気体二酸化炭素のアルカリ及び/又はアルカリ土類重炭酸塩水溶液への変換 |
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申请号 | JP2014522150 | 申请日 | 2012-07-24 | 公开(公告)号 | JP2014528886A | 公开(公告)日 | 2014-10-30 |
申请人 | シリカ デ パナマ エス.エー.; シリカ デ パナマ エス.エー.; | 发明人 | ルハノ、フアン; レヴェテ、ハヴィエル; ヴァレンシア、ノルマ; リヴァス、ルイス; ソコロ、ネルソン; | ||||
摘要 | 陽イオン交換体特性を有する材料を、二 酸化 炭素の溶解平衡が生じる 水 性媒体に導入する。陽イオン交換材料x/nMw E,-を用いて、x/nM+nEx−(s) + xH3O+(aq) = xH3O+Ex−(s) + x/nM+n(aq)(式中、「x」は、金属Mのx/nモル量と釣り合う、陽イオン交換材料Ex−の電荷の陰イオン中心のモル量を表し、「n」は、金属 原子 価を表し、かつ「M」は、元素周期表の1A及び/又は2Aからなる群から選択される。)に従い、ヒドロニウム陽イオン(H3O+)を捕捉する。このヒドロニウム陽イオンH3O+の捕捉は、ルシャトリエの原理に従い、特定の反応平衡を右側へと移動させ、別の方法で得られるものよりも多くの重炭酸イオンHCO3−及び/又は炭酸イオンCO32−を生成する。【選択図】図1 | ||||||
权利要求 | アルカリ重炭酸塩及び/又はアルカリ土類重炭酸塩水溶液の製造方法であって、 ・任意の供給源由来の気体二酸化炭素を水に溶解して、重炭酸イオンHCO 3 −を含み、かつヒドロニウム陽イオンH 3 O +をさらに含む水性(aq)溶液を調製する工程;及び・固体(s)陽イオン交換材料x/nM +n E x −を導入して、 x/nM +n E x − (s) + xH 3 O + (aq) = xH 3 O + E x − (s) + x/nM +n (aq) (式中、 「x」は、骨格外の金属Mのx/nモル量と釣り合う、陽イオン交換材料E x −の電荷の陰イオン中心のモル量を表し、 「n」は、金属原子価を表し、かつ「M」は、元素周期表の1A及び2Aからなる群から選択される。 ) に従い、ヒドロニウム陽イオンH 3 O +を捕捉する工程を含み、それによって、ヒドロニウム陽イオンH 3 O +の捕捉により、ルシャトリエの原理に従って、重炭酸塩の収率が増加する、方法。 使用済み陽イオン交換材料H 3 O + E x −を金属M +nのイオン性塩の不飽和溶液と、金属M +nの当量がE x −の当量の少なくとも0.5倍となるようにイオン交換することにより再生する工程を含む、請求項1記載の方法。 陽イオン交換材料H 3 O + E x −を、金属M +nのイオン性塩の不飽和溶液とのイオン交換により再生する工程であって、 xH 3 O + E x − (s) + x/n(M +n ) m (A −m ) n (aq) = x/nM +n E x − (s) + xH 3 O + (aq) (式中、A −mは、塩化物イオン、硫酸イオン、硝酸イオン、α−ヒドロキシカルボン酸イオンクラスの有機物、o−ヒドロキシ安息香酸イオン、アミン型腐食防止剤、ポリリン酸イオン及びヘキサメタリン酸イオンからなる群から選択される「m」価の陰イオンを表す。) に従い、使用済み陽イオン交換材料H 3 O + E x −中のヒドロニウム陽イオンH 3 O +を新たなM +n陽イオンと置き換え、使用済み陽イオン交換材料H 3 O + E x −をリサイクルに適したものとする工程を含む、請求項1記載の方法。 重炭酸塩水溶液を結晶化工程に供して、アルカリ重炭酸塩及び/又はアルカリ炭酸塩の沈殿物を生成する工程を含む、請求項1記載の方法。 沈殿物を洗浄及び乾燥することを含む、請求項4記載の方法。 陽イオン交換材料として、乾燥基準1グラムあたり0.001ミリ当量超のカチオン交換容量を有するか、及び/又は少なくとも0.1 m 2 /gの比表面積を有する物質組成を使用することを含む、請求項1記載の方法。 陽イオン交換材料x/nM +n E x −として、物質組成が、一般実験式: M n+ (x+w)/n [Al x Z w Si y O 2(x+y+w) ] * mH 2 O (式中、 「M」は、1A族及び/又は2A族の骨格外交換性金属を表し、 「n」は、金属原子価を表し、 「x」は、四面体アルミニウムの陰イオン中心のモル比を表し、 「w」は、四面体陰イオン中心「Z」のモル比を表し、 「Z」は、第一遷移金属系列のすべての元素、Zr、Nb、並びに周期表の5A族及び3A族の元素を表し、 「y」は、四面体ケイ素の非陰イオン中心のモル比を表し、 (x+w)/nは、n価の交換性陽イオン数であり、かつ「m」は、固体の陽イオン交換材料の外部及び内部表面に吸着された水分子数を表し、 以下: x+w≠0;x+w≦y及びy/(x+w)≦100 となるものである。 ) で表されるアルミノケイ酸塩又は置換アルミノケイ酸塩であるものを使用することを含む、請求項6記載の方法。 物質組成のX線回折パターンを検出することを含む、請求項7記載の方法。 陽イオン交換材料x/nM +n E x −として、合成又は天然のアルカリ及び/又はアルカリ土類LTAゼオライト、並びにフォージャサイト、ゼオライトX及びYのグループの物質、ゼオライトP、クリノプチロライト、モルデナイト、ZSM−5、ムティーナ沸石、長石、ベントナイトなどの膨張性クレイ、モンモリロナイト、並びにそれらの混合物からなる群から選択されるナトリウムゼオライトを用いることを含む、請求項1記載の方法。 シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、酸化鉄、それらのオキソ−ヒドロキシド、炭素及び生物学的触媒、並びにそれらの混合物からなる群から選択される固体材料であって、少なくとも0.1 m 2 /gの比表面積を有する固体材料を水溶液に導入することにより、陽イオン交換材料x/nM +n E x −の活性を増加させることをさらに含む、請求項1記載の方法。 ・以下の反応: CO 2 (g) + H 2 O(l) = H 2 CO 3 (aq) (1) H 2 CO 3 (aq) + H 2 O(l) = HCO 3 − (aq) + H 3 O + (aq) (2) HCO 3 − (aq) + H 2 O(l) = CO 3 2− (aq) + H 3 O + (aq) (3) に従って、気体二酸化炭素を水に溶解し、それにより、反応(2)及び(3)の両方で、水性媒体中で交換可能なヒドロニウム陽イオンH 3 O +を含む水性媒体を生成する工程、及び・陽イオン交換材料x/nM +n E x −を、二酸化炭素の溶解平衡が生じる水性媒体に導入し、陽イオン交換材料x/nM +n E x −により、 x/nM +n E x − (s) + xH 3 O + (aq) = xH 3 O + E x − (s) + x/nM +n (aq) (4) (式中、 「x」は、金属Mのx/nモル量と釣り合う、陽イオン交換材料E x −の電荷の陰イオン中心のモル量を表し、 「n」は、金属原子価を表し、かつ「M」は、元素周期表の1A族及び/又は2A族から選択される。 ) に従い、ヒドロニウム陽イオンH 3 O +を捕捉する工程を含む方法であって、 それによって、ヒドロニウム陽イオンH 3 O +の捕捉により、ルシャトリエの原理に従って、反応(2)及び(3)に記載の平衡が右側に移動し、重炭酸イオンHCO 3 −の収率が増加する、方法。 重炭酸イオンを水性アルカリ金属種M +nと組み合わせて、 M +n (aq) + nHCO 3 − (aq) = M(HCO 3 ) n (aq) (5) に従い、アルカリ重炭酸塩の水溶液を調製する工程を含む、請求項11記載の方法。 陽イオン交換材料からアルカリ金属重炭酸塩及び/又はアルカリ土類金属重炭酸塩水溶液を分離する工程を含む、請求項12記載の方法。 陽イオン交換材料が、摂氏10℃と摂氏90℃の間の温度にて、水流で少なくとも1回ストリップ(stripped)される、請求項12記載の方法。 陽イオン交換材料xH 3 O + E x −を、金属M +nのイオン性塩の不飽和溶液とのイオン交換により再生する工程であって、 xH 3 O + E x − (s) + x/n(M +n ) m (A −m ) n (aq) = x/nM +n E x − (s) + xH 3 O + (aq) (7) に従い、使用済み陽イオン交換材料xH 3 O + E x −中のヒドロニウム陽イオンH 3 O +を新たなM +n陽イオンと置き換える工程を含む、請求項13記載の方法。 陽イオン交換材料が、摂氏10℃と摂氏90℃の間の温度にて、水流で少なくとも1回ストリップされる、請求項15記載の方法。 アルカリ金属重炭酸塩及び/又はアルカリ土類金属重炭酸塩の水溶液を結晶化工程に供して、アルカリ重炭酸塩及び/若しくはアルカリ炭酸塩、又はアルカリ土類炭酸塩の沈殿物を生成する工程を含む、請求項13記載の方法。 沈殿物を洗浄及び乾燥する工程を含む、請求項17記載の方法。 固体のアルカリ重炭酸塩及び/又はアルカリ土類炭酸塩の製造方法であって、 ・陽イオン交換材料の水性懸濁液と二酸化炭素流とを、水性懸濁液に二酸化炭素を溶解させるのに十分な量及び時間で接触させて、ヒドロニウム陽イオン(H 3 O + )、並びにアルカリ及び/又はアルカリ土類炭酸陰イオン(HCO 3 − )を生成し; それにより、陽イオン交換材料が、水性懸濁液からヒドロニウム陽イオン(H 3 O + )を取り込み、アルカリ陽イオン及び/又はアルカリ土類陽イオンを水性懸濁液へと放出する工程; ・使用済み陽イオン交換材料から液体を分離する工程;及び・該液体から固体のアルカリ重炭酸塩及び/若しくはアルカリ炭酸塩、又はアルカリ土類炭酸塩を沈殿させる工程を含む、方法。 請求項1記載の方法を実施するための装置。 |
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说明书全文 | 本発明は、気体二酸化炭素を、固体のアルカリ重炭酸塩、アルカリ炭酸塩及び/又はアルカリ土類炭酸塩の製造に有用なアルカリ及び/又はアルカリ土類重炭酸塩水溶液へと変換することに関する。 好ましい実施態様において、本発明は、再生可能な固体の無機陽イオン交換材料、詳細には、結晶性又は非晶性いずれかのアルミノケイ酸塩を用いて、温室効果気体二酸化炭素の供給流をアルカリ及び/又はアルカリ土類重炭酸塩溶液に変換することを伴う。 固体のアルカリ重炭酸塩及び炭酸塩の大部分は、その水溶液から任意の蒸発又は結晶化プロセスによって得られる。 これらの重炭酸塩及び炭酸塩は日常生活に多数適用される。 言及すべき最も使用される2つは、炭酸ナトリウムと重炭酸ナトリウムである。 重炭酸ナトリウム(NaHCO 3 )は、世界中で最も広範囲に使用される汎用化学品の一つである。 重炭酸ナトリウムは、膨張剤として料理に;慢性型の代謝性アシドーシスを治療するための制酸薬として医薬に、及び心肺機能蘇生に;皮膚角質除去剤(skin defoliant)、歯磨き粉、洗浄剤、化学消化器及び殺菌剤に;廃水の生物的防除のために;並びに繊維産業における染色剤として使用される。 重炭酸ナトリウム水溶液から合成的に誘導される別のアルカリ材料は、炭酸ナトリウム(Na 2 CO 3 )又はソーダ灰であり、とりわけ、ガラス、ケイ酸ナトリウム、石鹸及び界面活性剤の製造に大量に使用され、排煙脱硫にも使用される。 炭酸リチウム及び炭酸カリウムは、溶融炭酸塩型燃料電池に使用される。 アルカリ土類金属炭酸塩は、セラッミクスの合成に、カーボンナノチューブを調製するための触媒担体として、製紙産業に、乾風により固体表面を洗浄するために、広く使用される。 これらのアルカリ重炭酸塩、及びアルカリ又はアルカリ土類炭酸塩はいずれも、原料としてその水溶液を用いて調製される。 特に、これらの重炭酸ナトリウム及び炭酸ナトリウム化学物質はすべて、原料としてアルカリ又はアルカリ土類重炭酸塩水溶液を用いて調製される。 天然に存在する、主要な重炭酸ナトリウムの供給源はナーコライト(NaHCO 3 )であるが、トロナ鉱物−二炭酸一水素三ナトリウム二水和物又はセスキ炭酸ナトリウム(Na 2 CO 3 .NaHCO 3 .2H 2 O)によって生じる場合も多い。 重炭酸ナトリウム溶液を得るための方法の一つは、トロナに存在する不純物を除去する工程を複数行った後、溶解したトロナ鉱物を炭酸化することによる。 しかし、高品質の重炭酸ナトリウム資源は、世界中に均一には分布しておらず、かつその大部分が枯渇しつつある鉱物資源である。 それらは、主に、ユタ州、カリフォルニア州、コロラド州及びワイオミング州で発見され、多くの先進国及び開発途上国にとってこの資源を得ることは困難である。 同様に、重炭酸カリウム溶液は、Ullmann¨s Encyclopedia of Industrial chemistry, Vol A5, fifth edition. Wolfgang Gerhartz(exe Ed), pp 173−174. New York, 1986に記載されるように、炭酸カリウム溶液中、二酸化炭素をバブリングさせることによって得られる。 重炭酸ナトリウム溶液は、二酸化炭素を用いたソルベー法により得ることができる。 これはアンモニア−ソーダ法とも称され、合成重炭酸ナトリウム溶液を製造するための主要な従来法であり、該合成重炭酸ナトリウム溶液は、精製炭酸ナトリウム、Na 2 CO 3 (ソーダ灰)、精製重炭酸ナトリウム、NaHCO 3を製造するための、時には精製セスキ炭酸ナトリウム、Na 2 CO 3 .NaHCO 3 .2H 2 Oを製造するためのソースである。 ソルベー法では、二酸化炭素(CO 2 )を、アンモニア(NH 3 )及び塩化ナトリウム(NaCl)を含む水に溶解して、重炭酸ナトリウム(NaHCO 3 )を沈殿し、次いで、これをろ過により分離する。 通常、これは2つの主要な工程で実施される:最初にアンモニアガスを塩化ナトリウム食塩水に導入し、その後、別の装置にて二酸化炭素ガスを導入して、重炭酸ナトリウム飽和溶液を作製し、そこから重炭酸塩を沈殿させる。 関連する化学反応は単純なようであるが、実際には複雑である。 食塩水のアンモニア処理の間にはかなりの熱が発生し、必要程度のアンモニア飽和のために強力な冷却が必要とされる。 アンモニア処理した食塩水の炭酸化もかなりの発熱を伴うため、収率を高めるために装置を冷却しなければならず、冷却は、良好な結晶を形成させるために調節しなければならない。 従って、該方法は複雑で、エネルギー使用に集中(intensive)される。 得られた重炭酸ナトリウム溶液は、アンモニアに起因して、炭酸アンモニウム((NH 4 ) 2 CO 3 )、重炭酸アンモニウム(NH 4 HCO 3 )、カルバミン酸アンモニウム(NH 4 COONH 2 )などのアンモニウム化合物で汚染されている。 これら不純物の大半は、最終的な固体重炭酸ナトリウムに及び、これにより多くの用途に適合しなくなり、使用される塩化ナトリウムや二酸化炭素の純度に関わらず、純度を調整するための追加の精製工程が必要となる。 さらに、ソルベー法は環境に配慮したものではない;塩化物含有廃水流の管理及び安全な処分は、主要な問題の一つである。 また、そのコストは非常に高く、開発途上経済にある多くの人々は、この方法により製造された重炭酸ナトリウムを購入することができない。 天然の炭素サイクルでは、高表面積を有する落下雨水が、大気中を通過する際に、二酸化炭素を捕まえる。 落ちた雨水は、土壌表面から下へと移動する際に、有機物の生物分解によって生成された追加量の二酸化炭素を獲得し得る。 水に溶解したその二酸化炭素はすべて弱酸性の炭酸を生成し、これが炭酸カルシウム堆積物と反応して、炭酸カルシウムよりも水に溶けやすい重炭酸カルシウムを生成し得る。 このメカニズムにより、地下水中のカルシウム含量が増加する。 同じことが炭酸マグネシウム堆積物についても言え、これもまた水溶性である。 この天然のプロセスにより、河川中の典型的な重炭酸塩含量は30 mg/L〜400 mg/Lの範囲内に確立される(Water Quality and Its Control, James C. Lamb III. Chap 7, pp 131−135, John Wiley & Sons Inc. 1985)。 水を軟水化するための重炭酸カルシウム及びマグネシウムの除去について、長年の慣行では、陽イオン交換特性を有する材料を使用する。 このような材料は、一般には「ゼオライト」と称され、古い分野の用語では、ベントナイトクレイ、合成ゲル型鉱物、褐炭、軟炭、瀝青炭、合成樹脂を含む様々な組成及び構造を有する一連の材料を意味する(「The Chemical Process Industries」 R. Norm Shrive, Chap. 4, pp 47−50, 2 Ed. McGraw−Hill Book Company. 1956)。 下記反応は、重炭酸カルシウムを含む水を軟水化するためのゼオライトの使用を表す: しかし、上記の反応に従うプロセスは、河川水から多量の重炭酸ナトリウムを製造するには効率的でない。 上記の重炭酸塩の濃度が低いことを考慮すれば、相当な濃度の重炭酸ナトリウムを有する溶液を得るためには、膨大な時間が必要となる。 さらに、重炭酸ナトリウムは、マグネシウムなど他の陽イオンの重炭酸塩で非常に汚染されている。 また、これは少なくとも2つの工程手順であり、第一の工程は、自然により行われ(雨による二酸化炭素の捕捉)、第二の工程は、ナトリウムゼオライトを用いた人工的な交換であることを理解しなければならない。 1946年付の米国特許第2,392,575号において、Tigerらは、正味の反応: 水素炭素質ゼオライト、塩化ナトリウム溶液及び炭酸溶液をすべて一緒に単純な一工程に置くことができないのは、塩化ナトリウム交換によって塩酸(HCl)が生成され、これが、同じく酸性である水素炭素質ゼオライトと一緒に、加圧炭酸溶液の炭酸ナトリウムを二酸化炭素ガスへと急速に分解するからである(Chemical Characteristics and Structure of Cracking Catalysts, AG Oblad, TH Milliken, Jr., and GA Mills in Advances in Catalysis vol. 3, p 204, Academics Process, 1965)。 酸性レベルが高いと(pH=4未満)、加圧炭酸溶液との接触時間の長さに関わらず、重炭酸塩の形成が妨げられる。 これらの比較的安価な水素炭素質ゼオライトにはいくつかのデメリットが存在する:陽イオン交換能が低いこと(1 meq/g未満)、機械抵抗が低いこと(加圧、バブリング又は流動床に適さない)、及びアルカリ(重炭酸ナトリウム又は炭酸ナトリウム溶液)に対する化学安定性が低いことであり、そのため、炭素粒子が重炭酸塩又は炭酸塩溶液中へと入り、解膠する(F. Helfferich. Ion E x change. Chap 2, pp 17−18. Dover Publications Inc. 1995; M Kodama, N. Shimisu, et al. Carbon 28(1): 199−205(1990))。 陽イオン交換樹脂を含む他のタイプの炭素質材料は、良好な特性を有するものの、その初期コスト(現在およそ10,000ドル/m 3 )及び再生コストはともに経済に悪影響を及ぼす。 非晶性シリカアルミナ及び結晶性ゼオライトは、20世紀中頃から利用可能となった。 そのナトリウム型は安価で、高い陽イオン交換能を有し、米国特許第2,392,575号に開示される手順を実施するために使用できる。 このようなアルミノケイ酸塩の水素型を得るためには、まずナトリウム型をアンモニウム塩溶液とのイオン交換を介してアンモニア型へと変換し、乾燥させなければならない。 次いで、400℃〜500℃範囲の温度で焼成工程を行うことにより、アルミノケイ酸塩の水素型が生成されるが、これは、非常に多くの場合、陽イオン交換能が著しく低下している。 これらの準備工程を実施して初めて、米国特許第2,392,575号の手順を行うことができる。 この手順では、これらアルミノケイ酸塩の水素型の透過性層に塩化ナトリウム溶液を通過させる。 これにより塩酸が生成され、アルミノケイ酸塩に対して破壊的な酸攻撃が引き起こされ、上述のとおり重炭酸ナトリウムの分解が生じる。 従って、この手順において、これらアルミノケイ酸塩の水素型は、重炭酸ナトリウム溶液の生成を改善しない。 重炭酸ナトリウム溶液を得るための従来の方法は、明らかに、かなり不十分な点を有する。 [本発明の目的及び概要] 本発明の他の目的は、 本発明の別の目的は、比較的低コストの塩化ナトリウム及び世界的に過剰な気体二酸化炭素を利用して、上記目的を達成するための方法を提供することである。 さらに、本発明の目的は、本発明の方法を実施するための装置を提供することである。 上述及びその他の目的は、本発明の好ましい実施態様において、陽イオン交換特性を有する材料(x/nM +n E x − )を、二酸化炭素の溶解平衡が起こり、ヒドロニウム陽イオンが生成される水性媒体へと導入することを含む方法によって達成される。 陽イオン交換材料(x/nM +n E x − )は、 以下で説明するように、これは、ルシャトリエの原理に従って、所望の化学物質の収率を増加させる。 添付の図面とともに、下記の好ましい実施態様の詳細な説明を考慮することにより、本発明の目的、特徴及び利点をよりよく理解することができる。 2 CO 3 .H 2 O)及び炭酸ナトリウム(Na 2 CO 3 )混合物のX線回折パターンを示す。 [発明の詳細な説明] 水性(aq)媒体中、気体(g)二酸化炭素を液体(l)の水に溶解すると、下記反応: 本発明は、陽イオン交換特性を有する材料x/nM +n E x −を、二酸化炭素の溶解平衡が生じる水性媒体に導入し、本明細書で開示する固体(s)陽イオン交換材料E x −によって、ヒドロニウム陽イオン(H 3 O + )が、以下: このヒドロニウム陽イオンH 3 O +の捕捉によって、反応(2)及び(3)に記載の平衡が、ルシャトリエの原理に従って右側へと移動し、これにより、重炭酸イオン(bicarbonate)HCO 3 −及び/又は炭酸イオン(carbonate)CO 3 2−がさらに生成され、これらはともに水性金属種(metal aqueous species)と結合して、以下: その後、当該分野のいずれかの固液分離法により、金属重炭酸塩水溶液を陽イオン交換材料から分離する。 この水溶液を、当該分野で公知の又は発見される任意の結晶化工程に供して、重炭酸塩及び/又は炭酸塩の沈殿物を生成でき、次いで、これを洗浄及び乾燥する。 陽イオン交換材料は、金属M +nのイオン性塩の不飽和溶液とのイオン交換により、以下: 本発明では、陽イオン交換材料x/nM +nに加えて、気相から水相への二酸化炭素の移動を改善できる他の種類の固体材料を提供することも望ましい。 該固体材料は、結晶性及び/又は非晶性に関わらず、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、酸化鉄、それらのオキソ−ヒドロキシド、炭素及び生物学的触媒(炭酸脱水酵素など)、並びにそれらの混合物であってよいが、ただし、それらの固体は少なくとも0.1 m 2 /gの比表面積を有する。 とりわけ、本発明は、結晶性ゼオライト、非晶性シリカアルミナなどの、陽イオン交換特性を有するアルカリ又は/及びアルカリ土類アルミノケイ酸塩材料の使用に関する。 好ましい結晶性アルミノケイ酸塩は、陽イオン交換材料として、アルミニウムに対するケイ素のモル比が100未満のゼオライトであり、特に、ナトリウムLTA(Linde A型)ゼオライト、フォージャサイト(ゼオライトX及びY)、ゼオライトP、クリノプチロライト、モルデナイト、ZSM−5、ムティーナ沸石、及びそれらの混合物からなる群のナトリウムゼオライトであってよい。 例えば、本発明は、アルカリ型の結晶性及び/又は非晶性アルミノケイ酸塩材料であって、四面体配位において、アルミニウム及びケイ素以外の原子によって、いくつかのアルミニウム(例えば、鉄)及びケイ素(例えば、ゲルマニウム)原子が置換された材料の使用に関する。 ナトリウムゼオライト材料(Na + Z − )を用いてなされる場合には、反応(2)及び(3)で見られるような炭酸及び重炭酸イオン(bicarbonate)の解離から生じるヒドロニウム陽イオンH 3 O +を、ナトリウムゼオライトによって取り込み、以下: 従って、本発明は、固体の重炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム及びそれらの混合物を生成するために処理可能な重炭酸ナトリウム水溶液を製造する方法を提供する。 これは、陽イオン交換材料の水性懸濁液と二酸化炭素流とを、水性懸濁液に二酸化炭素を溶解させて、ヒドロニウム陽イオン(H 3 O + )及び重炭酸陰イオン(HCO 3 − )を生成するのに十分な量及び時間で接触させることにより達成される。 陽イオン交換材料は、ヒドロニウム陽イオン(H 3 O + )を水性媒体から取り込み、ナトリウム陽イオンを水性懸濁液中に放出する。 次いで、液体を固体交換材料から分離し、エバポレーター、晶析装置、又は固体の重炭酸ナトリウム(NaHCO 3 )、炭酸ナトリウム又はそれらの混合物が得られる任意の他の装置に移すことができる。 使用済みの陽イオン交換材料は、この材料と塩化ナトリウム溶液とを十分な時間、100℃未満の温度で接触させて、陽イオン交換材料中、ナトリウム交換させることにより再生される。 最後に、陽イオン交換材料を洗浄し、再利用する。 液相中の重炭酸イオン(bicarbonate)濃度に対する二酸化炭素圧の重要性が認識される。 二酸化炭素(CO 2 )の溶解は物質移動律速(mass−transfer−limited)であるため、反応(1): 大半のCO 2は、反応(1)に示すようなH 2 CO 3としてではなく、溶存CO 2として溶液中に存在するが、これは化学反応に影響を及ぼさず、反応(1)は概念的に単純である。 溶液中のH 2 CO 3濃度は、反応(11): 炭酸は、反応(2)を介して水中でイオン化する。 この反応は、基本的には一瞬で生じる。 様々な種の濃度は、反応(12)と関係する。 K a1は、炭酸の第一酸性度定数(first acidity constant)である。 反応(12)の[H 2 CO 3 ]についての式を反応(1)に代入し、その結果を再整理すると反応(13)を得ることができる。 反応(13)は、重炭酸イオン(bicarbonate)濃度がpH及びCO 2分圧によって決まることを実証する: 陽イオン交換特性を有する物質の組成は数多く存在し、例えば、非晶型及び結晶型の4価の金属酸塩などであり、これは一般に単塩(single salt)と称され、下記一般式を有する: 本発明は、交換性陽イオンが周期表の2A族の元素である交換体を用いて実施できる。 しかしながら、溶液中の1価陽イオン、例えば、[H 3 O + ]などを、周期表の2A族のいずれかの元素のような多価陽イオンと交換することは、多価陽イオンに対する陽イオン交換材料の親和性に起因して、水相中、高い初期濃度の[H 3 O + ]陽イオンを必要とし、かつ比較的長い時間を要する。 別の問題は、アルカリ土類重炭酸塩は、実質的に不溶性の炭酸塩を生成する可能性があり、二酸化炭素変換工程の間に、陽イオン交換材料上に沈殿し、汚れ(fouling)の問題を生じ得ることである。 他のタイプの交換性陽イオンは、第一遷移金属系列のものであり、その重炭酸塩、例えば重炭酸ニッケルなどを、本発明を用いて得ることができる。 しかしながら、これら陽イオンの大半は、処理問題を引き起こす。 本発明の多くの利点のうちいくつかを以下に記載する。 大気中の過剰な二酸化炭素は、本発明が対処することのできる問題である。 大気科学者の間で一致する意見は、人間の活動は、主に温室効果ガスの産生によって、地球の気候に影響を及ぼしているということである。 地球は、いつ新たな氷河期を迎えてもおかしくないと主張する人もいるが、たとえ地質学的なタイムスケールがそうであったとしても、21世紀の残りの期間、さらには今後数世紀程度の期間において、差し迫った脅威は、寒冷化でなく地球温暖化であり、これにより海面が上昇し、結果として気象パターンが変化することが一般的に認められている。 長期にわたって特定の生態的ニッチに適応してきた動植物種は、地球温暖化により、より高い標高及び緯度に避難することになる。 しかし、山脈頂上や地球の極を越えて避難するところはない。 海面の上昇や気象パターンの変化などの二次的影響を考慮することなく、地球温暖化をそのままにすれば、おそらく多くの種が絶滅することになるだろう。 気候に対する影響の観点から、主要な温室効果ガスは二酸化炭素である;水蒸気は、2番目に重要である。 過剰な大気二酸化炭素に起因する地球温度の上昇は、大気中の水蒸気を増加し、正のフィードバック・ループを引き起こす。 二酸化炭素は、化石燃料及び他の可燃性物質を燃焼させることにより、並びにセメント、ガラス、シリカ及びシリケート産業において炭酸塩を分解することにより生成される。 2010年12月22日にニューヨークタイムズに報告されたように、ハワイのマウナロア山上のセンサーは、二酸化炭素レベルが絶えず上昇しているだけでなく、その上昇ペースが加速していることを明らかにしている。 今世紀の終わりまでに、大気二酸化炭素レベルは、産業革命以前の2倍となるかもしれない。 特に二酸化炭素を含む温室効果ガスは、対処しなければならない脅威である。 講じられている措置は、必要とされるものに達していない。 キャップ・アンド・トレード、より厳しいCAFE基準、国際協定及び自主的な保全を含む様々な評価基準は、政府及び一般市民による許容と抵抗の程度の変化に応じている。 これらの結果は、二酸化炭素排出産業と組み合わせて、二酸化炭素を捕捉し、これを環境にほとんど又は全く悪影響を与えない化合物に変換することのできる低コストの手順の必要性を明示する。 本発明によれば、二酸化炭素の放出を取り込み、重炭酸塩水溶液を用いて二酸化炭素を固定し、当該溶液をサンゴ礁にデリバリーすることができ、そこで石灰質骨格中に炭酸塩として固定することができる。 重炭酸ナトリウム溶液が、サンゴの成長を促進するのに有用であることが証明されており(例えば、Francesca Marubini and Brenda Thake, Limnology and Oceanography, vol. 44, No 3. Part 1, pp 716−720, May 1999)、また、サンゴ礁の水の酸性度を改善するためにも有用であり得る。 化石燃料の燃焼から二酸化炭素の放出を低下させるために、別の可能性は、硫黄及び窒素を含まないバイオ燃料又はバイオガスを製造する藻類又は菌類の栄養分として、バイオリアクターに重炭酸塩溶液を送ることである。 さらに別の可能性は、この重炭酸塩溶液をいくつかの他の化学化合物に変換することである。 これに関連して、重炭酸ナトリウムをギ酸に触媒転換することに関する初期の研究があり(Bing Wu et al. Catalysis Today. 148: 405−410(2009))これは、生分解性殺菌剤(biodegradable disinfectant)のための重要な基本的化学であり、ここでは、環境への影響が最も低いことが求められ、いずれの残留物も許されない。 それはまた、保存料及び抗菌剤として、天然ゴム製造において、化学及び医薬産業における化学的成分として、及び水素貯蔵のための不燃性溶媒として使用される。 また、重炭酸ナトリウム溶液は、クロロ炭酸エチル、炭酸ジエチル及び尿素を含む他の重要な汎用化学製品の原料である。 陽イオン交換体の再生において、再生塩の陰イオンは酸となる。 塩が塩化ナトリウム又は硫酸ナトリウム(Na 2 SO 4 )の場合には、酸はそれぞれ塩酸又は硫酸である。 良質の食塩(NaCl)及び水を陽イオン交換材料の再生に用いる場合、このNaClが、その場合に酸性溶液から分離されるのであれば、価値の高い良質な塩酸を得ることができる。 この酸は、多数の適用、例えば、塩化物の製造や石油坑の酸処理などにおいて重要な化学物質である。 塩酸は、鉄に富んだクレイにより捕捉でき、塩化鉄(III)やポリ塩化アルミニウムなどの水処理化学物質を製造することができる。 前者は、エレクトロニクス産業において、スズ及びタンタルを製造するための鉱石還元(ore reduction)及び精製において、ピクリング及び金属洗浄剤として、pH調整剤として、並びに一般的洗浄において使用される。 また、電気めっき、ボイラースケールの除去、塩基性の系(basic systems)の中和、食品及び医薬産業のための水の脱イオン化、枯渇ガス及びオイルリザーバーにおけるさらなるスペースの確保(making more space)、二酸化炭素隔離、肥料及び色素の製造、並びに種々の食品の調製におけるスターチ及びタンパク質の加水分解のため;種々の有機合成における研究試薬、触媒及び溶媒として;並びに写真及び繊維工業において、使用される。 本発明によれば、重炭酸塩溶液中に二酸化炭素を隔離するための単純な手順を、二酸化炭素放出設備と合わせることで、大気中への二酸化炭素の放出を軽減し、使用する原材料をリサイクルすることができる。 一例は、ケイ酸ナトリウムからのシリカの沈殿である。 このプロセスでは、炭酸ナトリウム(Na 2 CO 3 )を使用し、かなりの量の二酸化炭素が生成される。 本発明によれば、この二酸化炭素を重炭酸塩溶液として固定でき、その後、固体炭酸ナトリウムに変換できる。 シリカの沈殿により液体ろ液中に存在する硫酸ナトリウム又は塩化ナトリウムを、使用済みの水素型陽イオン交換材料と接触させ、それにより陽イオン交換材料を再生し、塩酸又は硫酸のいずれかをプロセスに戻す。 このように、二酸化炭素放出の減少が、酸及び炭酸ナトリウムのリサイクルを介して達成され得る。 本発明によれば、使用済みの陽イオン交換材料の再生工程から生じた酸性溶液は、周期表の1A族又は2A族に属する金属の塩基性溶液、好ましくは、陽イオン交換材料の交換金属と同じ金属の塩基性溶液と接触させることができる。 この中和反応により、再生材として使用される塩と水が生じ、これらは、任意の公知の物理的分離法により別々に回収できる。 前記塩基性溶液は、上記族の固体金属水酸化物を、pH=7.5と12の間の都合のいいpHまで水に溶解することにより得ることができる。 しかし、ある種のアルカリアルミノケイ酸塩(アルミニウムが豊富なゼオライト、長石)又は熱水処理したアルカリシリカゲルスラリーは、水を加水分解する特性を有することが知られており、その結果、pH=8と11の間を有するアルカリ塩基性溶液が生成される。 この塩基性溶液は、アルミノケイ酸塩又はアルカリシリカゲル材料から分離でき、これを使用済み陽イオン交換材料の再生工程から生じる酸性溶液と接触させることができる。 次いで、塩基性溶液により酸性溶液が中和され、再生塩の溶液が生じ、これを適切に濃度調整して循環させることができる。 以上のように、本発明の原材料は、大気中の二酸化炭素のように天然に豊富なもの、及び食塩のように安価なものであり得る。 以下の実施例は、本発明の理解をさらに進めるものである。 すべての実施例で用いた分析手順は以下のとおりである。 陽イオン交換容量(CEC)は、合成材料及び市販材料サンプルの乾燥基準質量(dry basis mass)(g)に対する水素のミリ当量(miliequivalent)(meq)の比として表し、滴定により評価する。 すべての測定において、0.5 g(乾燥基準)のサンプルサイズを使用する。 250 mLの三角フラスコ中、ある量のサンプルをマグネティックバーとともに入れる。 次いで、50 mLの0.1 N塩酸を添加する。 この系を室温で少なくとも1時間撹拌する。 その後、撹拌を止め、透明な溶液が得られるまで沈殿させる。 25 mLの上清溶液アリコートを別の250 mL 三角フラスコにとり、25 mLの脱塩水を添加する。 pH=7にて青紫色から緑色へと急速に変色する、メチレンブルーとニュートラルレッドの混合指示薬を用いて、0.1 N水酸化ナトリウム溶液でこの溶液を滴定する。 最後に、消費された酸のミリ当量を、最初と最後の酸のミリ当量の差として計算する。 CECは、乾燥基準質量に対するこの差の比である。 ろ液中のアルカリ重炭酸塩又はアルカリ土類重炭酸塩の測定のために、Hamilton, L. Fらに記載の方法(Calculations of Analytical Chemistry. pp 190−195. McGraw−Hill Book Company, Seventh Edition, 1969)を使用する。 あらかじめ、溶液中の炭酸塩の存在をフェノールフタレイン試験で試験する。 ピンクの場合には炭酸塩陽性であり、無色の場合には陰性である。 アルカリ重炭酸塩又はアルカリ土類重炭酸塩溶液は、メチルオレンジとインジゴカルミンの混合指示薬(緑色からマゼンタ色へと変化し、pH=約4にてニュートラルグレイ色を呈する)を用いて、0.1 N塩酸溶液で滴定する。 加水分解によって、最初の陽イオン交換材料のスラリーは塩基性であり、少量の大気二酸化炭素が取り込まれる。 従って、実施例で報告する結果は、重炭酸塩の正味収率である。 すべての実施例において、CEC(meq/g)を考慮して、試験する陽イオン交換材料の乾燥基準質量(Mzd)(グラム)は、溶液中で生成されるアルカリ重炭酸塩又はアルカリ土類重炭酸塩の質量が2.5 gとなるものである。 すなわち、この値は、 図1は、本発明の方法を実施するのに適した装置を示す。 十分に洗浄した(well-cleaned)ガス洗浄フラスコ7に、ある量の陽イオン交換材料11を入れる。 フラスコ7に、予め煮沸し室温に調節した(tempered)脱塩水を添加し、マグネティックスターラープレート10及びマグネティックバー9を用いて撹拌スラリーを得る。 陽イオン交換材料に対する水の体積比は0.5〜10であり、フラスコ7の全体積の50%〜80%を満たす。 オン/オフバルブ4を開け、供給源2から窒素ガス流を、ロータメーター6で測定されるように、50 ml/分〜500 ml/分の速度で流入させ、ガスディフューザー8をフラスコ7に導入する。 窒素流入時間は5分間〜60分間である。 次いで、三方弁3を変化させることにより、供給源1から二酸化炭素ガス流を100 ml/分〜1 L/分の速度で流入させる:二酸化炭素ガス流入時間は5分間〜1時間である。 この陽イオン交換時間の後、フローコントロールバルブ5を用いて二酸化炭素ガス流を減少させ、ガスディフューザー8をフラスコ7から取り除く。 陽イオン交換材料スラリーは、ブフナーろ過装置に流し、ここで重炭酸ナトリウム溶液の液体ろ液を得る。 陽イオン交換材料は、陽イオン交換材料に対する水の体積比が1と20の間となるように、少なくとも1回、30℃と50℃の間の温度で温めた脱塩水で洗浄する。 全ろ液を蒸発装置に移し、ここで、最終的に、固体のアルカリ重炭酸塩、アルカリ炭酸塩及び/又はアルカリ土類炭酸塩、並びにその混合物を得る。 使用済み陽イオン交換材料は、可溶性のアルカリ及び/又はアルカリ土類塩の溶液が、使用済み陽イオン交換材料のマス(mass)の1〜10倍の交換ミリ当量を有するように、30℃〜100℃の温度で少なくとも5分間、固体に対する液体の比率が0.5と10の間となるように、該溶液と接触させることにより再生する。 陽イオン交換材料を再生溶液から分離した直後に、固体を少なくとも1回、30℃と100℃の間の温度で温めた脱塩水で洗浄する。 陽イオン交換材料に対する水の体積比は1と20の間である。 任意選択で、固体を少なくとも1時間(1 h)、少なくとも80℃の温度で乾燥する。 この乾燥し再生させた陽イオン交換材料を、炭酸との新たな陽イオン交換のために再度使用する。 本発明によれば、陽イオン交換材料x/nM +n E x −として、その物質組成が、一般実験式: 物質組成のX線回折パターンを検出することも本発明の範囲内である。 以下の実験例は、本方法をより詳細に実証し、本発明の請求の範囲を裏付けるものである。 実験は、例としてのみ引用され、それにより限定するものではなく、本発明の範囲は、これら実施例によって多少なりとも制限又は限定されるものではない。 [実施例1] 形成された重炭酸塩(陰イオンとして)の量は、上記分析手順を用いて、238 mg/Lであった。 [実施例2] 十分に洗浄したガス洗浄フラスコ7に、陽イオン交換材料XCのマスを入れ、実施例1に記載の手順を実施した。 また、二酸化炭素ガス流入時間は30分間であった。 形成された重炭酸塩(陰イオンとして)の量は、上記分析手順を用いて、427 mg/Lであり、炭酸塩に対するフェノールフタレイン試験は陰性であった。 本発明に従って使用したこの陽イオン交換材料は、試験した全ての陽イオン交換材料のうち、最も低い重炭酸ナトリウム収率を有するものである;しかし、その収率は、ブランク又はコントロールランのおよそ2倍であり、これは、重炭酸塩の形成へと向かう平衡が、二酸化炭素の溶解が同時に生じている水性媒体への陽イオン交換材料の導入により移動することを示す。 [実施例3] これらの各材料を、実施例2で使用した手順に従って検証した。 評価のために使用した陽イオン交換材料の質量は6 gと9 gの間の範囲にあり、CEC及びLOIパラメーターに従って、上述のとおり決定した。 各材料について、ランタイムは5、15及び30分間である。 検証した全てのケースにおいて、炭酸塩に対するフェノールフタレイン試験は陰性であり、これは、これらの材料が重炭酸ナトリウムの生成に選択的であることを示す。 各ケースにおける重炭酸ナトリウム収率を図9に示す。 重炭酸塩の形成へと向かう平衡は、二酸化炭素の溶解が同時に生じている水性媒体における陽イオン交換材料の導入により移動することが留意される。 AA材料が最良の結果をもたらす。 驚くべきことに、非晶性材料AC及びAXは、十分に結晶化された材料が生じるものよりも良好な重炭酸ナトリウム収率を生じ、実施例1に示す水中での二酸化炭素の単なるバブリングが生じるものをはるかに超えている。 これは確定的な解釈を与えることを意図するものではないが、これらの結晶性材料のナノ細孔の内部表面に、又は非晶性材料のバルク(in the bulk of)中の埋め込まれた交換部位に二酸化炭素ガスが拡散する問題によって、各材料のCECの予測される全変換の達成が妨げられる可能性がある。 重炭酸ナトリウムの収率は、これらの陽イオン交換材料の外部表面積におけるアルミニウムの存在量と関連するようである。 陽イオン交換材料による二酸化炭素ガスから重炭酸塩への平衡移動は紛れもないが、交換部位の利用可能性も重要である。 [実施例4] 陽イオン交換材料は両方の場合で、各サイクル後に重炭酸ナトリウム量が増加し、これは、使用済み交換部位の再生が各材料の場合に生じることを示す。 重炭酸ナトリウム生成の相対的効率は、図9及び実施例3で観察されたものと同一であり、炭酸との30分間の陽イオン交換において、AA材料の収率の方がAC材料のものよりも優れていた。 図10に示すグラフの傾きは、サイクルによる重炭酸ナトリウム収率の増加パーセンテージを表し、AA材料及びAC材料のそれぞれについて、約9.15及び3.87である。 おそらく、二酸化炭素と重炭酸ナトリウム溶液との平衡状態により収率が制限されるが、陽イオン交換材料による二酸化炭素の重炭酸塩への平衡移動が依然として観察された。 これは、間に再生サイクルを有する連続サイクルを用いることにより、100%の収率が達成できる可能性を示す。 [実施例5] [実施例6] [実施例7] [実施例8] [実施例9] この材料を実施例2の手順に従って評価し、3%の収率が得られた。 これにより、アルミノケイ酸塩材料の組成中に他の種類の原子が含まれ得ることが示されたが、ただし、これらの原子は、交換を行うのに適した化学的な四面体配位、すなわち四面体構造を有するものである。 [実施例10] [実施例11] [実施例12] [実施例13] [結論] 大気中に放出されている過剰な二酸化炭素、及びアルカリ重炭酸塩又はアルカリ土類重炭酸塩を製造するための環境に配慮した安価な方法の欠如という、上記問題点の両方を、単一の製造方法、まさに本発明が成し遂げたもの、により対処できることは自明なことではない。 本明細書で開示する方法は、我々の発明の様々な実施態様である。 本開示を考慮することにより、当業者ならば、これらの方法の多くの変更に気付くだろう。 本発明は、開示の方法に限定されず、添付の請求の範囲の範囲内で、このような変更のすべてを含む。 |