Rotating electrical machine for naval ship by superconducting technology

申请号 JP2003524096 申请日 2002-08-30 公开(公告)号 JP2005500800A 公开(公告)日 2005-01-06
申请人 シーメンス アクチエンゲゼルシヤフトSiemens Aktiengesellschaft; 发明人 リース、ギュンター;
摘要 A shock-proof electric marine engine, e.g. an engine or generator, is for a marine (Navy) ship, and includes a stator and a rotor in a housing. The stator and the rotor are connected in such a way that they are rotatably displaceable in a counter direction and in a radial/axial manner with limited slack. The rotor and stator form a displaceable unit in relation to the housing, which can be displaced away from the housing with a higher vibration overshoot range. The housing is elastically connected to the marine (navy) ship.
权利要求
  • 超電導体、特に高温超電導体を用いた回転子、回転子クライオスタット、回転子軸、前記クライオスタットと冷凍機との間に低温導管を有する低温接続部および超電導技術によらない固定子を備えた、超電導技術、特に高温超電導技術による回転電機において、軍艦用に耐衝撃性に構成され、前記固定子(13、29)、回転子(18、28)およびクライオスタット(15)が外周側電機ハウジング(4、23)と回転子軸(12)に対し、弾性部材(17、25)により変位可能に弾性支持されたことを特徴とする回転電機。
  • 回転子(18)、固定子(13)およびクライオスタット(15)が衝撃加速度の発生時に部品の動きをユニットとして与える接続部材(17)と軸受(7)の間に備えられ、前記ユニットの動きが振動の振幅を上回ることを特徴とする請求項1記載の回転電機。
  • 外周側電機ハウジング(4、23)が電機支持体に弾性的に接続されたことを特徴とする請求項1又は2記載の回転電機。
  • 外周側電機ハウジング(4、23)が、船腹(1)下の電気操舵プロペラハウジング(4)内に弾性的に配置されたことを特徴とする請求項1又は2記載の回転電機。
  • 船腹の下側にゴンドラ状に配置され、冷媒が通流し得るように構成されたハウジング(112)を備え、該ハウジング内に固定子(105)および回転子(104)からなる電動機が配置され、回転子(104)を支持する駆動軸(101)に少なくとも1つのプロペラ(102、103)が取付けられた請求項4記載の船舶用電気駆動装置において、固定子(105)がラジアル軸受(109)を経て回転子(104)に結合され、固定子(105)および回転子(104)から形成される構造ユニットがハウジング(112)にも駆動軸(101)にも弾性的に支持されたことを特徴とする駆動装置。
  • 回転子(104)は、円筒状支持体(107)およびその支持体に支持された活性部(106)を備え、該活性部は駆動軸(101)に弾性的に支持され、固定子(105)は回転子(104)の支持体(107)に軸支され、かつハウジング(112)に弾性的に支持されたことを特徴とする請求項5記載の駆動装置。
  • 回転子(104)の支持(107)が駆動軸(101)に対して、軸方向および放射方向には柔軟に、周方向にはトルク伝達可能に剛性をもって構成されたことを特徴とする請求項5記載の駆動装置。
  • ラジアル軸受(109)が転がり軸受として構成されたことを特徴とする請求項5から7の1つに記載の駆動装置。
  • 駆動軸(101)を軸支するラジアル軸受(109)がすべり軸受として構成されていることを特徴とする請求項5から8の1つに記載の駆動装置。
  • 外周側電機ハウジングが基礎フレームに弾性的に据え付けられたことを特徴とする請求項1から3の1つに記載の回転電機。
  • 操舵プロペラハウジング又は基礎フレームが船体に対し変位可能に弾性的に、例えば弾性クッションおよびばねの少なくとも一方を経て接続されたことを特徴とする請求項4又は10記載の回転電機。
  • 低温接続部が、固定配置された冷却ヘッドと回転子軸領域内に突出する液体冷媒用の分配器を備えることを特徴とする請求項1から4と10から11の1つに記載の回転電機。
  • 液体冷媒用の分配器とクライオスタットとの間に可撓性低温導管、特に同軸二重壁型導管が配置されたことを特徴とする請求項12記載の回転電機。
  • 固定子が銅巻線を備え、回転子が超電導導管内に空心巻線を備えることを特徴とする請求項1から4と10から13の1つに記載の回転電機。
  • 電機内の冷却媒体が液化ネオンであることを特徴とする請求項1から4と10から14の1つに記載の回転電機。
  • 電機内の冷却媒体が液化窒素であることを特徴とする請求項1から4および10から15の1つに記載の回転電機。
  • 低温接続部の固定部と回転部との間に冷却媒体用の鉄材の液体用パッキンが挿入されていることを特徴とする請求項1から4と10から16の1つに記載の回転電機。
  • 回転子軸が、電機の冷却部と常温軸部の間に繊維強化型プラスチック製のトルク伝達部材を備えることを特徴とする請求項1から4と10から17の1つに記載の回転電機。
  • 冷凍機としてパルス型円筒冷却器を備え、前記冷却器は、好ましくは弾性支持台上に配置されたことを特徴とする請求項1から4と10から18の1つに記載の回転電機。
  • パルス型円筒冷却器がステアリングリニアコンプレッサと組み合わされたことを特徴とする請求項19記載の回転電機。
  • パルス円筒冷却器又は場合によっては他の冷凍機から電機の冷却ヘッドに至る低温接続部が支持筒体内に導かれ、又は金属補強されたホースとして構成されたことを特徴とする請求項1から4および10から20の1つに記載の回転電機。
  • 冷却ヘッド回転子低温カップリングが回転子軸に関し鉄材の液体用カップリングにより封止され、冷却ヘッド(10)が電機ハウジングに固定され、これら両部分間に弾性冷却媒体接続部を備えることを特徴とする請求項1から4および10から21の1つに記載の回転電機。
  • 低温分配器が回転子軸領域内に弾性的にばね性をもって支持されたことを特徴とする請求項1から4および10から22の1つに記載の回転電機。
  • 電機内の弾性支持部が標準の緩衝ゴム、例えば弾性軸カップリングの領域からなることを特徴とする請求項1から4および10から23の1つに記載の回転電機。
  • 冷凍機が船舶に設けられた冷却装置に接続されたことを特徴とする請求項1から4および10から24の1つに記載の回転電機。
  • 固定子銅巻線が液体冷却型、特に水冷却型に構成されたことを特徴とする請求項1から4および10から25の1つに記載の回転電機。
  • 固定子内に、放射方向、軸方向又は周方向に走る、好ましくは水が通流する冷媒通路を備えることを特徴とする請求項26記載の回転電機。
  • 少なくとも1台の電動機と、エネルギ供給導管を収納する支持筒体に少なくとも1つのプロペラとを備え、前記支持筒体は船尾の下に回転可能な船尾支持筒体接続部によって配設された、例えばフリゲート艦、コルベット艦又は高速モータボート等の、特に請求項1から27の1つに記載の電動機を備えた軍艦用電気操舵プロペラにおいて、前記船尾支持筒体接続部、支持筒体および電動機は、船尾、支持筒体および電動機が水中爆発圧力波に対し損傷なしに撓むことができるように構成され、しかもそのため、
    a) 支持筒体(216、217)が自ら弾性変形可能に構成され、
    b) 船尾支持筒体接続部が船尾(208、209)に対する支持筒体(216、217 )の動きを許容するように構成され、
    c) 電動機(205、206)が10Gを超える加速度を受け止めるべく構成されたことを特徴とするプロペラ。
  • 支持筒体(216、217)が少なくとも1つの弾性的に構成された可動ジョイントを備えることを特徴とする請求項28記載のプロペラ。
  • 前記継手(218)は支持筒体部(216、217)の垂直方向の動きおよび曲げを互いに許容するように構成されたことを特徴とする請求項29記載のプロペラ。
  • 前記継手(218)がねじ接続部を有するフランジを備え、該フランジは弾性変形可能に構成されたことを特徴とする請求項28又は29記載のプロペラ。
  • 前記継手(218)は、好ましくは多層に形成され強化された形の弾性プラスチック材料からなる弾性ジョイント介在層を備えることを特徴とする請求項28から31の1つに記載のプロペラ。
  • 前記支持筒体(216、217)は2つ以上の継手を備え、支持筒体部分は継手相互間に好ましくは異なる材料、例えば鋼鉄、アルミニウム又は繊維強化型プラスチックからなることを特徴とする請求項28から32の1つに記載のプロペラ。
  • 前記継手(218)は2つの支持筒体部間の少なくとも外部に、弾性材料からなる継手パッキンリング(239)を備えることを特徴とする請求項28から33の1つに記載のプロペラ。
  • 電動機のハウジングが複数部分に分割された分割型に構成され、ハウジングの各部分がアルミニウムからなることを特徴とする請求項28から34の1つに記載のプロペラ。
  • プロペラ、特に自動位置調節型に構成されたプロペラがプラスチックからなることを特徴とする請求項28から35の1つに記載のプロペラ。
  • 電動機が弾性を有する回転子支持部および大きな空隙を備えることを特徴とする請求項28から36の1つに記載の電気操舵プロペラ。
  • 電動機が三相同期機として構成され、HTSL(高温超電導体)電線からなる少なくとも1つの回転型界磁巻線を備え、HTSL電線からなる各界磁巻線が、真空絶縁されてHTSL電線からなる回転型界磁巻線を15から77kの低温に冷却し得るクライオスタット内に配置されたことを特徴とする請求項28から37の1つに記載のプロペラ。
  • 三相同期機として構成された電動機が、回転子と積層型鉄心ヨークの間の環状空隙内に配置された銅材複導体からなる空心三相巻線を備えることを特徴とする請求項38記載のプロペラ。
  • 回転型界磁巻線のHTSL電線が多線条複導体、例えばBi 2 Ba 2 Sr 2 Cu 3 O x又はそれらの特性に類似する材料からなる多線条複導体により構成されたことを特徴とする請求項38又は39記載のプロペラ。
  • 電動機の固定子空心巻線が鉄心歯なしに構成されたことを特徴とする請求項38から40の1つに記載のプロペラ。
  • 電動機が軸受としてすべり軸受を備え、固定子と回転子との間の空隙が5から50mmであることを特徴とする請求項28から41の1つに記載のプロペラ。
  • 船尾支持筒体接続部が船尾内に、弾性変形し得る支持筒体を形成し、弾性変形し得る支持構造部を備えることを特徴とする請求項28から42の1つに記載のプロペラ。
  • 電動機のエネルギ供給導体が、例えば回転弾性型ケーブルスカートの形又は螺旋状に拡げられた導線を有するケーブルの形をなし、スリップリングなしに構成されたことを特徴とする請求項28から43の1つに記載のプロペラ。
  • 支持筒体の状態と無関係に動き得る補助操舵手段を備えることを特徴とする請求項28から44の1つに記載のプロペラ。
  • 支持筒体が非対称の外形、特に主翼に対応する外形を持つことを特徴とする請求項28から45の1つ又は複数項に記載のプロペラ。
  • 支持筒体が側翼又は前翼の形をした補助操舵手段を備えることを特徴とする請求項28から46の1つに記載のプロペラ。
  • 電動機が2分割型であり、両分割部分は互いに独立に運転可能であり、かつ独立のエネルギ供給手段を備えることを特徴とする請求項28から47の1つに記載のプロペラ。
  • 電動機の各分割部分は互いに独立に速度調整が可能であり、各プロペラを個別に駆動することを特徴とする請求項21記載のプロペラ。
  • 両プロペラが逆回転するプロペラとして構成されたことを特徴とする請求項21又は22記載のプロペラ。
  • 支持筒体の回動および補助操舵機の動きの少なくとも一方が電気アクチュエータにより調節されることを特徴とする請求項28から50の1つに記載のプロペラ。
  • 船尾支持筒体接続部が支持筒体用の半カルダン式吊下げ装置を備えることを特徴とする請求項28から51の1つに記載の電気操舵プロペラ。
  • 船尾支持筒体接続部が球冠、特に弾性球冠を経て、支持筒体の支持部を備えることを特徴とする請求項28から52の1つに記載のプロペラ。
  • 船尾の支持筒体のため、弾性部材を経て支持されて水平および垂直方向に可動な支持構造部が存在することを特徴とする請求項28から53の1つに記載のプロペラ。
  • 電動機が、電動機ハウジング内に収縮処理された巻線と外壁冷却部とを備えて動作すべく構成されたことを特徴とする請求項28から54の1つに記載のプロペラ。
  • 说明书全文

    【技術分野】
    【0001】
    従来の回転電機、例えば電動機や発電機の効率を向上させ、かつ場所をとらないようにすべく、この種電機を超電導技術で実現することは従来既に提案されている。 対応する実験機も既に完成し、米国や独国では公開もされている。 しかし船舶での実用的運転はまだ実現していない。 それは、技術的困難性、特に海軍船(軍艦)の場合、振動等の発生時の耐衝撃性と堅固性に対する特に高度の要求を現時点では未達成だからである。
    【0002】
    本発明の課題は、実地応用に適した構造を持ち、軍艦に適用可能な超電導技術、特に高温超電導技術による回転電機を提供することにある。 特に本発明の課題は、超電導技術の特別な利点を、冷媒通流に好都合な船尾形態とし、スリムな船舶構造、特に軽量な駆動装置となし得る、操プロペラ用の超電導技術による駆動電動機を提供することにある。
    【0003】
    軍艦に好適な回転電機は既に公知である。 しかし、この電機は大型で大重量であり、船での運転に適するよう組み込めない。 同様のことは、国際公開第02/30742号パンフレットおよび独国特許出願公開第19647948号明細書に開示された、電気操舵プロペラ用電動機にも言えることである。 この電動機はそのハウジングからの振動に関しては隔離されている。 しかし、それは通常の空気冷却方式のため大型かつ大重量になる。
    【0004】
    本発明の特別な課題は、軍艦に適し、配置された船舶部分の100G迄の加速度にも耐え得る、超電導技術による回転電機の個々の部品を提供することである。 そのため、超電導電機を軍艦用にも制限なしに応用可能となる。
    【0005】
    本発明の回転電機は電動機、例えば電機操舵プロペラ用電動機や従来型プロペラ用電動機又は戦闘速度を向上させるべく軍艦に配置されるウォータジェット用電動機、更に任意の電気負荷のために電気エネルギを発生する発電機等であり得るが、これら回転電機は、常に超電導電動機や超電導発電機の形で高効率で小型軽量の特別な利点を示す。
    【0006】
    本発明の解決策を、独立請求項および従属請求項の特徴部に記載の文言並びに図面とその説明文から明らかにする。
    【0007】
    超電導電動機や発電機、特に高温超電導体を用いて実現する回転電機の主要部品について詳細な情報が既に提供されている。 例えば国際公開第00/13296号パンフレットに開示された低温分配器がそれである。 同様に、低温の回転子部分と外部へ導かれる軸部分との間の結合部に関する情報が独国特許出願第10110674.2号明細書に、また冷却ヘッドに関する情報が欧州特許第0865595号明細書に開示されている。 コンプレッサユニットや低温冷凍機用の諸備品に関するユニットは、例えば Leybold社のタイプRGSやCoolpakの使用説明書および操作マニュアルで公知である。 要約すれば、種々の技術分野、例えば核スピン断層撮影、超電導電流制限器或いは類似の製品から、軍艦用電動機や発電機に関する新たな組合せおよび発明的な変更に組み込まれるべき個々の部品は既に基本的に公知である。
    【0008】
    本発明の更なる課題は、船舶用の駆動装置の特殊分野にあり、これを固定子および回転子からなり、船腹の下側にゴンドラ状に吊下げられる、冷媒通流に好適に構成されたハウジング内に配置される電動機構造に適用することである。 その場合、回転子はハウジング内に軸支された軸によって支持され、少なくとも1つのプロペラに結合される。
    【0009】
    この種形式の公知の駆動装置では、回転子は永久磁石励磁式回転子として構成され、円筒状支持体と磁気活性部を有する支持構造体を備える。 この回転子は、少なくとも1つのプロペラを支持し、駆動装置のハウジング内に軸支された駆動軸上に配置される。 電気・磁気的な活性部として機能する固定子は、駆動装置のハウジング内に締りばめではめ込まれている。 その際電動機の冷却は、通流する冷却でハウジングを経ての熱放出により行われる。 固定子コイルエンドの冷却のため、ハウジング内部に空気や絶縁油を循環させ得る(国際公開第97/49605号パンフレット)。 それとは別に、特殊な熱ブリッジを使用することも考えられる(独国特許出願公開第19902837号明細書)。 付加的な冷却手段は、駆動装置の竪穴状支持部に配置された熱交換器である(独国特許出願公開第19826226号明細書)。
    【0010】
    ゴンドラ状に配置した電動機を備える他の公知の駆動装置では、固定子と回転子を船腹から特殊な冷媒通路を経て導入したガス状冷却媒体で冷却可能とすべく、固定子をハウジング内に放射方向間隔をもって配置している(米国特許第5403216号明細書)。
    【0011】
    請求項1の前文に記載の構成を有する駆動装置から出発し、本発明の課題は、衝撃負荷に耐えることができ、従って強い水中圧波を生ずる種々の適用分野での使用にも好適なように駆動装置を構成することである。 その場合、その構造は高温超電導駆動装置に好適なものでなければならない。
    【0012】
    この課題を解決すべく、本発明によればラジアル軸受を経て固定子を回転子に固定し、固定子と回転子からなる構造ユニットをハウジングにも駆動軸にも弾性的に取付ける。
    【0013】
    駆動装置のこの構成によれば、大質量をもって備え付けられる駆動電動機の弾性を持つ磁気活性部が、ハウジング内の駆動軸上に「緩衝」された形で軸支されるユニットを形成する。 外部から駆動装置のハウジングと駆動軸に突発的に圧力が作用した際、それは時間的に遅れて作用し、従って電動機の電気的・磁気的活性部への衝撃を緩和させる。 ゴンドラ状に配置された駆動装置の吊下げ手段を経て船腹にかかる機械力、特に曲げモーメントは次のようにして減少させる。 即ち、駆動電動機の電気的・磁気的な活性部を弾性的又は緩衝的に配置することで、駆動装置から発する固体音が低減し、その結果この種駆動装置を備えた船舶の音響的位置測定が困難になる。 駆動電動機の回転子と固定子間の機械的な剛性結合は、励磁のために回転子に永久磁石を備える電動機では、回転子と固定子との間の空隙が駆動装置の衝撃負荷時にも一定に保持され、そのため空隙を非常に小さく選定できるという、更なる利点を持つことになる。
    【0014】
    本発明の構成では、回転子は、円筒状支持体とこれで支持された活性部を備え、活性部は駆動軸に弾性的に支持され、固定子は回転子の支持体に軸支され、かつハウジングに弾性的に支持される。 その際、回転子を駆動軸に対し、軸方向および放射方向には柔軟に、しかし周方向にはトルク伝達可能に剛性をもって支持するとよい。
    【0015】
    固定子を回転子の支持体に放射方向に剛性をもって軸支することは、市販のラジアル軸受およびスラスト軸受を用いて行われ、特にそれは転がり軸受として構成される。 それに対し回転子軸の軸支のために、すべり軸受、特に流体静力学的な油循環型のすべり軸受が好適に用いられる。
    【0016】
    回転子を軸上に弾性支持するため、例えば弾性結合のために波形ロープで実用されているような市販の緩衝部材を使用できる。 この種緩衝部材に関し、回転子の放射および軸方向には弾性をもって、周方向にはトルク伝達可能に剛性をもって設けるのが重要である。
    【0017】
    固定子を駆動装置のハウジングに弾性支持させるべく、回転子を軸上に支持するのと同様の緩衝部材を使用できる。
    【0018】
    固定子を駆動装置のハウジングに弾性支持するため固定子とハウジングの間に空間が生ずるので、固定子の冷却を、ハウジングを経て通流する冷却水への熱放出のみでは行えない。 そのため付加的な冷却処置を講じねばならない。 そこで、駆動装置を船腹に取付ける支持筒体の壁領域や船腹に熱交換器を設けて作動させる。 その際、液体冷却媒体、特に水が熱交換器および積層固定子鉄心の対応する穴又は積層鉄心を取り囲む冷却リング中を通流する。 この冷却方式は固定子のコイルエンドにも適用できる。 更に、固定子のコイルエンドの周囲を流れ、駆動装置の支持筒体領域に還流する循環空気流、即ち冷却風を発生させてもよい。 場合によっては、駆動装置のビルジ空間、即ち駆動軸の終端部に配置されるハウジング部分も、熱交換の目的で使用できる。
    【0019】
    カナダ国特許第1311657号明細書により、回転型操舵プロペラも公知である。 この操舵プロペラは砕氷船の後尾の下に配置される。 軸およびその船尾との接続部は砕氷用に特殊なものとして構成される。
    【0020】
    本発明の他の課題は、特殊な課題、即ち軍艦の駆動装置を構成する電気操舵プロペラを提供することである。 この課題を解決するには、電気操舵プロペラが水中爆発による大きな加速度に耐え得ることが必要である。 その際、プロペラを軍艦のスリムな船尾構造を考慮して、軽量化せねばならない。
    【0021】
    主たる課題は、船尾、支持筒体および電動機が水中爆発圧力波に対し損傷なしに撓み得るように船尾支持筒体接続部、支持筒体および電動機を構成し、しかもそのため支持筒体を自ら弾性変形可能とし、船尾支持筒体接続部が船尾に対する支持筒体の動きを許容するよう構成し、更に電動機が10Gを超える加速度を受容可能なように構成することで解決できる。 この解決策の特徴により、電気操舵プロペラは課題に対応して構成され、魚雷命中、艦船の下での魚雷爆発又は機雷の危険に曝される軍艦に組み込み可能となる。 これは従来の操舵機の安定性を凌駕するものである。
    【0022】
    雑誌"Marineforum"、第6巻、1999年、第8〜29頁に記載の、Karl Otto Sadlerの論文、"Trends im ueberwasser-Marineschiffbau"から、近代的な軍艦の構造が読み取れる。 本発明による電気操舵プロペラは、特にそのような近代的な軍艦を駆動するのに適したものを意図する。
    【0023】
    本発明の構成では、電気操舵プロペラの支持筒体が少なくとも1つの弾性的に構成された可動継手、例えば支持筒体の個々の部品間に継手を備え得る。 継手は、ねじ接続部を有するフランジを備え、フランジは弾性変形可能に構成され、例えば板ばねを備えるとよい。 継手は、好適には多層に形成され強化された形の弾性プラスチック材料、例えばシリコーンゴムからなる弾性継手介在層を備える。 本発明に応じ設けたこの継手で、支持筒体のための可動ジョイントを得、弾性挙動を達成できる。 こうすることで、支持筒体の下端で電動機に作用し、また支持筒体船尾伝達部の爆発の圧力波による力を減衰させ得る。 その際、本発明による解決策は要求に適った強靭性を持ち、かつ爆発による圧力波の減衰にとって非常に有効なものである。
    【0024】
    継手の外周に弾性を持つ、特に弾性プラスチック材料からなる継手パッキンリングを設け、支持筒体部の変位時の、継手への水の浸入を防止するとよい。
    【0025】
    更に、電動機のハウジングを複数部分に分割した分割型とし、ハウジングの各部分をアルミニウムから構成するとよい。 同様に、支持筒体も2つ以上の分割型に構成できる。 この支持筒体も好ましくはアルミニウムから構成できるが、繊維強化型のプラスチックや、部分的に鋼鉄又はアルミニウムフランジを備えることができる。 これにより、相当の重量軽減を達成しつつ支持筒体の弾性を向上させ得る。
    【0026】
    本発明の他の構成では、電動機は弾性を持つ回転子支持部と例えば5〜50mmの大きな空隙を備える。 これにより、非常に大きな加速度(100Gに達することもある)が発生した場合でも、電動機固定子部分への回転子の接触を確実に回避できる。 本発明による弾性的な回転子支持と、転がり軸受に代わるすべり軸受の使用に関連した大きな空隙とによって、電動機に対する高い耐衝撃加速度が得られる。
    【0027】
    大きな空隙は、効率低下を来すことなく、HTSL(高温超電導体)回転子によって特に有利に達成され得る。 その際、空心型三相巻線とするのが特に好ましい。 HTSL回転子の適用は、これを特に小型化でき、固定子巻線もそれに伴い小型化できる特別な利点を示す。 かくして、耐爆発性、耐衝撃性を持ち、全体として非常に小型の回転電機が得られる。 その場合、従来の回転電機に対し効率低下を来すことはない。 上述の手段(HTSL技術を用いた電動機の使用、鋼鉄に代わるアルミニウム又はプラスチックの使用)および以下に述べる他の手段により、例えば7MWの操舵プロペラの重量を約120tから約65tへと大幅に減少させ得る。
    【0028】
    本発明の好適な他の構成では、船尾支持筒体接続部が船尾内に弾性変形する支持筒体を形成し、弾性変形する支持構造部、例えば可撓性の板を備える。 この結果、支持筒体を経て船尾に作用する爆発圧力も、船尾に直接作用する爆発圧力波も同時に減少させ得る。
    【0029】
    本発明の他の構成では、電動機のエネルギ供給導体を、例えば回転弾性型ケーブルスカートや螺旋状に拡がる導線を持つケーブルの形にし、スリップリングなしとする。 スリップリングを省略することで、操舵プロペラの重量が大幅に減少する。 また、例えば爆発圧力波発生等の激しい運動の発生時、注意してもなお起こり得る障害の原因を無くできる。 しかもスリップリングを省略することで、電気操舵プロペラの回転度を120〜180度に制限できる。 この角度は甘受できる範囲である。 と言うのは、電気操舵プロペラが極限位置から再び逆回転でき、同一回転方向に更に回転する必要がないからである。
    【0030】
    本発明の他の構成では、公知の如く、支持筒体の状態と無関係に可動の補助操舵手段を設ける。 この結果、支持筒体は通常条件の下で定まり、船の僅かな方向変化は補助操舵手段で調節可能になる。
    【0031】
    補助操舵手段は飛行機の水平尾翼の昇降舵と同様の公知の方式で、支持筒体の後方の角に配置できる。 しかし、ここでは、前記手段が支持筒体の航跡渦内にあるので、その作用が制限される。 特別な利点を得るべく、補助操舵手段は側翼又は前翼の形をした、特に非対称の外形、特に主翼の外形に対応する外形とする。 そうすれば、特に側翼又は前翼の特に良好な作用を達成できる。
    【0032】
    電動機の特に安定な実施態様では、電動機を2分割型とし、両分割部分を互いに独立に運転可能とし、かつ特に互いに独立のエネルギ供給手段を設ける。 電動機の各分割部分は夫々に対応するプロペラを駆動でき、かくして冗長性をもって動作する電動機装置を構成し、逆回転するプロペラ装置を簡単に実現できる。 この結果駆動装置の効率が高まる。 電動機のこの構成は、例えば高速モータボート等の小型の軍艦に特に利点をもたらす。
    【0033】
    他の重量軽減策として、支持筒体の回動と補助操舵機の動きの少なくとも一方を電気アクチュエータで調節可能とする。 その際、支持筒体回転装置の重量が軽減するという特別な利点に加えて、通常は常時回転する流体モータが不要になるので、特に低騒音の支持筒体回動装置を構成できる。 その場合、電気アクチュエータによって、高速運転時および方向転換時、所望の目標位置への接近を容易に実現できる。 かくして、船の回転運動を特に迅速に、適切な方法で調節して実行できる。
    【0034】
    本発明の特に好適な構成では、船尾支持筒体接続部を弾性的に構成する。 その手段として支持筒体用の半カルダン式吊下げ装置を設け、又は支持筒体の支持を球冠、特に弾性球冠を経て行う。 その際、球冠での支持筒体上半部の軸支は、強靭性を持ち、かつ支持筒体に対する大きな変位も許容するという特別な利点を生む。 半カルダン式の吊下げも、球冠を経ての支持筒体の支持も緩衝部材、例えば弾性クッションや流体クッションを利用して行う。 該クッションは、ジョイント部材をも備えた可動支持構造体上に水平・垂直方向に支持される。 かくして支持筒体用の、大きな変位量を持つ特定の変位運動が可能になる。
    【0035】
    本発明の構成では、電動機が、電動機ハウジング内に収縮処理された巻線と外壁冷却部を備える。 この結果、衝撃軸用の小さな攻撃面を持った特に小さな体積の電動機ゴンドラが得られる。 支持筒体の弾性的な可動性に関連して、従来達成不能であった方式における電気操舵プロペラの必要条件を、軽量小型で、かつ耐衝撃性をもって対応する電気操舵プロペラの最適な構成を達成できる。
    【0036】
    本発明の詳細は、下位請求項や本発明の他の詳細事項と共に図面から読み取れよう。
    【0037】
    図1は、船腹の輪郭1を示す。 その中に操舵プロペラ支持筒体2が回動可能かつ隠密性を与えるべく弾性的に支持されている。 電気操舵プロペラを符号3で示す。 それはここでは単純な牽引又は推進用プロペラである。 冷却媒体導入のため、一方の軸端はハウジング内に自由に露出している。 電気操舵プロペラのハウジングを4で示し、その中心部分にプロペラ軸でもある回転子軸12が軸受5、7によって支持されている。
    【0038】
    操舵プロペラ支持筒体2内に、電動機ハウジング23の上部に冷凍機のコンプレッサ8が配置されている。 冷凍機8は、詳細には図示しない船舶又は電気操舵プロペラの冷却システムを有する循環式低温冷却装置に接続されている。 コンプレッサ8と冷却ヘッド10の間に可撓性の圧力ガス導管9が配置され、冷却ヘッド10に圧力ガスを供給する。 冷却ヘッド10は、それ自体公知の低温接続部11に接続されている。 低温接続部11は、冷却ヘッド内で冷却された冷却媒体を回転する低温分配器20に送出する。 冷却媒体は、低温分配器20から可撓性導管21を経てクライオスタット15に送出される。
    【0039】
    真空状態に絶縁された回転子クライオスタット15内に、超電導巻線14、特に高温超電導巻線が設けられている。 該巻線14は、熱伝導度の低いトルク伝達カップリング16を経て暖かい回転子クライオスタット15に接続されている。 回転子円筒24は、ダンパ17を経て電気操舵プロペラの軸12に接続され、軸受19を経てハウジング23の終端フランジに結合されている。 ハウジング23の内周面に固定子13が配置され、固定子13と回転子18との間に比較的大きな空隙22が生じている。 この空隙22は、回転子18と固定子13の少なくとも一方の弾性変形と軸受19の軸受隙間との総和を、衝撃の影響を受けた時の変位より小さい値に保つように定められる。 かくして、例えば電気操舵プロペラの直下での水中爆発の際でも申し分のない機能を保証する。
    【0040】
    回転子円筒24は、ダンパ17を経て回転子軸12に接続されている。 ダンパ17として、本実施例では回転子円筒とハウジングの間に配置したものと同様のダンパを用いる。 即ち、できるだけ僅かな冷却損失で、同時に高い耐衝撃性を示すようにしている。
    【0041】
    図2は簡略化した実施例を示す。 ここで図1のものに対応する部品の符号は省略している。 図2の実施例は、超電導巻線のアンペアターン数がより高度に利用できる可能性を示す。 回転子は僅かな導体質量しか必要とせず、しかも鉄心を少ししか、又は全然使用しないで実現できる。 従って回転子の僅かな質量にかかる衝撃力は小さいか、運転時にかかる力と比較可能な値である。 回転子は軸にダンパなしに結合され、冷却媒体室への低温接続は剛性の真空絶縁された導管を経て行われる。 重量のある固定子や低温冷却器はダンパ25を経て支持され、また冷却ヘッド・冷却カップリングとして可撓性接続管26が必要である。 その際、回転子と空心固定子巻線の間の空隙27は、最大の衝撃負荷がかかったときでも回転子28と固定子29の接触が起こらないよう、最大50mmの大きさに選定される。 かくして超電導回転電機の特に軽量で簡単な形態が得られる。
    【0042】
    図3は、例えば回転電機に必要な可撓性の冷却媒体導管を示す。 二重壁構造のハウジング30内に、可撓性の両冷却媒体導管部分33、34を連結する真空室31を形成している。 これら導管部分33、34はフランジ35、36を経て、冷却媒体32を満たした両壁に接続されている。 全体として単純で、僅かな熱損失しか示さない冷却媒体導管構造を達成している。
    【0043】
    図4は船舶用の電動機駆動式駆動装置100の駆動軸101を示す。 駆動軸101は各端部にプロペラ102、103を備える。 駆動軸101を駆動する電動機は、上半分のみを断面で示す。 電動機は回転子104と固定子105からなる。 回転子104は永久磁石の形態の電気的活性層106を備え、円筒状の支持体107上に配置されている。 固定子105は、ラジアル軸受109を経て回転子の支持体107に固定された多分割型の支持ハウジング108を備えている。
    【0044】
    回転子105と固定子106からなる構造ユニットは、弾性ダンパ110、111で、一方では駆動軸101、他方では電動機と駆動軸を収容するハウジング112で支持されている。 駆動軸101はラジアル軸受113でハウジング112内に支持されている。
    【0045】
    ハウジング112は、駆動装置100を船腹に固定すべく支持筒体114を備える。 支持筒体114は二重壁型に構成されるか、例えば冷却空気(冷却風)の通流のために垂直に走る冷媒通路116を備える。
    【0046】
    固定子105、特にコイルエンド115を冷却すべく、支持ハウジング108と支持体107の間の空間に、例えば電動機の一端から支持筒体114から冷却空気を取り込み、それを電動機の他端から放出する。 冷却空気は電動機内で回転子の電気的活性層106と支持体107の間を軸方向に流れる。 固定子や固定子巻線を冷却すべく固定子ハウジング108は支持筒体114から導入される冷却水が通流する冷媒通路を備える。
    【0047】
    図5とその要部を拡大した図6によれば、回転子124と固定子125からなる電動機は、冷媒の通流に好都合に構成されたハウジング132内に配置されている。 ハウジング132は支持筒体139で船腹下にゴンドラ状に吊り下げられる。 固定子の支持ハウジング128は、アンギュラ転がり軸受として構成されたラジアル軸受129を経て回転子124の支持体127に取付けられ、該支持体はダンパ130を経て駆動軸121に弾性的に支持される。 ダンパ130は環状フランジ118、119で軸方向に固定される。
    【0048】
    固定子の支持ハウジング128は軸端両側で各々ダンパ131を経てハウジング132に支持されている。 これらダンパは夫々ゴム材117からなり、支持体128とハウジング132にボルト135、136を経て機械的に結合されている。
    【0049】
    回転子を支持する駆動軸121は、すべり軸受133、134でハウジング132内に支持されている。 すべり軸受は、封止装置137、138で水に対して封止される。
    【0050】
    図7の符号201、202および203は、各々電動機のハウジングを形成する電動機ゴンドラのプロペラ端部、中央部および尾端を示す。 プロペラ204は、好ましくは牽引プロペラとして形成される。 電動機ゴンドラ内には、特に表面から直接熱放出が可能なように構成された固定子巻線205と回転子巻線206が存在している。 これら巻線は、好ましくはHTSL材料で構成される。 固定子205巻線と回転子巻線206との間に大きな空隙207が存在する。 回転子軸のために設けられる軸受、特にすべり軸受は、回転子の放射方向および軸方向の力を受け止めるものであるが、便宜上図示していない。 同様に電動機ゴンドラ内に存在する他の部品も省略している。
    【0051】
    船舶の下部本体領域を208、209で示す。 領域208、209内に、従来型の下部本体構造がある。 両領域208、209間に、弾性的に変形するよう構成した構造部211、212が存在し、両構造部211、212の中央に、支持筒体210の最上端部215の延長部を形成する中空体210がある。 中空体210は弾性的に構成した構造部211、212に対し弾性材、例えば緩衝ゴム215を経て弾性的に可動に軸支される。 その上端部に、好適には金属からなり、大きな弾性変形変位を許す弾性の構造部213が配置される。 かくして、電気操舵プロペラの下で魚雷が爆発しても、操舵プロペラはかなりの程度垂直方向に動くことができ、爆発圧力波による加速度を緩和できる。 図示の構造の場合、大きな変位量を伴う垂直方向の変位も水平・垂直方向の変位も可能である。
    【0052】
    電動機ゴンドラの支持筒体は少なくとも2分割構造とされ、部分216、217を備える。 両部分216、217間に、接続機能を担う弾性のフランジ結合部218が配置される。 両部分216、217からなる支持筒体は、図示の例では2分割構造となっている。 しかし、支持筒体はより多くの部分に分割してもよい。 支持筒体部分216には補助操舵機219を取付けることもでき、支持筒体部分216は、好ましくは繊維強化型のプラスチック材料から構成される。 他方、支持筒体部分217は、電動機ゴンドラ内央部202と同様に、例えばアルミニウムから構成される。 ゴンドラ部201は、そこに発生する相当に大きな軸受力を受容可能とすべく鋼鉄から構成するとよい。 それに対し終端部203は、重量軽減のため繊維強化型のプラスチック材料で構成するのがよい。 この部分には特に冷却液体を通流させる冷媒通路が組み込まれる。
    【0053】
    図8は、並設された2つの操舵プロペラ、即ち2プロペラ軸駆動船の駆動ユニットを船尾方向から見た図であり、222、223は夫々両駆動部のプロペラを示す。 両駆動部を吊り下げる支持筒体は、その上部に接続部として用いる少なくとも1つのフランジ装置224を備えている。 電気操舵プロペラの吊り下げは、原理的には図7の場合と同様に、中央部の緩衝ゴムと鋼鉄ばね構造220との間で軸および水平方向に可動の中空体221で行われる。 その場合、弾性的に変位する構造ユニット225が可動性を高める。
    【0054】
    図7と8に示す構造の、水平および垂直方向に可動で衝撃緩衝型に吊り下げられる操舵プロペラの実施例は、概略的に一例のみを示す。 そこでは特別な要求に適合する相応の変形も可能であることを理解されたい。 可能な他の2つの解決策を図9と10に示す。 図9は球冠形状をした電気操舵プロペラ支持筒体の上部の吊下げ構造、図10はカルダン式の実施例における対応する吊下げ構造を示す。
    【0055】
    図9は、船尾にあってその船尾の構造部材に接続されたフレーム227内に軸支された電気操舵プロペラの支持筒体226を示す。 フレーム227と支持筒体ヘッド226の間に、弾性部材228、例えば板ばね内に支持された球冠部229を示している。 フレーム227は船腹の構造部品内に弾性的に取付けられている。 かくして全方向に同様に変位し得る支持筒体吊下げ構造が得られる。 全方向への同様の変位可能性は、図10の構造でも得られる。 図10では、支持筒体ヘッド232は、船尾の構造部材に支持されたフレーム230にボルト231、233を経て接続されている。 これによっても弾性支持が得られる。 長手および横断方向の案内のため、図9と10の原理に対応して吊り下げられる操舵プロペラの支持筒体は、支持部材をも備えるが、それは図示していない。
    【0056】
    図11は、2つの支持筒体部間に接続部として設けた弾性継手の原理を示す。 両フランジ236、237はその間に、例えば多層積層型の繊維強化型弾性材料からなる層238を備える。 フランジ領域はその外部で、弾性ベローズ239で保護されている。 弾性ベローズ239は又、ねじ頭234を経て好ましくは締め紐で、図示しない支持筒体に取付けられる。 ねじ頭234の下に、例えば板ばね235を設けることで、軸に衝撃が作用した際ジョイントを短時間だけ「開放する」できる。 これは、ベローズ239が外部にあるので、支持筒体内に水が浸入しないように行う。 またベローズ239は外部に配置するのと同様に、内部に配置してもよい。 それにより、二重封止構造を達成できる。
    【0057】
    図12は、操舵プロペラ内のHTSL電動機格納構造の一例を示す。 240はHTSL巻線、241は回転子クライオスタットを示す。 242は空心巻線、243は固定子の鉄心ヨークを示す。 246で冷却器を有する低温冷却コンプレッサを示している。 低温冷却コンプレッサ246から液体状の冷却媒体が低温冷却ヘッド245に送られる。 ここから、所謂「低温冷却ヒートパイプ」244が回転子低温クライオスタット241に冷却媒体を導く。 247は固定子巻線242のリード線を示す。
    【0058】
    図4から10に示す実施例は多数の可能性のある構造を示し、その中から1つを選択して用いられる。 これら構造は、常に支持筒体が爆発に伴う圧力波をかわせる点で共通している。 そのため、魚雷又は機雷の爆発に伴う、船舶部で100Gを超える加速度を発生する相当の圧力波を平衡させ、機能的損害を被ることなくその圧力波を消去できる。
    【図面の簡単な説明】
    【0059】
    【図1】HTSLを用いた電気操舵プロペラの原理を示す縦断面図である。
    【図2】減結合手段を備えた電気操舵プロペラの原理を示す縦断面図である。
    【図3】電動機の弾性冷却媒体導管を示す断面図である。
    【図4】駆動装置の一実施例を示す縦断面図である。
    【図5】図4による駆動装置のための一構造例を示す断面図である。
    【図6】図5の要部の拡大図である。
    【図7】軍艦用の電気操舵プロペラの全体構成を船体の側面方向から見た図である。
    【図8】図7に示された操舵プロペラを船尾方向から見た図である。
    【図9】電気操舵プロペラ用の球冠支持構造の原理を示す図である。
    【図10】電気操舵プロペラのカルダン式懸架装置の原理を示す図である。
    【図11】2つの支持筒体部分間の部分ジョイントの一構成例を示す断面図である。
    【図12】HTSL電動機として構成された電動機の一構成例を示す図である。
    【符号の説明】
    【0060】
    1 船腹の輪郭、2 操舵プロペラ支持筒体、3、102、103、204、222、223 プロペラ、4 操舵プロペラのハウジング、5、7、19 軸受、8、246 コンプレッサ、9 圧力ガス導管、10 冷却ヘッド、11 低温接続部、12 回転子軸、13、29、105、125 固定子、14 超電導巻線、15、241 クライオスタット、16 トルク伝達カップリング、17、25、110、111、130、131 ダンパ、18、28、104、124 回転子、20 低温分配器、21 可撓性導管、22、27、207 空隙、23 電動機ハウジング、24 回転子円筒、26 可撓性接続管、30 二重壁構造ハウジング、31 真空室、32 冷却媒体、33、34 冷却媒体導管部分、35、36、236、237 フランジ、100 電動機式駆動装置、101、121 駆動軸、106 電気的な活性層、107、127 支持体、108、128 支持ハウジング、109、113、129 ラジアル軸受、112、132 ハウジング、114、139 支持筒体、115 コイルエンド、116 冷媒通路、117 ゴム材、118、119 環状フランジ、133、134 すべり軸受、135、136、231、233 ボルト、137、138 封止装置、201 プロペラ端部、202 プロペラ中央部、203 尾端、205 固定子巻線、206 回転子巻線、208、209 下部本体セクション、210、221 中空体、211、212 構造部、213 弾性の構造部、215 緩衝ゴム、216、217 支持筒体部分、218 フランジ結合部、219 補助操舵機、220 鋼鉄ばね構造、224 フランジ装置、225 構造ユニット、226 支持筒体ヘッド、227、230 フレーム、228 弾性部材、229 球冠部、232 支持筒体ヘッド 、234 ねじ頭、235 板ばね、238 繊維強化型弾性材料層、239 弾性ベローズ、240 超電導体巻線、242 固定子空心巻線、243 固定子鉄心ヨーク、244 低温冷却ヒートパイプ、245 低温冷却ヘッド、247 固定子巻線リード線

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