硫酸塩の両用経口薬学的組成物錠剤およびその使用の方法

申请号 JP2016502905 申请日 2014-03-14 公开(公告)号 JP2016514677A 公开(公告)日 2016-05-23
申请人 ブレインツリー・ラボラトリーズ,インコーポレイテッド; 发明人 エドマンド ブイ. ジュニア デネット,; エドマンド ブイ. ジュニア デネット,; デイビッド エス. ウェルズ,; デイビッド エス. ウェルズ,;
摘要 本発明は、一般に、 硫酸 塩、例えば、硫酸ナトリウムを含む経口薬学的錠剤組成物に関し、ここで上記組成物は、直接経口摂取によって、および経口摂取前に 水 中で崩壊させることによって、投与し得る。本発明はさらに、便通を誘発するための、または便秘を処置もしくは予防するための、このような経口薬学的錠剤製剤の使用に関する。さらに別の実施形態において、本発明の組成物は、直接経口摂取の際に、約30秒未満で口の中で崩壊しない。別の実施形態において、本発明の組成物は、直接経口摂取の際に、約60秒未満で口の中で崩壊しない。
权利要求

少なくとも1種の硫酸塩を含む経口薬学的錠剤組成物であって、ここで該組成物は、直接経口摂取によって、および経口摂取前にの中で崩壊させることによって投与できる、経口薬学的錠剤組成物。前記組成物は、硫酸ナトリウムを含む、請求項1に記載の経口薬学的錠剤組成物。前記組成物は、約2℃もしくはそれより高い温度において約150秒未満で水の中で崩壊する、請求項2に記載の経口薬学的錠剤組成物。前記組成物は、約8℃もしくはそれより高い温度において約90秒未満で水の中で崩壊する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の経口薬学的錠剤組成物。前記組成物は、約5℃もしくはそれより高い温度において約120秒未満で水の中で崩壊する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の経口薬学的錠剤組成物。前記組成物は、約2℃もしくはそれより高い温度において約150秒未満で水の中で崩壊する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の経口薬学的錠剤組成物。前記組成物は、直接経口摂取の際に、約30秒未満で口の中で崩壊しない、前記請求項のいずれか1項に記載の経口薬学的錠剤組成物。前記組成物は、直接経口摂取の際に、約60秒未満で口の中で崩壊しない、前記請求項のいずれか1項に記載の経口薬学的錠剤組成物。硫酸ナトリウムを含む経口薬学的錠剤組成物であって、ここで該組成物は、直接経口摂取によって、および経口摂取前に水の中で溶解させることによって投与でき、該組成物は、約2℃もしくはそれより高い温度において約150秒未満で水の中で崩壊し、該組成物は、直接経口摂取の際に、約30秒未満で口の中で崩壊しない、経口薬学的錠剤組成物。硫酸カリウムおよび/もしくは硫酸マグネシウムを含む、前記請求項のいずれか1項に記載の経口薬学的錠剤組成物。硫酸カリウムを含む、前記請求項のいずれか1項に記載の経口薬学的錠剤組成物。前記組成物は、少なくとも約60重量%、65重量%、70重量%、75重量%、80重量%、85重量%もしくは90重量%の、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸マグネシウムおよびこれらの組み合わせからなる群より選択される硫酸塩を含む、前記請求項のいずれか1項に記載の経口薬学的錠剤組成物。前記組成物は、少なくとも約70重量%の、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸マグネシウムおよびこれらの組み合わせからなる群より選択される硫酸塩を含む、前記請求項のいずれか1項に記載の経口薬学的錠剤組成物。前記組成物は、少なくとも約70重量%の硫酸ナトリウムおよび硫酸カリウムを含む、前記請求項のいずれか1項に記載の経口薬学的錠剤組成物。前記組成物は、少なくとも約40重量%、45重量%、50重量%、55重量%、57重量%、60重量%もしくは65重量%の硫酸ナトリウムを含む、前記請求項のいずれか1項に記載の経口薬学的錠剤組成物。前記組成物は、約40重量%〜約65重量%の間、または約50重量%〜約60重量%の間の硫酸ナトリウムを含む、前記請求項のいずれか1項に記載の経口薬学的錠剤組成物。前記組成物は、約150μm、200μm、250μmもしくは300μm未満の硫酸ナトリウム粒子および約700μm、750μm、800μm、900μmもしくは1000μmより大きな硫酸ナトリウム粒子を実質的に含まない、前記請求項のいずれか1項に記載の経口薬学的錠剤組成物。前記組成物は、約150μm未満の硫酸ナトリウム粒子および約700μmより大きな硫酸ナトリウム粒子を実質的に含まない、前記請求項のいずれか1項に記載の経口薬学的錠剤組成物。前記組成物は、約300μm未満の硫酸ナトリウム粒子および約700μmより大きな硫酸ナトリウム粒子を実質的に含まない、前記請求項のいずれか1項に記載の経口薬学的錠剤組成物。前記組成物中の少なくとも約90重量%、91重量%、92重量%、93重量%、94重量%、95重量%、96重量%、97重量%、98重量%、もしくは99重量%の硫酸ナトリウムは、約150μm、200μm、250μmもしくは300μmより大きくかつ約700μm、750μm、800μm、900μmもしくは1000μm未満の硫酸ナトリウム粒子を含む、前記請求項のいずれか1項に記載の経口薬学的錠剤組成物。前記組成物中の少なくとも約99重量%の硫酸ナトリウムは、約150μm、200μm、250μmもしくは300μmより大きくかつ約700μm、750μm、800μm、900μmもしくは1000μm未満の硫酸ナトリウム粒子を含む、前記請求項のいずれか1項に記載の経口薬学的錠剤組成物。前記組成物中の少なくとも約99重量%の硫酸ナトリウムは、約150μmより大きくかつ約700μm未満の硫酸ナトリウム粒子を含む、前記請求項のいずれか1項に記載の経口薬学的錠剤組成物。前記組成物中の少なくとも約99重量%の硫酸ナトリウムは、約300μmより大きくかつ約700μm未満の硫酸ナトリウム粒子を含む、前記請求項のいずれか1項に記載の経口薬学的錠剤組成物。前記組成物は、約1000mg〜約2500mg、約1500mg〜約2000mg、もしくは約1700mg〜約1900mgの間である、前記請求項のいずれか1項に記載の経口薬学的錠剤組成物。前記組成物は、約1800mgである、前記請求項のいずれか1項に記載の経口薬学的錠剤組成物。前記錠剤組成物は、被覆を含む、前記請求項のいずれか1項に記載の経口薬学的錠剤組成物。前記被覆は、ポリビニルアルコールおよびポリエチレングリコールのコポリマーを含む、請求項26に記載の経口薬学的錠剤組成物。前記組成物は、崩壊剤、結合剤、滑剤、滑沢剤、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される少なくとも1種の賦形剤を含む、前記請求項のいずれか1項に記載の経口薬学的錠剤組成物。前記組成物中の全賦形剤レベルは、該組成物のうちの約40重量%、35重量%、30重量%もしくは25重量%未満である、請求項28に記載の経口薬学的錠剤組成物。前記組成物中の全賦形剤レベルは、該組成物のうちの約30重量%未満である、請求項28に記載の経口薬学的錠剤組成物。前記錠剤組成物は、崩壊剤を含む、請求項28〜30のいずれか1項に記載の経口薬学的錠剤組成物。前記崩壊剤は、ポビドン、Kollidon CL、Kollidon CL−SF、糖、スクロース、デキストロース、マンニトール、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項31に記載の経口薬学的錠剤組成物。前記崩壊剤は、マンニトールおよびポビドンの組み合わせを含む、請求項31に記載の経口薬学的錠剤組成物。前記崩壊剤は、Kollidon CLおよび/もしくはKollidon CL−SFを含む、請求項31に記載の経口薬学的錠剤組成物。前記錠剤組成物は、結合剤を含む、請求項28〜34のいずれか1項に記載の経口薬学的錠剤組成物。前記結合剤は、ポリエチレングリコール、PEG3350、PEG8000およびこれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項35に記載の経口薬学的錠剤組成物。前記錠剤組成物は、滑剤を含む、請求項28〜36のいずれか1項に記載の経口薬学的錠剤組成物。前記滑剤は、フュームドシリカである、請求項37に記載の経口薬学的錠剤組成物。前記錠剤組成物は、滑沢剤を含む、請求項28〜38のいずれか1項に記載の経口薬学的錠剤組成物。前記滑沢剤は、ステアリン酸マグネシウム、フマル酸ステアリルナトリウム、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項39に記載の経口薬学的錠剤組成物。硫酸ナトリウムおよび硫酸カリウムを含む経口薬学的錠剤組成物であって、ここで該組成物は、直接経口摂取によって、および経口摂取前に水の中で崩壊させることによって投与でき、ここで該組成物は、約2℃もしくはそれより高い温度において約150秒未満で水の中で崩壊し、該組成物は、直接経口摂取の際に、約30秒未満で口の中で崩壊せず、該錠剤は、被覆を含む、経口薬学的錠剤組成物。硫酸ナトリウムおよび硫酸カリウムを含む経口薬学的錠剤組成物であって、ここで該組成物は、直接経口摂取によって、および経口摂取前に水の中で崩壊させることによって投与でき、該組成物は、約2℃もしくはそれより高い温度において約150秒未満で水の中で崩壊し、該組成物は、直接経口摂取の際に、約30秒未満で口の中で崩壊せず、該組成物は、少なくとも約70重量%の硫酸ナトリウムおよび硫酸カリウムを含み、該錠剤は、被覆を含む、経口薬学的錠剤組成物。硫酸ナトリウムおよび硫酸カリウムを含む経口薬学的錠剤組成物であって、ここで該組成物は、直接経口摂取によって、および経口摂取前に水の中で崩壊させることによって投与でき、該組成物は、約2℃もしくはそれより高い温度において約150秒未満で水の中で崩壊し、該組成物は、直接経口摂取の際に、約30秒未満で口の中で崩壊せず、該組成物は、約150μm未満の硫酸ナトリウム粒子および約700μmより大きな硫酸ナトリウム粒子を実質的に含まず、該錠剤は、被覆を含む、経口薬学的錠剤組成物。硫酸ナトリウムおよび硫酸カリウムを含む経口薬学的錠剤組成物であって、ここで該組成物は、直接経口摂取によって、および経口摂取前に水の中で崩壊させることによって投与でき、該組成物は、約2℃もしくはそれより高い温度において約150秒未満で水の中で崩壊し、該組成物は、直接経口摂取の際に、約30秒未満で口の中で崩壊せず、該組成物は、約150μm未満の硫酸ナトリウム粒子および約700μmより大きな硫酸ナトリウム粒子を実質的に含まず、該錠剤は、被覆および崩壊剤を含む、経口薬学的錠剤組成物。請求項1〜44のいずれか1項に記載の経口薬学的錠剤組成物を調製するための方法であって、 (a)少なくとも1種の硫酸塩および少なくとも1種の賦形剤をブレンドする工程;ならびに (b)得られたブレンドを錠剤へと圧縮する工程、 を包含する、方法。前記ブレンドする工程は、硫酸ナトリウムのバッチをブレンドする工程を包含し、ここで該硫酸ナトリウムのバッチは、約150μm未満の硫酸ナトリウム粒子および約700μmより大きな硫酸ナトリウム粒子を実質的に含まない、請求項45に記載の方法。請求項1〜44のいずれか1項に記載の経口薬学的錠剤組成物を調製するための方法であって、該方法は、 (a)硫酸ナトリウムのバッチおよび少なくとも1種の賦形剤をブレンドする工程であって、ここで該硫酸ナトリウムのバッチは、約150μm未満の硫酸ナトリウム粒子および約700μmより大きな硫酸ナトリウム粒子を実質的に含まない、工程;ならびに (b)得られたブレンドを錠剤へと圧縮する工程、 を包含する、方法。前記錠剤を被覆する工程をさらに包含する、請求項45〜47のいずれか1項に記載の方法。ブレンドする前に、約150μm未満の硫酸ナトリウム粒子および約700μmより大きな硫酸ナトリウム粒子を実質的に除去する工程をさらに包含する、請求項46〜48のいずれか1項に記載の方法。前記賦形剤は、崩壊剤、結合剤、滑剤、滑沢剤、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項45〜49のいずれか1項に記載の方法。被験体において便通を誘発するための方法であって、該方法は、該被験体に、請求項1〜44のいずれか1項に記載の少なくとも1種の経口薬学的錠剤組成物を投与し、それによって、便通を誘発する工程を包含する、方法。被験体において便秘を予防もしくは処置するための方法であって、該方法は、該被験体に、請求項1〜44のいずれか1項に記載の少なくとも1種の経口薬学的錠剤組成物を投与し、それによって、便秘を処置もしくは予防する工程を包含する、方法。前記組成物は、被験体によって直接飲み込まれる、請求項51または52に記載の方法。前記組成物を投与する工程は、該組成物の水性分散物を経口摂取する工程を包含する、請求項51または52に記載の方法。前記方法は、前記被験体において臨床的に有意な電解質シフトを誘発することなく便通を誘発する、請求項51、53または54のいずれか1項に記載の方法。前記方法は、前記被験体において臨床的に有意な電解質シフトを誘発することなく便秘を処置もしくは予防する、請求項52〜54のいずれか1項に記載の方法。前記被験体は、2個、3個、4個、もしくは5個の経口薬学的錠剤組成物を投与される、請求項51〜56のいずれか1項に記載の方法。

说明书全文

(関連出願) 本出願は、2013年3月15日に出願された米国仮特許出願第61/798759号の優先権を主張し、当該出願の内容は、その全体が本明細書において参考として援用される。

(発明の分野) 本発明は、一般に、硫酸塩を含む経口薬学的錠剤組成物に関し、ここで上記組成物は、代表的な即放性錠剤に類似の直接経口摂取によって、および経口摂取前にの中で迅速に崩壊させることによって、投与できる。

(背景) 投与形態 患者への医薬の送達は、しばしば、錠剤、液体製剤もしくは再構成用の散剤の形態にある。各投与形態には欠点がある。患者はしばしば、特に、錠剤が比較的大きい場合、または有効用量には複数の錠剤の摂取が必要である場合、錠剤を飲み込むのに気が進まないかまたは飲み込めない。錠剤を飲み込むことに関する難題は、小児およびより高齢の成人に特に関連する。同様に、いくらかの患者は、望ましくない味および/もしくは口の感覚に起因して、液体薬学的製剤を飲み込むのに気が進まないかまたは飲み込めない。

投与される予定の特定の活性成分の量が、錠剤中に簡便に製剤化され得る量を超える場合、その投与量はしばしば、散剤もしくは液体濃縮物として提供される。上記散剤もしくは濃縮物はしばしば、経口用の液体、シロップもしくは散剤懸濁物として投与するために再構成される。散剤もしくは液体濃縮物からの液体製剤の調製は、不便もしくは面倒である可能性があり、特に、上記患者が薬物を長期にもしくは頻繁に服用しなければならない場合にはそうである。これは、患者コンプライアンスの低下を生じ得、最終的には、処置レジメンの有効性の低下を生じ得る。

即放性錠剤もしくは液体のいずれかとして投与され得る単一投与形態は、ある形態の薬物または他方の形態の薬物の服用を好むか、またはある形態の薬物または他方の形態の薬物の服用ができない患者に薬物を投与する場合に、患者、介護者および病院にとっての選択肢を提供する。例えば、そのまま飲み込まれ得るかまたは摂取前に液体中で崩壊され得る二重目的錠剤は、錠剤を飲み込める患者にとっては、または液体形態にある薬物を好むかもしくは要する患者にとっては、または液体が直接投与(例えば、栄養チューブを介する送達)される患者にとっては、有用である。

(硫酸ナトリウム) 硫酸ナトリウムは、緩下効果を有することが公知の、豊富に天然に存在する塩である。しかし、直接経口摂取用に、もしくは水性液剤にのいずれかで硫酸ナトリウムを投与形態に製剤化することは、極めて困難であり、このことは、少なくとも部分的には、望ましい緩下効果を達成するために必要とされる塩のレベルから、さらには、硫酸ナトリウムの極めて吸湿性の性質および特有の溶解度プロフィールから生じている。

直接経口摂取用の錠剤形態に硫酸塩を製剤化することに関しては、この難題は、少なくとも部分的に、望ましい緩下効果を達成するための高レベルおよび/もしくは有効量の硫酸ナトリウムを含む簡便な投与形態を製剤化することから生じる。硫酸塩の緩下効果は、およそ2〜7グラムの間のスルフェートイオンおよび/もしくは3〜11グラムの間の硫酸塩を要する。しかし、今までに、便通を誘発するために必要とされる錠剤の数を最小限にしながら直接摂取に適したサイズで高レベルの硫酸ナトリウムを有する錠剤を製剤することは、難題であると判明した。

さらに、硫酸ナトリウムの極めて吸湿性の特性が、錠剤製剤の提供を困難にしている。口中に入れると、上記硫酸ナトリウムは、全ての利用可能な唾液を即座に除去し、望ましくない口の感覚およびドライマウスを引き起こし、それによって、飲み込みを困難にする。

水の中での崩壊のためにナトリウム塩の錠剤投与形態を製剤化することに関しては、硫酸ナトリウムの化学的特性は、かなりの難題を与える。硫酸ナトリウムは、その溶解度が、0℃から32.384℃へと10倍より高く増大するという点で普通でない水溶解度特徴を示す。32.384℃では、その溶解度曲線は変化し、結晶水は放出され、その水和した塩は溶ける。他の塩(例えば、カリウム、マグネシウム)とは対照的に、硫酸ナトリウムの溶解度は、温度が32.384℃より高くなっても増大しない。これら溶解度特徴に起因して、硫酸ナトリウムは、濃縮および/もしくは冷却される場合に結晶化する。

硫酸ナトリウムと水との反応は発熱性であって、水和の間に熱を発生し、局所水温を顕著に増大させる。硫酸ナトリウムが周囲温度の水に撹拌なしで添加されると、水は硫酸ナトリウムを湿らせ、これは、ナトリウム十水和物に変換され、直近の物理的領域に発熱反応を引き起こす。上記発熱反応は、局所的な湿った塩の温度を10℃程度上昇させ得る。これは、溶解している硫酸ナトリウムの一部が局所的濃縮溶液を形成することを生じる。しかし、上記反応からの熱が周囲の溶液へと散逸するにつれて、上記局所の高濃度硫酸ナトリウム溶液の温度が低下し、上記硫酸ナトリウムは再結晶化して、非常に硬い塊の硫酸ナトリウム十水和物(すなわち、ミラビライト)を形成する。

今までは、水の中で迅速に崩壊し得る受容可能な錠剤は、高レベルの不活性な成分および賦形剤を含めることでのみ達成され得た。このことは、最終的な投与製剤の重量および大きさを顕著に増大させ、潜在的に、有効用量を送達するために必要とされる錠剤の数を倍加する。実際に、水の中で分散させるための硫酸塩の錠剤を製剤化することは、約50%〜90%の賦形剤を要し、それによって、そこに存在する硫酸塩のレベルを制限していた。

これらの理由から、製剤研究者は、再構成用の粉末化形態において、または液体もしくはシロップとして、便通を達成するために必要な投与量レベルで硫酸塩を製剤化しようとしてきた。

錠剤の他の形態は、バッカル錠、舌下錠、チュアブル錠および発泡錠が挙げられる。しかし、これら製剤は、(i)患者コンプライアンスの論点に対処するために多用途の便利な製剤が必要であること、および(ii)所望の緩下効果を達成するために、高用量の硫酸ナトリウムの製剤が必要であること、に対処していない。

テトラサイクリンの両用錠剤が提唱されている(米国特許第5,211,958号;「Pharmaceutical Composition and Process for its Preparation」を参照のこと)。しかし、上記のとおりの硫酸ナトリウムの特有の特性から、提唱された代替的な活性薬剤の両用錠剤の教示を、高レベルの活性薬物を有する両用硫酸ナトリウム錠剤を製剤化することに単に適用することはできない。さらに、上記提唱されるテトラサイクリン錠剤は、50重量%より高い賦形剤を含む。さらに、以前に提唱されたテトラサイクリン錠剤は、低温もしくは冷水中で崩壊し得るとは示されていない。典型的な飲料水源は、20℃未満の温度の水を提供する。受容可能な両用錠剤組成物は、全ての典型的な飲料水温度全般にわたって特許請求されるとおりに機能するべきである。

米国特許第5,211,958号明細書

(発明の要旨) 本発明は、直接経口摂取によって、または代わりに経口摂取前に水の中で崩壊させることによって投与できる、硫酸塩(例えば、硫酸ナトリウム)の独特かつ多用途の両用錠剤製剤を提供する。よって、本発明は、患者コンプライアンスという難題、さらには、硫酸塩の錠剤を製剤化することに関連する難題を克服する。

一局面において、本発明は、少なくとも1種の硫酸塩を含み、直接経口摂取によって、および経口摂取前に水の中で崩壊させることによって投与できる経口薬学的錠剤組成物を提供する。一実施形態において、上記組成物は、硫酸ナトリウムを含み得る。

別の実施形態において、上記経口薬学的錠剤組成物は、約2℃以上、例えば、約2℃〜約15℃において、約150秒もしくは約120秒未満で水の中で崩壊し得る。種々の実施形態において、上記錠剤組成物は、約8℃以上において、例えば、約8℃〜約10℃において約90秒未満で、例えば、60秒未満で水の中で崩壊し得る。別の実施形態において、上記組成物は、約5℃以上において、例えば、約5℃〜約10℃において約120秒未満で、例えば、90秒未満で水の中で崩壊し得る。別の実施形態において、上記組成物は、約2℃以上において、例えば、約2℃〜約10℃において約150秒未満で水の中で崩壊し得る。

さらに別の実施形態において、本発明の組成物は、直接経口摂取の際に、約30秒未満で口の中で崩壊しない。別の実施形態において、本発明の組成物は、直接経口摂取の際に、約60秒未満で口の中で崩壊しない。

一局面において、上記経口薬学的錠剤組成物は、硫酸ナトリウムを含み、上記組成物は、直接経口摂取によって、および経口摂取前に水の中で溶解させることによって投与でき、ここで上記組成物は、約2℃以上において、例えば、約2℃〜約15℃において約120秒もしくは約150秒未満で水の中で崩壊し、上記組成物は、直接経口摂取の際に、約30秒未満で口の中で崩壊しない。別の実施形態において、本発明の組成物は、硫酸カリウムおよび/もしくは硫酸マグネシウムを含み得る。さらに別の実施形態において、本発明の組成物は、硫酸カリウムを含む。

別の実施形態において、本発明は、少なくとも約60重量%、65重量%、70重量%、75重量%、80重量%、85重量%もしくは90重量%の硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸マグネシウムおよびこれらの組み合わせからなる群より選択される硫酸塩を含む。別の実施形態において、本発明は、少なくとも約70重量%の、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸マグネシウムおよびこれらの組み合わせからなる群より選択される硫酸塩を含む。さらに別の実施形態において、本発明の組成物は、少なくとも約70重量%の硫酸ナトリウムおよび硫酸カリウムを含む。

本発明の一実施形態は、少なくとも約40重量%、45重量%、50重量%、55重量%、57重量%、60重量%もしくは65重量%の硫酸ナトリウムを含む組成物を提供する。別の実施形態において、上記組成物は、約40重量%〜約65重量%の間、もしくは約50重量%〜約60重量%の間の硫酸ナトリウムを含む。

ある種の実施形態において、本発明の経口薬学的錠剤組成物は、約150μm、200μm、250μmもしくは300μm未満の硫酸ナトリウム粒子および約700μm、750μm、800μm、900μmもしくは1000μmより大きな硫酸ナトリウム粒子を実質的に含まない。例えば、上記組成物は、約150μm未満のおよび約700μmより大きな硫酸ナトリウム粒子を実質的に含まない可能性がある。さらに例示すると、上記組成物は、約300μm未満のおよび約700μmより大きな硫酸ナトリウム粒子を実質的に含まない可能性がある。

さらに別の実施形態において、上記組成物中で少なくとも約90重量%、91重量%、92重量%、93重量%、94重量%、95重量%、96重量%、97重量%、98重量%、もしくは99重量%の硫酸ナトリウムは、約150μm、200μm、250μmもしくは300μmより大きくかつ約700μm、750μm、800μm、900μmもしくは1000μm未満の硫酸ナトリウム粒子を含む。本発明の別の実施形態において、上記組成物中の少なくとも約99重量%の硫酸ナトリウムは、約150μm、200μm、250μmもしくは300μmより大きくかつ約700μm、750μm、800μm、900μmもしくは1000μm未満の硫酸ナトリウム粒子を含む。

別の実施形態において、上記組成物中の少なくとも約99重量%の硫酸ナトリウムは、約150μmより大きくかつ約700μm未満の硫酸ナトリウム粒子を含む。さらに別の実施形態において、上記組成物中の少なくとも約99重量%の硫酸ナトリウムは、約300μmより大きくかつ約700μm未満の硫酸ナトリウム粒子を含む。

特定の実施形態において、上記経口薬学的錠剤組成物は、約1000mg〜約2500mg、約1500mg〜約2000mg、もしくは約1700mg〜約1900mgの間である。例えば、上記組成物は、約1800mgであり得る。

別の実施形態において、上記組成物は、被覆を含む。上記被覆は、ポリビニルアルコールおよびポリエチレングリコールのコポリマーであり得る。

上記組成物はまた、崩壊剤、結合剤、滑剤、滑沢剤、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される少なくとも1種の賦形剤を含み得る。一実施形態において、上記組成物中の全賦形剤レベルは、上記組成物のうちの約40重量%、35重量%、30重量%もしくは25%重量%未満である。例えば、上記組成物中の全賦形剤レベルは、上記組成物のうちの約30重量%未満である。

別の実施形態において、上記錠剤組成物は、崩壊剤を含む。上記崩壊剤は、ポビドン、Kollidon CL、Kollidon CL−SF、糖、スクロース、デキストロース、マンニトール、およびこれらの組み合わせからなる群より選択され得る。一実施形態において、上記崩壊剤は、マンニトールおよびポビドンの組み合わせを含む。別の実施形態において、上記崩壊剤は、Kollidon CLおよび/もしくはKollidon CL−SFを含む。

さらに、上記錠剤組成物は、結合剤を含み得る。上記結合剤は、ポリエチレングリコール、PEG3350、PEG8000およびこれらの組み合わせからなる群より選択され得る。

別の実施形態において、上記錠剤組成物は、滑剤、例えば、フュームドシリカを含む。

さらに別の実施形態において、上記錠剤組成物は、滑沢剤、例えば、ステアリン酸マグネシウム、フマル酸ステアリルナトリウム、およびこれらの組み合わせを含む。

一局面において、本発明は、硫酸ナトリウムおよび硫酸カリウムを含む経口薬学的錠剤組成物を提供し、ここで上記組成物は、直接経口摂取によって、および経口摂取前に水の中で崩壊させることによって投与でき、ここで上記組成物は、約2℃以上において、例えば、約2℃〜約15℃において約120秒もしくは約150秒未満で水の中で崩壊し、上記組成物は、直接経口摂取の際に、約30秒未満で口の中で崩壊せず、上記錠剤は、被覆を含む。

別の局面において、本発明は、硫酸ナトリウムおよび硫酸カリウムを含む経口薬学的錠剤組成物を提供し、ここで上記組成物は、直接経口摂取によって、および経口摂取前に水の中で崩壊させることによって投与でき、上記組成物は、約2℃以上において、例えば、約2℃〜約15℃において約120秒もしくは約150秒未満で水の中で崩壊し、上記組成物は、直接経口摂取の際に、約30秒未満で口の中で崩壊せず、上記組成物は、少なくとも約70重量%の硫酸ナトリウムおよび硫酸カリウムを含み、上記錠剤は、被覆を含む。

本発明の別の局面において、本発明は、硫酸ナトリウムおよび硫酸カリウムを含む経口薬学的錠剤組成物を提供し、ここで上記組成物は、直接経口摂取によって、および経口摂取前に水の中で崩壊させることによって投与でき、上記組成物は、約2℃以上において、例えば、約2℃〜約15℃において約120秒もしくは約150秒未満で水の中で崩壊し、上記組成物は、直接経口摂取の際に、約30秒未満で口の中で崩壊せず、上記組成物は、約150μm未満のおよび約700μmより大きな硫酸ナトリウム粒子を実質的に含まず、上記錠剤は、被覆を含む。

本発明の別の局面において、本発明は、硫酸ナトリウムおよび硫酸カリウムを含む経口薬学的錠剤組成物を提供し、ここで上記組成物は、直接経口摂取によって、および経口摂取前に水の中で崩壊させることによって投与でき、上記組成物は、約2℃以上において、例えば、約2℃〜約15℃において約120秒もしくは約150秒未満で水の中で崩壊し、上記組成物は、直接経口摂取の際に、約30秒未満で口の中で崩壊せず、上記組成物は、約150μm未満のおよび約700μmより大きな硫酸ナトリウム粒子を実質的に含まず、上記錠剤は、被覆および崩壊剤を含む。

別の局面において、本発明は、上記経口薬学的錠剤組成物を調製するための方法を提供し、上記方法は、少なくとも1種の硫酸塩および少なくとも1種の賦形剤をブレンドする工程、ならびに得られたブレンドを錠剤へと圧縮する工程を包含する。上記ブレンドする工程は、硫酸ナトリウムのバッチをブレンドする工程を包含し得、ここで上記硫酸ナトリウムのバッチは、約150μm未満のおよび約750μmより大きな、例えば、約300μm未満のおよび約750μmより大きな、約150μm未満のおよび約1000μmより大きな、または約300μm未満のおよび約1000μmより大きな硫酸ナトリウム粒子を実質的に含まない。

別の実施形態において、本発明は、上記経口薬学的錠剤組成物を調製するための方法を提供し、上記方法は、硫酸ナトリウムのバッチおよび少なくとも1種の賦形剤をブレンドする工程であって、ここで上記硫酸ナトリウムのバッチは、約150μm未満のおよび約700μmより大きな、例えば、約300μm未満のおよび約750μmより大きな、約150μm未満のおよび約1000μmより大きな、または約300μm未満のおよび約1000μmより大きな硫酸ナトリウム粒子を実質的に含まない工程、ならびに得られたブレンドを錠剤へと圧縮する工程を包含する。

上記方法は、上記錠剤を被覆する工程をさらに包含し得る。別の実施形態において、本発明の方法は、ブレンドする工程の前に、約150μm未満のおよび約700μmより大きな、例えば、約300μm未満のおよび約750μmより大きな、約150μm未満のおよび約1000μmより大きな、または約300μm未満のおよび約1000μmより大きな硫酸ナトリウム粒子を実質的に除去する工程を包含する。さらに別の実施形態において、上記賦形剤は、崩壊剤、結合剤、滑剤、滑沢剤、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される。

さらなる局面において、本発明は、被験体において便通を誘発するための方法を提供し、上記方法は、上記被験体に、少なくとも1種の本発明の経口薬学的錠剤組成物を投与し、それによって、便通を誘発する工程を包含する。さらに別の局面において、本発明は、被験体において便秘を予防もしくは処置するための方法を包含し、上記方法は、上記被験体に、少なくとも1種の本発明の経口薬学的錠剤組成物を投与し、それによって、便秘を処置もしくは予防する工程を包含する。

前述の本発明の方法のうちの一実施形態において、上記組成物は、上記被験体によって直接飲み込まれる。別の実施形態において、上記組成物を投与する工程は、上記組成物の水性分散物を経口摂取する工程を包含する。本発明の方法のうちのさらに別の実施形態において、便通は、上記被験体において臨床的に有意な電解質シフトを誘発することなく誘発される。本発明の方法のうちのさらに別の実施形態において、上記方法は、上記被験体において臨床的に有意な電解質シフトを誘発することなく便秘を処置もしくは予防する。本発明のなお別の方法において、上記被験体は、2個、3個、4個もしくは5個の経口薬学的錠剤組成物を投与される。

図1は、実施例1に記載されるように、水の中での硫酸ナトリウム錠剤の崩壊時間に対する硫酸ナトリウム粒子サイズの効果をグラフに示す。

(発明の詳細な説明) 本発明は、硫酸塩、例えば、硫酸ナトリウムを含み、直接経口摂取によって、または代わりに、経口摂取前に水の中で崩壊させることによって投与できる独特な両用錠剤製剤を提供する。特定の局面において、本発明は、硫酸塩、例えば、硫酸ナトリウム、および必要に応じて、硫酸カリウムを含む経口薬学的錠剤組成物に関し、ここで上記組成物は、直接経口摂取によって、および経口摂取前に水の中で崩壊させることによって投与でき、上記組成物は、水の中で約2℃以上において、例えば、約2℃〜約15℃において約120秒もしくは約150秒未満で;水の中で約8℃以上において、例えば、約8℃〜約10℃において約90秒未満で、例えば、60秒未満で;水の中で約5℃以上において、例えば、約5℃〜約10℃において約120秒未満で、例えば、90秒未満で;そして/または水の中で約2℃以上において、例えば、約2℃〜約10℃において約120秒もしくは約150秒未満で崩壊し;そして上記組成物は、直接経口摂取の際に、約30秒未満で口の中で崩壊しない。

本発明の薬学的組成物は、上記患者にとって便利な形態で服用され得る多用途の組成物を提供することによって、患者コンプライアンスという難題を克服する。さらに、本発明の薬学的組成物は、硫酸ナトリウムの極めて吸湿性の特性から生じる患者コンプライアンスという難題を、一部としては、水の中で崩壊されるか、または代わりに、全ての利用可能な唾液を除去して望ましくない口の感覚、ドライマウスおよび嚥下困難を引き起こすことなく、直接摂取されるかのいずれかであり得る錠剤を提供することによって、克服する。

さらに、本発明の薬学的組成物は、緩下効果を達成するために必要とされる、硫酸ナトリウムの高投与量形態を製剤化することにおける難題を克服する。実際に、本発明の組成物は、上記組成物のうちの少なくとも約40重量%、45重量%、50重量%、55重量%、60重量%、65重量%、70重量%、75重量%、80重量%、85重量%もしくは90重量%のレベルでの硫酸塩(例えば、硫酸ナトリウムおよび硫酸カリウムを含む)の組み込み、そして特に、上記組成物のうちの少なくとも約40重量%、45重量%、50重量%、55重量%、57重量%、60重量%もしくは65重量%のレベルでの硫酸ナトリウムの組み込みを可能にする。不活性薬剤(例えば、賦形剤)のレベルを最小限にし、かつ硫酸塩(そして特に、硫酸ナトリウム塩)のレベルを最大限にすることによって、本発明の経口薬学滴組成物は、上記被験体に投与した際に、所望の緩下効果を達成するために便利な錠剤形態にある高投与量形態を提供する。よって、被験体は、便通を誘発するために、1個、2個、3個、4個もしくは5個の錠剤のみの摂取を要し得る。

さらに、本発明の薬学的組成物は、硫酸ナトリウムの、水もしくは水性溶液の中で容易にかつ迅速に崩壊する錠剤形態を製剤化することにおける難題を克服する。硫酸ナトリウムの化学的特性、および特に、溶解曲線はしばしば、水の中への浸漬の際に、再結晶化および硬い塊の形成をもたらし、それによって、摂取用の水性懸濁物を提供するという最終的な目的が損なわれる。本明細書で使用される場合、用語「崩壊」もしくは「崩壊する」とは、水もしくは水性溶液の中での崩壊について、上記錠剤組成物の破断および/もしくは分解、例えば、上記組成物のうちの約50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%もしくは95%超の崩壊をいう。特定の実施形態において、水もしくは水性溶液の中での崩壊についての崩壊のレベルは、本明細書中の実施例6および7に記載される方法によって評価され得る。

いかなる特定の理論によっても拘束されることを望まないが、本発明者らは、部分的には、約150μm未満、例えば、約300μm未満の硫酸ナトリウム粒子を除去することによって、およびさらには、約1000μmより大きな、例えば、約750μmより大きな硫酸ナトリウム粒子を除去することによって、約2℃、3℃、4℃、5℃、6℃、7℃、8℃、9℃、10℃、11℃、12℃、13℃、14℃、15℃、16℃、17℃、18℃、19℃、20℃、21℃、22℃、23℃、24℃もしくは25℃,において、例えば、約150秒、120秒、90秒、60秒、45秒もしくは30秒未満で水の中で迅速に崩壊させることができる硫酸ナトリウムの錠剤製剤が調製され得ることを確認した。一実施形態において、上記錠剤は、約15℃において約45秒未満で水の中で崩壊する。代わりにもしくはさらに、上記錠剤は、約10℃において約60秒未満で、例えば、45秒未満で水の中で崩壊し得る。代わりにもしくはさらに、上記錠剤は、約8℃において約90秒未満で、例えば、60秒未満で水の中で崩壊し得る。代わりにもしくはさらに、上記錠剤は、約5℃において約120秒未満で、例えば、90秒未満で水の中で崩壊する。代わりにもしくはさらに、上記錠剤は、約2℃において約120秒もしくは約150秒未満で水の中で崩壊する。種々の他の実施形態において、上記組成物は、水の中で約2℃以上において、例えば、約2℃〜約15℃において約120秒もしくは約150秒未満で;水の中で約8℃以上において、例えば、約8℃〜約10℃において約90秒未満で、例えば、60秒未満で;水の中で約5℃以上において、例えば、約5℃〜約10℃において約120秒未満で、例えば、90秒未満で;そして/または水の中で約2℃以上において、例えば、約2℃〜約10℃において約120秒もしくは約150秒未満で崩壊する。よって、上記錠剤は、水の中で室温において、低温の水の中でおよび冷水の中で、所望の崩壊プロフィールを示すという点でさらなる多用途を有する。よって、上記錠剤は、利用可能な水、例えば、水道水が、室温より冷たい地域における使用に適している。実際に、本発明者らは、約150μmより大きな、例えば、約300μmより大きな硫酸ナトリウム粒子が、錠剤へと圧縮され、適切な賦形剤と合わされた場合に、低温の水の中で、もしくは冷水の中で溶解し、さらにそこに浸漬された場合に硬い塊へと再結晶化しないことを確認した。

さらに、本発明の薬学的組成物は、硫酸ナトリウムの、直接経口投与および唾液との相互作用の際に崩壊に抵抗性である錠剤形態を製剤化することにおける難題を克服する。実際に、上記経口薬学的錠剤組成物は、直接経口摂取および唾液との相互作用の際に、約90秒、75秒、60秒、45秒、もしくは30秒未満で口の中で崩壊しない。本明細書で使用される場合、用語「崩壊」もしくは「崩壊する」とは、被験体の口の中での崩壊について(すなわち、被験体の唾液に曝露された際に)、上記錠剤組成物の実質的な部分の、例えば、上記組成物のうちの約90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%もしくは99%より多くの侵食をいう。直接経口摂取のための口の中に入れられた場合に、小さな侵食の程度が起こり得ることは想定されるが、本明細書で使用される場合、用語「崩壊」もしくは「崩壊する」は、直接経口摂取について使用される場合、錠剤の実質的な部分の侵食を要する。特定の実施形態において、直接経口摂取についての崩壊のレベルは、本明細書中の実施例2で記載される方法によって評価され得る。

本発明者らは、約150μm未満の、好ましくは、約300μm未満の硫酸ナトリウム粒子を除去することによって、より密でかつより薄い錠剤が生成され得ることをさらに確認した。さらに、約1000μmより大きな、好ましくは、約750μmより大きな硫酸ナトリウム粒子を除去することによって、錠剤重量変動が、製造プロセスの間に最小限にされた。

さらに、本発明の経口薬学滴組成物は錠剤形態にあるので、上記組成物は、保存剤を含める必要性を回避することによって、貯蔵および輸送の目的で商業的利益を提供する。

よって、本発明者らは、硫酸塩、例えば、硫酸ナトリウムの独特で、多用途でかつ効果的な製剤を確認した。 (薬学的組成物)

一局面において、本発明は、硫酸塩、例えば、硫酸ナトリウムを含む経口薬学的錠剤組成物を提供し、ここで上記組成物は、直接経口摂取によって、および経口摂取前に水の中で崩壊させることによって投与できる。別の局面において、本発明は、硫酸ナトリウムを含む経口薬学的錠剤組成物を提供し、ここで上記組成物は、直接経口摂取によって、および経口摂取前に水の中で崩壊させることによって、両方で投与でき、ここで上記組成物は、約2℃以上において、例えば、約2℃〜約15℃において約120秒もしくは約150秒未満で水の中で崩壊し、上記組成物は、直接経口摂取の際に、約30秒未満で口の中で崩壊しない。さらに別の局面において、本発明は、硫酸ナトリウムおよび硫酸カリウムを含む経口薬学的錠剤組成物を提供し、ここで上記組成物は、直接経口摂取によって、および経口摂取前に水の中で崩壊させることによって投与でき、上記組成物は、約2℃以上において、例えば、約2℃〜約15℃において約120秒もしくは約150秒未満で水の中で崩壊し、上記組成物は、直接経口摂取の際に、約30秒未満で口の中で崩壊せず、そして上記錠剤は、被覆を含む。さらに別の局面において、本発明は、硫酸ナトリウムおよび硫酸カリウムを含む経口薬学的錠剤組成物を提供し、ここで上記組成物は、直接経口摂取によって、および経口摂取前に水の中で崩壊させることによって投与でき、上記組成物は、約2℃以上において、例えば、約2℃〜約15℃において約120秒もしくは約150秒未満で水の中で崩壊し、上記組成物は、直接経口摂取の際に、約30秒未満で口の中で崩壊せず、上記組成物は、少なくとも約70重量%の硫酸ナトリウムおよび硫酸カリウムを含み、そして上記錠剤は、被覆を含む。さらなる局面において、本発明は、硫酸ナトリウムおよび硫酸カリウムを含む経口薬学的錠剤組成物を提供し、ここで上記組成物は、直接経口摂取によって、および経口摂取前に水の中で崩壊させることによって投与でき、上記組成物は、約2℃以上において、例えば、約2℃〜約15℃において約120秒もしくは約150秒未満で水の中で崩壊し、上記組成物は、直接経口摂取の際に、約30秒未満で口の中で崩壊せず、上記組成物は、約150μm未満のおよび約700μmより大きな硫酸ナトリウム粒子を実質的に含まず、そして上記錠剤は、被覆および崩壊剤をさらに含む。さらに別の実施形態において、本発明は、硫酸ナトリウムおよび硫酸カリウムを含む経口薬学的錠剤組成物を提供し、ここで上記組成物は、直接経口摂取によって、および経口摂取前に水の中で崩壊させることによって投与でき、上記組成物は、約2℃以上において、例えば、約2℃〜約15℃において約120秒もしくは約150秒未満で水の中で崩壊し、上記組成物は、直接経口摂取の際に、約30秒未満で口の中で崩壊せず、上記組成物は、約150μm未満のおよび約700μmより大きな硫酸ナトリウム粒子を実質的に含まず、そして上記錠剤は、被覆を含む。

(硫酸塩) 本明細書で使用される場合、用語「硫酸塩」とは、スルフェートイオン、すなわち、SO42−と適切なカチオンとの組み合わせをいう。本発明における使用のための硫酸塩の非限定的例としては、例えば、硫酸ナトリウム(Na2SO4)、硫酸マグネシウム(MgSO4)、硫酸カリウム(K2SO4)およびこれらの組み合わせが挙げられる。

ある種の実施形態において、本発明の経口薬学的錠剤組成物は、硫酸ナトリウムを含む。上記硫酸ナトリウムは、無水の粉末(例えば、テナルダイト)の形態にあり得るか、または十水和物(例えば、グラウバー塩、ミラビライト)の形態にあり得る。ある種の実施形態において、上記経口薬学的錠剤組成物は、硫酸ナトリウムおよび少なくとも1種の他の硫酸塩(例えば、硫酸マグネシウムもしくは硫酸カリウム)を含む。例えば、一実施形態において、上記経口薬学的錠剤組成物は、硫酸ナトリウムおよび硫酸カリウムを含む。さらに別の実施形態において、本発明は、硫酸ナトリウム、硫酸カリウムおよび硫酸マグネシウムを含む。

スルフェートは、緩下効果を示すことが公知である。以前のスルフェート組成物は、少量の活性成分を、一般に、上記錠剤のうちの30重量%未満を含んだに過ぎない。なぜなら、多量の不活性薬剤が、崩壊を達成するために必要だったからである。スルフェートのレベルを増大させることによって、本発明の錠剤は、所望の治療効果を達成するために必要とされる錠剤の数およびサイズを最小限にするように働く。ある種の実施形態において、上記経口薬学的錠剤組成物は、上記活性成分として、少なくとも約40重量%、41重量%、42重量%、43重量%、44重量%、45重量%、46重量%、47重量%、48重量%、49重量%、50重量%、51重量%、52重量%、53重量%、54重量%、55重量%、56重量%、57重量%、58重量%、59重量%、60重量%、61重量%、62重量%、63重量%、64重量%、65重量%、66重量%、67重量%、68重量%、69重量%、70重量%、71重量%、72重量%、73重量%、74重量%、75重量%、76重量%、77重量%、78,重量%、79重量%、80重量%、81重量%、82重量%、83重量%、84重量%、85重量%、86重量%、87重量%、88重量%、89重量%、もしくは90重量%の硫酸塩を含む。

本発明のある種の実施形態において、上記経口薬学的錠剤組成物は、少なくとも約70重量%の、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸マグネシウムおよびこれらの組み合わせからなる群より選択される硫酸塩を含む。さらなる実施形態において、上記経口薬学的錠剤組成物は、少なくとも約70重量%の硫酸ナトリウムおよび硫酸カリウムを含む。ある種の実施形態において、上記経口薬学的錠剤組成物は、少なくとも約40重量%、41重量%、42重量%、43重量%、44重量%、45重量%、46重量%、47重量%、48重量%、49重量%、50重量%、51重量%、52重量%、53重量%、54重量%、55重量%、56重量%、57重量%、58重量%、59重量%、60重量%、61重量%、62重量%、63重量%、64重量%、もしくは65重量%の硫酸ナトリウムを含む。さらに別の実施形態において、上記経口薬学的錠剤組成物は、約40重量%〜約65重量%の間もしくは約50重量%〜約60重量%の間の硫酸ナトリウムを含む。

市販の硫酸ナトリウムにおいて見出される硫酸ナトリウム粒子のうちの約90%が、USP標準によればサイズが約300μm未満である。この硫酸ナトリウム粉末は、水に添加される場合に、ゆっくりと溶解する結晶を形成する。しかし、サイズが150μm未満の粒子の除去は、水の中で例えば、約2℃、3℃、4℃、5℃、6℃、7℃、8℃、9℃、10℃、11℃、12℃、13℃、14℃、15℃、16℃、17℃、18℃、19℃、20℃、21℃、22℃、23℃、24℃もしくは25℃において迅速に(例えば、約30秒、60秒もしくは90秒で)溶解する錠剤を形成するために使用され得る粉末を生じる。さらに、より大きなサイズの、例えば、約1000μmより大きな粒子の除去は、ボイド率が低下したより密な粉末を生じる。結果として、より密でかつより薄い錠剤が生成され得る。

よって、ある種の実施形態において、上記経口薬学的錠剤組成物は、約150μm、200μm、250μm、もしくは300μm未満の硫酸ナトリウム粒子および約700μm、750μm、800μm、900μm、もしくは1000μmより大きな硫酸ナトリウム粒子を実質的に含まない。別の実施形態において、上記組成物は、約300μm未満のおよび約700μmより大きな硫酸ナトリウム粒子を実質的に含まない。別の実施形態において、上記組成物は、約150μm未満のおよび約700μmより大きな硫酸ナトリウム粒子を実質的に含まない。本明細書で使用される場合、用語「実質的に含まない」とは、所望の粒子サイズ範囲外に入るほんの僅かなレベルの粒子(例えば、上記組成物中の約5重量%、4重量%、3重量%、2重量%、1重量%、0.5重量%、0.4重量%、0.3重量%、0.2重量%、0.1重量%、0.05重量%、0.04重量%、0.03重量%、0.02重量%、0.01重量%の硫酸ナトリウム未満)を含む組成物をいう。所望の粒子サイズ範囲を得るために当該分野で公知の標準的技術の使用(例えば、適切なシーブ、メッシュまたは本明細書で記載されるかもしくは当該分野で公知の他の技術の使用を含む)によって得られる硫酸ナトリウム粒子のバッチの使用は、得られた組成物が本発明の目的のために所望の粒子サイズ範囲の外に入る粒子を「実質的に含まない」ようにする。

当該分野の技術の状態に従って、粒子のサイズが本明細書で言及される。例えば、サイズへの言及は、適切なシーブ、例えば、エアシービングもしくは実験室用シービング、またはメッシュの使用の際に得られる粒子をいい得る。

上記経口薬学的錠剤組成物は、硫酸ナトリウムを含み得、ここで少なくとも約90重量%、91重量%、92重量%、93重量%、94重量%、95重量%、96重量%、97重量%、98重量%もしくは99重量%の硫酸ナトリウムが、約150μm、200μm、250μm、もしくは300μmより大きいが、約700μm、750μm、800μm、900μm、もしくは1000μm未満である硫酸ナトリウム粒子から形成される。より具体的には、上記経口薬学的錠剤組成物は、硫酸ナトリウムを含み得、ここで上記硫酸ナトリウムのうちの少なくとも約99重量%が、約150μm、200μm、250μmもしくは300μmより大きく、そして約700μm、750μm、800μm、900μmもしくは1000μm未満の硫酸ナトリウム粒子から形成される。本発明の別の実施形態において、上記経口薬学的錠剤組成物は、硫酸ナトリウムを含み得、ここで上記硫酸ナトリウムのうちの少なくとも約99重量%が、約150μmより大きく、そして約700μm未満である硫酸ナトリウム粒子から形成される。本発明のさらに別の実施形態において、上記経口薬学的錠剤組成物は、硫酸ナトリウムを含み得、ここで上記硫酸ナトリウムのうちの少なくとも約99重量%が、約300μmより大きく約700μm未満の硫酸ナトリウム粒子から形成される。

(被覆) 種々の実施形態において、本発明は、被覆を含む。本明細書で使用される場合、用語「被覆」とは、薬学的組成物の活性成分を、空気、水分もしくは唾液との接触による劣化から保護するか、不快な味のする化合物をマスクするか、または活性成分の放出の速度もしくは位置に影響を及ぼす作用物質をいう。上記被覆は、経口投与の間に上記錠剤への保護をさらに提供するが、上記錠剤の崩壊および得られた水性分散物のその後の摂取を可能にするために、水の中で迅速に崩壊もする。実際に、本発明者らは、上記被覆が水の中での崩壊時間を実質的に増大させないということを驚くべきことに見出した。

被覆されていない錠剤は、直接摂取では既に受けいれられており、即放性錠剤には典型的であるが、被覆の追加は、硫酸塩をより口に合うようにするように働き得る。硫酸塩は、極めて吸湿性であり、経口摂取される場合には、上記錠剤は、全ての利用可能な唾液を口から即座に除去し、望ましくない口の感覚、ドライマウス、および嚥下困難を引き起こす。被覆された錠剤は、上記錠剤が唾液と接触した際の崩壊に耐え、そしてさらには、口の中に直接入れられた場合に、スルフェートの不快な味を患者が検出することを、例えば、少なくとも約30秒、60秒もしくは90秒間回避する能をさらに与える。前述の理由から、上記被覆は、好ましくは、水と比較して、唾液中でそれほど迅速に溶解および破断しない。

本発明における使用のための被覆の非限定的例としては、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリエチレングリコール、合成ポリマー、シェラック、トウモロコシタンパク質ゼイン、ポリサッカリド、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、Kollicoat IR(ポリビニルアルコール−ポリエチレングリコールコポリマー)、Kollicoat SR 30D(ポリビニルピロリドンおよびラウリル硫酸ナトリウムで安定化したポリビニルアセテート)もしくはゼラチンが挙げられる。一実施形態において、上記被覆は、可溶性である。種々の実施形態において、上記被覆は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリエチレングリコール、ならびにポリビニルアルコールおよびポリエチレングリコールのコポリマーからなる群より選択される。一実施形態において、上記被覆は、ポリビニルアルコールおよびポリエチレングリコールのコポリマーを含む。この被覆は、容易に溶解し、上記組成物のうちの最大30重量%までの濃度で上記錠剤をスプレー被覆するために使用され得る。上記ポリビニルアルコールおよびポリエチレングリコールは、可塑剤および粘着低下剤(detackifier)の必要性を排除して、低い粘着性を有し可撓性のある被覆を形成する。別の実施形態において、上記被覆は、上記組成物のうちの約1.75重量%〜約6重量%もしくは約2重量%〜約6重量%で存在する。以下の実施例2に示されるように、上記組成物のうちの約2重量%の被覆を有する錠剤は、水に添加された場合に、破断し直ぐに(すなわち、5〜10秒以内に)崩壊し始める。上記組成物のうちの約6重量%の被覆を有する錠剤は、破断し、最大30秒までで水の中で崩壊し始める。

(賦形剤) 本発明の薬学的組成物は、少なくとも1種の賦形剤をさらに含む。本明細書で使用される場合、用語「賦形剤」は、例えば、製剤の体積もしくは質量を増大させるために、製造プロセスを容易にするために、貯蔵の間に活性成分を安定化および保護するために、上記組成物の溶解度に影響を及ぼすために、上記組成物の崩壊に影響を及ぼすために、または嗜好性を改善するために使用され得る薬理学的に不活性な物質をいう。本発明における使用のための賦形剤の非限定的例としては、粘着防止剤(anti−adherent)、結合剤、被覆、崩壊剤、充填剤、香味料、着色剤、滑沢剤、滑剤、吸着剤、保存剤、および甘味剤が挙げられる。ある種の実施形態において、上記錠剤は、保存剤を含まない。

一実施形態において、上記経口薬学的錠剤組成物は、崩壊剤、結合剤、滑剤、滑沢剤、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される少なくとも1種の賦形剤を含む。特定の実施形態において、上記賦形剤は、可溶性である。ある種の実施形態において、上記組成物中の全賦形剤レベルは、上記組成物のうちの約40重量%、35重量%、30重量%、25重量%もしくは20重量%未満である。一実施形態において、上記組成物中の全賦形剤レベルは、上記組成物のうちの約30重量%未満である。特定の実施形態において、上記組成物中の全賦形剤レベルは、上記組成物のうちの約25重量%未満である。

(崩壊剤) 一実施形態において、上記経口薬学的錠剤組成物は、崩壊剤を含む。本明細書で使用される場合、用語「崩壊剤」とは、湿った場合に膨張し、溶解させて、錠剤をばらばらに壊し、上記活性成分(例えば、硫酸塩)を所望の吸収部位で放出する化合物をいう。上記崩壊剤はまた、崩壊を引き起こすために、上記化合物が溶媒(例えば、水)と接触した状態にあることを確実にするように機能する。

本発明における使用のための崩壊剤の非限定的例としては、アガー、炭酸カルシウム、ジャガイモおよびタピオカのデンプン、アルギン酸、ある種のシリケート、コロイド性二酸化ケイ素、グリコール酸デンプンナトリウム、クロスポビドン、架橋ポリビニルピロリドン、ポビドン、Kollidon CL、Kollidon CL−SF、糖、スクロース、デキストロース、マンニトール、Ludiflash(90% マンニトール、5% クロスポビドン(Kollidon 30)および5% ポリビニルアセテート(Kollicoat SR 30D)炭酸ナトリウム、ならびにこれらの組み合わせが挙げられる。一実施形態において、上記崩壊剤は、可溶性である。一実施形態において、上記崩壊剤は、ポビドン、Kollidon CL、Kollidon CL−SF、糖、スクロース、デキストロース、マンニトール、もしくはこれらの組み合わせからなる群より選択される。一実施形態において、本発明の経口薬学的錠剤組成物は、マンニトールおよび必要に応じてさらなる崩壊剤を含む。例えば、上記崩壊剤は、糖およびポビドンの組み合わせであり得る。特定の実施形態において、上記崩壊剤は、マンニトールおよびポビドンの組み合わせである。特定の実施形態において、上記崩壊剤は、マンニトール、Kollidon CLおよびKollidon CL−SFの組み合わせである。マンニトールおよびポビドンの組み合わせは、特に望ましい崩壊プロフィールを示す。特定の理論に拘束されることは望まないが、マンニトールは、錠剤の内部へと水を引き込んで、他の崩壊剤(例えば、ポビドン)に水を利用可能にし、それによって、上記崩壊剤がより速い速度で膨潤することを可能にすると考えられる。吸い上げ剤(wicking agent)(例えば、マンニトール)および崩壊剤(例えば、ポビドン)の比は、所望の崩壊速度を達成するように働き得る。特定の実施形態において、上記マンニトールは、上記組成物のうちの約6重量%〜約15重量%で、もしくは約8重量%〜約12重量%で存在する。代わりにもしくはさらに、上記Kollidon CLは、上記組成物のうちの約4重量%〜約12重量%で、もしくは約6重量%〜約10重量%で存在する。代わりにもしくはさらに、上記Kollidon CL−SFは、上記組成物のうちの約2重量%〜約7重量%で、もしくは約3重量%〜約6重量%で存在する。

(結合剤) 一実施形態において、上記経口薬学的錠剤組成物は、結合剤を含む。本明細書で使用される場合、用語「結合剤」とは、上記成分が錠剤を作製するために圧縮される場合に、上記組成物をまとめる不活性成分をいう。本発明における使用のための結合剤の非限定的例としては、スクロース、ラクトース、デンプン、セルロース、改変セルロース(例えば、微結晶性セルロースおよびヒドロキシプロピルセルロース)、キシリトール、ソルビトール、マルチトール(malitol)、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、PEG3350、PEG8000、キサンタンガムおよびこれらの組み合わせが挙げられる。一実施形態において、上記結合剤は、ポリエチレングリコール、PEG3350、PEG8000およびこれらの組み合わせからなる群より選択される。PEG3350およびPEG8000は、それらが十分に可溶性であり、うまく形成された錠剤の生成を可能にするので、結合剤として特に有利である。さらに別の実施形態において、上記結合剤は、上記組成物のうちの約1重量%〜約10重量%で、約2重量%〜約6重量%で、もしくは約3重量%〜約5重量%で存在する。

(滑剤) 一実施形態において、上記経口薬学的錠剤組成物は、滑剤を含む。本明細書で使用される場合、用語「滑剤」とは、上記成分が均一にブレンドされることを可能にし、かつ圧縮を助けるように、上記錠剤の生成の間に流動性の補助として使用される不活性成分をいう。本発明における使用のための滑剤の非限定的例としては、フュームドシリカ(Aerosil 200)、タルク、炭酸マグネシウム、およびこれらの組み合わせが挙げられる。上記経口薬学的錠剤組成物の一実施形態において、上記滑剤は、フュームドシリカである。さらに別の実施形態において、上記滑剤は、約2%もしくは約1%未満で存在する。代わりにもしくはさらに、上記滑剤は、上記組成物のうちの約0.1重量%〜約0.8重量%の間、もしくは約0.2重量%〜約0.5重量%の間で存在する。

(滑沢剤) 一実施形態において、上記経口薬学的錠剤組成物は、滑沢剤を含む。本明細書で使用される場合、用語「滑沢剤」とは、製造プロセスの間に、錠剤を形成するための上記組成物の圧縮および、上記錠剤を離型することを容易にする不活性成分をいう。本発明における使用のための滑沢剤の非限定的例としては、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、フマル酸ステアリルナトリウム、水素化植物性油、タルク、シリカ、ミネラルオイル、モノステアリン酸グリセロール、およびこれらの組み合わせが挙げられる。一実施形態において、上記経口薬学的錠剤組成物は、ミネラルオイル、モノステアリン酸グリセロール、ステアリン酸マグネシウム、フマル酸ステアリルナトリウム、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される滑沢剤を含む。ある種の実施形態において、上記経口薬学的錠剤組成物は、約2%、1%、もしくは0.5%未満で存在する滑沢剤を含む。代わりにもしくはさらに、上記滑沢剤は、上記組成物のうちの約0.2重量%〜約0.8重量%の間、もしくは約0.4重量%〜約0.6重量%の間で存在する。

(錠剤) 本発明の経口薬学的組成物は、錠剤の形態で提供される。本発明の錠剤組成物は、所望の緩下効果を誘発するため、かつさらには患者コンプライアンスおよび便利さという問題に対処するための両方のために、スルフェート含有量を最大限にし、必要とされる錠剤の数を最小限にするように設計される。よって、一実施形態において、上記経口薬学的錠剤組成物は、約1000mg〜約3000mgの間、約1500mg〜約2500mgの間、もしくは約1700mg〜約2000mgの間である。特定の実施形態において、上記経口薬学的錠剤組成物は、約1800mgであり得る。

好ましい実施形態において、上記錠剤は、約7kp〜約15kp、約7kp〜約12kp、約8kp〜約12kp、もしくは約10kp〜約15kpの間の硬度を有する。上記錠剤は、その被覆を可能にし、その簡便な製造を可能にするように十分な硬度であるが、水の中での所望の崩壊プロフィールを妨げるほどには硬くないべきである。

上記錠剤は、任意の形状のものであり得る。一実施形態において、上記錠剤は、例えば、約1800mgの、平らな側面を有し、必要に応じて、標準的な圧縮ツーリング(tooling)を使用して生成される長円形の両凸の錠剤である。この形状およびサイズは、患者にとって簡便である。なぜなら、丸い面を有する楕円形状は、より良好な経口投与を提供するからである。

本発明の錠剤は、当該分野で標準的な種々の技術のうちのいずれか(適切な場合には、例えば、押し出し、球形化、湿式造粒、ミリングおよび直接圧縮が挙げられる)によって作製され得る。

一局面において、本発明は、上記経口薬学的錠剤組成物を調製するための方法を提供し、上記方法は、少なくとも1種の硫酸塩および少なくとも1種の賦形剤をブレンドする工程、ならびに得られたブレンドを錠剤へと圧縮する工程を包含する。上記ブレンドする工程は、硫酸ナトリウムのバッチをブレンドする工程を包含し得、ここで上記硫酸ナトリウムのバッチは、約150μm未満のおよび約750μmより大きな、例えば、約300μm未満のおよび約750μmより大きな、約150μm未満のおよび約1000μmより大きな、または約300μm未満のおよび約1000μmより大きな硫酸ナトリウム粒子を実質的に含まない。

別の実施形態において、本発明は、上記経口薬学的錠剤組成物を調製するための方法を提供し、上記方法は、硫酸ナトリウムのバッチおよび少なくとも1種の賦形剤をブレンドする工程であって、ここで上記硫酸ナトリウムのバッチは、約150μm未満のおよび約700μmより大きな、例えば、約300μm未満のおよび約750μmより大きな、約150μm未満のおよび約1000μmより大きな、または約300μm未満のおよび約1000μmより大きな硫酸ナトリウム粒子を実質的に含まない、工程、および得られたブレンドを錠剤へと圧縮する工程を包含する。

上記方法は、上記錠剤を被覆する工程をさらに包含し得る。別の実施形態において、本発明の方法は、ブレンドする前に、約150μm未満のおよび約700μmより大きな、例えば、約300μm未満のおよび約750μmより大きな、約150μm未満のおよび約1000μmより大きな、または約300μm未満のおよび約1000μmより大きな硫酸ナトリウム粒子を実質的に除去する工程を包含する。さらに別の実施形態において、上記賦形剤は、崩壊剤、結合剤、滑剤、滑沢剤、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される。

特定の実施形態において、本発明の錠剤は、実施例4に記載されるように作製される。

(処置の方法) 本発明は、本明細書で開示される経口錠剤薬学的組成物を投与することによって、便通を誘発するか、または便秘を処置もしくは予防するための方法をさらに提供する。

用語「処置する」または「処置」とは、本明細書で使用される場合、便秘、または便秘の1以上の症状(一例では、オピオイドによる便秘の症状)を部分的にまたは完全に軽減すること、阻害すること、その発生を遅らせること、その発生率を低下させること、ならびに改善および/または緩和することをいう。

本明細書で使用される場合、用語「被験体」とは、哺乳動物を意味し、ヒトおよび動物被験体(例えば、飼い慣らされた動物(例えば、ウマ、イヌ、ネコなど)および実験動物(例えば、マウス、ラット、イヌ、チンパンジー、類人猿(ape)など))を含む。特定の実施形態において、上記被験体は、ヒトである。

本明細書で使用される場合、用語「患う」、または「罹患」とは、患者が、特に、便秘と診断されたか、または便秘を有すると疑われる1以上の状態をいう。

本明細書で使用される場合、用語「便秘」とは、被験体が数少ない腸運動、または痛みの伴うおよび/もしくは排便しがたい腸運動を患っている状態をいう。便秘を経験している被験体はしばしば、腸運動の間の緊張(straining)および/もしくは腸運動後の不完全な排便の感覚を患う。

本明細書で使用される場合、用語「便通」もしくは「便通応答」とは、糞便の通過および排便をいう。

一実施形態において、本発明は、本発明の組成物を直接経口摂取する、すなわち、飲み込むことによって、便通を誘発するか、または便秘を処置もしくは予防するための方法を提供する。特定の実施形態において、本発明の組成物は、水で直接摂取され得る。

別の実施形態において、本発明の組成物は、水の中で崩壊させられ得、その後水性分散物が経口摂取され得る。本発明の組成物は、冷水、例えば、2℃〜約10℃の間の水の中で即時崩壊し得る一方で、上記組成物は、種々の温度で水の中で崩壊し得る。実際に、低温の水で特有に崩壊し得る硫酸ナトリウム経口錠剤組成物の発見は、上記組成物が経口摂取のために浸漬される水の温度を制限するとは意図されない。例えば、本発明の組成物は、2℃、3℃、4℃、5℃、6℃、7℃、8℃、9℃、10℃、11℃、12℃、13℃、14℃、15℃、16℃、17℃、18℃、19℃、20℃、21℃、22℃、23℃、24℃もしくは25℃の水の中で崩壊させられ得る。種々の実施形態において、本発明の組成物は、5ml、6ml、7ml、8ml、9ml、10ml、11ml、12ml、13ml、14mlもしくは15mlの水の中で崩壊させられ得る。あるいは、本発明の組成物は、栄養チューブを通して送達される水性溶液として投与され得る。

代替の実施形態において、本発明の組成物は、他の水性流体、例えば、香味料入りの飲料の中で崩壊させられ得、その後の水性分散物が経口摂取され得る。本発明の目的のために、唾液およびその成分は、上記組成物の迅速な崩壊のための水性流体とはみなされない。

本明細書で記載される方法によれば、上記被験体は、便通を誘発するために、有効量の上記硫酸塩錠剤を投与される。本明細書で使用される場合、「有効量」とは、便通を誘発するために、または便秘の1以上の症状を処置もしくは予防するために必要とされるレベルをいう。いくつかの実施形態において、「有効量」は、少なくとも便通を誘発するか、または便秘を処置もしくは予防するために十分な、本発明の経口スルフェート組成物の最小限の量である。いくつかの実施形態において、用語「有効量」とは、スルフェートイオンもしくは硫酸塩の量と結びつけて使用される場合、便通を誘発するか、または便秘を処置もしくは予防するために十分な、スルフェートイオンもしくは硫酸塩、またはこれらの組成物の量をいう。

種々の実施形態において、本発明の組成物は、少なくとも2グラム、3グラム、4グラム、5グラム、6グラム、7グラム、8グラム、9グラムもしくは10グラムのスルフェートイオン(例えば、硫酸ナトリウム、硫酸カリウムもしくはこれらの組み合わせとして存在する)の摂取を生じるように投与されるべきである。種々の実施形態において、本発明の組成物は、便通を誘発するか、または便秘を処置もしくは予防するために、約2グラム〜約10グラムの間、約2グラム〜7グラムの間、約3グラム〜約6グラムの間、もしくは約4グラム〜約5グラムの間のスルフェートイオン(例えば、硫酸ナトリウム、硫酸カリウムもしくは組み合わせ)の摂取を生じるように投与されるべきである。他の実施形態において、本発明の組成物は、少なくとも2グラム、3グラム、4グラム、5グラム、6グラム、7グラム、8グラム、9グラム、10グラム、11グラム、12グラム、13グラム、14グラムもしくは15グラムの硫酸塩(例えば、硫酸ナトリウム、硫酸カリウムもしくはこれらの組み合わせ)の摂取を生じるように投与されるべきである。さらなる実施形態において、本発明の組成物は、便通を誘発するか、または便秘を処置もしくは予防するために、約2グラム〜約15グラムの間、約3グラム〜約11グラムの間、約5グラム〜約9グラムの間、もしくは約6グラム〜約8グラムの間の硫酸塩(例えば、硫酸ナトリウム、硫酸カリウムもしくはこれらの組み合わせ)の摂取を生じるように投与されるべきである。

所望の有効レベルの便通を達成するために、上記被験体は、上記錠剤の組成に依存して、1個より多くの錠剤を投与され得る。例えば、上記被験体は、便通を誘発するために、1個、2個、3個、4個、5個、6個以上の錠剤を投与され得る。

種々の実施形態において、本発明の方法は、即時の便通応答を生じる。例えば、上記組成物は、1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、もしくは6時間未満で、便通を誘発、例えば、腸運動を誘発し得る。

本発明の薬学的組成物は、上記被験体によって必要な場合に摂取され得る。例えば、本発明の薬学的組成物は、即時のおよび所望の便通応答を誘発するために要求される際に摂取され得る。あるいは、上記薬学的組成物は、規則的な投与レジメンで、例えば、1日に3回、1日に2回もしくは1日に1回、摂取され得る。このようなレジメンは、少なくとも1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、もしくはより長い間にわたり得る。

本発明によれば、本発明の経口硫酸塩組成物の投与は、上記錠剤の直接摂取もしくはその水性分散物のいずれによっても、上記被験体において臨床的に有意な電解質シフトを生じることなく、便通を誘発するか、または便秘を処置もしくは予防する。用語「臨床的に有意な」とは、本明細書で使用される場合、血中化学物質の正常範囲の正常な上限もしくは下限の外にあるその変化、または他の望ましくない効果を伝えることが意味される。臨床的に有意な電解質不均衡は、例えば、電解質平衡を生じる、望ましくない正味の水もしくは電解質の分泌もしくは吸収によって引き起こされ得る(高リン酸血症、低カルシウム血症、正のナトリウム平衡、および負のカリウム平衡が挙げられる)。よって、特定の実施形態において、本発明の経口硫酸塩組成物は、ナトリウム、塩化物イオン、重炭酸イオン、カリウム、カルシウム、およびホスフェートレベルおよび平衡の臨床的に有意な変化、ならびにレシピエントに対する他の望ましくない影響なしに、便通を誘発し、そして/または便秘を処置もしくは予防する。

電解質平衡に対する本発明の組成物の効果は、米国特許第6,946,149号(Cleveland)(2005年9月20日発行、その全内容は、本明細書に参考として援用される)に記載される方法によって評価され得る。

本発明は、限定として解釈されるべきではない以下の実施例によってさらに例証される。本願全体を通じて引用される全ての参考文献、特許および公開特許出願の内容、ならびに図面は、本明細書に参考として援用される。

(実施例1:水の中での錠剤崩壊に対する硫酸ナトリウム粒子サイズの効果) 本発明者らは、冷水に添加された場合に、より大きな粒子の硫酸ナトリウムがその微細な粉末と同じ挙動を示さないことを発見した。硫酸ナトリウムの微細な粒子(約300μm未満)の除去は、撹拌なしで冷水に添加された場合に固体の塊に再結晶化しない硫酸ナトリウム粉末の形態を生じた。錠剤製剤に適用した場合、いくつかの利点が明らかになった。第1に、錠剤崩壊時間は、大いに短縮された。図1は、種々の粒子サイズ範囲における硫酸ナトリウムで調製した錠剤の効果を示す。

全て微細なものでの錠剤の調製は、崩壊するのに8〜16分かかって完全に溶解する錠剤を生じる。広い粒子サイズ範囲を有する(いくらか微細なものを含む)錠剤は、粒子のある程度の融解がなお経験され、そして全体的な崩壊時間が増大している。最終的に、150〜700μmの間の粒子サイズは、90秒未満で膨潤し、崩壊する錠剤を生じる。

他の利点は、この発見から得られた。微細な粉末は、低いかさ密度を有する。硫酸ナトリウム粉末は、流動性は十分でなく、十分に流動し、錠剤重量および厚みにおいて最小限の変動で圧縮され得るブレンドを達成するためには、より高レベルの流動補助物質(フュームドシリカ)を要する。硫酸ナトリウムの粒子サイズを増大させることによって、上記かさ密度は増大し、流動特性は大いに改善して、結合剤および流動補助物質のレベルの低下を可能にした。かさ密度を増大させると、より密度の濃い錠剤ブレンドが提供され、最終的には、錠剤厚みの顕著な低下が提供された。

(実施例2:被覆) 二重目的投与形態として、上記錠剤は、水の中で直ぐに崩壊するが、口腔の中で迅速に崩壊せずに、経口投与に耐えるように十分に保護されることが必要とされる。

ポリビニルアルコールおよびポリエチレングリコールのコポリマーを、被覆材料として試験した。2%重量増大の被覆レベルは、水に添加されたときに直ぐ(5〜10秒で)破断し、崩壊し始めた錠剤を生じた。より重い被覆錠剤(6% 重量増大)は、最大30秒までかかった。

上記被覆の開発の間に、上記被覆は、唾液で覆われた場合に、同程度に迅速には破断および溶解しないことが発見された。上記被覆錠剤は、口腔中で30〜60秒程度の時間にわたって保持され得、その後、スルフェートの不快な味が検出できた。

本発明者らは、唾液の成分が上記錠剤の破断および膨潤を遅らせているか否かを考慮した。ムチンは、唾液中に存在する一次濃縮およびバリア作製作用物質として同定された。ムチンが錠剤崩壊時間に影響を及ぼすか否かを試験するために、唾液摸倣物を、電解質(12mM KH2PO4、40mM NaCl、1.5mM CaCl2)と、20mg/mlおよび50mg/mlの濃度のブタ胃ムチンとを合わせ、pHを6.2に調節することによって、現在の技術から開発した。ヒト唾液は、>20mg/ml 上顎ムチン(maxillary mucin)からなる。

被覆錠剤を、水、電解質、ならびに20mg/mlおよび50mg/ml ムチンの唾液摸倣物を含む4種の溶液中で評価した。上記被覆は、50mlの23.4℃の水道水の中に入れた錠剤に関して5〜7秒以内で溶解し始めた。

錠剤を50mlの電解質溶液(12mM KH2PO4、40mM NaCl、1.5 mM CaCl2、pH6.2, 23.5℃)中に入れた場合、上記被覆は、5〜7秒で溶解し始めた。

驚くべきことに、50mlの高ムチン唾液摸倣物(50mg/ml ムチン、23.2℃)中に入れた錠剤は、非常に異なる挙動を示した。試験した両錠剤の被覆は、30秒間にわたって無傷のままであった。上記被覆の破断の遅れは、20mg/ml 唾液摸倣溶液中でも示された。

これら試験を、50mlの唾液摸倣物中に錠剤を浸漬することによって行い、上記錠剤が異なる溶液中で反応する様式の差異を示すための、上記錠剤にストレスを加える目的の極端な試験条件を示す。これら試験は、破断活動の遅れが唾液中に存在するムチンに起因し、電解質に起因しないことを示す。実際の経口摂取においては、口腔中に存在する唾液は遙かに少なく、遅れはより長いと予期される。

天然では、ムチンは、水分保持および潤滑のための保護バリアを作るために生物によって使用される。本発明の組成物は、唾液中の上顎ムチンの存在を利用して、被覆保護を長くし、錠剤が水の中での迅速な崩壊を確実にし得る一方で、時宜良い様式で飲み込まれることを可能にする。

(実施例3:崩壊) 架橋ポリビニル−ピロリドン(ポビドン)とともに製剤化した錠剤は、低温では、するにしてもゆっくりと膨潤し、小粒子へさらに崩壊しない大きな部分へと破砕する錠剤を生じた。冷水を添加する前に錠剤を冷やすと、上記錠剤の崩壊が遅らせられるかまたは排除される。

本発明者らは、糖崩壊剤:スクロース、デキストロース、マンニトールをさらに評価した。これら崩壊剤は、冷水の中で十分には機能しない。錠剤は、膨潤も崩壊もしなかった。しかし、湿らせた状態を試験した際には、本発明者らは、これら賦形剤が、水を上記錠剤の内部へと運ぶことに改善をもたらすことを見出した。

マンニトールおよびポビドンの組み合わせは、所望の溶解プロフィールを示す錠剤を生じた。マンニトールの吸い上げ特性と、ポビドンの崩壊特性とを組み合わせることによって、本発明者らは、冷水の中で完全に崩壊する錠剤を生成できた。マンニトールの吸い上げ作用は、水を内部に引き込んで、それをポビドンに利用可能にし、それによって、錠剤が冷え得るより速い速度でポビドンが膨潤することを可能にする。これら2成分の比は、上記錠剤のゆっくりとした反応および不完全な崩壊を回避するために重要であった。

(実施例4:錠剤の製造) 経口薬学的錠剤組成物を、以下の工程に従って調製した。

1.硫酸ナトリウムシービング: 商用グレードの硫酸ナトリウム結晶を、1000rpmsで0.0027”スクリーンを備えたフィッツミル・ハンマーミルで粉砕した。上記粉砕した結晶を、Gyra−vibeシーブでふるいにかけて、150〜700μm 粒子サイズカットを得た。700μmスクリーンを通過しなかった任意の材料を廃棄した。150μmスクリーンを通過した任意の材料も廃棄した。上記150μmスクリーンに残った材料を、使用のために保持した。

2.ブレンド: 上記化合物を、5立法フィートのスラントコーンブレンダー(slant cone blender)中でブレンドした。上記硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、およびPEG−3350を充填し、次いで、10分間ブレンドした。崩壊剤を充填し、次いで、スルフェート/PEG−3350組成物へと5分間ブレンドした。最後に、滑沢剤を充填し、次いで、上記組成物へと2分間にわたってブレンドした。

3.圧縮: 上記組成物を、Stokes Pressモデル454を使用して錠剤へと圧縮した。上記プレスを、600TPMにおいて供給速度70RPM、平均最終圧縮力3600lbsで動作させた。生成した錠剤は、平均錠剤重量1.705g、厚み範囲7.10〜7.21mmおよび硬度範囲7〜15kpを有した。

4.被覆溶液: 上記錠剤を、ポリビニルアルコール−ポリエチレングリコールコポリマー溶液(20%〜25% 固体のKollicoat IR溶液)で被覆した。上記溶液を、上記ポリビニルアルコール−ポリエチレングリコールコポリマーを充填し、これを水に添加し、溶解するまで混合することによって調製した。上記ポリマーがいったん溶解したら、blue dye #1の1% 溶液を、終濃度0.1%になるように添加した。

5.被覆: 上記錠剤を、24インチロータリードラムスプレードライヤーを備えるCompulab Coaterで被覆した。上記被覆溶液を、ポンプ設定8〜10およびドラム速度3.6RPMを使用して適用した。噴霧気圧は、27.0℃において約43psiおよび475〜485CFMであった。上記錠剤を、2%〜6% 重量増大まで被覆し、被覆機の中で10分間乾燥させた。

(実施例5:例示的な錠剤製剤) 実施例4に記載されるものに類似であるが、被覆工程なしのプロセスを使用して、表1に示される活性薬剤および不活性薬剤を使用して錠剤を作製した。上記錠剤の平均重量は、1.693g(範囲、1.65〜1.72g)であった。上記錠剤の平均厚みは、7.11mm(範囲、7.06〜7.16mm)であった。上記錠剤の平均硬度は、13.9kp(範囲、12.2〜16.1kp)であった。

(実施例6:150〜700μm 粒子サイズ硫酸ナトリウムを使用する錠剤崩壊プロフィールの評価) 実施例4に記載されるものに類似のプロセスを使用して、表2に示される活性薬剤および不活性薬剤を使用して錠剤を作製した。上記錠剤を、2.033% 重量増大までKollicoat IRで被覆した。上記錠剤の平均重量は、1.709g(範囲、1.69〜1.73g)であった。上記錠剤の平均厚みは、7.13mm(範囲、7.08〜7.18mm)であった。上記錠剤の平均硬度は、13.6kp(範囲、12.1〜15.1kp)であった。

本発明者らは、15.5℃の温度を有する水道水の中での、粒子サイズ150〜700μmを有する硫酸ナトリウムを使用して製剤化した錠剤の完全な崩壊までの時間を評価した。標準的な崩壊装置を、USP Method <701>に従って使用した。上記崩壊装置を、1インチあたり10開口部のワイヤーメッシュを備えた6チャンバーバスケットで1分あたり30サイクルに設定した。錠剤崩壊のエンドポイントは、錠剤材料のうちの全てが上記バスケットチャンバから通過した(すなわち、上記メッシュ上には全く材料が残っていない)点であった。各実験において、錠剤重量、錠剤厚み、溶解するまでの時間および水温を測定した(表3)。

(実施例7:粒子サイズに基づく錠剤の崩壊プロフィールの評価) 本発明者らは、20℃未満の温度を有する水道水の中での錠剤製剤の完全崩壊までの時間を評価した。崩壊を、実施例6に記載されるプロセスに従って行った。各実験において、錠剤重量、錠剤厚み、溶解までの時間および水温を測定した。

溶解までの時間を、錠剤製剤#3(表4)の6錠について測定した。錠剤製剤#3を、300μmより大きな硫酸ナトリウム粒子サイズを有する65% 硫酸塩から構成した。迅速な崩壊を、15.3℃ 水道水を使用して達成した(表5)。

粒子サイズに対する制限がない場合に、溶解までの時間を6個のコントロール錠剤について測定した(表6)。上記6個のコントロール錠剤をまた、65% 硫酸塩から構成した。上記硫酸ナトリウム(無水)は、微細粉末であり、商業的供給源から得た。製剤前に、サイズによって粒子を分離するシービングは行わなかった。これら錠剤の15.6℃ 水道水の中での溶解までの平均時間は、300μmより大きな硫酸ナトリウム粒子で製剤した錠剤(表5)と比較して、有意に長かった(表7)。

(実施例8:種々の温度での錠剤の完全な崩壊までの時間の決定) 本発明者らは、2℃〜15℃の範囲に及ぶ温度で、水道水の中での錠剤製剤#4(表8)の完全崩壊までの時間を評価した。実施例6に記載されるプロセスに従って崩壊を行った。各実験において、錠剤重量、錠剤厚み、溶解までの時間および水温を測定した(表9)。上記錠剤を、1.73% 重量増大までKollicoat IRで被覆した。

上記のように、本発明の錠剤は、15℃の水の中で45秒未満で崩壊する。本発明の錠剤はさらに、10℃の水の中で60秒未満で、例えば、45秒未満で崩壊する。本発明の錠剤はさらに、8℃の水の中で、90秒未満で、例えば、90秒未満で崩壊する。本発明の錠剤はさらに、5℃の水の中で120秒未満で、例えば、90秒未満で崩壊する。本発明の錠剤はさらに、2℃の水の中で150秒未満で崩壊する。

(均等物) 当業者は、慣用的な実験法のみを使用して、本明細書で記載される本発明の具体的実施形態に対する多くの均等物を認識するか、または確認し得る。このような均等物は、以下の特許請求の範囲によって包含されることが意図される。

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