Motorcycle engine

申请号 JP2004522279 申请日 2002-10-17 公开(公告)号 JP2005529030A 公开(公告)日 2005-09-29
申请人 ブルムビー・コーポレイション・リミテッド; 发明人 カピト、ヨスト; ギュッサニ、アレッサンドロ; グエルキオッティ、ルカ; ジャン、ウルス; ズーター、エスキル; ハーリス、スティーブン; ハーリス、レスター; バッスィス、ディミトリ; バルター、トーマス; ブック、ユルゲン; フリッカー、ポール; ボンジャース、マルク; マスケロニ、ルイギ; 康之 佐藤; 雅明 吉川; 治 後藤; 秀仁 池辺; 英造 海山; 広尚 高橋;
摘要 エンジン内のシリンダ80が全てオートバイの後部方向に傾斜している状態でオートバイ10に取り付けられるオートバイ用エンジン20を公開する。 この形状によって、前記エンジンを前記オートバイの更に前方に取り付けることができることが可能になり、オートバイのデザインの優位性を引き出すことができると同時に、従来のものより更にコンパクトなエンジンを提供することができる。 更に本発明に関る更なる態様は、前記エンジンの部品を含め、オートバイの動 力 機構に特徴を有し、また、このようなオートバイもしくはエンジンの成分についても更なる特徴を有する。
权利要求
  • 少なくとも1つのシリンダを備え、シリンダが全てオートバイの後部方向に傾斜する状態で、エンジンがオートバイに取り付けられるように構成されていることを特徴とするオートバイエンジン。
  • シリンダの前記傾斜の角度は、垂直に対して12度から18度の範囲であることを特徴とする請求項1に記載のオートバイエンジン。
  • 前記傾斜の角度は、およそ15度であることを特徴とする請求項2に記載のオートバイエンジン。
  • 各々のシリンダは、それぞれの吸気開口と結合しており、
    前記エンジンは、吸気開口がほぼ前部に面する形でオートバイに取り付けられるように構成されていること、
    を特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のオートバイエンジン。
  • 複数のシリンダを備え、各々のシリンダがそれぞれの吸気開口と結合しており、
    前記エンジンは、吸気開口がほぼ前部に面する形でオートバイに取り付けられるように構成されていること、を特徴とするオートバイエンジン。
  • 各々のシリンダは、それぞれの排気開口と結合しており、
    前記エンジンは、排気開口がほぼ後部に面する形でオートバイに取り付けられるように構成されていること、
    を特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のオートバイエンジン。
  • 複数のシリンダを備え、各々のシリンダがそれぞれの排気開口と結合しており、
    前記エンジンは、排気開口がほぼ後部に面する形でオートバイに取り付けられるように構成されていること、を特徴とするオートバイエンジン。
  • 吸気開口と、この吸気開口と流路でつながる吸気通路と、を備え、
    更に、前記吸気通路の長さを変える手段を備えた、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のオートバイエンジン。
  • 吸気開口と、この吸気開口と流路でつながる吸気通路と、を備え、
    更に、前記吸気通路の長さを変える手段を備えたオートバイエンジン。
  • 前記吸気路は、
    前記吸気開口に隣接して取り付けられたスロットルボディと、
    前記スロットルボディに移動可能に取り付けられた吸気トランペットと、
    を備えたことを特徴とする請求項8もしくは請求項9に記載のオートバイエンジン。
  • 前記吸気トランペットは、前記スロットルボディの縦軸に平行に配置された長手方向の軸を有するガイドシャフトに摺動可能に取り付けられていることを特徴とする請求項10に記載のオートバイエンジン。
  • 前記長さを変える手段は、前記吸気トランペットを前記ガイドシャフトの長手方向に摺動させるアクチュエータを備えたことを特徴とする請求項8から請求項11のいずれか1項に記載のオートバイエンジン。
  • エンジンの各部分に冷却剤を送る複数の冷却剤通路を有する冷却装置を備え、
    冷却剤通路の第1のセットは、第1の断面積を有し、
    冷却剤通路の第2のセットは、更に大きい第2の断面積を有すること、
    を特徴とするオートバイエンジン。
  • 更に、冷却剤通路の第3のセットを有する請求項13に記載のオートバイエンジン。
  • 前記エンジンのバルブガイドの近傍に冷却剤を送る冷却剤通路を備えた、請求項13もしくは請求項14に記載のオートバイエンジン。
  • 前記エンジンのバルブシートの近傍に冷却剤を送る冷却剤通路を備えた、請求項13から請求項15のいずれか1項に記載のオートバイエンジン。
  • 燃焼室に隣接している前記エンジンのシリンダハウジングの一部の近傍に冷却剤を送るための冷却剤通路を備えた、請求項13から請求項16のいずれか1項に記載のオートバイエンジン。
  • 冷却装置を備え、この冷却装置は加圧されるように構成されていること、を特徴とする請求項1から請求項17のいずれか1項に記載のオートバイエンジン。
  • スロットルの上流に配置された燃料インジェクタを有する、請求項1から請求項18のいずれか1項に記載のオートバイエンジン。
  • 空気弁を備えた請求項1から請求項19のいずれか1項に記載のオートバイエンジン。
  • 全ての排気弁及び吸気弁は、空気弁を備えたことを特徴とする請求項1から請求項20のいずれか1項に記載のオートバイエンジン。
  • シリンダが、それに結合された2つの吸気弁と2つの排気弁を有することを特徴とする請求項1から請求項21のいずれか1項に記載のオートバイエンジン。
  • シリンダが、それに結合された3つの吸気弁と2つの排気弁を有することを特徴とする請求項1から請求項21のいずれか1項に記載のオートバイエンジン。
  • 各々のシリンダがシリンダライナを有し、前記シリンダライナは共に接合されていること、を特徴とする複数のシリンダを備えたオートバイエンジン。
  • 少なくとも1端が被膜された連接棒を備えたオートバイエンジン。
  • 前記被膜は、前記連接棒の小端に施されていることを特徴とする請求項25に記載のオートバイエンジン。
  • 前記連接棒は、チタンから成ることを特徴とする請求項25もしくは請求項26に記載のオートバイエンジン。
  • 前記連接棒の長さは、100mm以下であることを特徴とする請求項25から請求項27のいずれか1項に記載のオートバイエンジン。
  • 前記連接棒の長さは、95mm以下であることを特徴とする請求項28に記載のオートバイエンジン。
  • 連接棒を備え、前記連接棒の横へのスラストがその小端において生じるように構成されていること、を特徴とする請求項1から請求項29のいずれか1項に記載のオートバイエンジン。
  • カーボンファイバ材から成るクラッチプレートを有するクラッチを備えた、請求項1から請求項30のいずれか1項に記載のオートバイエンジン。
  • 前記クラッチは多少のバックスリップができるように構成されていることを特徴とする請求項1から31のいずれか1項に記載のオートバイエンジン。
  • 回転軸を有するクランクシャフトと、このクランクシャフト内のボアの吸入口にオイルを引き入れる手段と、を備え、
    前記吸入口は、クランクシャフトの回転軸の領域に位置していること、
    を特徴とする請求項1から請求項32のいずれか1項に記載のオートバイエンジン。
  • 吸入口に結合されたシールを更に備え、このシールは磁気シールを有すること、を特徴とする請求項33に記載のオートバイエンジン。
  • 複数のシリンダを備えた請求項1から請求項34のいずれか1項に記載のオートバイエンジン。
  • 請求項1から請求項35のいずれか1項に記載のオートバイエンジンを備えたオートバイ。
  • 少なくとも1端に被膜が施されている連接棒。
  • 前記被膜は、前記連接棒の小端に施されていることを特徴とする請求項37に記載の連接棒。
  • チタンから成る、請求項37もしくは請求項38に記載の連接棒。
  • 長さが100mm以下の、請求項37から請求項39のいずれか1項に記載の連接棒。
  • 長さが95mm以下の、請求項40に記載の連接棒。
  • 多少のバックスリップができるように構成されていることを特徴とするオートバイ用クラッチ。
  • 回転軸と、クランクシャフト内のボアの吸入口にオイルを引き入れる手段と、を有し、
    前記吸入口は、前記クランクシャフトの回転軸の領域に位置していること、を特徴とするオートバイエンジン用クランクシャフト。
  • オイル吸入口と、この吸入口と結合しているシールと、を有し、
    前記シールは、磁気シールを有すること、を特徴とするオートバイ用クランクシャフトの仕組み。
  • オートバイエンジンへの磁気シールの使用。
  • オートバイのヘッドストックに通じる取入れダクトに空気を送る、伸張した口を有する取入れ口を備えたオートバイ。
  • シャシーに取り付けられた単一のもしくは直列の複数シリンダのエンジンを備えたオートバイであって、
    前記エンジンは吸気開口を有し、この吸気開口はオートバイ前部に面していること、を特徴とするオートバイ。
  • 前記エンジンは更に排気開口を備え、
    この排気開口は、オートバイの後部に面していること、を特徴とする請求項47に記載のオートバイ。
  • 請求項47もしくは請求項48に記載の産業用オートバイ。
  • 請求項47もしくは請求項48に記載の一般走行用オートバイ。
  • シャシーに取り付けられた単一のシリンダもしくは直列の複数のシリンダを備えたオートバイであって、
    前記エンジンのシリンダもしくは各シリンダは、オートバイの後部方向に傾斜していること、を特徴とするオートバイ。
  • 前記シリンダもしくは前記各シリンダは、30度以下の角度でオートバイの後部方向に傾斜していることを特徴とする請求項51に記載のオートバイ。
  • 前記シリンダもしくは前記各シリンダは、10度から20度の範囲の角度でオートバイの後部方向に傾斜していることを特徴とする請求項51に記載のオートバイ。
  • 前記シリンダもしくは前記各シリンダは、12.5度から17.5度の範囲の角度でオートバイの後部方向に傾斜していることを特徴とする請求項51に記載のオートバイ。
  • 前記シリンダもしくは前記各シリンダは、15度の角度でオートバイの後部方向に傾斜していることを特徴とする請求項51に記載のオートバイ。
  • オートバイのエンジンに空気を供給する装置であって、
    空気取入れ口と、空気を空気取入れ口からエンジンに送る手段と、を備え、
    前記空気を送る手段の長さは、前記エンジンと前記空気取入れ口を直線で結ぶ距離の2倍以下であること、を特徴とする装置。
  • 前記空気を送る手段の長さは、前記エンジンと前記空気取入れ口を直線で結ぶ距離の1.5倍以下であることを特徴とする請求項56に記載の装置。
  • 前記空気を送る手段の長さは、前記エンジンと前記空気取入れ口を直線で結ぶ距離とほぼ同じであることを特徴とする請求項56もしくは請求項57に記載の装置。
  • 前記空気を送る手段は、空気を前記空気取入れ口からエンジンの前記吸気開口に運び、
    前記吸気開口は、空気取入れ口に面していること、
    を特徴とする請求項56から請求項58のいずれか1項に記載の装置。
  • オートバイエンジンからガスを排気する装置であって、
    排気吸収缶と、ガスをエンジンから前記排気吸収缶に送る手段と、を備え、
    前記ガスを送る手段の長さが、前記エンジンと前記排気吸収缶との間を直線で結ぶ距離の2倍以下であること、を特徴とする装置。
  • 前記ガスを送る手段の長さは、前記エンジンと前記排気吸収缶との間を直線で結ぶ距離の1.5倍以下であることを特徴とする請求項60に記載の装置。
  • 前記ガスを送る手段の長さは、前記エンジンと前記排気吸収缶との間を直線で結ぶ距離とほぼ同じであることを特徴とする請求項60もしくは61に記載の装置。
  • 前記ガスを送る手段は、ガスを前記エンジンの排気開口から前記排気吸収缶に運び、
    前記排気開口は、前記排気吸収缶に面していること、
    を特徴とする請求項60から請求項62のいずれか1項に記載の装置。
  • クランクシャフトと、出力スプロケットを有するギアボックスとを備え このクランクシャフトとこの出力スプロケットを反対方向に回転させる手段を備えたエンジン。
  • 前記クランクシャフトと前記ギアボックスとの間に、更なるシャフトを備え、
    このシャフトは、前記クランクシャフトによって駆動され、ギアボックスを駆動させるように構成されている、請求項64に記載のエンジン。
  • 更なるシャフトはバランシング・シャフトであることを特徴とする請求項65に記載のエンジン。
  • 奇数の数のシリンダを備えた、請求項64から請求項66のいずれか1項に記載のエンジン。
  • 3つのシリンダを備えた、請求項67に記載のエンジン。
  • 規則正しい点火順序になるように構成されている、請求項64から請求項68のいずれか1項に記載のエンジン。
  • シャシーに取り付けられたエンジンを備えたオートバイであって、
    前記エンジンは、クランクシャフトとバランシング・シャフトと有し、
    前記バランシング・シャフトは、前記クランクシャフトとオートバイの後部との間に配置されていること、
    を特徴とするオートバイ。
  • クラッチ一次ギアと、このクラッチ一次ギアを駆動する手段とを有するバランシング・シャフトと、を備えたエンジン。
  • アイドラシャフトを備えたエンジンであって、
    アイドラシャフトを駆動するための被駆動手段と、クラッチ一次ギアを駆動するための駆動手段と、を有し、
    前記被駆動手段と前記駆動手段との間の伝導比率が1以上であること、
    を特徴とするエンジン。
  • 前記伝導比率は、1.5以上であることを特徴とする請求項72に記載のエンジン。
  • 前記被駆動手段は、クランクシャフトのギアと噛み合うように構成されているギアであることを特徴とする請求項72もしくは請求項73に記載のエンジン。
  • 前記駆動手段は、前記クラッチ一次ギアと噛み合うように構成されているギアであることを特徴とする請求項72から請求項74のいずれか1項に記載のエンジン。
  • 前記エンジンは4ストロークエンジンであることを特徴とする請求項72から請求項75のいずれか1項に記載のエンジン。
  • 前記エンジンは複数シリンダのエンジンであることを特徴とする請求項72から請求項76のいずれか1項に記載のエンジン。
  • 前記エンジンは直列型であることを特徴とする請求項77に記載のエンジン。
  • バランシング・シャフトを駆動する被動ギアと、クラッチ一次ギアを駆動する駆動ギアと、を備えたバランシング・シャフト。
  • 前記駆動ギアに対する前記被動ギアの前記伝導比率が1以上であることを特徴とする請求項79に記載のバランシング・シャフト。
  • バランシング・シャフトに少なくとも1つのバランシング・マスが設けられ、
    バランシング・シャフトが回転している時に、バランシング・シャフトにトルクを発生させるように構成されている、請求項79もしくは請求項80に記載のバランシング・シャフト。
  • 前記被動ギアに隣接して被動歯車端バランシング・マスを備えた請求項81に記載のバランシング・シャフト。
  • 前記駆動ギアに隣接して駆動歯車端バランシング・マスを備えた請求項81もしくは請求項82に記載のバランシング・シャフト。
  • 前記駆動端質量の半径は、前記駆動ギアの歯先円の半径より大きいことを特徴とする請求項83に記載のバランシング・シャフト。
  • エンジンのバランスをとるメカニズムが組み込まれている、請求項79から84のいずれか1項に記載のバランシング・シャフト。
  • 前記エンジンのバランスをとるメカニズムを備えた請求項85に記載のエンジン。
  • 前記エンジンは4ストロークエンジンであることを特徴とする請求項86に記載のエンジン。
  • 前記エンジンは複数シリンダのエンジンであることを特徴とする請求項86もしくは請求項87に記載のエンジン。
  • 前記エンジンは直列型であることを特徴とする請求項88に記載のエンジン。
  • 吸気ポート及び排気ポートを有するシリンダを備え、
    前記吸気ポートおよび/または前記排気ポートは、シリンダの縦軸に対して25度以上の角度で配置されていること、を特徴とするエンジン。
  • 吸気ポート及び排気ポートを有するシリンダを備え、
    前記吸気ポートおよび/または前記排気ポートは、シリンダの縦軸に対して30度以上の角度で配置されていること、を特徴とするエンジン。
  • 吸気ポート及び排気ポートを有するシリンダを備え、
    前記吸気ポートおよび/または前記排気ポートは、シリンダの縦軸に対して35度以上の角度で配置されていること、を特徴とするエンジン。
  • 吸気ポート及び排気ポートを有するシリンダを備え、
    前記吸気ポートおよび/または前記排気ポートは、シリンダの縦軸に対して40度以上の角度で配置されていること、を特徴とするエンジン。
  • 吸気ポート及び排気ポートを有するシリンダを備え、
    前記吸気ポートおよび/または前記排気ポートは、シリンダの縦軸に対して45度以上の角度で配置されていること、を特徴とするエンジン。
  • 吸気ポート及び排気ポートを有するシリンダを備え、
    前記吸気ポートおよび/または前記排気ポートは、シリンダの縦軸に対して50度以上の角度で配置されていること、を特徴とするエンジン。
  • 吸気ポート及び排気ポートを有するシリンダを備え、
    前記吸気ポートおよび/または前記排気ポートは、シリンダの縦軸に対して55度以上の角度で配置されていること、を特徴とするエンジン。
  • 吸気ポート及び排気ポートを有するシリンダを備え、
    前記吸気ポートおよび/または前記排気ポートは、シリンダの縦軸に対して60度以上の角度で配置されていること、を特徴とするエンジン。
  • 前記吸気ポートは、前記シリンダの縦軸に対して第1の角度で配置され、
    前記排気ポートは、前記シリンダの縦軸に対して第2の角度で配置され、
    第1の角度は第2の角度と同じではないこと、
    を特徴とする請求項90から請求項97のいずれか1項に記載のエンジン。
  • 前記エンジンは4ストロークエンジンであることを特徴とする請求項90から請求項98のいずれか1項に記載のエンジン。
  • 前記エンジンは複数シリンダのエンジンであることを特徴とする請求項90から請求項99のいずれか1項に記載のエンジン。
  • 前記エンジンは直列型であることを特徴とする請求項100に記載のエンジン。
  • シリンダ、吸気弁及び排気弁を備えたエンジンであって、
    前記吸気弁および/または排気弁は、前記シリンダの縦軸に対して5度以上の角度で配置されていること、を特徴とするエンジン。
  • シリンダ、吸気弁及び排気弁を備えたエンジンであって、
    前記吸気弁および/または排気弁は、前記シリンダの縦軸に対して7度以上の角度で配置されていること、を特徴とするエンジン。
  • シリンダ、吸気弁及び排気弁を備えたエンジンであって、
    前記吸気弁および/または排気弁は、前記シリンダの縦軸に対して9度以上の角度で配置されていること、を特徴とするエンジン。
  • シリンダ、吸気弁及び排気弁を備えたエンジンであって、
    吸気弁および/または排気弁は、前記シリンダの縦軸に対して11度以上の角度で配置されていること、を特徴とするエンジン。
  • シリンダ、吸気弁及び排気弁を備えたエンジンであって、
    吸気弁および/または排気弁は前記シリンダの縦軸に対して13度以上の角度で配置されていること、を特徴とするエンジン。
  • 吸気弁は、シリンダの縦軸に対して第1の角度で配置され、
    排気弁は、前記シリンダの縦軸に対して第2の角度で配置され、
    第1の角度は第2の角度と同じではないこと、
    を特徴とする請求項102から請求項106のいずれか1項に記載のエンジン。
  • 前記エンジンは4ストロークエンジンであることを特徴とする請求項102から請求項107のいずれか1項に記載のエンジン。
  • 前記エンジンは複数シリンダのエンジンであることを特徴とする請求項85から請求項108のいずれか1項に記載のエンジン。
  • 前記エンジンは直列型であることを特徴とする請求項109に記載のエンジン。
  • ストロークと連接棒とを備えたオートバイエンジンであって、
    前記連接棒の長さは前記ストロークのほぼ2倍であること、を特徴とするオートバイエンジン。
  • 前記エンジンは4ストロークエンジンであることを特徴とする請求項111に記載のエンジン。
  • 前記エンジンは複数シリンダのエンジンであることを特徴とする請求項111もしくは請求項112に記載のエンジン。
  • 前記エンジンは直列型であることを特徴とする請求項113に記載のエンジン。
  • 冷却剤ポンプを備えたエンジンであって、
    前記冷却剤ポンプは、前記エンジンのシリンダブロックに取り付けられていること、を特徴とする。
  • オートバイエンジンであることを特徴とする請求項115に記載のエンジン。
  • 請求項116に記載のエンジンを備えたオートバイ。
  • 冷却剤ポンプを備えたエンジンであって、
    前記冷却剤ポンプは、前記エンジンのクランクシャフトからのギアによって駆動されること、を特徴とするエンジン。
  • 前記冷却剤ポンプは、アイドラギアを介して駆動されることを特徴とする前記冷却剤ポンプを備えた請求項118に記載のエンジン。
  • 前記アイドラギアは、複合アイドラの一部であることを特徴とする請求項119に記載のエンジン。
  • オートバイエンジンであることを特徴とする請求項118から請求項120のいずれか1項に記載のエンジン。
  • 請求項121に記載のエンジンを備えたオートバイ。
  • 液冷装置を備えたエンジンであって、
    エンジンに隣接して取り付けられた熱交換器もしくはラジエータを有し、
    冷却剤を冷却装置に送るための流入開口、及び流体を前記装置から取り出して前記熱交換器もしくはラジエータに送る流出開口の内の少なくとも一方が、前記熱交換器もしくはラジエータに面してエンジンの正面に配置されていること、を特徴とするエンジン。
  • 前記流入開口は、前記エンジンのシリンダブロックの正面に配置されていることを特徴とする請求項123に記載のエンジン。
  • 前記流出開口は、前記シリンダヘッドの正面に配置されていることを特徴とする請求項123もしくは請求項124に記載のエンジン。
  • 前記エンジンは4ストロークエンジンであることを特徴とする請求項123から請求項125のいずれか1項に記載のエンジン。
  • 前記エンジンは複数シリンダのエンジンであることを特徴とする請求項123から請求項126のいずれか1項に記載のエンジン。
  • 前記エンジンは直列型であることを特徴とする請求項127に記載のエンジン。
  • エンジンの第1と最2の部分を冷却する冷却装置を備えたエンジンであって、
    前記冷却装置の第1の部分が第2の部分より強く冷却されること、を特徴とするエンジン。
  • 前記第1の部分は、より速く流れる冷却剤で冷やされ、
    前記第2の部分は、それより遅く流れる冷却剤で冷やされること、
    を特徴とする請求項129に記載のエンジン。
  • 前記冷却剤は、液体であることを特徴とする請求項129もしくは130に記載のエンジン。
  • 第1の部分は、前記エンジンの1または2以上のシリンダの、1または2以上の流出ポートを有することを特徴とする請求項129から請求項131のいずれか1項に記載のエンジン。
  • 第2の部分は、前記エンジンの1または2以上のシリンダの、1または2以上の流入ポートを有することを特徴とする請求項129から請求項132のいずれか1項に記載のエンジン。
  • 前記エンジンに隣接して取り付けられたラジエータもしくは熱交換器を備えた請求項129から請求項133のいずれか1項に記載のエンジン。
  • 前記エンジンの開口部とラジエータもしくは熱交換器の間に冷却剤を送るための少なくとも1つの導管を備え、
    この導管の長さは、前記開口部と前記ラジエータもしくは熱交換器との間の距離とほぼ同じであること、を特徴とする請求項129から請求項134のいずれか1項に記載のエンジン。
  • 請求項129から請求項135のいずれか1項に記載のエンジンを備えたオートバイ。
  • 前記エンジンの1つのシリンダもしくは複数のシリンダは、オートバイの後部方向に傾斜していることを特徴とする請求項136に記載のオートバイ。
  • 潤滑油貯めを備えたオートバイエンジンであって、
    前記潤滑油貯めは、使用中に横軸線に対する前記エンジンの方位が変わった場合に、引力による前記潤滑油貯めからのオイルの流出を防止もしくは抑制するための壁体を有していること、を特徴とするオートバイエンジン。
  • 添付図面の1または2以上に関連して以上の請求項に記述したものと実質的に同じオートバイ。
  • 添付図面の1または2以上に関連して以上の請求項に記述したものと実質的に同じ産業用オートバイのエンジン。
  • 添付図面の1または2以上に関連して以上の請求項に記述したものと実質的に同じ一般走行用オートバイ。
  • 添付図面の1または2以上に関連して以上の請求項に記述したものと実質的に同じバランシング・シャフト。
  • 添付図面の1または2以上に関連して以上の請求項に記述したものと実質的に同じオートバイエンジンに空気を供給する装置。
  • 添付図面の1または2以上に関連して以上の請求項に記述したものと実質的に同じオートバイエンジンからガスを排気する装置。
  • 添付図面の1または2以上に関連して以上の請求項に記述した者と実質的に同じエンジン.
  • 添付図面の1または2以上に関連して以上の請求項に記述したものと実質的に同じエンジンのバランスをとる機械上の仕組み。
  • 添付図面の1または2以上に関連して以上の請求項に記述したものと実質的に同じオートバイエンジン。
  • 添付図面の1または2以上に関連して以上の請求項に記述したものと実質的に同じ潤滑装置。
  • 添付図面の1または2以上に関連して以上の請求項に記述したものと実質的に同じオートバイのシャシー。
  • 添付図面の1または2以上に関連して以上の請求項に記述したものと実質的に同じ連接棒。
  • 添付図面の1または2以上に関連して以上の請求項に記述したものと実質的に同じクラッチ。
  • 添付図面の1または2以上に関連して以上の請求項に記述したものと実質的に同じクランクシャフト。
  • 添付図面の1または2以上に関連して以上の請求項に記述したものと実質的に同じクランクシャフトの仕組み。
  • 添付図面の1または2以上に関連して以上の請求項に記述したものと実質的に同じ磁気シールの使用。
  • 说明书全文

    本発明の一つの態様はエンジンに関する。 更なる実施例は、特に説明すれば、産業用もしくは一般走行用オートバイに相応しいエンジンに関連する。 更にその上、本発明は、エンジンの部品を含む前記オートバイの動機構の特徴に関連し、また前記オートバイもしくはエンジンの更なる要素に関する。

    一般走行用の乗物や、全英もしくはワールドスーパーバイク競技などの如くの乗物に使用される時でも、オートバイ用エンジンは、概して信頼のおける働きをしていることで知られている。 このような用途の場合、オートバイエンジンは、小さくて軽く、そしてオートバイ全体の重量の中心が正確に位置するように重量配分されているものが有利である。

    本発明の目的は、これらオートバイエンジンの特性の幾らかに改良を加えることにある。

    本発明の第1の態様によると、シャシーに取り付けられた単一シリンダもしくは直列型複数シリンダのエンジンを有するオートバイが提供され、前記エンジンは、オートバイの正面に面していることを特徴とする吸気開口を備えている。

    特別な実施例において、前記エンジンは、産業用オートバイもしくは一般走行用オートバイに設けられている。

    本発明の第2の態様によると、シャシーに取り付けられた単一シリンダもしくは直列型複数シリンダのエンジンを有するオートバイが提供され、エンジンのシリンダ、もしくは、エンジンの各シリンダは、オートバイの後部方向に傾斜していることを特徴とする。

    本発明の更なる態様によると、オートバイエンジンに空気を供給する装置が提供され、前記装置は、空気取入れ口と、空気をその取入れ口からエンジンに送る手段と、を備える。 前記送る手段の長さは、エンジンと空気取入れ口間の直線距離の2倍に満たないことを特徴とする。

    本発明の更なる態様によると、オートバイエンジンからガスを排気する装置を提供していて、前記装置は排気吸収缶と、ガスをエンジンから前記排気吸収缶へ送る手段と、を備える。 前記送る手段の長さは、エンジンと排気吸収缶間の直線距離の2倍に満たないことを特徴とする。

    本発明の更なる態様によると、クランクシャフトと、出力スプロケットを有するギアボックスと、を備え、且つ、このクランクシャフトとこの出力スプロケットを反対の方向に回転させる手段を備えた、エンジンを提供している。

    本発明の更なる態様によると、シャシーに取り付けられたエンジンを有するオートバイを提供していて、前記エンジンは、クランクシャフトと、バランシング・シャフトと、を備え、バランシング・シャフトがクランクシャフトとオートバイの後部の間に配置されていることを特徴とする。

    本発明の更なる態様によると、クラッチ一次ギアと、前記クラッチ一次ギアを駆動する手段を有するバランシング・シャフトと、を備えたエンジンを提供している。

    本発明の更なる態様によると、アイドラシャフトを駆動させる被駆動手段と、クラッチ一次ギアを駆動させる駆動手段と、を有する、アイドラシャフトを備えたエンジンを提供する。 被駆動手段と駆動手段の間の伝道比率は1以上であることを特徴とする。

    本発明の更なる態様によると、バランシング・シャフトを駆動させる被動ギアと、クラッチ一次ギアを駆動させる駆動ギアと、を備えたバランシング・シャフトを提供している。

    本発明の更なる態様によると、吸気ポートと排気ポートを有するシリンダを備えたエンジンを提供していて、吸気ポートおよび/または排気ポートは、シリンダの縦軸に対して25度以上の度に配置されていることを特徴とする。

    本発明の更なる態様によると、吸気ポートと排気ポートを有するシリンダを備えたエンジンを提供していて、吸気ポートおよび/または排気ポートは、シリンダの縦軸に対して30度以上の角度に配置されていることを特徴とする。

    本発明の更なる態様によると、吸気ポートと排気ポートを有するシリンダを備えたエンジンを提供していて、吸気ポートおよび/または排気ポートは、シリンダの縦軸に対して35度以上の角度に配置されていることを特徴とする。

    本発明の更なる態様によると、吸気ポートと排気ポートを有するシリンダを備えたエンジンを提供していて、吸気ポートおよび/または排気ポートは、シリンダの縦軸に対して40度以上の角度に配置されていることを特徴とする。

    本発明の更なる態様によると、吸気ポートと排気ポートを有するシリンダを備えたエンジンを提供していて、吸気ポートおよび/または排気ポートは、シリンダの縦軸に対して45度以上の角度に配置されていることを特徴とする。

    本発明の更なる態様によると、吸気ポートと排気ポートを有するシリンダを備えたエンジンを提供していて、吸気ポートおよび/または排気ポートは、シリンダ縦軸に対して50度以上の角度に配置されていることを特徴とする。

    本発明の更なる態様によると、吸気ポートと排気ポートを有するシリンダを備えたエンジンを提供していて、吸気ポートおよび/または排気ポートは、シリンダの縦軸に対して55度以上の角度に配置されていることを特徴とする。

    本発明の更なる態様によると、吸気ポートと排気ポートを有するシリンダを備えたエンジンを提供していて、吸気ポートおよび/または排気ポートは、シリンダの縦軸に対して60度以上の角度に配置されていることを特徴とする。

    本発明の更なる態様によると、シリンダ、吸気弁及び排気弁を備えたエンジンを提供していて、吸気弁および/または排気弁は、シリンダの縦軸に対して5度以上の角度に配置されていることを特徴とする。

    本発明の更なる態様によると、シリンダ、吸気弁及び排気弁を備えたエンジンを提供していて、吸気弁および/または排気弁は、シリンダの縦軸に対して7度以上の角度に配置されていることを特徴とする。

    本発明の更なる態様によると、シリンダ、吸気弁及び排気弁を備えたエンジンを提供していて、吸気弁および/または排気弁はシリンダの縦軸に対して11度以上の角度に配置されていることを特徴とする。

    本発明の更なる態様によると、シリンダ、吸気弁及び排気弁を備えたエンジンを提供していて、吸気弁および/または排気弁はシリンダの縦軸に対して13度以上の角度に配置されていることを特徴とする。

    本発明の更なる態様によると、ストロークと連接棒を有するオートバイエンジンを提供していて、前記連接棒の長さはストロークのほぼ2倍であることを特徴とする。

    本発明の更なる態様によると、冷却剤ポンプを備えたエンジンを提供していて、前記ポンプはエンジンのシリンダブロックに取り付けられていることを特徴とする。

    本発明の更なる態様によると、冷却剤ポンプを備えたエンジンを提供していて、前記ポンプはエンジンのクランクシャフトからのギアで駆動されることを特徴とする。

    本発明のある態様において、少なくとも1つのシリンダを備えたオートバイエンジンが提供されていて、前記エンジンは、前記シリンダの全てがオートバイの後部方向に傾斜する形で、オートバイに取り付けられるように構成されていることを特徴とする。

    前記態様によると、単一のシリンダエンジンにおいては、そのシリンダはオートバイの後部方向に傾斜していて、複数シリンダのエンジンにおいては、全てのシリンダがオートバイの後部方向に傾斜している。 この形状によって、エンジンをオートバイのより前方に取り付けることができ、オートバイのデザインの優位性を引き出す元となる。 幾つかのケースでは、この形状によって、既存のオートバイより更にエンジンをコンパクトにすることができる。

    オートバイエンジンの取り付け角度は、オートバイが平に静止して直立している状態の角度に相対していることが望ましいことが理解されるだろう。

    シリンダの傾斜角度は、垂直に対して12度ないし18度の範囲であることが望ましい。 前記角度は、シリンダの垂直軸線と長手方向の軸の間で測定されることが望ましい。 好ましい実施例において、角度は13.5度ないし16.5度の範囲であることが望ましい。 傾斜角度はおよそ15度であることが望ましい。

    複数シリンダのエンジンにおいて、全てのシリンダは垂直に対して同じ角度に傾斜していることが望ましい。

    吸気開口がほぼ前方に向くような形でオートバイにエンジンを取り付けられるように構成され、各々のシリンダは個々の吸気開口と結合していることが望ましい。

    本発明は更に、吸気開口がほぼ前方に向くような形でオートバイにエンジンを取り付けられるように構成され、各々のシリンダが個々の吸気開口と結合している複数のシリンダを備えたオートバイエンジンを提供している。

    ほぼオートバイの前方に向いている吸気開口に関連して、通常の形状がそうであるのとは異なり、前記吸気開口はオートバイの後部方向には向いていないこと理解することが望ましい。

    このような形状によって、エンジンへより直接的に空気を引き入れることができる利点が生じ、燃焼効率の向上とより大きな動力出力を引き起こす。

    各々のシリンダは個々の排気開口と結合していながら、排気開口がほぼ後部方向に向くような形でエンジンがオートバイに取り付けられる設計になっていることが望ましい。

    本発明の更なる態様では、排気開口がオートバイのほぼ後部方向に向くような形でエンジンがオートバイに取り付けられるように構成され、各々のシリンダは個々の排気開口と結合している複数のシリンダを備えたオートバイエンジンを提供している。

    このような形状によって、熱くなる排気装置を、オートバイのエアボックスから離して配置することができる利点を生み出す。

    エンジンは、吸気開口と吸気開口との空気の流れを連絡する吸気通路とを有し、更にエンジンは前記吸気通路の長さを変える手段を備えたことが望ましい。

    本発明の更なる態様では、エンジンは、吸気開口と吸気開口との空気の流れを連絡する吸気通路とを有し、更に吸気通路の長さを変える手段を備えたオートバイエンジンを提供している。

    吸気通路の長さを変えることができることによって、様々な速度で駆動中のエンジンをダイナミックに調整することができる効用を生み出す。

    吸気通路は、吸気開口の近くに取り付けられているスロットルボディと前記スロットルボディに取り付けられている取り外しのできる吸気トランペットとを備えているのが望ましい。

    前記吸気トランペットは、スロットルボディの縦軸に対して平行に配置されている縦軸を有するガイドシャフト上で滑らかに移動できるように取り付けられていることが望ましい。

    前記吸気通路の長さを変える手段は、吸気トランペットをガイドシャフト上で長手方向に滑らかに移動させる起動装置を備えていることが望ましい。

    本発明の更なる態様では、冷却剤をエンジン部分に送る複数の冷却剤通路を有する冷却装置を備えたオートバイエンジンを提供していて、前記冷却装置は、第1の横断面積を有する冷却剤通路の第1のセットと、第2のより広い横断面積を有する冷却剤通路の第2のセットと、を有することを特徴とする。

    前記冷却装置によって、冷却剤通路の第1のセットの冷却剤の流れは、冷却剤通路の第2のセットの流れより速く流れるようになり、冷却剤通路の第1のセットの部分により甚大な冷却効果を施す。 冷却剤通路の第1のセットは、特に冷却を要するエリア、例えばバルブシート、シリンダブロックの上端、バルブガイド、その他の如くの燃焼室と排気装置により近いエリアに隣接して設えられることが望ましい。

    冷却剤通路のセットは、1つの通路もしくは連接した複数の通路を備えているのが望ましい。

    エンジンは更に、第3の冷却剤通路を備えているのが望ましい。

    特別な実施例において、エンジンは、バルブガイドに近い冷却剤通路の第1のセットと、バルブシートに近い冷却剤通路の第2のセットと、シリンダブロックの上端に近い(すなわち、燃焼室に隣接する)冷却剤通路の第3のセットと、を備えている。 これによって、これらのエリアにおいて冷却剤を異なる流量で運ぶことを可能にしている。 特に説明すれば、これらエリアにおいて必要とされる冷却度合いに合せて冷却のレベルを調整することができるのである。

    エンジンは、エンジンのバルブガイドに近いところに冷却剤を送る冷却剤通路を備えていることが望ましい。 又、エンジンは、エンジンのバルブシートに近いところに冷却剤を送る冷却剤通路も備えていることが望ましい。 更にエンジンは、燃焼室に隣接するエンジンのシリンダハウジング部分の近くに冷却剤を送る冷却剤通路も備えているのが望ましい。

    エンジンは、加圧対応された冷却装置を備えているのが望ましい。 前記冷却装置は、冷却剤の流れと冷却効果の特性を高める元となる。
    エンジンは、スロットルの上流に据えられた燃料インジェクタを有していることが望ましい。 スロットルの上流で燃料を噴射することは、動力/トルク出力を高める利点を生じる。 また、スロットルの下流に更なる燃料インジェクタを設置することによって、より弾力的な効果を期待することができる。

    エンジンは、空気弁を備えていることが望ましい。 空気弁によってエンジンをより高速に駆動させることができる。 この特性は特に重要なものであり、また本発明独自のものである。

    排気弁と吸気弁の全ては空気弁を備えていることが望ましい。 あるいは、空気弁の代わりに、空気弁と他のメカニズム(例えばコイルばね)との組み合わせを使用することもできる。 例えば、吸気弁と排気弁とが異なる重量の場合、空気弁は、より重量のあるバルブで使用されることが望ましい。

    シリンダは、それに結合された2つの吸気弁と2つの排気弁を有していることが望ましい。 あるいは、それに結合された3つの吸気弁と2つの排気弁でもよい。

    その他の取り合わせを用いることも考えられるが、複数シリンダのエンジンの場合、殆ど全てのシリンダは、同じ吸気弁と排気弁との取り合せになる。

    本発明の更なる態様では、各々のシリンダは、互いに連結しているシリンダライナを有する複数のシリンダを備えたエンジンを提供している。

    前記は、エンジンの構造をよりコンパクトにする効果を生み出す。 更にライナを一緒に引き抜くことができるので、このこともまた都合のよいことである。

    特に好ましい機械上の仕組みにおいて、全てのシリンダライナは、単体で連結されている。 しかし、他の仕組みではライナが全て連結されているわけではない。 ライナは、例えばA7075のような軽アルミニウム合金から成っている。

    本発明の更なる態様では、少なくとも1端が被膜された連接棒を備えたエンジンを提供している。

    前記被膜によって被膜された部分は、連接棒の全般的な性質とは異なる特質を享受する利点が生まれる。 特に言えば、被膜によって減摩効果が生じる。 連接棒は、他の面との接触が考えられる部分に被覆を施すことが望ましい。

    被覆は連接棒の小端部分に施されるのが望ましい。

    連接棒の小端部分にスラストがもたらされる場合に特に都合がよい。

    連接棒はチタンで作られるのが望ましい。

    特に好ましい実施形態において、連接棒は大部分チタンから作られていて、更に好ましくは例えばモリブデンもしくは窒化クロームで小端部分が被覆されていていることが望ましい。 これは、アルミニウムから作られたピストンを有するエンジンにとって、特に都合がよい。 また、被覆は連接棒の表面とピストンとの好ましくない相互作用の可能性を減少させることになる。 ピストンは、鍛造アルミニウムで作られるのが望ましい。

    連接棒の長さは、100mm以下であることが望ましい。 連接棒の長さは、95mm以下であることが望ましい。 このような短い連接棒によって、エンジンをよりコンパクトで軽量なものにすることができる利点を生み出す。

    エンジンは、連接棒の横方向へのスラストがその小端部分に生じるように設計されている連接棒を備えたのが望ましい。 この重要な特性も又本発明独自のものである。

    本発明の更なる態様では、カーボンファイバ材から成るクラッチプレートを有するクラッチを備えた前記請求項のいずれかに記載のオートバイエンジンを提供している。

    クラッチは、多少バックスリップするように構成されているのが望ましい。 これにより、クラッチは、オートバイの後輪に伝わるエンジンブレーキの効果を軽減することができ、結果として、極端な情況下での後輪のロッキングの可能性を減らすことになる。 クラッチは、クラッチへの負担が限界に達する際にバックスリップするように構成されていることが望ましい。 クラッチは、バックスリップを引き起こすために必要な負荷を変化させる手段を備えているのが望ましい。 このことは、気難しいライダーの要望や好みに合せてオートバイの特性を調整できるといった更なる利点を生み出す元になる。

    エンジンは、回転軸を有するクランクシャフトと、クランクシャフトの流入口にオイルを引き入れる手段と、を備えていることが望ましい。 前記流入口は、クランクシャフトの回転軸の領域に位置していることを特徴とする。

    回転軸の部分のクランクシャフトにオイルを引き入れることは、オイルを引き入れるためにかかる遠心力を心配する必要がないといった利点に繋がる。 この重要な特性も又本発明独自のものである。

    エンジンは、磁気から作られていることを特徴とする流入口に結合されたシールを備えているのが望ましい。 この磁気シールを使うことによって、オイルを正しくクランクシャフトに供給して、クランクシャフトを高速で規則正しく駆動し続けさせることができるといった利点を生む。

    エンジンは、複数のシリンダを有していることが望ましい。

    本発明の更なる態様では、後述するオートバイエンジンを含むオートバイを提供している。

    本発明の更なる態様では、少なくとも1端に被膜が施されている連接棒を提供している。 前記被膜は、連接棒の小端部分に施されることが望ましい。 連接棒はチタンから成っているのが望ましい。 連接棒の長さは100mm以下であることが望ましく、更に95mm以下も望ましい。

    本発明の更なる態様では、多少のバックスリップの許容を特徴とするオートバイ用のクラッチを提供している。

    本発明の更なる態様では、回転軸を有していると同時にクランクシャフトの流入口にオイルを引き入れる手段を有しているオートバイエンジン用のクランクシャフトを提供している。 前記流入口は、クランクシャフトの回転軸の領域に位置していることを特徴とする。

    本発明の更なる態様では、オイル流入口と、流入口と結合している磁気シールを有することを特徴とするシールと、を有するオートバイ用のクランクシャフトの仕組みを提供している。

    本発明の更なる態様では、オートバイ用エンジンの磁気シールの使用について提供している。

    本発明の更なる態様では、オートバイのヘッドストックを通過して取入れ口ダクトへ給送するため伸びた口を有する空気取入れ口を備えたオートバイを提供している。 空気取入れ口はほぼ水平になっているのが望ましい。

    次に、本発明に関る方法および/または装置について、添付の図面を用いて説明する。

    以下において、本発明をオートバイに適用した場合を例に挙げて説明がなされているが、本発明の態様は、他の用途のエンジンにも等しく適用することが可能であることが理解できるであろう。

    本発明の態様におけるいかなる特徴も、適切な組み合わせをすれば、本発明の他の態様にも適用することが可能である。 特に言えば、方法の態様は装置の態様に適用され、また逆もしかりである。

    本発明の好ましい特徴について、以下に添付図面を用いて説明するが、これらの図面は単に例に過ぎず、本発明を限定するものではない。

    3つのエンジンの実施例を下記に述べる。

    エンジンの第1の実施例を図1から図22に関連してここに詳細を述べる。

    図1は、オートバイ10を示し、このオートバイ10はエンジン20の概括的な位置と姿勢を示している。 エンジン20はシャシーに取り付けられ、またシャシーには、通常通り、整形部品、シートその他がまた取り付けられている。 シャシーの正面にヘッドストック13があり、そこに、前部フォークと車輪を支持する三重梁が取り付けられている。 後部車輪を支持する揺れ腕は、エンジンの後部に取り付けられている。 他の実施例では、揺れ腕はシャシーに取り付けられることもある。

    特に好ましい実施例において、前記エンジンは、国際オートバイレース(FIM)オートバイグランプリ(MotoGP)の如くの競技向けのオートバイを含むレース用オートバイに用いられるものである。 その外の実施例においては、世界スーパーバイク競技の如くのスーパーバイク競技向きのオートバイを含む産業用もしくは一般走行用オートバイに用いられるものである。

    このエンジンの方位並びにシリンダヘッドの形状、クランクシャフトとバランシング・シャフト、ピストンと連接棒、冷却装置、空気取り入れ装置、潤滑装置、ギアボックス、エンジン管理装置の如くの第1のエンジンに関連する種々の特徴を、エンジンの概観に引き続いてここに述べる。

    <エンジンの概観>
    エンジンの5つの外観展望図が図2Aから図2Eに例示されているが、それらはそれぞれエンジンの右側面図、左側面図、正面図、後部立面図、平面図である。

    概観すると、前記エンジンは、図2Cに示されているように直列で配列されている3つのシリンダ80a,80b,80cを備えた4ストロークエンジン20であって、それぞれが94mmの穿孔と47.5mmのストロークを別々に有している。 この系統立った形状によって、エンジンをより高速に回転させることができるようになっている。

    2Aから2Eの図で分かるように、エンジンはシリンダヘッド60と離れたところにあるシリンダヘッドカバー40を備えたエンジンケーシング22に格納されている。 シリンダヘッド60は、その前方側62のところに配置(既存の産業用、一般走行用オートバイとの対照において)されている3つの吸気開口70a,70b,70c(図4Aを参照)を備える。 吸気開口70は、個別の吸気トランペット120a,120b、120cを有するそれぞれのスロットルボディ100a,100b,100cが付いている。 各吸気開口70、スロットルボディ100、吸気トランペット120は、個々のシリンダ80に、別に後述するように空気を供給する。 シリンダヘッド60の後方側64には、個々に排気通路(図示せず)が付いている3つの排気開口200a,200b,200c(図6Gを参照)が配置されている。 排気開口200には、シリンダごとの2つの排気ポート(図示せず)を経由して、後述するように燃焼室から排気ガスが送られる。

    エンジンの前方側に吸気開口と後方側に排気開口を有することによって、排気装置と空気取り入れ装置を互いに一定の距離を置いて配置できるようになり、取り入れた空気が互いの装置が近接しているために排気ガスで熱せられるという既存のエンジンがもっている問題を克服するかもしくは解消することができる。 更に、排気装置は冷却剤と潤滑ラジエータ(後述する)から離れたところにあるので、結果として、排気装置からは、既存のオートバイエンジンより温度の低い熱気がラジエータに送られる。 また、その他の結果として、エンジンを既存のオートバイより更に前方に取り付けることができるので、重力の中心をより柔軟に位置取りすることができるようになる。

    シリンダヘッド60は、シリンダごとに3つの吸気弁と2つの排気弁を駆動する2つのカムシャフトを格納している。

    3つのシリンダ80は、図3Aと3Bに示すように、単体で取りはずしのきくシリンダライナ“三重梁(siamese triplet)”から成る。 シリンダライナの下側からの横断面は、図3Aに示されている一方、図3Bは、シリンダ80の縦軸に対して平に平行するライナの横断面を示している。 シリンダライナは、中心部が左右対称の共通軸線上で間隔がぴったり合った3つのほぼ円の形を有していて、これら各々の円は、シリンダ80a,80b,80cの1つと対応している。 シリンダヘッド60は、シリンダライナ92の外面と同じ形をしている空洞を有していて、そこにライナが挿入される。 シリンダヘッド60とライナの間の締まりばめで、エンジン駆動中のライナの位置が正しく保たれる。 フランジ97は、ライナの上端の外側周辺に設けられている。 シリンダライナ96の内側表面には円形の内部横断面があり、それが研がれてシリンダの精緻な穿孔になる。 前記シリンダライナは、高い伸張力のあるA7075のようなアルミニウム合金で製造されるのが望ましい。 エンジンブロックの単一の空洞にあるライナから3つのシリンダを形作ることによりシリンダ間の間隔が最小化されるお蔭で、エンジン総体がコンパクトになる効果を生む。 更に使い古されたシリンダは、単にシリンダライナを取り替えることによって新しくなるので、エンジンブロックの再利用が図られる。

    例えば、図2Aに戻ってみると、シリンダブロック24の右側に取り付けられているのは、エンジン周辺に冷却剤を吸い揚げる水式ポンプ300である。 冷却装置についても後に詳しく述べる。

    毎分15,000から16,000の規則回転で駆動されるエンジンに用いられるように特化されている交流発電機は、オートバイの電気機器類に直流電流を供給するようになっている。 これら交流発電機は、例えば Magneti Marelli 社製のものがある。

    <エンジンの方位並びにシリンダヘッドの形状>
    上述したように、エンジンは、直列型の3つのシリンダ80を備えている。 前記シリンダは、前記エンジンがバイクに取り付けられる際、シリンダは、垂直から15度後方に角度をなす形で取り付けられるように構成されている。 別の実施例では、この角度は13.5度から16.5度の範囲で、そして更に別の実施例では、12度から18度の範囲である。 また更なる実施例では、この角度は20度もしくは25度である。 この結果、吸気トランペット120は、より大きな角度で上方向を指している。 特に好ましい実施例におけるエンジンのその他の特徴に関連する位置については、図4Aから4Cを参照して下記に述べる。

    図4Aは、シリンダヘッド60の1つの例の平面図を示し、この平面図は、各シリンダの3つの吸気弁86,87,89並びに2つの排気弁91,93の位置を示している。 図4Bと4Cは、図4Aで示しているように、A−Aライン並びにB−Bラインにそれぞれ沿ったシリンダヘッド60の横断面を示している。 図4Bに示されている横断面は、中央吸気弁87の中央部から描かれたものであり、また直接排気弁90,91の間から描かれたものである。

    図5は、3つの噴射機502a,502b,502cがその上に取り付けられている燃料レールの横断面を示している。 エンジンのシリンダ80ごとに単一の噴射機502がある。 燃料レール506と噴射機502はどちらも標準部品、たとえば、 Magneti Marelli 社製のものがある。 各噴射機502は、その個々のスロットルボディ100の軸方向に、また吸気トランペット120は、スロットル蝶形弁の上流に配置されている。

    前記吸気トランペットとスロットルボディの軸線は、個々のシリンダの軸線から55.5度の角度で配置されている。 これら軸線の間には、シリンダの軸線から12.4度の角度で吸気弁が配置されている。 前記吸気弁はチタンから成る。

    シリンダヘッドの排気側における排気弁の軸線は、シリンダ軸に対して10.6度の角度で配置されている。 排気ポートの軸線は、シリンダ軸から51度の角度に配置されている。 各シリンダの2つの排気弁は、平行に配置されている。

    それぞれのバルブのバルブガイドは、マンガンと胴の合金から成り、および/またはバルブシートは胴とベリリウムの合金から成る。

    コイルばね弁は、吸気弁並びに排気弁を塞ぐのに用いられる。

    オートバイグランプリのようなレース車使用のオートバイの如くのある実施例として、ピストンピンの芯からの片寄りはゼロである。 基本的に一般走行用としてのオートバイの実施例ではピストンピンの片寄りはゼロではない。

    なお、シリンダごとに3つの吸気弁と、2つの排気弁と、を備えたいくつかの実施例(そのように示されているように)、並びに上記バルブの位置についての議論において、好ましくは、バルブの軸への言及は、それぞれのシリンダ及びスロットルボディによって規定される面に対して垂直に投影したときの、それぞれの軸の投影という意味に取られる事に注目して欲しい。

    バルブ(たとえば図4Cの86,90)は、タペット(tappets)を介して、自身は図7に示されているクランクシャフト440からのギアによって駆動されるツインカムシャフトによって駆動される。

    バルブ86,87,89,91,93の表面、シリンダヘッドの一部、ピストンヘッド、並びにシリンダスリーブ96は共に、バルブが開いている時、それぞれのバルブを介して、吸気ポート並びに排気ポートと通じている燃焼室を規定している。

    好ましい実施例において、燃焼室はほぼ半球体である。 特に好ましい実施例において、スパークプラグは燃焼室の屋根の中央部に配置されている。

    実施例の寸法は、図6Aから図6Gに示されている. 図6Aは、シリンダヘッドの平面図である。 図6Bから図6Eは、図6AにA−A,B−B,M−M並びにC−Cのように個々に表示されているラインに沿ったシリンダヘッドの断面図である。 図6F並びに6Gは、吸気開口70と排気開口200とをそれぞれ示している。

    特に好ましい実施例において、シリンダヘッドのいろいろな寸法や角度並びに関連する特徴などは、図に精緻に表示されている通りで、および/または、ここに記述している通りである。 しかし、別の実施例において、いくつかの或いは全ての寸法や角度は、これら図示されたりここに記述されたりしているものとプラスマイナス25%、プラスマイナス20%、プラスマイナス15%、プラスマイナス10%、プラスマイナス5%、プラスマイナス2%の差異がある。

    <クランクシャフトとバランシング・シャフト>
    エンジン20は更に、クランクシャフト440(図7を参照)を備える。 エンジンの点火順序は規則正しく、クランクシャフト440にあるこの3つのクランクピン448a,448b,448cは、部品の往復運動の加速によって起る力が互いにもしくは延長クランク腕442(好ましい実施例において重金属部品から成る)のどちらかによって、通常のやり方で広くクランクシャフトでバランスが取れるように等間隔になっている。 しかし、外側の2つのシリンダ80a,80cは、ピストンの往復運動の質量やその他、もしくは延長クランク腕442が回転する質量によっては止まらない更なるトルクをクランクシャフトに引き起こす。

    このトルクに対抗するため、エンジン20はバランシング・シャフト460(図8を参照)を備えている。 バランシング・シャフトはバランシング・シャフト460のギア464とクランクシャフト440のギア444が噛み合って駆動される。 クランクシャフトのギア444とバランシング・シャフトのギア464は、バランシング・シャフト460がクランクシャフト440と同じ速さで回転できるよう同じサイズになっている。

    バランシング・シャフトは、2つの釣り合いマスを備えている。 第1のマス466は、ギア464に取り付けられている金属部品で第2のマス468はギア464と離れたバランシング・シャフトの端部の近くに取り付けられている。 バランシング・シャフトがクラッチを介してギアボックスの入力軸を駆動するために用いられる特に好ましい実施例の中に、バランシング・シャフト駆動ギア464の近くのバランシング・シャフト上にバランシング・シャフト一次ギア472がある。 バランシング・シャフト一次ギア472は、クラッチの一次ギア482(図9に示されているように)と噛み合うようになっている。

    図に示されているように(例えば図8で)、第1と第2のマス466,468は、バランシング・シャフト460のそれぞれ反対側に配置されている。 第1と第2のマス466,468の効果に加えて、バランシング・シャフト460の回転がギア464に(そのような空洞や穿孔は示されていないが、あるいはむしろ更なるギア472に)ある1つもしくはそれ以上の空洞あるいは穿孔474が起因して、更なるトルクを引き起こす。

    特に好ましい実施例において、バランシング・シャフトが取り付けられているバランシング・シャフト駆動ギア464の半径は、別のギア472のものより大きい。 加えて、第2のマス468の半径は、この更なるギア472の半径より大きい(そして特に説明すると、第2のマス468の半径はバランシング・シャフト一次ギア472の歯先円の半径より大きい)。 これは、バランシング・シャフト460が例えば一つの組立品として成形されることで成される。 1品に成形されたバランシング・シャフトは、バランシング・シャフトを組み立てて作るよりより安く作ることができ、いくつかの部品から組み立てられるシャフトよりより堅牢なものになる。

    上述したように、バランシング・シャフト460にあるバランシング・シャフト一次ギア472は、クラッチ一次ギア482と噛み合っている。 このため、また好ましい実施例において、ギアボックス420はクランクシャフト440の後部方向にあるので、バランシング・シャフト460は、クランクシャフト440の後部方向そしてその多少下のところにある。 エンジンケーシング22には、ほぼシャフトと同じ高さのところに一筋の割れ目(図示されてない)を有していて、そのために製造や組立がし易くなっている。

    好ましい実施例において、クラッチには後方回転力リミッターが組み入れてあり、それによって、減速中にエンジンの回転速度が減じているときにクラッチを多少スリップさせることでエンジンブレーキの効果を減少させている。 特に、オートバイの後輪がロック状態になることによってオートバイ操作の持つ特性の逆影響を与えてしまうので、エンジンブレーキの効果を減少させることは望ましいことである。 特別な実施例において、クラッチはカーボンファイバで作られているもので、例えばAPレーシング社が提供しているクラッチである。

    <ピストンと連接棒>
    図10(縮尺表示はない)の概略図に図解されているように、ピストンは、クランクシャフトと繋がれている。 前記エンジンは、ピストンをクランクシャフトに機械的に連結し、ピストンの線運動をクランクシャフトの回転運動に通常のやり方で切り替える各々のシリンダごとの連接棒を備えている。 好ましい実施例において、連接棒は低密度で高伸張力をもつ鍛造チタンで作られる。 低密度材は、連接棒の質量と慣性を最少化するために用いられ、それによって、エンジンを毎分15,000から16,000の回転で高速駆動することができる。

    シリンダ内のガスの充満によってピストンに伝わった動力が、効果的にクランクシャフトに運ばれるようにするためには、連接棒の横方向への運動、即ちシリンダ軸に対して垂直方向への運動を取り除くか、少なくとも最小化する必要がある。 これを達成しようとするには、連接棒の小端とピストンとの間の距離を最も短くすることであり、それによって連接棒がピストンピンに沿ってスライドすることを防げる。 連接棒とピストンは、例えば、それぞれチタン並びにアルミニウムから成る。 連接棒の小端部は、例えば、チタンとアルミニウム部品間の接着のリスクを減らすために被膜されていることが望ましい。 例えば、小端部はモリブデンの塗装層1420で被膜される。 あるいは、連接棒の小端部は窒化クローム(CrN)の塗装層で被膜される。

    好ましい実施例において、連接棒の寸法は、図11Aから11Dに示されている。 特に説明すると、ピストンピンの軸とクランクピンとの間の連接棒の長さは94.5mmで、ピストンピンの軸方向への小端の横幅は16mmで、小端の半径は16mmで、クランクピンの軸方向への大端の厚さは18.5mmで、大端の半径は33.5mmである。 図11Bは、例えば窒化クロームで被膜された小端部分を図解している。

    ピストンは鍛造アルミニウムでできており、その下側部分の形は図12Aに示されている。 影掛けしてある9つのエリアは、ピストンが各ピストンの質量を減らす目的のために窪んでいる部分であることを強調している。 その窪んでいる部分は、切削によって成形するか、ピストンの形の一部として鋳造することもできる。 この方法によって、ピストンの質量を減らして各ピストンの慣性を最小化し、エンジンが高速で駆動できるようにしている。 ピストンの重量を減らすこともまた、エンジンのトータル質量の最小化に役立つ。 これら部分のこのような形によって、ピストンの動力を逆方向に影響させること無しで、ピストンの質量を実質的に減少させている。 ピストンの下側部分のより詳細にわたる描写は、図12Bに示されている。

    好ましい実施例のピストンのデザインと寸法については、図13Aから13Gに図解されている。 図13Aに示したピストンヘッド3000には5つの窪みがある。 3つの窪み3002,3004,3006は、吸気弁の位置に対応している一方、他の2つの窪み3008,3010は、排気弁の位置に対応している。 これらの窪みは、エンジンから出される動力を最大化するための燃焼室内での燃料燃焼の制御に役立っている。 図13Bに示されたピストンヘッド3000の側面図は、ピストンリング溝3012、オイル給油溝3014、ピストンピンホール3016の場所を示している。 ピストンの横断面は図13Cから13Eに示されていて、図13Fはピストンの他の側面を示している。

    ピストンのその他の実施例は、図14Aと14Bに示されている。 また更に図15Aから15Cにその他のピストンの実施例が示されている。

    <冷却装置>
    エンジン20は液冷である。 この装置は、エンジンケーシング22に取り付けられているポンプで作動する。 このポンプは、冷却回路の周りに冷却剤、例えば水/不凍混合剤を吸い揚げる。 この冷却システムは加圧されている。

    一般に、冷却装置は、冷却剤の流量が冷却を最も火急に必要としているエンジン部分(例えば、排気開口や排気弁)に最速で行き渡るように対応されていることが望ましい。 冷却剤そのものは、ラジエータを通過することによって冷える。 この実施例(そして取り付け例)は後述する。

    <空気取り入れ装置>
    さて、図16と17に関して、オートバイ10の空気取り入れ装置について更に詳しくここに述べる。 図16で示すように、オートバイ10は、ステアリングヘッド2004の前方とフロントスクリーン2002の下方にある前部空気取り入れ装置(総じて参照数字2000で表している)を有している。 空気取り入れ装置2000は、フロント覆い2001を通過し、ヘッドストックを通ってエアボックス2008(図17に図示)に直接空気を送る空気通路2006に通じている。

    空気取り入れ装置2000は、吸気通路2006に延びるに従って先細りになっている口の部分を有している。 ステァリングヘッド2004は、柱状部2010を通り超えて吸気通路2006の中央部に縦に延びている。 横向きの腕2011は、吸気通路2006を横切って柱状部2010の周辺まで延びている。

    エアボックス2008には、エアフィルタ2012が付いていて、前部方向に面しているエンジンの吸気トランペットに連結している。

    上述したように、空気取り入れ装置2000は、まさにオートバイ10の前端にある。 従って、オートバイ10が高速で走行しているとき、空気は否応なしに空気取り入れ装置2000を通ってエアボックス2008に入るようになっている。

    図18Aと18Bに従って、多様に変化可能な吸気トランペット装置について次に述べる。 エンジンに装着された多様なトランペット装置(総じて1600台の数字で参照される)は、これらの図に示されている。

    この特別な実施例においては、3つの吸気トランペットがあるが、エンジンのシリンダごとに1つある。 各吸気トランペット1602(ここでは一番上のところに示されている)は型材に織られ又樹脂に含浸したカーボンファイバから成るカーボンファイバ混合材で作られている。 各吸気トランペットは少なくともエンジンのスロットルボディの一部の周辺に形成される。 各吸気トランペット1602のボディは、あたかも唇1604が形作られているように上部先端部に広がっている。 吸気トランペットは、吸気トランペットの位置がスロットルボディに相対して軸線1614(図18Bに示されている)に沿って変化する際、その変化に対応できる。 吸気トランペットの位置は、1602の最上部から1606の最下部までエンジンの調律を効果的に変化させながら絶え間なく変化する。

    図18Aにおいて、燃料噴射装置に言及する。 燃料インジェクタ1608が、バルブトランペット1602の上に位置していることが示されている。 空気は、吸気トランペット1602の口の部分で、燃料インジェクタ1608からの燃料と混合され、次いで、シリンダに空気が送られ、そこで、エンジン管理装置(どこかで記述されている)によって時間設定されたスパークプラグからの火花で、混合燃料が着火される。 燃料インジェクタは、燃料をこれもまた燃料インジェクタに運ぶ燃料レール1610によって正しい位置に支持されている。 燃料インジェクタは、説明を明瞭にするために図18Bから省かれている。

    好ましい実施例において、この3つの個々の吸気トランペット1602は、全ての吸気トランペットが個々のシリンダの取入れ口に相対していかなる時にも同時にほぼ同じ位置に保たれるよう、結合装置1612を通して機械的に連結されている。

    図18Bの特別な実施例によって、吸気トランペットの位置を1614の方向に沿って変化させる手段をここに述べる。 連結装置1612は、吸気トランペットの位置を変化させる動きを単純にする手段を提供している。 好ましい実施例において、2本の案内棒1616が用意されていて、連結装置1612は、各案内棒1616を結合するため1618に延びている。 この2つの案内棒は、正反対に向かい合っている。 好ましい実施例において、1618での結合地点が変化する吸気トランペット装置の起動ポイントになっている、即ち、1614で示された吸気トランペットの軸線に沿った直線上の位置は、1618の結合場所で作用を起こすことによってコントロールできる。 ポイント1618にこの行動を施す手段は、説明を明瞭にするため省かれている。 しかし、相応しい油圧応用、空気式、電気式、ギア被動もしくはカム組織には、この変化がもたらされる。

    図18Bに示されているような1つの実施例において、吸気トランペットの制御は、2つの位置1620Aと1620Bで示されたロッド1620を通して、変化がもたらされる。 このロッド1620は、ギア組織1622を通って、ロッド1620が1620Aから1620Bにまたはその逆に移動するとき、案内棒が連結ポイント1618に力を加えて、吸気トランペットの位置がそれに従って変化する形で、案内棒1616と連結している。 ギア組織1622の代替として、カム駆動、粗動装置、もしくはその他相応しい駆動装置といった他の駆動装置が用いられる。

    本発明の実施例では、燃料噴射装置はスロットルボディの軸線方向並びに吸気トランペットの口の近くに燃料を注入するよう配置されていて、更に別の実施例では、噴射装置はスロットル蝶形弁の下のスロットルボディ内壁に取り付けられる。

    <潤滑装置>
    図19に関連して潤滑装置をここに述べる。

    オイルは、給油だめ380から吸い揚げられてオイルポンプ622(例えば容積ポンプ)によってエンジン内側の潤滑回路に送られる。 オイルポンプ622は、クラッチ一次ギアで駆動されるギアを支持しているドライブシャフト(図示せず)を備える。 オイルポンプ622に入る前に給油だめ380から吸い揚げられたオイルは、最初濾過機382に運ばれて不純物が取り除かれる。 オイルは、ポンプから熱交換器もしくはオートバイのエンジンの近くに取り付けられているラジエータ604に流れ、オイル温度が下げられる。 熱交換器を出た後、オイルは、オイルフィルタ400を通って潤滑回路に運ばれる。

    潤滑回路の中のオイルは、ギアボックス、クランクシャフト、シリンダブロック潤滑サブ回路608、および(もしくは)シリンダヘッド潤滑サブ回路606に流れる。 シリンダブロック潤滑サブ回路608は、ピストン1412並びにバランシング・シャフト460(先に記述済み)を含む部品類を滑らかにする。 好ましい実施例において、ピストンを滑らかにするためにオイルジェットが使われる。 シリンダヘッド潤滑サブ回路606は、カムシャフト240を含む部品類を滑らかにする。 上記エンジン部品類を潤滑した後、オイルは給油だめに戻る。

    図20に関連して、クランクシャフトへのオイル送りについて次に述べる。

    オイル吸入導管6002は、磁気オイルシールを通ってクランクシャフト440の突出部6006に連結していて、特に言えば、クランクシャフトの突出部6006からクランクシャフトの6010のセクションを通ってメインジャーナル6012まで延びている縦孔6020に連結している。 斜め孔6024は、メインジャーナル6012の縦孔6020から第1のクランク腕6030を通って第1のクランクピン6032まで延びていて、そのクランクピンのところでクランクピンの表面に口を空けているクランクピン孔6022に通じている。 斜め孔6024はまた、更に第2のクランク腕6034まで延びていて、そこから別の孔(図示せず)が更にオイル回路に延びて同じように他のクランクシャフト(ジャーナル6040を含む)に至っている。 エンジンケーシングの位置は6050で示されている。

    実際の利用において、オイルは、圧力下でオイル吸入導管6002と磁気オイルシール6004を通って縦孔6020に送られる。 磁気オイルシール6004は、クランクシャフトが高スピードで回転している場合でも、エンジンの内部からオイルが漏れるのを防いでいる。

    更にオイルは、圧力下、クランクピン孔6022にオイルを送る斜め孔6024に流れ、オイルはそこからクランクピン6032の表面に漏れ出る。 連接棒に関連するクランクピン6032の回転によってクランクピンの表面が充分に潤滑されるようになる。

    斜め孔6024はまた、第2のクランク腕6034の更なる孔並びにその他のクランクシャフト(図示せず)にオイルを送る。 いくつかの実施例において、別の孔には(図示せず)ジャーナル6012がオイル流を軸受けの周囲の溝6016に送る例で、各メインジャーナルの中に送られる。 そうすることによって、ジャーナル軸受けを円滑にする。 その他の実施例では、オイルは別のジャーナル軸受けに別々に送られる。

    好ましい実施例において、前記潤滑装置は更に減圧弁(図示せず)を有していて、オイルは、オイルポンプを出た後、その減圧弁から通り抜ける。 熱膨張もしくはオイルポンプの出口部分の異常な高圧が元でオイルの圧力超過が起る可能性がある。 圧力超過が起る原因はポンプの高速作動から引き起こされるのであるが、更にこの原因は、ポンプはエンジンによって機械的に作動するので次の段階でエンジンの高速駆動が圧力超過を引き起こす。

    好ましい実施例において、オイルが熱交換器を迂回できる別の経路が用意されている。 このバイパス経路は、エンジンがスタートしたばかりのときのような低温の際に有益である。

    <ギアボックス>
    ギアボックスは6速が出るもので、例えば、ADMが用意しているタイプのレース用ギアボックスである。 好ましい実施例において、ギアボックスの歯数比率は変更可能である。 ギアボックスの一般的なタイプについては後述する。

    図2に示したエンジンにおいて、ギアボックスは、エンジンケーシングの左側の開口部に入れられている。 エンジンを包むために取り外しのできるカバーが用意されている。

    <エンジン管理装置>
    図21に関連して、エンジン管理装置をここに述べる。

    図21はエンジンコントロールユニット(ECU)1240を備えたエンジン管理装置(EMS)を、例えば Magneti Marelli 社製のMF4ECUを、を示している。 ECU1240は、数々のセンサから送り込まれる情報を受ける。 主センサは、クランクシャフトセンサ1202、カムシャフトセンサ1204、スロットルセンサ1206から成る。 予備センサは、気温センサ1208、気圧センサ1210、水温センサ1212、燃料圧力センサ1214、汎用排気ガス酸素センサ(UEGO)1216から成る。 これらの各センサは、エンジン20もしくは排気管に適切に取り付けられている。 ECU1240は、バッテリー電圧センサ1218を有する。

    センサの信号は、後にデータ記録器1242を使って分析するために記録される。 好ましい実施例において、データ記録器1242にはランダムアクセスもしくはフラッシュメモリーが内蔵されている。 他のシステムとの接続(例えば、パソコンやラップトップ)は、インプット/アウトプット(I/O)インターフェース1244を介して行う。 I/Oインターフェース1244は,例えば、EMSを形成するのに使われたり、エンジンコントロールマップを修正するために使われたり、もしくは記録されたセンサからの信号をデータ記録気1242から移管するのに使われたりする。

    センサからの信号を利用して、ECUは、点火時刻(いつ発火すべきか)、注入持続期間(どのくらいの間燃料を注入すべきか)、並びに注入段階(注入終了時期)を計算し、その結果を点火コイル1220並びに燃料インジェクタ1222の制御に利用する。

    クランクシャフトセンサ1202は、クランクシャフト440に取り付けられた車輪についている歯(図示せず)によって作用を起こす感応センサを備えている。 好ましい実施例において、クランクシャフトに取り付けられた車輪は、クランクシャフトが第1のシリンダ点火サイクルの上死点を過ぎて6度回転した後、第1の歯がセンサに整列するような位置にある、36度の間隔に隔てて10本のこのような歯を持っている。 クランクシャフトセンサから送られるクランク信号は、従ってクランクシャフトの回転を10のパーツに、そしてエンジンサイクル(2つのクランクシャフト回転)を20のパーツに分轄する。 ECUは、クランク信号からの情報でエンジンの回転速度(n)を計算する。

    カムシャフトセンサ1204は、カムシャフト240a,240bのうちの1つに取り付けられている1本の歯で作動を起こす感応センサを備える。 この歯は、クランクシャフト、従ってカムシャフトも第1のシリンダ点火サイクルの上死点に達した後350度連続して回転したときセンサに整列する位置にある。 カムシャフトは、エンジンサイクルごとに1回だけ回転するので、ECUは、エンジンサイクルのスタート識別のためにカムシャフトセンサからの信号を用いる。 エンジンサイクルのスタートが認識された段階で、ECUは、クランクシャフトからの情報により、クランクシャフトの位置を、それ故エンジンサイクル内の位置を測定する。

    スロットルセンサは、スロットル連動装置に連結している分圧計を備えている。 これによって、ECUがスロットルの位置(α)をここから計算するところの電圧(例えば閉まったスロットルの場合は0.5V、一杯に開いたスロットルの場合は3.5Vの範囲)に従ってスロットルを開かせる。

    エンジンの回転速度とスロットルの位置情報を利用して、ECUは、3つのコントロールパラメータ、即ち、注入の持続期間、注入段階、点火時刻を計算する。 通常の状況下で、燃料は、一定の割合で供給されるので注入される燃料の量は注入持続期間によって調べられる。 注入段階は注入終了の時、即ち、注入を終わらせるべき時である。 注入を始める時刻は、注入段階から注入したい期間を引くことによって調べることができる。

    ECUは、数種のコントロール用マップを使ってこれらコントロールパラメータを計算する。 特に言及すれば、EMSは注入段階用マップ、注入期間用マップ、並びに点火時刻用マップを備えている。 これらのマップは、スロットルの位置(α)とエンジンの回転速度(n)を指し示す2つの次元の検査表の形で用意されている。 このシステムは、一般的にα−nシステムとして引用される。

    第2の段階において、このように計算された注入持続期間並びに点火時刻パラメータは予備のセンサからの信号を基にして補正される。 この目的のために、各々の予備センサのために補正用マップが用意されている。 補正用マップの情報から、注入持続期間に関する補正係数並びに点火時刻に関する補正差引勘定のパラメータが調べられ、個々のパラメータにそれぞれ適用される。 特別な実施例において、注入持続期間用に補正用マップが排気ガスセンサ1216に依存して用意される。 気温、気圧、並びに水温センサのために注入持続時間用と点火時刻用の両方の補正用マップが用意されている。

    注入持続時間と点火時刻双方に関する更に別の要因が、大気の圧力を基にして計算される。 この圧力は、エンジンが駆動してないときの気圧センサによって計測される。 また注入時刻に関するバッテリー電圧センサ1218の計測に基づく追加的な補正要因もある。

    例えば、水温補正用マップは低水温で、即ち、エンジンが冷たい状態で、注入する燃料量の増加を特定にすることによってエンジンを燃え立たせる戦略をある部分規定している。

    最後に説明する補正用マップは、シリンダの位置や空気取入れ口の仕組みやその外に対する機械的な考察によってシリンダへの空気の流れが多少変化することを容認するための3つのシリンダ各々に関するものである。

    種々のエンジンコン制御用マップのためのマップデータは異なる目的、条件、並びにライダーの好みで調整することができる。 例えば、エンジンブレーキの特性を改良する目的で低速走行中/ブレーキを踏んでいる間の燃料注入を可能にするために、1つあるいはそれ以上のマップを適応させることができる。 更に、このマップは、特殊な要請に対して最も効果的に対処することができる。 例えば、このマップは、燃料効率を最大化もしくはエンジン効率を最大化するために調整され、特に、異なる走行コース/走行条件のために修正され適用される。

    エンジン管理装置のその他の特徴は、点火の切断および/または動力の削減でギアシフトの性能向上に役立てること、安全のためにエンジンをストップさせて緊急に燃料を切断すること、エンジンがアイドリングしているとき空気と燃料の混合率を調整する能力、並びに“デルタエンジンスピード”(Delta Ne)制御法である。 この Delta Ne においては、エンジン回転速度を一連の補正用マップを参照して加速中にスムーズに変化させることができる。 このマップは、現行のエンジン回転速度、エンジン回転速度の変更、並びにギアの位置にとって最高の価値を有する検査表である。

    エンジン管理システムの一部として直接エンジンの制御に影響を与えるものではないが、更なるセンサが用意されている。 これらには、オイル圧力センサ、オイル温度サンサー、ギア位置センサ、並びに後輪スピードセンサである。 これらセンサからの信号は、後の分析用にデータ記録器に収納される。

    このエンジン管理装置には、また他のところで記述したように可変性の空気取り入れシステムを履行するための吸気トランペット位置変化装置が用意されている。

    更に、ワイアー駆動(DBW)スロットルコントロール装置が用意されていて、これにより、図22に示されているように、スロットル位置を制御するフィードバックループを用いることによって、エンジンのトルクが最適化される。 このワイアー駆動サブ装置は、スロットル位置センサ1206から、カムシャフトセンサ1204から(エンジン回転速度の評価という形をとって)、後輪スピードセンサ並びにギア位置センサから、フィードバックループの一部をなしている別のスロットル位置センサと共に、情報を取り入れている。 スロットルの最適な位置を計算するために、ECUは、スロットル位置とエンジン回転速度が指標化された2つの次元の検査表という形になっている一連のマップを参考にする。 各々のギア位置測定のために1つのマップが存在する。 スロットルの位置は、与えられたエンジン回転速度やギア選択にとって最適なエンジントルクを提供するマップで測定されたところに油圧起動装置によって調整される。

    別の実施例において、副次的なエンジンコントロールユニットによってECUのある確かな機能が用意されている。 前記機能は、ワイアー駆動スロットル制御機能、データログ機能、半自動式ギアシフト制御機能、並びに可変性トランペット制御機能等を有する。

    ECU及び関係するエンジン管理装置部品は、オートバイにとって都合のよい場所に配置される、例えば、ダッシュボードの後とか、エンジンの外部、例えば給油だめの下に付けるとかである。

    別の、第2のエンジンの実施例を図23から図26に関連してここに述べる。 本実施例におけるエンジンもまた、主としてレース用オートバイ向けとしてのものであり、特にオートバイグランプリ用のものである。

    本実施例の3つの外観図が図23Aから23Cにかけて示されているが、これらはそれぞれ左側面図、正面図、および平面図である。

    本実施例は、図2に関連して前述した好ましい実施例とほぼ同類のものであるが、主に次のような相違点がある。

    − シリンダが垂直に対して15度後方向の角度になっている前述の実施例とは対照に、本実施例のシリンダは、垂直な角度になっている。 予想されるように、前述したエンジン部品の寸法は、本実施例のものとは異なる;
    − 1つのシリンダに対して3つの吸気弁を備えた前述の実施例とは対照に、本実施例では、シリンダごとに2つの吸気弁を備える;
    − 吸気弁並びに排気弁を閉じる手段は、コイルばねであった前述の実施例とは対照に、本実施例では、空気式機械装置を用いて閉じる;
    − 前述の実施例では各シリンダに対して3つの吸気弁であったのに対して、本実施例では、各シリンダに対してただ2つの吸気弁を用いるので、充分なボリュームの空気と燃料の混合物を各吸入サイクルの燃焼室に取り入れられるように、各バルブのエリアはより広く作られている。 各バルブのエリアが広くなることによって、各バルブの質量の相対的な増加、従って相対的な慣性の増加を引き起こす。 エンジンが高速駆動できるように、吸気弁はコイルばねよりむしろより早くバルブを閉めることができる空気弁ばねを用いて閉める。

    図24Aは、4つの同種の空気弁ばね組立部品1500(即ち、2つの吸気弁並びに2つの排気弁組立部品)から成る、弁ばねのメカニズムを示している。 組立部品は、燃焼室のバルブの配置によって決められた角度で互いに配列されている。 各空気式組立部品1500は、窪みのある円筒形のボディ1502、窪みのある円筒形キャップ1504、バルブ1506、並びに押し棒1508を備えている。 空気式組立部品の軸に沿ってキャップとボディの間で関連運動ができるように、キャップの内径は、ボディの外径より大きくなっている。 バルブ1506は、空気式組立部品の軸に沿って配列している押し棒1506の一方の端に付けられている。 押し棒の他の端は、キャップ1504の内側面まできている。

    図24Bは、図24Aに示されているA−Aラインを通しての、3つのシリンダエンジンに必要な12の空気式弁ばね組立部品のうちの6つの横断面図である。 空気式組立部品はそれぞれ、圧縮ガスで満たされた空洞1512を内包している。 このガスは、シール1514,1516によって空洞の中に閉じこまれている。

    組立部品のボディ1502は、吸気カムシャフトと燃焼室との間に、キャップ1510の頂面がカムローブと燃焼室の吸気開口を塞いでいるバルブ1506と接触するような形で、堅固に取り付けられている。 エンジンが駆動している間、吸気カムシャフトの回転がカムローブの回転を引き起こして、それによって力をキャップ1504の上に働かせる。 カムローブの形が等質でないことによって、キャップに力を働かせて燃焼サイクル作動中、変化を引き起こす。

    吸気サイクル作動中、キャップはバルブの運動を引き起こすカムローブによって力が弱められる。 このバルブは、押し棒を介してキャップと固く連結している。 かくして、バルブは、空気と燃料の混合燃料を吸気開口から流入させながら燃焼室に移動する。 更に、押し棒によってキャップの力が弱まることによって、空洞1512に閉じ込められているガスが圧縮される。 吸気サイクルの後半を通して、カムローブの等質でない形がカムローブによってキャップに働いていた力を減少させる。 カムローブからの力が弱まると、空洞1512の中で膨張したガスがキャップを上の方向(カムシャフトの方)に押しやる、それが元になって次にバルブの運動を引き起こして吸気開口を閉じる。

    なお、排気弁は,別の実施例において、先の実施例にあるようにコイルばねの仕組みを用いるか、記述しているように、別の空気弁ばね組立部品を用いるかによって閉じることができることに注目して欲しい。

    本実施例において、吸気トランペットの断面は、前述した実施例のものよりもっと丸い形をしている。

    本実施例は、下記の節で記述するように冷却装置を有している。

    図25の図面に関連して、エンジンシリンダヘッド並びに燃焼室用の冷却方式の特殊な態様に関する詳細を更に述べる。 図25に示されたエンジンの燃焼室2100は、ピストンヘッド2114の上部面2112と空気取入れ口2116各ペアの下部面の間並びに排気弁2118とをそれぞれ規定している。 図25に、スパークプラグ(図示せず)による点火寸前の、上死点(TDC)もしくは最高位置にあるピストンとともに燃焼室2100が示されている。

    ピストンヘッド2114は、複数のピストンリング2111を有していて、連接棒(どこかで記述済み)を介してシリンダ2120で往復運動できるような形でクランクシャフト(どこかで記述済み)に連結されている。 シリンダ2120は、ガスケット(図示せず)を介してシリンダヘッド(総じて参照番号2122で示される)にシールされている。 前記シリンダヘッド2122には複数の吸気ポートと排気ポートが付いている。 図では、1つの吸気ポートと1つの排気ポートだけが示されている。

    シリンダヘッド2122はまた、バルブ2116,2118に連結されている押し棒2132,2134の置換を手引きするバルブガイド2128,2130を有する。 シリンダヘッド2120はまた、それぞれの吸気ポート2124と排気ポート2126の個々の燃焼室の端部に設けられている周バルブシート2136,2138を有する。

    燃焼中、シリンダ2120並びに全てのシリンダヘッド2122は、夥しい熱を受ける。 それ故、シリンダ2120,シリンダヘッド2122並びに関連する吸気ポート2124と排気ポート2126、バルブガイド2128,2130とバルブシート2136,2138は、全て冷やされなければならない。 従って、シリンダ2120の周辺やシリンダヘッド2122の中に取り付けられている種々の部品の内側や周辺に冷却剤を送る冷却ダクト網が用意されている。

    この冷却ダクト網は、全てに渡って相互に連結しているので、これらダクトを通る流量率は相関関係がある。 従って、例えば、相対的に狭い流路断面をもつダクトを流れる場合には、比較的広い流路断面をもつダクトを流れる場合より、流量率がより高くなる。

    特に説明すると、シリンダヘッド2122は、比較的狭い流路断面もつダクト2140の第1のセットを有し、そのダクトには比較的高い流量率の冷却剤がバルブシート2136,2138の近くを流れる。 バルブシートは、夥しい加熱に曝されるが、これら狭い断面流路を持つ冷却ダクト2140によって高い流量率の冷却剤がこれらダクトを通ることとなり、その結果、バルブシート2136,2138並びにその周辺のエリアは、より速く冷却されるようになる。

    冷却ダクト2142の第2のセットは、シリンダヘッド2122に関連している第1の冷却ダクト2140セットの上に付けられている。 前記第2のセットもしくは冷却ダクト2142の“デッキ”は、第1の冷却ダクト2140より相対的に広い流路断面を有する。 このシリンダヘッドのエリア、例えばバルブガイド2128,2130近傍、の加熱は、シリンダヘッド2122の下部分への加熱ほど重要ではない。 従って、冷却ダクト2142の第2のセットにおける冷却剤の流量率は、冷却ダクト2140第1のセットにおけるものより低い。

    シリンダ2120そのものには、ピストンヘッド2114に隣接したシリンダの頂近傍を冷却する冷却ダクト2144セットが用意されている。 これら冷却ダクト2144は、また比較的狭い流路断面のものである。

    冷却のその他の仕組みにおいて、シリンダヘッド2122に関連している冷却ダクト2140,2142は、シリンダ2120そのものに用意されている冷却ダクト2144とは独立している。

    連接棒の横への動きは、連接棒の小端を大きくすることによって、又更に小端を被膜することによって弱められるという前述の実施例とは対照に、本実施例における連接棒の横への動きは、連接棒の大端を大きくすることによって弱められる。 クランクピンの軸方向に向かう大端の幅長は、大端が隣接するクランク腕両方と接触できるように、クランク腕間の間隔と同じになっている。

    大端部とクランク腕とが接着するリスクを減らすため、連接棒の大端を、例えばモリブデンもしくは窒化クロームの層で被膜する。

    本実施例における連接棒は、前述の実施例におけるものよりより長い長さを有する。 本実施例のピストンピン並びにクランクピンの軸との間の長さは、前述の実施例の94.50mmとは対照に、118.84mmである。 本実施例における連接棒のその他の寸法は図26Aから26Dに示す通りである。

    更に、エンジンの第3の実施例を図27から図47に関連してここに述べる。 既に述べた実施例の特徴に対応する特徴については、総じて同じ参照番号を用いて表す。

    図27は、エンジン20の位置と態勢を強調したオートバイ10を示す。 このエンジン20はシャシー12に取り付けられ、そのシャシーの上には成型部品類、シート、その他が例の通り取り付けられている。 シャシーの前部には、フロントフォークと前輪とを支持するトリプルツリーを取り付けているヘッドストック13がある。 後述するように、後輪を支持する揺れ腕がシャシーの後部に取り付けられている。

    特に好ましい実施例において、エンジンは、世界スーパーバイク競技会の如くのスーパーバイク競技に適したオートバイを含む産業用もしくは一般走行向のものである。

    エンジンの第3の実施例に関るエンジンの方位とシリンダヘッドの形状、クランクシャフトとバランシング・シャフト、冷却装置、バルブ伝導機構、空気取り入れ装置、ギアボックス、エンジン整調、エンジン管理装置、エンジンのコンパクト性、重量移動などの種々の特徴をエンジンの概観を皮切りに以下に述べる。

    <エンジンの概観>
    好ましい実施例の5つの外観図を図28Aから図28Eにかけて示している。 それらは、それぞれ、エンジンの右側面図、左側面図、正面図、後部立面図、並びに平面図である。 斜視図29Aから29Cにおいても同じ例を示している。

    概観すると、エンジンは、直列型の3つのシリンダ80a,80b,80cを備えた4ストロークエンジンで、各シリンダは、それぞれ88mmの孔と49.3mmのストロークを有している。 この系統立った形状によって、エンジンが他より高速駆動できるようになっている。

    基本的に一般走行用オートバイとした実施例では、各シリンダ(シリンダヘッド、ピストンヘッド、並びに好ましくはほぼ半球形の形状によって規定されている)の燃焼室は、12:1から13:1、もしくはそれ以上の圧縮比を生むサイズを有する。 更に世界スーパーバイク競技の如くのレース向けオートバイの実施例では、この圧縮比は13:1から14:1もしくはそれ以上である。

    図28と図29で分かるように、エンジンは、シリンダヘッド60と離れたところにあるシリンダヘッドカバー40を備えたエンジンケーシング22に格納されている。 シリンダヘッド60は、その前方側62のところに配置(既存の産業用、一般走行用オートバイとの対照において)されている3つの吸気開口70a,70b,70cを備える。 吸気開口70(柔軟に、好ましい実施例において))には、個々に吸気トランペット120a,120b、120cを有するスロットルボディ100a,100b,100cがそれぞれ付いている。 各吸気開口70、スロットルボディ100、吸気トランペット120は、個々のシリンダ80に後述するように空気を送っている。 シリンダヘッド60の後方側64には個々に排気通路(図示せず)が付いている3つの排気開口200a,200b,200cが配置されている。 排気開口200は、シリンダごとの2つの排気ポート(図示せず)を介して燃焼室から後述するように排気が送られる。

    エンジンの前方側に吸気開口と後方側に排気開口をもつことによって、排気装置と取り入れ装置を互いに一定の距離を置いて配置できるようになり、取り入れた空気が互いの装置が近接しているために排気ガスで熱せられるという既存のエンジンが有する問題を克服するかもしくは解消することができる。 更に、排気装置は、冷却剤と潤滑ラジエータ(後述する)から離れたところにあるので、排気装置からはより温度の低い熱気がラジエータに送られるようになる。 また、その外の結果として、エンジンを既存のオートバイより更に前方に取り付けることができるので、重力の中心の位置取りをより柔軟にすることができるように構成されている。

    シリンダヘッド60は、シリンダごとの3つの吸気弁と2つの排気弁を作動する2つのカムシャフトを格納している。 バルブ伝導機構の詳細は更に後述する。

    シリンダはそれぞれ、取り外し可能な個々のシリンダライナに沿って配列している。 別々の異なるライナを使うことによって、ゆがみの可能性を軽減できる。 前記ライナは、他のライナやシリンダヘッド/エンジンブロックとは別個に製造、取り外し、取り替えがなされることによって、より信頼性の高い問題解決方法を提供している。 しかも、ライナは取り外しがきき、エンジンブロックは再利用ができる。

    エンジンの周辺に冷却剤を吸揚げるウォーターポンプ300がシリンダブロック24の右側に取り付けられている。 冷却装置についても更に詳細を後述する。

    エンジンケーシング22は、それぞれ取り外し可能なクランクシャフトケーシング320とクラッチケシング340、並びに取り外し可能な封印されたギアボックス燃料補給槽420用の開口を備える。

    オイルポンプは、エンジンケーシングの一部360の中に取り付けられている。 オイルポンプは給油だめ380からオイルを引き入れる。 オイルフィルタ400も用意されている。 潤滑については更に後述する。

    <エンジンの方位並びにシリンダヘッドの形状>
    上述したように、エンジンは、直列型の3つのシリンダ80を備えている。 シリンダは、エンジンがバイクに取り付けられる時、垂直に15度後方に角度をなすように取り付けられる。 別の実施例では、この角度は、13.5度から16.5度の範囲で、そして更に別の実施例では、12度から18度の範囲である。 また更なる実施例では、この角度は20度もしくは25度である。 この結果、吸気トランペット120は上方向により高角度を指している。 特に好ましい実施例におけるエンジンのその他の特徴に関連する位置に関しては、図30を参照して下記に述べる。

    図30は、シリンダヘッド60の1つの実施例を示している。 前記実施例は、シリンダ80ごとに2つの燃料インジェクタ502,504(例えば、標準品噴射機は Magnetti Marelli 社製)を備えている。 第1の(もしくは上方の)噴射機502は、スロットルボディ100とスロットル蝶形弁102の上流にある吸気トランペット120の軸線に向かって配置されていて、第2の(もしくは下方の)噴射機504はスロットル蝶形弁102の下流にあるスロットルボディ100の一部壁体の内に配置され、概して下流方向に燃料を誘導する角度になっている。 6つある燃料インジェクタのそれぞれには、(例えばこれもまた Magnetti Marelli 社製のもの)燃料レール506から燃料が送られる。 別の実施例は(基本的に一般走行用オートバイ向けの例)、シリンダごとに単一の燃料インジェクタ(スロットル蝶形弁の下に)を備えている。

    吸気トランペットとスロットルボディの軸線は、個々のシリンダの軸線から49度の角度で配置されている。 これらの軸線の間には、シリンダ軸から9度の角度で吸気弁が配置されている(例えば、 Dell West 社製の標準型吸気弁、また特に好ましい実施例で使用される Dell West 社製のバルブプレート、そして(もしくは)弁ばね、好ましくはコイル弁ばねは Kurt Kauffmann GmbH 社製)。 特に好ましい実施例において、レース向けオートバイではバルブはチタンから作られる。 前記各シリンダの2つの吸気弁は互いに平行な形になっている。

    シリンダヘッドの排気口側において、排気弁の軸は、シリンダの軸に対して12°の角度で配置されている。 シリンダの軸は、排気口の軸から61°の角度で配置されている。 各シリンダの2つの排気弁は互い平行である。

    シリンダヘッドの排気開口サイドにおいて、排気弁の軸線はシリンダの軸線に対して12度角に配置されている。 前記シリンダの軸線排気ポートの軸線に対して61°の角度で配置されている。 シリンダごとの2つの排気弁は互いに平行である。

    好ましい実施例において、それぞれのバルブのためのバルブガイドはマンガン・銅の合金および/またはバルブシートは銅・ベリリウムの合金から成る。

    この特定の実施例における他の寸法は、釣り合いがとれていないが、図30に示されている。 例えば、シリンダの軸線からカムシャフトの入り口並びに出口の軸線への半径距離(それぞれ31.8mmと45.4mm)、閉じたバルブ86,90の最下部から吸気開口並びに排気開口の中心のシリンダの軸線と平行な距離(それぞれ73.42mmと48mm)、ピストンピン(ピストンが上死点にあるときの)と吸気弁並びに排気弁86,90との間の半径距離(それぞれ9.83mmと15.72mm)である。
    スーパーバイクトーナメントの如くのレース使用としてのオートバイのある好ましい実施例において、ピストンピンの芯の片寄りはゼロである。 基本的に一般走行用としてのオートバイのような好ましい例において、ピストンピンの芯の片寄りはゼロではない。

    なお、シリンダごとに3つの吸気弁と2つの排気弁を備えたある実施例(そのように示されているような)並びに上記バルブの位置についての議論において、バルブの軸線への言及は通常、例えば、シリンダ並びにスロットルボディによってそれぞれ規定されている投影面上への軸線の投影という意味にとられることに注目して欲しい。

    バルブ86,90は、タペットを介して、自身は後述のようにクランクシャフト440からのギアによって駆動されるツインカムシャフト240a、240b、によって駆動される。

    バルブ86,90の表面、シリンダヘッドの一部、ピストンヘッド、並びにシリンダスリーブは共に、吸気ポートと排気ポートと、それぞれバルブが開いているとき、個々のバルブを介して接続している燃焼室を一般的に規定している。 好ましい実施例において、燃焼室はほぼ半球体である。 その他の実施例において、燃焼室は概してシリンダの一部を構成している。 特に好ましい実施例において、スパークプラグは燃焼室の屋根の中央部に配置されている。

    図31Aと31Bは実施例に一致したシリンダヘッドの別の投影図を示している。

    図示されている個々の実施例において、シリンダヘッドは、エンジンがコンパクトになるように心掛けてデザインされていた。 特に言うと、バルブと吸気ポートとの間の角度は、シリンダヘッドのサイズを小さくするのに最も効果的な角度になっている。 これは、あまり流量率が減少しないように、できるだけこの角度を小さくしている既存の装置とは対照をなしている。 排気口や排気弁の角度のデザインにおいても同じように配慮されている。

    周知のように、カムシャフト上のカムの基本直径はタペットやその外のサイズを決める。 図示されている実施例において、基本円周は、カム半径がカムの形状をちょうど包み込むことができる位の適宜な長さをもったものである、と規定されていた。

    図32は(図32Aにおいて)、更に吸気開口70(図32B)並びに排気開口200(図32C)の位置並びに形状を示しながら、一つの実施例のシリンダヘッド60を図示している。

    図33は一つの実施例であるシリンダヘッドの吸気通路72の縦断面を図示している。 図示された通路は、スロットルボディ100の蝶形弁102のところから出発(図の一番上の方)して吸気ポート84(図の一番下)に降りている。 図から分かるように、この実施例において、蝶形弁102の回転軸は、吸気ポート84から175mm離れた距離にあり、蝶形弁のところのスロットルボディ100の横断面積は2370mm である。 シリンダヘッド60の前面62の吸気開口100は、吸気ポートから108mmの距離にあり、横幅が53mm,高さ33mm、横断面積は1479mm である。 吸気開口70の下流の各吸気通路72は、2つのサブ通路73a,73bに分岐していて、これらの各々は、それぞれの吸気弁86を介して燃焼室の1つに空気を送っている。 サブ通路は、それぞれの吸気弁からの距離が54mmから34mmの間にほぼ一律の形をした1315mm の横断面積を有する。 図から分かるように、スロットルボディ100と吸気開口70は、互いにシリンダ軸間の距離(101.5mm)より少しばかり近い距離(98mm)にある。

    特に好ましい実施例において、シリンダヘッド並びに関連する特徴の種々の寸法や角度は、精緻に図に示されている、又(もしくは)ここに記述されている通りである。 しかし、その他の実施例において、図示/記述された寸法や角度の幾つかの、もしくは殆どは、プラスマイナス25%、プラスマイナス20%、プラスマイナス15%、プラスマイナス10%、プラスマイナス5%、プラスマイナス2%、の範囲で異なっている。

    <クランクシャフトとバランシング・シャフト>
    エンジン20は更に、クランクシャフト440(図35、36、並びに37Aから37Cを参照)を備える。 エンジンの点火順序は、規則正しく、クランクシャフト440にあるこの3つのクランクピン448a,448b,448cは部品の往復運動の加速によって起る力が互いにもしくは延長クランク腕442(好ましい実施例において重金属部品から成る)のどちらかによって通常の通り、広くクランクシャフトでバランスが取れるように等間隔になっている。 しかし、外側の2つのシリンダ80a,80c,はピストンの往復運動の質量やその他、もしくは延長クランク腕442が回転する質量によっては止まらない更なるトルクをクランクシャフトに引き起こす。

    このトルクに対抗するため、エンジン20はバランシング・シャフト460を備えている。 バランシング・シャフトはバランシング・シャフト460のギア464とクランクシャフト440のギア444が噛み合って駆動される。 クランクシャフトのギア444とバランシング・シャフトのギア464は、バランシング・シャフト460がクランクシャフト440と同じ速さで回転できるよう同じサイズになっている。

    バランシング・シャフトは、2つの釣り合いマスを備えている。 第1のマス466は、ギア464に隣接していて、第2のマス468は、(より高密度の金属470を含んでいる)ギア464と離れたバランシング・シャフトの端部の近くに取り付けられている。 特に好ましい実施例において、バランシング・シャフトがクラッチを介してギアボックスの入力軸を駆動するために用いられ、第2のマス468は、バランシング・シャフト上にあるバランシング・シャフト一次ギア472に隣接したところにある。 バランシング・シャフト一次ギア472は、クラッチ一次ギア482(図38に関連して下記に述べるように)と噛み合うようになっている。

    図に示されているように(例えば図37Bで)、第1と第2のマス466,468は、バランシング・シャフト460のそれぞれ反対側に配置されている。 第1と第2のマス466,468の効果に加えて、バランシング・シャフト460の回転が、ギア464(そのような空洞や穿孔は示されていないが、あるいはむしろ更なるギア472に)にある1つもしくはそれ以上の空洞あるいは穿孔474が起因して更なるトルクを引き起こす。

    好ましい実施例において、クランクシャフトの腕はクランクシャフトにかかる遠心力のバランスを50%の範囲に保つようデザインされた質量をもつ。 このことによって廉価な生産コストで作れる、慣性力の低い、小さくて軽いクランクシャフトの利用が可能となる。 この改良例において、クランクシャフトは、少なくとも2つの互いに釣り合いのとれていないクランクシャフトを有する。 更に別の好ましい実施例において、腕は100%の遠心力バランスを保つような質量を有する。

    特別に好ましい実施例において(そのように図に示されている)、バランシング・シャフト460は、クランクシャフトの前方のところにあるバランシング・シャフト並びにオイルポンプが給油だめの上にあるバランシング・シャフトを使用している既存の装置と対照的に、給油だめの上にある。 このような形状によって、エンジンの長さをより短くすることができるようになり、またバランシング・シャフトを、どこかで記述した、動力伝導機構の一部として使用することが可能となる。

    特に好ましい実施例において、バランシング・シャフトに取り付けられているバランシング・シャフト駆動ギア464の半径は、別のギア472の半径より長い。 加えて、第2のマス468の半径は、別のギア472の半径より長い(そして特に説明すると、第2のマス468の半径はバランシング・シャフト一次ギア472の歯先円の半径より大きい)。 一つの組立部品としてバランシング・シャフト460を例えば成形することによって、このようになる。 1部品に成形されたバランシング・シャフトは、バランシング・シャフトが組立作業で作られるよりより安く、いくつかの部品から組み立てられるシャフトよりより堅牢なものになる。

    上述したように、バランシング・シャフト460の上にあるバランシング・シャフト一次ギア472はクラッチ一次ギア482と噛み合っている。 このため、また好ましい実施例においてギアボックス420はクランクシャフト440の後部方向にあるので、バランシング・シャフト460は、クランクシャフト440の後部方向そしてその多少下のところにある。 エンジンケーシング22にはほぼシャフトと同じ高さのところに一筋の割れ目(図示されてない)があり、製造や組立がし易いようになっている。

    図38は、エンジン20から始まる動力伝導機構の概略図である。 シリンダ80は、クランクシャフト440を回転させ、クランクシャフトは、次に噛み合いギア444,464を介してバランシング・シャフトを駆動する。 バランシング・シャフトは、バランシング・シャフト一次ギア472並びにクラッチ一次ギア482から成る一次駆動ギアを駆動する。 この仕組みは、スプロケット422が正常の方向に回るために、クランクシャフトはオートバイの車輪の回転に対して反対の方向に回らねばならないことを意味する。 このことは、クランクシャフトとギアボックスの出力軸が同じ方向に回転する既知のオートバイとは対照をなしている。 前記仕組みはクランクシャフトの慣性に逆らう回転がオートバイの前輪にかかる下方向への力を、オートバイの前輪が地面を離れる前により早い速度を加速させることができる結果、増加させるという利点を提供する(既存のオートバイのように力を減少させるというより)。 各車輪におよそ50%の重量配分がなされている特に好ましい実施例において、およそ1.5kgの効果的質量が前輪にかかる負荷に加わったような効果であり、それは前輪が地面を離れる前の可能な限り加速して増加した結果起るおよそ3%から4%の力の増加に相当する。

    <冷却装置>
    上述の通り、エンジン20は液冷である。 1つの実施例における冷却装置が図39に概略的に描写されている。 この装置は、エンジンケーシング22に取り付けられたポンプ300(半径流ポンプが望ましい)で作動する。 ポンプ300は、冷却回路の周りに冷却剤(好ましい実施例において、水と不凍液の混合物)を吸い揚げる。 既存の装置の冷却回路は、エンジンの周りに配置されている冷却筒の内側に単に冷却剤を通しているのとは対照に、この装置は、エンジンの冷却を必要とするところをターゲットにして冷却剤を流すところに特徴がある。 これゆえに、冷却回路は3本のサブ回路314a,314b,314cを有し、それぞれの回路が個々のシリンダ80を冷却する。 サブ回路314は2本の主な支流を備えている。 第1の支流は、吸気開口と排気開口並びにバルブに冷却液を送り、第2の支流は、シリンダブロック24に冷却剤を送る。 第2の支流の冷却剤流量および/または流圧は、リストリクタ312によって制限されている。

    代わりの実施例は、図40で概略的に描写されている。 この実施例において、冷却回路は又3本のサブ回路に分かれていて、そのサブ回路が更に2本の支流に分岐している。 しかしながら、本実施例において、第1の支流は、シリンダブロック24並びに排気開口と排気弁を冷やし、第2の支流は、ここを通る流れはリストリクタ312によって制限されているが、冷却剤をシリンダブロック並びに吸気開口と吸気弁に送る。

    一般に、冷却装置は、冷却剤の流量が冷却を最も火急に必要としているエンジン部分(例えば、排気開口や排気弁)に最速で行き渡るように対応されていることが望ましい。

    図41Aから41Gは一つの例である幾つかの冷却剤ラジエータの図である。 オートバイに取り付けられているラジエータの場所は、図42Aと42Bから見ることができる。 図に示されているように、ラジエータはエンジンの前方に取り付けられていて、空気を閉じ込め、その空気がラジエータを通って狭いところを通り抜けるように前方が凹状に作られている。 ラジエータの吸入口306には、エアボックス130の下を通っている導管305を経由して、冷却剤を受けるためにエンジンの最も高いところの近くに据えられているエンジン冷却剤出口304によって、気泡がエンジン自身の中にある冷却回路の部分から出て回路305に入り込むように、熱い冷却剤が送られる。 冷却剤はラジエータ310を通ってラジエータ出口308から導管303を経由して冷却ポンプ吸入口302に出る。 冷却導管303,305はエンジンの全面とラジエータの後部との間を一直線にねじれを最小限にした形で走っている。

    特に好ましい実施例において、冷却剤導管303,305は冷却装置で唯一外に出ている導管で他の全ての導管はエンジンブロック、シリンダヘッド、ラジエータと一体になっている(例えば鋳造されているように)。

    その外の特に好ましい実施例において、この冷却装置の冷却剤収容量は、1リットル以下である。 その他の実施例において、この冷却剤収容量は1.1リットル以下、1.2リットルもしくは1.5リットル以下である。

    <バルブ機構>
    上述のように、バルブはクランクシャフト440からのギアで駆動される。 バルブ機構は図43に概略的に描写されている。

    クランクシャフト440は、複合アイドラシャフト(compound idler shaft)282の大きなギア286と噛み合っているバルブ機構の駆動ギア446を支持している。 複合アイドラシャフト282はまた、ヘッドアイドラに取り付けられているヘッドアイドラギア260と噛み合っている小さなギア284を支持している。 ヘッドアイドラギア260はまた、カムシャフト240a,240b、にあるギア242a、242b、と噛み合っている。 バルブ機構は、クランクシャフト440が最初の方向に回転してカムシャフト240双方の反対方向への回転を引き起こすことで作動する。 カムシャフト240は、それぞれのタペット292を介してバルブ86,90を駆動させるカムを通常の方法で支持する。

    好ましい実施例において、複合アイドラシャフト282の位置は、上述のバルブ機構のギアの動きの遊びによって調整される場所に合わせることができる。

    <空気取り入れ装置>
    図28並びに29で分かるように、吸気トランペット120a,120b,120c、並びにスロットルボディ100a,100b、100c、はエンジン20の前部に据えられている。 吸気トランペット120a,120b、120c、にはエアボックス(図示せず)によって空気が直接送られる。 オートバイの前部にある取入れ口(図示せず)と吸気トランペット120の間の距離、エアボックス、並びに吸気トランペット120へ空気を運ぶ通路の距離が短くなっていることによって、下記に述べるように単純に作ることができる構造になっている。

    図44Aと44Bは、オートバイ10のシャシー12の斜視図であり、このシャシー12にエンジンが取り付けられる。 空気取入れ口14は、シャシーの前部からヘッドストック13にまで延びている。 通路がヘッドストック13の中に作られていて、そこを経由して空気が取入れ口14からエアボックス130に通る。 エアボックス130の断面は、エアボックス130に引き入れられる空気の流れを遅くするためにヘッドストック13の下流にまで広がっている。 エアボックスにはエアフィルタが付いていて、エアフィルタは、図44Bにその位置16が示されているが、明白に示されていない。 この方法で空気を直接エアボックス130に供給することによって、圧力を落とさずにより目標のはっきりした空気流をエアボックスに引き入れることができることができるようになっている。 加えて、より廉価でより単純な製造や重力の中心を望みのところにおくことがより易しい軽量製作のために提供するこのような製作方法の場合は、より少ない材料が使用される。

    エンジン20のシリンダヘッド60に取り付けられている吸気トランペット120a,120b,120cは、エアボックス130にある開口部17(図45を参照)に位置している。 シール(図示せず)は、吸気トランペットの1つから出る例を除いて、空気が開口部17をつたってエアボックス130から出るのを防いでいる。

    <ギアボックス>
    上述したように、ギアボックス(好ましくは6速ギアボックス)は、引き抜くことが出来るマガジンである。 ギアボックスの実施例が図46に示されている。 ギアボックスは、入力軸484(もしくは主軸)と出力軸485(もしくは副軸)を備える。 入力軸の一部484aは、入力軸を駆動させるためのクラッチ(図示せず)、例えば、 Suter Racing Technology 社製のような、を受けるようになっている。

    ギアボックスは、それぞれのスピード伝達用の一対のギアを備え、各ペアの一方は、入力軸に他方は出力軸に取り付けられていて、ペアは常時噛み合う仕組みになっている。 第1のギアに対応しているギア1310,1315は、ギアボックス420のクラッチを取り付けている部分の端部に最も近く、ギアボックス(図46の右側)のその端部から移動することによって、ギアボックスの特定のスピードに対応するギアは次の順序で使えるようになる、1速、6速、4速、3速、5速、2速。

    1速、2速、3速、4速ギアに関連する入力軸装備ギア1310,1320、1330、1340、は、これらのギアの回転によって入力軸の回転を引き起こすように、入力軸484に絞りばめされている。 残りの入力軸装備ギアは、入力軸の上で自由に動けるようになっている。

    5速と6速ギアに関連した出力軸装備ギア1355,1365は、出力軸485に絞りばめされている。 残りの出力軸装備ギアは、出力軸の上で自由に動けるようになっている。

    出力軸装備の6速ギア1365は、普通の方式で(例えばカムプレートギア選択装置もしくは特に好ましい実施例において巻胴ギア選択装置の仕組みを用いて)出力軸のクラッチ端の方に(すなわち、スプロケットから離れて)摺動可能に出力軸に溝をつけている滑動ギアである。 滑動ギアにある噛み合いドグ1366は、出力軸装備の1速ギア1315と、出力軸装備の1速ギアの回転が出力軸(すなわち、1速ギアが係わっている)の回転を引き起こすような形で、噛み合っている。

    同じように、2速ギアは、出力軸装備5速ギアを出力軸装備2速ギアの方に摺動させることによって係わっている、3速ギアは、出力軸装備5速ギアを出力軸装備3速ギアの方に摺動させることによって係わっている、4速ギアは、出力軸装備6速ギアを出力軸装備4速ギアの方に摺動させることによって係わっている、5速ギアは、入力軸装備4速/5速ギア組立部品を入力軸装備5速ギアの方に摺動させることによって係わっている、6速ギアは、入力軸装備速4速/5速ギア組立部品を入力軸装備6速ギアの方に摺動させることによって係わっている。 それぞれのケースにおいて、滑動ギア/組立部品にある噛み合いドグは(例えば1356,1366等の参照番号を持っているもの)、選択されるべきギアと噛み合う。

    <エンジンの調整>
    特に好ましい実施例において、エンジンは、回転スピードが10000から11000(望ましくは10500rpm)、トルクのピークが90から100Nmになるよう調整される。

    吸気ポート100は、エンジンが最大限の力で駆動しているときに圧縮ロスを最小限にして、空気流がおよそ100ms −1になるように形成されている。

    吸気ポートは互いにぴったり合っている。 各吸気ポートのスロットル蝶形弁の位置は、別個に調整できるが、エンジンが駆動しているとき、スロットル蝶形弁は、単一の機械装置で(望ましくは吸気ポートの1つに取り付けられた車輪に付いているケーブルで)駆動される。

    <エンジン管理装置>
    本実施例におけるエンジン管理装置を図47に関連してここに述べる。

    エンジン管理装置(EMS)1200は、エンジンコントロールユニット(ECU)1240を備える。 ECU1240は、数々のセンサからの入力情報を受信する。 メインセンサはクランクシャフトセンサ1202、カムシャフトセンサ1204、スロットルセンサ1206を備える。 予備のセンサには、気温センサ1208、気圧センサ1210、水温センサ1212、燃料圧力センサ1214、オイル温度センサ1216がある。 これらのセンサは、各々エンジン20に適切に装備されている。 ECU1240は、バッテリー電圧センサ1218をも備えている。

    センサからの信号は、後にデータ記録器1242を使って分析するために記録される。 好ましい実施例において、データ記録器1242にはランダムアクセスもしくはフラッシュメモリーが内蔵されている。 他のシステムとの接続(例えば、パソコンやラップトップ)はインプット/アウトプット(I/O)インターフェース1244を介して行う。 I/Oインターフェース1244は、例えば、EMSを形成するのに使われたり、エンジン制御マップを修正するために使われたり、もしくは記録されたセンサからの信号をデータ記録気1242から移管するのに使われたりする。

    センサから送られる信号を利用して、ECUは、点火時刻(いつ発火すべきか)、注入持続期間(どのくらいの間燃料を注入すべきか)、注入段階(注入終了時期)を計算し、その結果を点火コイル1220並びに燃料インジェクタ1222の制御に利用する。

    クランクシャフトセンサ1202は、クランクシャフト440に取り付けられた車輪についている歯(図示せず)によって作用を起こすホール効果センサを備えている。 好ましい実施例において、クランクシャフトに取り付けられた車輪は、3つのピストンの各上死点と下死点に対応する位置に60度の間隔でこのような6本の歯を持っている。 クランクシャフトセンサによって送られるクランク信号は,従って、クランクシャフトの回転を6つの要素に分類し、またエンジンサイクル(2つのクランクシャフトの回転)を12の要素に分類する。 ECUはこのクランク信号を基にしてエンジン回転速度(n)を計算する。

    カムシャフト240a,240bのうちの1つは、カムシャフトセンサを作動させる1本の歯(図示せず)を備える。 カムシャフトは、エンジンのサイクルごとにただ1回だけ回転するので、ECUは、エンジンサイクルの始動を識別するためにカムシャフトセンサから送られて来る信号を利用する。 エンジンサイクルの始動が識別された段階で、ECUはクランクシャフトの位置を、それ故エンジンサイクル内の位置をクランク信号からの情報を基にして測定する。

    スロットルセンサは、スロットル連動装置に連結している分圧計を備えている。 これが、電圧(例えば閉まったスロットルは0.5V、一杯に開いたスロットルは3.5Vの範囲)に従ってスロットルを開かせ、この情報を基にしてECUがスロットルの位置(α)を計算する。

    エンジン回転速度とスロットルの位置情報を利用して、ECUは、次の3つのコントロールパラメータを計算する、注入期間、注入段階、点火時刻。 通常の状況下では噴射機が一定の割合で燃料を供給するので、注入される燃料の量は注入期間によって調べられる。 注入段階というのは注入終了の時、即ち、注入を終わらせるべき時である。 注入を始める時刻は注入段階から注入したい期間を引くことによって調べることができる。

    ECUは、数種のエンジンコントロールマップを使ってこれらコントロールパラメータを計算する。 特に言及すれば、EMSは、注入段階マップ、注入期間マップ、並びに点火時刻マップを備えている。 これらのマップは、スロットルの位置(α)とエンジン回転速度(n)で指標化されている2つの次元で表す検査表の形で用意されている。 このシステムは、一般的にα−nシステムとして引用される。

    第2の段階において、このように計算された注入期間並びに点火時刻パラメータは、予備センサの数示を基にして補正される。 この目的のために、各々の予備センサ用に補正マップが用意されている。 補正マップの情報から、注入期間に関する補正係数並びに点火時刻に関する補正差引勘定パラメータが測定され、個々のパラメータにそれぞれ適用される。 燃料圧力センサには、点火時期検知のためにだけ補正マップが用意される。 気温センサ、気圧センサ、水温センサ、オイル温度センサには、注入期間と点火時期検知に向けて補正マップが用意される。

    水温補正マップは、例えば、低水温で、すなわちエンジンが冷たい時、注入される燃料の増加量を特定することによって、エンジンを燃え立たせる戦略をある部分において規定する。

    ECUはまた、エンジン回転速度の変化の比率並びにスロットルの位置の変化率を計算する。 その他補正マップは、注入期間並びに点火時期を、これらパラメータを基にして補正するために用意される。

    最後に説明する補正マップは、3つのシリンダの各々に関係するものであり、シリンダの位置であるとか空気取入れ口その他の仕組みであるといった機械的な考察によって生ずるシリンダに流れる空気の多少の変化を容認するためにある。

    2つの噴射機がシリンダごとに取り付けられている実施例において、スロットルの位置(α)とエンジン回転速度(n)によって指標化される噴射機配置マップが提供され、それは、上側と下側のインゼクタバンクの間に注入する燃料の配給量を規定する。 この配給量は上側(もしくは下側の)噴射機によって注入されるべき燃料の総量のパーセンテージとして規定される。 ECUは、この配給量に依って、上側並びに下側の噴射機の注入期間を調整する。

    概して、配給マップは、上側の噴射機が、スロットルが開いている位置にある時、例えば開きが50%の状態から一杯に開いた状態の間、殆どのもしくは全部の燃料を注入することによって配給量を規定する。 この効果によって、空気取り入れ装置を冷やすことができ、次に燃料濃度を高めることができる。 スロットルの位置が余り開いていない時、例えば開きが50%以下、スロットル蝶形弁上の吸入装置の中で燃料が凝結しないように下側の噴射機が概して、優先してまた全面的に使われる。

    種々のエンジンコントロールマップのためのマップデータは、異なる目的、条件、並びにライダーの好みで調整することができる。 例えば、エンジンブレーキの特性を改良する目的で低速走行中/ブレーキを踏んでいる間の燃料注入を可能にするために、1つあるいはそれ以上のマップを適応させることができる。 更に、このマップは、特殊な要請に対しても最も効果的に対応することができる。 例えば、一般走行用オートバイの場合、このマップは燃料効率を最大化するために適用されるが、一方で、レース用の場合は、もっぱらエンジン効率を最大化するためにデザインされるし、特には、異なる走行コース/走行条件のために修正して適応される。

    エンジン管理装置の一部として、更に別のセンサが用意されているが、これは、直接エンジンの制御には影響を及ぼさない。 これらには、油圧センサ、ギア位置センサ、並びに排気ガス中の気化燃料比率計測のためのUEGO(汎用排気ガス酸素)センサもしくはラムダセンサである。 これらセンサからの数示は、データ記録器に送られ、後の分析に供せられる。

    ECU並びにこれらに関係するエンジン管理装置の構成部品はオートバイの都合の良いところに、例えば、ダッシュボードの後もしくは給油だめの下のようなエンジンの外側に付ける等、据えられる。

    <コンパクトなエンジン>
    エンジンはコンパクトであることが望ましい。 エンジンがコンパクトであることの効果は、エンジンの重力の中心の位置設定が今まで以上に容易になることや、その結果、軽量エンジン、それ故今までより軽量なオートバイ、危険な条件下での総体質量移動制御が今までよりやり易くなること、その他、を有している。 上述した数々の特徴によって、このようなコンパクトなエンジンの提供を、別個にあるいは他の特性との結びつきによって実現ならしめている。 これら特徴とは以下の通りである:
    − シリンダがオートバイの後部方向に傾斜していること;
    − エンジン前部にある吸気開口並びに後部にある排気開口の位置;
    − バルブの取り付け角度;
    − 吸気ポート並びに排気ポートヘッダーの対シリンダヘッド傾斜角度;
    − クランクシャフトの前方ではなく、給油だめの上のところにバランシング・シャフトを置くそのロケーション;
    − クラッチ一次ギアをより小さくすることができるクランクシャフトとギアボックス入力軸間の歯車装置(クランクシャフト上の一次ギアは非常に制限的だろうから、バランシング・シャフト一次ギアは、クランクシャフトの腕より小さくないようにしなければならないことはない);
    − 端部被動クラッチの使用;
    − 連接棒の短さ(概ねエンジンストロークの2倍の長さ)、例えば、一般走行用オートバイの例では連接棒の長さは99mm、世界スーパーバイク競技の如くのレース用の例では102.5mm;
    − 1つのシャフトが他の上にある、ギアボックスの配列形態。

    特に好ましい実施例には、これらの特徴のどれか1つ、もしくは数種類の組み合わせの幾つかが含まれている。

    <重量移動>
    加速しているとき、オートバイの後方に重量移動されるのが望ましい。 上述した数々の特徴によって、このような適切な移動を、別個にあるいは他の特性との結びつきによって実現ならしめている。 これら特徴とは以下の通りである:
    − シリンダがオートバイの後部方向に傾斜していること;
    − エンジンのコンパクトさを引き出す特徴のお蔭で、エンジンをシャシーの比較的高い位置に取り付けることが可能となる。

    特に好ましい実施例において、オートバイの総体質量並びに質量配分にバラストもまた用いられる。

    一般高速道路走行用オートバイ(例えば一般走行用もしくは産業用オートバイ)並びにレース用オートバイの実施例にこれら上述の特徴のどれか1つ、数種類の組み合わせの幾つか、もしくは全て、が含まれている。

    本発明は、単に例示だけを説明したものであり、本発明の範囲内での変形が可能であることを理解されるだろう。

    開示された個々の特徴、(適切な)請求項、並びに図面は個別にもしくは適切な組み合わせにおいて提供され得るものである。

    オートバイの側面を図解しているスケッチで、エンジンの概括的な位置と姿勢とを示している。

    図1に示されたエンジンの右側立面図である。

    図2Aに示されたエンジンの左側立面図である。

    図2Aと図2Bに示されたエンジンの正面図である。

    図2Aから図2Cに示されたエンジンの後部立面図である。

    図2Aから図2Dに示されたエンジンの平面図である。

    シリンダライナの下側断面図である。

    図3Aに示されたシリンダライナの側面断面図である。

    エンジンのシリンダヘッドの平面図である。

    図4Aに示されたA−Aラインに沿ったシリンダヘッドの横断面図である。

    図4Aに示されたB−Bラインに沿ったシリンダヘッドの横断面図である。

    噴射機のついた燃料線路の横断面図である。

    シリンダヘッドの寸法平面図である。

    図6Aに示されたA−Aラインに沿ったシリンダヘッドの寸法横断面図である。

    図6Aに示されたB−Bラインに沿ったシリンダヘッドの寸法横断面図である。

    図6Aに示されたM−Mラインに沿ったシリンダヘッドの寸法横断面図である。

    図6Aに示されたC−Cラインに沿ったシリンダヘッドの寸法横断面図である。

    図6Aに示されたシリンダヘッドの吸気開口である。

    図6Aに示されたシリンダヘッドの排気開口である。

    エンジンのクランクシャフトである。

    エンジンのバランシング・シャフトである。

    クランクシャフトがバランシング・シャフトを駆動し、次にクラッチ一次ギアを駆動するギアである。

    ピストンとクランクシャフト間の連接棒の概略図である。

    エンジンの連接棒の正面図である。

    図11Aで示された連接棒の側面図である。

    図11Aに示されたラインA−Aに沿った連接棒の横断面図である。

    図11Aから11Cに示された連接棒の大端の詳細図である。

    表面のへこみの部分を強調したピストンの下側面図である。

    図12Aで示された寸法を表示しているピストンの下側面図である。

    エンジンのピストンの平面図である。

    図13Aの矢印Zの方向に向かった図13Aに示されたピストンの側面図である。

    図13AのA−Aラインに沿った図13Aと13Bに示されたピストンの横断面図である。

    図13CのB−Bラインに沿った図13Aから13Cに示されたピストンの横断面図である。

    図13CのC−Cラインに沿った図13Aから13Dに示されたピストンの横断面図である。

    図13Aの矢印Yの方向に向かった図13Aから13Eに示されたピストンの側面図である。

    エンジンのピストンの平面図及び、図に表示された方向に向かった2つの側面図である。

    図14AのA−Aラインに沿った図14Aに示されたピストンの横断面図である。

    図表に表示された方向に向かった2つの側面図とL−LラインとM−Mラインに沿った2つの横断面図とが一緒になっているエンジンのピストンの平面図である。

    図15AのA−Aラインに沿った図15Aに示されたピストンの横断面図である。

    ピストンリング溝とオイル給油溝の詳細を示している図15AのA−Aラインに沿った図15Aに示されたピストンの横断面図である。

    オートバイの正面図の概略図である。

    オートバイの空気取入れ口の概略横断面図である。

    可変型吸気トランペットの特徴を表しているエンジンの正面図である。

    可変型吸気トランペットの特徴を表している図18のエンジンの右側面図である。

    エンジンの潤滑装置の概略図である。

    クランクシャフトへの中央オイル給送装置である。

    エンジン管理装置の概略図である。

    ワイヤー推進式スロットル制御装置の概略図である。

    エンジンの左側面図である。

    図23Aに示されたエンジンの正面図である。

    図23Aと図23Bに示されたエンジンの平面図である。

    2つの空気弁ばね組立品である。

    図24AのA−Aラインを通しての横断面図である。

    エンジンのシリンダヘッドと燃焼室の横断側面図の素描である。

    エンジンの連接棒の正面図である。

    図26Aに示された連接棒の側面図である。

    図26AのA−Aラインに沿った連接棒の横断面図である。

    図26Aから図26Cに示された連接棒の大端の詳細図である。

    エンジンの位置と態勢を示しているオートバイの側面図である。

    エンジンの右側面図である。

    図28Aに示されたエンジンの左側面図である。

    図28Aと図28Bに示されたエンジンの正面図である。

    図28Aから図28Cに示されたエンジンの後部立面図である。

    図28Aから図28Dに示されたエンジンの平面図である。

    図28Aから図28Eに示されたエンジンの後部右側斜視図である。

    図28Aから図28Eに示されたエンジンの後部左側斜視図である。

    図28Aから図28Eに示されたエンジンの別の正面図である。

    スロットルボディ、吸気トランペット、噴射機、排気ポートを含むエンジンのシリンダヘッドの概略図である。

    細部の多様性を示すエンジンのシリンダヘッドの概略図である。

    細部の多様性を示すエンジンのシリンダヘッドの概略図である。

    エンジンのシリンダヘッドの概略図である。

    シリンダヘッドの吸気開口と排気開口の形である。

    シリンダヘッドの吸気開口と排気開口の形である。

    エンジンのシリンダヘッド内の吸気通路の外観である。

    エンジンのシリンダヘッド内の排気通路の外観である。

    エンジンのクランクシャフトとバランシング・シャフトである。

    バランシング・シャフトを駆動するエンジンのクランクシャフトのギアである。

    バランシング・シャフトが駆動されるギアを示しているエンジンのバランシング・シャフトの被動歯車端である。

    エンジンのバランシング・シャフトの縦断面図である。

    図37Bに示されたバランシング・シャフトの斜視図である。

    オートバイの動力伝導機構の概略描写である。

    エンジンの冷却装置の概略描写である。

    エンジンのその外の冷却装置の概略描写である。

    冷却装置のラジエータの種々な角度からの展望図である

    冷却装置のラジエータの種々な角度からの展望図である

    冷却装置のラジエータの種々な角度からの展望図である

    冷却装置のラジエータの種々な角度からの展望図である

    冷却装置のラジエータの種々な角度からの展望図である

    冷却装置のラジエータの種々な角度からの展望図である

    冷却装置のラジエータの種々な角度からの展望図である。

    エンジンとラジエータの間にあるラジエータと冷却剤導管の位置を示しているオートバイの側面図である。

    エンジンとラジエータの間にあるラジエータと冷却剤導管の位置を示しているオートバイの側面図である。

    エンジンのバルブ機構の概略描写である。

    エアボックスの位置を示しているオートバイシャシーの斜視図である。

    エアボックスの位置を示しているオートバイシャシーの斜視図である。

    エンジンの吸気トランペットがあるエアボックスの開口部を示している図44Aと図44Bに示されたシャシーの下側面図である。

    一例としてのギアボックスの横断面図である。

    一例としてのエンジン管理システムの概略描写である。

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