鞍乗型車両

申请号 JP2016067855 申请日 2016-03-30 公开(公告)号 JP6286468B2 公开(公告)日 2018-02-28
申请人 本田技研工業株式会社; 发明人 宇佐 公徳; 岸川 景介; 新島 瞬;
摘要
权利要求

メインフレーム(2b)と、 前記メインフレーム(2b)の下側に支持される駆動源(E)と、 前記メインフレーム(2b)の上側に支持されるエネルギー貯蓄部(5)と、 前記メインフレーム(2b)の前側に設けられたフロントフォーク(3)を介して操可能に支持される前輪(FW)と、 前記メインフレーム(2b)の後側に設けられたスイングアーム(8)を介して支持され前記駆動源(E)にて駆動される後輪(RW)と、 前記メインフレーム(2b)の後側に設けられて乗車シート(7)を支持するシートフレーム(2c)と、 前記シートフレーム(2c)の左右幅内に配置され、前記前輪(FW)または前記後輪(RW)の制動を制御する制動制御装置(10)と、 車両のXYZ軸の慣性を計測する慣性計測装置(20)を備える鞍乗型車両(1)において、 前記制動制御装置(10)は、前記シートフレーム(2c)に支持されるリアフェンダ(42)に制振部材(61)を介して支持され、 前記慣性計測装置(20)は、前記制動制御装置(10)に支持される、 ことを特徴とする鞍乗型車両(1)。請求項1に記載の鞍乗型車両(1)において、 前記制動制御装置(10)は、前記リアフェンダ(42)に前記制振部材(61)を介して締結されたボルト(71)で支持され、 前記慣性計測装置(20)は、前記ボルト(71)に共締めされる取付用ブラケット(25)に支持される、 ことを特徴とする鞍乗型車両(1)。請求項2に記載の鞍乗型車両(1)において、 前記制動制御装置(10)は、前下がりに傾斜して配置され、 前記取付用ブラケット(25)は、前記制動制御装置(10)の前方及び下方に配置され、前記ボルト(71)で前記慣性計測装置(20)に共締めされる、 ことを特徴とする鞍乗型車両(1)。請求項2に記載の鞍乗型車両(1)において、 前記取付用ブラケット(25)は、前記リアフェンダ(42)に係合し回転を規制する係合部(25k)を備える、 ことを特徴とする鞍乗型車両(1)。請求項2〜4の何れか1項に記載の鞍乗型車両(1)において、 前記リアフェンダ(42)は、前記シートフレーム(2c)の上面(2cu)に引っ掛かるように載置される載置部(42fk)を介して該シートフレーム(2c)に支持され、 前記乗車シート(7)は、前記リアフェンダ(42)の上方に配置される、 ことを特徴とする鞍乗型車両(1)。請求項1〜5の何れかに記載の鞍乗型車両(1)において、 前記慣性計測装置(20)は、前記エネルギー貯蓄部(5)の後方かつ前記制動制御装置(10)の前方に配置され、更に、前記エネルギー貯蓄部(5)及び前記制動制御装置(10)と前後方向において重なる高さに配置される、 ことを特徴とする鞍乗型車両(1)。請求項6に記載の鞍乗型車両(1)において、 前記慣性計測装置(20)は慣性計測装置カバー(26)により上方を覆われ、 前記慣性計測装置カバー(26)は、前記エネルギー貯蓄部(5)に当接し、前記シートフレーム(2c)に支持される、 ことを特徴とする鞍乗型車両(1)。

说明书全文

本発明は、鞍乗型車両に関し、特に、車両の状態を検出する慣性計測装置を有する鞍乗型車両に関する。

従来の鞍乗型車両として、例えば特許文献1には、二輪車のX軸方向およびZ軸方向加速度センサをブレーキ油圧ユニットの前方に配置した模式図が開示されている。

特開2007−271605号公報

特許文献1に開示された加速度センサと同様に、車両の状態を検出する装置に慣性計測装置がある。この慣性計測装置は、該慣性計測装置によって検出された検出情報を制御装置に供給し、この検出情報によって制御装置を作動させて、車両の安全性を高めることが行われる。したがって、慣性計測装置においては、その検出精度を向上するために、該慣性計測装置にエンジンなどの動源の振動や路面の振動が伝わらないようにすることが望まれる。また、慣性計測装置の取り付け方には、制振構造や免振構造を介して取り付けることが考えられるが、該慣性計測装置のための特別な取付け構造を採用すると、部品点数の増加や重量が増加する等の課題があった。

本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、部品点数の増加や重量の増加を抑制しつつ、慣性計測装置に動力源の振動や路面の振動が伝達するのを抑制可能な鞍乗型車両を提供することにある。

上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、 メインフレームと、 前記メインフレームの下側に支持される駆動源と、 前記メインフレームの上側に支持されるエネルギー貯蓄部と、 前記メインフレームの前側に設けられたフロントフォークを介して操可能に支持される前輪と、 前記メインフレームの後側に設けられたスイングアームを介して支持され前記駆動源にて駆動される後輪と、 前記メインフレームの後側に設けられて乗車シートを支持するシートフレームと、 前記シートフレームの左右幅内に配置され、前記前輪または前記後輪の制動を制御する制動制御装置と、 車両のXYZ軸の慣性を計測する慣性計測装置を備える鞍乗型車両において、 前記制動制御装置は、前記シートフレームに支持されるリアフェンダに制振部材を介して支持され、 前記慣性計測装置は、前記制動制御装置に支持されることを特徴とする。

請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の鞍乗型車両において、 前記制動制御装置は、前記リアフェンダに前記制振部材を介して締結されたボルトで支持され、 前記慣性計測装置は、前記ボルトに共締めされる取付用ブラケットに支持される、ことを特徴とする。

請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の鞍乗型車両において、 前記制動制御装置は、前下がりに傾斜して配置され、 前記取付用ブラケットは、前記制動制御装置の前方及び下方に配置され、前記ボルトで前記慣性計測装置に共締めされることを特徴とする。

請求項4に記載の発明は、請求項2に記載の鞍乗型車両において、 前記取付用ブラケットは、前記リアフェンダに係合し回転を規制する係合部を備える、ことを特徴とする。

請求項5に記載の発明は、請求項2〜4の何れかに記載の鞍乗型車両において、 前記リアフェンダは、前記シートフレームの上面に引っ掛かるように載置される載置部を介して該シートフレームに支持され、 前記乗車シートは、前記リアフェンダの上方に配置される、ことを特徴とする。

請求項6に記載の発明は、請求項1〜5の何れかに記載の鞍乗型車両(1)において、 前記慣性計測装置は、前記エネルギー貯蓄部の後方かつ前記制動制御装置の前方に配置され、更に、前記エネルギー貯蓄部及び前記制動制御装置と前後方向において重なる高さに配置される、ことを特徴とする。

請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の鞍乗型車両において、 前記慣性計測装置は慣性計測装置カバーにより上方を覆われ、 前記慣性計測装置カバーは、前記エネルギー貯蓄部に当接し、前記シートフレームに支持される、ことを特徴とする。

また、上記目的を達成するための他の発明は、 メインフレームと、 前記メインフレームの下側に支持される駆動源と、 前記メインフレームの上側に支持されるエネルギー貯蓄部と、 前記メインフレームの前側に設けられたフロントフォークを介して操舵可能に支持される前輪と、 前記メインフレームの後側に設けられたスイングアームを介して支持され前記駆動源にて駆動される後輪と、 前記メインフレームの後側に設けられて乗車シートを支持するシートフレームと、 前記シートフレームの左右幅内に配置され、前記前輪または前記後輪の制動を制御する制動制御装置と、 車両のXYZ軸の慣性を計測する慣性計測装置と、を備える鞍乗型車両において、 前記慣性計測装置は、前記エネルギー貯蓄部に設けられた貯留部取付用ブラケットに制振部材を介して支持される、ことを特徴とする。

請求項1の発明によれば、制動制御装置は、シートフレームの左右幅内に配置されるとともに、シートフレームに支持されるリアフェンダに制振部材を介して支持され、この制動制御装置に慣性計測装置が支持されることで、慣性計測装置は、シートレールの間で乗車シート下に配置された制動制御装置の制振部材を介して取付けられた状態となるので、慣性計測装置のための防振部材などの取付け構造を追加することなく装着できる。更に、重量物である制動制御装置に慣性計測装置が支持されるので、慣性計測装置に伝達される振動を低減することができ、慣性測定精度を向上することができる。

請求項2の発明によれば、制動制御装置がリアフェンダに制振部材を介してボルトで支持され、このボルトに共締めされる取付用ブラケットに慣性計測装置が支持されるので、慣性計測装置のための取付用の制振部材やボルトを設ける必要がなく、部品点数の削減並びに重量の増加を防ぐことができる。

請求項3の発明によれば、制動制御装置は、前下がりに傾斜して配置され、取付用ブラケットは、制動制御装置の前方及び下方に配置され、ボルトで慣性計測装置に共締めされるので、制動制御装置の重量を2つの制振部材で受けつつ取付用ブラケットにも重量をのせることができる。

請求項4の発明によれば、取付用ブラケットが、リアフェンダに係合し回転を規制する係合部を備えるので、取付用ブラケットの固定用のボルトを1本としても回転することなく確実に固定でき、固定用のボルト及び制振部材を追加することなく部品点数並びに重量の増加を抑えることができる。

請求項5の発明によれば、リアフェンダは、シートフレーム上面に引っ掛かるように載置される載置部を介して該シートフレームに支持され、乗車シートはリアフェンダの上方に配置されることで、慣性計測装置を囲むシートフレームとリアフェンダとがボルトなどの締結手段で固定されず、振動や応力の伝達が緩和され、慣性計測装置への振動の伝達を効果的に抑制できる。

請求項6の発明によれば、慣性計測装置が、重量物であるエネルギー貯蓄部および制動制御装置と同じ高さに前後に挟まれた位置に配置されることで、慣性計測装置を動力源よりも高い位置に配置でき、車両の左右方向の倒れ検出精度を良好にできる。また、慣性計測装置は、制動制御装置と共にエネルギー貯蓄部の後方、即ち車体後部に配置されるので、後輪が浮くピッチングの検出精度を良好にできる。

請求項7の発明によれば、慣性計測装置カバーは、エネルギー貯蓄部に当接すると共にシートフレームに支持されるので、エネルギー貯蓄部とシートフレームとで慣性計測装置カバーを確実に支持することができ、しかも、エネルギー貯蓄部の支持が当接であるので、該エネルギー貯蓄部にボスなどを支持のための特別な構造を設ける必要が無く、構造の複雑化および重量の増加を抑えることができる。

上記した他の発明によれば、エネルギー貯蓄部は、メインフレームに支持され、慣性計測装置は、エネルギー貯蓄部に設けられた貯留部取付用ブラケットに制振部材を介して支持されるので、慣性計測装置を車体の上部に配置でき、かつ、慣性計測装置が重量物であるにエネルギー貯蓄部に制振部材を介して支持されることで振動を低減できる。この結果、慣性計測装置の測定精度を向上することができる。

本発明の第1実施形態に係る鞍乗型車両の右側面図である。

図1に示す鞍乗型車両に設けられた慣性計測装置を示すための要部を拡大した左側面図である。

図2に示す慣性計測装置を取り付つけるための取付用ブラケットの正面図である。

図1に示す鞍乗型車両に取り付けられるリアフェンダの左側面図である。

図4に示すリアフェンダの平面図である。

図1に示す鞍乗型車両における乗車シートの下側の概略平面図である。

慣性計測装置カバーを設けた場合における要部の概略斜視図である。

図7に示すA−A断面に沿った部分の断面図である。

本発明の第2実施形態における要部斜視図である。

図9に示すB−B断面に沿った部分の断面図である。

変形例の取付用ブラケットの正面図である。

以下、本発明の鞍乗型車両の各実施形態を、添付図面に基づいて説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとし、以下の説明において、前後、左右、上下は、運転者から見た方向に従い、図面に車両の前方をFr、後方をRr、左側をL、右側をR、上方をU、下方をD、として示す。

(第1実施形態) 以下、本発明の第1実施形態について図1〜図8を参照して説明する。 図1において、自動二輪車である鞍乗型車両1の車体フレーム2は、前輪FWを軸支するフロントフォーク3およびハンドル4を操向可能に支承するヘッドパイプ2aと、該ヘッドパイプ2aから後下がりに延びるメインフレーム2bと、該メインフレーム2bの後部に連設され下方に延びるピボットフレーム2e、該ピボットフレーム2eに連設されて後上がりに傾斜した左右一対のシートフレーム2cと、メインフレーム2bの前端部に連設されるとともにメインフレーム2bよりも急度で後下がりに延びるダウンフレーム2dとを備える。メインフレーム2bの下方およびピボットフレーム2eよりも前方にはエンジンEが配置される。このエンジンEは、メインフレーム2b、ダウンフレーム2dおよびピボットフレーム2eで囲まれるようにしてダウンフレーム2dの下端部およびピボットフレーム2eでメインフレーム2bの下側に支持される。

メインフレーム2bの上側にはエネルギー貯蓄部である燃料タンク5が配置され、その燃料タンク5の後方には、運転者が着座する運転者シート7f及び添乗者シート7rからなるタンデム型の乗車シート7がシートフレーム2cで支持される。燃料タンク5は、メインフレーム2bとシートフレーム2cの支持部2bs、2csに不図示の弾性部材を介して支持される。

ピボットフレーム2eには、後輪RWを後端部で軸支するスイングアーム8の前端部が揺動可能に支承されており、不図示のリヤクッションにより適宜支持されている。後輪RWには、エンジンEからの動力が、スイングアーム8に沿うように架け渡されたチェーン80を介して伝達される。また、エンジンEには、前方から下方を通って後方に延びる排気管83aが接続され、排気管83aに連結された排気マフラー83がスイングアーム8の右外側に配置される。

車体はカバー部材により適宜覆われているが、前掲のごとく車両後部のシートフレーム2cは、乗車シート7の後部下方からシートフレーム2c側面及び下面を囲みつつテールライト82の周囲までを覆うリアカウル9と、後輪RWの上方をリアカウル9と共に覆うリアフェンダ42とにより覆われる。

また、左右一対のシートフレーム2cの左右幅内には、前輪FW及び後輪RWの制動を制御する、例えば前輪FW及び後輪RWに油圧系で接続された制動制御装置10と、車両のXYZ軸の慣性を計測する慣性計測装置20とが、乗車シート7の下側で、リアフェンダ42上に取り付けられている。ここでう、XYZ軸の慣性とは、例えば、X軸が車両前後方向の慣性、Y軸が車両左右方向の慣性、Z軸が車両上下方向の慣性を云う。

図2に示すように、制動制御装置10は、上部に油圧チューブ10aが接続され、リアフェンダ42の底面42bに突設された下側取付部42btにより下方から支持され、更に、下側取付部42btの前方において該下側取付部42btよりも高く突出する前側取付部42ftに前方が支持されることで前下がりに傾斜して配置されている。制動制御装置10は、下側取付部42bt及び前側取付部42ftを貫通して制動制御装置10に螺合するボルト71により固定されている。このボルト71は、ゴム等の弾性を有する制振部材61によって下側取付部42bt及び前側取付部42ftには直接接触しない構造となっている。詳細には、制振部材61は、下側取付部42bt及び前側取付部42ftのボルト貫通孔71h周囲において、制動制御装置10に接する側とボルト71の頭部に接する側を覆うと共に該ボルト貫通孔71hの内周面も覆うにように装着されている。したがって、制動制御装置10のボルト71による締め付けは、制振部材61を介して間接的な締付けになり、制動制御装置10へのリアフェンダ42からの振動や衝撃は、制振部材61により緩衝される。

ここで、前側取付部42ft及び下側取付部42btには、慣性計測装置20を支持する取付用ブラケット25がボルト71によって共締めされている。この取付用ブラケット25は、その後面側が制動制御装置10に接し、前面側及び下面側が制振部材61に接するように共締めされている。このように、慣性計測装置20を支持する取付用ブラケット25が、制動制御装置10に支持されていることで、慣性計測装置20も制振部材61を介してリアフェンダ42に取り付けられていることになる。

取付用ブラケット25は、図3の正面視及び図2の側面視でも略L字形状を有し、上下方向に延びる取付胴部25aと、該取付胴部25aの上端側で右方向に延びて慣性計測装置20を支持する支持アーム25cと、該取付胴部25aの下端側で後方向に延びて慣性計測装置20を支持する支持アーム25dと、を備える。支持アーム25cの左右両端には、慣性計測装置20を取り付けるボルト73(図2参照)が貫通する一対の慣性計測装置固定部25itが設けられている。また、取付胴部25aの下部には、ボルト71にて前側取付部42ftに共締めされる共締取付部25tが形成されるとともに、支持アーム25dの後部にはボルト71にて下側取付部42btに共締めされる共締取付部25tが形成される。即ち、取付用ブラケット25は、取付胴部25a及び支持アーム25cが制動制御装置10の前方に配置され、支持アーム25dが制動制御装置10の下方に配置される。

リアフェンダ42は、図4および図5に示すように、シートフレーム2cの上面2cuに引っ掛かる載置部42fkを備えている。詳細には、載置部42fkは、リアフェンダ42の左右両側(図5参照)で該リアフェンダ42前後方向中段から後部までの部分において、シートフレーム2cの内側下方から上方に延び上面2cuの上を通過して外側下方に向かって延びるフック形状となっている。すなわち、載置部42fkは、左右のシートフレーム2cに対して、内側、上面2cu及び外側に対面する壁面をもって該シートフレーム2cに係合している。したがって、リアフェンダ42は、シートフレーム2cに対して前後左右の方向に位置規制される。

シートフレーム2cに載置されたリアフェンダ42上には、乗車シート7が載置されている。詳細には、図6に示すように、リアフェンダ42上で、例えばバッテリ15が配置された両側の載置部42fkの上に前後に設けられたシート支持部7s並びに慣性計測装置20の左右両側のシートフレーム2c上に設けられたシート支持部7s上に乗車シート7が載るように構成されている。ここで、シート支持部7sは、ゴム等の弾性を有する部材にて構成されている。また、リアフェンダ42には、シートフレーム2cの上面2cuを覆うアッパカウル9u及び、シートフレーム2cの側面と下面を覆うロアカウル9dを備えたリアカウル9(図1参照)が連結される。したがって、リアフェンダ42、乗車シート7及びリアカウル9によって、制動制御装置10や慣性計測装置20さらに他の電装品を収納する収納空間が形成される。

慣性計測装置20は、前後方向において、燃料タンク5の後方かつ制動制御装置10の前方に配置されている。また、慣性計測装置20は、図8に示すように、高さ方向において、燃料タンク5及び制動制御装置10と重なる高さに配置される。

また、慣性計測装置20は、図7及び図8に示すように、慣性計測装置カバー26によって上方を覆われている。この慣性計測装置カバー26は、慣性計測装置20の上面を覆いつつ燃料タンク5側に延びるカバー上面26uと、このカバー上面26uから左右下方に向かって延びて慣性計測装置20の左右両側を覆うカバー側面26sdと、カバー上面26uから左右に延びてシートフレーム2cの上面2cuに、取付用のボルト81により固定されるカバー取付部26tとを有している。

この慣性計測装置カバー26は、カバー上面26uの先端部26ueが燃料タンク5に当接している。ここで、燃料タンク5には、カバー上面26uの先端部26ueが当接する部分及びその周辺にスポンジ等のクッション部材5usが設けられている。このように、慣性計測装置カバー26は、燃料タンク5に当接した状態で、シートフレーム2cの上面2cuに固定されている。なお、本明細書で云う当接とは、直接接触する場合に限らず、前掲のごとくスポンジ等の緩衝材を介して間接的に接触する場合も含む。

なお、燃料タンク5は、前掲のごとくメインフレーム2b上に支持されるが、例えば、メインフレーム2bに適宜弾性部材を介して取り付けられていてもよい。

以上説明したように、本実施形態の鞍乗型車両1によれば、制動制御装置10は、シートフレーム2cの左右幅内に配置されるとともに、シートフレーム2cに支持されるリアフェンダ42に制振部材61を介して支持され、この制動制御装置10に慣性計測装置20が支持されることで、慣性計測装置20は、シートフレーム2cの間で乗車シート7下に配置された制動制御装置10の制振部材61を介して取付けられた状態となるので、慣性計測装置20のための防振部材などの取付け構造を追加することなく装着できる。更に、重量物である制動制御装置10に慣性計測装置20が支持されるので、慣性計測装置20の振動を低減することができ、慣性測定精度を向上することができる。

また、制動制御装置10がリアフェンダ42に制振部材61を介してボルト71で支持され、このボルト71に共締めされる取付用ブラケット25に慣性計測装置20が支持されるので、慣性計測装置20のための取付用の制振部材やボルトを設ける必要がなく、部品点数の削減並びに重量の増加を防ぐことができる。

また、制動制御装置10は、前下がりに傾斜して配置され、取付用ブラケット25は、制動制御装置10の前方及び下方に配置され、ボルト71で慣性計測装置20に共締めされるので、制動制御装置10の重量を2つの制振部材61で受けつつ取付用ブラケット25にも重量をのせることができる。

また、リアフェンダ42は、シートフレーム2c上面2cuに引っ掛かるように載置される載置部42fkを介して該シートフレーム2cに支持され、乗車シート7はリアフェンダ42の上方に配置されることで、慣性計測装置20を囲むシートフレーム2cとリアフェンダ42とがボルトなどの締結手段で固定されず、振動や応力の伝達が緩和され、慣性計測装置20への振動の伝達を効果的に抑制できる。

また、慣性計測装置20が、重量物である燃料タンク5および制動制御装置10と同じ高さに前後に挟まれた位置に配置されることで、慣性計測装置20をエンジンEよりも高い位置に配置でき、車両の左右方向の倒れ検出精度を良好にできる。また、慣性計測装置20は、制動制御装置10と共に燃料タンク5の後方、即ち車体後部に配置されるので、後輪RWが浮くピッチングの検出精度を良好にできる。

また、慣性計測装置カバー26は、燃料タンク5に当接すると共にシートフレーム2cに支持されるので、燃料タンク5とシートフレーム2cとで慣性計測装置カバー26を確実に支持することができ、しかも、燃料タンク5の支持が当接であるので、該燃料タンク5にボスなどを支持のための特別な構造を設ける必要が無く、構造の複雑化および重量の増加を抑えることができる。

(第2実施形態) 以下、第2実施形態の鞍乗型車両について図9及び図10を参照して説明する。なお、第2実施形態の鞍乗型車両は、慣性計測装置20が燃料タンク5に取り付けられている点を除き、第1実施形態の鞍乗型車両1と同一であり、第1実施形態と同じ構成については、同一符号を付して説明を適宜省略する。

本実施形態の慣性計測装置20は、図9及び図10に示すように、メインフレーム2bの上側に支持された燃料タンク5に支持されている。詳細には、慣性計測装置20が燃料タンク5に貯留部取付用ブラケット35を介して取り付けられている。

この貯留部取付用ブラケット35は、慣性計測装置20の上面を覆い燃料タンク5の表面と対向するブラケット上面壁35uwと、慣性計測装置20の左右両側面を覆うように、ブラケット上面壁35uwから燃料タンク5の表面に向かって延びるブラケット側面壁35swと、慣性計測装置20の前面を覆うように、ブラケット上面壁35uwから燃料タンク5の表面に向かって延びるブラケット前面壁35fwと、更に、ブラケット側面壁35swから燃料タンク5の表面に略沿うように左右に延出する左右の取付アーム35amと、ブラケット前面壁35fwから燃料タンク5の表面に沿って前上がりに延出する前方の取付アーム35amと、有している。そして、貯留部取付用ブラケット35は、燃料タンク5の後方の表面に突設された3個のブラケット取付け部5rtに取付アーム35amを貫通するボルト85にて固定される。

慣性計測装置20は、ブラケット上面壁35uwに、例えば、左右2個の固定ピン75にて固定されている。ここで、取付アーム35amとボルト85との間には、ゴム等の弾性を有する制振部材62が設けられている。詳細には、図10に示すように、取付アーム35amのボルト貫通孔62hに、制振部材62が装着されている。すなわち、取付アーム35amのボルト貫通孔62h周囲の表裏両面(ボルト85の頭部に接する側とブラケット取付け部5rtに接する側)を覆うと共に該ボルト貫通孔62hの内周面も覆うにように制振部材62が装着されている。したがって、取付アーム35amはボルト85およびブラケット取付け部5rtに接することなく制振部材62を介して取り付けられる。

以上説明したように、本実施形態の鞍乗型車両1によれば、燃料タンク5は、メインフレーム2bに支持され、慣性計測装置20は、燃料タンク5に設けられた貯留部取付用ブラケット35に制振部材62を介して支持されるので、慣性計測装置20を車体の上部に配置でき、かつ、慣性計測装置20が重量物であるに燃料タンク5に制振部材62を介して支持されることで振動を低減できる。この結果、慣性計測装置20の測定精度を向上することができる。特に、燃料タンク5は、ハンドル4と運転者シート7fの間に配置されており、且つ、重量が大きく、車体の左右にわたって配置されているため、乗員と同じ慣性を計測することができる。

なお、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。 例えば、上記実施形態では、取付用ブラケット25の2箇所の共締取付部25tでリアフェンダ42の前側取付部42ft及び下側取付部42btに締結されたが、これに限らず、1箇所若しくは3箇所以上でリアフェンダ42に締結されてもよい。以下に、1箇所で締結する場合の変形例の取付用ブラケット25について図11を参照しながら説明する。

変形例の取付用ブラケット25は、図11の正面視で略L字形状を有し、上下方向に延びる取付胴部25aと、該取付胴部25aの上端側で右方向に延びて慣性計測装置20を支持する支持アーム25cと、を備える。支持アーム25cの左右両端には、慣性計測装置20を取り付けるボルト73が貫通する一対の慣性計測装置固定部25itが設けられている。また、取付胴部25aの下部には、ボルト71にて前側取付部42ftに共締めされる共締取付部25tが形成され、更に、該共締取付部25tに下側にはリアフェンダ42の底面42bに突設された底面係止部42bkに係合する係合部25kが設けられている。

係合部25kは、取付用ブラケット25をねじ止めする箇所が共締取付部25tの1箇所であるために、その回転を防止するように、先端が底面係止部42bkに引っ掛かるように取付胴部25aに対し折り曲げられている。したがって、取付用ブラケット25は、例えば、共締取付部25tを貫通させてボルト71を締付けるときに、底面係止部42bkに係合部25kが引っ掛かることで、ボルト71の回転に左右されることなく係止される。

このように取付用ブラケット25が、リアフェンダ42に係合し回転を規制する係合部25kを備えることで、取付用ブラケット25の固定用のボルト71を1本としても回転することなく確実に固定でき、固定用のボルト及び制振部材を追加することなく部品点数並びに重量の増加加を抑えることができる。

また、本実施形態においては、慣性計測装置20を取り付ける重量物として、制動制御装置10並びに燃料タンク5を利用したが、本発明は、これらに限定されるこのではなく、他の重量物であってもよい。また、他の重量物としては、ダミー重量物を設け該ダミー重量物に慣性計測装置20を取り付ける構造であってもよい。 また、前述した実施形態における制振部材61,62はボルト貫通孔71h、62hに装着する構造としたが、例えば、ボルト貫通孔71h、62hに装着する構造ではなく、該ボルト貫通孔71h、62hの内周面を覆わずに該ボルト貫通孔71h、62hの表裏両面側のみを覆うような構成であってもよい。 また、前述した実施形態は、自動二輪車について説明したが、本発明は、他の鞍乗型車両にて適用することができる。

1 鞍乗型車両 2b メインフレーム 2c シートフレーム 2cu 上面 3 フロントフォーク 5 燃料タンク(エネルギー貯蓄部) 7 乗車シート 8 スイングアーム 10 制動制御装置 20 慣性計測装置 25 取付用ブラケット 25k 係合部 35 貯留部取付用ブラケット 42 リアフェンダ 42fk 載置部 61,62 制振部材 71,85 ボルト E エンジン(駆動源) FW 前輪 RW 後輪

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