Front cowl for motorcycle

申请号 JP2010206603 申请日 2010-09-15 公开(公告)号 JP2012061925A 公开(公告)日 2012-03-29
申请人 Kawasaki Heavy Ind Ltd; 川崎重工業株式会社; 发明人 YASUHARA HIDEFUMI; KAWACHI KAORU;
摘要 PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a front cowl for a motorcycle having a structure such that only a damaged or broken part can be easily replaced, and the appearance can be easily changed according to a driver's taste.SOLUTION: The front cowl (21) for enclosing a front part of a vehicle body (FR) includes a front cowl body (22) and a front edge member (23) mounted removably on the cowl body (22) and forming a major component of a front edge of the front cowl (21). The front edge member (23) includes left and right front edge pieces (23a, 23b).
权利要求
  • 車体の前部を覆うフロントカウルであって、
    カウル本体と、前記カウル本体に着脱自在に装着されてフロントカウルの前縁の主要部を形成する前縁部材とを備えた自動二輪車のフロントカウル。
  • 請求項1において、前記前縁部材は、フロントカウルの両側部に位置する左右一対の前縁片を有する自動二輪車のフロントカウル。
  • 請求項1また2において、前記前縁部材は、フロントカウルの下縁まで延びている自動二輪車のフロントカウル。
  • 請求項1から3のいずれか一項において、前記前縁部材は着色剤を含有した樹脂によって形成され、前記カウル本体は外側表面に塗装が施されている自動二輪車のフロントカウル。
  • 請求項1から4のいずれか一項において、前記前縁部材の外面の後縁が前記カウル本体の外面の前部よりも外側に偏位している自動二輪車のフロントカウル。
  • 請求項1から5のいずれか一項において、前記前縁部材の後縁部と前記カウル本体の前縁部との間に、ラジエータ近傍で前記前縁部材の内側の空気を外側に排出する排出口が形成されている自動二輪車のフロントカウル。
  • 说明书全文

    本発明は、自動二輪車における車体の前部を覆うフロントカウルに関するものである。

    自動二輪車のフロントカウルは、一般に合成樹脂の成形品として製作され、一体形の他に、近年では左右のサイドカウルに2分割されたもの、あるいは左右一対のサイドカウルとセンターカウルとに3分割されたものがある。 フロントカウルがフロントフォークの上部からエンジンの下部までを覆う場合にはアッパーカウルとなるセンターカウルと、その下方の左右一対のサイドカウルとを有する3分割タイプが多い。

    また、フロントカウルとして、ラジエータの後方位置に対応する側面にカウル窓を設けるとともに、カウル内の風圧に応じてカウル窓を開閉するフラッパ手段をカウル窓に設けたものが知られている(特許文献1参照)。 このフロントカウルは、熱的に厳しい高速走行時に、ラジエータからの熱風を車両の下部およびカウル窓から放出させて、ラジエータの放熱を促進する。

    特開2005−153664号公報

    フロントカウルは、自動二輪車の走行時に前輪がはね上げた泥や砂ぼこり或いは塵埃などが付着して汚れ易く、また、前輪で弾かれた小石や異物などが当たって傷が付き易い。 特に、小石などが当たって塗装面の一部が剥がれるような損傷や一部が破損したような場合には、外観が著しく損なわれるから、新たなサイドカウルに交換されることが多く、余分な費用を要することになる。 また、従来のフロントカウルは、左右のサイドカウルが前縁から後縁にかけての全体にわたり滑らかな外面(車体外側の表面)を有しているので、走行中の自動二輪車に向けて前方から流動する走行風がサイドカウルの外面に接触しながら流れるため、走行風のサイドカウルに対する摩擦抵抗が大きい。

    一方、特許文献1のフロントカウルは、これの内部の熱風を放出するためにカウル窓およびフラッパ手段を設けているので、構成が複雑であり、コスト高となる。

    本発明は、損傷や破損を受けた部分のみを容易に交換することができるとともに、ドライバの好みに応じた外観に変更することができる構造を備えた自動二輪車のフロントカウルを提供することを目的とする。

    上記目的を達成するために、本発明に係る自動二輪車のフロントカウルは、車体の前部を覆うフロントカウルであって、カウル本体と、前記カウル本体に着脱自在に装着されてフロントカウルの前縁の主要部を形成する前縁部材とを備えている。 なお,ここでいう「フロントカウルの前縁の主要部」とは、フロントカウルにおける前縁の半分以上を占める部分のことである。

    この構成によれば、フロントカウルにおける損傷や破損を主に受け易い前縁部が、カウル本体に着脱自在に装着された前縁部材により形成されているので、カウル本体はそのままで、損傷や破損を受けた前縁部材のみを交換、洗浄または修理するだけで外観を回復することができ、補修費用を軽減できる。 また、例えば、前縁部材をカウル本体とは異なる色彩としてカウル本体と組み合わせることにより、ドライバの好みの外観を持つフロントカウルを構成することができ、さらに、例えば、前縁部材を、カウル本体に対して、黒色のような濃い色彩とすれば、汚れなどが目立ち難くなる。

    本発明において、前記前縁部材は、フロントカウルの両側部に位置する左右一対の前縁片を有していることが好ましい。 これにより、左右一対のうちの損傷や破損を受けた方の前縁片のみを交換、洗浄または修理するだけでよいので、パーツ交換等を最小限に止めて、補修費用を軽減できる。

    本発明において、前記前縁部材は、フロントカウルの下縁まで延びていることが好ましい。 フロントカウルの前縁部における下方部分は、前輪がはね上げた小石などが当たって特に損傷や破損を受け易いので、フロントカウルの下縁まで延びた前縁部材によって、カウル本体が損傷や破損を受けるのを効果的に防ぐことができ、これによってもパーツ交換等を最小限に止めて補修費用を一層軽減できる。

    本発明において、前記前縁部材は着色剤を含有した樹脂によって形成され、前記カウル本体は外側表面に塗装が施されていることが好ましい。 これにより、前縁部材は、塗装処理工程を省いて安価に製作できるとともに、加工後の素地面のままであることから、小石や異物などが当たって損傷を受けた場合にも、塗装処理を施した場合のように塗装面が剥がれて素地面が現れるような状態とはならず、大きな美観の低下とはならない。 一方、カウル本体は、塗装処理が施されて美観が向上した外面に仕上げられるが、損傷や破損が主に前縁部材に生じるので、塗装処理時の状態を維持できる。 したがって、このフロントカウルは、長期間の使用に際しても美観低下を抑制することができる。

    本発明において、前記前縁部材の外面の後縁が前記カウル本体の外面の前部よりも外側に偏位していることが好ましい。 これにより、前縁部材の外面の後縁とカウル本体の外面の前部との間に、内側への段差が形成されるので、前縁部材の外面に沿いながら流れる走行風が段差によってカウル本体から剥離される。 その結果、カウル本体の空気との摩擦抵抗を減少させることができるとともに、塵埃などがカウル本体に付着して汚損したり、小石や異物がカウル本体に当たって傷がついたりするのが抑制される。

    本発明において、前記前縁部材の後縁部と前記カウル本体の前縁部との間に、ラジエータ近傍で前記前縁部材の内側の空気を外側に排出する排出口が形成されていることが好ましい。 これにより、簡単な構成としながらも、ラジエータの周囲の高温空気を、フロントカウルの内側から外側に円滑に流出させることができる。

    本発明の自動二輪車のフロントカウルによれば、カウル本体に着脱自在に装着されてフロントカウルの前縁の主要部を形成する前縁部材を備えた構成としたので、損傷や破損が主として前縁部材に発生するので、カウル本体はそのままで前縁部材のみを交換するだけで外観を回復することができる。 また、前縁部材をカウル本体とは異なる色彩とすることにより、ドライバの好みの外観を有する構成とすることができ、さらに、前縁部材を、カウル本体に対して、黒色などの濃い色彩とすることにより、汚れなどが目立ち難くなる。

    本発明の一実施形態に係るフロントカウルを搭載した自動二輪車を示す側面図である。

    同上の自動二輪車の正面図である。

    同上の自動二輪車の要部を示す斜視図である。

    同上のフロントカウルの取付状態を示す斜め後方から見た斜視図である。

    同上のフロントカウルにおける前縁部材の右側の前縁片を前方斜め内側から見た斜視図である。

    同上のフロントカウルの取付状態を示す平断面図である。

    同上のフロントカウルの一部の水平断面図である。

    同上のフロントカウルのラジエータ近傍箇所の水平断面図である。

    以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
    図1は本発明の一実施形態に係るフロントカウルを搭載した自動二輪車を示す側面図である。 この自動二輪車の車体フレームFRは、前半部を形成するメインフレーム1と、このメインフレーム1の後部に取り付けられて車体フレームFRの後半部を形成するリヤフレーム2とを有している。 メインフレーム1の前端のヘッドブロック4に回転自在に支持されたステアリングシャフト(図示せず)を介してフロントフォーク6が回動自在に軸支され、このフロントフォーク6の下端部に前輪8が取り付けられている。 また、フロントフォーク6の上端部に操向用のハンドル7が取り付けられている。

    車体フレームFRの中央下部である、メインフレーム1の後端部に、スイングアームブラケット10が設けられており、このスイングアームブラケット10にスイングアーム11の前端部がピポット軸12を介して上下揺動自在に支持され、このスイングアーム11の後端部に後輪13が支持されている。 車体フレームFRの中央下部でスイングアームブラケット10の前側にエンジンEが取り付けられており、このエンジンEにより、チェーンまたはベルト16を介して後輪13を駆動する。 エンジンEは、水冷4サイクルエンジンである。 また、エンジンEの排気は、エンジンEの前方から下方に延びる排気管14、エンジンEの後方下方に配置された排気チャンバ15、および車体後部に配置されたマフラ18を経て外部に排出される。

    メインフレーム1の上部に燃料タンク19が配置され、その後方でリヤフレーム2にライダー用シート20が支持されている。 前輪8とその後方のエンジンEとの間には、エンジン冷却水を放熱するラジエータ41が配置されて、メインフレーム1とエンジンEとに支持されている。 また、車体前部に、フロントフォーク6の上端部からエンジンEの側方にかけての部分を覆うフロントカウル21が装着されている。 このフロントカウル21の下部はエンジンEの下部と、その下方の排気管14の一部分とを側方から覆っている。

    フロントカウル21は、メインフレーム1に支持されたカウル本体22と、このカウル本体22の前縁部に着脱自在に装着されてフロントカウル21の前縁の主要部を形成する前縁部材23とを備えている。 カウル本体22は、左右一対のサイドカウル22a,22bと、その上方のセンターカウル22cととを有している。 センターカウル22cの上部にはウインドスクリーン24が装着されている。 ここで、「左右」とは、シート20に跨がったライダーから見た左側と右側をいう。

    図2に示すように、前縁部材23も、フロントカウル21の両側に位置する左右一対の前縁片23a,23bを有しており、これら前縁片23a,23bは、サイドカウル22a,22bの前縁の全体とセンターカウル22cの前縁の一部である両側部とを覆うようにカウル本体22に装着されて、互いに別々にカウル本体に着脱可能になっている。 前縁部材23を形成する前縁片23a,23bは、図1に示すように、カウル本体22のうち、少なくとも前輪8の後方領域Sに位置する部分の前端に配置される。 したがって、前縁部材23の上端の位置は、前輪8の上端と同一高さ、あるいはそれ以下にまで下げてもよい。 前縁部材23はラジエータ41よりも前方に位置する部分を有し、大部分が前輪8よりも後方に位置している。 言い換えると、前縁部材23は、カウル本体22と前輪8との間に配置される。 図2に示す前縁部材23の車幅方向(左右方向)の外側面は、前端部(上部)から後方に進むにつれて車幅方向外側に膨らむように傾斜したのち、内側に向かって傾斜している。

    前縁部材23とカウル本体22とは異なる材料によって作製される。 本実施形態では、前縁部材23はポリプロピレン材料によって形成され、カウル本体22はABS樹脂材料によって形成される。 このように材料を異ならせることで、前縁部材23を傷がつきにくい、または交換される消耗品として考えた場合に、製造コストが低い材料で形成することできる。

    センターカウル22cには左右一対のヘッドランプ25A,25Bが装着されており、これらヘッドランプ25A,25Bの間に位置してセンターカウル22cの中央部に、エンジンEへの燃焼用空気を取り入れる空気取入口26が設けられている。

    図3に示すように、前縁部材23の一対の前縁片23a,23bは、上下方向の中間部で屈曲して前方に開いたV字形状である。 前縁片23a,23bの下端がフロントカウル21の下縁まで延びており、その下端部から後方に延びるフィン27を有している。 図4に右側の前縁片23bを代表として示すように、その後縁28がサイドカウル22bの外面の前部29よりも外側に偏位しており、これにより、両者の間に段差37が形成されている。 この段差37についての詳細は後述する。

    図5は前縁部材23における右側の前縁片23bを示す。 前縁片23bは、全体として細長い帯状の形状を有し、その内面側に3つの前縁ボス30が形成されており、フィン27の内面側にも前縁ボス31が一体形成されている。 これらボス30,31には、後述するタッピングねじをねじ込むための下孔30a,31aが形成されている。 前縁片23bの後縁には、この後縁に直交して内側に延びる屈曲片32が、上部の一部を除き形成されており、前縁部に内側へ湾曲した前縁ガイド33が一体形成されている。 この前縁ガイド部33の形状については後述する。

    さらに、前縁片23bの下端部には、フィン27のほかに、内側へ突出する、側面視で後方に向かってV字状に開いた連結部34が形成されている。 連結部34の上板は走行風を後方斜め上方へ案内する上向きガイド部34aを形成し、下板は走行風を後方斜め下方へ案内する下向きガイド部34bを形成している。 両ガイド部34a,34bには、挿通孔36、36が設けられており、図3に示すように、左右の前縁片23a,23bの下部同士が、連結部34の挿通孔36に挿通されたボルト・ナットのような連結具50によって連結される。 なお、左側の前縁片23aは、右側の前縁片23bに対し左右対称の形状を有している。

    また、小石などが衝突しやすいガイド部34aは、前縁部材23に形成されているから、前縁部材23とともにカウル本体22から着脱できるので、新しい前縁部材23に交換することで、ガイド部34aおよびその近傍の汚れをなくすことができる。 また、前縁部材23の下端部は、フィン27が存在する分だけ、上下方向中間部よりも前後方向寸法が大きくなっている。 これにより、路面に近く汚れやすい下端部が、前縁部材23のみの交換、洗浄または修理により、良好な外観を維持できる。

    図6に示すように、前縁部材23の右側の前縁片23bは、3つの前縁ボス30をカウル本体22のサイドカウル22bの対応箇所に形成された本体ボス35に突き合わせて、タッピングねじ38を本体ボス35の挿通孔35aを介して前縁ボス30の下孔30aにねじ込むことにより、サイドカウル22bに連結されている。 前縁片23bの上部は、センターカウル22cの前縁の側部に形成された凹所51(図3)に単に嵌め込むことで、センターカウル22cに取り付けられている。 前縁部材23の左側の前縁片23aも右側の前縁片23bと同様に、サイドカウル22aおよびセンターカウル22cに装着されている。

    したがって、このフロントカウル21は、タッピングねじ38を緩めることにより前縁部材23をカウル本体22から取り外すことができ、新たな前縁部材23をタッピングねじ38のねじ込みによりカウル本体22に取り付けることで、交換できる。 フロントカウル21は、サイドカウル22a,22bおよびセンターカウル22cからなるカウル本体22に前縁片23a,23bを着脱自在に装着した状態で車体フレームFRに取り付けてもよいし、予め車体フレームFRに固定したカウル本体22に対し、前縁片23a,23bを着脱自在に装着してもよい。

    図7に示すように、前縁部材23の後端には、この後端から直交方向内側へ延びる屈曲片32が一体形成され、他方、カウル本体22の前端には、この前端から直交方向外側へ延びる屈曲片39が形成されており、前縁部材23の屈曲片32がカウル本体22の後方側で屈曲片39に平行に位置している。 こうして、前縁部材23の外面の屈曲片32に近接する後縁が、カウル本体22の外面における屈曲片39の近傍の前部29に対して、外側に偏位して位置している。 換言すると、前縁部材23の外面の後縁とカウル本体22の外面の前部29との間には、左右方向の高さHを有する段差37が設けられる。 これにより、前縁部材23の外面に沿いながら流れる走行風Aが段差37によってカウル本体22から剥離され、カウル本体22の前部29の外面に沿って流れなくなるので、カウル本体22に対する空気Aの摩擦抵抗が減少する。 また、前記段差37の存在により、塵埃などがカウル本体22の外面に付着して汚損したり、小石や異物がカウル本体22に当たるのが抑制される。

    上述のような効果を得るためには、段差37の高さHを10〜25mmの範囲内に設定するのが好ましく、より好ましくは15〜20mmの範囲内に設定することである。 また、前縁部材23の前後方向の幅W(図1)は、100mm〜200mmに設定すれば、カウル本体22の汚損、損傷または破損を効果的に防止することができる。

    図7に示した前縁部材23の前縁ガイド部33は、前端近傍から屈曲して内側斜め方向へ向け延びる形状に形成されて、その先端が、カウルインナー40の前端に隙間を存して連なるように位置決めされている。 カウルインナー40は、その前後両端が前縁部材23の前縁ガイド部33とラジエータ41とに図示しない取付手段でそれぞれ取り付けられている。 前縁ガイド部33は、前方からの走行風Aを効率的に内側へ導き、カウルインナー40を経て円滑にラジエータ41に供給する。

    図8はラジエータ41の近傍位置での水平断面図を示す。 カウル本体22におけるラジエータ41の高さ位置の箇所には、屈曲片39の一部を除外することにより、前縁部材23の後縁部とカウル本体22の前縁部との間に長孔状の排出口42が形成されている。 この排出口42はラジエータ41の側方に溜ろうとする高温の空気A1をスムーズに排出させるものであり、排出口42を通過した熱風は、前縁部材23の屈曲片32の先端とカウル本体22の外面との間の隙間を通って外部に放出される。 このように、ラジエータ41周辺の高温空気を外部に放出することにより、ラジエータ41の温度上昇を抑制する。

    上述のように、この実施形態では、フロントカウル21における損傷や破損を主に受け易い前縁部分が、カウル本体22に着脱自在に装着された別部材の前縁部材23により形成されているので、前縁部材23に損傷や破損が生じたときには、カウル本体22はそのままで、前縁部材23のみを交換、洗浄または修理するだけで自動二輪車としての外観を回復することができる。 また、別部材の前縁部材23をカウル本体22とは異なる色彩としてカウル本体22と組み合わせれば、ドライバの好みの外観を持つフロントカウル21を構成することができる。 さらに、前縁部材23は、カウル本体22に対して、黒色のような濃い色彩とすれば、汚れなどが目立ち難くなる利点がある。

    フロントカウル21は、カウル本体22に別部材の前縁部材23を装着した構成になっているので、図7に二点鎖線で示すような形状の異なる種々の前縁部材23を同一のカウル本体22に装着して、走行風の摩擦抵抗の大小などの実験を行うことにより、顧客のニーズに対応できる機種の開発を、前縁部材23のみを変更することで効率的に行うことが可能となる。

    また、図2に示すように、前縁部材23は、フロントカウル21の両側部に位置する左右一対の前縁片23a,23bを有しているので、左右一対のうちのいずれか一方のみが損傷や破損を受けた場合には、その損傷や破損を受けた方向の前縁片23a,23bのみを交換、洗浄または修理するだけでよいから、パーツ交換等を最小限に止めて、補修費用を軽減できる。

    さらに、図3に明示するように、前縁部材23は、フロントカウル21の下縁まで延びている。 フロントカウル21の前縁における下端部分は、前輪8がはね上げた小石などが当たって特に損傷や破損を受け易いが、この部分まで前縁部材23が延びているから、損傷や破損の大部分が前縁部材23に生じることになり、カウル本体22の下部が損傷や破損を受けるのを防ぐことができる。 これによってもフロントカウル21のパーツ交換等を最小限に止めて、補修費用を軽減できる。

    この実施形態の前縁部材23は、着色剤を含有したポリプロピレンなどの樹脂を用いて成形加工したのち、シボ加工して表面が小さな凹凸が多数点在する梨地に形成される。 したがって、加工後の前縁部材23は、着色剤による色の素地面がそのまま表面となり、塗装処理加工を省く分だけコストを低減して安価に製作できる。 この前縁部材23は、加工後の素地面のままであることから、小石などが当たって損傷を受けた場合にも、塗装処理を施した場合のように塗装面が剥がれて素地面が現れるようなことがなく、長期間の使用に際しての美観低下を抑制することができる。 しかも、前縁部材23は、表面が梨地に形成されているため、傷がつきにくくなるとともに、光が表面で散乱反射して、表面の小さな傷や汚れが目立ち難くなる利点がある。 一方、カウル本体22は、塗装処理が施されて美観が向上した外面に仕上げられるが、前縁部材23によって損傷や破損が生じるのが防止されて塗装面を維持できる。 したがって、この点からも、フロントカウル21の長期間の使用による美観低下を一層抑制することができる。

    このフロントカウル21では、図7に示す前縁部材23の外面の後縁とカウル本体22の外面の前部との間に内側への段差37が形成されているので、前縁部材23の外面に沿いながら流れる走行風Aが段差37によってカウル本体22から剥離される。 その結果、カウル本体22の空気Aとの摩擦抵抗を減少させることができるとともに、塵埃などがカウル本体22に付着して汚損したり、小石や異物がカウル本体22に当たって傷がついたりするのが抑制される。

    また、前縁部材23の後縁部とカウル本体22の前縁部との間に、図8に示すラジエータ41近傍で前縁部材23の内側の空気A1を外側に排出する排出口か42が形成されているから、簡単な構成としながらも、ラジエータ41の周囲の高温空気A1を、フロントカウル21の内側から外側に向け円滑に流出させることができる。

    なお、本発明は、カウルを備える自動二輪車であればよく、内燃機関を駆動源とするもののほか、電動機を動とする自動二輪車にも適用できる。 また、上記実施形態のような、自動二輪車の前部全体を覆うフルカウル車であることが好ましいが、部分的にカウルが設けられるハ−フカウル車、ビキニカウル車などでも、本発明の効果が得られる。
    さらに、上記実施形態では、前縁部材23は左右に2分割されていたが、さらに細分割してカウル本体に着脱自在に構成してもよい。 例えば、傷や汚れがつきやすい前縁部材23の下端部分について、他の部分とは分離して、別個にカウル本体22に着脱自在に取り付けてもよい。

    本発明は、以上の実施形態で示した内容に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で、種々の追加、変更または削除が可能であり、そのようなものも本発明の範囲内に含まれる。

    21 フロントカウル22 カウル本体23 前縁部材23a,23b 前縁片28 前縁部材の外面の後縁29 カウル本体の外面の前部37 段差41 ラジエータ42 排出口A 走行風E エンジンFR 車体フレーム(車体)

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