鞍乗り型車両用リアキャリヤ

申请号 JP2014151784 申请日 2014-07-25 公开(公告)号 JP2016028920A 公开(公告)日 2016-03-03
申请人 本田技研工業株式会社; 发明人 北山 京介; 多湖 賢司;
摘要 【課題】外観性を確保しながら安定して大きな荷物やトップボックス等の積載が可能な鞍乗り型車両のリアキャリヤを提供する。 【解決手段】リアキャリヤ68は、車体側に設けられたベースパネル77bと、ベースパネル77bの上部に 位置 するトップパネル91とを備え、トップパネル91は、ベースパネル77bに設けられた固定トップパネル92と、ベースパネル77bに対して後方にスライド機構96によりスライド可能な可動トップパネル93とからなり、固定トップパネル92及び可動トップパネル93のそれぞれの上面は、同一平面上に位置し、可動トップパネル93のスライドにより露出するようにベースパネル77b及び/又はトップパネル91に設けられた露出部68a,68b,68cに、トップボックスを支持するためのトップボックス支持部107a,107b,107cが設けられる。 【選択図】図5
权利要求

シート(46)の後方に位置し、積載面を拡大・縮小させるためのスライド機構(96,144)が設けられた鞍乗り型車両用リアキャリヤにおいて、 前記リアキャリヤ(68,140)は、車体側に設けられたベースパネル(77b,77h)と、ベースパネル(77b,77h)の上部に位置するトップパネル(91,141)とを備え、 前記トップパネル(91,141)は、前記ベースパネル(77b,77h)に設けられた固定トップパネル(92,142)と、前記ベースパネル(77b,77h)に対して後方に前記スライド機構(96,144)によりスライド可能な可動トップパネル(93,143)とからなり、 前記固定トップパネル(92,142)及び前記可動トップパネル(93,143)のそれぞれの上面は、同一平面上に位置し、 前記可動トップパネル(93,143)のスライドにより露出するように前記ベースパネル(77b,77h)及び/又は前記トップパネル(91,141)に設けられた露出部(68a,68b,68c)に、トップボックス(78,158)を支持するためのトップボックス支持部(107a,107b,107c)が設けられることを特徴とする鞍乗り型車両用リアキャリヤ。前記固定トップパネル(92,142)は、平面視T字形状であり、 前記可動トップパネル(93,143)は、平面視U字形状であり、 前記トップボックス(78)の装着時には、前記トップパネル(91,141)は、平面視略長方形であることを特徴とする請求項1に記載の鞍乗り型車両用リアキャリヤ。前記固定トップパネル(92,142)は、車幅方向に延びる左右延出部(92b)と、左右延出部(92b)から後方に延びる前後延出部(92c)とからなり、前記可動トップパネル(93,143)が後方へスライドした際には、前記露出部(68a,68b,68c)に、前記左右延出部(92b)の直後で前記前後延出部(92c)を挟んで前記ベースパネル(77b,77h)に左右一対設けられる前側開口(77e,77e)と、前記ベースパネル(77b,77h)と前記可動トップパネル(93,143)とで形成される後側開口(105)とが現れ、前記トップボックス支持部(107a,107b,107c)は、前記前側開口(77e,77e)及び前記後側開口(105)の縁部で形成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の鞍乗り型車両用リアキャリヤ。前記トップボックス(78)は、前記前側開口(77e,77e)及び前記後側開口(105)に対応する位置に、左右一対の前方係止爪(113,113)と後方係止爪(114)とを備え、 前記前方係止爪(113)は、固定とし、 前記後方係止爪(114)は、レバー(123)の位置に応じて可動とし、 前記レバー(123)が収納状態のときには、前記後方係止爪(114)はロック状態とし、 前記レバー(123)が開放状態のときには、前記後方係止爪(114)はロック解除状態とすることを特徴とする請求項3に記載の鞍乗り型車両用リアキャリヤ。前記トップボックス(158)は、前記前側開口(77e,77e)及び前記後側開口(105)に対応する位置に、左右一対の前方係止爪(113,113)と後方係止爪(159)とを備え、 前記前方係止爪(113)及び前記後方係止爪(159)は、固定とし、 前記可動トップパネル(143)を最後方へ移動させ、前記前方係止爪(113)及び前記後方係止爪(159)を前記前側開口(77e,77e)及び前記後側開口(105)に挿入した後に、前記可動トップパネル(143)を前方へ移動させることで、 前記ベースパネル(77h)に設けられた弾性部材(153)により付勢された係止部材(152)が、前記可動トップパネル(143)の凹部(143c)に嵌合することを特徴とする請求項3に記載の鞍乗り型車両用リアキャリヤ。前記スライド機構(96,144)は、前記ベースパネル(77b,77h)に設けられた凸状のレール、凹状の溝、又は長穴(77c,77j)であって、前記可動トップパネル(93,143)に設けられた凹部又は凸部(93f)に嵌合してなる機構であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の鞍乗り型車両用リアキャリヤ。前記スライド機構(96,144)は、前記ベースパネル(77b,77h)に設けられた前記長穴(77c,77j)に、前記可動トップパネル(93,143)から突出する前記凸部(93f)が嵌合し、凸部(93f)が前記長穴(77c,77j)から抜けないようにする抜け止め部材(98)が設けられる機構であることを特徴とする請求項6に記載の鞍乗り型車両用リアキャリヤ。前記固定トップパネル(92)は、車両に備えるリアグリップ(77)と前記ベースパネル(77b,77h)のうち、両方もしくはどちらか一方と一体に成形されることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の鞍乗り型車両用リアキャリヤ。

说明书全文

本発明は、荷物や荷物を収納するトップボックスを積載するためにシート後方に設けられた鞍乗り型車両用リアキャリヤに関する。

従来、鞍乗り型車両のリアキャリヤにおいて、リアキャリヤの載置面を車幅方向に拡大させるためにスライド機構を設けたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。

特開2002−255073号公報

特許文献1のスライド機構は、リアキャリヤの載置面の下方に配置された補助キャリヤを車幅方向に出し入れする構造であるため、載置面と補助キャリヤの上面との高さに差が生じ、大きな荷物等を載せた場合、その荷重を分散させて受けることが難しかった。 また、リアキャリヤでトップボックスを支持する場合には、別途専用の支持部を設けなければならず、スペースの限られた鞍乗り型車両においては、トップボックスを装着しないときに、上記の支持部が外部に露出することになり、トップボックス支持と外観性確保との両立が難しかった。 そこで、外観性を確保しながら安定して大きな荷物等を載せられるリアキャリヤ構造が求められている。 本発明は、上記事情に鑑みて成されたものであり、外観性を確保しながら安定して大きな荷物やトップボックス等の積載が可能な鞍乗り型車両のリアキャリヤを提供することを目的としている。

上述した課題を解決するため、本発明は、シート(46)の後方に位置し、積載面を拡大・縮小させるためのスライド機構(96,144)が設けられた鞍乗り型車両用リアキャリヤにおいて、前記リアキャリヤ(68,140)は、車体側に設けられたベースパネル(77b,77h)と、ベースパネル(77b,77h)の上部に位置するトップパネル(91,141)とを備え、前記トップパネル(91,141)は、前記ベースパネル(77b,77h)に設けられた固定トップパネル(92,142)と、前記ベースパネル(77b,77h)に対して後方に前記スライド機構(96,144)によりスライド可能な可動トップパネル(93,143)とからなり、前記固定トップパネル(92,142)及び前記可動トップパネル(93,143)のそれぞれの上面は、同一平面上に位置し、前記可動トップパネル(93,143)のスライドにより露出するように前記ベースパネル(77b,77h)及び/又は前記トップパネル(91,141)に設けられた露出部(68a,68b,68c)に、トップボックス(78,158)を支持するためのトップボックス支持部(107a,107b,107c)が設けられることを特徴とする。

上記構成において、前記固定トップパネル(92,142)は、平面視T字形状であり、前記可動トップパネル(93,143)は、前記T字形状に嵌る平面視U字形状であり、前記トップボックス(78)の装着時には、前記トップパネル(91,141)は、平面視略長方形であっても良い。 また、上記構成において、前記固定トップパネル(92,142)は、車幅方向に延びる左右延出部(92b)と、左右延出部(92b)から後方に延びる前後延出部(92c)とからなり、前記可動トップパネル(93,143)が後方へスライドした際には、前記露出部(68a,68b,68c)に、前記左右延出部(92b)の直後で前記前後延出部(92c)を挟んで前記ベースパネル(77b,77h)に左右一対設けられる前側開口(77e,77e)と、前記ベースパネル(77b,77h)と前記可動トップパネル(93,143)とで形成される後側開口(105)とが現れ、前記トップボックス支持部(107a,107b,107c)は、前記前側開口(77e,77e)及び前記後側開口(105)の縁部で形成されるようにしても良い。

また、上記構成において、前記トップボックス(78)は、前記前側開口(77e,77e)及び前記後側開口(105)に対応する位置に、左右一対の前方係止爪(113,113)と後方係止爪(114)とを備え、前記前方係止爪(113)は、固定とし、前記後方係止爪(114)は、レバー(123)の位置に応じて可動とし、前記レバー(123)が収納状態のときには、前記後方係止爪(114)はロック状態とし、前記レバー(123)が開放状態のときには、前記後方係止爪(114)はロック解除状態としても良い。

また、上記構成において、前記トップボックス(158)は、前記前側開口(77e,77e)及び前記後側開口(105)に対応する位置に、左右一対の前方係止爪(113,113)と後方係止爪(159)とを備え、前記前方係止爪(113)及び前記後方係止爪(159)は、固定とし、前記可動トップパネル(143)を最後方へ移動させ、前記前方係止爪(113)及び前記後方係止爪(159)を前記前側開口(77e,77e)及び前記後側開口(105)に挿入した後に、前記可動トップパネル(143)を前方へ移動させることで、前記ベースパネル(77h)に設けられた弾性部材(153)により付勢された係止部材(152)が、前記可動トップパネル(143)の凹部(143c)に嵌合するようにしても良い。 また、上記構成において、前記スライド機構(96,144)は、前記ベースパネル(77b,77h)に設けられた凸状のレール、凹状の溝、又は長穴(77c,77j)であって、前記可動トップパネル(93,143)に設けられた凹部又は凸部(93f)に嵌合してなる機構であっても良い。

また、上記構成において、前記スライド機構(96,144)は、前記ベースパネル(77b,77h)に設けられた前記長穴(77c,77j)に、前記可動トップパネル(93,143)から突出する前記凸部(93f)が嵌合し、凸部(93f)が前記長穴(77c,77j)から抜けないようにする抜け止め部材(98)が設けられる機構であっても良い。 また、上記構成において、前記固定トップパネル(92)は、車両に備えるリアグリップ(77)と前記ベースパネル(77b,77h)のうち、両方もしくはどちらか一方と一体に成形されるようにしても良い。

本発明では、リアキャリヤは、車体側に設けられたベースパネルと、ベースパネルの上部に位置するトップパネルとを備え、トップパネルは、ベースパネルに設けられた固定トップパネルと、ベースパネルに対して後方にスライド機構によりスライド可能な可動トップパネルとからなり、固定トップパネル及び可動トップパネルのそれぞれの上面は、同一平面上に位置し、可動トップパネルのスライドにより露出するようにベースパネル及び/又はトップパネルに設けられた露出部に、トップボックスを支持するためのトップボックス支持部が設けられるので、トップパネルを固定トップパネルと可動トップパネルとに分け、固定トップパネル及び可動トップパネルの上面を同一平面上に位置させたことから、安定して大きな荷物等を載せることができる。また、トップボックス支持部を可動トップパネルがスライドして露出する露出部を設けたことから、トップボックスを装着しない場合には、トップボックス支持部を露出しないようにすることができ、外観性を確保できる。また、トップボックスを装着したい場合には、必然的に積載面を拡大し、安定して荷重を受けることができる状態とした上で、トップボックスを配置できる。

また、固定トップパネルは、平面視T字形状であり、可動トップパネルは、T字形状に嵌る平面視U字形状であり、トップボックスの装着時には、トップパネルは、平面視略長方形であるので、固定トップパネルと可動トップパネルとを良好に組み合わせ、トップボックス装着時には、トップパネルが、平面視略長方形状となり、外観性を確保できる。

また、固定トップパネルは、車幅方向に延びる左右延出部と、左右延出部から後方に延びる前後延出部とからなり、可動トップパネルが後方へスライドした際には、露出部に、左右延出部の直後で前後延出部を挟んでベースパネルに左右一対設けられる前側開口と、ベースパネルと可動トップパネルとで形成される後側開口とが現れ、トップボックス支持部は、前側開口及び後側開口の縁部で形成されるので、平面視コ字形状又はU字形状である可動トップパネルを後方にスライドさせるだけで、前2点と後1点とでトップボックスを支持する開口の縁部が現れ、3点で安定してトップボックスを支持できる。また、スライドにより後1点の位置を調整できることから、任意の位置に、開口に対して係合可能な爪を備える容量の異なる複数のトップボックスの支持が可能となる。

また、トップボックスは、前側開口及び後側開口に対応する位置に、左右一対の前方係止爪と後方係止爪とを備え、前方係止爪は、固定とし、後方係止爪は、レバーの位置に応じて可動とし、レバーが収納状態のときには、後方係止爪はロック状態とし、レバーが開放状態のときには、後方係止爪はロック解除状態とするので、レバーの状態で、トップボックスがロックされているか否かを容易に確認できる。

また、トップボックスは、前側開口及び後側開口に対応する位置に、左右一対の前方係止爪と後方係止爪とを備え、前方係止爪及び後方係止爪は、固定とし、可動トップパネルを最後方へ移動させ、前方係止爪及び後方係止爪を前側開口及び後側開口に挿入した後に、可動トップパネルを前方へ移動させることで、ベースパネルに設けられた弾性部材により付勢された係止部材が、可動トップパネルの凹部に嵌合するので、可動トップパネルを最後方へ移動させ、トップボックスの前方係止爪及び後方係止爪を挿入し、前方へ移動させるという簡単な操作で可動トップパネルのスライドロックを行うことができる。ロック解除についても、弾性部材の付勢を解除して、後方に引くという簡単な操作で行える。

また、スライド機構は、ベースパネルに設けられた凸状のレール、凹状の溝、又は長穴であって、可動トップパネルに設けられた凹部又は凸部に嵌合してなる機構であるので、容易に組み付けることができる。 また、スライド機構は、ベースパネルに設けられた長穴に、可動トップパネルから突出する凸部が嵌合し、凸部が長穴から抜けないようにする抜け止め部材が設けられる機構であるので、抜け止め部材によって可動トップパネルの脱落を防止できる。 また、固定トップパネルは、車両に備えるリアグリップとベースパネルのうち、両方もしくはどちらか一方と一体に成形されるので、部品点数を削減することができる。

本発明の第1実施形態のリアキャリヤを備える自動二輪車の左側面図である。

リアキャリヤを説明する説明図である。図2(A)はリアキャリヤの積載面拡大前の状態を示す斜視図、図2(B)はリアキャリヤの積載面拡大後の状態を示す斜視図である。

リアキャリヤを示す平面図である。

図3のIV−IV線断面図である。

リアキャリヤの構造を示す平面図である。図5(A)はベースプレートを示す平面図、図5(B)は可動トップパネルをスライドさせたときの露出部を示す平面図である。

トップボックスを示す説明図である。図6(A)はトップボックスの側面図、図6(B)は図6(B)のB矢視図である。

トップボックスロック機構を示す断面図である。図7(A)はトップボックスロック機構のアンロック状態を示す断面図、図7(B)はトップボックスロック機構のロック状態を示す断面図である。

リアキャリヤにトップボックスが固定された状態を示す説明図である。図8(A)は左側面図、図8(B)は背面図である。

第2実施形態のリアキャリヤを示す平面図である。

スライド位置決め機構を示す断面図である。図10(A)は可動トップパネルのスライド前のロック爪による位置決めを示す断面図、図10(B)は可動トップパネルのスライド後のロック爪による位置決めを示す断面図である。

トップボックスの取付要領を示す第1作用図であり、図11(A)はリアキャリヤ側の作用を示す作用図、図11(B)はトップボックス側の作用を示す作用図である。

トップボックスの取付要領を示す第2作用図であり、図12(A)はトップボックスをリアキャリヤにロックする前の状態を示す作用図、図12(B)はトップボックスをリアキャリヤにロックした後の状態を示す作用図である。

以下、図面を参照して本発明の一実施の形態について説明する。なお、説明中、前後左右および上下といった方向の記載は、特に記載がなければ車体に対する方向と同一とする。また、各図に示す符号FRは車体前方を示し、符号UPは車体上方を示し、符号LHは車体左方を示している。 <第1実施形態> 図1は、本発明の第1実施形態のリアキャリヤ68を備える自動二輪車10の左側面図である。 自動二輪車10は、車体フレーム11の前端部に操可能にフロントフォーク13が取付けられ、車体フレーム11の下部にリンク18を介して揺動可能にパワーユニット21が取付けられ、車体フレーム11の上部に収納ボックス22が取付けられた鞍乗り型車両である。フロントフォーク13の上端部にはバーハンドル31が取付けられ、下端部には車軸32を介して前輪33が支持され、パワーユニット21の後端には車軸となる出軸42を介して後輪43が支持され、収納ボックス22の上部にはシート46が取付けられている。

車体フレーム11は、ヘッドパイプ12、ダウンフレーム14、左右一対のロアフレーム16、左右一対のリアフレーム17から構成され、車体フレーム11の大部分が車体カバー23で覆われている。 ヘッドパイプ12は、車体フレーム11の前端部を構成し、フロントフォーク13を操舵可能に支持している。ダウンフレーム14は、ヘッドパイプ12から下方斜め後方に延びている。左右一対のロアフレーム16は、ダウンフレーム14の左右に前端部が連結されるとともに左右後方に延び、パワーユニット21を揺動可能に支持するリンク18が取付けられている。左右一対のリアフレーム17は、左右一対のロアフレーム16の後端から一体に後方斜め上方に延び、収納ボックス22が取付けられている。

フロントフォーク13は、ヘッドパイプ12に回転可能に支持されたステアリングステム24と、ステアリングステム24の下端部に取付けられたボトムブリッジ25と、ボトムブリッジ25の左右両端部に取付けられた左右一対の筒状の緩衝部26とから構成されている。ステアリングステム24の上端部にはバーハンドル31が取付けられ、左右の緩衝部26の下端部には、車軸32を介して前輪33が支持されている。前輪33は、上方からフロントフォーク13に取付けられたフロントフェンダ34で覆われ、フロントフェンダ34にフロントフォーク13を保護する左右一対のフォークガード30が取付けられている。

パワーユニット21は、前部を構成するエンジン35と、エンジン35の後部に一体的に設けられた無段変速機36とから構成される。エンジン35は、クランクケース37からシリンダヘッド、シリンダブロック等を備えたシリンダ部がほぼ前方に延び、シリンダヘッドにエアクリーナ38を含む吸気装置が接続されている。無段変速機36は、クランクケース37の後端部に一体に設けられた伝動ケース39を備え、伝動ケース39の後端部に出力軸42を介して後輪43が取付けられている。一方のリアフレーム17と伝動ケース39とにはリヤクッションユニット45が渡されている。 収納ボックス22は、その上部にシート46が開閉可能に取付けられている。 車体カバー23は、フロントカバー51、左右一対のフロントロアカバー52、ハンドルカバー53、フロントインナカバー54、レッグシールド56、フロアステップ57、左右一対のフロアサイドスカート58、左右一対のリヤサイドスカート59を備える。

フロントカバー51は、フロントフォーク13の上部の前方を覆っている。フロントロアカバー52は、フロントカバー51の下端に連続して設けられている。ハンドルカバー53は、バーハンドル31の中央部を覆っている。フロントインナカバー54は、フロントフォーク13の上部の後方を覆っている。レッグシールド56は、フロントフォーク13の上部の後方を覆うとともにフロントカバー51の左右端に接続されて運転者の脚部の前方を覆っている。フロアステップ57は、レッグシールド56の下端部から下方及び後方に延びて運転者の足載せとされる。フロアサイドスカート58は、フロアステップ57の左右縁部から下方に延びている。リヤサイドスカート59は、フロアサイドスカート58の後端に連続するように設けられている。

更に車体カバー23は、センタカバー61、左右一対のボディサイドカバー62、リヤセンタカバー63、左右一対のボディロアカバー64、左右一対のリアサイドカバー66を備える。 センタカバー61は、フロアステップ56の後端からシート46の前端部下方まで延びている。ボディサイドカバー62は、フロアステップ56及びセンタカバー61からシート46の側縁下方を車体後方に延びている。リヤセンタカバー63は、シート46の後方で左右のボディサイドカバー62の後端部間を覆っている。ボディロアカバー64は、左右のボディサイドカバー62の下縁に沿ってフロアステップ56の後端から後方へ延びている。リアサイドカバー66は、ボディサイドカバー62,62の後端部下縁に接続されている。

ハンドルカバー53には、前部にヘッドライト71、上部にウインドスクリーン72、左右端部に左右一対のバックミラー73が設けられている。ロアフレーム16にはサイドスタンド75が設けられ、クランクケース37の下部にはメインスタンド76が設けられている。 左右のリアフレーム17の後部には、同乗者が掴むリアグリップ77が取付けられている。リアグリップ77は、その後部にリアキャリヤ68が設けられ、リアキャリヤ68に荷物を収納可能なトップボックス78が取付けられている。なお、図中の符号74はウインカ、81は後輪43を上方から覆うリアフェンダ、82はテールランプ、83はライセンスプレートである。

図2は、リアキャリヤ68を説明する説明図である。図2(A)はリアキャリヤ68の積載面拡大前の状態を示す斜視図、図2(B)はリアキャリヤ68の積載面拡大後の状態を示す斜視図である。 図2(A),(B)に示すように、リアグリップ77は、運転者が掴むようにリアフレーム17,17(図1参照)側に設けられた左右一対のリアグリップ本体77a,77aと、リアグリップ本体77a,77aの後端部に一体成形された平板状のベースパネル77bとからなる。 リアキャリヤ68は、リアグリップ77のベースパネル77bと、ベースパネル77b上に設けられたトップパネル91とを備える。

トップパネル91は、ベースパネル77bに固定されたT字形で板状の固定トップパネル92と、ベースパネル77bにスライド可能に取付けられたコ字形又はU字形で板状の可動トップパネル93とからなる。 固定トップパネル92及び可動トップパネル93は、それらの上面92a,93aが同一平面となるようにベースパネル77b上に設けられている。図2(A)の状態から図2(B)のように、可動トップパネル93を後方へスライドさせて、積載面を後方へ拡大しても、上面92a,93aは同一平面となっている。

図3は、リアキャリヤ68を示す平面図である。 リアキャリヤ68は、平面視で矩形に形成されている。 固定トップパネル92は、車幅方向に延びる矩形の左右延出部92bと、左右延出部92bの車幅方向の中央部から後方に延びる前後延出部92cとが一体成形され、ベースパネル77b(図2(A)参照)に複数のビス95で取付けられている。左右延出部92bは、前後延出部92cよりも左方に位置する左延出部92gと、前後延出部92cよりも右方に位置する右延出部92hとを備える。なお、固定トップパネル92は、ベースパネル77b(図2(A),(B)参照)とは別体であるが、固定トップパネル92をベースパネル77bと一体に形成しても良い。これにより、リアグリップ77にベースパネル77bと固定トップパネル92とが一体に形成される。

可動トップパネル93は、固定トップパネル92の左右延出部92bの後方で且つ前後延出部92cの車幅方向両側に配置された左パネル部93b及び右パネル部93cと、左パネル部93b及び右パネル部93cを一体に接続する左右接続部93dとからなる。 固定トップパネル92及び可動トップパネル93は、可動トップパネル93がスライドする前の状態では、その輪郭が矩形に形成され、平面視でベースパネル77bと同一形状又は略同一形状を成している。

可動トップパネル93は、ベースパネル77bにスライド機構96を介して取付けられている。スライド機構96は、ベースパネル77b側に設けられたガイド部に可動トップパネル93がガイドされてスライドする構造を有する。また、リアキャリヤ68は、可動トップパネル93をスライド前とスライド後との両方で位置決めするスライド位置決め機構97を備える。スライド機構96及びスライド位置決め機構97の詳細構造を図4で説明する。

図4は、図3のIV−IV線断面図である。 スライド機構96は、ベースパネル77bの左右一対のガイド穴77c,77cと、可動トップパネル93の左右一対の凸状ガイド部93f,93fと、ビス98,98とからなる。 ガイド穴77cは、ベースパネル77bに前後方向に延びるように形成された長穴状のものである。凸状ガイド部93fは、ガイド穴77cに挿入するために可動トップパネル93の下面93eから下方に一体に突出形成されている。ビス98は、ベースパネル77bの下面77d側から凸状ガイド部93fにねじ結合されている。ビス98の頭部の外径が凸状ガイド部93fの外径よりも大きく形成されているので、ガイド穴77cから凸状ガイド部93fが抜けないように抜け止めすることが可能になる。

スライド位置決め機構97は、固定トップパネル92の横穴92e、圧縮コイルばね101、ボール102、位置決め凹部93gから構成される。 横穴92eは、固定トップパネル92の側端面92d,92dにそれぞれ車幅方向に延びるように開けられている。圧縮コイルばね101は、横穴92e内に収納され、一端が横穴92eの底面92fに当てられる。ボール102は、横穴92e内に一部が収容され、圧縮コイルばね101の他端が当てられて可動トップパネル93の側端面93h側に付勢される。位置決め凹部93gは、可動トップパネル93の側端面93hに、球面の一部を構成する凹形状に形成された部分である。位置決め凹部93gには、圧縮コイルばね101の弾性力でボール102が押し当てられ、位置決めされる。

図の状態では、ボール102は、固定トップパネル92と可動トップパネル93との間に位置するため、固定トップパネル92に対して可動トップパネル93のスライドが規制され、可動トップパネル93が位置決めされる。位置決め凹部93gは、スライド前の可動トップパネル93の位置決めを行う。スライド後の可動トップパネル93の位置決めは、図3に示した位置決め凹部93jによって行われる。 図の状態で、可動トップパネル93に後向きの比較的大きなスライド力を加えれば、ボール102は、圧縮コイルばね101の弾性力に抗して位置決め凹部93gから離れ、更に横穴92e内に収納されるので、可動トップパネル93を後方へスライドさせることが可能になる。なお、符号103はスライド機構96の摺動部に土埃、雨、泥等が付着するのを防ぐためにベースパネル77bを下面77d側から覆うバックパネルである。

図5は、リアキャリヤ68の構造を示す平面図である。図5(A)はベースパネル77bを示す平面図、図5(B)は可動トップパネル93をスライドさせたときの露出部68a,68b,68cを示す平面図である。 図5(A)に示すように、ベースパネル77bは、車幅方向に並べられた左右一対の窓部77q,77qが開けられ、窓部77q,77qの後方に左右一対のガイド穴77c,77cが形成されている。なお、符号77fはベースパネル77bに固定トップパネル92(図5(B)参照)を固定するためのビス95(図5(B)参照)をねじ込むめねじである。

図5(B)に示すように、窓部77q,77qは、可動トップパネル93をスライドする前の状態では、固定トップパネル92及び可動トップパネル93に塞がれている。 また、可動トップパネル93を後端までスライドさせた状態では、ベースパネル77bに露出部77m,77n,77pが現れる。露出部77m,77nにおいては、窓部77q,77qの前部が固定トップパネル92の左延出部92g及び右延出部92hによって塞がれ、窓部77q,77qの後部が開口77e,77eとして露出する。 また、露出部77pでは、ベースパネル77bの後端面77gと可動トップパネル93の左右接続部93dとで囲まれる開口105が形成される。 ここで、ベースパネル77bの露出部77mと、左側の開口77eと、固定トップパネル92の左延出部92gの後端面92jと、前後延出部92cの側端面92mと、可動トップパネル93の左パネル部93bの前端面93kとは、リアキャリヤ68の露出部68aを構成している。

また、ベースパネル77bの露出部77nと、右側の開口77eと、固定トップパネル92の右延出部92hの後端面92nと、前後延出部92cの側端面92pと、可動トップパネル93の右パネル部93cの前端面93mとは、リアキャリヤ68の露出部68bを構成している。 また、ベースパネル77bの露出部77pと、開口105と、固定トップパネル92の後端面92qと、可動トップパネル93の左パネル部93bの内端面93nと、右パネル部93cの内端面93pと、左右接続部93dの前端面93qとは、リアキャリヤ68の露出部68cを構成している。

本実施形態では、開口77e,77eの縁部及び開口105の縁部が、トップボックス78(図1参照)を支持するトップボックス支持部107a,107b,107cをそれぞれ構成する。 詳しくは、トップボックス支持部107a,107b,107cは、トップボックス78(図1参照)の底部に設けられた鉤状の係合部を掛ける部分である。トップボックス支持部107aは、左側の窓部77qの前部を覆う固定トップパネル92の左延出部92g(開口77eの縁部)である。トップボックス支持部107bは、右側の窓部77qの前部を覆う固定トップパネル92の右延出部92h(開口77eの縁部)である。トップボックス支持部107cは、開口105の後方に配置された可動トップパネル93の左右接続部93d(開口105の縁部)である。

固定トップパネル92の左延出部92gは、露出部68aを構成する後端面92jを含む部分であり、固定トップパネル92の右延出部92hは、露出部68bを構成する後端面92nを含む部分であり、可動トップパネル93の左右接続部93dは、露出部68cを構成する前端面93qを含む部分である。 従って、トップボックス支持部107a,107bは、固定トップパネル92に設けられ、トップボックス支持部107cは、可動トップパネル93に設けられる。即ち、トップボックス支持部107a,107b,107cは、トップパネル91に設けられる。 トップボックス支持部107a,107b,107cによるトップボックス78の支持要領については、後で詳述する。

図6は、トップボックス78を示す説明図である。 図6(A)はトップボックス78の側面図、図6(B)は図6(B)のB矢視図である。 図6(A),(B)に示すように、トップボックス78は、有底箱形のボックス本体111と、ボックス本体111の上部に開閉可能に取付けられたリッド112と、ボックス本体111の底部111aに設けられた下方に突出する左右一対の鉤状の前係合部113及び下方に突出する鉤状の後係合部114とを備える。 左右一対の前係合部113と後係合部114とは、トップボックス支持部107a,107b,107c(図5(B)参照)に支持される。前係合部113は、底部111aに固定された側面視L字形状を成す部分であり、ボックス本体111の底部111aから下方に延びる下方延出部113aと、下方延出部113aの下端から前方に延びる前方延出部113bとからなる。後係合部114は、底部111aに形成された開口部111bから突出し、底部111aに対して揺動可能に支持された側面視L字形状を成す部分であり、ボックス本体111の底部111a側から下方に延びる下方延出部114aと、下方延出部114aの下端から後方に延びる前方延出部114bとからなる。 後係合部114は、トップボックス78をリアキャリヤ68(図5(C)参照)に固定するためにトップボックス78に設けられたトップボックスロック機構120の一部を構成する。

図7は、トップボックスロック機構120を示す断面図である。 図7(A)はトップボックスロック機構120のアンロック状態を示す断面図、図7(B)はトップボックスロック機構120のロック状態を示す断面図である。 図7(A)に示すように、トップボックスロック機構120は、軸支持ブラケット121と、後係合部114と、リンク122と、ロックレバー123と、軸支持ブラケット124とを備える。 軸支持ブラケット121は、トップボックス78のボックス本体111の底部111aに取付けられ、支軸126を備える。後係合部114は、支軸126に揺動可能に支持され、底部111aに沿った状態に保持されている。リンク122は、一端が後係合部114に設けられたアーム部127に連結ピン128で揺動可能に連結され、他端がロックレバー123に設けられたアーム部131に連結ピン132で揺動可能に連結されている。 軸支持ブラケット124は、ボックス本体111の後壁111cに取付けられ、支軸134を備える。ロックレバー123は、支軸134に揺動可能に支持され、後壁111cに形成された後部開口部111dから外部に突出している。図の状態では、後係合部114の大部分は、ボックス本体111内に位置し、リアキャリヤ68に係合しないアンロック状態となっている。

図7(B)に示すように、ロックレバー123を矢印Aで示すように下方へ揺動させると、ロックレバー123のアーム部131が矢印Bで示すように上方へ揺動する。この結果、リンク122が矢印Cで示すように引かれ、後係合部114のアーム部127が矢印Dで示すように揺動し、後係合部114が矢印Eで示すように開口105内を下方に揺動する。これにより、後係合部114が可動トップパネル93の左右接続部93dに係合し、トップボックスロック機構120がロック状態となる。

図8は、リアキャリヤ68にトップボックス78が固定された状態を示す説明図である。図8(A)は左側面図、図8(B)は背面図である。 図8(A),(B)に示すように、トップボックス78の左右の前係合部113が、開口77eを貫通した状態で固定トップパネル92の左延出部92g、右延出部92h(図5(B)参照)に係合し、後係合部114が、開口105を貫通した状態で可動トップパネル93の左右接続部93dに係合している。 トップボックスロック機構120(図7(A),(B)参照)を構成するロックレバー123は、ボックス本体111の後壁111cに設けられた後壁凹部111e内に位置している。 この状態で、ロックレバー123の先端部123aに指を掛けてロックレバー123を上方へ揺動させると、トップボックスロック機構120のロックが解除され、リアキャリヤ68からトップボックス78を取外すことが可能になる。なお、符号136はボックス本体111に対してリッド112をロック状態にするロック機構を構成するキーシリンダである。

以上の図1、図3、図5(B)及び図8(A)に示したように、シート46の後方に位置し、積載面を拡大・縮小させるためのスライド機構96が設けられた鞍乗り型車両としての自動二輪車10用のリアキャリヤ68において、リアキャリヤ68は、車体側に設けられたベースパネル77bと、ベースパネル77bの上部に位置するトップパネル91とを備え、トップパネル91は、ベースパネル77bに設けられた固定トップパネル92と、ベースパネル77bに対して後方にスライド機構96によりスライド可能な可動トップパネル93とからなり、固定トップパネル92及び可動トップパネル93のそれぞれの上面は、同一平面上に位置し、可動トップパネル93のスライドにより露出するようにベースパネル77b及び/又はトップパネル91に設けられた露出部68a,68b,68cに、トップボックス78を支持するためのトップボックス支持部107a,107b,107cが設けられる。

この構成によれば、トップパネル91を固定トップパネル92と可動トップパネル93とに分け、固定トップパネル92及び可動トップパネル93の上面92a,93aを同一平面上に位置させたことから、安定して大きな荷物等を載せることができる。また、トップボックス支持部107a,107b,107cを可動トップパネル93がスライドして露出する露出部68a,68b,68cを設けたことから、トップボックス78を装着しない場合には、トップボックス支持部107a,107b,107cを露出しないようにすることができ、外観性を確保できる。また、トップボックス78を装着したい場合には、必然的に積載面を拡大し、安定して荷重を受けることができる状態とした上で、トップボックス78を配置できる。

また、固定トップパネル92は、平面視T字形状であり、可動トップパネル93は、平面視U字形状であり、トップボックス78の装着時には、トップパネル91は、平面視略長方形であるので、固定トップパネル92と可動トップパネル93とを良好に組み合わせ、トップボックス78の装着時には、トップパネル91が、平面視略長方形状となり、外観性を確保できる。

また、固定トップパネル92は、車幅方向に延びる左右延出部92bと、左右延出部92bから後方に延びる前後延出部92cとからなり、可動トップパネル93が後方へスライドした際には、露出部68a,68b,68cに、左右延出部92bの直後で前後延出部92cを挟んでベースパネル77bに左右一対設けられる前側開口としての開口77e,77eと、ベースパネル77bと可動トップパネル93とで形成される後側開口としての開口105とが現れ、トップボックス支持部107a,107b,107cは、開口77e,77e及び開口105の縁部で形成されるので、平面視コ字形状又はU字形状である可動トップパネル93を後方にスライドさせるだけで、前2点と後1点とでトップボックス78を支持する開口77e,77e及び開口105の縁部が現れ、3点で安定してトップボックス78を支持できる。 また、スライドにより後1点の位置を調整できることから、例えば、第2係合凹部143c,143cを前後方向に並べて複数形成しておけば、スライド後の可動トップパネル143の位置決め自由度を増すことができ、任意の位置に、開口77e,77e及び開口105に対して係合可能な爪を備える容量の異なる複数のトップボックス78の支持が可能となる。

また、図5(B)、図6(A),(B)及び図7(A),(B)に示したように、トップボックス78は、開口77e,77e及び開口105に対応する位置に、左右一対の前方係止爪としての前係合部113,113と後方係止爪としての後係合部114とを備え、前係合部113は、固定とし、後係合部114は、レバーとしてのロックレバー123の位置に応じて可動とし、ロックレバー123が収納状態のときには、後係合部114はロック状態とし、ロックレバー123が開放状態のときには、後係合部114はロック解除状態とするので、ロックレバー123の状態で、トップボックス78がロックされているか否かを容易に確認できる。 また、図3及び図4に示したように、スライド機構96は、ベースパネル77bに設けられた凸状のレール、凹状の溝、又は長穴としてのガイド穴77cであって、可動トップパネル93に設けられた凹部又は凸部としての凸状ガイド部93fに嵌合してなる機構であるので、容易に組み付けることができ、コストを抑えることができる。

また、スライド機構96は、ベースパネル77bに設けられた長穴としてのガイド穴77cに、可動トップパネル93から突出する凸部としての凸状ガイド部93fが嵌合し、凸状ガイド部93fがガイド穴77cから抜けないようにする抜け止め部材としてのビス98が設けられる機構であるので、ビス98によって可動トップパネル93の脱落を防止できる。 また、図1、図5(A),(B)に示したように、固定トップパネル92は、車両に備えるリアグリップ77とベースパネル77bのうち、両方もしくはどちらか一方と一体に成形されるので、部品点数を削減することができる。

<第2実施形態> 図9は、第2実施形態のリアキャリヤ140を示す平面図である。 図3に示した第1実施形態と同一構成については同一符号を付け、説明は省略する。 リアキャリヤ140は、リアグリップ77(図1参照)に一体成形されたベースパネル77hと、ベースパネル77h上に設けられたトップパネル141とを備え、トップボックス158(図11(B)参照)を取付けることが可能である。 ベースパネル77hは、外形が第1実施形態のベースパネル77b(図5(A)参照)と同一で、左右一対の開口77e,77eと、開口77e,77eの後方に設けられた前後方向に延びる左右一対の長穴形状のガイド穴77j,77jとを備える。 ガイド穴77jは、第1実施形態のガイド穴77c(図5(A)参照)よりも後方に長く形成されている。 トップパネル141は、ベースパネル77hに複数のビス95で取付けられた固定トップパネル142と、ベースパネル77hにスライド機構144を介して移動可能に取付けられた可動トップパネル143とを備える。

固定トップパネル142は、第1実施形態の固定トップパネル92(図3、図4参照)に対してスライド位置決め機構97(図4参照)の横穴92e(図4参照)が設けられておらず、他は固定トップパネル92と同一である。 可動トップパネル143は、第1実施形態の可動トップパネル93(図3、図4参照)に対してスライド位置決め機構97が設けられておらず、その代わりにスライド位置決め機構146が設けられ、その他は同一である。 スライド機構144は、図3及び図4に示したスライド機構96のガイド穴77cに対してガイド穴77jのみが異なる。即ち、ガイド穴77jは、ガイド穴77cよりも前後に長く形成されている。これにより、可動トップパネル143の後方への移動量を可動トップパネル93よりも大きくすることが可能になる。図10でスライド位置決め機構146の構造及び作用を説明する。

図10は、スライド位置決め機構146を示す断面図である。 図10(A)は可動トップパネル143のスライド前のロック爪152aによる位置決めを示す断面図、図10(B)は可動トップパネル143のスライド後のロック爪152aによる位置決めを示す断面図である。 図10(A)に示すように、スライド位置決め機構146は、支軸151、ロック部材152、ねじりコイルばね153、貫通穴77k、左右一対の第1係合凹部143b、左右一対の第2係合凹部143cを備える。 支軸151は、ベースパネル77h側に設けられ、支軸151にロック部材152が揺動可能に支持されている。ロック部材152は、支軸151側から一方に延びるロック爪152aと、支軸151側から他方に延びる押圧片152bとを備える。押圧片152bは、ベースパネル77hの下方を覆うバックパネル155の後部に設けられた開口部155aから外部に露出しているため、押圧片152bを指で押圧することが可能になる。

ねじりコイルばね153は、ロック部材152をロック側に付勢している。貫通穴77kは、ロック部材152のロック爪152aが貫通するようにベースパネル77hに開けられている。左右一対の第1係合凹部143b及び左右一対の第2係合凹部143cは、ロック爪152aが挿入されるように可動トップパネル143の底面143aに前後方向に並ぶように形成されている。一方の第1係合凹部143bは、可動トップパネル143がスライドする前の位置がロック爪152aによって位置決めされる部分である。他方の第2係合凹部143cは、可動トップパネル143がスライドした後の位置がロック爪152aによって位置決めされる部分である。

図9に戻って、第1係合凹部143bと第2係合凹部143cとは、可動トップパネル143の左パネル部93b,93cのそれぞれに前後に並ぶように形成されている。また、スライド位置決め機構146のロック部材152は、ロック爪152aが左右端部に設けられたロック爪支持部152cと、ロック爪支持部152cの後端部に一体成形された押圧片152bとからなる。

図10(A)において、可動トップパネル143を後方へスライドさせるには、押圧片152bを矢印Fで示すように上方へ押し、ロック爪152aを矢印Gで示すように揺動させて、第1係合凹部143bに対するロック爪152aの係合を解除する。 図10(B)に示すように、可動トップパネル143を矢印Hで示すように後方へスライドさせた後に、押していた押圧片152bの押圧を止め、ロック爪152aを矢印Jに示すように揺動させて、第2係合凹部143cに係合させる。これにより、スライド後の位置における可動トップパネル143のスライドが規制され、可動トップパネル143は位置決めされる。

次に、リアキャリヤ140へのトップボックス158の取付要領を説明する。 図11は、トップボックス158の取付要領を示す第1作用図であり、図11(A)はリアキャリヤ140側の作用を示す作用図、図11(B)はトップボックス158側の作用を示す作用図である。図12は、トップボックス158の取付要領を示す第2作用図であり、図12(A)はトップボックス158をリアキャリヤ140にロックする前の状態を示す作用図、図12(B)はトップボックス158をリアキャリヤ140にロックした後の状態を示す作用図である。 図11(A)に示すように、可動トップパネル143を矢印Kで示すように、最も後方までスライドさせる。このとき、ロック部材152の左右のロック爪152a,152aに対して、可動トップパネル143の第2係合凹部143c,143cは、後方に位置する。即ち、トップボックス158(図12(B)参照)の固定位置に対して、可動トップパネル143を後方へ余計に引き出している。

図11(B)に示すように、トップボックス158は、有底箱形のボックス本体161と、ボックス本体161の上部に開閉可能に取付けられたリッド112とからなる。ボックス本体161の底部161aには、左右一対の前係合部113と、下方に突出する鉤状の後係合部159とが固定されている。後係合部159は、底部111aに固定された側面視L字形状を成す部分であり、ボックス本体161の底部161aから下方に延びる下方延出部159aと、下方延出部159aの下端から後方に延びる後方延出部159bとからなる。 リアキャリヤ140へトップボックス158を取付けるには、まず、トップボックス158の左右一対の前係合部113及び後係合部159を矢印L,Lで示すようにリアキャリヤ140の開口77e,77e,105に挿入する。

図12(A)において、可動トップパネル143を矢印Mで示すように前方へ止まるまでスライドさせる。この結果、図12(B)で示すように、トップボックス158が白抜き矢印Nで示すように前方に移動し、前係合部113及び後係合部159も前方へ移動して、前係合部113は固定トップパネル142の左延出部92g及び右延出部92hに係合し、後係合部159は可動トップパネル143の左右接続部93dに係合して、リアキャリヤ140にトップボックス158が固定される。 このとき、図10(B)に示したように、スライド位置決め機構146のロック爪152aは、第2係合凹部143cに係合する。

例えば、図11(A),(B)及び図12(A),(B)において、後係合部159の下方延出部159aを下方へ更に長く形成するとともに、後方延出部159bを前方に向けて前方延出部とすることで、下方延出部を長く且つ前方延出部を有する後係合部を、開口105に挿入するとともに、左右の前係合部113を開口77eに挿入し、可動トップパネル143を前方へスライドさせることにより、上記した下方延出部を長く且つ前方延出部を有する後係合部をベースパネル77hの後端面77g側の縁部に係合するとともに、左右の前係合部113を固定トップパネル142の左延出部92g及び右延出部92hに係合することができる。ベースパネル77hの後端面77gは、露出部68cを構成する開口105に含まれる部分である。 従って、トップボックス支持部107a,107bは、トップパネル141に設けられ、上記した後端面77g側のトップボックス支持部は、ベースパネル77hに設けられる。

以上の図9、図10(A),(B)、図11(A),(B)及び図12(A),(B)に示したように、トップボックス158は、開口77e,77e及び開口105に対応する位置に、左右一対の前係合部113,113と後係合部159とを備え、前係合部113及び後係合部159は、固定とし、可動トップパネル143を最後方へ移動させ、前係合部113,113及び後係合部159を開口77e,77e及び開口105に挿入した後に、可動トップパネル143を前方へ移動させることで、ベースパネル77hに設けられた弾性部材としてのねじりコイルばね153により付勢された係止部材としてのロック部材152が、可動トップパネル143の凹部としての第2係合凹部143cに嵌合するので、可動トップパネル143を最後方へ移動させ、トップボックス158の前係合部113及び後係合部159を挿入し、前方へ移動させるという簡単な操作で可動トップパネル143のスライドロックを行うことができる。ロック解除についても、ねじりコイルばね153の付勢を解除して、後方に引くという簡単な操作で行える。

上述した実施形態は、あくまでも本発明の一態様を示すものであり、本発明の主旨を逸脱しない範囲で任意に変形及び応用が可能である。 例えば、上記実施形態において、図3及び図4に示したように、スライド機構96を、ベースパネル77bに設けられた長穴状のガイド穴77cと、可動トップパネル93に設けられた凸状ガイド部93fとを嵌合させることで構成したが、これに限らず、ベースパネル77bに凸状のレールを設け、可動トップパネル93に凹部を設け、凸状のレールに凹部を嵌合させたり、ベースパネル77bに凹状の溝を設け、可動トップパネル93に凸部を設け、凹状の溝に凸部を嵌合させたりしても良い。 また、図2に示したように、リアグリップ77にベースパネル77bを一体に形成したが、これに限らず、リアグリップ77とベースパネル77bとを別体に形成するとともに、ベースパネル77bと固定トップパネル92とを一体に形成しても良い。 また、図6(A)に示した前係合部(前方係止爪)113を固定とし、後係合部(後方係止爪)114を可動としたが、これに限らず、前係合部113を可動とし、後係合部114を固定としても良い。 本発明は、自動二輪車10に適用する場合に限らず、自動二輪車10以外も含む鞍乗り型車両にも適用可能である。なお、鞍乗り型車両とは、車体に跨って乗車する車両全般を含み、自動二輪車(原動機付き自転車も含む)のみならず、ATV(不整地走行車両)に分類される三輪車両や四輪車両を含む車両である。

10 自動二輪車(二輪車) 46 シート 68,140 リアキャリヤ 68a,68b,68c 露出部 77 リアグリップ 77b,77h ベースパネル 77c,77j ガイド穴(長穴) 77e,105 開口 78,158 トップボックス 91,141 トップパネル 92,142 固定トップパネル 92b 左右延出部 92c 前後延出部 93,143 可動トップパネル 93f 凸状ガイド部(凸部) 96,144 スライド機構 98 ビス(抜け止め部材) 107 トップボックス支持部 113 前係合部(前方係止爪) 114 後係合部(後方係止爪) 123 ロックレバー(レバー) 143c 第2係合凹部(凹部) 152 ロック部材(係止部材) 153 ねじりコイルばね(弾性部材) 159 後係合部(後方係止爪)

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