【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、電子部品搬送装置に係り、とりわけ、板状電子部品を一定の姿勢を保って搬送することができる電子部品搬送装置に関している。 【0002】 【従来の技術】製造された電子部品は、通常、検査装置やマーキング装置に送られ、所望の検査処理やマーキング処理が施される。 【0003】従来、電子部品の搬送は、間欠送りされる搬送テープによって行われている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】製造後等の電子部品に対して検査処理やマーキング処理を効率良く行うためには、電子部品を搬送テープから簡単に取外して検査装置やマーキング装置に一定の姿勢を保って送ることが重要である。 【0005】しかしながら、従来の搬送テープでは、搬送テープから電子部品をスムースに取外すことができない場合がある。 【0006】本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、板状電子部品を容易かつ簡単に取外すことができ、かつ一定の姿勢を保って搬送することができる電子部品搬送装置を提供することを目的とする。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明は、板状電子部品を収納するための部品孔と、送り用の送り孔とが各々一定間隔をおいて形成された紙テープと、紙テープの送り孔に係合して紙テープを搬送駆動する駆動機構と、を備え、部品孔は、板状電子部品の両側面と当接する一対の当接縁と、各当接縁から引込み形成された引込空間とを有することを特徴とする電子部品搬送装置である。 【0008】本発明によれば、板状電子部品は、部品孔の当接縁によって一定の姿勢に保持されて搬送されるため、搬送中の紙テープの振動等の影響に関わらず一定の姿勢を保った搬送が可能であると共に、引込空間を利用することによって、部品孔からの容易な取外しが可能である。 【0009】 【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。 【0010】図1は、本発明の一実施の形態による電子部品搬送装置を示す構成概略図である。 図1に示すように、本発明の一実施の形態の電子部品搬送装置1は、板状電子部品40を収納するための部品孔10と、送り用の送り孔20とが各々一定間隔をおいて形成された紙テープ2と、紙テープ2を掛け渡すと共に紙テープ2の送り孔20に係合して紙テープ2を搬送駆動する一対の駆動機構4、4とを備えている。 紙テープ2は、例えばストックリール3として用意され、このストックリール3 から紙テープ2が順次一対の駆動機構4、4に送られる。 駆動機構4、4を通過した後の紙テープ2は、そのまま廃棄される。 【0011】図1に示すように、本実施の形態では、紙テープ2が形成する搬送路上に、板状電子部品40の供給装置5と、板状電子部品40の排出装置6とが設けられている。 また供給装置5と排出装置6との間、すなわち板状電子部品40の搬送路の途中には、電子部品40 の電気的検査を行う検査装置7及び電子部品40に対してマーキングを施すマーキング装置8が設けられている。 【0012】駆動機構4は、紙テープ2を間欠的に移動させるようになっており、本実施の形態では、紙テープ2の送り孔20の間隔と部品孔10の間隔とは同一となっている(図2参照)。 【0013】また、供給装置5、排出装置6、検査装置7及びマーキング装置8のそれぞれの間隔は、部品孔1 0の間隔の倍数値となっており、供給装置5、排出装置6、検査装置7及びマーキング装置8の操作位置には、 間欠移動の度毎に部品孔10あるいは部品孔10に収納された板状電子部品40が対応して停止するようになっている。 このため、供給装置5、排出装置6、検査装置7及びマーキング装置8は、いずれも紙テープ2の停止状態において作動する装置として構成されている。 【0014】図2は、図1の紙テープ2を示す拡大斜視図であり、図3は、図1及び図2の部品孔10を示す拡大平面図である。 図2及び図3に示すように、部品孔1 0は、板状電子部品40の両側面41、42と当接する一対の当接縁11、12を有している。 各当接縁11、 12からは、引込空間13、14が形成されている。 【0015】本実施の形態では、引込空間13、14 は、各当接縁11、12の略中央から正方形状に形成されている。 結果として、部品孔10は十字状となっている。 一方、送り孔20は小円形の孔として形成されている。 【0016】次に、このような構成よりなる本実施の形態の作用について説明する。 【0017】図1に示すように、紙テープ2の送り孔2 0が一対の駆動機構4、4と係合した状態でこれらの駆動機構4、4が作動することにより、送り孔20が順次間欠的に送られる。 これに伴い、紙テープ2が間欠的に移動する。 【0018】部品孔10が供給装置5の下方に移動すると、間欠的な移動の間の停止期間中において、供給装置5によって板状電子部品40が部品孔10内に挿着される。 電子部品40は、その両側面41、42が部品孔1 0の一対の当接縁11、12の間に圧入され、両側面4 1、42と当接縁11、12との間の摩擦力によって保持される。 【0019】供給装置5が板状電子部品40を部品孔1 0に供給する際の圧力は、引込空間13、14により板状電子部品の側面41、42と当接縁11、12との接触面積を減少させて軽減される。 【0020】紙テープ2の間欠的な移動によって、部品孔10は供給装置5の下方に順次移動する。 そして間欠的な移動の度毎に、図1及び図2に示すように、供給装置5は板状電子部品40を部品孔10に挿着する。 【0021】供給装置5によって部品孔10に挿着されて収納された板状電子部品40は、その後の紙テープ2 の移動によって検査装置7に向かって間欠的に移動する。 板状電子部品40が検査装置7の下方に移動すると、間欠的な移動の間の停止期間中において、図示しない搬送手段により電子部品40が部品孔10から取外され、検査装置7によって板状電子部品40の検査処理がなされる。 その後、電子部品40は再び搬送手段により部品孔10内へ戻される。 【0022】検査装置7によって検査処理された板状電子部品40は、その後の紙テープ2の移動によってマーキング装置8に向かって移動する。 板状電子部品40がマーキング装置8の下方に移動すると、図示しない搬送手段により電子部品40が部品孔10から取外され、間欠的な移動の間の停止期間中において、マーキング装置8によって板状電子部品40のマーキング処理がなされる。 その後、電子部品40は再び搬送手段により部品孔10内へ戻される。 【0023】マーキング装置8によってマーキング処理された板状電子部品40は、その後の紙テープ2の移動によって排出装置6に向かって移動する。 板状電子部品40が排出装置6の下方に移動すると、間欠的な移動の間の停止期間中において、排出装置6は板状電子部品4 0を部品孔10から外し、外方へ排出する。 【0024】以上のように、本実施の形態によれば、板状電子部品40が、部品孔10の当接縁11、12との摩擦結合によって一定の姿勢に保持されて搬送されるため、搬送中の紙テープ2の振動等の影響に関わらず、搬送中に一定の姿勢を保つことができる。 【0025】また、本実施の形態によれば、引込空間1 3、14を利用することによって、板状電子部品40を部品孔10から容易に取外すことが可能である。 特に、 引込空間13、14が各当接縁11、12の略中央から形成されているため、板状電子部品4をより安定に取外すことができる。 【0026】部品孔10の形状は、前記実施の形態のような十字状に限られない。 例えば図4に示すように、引込空間13、14が各当接縁11、12の端部から形成されて、部品孔10がT字状となっていてもよい。 【0027】また、検査装置7及びマーキング装置8 は、搬送中の板状電子部品40を紙テープ2に保持したまま所望の処理を行ってもよい。 【0028】 【発明の効果】以上のように、本発明によれば、板状電子部品は、部品孔の当接縁によって一定の姿勢に保持されて搬送されるため、搬送中の紙テープの振動等の影響に関わらず一定の姿勢を保って搬送されることができる。 また本発明によれば、引込空間を利用することによって、部品孔に収納された板状電子部品を部品孔から容易に取外すことが可能である。 【図面の簡単な説明】 【図1】本発明による電子部品搬送装置の第1の実施の形態を示す構成概略図。 【図2】図1の紙テープを示す拡大斜視図。 【図3】図1の部品孔を示す拡大平面図。 【図4】部品孔の他の例を示す拡大平面図。 【符号の説明】 1 電子部品搬送装置 2 紙テープ 3 ストックリール 4 駆動装置 5 供給装置 6 排出装置 7 検査装置 8 マーキング装置 10 部品孔 11、12 当接縁 13、14 引込空間 20 送り孔 40 板状電子部品 41、42 側面 ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小笠原 深 志 東京都大田区北馬込二丁目28番1号 株式 会社東京ウエルズ内 (72)発明者 古 林 勲 東京都大田区北馬込二丁目28番1号 株式 会社東京ウエルズ内 |