Production method of potassium fertilizer and other metal sulfates sulfuric acid

申请号 JP2003524936 申请日 2001-08-29 公开(公告)号 JP4812253B2 公开(公告)日 2011-11-09
申请人 リグビィ、ウィリアム、ジェイ.; 发明人 コックラン、ケイス、ディ.; ホルト、ティモシィ、ジイ.; リグビィ、ウィリアム、ジェイ.;
摘要
权利要求
  • ハロゲン化アルカリ金属とハロゲン化アルカリ土類金属とからなる群から選ばれるハロゲン化金属粒子を対応する1種又は複数種の硫酸塩へ変換する方法であって、ハロゲン化金属粒子を二酸化硫黄と水蒸気と空気とを含む流動気体と十分な速度で接触させてハロゲン化金属粒子の流動床を形成させ、この流動床 を2 04℃ (4 00°F)か ら8 71℃ (1 600°F)の範囲の温度で十分な時間維持して、気体を生成させるとともに、ハロゲン化金属粒子を対応する1種又は複数種の硫酸塩に変換させることを特徴とするハロゲン化金属粒子を硫酸塩へ変換する方法。
  • 前記ハロゲン化金属粒子の1種又は複数種のハロゲン化物は、塩化物、フッ化物、臭化物およびそれらの混合物からなる群から選ばれることを特徴とする請求項1記載の方法。
  • 前記ハロゲン化金属粒子の1種又は複数種の金属は、カリウム、ナトリウム、カルシウムおよびそれらの混合物からなる群から選ばれることを特徴とする請求項1記載の方法。
  • 前記流動床 は3 0cmか ら1 .2m (1 2インチから4フィート)の範囲の深さを有することを特徴とする請求項1記載の方法。
  • 前記流動気体とハロゲン化金属粒子との接触を十分な時間維持して、前記流動床から出る流動気体から実質的に全ての硫黄含有気体を除去することを特徴とする請求項4の方法。
  • 前記二酸化硫黄は元素硫黄を燃焼して製造したことを特徴とする請求項1記載の方法。
  • 前記流動気体はSO3 を含むことを特徴とする請求項1の方法。
  • ハロゲン化アルカリ金属とハロゲン化アルカリ土類金属とからなる群から選ばれるハロゲン化金属粒子を対応する1種又は複数種の硫酸塩へ変換する方法であって、二酸化硫黄と水蒸気と空気とを含む流動気体をハロゲン化金属粒子に十分な速度で通過させてハロゲン化金属粒子を流動させこの流動を維持することによって、一連の複数のハロゲン化金属粒子流動床を形成し、一連の複数流動床の最後の流動床を出る流動気体は硫黄を実質的に含まずかつ一連の複数流動床の最初の流動床を出る粒子はハロゲン化物を実質的に含まないようになるまで、一連の複数流動床おける一つの流動床から出る流動気体をもう一つの流動床に通過させることを特徴とするハロゲン化金属粒子を硫酸塩へ変換する方法。
  • 前記粒子は一連の複数流動床における流動床から流動床へ移送されることを特徴とする請求項8記載の方法。
  • 前記流動気体は、前記粒子の移送方向と対向する方向に流動させることを特徴とする請求項9記載の方法。
  • 前記ハロゲン化金属粒子の1種又は複数種のハロゲン化物は、塩化物、フッ化物、臭化物およびそれらの混合物からなる群から選ばれ、前記ハロゲン化金属粒子の1種又は複数種の金属は、カリウム、ナトリウム、カルシウムおよびそれらの混合物からなる群から選ばれることを特徴とする請求項10記載の方法。
  • 各流動床 は3 0cmか ら1 .2m (1 2インチから4フィート)の範囲の深さを有することを特徴とする請求項11記載の方法。
  • 前記流動気体における二酸化硫黄は元素硫黄を燃焼して製造したことを特徴とする請求項8記載の方法。
  • 前記流動気体中の硫黄はSO3 を含むことを特徴とする請求項8記載の方法。
  • 前記複数の流動床は単一の容器中に垂直に配列され、一つの流動床からの粒状物質がより低い位置の流動床へと流下し、より低い位置の流動床から出る気体がより高い位置の流動床を通って流れるようにしたことを特徴とする請求項8記載の方法。
  • 前記複数の流動床が垂直に配列され、粒子は流動気体に対して対向するように流れ、ハロゲン化物含有量の最も高い粒子は酸化硫黄含有量の最も低い気体と接触するようにしたことを特徴とする請求項8記載の方法。
  • ハロゲン化物は塩化物であり、金属はカリウム又はカルシウムであることを特徴とする請求項8記載の方法。
  • 说明书全文

    この発明は、実際に流動化した状態において金属塩化物と二酸化硫黄および/または三酸化硫黄の気体とを反応させて、金属および1以上の二酸化硫黄又は三酸化硫黄の成分からなる組成の固体と気体状の酸とを製造する方法に関するものである。 さらに詳しくは、この発明は、向流的な流れと実際に流動化した流動床の技術を利用するエネルギー効率のよい非性の媒体中で、二酸化硫黄又は三酸化硫黄の気体と塩化カリウムとを用いて硫酸カリウム肥料と塩酸を製造する方法に関するものである。

    この方法における特異な点は、最初の原料塩化カリウムと本質的に同じ結晶サイズおよびふるい分析を維持できると同時に、非常に速い速度で(日単位に比較して分単位で)かつ適度な昇温下で反応させることができることである。 この発明による向流的な流れという点においては、高純度の硫酸カリウムおよび二酸化硫黄を実質的に含まない塩酸気体の製造を可能にしている。

    カリウムは、全ての植物のライフサイクルにおける3つの必須元素(窒素、リン、カリウム)の一つである。 それ故に肥料には、あらゆる形態で3つ全ての元素が一般に含まれる。 しかしながら、カリウムは一般に塩化物として用いられる。 なぜならば、塩化物が最も入手が容易で最も安価なカリウム化合物であるためである。 多くの作物(例えば柑橘類やタバコ)にとって、少量の塩化物を含む肥料は有毒である。 それ故、塩化物源を含まないカリウム肥料として硫酸カリウムを製造する要求はかなりある。 しかしながら、天然の堆積物や海水から製造する既存の方法に匹敵するような比較的安価に製造されなければならない。 硫酸カリウムは、複塩である“K 2 SO 4 2MgSO 4 ”(ラングバイナイト)を除いては、天然物としては知られておらず、これは採掘されてそのまま販売されている。 マグネシウムは好ましい微量栄養素であるが、ラングバイナイト中におけるその存在比率15.25%が、塩化カリウムの代替物としての需要を低減している。

    さらにラングバイナイトは一般的に侵入型の塩化ナトリウム“NaCl”とともに生成され、95%のラングバイナイト製品を製造するには入念な洗浄やサイズコントロールが必要となる。 純粋な硫酸カリウムは、塩化カリウムとの反応によってラングバイナイトから製造することができる。
    2 SO 4 +2MgSO 4 +4KCl→3K 2 SO 4 +2MgCl 2

    しかしながらこの方法は、固体を溶解した後、蒸発および結晶化を施して硫酸カリウムを回収する必要がある。 この方法を管理することは難しく、製造された生成物は純度や粒子サイズが不安定である。

    Hargreaves 等の特許文献1(特許日:1874年4月24日)には、塩化物を硫酸と接触させることによってナトリウムやカリウムの塩化物を硫酸塩と塩酸に変換できたことが教示されている。 この硫酸は、空気と水蒸気とにより亜硫酸を酸化する旧式のチャンバ法に類似する方法によって作られたものであり、硝石又は硝酸を添加することで亜硫酸を硫酸に変換する速度を増加させている。 塩化物の変換は粗雑な容器内で行われ、変換が完全になされるまでアルカリ塩の固定床を通して硫酸気体を導入する。 混合前、混合中および混合後に空気、亜硫酸および水に熱を加え、気体と酸性蒸気を昇温(過加熱)する。

    この基本的な反応を利用する多くの方法が提案されてきた。 それらのうちの多くは、“ウルスター(Wurster)”型装置で形成されるものに類似する噴流床を説明するために、“実質的な流動状態にある密度の高い気体相の撹拌された床”を説明するために、“アルトリエイティッド・ゾーン(allutriated zone)”を説明するために、または固体を同伴した気体を説明するために、“流動床(fluidized bed)”という用語を使用している。

    それらは総称的用語の“流動化された(fluidized)”という意味に解せられるであろうが、それらは実際のあるいは慣用的な流動床ではない。 「実際の流動床においては、加圧気体の流れにより、粒子は不規則に動き、流動状態に維持される。一般的には金属板又はスクリーンのごとき孔開き支持体の上に粒子をおくことによって達成できる。加圧気体を孔開き板の複数の孔を通過させて、粒子を流動化させる。実際の流動は、緩やかに沸騰する液体のように、不規則な乱流状態で動く粒子によって特徴付けられる。」(Darrah等の特許文献2、第4欄44行目参照)。

    Nguyenの特許文献3、第3欄34行目において、発明者は、彼の方法を区別するために流動床を総称的に下記のように定義する必要があると述べている。 「本明細書中で用いている流動床という用語は、慣用的な流動体の床、複数のペレットが気体流中で運ばれて分離されて導入地点へ戻される速く動く流動体移送システム、噴流床等を包含するものである。」かような区別を強調することは重要である。 なぜならば、実際の又は慣用的な流動化は、固体を流して液体のように行動させることだからである。

    本発明において使われる実際の流動床は、Darrah等の特許文献2に概説された定義と一致するものであり、向流的な気体と固体の流れを使用することができ、結果として、高純度の硫酸カリウムと塩酸の製造、結晶の完全さの維持、迅速な変換速度、装置の簡単さ、きわめて効率的なエネルギーの節約、環境的に制御されるべき排出物の除去をもたらすことができる。 本発明における流動床は、噴流床、密度の高い気体相の撹拌された床、アルトリエイティッド・ゾーン、あるいは、速く動く流動体移送システムが排除される。 なぜならば、慣用的な実際の流動化として説明した以外のかような手段によっては、本発明の結果を達成することができないであろうからである。

    ザ・ポタッシュ・カンパニー・オブ・アメリカ(The Potash Company of America)という会社では、テキサス州のデュマにある小さなプラントで、Hargreaves法を用いて二酸化硫黄を使い塩化カリウムから硫酸カリウムを製造していたが、現在は利益があがらないとして閉鎖されている。 この方法は、100メッシュに粉砕された塩化カリウム約31g(1オンス)を長さ約5cm(約2インチ)、厚さ約1.9cm(約3/4インチ)の卵形に成形して圧密化したブリケットが必要であり、このブリケットはガス燃焼回転乾燥装置中で乾燥し、選別されて、変換室に充填されるまで貯蔵された。 このプラントは、レンガで裏張りされた約4.9m 2 (16平方フィート)、深さ約4.3m(14フィート)の囲いからなる8個の変換室を備えており、鋳鉄製の複数の鉄格子上に約50トンのブリケットが分配載置された。 これらの変換室は、1個の断熱スチールカバーで覆われた。 これら8個の変換室のうちの7個は運転状態が維持され、1個は新しいブリケットの充填と抜き出しが行われた。

    重い約61cm(24インチ)配管でこれらの変換室を一連に接続し、空気と水蒸気の存在下で硫黄を燃焼させることにより製造された二酸化硫黄気体を各室の底部に導入し、対線上の対向するコーナーの頂部から排出するようにした。 最も長時間運転状態とされている変換室(第1の室)には最も濃い気体が導入され、新しく充填された変換室には最も薄い気体が導入された。 一連の変換室のうちの第1の室は充填と抜き出しが毎日なされ、7個の室は常に同時に運転状態とされた。 次いで、第2の室が一連のうちの第1の室になり、新しく充填された室が最後の室になり、中間部の複数の室が一連の室の中で繰り上がっていく。 新しくブリックを充填された室を接続するとともに最も古い室からブリックを抜き出すために、プロセスを毎日中断しなければならなかった。 こうした充填、抜き出し工程に適合するよう、配管を接続し直さなければならなかった。 変換室から抜き出されたブリケットは破砕され、篩い分けされるが、多量の微粉がもたらされた。 湿った塩化カリウムから成形されて圧密化されたブリケットを乾燥するために多量のエネルギーも必要とされた。 反応によって生成する塩酸は、市販品グレードとして販売された。

    このプロセスの中断と開始を毎日行うのに関連する非効率性の他にも、これに伴う多大の労と非能率性は、上述の説明からも明らかである。 ブリケットの圧密化に先立つ機械的研磨やその後の変換工程においては制御できない微粉が生成されるために、最初の塩化カリウム結晶の完全性も失われた。 その上、ブリケットの中央を気体が完全に通過しないため、しばしば未反応のKClを残留させ、これが最終生成物に混入した。 また、複数の変換室の間でかなりの圧力低下が生ずるため、一連の変換室の至る所に複数の送風機を隔置して気体流を維持した。 これらの送風機は高温塩酸気体と二酸化硫黄気体に曝される結果、配管と送風機の相互接続のために高度のメンテナンスを必要とした。 実際の流動床技術を用いる単純な本発明によれば、上述した不利な点および非効率性を解消し、優れた粒状品質と製品純度をもたらすことができる。

    Lippman 等の特許文献4は、二酸化硫黄、酸素(空気)および水蒸気の移動流の中に、アルカリ金属塩化物の無数の微粉を分散又は注入することにより、約760℃から約843℃(約1400°Fから1550°F)の反応温度で、アルカリ金属の硫酸塩を製造する方法を開示している。 この方法には本来的に多くの不利な点があり、特に、反応速度を上げるために、望ましくは移動気体流中で許容される時間内に完全に反応させるために、供給物質として“塩化物の微粉”を使用することである。 100メッシュ通過分が63%、200メッシュ通過分が35%の範囲といった極めて細かい粒子分布の粒子に対しては、完全に反応させるために約843℃(1550°F)程度の高温が必要とされる。 明らかに、非常に細かい供給物質は非常に細かい粉状の最終生成物をもたらし、これは商業的に好ましくないものである。 粒子がさらに粗大になると、約1093℃(2000°F)以上の高い温度が要求される。 より好ましい比較的低い反応温度を必要とするならば、酸化鉄の触媒(不純物となる)を添加する(0.5%)。 アルカリ金属塩化物は移動気体流に注入されるため、注入個所以外では、気体と粒子の流れは並流となる。 注入個所では、粒子に作用する重力による引力のために瞬間的に向流が存在するかもしれないが、ほぼ次の瞬間には粒子は移動気体流中に捕捉されてしまう。 それゆえ、完全な反応が起こるのは非常に短時間しかなく、さらには、気体と粒子が並流的に反応塔の上方へ上昇するにつれて、粒子表面のSO 2の吸着、気体流からのSO 2の脱離および気体流への塩酸気体の混入によって、気体と粒子との間の二酸化硫黄の濃度勾配は減少する。 このプロセスは自然のままに進行するため、粒子の中央に未反応ハロゲン化物が残留する可能性が多くなる。

    さらにこの特許文献4で「炉の頂部から放出される粉状の生成物は、本質的に硫酸ナトリウム、塩化水素、窒素 残留酸素からなり、二酸化硫黄、三酸化硫黄および未反応の塩が少量含まれる。」と記載されているように、高価な気体分離法を用いて、SO 2 /SO 3を含まない塩酸を回収しなければならず、最終の硫酸塩生成物は塩化物で汚染され、触媒として鉄を使用した場合には鉄で汚染されているであろう。 回収された塩酸も、溶解したSO 2 (亜硫酸)や溶解したSO 3 (硫酸)により汚染されているだろう。 SO 2は容易に水に溶けないため、吸収されないSO 2から空気汚染の危険も生じうる。

    Cannonの特許文献5は、深い(約6.1m(20フィート))密な床の中のナトリウム、カリウム、カルシウムの塩化物を、二酸化硫黄、空気および水蒸気を含む気体流をこの床に通して上方に流して撹拌することにより反応させることによって、硫酸塩と塩酸を製造する方法を教示している。 塩化物の硫酸塩への変換は粒子表面で起こり、粒子の撹拌により表面が剥がれ落とされる。 硫酸塩生成物は非常に細かい微粉であり、気体上昇流に同伴される。 特許文献5には、連続操作と回分操作の両方が記載されているが、いずれも非常に細かい硫酸塩が生成され、この特性のために、商業的需要が限定されていた。 回分操作においては、この微粉を回収するために複数のサイクロン分離器が必要なものとして図示されており、一方、連続操作においては、遠心分離器は示されておらず、直径を小さくした中央配管中で重力による微粉の分離がなされている。

    直径の大きい外側の分散相における気体速度は、この微粉を直径の小さな中央配管へ運ぶので、この小さな直径の配管中および装置出口となる配管中の気体速度は著しく増大し、それ故、かなりの量の硫酸塩がその気体中に混入して塩の予熱器に捕捉され、あるいは塩酸中に汚染物質として捕捉される。 予熱器に捕捉された硫酸塩は、密な床に再導入され、そして再び反応気体と接触させて反応させるため(4頁、第1欄46行目)、最終生成物に不純物が導入する可能性がある。 最終的な硫酸塩生成物は、最初の原料金属塩化物の完全な大きさを維持せず、この特許に記載された方法によって製造された細かい微粉は、それ自身非常に細かい最初の120メッシュの供給物はよりさらに細かい。 両方の操作におけるもう一つの重大な不利な点は、気体と固体の間のSO 2濃度勾配がカラムを通して上昇するに従い減少し、塩酸のSO 2汚染の可能性、あるいはSO 2が塩酸に吸収されなかった場合の環境のSO 2汚染の可能性が増加する。 これは、回分操作において重大な問題となり得ることである。 なぜならば、反応が進むにつれて床の高さが減少し、固体と気体の間におけるSO 2濃度勾配も減少するためである。 特に、両方の操作における始動期間中に供給塩を予熱する必要があるため、エネルギー効率が低減する。 さらに不利な点としては、硫酸塩生成物を製造するために時間を要することであり、この特許の説明によれば、完全に反応するのに数時間かかることが示されている。

    Cannonの特許文献6は、ナトリウム、カリウムおよびカルシウムからなる群から選択された金属塩化物を、ナトリウム、カリウムおよびカルシウムからなる群から選択された金属硫酸塩と塩酸とに変換する方法を開示している。 この特許文献6の方法では、撹拌された深い(約4.6m(15フィート)から約6.1m(20フィート))密な床中で、高温に加熱された気化した硫酸の使用が必要となり、摩擦によって硫酸金属の細かい微粉が生成される。 この方法は特許文献5について前述したと同様の欠点がある。 さらにこの方法は、金属塩化物の予熱と硫酸の気化に大量の熱を必要とするため、エネルギーが非効率的である。 硫酸の高温蒸気の腐食性に起因する腐食も重大な問題として存在する。

    Cannonの特許文献7には、酸性気体の重要な元素を含む塩の粒子を、高い温度で維持された反応域において噴霧状の硫酸と反応させることにより、金属の硫酸塩と揮発性酸の気体を製造する方法が開示されている。 この特許文献7における「発明の背景」の項の第1欄49行目に示されているように、発明者は彼の先願発明における基本的な欠点、すなわち前述したような“過度に微粉状の”細かい微粒子の生成を強調している。 この欠点を処理するためにこの後願の特許では、非常に高温の気体(約871℃(1600°F)から約1093℃(2000°F))の中で移送されている塩粒子の噴流浮遊床を用い、この中に硫酸の液体と蒸気を向流的に吹き付けている。 硫酸塩への変換は、反応装置内の短い滞留時間で生じる。 液体硫酸の存在下での高温度のために、一部の粒子の凝集が生じる。 しかしながら、ウルスター型装置のように、未反応の塩粒子を反応域に再注入する手段が無いため、未反応の塩粒子と小さな硫酸塩粒子は生成物排出ラインに引き込まれてしまう。 反応域へこれらの粒子を飛散させて戻すために、スパージャーが三個所に設置されている。 この域の速度はとても速くかつ乱流となっているため、飛散空気中に浮遊する粒子は、高温気体噴流が容器の直径の全体にわたって膨張されている区域に運ばれ、次いで反応気体により反応装置の外へ運び出され、反応域から運ばれた未反応の微粉塩化物と硫酸塩とともにサイクロンにより回収されるものと思われる。 微粉が含まれる塩化物はほとんど商業的価値がなく、反応装置に再循環しなくてはならない。 この特許方法の説明には、この再循環物が供給物のどれ程の割合を占めるかについて記載していないが、短い反応時間であるため、供給物のかなりの割合が未反応となり、一部は反応しあるいは一部は凝集するものと思われる。 このことは、高いリサイクル割合と低い効率をもたらすことになろう。

    硫酸が存在することによって、微粉と塩酸生成物の汚染も考えられる。 この特許文献7の方法では、化学量論的割合の硫酸と塩供給物を反応域に供給すると記載されているが(第5欄、30-34行目)、93%から98%の化学量論的収率で反応が本質的に完了するとも記載されている。 このことは、2%から7%の化学量論的量の硫酸と塩化カリウムは反応が完了せずに硫酸塩生成物の成分とならず、したがってそれらは塩酸生成物中に含まれ、あるいは硫酸塩中の汚染物質となるに違いないことを意味する。 この汚染は最終生成物の商業的価値を著しく減少させるだろう。

    装置は複数の細い通路を含んでいて複雑であり、厳しいプロセス制御(塩の軟化や溶融の防止等)を行わなければ目詰まりを起こす。 装置は極めて腐食性の条件(高温硫酸蒸気および約871℃(1600°F)から約1093℃(2000°F)の気体と混合された液体)を受けることになる。 供給する塩および同伴気体の予熱(約871℃(1600°F)から約1093℃(2000°F))および液体酸の気化と予熱を行って反応を維持するためには、最終的に多量の熱が必要とされる。

    Cannonのその後の特許文献8では、前述した技術に使用される装置をクレイムしている。

    硫酸カリウムは塩水の湖又は海(例えばグレート・ソルト・レイク(Great Salt Lake))からも回収される。 これらの塩水中の塩濃度は降雨量により影響されるため、ユタ州のグレート・ソルト・レイクでの生産は過去長い間停止されていた。 さらに、特にKClやNaClといった化合物の沈殿と分離には、技術的な問題を生じた。 これらの塩水からは多量の硫酸カリウムが製造されるけれども、その他の化合物から硫酸カリウムを回収するのに多量の処理とエネルギーを要するため、その操作は効率的ではなかった。

    Baniel等の特許文献9には、水溶性の金属硫酸塩、リン酸塩又は硝酸塩の製造方法が開示されており、この方法は、各金属塩化物をそれぞれ遊離硫酸、リン酸又は硝酸と水性媒体中で反応させるものである。 塩酸は、水との限定された相互混和性を有する溶媒を用いて水性液体から抽出されるが、この溶媒は塩酸を抽出するためのものであり、金属塩を抽出するためのものではない。 この方法は商業的に開発されたけれども、簡単さと効率性に欠けている。 多量の液体を取り扱わなければならず、また、所望の塩や溶媒を回収するために、結晶化、抽出、分離および蒸留プロセスが必要とされる。 揮発性の有機溶剤が抽出プロセスに使用されるため、厳しい環境基準や安全性基準が要求される。 この方法を使用する主要なプラントは、長期間にわたり生産が中断されることになる重大な火災の被害を被る危険がある。

    混合された複数の塩の溶液から、硫酸カリウム及びその他の硫酸塩を回収する多数の方法が教示されている。 これらの方法では、種々のアルカリ金属又は硫酸塩又はこれらの塩類の溶液を添加し、濃度を変化させて、これらの溶液から所望の生成物を沈殿させている。 これらの方法は複雑であり、温度と濃度の厳格な制御が要求され、多量の液体の取り扱いと循環を行う必要がある。 Sokolov等の特許文献10、Lampert等の特許文献11、Efraim等の特許文献12、Zisnerの特許文献13およびNeitzel等の特許文献14は、全てこの種の方法を教示している。

    その他の特許は、硫酸と塩化カリウムの反応により硫酸水素カリウムおよび/または硫酸カリウムを製造する硫酸カリウムの製造方法を教示している。 Worthington等の特許文献15、Iwashita等の特許文献16、Sardisco等の特許文献17およびMyazaki等の特許文献18は全てこの種の方法を教示しており、母液からの所望の固体の沈殿と回収、および残留濾過液の循環又は蒸発を必要とする。 これらの方法は全て、高いエネルギーの投入、多くの単位プロセスおよび多量の液体の循環が必要となる。

    さらに他の方法であるVajna等の特許文献19は、イオン交換による硫酸カリウムの回収を教示している。 この方法においては、飽和塩化カリウム溶液を硫酸塩を付加したアニオン樹脂と強力に接触させ、塩化物イオンを樹脂に付着させるとともに硫酸塩を放出させて硫酸カリウム溶液を生成させる。 この硫酸カリウム溶液から硫酸カリウム結晶を回収し、減損したイオン交換樹脂は硫酸マグネシウム溶液と強力に接触させて、塩化マグネシウム溶液を生成させる。

    Sardisco等の特許文献20には、アルカリ金属塩化物と硫酸との反応からアルカリ金属硫酸塩を製造する方法が概説されている。 この方法は、硫酸をアルカリ金属のフルオロ珪酸塩と反応させてアルカリ金属硫酸塩とフルオロ珪酸H 2 SiF 6を生成させ、このフルオロ珪酸がアルカリ金属塩化物と反応して塩酸とアルカリ金属のフルオロ珪酸塩を生成する。

    米国特許149,859号

    米国特許5,399,186号

    米国特許4,495,163号

    米国特許2,336,180号

    米国特許2,706,144号

    米国特許2,706,145号

    米国特許3,563,701号

    米国特許3,717,440号

    米国特許2,902,341号

    米国特許4,215,100号

    米国特許5,529,764号

    米国特許5,552,126号

    米国特許5,549,876号

    米国特許4,129,642号

    米国特許4,588,573号

    米国特許4,342,737号

    米国特許4,045,543号

    米国特許4,436,710号

    米国特許4,707,347号

    米国特許4,268,492号

    この発明の第1の目的は、金属ハロゲン化物と酸性気体とを反応させて、酸性気体カチオンを含む乾燥固体化合物を製造するとともに、金属カチオンを含む気体の酸(又は酸化物)を遊離させる新規な方法を提供することによって、従来技術の問題点と効率の悪さを解消することである。

    さらにこの発明は、前記反応のための新規なエネルギー効率の高い方法を提供することを目的とする。

    さらにこの発明は、前記化合物の製造のための新規な簡単で費用効率に優れた方法を提供することを目的とする。

    さらにこの発明は、前記の新規な方法を効果的に実施して前記反応を生じさせるための条件を提供することを目的とする。

    さらにこの発明は、既存の製品と容易に混合されているあるいは遅放出性被膜でコーティングして造粒されている最初の固体とほぼ同じメッシュサイズからなる粒状生成物を提供することを目的とする。

    さらにこの発明は、高品質の硫酸カリウム肥料を製造する費用効率に優れた方法を提供することを目的とする。

    本発明は、ハロゲン化アルカリ金属とハロゲン化アルカリ土類金属とからなる群から選ばれるハロゲン化金属粒子を対応する1種又は複数種の硫酸塩へ変換する方法であって、ハロゲン化金属粒子を二酸化硫黄と水蒸気と空気とを含む流動気体と十分な速度で接触させてハロゲン化金属粒子の流動床を形成させ、この流動床を2 04℃ (4 00°F)から8 71℃ (1 600°F)の範囲の温度で十分な時間維持して、塩酸気体を生成させるとともに、ハロゲン化金属粒子を対応する1種又は複数種の硫酸塩に変換させることを特徴とするハロゲン化金属粒子を硫酸塩へ変換する方法である。

    さらに本発明は、ハロゲン化アルカリ金属とハロゲン化アルカリ土類金属とからなる群から選ばれるハロゲン化金属粒子を対応する1種又は複数種の硫酸塩へ変換する方法であって、二酸化硫黄と水蒸気と空気とを含む流動気体をハロゲン化金属粒子に十分な速度で通過させてハロゲン化金属粒子を流動させこの流動を維持することによって、一連の複数のハロゲン化金属粒子流動床を形成し、一連の複数流動床の最後の流動床を出る流動気体は硫黄を実質的に含まずかつ一連の複数流動床の最初の流動床を出る粒子はハロゲン化物を実質的に含まないようになるまで、一連の複数流動床おける一つの流動床から出る流動気体をもう一つの流動床に通過させることを特徴とするハロゲン化金属粒子を硫酸塩へ変換する方法である。

    この発明は、以下に記載され、添付図面に図示され、特許請求の範囲に指摘された事項を組み合わせた新規な特徴からなるものであり、この発明の主旨から外れることなく、またこの発明のいかなる利点をも犠牲にすることなく、細部における多様な変更を行えることを理解すべきである。

    上述した背景技術で概説した方法は全て、最終生成物が最初の固体供給物と本質的に同じサイズ分布および純度を維持することができる本発明の有する単純さ、エネルギーおよび操作効率をもたらさない。 本発明では、反応が迅速に進行して完結する。 また、外部加熱源を必要とせず、ハロゲン化物は頂部の床に供給され硫酸塩は底部の床から抜き出されてプロセスが連続的になされる。 さらに、実際の流動化および重力が、生成物を床から床へと流し、最も高い濃度の二酸化硫黄気体流をほぼ変換された供給物と接触させるとともに、最も薄い気体を原料供給物と接触させることができる気体(流動する媒体)の向流をもたらし、これによって、流出する塩酸の気体状生成物のSO 2又はSO 3気体による汚染を無くすことができる。

    図1は、容器15内の多孔板12の上方に浮遊している複数の粒子11からなる流動床10が開示されている。 容器15は円筒形のパイプとして図示されているが、この形状に限られるものではない。 容器15は、多孔板12の下方に気体入口16を備え、分離域17の上方に気体出口18を備えている。 分離域17は多孔板12の上方の領域にあり、多孔板12を通過して流れる気体中に同伴された粒子が流動床10に戻るために必要である。

    Kearlns版「McGraw Hill」(1976年版)に記載されているように、流動床は、流動床を通して供給される加圧気体の流れによって、不規則に移動し、浮遊し、適度に撹拌された状態に維持されて、緩やかに沸騰している液体と同じ様に流れている固体粒子と定義されている。 この流動床は、多孔板の上に粒子を置き、この多孔板の複数の孔を通して加圧気体を押し流し、この気体により粒子を流動化させることによって通常は達成される。 かような流動床技術は当該技術においてよく知られている。

    図2は、本発明の他の実施形態を示しており、複数の流動床が垂直に配置されている。 さらに詳しく述べるならば、反応装置25は、気体入口27と気体出口28とを有する円筒型の容器26からなる。 粒子入口管30は、注入スクリュー機構31を内蔵しており、さらに粒子出口管35は、生成物スクリュー機構36を内蔵している。 粒子入口管30は反応装置25の頂部近くに位置し、粒子出口管35は反応装置25の底部近くに位置している。
    反応装置25は、気体入口27に連通する高温気体プレナム40と気体出口28に連通する排出気体プレナム45とを有する。

    図2に示すように、複数の多孔板50A,50B,50C,50Dが配設されており、各多孔板は対応する流動床55A,55B,55C,55Dをその上に支持している。 流動床は、気体入口27から導入されて高温気体プレナム40を通って供給され次いで各々の多孔板を通過してきた気体により、流動化状態とされている複数の粒子から構成されている。 流動床55A−55Dの各々は、各流動床からその下に隣接配置された次の流動床へと粒子を流通させる粒子オーバーフロー管60A−60Dを備えている。 例えば管60Aは流動床55Aから流動床55Bに粒子を流通させ、管60Bは流動床55Bから流動床55Cに粒子を流通させる。 粒子オーバーフロー管60Dは、流動床55Dと粒子出口配管35との間の流通をもたらす。 反応装置25は内部オーバーフロー管60A−60Dを有しているが、外部に設けたオーバーフロー管を用いることもできる。

    以下に説明するように、水蒸気と空気の中に酸化硫黄を含む高温気体を気体入口27を通して導入し、流動床55Dから55Aを流動化させるのに十分な圧力で上方に流す。 各流動床におけるハロゲン化物粒子との化学反応により気体中の酸化硫黄の濃度は減少するとともに粒子中の流酸塩の濃度は増加するため、気体入口における気体中の酸化硫黄濃度が最も高い値となり、最上部の流動床55Aを通過して流れる気体中の酸化硫黄濃度が最も低い値となる。 そのため、排出気体プレナム45における酸化硫黄濃度が実質的に低減し、さらに処理を施すことなくあるいはほんの僅かな処理を施すだけで大気中へ排出できる程度に十分低いレベルまで減少させることができる。 一方、流動床55Dにおける硫酸塩の濃度は、全部ではないがほとんどのハロゲン化物が対応する硫酸塩へ変換されているため最大となる。

    図2では、塩化カリウム粒子を粒子入口管30から流動床55Aに導入し、硫酸カリウムを流動床55Dから粒子出口管35を通して流出させる例を示しているが、この例は説明のためにのみ図示したものである。 ハロゲン化物は塩化物、臭化物又はフッ化物のいずれか一つ又はそれらの混合物でもよい。 また金属はカリウム、ナトリウム、カルシウムのいずれか一つ又はそれらの混合物でもよいことを理解すべきである。 流動床の数は、SO 2の除去率によって決定される。

    図3は、複数の反応装置75A、75B、75C、75Dから構成されたシステム70を示しており、図示されるよう各反応装置は気体の配管と粒子の配管により接続されている。 さらに詳しく述べると、各反応装置75A−75Dは、対応する気体入口プレナム76A−76D、気体出口プレナム77A−77Dおよび固体入口78A−78Dを備えている。 システム70における物質の流れは、反応装置25について先に説明した流れと同じであるが、システム70では単一の容器でなく多数の別個の反応装置を有している。

    さらに詳しくは、システム70では反応装置75Dの気体入口プレナム76Dに通じる気体入口80を有する。 気体入口80は硫黄燃焼装置81と連通しており、硫黄燃焼装置81は硫黄の供給源82と空気の供給源83に接続されている。 硫黄と空気は硫黄燃焼装置81内で燃焼され、いくらかSO 3を含んでいてもよいSO 2として示した酸化硫黄は、硫黄燃焼装置81から配管84を通って移送される。 酸化硫黄は加湿器86に流れ、加湿器86内には水蒸気87の形態の水を供給して酸化硫黄を含む気体を加湿し、次いでこの気体を気体入口管80を通してプレナム76Dへ圧送してそれぞれの反応装置の多数の多孔板79A−79Dを通して流し、それぞれの反応装置75A−75D内で対応する流動床を形成させる。 生成物出口90は生成された硫酸塩を反応装置75Dから取り出し、一方、気体出口77Aは塩酸気体を最終反応装置から排出する。

    個々に分離した一連の流動床区画室を備えた1つの垂直反応装置を使用して反応を行わせることも可能である。 なぜならば、気体と固体を向流に流せば流動床が形成できるからである。

    本発明に適用できる種々の装置やシステムが存在するが、いかなる場合でも、流動気体に対して向流的に流れる粒子流とすることが望ましく、これにより、連続して設けた複数の流動床を気体が流れるにつれて酸化硫黄の濃度を減少させ、気体の流れに対して粒子が逆に流れるにつれて金属硫酸塩の濃度を増加させることができる。

    本発明は、肥料又は他の商業的用途のための高品質の硫酸カリウムを製造する方法を目指している。 本発明は、慣用的な又は実際に流動化しているハロゲン化金属の浅い床に接触している酸性気体は、粒径サイズの重大な低減を生じさせることなく、固体粒子状アルカリを金属のアニオンと酸性気体のカチオンからなる固体化合物に迅速に変換させることができるとともに、金属のカチオンを含む酸又は酸性気体を遊離させる、という驚くべき発見に基づくものである。 浅い床とは、約1フィートから4フィートの深さの床を意味する。 この新規な方法は、前記化合物を製造するため、これまで知られていなかったエネルギーと費用効率の良い方法を与えるものである。

    本発明方法は、空気と水蒸気の存在のもとに、適度な昇温下、一連の複数の浅い流動床中で、二酸化硫黄又は三酸化硫黄を湿った又は乾燥したカリウム又はナトリウムの塩化物と接触させることからなる。 気体と流動固体の温度および気体中のSO 2とSO 3の濃度に依存するが、97%から100%の金属硫酸塩への変換を極めて短時間、すなわち数分から1−2時間で達成でき、同時に塩酸気体を遊離する。

    以上、本発明の基本的概念を説明したが、金属硫酸塩を製造するための本発明の好ましい実施例を以下に説明する。 しかしながら本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。

    [実施例1]
    本発明の好ましい実施例においては、塩化カリウムのような金属ハロゲン化物からなる約0.3m(1フィート)から約1.2m(4フィート)の深さの一連の複数の浅い流動床へ、好ましくは約538℃(1000°F)から約621℃(1150°F)の範囲の温度で、高温二酸化硫黄気体、空気および水蒸気を導入する。 二酸化硫黄は、標準的な硫黄燃焼装置中において元素硫黄を空気と一緒に燃焼させて製造することが好ましい。 反応に必要な十分な量の細かいスプレー状の水を高温二酸化硫黄気体流中に導入する。 二酸化硫黄濃度と温度は、燃焼装置における硫黄に対する空気の割合によって調整される。 市販品として入手可能な硫黄燃焼装置は、約704℃(1300°F)から1010℃(1850°F)の範囲の気体温度でSO 2濃度5%から18%のSO 2気体の製造が可能である。 より高温、高濃度気体を製造するには、過剰な空気を制御することで可能となる。 SO 2濃度を高く維持すればするほど、気体温度はより高くなり、反応速度もより速くなる。 約649℃(1200°F)程度の比較的低い温度は、腐食、塩の溶融及び粒子の凝集を低減できるため好ましい。 しかしながら、この温度では反応速度が数時間に増加する。 このことは重大な弊害とはならない。 なぜならば、複数の流動床、当業者によく知られているような適切な反応装置設計、前述したような様々な流動床深さ、および適正な流動化を採用することで、反応装置における固体の滞留時間が2時間程度に長くなるけれども、1時間あたり10トン以上の連続的な製造速度を維持できる。

    装置は多数の多孔板を含む垂直のカラムから構成することができ、内部又は外部の密閉されたオーバーフロー管によってこれらの多孔板が互いに接続されている。 底部多孔板の下方のカラム底部へ高温の硫黄燃焼気体と水蒸気を供給する。 金属塩化物の固体を頂部多孔板に連続して導入する。 流動床の深さは、多孔板上方のオーバーフロー管の高さにより調整される。 固体は、適正に流動化されることにより液体のように振る舞うので、オーバーフロー管からより低位の次段の多孔板へ流れ落ちる。 このプロセスは、固体が最後の多孔板に達するまで続き、最後の多孔板からコンベヤーに流れ込む。 各多孔板では、固体の流動化によって引き起こされる沸騰作用により、気体と固体が密に接触する。 各多孔板では、入口位置と出口位置との間に水頭差が存在し、その結果、入口から出口への固体の流れが生じる。 固体中のSO 4と気体SO 2との間の最大濃度差は、固体が反応装置を流れ落ち、気体が上昇するにつれて保持される。 これは、気体流におけるSO 2が金属ハロゲン化物と反応して硫酸塩に変換されるに伴って減少することに起因する。 底部多孔板では、最大SO 2濃度の気体が固体と接触し、全量又はほとんど全量が硫酸塩に変換する。 高い濃度のSO 2は、残存するハロゲン化物の遊離と、残存する金属ハロゲン化物の金属硫酸塩への変換を生じさせる。 頂部のいくつかの多孔板では、SO 2のほとんど使い果たされた気体が純粋な金属ハロゲン化物と接触し、SO 2が使い果たされて反応管から排出される。 連続する複数の流動化反応域において生成した純粋な塩酸気体は、残存する空気によって、反応カラムから運び出され、水に吸収させる。 吸収工程からの流出気体は、SO 2又はHClを含まないので、環境的にも容認できる。

    反応装置の流出物中のSO 2濃度を測定するために設計した実験では、10個の多孔板を有する反応装置の底部多孔板へSO 2気体を導入し、各多孔板には約227g(1/2ポンド)の塩化カリウムを収容した。 この固体は、各多孔板の上に試験期間中15分間保持された。 SO 2は塩化カリウムを流動化させながら各多孔板を通過し、頂部多孔板における硫酸カリウム濃度は1%K 2 SO 4に達した。 頂部多孔板から出る気体を、NaOH溶液を含む3つの独立した吸収器に通し、硫酸塩と重硫酸塩を分析した。 これらは微量しか存在しておらず、このことは、SO 2がハロゲン化物とほとんど反応したことを示していた。 導入したSO 2と10個全ての流動床で製造された硫酸カリウムの重量に基づいて計算した結果、この事実が確認された。 この実験は、1%の硫酸塩濃度と低濃度のSO 2気体を用いても、所定の反応温度と流動化状態において固体と気体とを密に接触させた場合には、SO 2はハロゲン化物とほとんど完全に反応することを示すものである。 したがって、低濃度のSO 2気体が、純粋なハロゲン化金属あるいは低濃度の硫酸塩を含むハロゲン化金属と接触する場合には、同様な条件下で、すなわち適正な流動化状態および適切な昇温(約538℃(1000°F)から約593℃(1100°F))の下で、完全な吸収と反応が生じることが期待される。

    反応装置に供給されたSO 2の総量は流量計による測定で約140.2g(0.3090ポンド)であり、固体中のSO 2の総量は分析による測定で約142g(0.312ポンド)であった。 スパージャー中のSO 2の総量は約0.3g(0.0006ポンド)であり供給量の0.19%であった。

    単一の流動床による操作では、塩化カリウムを硫酸カリウムに完全に変換させるために、約160分から170分必要であることを示した。 空気、SO 2および水蒸気は、多孔板により支持されて、適正に流動化していている流動床に導入された。 サンプルを10分ごとに抜き取り分析した。 以下にその結果を示すが、これにより変換に必要な時間が確認できる。

    バッチサイズ:5ポンドK

    2 SO

    4 、−32+60メッシュ

    2時間から2時間半の滞留および接触時間に関しては、最終的なプラント設計にとってはあまり重要でない。 例えば、1時間当たり10トンのプラント能力の場合、一日24時間、一年365日として、一年当たり約87,600トンが製造され、かなりの年間生産量となる。 1個の多孔板あたり2.5トン保持する10個の流動化区画室、すなわち総能力25トンを備えた硫酸カリウムを製造する容器は、2.5時間の滞留時間となり、1時間あたり10トンの製造能力を有すことになる。 塩化カリウムは約0.3m 2 (立方フィート)あたり約32から約34kg(71から75ポンド)の嵩密度をもち、したがって各多孔板は約2268kg(5000ポンド)すなわち約21から約20m 2 (70から67立方フィート)保持しなければならない。 流動床の深さが約0.46m(1.5フィート)ならば、カラムの直径は約2.3m(7.7フィート)となり、それは例外的に大きい直径の容器というものではない。

    本発明の方法は、表3に示したように、本質的に同じ粒径サイズの分布を維持することができる。 SO 2とハロゲン化物との反応および引き続き生じる硫酸塩への変換には発熱を伴う。 この熱の放出により粒子表面の過熱を引き起こし、結果としていくつかの粒子がわずかながら凝集することが想定される。 比較的厳密な粒子サイズ分布は明らかに商業的利点がある。 顕微鏡検査では、わずかな粒子の凝集が生じるけれども、結晶サイズは基本的に変化せずに維持されることを示している。

    供給物は、市販グレードの可溶性塩化カリウムからなる。

    本発明においては、装置が垂直な円筒形カラムであることは不可欠ではないことに注意する必要がある。 いかなる形状でもよい一連の別個の複数反応装置であって、適切に設計された垂直に積み重ねた複数の多孔板を備え、固体流を容器頂部から容器底部へ流し、気体流を容器底部から容器頂部へ流せるように接続された装置であれば、所望の結果が達成できるであろう。 また、一連の別個の複数の流動化区画室を備え水平の単一反応装置であって、固体流を第1番目の流動床から最後の流動床へ流し、気体流を最後の流動床から第1番目の流動床へ流せるように各区画室が接続された装置でも、所望の結果が達成できるであろう。

    [実施例2]
    この実施例は、本発明にとって比較的好ましいものとは言えない代替例を示すものである。 この実施例では、二酸化硫黄を反応性のより高い気体である三酸化硫黄に変換するための触媒を使用することを除いては、前述したと同じ原料とプロセス装置を使用する必要がある。 このテストで使用された触媒は、モンサント エンビローケム(Monsanto Envirochem)によって製造された「LP−110」であり、主として硫酸の製造において使用されてSO 2をSO 3へ変換する。 これはバナジウムをベースとする触媒であり、水分や温度に敏感である。 温度の制限は約404℃(760°F)であり、このことは、廃熱ボイラー又はそれに類似の温度低減プロセスを用いて、触媒床に流入するSO 2を冷却することが必要となる。 2段階変換は、触媒の変換に発熱を伴うから、一般に中間冷却が必要とされる。 触媒が水分に敏感であるため、燃焼空気を予め乾燥させることも必要とされる。 このことにより、触媒変換に引き続いて、反応気体に水分を加える必要がある。 なぜならば、反応を完全に行わせるためには水分を必要とするからである。 しかしながら、反応速度が非常に速いため、反応物および触媒変換器の両方の正確な温度制御が必要となる。 硫酸水素三カリウムおよび他の硫酸塩生成物の製造を防止するために条件を注意深く制御しなければならない。 これらの生成物は非常に腐食性があり、低い溶融点を有しているからである。 三酸化硫黄を製造するための他の方法を使用しても、同様な結果を得ることができる。 この方法の重要な点は、本発明において二酸化硫黄の代わりに三酸化硫黄を使用できる点にある。

    熱交換装置、例えば、年間を通じてスクリーニングや交換といった付随的作業の必要な触媒変換器や廃熱ボイラー、さらには気体乾燥装置を設置することは、資金や運転コストを大いに付加することになろう。 しかしながら、あまり好ましくはない方法ではあるが、本発明の方法を迅速に進行させるためには実行可能な方法である。

    [実施例3]
    さらに本発明の実施例としては、気化した又は噴霧状態の硫酸をアルカリ金属の流動床に導入する。 この実施例における観点は、流動化媒体と酸とを加熱する必要があるため、前述した好ましい実施例よりも熱効率がかなり低いことである。 硫黄を燃焼して二酸化硫黄又は三酸化硫黄にする際に発生する燃焼熱は、三酸化硫黄を硫酸にするのに熱が希釈されるため、硫酸を製造する間に失われる。 この方法において変換を進めるためには等量の熱を供給しなければならない。 この実施例において保持されている本発明の独特の利点は、適正な流動化を容易に効果的に使用できること、最初の粒子サイズと純粋性が保持できること、向流を使用できるためハロゲン化物の硫酸塩への変換割合と最終生成物の純度が高まることにある。

    以上、本発明の好ましい実施例を説明してきたが、本発明の主旨を外れることなく、あるいは本発明の利点を犠牲にすることなく、細部における多様な変更を行えることが理解できるであろう。

    流動床の立面図である。

    垂直に配置した複数の流動床の側面図である。

    一連に接続配置した複数の流動床の概略説明図である。

    符号の説明

    10:流動床 11:粒子 12:多孔板 15:容器 16:気体入口 17:分離域 18:気体出口 25:反応装置 27:気体入口 28:気体出口 30:粒子入口管 35:粒子出口管 40:高温気体プレナム 45:排出気体プレナム 50A−50D:多孔板 55A−55D:流動床 60A−60D:粒子オーバーフロー管 75A−75D:反応装置 76A−76D:気体入口プレナム 77A−77D:気体出口プレナム 78A−78D:固体入口 80:気体入口 81:硫黄燃焼装置 86:加湿器

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