Method of recovering valuable materials

申请号 JP19486694 申请日 1994-07-27 公开(公告)号 JP3479814B2 公开(公告)日 2003-12-15
申请人 上村工業株式会社; 太平化学産業株式会社; 发明人 輝好 井沢; 保 加藤; 剛史 古井; 良弘 可児; 一徳 工藤; 建 荒木;
摘要
权利要求
  • (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 水溶性ニッケル塩と、このニッケル塩の錯化剤として配合された有機物と、次亜リン酸塩及びこの次亜リン酸塩が酸化することにより生成された亜リン酸塩とを含有し、アルカリ金属イオンを多量に含む無電解ニッケルめっき液中の有価物を回収する方法であって、該めっき液にシュウ酸を添加して、上記めっき液中のニッケルイオンをシュウ酸ニッケルとして沈殿除去し、これを回収すると共に、ニッケルイオン除去後のめっき液に硫化物を加えてこのめっき液中の重金属イオンを硫化重金属として沈殿除去し、次いで重金属イオンが除去されためっき液に鉱酸と酸化カルシウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、塩化カルシウム及び有機酸カルシウムから選ばれるカルシウム化合物とを添加した後、空気中で焼成して、上記アルカリ金属イオンを鉱酸アルカリ金属塩に、かつ次亜リン酸塩及び亜リン酸塩のリン分をハイドロキシアパタイトになすと共に、上記有機物を熱分解により除去し、次いで上記硫酸アルカリ金属塩とハイドロキシアパタイトとの混合固形物を水に投入して鉱酸アルカリ金属塩を水に溶解することにより、ハイドロキシアパタイトと鉱酸アルカリ金属塩とをそれぞれ分離回収することを特徴とする有価物の回収方法。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、使用済無電解ニッケルめっき液中の有価物を回収する方法に関する。 【0002】 【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】次亜リン酸塩を還元剤とする無電解ニッケルめっき液は、従来より電子部品、精密機器、或いはプラスチック等の表面処理に広く使用されているが、このめっき液は、めっき反応の進行につれ、還元剤として使用されている次亜リン酸塩が酸化されて亜リン酸塩となり、めっき液中に蓄積される。 この亜リン酸塩の濃度が一定の限度を越えると、このめっき液は使用不能となる。 【0003】このため、従来からかかる次亜リン酸塩を還元剤とする使用済の無電解ニッケルめっき液を処理する方法として種々の方法が提案されているが、このめっき液を工業的に有効に処理し、しかもめっき液中の有価物を簡単かつ確実に回収再利用し得る処理方法は未だ実用化されていない。 【0004】本発明は上記事情に鑑みなされたもので、
    次亜リン酸塩を還元剤とする使用済無電解ニッケルめっき液を経済的にかつ二次公害を引き起こすことなく確実に処理し得ると共に、このめっき液中の有価物を簡単にしかも純度よく回収し得る上、使用する装置も比較的簡単で、工業的に有利な無電解ニッケルめっき液の有価物の回収方法を提供することを目的とする。 【0005】 【課題を解決するための手段及び作用】本発明者らは、
    上記めっき液中の有価物を簡単に回収し、その再利用を計ると共に、処理施設外に公害物質を全く排出しない無電解ニッケルめっき液中の有価物の回収方法を開発した。 【0006】即ち、使用済みの無電解ニッケルめっき液中には、硫酸ニッケル等の溶性ニッケル塩、クエン酸ナトリウム等の錯化剤(有機物)、次亜リン酸塩等の次亜リン酸塩及びその酸化物である亜リン酸塩が多量に含有され、また上記錯化剤や次亜リン酸塩、亜リン酸塩に由来するナトリウムイオン等のアルカリ金属イオンが多量に存在している。 【0007】本発明者らは、かかるめっき液の工業的に有利な処理法、その有価物の回収方法について鋭意検討を行った結果、めっき液中のニッケルイオンをシュウ酸によりシュウ酸ニッケルとして沈殿除去し、これを回収すると共に、このニッケルイオン除去後のめっき液に硫化物を加え、なお微量残存するニッケルイオン、更にZ
    n,Fe,Pb,Alイオン等の微量存在する重金属イオンを硫化重金属として除去し、この重金属イオン除去後のめっき液に硫酸等の鉱酸と酸化カルシウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、塩化カルシウム又は有機酸カルシウムとを加えた後、空気中で焼成することにより、上記アルカリ金属イオンを水溶性の鉱酸アルカリ金属塩となす一方、上記次亜リン酸塩及び亜リン酸塩のリン分を水不溶性のハイドロキシアパタイトとして固定し、かつ上記焼成で固形物中の有機物を分解し、水蒸気と炭酸ガス等とすることができ、これによって鉱酸アルカリ金属塩とハイドロキシアパタイトとをそれぞれ分離、回収し得ること、そしてこのようにして分離回収されたシュウ酸ニッケル、ハイドロキシアパタイト、鉱酸アルカリ金属塩はいずれも純度的にもよく、工業的に再利用し得ることを見い出し、本発明をなすに至ったものである。 【0008】従って、本発明は、水溶性ニッケル塩と、
    このニッケル塩の錯化剤として配合された有機物と、次亜リン酸塩及びこの次亜リン酸塩が酸化することにより生成された亜リン酸塩とを含有し、アルカリ金属イオンを多量に含む無電解ニッケルめっき液中の有価物を回収する方法であって、該めっき液にシュウ酸を添加して、
    上記めっき液中のニッケルイオンをシュウ酸ニッケルとして沈殿除去し、これを回収すると共に、ニッケルイオン除去後のめっき液に硫化物を加えてこのめっき液中の重金属イオンを硫化重金属として沈殿除去し、次いで重金属イオンが除去されためっき液に鉱酸と酸化カルシウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、塩化カルシウム及び有機酸カルシウムから選ばれるカルシウム化合物とを添加した後、空気中で焼成して、
    上記アルカリ金属イオンを鉱酸アルカリ金属塩に、かつ次亜リン酸塩及び亜リン酸塩のリン分をハイドロキシアパタイトになすと共に、上記有機物を熱分解により除去し、次いで上記鉱酸アルカリ金属塩とハイドロキシアパタイトとの混合固形物を水に投入して鉱酸アルカリ金属塩を水に溶解することにより、ハイドロキシアパタイトと鉱酸アルカリ金属塩とをそれぞれ分離回収することを特徴とする有価物の回収方法を提供する。 【0009】以下、本発明につき更に詳述すると、本発明において処理される使用済無電解ニッケルめっき液は、硫酸ニッケル等の水溶性ニッケル塩、クエン酸ナトリウム等のカルボン酸やカルボン酸塩(主としてナトリウム塩)、その他の有機酸、有機酸塩などのニッケルの錯化剤(有機物)、それに次亜リン酸塩(主としてナトリウム塩)、及び亜リン酸塩(主としてナトリウム塩)
    を含有するものであり、上記錯化剤、次亜リン酸塩、亜リン酸塩、更には無電解ニッケルめっき液を使用している時に使用したpH調整剤である水酸化アルカリやアンモニア水に由来するアルカリ金属イオン(主としてナトリウムイオン又はアンモニウムイオンであるが、カリウム塩やpH調整にKOHを使用した場合はカリウムイオン)を多量に含んでいるものである。 【0010】なお、めっき液中の上記成分の濃度やpH
    は、処理に際して全く問題にならず、濃度、pHに制限はない。 しかし、後述する処理ステップでの添加試薬量を決定するため、処理前に少なくともニッケルイオン、
    リン分(次亜リン酸塩及び亜リン酸塩)、アルカリ金属イオン量及びpHは分析により測定しておく必要がある。 【0011】本発明においては、上記めっき液に対し、
    まずシュウ酸を加えてめっき液中のニッケルイオンをシュウ酸ニッケルとして沈殿させる。 この場合、シュウ酸添加量としては、ニッケルイオン1モルに対し、1〜
    1.5モル、特に1〜1.3モルとすることが好ましい。 また、この処理に際して、めっき液のpHは1.5
    〜3、特に1.8〜2.4とすることが好ましく、このためめっき液に硫酸等の鉱酸を加えて上記pHに調整することが好ましい。 更に、シュウ酸を添加しためっき液は70℃以上に加熱し、その状態を3時間以上保つことにより、ニッケルイオンが確実にシュウ酸と反応してシュウ酸ニッケルとなる。 【0012】ここで、生成した沈殿物(シュウ酸ニッケル2水和物)は濾取し、沈殿を水で洗浄した後、乾燥して、微細なシュウ酸ニッケル2水和物の乾燥粉末とし、
    再利用を計るか、或いは得られた乾燥粉末を仮焼して酸化ニッケルの微細な粉末とした後、ニッケル源として再利用が可能となる。 【0013】この場合、シュウ酸を加えてめっき液中のニッケルイオンをシュウ酸ニッケルとして沈澱させているため、当該沈澱物にリンを抱き込むことがなく、当該沈澱物から金属ニッケルを回収する際にこのリンが金属中に共存することを防止でき、商品価値の高い金属ニッケルとすることができる。 【0014】なお、本工程において得られた洗浄液は上記濾液と合併して、次の工程に移すことが好ましい。 【0015】次に、上記のようにニッケルイオンを除去しためっき液には、硫化物を加え、このめっき液中になお微量残存するニッケルイオン、更に微量存在するZ
    n,Fe,Pb,Alイオン等の重金属イオンを硫化重金属として沈殿除去する。 これにより、ハイドロキシアパタイト等の後述する有価回収物中にこれら重金属が混入して純度を低下させることが防止し得る。 例えば、かかる硫化物処理を行わない場合、ハイドロキシアパタイト中にニッケル分が150ppm程度混入していたものを、硫化物処理によりハイドロキシアパタイト中へのニッケル混入量を10ppm程度に低下させることができる。 【0016】ここで、この硫化物処理に使用する硫化物としては、硫化ナトリウム、硫化カリウム等のアルカリ硫化物や硫化アンモニウムが好適に用いられ、また重金属処理用として公知の各種の有機硫化物も好適に用いられる。 この有機硫化物としては、具体的にはチオアミド化合物(例えばチオ尿素、ジフェニールチオ尿素、オルトトリルチオ尿素など)、ジチオ酸塩化合物(例えばジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジエチルジチオカルバミン酸カリウムなど)、チアゾール化合物(例えばメルカプトベンゾチアゾール、ベンゾチアゾールジサルファイド、N−Nジエチールチオカルバモイル−2−
    メルカプトベンゾチアゾールなど)、チウラム系化合物(例えばテトラメチルチウラムモノサルファイド、テトラメチールチウラムジサルファイド、ジペンタメチーレンチウラムテトラサルファイドなど)等が挙げられるほか、硫黄含有キレート樹脂を使用することができる。 【0017】上記硫化物処理に際し、そのpHは使用する硫化物により適宜選定されるが、通常pH6〜10、
    特にpH7〜9の弱酸性、中性又は弱アルカリ性領域で行うもので、このため上記シュウ酸処理後のめっき液のpHは1.5〜3であるので、水酸化ナトリウム等の苛性アルカリを使用して所用pHに調整することができる。 このように、弱酸性乃至弱アルカリ性領域で硫化物処理を行うことにより、後述する鉱酸及びカルシウム化合物のめっき液の濃縮をそのまま弱酸性乃至弱アルカリ性領域で行うことができるので、その操作が容易、安全になり、濃縮設備も必ずしも高耐食性(高耐酸性)のものを使用しなくともすみ、設備費の低減が可能になる。 【0018】なお、上記硫化物の添加量はニッケルイオン1モルに対し、1〜2モル、特に1〜1.5モルとすることが好ましく、また生成した硫化重金属の沈殿は濾過等の通常の分離手段により除去される。 この分離除去された硫化重金属スラッジは常法により廃棄等の処理をすることができる。 【0019】以上のようにして重金属イオンを除去しためっき液には、次いで鉱酸及びカルシウム化合物を添加する。 ここで、鉱酸としては、硫酸、塩酸等が使用されるが、無電解ニッケルめっき液中に主として含まれる鉱酸イオンと同じ鉱酸を使用することが好ましい。 例えば、ニッケルイオン源として硫酸ニッケルを使用した場合は硫酸を使用することが好ましい。 一方、カルシウム化合物としては、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、
    炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、塩化カルシウム、有機酸カルシウムから選ばれるものを使用する。 この場合、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、有機酸カルシウムはいずれの場合でも使用可能であるが、硫酸カルシウムはめっき液中の鉱酸イオンが硫酸イオンである場合、塩化カルシウムは鉱酸イオンが塩素イオンの場合に使用することが好ましい。 【0020】上記鉱酸の使用量は、めっき液中に含まれるアルカリ金属イオンの全量を鉱酸アルカリ金属塩とするに必要な量であり、この場合、カルシウム化合物として硫酸カルシウムや塩化カルシウムを使用するときはこの硫酸イオン、塩素イオン量と鉱酸との合計量がアルカリ金属イオン全量を鉱酸アルカリ金属塩とするに必要な量である。 更に、めっき液中に鉱酸イオンが含まれている場合はこの鉱酸イオン量も合算する。 【0021】なお、例えば、硫酸を用いる場合は、全硫酸イオン量はアルカリ金属イオン1モルに対し0.3〜
    0.7モル、特に0.4〜0.6モルとすることが好ましい。 【0022】一方、カルシウム化合物の添加量は、めっき液中に含有されているリン分をハイドロキシアパタイトとするに必要な量であり、具体的にはリン分1モルに対しカルシウムとして1.5〜2モル、特に1.6〜
    1.8モルの添加量とすることが好ましい。 【0023】なお、この鉱酸とカルシウム化合物の添加において、めっき液のpHは特に制限されない。 【0024】次いで、このめっき液中の水分を必要により蒸発乾固し、リン、アルカリ金属、鉱酸及び有機物を含む固形分とする。 なお、蒸発乾固は常法によって行うことができる。 【0025】本発明では、この固形分を空気中で焼成する。 この場合、焼成温度は700〜870℃、特に75
    0〜850℃とすることが好ましい。 また、焼成は回転炉等を用い、空気を十分供給しながら行うことが好ましい。 なお、焼成時間は3時間以上、特に5時間以上とすることが好ましい。 【0026】この焼成操作によりめっき液中に存在していた低酸素酸の次亜リン酸及び亜リン酸は全てオルソリン酸まで酸化され、かつ計算量添加されているカルシウム塩と化学反応して、水に不溶性のハイドロキシアパタイトとなる。 また、アルカリ金属分は計算量添加された鉱酸と反応して、水に可溶性の鉱酸アルカリ金属塩となり、有機物は充分な空気の存在下で高温度で焼成されるため、熱分解して二酸化炭素と水蒸気となって除去される。 【0027】従って、本操作によって、無害でかつ有用なハイドロキシアパタイトと硫酸ナトリウム等の鉱酸アルカリ金属塩の混合物が得られる。 【0028】次に、本発明においては、ハイドロキシアパタイトと鉱酸アルカリ金属塩との混合物に水を加え、
    この水に鉱酸アルカリ金属塩を溶解させると共に、この水溶液中にハイドロキシアパタイトが懸濁した水スラリーを得る。 この場合、加える水の量は、鉱酸アルカリ金属塩の3〜6倍重量、特に4.5〜5.5倍重量とすることがよく、また水を加えた後は30〜80℃、特に4
    0〜60℃に撹拌下で1〜5時間、特に2〜3時間保持することが好ましい。 【0029】次いで、上記水スラリーを濾過するなどの方法により、ハイドロキシアパタイトと鉱酸アルカリ金属塩水溶液とを分離する。 なお、分離したハイドロキシアパタイトは必要により鉱酸アルカリ金属塩を更に溶出させるため、上記操作を再度施すことができ、最終的に得られたハイドロキシアパタイトは、水で洗浄し、常法により加熱乾燥することによってハイドロキシアパタイトの粉末とし、工業薬品或いは動物の飼料や肥料として使用することができる。 【0030】一方、上記鉱酸アルカリ金属塩は、常法に従って濃縮し、蒸発乾固することにより、鉱酸アルカリ金属塩の粉末とすることができ、これは工業薬品として再利用することができる。 【0031】 【発明の効果】本発明によれば、次亜リン酸塩を還元剤とする使用済無電解ニッケルめっき液を簡単な操作で確実にかつ二次公害を引き起こすおそれなくクローズド処理することができると共に、ニッケル、リン及びアルカリ金属分をそれぞれ極めて純度よく固定化して分離回収し、その有効利用を計ることができ、しかも設備も比較簡単で、経済的で工業的有利に処理することができる。 【0032】 【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。 【0033】〔実施例1〕 無電解ニッケルめっき廃液 使用済無電解ニッケルめっき液として下記組成のものを使用した。 【0034】 【表1】

    【0035】

    ステップ1上記無電解ニッケルめっき液1.0リットルを内容量2


    リットルのガラス製ビーカーに正確に秤り取り、これに試薬特級シュウ酸2水和物13.8gと97.0%硫酸液44.5gとを加え、pH2.10とした後、緩やかに撹拌しながら、加熱し、溶液の温度を75℃とし、5


    時間その温度を保った。 【0036】冷後生成した沈殿物を濾取し、沈殿物を約100mlの水で洗浄した後、80℃の温度で12時間乾燥して、シュウ酸ニッケル2水和物15.9gを得た。 【0037】このものは、粉末X線回折分析によりシュウ酸ニッケル2水和物であることが確認され、化学分析により純度98.5%のシュウ酸ニッケル2水和物であることが確認された。 【0038】

    ステップ2上で得たニッケル除去後の濾液と沈殿物を洗浄した洗液とを合併し、この液を25%苛性ソーダ溶液を用いてp


    Hを8.0に調整した。 次にこの液に硫化ソーダの水和物(固形)を0.318g投入し、85℃に加熱昇温と温度維持をしながら1時間撹拌を行った。 時間経過後、


    生成した沈殿物を濾取することにより硫化物スラッジ0.08gを得た。 【0039】

    ステップ3上で得た硫化物処理後の濾液に97%硫酸液45.0g


    と98%酸化カルシウム144.5gとを添加した後、


    水浴上で加熱して蒸発乾固せしめ、白色の固形物529


    gを得た。 次いで、この固形物を内容量3リットルの回転炉に移し、炉を緩やかに回転せしめながら、炉内の温度が780℃となるように加熱し、空気を供給しながら6時間その温度を保持した。 冷後、回転炉より内容物を取り出し、460gの焼成物を得た。 粉末X線回折分析によって焼成物はハイドロキシアパタイトと硫酸ナトリウムの混合物であることが確認された。 また、化学分析によって本焼成物は253gのハイドロキシアパタイトと207gの硫酸ナトリウムからなる混合物であることが確認された。 【0040】

    ステップ4上で得た焼成物のうち400gを取り、これに水900


    gを加えて撹拌しながら50℃に加温し、2時間撹拌を続けた後、懸濁液を濾過した。 濾紙上の不溶物(ハイドロキシアパタイト)を200gの50℃の水で3回に分けて洗浄し、濾液及び洗浄液は合併して、次のステップ5の原料液とした。 濾紙上のハイドロキシアパタイトを更に500gの50℃の水で洗浄し、洗液520gを得た。 濾紙上に残ったハイドロキシアパタイトの洗浄物を200℃で乾燥して、ハイドロキシアパタイト粉末21


    8gを得た。 粉末X線回折分析によって、本品はハイドロキシアパタイトの典型的な回折図形が得られることが確認され、化学分析によって飼料や肥料等に使用可能な品質のリン酸三カルシウムであることが確認された。 なお、このハイドロキシアパタイト中のニッケル混入量は2ppmであった。 【0041】

    ステップ5上で得た硫酸ナトリウムを高濃度で含有する濾液及び洗液の合併液を水浴上で濃縮乾固し、硫酸ナトリウム粉末169gを得た。 粉末X線回折分析により本品は無水の硫酸ナトリウムであることが確認され、化学分析によって工業薬品に使用可能な品質の硫酸ナトリウムであることが確認された。 【0042】〔実施例2〕均質化された実施例1と同じ無電解めっき液1.0リットルを正確に秤り取り、実施例1のステップ1と同様の操作を行って得たニッケル除去後の濾液と沈殿物を洗浄した洗液とを合併し、この液にステップ2と同様の操作を行い、次いで97%硫酸液45.0gと99.5%炭酸カルシウム151.0g及び96%水酸化カルシウム79.0gとを添加し、水浴上で加熱して蒸発乾固し、白色の固形物545gを得た。 この固形物を実施例1のステップ4と同様に回転炉に移し、同様の操作を行って焼成物462gを得た。 【0043】この焼成物は、同様にハイドロキシアパタイト253gと硫酸ナトリウム209gとの混合物であることが分析によって確認された。 【0044】次に、上で得た焼成物のうち400gをとり、これに実施例1のステップ4において得られた52


    0gの洗浄液と水380gとを加え、800℃で乾燥してハイドロキシアパタイト粉末217gを得た。 更に、


    この時得られた硫酸ナトリウムを高濃度に含有する濾液及び洗浄液について実施例1のステップと同様の操作を行って176gの硫酸ナトリウム粉末を得た。 【0045】これらは、粉末X線回折分析及び化学分析によって、飼料や肥料等に使用可能な品質のリン酸カルシウム及び工業薬品に使用可能な品質の硫酸ナトリウムであることが確認された。 なお、このハイドロキシアパタイト中のニッケル混入量は2ppmであった。

    ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl. 7識別記号 FI // C23C 18/31 C23C 18/31 D (72)発明者 荒木 建 大阪府枚方市出口1丁目5番1号 上村 工業株式会社 中央研究所内(72)発明者 加藤 保 大阪府枚方市出口1丁目5番1号 上村 工業株式会社 中央研究所内(72)発明者 古井 剛史 大阪府枚方市出口1丁目5番1号 上村 工業株式会社 中央研究所内 (56)参考文献 特開 平7−206412(JP,A) 特開 平7−206447(JP,A) 特開 昭59−185770(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl. 7 ,DB名) C01B 25/32 C23C 18/31

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