自動二輪車

申请号 JP2013017645 申请日 2013-01-31 公开(公告)号 JP6096522B2 公开(公告)日 2017-03-15
申请人 本田技研工業株式会社; 发明人 小野 哲也; 西村 正嗣;
摘要
权利要求

主軸(29)を備える原動機(28a)と、 前記原動機(28a)の前方に配置される前輪(18)と、 前記原動機(28a)の後方に配置される後輪(30)と、 前記主軸(29)よりも後方の位置で、前記原動機(28a)又は前記原動機(28a)に連結される車体フレーム(12)に設けられるピボット軸(25)と、 前記ピボット軸(25)にて上下揺動可能に支持され、その後端部にて前記後輪(30)を軸支するスイングアーム(32)と、 を備える自動二輪車(10)において、 前記自動二輪車(10)は、路面を撮影する撮影手段(100)を備え、 前記撮影手段(100)は、前記原動機(28a)又は前記スイングアーム(32)の下方で、且つ、前記主軸(29)中心よりも後方であって前記ピボット軸(25)よりも前方の位置に配置されると共に、前記原動機(28a)の下部、若しくは、前記原動機(28a)に連結される前記車体フレーム(12)の下部の少なくとも一方に固定支持される ことを特徴とする自動二輪車(10)。請求項1に記載の自動二輪車(10)において、 前記撮影手段(100)は、前記原動機(28a)の下方を覆うアンダーカウル(62)の中に収容され、 前記アンダーカウル(62)には、前記撮影手段(100)の光軸に対応する位置に開口(112)が形成される ことを特徴とする自動二輪車(10)。請求項1又は2に記載の自動二輪車(10)において、 前記撮影手段(100)は、前記自動二輪車(10)が最もバンクした時においても、その撮影画像内に地平線より上方が写らない画に設定される ことを特徴とする自動二輪車(10)。請求項1〜3の何れか1項に記載の自動二輪車(10)において、 前記撮影手段(100)は、車両正面視にて、前記自動二輪車(10)が最もバンクした時の後輪接地点が、その画角内に入るように画角が設定される ことを特徴とする自動二輪車(10)。請求項1に記載の自動二輪車(10)において、 前記原動機(28a)は、前記主軸(29)としてのクランク軸の回動と共に回転するエンジンであって、前記クランク軸の下方に、下方に向けて膨出するように形成されるオイルパン(104)を備え、 前記撮影手段(100)は、前記オイルパン(104)の後方に設けられる凹部(105)に配置される ことを特徴とする自動二輪車(10)。

说明书全文

本発明は、路面を撮影する自動二輪車に関する。

下記に示す特許文献1に記載されているように、路面を車両に取り付けたカメラで撮影することで、カメラに対する路面の移動速度や度を計測して、それを車両の車速や姿勢情報として利用したり、路面状況を把握する手法が開示されている。

特開2007−278951号公報

上記特許文献1のように四輪自動車にカメラを取り付ける場合は、四輪自動車は比較的に部品を配置するスペースに余裕があり、また、エンジン等の原動機と車体フレームとの間に十分な制振部材を設けることができるので、鮮明な画像を得るためにエンジン等の原動機の振動を受けにくい場所へのカメラの設置を容易に行い易い。

これに対して、自動二輪車の場合は、前輪と後輪の間は、エンジン等が設けられているため、カメラの設置スペースを確保するという課題が大きい上、四輪自動車に比べて、エンジン振動が大きい上に、エンジン等の原動機と車体フレームとの間に十分な制振部材を設けることができない等の課題があり、車体を大型化することなく、路面画像をより鮮明に撮影するための適切なカメラ配置が望まれている。

そこで、本発明は、より鮮明に画像を撮影することができるようにカメラを取り付けた自動二輪車を提供することを目的とする。

本発明に係る自動二輪車(10)は、以下の特徴を有する。

第1の特徴;主軸(29)を備える原動機(28a)と、前記原動機(28a)の前方に配置される前輪(18)と、前記原動機(28a)の後方に配置される後輪(30)と、前記主軸(29)よりも後方の位置で、前記原動機(28a)又は前記原動機(28a)に連結される車体フレーム(12)に設けられるピボット軸(25)と、前記ピボット軸(25)にて上下揺動可能に支持され、その後端部にて前記後輪(30)を軸支するスイングアーム(32)と、を備える自動二輪車(10)において、前記自動二輪車(10)は、路面を撮影する撮影手段(100)を備え、前記撮影手段(100)は、前記原動機(28a)又は前記スイングアーム(32)の下方で、且つ、前記主軸(29)中心よりも後方であって前記ピボット軸(25)よりも前方の位置に配置されると共に、前記原動機(28a)の下部、若しくは、前記原動機(28a)に連結される前記車体フレーム(12)の下部の少なくとも一方に固定支持される。

2の特徴;前記撮影手段(100)は、前記原動機(28a)の下方を覆うアンダーカウル(62)の中に収容され、前記アンダーカウル(62)には、前記撮影手段(100)の光軸に対応する位置に開口(112)が形成される。

3の特徴;前記撮影手段(100)は、前記自動二輪車(10)が最もバンクした時においても、その撮影画像内に地平線より上方が写らない画角に設定される。

4の特徴;前記撮影手段(100)は、車両正面視にて、前記自動二輪車(10)が最もバンクした時の後輪接地点が、その画角内に入るように画角が設定される。

5の特徴;前記原動機(28a)は、前記主軸(29)としてのクランク軸の回動と共に回転するエンジンであって、前記クランク軸の下方に、下方に向けて膨出するように形成されるオイルパン(104)を備え、前記撮影手段(100)は、前記オイルパン(104)の後方に設けられる凹部(105)に配置される。

本発明の第1の特徴によれば、撮影手段を原動機又はスイングアームの下方に配置するので、路面撮影の障害となる部品が少ない位置に撮影手段を配置することができる。また、撮影手段を、原動機又は原動機に連結される車体フレームで支持し、振動を主に発生する主軸の中心よりも後方に配置したので、振動の影響を受けにくい場所に撮影手段を配置でき、より鮮明な画像を撮影しやすい。また、撮影手段をピボット軸よりも前方に配置したので、上下に揺動するスイングアームとの干渉を避けて撮影手段を配置することができる。

本発明の第2の特徴によれば、撮影手段は、アンダーカウルの中に収容されるので、空気抵抗の抑制や、埃等から撮影手段を保護することできると共に、外観性の向上を図ることができる。

本発明の第3の特徴によれば、撮影手段は、自動二輪車が最もバンクした時においても、その撮影画像内に地平線より上方が写らない画角に設定されるので、路面以外の映像が入るのを極抑えることができる。

本発明の第4の特徴によれば、撮影手段は、車両正面視にて、自動二輪車が最もバンクした時の後輪接地点が、その画角内に入るように画角が設定されるので、後輪が通るであろう路面を、バンク角によらず常に撮影することができる。

本発明の第5の特徴によれば、原動機は、主軸としてのクランク軸の回動と共に回転するエンジンであって、クランク軸の下方に、下方に向けて膨出するように形成されるオイルパンを備え、撮影手段は、オイルパンの後方に設けられる凹部に配置されるので、オイルパンの容量確保と、撮影手段の配置スペースの確保とを両立することができる。

車両の車速算出装置が搭載される自動二輪車の側面図である。

図1に示す自動二輪車の正面図である。

動力ユニットの左側面から見た場合のカメラの取付構造を示す図である。

動力ユニットの底面から見た場合のカメラの取付構造を示す図である。

図3のV−V線矢視断面図である。

図2の要部拡大図である。

車速算出装置の機能ブロック図である。

カメラが撮影した撮影画像を示す図である。

自動二輪車の左側面から視たカメラ、基準距離用マーク照射手段、及び第2マーク照射手段を示す図である。

自動二輪車の正面から視たカメラ、基準距離用マーク照射手段、及び第2マーク照射手段を示す図である。

本発明に係る車両の車速算出装置について、好適な実施の形態を掲げ、添付の図面を参照しながら以下、詳細に説明する。

図1は、車速算出装置が搭載される自動二輪車10の側面図、図2は、図1に示す自動二輪車10の正面図である。なお、特に指示のない限り、図1及び図2において示す矢印方向に従って、前後、上下、左右の方向を説明する。

自動二輪車(車両)10は、車体フレーム12と、車体フレーム12の前端部に設けられたヘッドパイプ14と、ヘッドパイプ14に回転可能に軸支される左右一対のフロントフォーク16と、左右一対のフロントフォーク16に回転可能に軸支される操輪である前輪(車輪)18と、左右一対のフロントフォーク16の上部に取り付けられる操舵可能なバー状のハンドル20とを有する。

車体フレーム12は、ヘッドパイプ14から後方に延びる左右一対のメインフレーム22と、左右一対のメインフレーム22の後側に設けられる左右一対のピボットプレート24と、左右一対のピボットプレート24に設けられ、後方斜め上方に延びる左右一対のシートフレーム26とを備える。左右一対のメインフレーム22には、動力を発生する動力ユニット28が設けられている。後端部で駆動輪である後輪(車輪)30を回転可能に軸支するスイングアーム32は、ピボットプレート24のスイングアームピボット軸(ピボット軸)25によって上下揺動可能に支持される。動力ユニット28は、そのケース内に原動機としてのエンジン28aと変速機28bとを収納する。なお、スイングアームピボット軸25は、エンジン28a又は動力ユニット28に設けられていてもよい。

エンジン28aの主軸としてのクランクシャフト29の駆動力(回転力)は、変速機28bのメインシャフト31aに伝達された後、カウンタシャフト31bから出力される。このカウンタシャフト31bから出力される駆動力は、チェーン33を介して後輪30に伝達される。

ピボットプレート24には、運転者の脚を乗せる左右一対のステップ34が取り付けられ、ステップ34には、自動二輪車10の最大バンク角θmaxを設定するバンクセンサ38が設けられている。図6に示すように、自動二輪車10が、最大バンク角θmaxまでバンクすると、バンクセンサ38が路面Gに当接し、それ以上バンク角(ロール角)θが大きくならないように規制する。なお、自動二輪車10の左側の最大バンク角をθLmaxで表し、右側の最大バンク角をθRmaxで表し、この最大バンク角θLmax、θRmaxを総称して最大バンク角θmaxと呼ぶ。

左右一対のメインフレーム22の上方には、燃料を貯留する燃料タンク40が設けられ、燃料タンク40の後方且つ、左右一対のシートフレーム26の上方には、運転者が着座する運転者用シート42が設けられ、運転者用シート42の後方には乗員が着座する乗員用シート44が設けられている。左右一対のフロントフォーク16には、フロントフェンダ46が設けられ、左右一対のシートフレーム26の後部には、リアフェンダ48が設けられている。このリアフェンダ48は、リアウインカ50を支持する。

自動二輪車10は、車体フレーム12に設けられ、前方を保護するアッパーカウル52と、アッパーカウル52の上方に設けられたウインドスクリーン54と、アッパーカウル52の上部に設けられ運転者が後方を確認するためのバックミラー56と、アッパーカウル52の前部に設けられ前方を照射するヘッドライト58と、自動二輪車10の前方側部を保護するミドルカウル60と、このミドルカウル60の下部に設けられ車両後方に延びるアンダーカウル62と、シートフレーム26の上方に設けられシートフレーム26の上部から運転者用シート42の下部まで覆うサイドカバー64とを備える。バックミラー56は、フロントウインカが内蔵されている。

カメラ100は、動力ユニット28の下方に設けられ、動力ユニット28の下方から路面Gを撮影する。次に、車速算出装置を構成するカメラ(撮影手段)100の自動二輪車10への取付構造について説明する。

図3は、動力ユニット28の左側面から見た場合のカメラ100の取付構造を示す図、図4は、動力ユニット28の底面から見た場合のカメラ100の取付構造を示す図、図5は、図3のV−V線矢視断面図である。なお、説明を簡単にするため、必要のない構成要素を一部省略して図示している。

図3に示すように、カメラ100は、動力ユニット28(エンジン28a)の下方で、クランクシャフト29の中心よりも後方且つスイングアームピボット軸25の前方の位置に配置されると共に、動力ユニット28(エンジン28a)の下部、及び、ピボットプレート24の下部に固定支持されている。詳しくは、動力ユニット28の下部及びピボットプレート24の下部で懸架されたステー102にカメラ100が取り付けられている。なお、カメラ100は、エンジン28aの下部及びピボットプレート24の下部の少なくとも一方に固定支持されていればよく、カメラ100は、スイングアーム32の下方に設けられていてもよい。

エンジン28aは、クランクシャフト29の下方に、下方に向けて膨出(突出)するように形成されたオイルパン104を備え、オイルパン104の後方に設けられた凹部105にカメラ100及びステー102が設けられている。この凹部105は、下方に膨出したオイルパン104によって形成される。

カメラ100の下部中央には、撮像素子100a(図9参照)に被写体の像を結像するためのレンズ106a(図9参照)を有する鏡筒106が取り付けられている。このレンズ106aの光軸がカメラ100の光軸oとなる。カメラ100の光軸oは、自動二輪車10が平らな路面Gに対して直立している時に、路面Gに対して略垂直となるように設計されていることが好ましい。カメラ100には、基準距離用マーク照射手段108と、第2マーク照射手段110とが取り付けられている。

基準距離用マーク照射手段108は、前後方向の基準距離T1[mm](例えば、90mm)を持つように形成された基準距離用マークを、カメラ100の光軸oと平行(側面視及び前面視でカメラ100の光軸oと平行)に路面Gに対して照射する。基準距離用マーク照射手段108は、カメラ100の撮影領域内に基準距離用マークを照射するように、カメラ100の前後に取り付けられている。

基準距離用マーク照射手段108は、レーザ光を照射する前後方向に配置された2つのレーザポインター108a、108bを有する。この2つのレーザポインター108a、108bは、カメラ100の光軸oに対して前後に設けられ、その軸線(光軸)が前後方向に並ぶように配置されている。

本実施の形態では、2つのレーザポインター108a、108bの軸線を結ぶ線上に、カメラ100の光軸oが位置する。つまり、2つのレーザポインター108a、108bは、その軸線がカメラ100の光軸oとも前後方向に並ぶように配置されている(図4参照)。この2つのレーザポインター108a、108bは、前後方向に基準距離T1離れて配置されているので、前後方向に基準距離T1を持つように形成された2つの点、即ち基準距離用マークが路面Gに照射される。

第2マーク照射手段110は、前後方向の所定距離T2[mm](例えば、70mm)を持つように形成された第2のマークを、カメラ100の光軸oと平行(側面視及び前面視でカメラ100の光軸oと平行)に路面Gに対して照射する。第2マーク照射手段110は、カメラ100の撮影領域内に第2のマークを照射するように、カメラ100の左側面に取り付けられている。

第2マーク照射手段110は、レーザ光を照射する前後方向に配置された2つのレーザポインター110a、110bを有する。この2つのレーザポインター110a、110bは、カメラ100の光軸oに対して前後に設けられ、その軸線(光軸)が前後方向に並ぶように配置されている(図4参照)。第2マーク照射手段110は、基準距離用マーク照射手段108に対して左方向に距離(オフセット距離)D1(例えば、35mm)だけオフセットして配置されている。この2つのレーザポインター110a、110bは、前後方向に所定距離T2離れて配置されているので、前後方向に所定距離T2を持つように形成された2つの点(第2のマーク)が路面Gに照射される。

図3及び図5に示すように、カメラ100、基準距離用マーク照射手段108、及び第2マーク照射手段110は、動力ユニット28の下方を覆うアンダーカウル62内に収容される。アンダーカウル62には、カメラ100の光軸oに対応する位置に設けられた撮影用の開口112と、基準距離用マーク照射手段108の光軸に対応する位置に設けられた照射用の開口114と、第2マーク照射手段110の光軸に対応する位置に設けられた照射用の開口116がそれぞれ形成されている。この開口112、114、116により、カメラ100による撮影、基準距離用マーク照射手段108及び第2マーク照射手段110による照射が、アンダーカウル62によって妨げられることはない。これらの開口112、114、116は独立して開けられているが、それぞれが繋がっていてもよい。

図4に示すように、カメラ100は、光軸oが車幅中心線cより左側に距離(オフセット距離)D2(例えば、35mm)だけオフセットした位置に配置され、第2マーク照射手段110は、カメラ100の左側に配置されている。このオフセット距離D2が小さい程、カメラ100の光軸oを車幅中心線cに近づけることができるので、オフセット距離D2は、小さい程好ましく、0が最も好ましい。また、図4に示すように、オイルパン104は、動力ユニット28の右側寄りに設けられている。従って、エンジン28aの排気ガスを排出する排気管118は、オイルパン104の左側を通った後、右側に屈曲して、カメラ100の右側を通るように配置されている。このように、カメラ100の排気管118が設けられていない側に第2マーク照射手段110を取り付けたので、カメラ100の光軸oを車幅中心側に近づけることができる。なお、排気管118もアンダーカウル62内に設けられている。

次に、カメラ100の画角について説明する。図6は、図2の要部拡大図である。カメラ100の車幅方向の画角(以下、車幅画角)αは、αmin≦α<αmaxの範囲で設定されることが望ましい。αminは、車両正面視で自動二輪車10が最大バンク角θmaxまでバンクした時の後輪30の路面Gとの接地点(後輪接地点)JL、JRが、正面視にてカメラ100の画角内に入る角度である。αmaxは、αmax=(90°−最大バンク角θmax)×2、で表される角度である。カメラ100の車幅画角αが、αmaxの場合は、自動二輪車10が最大バンク角θmaxまで傾いた際は、カメラ100の車幅画角αの一辺が路面Gと略平行となり、地平線(水平線)を撮影することになる。従って、車幅画角αを角度αmax未満にすることで、撮影領域が地平線よりも上にならず(撮影画像内に地平線より上方が写らず)、路面Gを多く撮影することができる。

ここで、カメラ100の車幅画角αを、αmin以上、且つ、αmax未満の範囲内で設定した理由について説明する。カメラ100によって、自動二輪車10の下方の路面Gを撮影する場合に、路面状況の確認等を考慮すると、できるだけ実際に車輪、特に後輪30が通るであろう路面を撮影しておきたいという要望がある。また、自動二輪車10の場合は、バンク角θによってタイヤの接地点が変わるため、少なくとも左右の最大バンク時の後輪接地点JL、JRが両方入る程度の車幅画角αを確保しておきたい。

一方、無用に車幅画角αを広げて撮影範囲を広げると、路面G以外の画像情報を無用に取得することになり、効率的ではない。特にバンク中では、後輪接地点が左右一方側に移動し、撮影画像の中心は、後輪30が通るであろう路面上の接地点から離間する方向(他方側)へ移動するので、実際に見たい後輪接地点JL、JR近傍の範囲が、撮影画像中の極一部に限られてしまう。従って、カメラ100の車幅画角αは、車両正面視で最大バンク時の後輪接地点JL、JRが入るのであれば車幅画角αはできるだけ小さい方がよい。このような観点から、カメラ100の車幅画角αは、αmin≦α<αmaxの関係を有することとした。

また、カメラ100の画角をできるだけ小さくして、且つ、必要な撮影幅を確保する場合、カメラ100の焦点ができるだけ上方に配置される必要がある。従って、本実施の形態では、スイングアームピボット軸25よりも前方で、オイルパン104の後方の凹部105にカメラ100を配置するので、カメラ100を可能な限り上方に配置することができ、上記したカメラ100の車幅画角αの条件を満たすことができる。

なお、図6から諒解されるように、光軸oは、少なくとも後輪30のタイヤ幅内に配置されるのがよく、カメラ100、基準距離用マーク照射手段108、及び第2マーク照射手段110は、後輪30のタイヤ幅より内側の位置に設けられることが望ましい。また、少なくともカメラ100及び基準距離用マーク照射手段108は、前輪18のタイヤ幅より内側の位置に設けられることが望ましい。

このように、カメラ100をエンジン28a又はスイングアーム32の下方に配置したので、路面撮影の障害となる部品が少ない位置にカメラ100を配置することができる。また、カメラ100を、少なくともエンジン28a及び車体フレーム12を構成するピボットプレート24の少なくとも一方で支持し、振動を主に発生するクランクシャフト29の中心よりも後方に配置したので、振動の影響を受けにくい場所にカメラ100を配置でき、より鮮明な画像を撮影しやすい。

カメラ100をスイングアームピボット軸25よりも前方に配置したので、上下に振動するスイングアーム32との干渉を避けてカメラ100を配置することができる。また、カメラ100は、オイルパン104の後方に設けられる凹部105に配置されるので、オイルパン104の容量確保と、カメラ100の配置スペースの確保とを両立することができる。

カメラ100は、アンダーカウル62の中に収容されるので、空気抵抗の抑制や水、埃等からカメラ100を保護することができると共に、外観性の向上を図ることができる。特に、カメラ100やレーザポインター108a、108b、110a、110bがアンダーカウル62の表面より内部に入っていれば、空気抵抗の抑制や埃よけの面でより有利である。また、カメラ100は、自動二輪車10が最もバンクした時においても、その撮影画像内に地平線より上方が写らない車幅画角αに設定されるので、路面G以外の映像が入るのを極力抑えることができる。

カメラ100は、車両正面視にて、自動二輪車10が最もバンクした時の後輪接地点JL、JRが正面視にてカメラ100の画角内に入るように車幅画角αが設定されるので、後輪30が通るであろう路面Gを、バンク角θによらず常に撮影することができる。

図7は、車速算出装置200の機能ブロック図である。車速算出装置200は、カメラ100、基準距離用マーク照射手段108、第2マーク照射手段110、及び制御部202を備える。制御部202は、カメラ制御手段210、照射制御手段212、移動距離検出手段214、画像基準距離検出手段216、車速算出手段218、画像所定距離検出手段220、及びバンク角算出手段222を有する。この制御部202は、CPU及びメモリ等を有するコンピュータであり、前記CPUが前記メモリに記憶されたプログラムを読み込むことによって、本実施の形態の制御部202として機能する。

カメラ制御手段210は、カメラ100の撮影を制御する。カメラ制御手段210は、自動二輪車10が走行中の場合は、所定の周期(フレームレート)(例えば、500fps)で路面Gを撮影するように、カメラ100を制御する。照射制御手段212は、基準距離用マーク照射手段108及び第2マーク照射手段110の照射を制御する。照射制御手段212は、自動二輪車10が走行中の場合は、基準距離用マーク照射手段108及び第2マーク照射手段110が路面Gに光を照射するように制御する。このとき、照射制御手段212は、カメラ100の露光期間中に光を照射し、露光期間以外の期間には、光の照射を中止するように、基準距離用マーク照射手段108及び第2マーク照射手段110を制御してもよい。

移動距離検出手段214は、カメラ100が撮影した撮影領域内の特徴点pが、撮影画像中で単位時間当たり(例えば、1秒当たり)に移動した移動距離x[pixel/sec]を検出する。つまり、前回撮影した撮影画像(前回撮影画像)内にある特徴点pが次に撮影した撮影画像(今回撮影画像)のどこにあるのかを、ブロックマッチング法や、代表点マッチング法等を用いて検出することで、該特徴点pの単位時間当たりの移動距離xを検出する。

ここで、特徴点pは、路面G上にある模様、凹凸の陰影等から抽出される点である。また、この移動距離xは、あくまで撮影画像中における移動距離xであるので、同じ車速v[mm/sec]であっても、自動二輪車10の車高(つまり、カメラ100の路面Gに対する高さ)によってその値は変わってしまう。例えば、同じ車速vであっても車高が高い場合は、低い場合に比べ移動距離xは小さくなってしまう。なお、図8に示す撮影画像には、1/500秒当たり移動距離x´を図示している。

画像基準距離検出手段216は、基準距離用マーク照射手段108によって照射された基準距離用マークの撮影画像中における前後方向の長さである画像基準距離Y1[pixel]を検出する。この撮影画像中における前後方向は、自動二輪車10の前後方向と同じ方向である。この画像基準距離Y1は、撮影画像中における基準距離T1を表しているので、自動二輪車10の車高によってその値は変わってしまう。例えば、同じ車速vであっても車高が高い場合は、低い場合に比べ画像基準距離Y1は小さくなってしまう。なお、図8に示す撮影画像に、この画像基準距離Y1を図示している。なお、図8中の参照符号109は、撮影画像中における基準距離用マークを表している。基準距離用マーク109は、点109a及び点109bによって構成される。

この点109a及び点109bは、光軸oから等距離の位置にあると尚よい。つまり、レーザポインター108a、108bが、光軸oから等距離の位置で光軸oと平行に光を照射するように、設けられることが好ましい。この光軸oは、撮影画像の中心にある。なお、図8においては、撮影画像の中心(光軸o)から撮影画像の前後方向に延びた直線hと、撮影画像の中心から撮影画像の左右方向に延びた直線iを便宜的に図示している。基準距離用マーク109の点109a、109bは、この直線h上にある。

車速算出手段218は、移動距離検出手段214が検出した移動距離xから車速v[mm/sec]を算出する。ここで、移動距離xは、車速vが同一でも車高に応じて変わり、四輪自動車等に比べ、加減速やバンクをすることで車高が変化しやすい自動二輪車10では尚更である。従って、車高が変化しても車速vの精度を向上させるべく、車速算出手段218は、画像基準距離検出手段216が検出した画像基準距離Y1と、基準距離用マーク109の基準距離T1とを用いて、移動距離検出手段214が検出した単位時間当たりの移動距離xから車速vを算出する。詳しくは、以下の数式(1)を用いて車速vを算出する。

画像所定距離検出手段220は、第2マーク照射手段110によって照射された第2のマークの撮影画像中における前後方向の長さである画像所定距離Y2[pixel]を検出する。この画像所定距離Y2は、撮影画像中における所定距離T2を表しているので、自動二輪車10の車高やバンク角θによってその値は変わってしまう。例えば、同じ車速vであっても車高が高い場合は、低い場合に比べ画像所定距離Y2は小さくなってしまう。なお、図8に示す撮影画像に、この画像所定距離Y2を図示している。また、図8に示すNは、撮影画像の前後方向の距離[pixel]を表し、Mは、撮影画像の左右方向の距離[pixel]を表している。

なお、図8中の参照符号111は、撮影画像中における第2のマークを表している。第2のマーク111は、点111a及び点111bによって構成される。この点111a及び点111bは、光軸oから等距離の位置にあると尚よい。つまり、レーザポインター110a、110bが、光軸oから等距離の位置で光軸oと平行に光を照射するように、設けられることが好ましい。また、図8に示すNは、長い方が好ましいが前輪18及び後輪30が入らないように設定することが望ましい。

バンク角算出手段222は、基準距離T1、所定距離T2、画像基準距離検出手段216が検出した画像基準距離Y1、及び、画像所定距離検出手段220が検出した画像所定距離Y2に基づいて、自動二輪車10のバンク角θを算出する。自動二輪車10のバンク角θの算出方法を、図9及び図10を用いて説明する。なお、図9は、自動二輪車10の左側面から視たカメラ100、基準距離用マーク照射手段108、及び第2マーク照射手段110を示しており、図10は、自動二輪車10の正面から視たカメラ100、基準距離用マーク照射手段108、及び第2マーク照射手段110を示している。

まず、バンク角算出手段222は、図9に示す画像基準距離Y1に基づく実際の撮影範囲の距離(以下、実撮影範囲幅という)W1[mm]と、画像所定距離Y2に基づく実撮影範囲幅W2[mm]とを算出する。詳しくは、下記の数式(2)を用いて実撮影範囲幅W1を算出し、数式(3)を用いて実撮影範囲幅W2を算出する。

バンク角算出手段222は、算出した実撮影範囲幅W1に基づいてカメラ100の光軸oと路面Gとの交点qからレンズ106a中心までの距離L1[mm](図9参照)を、下記の数式(4)を用いて算出する。また、バンク角算出手段222は、算出した実撮影範囲幅W2に基づいて、カメラ100の光軸oと路面Gとの交点qからレンズ106a中心までの距離L2[mm](図9参照)を下記の数式(5)を用いて算出する。なお、図9においてはカメラ100の前後方向の画角(前後画角)をβで表している。

バンク角算出手段222は、算出した距離L1、L2と、基準距離用マーク照射手段108と第2マーク照射手段110とのオフセット距離D1とを用いて、図10に示すバンク角θを算出する。詳しくは、下記の数式(6)を用いてバンク角θを算出する。

この車速算出装置200が算出した車速v及びバンク角θを用いて、トラクションコントロールや、ABS制御等に用いられる。

このように、上記実施の形態によれば、路面Gを撮影するカメラ100の光軸oと平行に、前後方向に基準距離T1を持つように形成された基準距離用マーク109をカメラ100の撮影領域内で路面Gに照射するので、撮影画像中に実距離の指標となるマークを投影することができ、車高が変化した場合であっても、精度よく自動二輪車10の車速vを求めることができる。

基準距離用マーク照射手段108を構成する2つのレーザポインター108a、108bは、カメラ100の光軸oと平行に照射するものであって、それぞれ前後方向に離間して配置されるので、基準距離T1を保つようにカメラ100の光軸oに平行に光を照射する手段して、非常に精度がよく且つシンプルな基準距離用マーク照射手段108を構成することができる。また、2つのレーザポインター108a、108bは、カメラ100の光軸oに対して前後に設けられているので、基準距離T1を大きく確保し易く画像認識の誤差の影響を少なくすることができ、車速vの算出精度を向上させることができる。更に、2つのレーザポインター108a、108bは、その軸線がカメラ100の光軸oと前後方向に並ぶように配置されるので、自動二輪車10がバンクした時でも基準距離T1のバラツキが起こり難く、車速vの算出精度が向上する。

また、撮影領域内で、且つ、基準距離用マーク109に対して少なくとも車両の左方向にオフセットした位置に第2のマーク111を路面Gに対して照射するので、自動二輪車10のバンク角θを求めることができる。第2のマーク111は、前後方向に所定距離T2を持つように形成され、第2マーク照射手段110は、カメラ100の光軸oと平行に第2のマーク111を照射するので、精度よく車両のバンク角θを求めることができる。

第2マーク照射手段110を構成する2つのレーザポインター110a、110bは、カメラ100の光軸oと平行に照射するものであって、それぞれ前後方向に離間して配置されるので、所定距離T2を保つようにカメラ100の光軸oに平行に光を照射する手段として、非常に精度がよく且つシンプルな第2マーク照射手段110を構成することができる。また、2つのレーザポインター110a、110bは、カメラ100の光軸oに対して前後に設けられているので、所定距離T2を大きく確保し易く画像認識の誤差の影響を少なくすることができ、自動二輪車10のバンク角θの算出精度を向上させることができる。更に、2つのレーザポインター110a、110bは、その軸線が前後方向に並ぶように配置されるので、自動二輪車10がバンクした時でも所定距離T2のバラツキが起こり難く、自動二輪車10のバンク角θの算出精度が向上する。

基準距離用マーク照射手段108及び第2マーク照射手段110は、カメラ100に取り付けられるので、カメラ100の光軸oに対するレーザポインター108a、108b、110a、110bの光軸の平行度を高くでき、車速vの算出精度が向上する。

カメラ100は、少なくともエンジン28aの下方又は車体フレーム12の下方に配置され、第2マーク照射手段110は、カメラ100の一方側に配置され、排気管118がカメラ100の他方側を通るので、車速算出装置200の搭載によって自動二輪車10が大型化することがなく、カメラ100の光軸oを自動二輪車10の車幅方向の中心(車幅中心線c)に近づけて配置することができる。

なお、上記実施の形態においては、第2マーク照射手段110を、基準距離用マーク照射手段108に対して左方向に距離D1だけオフセットした位置に配置したが、第2マーク照射手段110を、基準距離用マーク照射手段108に対して右方向に距離D1だけオフセットした位置に配置してもよい。この場合は、排気管118をカメラ100の左側を通るようにすることで、カメラ100の光軸oを自動二輪車10の車幅中心線cに近づけることができる。

光軸oが車幅中心線cより左側にオフセットした位置にカメラ100を配置するようにしたが、車幅中心線cより右側にオフセットした位置にカメラ100を配置するようにしてもよい。勿論、光軸oが車幅中心線cと一致するようにカメラ100を設けることが望ましい。

レーザポインター110a、110bを、基準距離用マーク照射手段108に対して左方向に距離D1だけオフセットした位置に配置したが、レーザポインター110a、110bをそれぞれ左右方向に距離D1だけオフセットした位置にそれぞれ配置してもよい。

上記実施の形態では、車速算出装置200を、エンジン28aの下方に設けるようにしたが、車体フレーム12の下方であればよい。また、自動二輪車10を用いて説明したが、揺動車両であれば、三輪自動車、四輪自動車等であってもよい。

バンク角算出手段222は、上記数式(2)〜(6)を用いて、バンク角θを算出するようにしたが、以下の手法によってバンク角θを算出してもよい。この場合は、画像所定距離検出手段220は、基準距離用マーク照射手段108によって照射された基準距離用マーク109及び第2マーク照射手段110によって照射された第2のマーク111の撮影画像中におけるオフセット距離(車幅方向における距離)Y3[pixel]を検出する(図8参照)。そして、バンク角算出手段222は、オフセット距離D1と基準距離T1との比率(D1/T1)と、オフセット距離Y3と画像基準距離Y1との比率(Y3/Y1)とによってバンク角θを求める。

上記実施の形態では、エンジン28aを用いて説明したが、揺動車両の駆動源となる原動機であればよく、原動機として電動モータを用いてもよい。この場合は、電動モータのロータと一体的に回転する回転軸が主軸となる。

以上、本発明について好適な実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態の記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。また、特許請求の範囲に記載された括弧書きの符号は、本発明の理解の容易化のために添付図面中の符号に倣って付したものであり、本発明がその符号をつけた要素に限定されて解釈されるものではない。

10…自動二輪車 12…車体フレーム 14…ヘッドパイプ 18…前輪 20…ハンドル 25…スイングアームピボット軸 28…動力ユニット 28a…エンジン 28b…変速機 29…クランクシャフト 30…後輪 32…スイングアーム 34…ステップ 38…バンクセンサ 62…アンダーカウル 100…カメラ 102…ステー 104…オイルパン 105…凹部 106…鏡筒 108…基準距離用マーク照射手段 108a、108b、110a、110b…レーザポインター 109…基準距離用マーク 110…第2マーク照射手段 111…第2のマーク 112、114、116…開口 118…排気管 200…車速算出装置 202…制御部 210…カメラ制御手段 212…照射制御手段 214…移動距離検出手段 216…画像基準距離検出手段 218…車速算出手段 220…画像所定距離検出手段 222…バンク角算出手段

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