウレエ、プロテウス・ブルガリス、バチルス・スファエリクス、ミキソコッカス・ザンサス、プロテウス・ミラビリス、ヘリコバクター・ピロリおよび他の菌株、血清型、変種、変異体およびCRISPR修飾体(clustered regularly interspaced short palindromic repeat)を含む。細胞は、カルシウム源および窒素源の存在下で方解石結晶を形成する酵素であるウレアーゼを産生する。このプロセスは一般に、微生物誘導方解石沈殿(MICP)と呼ばれ、細胞または精製された酵素を用いて実施され得る。ほとんどまたは全く加熱を必要としないため、費用および効率の両方でエネルギーの節約が大きい。

アンモニアおよび二酸化炭素の生成を触媒し、組成物のpHレベルを上昇させる酵素および/または酵素産生細胞が、骨材材料と共に窒素源およびカルシウム源、例えば、尿素および塩化カルシウム等を含む組成物中に分散される。pHの上昇は、カルシウムと二酸化炭素が結合した無機沈殿物を形成する。細胞または他の粒子は、核形成部位として作用し、カルシウムからの無機イオンを粒子表面に誘引して炭酸カルシウム結晶、例えば方解石結晶または他の炭酸カルシウム多形体を形成する。この無機物の成長は、骨材の粒子の間の隙間を満たし、骨材粒子をバイオセメンテーションまたは結合させ、固体物を形成する。得られる物質は、自然形成された砂岩と類似の組成および物理的特性を示すが、その硬度は、少なくとも初期成分の構造および所望の孔サイズに基づき予め決定することができる。

驚くべきことに、MICPプロセスを用いて骨材材料から形成される固体物の生産のための新しいツール、組成物、技術および方法が発見された。驚くべきことに、任意で栄養組成物を含み得る、ウレアーゼ産生細胞またはウレアーゼ産生細胞胞子を結合した支持材を含む組成物を作製できることが発見された。細胞または酵素を支持材と接触させることにより、大量生産および建築材の製造のためのMICPプロセスの商業的活用が可能になる。ウレアーゼの商業的供給源は、例えば、タチナタマメを含む。酵素は、液体として維持され得るが、好ましくは保管および輸送の容易さのために凍結乾燥され、使用前に水、緩衝水または酵素活性を維持する別の水和剤で再水和される。好ましくは、純粋な酵素が、糖、脂質または他のポリマーのマイクロシェルまたはスフィア中にカプセル化される。カプセル化技術は、例えば、ナノ組織化マイクロシェルによるカプセル化およびキサンタン・アルギネートスフィアによるカプセル化を含む。好ましい酵素濃度は、pH 7.6の0.1 Mリン酸緩衝液中0.5〜5 mg/mlである。好ましい酵素濃度は、約0.1〜100 mg/ml、より好ましくは約0.5〜3.0 mg/ml、より好ましくは約0.5〜2.0 mg/mlおよびより好ましくは約1.0 mg/mlである。酵素はさらに、使用前に、0.02〜0.04 ΔA/分の速度を得るよう希釈され得る。酵素活性は、アンモニア生産をグルタミン酸デヒドロゲナーゼ反応に関連付ける以下の反応: によって測定され得る。したがって、1ユニットの酵素は、25℃およびpH 7.6の下で毎分1マイクロモルのNADHの酸化をもたらす。

セメンテーションの誘導を通じて建築材を製造するこの方法は、低い内包エネルギーを示し、周囲圧またはそれより高いもしくは低い圧、および周囲温度またはそれより高いもしくは低い温度の下で実施することができる。例えば、好ましい圧は、約10 psi〜約100 psiおよびその間のすべての圧値であり、また好ましくは約14 psi〜約50 psiである。より高い圧も利用することができるが、通常、要求されるエネルギー消費に必要とされない。好ましい温度範囲は、少なくとも-20℃〜80℃超、好ましくは約5℃〜約50℃、好ましくは約15℃〜約30℃、好ましくは約20℃〜約25℃である。好ましくは、温度範囲は、30℃未満、40℃未満、50℃未満、60℃未満または70℃未満である。周囲温度および条件ならびに利用可能な骨材の内容物が、出発成分として純粋な酵素、凍結乾燥された酵素、胞子または生細胞を利用できるかどうかを決定し得る。生細胞は、穏やかな気象条件が存在する温度下で使用され得、一方、純粋な酵素は、低温または高温のより極端な条件下で有利であり得る。胞子は、即時の石灰化が必要とされない場合に使用され、胞子は、発芽して酵素を発現するのに十分な時間が提供される。

処理は、相当量の副産物、例えばアンモニアの生成も伴うが、これらのすべてが方解石形成に利用されるのではない。この製造方法に関連して廃液回収システムを含めることが、本発明の別の態様である。廃液からのアンモニアの回収は、その廃液を、さらなる除染手順を必要とせず再利用または廃棄できる普通の水に変換する。好ましいアンモニア回収法は、例えば、イオン交換樹脂および商業的に利用可能な処理、例えばアンモニア電気分解、ゼオライト、クリノプチロライトおよびそれらの組み合わせを含む。好ましくは、回収されたアンモニアは、肥料として利用され得るか、窒素に変換され得るか、エネルギー生産に利用され得るか、または他の用途で利用され得る。

本発明の1つの態様は、輸送培地および任意で栄養培地中にウレアーゼ産生細胞またはウレアーゼ産生細胞胞子、ウレアーゼ酵素(例えば、粗抽出物または未精製酵素もしくは精製酵素)を含む組成物に関する。輸送培地は、例えば、ウレアーゼ産生細胞および/または他の支持細胞のための成長培地、酵素安定化培地、試薬培地、緩衝化溶液ならびにそれらの組み合わせを含む。この組成物は、支持材を含み得るかまたは支持材と組み合わされ得、支持材は有機物または無機物であり得、好ましくは固体または半固体であり、好ましくは穴もしくは穿孔を含みおよび/またはそうでなければ多孔性のものである。有機支持材は、例えば、バイオマス、例えば、好ましくは、コケ、干し草、わら、芝、枝、葉、藻類、ダート、灰、粉塵、粒状物質、くずおよびそれらの組み合わせを含む。無機支持材は、例えば、鉱物、補助セメント材(SCM)、粉砕または破砕された岩石、細粒およびそれらの組み合わせを含む。繊維性材料は、黄麻布のシートまたはタープ、紙、木材(例えば、残渣)、綿または別の天然繊維もしくは合成繊維を含む。非天然のおよび人工的な材料、例えば、プラスチック、ガラス、ガラス繊維、ビニル、ゴム、合成繊維またはそれらの組み合わせのシート等もまた使用され得る。この固体支持体に、ウレアーゼ産生細胞、ウレアーゼ酵素または単なる他の細胞が適用されるかまたはそれ以外の方法で導入される。好ましくは、これらの他の細胞は、ウレアーゼ産生細胞の成長を支持するかもしくはMICPプロセスに関与するおよびそうでなければMICPプロセスと干渉しない化学プロセスを増強するために、または核形成部位として作用するために有用である。好ましくは、これらの他の細胞は、地域環境における天然のもしくは潜伏性の微生物であるか、または混合物と共に提供され、使用される量で非病原性、非毒性および/もしくは比較的無害であり、ならびに容易に入手されるか、地域環境に存在するか、または提供される。細胞は、建築ツールおよび製品の製造のために、支持材上で直接増殖させることができ、そして所望の密度または成長段階で、有機材料が骨材材料中に均一に分配されるおよび/または完全に混合される。使用され得る無機材料は、例えば、岩石(例えば、細粒)、砂、ガラス、木材、紙、金属、プラスチック、ポリマー、鉱物、製造または処理廃棄物、例えば灰、炭素または木材残渣を含み、これらのいずれも破砕され得るかまたは全体として使用され得るかまたはその組み合わせであり得る。組成物はまた、そうでなければ有害である廃棄物(例えば、放射性物質、危険金属もしくは毒性内容物を含む物質、スクラバから出た汚染物質または他の有害な物質)から形成され得、および安定的に保管できるかまたはそうでなければ安全に廃棄できる固形構造物に形成され得る。

本発明の組成物は、シートもしくはマットまたは天然もしくは非天然材料に吹付けまたはそれ以外の方法で適用され得、および例えば侵食にさらされる表面、パイル、崖または他の構造上に炭酸カルシウム外殻を形成することにより侵食を防止するために使用されるシートに吹付けまたはそれ以外の方法で適用され得る。穿孔されたまたは多孔性のシートまたはマットを使用して、この外殻は、支持材全体に形成され、シートが配置された材料を付着させる。方解石形成のための核形成部位は、例えば、ポリマー、繊維、細粒、SCM、添加されたポルトランドセメント、粉末、共培養微生物およびそれらの組み合わせを含み得る。1層または多層の外殻が、その場所に形成され得る。この場合、侵食および粉塵防止は、定められた領域で実質的に減少または排除され得る。重要なことは、この様式で、シートが時間と共に容易に置き換えられ得、および/または本発明の新鮮な組成物が必要に応じてもしくは所望の場合に表面に再適用され得ることである。マットは、作業が終了した後のリハビリテーションのためにその場所に「種をまく」という付加的利益を提供し、それによって場所の回復作業を進められるようにする、例えばそれによってその場所を自然な状態に戻す。これは、採掘作業が終了した採掘現場に特に適用される。

本発明の好ましい態様において、本発明の組成物は、液体、ゲル、スラリー、スラッジ、半固体または乾燥粉末として表面領域に適用される。本発明の組成物の胞子および/または微生物は、好ましくは水、緩衝水または別の水性物質である液体の存在下で炭酸カルシウムの外殻の形成を触媒する酵素を産生する。個々の微生物に適した栄養混合物が、細胞と共に含まれ得る。組成物が乾燥すると、外殻が残り、細胞が休眠状態になる。十分な栄養分および/または基質物質が存在する場合、細胞が自己増殖し、十分な水性液体が提供されるときはいつでも新しい外殻が形成されるであろう。好ましい態様において、栄養分および/または基質物質は、徐放形態または持続放出形態で、例えば既定の溶解速度を有する乾燥成分として、関心対象の表面領域上に分散され得る。再形成は単に、栄養分および/または基質を溶解する水を再適用しそれによって微生物を再活性化するだけのことであり得る。再活性化された微生物は、外殻を形成する酵素を産生する。このプロセスは、微生物、栄養分および/もしくは基質の再適用を行うかもしくは行わずに、または不定期の添加のみを行って、繰り返され得る。このプロセスは、雨が水源を提供するよう気象現象と結びつけられ得る。微生物および/または胞子を提供し、かつ徐放性の栄養分および/または基質を含む組成物を提供することにより、外殻は、長期間にわたって繰り返し一定領域で再形成され得る。

好ましくは、すべての必要な成分、例えば、微生物、胞子および/または酵素、窒素源、ならびにカルシウム源、ならびに任意で核形成部位(例えば、粉末、細粒、共培養微生物および/または他の物質)を含む本発明の組成物は、表面、例えば未舗装道路等、または構造物、例えば丘もしくは崖に適用される。微生物は増殖し、道路表面上での炭酸カルシウムの外殻の形成を触媒する酵素を産生する。車両がその道路上を通過すると、外殻は壊れ、最終的にこの外殻は粉塵になる。その地理的領域では定期的に、徐放性栄養分および/または基質物質を溶解する雨または他の形態の降水があり、それによって休眠状態の微生物の増殖を促進する。微生物は、道路上での新しい外殻の形成を触媒する酵素を産生する。降水が少ない期間には、微生物を活性化するために、追加の栄養分および/または基質物質を含んでもよいしまたは含まなくてもよい水溶液が道路に再適用される。好ましくは、組成物は液体、ゲル、スラリー、スラッジまたは乾燥粉末であり、支持材は、ビーズ、粒、ロッド、ストランド、繊維、フレーク、ダート、バイオマス、砂、粉砕もしくは破砕された石、細粒、補助セメント材(SCM)、結晶、共培養微生物、またはそれらの組み合わせの形態であり得る。細粒のサイズは、好ましくは250メッシュ以下、より好ましくは200メッシュ以下、より好ましくは150メッシュ以下、またはより好ましくは100メッシュ以下である(参考例は、海浜砂のメッシュサイズ=700、細砂のメッシュサイズ=250;ポルトランドセメントのメッシュサイズ=74;シルトのメッシュサイズ=44;煙のメッシュサイズ=2を含む)。支持材および骨材材料は、同じまたは異なり得る。好ましくは、支持材または骨材材料は、砂、ガラス、金属、添加されたポルトランドセメント、SCM、細粒、共培養微生物(例えば、天然の、潜伏性の、その地域の、添加されたもしくは遺伝子操作された微生物)またはそれらの組み合わせであり、ウレアーゼ産生細胞またはウレアーゼ産生細胞胞子は、酵母、藻類、嫌気性細胞、通性嫌気性細胞、細菌または真核生物の細胞または細胞胞子を含む。好ましい細菌は、スポロサルシナ・パストゥリ、スポロサルシナ・ウレエ、プロテウス・ブルガリス、バチルス・スファエリクス、ミキソコッカス・ザンサス、プロテウス・ミラビリス、ヘリコバクター・ピロリ、またはそれらの変種、血清型、変異体もしくは組み合わせであり、好ましい酵母、藻類、細菌または真核生物の細胞または細胞胞子は、遺伝子操作される。バイオセメンテーションを行うことができる他の酵素産生細菌は、スポロサルシナ・ウレエ、プロテウス・ブルガリス、バチルス・スファエリクス、ミキソコッカス・ザンサス、プロテウス・ミラビリスおよびヘリコバクター・ピロリを含むが、病原性菌株に対しては適切な注意が払われるべきである。これらの菌株のいずれかの組み合わせならびに機能的変種、変異体および遺伝子操作された菌株も使用され得る。支持材および細胞は、好ましくは、疎水結合、親水結合、イオン結合、非イオン結合、共有結合、ファンデルワールス力もしくはそれらの組み合わせによって結合され、および/または支持材は、少なくとも部分的にもしくは完全に、ウレアーゼ産生細胞の結合を促進するフィルムによって覆われる。好ましいフィルムは、ポリマーまたは細胞栄養分を含み、好ましくは、組成物は、赤色、青色、緑色、黄色またはそれらの任意の組み合わせもしくは暗清色であり得る着色剤を含む。好ましくは、組成物は、識別剤または検出可能マーカー、例えば、顕微鏡タグ、色、酵素または別の物質を含む。

支持材および/または骨材材料は、建築材に利点を提供する追加成分を含み得る。例えば、最終産物中のおよび/もしくは最終産物で生じる染みを分解するのに有用な酵素、補因子および/もしくは他の化学物質を生成するならびに/または追加の核形成部位を生成する化学物質ならびに/またはさらなる細胞(例えば、天然の、地域的なまたは潜伏性の細菌、酵母、真核細胞、藻類およびそれらの組み換え変種)が含まれ得る。染みは、大気汚染、すす、カビまたは動物の排出物からの染みを含む。あるいは、化学物質または酵素は、最終産物に色、テクスチャまたは所望の機能もしくは外観を付与し得る。

本発明の別の態様は、固体成形物を製造するためのキットに関し、キットは、本発明の組成物、ウレアーゼ産生細胞の増殖および/または細胞胞子の発芽のための栄養分を含む第2の組成物;各セットが少なくとも1つの固体成形物の形状を取り囲み、かつ1つまたは複数の多孔性パネルを含む、複数の型枠セット;ならびに、カルシウム源(例えば、CaCl2)、窒素源(例えば、尿素)またはカルシウム源および窒素源の両方を含む第3の組成物を含む。好ましくは、キットは、例えば長方形、正方形、円形、楕円形または不規則形状等の固体成形物を作製するためのものである。好ましい固体成形物は、ブロック、ボード、レンガ、敷石、パネル、タイル、カウンター天板または単板を含むがこれらに限定されない。好ましくは、本発明のキットは、ブロック、例えばコンクリート組積造ブロック、シンダーブロック、基礎ブロック、ブリーズブロック、中空ブロック、中実ブロック、ベッサーブロック、クリンカーブロック、高もしくは低密度ブロック、または気泡ブロック等、薄レンガ、人造石、カルチャードストーンまたは色石を製造するためのものである。本発明の栄養組成物は、細胞を維持するならびに/または細胞がよく成長および増殖できるようにする栄養培地を含み得る。本発明の細胞、特に細菌細胞のための様々なタイプの栄養培地が公知であり、市販されており、少なくとも、繁殖させずに生命力を維持する輸送のために典型的に使用される最少培地(または輸送培地)ならびに成長および繁殖のために典型的に使用される酵母抽出物、糖蜜およびコーンスティープリカーを含む。好ましくは、栄養分は、アミノ酸、タンパク質、多糖類、脂肪酸、ビタミンおよび無機物を含む。

本発明の別の態様は、固体成形物の製造方法に関し、方法は、本発明の組成物を骨材材料および水と混合して混合物を形成する工程であって、骨材材料が、直径5mm未満(例えば、4 mm未満もしくは約4 mm、3 mm未満もしくは約3 mm、2 mm未満もしくは約2 mm、または1 mm未満もしくは約1 mm)の粒子から主に構成される、工程;混合物を複数の型枠に分配する工程であって、各型枠が少なくとも1つの多孔性パネルを含む、工程;混合物に第2の組成物を添加する工程であって、第2の組成物がウレアーゼ産生細胞の増殖を促進する栄養分を含む、工程;混合物に第3の組成物を添加する工程であって、第3の組成物がカルシウムを含む液体、粉末またはペーストである、工程;粒子間で共有結合が形成されるよう一定期間混合物をインキュベートする工程;および型枠から固体成形物を取り出す工程を含む。あるいは、組成物は、組み合わされ、まとめて型枠内の材料に添加され得るかまたは型枠への添加前に材料と組み合わされ得る。

本発明の別の態様は、型枠の構造および組成に関する。好ましい型枠は、所望の形状に金型成形または押出し成形することができる熱可塑性材料を含む。好ましい熱可塑性物質は、プラスチック、例えばポリプロピレン、ポリスチレン、HDPE(高密度ポリエチレン)、LPDEおよび再生LDPE(低密度ポリエチレン)および架橋ポリエチレンを含むポリエチレン、ガラスならびにほぼ任意の成形可能なポリマーを含むがこれらに限定されない。好ましくは、ポリマー材は、様々な厚みおよび均一性のペレットまたはレンズ形として提供される。ペレットは、多孔性金型に満たされ、加圧下で蒸気にあてられる(金型は加圧されず、圧は蒸気のみからもたらされる)。得られる生産物は、指定した流れ方向の材料を提供し、勾配の変化は、流れ方向、速度および残留飽和度に影響する。

本発明の別の態様は、型枠を必要としない(例えば、フレームレス製造)組成物および構造物に関し、構造物は、本発明の成分、ならびにコンパクション装置により圧縮され所望の構造を維持するポリマーおよび/または熱可塑性物質の組み合わせから形成される。好ましい圧縮装置は、液圧プレスを含み、好ましい圧は、100 psiまたはそれ以上、250 psiまたはそれ以上、500 psiまたはそれ以上、1000 psiまたはそれ以上、2000 psiまたはそれ以上、3000 psiまたはそれ以上、4000 psiまたはそれ以上、5000 psiまたはそれ以上である。本発明の好ましい成分は、スラッジまたはペーストの形態の炭酸カルシウム構造物を形成するすべての成分を含む。コンパクション装置は、加えられた圧でこれらの成分を圧縮して成形物にし、これは、得られる形を有意に変化させずに維持および乾燥される。好ましいポリマーおよび熱可塑性物質は、プラスチック、例えばポリプロピレン、ポリスチレン、HDPE(高密度ポリエチレン)、LPDEおよび再生LDPE(低密度ポリエチレン)および架橋ポリエチレンを含むポリエチレン、ガラス、糖、例えばデンプン、リグニンならびにほぼ任意の成形可能なポリマーを含むがこれらに限定されない。圧縮された成形物は、希薄スラリーまたはスラッジから直ちに作製され得、方解石形成の間その形状を維持する。好ましくは、方解石形成は、高い蒸気圧を有するかまたは吹付けもしくは霧吹きされる蒸気チャンバー内で(例えば、周囲圧よりも高い圧で)達成され、蒸気、霧または吹付け物は、好ましくは、栄養分または化学的基質を含む。好ましい成形物は、ブロック、レンガ、薄レンガ、人造石もしくはカルチャードストーン、敷石または任意の有用な構造物を含む。

好ましくは、複数の型枠または圧縮装置は、一度に5、10、50、100、500、1,000、10,000、100,000、1,000,000またはそれ以上の成形物を生成する。同時に利用できる型枠または圧縮装置の数は、機器の複雑さおよび利用可能なスペースによってのみ制限される。これらの型枠または装置は、単一の層またはパレットにスタックまたは提供され得る。型枠は、垂直な壁を有し得、この垂直な壁はひとつに接続されてその間に骨材材料を受け入れる空間を形成する。型枠はまた床を有し得るか、あるいは型枠の底は、多孔性表面、例えば土壌によって支持される場合、開放され得るか、または骨材および組成物は混合され、金型でプレス成形されるかまたは押し出し成形され得る。好ましくは、垂直な壁は、少なくともその内側表面であり、非反応性で非多孔性の材料またはコーティング、例えば鋳造または押出し成形されたアクリル樹脂から作製されたものである。これにより、建築材またはレンガを固めた後それを型枠から容易に取り出すことが可能となる。加えて、型枠の垂直な壁および床または加圧装置は、生成されるレンガまたは他の構造物に表面テクスチャ(例えば、線、円、波形、溝、スケッチ、イメージ等)を形成するデザインを有し得る。

好ましくは、骨材材料は、岩石、ガラス、ガラス繊維、木材(例えば、残渣、パルプ、おがくず、リグニン)、バイオマス、紙、金属、プラスチック、ポリマー、ゴム、合成ゴム、ビニル、鉱物、共培養微生物、廃棄物(例えば、灰、炭素、スクラバ廃棄物、放射性ペレット)もしくはそれらの組み合わせを含み、および/または混合する工程は、液体としての組成物を骨材材料上に吹付ける工程を含む。好ましくは、型枠は、インキュベートする工程の間、実質的に浸漬され、浸漬させた型枠に対して空気が泡立てられる。好ましくは、第3の組成物は、インキュベートする工程の間繰り返し混合物に添加され、これは底面パネルを通じて排出され、任意で再利用される。好ましくは、インキュベートする工程は、周囲条件の下で実施され、第3の組成物は、塩化カルシウム、酢酸カルシウム、リン酸カルシウム、炭酸カルシウム、乳酸カルシウム、硝酸カルシウムまたはカルシウム塩を含む。好ましくは、インキュベートする工程の間、混合物のpHがモニタリングされる。好ましくは、固体成形物は、ブロック、ボード、レンガ、敷石、パネル、タイルまたは単板であり、混合物は、例えば木材、ガラス、プラスチック、金属またはポリマーの繊維またはナノ繊維である、繊維またはナノ繊維をさらに含む。固体成形物は、穴または間隙からなる網目を含む、部分的にまたは一様に多孔性のものであり得る。穴は、既定のサイズおよび/または構造、例えば、少なくとも5ミクロン、少なくとも10ミクロン、少なくとも20ミクロンまたは少なくとも50ミクロンの直径等のものであり得る。あるいは、固体成形物は、実質的に穴を提供しないかまたはわずかな穴しか提供しない材料を用いて製造され得る。例えば、骨材混合物への非孔性材料の添加は、成形物を流体非浸透性にする複雑で拡張された経路を生成し得る。

本発明の別の態様は、栄養培地でコーティングされたウレアーゼ産生細胞またはウレアーゼ産生細胞胞子を含む組成物を含む。好ましくは、栄養培地はさらに、追加のウレアーゼ産生細胞もしくはウレアーゼ産生細胞胞子、および/または最終産物に有益である骨材に添加された追加の細胞の増殖を促進する栄養分を含む。

本発明の別の態様は、窒素源、例えば尿素等、カルシウム源(例えば、カルシウムイオン)およびウレアーゼまたはウレアーゼ産生細胞のうちの1つまたは複数を含む組成物を用いた、粒子から構成される骨材材料の処理のための組成物、方法およびシステムに関する。好ましくは、粒子は、約50 mmまたはそれ未満、好ましくは約25 mmまたはそれ未満、好ましくは約20 mmまたはそれ未満、好ましくは約10 mmまたはそれ未満および好ましくは約5 mmまたはそれ未満の直径(例えば、実直径、平均直径または有効直径)を有する。1つの好ましい態様において、骨材材料はまた、約1 mmまたはそれ未満、好ましくは約0.5 mmまたはそれ未満、より好ましくは約0.1 mmまたはそれ未満、より好ましくは約50μmまたはそれ未満であり得る。特に好ましい粒子サイズは、約10μm〜約1 mm、約100μm〜約0.5 mm、約200μm〜約1 mm、約1μm〜約200μm、約10 mm〜約1μm、および約10 nm〜約40 nm、ならびにそれらの様々な組み合わせを含む。粒子は、例えば、胞子、炭粉、セメントまたはレンガ製造由来、セメントブロック製造由来、鋳造作業由来、石灰石研削由来、砂の選鉱由来、採掘由来、製錬由来、染料製造由来の粉塵またはすす、および他の製造プロセスの副産物、例えばスラグを含む。粒子は、利用可能なまたは実施された防塵手順から取得および回収され得る。粒子は、好ましいサイズ以上のサイズ、好ましいサイズ以下のサイズ、および好ましいサイズの組み合わせならびにその混合を含むがこれらに限定されない混合サイズであり得る。骨材である粒子およびより大きな粒子は、再利用されたおよび/または再利用可能な材料を含み得る。組成物の窒素源は、単一の化学物質、例えば任意の等級および純度の尿素であり得、好ましくは商業的に入手される。カルシウムイオンは、好ましくは、商業的に入手可能な供給源、例えば塩化カルシウム等から入手される。ウレアーゼ酵素またはウレアーゼ産生細菌が、組成物に含まれ得る。ウレアーゼ産生細菌は、細菌スポロサルシナ・パストゥリ、スポロサルシナ・ウレエ、プロテウス・ブルガリス、バチルス・スファエリクス、ミキソコッカス・ザンサス、プロテウス・ミラビリス、ヘリコバクター・ピロリおよびそれらの組み合わせを含むがこれらに限定されない。ウレアーゼ産生細胞は、酵素を含む非生存細胞、例えばミセル(mycell)、脂質または脂肪酸から構成される細胞、およびウレアーゼを含む細胞等を含む。ウレアーゼおよび/またはウレアーゼ産生細胞は、規定の期間の間に既定量の酵素を産生または放出し得る。好ましくは、細胞あたりの放出されるウレアーゼの量は、窒素およびカルシウムイオンの存在下での炭酸カルシウムの迅速な生成を実現するのに十分速い。

好ましくは、粒子は、均一なスラリーを形成するよう、窒素源(例えば、尿素)、ウレアーゼおよび/またはウレアーゼ産生細胞、カルシウムイオンならびに好ましくは水と組み合わされる。スラリーは、物体および/または表面上に塗布または吹付けられ、それによって層または外殻が形成され得るか、完全にもしくは部分的に固体であり得る物体へと固化する成形物に金型成型され得るか、あるいは物体表面上に層または外殻を同様に形成するスラリー材でコーティングされる物体の浸漬または液浸のためにプールされ得る。物体は、所望の場合、1つまたは複数の層を含み得、層は、水に対して透過性もしくは不透過性であり得るかまたは気象条件、例えば日光によるダメージ、、氷および雨による摩耗に対する耐性を改善し得る。向上した耐性を提供するスラリーは、好ましくは、直径0.1 mm未満の粒子である骨材材料を用いて構成される。液体が乾いたとき、炭酸カルシウムによる結合が、粒子間および/または粒子と物体との間で形成される。その結果として、硬化した炭酸カルシウムの外殻を含む物体または成形構造物を得ることができる。本発明にしたがい製造され得るおよび/または本発明の外殻もしくはコーティングによって層状化され得る物体は、レンガ、セメントブロック、敷石、カウンター天板、ガラス、ガラス繊維、ポリマーおよびアクリル構造物、羽目板、壁、庭園装飾物、スレートおよび岩石構造物、タイル、舗装用石、階段、屋根材、雨とい、セメント壁および厚板、中庭、バルコニー、フェンスならびにそれらの組み合わせを含むがこれらに限定されない。

本発明の別の好ましい態様は、微生物(例えば、アンモニアモノオキシゲナーゼ、ヒドロキシルアミンオキシドリダクターゼを産生する微生物、硝化菌)の発酵によるアンモニアおよび/または他の化合物(例えば、アンモニア、有機酸、アルコール、フェノール、硫化物)の生産を含む。好ましくは、微生物は、所望の酵素の生成を最大化するよう選択的に培養される。超アンモニア産生微生物は、例えば、反すう動物由来微生物、腸内微生物、ペプトストレプトコッカス属(Peptostreptococcus)種、クロストリジウム属(Clostridium)種、カリアンドラ属(Calliandra)種、アトポビウム属(Atopobium)種、デスルホモナス属(Desulfomonas)種等を含む。単離されたアンモニアは、再利用され得るかまたは他のプロセスで、例えば肥料およびエネルギー生産で利用され得る。

本発明の別の態様は、天然地質表面または人工表面、例えば崖、砂丘、骨材のパイル、岩棚、支持壁、鉱石、基礎、採掘物、尾鉱、製造プロセスからの廃棄物のパイルまたは追加の支持もしくは構造化が望まれる他の構造物への本発明のスラリーの吹付けを含む。そのような支持は、従来的な建築システムによる関心対象の構造物の追加の支持の提供と比較して、便利さおよび経済的な面で有利である。加えて、および好ましくは、本発明のスラリーは、建築物の支持、侵食抑制、陥没穴の予防および/もしくは修復を提供するよう、または建築物およびその他の構造物の強固な支持および/もしくは安定化を提供する基礎構造を形成するよう、ならびにそれらの組み合わせのため、地質表面、例えば建築物周囲の土壌に提供され得る。

本発明の別の態様は、水、窒素源(例えば、尿素)、カルシウム源(例えば、CaCl2)およびウレアーゼまたはウレアーゼ産生細胞の1つまたは複数のスラリーを含むが、追加または任意の骨材材料を含まない、例えば骨材材料としての砂、土、粉塵、シルトまたは他の粒子等を含まない、組成物、方法およびシステムに関する。好ましくは、スラリーは、少なくとも水、窒素源(例えば、尿素)、カルシウム源(例えば、CaCl2)およびウレアーゼまたはウレアーゼ産生微生物を含み、適当な場合、微生物栄養分を含み得る。この液体スラリーは、骨材材料上もしくは骨材材料中に直接的に吹付けられるか、塗布されるかもしくはそれ以外の方法で配置されるか、または骨材材料を含むほぼ任意の形状または構造の金型内で成形される。骨材および上記スラリーの組み合わせは、固化した物体、カバーまたは層(もしくは複数の層)、例えば建築物の基礎、金型成形された物体、物体を覆う層または別の所望の形態等を形成する。この技術の利点の1つは、骨材材料が輸送される必要がないことおよびそれは同時に節約を伴うことである。好ましくは、骨材材料は、現場ですぐに入手可能であるか、または許容可能な距離内で現地で入手可能である。すでに存在する骨材へのスラリーの添加は、骨材材料を輸送またはそれ以外の方法で移動させることが困難であるか、非効率的であるかまたは実施不可能である状況において、効果的に固形のまたはより硬化した形態の構造物を生成し、そのような状況とは、例えば、建築基礎の構築、修復またはさらなる支持および他の修復を含む状況であるが、これらに限定されない。

本発明の別の態様は、骨材材料と組み合わされた本発明のスラリーを含み、中空またはそうでなければ骨材材料よりも軽量である複数の固体構造物をさらに含む、組成物および方法に関する。追加の物体を含む得られる構造物は、骨材材料およびスラリーのみから構成される物体よりも軽量の固体物体を生成する。あるいは、骨材材料よりも重い物体を添加することにより物体の重量を増やすことが望ましい場合がある。そのようなより重い物体は、鉄筋またはリメッシュ(remesh)、金属成形物、強化材および他のより重い材料を含むがこれらに限定されない。これらの追加の物体は、中実のもの、穿孔を含むものまたは中空のものであり得るプラスチック、木材、鋼鉄、金属、ポリマー、ロッド、ボール幾何構造物を含むがこれらに限定されない。あるいは、美的特性、例えば既定の色、材質、機能、特性およびデザイン等を有する追加の物体が含まれ得る。これは、構造物が意図された目的に十分な強度、例えば特定の所望の圧縮強度、引張強度、降伏強度、極限強度、ヤング率、弾性率、弾性強度、剛性、硬度、強靱性、応力抵抗等およびそれらの組み合わせを保持し、軽量物体が望まれる場合に有利である。

本発明の別の態様は、本発明のスラリーと組み合わされた様々な基材を含む組成物、方法およびシステムに関する。尿素、ウレアーゼ、カルシウムおよび水への砂、細粒、シルトまたは粉塵(これらは土または他の骨材よりも軽くかつ土または他の骨材よりも小さな粒子を有する)の添加は、等価またはほぼ等価な支持強度を有するより軽い構造物を生成する。より軽い構造物の利点は、より低い製造コストおよびより高い製造効率、ならびに他の利益、例えば構造物の製造および形成の効率を含む。好ましくは、ウレアーゼ酵素は、酵素産生細胞の使用と比較して構造物の固化を向上させるために使用される。加えて、酵素は、細胞よりも分子構造が小さく、小さい孔サイズを有する骨材材料のより小さな孔サイズを通過するであろう。また、加えて、1つまたは複数の化学物質または化合物が、組成物が表面に素早く定着するまたは十分に粘着するよう液体組成物の密度および/または重量を増加させるために含まれ得る(例えば、ゲル、発泡体または半固体)。

本発明の別の好ましい態様は、粘土またはセメントから構成される従来の構造物と比較して重量が軽い本発明にしたがう中実のまたは多孔性の固体構造物を形成するための組成物、システムおよび方法を含む。好ましくは、本発明は、製造時に構造物が硬化する際に固体構造物内に空間的隙間を形成することを含む。この隙間は、穴、管、泡、または任意の他の三次元形状の形態であり得る。同じ1つもしくは複数の骨材材料から、または異なる、好ましくはより軽い材料から構成される予め成形された形状は、骨材材料ありまたは骨材材料なしのいずれかで本発明の湿った硬化していないスラリーに浸漬され得る。スラリーがその所望の形状の周囲で十分に形成されたとき、得られる物体は従来的に調製された物体、例えば粘土質レンガ、セメントブロック、敷石、複合石または1つもしくは複数の骨材材料から構成される別の固体構造物よりも軽い重量となるであろう。得られる固体物体は、上昇した強度、新しいもしくは向上した美的特徴もしくは性能的特徴、添加物またはそれらの組み合わせを有する。

本発明の別の好ましい特徴は、固体構造物に対する保護層またはカバーを形成するための組成物、システムおよび方法を含む。好ましくは、本発明のスラリーは、液体(例えば、水)、気体(例えば、汚染物質)または固体構造物に滲み込み得るもしくは固体構造物を汚染し得る他の物質に対する効果的なバリアを提供するよう、固体構造物内の孔を満たしそれを封鎖する(例えば、微生物、栄養分、基質物質、核形成部位の1つまたは複数を滲み込ませたファブリック)。そのような組成物は、侵食制御および構造支持のために使用され得る。

本発明の別の態様は、例えば歩道、パイル、崖、車道および他の大きな表面の防塵のための組成物、システムおよび方法を含む。本発明のスラリーは、車両から生じる粉塵の量を最小限にするためにダート、砂利および他の道路表面上で現在使用されている油および他の防塵組成物と置き換えられ得る。本発明のスラリーは、液体としてトラックもしくは他の車両から吹付けるもしくは蒸発させることができ、または湿ったときに活性化され、道路もしくは他の表面に硬化した外殻を形成する乾燥組成物として表面上に適用する(例えば吹付ける)ことができる。基質および生きたウレアーゼ産生微生物に加えて栄養分を含むスラリーは、自己再生可能な外殻によって道路表面を覆う。初期適用は、微生物を含み得、そしてこれは任意で基質物質のみを含み得るその後の適用に含まれ得る。車両が路上を通過したとき、外殻は車両の重量によって損傷し得るが、外殻は生きたスラリーの存在によって再形成および修復される。好ましくは、防塵のための本発明のスラリーは、骨材を含まないかまたは直径が0.5 mm以下の骨材のみを含む。

本発明の別の態様は、建築材、例えば、粘土質レンガ、セメントブロック、敷石および他の物質等の製造のための従来的プロセスに、骨材と共にまたは骨材なしで、本発明のスラリーを追加することを含む。スラリー添加物は、得られる生産物の乾燥重量の0.0001パーセント〜99パーセントで望まれるように含まれ得るか、または使用される骨材のタイプから経験的に決定され得る。好ましくは、スラリー添加物は、乾燥重量で、1〜50パーセント、2〜75パーセント、30〜60パーセント、25〜80パーセント、10〜25パーセントまたはそれらの任意の組み合わせである。

本発明の別の態様は、既定時間で固化する本発明のスラリーの形成を含む。好ましくは、スラリーは、基質としての既定量の窒素源およびカルシウム源ならびに所望の時間枠内に固化させる既定量の酵素を含む。固化条件は、固化時間を好ましくは実験的または経験的に決定する計算に含まれ得る使用温度を含み得る。

以下の実施例は、本発明の態様を例示するものであり、本発明の範囲を限定するものとみなされるべきでない。

実施例1 露天採掘場の粉塵の軽減は、MSHA(OSHAの鉱山版)規制によって要求される。同産業で使用されている現行法は、様々なポリマーまたは化学物質の使用を含み、水、油および他の防塵液の継続的な吹付け適用が最も一般的である。露天採掘場防塵の目的は、呼吸器および視覚への危険を防ぐために細かい粉塵(骨材採掘の副産物)を空気よりも重くすることである。本発明にしたがい、微生物が、栄養分および/もしくは輸送材と共に適用されるか、またはそのような防塵および/もしくは表面セメンテーションのための任意の従来的処理に付随して適用され、尿素(窒素/炭素)およびカルシウム源と組み合わせた方解石セメント(CaCO3)の生産を含む。細胞および/または栄養物質は、初期適用および任意でその後のまたは後続の適用に含まれる。好ましくは、適用物は、レンガ、敷石および他の固体成形物の形成に使用されるのと同じウレアーゼ産生細菌株を用いて、すぐにセメンテーションを起こす軽量物質である。あるいは、大気から窒素を固定する光合成微生物であるシアノバクテリアが、ウレアーゼ産生細菌と置き換えられるかまたはウレアーゼ産生細菌に加えて使用され、これにより栄養分投入の必要性が減少する。

実施例2 回収システムは、(a)廃液を、流入液として再使用される生きた状態に戻すこと(水は、消耗材ではなく資本経費となる)、および(b)排液の流れからの商業的に価値のある副産物の抽出、に対処しようとするものである。好ましくは、本発明のバイオセメンテーションプロセスは、例えばアンモニア/アンモニウムおよび/または遊離方解石の製造のためにウレアーゼ産生微生物を用いる等、生産物としての副産物の一次生産に有用である。副産物は、最適化を通じて減少させられるおよび/または流入液の配合において考慮される余剰物質である。回収可能な副産物としてのアンモニアは、肥料および代替燃料用途の両方において商業的価値を有する。

アンモニア抽出法は、少なくとも2つ存在する。第1に、粒状のゼオライトであるクリノプチロライト鉱物骨材が、アンモニアガスの抽出のための空気フィルターとしておよび排液からのアンモニウムの抽出のための液体フィルターとして使用される。アンモニアで飽和したゼオライトは、肥料、肥料添加物および/または肥料成分としての潜在的用途を有する。第2に、電極ベースのシステムが、電力生産のための水素燃料源としてのアンモニア/アンモニウム水の変換のために使用される。

さらに処理されるまたは処理されない排液は、他のアンモニアベースのエネルギー生産技術、ならびに水、方解石および副産物の再利用を含む再利用技術のための燃料源である。

沈殿槽、メッシュフィルター、ファブリックおよび/または液体遠心分離機を、溶液中の遊離方解石の除去のために使用し、好ましくは微生物を残す。この材料は、新しいバイオセメント形成および肥料用途(カルシウムは植物の細胞壁形成に利用され、微生物は土壌の脱窒のために利用される)のための接種源である。

実施例3 生物学的に形成される微結晶炭酸カルシウムを、尿素を含む液体発酵培地中で成長させたウレアーゼ産生微生物(S. パストゥリ)を用いて生産した。均一な懸濁物を生成するよう培地を撹拌した。培養の後期段階成長で、カルシウムイオンを、塩化カルシウム溶液の形態で、尿素とモル当量の飽和状態になるまで添加した。ウレアーゼ活性は、尿素(2NH2CO)をアンモニウム(NH4)および炭素(C)に加水分解する。炭素は、カルシウム(Ca)と結合し、炭酸カルシウム(CaCO3)を生成する。形成された炭酸カルシウム結晶は、50μm〜0.1μmのサイズ範囲であり、概ね「規則的」な(例えば球形の)形状であった。炭酸カルシウムを、遠心分離、沈殿槽、液体遠心分離機またはデカントの1つまたは複数を用いて溶液から分離した。この方法は、バッチ処理としておよび連続生産ラインとしても行った。

この方法の変形形態を使用し、細かい骨材材料を用いて凝集体を形成することによって粒子サイズを増大させ、これはまた液体・固体分離も改善した。この変形形態において、発酵プロセスの間に、メッシュスケールが70のサイズの細かい骨材を、細かい骨材を懸濁状態で維持するための撹拌能力を超えない量で溶液に添加した。カルシウムイオンの添加後、方解石は、細かい骨材に結合し、結合してひとつになり、より大きな、より重い粒子を生成した。

実施例4 実施例3の方法を、第2の生物である、デラヤ・ベヌスタ(Delaya venusta)の共培養の下で行う。この共培養プロセスは、1つのリアクタ内での1回の発酵のために、1つのリアクタ内での交互の発酵のために、または別のリアクタにおける2つの別の発酵の間で培地を循環させることによって構築され、リアクタは、液体状態のリアクタ(例えば、回分培養、流加培養もしくは連続培養)または固体状態のリアクタ、例えば骨材ユニット(例えば、レンガ)のいずれかである。

本発明の他の態様および使用は、本明細書の考察および本明細書に開示される本発明の実施により当業者に明らかとなるであろう。すべての刊行物、米国および外国特許および特許出願を含む本明細書で引用されているすべての参考文献は、詳細にかつ全体として参照により組み入れられる。含む(comprising)という用語は、どの箇所で使用されていても、からなる(consisting of)、および、から本質的になる(consisting essentially of)という用語を含むことが意図されている。さらに、含む(comprising、includingおよびcontaining)という用語は、限定を意図したものではない。本明細書および実施例は、例示にすぎないとみなされるべきであり、本発明の真の範囲および精神は添付の特許請求の範囲によって示されることが意図されている。

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