媒体処理装置、画像形成装置および媒体排出機構

申请号 JP2013134679 申请日 2013-06-27 公开(公告)号 JP5834049B2 公开(公告)日 2015-12-16
申请人 株式会社沖データ; 发明人 大崎 功二;
摘要
权利要求

媒体を排出する正方向と、その反対の逆方向に回転可能な駆動ローラと、 前記駆動ローラに圧接するように付勢され、前記駆動ローラに追従して回転する従動ローラと を有する排出部と、 前記排出部から排出された前記媒体を積載する積載部と を備え、 前記従動ローラは、前記駆動ローラの下方に配置され、 前記従動ローラは、前記駆動ローラの前記正方向および前記逆方向の回転に伴って、前記駆動ローラの回転方向に変位可能に支持され、 前記駆動ローラが前記正方向に回転しているときには、前記従動ローラは、前記積載部側に突出した第1の位置にあり、 前記駆動ローラが前記逆方向に回転しているときには、前記従動ローラは、前記第1の位置から退避した第2の位置にあり、 前記積載部は、前記排出部と前記積載部との境界をなす壁部を有し、 前記従動ローラは、前記第1の位置では、前記壁部よりも前記積載部側に突出し、前記第2の位置では、前記壁部よりも前記排出部内に退避していること を特徴とする媒体処理装置。前記壁部の高さは、前記従動ローラの回転中心よりも高く、且つ、前記駆動ローラと前記従動ローラとのニップ部よりも低いことを特徴とする請求項1に記載の媒体処理装置。前記従動ローラを回転可能に支持する支軸と、 前記支軸の移動範囲を規制するガイド部と をさらに備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の媒体処理装置。前記ガイド部は、前記駆動ローラの前記従動ローラとのニップ部での接線方向において、前記支軸の移動可能範囲の両端位置を規制することを特徴とする請求項3に記載の媒体処理装置。前記従動ローラを前記駆動ローラに対して圧接する方向に付勢する付勢部材をさらに備え、 前記支軸は、前記付勢部材と当接する部分に平坦面を有することを特徴とする請求項3または4に記載の媒体処理装置。前記従動ローラは、前記駆動ローラが前記正方向に回転するときには、前記駆動ローラに追従して回転し、前記駆動ローラが前記逆方向に回転するときには回転しないよう構成されていることを特徴とする請求項1から5までの何れか1項に記載の媒体処理装置。前記従動ローラは、支軸に対してワンウェイ軸受を介して取り付けられていることを特徴とする請求項6に記載の媒体処理装置。前記積載部に積載された前記媒体の高さを検出する積載検出部をさらに備えたことを特徴とする請求項1から7までの何れか1項に記載の媒体処理装置。前記媒体に対する処理を制御する制御部を備え、 前記制御部は、前記積載検出部により前記積載部に積載された前記媒体の高さが所定の高さに達したことが検出された場合に、新たなジョブを受け付けないように制御すること を特徴とする請求項8に記載の媒体処理装置。前記媒体に画像を形成する画像形成部と、 画像が形成された前記媒体を排出して積載する、請求項1から9までの何れか1項に記載の媒体処理装置と を備えたことを特徴とする画像形成装置。媒体を排出する正方向と、その反対の逆方向に回転可能な駆動ローラと、 前記駆動ローラに圧接するように付勢され、前記駆動ローラに追従して回転する従動ローラと を有する排出部と、 前記排出部から排出された前記媒体を積載する積載部と を備え、 前記従動ローラは、前記駆動ローラの下方に配置され、 前記従動ローラは、前記駆動ローラの前記正方向および前記逆方向の回転に伴って、前記駆動ローラの回転方向に変位可能に支持され、 前記駆動ローラが前記正方向に回転しているときには、前記従動ローラは、前記積載部側に突出した第1の位置にあり、 前記駆動ローラが前記逆方向に回転しているときには、前記従動ローラは、前記第1の位置から退避した第2の位置にあり、 前記積載部は、前記排出部と前記積載部との境界をなす壁部を有し、 前記従動ローラは、前記第1の位置では、前記壁部よりも前記積載部側に突出し、前記第2の位置では、前記壁部よりも前記排出部内に退避していること を特徴とする媒体排出機構。

说明书全文

本発明は、媒体に画像を形成する画像形成装置など、媒体に所定の処理を行う媒体処理装置に関する。また、本発明は、媒体を排出する媒体排出機構に関する。

プリンタや複写機などの画像形成装置では、給紙トレイから給紙した媒体(用紙)をレジストローラによって画像形成部に搬送し、トナー像を媒体に転写する。そして、定着部でトナー像を媒体に定着したのち、排出ローラによって当該媒体を排紙トレイに排出する。

このように構成された画像形成装置が両面印刷を行う場合には、排出ローラが媒体を途中まで排出した時点で、排出ローラを逆方向に回転させる。その後、所定の再搬送路(両面印刷用搬送路)に沿って媒体を引き戻し、表裏を反転させた状態で媒体を上記のレジストローラに送る。レジストローラは、媒体を再び画像形成部に搬送し、画像形成部では媒体の裏面にトナー像を転写する。そして、定着部でトナー像を媒体に定着し、排出ローラによって当該媒体を排紙トレイに排出する(例えば、特許文献1,2参照)。

特開2008−19080号公報(段落0035〜0036、図1参照)

特開2010−159142号公報(段落0041〜0043、図1参照)

しかしながら、従来の構成では、排紙トレイに積載された媒体の枚数が増加すると、積載された媒体の後端が排出ローラに接触する可能性がある。そのため、排出ローラが上記のように逆方向に回転すると、排紙トレイに積載された媒体が排出ローラによって引き込まれ、媒体のジャム(詰まり)が発生する可能性がある。

本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、媒体のジャムを防止することができる媒体処理装置、画像形成装置および媒体排出機構を提供することを目的とする。

本発明に係る媒体処理装置は、媒体を排出する正方向と、その反対の逆方向に回転可能な駆動ローラと、駆動ローラに圧接するように付勢され、駆動ローラに追従して回転する従動ローラとを有する排出部と、排出部から排出された媒体を積載する積載部とを備える。従動ローラは、駆動ローラの下方に配置されている。従動ローラは、駆動ローラの正方向および逆方向の回転に伴って、駆動ローラの回転方向に変位可能に支持されている。駆動ローラが正方向に回転しているときには、従動ローラは、積載部側に突出した第1の位置にある。駆動ローラが逆方向に回転しているときには、従動ローラは、第1の位置から退避した第2の位置にある。積載部は、排出部と前記積載部との境界をなす壁部を有する。従動ローラは、第1の位置では、壁部よりも積載部側に突出し、第2の位置では、壁部よりも排出部内に退避している。

本発明に係る画像形成装置は、媒体に画像を形成する画像形成部と、画像が形成された媒体を排出して積載する上記の媒体処理装置とを備える。

本発明に係る媒体排出機構は、媒体を排出する正方向と、その反対の逆方向に回転可能な駆動ローラと、駆動ローラに圧接するように付勢され、駆動ローラに追従して回転する従動ローラとを有する排出部と、排出部から排出された媒体を積載する積載部とを備える。従動ローラは、駆動ローラの下方に配置されている。従動ローラは、駆動ローラの正方向および逆方向の回転に伴って、駆動ローラの回転方向に変位可能に支持されている。駆動ローラが正方向に回転しているときには、従動ローラは、積載部側に突出した第1の位置にある。駆動ローラが逆方向に回転しているときには、従動ローラは、第1の位置から退避した第2の位置にある。積載部は、排出部と前記積載部との境界をなす壁部を有する。従動ローラは、第1の位置では、壁部よりも積載部側に突出し、第2の位置では、壁部よりも排出部内に退避している。

本発明によれば、駆動ローラが逆方向に回転しているときには、従動ローラが退避した位置にあるため、積載部に積載された媒体が従動ローラに接触することが防止される。そのため、積載部に積載された媒体が、従動ローラによって排紙部に引き込まれることが防止される。これにより、媒体のジャムを防止することができる。

本発明の第1の実施の形態のプリンタの基本構成を示す図である。

第1の実施の形態のプリンタの排出部を示す斜視図である。

第1の実施の形態のピンチローラおよびその支持部分を示す斜視図である。

第1の実施の形態の定着部、排出部および積載部を示す図である。

第1の実施の形態のプリンタの制御系を示すブロック図である。

第1の実施の形態のプリンタにおける媒体の排出動作を説明するための模式図である。

第1の実施の形態のプリンタにおける媒体の引き戻し動作を説明するための模式図である。

第1の実施の形態のプリンタにおいて、積載部に積載された媒体の高さが高い場合の引き戻し動作を説明するための模式図である。

比較例のプリンタにおける媒体の排出動作を説明するための模式図である。

比較例のプリンタにおける媒体の引き戻し動作を説明するための模式図である。

本発明の第2の実施の形態のピンチローラの構成を示す側面図(A)および部分断面図(B)である。

第2の実施の形態のプリンタにおける媒体の引き戻し動作を説明するための模式図である。

第1の実施の形態. <プリンタの構成> 本発明の第1の実施の形態における画像形成装置(媒体処理装置)としてのプリンタ1について説明する。図1は、プリンタ1の基本構成を示す図である。プリンタ1は、印刷用紙などの媒体2を収容して一枚ずつ給紙する給紙部(媒体供給部)3と、給紙部3から給紙された媒体2に画像を形成する画像形成部7と、媒体2に形成された画像を定着する定着部8と、画像が定着された媒体2を排出する排出部(媒体排出機構)15と、これらを収容する筐体11とを備えている。筐体11の上側には、開閉可能なトップカバー12が設けられている。

給紙部3は、プリンタ1の下部に着脱可能に装着され、媒体2が積載された給紙カセット3Aを有している。給紙部3は、さらに、給紙カセット3Aの上側に配置されたピックアップローラ31と、ピックアップローラ31に隣接して配置されたローラ対である給紙ローラ32およびリタードローラ33とを備えている。

ピックアップローラ31は、給紙カセット3Aに積載された媒体2の表面に当接するように配置されている。ピックアップローラ31が回転することにより、媒体2を一枚ずつ給紙カセット3Aから引き出す。給紙ローラ32は、ピックアップローラ31によって引き出された媒体2を、供給搬送路4aに送り出す。また、リタードローラ33は、トルクリミッタを内蔵し、給紙ローラ32によって搬送される媒体2を一枚ずつに分離する。

供給搬送路4aに沿って、搬送ローラ対5および搬送ローラ対6が配置されている。搬送ローラ対5は、給紙ローラ32によって供給搬送路4aに送り出された媒体2を、供給搬送路4aに沿ってさらに搬送する。搬送ローラ対6は、画像形成部7の近傍に配置され、搬送ローラ対5から搬送された媒体2を画像形成部7に搬送する。

画像形成部7は、一方向(図中時計回り)に回転可能な像担持体としての感光体ドラム71を備えている。感光体ドラム71の回転方向に沿って、帯電部材としての帯電ローラ72と、露光部としての記録ヘッド73と、現像剤担持体としての現像ローラ74と、転写部材としての転写ローラ75とが配置されている。搬送ローラ対6から搬送された媒体2は、感光体ドラム71と転写ローラ75との間を通る搬送路(画像形成搬送路)4bを通って搬送される。

感光体ドラム71は、表面に感光層を備えた略円筒状の部材である。帯電ローラ72は、感光体ドラム71の表面を一様に帯電させる。記録ヘッド73は、例えばLED(発光ダイオード)を有し、感光体ドラム71の表面にイメージデータに応じて光を照射し、静電潜像を形成する。現像ローラ74は、その外周面にトナー(現像剤)を保持し、感光体ドラム71上の静電潜像を現像する。転写ローラ75は、感光体ドラム71上のトナー像(現像剤像)を、感光体ドラム71と転写ローラ75との間を通過する媒体2に転写する。

定着部8は、画像形成部7で媒体2に転写されたトナー像を、媒体2に定着させるものである。定着部8は、定着ローラ(加熱ローラ)81と、この定着ローラ81に圧接される加圧ローラ82を備えている。定着ローラ81は、熱源である定着ヒータ83を内蔵している。定着ローラ81および加圧ローラ82は、両者の間に形成されるニップ部で媒体2に熱と圧を加え、トナー像を溶融させて媒体2に定着させる。なお、画像形成部7および定着部8は、媒体に対して所定の処理(ここでは画像形成)を行う処理部を構成している。

排出部15(媒体排出機構)は、定着部8でトナー像が定着された媒体2を、搬送路(排出搬送路)4cに沿って搬送し、排出口19からプリンタ1外に排出するものである。排出部15は、定着部8から排出された媒体2を上方に向けて搬送する搬送ローラ対13と、搬送ローラ対13により搬送されてきた媒体2を排出口19から外部に排出する排出ローラ対14とを備えている。排出ローラ対14は、排出ローラ20とピンチローラ22とを有している。

排出部15に隣接して、排出部15から排出された媒体2を積載する積載部16(排紙トレイ)が設けられている。ここでは、積載部16は、プリンタ1のトップカバー12の上面に形成されている。

積載部16に積載された媒体2aの高さを検出するため、排出部15には、スタッカフルセンサ18(積載検出部)が備えられている。スタッカフルセンサ18は、トップカバー12の一部に揺動可能に取り付けられたレバー部18a(可動体)と、レバー部18aの度を検出するセンサ部18b(検知部)とを備えている。

本実施の形態のプリンタ1は、媒体2の両面印刷が可能に構成されている。そのため、プリンタ1は、定着部8から排出された媒体2を再び搬送ローラ対6まで導く再搬送路(両面印刷用搬送路)9を備えている。再搬送路9は、排出搬送路4cから分岐し、定着部8および画像形成部7の下方を通り、搬送ローラ対6の上流側で供給搬送路4aに合流している。

より具体的には、再搬送路9は、トナー像の定着した媒体2が排出ローラ20の逆方向回転によって送り込まれる導入部9aと、導入部9aから送り込まれた媒体2が搬送される帰還部9bと、帰還部9bに沿って搬送された媒体2が搬送ローラ対6に向かう合流部9cとを有している。

再搬送路9の帰還部9bは、プリンタ1に着脱可能に取り付けられた再搬送トレイ10の内部に、ほぼ平な搬送路として形成されている。再搬送トレイ10には、媒体2を帰還部9bに沿って搬送するための再搬送ローラ対91,92が設けられている。

再搬送路9の導入部9aと排出搬送路4cとが繋がる部分(分岐部B)には、媒体2を再搬送路9の導入部9aに案内する弾性部材としてのフィルム26(後述する図4)が設けられている。

プリンタ1は、排出搬送路4cに沿って搬送されている媒体2の後端部がフィルム26を通過した時点で、排出ローラ20を逆方向に回転させることにより、媒体2を再搬送路9(導入部9a)に送り込むように構成されている。再搬送路9の導入部9aから送り込まれた媒体2は、再搬送ローラ対91,92により帰還部9bに沿って搬送され、合流部9cを経て、表裏を反転させて搬送ローラ対6に達する。これにより、媒体2の裏面へのトナー像の形成が可能となる。

画像形成搬送路4b(画像形成部7および定着部8を通る搬送路)において、搬送ローラ対6の上流側と下流側には、媒体2の通過を検出する通過センサS1,S2が配置されている。また、排出搬送路4c(定着部8から排出部15までの搬送路)において、定着部8と搬送ローラ対13との間には、通過センサS3が配置されている。

通過センサS1は、搬送ローラ対6の回転開始タイミングを決定するために用いられる。通過センサS2は、画像形成部7の記録ヘッド73の露光タイミングを決定するために用いられる。通過センサS3は、両面印刷のために排出ローラ20の逆方向回転を開始するタイミングを決定するために用いられる。

<排出部の構成> 図2は、本実施の形態における排出部15を、積載部16の側から見た斜視図である。排出部15と積載部16とは、壁部17により隔てられている。壁部17には、媒体2を排出するための排出口19が形成されている。ここでは、壁部17は、プリンタ1のトップカバー12の一部として形成されている。

積載部16の底面は、壁部17から離れるほど高さが高くなる傾斜を有している。そのため、排出口19から排出された媒体2は、壁部17側に滑りながら積載される。すなわち、媒体2は、後端が壁部17に接するように整列されて積載される。

排出口19の近傍には、媒体2を排出口19から積載部16に排出する排出ローラ対14が配置されている。排出ローラ対14は、駆動ローラとしての排出ローラ20と、従動ローラとしてのピンチローラ22とを有している。排出ローラ20は上側に配置され、ピンチローラ22は下側に配置されている。排出ローラ20およびピンチローラ22は、媒体2の幅方向(すなわち排出搬送路4cの幅方向)の回転軸を中心として回転可能に支持されている。

排出ローラ20は、摩擦係数の大きい材料、例えば摩擦係数μ=3であるような材料で構成された円筒状の部材である。排出ローラ20は、回転駆動軸21に固定され、回転駆動軸21と共に回転する。排出ローラ20の回転中心20aは、回転駆動軸21の回転中心21aと一致している。

回転駆動軸21の一端には、後述する排出モータ123からの駆動力が伝達される。排出モータ123の駆動力によって回転駆動軸21が回転し、回転駆動軸21と共に排出ローラ20も回転する。なお、図2に示した例では、回転駆動軸21に2つの排出ローラ20が取り付けられているが、排出ローラ20の数は2つに限定されるものではなく、1つでも3つ以上でもよい。

ピンチローラ22は、排出ローラ20よりも摩擦係数の小さい材料、例えば摩擦係数μ=0.3であるような材料で構成された円筒状の部材である。ピンチローラ22は、支軸23の外周に回転可能に取り付けられている。支軸23は、例えば金属製のシャフトである。ピンチローラ22の回転中心は、支軸23の軸中心と一致している。

ピンチローラ22は、後述するスプリング24の付勢力によって排出ローラ20に圧接されており、ピンチローラ22と排出ローラ20との間にニップ部29を形成している。ここでは、2つのピンチローラ22が、排出ローラ20に対向するように設けられている。なお、ピンチローラ22の数は2つに限定されるものではなく、排出ローラ20の数に応じて決定される。

図3は、ピンチローラ22とその支持部分を拡大して示す斜視図である。ピンチローラ22の軸方向両側に位置するように、支持部材としての支持板35が形成されている。支持板35は、例えばトップカバー12の一部として形成されている。

各支持板35には、支軸23の両端部が挿通されるガイド溝25(ガイド部)が形成されている。各ガイド溝25は、排出ローラ20のニップ部29での接線方向に、長さを有している。ガイド溝25は、排出ローラ20のニップ部29での接線方向(すなわち、媒体2の排出方向および引き戻し方向)における支軸23の移動範囲を規制する。

ガイド溝25の長手方向の両端部のうち、媒体2の排出方向(矢印Aで示す方向)の端部を「外側端部25a」と称し、その反対方向の端部を「内側端部25b」と称する。

なお、図3では、ガイド溝25は略円弧状であるが、これに限定されるものではない。ガイド溝25は、支軸23の上述した移動範囲を規制できる形状であれば、例えば略長方形状であってもよい。

支軸23の両端部には、外周面(円筒面)の一部を平坦面としたDカット部23aが設けられている。各支持板35には、付勢部材としてのスプリング24が設けられている。スプリング24は、例えばトーションスプリングであり、支持板35に設けられたピン35aに巻き付けられた巻き付け部と、その両端の一対のアーム部とを有している。

スプリング24の一方のアーム部は、支持板35に設けられたピン35bに当接している。スプリング24の他方のアーム部は、支軸23のDカット部23aの平坦面に当接している。これにより、スプリング24は、支軸23を上方(すなわち排出ローラ20側)に付勢する。すなわち、支軸23に取り付けられたピンチローラ22は、常に、排出ローラ20に圧接された状態となる。

ピンチローラ22は、支軸23に固定されておらず、支軸23との間で僅かな摩擦力を発生させながら相対回転可能である。排出ローラ20が回転すると、ピンチローラ22は、排出ローラ20(あるいはニップ部29の媒体2)との摩擦力により、排出ローラ20に追従して回転する。

図4は、定着部8、排出部15および積載部16を示す図である。排出ローラ20が媒体2を排出する方向(図中反時計回り方向)に回転しているときには、ピンチローラ22は、排出ローラ20に追従して回転すると共に、後述するように排出ローラ20の回転方向に変位し、支軸23はガイド溝25内を移動する。支軸23がガイド溝25の外側端部25aに当接したときには、ピンチローラ22は、外周面の一部を排出口19(壁部17)から積載部16側に突出させた位置(第1の位置)にある。

一方、排出ローラ20が逆方向(図中時計回り方向)に回転しているときには、ピンチローラ22は、排出ローラ20に追従して回転すると共に、排出ローラ20の回転方向に変位し、支軸23はガイド溝25内を移動する。支軸23がガイド溝25の内側端部25bに当接したときには、ピンチローラ22は、排出口19から排出部15内に退避した位置(第2の位置)にある。

排出ローラ対14と搬送ローラ対13との間の排出搬送路4cは、再搬送路9との分岐部Bを境にして、搬送ローラ対13側の第1搬送路41と、排出ローラ対14側の第2搬送路42とに分けられる。

上述したフィルム26(ガイド部材)は、排出搬送路4cの第1搬送路41と再搬送路9の導入部9aとが合流する部分に設けられている。より具体的には、フィルム26は、再搬送路9の導入部9aの内面に固定されると共に、排出搬送路4c内に突出している。また、フィルム26は、例えばPET(ポリエチレンテレフタレート)等の弾性材料で構成され、厚さは0.2mm程度であり、可撓性を有している。

フィルム26の張り出し方向と、搬送ローラ対13を通過した媒体2の搬送方向とのなす角は、鋭角である。そのため、フィルム26は、搬送ローラ対13を通過した媒体2に当接すると、媒体2に付勢されて変形する(図6参照)。すなわち、搬送ローラ対13を通過した媒体2は、フィルム26を押しのけて排出搬送路4c内を搬送される。

<プリンタの制御系> 図5は、プリンタ1の制御系を示すブロック図である。プリンタ1は、マイクロプロセッサ、ROM、RAM、入出力ポート、タイマ等によって構成される制御部100を有している。制御部100は、上位装置から印刷データおよび制御コマンドを受信し、プリンタ1の全体を制御し、印刷動作を行う。

プリンタ1は、さらに、I/F制御部101、受信メモリ102、画データ編集メモリ103および表示部104を有している。

I/F制御部101は、上位装置(例えばパーソナルコンピュータ)から入力されたコマンドを解析し、データを処理する。受信メモリ102は、I/F制御部101を介して上位装置から入力されたデータを格納する。画データ編集メモリ103は、I/F制御部101を介して上位装置から入力され、受信メモリ102に一時的に格納された印刷データを受け取り、その印刷データをイメージデータとして編集し、格納する。表示部104は、例えば液晶表示部に、プリンタ1の状態に関する情報を表示する。

また、制御部100には、上述した通過センサS1〜S3およびスタッカフルセンサ18からの出力信号が入力される。

プリンタ1は、さらに、帯電電圧制御部110と、記録ヘッド制御部111と、現像電圧制御部112と、転写電圧制御部113と、IDモータ制御部114と、搬送モータ制御部115と、排出モータ制御部116と、定着制御部117とを有している。

帯電電圧制御部110は、帯電電圧電源118から帯電ローラ72に供給する帯電電圧を制御する。記録ヘッド制御部111は、イメージデータに基づいて記録ヘッド73を発光させる制御を行う。

現像電圧制御部112は、現像電圧電源119から現像ローラ74に供給する現像電圧を制御する。転写電圧制御部113は、転写電圧電源120から転写ローラ75に供給する転写電圧を制御する。

IDモータ制御部114は、感光体ドラム71等を回転させるためのIDモータ121を制御する。なお、画像形成部7の各ローラのうち、帯電ローラ72、現像ローラ74および転写ローラ75は感光体ドラム71に追従して回転する。

搬送モータ制御部115は、媒体2を搬送する各ローラ(回転方向が一定のもの)を回転させる搬送モータ122を制御する。搬送モータ122は、ピックアップローラ31、給紙ローラ32、搬送ローラ対5,6、定着ローラ81、搬送ローラ対13および再搬送ローラ対91,92を回転させる。

排出モータ制御部116は、媒体2を排出し、また両面印刷に備えて引き戻す排出ローラ20を回転させる排出モータ123を制御する。排出ローラ20の回転方向(すなわち排出モータ123の回転方向)は、媒体2を排出するときの回転方向を正方向(順方向)とし、媒体2を引き戻すときの回転方向を逆方向とする。

定着制御部117は、定着部8に備えられたサーミスタ125(温度検出部)によって検出された定着ローラ81の表面温度に基づき、定着ローラ81に内蔵された定着ヒータ83を加熱制御する。

<プリンタの全体動作> プリンタ1の基本動作について説明する。まず、片面印刷の動作について説明する。制御部100は、I/F制御部101を介して上位装置から送信された制御コマンドおよび印刷データを受信すると、搬送モータ122を駆動してピックアップローラ31および給紙ローラ32を回転させて、給紙カセット3A内の媒体2を一枚ずつ供給搬送路4aに送り出す。さらに、搬送ローラ対5,6を回転させて、媒体2を画像形成部7に搬送する。

制御部100は、また、IDモータ121を駆動して感光体ドラム71および現像ローラ74を回転させる。これに伴い、帯電ローラ72および転写ローラ75も、感光体ドラム71に追従して回転する。

帯電ローラ72には、帯電電圧が印可され、感光体ドラム71の表面を一様に帯電させる。記録ヘッド73は、通過センサS2が媒体2の先端を検知したタイミングで駆動され、感光体ドラム71の表面に光を照射して静電潜像を形成する。現像ローラ74には、現像電圧が印可され、感光体ドラム71の表面の静電潜像をトナーにより現像する。また、媒体2が感光体ドラム71と転写ローラ75とのニップ部に到達するタイミングで、転写ローラ75に転写電圧が印可され、感光体ドラム71の表面のトナー像を媒体2に転写する。

画像形成部7でトナー像が転写された媒体2は、転写ローラ75の回転より定着部8に搬送される。定着部8では、定着ローラ81および加圧ローラ82が、加熱および加圧によりトナー像を媒体2に定着する。トナー像が定着された媒体2は、定着ローラ81の回転によって定着部8から排出され、搬送ローラ対13に達する。

搬送ローラ対13は既に回転しており、定着部8から排出された媒体2を排出搬送路4cに搬送する。搬送ローラ対13によって搬送される媒体2は、フィルム26(図4)を押しのけて進み、排出搬送路4c内を搬送される。

排出ローラ対14は、排出モータ制御部116により、通過センサS3が媒体2の先端を検知したタイミングで回転を開始している。排出ローラ対14は、搬送ローラ対13から搬送されてきた媒体2を、排出口19から排出する。排出口19から排出された媒体2は、積載部16に載置される。これにより、片面印刷動作が完了する。

一方、両面印刷動作の場合には、媒体2の後端がフィルム26(図4)を通過したタイミングで、排出モータ制御部116が排出モータ123の回転方向を反転させ、これにより排出ローラ対14が逆方向に回転する。なお、排出ローラ対14の逆方向回転を開始するタイミングは、例えば、通過センサS3が媒体2の後端を検知した時点からの経過時間をカウントすることにより決定する。排出ローラ対14が逆方向回転を開始した時点で、媒体2の先端は排出口19から外部に突出している。

排出ローラ対14が逆方向回転を開始すると、媒体2が排出搬送路4c内を引き戻され、排出搬送路4c内に張り出しているフィルム26に当接して、再搬送路9の導入部9aに送り込まれる。

媒体2が再搬送路9に送り込まれると、媒体2の後端が排出ローラ対14を通過する前に、媒体2の先端が再搬送ローラ対91に到達する。再搬送ローラ対91,92は、搬送モータ122によって既に回転しており、媒体2を再搬送路9に沿って搬送する。

そして、再搬送路9を搬送されてきた媒体2は、表裏が反転された状態で搬送ローラ対6に到達する。搬送ローラ対6は、媒体2を画像形成部7に搬送する。画像形成部7では、上述したように感光体ドラム71上にトナー像を形成し、媒体2の裏面に転写する。

その後、定着部8がトナー像を媒体2に定着し、搬送ローラ対13が媒体2を排出搬送路4cに沿って搬送する。搬送ローラ対14の駆動ローラ20は、通過センサS3が媒体2の先端を検知したタイミングで正方向に回転を開始しており、搬送ローラ対13から搬送されてきた媒体2を、排出口19から排出する。排出口19から排出された媒体2は、積載部16に載置される。これにより、両面印刷動作が完了する。

<排出部の動作> 次に、本実施の形態の排出部15の動作について説明する。図6は、排出部15から媒体2が排出され、積載部16に積載される状態を示す図である。上記のとおり、定着部8でトナー像が定着した媒体2は、搬送ローラ対13によって搬送され、フィルム26を押しのけて排出搬送路4cを進み、排出ローラ対14に到達する。

排出ローラ対14の排出ローラ20は、媒体2を排出する際には、上述した排出モータ123によって正方向(図中反時計回り)に回転する。ピンチローラ22は、スプリング24の付勢力によって排出ローラ20に圧接されているため、排出ローラ20の回転に追従して回転する。また、ピンチローラ22と支軸23との間には僅かな摩擦が発生するため、ピンチローラ22は排出ローラ20の回転方向(排出ローラ20の外周面の移動方向)に変位する。このとき、支軸23はガイド溝25内を移動する。

ピンチローラ22の変位は、支軸23がガイド溝25の外側端部25aに当接することにより停止する。このとき、ピンチローラ22は、外周面の一部を排出口19(壁部17)から積載部16側に突出させた位置(第1の位置)にあり、支軸23の周りに回転可能に支持されている。

なお、ピンチローラ22が回転しても、支軸23のDカット部23aの平坦面にスプリング24のアーム部が当接しているため、支軸23は回転しない。

媒体2は、排出ローラ20の回転により、ニップ部29における排出ローラ20の接線方向に送り出されるが、重力により媒体2の先端が垂れ下がり、積載部16上に積載された用紙2aの上面に接触しながら排出される。

そして、媒体2の後端が排出ローラ対14のニップ部29を通過すると、媒体2の後端はピンチローラ22の外周に沿って、ピンチローラ22の回転と共に落下する。落下した媒体2は、積載部16上に積載されている媒体2aの上に積載される。また、上述した積載部16の底面の傾斜のため、媒体2は壁部17側に滑りながら積載される。すなわち、媒体2の後端の位置が、壁部17によって規制される。従って、積載部16には、複数の媒体2が、それぞれの後端が整列した状態(従って前端も整列した状態)で積載される。

壁部17の高さは、ピンチローラ22の回転中心よりも高く、排出ローラ20とピンチローラ22とのニップ部29の高さよりも僅かに低い。ニップ部29を通過した媒体2の排出を妨げないようにし、なお且つ、積載部16に積載された媒体2aが両面印刷時に排出部15に引き込まれることを防止するためである。

図7は、両面印刷のために、排出ローラ20が逆方向に回転して媒体2を引き戻している状態を示す図である。上記のとおり、両面印刷を行う際には、媒体2の先端が排出口19から排出され、且つ、媒体2の後端が排出搬送路4c内のフィルム26より排出ローラ対14側(第2搬送路42)にあるときに、排出ローラ20が逆方向回転を開始する。

排出ローラ20が逆方向回転を開始すると、媒体2は排出方向とは反対の方向(引き戻し方向)に搬送される。ピンチローラ22は、媒体2の移動に追従して回転すると共に、排出ローラ20の回転方向に変位し、支軸23はガイド溝25内を移動する。

ピンチローラ22の変位は、支軸23がガイド溝25の内側端部25bに当接することによって停止する。このとき、ピンチローラ22は、外周面が排出口19(壁部17)よりも排出部15の内側に退避した位置(第2の位置)にある。

すなわち、媒体2の引き戻し時には、ピンチローラ22は、壁部17よりも排出部15の内側に退避した位置で回転可能に支持される。このようにピンチローラ22が退避した位置にあるため、積載部16に積載された媒体2aがピンチローラ22の高さに達していても、当該媒体2aがピンチローラ22に接触することがない。

ピンチローラ22の逆方向回転によって引き戻された媒体2は、排出搬送路4cの第2搬送路42内を下降するが、排出搬送路4cの第1搬送路41をほぼ塞ぐように張り出しているフィルム26に当接すると、このフィルム26に案内されて再搬送路9に導かれる。そのため、仮に媒体2の先端部が第1搬送路41側にカールしていたとしても、媒体2は確実に再搬送路9に送り込まれる。

図8は、積載部16に積載された媒体2aの高さが、排出ローラ対14のニップ部29の近傍まで達した状態を示す図である。両面印刷のために引き戻される媒体2と、積載部16に積載された一番上の媒体2aとは、互いに広い面積で接している。そのため、当該媒体2aが、紙間摩擦や静電気等により、媒体2と共に引き込まれないようにする必要がある。

本実施の形態では、壁部17の高さが、ニップ部29の近傍まで達している。そのため、積載部16に積載された媒体2aの高さが、排出ローラ対14のニップ部29の近傍に達している場合であっても、積載部16に積載された媒体2aが排出部15に引き込まれることが防止される。

一方、積載部16に積載された媒体2aの高さが、壁部17の高さを超えた場合には、壁部17によって媒体2aの引き込みを防止することができない。そこで、本実施の形態では、積載部16に積載された媒体2aの高さが所定の高さに達したことを検知するスタッカフルセンサ18を設けている。

スタッカフルセンサ18は、排出部15の上部に設けられた支軸18cを中心として揺動可能なレバー部18aを有している。レバー部18aは、支軸18cから排出口19を通って積載部16側に延在している。レバー部18aの先端は、積載部16に積載された媒体2aが所定の高さに達したときに、その一番上の媒体2aに当接する位置にある。

排出部15には、レバー部18aの角度を検知するセンサ部(検知部)18bが配設されている。センサ部18bは、ここでは、支軸18cに対して媒体2の排出方向とは反対の側(図中左側)に隣接して配置されている。センサ部18bは、相対する発光素子と受光素子とを有している。レバー部18aは、センサ部18bに向けて延在する被検知部18dを一体に有している。

レバー部18aが積載部16に積載された媒体2aに接していないときには、被検知部18dがセンサ部18bの発光素子と受光素子との間に位置している。そのため、センサ部18bの受光素子の受光光量が0となり、センサ部18bの信号出力はOFFとなる。

一方、レバー部18aが積載部16に積載された媒体2aに当接すると、レバー部18aが支軸18cを中心として揺動し、図8に示すように、被検知部18dがセンサ部18bの発光素子と受光素子との間から抜け出す。これにより、センサ部18bの発光素子から出射された光が受光素子に入射し、センサ部18bの信号出力はONとなる。

ここでは、図8に示すように、積載部16に積載された媒体2aの後端の高さが壁部17の高さを超えると、レバー部18aが媒体2aに当接して揺動し、被検知部18dがセンサ部18bの光路から抜け出すように構成されている。

プリンタ1の制御部100(図5)は、センサ部18bの出力がONであるときには、新たな印刷ジョブを受け付けない。すなわち、積載部16に積載された媒体2aの後端の高さが壁部17の高さに達した場合には、新たな媒体への印刷は行われず、積載部16に積載される媒体2aの高さを制限する。そのため、両面印刷時に積載部16に積載された媒体2aが両面印刷時に引き込まれることを防止でき、これにより媒体のジャムを防止することができる。

なお、制御部100は、積載部16に積載された媒体2aの後端の高さが壁部17の高さに達した場合に、新たな印刷ジョブを受けないようにすると共に、表示部104に「積載部の用紙を取り除いてください」等のメッセージを表示するようにしてもよい。

なお、レバー部18aは、積載部16に積載された媒体2aの高さが所定の高さに達したときに媒体2aに当接可能な位置に配置すればよい。例えば、媒体2aの幅方向中央に配置してもよいし、媒体2aの幅方向端部に配置してもよい。

また、レバー部18aの揺動範囲を一定範囲に規制するストッパを設けてもよい。特に、レバー部18aが排出ローラ20または回転駆動軸21に接触しないように、レバー部18aの揺動範囲の下限を規定するストッパを設けることが好ましい。

<比較例> 次に、本実施の形態に対する比較例について説明する。図9は、比較例の排紙部15が媒体2を排出している状態を示す図である。図10は、両面印刷を行うために、排出ローラ20が媒体2を引き戻している状態を示す図である。なお、説明の便宜上、図9および図10に示す比較例の構成要素には、第1の実施の形態と同様の符号を付している。

この比較例では、ピンチローラ22は、ニップ部における排出ローラ20の接線方向に変位しない。すなわち、ピンチローラ22を回転可能に支持する支軸23は、上下方向(排出ローラ20とピンチローラ22とが対向する方向)にのみ変位可能に支持され、スプリング24により排出ローラ20に圧接されている。そして、ピンチローラ22の外周面は、常に壁部17よりも積載部16側に突出している。その他の構成は、第1の実施の形態の排出部15と同様である。

図9に示すように、媒体2の排出時には、排出ローラ20は正方向(図中反時計回り)に回転する。ピンチローラ22は排出ローラ20に圧接されており、排出ローラ20に追従して回転する。媒体2は、排出ローラ20とピンチローラ22とのニップ部29を通過し、積載部16に積載される。

一方、図10に示すように、両面印刷のために排出ローラ20が逆方向に回転すると、排出口19から途中まで排出された媒体2は、排出方向とは反対の方向(引き戻し方向)に搬送される。ピンチローラ22は、媒体2の移動に追従して回転する。

この比較例では、ピンチローラ22は収容部15の内側に退避しない。従って、媒体2の引き戻し時においても、ピンチローラ22の外周面は壁部17よりも積載部16側に突出している。

そのため、積載部16に積載された媒体2aの高さが高くなると、媒体2aがピンチローラ22の外周面に接触する。この状態でピンチローラ22が逆方向回転を開始すると、積載部16に積載された媒体2aがニップ部29に引き込まれる可能性がある。

特に、積載部16に積載された媒体2aの高さがピンチローラ22の回転中心の高さを超えていた場合には、図10に破線で示すように、積載部16に積載された媒体2aが、ピンチローラ22の回転によってニップ部29に引き込まれやすくなる。その結果、両面印刷を行う媒体2と共に、積載部16に積載されていた媒体2aも搬送されることになり、媒体のジャムが発生する原因となる。

これに対し、本発明の第1の実施の形態では、図7を参照して説明したように、両面印刷のために排出ローラ20が逆方向に回転すると、ピンチローラ22が壁部17よりも内側に退避し、積載部16に積載された媒体2aには接触しない。そのため、積載部16に積載された媒体2aの高さが高くなっても(特に、ピンチローラ22の回転中心の高さを超えていても)、当該媒体2aがニップ部29に引き込まれることはない。その結果、媒体のジャムを防止することができる。

<第1の実施の形態の効果> 以上説明したように、本発明の第1の実施の形態によれば、排出ローラ20が媒体2を排出する方向とは逆方向に回転すると、ピンチローラ22が壁部17の内側に退避するため、ピンチローラ22が積載部16に積載された媒体2aに接触することが防止される。そのため、積載部16に積載されている媒体2aの引き込みを防止し、媒体のジャムを防止することができる。

また、排出ローラ20の回転を利用してピンチローラ22を変位させるため、ピンチローラ22を変位させるための専用の駆動源が不要である。そのため、簡単な装置構成で媒体のジャムを防止することができる。

加えて、積載部16に積載された媒体2aの後端の高さが所定の高さ(特に、壁部17を超える高さ)に達した場合に、制御部100が新たな印刷ジョブを受けないように構成したため、積載部16に積載された媒体2aが壁部17を乗り越えることによる媒体のジャムを防止することができる。その結果、積載部16に、より多くの媒体を積載することができる。

また、積載部16に積載された媒体2aの高さを検知するスタッカフルセンサ18を設けたため、スタッカフルセンサ18の出力に基づき、積載部16に積載された媒体2aの高さが所定の高さを超えたか否かを正確に判断することができる。

第2の実施の形態. 次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。本発明の第2の実施の形態におけるプリンタおよびその排出部の構成は、ピンチローラ22の構成を除き、第1の実施の形態のプリンタ1および排出部15と同様である。以下では、第1の実施の形態との相違点について説明する。

図11(A)および(B)は、第2の実施の形態におけるピンチローラ22Aの構成を示す側面図および部分断面図である。上述した第1の実施の形態のピンチローラ22は、支軸23との間に僅かな摩擦力を生じるように、支軸23に取り付けられていた。これに対し、第2の実施の形態のピンチローラ22Aは、ワンウェイ軸受30を介して支軸23に取り付けられている。

より具体的には、ピンチローラ22Aの内周面と支軸23の外周面との間には隙間が設けられている。ピンチローラ22Aの軸方向両端部にワンウェイ軸受30がそれぞれ設けられており、これら2つのワンウェイ軸受30を金属シャフトである支軸23が貫通している。

ワンウェイ軸受30は、支軸23に対して一方向(図11(A)に示す時計回り方向)にのみ自由に回転する。一方、反対方向(図11(A)に示す反時計回り方向)には、支軸23と共に回転する。ピンチローラ22Aは、ワンウェイ軸受30の外周に固定されている。

そのため、排出ローラ20が媒体2を排出する方向(正方向)に回転したときには、ピンチローラ22Aは排出ローラ20に追従して回転する。一方、排出ローラ20が両面印刷のために媒体2を引き戻す方向(逆方向)に回転したときには、ピンチローラ22Aは回転しない。

第2の実施の形態における排出部15Aの動作について、図12を参照して説明する。図12は、第2の実施の形態における排出部15Aの排出ローラ対14(排出ローラ20およびピンチローラ22A)の動作を示す図である。

媒体2を排出口19から排出する際には、第1の実施の形態で説明したように、排出ローラ20は、排出モータ123から回転軸21への回転伝達によって正方向に回転する。ピンチローラ22Aは、スプリング24の付勢力によって排出ローラ20に圧接されており、且つ、ワンウェイ軸受30が支軸23に対して排出方向に自由に回転可能であるため、排出ローラ20に追従して回転する。

また、ピンチローラ22Aは、ワンウェイ軸受30と支軸23との間に僅かな摩擦力が発生するため、排出ローラ20の回転方向(外周面の移動方向)に沿って変位し、支軸23はガイド溝25内を移動する。ピンチローラ22Aの変位は、支軸23がガイド溝25の外側端部25aに当接することにより停止する。このとき、ピンチローラ22Aは、外周面の一部を排出口19から積載部16側に突出させた位置(第1の位置)にあり、支軸23の周りに回転可能に支持されている。媒体2は、排出ローラ20の回転により、ニップ部29を通過して送り出される。

両面印刷のために排出ローラ20が逆方向に回転すると、媒体2は排出方向とは反対の方向に搬送される(すなわち引き戻される)。本実施の形態では、ピンチローラ22Aは、ワンウェイ軸受30の作用により、媒体排出時の回転方向と反対の方向には回転しない。ピンチローラ22Aは、引き戻される媒体2との摩擦により、排出ローラ20の回転方向(外周面の移動方向)に変位し、支軸23はガイド溝25内を移動する。

ピンチローラ22Aの変位は、支軸23がガイド溝25の内側端部25bに当接することによって停止する。このとき、ピンチローラ22Aは、外周面が壁部17よりも排出部15の内側に退避した位置(第2の位置)にある。すなわち、ピンチローラ22Aは、壁部17よりも排出部15の内側に退避した位置で、回転を停止している。

ピンチローラ22Aの回転が停止していても、排出ローラ20と媒体2との摩擦力がピンチローラ22Aと媒体2との摩擦力より十分大きいため、排出ローラ20の逆方向回転によって媒体2の引き戻しが行われる。

排出ローラ20の逆方向回転によって引き戻された媒体2が、再搬送路9に送り込まれる動作は、第1の実施の形態で図7を参照して説明したとおりである。

また、積載部16に積載された媒体2aの高さが所定の高さに達したときに、スタッカフルセンサ18がこれを検知し、制御部100が新たな印刷ジョブの受け付けを行わないことは、第1の実施の形態で図8を参照して説明したとおりである。

本実施の形態においても、両面印刷時に媒体2を引き戻す際には、ピンチローラ22Aが退避位置にあるため、積載部16に積載された媒体2aがピンチローラ22Aの高さに達していても、当該媒体2aがピンチローラ22Aに接触することがない。そのため、積載部16に積載されている媒体2aの引き込みを防止し、媒体のジャムを防止することができる。

図12には、積載部16に積載された媒体2aが、何らかの原因で、壁部17を乗り越えてピンチローラ22Aに接触した状態を示す図である。本実施の形態では、両面印刷のために媒体2を引き戻しているときには、ピンチローラ22Aが回転を停止している。そのため、仮に、積載部16に積載された媒体2aが壁部17を乗り越えてピンチローラ22Aに接触したとしても、(ピンチローラ22Aが回転を停止しているため)媒体2aがニップ部29に引き込まれることがない。

以上説明したように、本発明の第2の実施の形態によれば、排出ローラ20が媒体2を引き戻すために逆方向に回転すると、ピンチローラ22Aが壁部17の内側に変位する。そのため、積載部16に積載されている媒体2aの高さが高くなった場合であっても、積載部16に積載されている媒体2aの引き込みを防止し、媒体のジャムを防止することができる。

加えて、本発明の第2の実施の形態では、排出ローラ20の逆方向回転時にピンチローラ22Aが回転しないため、積載部16に積載された媒体2aが壁部17を乗り越えてピンチローラ22Aに接触することがあったとしても、当該媒体2aがさらに引き込まれることはない。

上述した第1および第2の実施の形態は、両面印刷機能を有する画像形成装置としてのプリンタ1について説明したが、両面印刷機能に限らず、媒体を排出し、また引き戻して利用する機能を有するものであれば、例えば片面に複数回の印刷を行う画像形成装置であってもよい。

また、上述した第1および第2の実施の形態は、媒体に印刷を行う画像形成装置に限らず、媒体としての原稿の表面と裏面の読取を行うスキャナ(画像読取装置)等、種々の画像処理装置に適用することができる。すなわち、原稿を排出し、また引き戻す構成を有する媒体処理装置に適用することができる。

また、画像形成装置の一例としてプリンタについて説明したが、本発明は、MFP(Multi Function Periphral)、ファクシミリ、複写機にも利用することができる。

1 プリンタ(画像形成装置、媒体処理装置)、 2 媒体、 3 給紙部(媒体供給部)、 4a 供給搬送路、 4b 画像形成搬送路、 4c 排出搬送路、 5,6 搬送ローラ対、 7 画像形成部、 8 定着部、 9 再搬送路、 9a 導入部、 9b 帰還部、 9c 合流部、 13 搬送ローラ対(搬送部)、 14 排出ローラ対、 15 排出部(媒体排出機構)、 16 排紙トレイ(積載部)、 17 壁部、 18 スタッカフルセンサ(積載検出部)、 18a レバー部、 18b センサ部、 19 排出口、 20 排出ローラ(駆動ローラ)、 21 回転駆動軸、 22,22A ピンチローラ(従動ローラ)、 23 支軸、 24 スプリング(付勢部材)、 25 ガイド溝(ガイド部)、 26 フィルム(弾性部材)、 30 ワンウェイ軸受、 100 制御部。

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