Metal peroxide film

申请号 JP2007508514 申请日 2005-04-13 公开(公告)号 JP2007532469A 公开(公告)日 2007-11-15
申请人 ティオクソ クリーン インコーポレーテッド; 发明人 ジョン ダブリュ. アンドリュース;
摘要 基体、特にミクロな粒子状基体の上に無色透明な粘着性コーティングを生成する金属過 酸化 物を含んだ粘着性塗料が開示されている。 好適な一実施例においては、ミクロな粒子状基体が大きな総表面積であることに起因して、ナノ粒子コーティングは化学的に活性があり高いレベルの効率で機能する。 コーティング組成物によって基体に接着するナノ粒子を有するコーティングされた基体及び組成物が更に開示されている。
权利要求
  • xが2、3、4、または6である化学式MO(OOH)xによって示される金属オキシ過酸化物からなる無色透明な溶液の製造方法であって、
    前記金属の他の過酸化物を実質的に有しておらずにyが2、3、4、または6である化学式M(00H)yを有する金属過酸化物の水溶液を調製するステップと、pHを約4.0から約6.5までの範囲に保持しつつ前記溶液の約0.5重量%乃至約0.85重量%の間の金属過酸化物濃度になるまで前記溶液を希釈するステップと、前記溶液を約1乃至約4時間に亘って沸騰せしめるべく加熱するステップと、前記溶液を冷却するステップと、前記溶液を約1乃至約2時間に亘って沸騰せしめるべく再加熱するステップと、前記溶液を冷却するステップと、前記溶液内の前記過酸化物濃度が当所存在していた前記金属過酸化物の重量で約12.5%乃至約25%の範囲になるまで前記溶液を沸騰せしめるべく再加熱するステップと、結果的に無色透明な前記溶液を冷却するステップと、からなることを特徴とする製造方法。
  • 前記金属過酸化物は、周期律表の第3族の金属の過酸化物からなる群から選択されることを特徴とする請求項1記載の製造方法。
  • 前記金属過酸化物は、周期律表の第2族の金属の過酸化物からなる群から選択されることを特徴とする請求項1記載の製造方法。
  • 前記金属過酸化物は、Sc、La、イットリウム、プラチナ、セレニウム、スズ、バナジウム、ジルコニウム、ハフニウム、アルミニウム及び鉄の過酸化物からなる群から選択されることを特徴とする請求項1記載の製造方法。
  • 前記金属過酸化物は、ランタニド系列の元素の過酸化物からなる群から選択されることを特徴とする請求項1記載の製造方法。
  • 前記金属過酸化物は、プラチナ、セレニウム及びスズの過酸化物からなる群から選択されることを特徴とする請求項1記載の製造方法。
  • 前記金属過酸化物は、ジルコニウム及びハフニウムの過酸化物からなる群から選択されることを特徴とする請求項1記載の製造方法。
  • 前記金属過酸化物は、チタニウムペルオキシ酸であることを特徴とする請求項1記載の製造方法。
  • 当所の前記金属オキシ過酸化物濃度は、約0.65重量%と約0.85重量%との間にあることを特徴とする請求項1記載の製造方法。
  • 当所の前記金属オキシ過酸化物濃度は、約0.4重量%と約0.65重量%との間にあることを特徴とする請求項1記載の製造方法。
  • 前記過酸化物溶液の前記pHは、約5.0乃至約6.0の範囲にあることを特徴とする請求項1記載の製造方法。
  • 前記無色透明な溶液中の前記過酸化物濃度は、前記当所に存在した金属過酸化物の重量で約19%乃至約25%の範囲になることを特徴とする請求項1記載の製造方法。
  • 前記無色透明な溶液中の前記過酸化物濃度は、前記当所に存在した金属過酸化物の重量で約12.5%乃至約19%の範囲になることを特徴とする請求項1記載の製造方法。
  • 請求項1記載の製造方法によって製造されることを特徴とする生成物質。
  • 請求項2記載の製造方法によって製造されることを特徴とする生成物質。
  • 請求項3記載の製造方法によって製造されることを特徴とする生成物質。
  • 請求項4記載の製造方法によって製造されることを特徴とする生成物質。
  • 請求項7記載の製造方法によって製造されることを特徴とする生成物質。
  • 請求項8記載の製造方法によって製造されることを特徴とする生成物質。
  • 10ナノメータより小さいサイズの金属若しくは金属化合物のナノ粒子の製造方法であって、
    xが2、3、4、または6である化学式M(OOH)xによって示される前記金属過酸化物の溶液を前記金属の水酸化物ゾルから調製するステップと、pHを約4.0から約6.5までの範囲に保持しつつ前記溶液の約0.5重量%乃至約0.85重量%の間の金属過酸化物濃度になるまで前記溶液を希釈するステップと、前記溶液を約1乃至約4時間に亘って沸騰せしめるべく加熱するステップと、前記溶液を冷却するステップと、前記溶液を約1乃至約2時間に亘って沸騰せしめるべく再加熱するステップと、前記溶液を冷却するステップと、前記溶液内の前記過酸化物濃度が実質的にゼロになるまで前記溶液を沸騰せしめるべく再加熱するステップと、前記ナノ粒子を分離するステップと、からなることを特徴とする製造方法。
  • 前記金属過酸化物は、周期律表の第3族の金属の過酸化物からなる群から選択されることを特徴とする請求項20記載の製造方法。
  • 前記金属過酸化物は、Sc、La、イットリウム、プラチナ、セレニウム、スズ、バナジウム、ジルコニウム、ハフニウム、アルミニウム及び鉄の過酸化物からなる群から選択されることを特徴とする請求項20記載の製造方法。
  • 前記金属過酸化物は、チタニウムペルオキシ酸であることを特徴とする請求項20記載の製造方法。
  • 請求項21記載の製造方法によって製造されることを特徴とする生成物質。
  • 請求項22記載の製造方法によって製造されることを特徴とする生成物質。
  • 請求項23記載の製造方法によって製造されることを特徴とする生成物質。
  • 10ナノメータより小さいサイズの金属若しくは金属化合物のナノ粒子の製造方法であって、
    前記金属の水酸化物ゾルから形成されてxが2、3、4、または6である化学式M(OOH)xを有する前記金属過酸化物溶液を分解することによって、xが2、3、4、または6である化学式MO(OOH)x によって示される金属オキシ過酸化物溶液を調製するステップと、pHを約4.0から約6.5までの範囲に保持しつつ前記溶液の約0.25重量%乃至約0.425重量%の間の過酸化物濃度になるまで前記金属オキシ過酸化物の前記溶液を希釈するステップと、前記溶液を約1乃至約4時間に亘って沸騰せしめるべく加熱するステップと、前記溶液を室温まで冷却するステップと、前記溶液を約1乃至約2時間に亘って沸騰せしめるべく再加熱するステップと、前記溶液を室温まで冷却するステップと、前記溶液内の前記過酸化物濃度が実質的にゼロになるまで前記溶液を沸騰せしめるべく再加熱するステップと、前記ナノ粒子を分離するステップと、からなることを特徴とする製造方法。
  • 前記金属過酸化物は、周期律表の第3族の金属の過酸化物からなる群から選択されることを特徴とする請求項27記載の製造方法。
  • 前記金属過酸化物は、Sc、La、イットリウム、プラチナ、セレニウム、スズ、バナジウム、ジルコニウム、ハフニウム、アルミニウム及び鉄の過酸化物からなる群から選択されることを特徴とする請求項27記載の製造方法。
  • 前記金属過酸化物は、チタニウムペルオキシ酸であることを特徴とする請求項27記載の製造方法。
  • 請求項27記載の製造方法によって製造されることを特徴とする生成物質。
  • 請求項28記載の製造方法によって製造されることを特徴とする生成物質。
  • 請求項29記載の製造方法によって製造されることを特徴とする生成物質。
  • 請求項30記載の製造方法によって製造されることを特徴とする生成物質。
  • 請求項14に記載の前記組成物を有する前記基体をコーティングし、前記コーティングされた基体を乾燥することによって調製されることを特徴とするコーティングされた基体。
  • 請求項15に記載の前記組成物を有する前記基体をコーティングし、前記コーティングされた基体を乾燥することによって調製されることを特徴とするコーティングされた基体。
  • 請求項16に記載の前記組成物を有する前記基体をコーティングし、前記コーティングされた基体を乾燥することによって調製されることを特徴とするコーティングされた基体。
  • 噴霧若しくは浸漬によって前記コーティングが塗布されることを特徴とする請求項35に記載のコーティングされた基体。
  • 約25乃至約100℃の温度における噴霧によって前記コーティングが塗布されることを特徴とする請求項35に記載のコーティングされた基体。
  • 前記コーティングの厚みは、約1乃至約1000ミクロンであることを特徴とする請求項35記載のコーティングされた基体。
  • 前記コーティングの厚みは、約10乃至約500ミクロンであることを特徴とする請求項35記載のコーティングされた基体。
  • 前記コーティングの厚みは、約100乃至約250ミクロンであることを特徴とする請求項35記載のコーティングされた基体。
  • 前記基体は、ガラス、金属、ポリマ、セラミック、 コンクリート、石造建築、木材、石材、無機増量剤及び繊維からなる群から選択されることを特徴とする請求項35記載のコーティングされた基体。
  • 前記基体は、ガラス、金属、タルク(炭酸カルシウム)、陶土(カオリン)及びポリマからなる群から選択されることを特徴とする請求項35記載のコーティングされた基体。
  • 前記基体は、ミクロ粒子であることを特徴とする請求項35記載のコーティングされた基体。
  • 前記ミクロ粒子は、マイクロ球体であることを特徴とする請求項35記載のコーティングされた基体。
  • マイクロ球体は、1乃至100ミクロンの範囲の直径を有することを特徴とする請求項35記載のコーティングされた基体。
  • 前記マイクロ球体は、1乃至50ミクロンの範囲の直径を有することを特徴とする請求項35記載のコーティングされた基体。
  • 前記マイクロ球体は、1乃至20ミクロンの範囲の直径を有することを特徴とする請求項35記載のコーティングされた基体。
  • 前記マイクロ球体は、清澄な透明のガラスマイクロ球体であることを特徴とする請求項46記載のコーティングされた基体。
  • 前記 ガラスマイクロ球体は、固体で中空のマイクロ球体から選択されることを特徴とする請求項46記載のコーティングされた基体。
  • 前記基体は、層状の板状体であることを特徴とする請求項35記載のコーティングされた基体。
  • 前記板状体は、雲母、若しくは層状金属を含む顔料からなることを特徴とする請求項52記載のコーティングされた基体。
  • 前記板状体は、金属片またはコーティングされた酸化金属片の顔料からなることを特徴とする請求項52記載のコーティングされた基体。
  • 前記板状体は、金属酸化物がコーティングされた雲母の顔料であることを特徴とする請求項52記載のコーティングされた基体。
  • 前記板状体は、チタニウム若しくは鉄の酸化物がコーティングされた雲母の顔料からなることを特徴とする請求項52記載のコーティングされた基体。
  • 前記基体は、顔料であることを特徴とする請求項28記載のコーティングされた基体。
  • 請求項14記載の生成物質が混ざったナノ粒子からなることを特徴とするコーティング組成物。
  • 前記組成物の約10乃至約90重量パーセントの前記ナノ粒子からなることを特徴とする請求項58記載のコーティング組成物。
  • 前記組成物の約25乃至約75重量パーセントの前記ナノ粒子からなることを特徴とする請求項58記載のコーティング組成物。
  • 前記組成物の約30乃至約50重量パーセントの前記ナノ粒子からなることを特徴とする請求項58記載のコーティング組成物。
  • 前記ナノ粒子は、TiO 2 、ZrO 2 、ZnO、SrTiO 3 、CdO、In 2 O 3 、BaTiO 3 、K 2 NbO 3 、Fe 2 O 3 、Ta 2 O 5 、WO 3 、SaO 2 、Bi 2 O 3 、NiO、Cu 2 O、SiO 2 、RuO 2 、CeO 2からなる群から選択されることを特徴とする請求項58記載のコーティング組成物。
  • 前記ナノ粒子は、TiO 2及びZrO 2から選択されることを特徴とする請求項58記載のコーティング組成物。
  • 前記ナノ粒子は、アナターゼTiO 2であることを特徴とする請求項58記載のコーティング組成物。
  • 前記ナノ粒子は、ルチルTiO 2であることを特徴とする請求項58記載のコーティング組成物。
  • 基体の屈折率を少なくとも0.5単位だけ増加せしめる方法であって、請求項14に記載の前記無色透明な溶液によって前記基体をコーティングするステップと、前記コーティングされた粒子を約35乃至約80℃の範囲の温度で乾燥するステップと、からなることを特徴とする方法。
  • 前記基体は、ミクロ粒子であることを特徴とする請求項66記載の方法。
  • 前記ミクロ粒子は、球状であることを特徴とする請求項66記載の方法。
  • 前記粒子は、ガラス及び有機ポリマからなる群から選択されることを特徴とする請求項66記載の方法。
  • 前記粒子は、ポリアクリル酸塩若しくはポリカーボネートであることを特徴とする請求項69記載の方法。
  • 光を屈折し、色を増強するコーティング剤を基体に塗布する方法であって、
    (1)少なくとも一つの色を増強する物質と、請求項14に記載の生成物質からなるバインダ材と、約20ミクロンまでの最大直径を有して約1.5と2.5との間の屈折率を有する透明すなわち透光性のガラスビーズと、からなる組成物を基体に塗布するステップと、
    (2)前記色を増強する物質と、キュアリングされた前記コーティング層の厚みよりも少なくとも10%少ない最大直径を有し、キュアリングされた前記コーティング内に入射した光を屈折、散乱及び消散せしめる前記透明すなわち透光性のビーズとを包含するものであって、光を屈折し、色を増強する透光性のコーティングを形成すべく前記組成物を乾燥するステップと、からなることを特徴とする方法。
  • 前記透明すなわち透光性のビーズは、透明なガラスであって屈折率が約1.9乃至約2.1であることを特徴とする請求項71に記載の方法。
  • 前記色を増強する物質は、染料、顔料、金属性の薄片、雲母、不透明ガラスビーズ及び ホログラフィック薄片からなる群から選択される少なくとも一つの物質であることを特徴とする請求項71に記載の方法。
  • 前記透明すなわち透光性のビーズは、異なる屈折率を有するビーズの混合物からなることを特徴とする請求項71に記載の方法。
  • 前記色を増強する物質は、金属性の薄片からなることを特徴とする請求項71に記載の方法。
  • 前記透明すなわち透光性のビーズは、無色の、透明なガラスビーズであることを特徴とする請求項71に記載の方法。
  • 前記色を増強する物質は、雲母粒子からなることを特徴とする請求項71に記載の方法。
  • 前記色を増強する物質は、更に着色した顔料若しくは染料からなることを特徴とする請求項71に記載の方法。
  • 水ベースであって、光を屈折し、色を増強するコーティング剤を表面に塗布する方法であって、
    (1) (a) 染料、顔料、金属性の薄片、雲母、不透明なガラスビーズ、ランダムな幾何学的形状の不透明なガラス粒子、及びホログラフィック薄片からなる群の少なくとも1つの色を増強する物質と、
    (b) 約1.5と2.5との間の屈折率を有し、約20mμまでであり、前記コーティングよりも少なくとも10%厚みが少ない最大直径を有する透明すなわち透光性のガラス若しくはプラスチックビーズと、
    (c) 請求項14に記載のバインダ材と、
    からなる組成物を前記表面に噴霧するステップと、
    (2) 前記色を増強する物質及び前記ガラス若しくはプラスチックビーズを包含し、且つ前記コーティング内に入射した光を実質的に完全に屈折、散乱及び消散せしめ、光を屈折し、色を増強する透光性のコーティングを形成すべく前記組成物を乾燥する必要があれば、前記コーティングされた表面を加熱するステップと、からなることを特徴とする方法。
  • 前記色を増強する物質は、不透明なガラスビーズ若しくはランダムな幾何学的形状の不透明なガラス粒子であり、前記ビーズの最大直径は約10ミクロンと20ミクロンとの間にあることを特徴とする請求項79に記載の方法。
  • 前記屈折率は、約1.9と2.1との間にあることを特徴とする請求項79に記載の方法。
  • 前記ガラスビーズは、異なる屈折率を有するビーズの混合物からなることを特徴とする請求項80に記載の方法。
  • 前記組成物は、無色の透明なガラスビーズ及び雲母粒子の混合物からなることを特徴とする請求項79に記載の方法。
  • 前記組成物は、更に着色された顔料または染料を有することを特徴とする請求項81に記載の方法。
  • 混合物からなり、光を屈折し、色を増強するコーティング組成物であって、前記混合物は、
    (a) 染料、顔料、金属性の薄片、雲母、不透明なガラスビーズ、ランダムな幾何学的形状の不透明なガラス粒子、及びホログラフィック薄片からなる群から選択される少なくとも一つの色を増強する物質と、
    (b) 約20ミクロンまでの直径を有し、約1.5乃至2.5の範囲内の異なる屈折率を有する透明若しくは透光性のガラスビーズの混合物と、
    (c) 請求項14に記載の前記バインダ材と、からなることを特徴とするコーティング組成物。
  • 前記ガラスビーズの前記直径は、約5ミクロンと20ミクロンとの間にあることを特徴とする請求項85に記載の組成物。
  • 前記ガラスビーズは、約1.9より低い屈折率からなるいくつかのビーズと、約2.1より大きい屈折率からなる他のビーズとの混合物からなることを特徴とする請求項85に記載の組成物。
  • 前記色を増強する物質は、雲母であることを特徴とする請求項85に記載の組成物。
  • 改良された顔料混合物であって、前記混合物は1以上の顔料及び複数のガラス粒子からなり、前記複数のガラス粒子は約50ミクロンより小さな直径を有するガラスマイクロ球体と、実質的にランダムな幾何学的形状を有して粒子サイズが約50ミクロンより小さなガラス片と、からなる群から選択され、前記ガラス粒子は少なくとも部分的に請求項14に記載の前記コーティング剤によってコーティングされていることを特徴とする混合物。
  • 基体の視覚的外観を改善する方法であって、前記基体を顔料混合物によってコーティングするステップからなり、前記混合物は複数のガラス粒子からなり、前記複数のガラス粒子は約50ミクロンより小さな直径を有するガラスマイクロ球体と、実質的にランダムな幾何学的形状を有して粒子サイズが約50ミクロンより小さなガラス片と、からなる群から選択され、前記ガラス粒子は少なくとも部分的に請求項14に記載の前記コーティング剤によってコーティングされていることを特徴とする方法。
  • 前記基体は、金属、セラミック、ガラス、アスベスト、人肌、皮革、ポリマ、繊維、木材、ゴム、コンクリート、れんが及びアスファルトからなる群から選択されることを特徴とする請求項90記載の方法。
  • 前記粒子サイズは、20ミクロンより小さいことを特徴とする請求項90記載の方法。
  • 前記ガラス粒子は、無色の、着色された、蛍光性の、若しくはリン光性のガラス 粒子からなる群から選択されることを特徴とする請求項90記載の方法。
  • 前記蛍光性のガラス粒子は、エレクトロルミネッセントまたはケミルミネッセントであることを特徴とする請求項93記載の方法。
  • 前記ガラス粒子は、1.5と2.5との間の屈折率を有することを特徴とする請求項89記載の方法。
  • 前記ガラス粒子は、紫外スペクトルの光の透過を実質的に阻止することを特徴とする請求項90記載の方法。
  • 前記ガラス粒子は、赤外線スペクトルの光の透過を実質的に阻止することを特徴とする請求項90記載の方法。
  • 基体の劣化をそこにトップコートを塗布することによって防止する方法であって、前記基体に請求項14に記載の生成物質によってコーティングするステップと、前記基体に前記トップコートする前に前記コーティングを乾燥するステップと、からなることを特徴とする方法。
  • 基体の耐酸性及び耐アルカリ性を増大する方法であって、前記基体に請求項14に記載の生成物質をコーティングするステップと、前記コーティングを乾燥するステップと、からなることを特徴とする方法。
  • 不安定なイオンを含んだ基体において不安定なイオンの移動を防止する方法であって、前記基体に請求項14に記載の生成物質をコーティングするステップと、前記コーティングを乾燥するステップと、からなることを特徴とする方法。
  • 前記不安定なイオンは、ナトリウムイオンまたはカリウムイオンであることを特徴とする請求項100記載の方法。
  • 说明书全文

    本発明は基体上、特にミクロな粒子状の基体上の無色透明な粘着性コーティング剤の製造用の金属過酸化物を含む粘着性コーティング組成物に関する。 該コーティング組成物は基体の化学的及び物理的特性を本質的に有益となるように変化させ、更に基体、特にミクロな粒子状基体に対してナノ若しくはミクロ粒子を付着させる媒介としても使用され得る。 該コーティング組成物は、塗布されるナノ粒子の物理的若しくは化学的特性に干渉することなくナノ粒子を基体に付着させることができる点に特徴がある。 好適な一実施例においては、ミクロな粒子状基体が有する大きな総表面積に起因して、ナノ粒子コーティング剤は化学的に活性を有し且つ高い効率で機能する。

    性表面、特にガラス基体にコーティング剤を施すべく数々の試みがなされてきた。

    多くの参照文献は過酸化チタンの使用に関するものである。 オガタら(Ogata et al)は「アモルファスタイプ過酸化チタンのコーティング法(Coating method of amorphous type titanium peroxide)」と題する2002年2月5日の米国特許第6,344,277号に、粘性のあるアモルファスタイプ過酸化チタンを、撥水表面を有する基体に界面活性剤のない状態でコーティングする方法を記載している。

    オガタはまた、過酸化チタンコーティング溶液に関する最先端技術を記載している。

    オガタらが開示しているように、ペルオキソポリチタン酸(peroxopoly titanic acid)、すなわち、ペルオキソチタン酸のポリマを含んでいる膜形成用の過酸化チタンコーティング溶液は公知である。 これらペルオキソポリチタン酸は酸化チタン水和物のゲルまたはゾル若しくはそれらの混合ディスパージョンに過酸化水素を添加した後、該混合物を室温で処理するか若しくは90℃以下で加熱することによって得られる。

    オガタらが開示しているように、粘性のある製品が黄色のフィルムとして得られ、これは過酸化水素水溶液を水素化チタンの微粉末に添加して黄色の過酸化チタン水溶液を調製し、その後この黄色の過酸化チタン水溶液から水分を蒸発することによって得られる。 しかしながら、オガタはこの製品は極度に低濃度のときのみであって短時間の間のみ安定していると述べている。 更に、当該製品から形成した基体上の薄膜は容易にひび割れを生じたり剥がれ落ちたりし、高温焼成した後は薄膜が穴だらけになる。

    しかしながら、オガタは過酸化水素を酸化チタン水和物のゲルまたはゾル若しくはその混合ディスパージョンに添加し、その後、常温で処置するか90℃以下で加熱することによって得られるペルオキソポリチタン酸は第'277号特許の粘性のあるアモルファスタイプ過酸化チタンとは異なることを開示している。 第'277号特許の製品は過酸化水素を酸化チタン水和物に添加して15℃以下で反応を行なうことによって得られる。 オガタは、両製品は互いに物理的特性、特に粘度において著しく異なっており、従来の製品はバインダとしての機能が乏しく、かかる材料で薄膜を形成するのは困難であることを認識している。

    イチノセらは「日本セラミックス協会学術論文誌(Journal Of The Ceramic Society Of Japan)」の1996年版の第104巻の第914〜917頁に「ペロキソチタン酸溶液からのペロキソ修飾されたアナターゼゾルの合成(Synthesis Of Peroxo-Modified Anatase Sol From Peroxo-Titanic Acid Solution)」と題して、更に同1996年版の第104巻第8号の第715〜718頁に「ペロキソチタン酸溶液由来のアナターゼゾルから調製されたコーティングフィルムの光触媒活性(Photocatalytic Activities Of Coating Films Prepared From Peroxotitanic Acid Solution-Derived Anatase Sols)」と題して、種々の形態や形状(多形体)の少量(0.85%から1.7%)の二酸化チタン(TiO 2 )を過酸化水素と反応した水溶液に入れるプロセスを記載している。 これらの溶液はチタニウムペルオキシダーゼ-TiO(OOH) 2と称されている。 アモルファスの二酸化チタンはフィルムを形成し且つ粘着性の特性を有する製品となる成分である。 同重量のアモルファス形状及びアナターゼ(結晶構造)形状の二酸化チタンからなる混合物は、組成物の約2重量%まで水に可溶であり外気条件で塗布可能である。 それは、しかしながら、無色透明ではない。

    酸化チタン及び酸化ジルコニウムなどの光触媒は、紫外線などの化学線に照射することによって有害な有機化合物すなわちNOxを無害物質に分解するのに効果的であることが知られている。 多くのかかる光触媒は微粉末形状をしているため、反応混合物から触媒を回収するのが困難である。

    タナカは、米国特許第5,658,841号に、粉末触媒を好適な支持体にバインダ樹脂によって固定することによってかかる問題を解決することを提案している。 基体と該基体上に支持された触媒層とからなる複合触媒が提供されており、触媒層は6〜32重量部のケイ酸アルカリ金属のマトリックスに分散している100重量部の光触媒粒子が含まれている。 具体的には好適なケイ酸アルカリ金属はケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム及びケイ酸リチウムである。 これらのケイ酸はそれ自体か若しくは2以上の混合物として使用可能である。 水ガラスがバインダとして有利に用いられる。

    イチノセは、米国特許第6,429,169号に光触媒活性なチタニル過酸化物溶液を生成する手順を記載している。 重量において等量のアナターゼTIO 2粒子がこの溶液に懸濁されて光触媒効果が生成される。 均等な懸濁を得るため、イチノセは機械的攪拌の後に超音波を使用することを提案している。

    イチノセのゾル濃度は、蒸留水によって希釈することによって2.70から約2.90%のレベル若しくは1.40から約1.60%のレベルに通常は調整される。 イチノセが報告しているように、アモルファスの過酸化チタンゾルが100℃以上に加熱されると、それはアナターゼ酸化チタンゾルに変換する。 基体上にコーティングして乾燥した後、アモルファスの過酸化チタンゾルを250℃以上に加熱してそれをアナターゼ酸化チタンに変換する。

    残念なことに、イチノセのアモルファス過酸化チタンフィルムは黄色に着色されているため、透明若しくは白色コーティングが所望されるか必要な用途へのそれらの使用は禁止されるか著しく制限されてしまう。 イチノセのプロセスを使用した製品の第2の欠点はコーティング剤そのものが曇っており不透明であることである。 黄色の着色は溶液に過酸化物を含有していることに起因し、濁りは溶液中のTIO 2粒子のサイズに起因する。

    米国特許第6,107,241号(オガタら)及び第6,429,169号(イチノセ)はアナターゼ酸化チタンゾルを開示しており、それは黄色の懸濁物であって、アンモニア水若しくはナトリウム水酸化物をチタニウム四塩化物などのチタニウム塩溶液に添加し、形成されたチタニウム水酸化物を洗浄して分離し、形成されたチタニウム水酸化物を過酸化水素水によって処理し、約2.9%の濃度を有して黄色に形成された安定したアモルファス過酸化チタンゾルを100℃以上の温度に加熱することによって生成されてアナターゼ酸化チタンゾルが形成される。

    アモルファス過酸化チタンゾルは良好な結合強度を有しているが、基体の湿潤性が乏しく、黄色がかっている。

    しかしながら、約10ナノメータより大きい粒子サイズを有する原料は少量でさえ組成物を不透明にし、透明な基体への使用を不満足にする。 更に、適切な結合を提供すべく、コーティング剤はいくつかの層からなる形状か若しくは浸漬によって塗布しなければならない。 その結果、各層の黄色が強調されて透明な基体にとって不満足な外観を呈してしまう。 多層が必要となる理由は、過酸化物を形成するフィルムは極めて疎水性であるため、コーティング剤は良好な湿潤特性を有さずに玉のようになる傾向があり、「塗り残し(holidays)」すなわちコーティングされていない領域を残してしまうため、多数の重複する層が必要となる。

    従って、従来の粘着性コーティング剤の使用に関しては著しい不利益がある。 過酸化チタンフィルム形成要素は極めて疎水性であるため基体上の連続フィルムの形成のために濡らすことはない。 よって連続フィルムすなわち被覆を形成するために、組成物を大量にすなわち厚い膜で塗布する必要がある。 過酸化物を含むフィルムの表面張はフィルムに厚み及び重量を付加することによってある程度までは克服されるが、材料を追加使用し、更にかかる塗布に時間と労力を要するのでかかる製品の使用は幾分実用的でない。

    湿潤性問題に加えて、粘着性コーティングフィルムの形成は困難であり、更に未反応のチタニル過酸化物の存在によって黄色になる。 これは、基体上に連続したコーティングを形成するチタニル過酸化物溶液の表面張力を克服すべく、フィルムの重量及び厚みを増加させると更に悪化する。

    コーティング剤の透明度及び清澄度は、透明な基体上に塗布したときに、基体の非湿潤性を克服するために必要な厚みに起因して減少する。 このように生成されたフィルムの屈折率及び過度の厚みによって、透明なガラスを介して見たとき、干渉パターン及び表面上のレインボウ効果が生じる。

    チタニウムペルオキシ酸(TPA=チタニウムオキシパラクサイド=TiO(OOH) 2 )溶液は黄色に着色しており、これはアナターゼのナノ粒子と混合しても製品に残存する。 この黄色の着色は透明な基体にとっては好ましくない。 食品、医療及び衛生的な用途などの数多くのユーザにとって、黄色の着色を完全に除去するか可能な限り減少して透明な粘着性コーティングを提供することが極めて好ましく、且つ要望されている。 ガラスを覆うコーティングに使用するには、ガラスの透明度に適合した透明であって黄色でないコーティングが望ましい。

    数多くの市販製品において、顔料混合物を用いて色を付した視覚効果が創造されており消費者に対して美的な面をアピールしている。 消費者が異なれば種々の視覚効果に対する嗜好も異なるので、それらの効果を創造して管理するデザイナの能力はしばしば製品の商品価値にとって重要である。 しばしば、コーティングされた雲母片、金属片及びガラス片などの混和剤が顔料混合物に使用されて、自動車、ボート、飛行機、電気製品、看板、塗面、繊維、その他の消費財などの商品の視覚的アピールを強調している。

    コーティングされた雲母片は、例えば、自動車の塗料組成物の光沢及び色の深みを改善するのに使用される、より一般的な混和剤の1つである。 アルミニウム片などの金属片は塗料及びコーティング剤の輝きを促進するのに使用される他の一般的な混和剤である。

    前述の混和剤は消費者に一般的にアピールするいくらかの視覚効果を提供するが、デザイナが幅広い範囲の視覚効果を創造し管理することを可能とする経済的な顔料混合物に対する要望はまだ残っている。 更に、向上した耐久性、向上した工程、改善されたパターン管理、及び紫外線の遮蔽などの塗料及びコーティング組成物の機能的特性を促進するための改善方法には常に要求が存在している。

    ミクロ粒子は表面処理の範囲において魅力的な基体を提供する。 なぜならば、粒子の容積とその表面積との間には反比例の関係あるからである。 この関係の好ましい効果は粒子のサイズが減少すると増加する。 無数の物質からなる無限の幾何学的構造のミクロ粒子が知られている。 既知若しくは標準の形状を有する粒子が数多くの用途において最も有用である。 標準の形状を有し、周囲環境に対して耐ストレス性を有するガラス、セラミック若しくは他の無機球体などの粒子が数多くの種々の用途に有用であることが知られている。

    特に、直径が4から50ミクロンのサイズの範囲のガラスマイクロ球体は、表面処理の範囲において性能特性や美的効果を搬送する極めて効果的な輸送機構を提供する。

    前述したように容積と表面積との間には逆の関係があるので(個々のガラス球体の容積が減少すると、ガラス球体の質量当たりで表わされる総表面積は増加する。なぜならば、より多くのマイクロ球体が同容積の空間に入り込むことが可能だからである)、マイクロ球体はそれらに塗布されるいかなる表面処理の影響または効果をも最大化する。 加えて、ガラスは強い材質であり(モー(Moh)の硬度スケールにおいては鋼鉄よりも高い数値を有する)、一般に275.8Mpa(40,000psi)の粉砕力に耐えることが可能であり、実質的に不活性である。 ガラスマイクロ球体の球体形状によって、それらの他の物質への混合や混和が容易となり、それらの円滑なディスパージョンを促進する。

    ガラスマイクロ球体は用途に応じて異なる材料から製造することが可能である。 最も一般的なガラスマイクロ球体はソーダ石灰ガラスから作成されるが、マイクロ球体はチタン酸バリウム及びホウケイ酸ガラスからも作成される。 ソーダ石灰ガラスは、チタン酸バリウムなどの高屈折率ガラスに比べて比較的低価格である。 ソーダ石灰ガラス球体の表面にこの無機化合物フィルムを塗布することによって、屈折率は1.42から> 2.0に増加することが測定された。 この発見によって低価格のソーダライム球体の屈折率を費用対効率の良い方法で増加することが可能となる。

    一般に、より小さな球体ほど衝撃強さが向上する。 より大きな球体は流体特性を向上させる傾向にある。 ソーダ石灰ガラスの固体ガラスビーズは一般に2.46から2.50g/ccの比重を有し、1.51から1.52の屈折率を有し、730℃の軟化点を有し、無臭の白色粉末の外観を呈している。

    マイクロビーズは化粧品分野にも使用される。 カルシウムアルミニウムホウケイ酸塩のマイクロ球体が化粧品の形成に使用されて滑らかな絹のような感触を提供し、塗布特性を向上している。 かかる球体は化学的に不活性であり、油分の吸収が極めて低く、無孔である。 これら球体は一般に0.1から1.5g/ccの比重を有し、約600℃の軟化点を有し、9から13μの平均直径を有している。

    ガラス、ポリマ若しくはセラミック組成物のマイクロビーズはそれらの化学的及び物理的特性の両方において産業上有用であることが示されてきた。

    種々の構造のポリマ粉末が機械的、溶液及びディスパージョン法によって形成される。 米国特許第4,929,400号を参照されたい。 レーマンら(Lerman et al)の米国特許第3,586,654号及び米国特許第4,221,862号並びにショウマン(Sowman)の米国特許第4,349,456号の記述には、種々の中空の、膨らんだ、拡大された、若しくは中実の球状の粒子、すなわちマイクロ球体が開示され、それらは種々の耐熱性の材料であって例えばプラスチック複合材などの増量剤として有益であり、それらは過去に開示され、特許され若しくは使用されており、例えば米国特許第2,340,194号、第3,264,073号、第3,273,962号、第3,298,842号、第3,365,315号、第3,380,894号、第3,528,809号及び第3,748,274号、英国特許第1,122,412号及び第1,125,178号、仏国特許第2,047,751号、及びベルギー特許第779,967号を参照されたい。 それら引用文献に開示されている粒子若しくはマイクロ球体及び/またはそれらの調製方法は1以上の欠点若しくは制限を有しており、よってそれらの商品化が不利になるか、適用範囲が制限されてきた。

    多くの用途はマイクロビーズの固有の特性の変更を必要としている。 ある場合においては、表面処理がビーズの特性を変更し、変更したビーズは新たな用途への使用を可能にする。 ある場合は、ビーズそのものが有益な機能すなわち美的な特性を有している。 他の場合においては、ビーズはその表面に設置されている機能的に活性な物質のキャリアとして使用される。

    コーティング剤を種々の組成のマイクロビーズに塗布することにおける固有の問題の一つは、ビーズが本質的に疎水性であることである。 これは水をベースとしたコーティング剤の使用を抑制または防止し、より高度で環境にとって有害な溶媒をベースとした系の使用が必要となる。

    ガラスなどの表面に塗布可能であって外気条件の下で乾燥されて透明なコーティング剤を形成する過酸化チタン組成物を生成することが望まれる。

    従来のコーティング若しくは浸漬法によって塗布可能であり、水性ベースであり、塗布が外気条件の下で行なわれるような種々の組成のマイクロビーズ用のコーティング剤を提供すれば当業者にとって極めて有益である。

    本発明の目的は、自己洗浄ガラス用、及び病院などの公共の場所で使用される基体用の無色透明な無機の光触媒コーティング剤を生成することである。

    本発明の更なる目的は、直径が10ナノメータより小さい粒子サイズを有するバインダ製品を提供することである。

    本発明の更なる目的は、10ナノメータより小さい粒子サイズを有しつつ光触媒活性を呈するバインダ製品を提供することである。

    本発明の目的は、また、金属酸化物及び顔料のナノ粒子をガラス、セラミック、ポリマ及び金属性の基体上に結合することである。

    本発明の目的は、金属酸化物のナノ粒子製造用の簡易に制御された工程を提供することである。

    本発明の目的は、コーティングによって結合される種々のナノ粒子用のキャリアとして使用されるコーティングされたミクロ粒子、特に球状のミクロ粒子を提供することである。

    過酸化物の反応または消散後の堆積された無機化合物フィルムの厳密な構造は知られていないが、いくぶんリニアであると推定される。 なぜならば、過酸化物のモノマ形状は2つの反応基のみがそこに結合しているからである。 ルチル及びアナターゼの結晶構造形態は共に同等の単位構造を有しており、これは六個の酸素原子によって囲まれたチタニウム原子の八面体配列に基づいている。 アナターゼ型は何らかの理由による該工程の結果であり、アナターゼ型の八面体配列は光触媒活性に関してルチル型よりも適合している。

    xが2、3、4または6である化学式MO(OOH) xによって示される金属オキシ過酸化物からなる無色透明な溶液の製造方法が開示されている。 該製造方法は、前記金属の他の過酸化物を実質的に有しておらずにyが2、3、4または6である化学式M(00H) yを有する金属過酸化物の水溶液を調製するステップと、pHを約4.0から約6.5までの範囲に保持しつつ前記溶液の約0.5重量%乃至約0.85重量%の間の金属過酸化物濃度になるまで前記溶液を希釈するステップと、前記溶液を約1乃至約4時間に亘って沸騰せしめるべく加熱するステップと、前記溶液を冷却するステップと、前記溶液を約1乃至約2時間に亘って沸騰せしめるべく再加熱するステップと、前記溶液を冷却するステップと、前記溶液内の前記過酸化物濃度が当所存在していた前記金属過酸化物の重量で約12.5%乃至約25%の範囲になるまで前記溶液を沸騰せしめるべく再加熱するステップと、結果的に無色透明な前記溶液を冷却するステップと、からなる。

    10ナノメータより小さなサイズの金属または金属化合物のナノ粒子の製造方法が更に開示されている。 第1実施例においては、xが2、3、4または6からなる化学式M(OOH) xを有する金属過酸化物の溶液を調製するステップによって水性物が調製される。 該溶液は希釈されてpHが約4.0乃至約6.5の範囲において金属過酸化物濃度は当該溶液の約0.5重量%と約0.85重量%との間になる。 該溶液は加熱されて約1乃至約4時間に亘って沸騰され、冷却され、再加熱されて約1乃至約2時間に亘って沸騰され、冷却され、再加熱されて溶液内の過酸化物濃度が実質的にゼロになるまで沸騰される。 金属酸化物のナノ粒子が沈殿して上澄液から分離されて乾燥される。

    10ナノメータより小さなサイズの金属または金属化合物のナノ粒子の製造方法の第2実施例においては、xが2、3、4または6である化学式M(OOH)xを有する金属過酸化物が生成される。 この過酸化物はxが2、3、4または6である化学式MO(OOH)xの金属オキシ過酸化物から分解される。 金属オキシ過酸化物の溶液は希釈されて、pHが約4.0乃至約6.5の範囲において過酸化物濃度は溶液の約0.25重量%と約0.425重量%との間になる。 該溶液は加熱されて約1乃至約4時間に亘って沸騰され、冷却され、再加熱されて約1乃至約2時間に亘って沸騰され、冷却され、再加熱されて溶液中の過酸化物濃度が実質的にゼロになるまで沸騰される。 金属酸化物のナノ粒子は沈殿して上澄液から分離されて乾燥される。

    その一実施例においては、本開示内容は無色の水性無機バインダ組成物の新規な製造方法に関し、外気条件下で基体に塗布可能であって強い湿潤性を有して疎水性及び親水性の両方の基体に接着する実質的に無色のアモルファスコーティングを形成する。 これらのコーティングは所望の特性を付与すべく基体に単独で使用されるか、若しくは他の物質を基体に付着せしめるべく粘着剤として使用される。

    他の実施例においては、本開示内容はその美的及び/又は機能的な特性が変更された組成物によってコーティングされた基体に関する。

    他の実施例においては、本開示内容は細かく分離された第1物質の粒子を有する複合材料に関し、該第1物質は類似する若しくは非類似の物質に、水性バインダ組成物を粘着剤として使用して接着する。 これは、その全ての構成要素が無機であって過酷な環境ストレスに耐えることが可能であるという点において特に有益な材料である。

    更なる実施例においては、従来のアモルファス金属過酸化物の粘着剤フィルムに関連する問題を、粘着剤フィルム製造工程を変更して現状の金属過酸化物の粘着剤フィルムにおいて一般的な色を除去することによって克服された。

    他の実施例においては、金属過酸化物コーティングの湿潤性が、特定の湿潤剤若しくは物質の組合せを使用することによって増強され、より薄いフィルムを容易に塗布することが可能になった。

    開示された更に他の実施例においては、無色透明な無機バインダ溶液が、チタニウム塩、好ましくはチタニウム四塩化物を着色した副生成物の生成を最小化若しくは除去して最終生成物内に形成される二酸化チタンのサイズ及び量を狭い範囲の濃度及び粒子サイズ内に制限する条件下で過酸化水素と反応させることによって光触媒として調製される。

    開示された更に他の実施例においては、10ナノメータより小さなサイズの金属酸化物粒子の製造方法が開示されている。

    開示された更に他の実施例においては、10ナノメータより小さなサイズのTiO 2粒子の製造工程が提供されている。

    開示された工程及び生成物質の他の実施例においては、金属酸化物のナノ粒子は更に反応せしめられて金属または金属塩のナノ粒子が生成される。

    本発明の他の実施例は、増強された顔料及び顔料混合物、自己洗浄及び/又は光触媒表面を提供する建築上及び構造上のコーティング、開示された溶液を使用して種々の基体に接着されたミクロ粒子を使用した触媒、不活性な安価な基体に密接して接着されたミクロ粒子の混合された触媒、及び種々の屈折率及び装飾的や機能的なコーティングを備えた基体を含んでいる。

    無色の無機金属過酸化物の粘着剤及びコーティング溶液の製造工程が開示されている。 該溶液及び該溶液と種々の混和剤、特に金属及び金属化合物とりわけ金属酸化物のナノ粒子との組合せによって、基体特にミクロ粒子基体がコーティングされ、よって基体表面に機能的及び/または装飾的な改善が提供される。

    無機金属過酸化物の粘着剤を形成する無色のフィルムの製造工程には、組成物の粘着性すなわちコーティング機能を保持しつつ金属過酸化物の存在に関連した除去しづらい色を除去する問題を解決することが含まれている。 優れたフィルム形成特性を有する無色の金属過酸化物ゾルを生成する重要なパラメータには以下のものが含まれることが現在見出されている。 すなわち、1)少なくとも化学量論量の過酸化物を組成物の生成に使用する金属水酸化物溶液に提供して金属水酸化物を変換すること、2)最終的な粘着性バインダ溶液中の過酸化物の含有量を最終溶液の重量において約0.07%と0.22%との間、好ましくは約0.1と0.2との間、最も好ましくは約0.11%と0.17%との間まで減ずること、3)最終バインダ溶液のpHを6.5より低く、好ましくは6.0より低く維持すること、及び4)最終変換工程の際は金属過酸化物の金属酸化物への変換速度を調整した加熱及び冷却工程によって調節すること。

    好適な実施例においては、該工程に使用される金属の原子価は、ここにおいて金属は多数の原子価状態で存在し得るが、その金属に許容される多数の原子価状態のうちの最大である。

    好適な金属は周期律表の第II族及び第III族の金属である。 有用な金属はスカンジウム、イットリウム、チタニウム、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、鉄、ランタン、パラジウム、プラチナ、アルミニウム、セレニウム及びスズ。 ランタニド系列の金属要素が有用である。 特に有用なのはチタニウム、プラチナ、セレニウム、スズ、ジルコニウム及びハフニウムである。 最も好適なのはチタニウムである。

    好適な実施例においては、TPAのTiO 2への変換は、少なくとも二つの、好ましくは三つの沸騰工程の間に設けられた少なくとも一つの冷却工程、好ましくは少なくとも二つの冷却工程からなる管理によって調節される。

    少なくとも化学量論量の過酸化物を水酸化物に使用することにより、不溶性の若しくはごく僅かに溶けるヒドロキシ若しくはオキシ過酸化物の生成を最小限度に抑え、溶液中の残余の過酸化物が臨界レベルまで簡易に変換されるのを可能にし、よって種々の金属過酸化物種が存在している際に溶液中に本質的に存在する色が除去される。

    当該新規な工程は、多孔性及び非多孔性の親水性及び疎水性の基体に付着する、透明で、着色がないバインダ溶液を生成し、細かく分離された粒子状物質を基体に結合することが可能である。

    バインダ溶液は無色透明な無機バインダであり、水溶液中において金属の酸化物と連結した主に金属過酸化物からなり、これは金属過酸化物−酸化物の中間体種であると推定される。

    好適な実施例においては、金属過酸化物はチタニウムペルオキシ酸(TPA)である。 TPA溶液は溶液の約0.5から約0.85重量パーセントの範囲の含有量となるまで希釈される。 低濃度のTPA溶液は反応して過酸化物含有量を付着性及び膜形成を呈するのに十分な量になるまで減少し、アナターゼ含有量の量を濁りが生じるレベルより下に減少する。 かかる反応はサイズが約1から5ナノメータであって残余過酸化物が依然として付着しているアナターゼ粒子からなる中間体を形成すると考えられている。 この種の過酸化物の含有量は十分に低いので黄色となるのを防止する。

    第2の好適な実施例においては、TPAは反応してバインダ溶液を形成し、それは粒子サイズが5 ナノメータより小さい十分な二酸化チタン(アナターゼ型)を含んでおり、よって高い光触媒活性を呈するが、製品に濁りを生じる量を下回っている。

    水への溶解性が本工程には必要であり、その有効性にとって重要である。 かかる可溶性の水酸化物及び過酸化物を有する周期律表の第II族及び第III族の金属は本工程にとって有益である。 アルミニウム、スカンジウム、セリウム、ハフニウム、ランタン、プラチナ、セレニウム、チタニウム、スズ、バナジウム、イットリウム、ジルコニウム、鉄、及びランタニド系列元素の他の要素などの他の金属や、+2、+3、+4若しくは+6原子価状態を呈することが可能で水酸化物ゲルを形成可能な他の金属も要件を満たしている。 もちろん、アルミニウム、鉄及びチタニウムが好ましく、チタニウムが最も好ましい。

    以下の説明はオキシ過酸化物チタンフィルムの観点から説明しているが、水酸化物ゲルを形成するいかなる金属イオン(若しくは金属イオンの混合物)を採用しても良いと理解すべきである。

    都合のよい出発物質は対象とする金属を塩素化した塩である。 かかる金属は通常は二つ、四つ若しくは六つのいずれかの原子価を有しており、従ってMCl 2 、MCl 4若しくはMCl 6のいずれかの化学式となる。 もしこれが不安定であれば、金属性のハロゲン化合物は高濃度のHCL中において安定する。 この状態は水との反応における平衡を変化させて水溶液中の塩素化種を保持する。 もしこれが酸によって濃縮されなければ、金属性の塩化物は激しく水と反応する傾向を示し、本工程における慎重に調節された反応の連鎖は調整不可能となる。

    該溶液にアンモニウム、ナトリウム若しくはカリウム水酸化物などの溶液を含む水酸化物を添加することによって中和された結果得られるゾル若しくは水酸化物は、一般にM(OH) 2またはM(OH) 4の構造を有している。 しかしながらM(OH) 3及びM(OH) 6もまた有用である。 これら水酸化物は過酸化水素と反応してM(OOH) 2 、M(OOH) 3 、M(OOH) 4及びM(OOH) 6である金属性のジ(di)、トリ(tri)及びテトラ(tetra)並びにセクトラ(sexta)過酸化物を生成する。 使用する金属がいくつかの原子価状態に存在するとき、反応条件及び反応物質は、その最大の原子価状態において金属の過酸化物を形成するように選択されるのが好ましい。

    過酸化水素が金属水酸化物に添加されて、可溶性若しくはわずかに可溶性の金属水酸化物を金属過酸化物としての可溶性の状態に変換する。 その結果の製品、すなわち可溶性の金属過酸化物が本工程の更なるステップに使用される。 最小の化学量論量の過酸化物を溶液に添加して全ての水酸化物を金属過酸化物に変換するのが好ましい。

    ある場合においては、例えばチタニウムを金属性のカチオンとして使用するときは、金属過酸化物の初期の分解は結果的に乾燥されてアモルファスの無機化合物フィルムを生成し得る溶液となる。 他の場合においては、例えば鉄が金属性のカチオンのときは、過酸化物は不安定であるので反応は金属酸化物のナノ粒子の生成に直接進行する。

    形成された過酸化物が十分に安定であれば、加熱することによって調節しながら反応することが可能となり、よって再配列して無機化合物フィルムが生成される。 この無機化合物フィルムはその後調節された条件下で反応せしめられて、特有の金属酸化物及び酸化物の金属の配位数によっては種々の結晶構造を伴う金属酸化物のナノ粒子が生成される。

    四塩化物の中和によって形成されたチタニウム水酸化物の場合は、水を伴うわずかに可溶性のゾル(ヒドロキシル基の化合物)をデカントし、硝酸銀によって試験してその非存在を確かめることによって塩化物イオンを除去することが重要である。 塩化物イオン及びその陽イオンの対応物、各々の塩のナトリウム及びカリウムイオン、は光触媒及び光化学的活に干渉することがある。

    本工程の結果得られた可溶性があって、塩若しくはハロゲン化合物のない(または材料に企図される究極的な用途に応じて低減されたレベル)金属過酸化物は、用途に応じて更に処理される。 従来技術の工程においては、水性状態から水を蒸発した後、金属過酸化物はアモルファス無機フィルムを形成する。 このフィルムはある種の望ましい特性を有しているが、商品としてのある種の重大な不利益を有しており、それは例えば着色及び不透明さであり、よって広範囲に使用するのが阻害されてきた。 ここに記載する低濃度溶液の使用及び調節された熱処理によってこれらの不利益が除去される。

    多くの場合においては、金属に応じて、形成されたアモルファスフィルムは半導体であり、同等若しくは異なる金属の酸化物のナノサイズの粒子のバインダとして機能する。

    フィルムはそれ自体で、ナノサイズの粒子を添加するかしないかにかかわらず、触媒活性となり得る。 触媒活性の粒子が過酸化物フィルム形成成分に埋め込まれた場合は、当該粒子はガラス、金属、プラスチック若しくはセラミックに結合可能となる。 なぜならば、反応性の過酸化物基がフィルム形成成分に存在しているからである。 ある場合においては、例えば二酸化チタンの場合は、無機化合物フィルムとナノ粒子との組合せは所望の光触媒若しくは光化学的効果を促進すなわち増大する。

    一実施例においては、これら可溶性の金属過酸化物は金属過酸化物の水溶液を加熱することによってナノ粒子に変換される。 100℃に調節して加熱することによって水をデカント及び蒸発することによって、これらナノサイズの金属酸化物の乾燥粉末を生成する。 従来技術の工程と異なり、変換前の金属過酸化物の濃度を低減する処理工程は、変換速度並びに結果としてのナノ粒子のサイズ及びサイズ分布を極めて良好に調節することが可能となる。 更に、生成されたナノ粒子は従来技術の工程のように凝集することがない。 ナノ金属酸化物は更に処理されて金属若しくは他の金属化合物のナノ粒子を生成することが可能である。

    粒子の粒子サイズ分布が結果的に狭いことは、本工程の重要な利点の一つである。

    ここに記載したサイズ分布に対する加熱の効果を最小化する技術を採用しなければ溶液の加熱時間の長さに比例して、粒子サイズは増加する。 形成された金属酸化物結晶の幾何学的配置は金属の配位数に依存する。

    MX 2及びMX 4金属性の塩から一般のナノ金属性の酸化物を生成する一般化した化学式(同等の反応がMX 3及びMX 6金属性の塩に適用される)は
    1. 濃縮された酸中の金属性の塩化物の安定化:
    M(X) 2,4 + HX → M(X) 2,4 / HX溶液 [A]
    酸性の金属性の塩化物の中和:
    M(X) 2,4 / HX + (2又は4) NH 4 OH → M(OH) 2,4 + (2又は4) NH 4 X [B]
    金属性の水酸化物への過酸化水素の添加及び金属性の過酸化物の形成:
    M(OH) 2,4 + (2又は4) H 2 O 2 → M(OOH) 2,4 [C]
    過酸化物溶液の加熱によるナノ粒子の形成
    M(OOH) 2,4 + 加熱 → M(O) 6アナターゼ八面体の多形体 [D]
    M(OOH) 2,4 + 加熱 → M(O) 4四面体及び平面の多形体 [E]
    金属過酸化物からのアモルファスフィルムの形成:
    M(OOH) 2,4 → [M(O)n]k [F]
    チタニウム酸化物は種々の形状で存在する。 酸化チタンの三つの自然な形状はルチル(高い結晶構造、二つの端部で互いに結合した八面体の単位)、アナターゼ(結晶構造、四つの端部で他の単位と結合した八面体の単位)及びブルッカイト(低い結晶構造、三つの端部で結合したゆがんだ八面体の単位、アモルファス)である。 酸化チタンは水には可溶性でない。 酸化チタンのルチル及びアナターゼ型は光触媒であり、アナターゼ型はより高い光触媒である。 ブルッカイト型は光触媒ではない。

    チタニウム四塩化物TiCl 4は液体であり、水によってすばやく加水分解されてスカイライティングに用いる白煙を生じる。 本工程に使用するためには、材料は強塩酸によって十分に安定化されなければならない。 2規定のHClを使用するのが簡便である。 TiCl 4を添加する前に2規定のHClを5℃に冷却すると副反応の形成が遅くなることが見出された。 これはTiCl 4が酸/水に溶解するからである。

    TiCl 4 /HCl溶液が2規定のアンモニウム水酸化物、NH 4 OH、によって中和されてチタニウム四塩化物、Ti(OH) 4 、及びアンモニウム塩化物、NH 4 Clが生成される。

    NH 4 Clは過酸化物を添加する前に除去されなければならない。 これは蒸留水を添加して沈殿したTi(OH) 4を分離するなどの任意の簡便な分離技術によってTi(OH) 4をNH4Clから分離することによって行なわれる。 本工程は、硝酸銀の滴定によって測定される塩化物の含有量が溶液濃度において0.05%以下になるまで続けられる。

    0.25モル濃度のTiCl 4 @ 5℃ + 1Lの2規定HCl = TiCl 4 / 2規定HCl水溶液。

    TiCl 4 / 2規定HCl + 2規定NH 4 OH = Ti(OH) 4 + NH 4 Cl
    Ti(OH) 4 + 蒸留水 / 相分離 = Ti(OH) 4 :Cl含有量は0.05%より低い。

    従来技術のプロセスにおいては、塩化物濃度が0.05%より低くなればTi(OH) 4は溶解を開始し、分離はより困難になる。 従来技術の工程では、少なくとも500ppmのアンモニアが溶液中に残存しており、よって該工程の最後に形成されるアナターゼ粒子が安定化する。 これは問題を生じる。 なぜならば、アンモニウムイオンが存在していなければ粒子はより容易に沈殿するからである。 本工程はより少ない、例えば250ppmのアンモニウムイオンを使用しており、よってアナターゼ結晶が安定化する。 従って、塩化物イオンのレベルはデカンテーションを使用して更に低下可能であり、よって塩化物イオン含有量を低下すべくイオン交換樹脂を使用する必要性が回避される。 塩化物イオン含有量は光触媒効果を妨害するので、以降の処理においてかかる効果が望まれるのであれば、それは最小化すべきである。

    好適な実施例においては、該工程はチタニウムテトラ水酸化物[チタン酸]の過酸化によって開始される。 過酸化反応は該反応に導入される反応物質の量及び反応条件に応じて異なる結果をもたらす。

    以下の式は反応物質の種々の割合における結果としての化合物を示している。

    Ti(OH) 4 + 1 H 2 O 2 → Ti(OH) 3 (OOH) + 1 H 2 O [1]
    Ti(OH) 4 + 2 H 2 O 2 → Ti(OH) 2 (OOH) 2 + 2 H 2 O [2]
    Ti(OH) 4 + 3 H 2 O 2 → Ti(OH) (OOH) 3 + 3 H 2 O [3]
    Ti(OH) 4 + 4 H 2 O 2 → Ti(OOH) 4 + 4 H 2 O [4]
    4対1の割合を超えた場合は、過酸化物に更に反応するヒドロキシル基がチタニウム水酸化物Ti(OH) 4になくなり、過剰の過酸化物の添加は結果的に最終製品を変えることはない。

    水酸化物及び過酸化物の反応が本質的に単一の金属過酸化物のみを生じるような反応物質及び反応条件であることが、本工程の操作にとって且つ透明な金属過酸化物フィルムの生成にとって重要である。 金属過酸化物は最大の原子価状態における金属の過酸化物であることが好ましい。

    著しい量の他の過酸化物種を本質的に含んでいないTPA溶液が一旦得られると、該溶液は更に処理可能となって透明で無色のバインダ溶液を形成するアモルファスフィルムが得られる。

    過酸化物の安定性は、過酸化物単位の数が増加すると減少する。 従って、反応[1]によって生成される単一の過酸化物が反応[2]などのジパラクサイドに比べてより安定している。

    反応[4]によって生成されるチタニウムテトラ過酸化物の安定性は非常に低いので、劣化を防止すべく5℃より低い温度に保たなければならない。 5℃より高ければ、チタニウムテトラ過酸化物は反応してチタニウムオキシ過酸化物[TPA]を形成する。

    T>5℃
    Ti(OOH) 4 → TiO(OOH) 2 + H 2 O + O 2 [5]
    過酸化水素のチタン酸、Ti(OH) 4 、に対する比率が4対1より低いときに生成される反応生成物とその比率がほぼ4対1のときの反応生成物の比較が、本工程と従来技術の工程の顕著な差異の説明に役立つ。

    いくらかのTPAが当該反応や過酸化水素のチタン酸に対する割合に関係なく生成される。 従って例えば、従来技術の工程によって使用されるように、反応[2]によって生成されるTDDAはチタニウムジヒドロキシジペルオキシ酸[TDDA]の脱水によってTPAに変換される。 当該反応を以下に示す。

    Ti(OH) 2 (OOH) 2 ⇔ TiO(OOH) 2 + H 2 O [6]
    圧倒的な量の水が存在しているので、平衡は左に移動し、水溶液においてTPAではないTDDAが、存在している種類の中で多数を占めている。 加えてTDDAは比較的安定した過酸化物であり、よって最初に水を飛ばしてTDDAを分解するためにかなりの熱を加える必要がある。 高いエネルギを加える必要があるため、反応を制御するのは困難であり、これは更なる処理において得られる製品の品質に重大な問題を生じる。

    TDDAは脱水工程[6]の際に副生成物を生じる。 以下の縮合反応がその例である。

    2 Ti(OH) 2 (OOH) 2 → Ti 2 O(OH) 4 (OOH) 2 [8]
    これは黄色の化合物である。 これはTPAには変換されない。 沸点において、これはゆっくりとしかし決定的にTiO 2に変換され、黄色は完全に変換されるまで存続する。 これはバインダ溶液の不透明及び非清澄性の原因でもある。

    チタニウム水酸化物の過酸化水素に対する割合が約4対1より低いときに形成される他の可溶性の種類はTi(OH) 3 (OOH)である。 これは2:1の過酸化水素のモル比においては少量が生成され、4:1の過酸化水素比では生成されない。 これは安定した過酸化物であり、それ自体黄色に着色されている。 Ti(OH) 3 (OOH)はTPAには変換されない。 これは溶液中において、存在する全ての過酸化物がアナターゼに変換される終点まで存続する。 その存在は黄色のバインダ溶液の原因となる。

    従って、TPAがTi(OOH) 4 [式4]以外の過酸化物から生成されるときは、他の過酸化物の種類が溶液中に存在しており、全てが黄色であり、全ての過酸化物がアナターゼに変換されるまで存続している。 全ての過酸化物がアナターゼに変換されたとき、製品は白くなり、それはそのフィルム形成能力を喪失してバインダとしては機能できない。 過酸化物が全てアナターゼに変換される前は、種々の種類が残存しており溶液は黄色のままである。

    前述の[式6]で記載したように、テトラ過酸化物は溶液中に存在するペルオキシ基のなかで最も安定性が低く、従って最初にTPAを形成する。 更にその低い安定性によって、更なる処理パラメータに対して、特にそれが低濃度で使用されるとき、著しく大きな調整が可能となる。 これは他の金属過酸化物であっても該当する。

    従って、溶液中に存在するチタニウムテトラペルオキシ酸が唯一の過酸化物化合物である手順が見つからない限り、粘着性機能を保持する無色透明な溶液を形成するのは不可能であろう。

    溶液中に存在する唯一の過酸化物化合物としてのTPAによって、黄色が見えなくなるが膜形成が可能なように十分な量の過酸化物が残存している程度までTPAの大部分をTiO2に変換することによって過酸化物の含有量を減少することが可能である。

    アナターゼTiO 2はTPAまたはTDDAから生成される。 TPAからTiO 2を生成する反応は以下の通りである。

    TiO(OOH) 2 → TiO 2 + H 2 O + O 2 [7]
    TDDAを使用する際は、TPA[6]を生成すべく最初に脱水し、その後第二工程でアナターゼ[7]を生成する。

    更に、開示された工程の他の重要な点は、比較的不安定なTPAは比較的マイルドな反応条件の下での変換を可能にするので、残余過酸化物の存在する量をじっくりとモニタし管理することが可能となる。

    2/1の割合は溶液の酸性度を低くする。 TDDAは純TPAよりも酸性度が低い。 過酸化物は分解してTiO 2及び酸素を生成するので、pHはよりアルカリ性になる。 沸騰によってアナターゼに変換されるときの純TPAは、2/1の割合から生成されるTDDA が使用されるときよりも、よりアルカリ性であることが見出された。 処理の際は、pHが約6.5より上がらないようにpHを管理することが大切である。 pHが約4.0から約6.0の範囲に維持されるのが好ましい。

    アモルファスTiO 2フィルムの生成には中間体工程がある。 沸点において、過酸化物の含有量は消散してTiO 2アナターゼが生成される。 しかしながら、常温においては、実際に無機ポリマーマトリックスを生成する遅い縮合反応が生じる。 これは無機の世界においては珍しい。 なぜなら、ポリマは通常結晶及び無機と称されるからである。 アモルファスの状態は、非結晶構造ポリマのフィルムの生成を可能にする。

    化合物の脱水を生じる条件にTPAがさらされたとき、以下に示すように二量体が形成される。

    脱水
    2Ti(O) (OOH) 2 → TiO(OOH) --O--TiO(OOH) + H 2 O + O 2 [9]
    当該二量体は再び以下のように縮合する。

    2TiO(OOH) -O-TiO(OOH)→TiO(OOH) -O-TiO-O-TiO-O-Ti (OOH) [10]
    この縮合は高温で継続し、実質的に全ての過酸化物がなくなるまでポリマが生成される。 完了の前、縮合工程が継続するにつれて、少ないレベルではあるが、残余の過酸化物が存在する。 残余の過酸化物があるレベルのとき、黄色が消える。

    この黄色の消去は、溶液中の全ての過酸化物のレベルが臨界レベルまで縮合したときのみに生じる。 これは、例えば出発物質中の過酸化物が実質的に全てTPAであるときなどの出発物質に実質的にポリマ可能な過酸化物がないときにのみ生じ得る。

    加熱によって縮合が進行すると、ポリマの一部が結局のところアナターゼに変換し、もはやフィルム形成を行なわない。 チタニウム及び周囲の酸素原子は、d−軌道に起因して八形の単位構造に配位され、アナターゼ結晶構造を構成する。 これはアモルファスポリマが安定な100℃より低い温度では生じない。

    TPAの更なる処理の際に、溶液中のTPAの濃度をアナターゼの形成を遅らせるように定めたレベルまで減少し、過酸化物の含有量をアナターゼにつり合わせるべく、過酸化物の含有量が調節されながら減少されるのを可能にすることが大切である。

    TPA中に残存する過酸化物の含有量は黄色着色の閾値である約0.22%より低く低減されるが、更なる処理の際にフィルム形成が可能となるには十分なレベルに維持される。

    この閾値において生成されるアナターゼは光触媒である。 過酸化物の含有量が約0.07%まで減少すると、フィルムの生成能力はそのまま維持され、溶液の光触媒機能は増加する。 この濃度において存在するアナターゼ及び過酸化物は、更なる処理によって黄色でない光触媒フィルムを生成する。 約0.07%より低いと、溶液のフィルム生成機能は失われる。

    アナターゼ及び過酸化物の結果的な混合物は、溶液から黄色を除去しない従来技術の手順のようなアナターゼをTPA溶液に混合した結果の溶液とは著しく異なる。

    過酸化物の濃度は、1規定の硫酸中に希釈された0.01から0.05規定のカリウム過マンガン酸塩溶液を用いて測定される。

    無色の範囲は当初の過酸化物濃度から過酸化物が50%減少したときに開始するが、当初の濃度の25 %より低くはないことが測定された。 チタニウムの場合は、溶液中のTPAの濃度は反応の前は0.5%から約0.85%の範囲内にある。 このなかで、TPA分子の重量の約半分は過酸化物の部分(moiety)である。 従って反応前の溶液中の過酸化物の濃度(金属過酸化物の濃度から区別される)は約0.25%から約0.43%の範囲内にある。 従って、ここに記載した加熱及び冷却サイクルによって過酸化物の含有量が約0.07%から約0.22%の範囲まで減少すると溶液は無色になる。 過酸化物の含有量を、該温度サイクルの手順に従うことなく単にこの範囲に減少することによっては無色の溶液が生じないことに留意すべきである。

    開示された工程の更なる利点は、より透明な溶液及び5から10 ナノメータ範囲に分布するより均一なアナターゼ粒子サイズである。 これは大きな粒子サイズが不透明及び濁りを生じる場所である透明な基体にコーティング剤が塗布される用途には重要である。

    Ti(OH) 4は5℃まで冷却される。 モルレベルでチタニウムの4倍に等しい過酸化物が5℃まで冷却されて添加される。 過酸化物の4モルの添加はTi(OOH) 4を形成する反応を確実に完了する。 Ti(OOH) 4は著しく黄色であって不透明である。 これは5℃より高ければ不安定であり、分解してTPA水及び酸素を生成する。

    5℃まで冷却されたTi(OH) 4 + 5℃まで冷却されたH 2 O 2 = Ti(OOH) 4

    酸素が生じてTPAが形成されると溶液は徐々に透明になる。 一旦TPAが長期に亘って加熱されれば、より透明なTPA溶液が生成されると、最終製品はより透明になることが見出された。

    1から2パーセント濃度と開示されている従来技術の工程に対してTPAの濃度は溶液の約0.5重量%から約0.85重量%の範囲内の濃度に減少される(過酸化物の含有量は0.25%から約0.43%)。

    この低濃度はアナターゼ結晶の生成を遅くし、もし高濃度である場合に比べて過酸化物がTiO 2にゆっくりと変換するのを可能にする。 過酸化物及び極めて細かいアナターゼ粒子が有益な割合で存在することが可能な機会がある。 光触媒を有する無色の溶液にはフィルム形成を確保すべく十分な過酸化物が残存しつつアナターゼ粒子が最大濃度であることが望ましい。

    もし全ての過酸化物が変換されると、過酸化物の含有量が減少するにつれて粒子サイズは成長し続ける。 結果的に粒子サイズは極めて大きくなって、もはやそれらは溶液中に残存できなくなって沈殿する。 過酸化物の含有量を少しだけ残しつつ反応を停止させることによってlから5 ナノメータ粒子サイズの小さな直径のナノ粒子が確保される。 小さなサイズは光触媒活性を促進すると共に透明度を増加する。

    TiO(OOH) 2はTPAである。 TiO(OOH) 2はH 2 SO 4中の0.1又は0.01規定の過マンガン酸塩を用いて測定される。

    TPAの濃度が一旦測定されると、十分な量の蒸留水が添加されてTPAの濃度を溶液の0.5から0.8重量パーセントまで減少させる。

    希釈されたTPA溶液を加熱して、約1から約4時間の間、好ましくは約2から約4時間の間沸騰する。 代替実施例においては、それは減圧状態で沸騰され、これは一般には約0.6 気圧である。 重要な工程においては、加熱の完了前にTPAを常温まで冷却する。 TPAはその後再び沸点まで加熱する。 このサイクルを過酸化物の含有量が所望のレベルに達するまで2回繰り返すのが好ましい。 過酸化物の含有量が減少するにつれて黄色は薄まっていく。 黄色が消滅したとき、溶液を冷却して過酸化物の含有量を測定する。

    バインダ溶液を準備するためには、過酸化物の含有量は初期値の1/4から1/2まで落とすことが可能であるがそれより下回れない。 このレベルにおいては、黄色が消滅するがフィルムの形成用の十分な過酸化物の含有量は利用可能である。 アナターゼは過酸化物のこの濃度において存在し始める。 これは細かであって、10ナノメータサイズの直径より小さい。 このサイズにおいて、アナターゼは溶液の透明度には影響しない。 初期の過酸化物の含有量の1/4パーセント値において最適な平衡が生じる。 これによって十分高いレベルのアナターゼ粒子の光触媒が確保される。 結果的に溶液は無色透明の溶液となり、透明な表面上のコーティング剤に適する。

    確認してはおらず本説明によって限定することを企図するものではないが、残余の過酸化物が依然としてアレイに付着した状態の八面体のアレイ中にアナターゼ単位構造が結合したものからなる中間体材料の存在によって、アナターゼ粒子の小さなサイズが維持されていると考えられる。 これは実質的に過酸化物が依然として付着している小さなアナターゼ粒子である。 付着している過酸化物は小ささを確保する。 なぜならば、それは反応することなく更なるアナターゼのサイズの成長を生ずるからである。

    非光触媒の無色のバインダは数多くの用途がある。

    それはTiO 2 (ルチル型)顔料を種々の基体に結合するバインダとして使用可能であろう。 特に、TiO 2 (ルチル型)顔料をミクロンサイズの球状の粒子に、最も特別にはガラスのマイクロ球体に結合するバインダに使用されよう。 かかる製品は、コーティング剤又は塗料におけるTiO 2の量を最小化しつつ、コーティング剤若しくは塗料の透明性や他の望ましい特性を増加するために使用可能である。 特に有益な用途は道路や高速道路の白線マーキングレーンの塗布である。

    非光触媒の無色のバインダは、コーティング剤又は塗料に添加しなければならないので、更なるコスト増になっていた。 TiO 2 (ルチル型)の量を減少する面において顕著な利点を提供する。 ほんの微量の黄色ですらコーティング剤の白さや輝きを減じ、より多くのルチル顔料の使用を必要とするので、ルチル顔料を基体に結合する無色バインダのコーティングはより少ないルチルで良く、コストを低減する。

    非光触媒の無色のバインダは、セラミック、金属、ガラス及びある種のプラスチックに結合されるミクロンサイズの粒子の一般的なバインダとして有益である。 特に、種々の基体、特にセラミック、金属、ガラス及びある種のプラスチックに結合される顔料の一般的な顔料バインダとして有益である。

    非光触媒の無色のバインダは、石造建築及び建物または他の建築物の外装の建築塗装の保護コーティングとしてそれ自体有益である。

    非光触媒の無色のバインダは、外部環境条件によって攻撃される塗布された金属及び他の表面上のバリアコーティング剤としてそれ自体有益である。

    非光触媒の無色のバインダは光触媒コーティングの塗布前の影響を受け易い基体若しくはコーティング剤上のバリアコーティングとしてそれ自体有益である。 従って、例えば、光触媒コーティングが塗布表面上に直接塗布されて塗料の劣化を生じる場所には、バインダが機能して光触媒コーティング剤の効果を最小化するであろう。 自動車のパネルと自動車の自己(光触媒)コーティングとの間のバリアコーティングとしての重要なバインダの用途がある。

    バインダがガラス表面に塗布される場所は、バインダの下塗りはナトリウム及び塩化物イオンのガラスからの移動を阻止し、よってバインダコーティングされたガラス基体上に塗布された光触媒コーティングの光触媒効率を増加する。

    バインダがTiO 2 (アナターゼ型)が光触媒活性を提供するレベルで生成された場所は、高いレベルの透明度や高い光透過率が必要なガラスなどの透明な表面上に塗布された際には、コーティングは十分な利益を提供する。

    光触媒の無色のバインダは数多くの用途を有している。 それら数多くの用途には落書き落としスプレイ、建築コーティング剤、病院や公共集会場での殺菌コーティング剤、自己洗浄透明ガラス、自己洗浄自動車表面、自己洗浄繊維すなわち医療及び民生用の用途のもの、紙幣上のコーティング剤、光触媒コーティング剤のキャリアとしてのガラスビーズの表面処理による水質汚染管理、流出油に使用する中空ガラスビーズの表面処理、自己洗浄アウトドア敷物が含まれる。

    この光触媒の実施例においては、下地の色の保持を必要とする表面上、白い表面上及び黄色でないことが重要な光を遮るものの上のコーティング剤として、黄色でなく透明であることが重要な衛生的なコーティング剤として、及び白い磁器表面及びセラミックタイル上のコーティング剤としてバインダは著しい利点を提供する。 好ましくは、コーティング剤の非触媒の実施例の、コーティングが塗布された基体と光触媒コーティング剤との間に追加される。

    バインダ塗布される基体はセラミック、ガラスなどの無機材料、プラスチック、ゴム、木材、紙などの有機材料、及びアルミニウム、スチールなどの金属によって作成され得る。 アクリロニトリル樹脂、ビニル塩化物樹脂、ポリカーボネート樹脂、メチルメタクリレート樹脂(アクリル樹脂)、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂などの有機ポリマ樹脂材料は有益な基体である。 基体はサイズや形状に関しては問題ではなく、ハニカム、ファイバ、フィルタシート、ビーズ、発泡体若しくはそれらの組合せの形状であっても良い。 紫外光の透過が可能な基体が使用される場合は、光触媒体は基体の内部表面に塗布されても良い。

    光触媒実施例以外の触媒の実施例においては、マイクロ球体とバインダとの組合せが、他のなかで水素化触媒(すなわちパラジウム、プラチナ及びカドミウム酸化物)、酸化触媒(すなわちニッケル)及び重合触媒(すなわちスズ及びチタニウム)などナノサイズ触媒用の基体として使用可能である。

    バインダの使用によって、触媒部分はセラミック、タイルまたは球体、アルミニウムなどの金属基体、またはガラスやガラスセラミックに結合し得る。

    20ミクロンサイズより下、更には10ミクロンまたはそれより小さなサイズのコーティングされたガラス球体は、技術的及び経済的な理由により薄い塗布が必要な場所の塗料及びコーティング剤に組み入れられるのが可能である。 例えば、ある塗料は単に10ミクロンの厚みで塗布されるので、コーティングされた大きな直径のガラスマイクロ球体は結果的にフィルムから突出する。

    他の例としては、浄水において、大量のコーティングされたマイクロ球体がチューブ内に充填される。 それらチューブ内を水が通り抜けてコーティングされたマイクロ球体に接触すると、存在している紫外光源が光触媒コーティングを活性化して、その結果、水中に存在するいかなる有機物をも酸化する。

    このバインダ溶液は、光触媒の形態において、中空のガラスビーズにも塗布することが可能であり、流出油の場合は、例えば、水の表面に浮遊している油や有機物はコーティングされたビーズと接触した際に酸化される。

    無色の粘着性溶液は、1000ナノメータ以下の顔料の特にガラスマイクロ球体を含む各種の基体へのバインダとしての他の用途がある。 バインダ中の任意の色が存在することは、顔料がルチル二酸化チタンのときに特に白色の色に悪影響を及ぼす。 着色を除去することによって、所望の色の波長においてより明るい色となる。

    用途は指定された色の強度を生成するのに必要な染料の量を減じる顔料用又は他の染料用の基体としてである。

    金属過酸化物溶液、特に、チタニル過酸化物溶液によるガラスマイクロ球体の表面処理は結果としてマイクロ球体に結合する無機化合物フィルムを生成する。 この表面処理はブラシを用いて、マイクロ球体を噴霧することによって、若しくはたぶん最も効率的な方法であるマイクロ球体のチタニル過酸化物溶液中の完全な浸漬によって塗布され得る。 室温において若しくは蒸発を容易にすべく(しかしアナターゼ粒子の形成を容易にするのではない)加熱して水を蒸発させることによって、過酸化物は消散して結果的に無機化合物フィルムがガラスマイクロ球体に結合する。 このフィルムは永久にマイクロ球体に結合し、水中に再浸漬されても溶解したり洗い流されたりしない。

    更なる結合が必要な場所では、湿潤剤がバインダと共に使用される。 しかしながら、数多くの湿潤剤は本発明のシステムでは適切に機能しない。 ダウケミカル社のシリコーン(Silicone)Q25211スーパー湿潤剤が好適な例であるポリエチレン酸化物シラン湿潤剤は、フィルム形成要素(former)の粘着性能に影響しないことが見出された。 このとき、依然としてフィルム形成要素は、それが塗布される異なる基体をコーティングすることが可能である。

    安定な水酸化物を製造し少なくとも二つの原子価を有し、好ましくはFe、Cu、V、Ca、Cr、Co、Pt、Zr、若しくはNbから選択される金属化合物からナノ粒子を製造する開示された方法の特に重要な用途は、顔料の分野の使用に関連する。 本発見には2つの重要な側面がある。

    第1に、ナノ粒子製造用の開示された製造技術は、顔料それ自体に使用される粒子のナノサイズのより広い範囲を可能とする。 カーボンブラックなどのある有機顔料はナノサイズの範囲で使用可能であるが、本工程は無機金属酸化物及びそれらからの金属及び金属化合物がナノサイズの範囲で生成されるのを可能にする。 これら金属酸化物は顔料分野の数多くの色のベースとなる。 例えば、鉄酸化物は赤色の顔料を生成し、コバルト酸化物は青色を生成し、カドミウム及び クロム酸化物は黄色を生成する。 バナジウム二酸化物は青色顔料でもある。

    第2の重要な発見は、中実又は中空のガラスマイクロ球体はここで金属酸化物由来のフィルム及びナノ粒子の広い範囲のキャリアとして使用可能であるという事実に関連している。 過酸化物溶液の蒸発によって形成される無機化合物フィルムは、ナノサイズ粒子が過酸化物溶液の塗布される任意の基体に結合されることを可能にする粘着性コーティングを提供する。 rが球体の半径である場合において、容積と表面積(3/r)との間の逆の関係では、結果として球体の半径及び容量が減少するにつれて材料の単位重量当たりの表面積は増加する。

    ガラス球体キャリアは、より小さなサイズのナノ粒子さえ付着可能なより広い表面積を有し、同時に粒子の凝集を防止する。 ガラス球体及び付着された粒子のサイジングを適切に行なうことによって、表面積を各用途のために最適化可能となる。 総合的な結果は、それらの固有の小さなサイズとそれらのガラスマイクロ球体「キャリア」への付着との両方から金属酸化物の表面積の露出の最大化である。 色の強度は金属酸化物顔料の小さなナノスケールとこれらナノサイズ粒子の光の屈折との両方に起因して増加可能であり、これはガラス球体へのそれらの付着の結果生じる。 同じ理由から、増加した触媒活性は触媒活性を調節すべく触媒のナノ粒子をガラス球体に付着することによって得られる。

    ガラスマイクロ球体の顔料キャリアとしての使用は、またナノ顔料に従来欠けていたであろう特性を与える。 ガラス球体キャリアは、多くの場合、ガラス球体自体の特性として知られている、より硬くて強い顔料を提供し、ある塗料又はコーティング中での顔料の流動性すなわちディスパージョンを補助し、熱の赤外線反射などの特性を与える。

    顔料としての用途におけるナノ粒子の一般的なカテゴリに加えて、他の重要な用途があり、そこではガラス、セラミック又はプラスチックマイクロ球体は他の金属酸化物用の搬送機構として使用され得る。 無機化合物フィルム、及びプラチナやニッケル酸化物などの埋め込まれたナノサイズ金属酸化物を伴うガラスマイクロ球体のコーティング剤又は表面処理は、自動車に採用されている現状の触媒変換技術に優って顕著なコスト及び重量の面の利点を提供する。 フィルムは少なくとも500℃までの温度において安定であるので、それは過酷な化学処理環境において使用可能である。

    実験例 実験例1. チタニウム四塩化物の調製 十分な量の濃縮されたHClが蒸留水に混合されて2規定のHCl溶液を作成する。 温度を5℃まで下げる。

    5℃における25mlのチタニウム四塩化物の100%溶液、1リットル当たり43.15グラムすなわち0.2274モルのTiCl 4のTiCl 4の溶液の添加に等しい、を2規定のHCl溶液の水1リットル毎に添加する。 この低温によって副反応若しくは過度に活発な反応を生じることなくチタニウム四塩化物が加水分解して水に溶解するのが可能となる。 温度が高すぎると不透明な材料を生成し、次に処理工程に干渉する。

    TiCl 4のHClに対する割合は好ましくはHCl約9部に対してTiCl 4 1部である。 TiCl 4をより高濃度にすることは可能であるが、HClの規定度も同様に増加しなければならず、中和工程の際、これはより多くのNH 4 Clを生成し、生成したNH 4 Clはデカントまたは遠心分離によって除去されなければならない。 塩化物イオンを溶液で0.05%を下回るように減少することが重要であり、ここでバインダは光触媒部分と共に使用されることが企図されている。

    実験例2. チタニウム水酸化物の調製 反応物質を5℃の温度に維持し、十分な量の2規定アンモニウム水酸化物を徐々にHCl/TiCl 4溶液に添加して2規定のHClから及びTiCl 4の0.2274モルからの酸を中和し、これによってHCl溶液から存在するHClに加えて1リットル当たり0.9097モルの酸を生成する。

    結果として、白色沈殿ゾルの形態のチタニウム水酸化物が生成される。 このゾルは、モー(Mohr)法(硝酸銀滴定)によって測定される塩素パーセントが溶液に対して0.05重量%を下回るまで分離用ファンネル内で繰り返し洗浄される(デカントされる)。

    塩化物の含有量が0.05%レベルに近づくと、溶液は塩化物のない溶液中でTi(OH) 4が再溶解することによって白濁し始める。

    高レベルの塩化物イオンはTi(OH) 4が水中で再溶解するのを防止する。 溶液中でのアンモニウム塩化物イオンのTi(OH) 4分子との競合平衡によって反応を推進し、Ti(OH) 4の再溶解が防止される。

    生成されたTi(OH) 4は乾燥されて重量が測定される。 1リットル当たり43.15グラムで当初存在していたTiCl 4から1リットル当たり26.35グラムの収率でTi(OH) 4が回収される。

    実験例3. TPAの調製
    30パーセントの過酸化水素溶液が5℃に冷却され、0.05 %より低い塩化物イオンを含む冷却したTi(OH) 4の溶液に15分に亘って1滴おきに添加される。

    添加された過酸化水素の総量は存在するチタニウム水酸化物のモル量、すなわち、0.9097モル/Lの4倍に等しく、リットル当たり30.92グラムの100%過酸化水素に等しい。 30パーセント濃度においては、これはTi(OH) 4溶液の1リットル当たり106.25グラムのH 2 O 2である。

    H 2 O 2とTi(OH) 4との反応はTPAを生成する。 濃度を下げる十分な蒸留水を添加することによって1リットル当たり20.45グラムにまでTPAの濃度を減少し、これは1リットル当たり0.1574モルのTPAに等しく、溶液に対して2.045重量%のTPA濃度に等しく、これは過マンガン酸塩に対する滴定によって測定される。

    実験例4. 無色透明なバインダ溶液の調製 実験例3で生成されたTPAであって、当初濃度は2.045%であって、希釈されて0.65%の濃度にしたもの(過酸化物含有量は0.327%)を100℃の温度に3時間に亘って加熱する。 当該溶液をその後室温で1時間冷却し沸点まで加熱する。 加熱は更に2時間続けられ、その後製品は再度室温で1時間に亘って冷却されて再度沸点まで三度目の加熱が行なわれる。

    冷却後、最終過酸化物の含有量を過マンガン酸塩に対して滴定することによって測定し、未反応過マンガン酸塩に起因する永久的な紫色の終点によって示される消費した過マンガン酸塩を計算することによって過酸化物の量が測定される。 最終過酸化物の濃度は0.15%だった。

    実験例5. 光触媒の無色透明なバインダ溶液の調製。

    0.65wt%の濃度に希釈された[0.327%の過酸化物]実験例3において生成されたTPAは、3時間に亘って100℃に加熱され1時間に亘って室温で冷却され、その後2時間に亘って沸騰され再度1時間に亘って室温で冷却される。 過酸化物の含有量が0.10%に到達するまで三度目の沸点への加熱が行なわれる。 最終過酸化物の含有量が過マンガン酸塩に対して滴定することによって測定され、過酸化物の量が消費した過マンガン酸塩の量を計算することによって測定される。 最終過酸化物の濃度は合計溶液の0.11重量%の間であった。 溶液は外観が透明で無色であった。

    コーティングされた基体を調製する例示としての技法は以下の通りである。

    実験例6. コーティングされたマイクロ球体の調製 標準屈折率液を使用して測定した屈折率は1.54であり、4から20ミクロンの間の直径を有するポッタースインダストリーズ社(Potters Industries, Inc)から購入可能なソーダ石灰ガラス球体(PS1011)を、マグネチックスターラ及び加熱マンテルを備えたビーカ内に設置することによってコーティング用に準備する。 当該球体の分布曲線はガウス曲線であり、正規分布曲線として説明される。

    該ビーズをその重量の約15 %のイソプロピルアルコールによって洗浄し、アルコールを除去する。 洗浄されたビーズの100グラム及び153.84グラムの実験例4の溶液がコーティング容器内のガラスに添加される。 バッチ攪拌を使用してビーズを常時攪拌して混合する。

    ビーズの濡れを補助すべく、ガラスビーズの20重量%のイソプロパノール及びバインダ溶液の5重量%に等しい量の湿潤剤、ポリエチレン酸化物シラン、をコーティング容器内のビーズに添加した。

    ビーズは約3時間に亘って80℃の温度に加熱されて液体を蒸発する。 コーティングされたビーズは乾燥したとき容器から取り除かれる。 自由に流動するコーティングされたビーズの屈折率が上記にて特定した方法によって測定され、それは少なくとも2.0であった。

    実験例7. 代替乾燥技術 真空蒸留を使用して真空において沸点を下げた低温を使用する代替乾燥技術以外は実験例4の手続が行われた。 ビーズは0.6気圧の圧力及び約80℃の温度で乾燥するまで約1時間真空チャンバ内で加熱され、液体を蒸発する。

    透明で無色粘着フィルムを含むコーティングされたビーズが、乾燥されたときに容器から取り除かれる。 自由に流動するコーティングされたビーズの屈折率が上記にて特定した方法によって測定され、それは少なくとも2.0であった。

    実験例8. 基体上の無色の無機化合物フィルムの調製
    5" × 5"の板状のガラスがイソプロパノールによって洗浄されてごみが取り除かれてガラス表面が清浄化される。 黒色のフリクションテープ(electrical tape)を縁部の周りに設置して液体バインダ溶液用の容器を形成する。 実験例4の約10mlの液体バインダがガラス上に設置されて液体が表面全体に広げられる。 ガラス板はその後セラミック加熱器上に設置されて水の蒸発が行なわれる。 アモルファス酸化チタンのフィルムが形成される。 フィルムは透明で無色でガラスに粘着した。

    実験例9. 基体上の無色の触媒フィルムの調製 数枚の5" × 5"の板状ガラスをイソプロパノールによって洗浄してごみを取り除いてガラス表面が清浄化される。 黒色のフリクションテープが各縁部の周りに設置されて、実験例5において過酸化物の含有量が0.110%から0.08%を有する液体バインダ溶液用の容器を形成する。 約5mlのバインダ溶液がガラス上に設置されて該液体はガラス表面全体に広げられる。 ガラス板はその後セラミック加熱器上に設置されて水の蒸発が行なわれる。 アモルファスフィルムがガラス表面を覆った。 フィルムは透明で無色でガラスに粘着した。

    コーティングの光触媒活性を測定するため、感光性染料がコーティングされた表面上にブラッシングされ乾燥された。 比較のため、同様な染料が普通のガラス板上にブラッシングされた。 染色された板と対照の板が1)15ワットの紫外光源の下、又は2)太陽光のいずれかに設置された。

    太陽光では、コーティングされたガラス板上の色が2時間以内に消滅した。 ガラス板上にコーティング剤がないものは(対照の板) 、色はややぼやけるのですらより長い時間かかった。

    15ワットの紫外光源の下ではコーティングされたガラス板の色は約12時間以内に消滅した。 コーティングのない板は全く影響されなかった。

    実験例10. ナノ粒子(若しくはより大きな粒子)を基体に結合する粘着剤としてのフィルムの使用
    500と1000ミクロンとの間に直径を有するガラスビーズの1キログラムが水によって洗浄された。 当該ガラスビーズはその後200グラムのイソプロパノール及び0.50グラムのポリエチレン酸化物シランと混合された。 1538.46グラムの実験例4の溶液がかかるビーズ混合物に添加された。

    白色不透明コーティングを提供する際に使用するルチル顔料の100グラムが攪拌しながら溶液に添加された。 約65℃に昇温すべく加熱する際には混合羽根は連続してバッチを攪拌し、よって水が蒸発せしめられる。 水が蒸発すると、ルチル顔料が粘着した薄い透明な清澄コーティングがガラス球体の表面に現れた。

    有色素のガラス球体が乾燥皿上に広げられ、約3時間に亘って100℃においてオーブン内に設置された。 乾燥時間の後、粘着した顔料を伴うビーズはオーブンから取り出され、冷却され、パッケージ化され、そして貯蔵された。

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