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Using a high-purity 4,4'-difluoro benzophenone, poly improved process for preparing (aryl ether ketone)

申请号 JP2011532649 申请日 2009-10-23 公开(公告)号 JP2012506473A 公开(公告)日 2012-03-15
申请人 ソルベイ・アドバンスト・ポリマーズ・エルエルシー; 发明人 シャンタル ルイス,;
摘要 本発明は、求核剤を4,4′−ジフルオロベンゾフェノン(4,4'−DFBP)と反応させることにより、ポリ(アリールエーテルケトン)を製造する方法であって、1つまたは複数の特定の純度条件を満たす4,4'−DFBPの使用によって改善される方法を記述する。 本発明の4,4'−DFBPを使用して製造される向上したポリ(アリールエーテルケトン)も記述される。 4,4'−DFBPにおける2,4'−ジフルオロベンゾフェノン(2,4'−DFBP)、4−モノフルオロベンゾフェノン(4−FBP)、塩素、およびモノクロロモノフルオロベンゾフェノンの量が考察される。
权利要求
  • 求核剤を4,4′−ジフルオロベンゾフェノンと反応させることによる半結晶質ポリ(アリールエーテルケトン)を製造する方法であって、前記4,4′−ジフルオロベンゾフェノンが、以下の不純物限界:
    [2,4'−ジフルオロベンゾフェノン]+[4−モノフルオロベンゾフェノン]≦1250ppm
    を満たし、4,4'−ジフルオロベンゾフェノンにおける2,4'−ジフルオロベンゾフェノンおよび4−モノフルオロベンゾフェノンの量が、液体クロマトグラフィー分析によって決定される、方法。
  • 前記4,4′−ジフルオロベンゾフェノンがさらに、以下の不純物限界:
    [2,4'−ジフルオロベンゾフェノン]≦750ppm
    を満たす、請求項1に記載の方法。
  • 前記4,4′−ジフルオロベンゾフェノンがさらに、以下の不純物限界:
    [2,4'−ジフルオロベンゾフェノン]≦750ppm、
    [4−モノフルオロベンゾフェノン]≦500ppm
    を満たす、請求項1に記載の方法。
  • 前記4,4′−ジフルオロベンゾフェノンがさらに、以下の不純物限界:
    [2,4'−ジフルオロベンゾフェノン]≦300ppm、
    [4−モノフルオロベンゾフェノン]≦950ppm
    を満たす、請求項1に記載の方法。
  • 前記4,4′−ジフルオロベンゾフェノンがさらに、以下の不純物限界:
    [塩素総含有率]≦0.075重量%
    を満たし、
    前記塩素総含有率が、燃焼に続いて、ミクロ電量滴定分析(TOX)によって決定される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  • 前記4,4′−ジフルオロベンゾフェノンがさらに、以下の不純物限界:
    [クロロフルオロベンゾフェノン]≦5000ppm
    を満たす、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  • 前記4,4′−ジフルオロベンゾフェノンが、GC純度≦99.9面積%を有する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  • 前記4,4′−ジフルオロベンゾフェノンが、GC純度≦99.9面積%を有する、請求項7に記載の方法。
  • 前記求核剤が、p−ヒドロキノン、4,4'−ジヒドロキシベンゾフェノン、4,4'−ビフェノール、1,4−ビス−(p−ヒドロキシベンゾイル)ベンゼンおよび1,3−ビス−(p−ヒドロキシベンゾイル)ベンゼンからなる群から選択される、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
  • 前記ポリ(アリールエーテルケトン)が、ポリ(エーテルエーテルケトン)(PEEK)である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
  • 前記ポリ(アリールエーテルケトン)が、融解熱(J/g)≧68.0−26.6 RV(dl/g)を有し、RVが、濃H SO において25℃にて測定されたポリマー還元粘度である、請求項10に記載の方法。
  • 前記ポリ(アリールエーテルケトン)が、ポリ(エーテルケトン)(PEK)である、請求項1〜9のいずれか一項に記載のポリ(アリールエーテルケトン)。
  • 前記反応が、ジフェニルスルホンの存在下にて行われる、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
  • 粒状炭酸ナトリウムの存在下にて芳香族求核置換によって、前記求核剤を4,4′−ジフルオロベンゾフェノンと反応させる方法であって、前記粒状炭酸ナトリウムが、以下の粒径分布:
    90 ≧45μmおよびD 90 ≦250μmおよびD 99.5 ≦710μm
    を有する、請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。
  • 請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法によって得られる、または請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法に従って製造される、ポリ(アリールエーテルケトン)。
  • 说明书全文

    関連出願の相互参照 本出願は、2008年10月24日出願の米国仮特許出願第61/108,096号明細書、2008年10月24日出願の米国仮特許出願第61/108,097号明細書、および2008年10月23日出願の米国仮特許出願第61/140,205号明細書への優先権の利益を主張し、これらすべての出願の全内容は、すべての目的のために参照により本明細書に組み込まれる。

    本発明は、高純度4,4′−ジフルオロベンゾフェノン(4,4'−DFBP)に関する。 ポリ(アリールエーテルケトン)ポリマー(PAEK)の製造におけるこの高純度4,4'−DFBPの使用、ならびにその結果得られるPAEKポリマーも記述される。

    4,4′−ジフルオロベンゾフェノン(4,4'−DFBP)は、以下の化学式:


    を有する公知の化学中間体である。


    4,4'−DFBPは、例えばPEEKおよびPEKなどのPAEKポリマーの製造において有用であることが知られている。 PAEKポリマーは、様々な分野で有用なエンジニアリングポリマーの公知の種類である。 4,4'−DFBPを用いたポリマーを含む、PAEKポリマーを製造する方法は、例えば米国特許第3,953,400号明細書、米国特許第3,956,240号明細書、米国特許第3,928,295号明細書、および米国特許第4,176,222号明細書に記載されており、すべてが参照により本明細書に組み込まれる。 一般に、PAEKポリマーは、芳香族族求核置換によって製造される。 例えば、一般に「ヒドロキノン」と呼ばれるp−ヒドロキノン、ビスフェノール等を求核成分として使用することができ、それは、NaOH、Na

    CO

    またはK

    CO

    などの塩基で脱プロトン化されて求核剤を形成し、次いでその求核剤が例えば、4,4'−DFBPなどのジハロベンゾフェノンと反応して、求核置換を介してPAEKポリマーを形成し、4,4'−DFBPのフッ素原子は脱離基として働く。

    錯体分子の化学合成では精製された出発原料が好ましいことは公知であり、これは、PAEKポリマーの合成で使用されるモノマーに当てはまる。 例えば、国際公開第2007/144610号パンフレットおよび国際公開第2007/144615号パンフレットに、生成物ポリマーのメルトフローインデックスを向上させる、99.9面積%を含む少なくとも99.7面積%の純度(ガスクロマトグラフィーで測定)を有するモノマーの使用が記載されている。 純度99.9%の材料は、1種または複数種の不純物1000ppmを含有することに留意されたい。 しかしながら、これらの参考文献では、避けられるべき特定の不純物の性質および量に関して言及していない。 さらに、面積%によるこの測定は、モノマーの一般的な純度レベルを導くのみであり、避けられるべき特定の不純物の種類および量に関して非特異的である。

    4,4′−ジフルオロベンゾフェノンの一般的な不純物は、例えば米国特許第5,777,172号明細書に記載される、他の位置異性体(主に3,4'および2,4'異性体)、有色不純物およびポリマー副生成物である。

    半結晶質ポリ(アリールエーテルケトン)は、その非晶質対応物と比較して、興味深い特性、特に優れた耐薬品性および広い温度範囲にわたる良好な機械的性質を示す。 半結晶質樹脂の最終的な機械的性質は特に、結晶化度レベルに関係する。 したがって、高レベルの結晶化度は、これらの特性を維持するのに重要である。 PAEKポリマーの他の重要な特性は、その溶融安定性である。

    広い温度範囲にわたって向上した耐薬品性および機械的性質を有するPAEKポリマーが長い間必要と感じられており、したがって向上した結晶化度および/または溶融安定性を有するPAEKポリマーが必要とされている。

    当技術分野では、4,4'−DFBPの純度が、それを用いて得られたPAEKポリマーに影響を及ぼし得ることは一般に認識されているが、4,4'−DFBP中のどの不純物が制限されるべきか、どの程度制限されるべきかは特定されていない。 これは特に、非晶質PAEKと異なるモノマー純度基準を有する半結晶質PAEKポリマーに当てはまる。 その耐薬品性が向上することから、半結晶質PAEKのみが広く受け入れられている。 半結晶質ポリマーは、溶融液または溶液から冷却すると結晶化するポリマーである。 結晶化度の量は、様々な方法(Crystallinity Determination,J.Runt,M.Kanchanasopa,Encyclopaedia Of Science and Technology,Online Ed,2004)によって決定することができ、広X線回折(WAXD)または示差走査熱量測定(DSC)が、結晶化度を決定するのに一般的な2つの方法である。 参考文献(Blundell et al.,Polymer,1983,V24,P953)には、DSCによって、完全結晶質PEEKが融解エンタルピー130J/gを示すことが記載されている。 半結晶質PAEKは、WAXDまたはDSCによって測定された5%を超える、好ましくは10%を超える結晶化度レベルを有する。

    以下に詳細に説明されるように、本発明者らは、4,4'−DFBP中の特定の不純物、すなわち2,4'−ジフルオロベンゾフェノン、4−モノフルオロベンゾフェノンおよび塩素化有機物の量を、本明細書に記載のように制御した場合には、向上した結晶化度および/または溶融安定性を有するPAEKポリマーが得られることを発見した。 本発明者らは、塩素末端基の存在が、ポリマー全体の安定性に対して有害な影響を及ぼすことも発見した。

    国際公開第2007/144610号パンフレットおよび国際公開第2007/144615号パンフレットに記載の方法では、4,4'−DFBP中に見出される2,4'−ジフルオロベンゾフェノンおよび4−モノフルオロベンゾフェノン不純物のベースライン分離ができず、したがって、この方法を使用しての、これらの主要不純物の定量的決定は不明瞭である。 実際に、異なるジフルオロベンゾフェノン異性体の構造および沸点がかなり類似しているために、クロマトグラムが複雑になり、通常の高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)またはガスクロマトグラフィー(GC)法を用いた場合、異性体を互いから明確に、かつ疑いなく分離することができない(オーバーラップまたはショルダーの形成)。

    本発明の発明者は、国際公開第2007/144610号パンフレットおよび国際公開第2007/144615号パンフレットに記載のガスクロマトグラフィー法は、特定の不純物の識別をすることができないことから、DFBPの純度決定に適していないことを見出した。 本発明者は、DFBPの液体クロマトグラフィー分析が、より一層適しており、その存在がPAEKの特性に有害作用を及ぼす特定の不純物を決定することができることを見出した。

    本発明を詳細に説明するために、添付の図面について言及する。

    本発明によるポリマーの融解エンタルピー対そのポリマーの還元粘度(RV)のグラフを表す。

    好ましい実施例の詳細な説明 PAEKは一般に、芳香族求核置換によって、すなわち、「電子豊富な」求核剤が選択的に、脱離基と呼ばれる基または原子に結合する原子の正電荷または部分的正電荷と結合する、またはそれを攻撃する、置換反応の基本的種類によって製造され;正原子または部分的正原子は求電子体と呼ばれる。 したがって、求核剤は、両方の結合性電子を供与することによって、その反応パートナー(求電子体)との化学結合を形成する試薬を意味することが意図される。 PAEKの合成で使用される一般的な求核モノマーは、p−ヒドロキノン(一般に「ヒドロキノン」として知られる)、4,4'−ジヒドロキシベンゾフェノン、4,4'−ビフェノール、1,4−ビス−(p−ヒドロキシベンゾイル)ベンゼン、1,3−ビス−(p−ヒドロキシベンゾイル)ベンゼン等のヒドロキシル化モノマーである。 一方、PAEKの合成で使用される一般的な求電子モノマーは、4,4'−ジフルオロベンゾフェノン、1,4−ビス(p−フルオロベンゾイル)ベンゼン;1,3−ビス(p−フルオロベンゾイル)ベンゼン、4,4'−ビス(p−フルオロベンゾイル)ビフェニル等である。 4,4'−DFBPは、PEEKおよびPEKなどのPAEKポリマーの製造において求電子体として頻繁に使用されている。 4,4'−DFBP不純物の研究において、本発明者は、2,4'−ジフルオロベンゾフェノン(2,4'−DFBP)、4−モノフルオロベンゾフェノン(4−FBP)、およびモノクロロモノフルオロベンゾフェノン(クロロフルオロベンゾフェノン,ClFBP)が、市販の4,4'−DFBP中に一般に存在することを見出した。 さらに、本発明者は、2,4'−DFBPと4−FBPのどちらも、DSCにおいて第2熱サイクルの融解熱により測定されるPAEK結晶化度に悪影響を及ぼし、クロロフルオロベンゾフェノンが、PAEK樹脂の溶融安定性に悪影響を及ぼすことを発見した。

    多くの研究を重ねた後、本発明者は、許容可能な結晶化度を維持するためには、4,4'−DFBP中の2,4'−DFBPおよび4−FBPのレベルを、存在するその量に関する特定の関係に従わせるべきであることをさらに発見した。

    したがって、本発明の第1の態様は、求核剤を4,4′−ジフルオロベンゾフェノン(4,4'−DFBP)と反応させることによって、PAEKを製造する方法に関係し、改良点は、以下の純度限界:
    [2,4'−ジフルオロベンゾフェノン]≦750ppm、
    [2,4'−ジフルオロベンゾフェノン]+[4−モノフルオロベンゾフェノン]≦1250ppm
    の少なくとも1つ、好ましくは両方を満たす4,4'−DFBPを使用することを含み、
    4,4'−ジフルオロベンゾフェノン中の2,4'−ジフルオロベンゾフェノンおよび4−モノフルオロベンゾフェノンの量は、以下の実施例に記載のように液体クロマトグラフィー分析によって決定され;
    これらの式は:
    ・4,4'−DFBP中の2,4'−DFBPの含有量が、750ppm以下であり、
    ・4,4'−DFBP中の2,4'−DFBPの含有量+4,4'−DFBP中の4−FBPの含有量が、合計1250ppm以下である、ことを意味する。

    本明細書において、不純物レベルは重量ベースで表され、すなわち、対象の不純物の重量/(4,4'−DFBPの重量+存在するすべての不純物の重量)は、ppmまたは重量%で表される。

    一般に、クロマトグラフのデータは、保持時間(x軸)に対する検出器の反応(y軸)のグラフとして示される。 これは、異なる時点でカラムから溶離する試料中に存在する検体を表す、試料のピークのスペクトルを提供する。 方法の条件が一定である場合には、保持時間を用いて、検体を同定することができる。 また、ピークのパターンは、一定条件下の試料に関して一定であり、検体の複雑な混合物を同定することができる。 しかしながら、今日の大部分の用途において、GCまたはLC装置は、質量分析計またはピークにより示される検体を同定することができる類似の検出器に連結されている。 ピーク下の面積は、存在する検体の量に比例する。 積分の数学的関数を用いて、ピーク面積を計算することによって、元の試料における検体の濃度を決定することができる。 今日の大部分のシステムにおいて、ピークを描き、積分するために、コンピューターのソフトウェアが使用される。

    本発明による方法において、4,4'−DFBPは、最大で2,4'−ジフルオロベンゾフェノンを750ppm含有する。

    好ましくは、4,4'−DFBPは、以下の不純物限界:
    [2,4'−ジフルオロベンゾフェノン]≦750ppm、さらに好ましくは300ppm、
    [4−モノフルオロベンゾフェノン]≦950ppm、さらに好ましくは500ppm
    を満たす。

    好ましい実施形態において、4,4'−DFBPは、以下の不純物限界:
    [2,4'−ジフルオロベンゾフェノン]≦750ppm、および [4−モノフルオロベンゾフェノン]≦500ppmを満たす。

    他の好ましい実施形態において、4,4'−DFBPは、以下の不純物限界:
    [2,4'−ジフルオロベンゾフェノン]≦300ppm、および [4−モノフルオロベンゾフェノン]≦950ppmを満たす。

    他の好ましい実施形態において、[2,4'−DFBP]≦750ppm(≦700、650、600、550、500、450、400、350、300、250、200、150、100、50ppm等を含み、当然のことながら0ppmおよびあたかも明確に全て書き出されるように指定の値の間のすべての値および部分領域を含む)および[4−FBP]≦500ppm(≦450、400、350、300、250、200、150、100、50ppm等を含み、当然のことながら0ppmおよびあたかも全て書き出されるように指定の値の間のすべての値および部分領域を含む)。

    他の好ましい実施形態において、[2,4'−DFBP]≦300ppm(≦250、200、150、100、50ppm等を含み、当然のことながら0ppm、およびあたかも明確に全て書き出されるように指定の値の間のすべての値および部分領域を含む)および[4−FBP]≦950ppm(≦900、850、800、750、700、650、600、550、500、450、400、350、300、250、200、150、100、50ppm等を含み、当然のことながら0ppm、およびあたかも明確に全て書き出されるように指定の値の間のすべての値および部分領域を含む)。

    他の好ましい実施形態において、[2,4'−ジフルオロベンゾフェノン]+[4−モノフルオロベンゾフェノン]≦1250ppm(≦1200、1100、1000、900、800、700、600、500、400、300、200、100、50ppm等を含み、当然のことながら0ppm、およびあたかも明確に全て書き出されるように指定の値の間のすべての値および部分領域を含む)。

    他の好ましい実施形態において、4,4'−DFBP中の塩素総含有率(塩素化有機物質に相当する)は、0.075重量%以下、好ましくは0.053重量%以下(0.05、0.045、0.040、0.035、0.030、0.025、0.020重量%以下等を含み、当然のことながら0重量%、およびあたかも全て書き出されるように指定の値の間のすべての値および部分領域を含む)であり、クロロフルオロベンゾフェノンとして表される塩素総含有量は、≦5000ppm、3500ppm以下(≦3400、3300、3200、3100、3000、2750、2500、2250、2000、1750、1500、1250、1000、900、850、800、750、700、650、600、550、500、450、400、350、300、250、200、150、100、50ppm等を含み、当然のことながら0ppm、およびあたかも明確に全て書き出されるように指定の値の間のすべての値および部分領域を含む)である。 クロロフルオロベンゾフェノンは、塩素元素15%を含有し;したがって、塩素0.053%=Cl530ppm=クロロフルオロベンゾフェノン(530/0.15)ppm=3530ppmである。

    4,4'−DFBP中の塩素総含有量は、全有機ハロゲン分析(Total Organic Halogen analysis(TOX))によって、すなわち以下の実施例に記載のように、燃焼に続いてミクロ電量滴定分析(TOX)によって決定される。

    特定の実施形態において、一部の不純物がPAEK特性に対して有害作用を及ぼさないことから、本発明の方法で使用される4,4′−ジフルオロベンゾフェノンは、GC純度≦99.9面積%、<99.9面積%さえ有し得る。

    本発明の他の態様は、上述のすべての不純物限界、特に:
    [2,4'−ジフルオロベンゾフェノン]≦750ppmおよび [2,4'−ジフルオロベンゾフェノン]+[4−モノフルオロベンゾフェノン]≦1250ppm
    を満たす4,4'−DFBPに関係する。

    好ましくは、本発明による4,4'−DFBPは、以下の不純物限界:
    [2,4'−ジフルオロベンゾフェノン]≦750ppm、さらに好ましくは300ppm、および [4−モノフルオロベンゾフェノン]≦950ppm、さらに好ましくは500ppm
    を満たす。

    他の好ましい実施形態において、本発明による4,4'−DFBPは、上記の不純物限界の少なくとも2つ、好ましくは少なくとも3つ、さらに好ましくはすべてを満たす。

    本発明のさらに他の態様は、上述の方法によって得ることができる、または上述の方法に従って製造されるPAEKポリマーに関する。

    向上した溶融安定性および/または向上した結晶化度が、これらの条件下で確認される。 半結晶質樹脂の最終的な機械的性質は、結晶化度レベルに関係する。 DSCによって測定される融解エンタルピーから、ポリマー結晶化度レベルを容易に測定することができる。 許容可能な結晶化度は、ポリマー(PEEKはPEKと異なる)およびその還元粘度(RV)により測定されるポリマー分子量に応じて異なる。 本発明者は、許容可能な範囲、PEEKおよびPEKに関して良好な機械的性質を導く範囲は以下のとおりであることを見出した。 PEEKに関して、目標融解エンタルピーとしても記載される許容可能な融解エンタルピーは、RVがH SO 中で測定された還元粘度である場合に、≧68.0−26.6 RV(さらに好ましくは≧69.0−26.6 RV)である。 PEKに関して、許容可能な融解エンタルピーは、≧72.0−21.0 RV;さらに好ましくは、≧74.0−21.0 RVである。

    このように、本発明の他の態様は、ポリ(アリールエーテルケトン)に関し、そのポリ(アリールエーテルケトン)は、RVが、濃H SO 中で25℃にて測定されたポリマー還元粘度である場合に、またはポリ(アリールエーテルケトン)がPEKである場合に、融解熱(J/g)≧68.0−26.6 RV(dl/g)を有するPEEKである。

    溶融安定性は、異なる保持時間で測定されるメルトフローインデックスの比によって測定することができる。 この方法の詳細をさらに説明する。 メルトフロー比(MFR)は、好ましくは0.5〜1.5、好ましくは0.5〜1.2である。

    実施例に記載の試験法を用いて、4,4'−DFBPにおける、これらのすべての不純物の量(2,4'−DFBP、4−FBP、塩素総含有量、クロロフルオロベンゾフェノン)を測定することができる。 融解エンタルピーは、実施例に記載のようにDSCによって決定することができる。 これらの測定技術すべては、当業者の技術内である。

    例えば、クロマトグラフィー、非溶媒での洗浄、高温溶媒への溶解、および低温での再結晶化、任意に真空下での蒸留、イオン交換等の技術を用いて、2、4'−DFBP、4−FBP、塩素総含有量、およびクロロフルオロベンゾフェノンすべてに関して上記の不純物限界を個々に、かつ一括して満たすために、4,4'−DFBPを精製することは当業者の技術内である。

    本明細書における純度の記載のうちの1つまたは複数を満たす4,4'−DFBPは、ポリ(アリールエーテルケトン)(PAEK)ポリマーの製造に特に有用である。

    本明細書で使用される「ポリ(アリールエーテルケトン)」(PAEK)という用語は、そのポリマーの50重量%を超える反復単位が、少なくとも1つのアリーレン基、少なくとも1つのエーテル基(−O−)および少なくとも1つのケトン基[−C(=O)−]を含有する1つまたは複数の式の反復単位(R1)であり、かつ出発原料として4,4'−DFBPを使用して製造されたポリマーを含む。

    好ましくは、反復単位(R1)は:



    から選択され、


    式中、Arは独立して、フェニレン、ビフェニレンまたはナフチレンから選択される二価芳香族ラジカルであり、


    Xは独立して、O、C(=O)または直接結合であり、


    nは、0〜3の整数であり、


    b、c、dおよびeは、0または1であり、


    aは、1〜4の整数であり、


    好ましくは、bが1である場合に、dは0である。

    さらに好ましくは、反復単位(R1)は:



    から選択される。

    またさらに好ましくは、反復単位(R1)は:


    から選択される。

    最も好ましくは、反復単位(R1)は:


    である。

    PEEKポリマーは、そのポリマーの50重量%を超える反復単位が式(VII)の反復単位(R1)であるポリマーを意味することが意図される。 PEKポリマーは、そのポリマーの50重量%を超える反復単位が式(VI)の反復単位(R1)であるポリマーを意味することが意図される。

    ポリ(アリールエーテルケトン)は注目すべきことには、ホモポリマー、ランダム、交互またはブロックコポリマーであることができる。 ポリ(アリールエーテルケトン)がコポリマーである場合、注目すべきことには、(i)式(VI)〜(XV)から選択される少なくとも2つの異なる式の反復単位(R1)、または(ii)1つまたは複数の式(XVI)〜(XXV)の反復単位(R1)および反復単位(R1)と異なる反復単位(R1 )を含有し得る:


    好ましくはポリ(アリールエーテルケトン)の70重量%を超える、さらに好ましくは85重量%を超える反復単位が反復単位(R1)である。 またさらに好ましくは、ポリ(アリールエーテルケトン)の本質的にすべての反復単位が反復単位(R1)である。 最も好ましくは、ポリ(アリールエーテルケトン)のすべての反復単位が反復単位(R1)である。

    本発明によるPAEKは、半結晶質PAEK、好ましくは半結晶質PEEKである。 半結晶質PAEKは、結晶質分子構造の領域を特徴とするが、非晶質領域も有するPAEKを意味することが意図される。 完全な非晶質のPAEKと対照的に、半結晶質PAEKは一般に融点を有する。 頻繁に、融点の存在が検出され、融点の値は、例えば実施例で報告されるように示差走査熱量測定によって測定される。 融点は有利なことに、熱流曲線上での特定の作図手順によって決定される:ピークのいずれかの側の変曲点においてピークと接している2本の線の交点が、ピーク温度、つまり融点を定義する。 本発明にしたがって、半結晶質PAEKは、有利なことに150℃を超える、好ましくは250℃を超える、さらに好ましくは300℃を超える、またさらに好ましくは325℃を超える融点を有する。

    本発明の4,4'−DFBPを使用して製造される、特に好ましいPAEKポリマーは、式(VII)の反復単位(R1)のホモポリマーであり、すなわち、ポリ(アリールエーテルケトン)のすべての反復単位が式(VII)の反復単位(R1)である。

    このPEEKホモポリマーは好ましくは、RV0.50〜1.40;さらに好ましくはRV0.60〜1.30を有し、例えば本発明の4,4'−DFBPおよびp−ヒドロキノンを用いて製造することができる。 実施例に詳述されるDSC条件を用いて、このPEEKポリマーの目標融解熱(J/g)は、RVが、実施例で詳述されるように濃H SO 中で25℃にて測定されるポリマー還元粘度である場合、好ましくは≧68.0−26.6 RV(dl/g)である。

    参照により本明細書にすべて組み込まれる、米国特許第3,953,400号明細書、米国特許第3,956,240号明細書、米国特許第3,928,295号明細書、および米国特許第4,176,222号明細書、および米国再発行特許第34085号明細書にも、PAEK半結晶質樹脂およびその製造方法が開示されている。 上記に示すように、PAEKポリマーは一般に、芳香族求核置換によって製造される。 例えば、ビスフェノールをNaOH、Na CO またはK CO などの塩基で脱プロトン化し、次いで、脱離基として働く、ジハロベンゾフェノンのハロゲン原子、特に4,4′−ジフルオロベンゾフェノン(4,4'−DFBP)のフッ素原子との求核置換によって、得られたビスフェノレートを例えばジハロベンゾフェノンと、特に4,4'−DFBPと反応させる。

    かかるPAEK反応は通常、ジフェニルスルホンである場合が多い、あるいはジフェニルスルホンを含有する場合が多い、溶媒中で行われる。 しかしながら、他の溶媒:ベンゾフェノン、ジベンゾチオフェンジオキシド等を使用することができる。

    本発明による方法において、半結晶質PAEKは、上記に詳述される1つまたは複数の特定の不純物限界を満たす4,4'−DFBPと求核剤とを反応させることによって製造される。

    本発明による方法において、種々の求核剤が使用される。 本発明で使用される求核剤は好ましくは、p−ヒドロキノン(「ヒドロキノン」として一般に知られる)、4,4'−ジヒドロキシベンゾフェノン、4,4'−ビフェノール、1,4−ビス−(p−ヒドロキシベンゾイル)ベンゼン、1,3−ビス−(p−ヒドロキシベンゾイル)ベンゼンおよびその混合物からなる群から選択される。 さらに好ましくは、それはp−ヒドロキノンである。 本発明による方法において、求核剤と4,4′−ジフルオロベンゾフェノンとの反応は、溶媒中での芳香族求核置換によって有利に起こる。 溶媒としては好ましくは、以下の実施形態(D)で指定される1つまたは複数の不純物限界を満たすジフェニルスルホンが挙げられる。

    実施形態(D)
    本発明の好ましい実施形態(D)において、半結晶質ポリ(アリールエーテルケトン)を製造する方法は、ジフェニルスルホンを含む溶媒中での芳香族求核置換により求核剤と4,4′−ジフルオロベンゾフェノンを反応させることによる方法であり、前記ジフェニルスルホンは、以下の不純物限界のうちのすくなくとも1つを満たす:


    ppmおよび重量%は、ジフェニルスルホンの全重量に対するものであり、面積%は、ジフェニルスルホンのすべてのGCピーク総面積に対する対象不純物のGCピーク面積の割合を表す。

    ジフェニルスルホン中の残留酸性度含有量は、以下のように決定することができる。 ジフェニルスルホン試料約3gを最近傍0.1mgまで計量し、空のガラス滴定容器に添加する。 高純度塩化メチレン55mlを添加し、続いて、1リットル当たり37%塩酸を6滴含有するスパイク溶液の5.00mlアリコートを同じ滴定容器に添加する。 次いで、ビュレット先端部、pH電極、および電磁スターラーを含む滴定装置セル組立品に容器を取り付ける。 次いで、二酸化炭素不含窒素で容器を5〜7分間パージする。 窒素パージを続けながら、容器の内容物をメタノール:トルエン(1:12)中の0.025N酸化テトラブチルアンモニウムで滴定し、強酸終点に達するのに必要な滴定液の体積を測定する。 試料を省くことを除いては、同じパラメーターを用いて、ブランク滴定を行う。 以下の等式:
    酸性度=試料1g当たりの((VS1 VB1) 100000)/W(マイクロ当量)
    を用いて、結果を計算する。
    式中、VS1は、試料溶液が滴定される場合の、強酸/塩基当量点に達するのに必要な滴定液の量(ml)であり、VB1は、ブランク溶液のみが滴定される場合の、強酸/塩基当量点に達するのに必要な滴定液の量(ml)であり、Wは試料重量であり、Nは、水酸化テトラブチルアンモニウム滴定液の規定度である。 酸性度が負の場合には、試料は塩基性種を含有する。

    ジフェニルスルホン中のナトリウム、カリウム、および鉄含有量は以下のように決定される。 ナトリウム、カリウム、および鉄の濃度は、試料を灰化し、続いて誘導結合プラズマ原子分光分析により元素濃度を測定することによってジフェニルスルホン中で測定される。 化学てんびんを使用して、白金るつぼにジフェニルスルホン試料約3gを計り入れる。 微量金属グレードの濃硫酸2滴を各試料に添加し、250℃に設定されたマッフル炉にるつぼを入れる。 ジフェニルスルホンが蒸発した後、炉の温度を1時間525℃に上昇させ、有機残留物を除去する。 るつぼに濃塩酸1mlを添加し、50℃で温めて灰を溶解することによって、金属残留物を溶解する。 脱イオン水5mlを添加し、さらに温めた後に、るつぼの内容物を定量的に、25mlメスフラスコに移し、脱イオン水でマークまで希釈し、よく混合する。 次いで、ナトリウム、カリウム、および鉄の認証標準液から調製された標準物質に対して、ICP−AESによって希釈溶液を分析する。 対象の元素の以下の波長で発光がモニターされる:ナトリウム:589.592nm、カリウム:766.490nmおよび鉄:238.204nm。 分析に用いられるプラズマ条件は:プラズマ入電力:1300ワット、プラズマアルゴン流:15リットル/分、補助アルゴン流:0.5リットル/分、ネブライザー流れ:1.2リットル/分、および試料流量:1.5ミリリットル/分である。 試料における元素濃度は、元素発光ライン強度からICPオペレーティングソフトによって計算される。

    ジフェニルスルホンにおける塩素総含有量は、以下のように決定される。 鉗子を用いて、清潔な乾燥した燃焼ボートを微量天秤に置き、バランスをゼロにする。 ジフェニルスルホン試料1mgをボートに計り入れ、重量を0.001mgまで記録する。 燃焼ボートおよび試料をThermo Electron Corporation ECS 1200 Halogen Analyzerの導入口に入れ、導入口に蓋をする。 コンピューター装置の試料重量範囲に試料重量を入れる。 次いで、試料分析サイクルを開始する。 アルゴンと酸素の混合物中で試料を燃焼させ、燃焼生成物は、燃焼ガス流によって滴定セル内へと運ばれる。 燃焼から生成される塩化水素は、ガス流からセル溶液中に吸収され、銀イオンで電量的に滴定される。 総塩素含有量は、滴定の最後に示される。

    ジフェニルスルホン中のジフェニルスルフィド含有量は、以下に説明されるように液体クロマトグラフィーによって決定することができる。 HPLC分析は、Supelco Discovery HS F5 25cm×4.6mmカラムを使用して、Waters Alliance 2795 LC装置で行われる。 分析条件は以下のとおりである;
    移動相:アセトニトリル/脱イオン水 勾配:アセトニトリル/水(60/40)を5分間保持し、さらに10分後に100%アセトニトリルに増加し、100%アセトニトリルにて5分間保持する 流量:1ml/分 注入体積:10μl
    検出:254nmの紫外線

    アセトニトリル10gにDPS0.2gを溶解することによって、試料を調製する。 ジフェニルスルフィドの濃度は、外部キャリブレーション標準(市販されている)として低濃度ジフェニルスルフィドを使用して決定される。 DPSの保持時間は通常、6.2分であり、ジフェニルスルフィドの保持時間は通常、10.7分である。 DPS試料におけるジフェニルスルフィド濃度は、ジフェニルスルフィドのピーク面積/DPS+不純物の総ピーク面積によって推定される。

    ジフェニルスルホン中のモノクロロジフェニルスルホンおよびモノエチルジフェニルスルホン含有量は、以下に説明されるようにガスクロマトグラフィーによって決定することができる。 GC分析は、Restek RTx−5MS、15m×内径0.25mm×膜厚0.25μのカラムを使用してHP5890シリーズ11ガスクロマトグラフで行われる。 以下のGC条件が用いられる:
    ヘリウム流量:1ml/分 インジェクター温度:250℃
    FID温度:250℃
    オーブン温度プログラム:100℃で1分間保持し、30℃/分で250℃に昇温し、1分間保持する 総実行時間:14分 注入体積:1μl
    分割40:1

    アセトン5ml中にDPS0.2gを溶解することによって、試料を調製する。 モノエチルジフェニルスルホン異性体のGC保持時間は通常、8.0および8.1分であり、モノクロロジフェニルスルホンの保持時間は8.2分である。 不純物の同定は、試料溶液で実施されるGCMSによって決定される。 不純物濃度は、GC FIDピーク面積から計算される面積%として示される。 数種類の異性体が存在する場合、その濃度は、これらの異性体の合計を含む。

    アセトン中のDPSの色(APHA)は、以下のように決定することができる。 25℃のアセトン80gにジフェニルスルホン20gを溶解する。 使用されるアセトンは、水を0.5重量%未満含有する。 溶液の色は、比較のためにGretag Macbeth Color Eye Ci5分光光度計を用いて、APHAスケール(ASTM D1209−00)においてPt−Co標準と比較して測定される。 使用されるブランクは蒸留水である。

    本発明の実施形態(D)に従った方法において、前記ジフェニルスルホンは好ましくは、モノエチルジフェニルスルホン、モノクロロジフェニルスルホンおよび残留酸性度の不純物限界を満たす。

    さらに、またはその代わりとして、本発明の実施形態(D)に従った方法において、前記ジフェニルスルホンは好ましくは、ナトリウム、鉄、ジフェニルスルフィドの不純物限界、および25℃のアセトン中の20重量%溶液のAPHAを満たす。

    本発明の実施形態(D)に従った方法において、上記のすべての不純物限界が満たされた場合には、優れた結果が得られた。

    本発明による方法において、求核剤と4,4′−ジフルオロベンゾフェノンとの反応は、アルカリ金属炭酸塩の存在下にて、しばしば不活性雰囲気下にて、かつポリマーの融点に近い温度で、芳香族求核置換によって有利に起こる。 アルカリ金属炭酸塩としては好ましくは、以下の実施形態(E)で指定される特定の粒径分布を有する粒状炭酸ナトリウムが挙げられる。

    実施形態(E)
    本発明の好ましい実施形態(E)において、半結晶質ポリ(アリールエーテルケトン)を製造する方法は、粒状炭酸ナトリウムの存在下にて、芳香族求核置換によって求核剤を4,4′−ジフルオロベンゾフェノンと反応させることによる方法であり、4,4′−ジフルオロベンゾフェノンは、上記で詳述される1つまたは複数の不純物限界を満たし、かつ前記粒状炭酸ナトリウムは、以下の粒径分布:
    90 ≧45μmおよびD 90 ≦250μmおよびD 99.5 ≦710μm
    を有する。

    本明細書で使用される、D xx ≦Yμmと表される炭酸ナトリウム粒径分布は、直径Yμm以下である、試料中の炭酸ナトリウム粒子のパーセンテージ(xx%)(重量による)を意味する。

    一方、実施形態(E)に従って、「微細すぎる」Na CO は、注目すべきことには、取り扱いが難しい低かさ密度生成物および制御が難しい合成反応キネティクスが導かれることから避けられる。 これに関して、出願人は、D 90 ≧45μmを有するNa CO が有益であることを見出した。

    他方では、実施形態(E)に従って、注目すべきことには、重合速度を減速するか、または好ましくない多量のK CO またはより高い他のアルカリ金属炭酸塩(固定されたNa CO 量で)を使用する必要があるため、特定量の「大きな」粒子、特に「非常に大きな」粒子(すなわち、一般に約710μm以上)を含有するNa CO も、避けられるべきであり;特定量の「大きな」粒子、特に「非常に大きな」粒子を含有するNa CO もまた、キネティクスの一貫性が低い重合を生じる結果となり得る。 これに関して、出願人は、D 90 ≦250μmおよびD 99.5 ≦710μmを有するNa CO も有益であることを見出した。

    実施形態(E)に従った粒状炭酸ナトリウムの使用は、p−キシレンなど、水と共沸混合物を形成する共溶媒の非存在下にて容易にPAEKを合成し、それによって、微量の残留共溶媒(p−キシレンなどのかかる共溶媒は一般に毒性である)を含有しないPAEKを製造する能力を含む、いくつかの利点を提供する。 PAEK半結晶質樹脂の合成で使用される水と共沸混合物を形成する共溶媒は、当業者には公知であり、p−キシレンの他に、クロロベンゼン、トルエン等が挙げられる。 実施形態(E)に従った粒状炭酸ナトリウムの使用によって、より低い色、より白いPAEK半結晶質樹脂を製造することも可能となる。 実施形態(E)に従った粒状炭酸ナトリウムの使用によって、キネティクスの一貫性も有益に向上する。

    好ましくは、実施形態(E)に従った炭酸ナトリウム粒子のD 99.5は、最大で630μm;さらに好ましくは、最大で500μm;またさらに好ましくは、最大で425μmであり;最も好ましくは、最大で355μmである。

    好ましくは、実施形態(E)に従った炭酸ナトリウム粒子のD 90は、少なくとも63μm;さらに好ましくは、少なくとも90μm;またさらに好ましくは、少なくとも112μmである。

    好ましくは、実施形態(E)に従った炭酸ナトリウム粒子のD 90は、最大で212μm;さらに好ましくは最大で180μm;またさらに好ましくは、最大で150μmである。

    実施形態(E)の特定の好ましいサブ実施形態において、炭酸ナトリウムは以下の粒径分布:
    −D 99.5 ≦630μm、D 90 ≦212μm、およびD 90 ≧45μm;または−D 99.5 ≦500μm、D 90 ≦212μm、およびD 90 ≧45μm;または−D 99.5 ≦425μm、D 90 ≦212μm、およびD 90 ≧45μm;または−D 99.5 ≦630μm、D 90 ≦180μm、およびD 90 ≧45μm;または−D 99.5 ≦500μm、D 90 ≦180μm、およびD 90 ≧45μm;または−D 99.5 ≦425μm、D 90 ≦180μm、およびD 90 ≧45μm;または−D 99.5 ≦630μm、D 90 ≦212μm、およびD 90 ≧63μm;または−D 99.5 ≦500μm、D 90 ≦212μm、およびD 90 ≧63μm;または−D 99.5 ≦425μm、D 90 ≦212μm、およびD 90 ≧63μm;または−D 99.5 ≦630μm、D 90 ≦212μm、およびD 90 ≧90μm;または−D 99.5 ≦500μm、D 90 ≦212μm、およびD 90 ≧90μm;または−D 99.5 ≦425μm、D 90 ≦212μm、およびD 90 ≧90μm
    を有する。

    実施形態(E)に従った炭酸ナトリウムの粒径分布は、機械的ふるい分けによって決定することができる。 この方法は、容易であり、利用可能性が広く、繰返し精度が優れているため、高く評価されている。 機械的ふるい分けは一般に、一連の重ね合わされたふるい上での様々な画分の機械的分離に基づく。 この分析は、一部または完全にASTM E359−00(再承認された2005) 1に従って行われ、その全内容は参照により本明細書に組み込まれる。 ASTM E359−00(再承認された2005) 1は、特に炭酸ナトリウムについて行われる様々な測定、特にふるい分析に関する。 粒径分布は有利なことに、Ro−Tap RX−29ふるい振盪機(W.S.Tyler Companyによって製品化されている)などの自動機械ふるい分け装置で決定される。 ふるい振盪機に取り付けられたふるいは有利なことに、標準ISO3310−1またはASTM E−11に準拠しており、好ましくは直径200mmを有するスクエアメッシュのワイヤーステンレス鋼円形ふるい、メタルマウンティング(metal mounting)に一致する。 装置およびそのふるいは有利には、標準粉末を用いて一定間隔をあけてチェックされ;メッシュが損傷する可能性があることから、制御周波数は、偏りを早期に検出するために可能な限り高いことが望ましい。 一般に、以下のように進行する:メッシュの目の開きの大きい順に上から下へ、ふるいを重ね合わせ、組立て;調べるべき固定重量の粉末を化学てんびんで計り、最大幅のふるいの最上部に置き;ふるい分け機を振動させることによって、様々なふるいを通って、粉末材料が運ばれる;ふるい分け作業は、一定時間の間に行われ;ふるい上の残留物を化学てんびんで計量し、材料の初期重量に対して数学的に関係付けられる。 注目すべきことには、D 90およびD 99.5値は、残留物の重量から計算することができる。 この計算は一般に、以下のように行われる:
    1)各ふるい上に保持された試料の重量%を計算する。
    2)各ふるいを通過した重量%を表し、累加する。

    この結果はグラフで表され、y座標は、特定のふるい上に保持された累積重量%粒子を表す。 X座標はふるいのサイズに相当する。 特定のふるいのY値は、そのふるい上に保持された粒子の重量に、その上の目の大きなすべてのふるい上に保持された粒子の重量を加え、その合計を試料の全重量で割ることによって、決定することができる。

    ふるいは、特にLAVAL LAB Incから製品化されている、直径200mmを有するISO 3310−1またはASTM E−11試験用ふるいであることができる。 特定の適切なふるいのセットは、直径200mmを有し、以下の開口サイズまたはASTM目開き指定:1000μm(ASTM No.18)、500μm(ASTM No.35)、250μm(ASTM No.60)、180μm(ASTM No.80)、125μm(ASTM No.120)、90μm(ASTM No.170)、63μm(ASTM No.230)および45μm(ASTM No.325)を有する、ISO3310−1またはASTM E−11試験用ふるいで構成される。

    ふるい分け分析の最後に、各スクリーン上に捕えられた重量分率が計算される。 したがって、サイズx の、Φ . 、ふるいi上の分率は:


    であり、


    式中、w

    は、ふるいi上に収集された粉末の重量、試料重量であり、


    したがって、サイズx

    下のパーセンテージは:



    と定義される。

    累積曲線を得るために、P 、サイズx 下のパーセンテージは、x に対してプロットされる。 曲線は、以下の傾きを各点で考えることによって得られる:

    3)D 値を決定する(0<z<100)、例えばD 90およびD 99.5を決定する。
    は、P=z/100の曲線の横座標として定義され、すなわち、試料のz重量%は、D のサイズ下にある。
    90は、P=0.90の曲線の横座標として定義され、すなわち、試料の90重量%は、D 90のサイズ下にある。
    99.5は、P=0.995の曲線の横座標として定義され、すなわち、試料の99.5重量%は、D 99.5のサイズ下にある。

    粒状Na CO の特定のサイズ分布、特にD 90およびD 99.5を測定するための例示的な方法装置:
    − 組み合わされた運動を水平面で伝達することができ、重ね合わされたふるいのパイルに対して縦軸に沿って衝撃を与える、機械的ふるい分け装置(使用される装置:水平回転数278回転/分および150タップ/分を有する、RO−TAP RX−29モデルまたは同等品)
    − NF ISO3310−1標準に準拠し、かつ標準粉末を用いて一定間隔でチェックされる、直径200mmを有する、一連の円形ふるい、スクエアメッシュ、メタルマウンティングを有するワイヤーステンレス鋼。

    メッシュの目の開き(μmのサイズ)の大きい順:1000μm、500μm、250μm、180μm、125μm、90μm、63μmおよび45μmで重ね合わされたふるい。
    − 化学てんびん、精度0.01g。
    方法:
    − 試料:粉末70gを0.01gまで計量する。
    − ふるいのパイル上の試料を装置に移し、装置に位置付ける。
    − 15分間ふるいにかける。
    − 各ふるいの内容物を0.01gまで計量する。

    計算:
    各ふるい上に保持された試料の重量%を計算する。

    各ふるいを通過した重量%を表し、累加する。

    図式的補間法によって、累積重量パーセンテージ90%および99.5%に相当するメッシュの目開きを決定する(D 90 ,D 99.5 )。

    実施形態(E)に従って使用される炭酸ナトリウムの粒径分布は有利なことに、前記方法で使用された炭酸ナトリウム全体の代表である試料で決定される。 適切なサンプリングを行うために、一般知識の一部を形成し、かつ限定されないが、その全内容が参照により本明細書に組み込まれる、Sampling,Reg. Davies,in Kirk−Othmer Encyclopaedia of Chemical Technology,online Ed. 2000などの様々な専門辞典に広く記述されている、すべてのサンプリング推奨基準に、当業者は有利なことに、依拠するであろう。 炭酸ナトリウムは易流動性粉末として見られることから、保存された易流動性粉末に適したサンプリング手順を使用することが好ましい。

    炭酸ナトリウムは、高密度炭酸ナトリウムまたは低密度炭酸ナトリウムの形状で広く市販されている。 軽灰とも呼ばれる低密度炭酸ナトリウムは一般に、ISO903標準に準拠して測定される易流動性密度0.48kg/dm 〜0.65kg/dm を有する。 通常、重灰と呼ばれる高密度炭酸ナトリウムは一般に、ISO903標準に準拠して測定される易流動性密度0.90kg/dm 〜1.20kg/dm を有する。 一般に、市販の高密度炭酸ナトリウムも低密度炭酸ナトリウムも、実施形態(E)によって必要とされる粒径分布を持たない。 しかしながら、以下に説明されるように、適切な粒径条件を有する炭酸ナトリウムを得るために、検索することは当業者には容易なことである。

    実施形態(E)で必要とされる粒径分布を有する高密度炭酸ナトリウムは注目すべきことに、実施形態(E)に準拠しない粒径分布を有する高密度炭酸ナトリウムを適切に粉砕し、かつ/またはふるい分けすることによって得られる。 高密度炭酸ナトリウムに関する限り、少なくとも1つの粉砕工程に続いて、少なくとも1つのふるい分け工程を含む方法が好ましい。 適切な粉砕機として、特にジェットミル、例えばヘリカルジェットミル、楕円形管ジェットミル(oval tube jet mill)、カウンタージェットミル、流動床ジェットミル、ボールおよびプレートジェットミルが挙げられ、使用することができる。 適切なふるいとして、特に710μm、630μm、500μm、400μm、300μm、250μm、200μm、150μmおよび125μmふるいが挙げられる。

    本発明の実施形態(E)で必要とされる粒径分布を有する低密度炭酸ナトリウムもまた、実施形態(E)に準拠しない粒径分布を有する低密度炭酸ナトリウムを適切に粉砕し、かつ/または、ふるい分けすることによって得られる。 しかしながら、低密炭酸ナトリウムに関する限り、粉砕工程を含まない方法が好ましく;かかる方法は、ふるい分け工程を含んでも、含まなくてもよい。 実施形態(E)に準拠する粒径分布を有する低密度炭酸ナトリウムを得るために特に好ましい方法は、以下に詳述される市販の低密炭酸ナトリウムのうちの1つまたは複数の等級の異なるロットの中から前記低密炭酸ナトリウムを選択することを含む。 出願人は、異なる供給元から市販される(未粉砕)低密炭酸ナトリウムの多くのロットの粒径分布を決定し、これらのすべてのロットの中で、どのロットも45μm未満のD 90を持たず;実際には、それらのD 90は約100μm〜約250μmの範囲であることが多く、すなわち、これらのロットは、本発明の実施形態(E)に準拠する、D 90に関して設定された両方の条件に適合する場合が多いことを確認した。 市販の低密炭酸ナトリウムのD 99.5に関して、本出願人は驚くべきことに、同じ工場において同じ製造元によって比較的短い間隔で製造されたロットについて考察した場合を含んで、1つのロットともう1つのロットのばらつきが非常に高いことを確認した;製造されるロットの中で、特定のロットは適切な粒径条件を有するが、同じ商用銘柄の他の特定のロットは、本発明の実施形態(E)に準拠していない710μmを超えるD 99.5を有することから、このばらつきをそれ自体の利益に利用することができることを、賢明にもそこから推定した。 この商用銘柄のかなり高い割合が、本発明に準拠するロットによって形成されていることから、試験された炭酸ナトリウムのなかで、特にDombasleまたはRosignanoプラントで製造されたSODASOLVAY(登録商標)L炭酸ナトリウムは、特に魅力的であり;したがって、本出願人は、本発明の実施形態(E)に従って使用するのに適している適切なロットを容易に同定することができた。

    実施形態(E)の条件を満たす炭酸ナトリウム粉末の使用から得られる重要かつ意外な利点は、PAEKの製造において、炭酸カリウムの量を制限することが可能となり、かつより高い他のアルカリ金属炭酸塩の概してより多くを使用することが可能となることである。 炭酸カリウム以外のより高いアルカリ金属炭酸塩として、特に炭酸ルビジウムおよび炭酸セシウムが挙げられる。

    このように、実施形態(E)に従って、A/Naのモル比(Aは、K、CsまたはRbまたはそのいずれかの組み合わせを表す)は、最大0.050(A(モル)/Na(モル))、好ましくは最大0.020(A(モル)/Na(モル))、さらに好ましくは最大0.010(A(モル)/Na(モル))である。 特に意外な特性のサブ実施形態において、A/Naのモル比は0に等しい(すなわち、K、CsおよびRbの非存在下で求核置換が起こる)。 他のサブ実施形態において、A/Naのモル比は、低レベルで維持されているが(例えば、上記で指定される上限に従って)、0を超え、好ましくは少なくとも0.001(A(モル)/Na(モル))、さらに好ましくは少なくとも0.002(A(モル)/Na(モル))、またさらに好ましくは少なくとも0.003(A(モル)/Na(モル))である。 炭酸ナトリウムの粒径分布と異なり、炭酸カリウムの粒径分布は、存在する場合には重要ではないが、微粉砕された炭酸カリウムを使用した場合に、重合キネティクスに関してわずかな向上が認められる。

    実施形態(E)の特定のサブ実施形態において、ポリ(アリールエーテルケトン)を製造する方法はさらに、上述の実施形態(D)に従って満たされた技術限界を満たす。

    分析方法DSC条件 ASTM D3418−03、E1356−03、E793−06、E794−06に従って、キャリアーガス(純度99.998%,50ml/分)として窒素を用いて、TA Instruments DSC2920でDSC測定を行った。 インジウムを用いて、温度および熱流の較正を行った。 試料サイズは5〜7mgであった。 重量は±0.01mgで記録された。

    熱サイクルは以下のとおりであった:
    第1熱サイクル:20.00℃/分にて50.00℃から380.00℃に上昇、380.00℃にて1分間等温。
    第1冷却サイクル:20.00℃/分にて380.00℃から50.00℃に低下、1分間等温。
    第2熱サイクル:20.00℃/分にて50.00℃から380.00℃に上昇、380.00℃にて1分間等温。

    第2熱スキャンで融解エンタルピーを決定した。 PEEKの溶融は、220℃から最終吸熱を超える温度(一般に370〜380℃)に引かれる直線ベースラインを超える領域とする。

    メルトフローインデックスの測定条件 ASTM D1238−04に従って400℃にて荷重2.16kgを用いて、メルトフローインデックスを測定した。 ダイは以下の寸法:直径2.0955mm、長さ8.000mmを有した。 乾燥ポリマー(170℃で4時間乾燥させた)3gの装入物を使用した。 MF 10は、ポリマーがバレル内で10分間維持された後に測定されたメルトフローインデックスである。 MF 30は、同一条件下であるが、ポリマーがバレル内で400℃にて30分間維持された後に測定されたメルトフローインデックスである。 MFR(メルトフロー比)は、MF 30 /MF 10の比であり、ポリマーの溶融安定性を反映する。 MFR<1は、規定時間外の粘度の増加を示す。

    RV測定条件 濃硫酸(1重量%/vol)中で25℃にてASTM D2857−95(2007)に従って、還元粘度(RV)を測定した。 粘度計管はnumber50 Cannon Fenskeであった。 使用された溶液は、濃硫酸(95〜98%,密度=1.84)100ml±0.3mlに樹脂1.0000±0.0004gを溶解することによって調製した。 濃度C(g/dl)は、体積(dl)(100ml=1dl)で割ったポリマー重量(g)に等しい。 溶解を促進するために、粉砕された粉末(およその平均粒径200〜600μm)を用いた。 試料は室温で溶解した(加熱なし)。

    使用前に、溶液をガラスフリット(中程度の多孔度)で濾過した。


    (式中、t

    溶液およびt

    溶媒はそれぞれ、溶液およびブランク溶媒について測定された流出時間である)


    として、RVを計算した。 流出時間に関して、少なくとも3の測定値の平均を用いた。 これらの条件下にて、流出時間は、200秒より長く、運動エネルギーの補正は適用されなかった。

    ポリマーのスルホン化は濃硫酸中で起こることから、溶液の流出時間は、溶液を調製した後の3時間以内に測定しなければならない。

    液体クロマトグラフ分析による4,4'−ジフルオロベンゾフェノン中の2,4'−DFBPおよび4−モノフルオロベンゾフェノンの決定 HPLC法は、Supelco Discovery HS F5,5μm,25cm×4.6mmカラムを使用して、Agilent 1100LC装置で行われる。 分析条件は以下のとおりである;
    移動相:アセトニトリル/脱イオン水。
    勾配:アセトニトリル/水(60/40)を5分間、さらに10分後に100%アセトニトリルに増加する。
    流量:1ml/分 検出:紫外線254nm
    温度:50℃
    注入体積:5μl

    アセトン100ml中に4,4'−DFBP約0.01gを溶解することによって、試料を調製した。

    較正曲線を作製するために、これらの市販の化合物の3通りの濃度の3つの外部標準での較正を用いて、4,4'−ジフルオロベンゾフェノンにおける2,4'−ジフルオロベンゾフェノンおよび4−モノフルオロベンゾフェノンの量を決定した。

    2,4'−DFBPの保持時間は約7.4分であり、4−モノフルオロベンゾフェノンについては7.1分であった。 4,4'−DFBPの保持時間は約7.7分であった。

    その結果を2種類の不純物のppmとして表す。

    ガスクロマトグラフィーによる4,4'−ジフルオロベンゾフェノンの純度およびガスクロマトグラフィーによる4,4'−ジフルオロベンゾフェノン中のクロロフルオロベンゾフェノンの純度の決定。
    ガスクロマトグラフィー分析は、HPカラム:HP−5,15m×直径0.25mm,膜厚0.25μを用いて、Agilent HP6890ガスクロマトグラフで行い、実施条件は以下のとおりであった:
    インジェクター温度:290℃
    検出器温度(FID):300℃
    オーブン勾配(Oven ramp):60℃で1分間保持し、次いで30℃/分で325℃に上昇させ、325℃で5分間保持する。
    分割比60:1
    注入体積:0.2μl
    キャリアーガス流(ヘリウム):1ml/分

    アセトン5mlに4,4'−ジフルオロベンゾフェノン150mgを溶解することによって、試料を調製する。

    4,4−ジフルオロベンゾフェノンのGC保持時間は約5.7分であり、モノ−Cl,F−ベンゾフェノンについては約7.0分である。

    4,4'−DFBP純度は、面積%の表におけるGCピーク面積から計算された面積%として示される。 クロロフルオロベンゾフェノン不純物のピークは、GCMS分析によって同定し、市販の化合物の外部標準を用い、かつ異性体が同じ応答因子を有すると想定して、そのGCピーク面積からその量を推定した。

    4,4'−ジフルオロベンゾフェノンにおける塩素含有量の決定 鉗子を用いて、清潔な乾燥した燃焼ボートを微量天秤に置き、バランスをゼロにした。 4,4'−ジフルオロベンゾフェノン試料1mgをボートに計り入れ、重量を0.001mgまで記録した。 燃焼ボートおよび試料をThermo Electron Corporation ECS1200 Halogen Analyzerの導入口に入れ、導入口に蓋をする。 コンピューター装置の試料重量範囲に試料重量を入れた。 次いで、試料分析サイクルを開始する。 アルゴンと酸素の混合物中で試料を燃焼させ、燃焼生成物は、燃焼ガス流によって滴定セル内に運ばれた。 燃焼から生成された塩化水素は、ガス流からセル溶液中に吸収され、銀イオンで電量的に滴定された。 塩素総含有量は、滴定の最後に示された。

    本発明は、以下の非制限的な実施例によって説明される。 これらの実施例において、別段の指定がない限り、量は重量%で示される。

    実施例1
    スターラー、N 入口浸漬管、反応媒体中に差し込まれる熱電対を有するClaisenアダプター、および凝縮器を有するDean−Starkトラップ、およびドライアイストラップを備えた500ml四つ口反応フラスコに、ジフェニルスルホン[実施形態(D)の不純物限界すべてを満たす]175.00g、p−ヒドロキノン28.00g、4−FBPを780ppm含有する4,4'−DFBP57.12gおよびLC(Jintan ChunFeng Chemical Co.によって供給されており、さらに精製することなく使用される)によって測定された40ppm未満の2,4'−DFBP、Na CO (D 90 ≧45μm、D 90 ≦250μmおよびD 99.5 ≦710μm)26.77gおよび微粉砕K CO (D 50 <45μm)1.80gを導入した。 フラスコ内容物を真空下で排気し、次いでFirestoneバルブを使用してハウス窒素で4回充填し、次いで窒素パージ下に置いた(30ml/分)。 次いで、キシレン80.00gを反応器に導入し、反応混合物をゆっくりと200℃に加熱した(加熱時間1時間)。 キシレン/水の共沸混合物が、163〜170℃で蒸留除去され始めた。 反応混合物を200℃で30分間維持し、次いで250℃まで加熱し、250℃で30分間維持し、310℃まで加熱し、この温度で3時間維持した。 4,4'−DFBP(上記の純度の)1.42gおよびLiCl2.21gを反応混合物に添加し、混合物を310℃でさらに30分間維持することによって、反応停止を行った。 次いで、反応器からSSパンへと反応器内容物を注ぎ、冷却した。 固形物を崩し、2mmスクリーンを通して粉砕した。 アセトンおよび水および酸性水(pH=1)を用いて、DPSおよび塩を混合物から抽出した。 最終的な洗浄水のpHは≧5であった。 ポリマーを真空下にて120℃で乾燥させた。 ポリマーは、濃H SO 中で25℃にて測定された還元粘度1.17を有した。 以下に説明されるように決定されたDSCの第2熱サイクルで測定された融解エンタルピーは43.8J/gであった。

    実施例2〜8
    実施例1と同じ手順を用いたが、4,4'−DFBPの代わりに、異なるレベルの2,4'−DFBPおよび4−FBPを有する異なる4,4'−DFBP(Jintan ChunFeng Chemical Co.またはNavin Fluorineにより供給されており、さらに精製することなく使用される)を使用して、実施例2〜8を製造した。 異なる分子量を有するポリマー試料を得るために、異なる反応時間で反応を停止させた。

    実施例1〜4は、2,4'−DFBPを750ppm未満有する4,4'−DFBPを使用すると、良好な結晶化度レベルを有するポリマーを製造することができることを実証している。

    比較例5〜8は、750ppmを超える2,4'−DFBPを有する4,4'−DFBPを使用すると、低下した結晶化度レベルを有するポリマーが得られることを示している。

    意外なことに、低いGC純度レベルを特徴とする実施例1〜4では、比較例6と比較して良い結果が得られた。 すなわち、4FBPおよび2,4'−DFBP(特に、これらの実施例で検出された)と異なる不純物は、得られたポリマーの特性、特にその融解エンタルピーに軽微な影響を及ぼすか、まったく影響しない。

    DSCにおける第2熱サイクルの融解エンタルピーは図1に示され、その図は、dl/gで表される還元粘度(RV)に対してJ/gで表される融解エンタルピーのグラフであり、実施例1〜4が本発明による実施例である場合には、実施例5〜8が比較例であり、示される線は目標融解エンタルピーに相当する。

    実施例10および11
    実施例1と同じ手順を用いたが、4,4'−DFBPの代わりに、表2に示される添加された2−クロロ−4'−フルオロベンゾフェノン(DSL Chemicals,Shangaiにより供給されている)を含有する異なる4,4'−DFBP(Jintan ChunFeng Chemical Co.により供給されている)を使用して、実施例10および11を製造した。 10分後に測定されたメルトフローに対する30分後の400℃でのメルトフローの比によって、溶融安定性を測定した。 示されるように、モノマーが5000ppmを超えるクロロフルオロベンゾフェノンを含有する場合、ポリマーは、許容できない溶融安定性(MFR0.05)を示す。 好ましいMFR値は、0.50〜1.20を含む。

    2−クロロ−4'−フルオロベンゾフェノンの異性体は、溶融安定性に同様な影響を及ぼすと考えられる。

    実施例11(比較例)では、高レベルのクロロフルオロベンゾフェノンが溶融安定性に悪影響を及ぼすことが示されている(MFRが低すぎる)。

    上述のように、本発明は多くの側面を有する。 1つの側面では、求核剤を4,4′−ジフルオロベンゾフェノン(4,4'−DFBP)と反応させることによるPAEKポリマーを製造する方法は、上記の純度条件の1つまたは複数を満たす4,4'−DFBPを使用することによって向上するという点から、進歩が記述されている。 他の側面では、向上したPAEKポリマーが、本発明の4,4'−DFBPを用いて製造される。

    本発明の更なる態様および他の特徴は、以下の明細書において一部記述されており、以下を検討すれば、ある程度当業者には理解されよう、あるいは本発明の実施から学ぶことができる。 本発明の利点は、特に添付の特許請求の範囲に示されるように理解され、得ることができる。 理解されるように、本発明は、他の実施形態および異なる実施形態であることができ、そのいくつかの詳細は、すべてが本発明から逸脱することなく、種々の明らかな点から修正を加えることができる。 本明細書は、本質的に説明的であるとみなされ、制限的であるとみなされない。

    本発明の上述の明細書は、当業者がそれを製造および使用することができるように、それを製造および使用する手法および方法を提供する。 実施可能要件(enablement)は、特に元の明細書の一部を構成する添付の特許請求の範囲の手段に提供される。

    本明細書で使用される、「からなる群から選択される」、「から選択される」等のフレーズは、指定の材料の混合物を含む。 本明細書で使用される、「含有する」等の用語は、別段の指定がない限り、「少なくとも・・・を含む」を意味する「広い意味の用語」である。 「言及される」等のフレーズでは、使用することができ、かつ本発明を特定の材料に限定しない材料の前置きの例等が挙げられる。

    本明細書に記載のすべての参考文献、特許、出願、試験、標準、書類、出版物、小冊子、テキスト、記事は、参照により本明細書に組み込まれる。 多くの制限または範囲が指定されている場合、終点が含まれる。 また、数字限度内または範囲内のすべての値および部分的範囲は、あたかも明示されているがごとく明確に含まれる。

    上記の明細書は、当業者が本発明を製造および使用することができるように示されており、特定の用途およびその必要条件と関連して提供されている。 好ましい実施形態への種々の変更は、当業者には容易に理解され、本明細書で定義される一般的原理は、本発明の精神および範囲を逸脱することなく、他の実施形態および用途に当てはまる。 したがって、本発明は、示される実施形態に限定されることを意図するものではないが、本明細書に開示される原理および特徴と一致する最も広い範囲を与えるものである。 この点について、本発明内の特定の実施形態は、広く考慮に入れられる、本発明のあらゆる利点を示すものではない。

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