Pulp manufacturing device to minimize the adverse effects on the environment

申请号 JP50811495 申请日 1994-07-27 公开(公告)号 JPH09501992A 公开(公告)日 1997-02-25
申请人 カミヤー インコーポレーテッド; 发明人 カール ジー. ウィクルンド; エルッキ キイスキラ; ブライアン エフ. グリーンウッド; ヨハン グリックセン; ジャルモ ソダーマン; ツオモ ニカネン; ジョセフ アール. フィリップス; エスコ マッテルマキ; ロルフ リイハム; ジャン ティー. リチャードセン;
摘要 (57)【要約】 回収ボイラーを有するセルローズパルプ工場から排出される廃液が最小限化される。 漂白プラントおよび/またはプロセス流からの逸出余液が濃縮され、回収ボイラーで焼却される。 回収ボイラーからの排煙に存在する粒子が取り除かれ、カリウムと塩素分とを含む塩、および硫黄化合物が含まれる灰分が得られる。 灰分からカリウムと塩素分とを取り除き、一方硫黄含有化合物を回収ループへ戻す。 その結果、硫黄、塩素分、およびカリウムの 水 準のバランスが取れる。 硫黄は、普通、回収ボイラーへ入る直前の黒液流へ直接戻される。 緑液は、メルトから製造される。 緑液から金属を除くのが好ましい。 その後で緑液の苛性化(例えば、静置沈降および/または濾過による)、および緑液の結晶化を行って水 酸化 ナトリウムを製造する。
权利要求
  • 【特許請求の範囲】 1. 蒸解カン、漂白プラント、並びに粒子を含む排ガス及び蒸解薬剤を製造するに使われるメルトを発生する回収ボイラーを含む硫黄含有薬剤回収ループを有するセルローズパルプ工場から排出される廃液を最小限化する方法において、以下の諸工程、すなわち、 (a)漂白プラントからの廃液を、回収ボイラーでの焼却に十分な高濃度まで濃縮する工程、 (b)濃縮された漂白プラント廃液を回収ボイラーで焼却して、ナトリウム、 カリウム含有の塩、並びに塩素含有塩を含有する粒子、および硫黄化合物を含有する排ガスを発生させる工程、 (c)工程(b)からの排ガスからの粒子の大部分を除去して、塩素分を含有する塩を含む、ナトリウム塩およびカリウム塩並びに硫黄化合物を含む灰分を生成させる工程、および (d)工程(c)からの灰分からカリウムおよび塩素分を除き、一方灰分の硫黄含有化合物を回収ループへ戻し、工場中の硫黄、塩素、およびカリウムの水準のバランスを取る工程、 を包含する、セルローズパルプ工場から排出される廃液を最小限化する方法。 2. 工程(d)が、硫黄含有化合物を、回収ボイラーへ入る直前の黒液へ直接戻すことによって行われることを特徴とする請求の範囲1記載の方法。 3. 更に、次の諸工程、すなわち、 (e)蒸解カンから黒液を取り出す工程、 (f)黒液の固体濃度を焼却に十分な高濃度まで高める工程、 (g)濃縮された黒液を回収ボイラーで焼却して、メルトを生成する工程、 および、 (h)メルトおよび回収ルートへ供給された残留の灰分を含む回収ルートにある物質中から白液および/または実質的に硫黄を含まないNaOHを生成する工程、 を包含することを特徴とする請求の範囲1記載の方法。 4. 工程(h)が、少なくとも部分的には、メルトから緑液を製造し、緑液に結晶化を行ってNaOHを生成させ、そしてNaOHを漂白プラントへ送ることによって行われることを特徴とする請求の範囲3記載の方法。 5. 工程(a)が、漂白プラントからの逸出余液を濃縮し、濃縮された逸出余液が、引き続いて濃縮された漂白プラント廃液と一緒に処理されることによって行われることを特徴とする請求の範囲3記載の方法。 6. 工程(a)が、蒸発および濃縮操作を用い、少なくとも約50%の固形分濃度を有する廃液を生成することによって行われることを特徴とする請求の範囲5 記載の方法。 7. 回収ボイラーメルトから緑液を製造し、緑液から金属を取り除き、次いで金属を含まない緑液を苛性化する工程を更に包含することを特徴とする請求の範囲1記載の方法。 8. 苛性化された緑液に付け加えて、金属を含まない緑液に結晶化を行いNaO Hを製造し、このNaOHを漂白プラントへ送る工程を更に包含することを特徴とする請求の範囲7記載の方法。 9. 工程(d)が、硫黄含有化合物を、回収ボイラーへ入る直前の黒液へ直接戻すことによって行われることを特徴とする請求の範囲7記載の方法。 10. 金属を取り除く前記工程が、濾過、静置沈降、または濾過と静置沈降との組み合わせによって行われることを特徴とする請求の範囲7記載の方法。 11. プロセス液の流れを有し、そして蒸解カン、漂白プラント、および粒子を有する回収ボイラー排ガスを含む硫黄含有薬剤回収ループを備えるセルロースパルプ工場から排出される廃液を最小限化する方法において、以下の諸工程、すなわち、 (a)工場のプロセス液流からの逸出余液を捕集する工程、 (b)少なくとも工程(a)からの捕集された逸出余液を含む工場廃液を濃縮し、焼却に十分な高濃度までにする工程、 (c)工程(b)からの濃縮された廃液を焼却して、少なくともある程度硫黄を含む残渣を生成させる工程、および (d)少なくともある程度硫黄を含む残渣の少なくとも一部を薬剤回収ループへ戻し、蒸解カンに用いる白液の製造に用いる工程、 を包含する、セルロースパルプ工場から排出される廃液を最小限化する方法。 12. 工程(c)が、廃液を回収ボイラー中で直接焼却して、ナトリウム、カリウムを含む塩、並びに塩素分含有塩を含む粒子、および硫黄化合物を含有する排ガスを発生することによって行われ、更に、次の諸工程、すなわち、(e)排ガスからの粒子の大部分を除去して、塩素分を含有する塩を含む、ナトリウム塩およびカリウム塩並びに硫黄化合物を含有する灰分を生成させる工程、および( f)工程(e)の灰分からのカリウムおよび塩素分を除去し、一方灰分の硫黄含有化合物を回収ループへ戻し、工場中の硫黄、塩素分、およびカリウムの水準のバランスを取る工程を包含することを特徴とする請求の範囲11記載の方法。 13. 工程(f)が、硫黄含有化合物を、回収ボイラーへ入る直前の黒液へ直接戻すことによって行われることを特徴とする請求の範囲12記載の方法。 14. 工程(b)の実施に先立って、捕集された逸出余液の清澄化を行う工程( e)が更に包含されることを特徴とする請求の範囲11記載の方法。 15. 工程(c)が、回収ボイラーとは異なる焼却炉中で行われ、この工程で硫酸塩、塩化ナトリウム、および炭酸塩を含有する残渣が生成され、更に、次の諸工程、すなわち、(e)残渣を硫酸と一緒に蒸留してガス状塩化水素と、残留の残渣とを生成させる工程、および(f)薬剤プラントにおいて工程(e)からのガス状塩化水素を用いて漂白プラントに使われる二酸化塩素を製造する工程を包含し、この工程(d)は、少なくとも部分的には、工程(e)からの残留の残渣を回収ループへ送ることによって行われることを特徴とする請求の範囲11記載の方法。 16. 工程(c)が、回収ボイラーとは異なる焼却炉中で行われ、この工程でナトリウム、硫酸塩、および炭酸塩を含有する残渣が生成され、更に、次の工程、 すなわち、(e)残渣を浸出して浸出液を生成させる工程を包含し、この工程( d)は、少なくとも部分的には、少なくとも実質的な部分の浸出液を薬剤回収ループへ供給することによって行われることを特徴とする請求の範囲11記載の方法。 17. 蒸解カン、漂白プラント、および粒子を有する回収ボイラー排ガスを含む硫黄含有薬剤回収ループを有するセルローズパルプ工場から排出される廃液を最小限化する装置において、 以下の諸手段、すなわち、 (a)漂白プラントからの廃液を、回収ボイラーでの焼却に十分な高濃度まで濃縮する手段、 (b)濃縮された漂白プラント廃液を回収ボイラーへ、そこでの焼却目的に供給して、ナトリウム、カリウム含有の塩、および塩素分含有塩を含有する粒子、 並びに硫黄化合物を含有する排ガスを発生させる手段、 (c)工程(b)からの排ガスからの粒子の大部分を除去して、塩素分を含有する塩を含み、カリウム塩および硫黄化合物を含む灰分を生成させる手段、 および (d)手段(c)の灰分からのカリウムおよび塩素分の少なくともある程度の量を取り除き、一方灰分の硫黄含有化合物の大部分を回収ループへ戻し、工場中の硫黄、塩素分、およびカリウムの水準のバランスを取る工程、 を備えた、セルローズパルプ工場から排出される廃液を最小限化する装置。 18. 前記の手段(d)が、硫黄含有化合物を、回収ボイラーへ入る直前の黒液へ戻す手段を備え、その際前記の手段(a)が、約100ミクロン未満の厚さを有する金属/プラスチック積層体で構成された複数の蒸発器を備えたことを特徴とする請求の範囲17記載の装置。 19. 蒸解カン、漂白プラント、および回収ボイラーを含む硫黄含有薬剤(蒸解薬剤を製造するのに使われるメルトを含む)回収ループを有するセルローズパルプ工場から排出される廃液を最小限化する方法において、 以下の諸工程、すなわち、 (a)漂白プラントからの廃液を、焼却に十分な高濃度まで濃縮する工程、 (b)濃縮された漂白プラント廃液を焼却して、回収ループへ最終的には戻される硫黄含有薬剤を生成させる工程、 (c)回収ボイラーメルトから緑液を製造する工程、 (d)緑液から金属を取り除く工程、および (e)金属を含まない緑液を苛性化する工程、 を包含する、セルローズパルプ工場から排出される廃液を最小限化する方法。 20. 工程(d)が、濾過、静置沈降、または濾過と静置沈降との組み合わせによって行われることを特徴とする請求の範囲19記載の方法。 21. 工程(e)からの、捕集され清澄化された逸出余液の一部を廃材燃料ボイラーで直接燃焼する工程(f)を更に包含することを特徴とする請求の範囲14 記載の方法。 22. 工程(b)が、各約100ミクロン未満の厚さを有する金属/プラスチック積層体で構成された落下液膜式蒸発器を使用する蒸発によって行われることを特徴とする請求の範囲14記載の方法。 23. 前記の手段(d)が、硫黄含有化合物を、回収ボイラーへ入る直前の黒液流へ戻す手段を備えることを特徴とする請求の範囲17記載の装置。 24. 更に、苛性化された緑液に付け加えて、金属を含まない緑液に結晶化を行い水酸化ナトリウムを製造し、水酸化ナトリウムを漂白プラントへ送る工程を包含することを特徴とする請求の範囲19記載の方法。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】 環境への悪影響を最小限にしたパルプ製造装置 発明の背景および概要環境をいかなる形でも実質的に汚染しないパルプ工場をつくることは、紙パルプ技術に携わる者の長年の切望であった。 過去においてこのようなパルプ工場に対して多くの提案がなされてきたが、望まれた目標は未だ達成されていない。 例えば、「閉鎖系の工場」は1970年代にオンタリオ州サンダーベイ(Thun der Bay)のグレートレイクフォレストプロダクツ社(Great La kes Forest Products Ltd.)で建設されたが、回収ボイラーなどで塩素の蓄積による腐食の問題が起こった結果、工場を長期間閉鎖系で運転する事は困難であった。 これについては論文「グレートレイクフォレストプロダクツ社の閉鎖サイクルの工場における漂白」(Pattyson et al:Pulp & Paper Canada、Vol.82,No.6、p p.113−122(1981))を参照されたい。 このグレートレーク工場では、漂白プラントからの廃液は、米国特許第4、039、372号に概述されているように、薬剤回収ルートに直接導入されている。 もっと最近では、パルプ工場の閉鎖系化は、酸性の廃液は蒸発させ、Eo漂白プラント廃液は褐色原料洗浄機へ戻すことによって行うことができるものと、エイチ ピー ディー およびジャコー ホイリー(HPD and Jaakk o Poyry)によって提唱されている。 しかし、このアプローチも、漂白薬剤の効果的な蒸発を行わせることが可能なプラスチック製落下液膜式蒸発器を採用したにもかかわらず、朱だ成功しているとはいえず、最終的には成功するものとも信じられていない。 望ましくない薬剤が、Eo工程からの流れを褐色原料洗浄工程へ導入することに由来して蓄積するからである。 本発明によれば、既存の技術のみを用い、複雑な付加的な機器やプロセスを今後開発する必要がなく、パルプ工場からの汚染性廃液を本質的に減少させてゼロにし、最少量の固体排出物とし(この固体にも環境に許容し得る方法で使用できる可能性があるようにし)、かつNOx、SOxのガス生成物の発生も最少にし、パルプ工場からの有意の汚染ガスとしては炭酸ガスが唯一のものとする方法および装置が提供される。 これらの有利な結果を達成することが可能となる本発明の基本点の一つは、漂白廃液を薬剤回収ループとは別に完全に処理して、廃液を特に望ましい形にまでにし、その後で望ましい形になった薬剤を回収ループへ導入することである。 本発明の別の顕著な点の一つは、薬剤回収ループで生成される白液を実質的に完全に酸化し、次いでこれを漂白工程へ戻し、多種の薬剤処理シーケンスの間の適当なバランスがとれるようにすることである。 所望の結果を得ることを可能とする本発明の顕著なもう一つの点は、パルプ処理並びに薬剤回収を行うに必要な二酸化硫黄、硫酸、苛性液または苛性代替液、および(使用することができるならば)二酸化塩素の実質的に全てを、廃液、排ガスそれ自体から直接パルプ工場自家内で製造することである。 漂白プラント廃液の量を最小限にし、この処理を実際的にする別の要因は、進歩した蒸解技術にあり、ここの脱リグニンでは、蒸解工程から排出されたパルプは、・・・顕著な強度ロスなしに・・・低カッパーNo. (例えば、24または以下)を有し、次いでこのパルプを酸素脱リグニンに掛けてカッパーNo. をさらに低く(例えば、14またはそれ以下にまでに) し、その後で漂白を行い、市場性が高いパルプ(例えば、ISO白色度88〜9 0のパルプ)を製造することができる。 環境に最小限の影響しか与えずして市場性が高いパルプを製造することが本発明によって可能であるということは、パルプ技術における量子学的な飛躍的進歩というものであって、この望ましい結果を達成するという長年感じられていた必要性を満たすことを可能とするものである。 本発明の態様の一つによれば、蒸解カン、漂白プラント、および回収ボイラー並びに薬剤回収ループを有するセルローズパルプ工場から排出される廃液を最小限化する方法が提供される。 本方法は、以下の工程からなる。 すなわち、(a) 漂白プラントからの廃液を、焼却に十分な高濃度まで(例えば、蒸発によって) 濃縮すること。 (b)濃縮された漂白プラント廃液を焼却して、ナトリウム、硫酸塩、炭酸塩、および塩化ナトリウムを含有する残渣を生成すること。 (c)残渣を浸出して浸出液を生成すること。 および、(d)浸出液の少なくとも相当な部分を、回収ボイラーに関連している薬剤回収ループへ供給すること。 また、本方法は以下の工程を備えていることが好ましい。 すなわち、(e)蒸解カンから黒液を取り出すこと。 (f)黒液の固体濃度を焼却に十分な高濃度まで高めること。 (g)濃縮された黒液を回収ボイラーで焼却して、メルトを生成すること。 (h)メルトおよび回収ルートへ供給された浸出液を含む回収ルート物中から白液および/またはNaOHを生成すること。 (i)白液の少なくとも一部を酸化すること。 および、(j)漂白プラントでは苛性液の代わりに酸化された白液を用いること。 また、本発明においてはパルプ工場からの逸出余液を回収し、回収された逸出余液を蒸発し、工程(b)を行うために濃縮漂白プラント廃液へこの濃縮逸出余液を添加することも考えられている。 逸出余液は蒸発の前に清澄化されるのが普通である。 また、漂白プラント廃液から濃縮して取り出されたを処理し、 次にこの処理された水を漂白プラント中および他の工場内プロセスで洗浄水として使用する付加的な工程を備えるのも好ましい。 また、漂白プラントの必要とする実質的に全ての苛性液(またはほぼ完全に酸化された白液)、硫酸、および工場内プロセスに必要な二酸化硫黄を、パルプ工場内自体のプロセス廃液およびガス流から生成し、これらを外部の供給源からはほとんど得る必要をなくする付加的な工程があるのが好ましい。 浸出液を回収ループへ供給するに先だって、浸出液を結晶化工程にかけ、得られた結晶を洗浄することが好ましい。 浸出液にも塩化ナトリウムが含まれるのが普通であり、塩化物を含む浸出液は漂白プラントに必要な二酸化塩素を実質的に全て製造するのにプラント内で使用される。 一価を超える価数の金属は全て浸出結晶から洗浄によって除かれるので、これらの金属は回収ループから分離され、 漂白プラントから排出される。 漂白プラントからは、酸の廃液とアルカリの廃液の両方が排出されることがあるが、この場合これら異なる廃液は最初は別々に蒸発(または他のやり方で濃縮)し、次いでこれらを一緒にして、焼却前の最終蒸発(濃縮)にかけることが望ましい。 漂白プラントに対する漂白シーケンスを代表的に挙げると、一つはDE oPDnD(nは二つの二酸化塩素工程の間の中和工程を表す)であり、もう一つの代表的漂白シーケンスはAZEoPZPであるが、他の漂白シーケンスもいろいろ使用することが可能である。 また、本発明は、セルロース化学パルプの製造に由来する漂白プラント廃液から化学薬剤を回収する方法も包含し、この方法は、以下の工程、すなわち、(a )漂白プラントからの廃液を、(例えば、蒸発によって)濃縮し、濃縮された廃液を生成すること、(b)濃縮された廃液を焼却して、残渣を生成すること、( c)残渣を処理して、ナトリウム、硫酸塩、炭酸塩、および/または塩化ナトリウムを回収すること、および、(d)回収されたナトリウム、硫酸塩、炭酸塩、 およびNaClを化学セルロースパルプの製造に使用すること、によって化学セルロースパルプの製造に由来する漂白プラント廃液から薬剤を回収することを含む。 また、本発明は、パルプ工場でセルロース化学パルプを製造する方法であって、二酸化硫黄、硫酸、および苛性液を必要とし、プロセス廃液とガス流とを有する方法において、上記プロセス廃液とガス流とから、パルプ工場内で直接的に化学パルプを効果的に製造するに必要とする全ての硫酸、二酸化硫黄、および苛性液(または苛性代替液)を生成し、硫酸、二酸化硫黄、および苛性液を外部の供給源から得る必要を実質的になくする方法を含むものである。 本発明の別の態様によれば、廃液の排出は最小限である化学パルプ製造装置が提供される。 本装置は、蒸解カン、蒸解カンに操作上連結されている薬剤回収ループ(回収ボイラーを含む)、少なくとも一本の廃液ラインを備えている漂白プラント、漂白プラントからの廃液ラインに接続されている濃厚廃液を得るための濃縮手段(例えば、蒸発器)、蒸発手段からの濃厚廃液を焼却して、残渣を生成する焼却炉、および、焼却炉残渣からナトリウム、NaCl、炭酸塩、および/ または硫酸塩を回収し、これらの回収された薬剤の少なくともある部分は回収ループへ供給する手段を備えるものである。 また、水が漂白プラント廃液から回収されるが、これは工場内の他の所で使用される。 蒸発器手段は、金属/プラスチック積層体を有する多段落下液膜式蒸発器が好ましい。 このような蒸発器は、商標「Zedivap」なる名前でフィンランド、ヘルシンキのアールストローム社(A.Ahlstrom Corporat ion)、およびジョージア州ロスウェル(Roswell)のアールストロームリカバリー社(Ahlstrom Recovery Inc.)から入手可能で、1992年11月12日に出願の同時係属出願第07/974、060号(これは1991年11月18日に出願のフィンランド特許出願第915424 号に対応しているので、この開示内容を本明細書の参考文献として引用する)に記載されている。 他の形式の蒸発器も、例えば、脱塩用の蒸発器も使用可能であるが、「Zedivap」蒸発器が特に有利であり、これを使うことによって漂白プラント廃液の蒸発プロセスが実用的になる。 更に、これら蒸発手段では、多段の金属/プラスチック積層体蒸発器と焼却炉との間に濃縮器を備えても差し支えない。 本発明の更に別の態様によれば、以下の装置が提供される。 すなわち、化学セルロースパルプを漂白し、漂白の間に廃液を排出する漂白プラント、漂白プラント廃液を濃縮(例えば、蒸発)して濃厚廃液を得る手段、濃厚廃液を焼却して、 残渣を生成する焼却炉、残渣を処理してナトリウム、硫酸塩、NaCl、および/または炭酸塩を回収する手段、および回収されたナトリウム、硫酸塩、NaC l、および/または炭酸塩を化学セルロースパルプの製造の際の漂白に使用する手段を含む装置である。 また、本発明は以下の装置も提供するものである。 すなわち、パルプ工場中から排出される全ての廃液を処理してしまうことにより、廃液はパルプ工場から外部の環境へは一切排出されないようにする手段、およびパルプ工場からの全てのガス状排出物を処理してしまって、 SOxおよびNOxの量を最小限とし、主要な悪影響ガスとしては炭酸ガスが唯一のものとする手段を含む装置である。 本発明の更に別の態様によれば、次の方法が提供される。 すなわち、細砕セルロース繊維材をカッパーNo. 約24またはそれ以下に蒸解すること、蒸解されたパルプをカッパーNo. 約14またはそれ以下になるように酸素脱リグニンを行うこと、酸素脱リグニンされたパルプを漂白し、漂白廃液を得ること、漂白廃液を濃縮して(例えば、蒸発して)濃厚廃液を得ること、濃厚廃液を焼却して、残渣を得ること、残渣を処理して、蒸解、酸素脱リグニン、および/または漂白工程に用いられる薬剤を該残渣から回収すると共に水をも回収することを含む方法である。 上記の方法手順の別法として、漂白プラントに対し二酸化塩素製造用の化学プラントが付設されている工場においては、廃液を最小限にする方法には以下の工程を含めることができる。 すなわち、これらの工程とは、(a)漂白プラントからの廃液を、焼却に十分な高濃度まで濃縮すること、(b)濃縮された漂白プラント廃液を焼却して、ナトリウム、硫酸塩、塩化ナトリウム、および炭酸塩を含有する残渣を生成すること、(c)工程(b)からの残渣を硫酸とともに蒸留してガス状塩化水素と残留残渣を生成すること、(d)工程(c)からのガス状塩化水素を二酸化塩素製造用の化学プラントに使用すること、および、(e)工程(c)からの残留残渣を回収ループへ送ることである。 回収ループには回収ボイラーが含まれるのが好ましく、工程(e)は、残留残渣を回収ボイラーへ直接か、もしくは先ず蒸発器へ送り、次いで回収ボイラーへ送るように行われる。 また、残留の残渣を処理して、工程(e)の実施に先だって重金属および遷移金属を除去することも差し支えない。 また、工場には硫化水素およびメチルメルカプタンガスを含む非凝縮性のガス系があるのが普通であり、次の工程が設けられる。 すなわち、これらの工程とは、(f)非凝縮性のガス系の非凝縮性のガスを燃焼し、ガス状二酸化硫黄を生成すること、(g)ガス状二酸化硫黄を硫酸へ転化すること、および(h)工程(g)からの硫酸を工程( c)に使用することである。 工程(g)は湿式硫酸法(WA)で行うのが好ましい。 工程(f)と(g)との間に、更に工程(i)を設けてもよい。 工程(i) とは工程(f)からのガス状二酸化硫黄を亜硫酸ナトリウムと水と反応させて、 濃厚重亜硫酸ナトリウムを生成させ、この濃厚重亜硫酸ナトリウムを触媒の存在下に加熱して、濃縮された形のガス状二酸化硫黄を再生するものであり、この工程(i)からの濃縮された形のガス状二酸化硫黄を工程(g)で使用する。 工程(i)はRESOXプロセスとして知られている。 工程(a)は、上記の金属/プラスチック積層体を有する多段の落下液膜式蒸発器を用いて、漂白プラントからの廃液を蒸発することによって行うのが普通である。 セルロースパルプ工場の漂白プラントが塩素型でないプラントの場合は、廃液を最小限にする方法は、次の工程を取ることになる。 すなわち、これらの工程とは、(a)非塩素系漂白プラントからの廃液で、塩素をほとんどあるいは全く含まない廃液を、回収ボイラーでの燃焼に十分な高濃度まで濃縮すること、( b)濃縮された非塩素系漂白プラント廃液を回収ボイラーへ直接送ること、および(c)非塩素系漂白プラント廃液を回収ボイラーで燃焼させることである。 また、本方法は、漂白プラントからの廃液を、回収ボイラーでの焼却に十分な高濃度まで濃縮し、次いで濃縮された漂白プラント廃液を直接的に回収ボイラーで焼却することによって廃液を最小限にする方法を包含する。 焼却の際、ナトリウムと、カリウムと、それから塩素分とを含有する塩を含む粒子、および硫黄化合物を含有する排煙が生成する。 次に、排煙からの粒子の大部分を、塩素含有の塩を含み、ナトリウム塩、カリウム塩と硫黄化合物とを含有の灰分として捕集する。 灰分は所望ならば系から追い出して(つまり、下水に流して)も差し支えない。 カリウムと塩化物は灰分から取り出されるが、硫黄含有化合物(およびいくらかの炭酸化合物)は、回収ループへ戻され(例えば、黒液が回収ボイラーへ入る直前に硫黄化合物が、濃縮された黒液と混ぜられ)、白液のような蒸解薬剤を生成するために用いられ、工場内の硫黄、塩化物、およびカリウム分のバランスが取られる結果となる。 もちろん、回収ボイラーには従来的やり方に従って濃厚黒液を供給し、得られたメルトを白液製造用に使用することも差し支えない。 さらに、苛性化処理に先だって緑液から遷移金属を除去することも可能で、この場合遷移金属を取り除いた緑液に結晶化を行い、苛性化緑液に加えて水酸化ナトリウムを製造することができる。 水酸化ナトリウムは酸素脱リグニン化や漂白プラントで用いられる。 逸出余液は、漂白プラント廃液と一緒に直接的に回収ボイラー中で濃縮、燃焼することが可能である。 以上に記載の手順においては、水(液の流れ)を適当に管理し、きれいな液はそれが必要とされるプロセスのみに使うように取って置き、絶対的にきれいな水が必要でない場合はその使用を最小限に押さえることがきわめて望ましい。 パルプ工場では液の流れについては少なくとも第一ループ、第二ループ、第三ループとあるのが普通であり、各ループは汚れの程度は顕著に異なり、汚れの程度は第一ループから第三ループに上がるにつれて次第に増加する。 汚れの最も少ない液の使用を最小限にするのは、次の工程によって達成される。 すなわち、これらの工程とは、(a)少なくとも第一ループおよび第二ループで汚れの程度を検出すること、(b)第一ループの汚れの程度が所定の水準を超えた時には第一ループから第二ループへ汚れた液を少し抜き出し、汚れの程度が小さな液を第一ループ液に入れること、(c)第二ループの汚れの程度が所定の水準を超えた時には第二ループから第三ループへ汚れた液を少し抜き出し、汚れの程度が小さな液を第二ループ液に入れること、そして、(d)上記ループからの最も汚れた液を精製して、汚れの少ない液を作り出し、これを少なくとも上記工程(b)への添加液とすることである。 上記の液流れ管理法は、前記の方法に限定されるものではなく、どのようなパルプ工場においても実施することができる。 この方法の典型的な用い方は次の通りである。 すなわち、漂白プラントからの廃液を最も汚れた液と一緒に混ぜて、 合併廃液流を形成し、この合併廃液流を蒸発させて、きれいな液と更に汚れが濃縮された液とし、きれいな液は、上に記載の工程で汚れの少ない液として使用し、更に汚れが濃縮された液は更に処理して液から汚れの成分を回収(例えば、焼却し、焼却残渣などから前に記載したように薬剤を回収)する。 また、パルプ工場には第四ループが含まれることが普通であり、第三ループでの汚れの程度を検出し、これが所定の水準を超えた時には第三ループから第四ループへ汚れた液を少し抜き出し、汚れの程度が小さな液を第三ループ液に入れる。 また、第四ループでの汚れの程度を検出するのが好ましく、これが所定の水準を超えた時には第四ループから上に記載の精製工程へ汚れた液を抜き出す。 パルプ工場内から回収される逸出余液は、第四ループへ導入して差し支えない。 また、ループには、液を冷却する工程を設けるのが好ましく、特に、ループから汚れ成分を分離しこれら分離された汚れ成分をより汚れたループへ送るループの少なくともどこかのループには、液を冷却する工程を設けるのが好ましい。 第一ループからの汚れた液の一部は第三ループへ直接送っても差し支えない。 また、本発明は蒸解カン、漂白プラント、および少なくとも第一、第二、および第三ループの液流を備えたセルロースパルプ工場で液流を管理する装置を包含する。 液流を内部に有する各ループは、顕著に異なる濃度の汚れ成分を有するが、この汚れ成分の濃度は第一ループから順次第三ループへと次第に増加する。 この水管理装置は、少なくとも第一ループおよび第二ループで汚れの程度を検出する手段;一のループから別の、より汚れたループへ汚れた液を少し抜き出すための、検出手段によって制御されるバルブ手段;およびループからの汚れた液(普通最も汚れた液)を精製して汚れの程度の小さい液を製造する手段を備える。 この装置では、液を冷却する手段を各ループに備えてもよい。 また、少なくとも一個のループには、ループからの廃棄流を分離し、この廃棄流を別の、より汚れたループへ排出する手段を設ける。 本発明の主な目的は、汚染液の環境への排出を実質的にゼロにし、ガス状排出物も最小限の量で、しかも固形廃棄物の量も最小限であるセルロース化学パルプ製造法とその装置を提供することである。 本発明のこの目的および他の目的は、 本発明の詳細な説明をよく吟味し、添付の特許請求の範囲を読めば一層明白となろう。 図面の簡単な説明図1は、本発明の例示的システムの最も基本的な構成要素、および本発明の例示的方法の実施を示す概要図である。 図2Aおよび図2Bは、図1のものと同じフローシートであるが、その中の幾つかの特定のプロセスをより詳細に示したものである。 図3Aおよび図3Bは、図1および図2のシステムと同じ概念に基づく本発明の別法のシステムの概要であるが、特定の漂白プラント工程などについて漂白プラント廃液の処置に関する異なる詳細を示すものである。 図4は、図2と同様な図であるが、簡略化してあり、本発明の別の態様に従って、漂白プラントからの濃縮された廃液の別法の例示的処理を示すものである。 図5は、図4と同様な概略図であるが、漂白プラントが非塩素系漂白プラントである場合の、漂白プラント廃液処理についてのさらに別の変形を示すものである。 図6は、図2Aのシステムの一部の概略図であるが、ガスの一部改変処理を、 硫酸の製造を含んで示すものである。 図7は、パルプ工場における水(液)流れを管理し、最もきれいな液はそれが必要とされるプロセスのみに使うように取って置き、きれいな水が必要でない場合はその使用を最小限に押さえ、従って目標である「ゼロ排出」の達成を最適化するために、本発明の例示的な方法を実施する本発明の例示的な装置を示す概略図である。 図8は、図4および図5のものと同じ概要図であるが、本発明の付加的または別法的詳細特徴を示すものである。 図面の詳細な説明図1に示される例示的なシステムには、例えばカミヤTM式連続蒸解カンのような従来的蒸解カン10が備えられ、これに広葉樹または針葉樹チップ、または他の細砕セルロース材が供給される。 蒸解カン10では原木チップは、従来的な温度、圧力で蒸解薬剤で処理され、例えば、クラフトパルプのような化学セルロースパルプが生成され、次いで工程11で酸素脱リグニンされるのが好ましい。 本発明によれば、パルプを脱リグニンするに当たっては蒸解カン10から排出される時パルプが最小のカッパーNo. を有するのが望ましい。 例えば、カミヤEM CC TM蒸解カンおよび蒸解法を用いるとカッパーNo.約24以下が得られる。 酸素脱リグニン工程11ではカッパーNo. は約14以下、好ましくは約10以下に下げられる。 酸素脱リグニンの後、パルプは漂白プラント12へ進み、複数の異なる漂白工程で漂白が行われる。 使用される特定的な漂白工程はいろいろ変わり得るが、処理される特定のセルロース材にも依存する。 漂白工程12の後、パルプは貯槽に蓄えてもよく、さらに後段の処理工程13に送ってもよい。 例えば、パルプを乾燥し、次いで製紙工場へ出荷することもできる。 従来のように、蒸解カン10(またはこれに関連するブラウン ストック ウォシャー、すなわち、褐色材洗浄機)から黒液が抜き出され、蒸発装置14へ送られる。 黒液に対して、米国特許出願第4、929、307号(この開示内容を本明細書の参考文献として引用する)に示されるような熱処理を、好ましくは常圧より高い圧力で、約30〜90分間240℃以上で加熱することによって行うのも好ましい。 熱処理15によって追い出される硫黄含有ガスは、1991年1 1月5日に出願の同時係属出願第07/788、151号に示されるように処理され、例えば、工程16で高硫化度の液を製造することができる。 この際、17 のところに概略示されているように燃料ガス(例えば、主としてメタン)が生成するが、これによって18と汎示してあるように動力の発生が可能である。 工程15での処理の後、黒液は最終的には従来的回収ボイラー19へ送られる(所望ならば途中に蒸発工程を介在させてもよい)。 回収ボイラー19から生成されるスチームは、図1では20と汎示してあるが、パルプ工場内でいろいろなプロセスに使用される。 回収ボイラー19から排出されるガスには二酸化硫黄が含まれるが、これは従来技術に従い硫酸の製造の原料として使用することができる。 図1の21のところに示されるように、二酸化硫黄および(SO 2から製造された)硫酸とは工場内の必要な場所で使用することができる。 例えば、二酸化硫黄は、二酸化塩素漂白(もしこれを使っているならば)の最終工程、およびトール油プラントに対する耐塩素剤として使用される。 本発明によれば、十分な量の二酸化硫黄と硫酸とがブロック21から得られるので、パルプ工場の必要量を満足し、外部供給源からの薬剤を必要としない。 もちろん、 薬剤の回収と消費とが、完全にバランスすることは期待することはできないけれども、本発明によればその差は各々数パーセント以内であることを期待していい。 もちろん、過剰な薬剤があれば販売できるし、少なければ購買で賄える。 従来のように、回収ボイラー19からのメルトは、図1の参照数字22に示されるように緑液を生成するのに使われる。次いで、緑液は、図1の参照数字23 に汎示されるように白液を製造するのに最終的に使われるのが好ましい。別法として、あるいは付加的に、緑液を結晶化工程にかけたり、あるいは他の処理にかけ、実質的に硫黄を含まない水酸化ナトリウムを製造することも可能であり、この方法については1992年7月27日に出願の同時係属出願第07/918、 855号(弁理士書類番号30−199)に開示されているので、この開示内容を本明細書の参考文献として引用する。メルトの硫黄濃度は、回収ボイラー19から排出されるメルトの一部分をパルプ工場の含硫黄ガスと接触させることによって調節することができる。また、含硫黄ガスのメチルメルカプタンとジメチルサルファイドとは、メルトとの接触に先だって、または回収ボイラー19からの灰分との接触に先立って、エテンと硫化水素とに熱分解することができる。メルトから製造される白液については硫化度の制御および/または増強が行われる。これらの技法についてはフィンランド特許出願第914585号および第914586号(両者とも1991年9月2 7日に出願)に開示されている。白液の一部はライン24を経て蒸解カン10へ返送され、本発明によれば、薬剤のバランスが図られるが、23からの白液の一部を従来的方法または既知の方法で工程25のところで酸化し、次いで酸素脱リグニン工程11で使用することが極めて望ましい。 「無泡膜通気」と名付けられた既知の酸化法については19 91年4月版「WATER/Engineering & Managemen t」のページ18〜19に所載のミカエル セメンス(Michael Sem mens)の論文に記載されている。また、25からの酸化された白液の一部は、第二酸化工程26・・・例えば、1992年7月9日に出願の同時係属出願第07/910、874号に示されている工程(この開示内容を本明細書の参考文献として引用する) ・・・にかけ、白液内の硫黄の形のものをすべて酸化するのが好ましい。次いで、得られたほぼ完全に酸化された白液を漂白プラント12 へ戻し、漂白プラント12の苛性液の代わりに用いる。本発明によれば、酸化された白液を十分な量で製造し得るので、漂白プラント12で必要な苛性液の面倒はすべて見られるから、外部の供給源から苛性液を入れる必要はない。また、本発明によれば、漂白プラント12からの廃液・・・第一漂白工程から来るライン27中の酸廃液や第二漂白工程から来るライン28中のアルカリ廃液・・・は、例えば、蒸発器工程29、30へそれぞれ流すことによって濃縮される。工程29、30を構成する蒸発器は、低価格な、金属/プラスチック積層体を有する落下液膜式蒸発器で、例えば、商標「Zedivap」なる名前でフィンランド、ヘルシンキのアールストローム社およびアールストロームリカバリー社から販売のものが好ましい。このような積層膜は普通アルミニウム(または黄銅または銅)とプラスチック(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、またはポリエステル)から出来ており、各層の厚さは100μm以下である。例えば、アルミニウムの層の厚さは、9〜18μmでポリエステルの厚さは12〜2 5μm位である。金属箔の上にプラスチック薄膜を押し出すことによって積層膜が形成される。熱交換器は二枚の長方形積層板を、例えば、接着結合で互いに貼り付けることによって形成される。また、積層板は端の結合線間で点状接合により互いに接続すことができる。パルプ工場液はプラスチック層側でも金属層側でもどちらでも流すことができる。このような蒸発器の表面構造については、19 92年11月12日に出願の同時係属出願第07/974、060号(これは1 991年11月18日に出願のフィンランド特許出願第915424号に対応しているので、この開示内容を本明細書の参考文献として引用する)に開示されている。しかし、従来的な脱塩用蒸発器も代わりに使用可能である。ライン27とライン28とに酸とアルカリの廃液がある場合には、廃液が蒸発器29、30で濃縮される前までにはこれらの液を混ぜることは望ましくない。混ぜると激しい発泡問題が起こる恐れがある。もし発泡問題が解決することができるならば、蒸発器29、30の手前でライン27、28を一緒にして差し支えない。工程29、30の後、より濃縮された廃液が濃縮器31へと流れる。これは直列に並んだ高効率蒸発器工程群で、焼却可能な程度の濃度まで廃液を濃縮する。例えば、ライン27と28の廃液は、固形分0.2〜0.5%程度とすると、蒸発器29、30で約10〜30%の固形分まで濃縮され、次いで濃縮器31で約50〜60%の濃度まで濃縮される。漂白プラント廃液の濃縮は、蒸発のほかに別の方法によっても達成することができる。例えば、従来的な限外濾過、逆浸透、凍結結晶化、またはこれらの方法を互いに組み合わせた方法、および/または蒸発と組み合わせた方法が、十分に高濃縮の廃液を生成するのに用いることができる。濃縮器31などで得られた濃厚廃液は焼却炉32へ供給され、ここで燃焼され、残渣が生じる。焼却は多くの従来的または既知の方法、例えば、スラグ燃焼やガス化(循環流動床ガス化など)によって行われる。焼却炉32からの残渣から得られる貴重な薬剤成分は最終的には回収ループ(すなわち、構成要素14、15、19、22、23など)へ戻される。残渣の貴重な薬剤成分、例えば、ナトリウム、硫酸塩、および炭酸塩を効果的に回収するためには、図1の33のところに示されるように、従来的浸出装置において残渣に対して浸出を行うのが好ましい。浸出工程33からの浸出液は結晶化工程( 例えば、凍結結晶化;米国特許第4,420,318号、第4,505,728 号および第4,654,64号を参照のこと)にかけ、34のところに示されるように結晶を洗浄するのが好ましい。浸出および結晶化それ自体(回収ループ内ではあるが)は、デービス(Davis)らの論文「閉鎖系サルファイト工場における薬剤回収」、TAPPI Journal、Vol. 66,No. 7,J uly、1983に記載されているように既知である。工程34から得られる、結晶化され、洗浄された浸出物(または少なくともその一部)は・・・ライン35を経て・・・回収ループ、例えば、回収ボイラー1 9のすぐ手前へ供給される。そんな手順で、ライン27、28中の漂白プラント廃液からの貴重な薬剤成分が回収ループへ回収される。洗浄によって、一価より大きい価数の金属、例えば、カルシウムやマグネシウムが分離され、これらは、 ・・・図1の36に示されるように埋め立てに使われたり、さらに処理することができる。 36のところの固形物は、図1のパルプ工場から排出される実質上唯一の固形廃棄物であり、焼却炉32の残渣のうちの約5%を占めるにすぎない。他の95%は他(例えば、回収ループ)で用いられる。焼却炉32からの残渣も、普通塩化ナトリウムを含有し、その塩素分も・・・ 図1の点線のライン37とボックス38で示されるように・・・二酸化塩素や塩化ナトリウムを生成するのに使われる。この状況では工程34からの浸出物の一部は二酸化塩素製造工程38へ流れ、残りはライン35を経て回収ループへ戻される。多くのパルプ工場では、新しくとも古くても、逸出余液の量は廃液量全体の相当なパーセントを占めるものである。逸出余液が工場からの廃液(ライン27、 28の漂白プラント廃液を含む)の33%にもなることも珍しくはない。もちろん、そのような逸出余液が環境へ漏洩することが許されたら、低排出またはゼロ排出という目標が実現されないことになろう。従って本発明では・・・好ましくはパルプ工場全体からの・・・逸出余液が、図1の39のところに概略的に示されるように、従来的ドレン回収系を用いて回収される。これらの逸出余液は次いで清澄槽40で清澄化され、逸出余液貯槽40'を経て蒸発器工程41に送られる。工程41の蒸発器はZedivap TM蒸発器であるのが好ましい。蒸発器4 1からの濃縮された逸出余液は次いで蒸発器29からの濃縮された廃液と一緒にされて、濃縮器31へと送られる。もちろん、蒸発器工程29、30、41からはすべて水が生成する。この水は、濃縮作用中に漂白プラント廃液から取り除かれたものである。蒸発器工程各々29、30、41からの水は、水処理設備42へ送られ、ここで処理され、水が他の目的に使われても有害な成分が含まれていないようにする。この水の「回収」も本発明の方法および装置の大きな有利な点である。この水の一部は、次いでライン43を経て、漂白プラント12へ戻され、漂白プラント12の中で工程の一から他へと向流的にパルプに流れる洗浄液として用いられる。一方、この水の他の部分はライン44へ送られ、供給水として回収ボイラー19へ送られ、2 0のところでプロセススチームが生成される。図2は、図1と同じ基本システム、同じ基本方法を実施する方法を示すが、多くの構成要素についてより詳細に示すものである。図2の表示では、図1のものに対応する構成要素は同じ参照数字をもって示される。図2の表示では、原木ヤード45に蒸解カン10および従来的廃材燃料ボイラー46がつながって示されている。褐色材洗浄工程47も蒸解カン10の後に示され、スクリーン室48はプレス49と一緒に作用し、また、プレス49は清澄槽40に連結されている。酸素脱リグニン工程11の下流にはさらに洗浄工程5 0があり、これは次いで漂白プラント12の第一工程51へ連結している。図2 に示されている態様において、第一漂白工程51は100%二酸化塩素工程である。第二工程52はEop工程で、苛性液の源は26からの酸化された白液によって供給される。第三漂白工程53は、中性二酸化塩素工程である。すなわち、 源26からの酸化された白液(つまり苛性液)は、パルプ酸性度を中和するために工程53の塔の頂部へ添加される。第四工程54は最終の二酸化塩素工程である。製造工程38からの二酸化塩素は各々工程51、53、および54へと供給され、一方水処理プラントの42からの洗浄水の一部は、第四工程54へと入る。図2の再処理工程13には「ウェットエンド」55とドライヤー56とが備えられ、ドライヤーは貯蔵設備57'へ連結することができる。回収系の一部として、他の従来的構成要素も図2に示されている。例えば、緑液清澄槽57、緑液を苛性化するためのスレーカー58であり、そして、マッドフイルター59、プレコートフイルター60、石灰キルン61を含むマッド処理要素などである。漂白プラント廃液を処理する構成要素に関連するものとしては、滓材工程63 があり、これには結晶化および洗浄工程34からの一価より大きい価数の金属や廃材燃料ボイラー46からの飛灰が供給される。滓材工程63からのものは、埋め立て64へ送っても、あるいは処理してそこから薬剤を回収してもよく、その中の薬剤は環境に許容し得るやり方で用いることができる。また、図2には、水処理プラント42からの水を処理するための選択的オゾン処理工程65が示されている。プラント42からの水は、先ずオゾン処理され、その後で回収ボイラー19へ供給する供給水源66へ流れる。該回収ボイラーはドライヤー56からも水を受ける。ウェットエンド55からの水は、水処理プラント42へ送ってもよく、あるいは第二漂白工程52と第三漂白工程53との間の境目に送ってもよい。図3は本発明のもう一つの別法のシステムを示すものである。図3のシステムと図1、図2のそれとの主要な差に一つは、提供される特定の漂白シーケンス、 つまりAZEoPZP漂白シーケンスである。図3では図1および図2のものと対応する構成要素は、頭に「1」をつけただけの同じ参照数字で示すものとする。また、図3では、図1や図2のように単に各構成要素をブロック図で示すのではなく、系に用いられる多くの構成要素を概略的に図形で示す。蒸解カン110は、ニューヨーク州グレンフォール(Glens Falls )のカミヤ社(Kamyr,Inc.)販売のEMCC TM蒸解カンのような、浸透槽68を含む二槽式加圧システムの一部と考えてよい。圧力デフューザー69 、もしくは同じような褐色材洗浄機を蒸解カン110の下流に備えるのもよく、 洗浄機は高密度貯槽147へ、次いで褐色材スクリーン室148へ連結されている。酸素脱リグニン反応器111は、後段酸素洗浄工程150に連結され、次いで第一漂白工程70へ、この場合酸「A」工程へ連結される。漂白プラント11 2の第二工程は第一オゾン工程71であり、洗浄72の後にEo工程152が設けられる。 Eo工程152の後には第一過酸化工程73があり、次いで第二オゾン工程74、それから第二過酸化工程75があり、高密度貯槽157'に連結される。図3の態様では酸漂白プラント廃液ライン127は、図1および図2の態様のものと同じようにZedivap TM蒸発器工程129に接続される。これは次に濃縮器131、焼却炉132、浸出工程133、それから結晶化並びに洗浄工程134に接続される。しかし、アルカリ廃液ライン128は蒸発器には連結されず、その代わり回収ループ、典型的には緑液溶解タンク122へ連結される。また、ライン128のアルカリ廃液の一部は苛性化に使用してもよく、例えば、工程158に連結される。しかし、大部分のアルカリ廃液は後段酸素洗浄工程へ添加されることになろう。図1〜図3のパルプ工場は、廃液の排出が実質的にゼロであるに加えて、大気汚染も極めて少ない。二酸化硫黄およびその他の硫黄化合物は回収ボイラー19 、119から回収され、煙突も電気集塵機も煙道に設けられている。また、回収ボイラー19、119並びに他の構成要素、例えば、焼却炉32、132もNO x排出が最少になるように運転される。従ってパルプ工場からの主要な汚染ガスは二酸化炭素だけとなる。図4は、図2Aおよび図2Bと同様なシステムを概略示すものであるが、簡略化してあり、漂白プラント廃液蒸発からの濃縮された液を処理する別法の技法を示すものである。図4の態様では、図2Aおよび図2Bの態様のものに対応する構成要素は、頭に「2」を付けただけの同じ二桁の参照数字をもって示される。大部分の構成要素については詳細には示さない。図1および図2の態様に関してすでに説明済みであるからである。図4の態様では、漂白プラント212は、二酸化塩素が漂白薬剤として使用される工程を少なくとも一つ含むプラントである。漂白プラント212からの廃液はライン81を流れ、蒸発器229、230、241(これは単一直列の金属/ プラスチック積層体蒸発器を複数段設けたものでよい)へ至り、濃縮された廃液はライン82を焼却炉232へ至る。濃縮された漂白プラント廃液を焼却すると、ナトリウム、硫酸塩、塩化ナトリウム、および炭酸塩、並びに重金属、遷移金属を含む残渣が得られる。上記のナトリウム、硫酸塩、および炭酸塩は、普通はNa 2 SO 4 、Na 2 CO 3の形である。残渣はライン83に送られ、塩回収工程8 4へ至る。塩回収工程84では、残渣は硫酸(どの源からのものでもよいが、好ましい源の一つは図6に関して後で述べる)と一緒に蒸留されると、ガス状塩化水素(H Cl)と残りの残渣が得られる。この蒸留反応で、塩化ナトリウムが硫酸と反応すると、硫酸ナトリウムも沈殿として生成する。塩回収工程84からのガス状HClは、二酸化塩素を製造する化学プラント8 5に使われる理想的な薬剤である。化学プラント85における二酸化塩素の製造は従来的であって、このプラント85は、顕著な補助的機器なしに漂白プラント212の需要を満たすに足る二酸化塩素を製造する能力がある。塩回収装置84で沈殿する硫酸ナトリウムは、残りの残渣と一緒の合わされ、 最終的には回収工程へ向けられる。塩回収工程84内で、従来的処理を行い、重金属および遷移金属を金属水酸化物の形で取り除くことが好ましい。除いた金属水酸化物は滓材処理工程263へ送られる。上記金属除去後の、残りの残渣中の硫酸ナトリウムおよび炭酸ナトリウムは、次いで回収ループへ送られる。例えば、これがスラリーの形で高濃度が必要ならば蒸発工程214へ送られ、そうでなければ直接回収ボイラー219へ送られる。漂白プラント廃液に対するもう一つの別法の処理が図5に示される。図5においては、図4の態様のものに対応する構成要素は、同じ参照数字をもって示される。この実施態様においては漂白プラント(212)は非塩素系の漂白プラント(例えば、Z,P,およびE工程を使用するプラント)であり、底部から排出されライン81を流れてくる廃液は・・・蒸発器229、230、241で濃縮した後・・・ライン86を経て直接回収ボイラー(219)へ送ることができる。これをさらに処理する必要はない。このような廃液には塩素があってもほんの少しかあるいは全くないので、濃縮しさえすれば、回収ボイラー21 2へ直接送ってよいのである。図6は、パルプ工場で集められた非凝縮性ガスの処理を概略的に示すもので、 該非凝縮性ガスは、図4の塩回収工程84で使われる硫酸を製造するのに使われる。図6においては、図2Aの態様のものに対応する構成要素は、頭に「2」を付けた同じ参照数字をもって示される。図6ではNCG工程88は、従来的非疑縮性ガス系であり、旧式のクラフトパルプ工場に関連して発生する悪臭ガス発生源である硫化水素、メチルメルカプタン、ジメチルサルファイド、および他の硫黄含有ガスを回収するために用いられる。これらのガスは、蒸解カン、洗浄機、蒸発器、回収炉、石灰キルン261等々から発生する可能性がある。本発明によれば、工程88からの非凝縮性ガスの流れの一つを石灰キルン26 1へ直接送ってよく、ここで燃焼して二酸化硫黄を含むガスを得て、さらに従来的に(図6中の「PRCTP」で)処理される。第二の流れはRESOX工程8 9へ送ってよい。 RESOX工程89では、フィンランド、ヘルシンキのアールストローム社の販売によるRESOXプロセスが使用される。この商業的プロセスでは、NCGガス(硫化水素、MM、DMSなどなど)は洗浄塔へ入り、硫化水素は従来的な洗浄塔または吸収塔で白液に吸収される。かくして得られた高硫化度の白液がパルプ処理に用いられる。吸収されなかったガスは冷却凝縮器で凝縮され、水分が取り除かれ、ガスが液化する。次いでガスは焼却に回され、二酸化硫黄、水、および二酸化炭素ガスを生成する。このガス混合物は、従来的な洗浄塔または吸収塔にて苛性ソーダと亜硫酸ナトリウムとの溶液で洗浄され、二酸化硫黄は亜硫酸ナトリウムと反応し、重亜硫酸ナトリウムを生成する。次にこの重亜硫酸ナトリウムと水を蒸発器の中で加熱し、亜硫酸ガスと水のオフガスと、 亜硫酸ナトリウム水溶液とを生成させる。亜硫酸ナトリウム分は、洗浄塔の苛性流へ戻して、あるいはパルプ化薬剤の源として循環される。また、次に工程89からの二酸化硫黄と水のオフガスは、WSA工程90へ送ってよく、ここでガスは凝縮され、水と二酸化硫黄の流れが生じる。二酸化硫黄の一部は工場のために利用することができる。工程90の二酸化硫黄と水のオフガスの残りは、硫酸(H 2 SO 4 )に転化され、ライン91を塩回収工程84へと送られる。かくしてWSA工程90で、デンマークのリングビィ(Lyngby)のハルダー・トプソー社(Haldor Topsoe A/S)の販売になるWSA プロセスが行われる。このプロセスは、ベンディクセン(Bendixe n)とショウビィ(Schouby)著の1987年テキサス、ヒューストンの「サルファー87」で発表された「トプソーWSA−2プロセスによる亜硫酸オフガスからの硫酸の製造」という題の論文に記載されている(この論文を本明細書の参考文献として引用する)。 WSA工程90ではRESOX工程89からの、濃縮された亜硫酸ガス含有ガスを用いるのが好ましいが、WSA工程中に二酸化硫黄が生成する燃焼装置があれば、ガスは図6の点線92を経てNCG装置88から直接WSA工程90へ入り、この時は工程89は使用されないか、もしくはなしで済ます。図8の態様では、図4に示されるような全システムは示されず、図4と図5との態様の変形の部分のみが示され、同じ参照数字は、図4と図5と同じ構造のものを示すために用いられる。図8の態様の主な特徴は、蒸発器229、230、241の後、濃縮された液(例えば、少なくとも濃度約50%で、所望ならば、もしくは必要ならば、さらに濃縮する装置などが蒸留と一緒にあるいはその後で用いられる)がライン86 から直接回収ボイラー219へ供給されることである(もし適当ならば、この流れの一部または全部を蒸発器214へ向けてもよい)。濃縮された廃液は、回収ボイラーで直接燃焼され、粒子を含む排煙が生成する。流れ86も工場のプロセス液流からの逸出余液を含んでいるのが好ましいが、この逸出余液は239のところに貯えられ、240のところで清澄化され、蒸発器229などへ送られる。回収ボイラー219での燃焼によって、粒子を含む排煙が生成するが、該粒子は電気集塵機、サイクロン分離器などで除かれる。除去された粒子は約80〜9 0%がナトリウム塩で、他に含カリウム塩並びに含塩素塩、および硫黄化合物を含む。除去された粒子は塩処理装置340で処理され、ここでカリウム、塩素などの成分が除かれ、硫黄化合物を含む残渣は、回収ボイラー219へ入る黒液流へ戻され、メルトの一部分となり、最終的には緑液を製造するのに使われる。塩処理装置340として使用できるのは、例えば、PULP ANDPAPER MAGAZINE OF CANADA、Vol. 75、No. 4,1974に「クラフト回収システムからの塩化ナトリウムの除去」の題名でモイ(Moy) らがハーマッククラフトミル(Harmac Kraft Mill)からのN aCl回収に対してマタミランブロデル社(MacMillan Blodel Ltd.)システムを説明した論文に記載の形式のものである。図8の一部改変システムが、図4および図5のものと異なるもう一つの点は、 回収ボイラー219と苛性化装置258との間に金属除去処理装置341を設けたことである。金属除去装置341にはMn,Fe,Zn,Co,およびC u除去のための装置が含まれる。 258での緑液苛性化、および酸素脱リグニンおよび漂白プラント用の水酸化ナトリウムを製造するための、257での結晶化は、ともに341での金属除去工程によって促進され、その特長を用いることによってシステムの多くの部分で薬剤の消費量が削減される。 (258のところからの緑液は白液を製造するのに用いられ、257のところの硫黄分が高く、結晶化されなかった液は、硫化度を分割して蒸解する方法に使用することが可能である)。ここで用い得る代表的な方法は、濾過、静置沈降、またはこれらの組み合わせである。代表的な濾過機としては、プレナー、ソケット、またはプレコートフイルターが挙げられるが、後者が、プレコート剤として石灰マッドを用いて使われるのが普通である。工場からの排出を最小限にする確率を最大にすることを可能とする重要な点は、パルプ工程に存在する水(液)流の管理を好適に行うことである。最もきれいな液はそれが必要とされるプロセスのみに使われ、きれいな水が必要でない場合はその使用を最小限に押さえれば、「ゼロ排出」を達成できる確率が向上する。図7はカスケード式の水管理システムを示すが、これは、最もきれいな液をそれが必要とされるプロセスのみに使うように取って置き、一方きれいな水が必要でない場合はその使用を最小限に押さえる本発明の水管理法を、カスケード原理に従って行うものである。この態様の構造で、図4の構造に対応する構造は同じ参照数字で示される。これまで示されなかった構造は「94」から始まる二桁の数字で示すか、あるいは「3」で始まる三桁の参照数字で示すものとする。図7に示される例示的態様においては、冷却塔93に接続される冷却水ループ94(図6も参照のこと)は、パルプ工場の主要ループの一つである。工場の第一ループ95はシール水ループ(回路)95であり、これと運転上連結しているのは第二の、冷却水、ループ94、第三の、かなり汚れた、ループ96、それから・・・本態様では・・・第四の、最も汚れた、ループ97であり、この最も汚れたループは、工場全体の内部にある逸出余液回収システム239を包含して差し支えない。第一ループから第四ループまで、ループ内の水(液)の汚れ度は次第に増加し、顕著に異なって行く。第一の、シール、ループ95が最も汚れが少なく、第四の、ループ97が最も汚れが大きい。各ループ94〜97に付いているのは、汚れ度監視手段、典型的には伝導度記録/制御/検出器(普通CRCとして知られる)である。例えば、CRC98は第一ループ95で三方弁99に付いている。このような検出器の形式は、例示すると、ネバダ州カーソンシティ(Carson City)のTBIから市販のモデル461であり(米国特許第4、118、663号に一般的記載あり)、これは従来的制御器(コンピュータ)に接続され、伝導度測定値に応じて制御が行われる。 CRC98は、ループまたは回路95を流れる液の汚れ度を監視し、所定の水準より高くなると、より汚れた方のループの一つ以上に液を排出するようにする。また、ループ95は普通は分離デバイス300を備え、これは水回路95(または分離デバイスが置かれている他のループ)から乾燥固形分、金属、塩、繊維分、または滓を分離することができる。デバイス300としては、限外濾過、逆浸透、膜濾過または繊維濾過法などがあり、工場やループ95の具体的な位置に依存して用いられる。デバイス300にはそれから出ている「受入」ライン30 1と「排除」ライン302がある。ライン302は弁99からの排出ライン30 4に接続され、主ライン303を形成し、このラインは・・・この場合・・・第三ループ96へ液を供給する。分離デバイス300からの汚れが少ない水はライン301を流れ、冷却器305に至り、ここで周囲の環境または他の冷却源との熱交換によってその温度が下げられ、次いでさらに三方弁306まで送られる。弁306もCRC98によって制御され、汚れの程度が第一ループ95で高すぎる場合は汚れた液の一部を弁306からライン307へ、第二の、冷却水、ループ94へ排出することができる。ライン307を通じての排出は、ライン304 中の弁99を通じての排出に加えて行うこともできるし、その代わりに行うこともできる。冷却水ループ94にも普通、冷却熱交換器308、並びに三方弁310を制御するCRC309が備えられ、該弁には排出導管311が取りつけられている。 CRC309は、ループ94中の水の汚れ度を監視し、所望の水準よりくなると、弁310が制御され、汚れた液の一部がライン311を経て第三ループ96へ排出される。第三ループ96にも、弁313が付いたCRC312が備えられている。弁3 13には、デバイス300のような分離デバイス314が付いている(もっとも、この分離デバイスは、異なる「排除物」を分離し、ループ96の水の特性に左右される、異なる方法を用いるものかも知れないが)。デバイス314は、汚れ液排出ライン315を有し、このラインは主ライン316へ連なり、主ラインも弁313からの排出ライン317へ接続されている。分離デバイス314からの「受入」製品は冷却器318へ流れる。 CRC312は、ループ96中の汚れ度を監視し、所望の水準より高くなると、弁313が制御され、汚れた液の一部がライン317へ排出され、その液は結局は、第四ループ97に行き着くことになる。第四ループ97には三方弁320が接続されたCRC319が備えられている。弁320には、今度はデバイス300のような分離デバイス321が付いている。分離デバイス321からの汚れ液排出ライン322は、弁320からの排出ライン323と結合し、主ライン324を形成し、この主ラインは漂白プラント廃液ライン81に連なる。分離デバイス321からのきれいな製品は冷却器325へ流れ、今度は弁326などへ繋げることができる。弁の先は逸出余液回収システム239へ向けることができる。この回収システムはライン327によって弁320への入口に連結されている。漂白プラント廃液並びに第四ループ97からの最も汚れた液(ライン324を経て)を共に含むライン81は、好ましくは金属/プラスチック積層体多段蒸発器である蒸発器229、230、241へ接続することができる。蒸発器229 などによって濃縮された廃液が得られるが、この廃液は焼却炉232へ送られたり、(図4や図5に対して上記されたような)同様な処理をするために送られたりする。一方、ここからのきれいな水(液)はライン330へ流れる。選択的な水処理プラント242(図7では点線で示され、図4では構造242、図1および図2では構造42に対応するもの)を設けて、ライン330中の水を処理して、その後でこの水を漂白プラント212へ戻したり、あるいは他の用途に使用することもできる。各ループ94〜97に対し、汚れた液が抜き出されたら、その液を少なくとも一部分は補わなければならないのはもちろんである。そうしなければ、液が減ってループが成り立たなくなってしまう。第二ループ94に対しては、これは、普通は弁306に連結されたライン307を経る排出を利用することによって達成される。弁306は・・・図7に概略示されるように・・・CRC309および/またはCRC98によって制御され、補給水をループ94へ供給することができる。第一ループ95への補給水は、きれいな水を含んでいる、ライン330の枝分かれであるライン331によって行われるのが普通である。しかし、ループ94 〜97のいずれに対しても必要なことは、汚れた液の放出は、より汚れの少ない液で補えばよいということは勿論である。もっとも、シールループ95に対しては、ライン330からきれいな水を入れることが望ましい。また、図7には、それそれループ96、97に液を補給目的に供給する分枝ライン332と333が示されている。もっとも、これらのラインへの補給液の量はかなり低流量である。これらには前のループのラインから液が供給されるからである(つまり、ループ96にはライン303とライン311の両方から液が供給され、一方ライン9 7には逸出余液貯留槽239とライン316との両方から液が供給される)。ループ96およびループ97に対する補給液の大部分は、前のループ(複数を含む)から供給されることになるから、きれいな液のライン330から補給液を、分枝ライン332と333を通じて供給する必要があるにしても、それは最小限の量であろう。従って、図7に示されるようなシステムを用いることによって、最もきれいな水は、必要とされる場合のみに取って置くことができ、しかも工場内の液の回路の全てにわたって十分な水の量が確保されていることが分かるであろう。従って、本発明によって、セルロースパルプ工場からの廃液を絶対的に最小限化する効果的な方法および装置が提供されたことが分かるであろう。本発明については、最も実際的でかつ好ましい態様であると現在考えられたものを本明細書に示し、かつ説明したものであるので、多くの部分的改変点が本発明の範囲内で当業者には明らかになろう。従って、本発明の特許請求の範囲については、すべての等価の方法および装置を含むように最も広く解釈すべきである。

    ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 グリーンウッド ブライアン エフ. アメリカ合衆国、ニューヨーク州 12801 ―3686、グレンス フォールス、リッジセ ンター(番地なし) カミヤー インコー ポレーテッド内(72)発明者 グリックセン ヨハン フィンランド国、ヘルシンキ、カーヒュラ エー. アールストローム コーポレーシ ョン内(72)発明者 キイスキラ エルッキ フィンランド国、カーヒュラ、エー. アー ルストローム コーポレーション内(72)発明者 マッテルマキ エスコ フィンランド国、ヴァーカス、カーヒュ ラ、エー. アールストローム コーポレー ション内(72)発明者 フィリップス ジョセフ アール. アメリカ合衆国、ニューヨーク州 12801、 グレンス フォールス、リッジセンター (番地なし) カミヤー インコーポレー テッド内(72)発明者 リチャードセン ジャン ティー. アメリカ合衆国、ニューヨーク州 12801、 グレンス フォールス、リッジセンター (番地なし) カミヤー インコーポレー テッド内(72)発明者 リイハム ロルフ アメリカ合衆国、ジョージア州 30077、 ロズウェル、マンセル コート 30 (72)発明者 ソダーマン ジャルモ フィンランド国、ヘルシンキ、カーヒュ ラ、エー. アールストローム コーポレー ション内(72)発明者 ウィクルンド カール ジー. フィンランド国、ボナッスンド、カーヒュ ラ、エー. アールストローム コーポレー ション内

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