運転状態共有装置および運転状態共有システム

申请号 JP2014502045 申请日 2013-02-27 公开(公告)号 JPWO2013128920A1 公开(公告)日 2015-07-30
申请人 ヤマハ発動機株式会社; 发明人 圭祐 米田; 圭祐 米田; 浩司 大本; 大本  浩司; 肇 吉倉; 肇 吉倉;
摘要 運転者の状態を車両間で共有することができる運転状態共有装置および運転状態共有システムを提供する。自車両および他車両の運転状態を共有する運転状態共有装置であって、自車両の運転者状態を検出する運転者状態検出部と、自車両の走行 位置 を検出する走行位置検出部と、自車両の前記運転者状態および前記走行位置を送信し、かつ、他車両の運転者状態および走行位置を受信する通信部と、自車両の前記運転者状態および前記走行位置と、他車両の前記運転者状態および前記走行位置とを提示する運転状態提示部とを備える。
权利要求

自車両および他車両の運転状態を共有する運転状態共有装置であって、 自車両の運転者状態を検出する運転者状態検出部と、 自車両の走行位置を検出する走行位置検出部と、 自車両の前記運転者状態および前記走行位置を送信し、かつ、他車両の運転者状態および走行位置を受信する通信部と、 自車両の前記運転者状態および前記走行位置と、他車両の前記運転者状態および前記走行位置とを提示する運転状態提示部と を備える運転状態共有装置。請求項1に記載の運転状態共有装置において、 前記運転者状態検出部は、 運転者の運転技量を判定する運転技量判定部と、運転者の認知判断能を判定する認知判断能力判定部との少なくとも1つを有する 運転状態共有装置。請求項1または2に記載の運転状態共有装置において、 前記運転状態提示部は、 自車両の前記運転者状態に基づいて、他車両の前記運転者状態の提示モードを選択する提示モード選択部と、 選択された前記提示モードに対応して、自車両の前記運転者状態および前記走行位置と他車両の前記運転者状態および前記走行位置とに基づいて提示情報を生成する提示情報生成部と を有する運転状態共有装置。請求項3に記載の運転者状態共有装置おいて、 前記提示情報生成部は、選択された前記提示モードに対応して、自車両の前記走行位置と他車両の前記走行位置との距離にも基づいて提示情報を生成する 運転者状態共有装置。請求項3または4に記載の運転者状態供給装置おいて、 前記自車両運転者状態および前記他車両運転者状態を蓄積するデータベースと、 前記データベースに蓄積された情報を基に自車両および他車両の運転者状態の推移を算出する運転者状態推移算出部とを備え、 前記提示情報生成部は自車両および他車両の運転者状態の前記推移にも基づいて、提示情報を生成する 運転状態共有装置。請求項1から5のいずれか1つに記載の運転状態共有装置において、 検出された各車両の運転者状態および走行位置には、各車両と対応するID情報が付されている 運転状態共有装置。請求項1から6のいずれか1つの複数の運転者共有装置と、 複数の前記通信部より送信される各車両の運転者状態および走行位置を受信し、各車両に周囲を走行する車両の運転者状態および走行位置を送信するウェブサーバと を備える運転者状態共有システム。

说明书全文

本発明は、車両を運転する運転者の運転技量および運転者の認知判断能に関する情報を周辺に存在する他の車両の運転者にも共有する運転状態共有装置および運転状態共有システムに関する。

従来、二輪車または四輪車を運転する運転者の運転技量を評価する技量評価装置がある。四輪車の場合、操を基に運転者の技量を判定することができる。二輪者の場合、ヨー方向の変化に加えて、ロール方向またはピッチ方向またはキャスタ角度の変化を検出し、これを基にして運転者の技量を評価することができる。また、周囲環境に対する運転者の認知判断能力を評価する装置もある。これらの評価装置により評価された運転技量および認知判断能力は、モニタを通して運転者に報知されるか、音声情報にて運転者に報知される。

(1)特許文献1の技術 特許文献1に記載のライダー特性判定装置は、ヨー方向の変化に加えて、ロール方向またはピッチ方向またはキャスタ角度の変化を検出する。これらの検出値を基に、ライダーの車両安定特性、旋回特性および総合特性を判定し、それらの判定結果をモニタに表示することができる。

(2)特許文献2の技術 特許文献2に記載の精神作業負荷検出装置は、運転者の脳波を検出し、知覚・中枢系の精神作業負荷の高低を検出することで運転者の認知判断能力を評価することができる。

(3)特許文献3の技術 特許文献3に記載の覚醒度低下警告装置では、運転者の心拍数により覚醒度検出する。覚醒度が低い場合には警告用振動を操舵操作手段に与え、また、ハザードランプを点灯させることで周囲の車両にも警告することができる。

国際公開WO2011−077638号

特開2009−297129号

特開平8−268287号

上述した特許文献に記載されている装置では、運転者の車両運転技量または認知判断能力を評価することができるが、その評価結果を周囲を走行する他車両の運転者にも共有することができない。特許文献3に記載されている装置は、覚醒度が低い場合ハザードランプを点灯するが、他車両の運転者はハザードランプが点灯している車両を見ても、その車両の運転者の覚醒度が低いことを理解することはできない。

本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、運転者の状態を車両間で共有することができる運転状態共有装置および運転状態共有システムを提供することを目的とする。

上記目的を達成するために、本発明は次のような構成をとる。 すなわち、第1の本発明は、自車両および他車両の運転状態を共有する運転状態共有装置であって、自車両の運転者状態を検出する運転者状態検出部と、自車両の走行位置を検出する走行位置検出部と、自車両の前記運転者状態および前記走行位置を送信し、かつ、他車両の運転者状態および走行位置を受信する通信部と、自車両の前記運転者状態および前記走行位置と、他車両の前記運転者状態および前記走行位置とを提示する運転状態提示部とを備える。

本発明の運転状態共有装置によれば、運転者状態検出部は自車両の運転者の状態を検出する。また、走行位置検出部は自車両の走行位置を検出する。通信部は、検出されたこれら自車両の運転者の状態および走行位置を送信する。また、他車両の運転者状態および走行位置を受信する。運転者状態提示部は、検出された自車両の運転者状態および走行位置を提示し、さらに受信した他車両の運転者状態および走行位置も提示する。この構成により、車両の運転者は目視だけでは判断できない他車両の運転者の状態を知ることができる。これより、車両の運転者は他車両の運転者の状態に合わせた運転行動および回避行動をとることができる。

また、前記運転者状態検出部は、運転者の運転技量を判定する運転技量判定部と、運転者の認知判断能力を判定する認知判断能力判定部との少なくとも1つを有することが好ましい。運転技量判定部は運転者の運転技量を判定する。また、認知判断能力判定部は運転者の認知判断能力を判定する。運転者状態検出部は、運転者の状態として運転技量または認知判断能力の少なくとも1つを検出するので、運転者の状態を適切に検出することができる。

また、前記運転状態提示部は、自車両の前記運転者状態に基づいて、他車両の前記運転者状態の提示モードを選択する提示モード選択部と、選択された前記提示モードに対応して、自車両の前記運転者状態および前記走行位置と他車両の前記運転者状態および前記走行位置とに基づいて提示情報を生成する提示情報生成部とを有することが好ましい。

提示モード選択部は、自車両の運転者状態に基づいて他車両の運転者状態の提示モードを選択する。提示情報生成部は、選択された提示モードに対応して、自車両の運転者状態および走行位置と他車両の運転者状態および走行位置とに基づいて提示情報を生成する。これより、自車両の運転者状態に対応して、最適な提示情報が運転者に提供される。

また、前記提示情報生成部は、選択された前記提示モードに対応して、自車両の前記走行位置と他車両の前記走行位置との距離にも基づいて提示情報を生成することが好ましい。提示情報が自車両の走行位置と他車両の走行位置との距離に基づいて生成されるので、自車両と他車両との距離に応じて提示情報が変化する。これにより、適切なタイミングで自車両の運転者に他車両の運転者の状態を提示することが出来る。

また、前記自車両運転者状態および前記他車両運転者状態を蓄積するデータベースと、前記データベースに蓄積された情報を基に自車両および他車両の運転者状態の推移を算出する運転者状態推移算出部とを備え、前記提示情報生成部は自車両および他車両の運転者状態の前記推移にも基づいて、提示情報を生成することが好ましい。

自車両運転者状態および他車両運転者状態がデータベースに蓄積される。この蓄積された情報を基に運転者状態推移算出部が自車両および他車両の運転者状態の推移を算出する。提示情報生成部は、この推移にも基づいて提示情報が生成されるので、各運転者の状態の推移を共有することができる。これにより、運転者は他車両の運転者の状態が、車両を運転するのに適した状態から適さない状態状態に変化しているのか、また、適さない状態から適した状態に変化しているのかを知ることができる。

また、検出された各車両の運転者状態および走行位置には、各車両と対応するID情報が付されていることが好ましい。検出された各車両の運転者状態および走行位置に各車両と対応するID情報が付されているので、各車両の運転者状態および走行位置の変化を知ることができる。

また、第2の本発明は、複数の運転者共有装置と、複数の前記通信部より送信される各車両の運転者状態および走行位置を受信し、各車両に周囲を走行する車両の運転者状態および走行位置を送信するウェブサーバとを備える運転者状態共有システムである。この構成により、車両の運転者は目視だけでは判断できない他車両の運転者の状態を知ることができる。これより、車両の運転者は他車両の運転者の状態に合わせた運転行動および回避行動をとることができる。

本発明によれば、運転者の状態を車両間で共有することができる運転状態共有装置および運転状態共有システムを提供することができる。

実施例に係る自動二輪車の概略構成を示す側面図である。

実施例に係る運転状態共有装置の構成を示す機能ブロック図である。

実施例に係る自動四輪車の概略構成を示す側面図である。

実施例1に係る状態情報の処理手順を示すフローチャートである。

実施例1に係る状態情報の処理手順を示すフローチャートである。

実施例1に係る視覚的提示手段に提示される提示情報を示す説明図である。

実施例1に係る視覚的提示手段に提示される提示情報を示す説明図である。

実施例1に係る視覚的提示手段に提示される提示情報を示す説明図である。

実施例1に係る視覚的提示手段に提示される提示情報を示す説明図である。

実施例2に係る運転者状態共有システムの構成を示す機能ブロック図説明図である。

変形例に係る視覚的提示手段に提示される提示情報を示す説明図である。

以下、図面を参照して本発明の実施例1を説明する。ここでは、実施例1に係る車両として、自動二輪車および自動四輪車を例に挙げて説明する。なお、以下の説明で、前後および左右とは自動二輪車および自動四輪車の走行方向を基準としている。また、自車両を自動二輪車として、他車両を自動四輪車として説明するが、これに限られることなく、自車両が自動四輪車であってもよいし、他車両が自動二輪車であってもよい。また、自動二輪車および自動四輪車の両方を意味する場合は単に車両と記載する。また、車両の運転状態とは車両の走行位置と運転者の状態を意味する。

1.車両の概略構成 図1は、本実施例に係る運転状態共有装置を備えた自動二輪車の概略構成を示す側面図である。自動二輪車1aを例に車両の概略構成を説明する。自動二輪車1aはメインフレーム2を備えている。メインフレーム2の前端上部にはヘッドパイプ3が設けられている。ヘッドパイプ3にはステアリングシャフト4が挿通されている。ステアリングシャフト4の上端部にはハンドル5が連結されている。

ステアリングシャフト4の下端部には一対の伸縮可能なフロントフォーク6が連結されている。これより、ハンドル5の回転操作によってフロントフォーク6が揺動する。フロントフォーク6の下端部には前輪7が回転可能に取り付けられている。フロントフォーク6の伸縮により前輪7の振動が吸収される。また、フロントフォーク6の下端部にはブレーキ8が取り付けられ、ブレーキレバー(図示省略)の操作により前輪7の回転を制動する。

メインフレーム2の上部には、燃料タンク9とシート10とが前後に並んで保持されている。燃料タンク9の下方に、エンジン11と変速機12とがメインフレーム2に保持されている。変速機12は、エンジン11で発生した動力を出力するドライブ軸13を備えている。ドライブ軸13にはドライブスプロケット14が連結されている。

メインフレーム2の下部後側にはスイングアーム15が揺動可能に支持されている。スイングアーム15の後端部には、ドリブンスプロケット16および後輪17が回転可能に支持されている。また、シート10の下部には、自動二輪車1aの各部の動作を制御するECU(Electronic Control Unit;電子制御ユニット)18が設けられている。自動二輪車1aは他にも、道路情報が表示されるモニタ19を備える。モニタ19はハンドル5の前方に設置されている。

2.運転状態共有装置の構成 次に図1および図2を参照しながら運転状態共有装置の構成を説明する。図2は、運転状態共有装置の構成を示す機能ブロック図である。運転状態共有装置20は、運転者状態検出部21と、通信部22と、運転者状態データベース23と、状態検出判定部24と、運転者状態推移算出部25と、相対位置検出部26と、近接車両判定部27と、状態情報生成部28と、情報提示部29とを備える。また、これらの構成を有する運転状態共有装置20は自車両の周囲を走行する他車両にも備えられている。他車両に備えられている運転状態共有装置20とは、各通信部22間で各車両の位置情報および運転者の状態情報を送受信する。

2.1 運転者状態検出部 運転者状態検出部21は、車両を運転する運転者の状態を検出する。実施例1では、運転者状態として認知判断能力および運転技量を検出する。運転者状態検出部21は、運転者自身の活動状態を検出する活動状態検出部31と、車両の走行状態を検出する車両状態検出部32と、検出された活動状態を基に運転者の認知判断能力を判定する認知判断能力判定部33と、検出された車両の走行状態を基に運転者の運転技量を判定する運転技量判定部34とを備える。

活動状態検出部31は、運転者の活動状態を検出するセンサで構成される。運転者の活動状態とは、たとえば、運転者の眼球運動、瞬き、音声等の回数および大きさや、脳波の波形が挙げられる。実施例1では、センサとして運転者の眼球の動きを検出する眼球運動検出器41および運転者の脳波を検出する脳波検出器42を採用する。車両が自動二輪車1aの場合、運転者が装着するヘルメット38に眼球運動検出器41および脳波検出器42が備えられている。活動状態検出部31として眼球運動検出器41または脳波検出器42のいずれか一方だけを採用してもよいし、他の検出器を採用してもよい。

眼球運動検出器41および脳波検出器42で検出されたセンサ値は、ヘルメット38に備えられた無線通信器39および自動二輪車1aに備えられた無線通信機40を介して認知判断能力判定部33へ出力される。無線通信機39、40は、ヘルメット38と自動二輪車1a間の情報の伝達に用いられるもので、車両が自動四輪車の場合には、備えていなくてもよい。

眼球運動検出器41は、運転者の眼球の動きを撮影する眼球カメラでもよいし、眼球の動きを電気的な活動で検出する電極パッチでもよい。眼球の動きを電気的な活動で検出する方法として、眼電図記録法(EOG; electorooculography)が挙げられる。運転者の眼球の動きを検出することで、運転者の覚醒度を検出することができる。覚醒度は運転者の認知判断能力の評価基準となる。また、眼球の動きを直接検出する他にも、運転者の眼をビデオカメラにより撮影し、撮影された映像を画像処理することで運転者の眼球運動を検出してもよい。また、眼球運動の他に、運転者の眼の瞬きを画像処理により検出してもよい。これら眼球運動や瞬きの頻度や大きさを指標として、運転者の覚醒度を検出することができる。

脳波検出器42は、検出する脳波の種類および波形、大きさにより、運転者の認知判断能力を直接評価することもできるし、運転者の覚醒度を検出することで認知判断能力を評価することもできる。特許文献2に記載されている方法のように、ラムダ反応と聴覚P300を検出することで、運転者の知覚・運動系および知覚・中枢系の精神作業負担量を検出することができる。また、α波およびβ波を検出することで、運転者の覚醒度を検出することもできる。

車両状態検出部32は車両の走行状態を検出するセンサで構成される。車両状態検出部32は、たとえば、ジャイロスコープ43と、ステアリング角度センサ44と、ストロークセンサ45と、前輪7に設けられた車輪速センサ46と、車両の位置を測定するGPS(Global Positioning System)47とを有する。

ジャイロスコープ43は、燃料タンク9上に配置されている。ジャイロスコープ43は自動二輪車1aのヨー、ロール、およびピッチの3軸方向の角速度および角度を検出する。すなわち、自動二輪車1aのヨーレート、ヨー角度、ロールレート、ロール角度、ピッチレート、およびピッチ角度を検出する。ステアリング角度センサ44は、フロントフォーク6の上端に設けられ、ステアリングシャフト4の回転角であるステアリング角度を検出する。

ストロークセンサ45は、フロントフォーク6に設けられ、フロントフォーク6の伸縮量を検出する。さらにこの伸縮量を基にフロントフォーク6のキャスタ角を算出する。フロントフォーク6が油圧式のサスペンションで伸縮する場合は、ストロークセンサ7は、サスペンションの油圧を検出することでキャスタ角を算出してもよい。車輪速センサ46は、前輪7の回転速度を検出する。さらに、この回転速度を基に車両の車速を算出する。これら各センサの検出値は、運転技量判定部34へ出力される。

GPS47は車両の前方に配置され、車両の走行位置、すなわち、車両の緯度および経度の位置情報と車両の進行方向とを検出する。GPS47の検出値は、運転技量判定部34、相対位置検出部26、および通信部22へ出力される。GPS47は本発明における走行位置検出部に相当する。

認知判断能力判定部33は、活動状態検出部31が検出した運転者の活動状態を基に、運転者の認知判断能力を判定する。実施例1では、眼球運動検出器41から入力される眼球運動の検出結果を基に運転者の覚醒度を得点化する。また、脳波検出器42から入力される脳波検出結果を基に、運転者の認知判断能力を得点化する。たとえば、特許文献2に記載の方法により、知覚・運動系および知覚・中枢系の精神作業負荷量を検出し、作業負荷量が多いほど認知判断能力が低く、作業負荷量が低いほど認知判断能力が高いと評価して得点化する。

これらの得点に重み係数を乗算して和を算出することで、運転者の認知判断能力を総合的に示す認知判断総合得点を得る。さらに、この認知判断総合得点を基に、予め決められた閾値と比較することで運転者の認知判断能力を段階的に判定する。実施例1では予め決められた閾値を1個用意して認知判断能力を「高」・「低」の2段階に判定する。さらに、より多くの閾値を用意して、より多くの段階に認知判断能力を判定してもよい。

また、認知判断総合得点を算出しているが、これに限らず、覚醒度または精神作業負荷量からそれぞれ単独で認知判断能力を判定してもよい。認知判断総合得点および2段階に判定された認知判断能力は、通信部22と、運転者状態データベース23と、近接車両判定部27と、状態情報生成部28とに出力される。また、認知判断能力の判定が完了すると認知判断能力判定完了の信号が状態検出判定部24に出力される。

運転技量判定部34は、ジャイロスコープ43、ステアリング角度センサ44、ストロークセンサ45、車輪速センサ46、GPS47から入力される各車両状態量を基に運転者の運転技量を得点化する。さらに、得点化された運転技量を、予め決められた閾値と比較することで運転技量を段階的に判定する。実施例1では予め決められた閾値を1個用意して運転技量を「高」・「低」の2段階に判定する。さらに、より多くの閾値を用意して、より多くの段階に認知判断能力を判定してもよい。

運転技量の判定方法として、たとえば、特許文献1に記載の方法を採用してもよい。すなわち、各車両状態量を基にして、車両安定性を評価する車両安定性得点および旋回特性を評価する旋回性得点を算出する。さらに車両安定性得点と旋回性得点とから運転総合得点を算出し、これを運転者の運低技量を評価する得点とする。また、運転総合得点を算出する代わりに、車両安定性得点または旋回性得点をそれぞれ単独で運転者の運低技量を評価する得点としてもよい。運転総合得点および2段階に判定された運転技量の判定結果は、通信部22と、運転者状態データベース23と、近接車両判定部27と、状態情報生成部28とに出力される。また、運転技量の判定が完了すると運転技量判定完了の信号が状態検出判定部24に出力される。

2.2 通信部 通信部22は自車両の周囲を走行する他車両に備わる通信部22と各車両の運転者状態情報および走行位置情報の送受信を行う。すなわち、自車両の通信部22は自車両の運転者状態情報および走行位置情報を他車両の通信部22へ送信し、他車両の通信部22から他車両の運転者状態情報および走行位置情報を受信する。受信した他車両の運転者状態情報および走行位置情報は運転者状態データベース23および状態情報生成部28へ出力される。また、相対位置検出部26にも受信した他車両の走行位置情報が出力される。また、通信部22は他車両の運転者状態情報および走行位置情報を受信すると、それぞれの受信完了信号を状態検出判定部24へ出力する。運転者状態情報および走行位置情報には各車両のID情報および車種を示す車両情報が添付されている。ID情報は、車両のナンバープレートの番号を運転者が登録したものでもよいし、各運転者状態共有装置20に予め個別に与えられた番号でもよい。通信部22の一例として、無線通信機が挙げられる。

2.3 運転状態共有装置のその他構成 運転者状態データベース23はメモリで構成され、周期的に入力される自車両の認知判断総合得点、認知判断能力判定結果、運転総合得点および運転技量判定結果を保管する。また、通信部22を介して入力される他車両の認知判断総合得点、認知判断能力判定結果、運転総合得点および運転技量判定結果も保管する。

状態検出判定部24は、認知判断能力判定部33および運転技量判定部34から認知判断能力および運転技量の判定完了信号が入力されているかを確認することで、自車両の認知判断能力および運転技量の検出が完了したかどうかを判定する。また、通信部22から 他車両の運転者状態情報および走行位置情報のそれぞれの受信完了信号が入力されているか確認することで、他車両の認知判断能力および運転技量の検出が完了したかどうかを判定する。検出が完了していないと判定した場合、運転者状態データベース23に保管されている不明ではない最新の検出結果を状態情報生成部28および運転者状態推移算出部25へ出力するように指示する。

運転者状態推移算出部25は、運転者の運転技量および認知判断能力の推移を算出する。運転者状態の推移の算出は、運転者状態データベース23に格納されている現在と過去との認知判断総合得点および運転総合得点をそれぞれ比較し、予め定められた一定値以上得点が増加した場合、推移を「向上」と判定し、逆に一定値以上得点が減少した場合、推移を「低下」と判定する。一定値以上の増加も減少も無い場合、「停滞」と判定する。

運転者状態の推移の算出として、他にも、単位時間を独立変数とし、運転者状態データベース23に格納されている現在から過去一定期間の認知判断総合得点および運転総合得点をそれぞれ従属変数として、最小二乗法による線形回帰式を算出し、回帰係数の大きさによって推移を判定してもよい。判定された推移結果は、状態情報生成部28へ出力される。

相対位置検出部26は、GPS47から入力される自車両の走行位置情報と、通信部22を介して入力される他車両の走行位置情報とを基に、自車両を中心とした他車両との相対位置を検出する。相対位置として、自車両と各他車両との距離および相対角度を算出する。算出された自車両と各他車両との相対位置は状態情報生成部28および近接車両判定部27へ出力される。

近接車両判定部27は、相対位置検出部26が検出した自車両と他車両との相対位置を基に、自車両に近接する他車両を判定する。自車両と他車両とが近距離であるか否かを判定する距離基準は、運転技量判定部34から入力される判定結果に応じて予め段階的に決められている。すなわち、運転技量が「高」の判定結果が入力される場合、短い距離基準を採用し、運転技量が「低」の判定結果が入力される場合、長い距離基準を採用する。これより、運転者の運転技量が「低」の場合は、「高」の場合よりも他車両が自車両よりも離れていても早い段階で近接車両として判定される。

また、距離基準を運転技量の判定結果に加えて、認知判断能力の判定結果に対応させて4段階に設定してもよい。すなわち、運転者の運転者状態が共に「高」の場合と、運転技量が「低」の場合と、認知判断能力が「低」の場合と、運転者状態が共に「低」の場合とで、近接車両と判定する距離基準を変化させてもよい。このように、運転者状態の判定結果に応じて、他車両が自車両に近接するか否かの判定基準が変化する。

また、近接車両判定部27は、自車両と他車両とが近距離であるか否かを判定する距離基準とは別に、自車両と他車両とが警告距離内に存在するか否か判定する警告距離基準を設けてもよい。警告距離基準は最も短い距離基準であり、自車両の運転手に他車両との異常接近を警告するために予め定められた距離基準である。近接車両判定部27のこれらの判定結果は状態情報生成部28へ出力される。

状態情報生成部28は運転者状態の判定結果に応じて運転者に提示する状態情報を生成する。状態情報生成部28は、運転者状態の判定結果に応じて運転者に状態情報を提示するモードを選択する提示モード選択部35と、選択されたモードに応じて運転者に提示する状態情報を生成する提示情報生成部36とを有する。

提示モード選択部35は、運転者の認知判断能力および運転技量の判定結果に基づいて、運転者に提示するモードを選択する。運転者に提示する状態情報は運転者の運転技量および認知判断能力の判定結果に応じて、実施例1では4種類用意されている。これら4種類の状態情報の提示モードの中から最適な種類を選択する。選択された提示モードは提示情報生成部36へ出力される。

提示情報生成部36は、提示モード選択部35の選択結果に応じて、運転者に提示する状態情報を生成する。運転者の認知判断能力および運転技量に応じて4種類の状態情報を生成することができる。生成された状態情報は、情報提示部29へ出力される。実施例1では、認知判断能力判定部33、運転技量判定部34、状態検出判定部24、運転者状態推移算出部25、相対位置検出部26、近接車両判定部27および状態情報生成部28がワンチップ化されたマイクロプロセッサ30に組み込まれて、自動二輪車1aに備えられている。

情報提示部29は、状態情報生成部28から入力される状態情報を、運転者に視覚的に情報を提示するモニタ19と、聴覚的に情報を提示するスピーカ48と、触覚的に情報を提示する振動子49とを有する。

車両が自動四輪車である場合を図3を参照して説明する。図3は、本実施例に係る運転状態共有装置を備えた自動四輪車の概略構成を示す側面図である。自動四輪車1bの前輪7’には車輪速センサ46を備える。車輪速センサ46は前輪7’の回転速度を検出し、この回転速度を基に車両の車速を算出する。また、ハンドル5’の回転角度を検出するステアリング角度センサ44および車両の走行位置を検出するGPS47も自動四輪車1bに備えられている。ステアリング角度センサ44、車輪速センサ46およびGPS47は車両状態検出部32を構成する。

また、運転者の眼球運動を検出する眼球運動検出器41がルームミラー(図示省略)に設けられ、モニタ19およびスピーカ48がハンドル5’の前方に設けられている。振動子49はシート10’の内部に埋め込まれている。眼球運動検出器41は活動状態検出部31を構成し、モニタ19、スピーカ48および振動子49は情報提示部29を構成する。また、自動四輪車1bには、他車両と運転状態の情報を送受信する通信部22と、自車両および他車両の運転者状態を保存する運転者状態データベース23とが備えられている。また、認知判断能力判定部33、運転技量判定部34、状態検出判定部24、運転者状態推移算出部25、相対位置検出部26、近接車両判定部27および状態情報生成部28がワンチップ化されたマイクロプロセッサ30も自動四輪車1bに設けられている。

3. 運転状態情報案内 次に、共有された運転状態情報の提示を実施する動作について図4および図5を参照して説明する。図4および図5は実施例1において状態情報の処理手順を示すフローチャートである。各車両の運転者状態および走行位置に関する運転状態を検出してから提示するまでの処理手順は、運転状態を検出する処理と、検出された運転状態を提示する処理との大きく2つの処理に分けられる。まず、図4を参照して運転状態を検出する処理を説明する。

3.1 運転状態検出 まず、GPS47が自車両の走行位置および走行方向を検出し(ステップS01)、検出された走行位置情報を相対位置検出部26へ出力する。相対位置検出部26はGPS47で検出された走行位置情報のセンサ出力値を読み込む。相対位置検出部26はGPS47からセンサ出力値の入力が完了したか否かで走行位置情報の検出が完了したか否かを判別する(ステップS02)。検出が完了していない場合(ステップS02のNo)、相対位置検出部26は再びGPS47からセンサ出力値を読み込む。

GPS47のセンサ出力値の読み込みが完了し自車両の走行位置情報の検出が完了したと判別した場合(ステップS02のYes)、相対位置検出部26は、通信部22を介して他車両の走行位置情報を読み込むことで、他車両の走行位置情報を検出する(ステップS03)。相対位置検出部26は、他車両の走行位置情報の読み込みに失敗すると、他車両の走行位置情報の検出が完了していないと判別して(ステップS04のNo)、再び、自車両の走行位置を検出し直す(ステップS01)。また、相対位置検出部26は、通信部22を介して他車両の走行位置情報の読み込みを完了すると、他車両の走行位置情報の検出が完了したと判別して(ステップS04のYes)、認知判断能力判定部33および運転技量判定部34へそれぞれ認知能力判定および運転技量判定の開始を指示する。また、通信部22に他車両の認知判断能力および運転技量の判定結果を受信するように指示する。さらに、相対位置検出部26は自車両と他車両との相対位置関係を算出する。

このように、自車両および他車両の走行位置が検出されると、自車両の認知判断能力および運転技量の判定と他車両の認知判断能力および運転技量の判定結果の読み込みが並行して実施される。

認知判断能力判定部33は、活動状態検出部31の各検出器から眼球運動および脳波のセンサ出力値を入力し、認知判断能力総合得点を算出して認知判断能力を判定する。また、運転技量判定部34は、車両状態検出部32から各検出値を入力して運転技量を判定する。このように、認知判断能力および運転技量を判定することで自車両の運転者状態を検出する(ステップS05)。

次に、認知判断能力判定部33および運転技量判定部34から判定完了の信号が状態検出判定部24へ出力される。状態検出判定部24は、認知判断能力および運転技量の判定完了信号の入力を検出することで、自車両の運転者状態の検出が完了したか否かを判別する(ステップS06)。この判別は、認知判断能力と運転技量とそれぞれ個別に実施される。状態検出判定部24が自車両の認知判断能力および運転技量の判定完了信号の入力を検出すると(ステップS06のYes)、自車両の運転者状態は判定済みと判別する(ステップS07)。状態検出判定部24が認知判断能力または運転技量の判定完了信号の入力を検出できない場合(ステップS06のNo)、判定完了の信号入力の無い認知判断能力または運転技量の判定結果について不明と判別する(ステップS08)。

ステップS05〜ステップS08と並行して、通信部22は他車両の認知判断能力および運転技量の判定結果の読み込みを実施することで、他車両の運転者状態を検出する(ステップS21)。通信部22において他車両の認知判断能力および運転技量の判定結果の読み込みが完了すると、受信完了信号が状態検出判定部24へ出力される。状態検出判定部24は他車両の認知判断能力および運転技量の受信完了信号の入力を検出することで、他車両の運転者状態の検出が完了したか否かを判別する(ステップS22)。この判別は、認知判断能力と運転技量とそれぞれ個別に実施される。

状態検出判定部24が通信部22から他車両の認知判断能力および運転技量の受信完了信号の入力を検出すると(ステップS22のYes)、他車両の運転者状態に関して検出済みと判別する(ステップS23)。状態検出判定部24が他車両の認知判断能力または運転技量の受信完了信号の入力を検出できない場合(ステップS22のNo)、受信完了信号の入力の無い他車両の認知判断能力または運転技量の検出結果について不明と判別する(ステップS24)。

検出済みと判別された自車両および他車両の認知判断能力および運転技量の検出結果は運転者状態データベース23に保存される(ステップS09)。運転者状態推移算出部25は、運転者状態データベース23に保存されている自車両および他車両の認知判断能力および運転技量に関する得点を基に、自車両および他車両の認知判断能力および運転技量の推移を算出する。以上により、各車両の運転者状態情報および走行位置情報を含む運転状態情報を検出する処理が終了する。

3.2 運転状態提示 次に、図5を参照して検出された運転状態を提示する処理を説明する。状態検出判定部24は、自車両の運転者状態が不明であるか否かを判別する(ステップS31)。ステップS07により、自車両の運転者状態すなわち自車両の認知判断能力または運転技量の検出が完了して検出済みと判別されている場合(ステップS31のNo)、他車両の運転者状態を確認するステップに進む。これと異なり、ステップS08により、自車両の運転者状態すなわち自車両の認知判断能力または運転技量の検出が不明と判別されている場合(ステップS31のYes)、不明と判別された運転者状態の検出結果を運転者状態データベース23に記憶されている最も直近の運転者状態の検出結果と置きかえて、提示情報生成部46へ出力する(ステップS32)。

次に、状態検出判定部24は、他車両の運転者状態が不明であるか否かを判別する(ステップS33)。ステップS23により、他車両の運転者状態すなわち他車両の認知判断能力または運転技量の検出が完了して検出済みと判別されている場合(ステップS33のNo)、提示情報を選択するステップに進む。これとは異なり、ステップS24により、他車両の運転者状態すなわち他車両の認知判断能力または運転技量の検出が不明と判別されている場合(ステップS33のYes)、不明と判別された他車両の運転者状態の検出結果を運転者状態データベース23に記憶されている最も直近の他車両の運転者状態の検出結果と置きかえて、提示情報生成部36へ出力する(ステップS34)。

次に、提示モード選択部35が自車両の運転者の運転技量および認知判断能力に応じて提示モードを選択する。まず、運転技量判定部34より入力される運転技量判定結果に基づいて、運転者の運転技量が「高」か否かを判定する(ステップS35)。運転技量が「高」である場合(ステップS35のYes)、認知判断能力判定部33から入力される認知判断能力の判定結果に基づいて、運転者の認知判断能力が「高」か否かを判定する(ステップS36)。認知判断能力が「高」と判定されている場合(ステップS36のYes)、すなわち、運転技量および認知判断能力が共に「高」と判定されている場合、第1提示状態情報を生成するモードを選択する(ステップS37)。また、認知判断能力が「高」ではないと判定されている場合(ステップS36のNo)、すなわち、運転技量が「高」と判定され認知判断能力が「低」と判定されている場合、第3提示状態情報を生成するモードを選択する(ステップS38)。

ステップS35に戻り、運転者の運転技量が「高」ではないと判定されている場合(ステップS35のNo)、認知判断能力判定部33から入力される認知判断能力の判定結果に基づいて、運転者の認知判断能力が「高」か否かを判定する(ステップS39)。認知判断能力が「高」と判定されている場合(ステップS39のYes)、すなわち、運転技量が「低」と判定され認知判断能力が「高」と判定されている場合、第2提示状態情報を生成するモードを選択する(ステップS40)。また、認知判断能力が「高」ではないと判定されている場合(ステップS39のNo)、すなわち、運転技量および認知判断能力が共に「低」と判定されている場合、第4提示状態情報を生成するモードを選択する(ステップS41)。提示モード選択部35が選択した提示モードは提示情報生成部36に入力される。提示情報生成部36は入力された提示モードに応じた提示情報を生成する。

3.3 第1提示情報表示 自車両の運転者の運転技量および認知判断能力が共に「高」と判定された場合、提示情報生成部36が第1提示情報を生成してモニタ19から表示する。表示される第1提示情報を図6を参照して説明する。図6は、モニタ19に提示される第1提示情報を示す説明図である。

モニタ19の右側に自車両および他車両の文字情報を表示し、モニタ19の左側に自車両および他車両の相対位置を図示して表示する。モニタ19の右側上部には、自車両運転者の運転者状態を表示する。運転者状態として、運転技量および認知判断能力を表示し、2段階に判定された判定結果を色分けして表示する。たとえば、判定結果が「高」の場合は青色表示し、「低」の場合は赤色表示する。

また、運転者状態の判定結果を表示する文字の右側に、それぞれの推移を表示する。推移の表示の一例として、運転者状態推移算出部45により「向上」と判定されれば上向きの矢印を表示し、「低下」と判定されれば下向きの矢印を表示し、「停滞」と判定されれば矢印を表示しない。

モニタ19の左側には、自車両をアイコン1cで中心に表示し、周辺に存在する他車両を検出された相対位置を反映させてアイコン1d〜1hで表示する。また、各車両情報を基に、車両の種類に各アイコン1c〜1hの大きさや形状を対応させている。たとえば、自動二輪車1aの車両のアイコン1cは円形で、自動四輪車1bの車両のアイコン1dは長方形で表示している。またトラックなどの大型車両のアイコンは、普通車両のアイコンの大きさよりも大きく表示している。さらに、各アイコン1c〜1hの凸部は車両の進行方向を表示している。運転者は、各アイコン1c〜1hの示す車両は同方向を進行しており、アイコン1fが示す車両が車線変更を行なっていることが理解できる。

各アイコン1c〜1hを各運転者の運転者状態に対応して色分け表示する。アイコン1c〜1hの左半分は各運転者の運転技量と対応して色分け表示し、右半分は認知判断能力と対応して色分け表示する。それぞれ、判定結果が「高」の場合は青色表示し、判定結果が「低」の場合は赤色表示する。さらにアイコン1c〜1h上に、運転状態の推移を重畳表示する。「向上」と判定された場合は上向きの矢印をアイコン1c〜1h上に重ねて表示する。「低下」と判定された場合は下向きの矢印を表示する。「停滞」と判定された場合は矢印を表示しない。

さらに、近接車両判定部27により近接車両と判定された車両の運転者の運転技量または認知判断能力の少なくとも一方が「低」の場合、該当する他車両は問題のある車両として、対応するアイコン1hを赤枠で囲んで強調表示する。また、運転者状態に「低」を含み自車両に近接する車両に関する情報をモニタ19の右側下部に警告表示する。警告表示される情報は、車両の種類、運転者状態の推移、また、問題のある他車両の運転状態に応じた警報等である。なお、アイコン1eで表示される車両の運転者状態では、運転技量および認知判断能力も共に「高」であるので、近接車両と判定されていても赤枠で囲まれていない。

3.4 第2提示情報表示 自車両運転者の運転技量が「低」であり認知判断能力が「高」の場合、提示情報生成部36が第2提示情報を生成してモニタ19から表示する。表示される第2提示情報を図7を参照して説明する。図7は、モニタ19に提示される第2提示情報を示す説明図であり、自車両周囲の他車両の走行状態および運転者状態は図6で表示される第1提示情報と同様である。

第2提示情報と第1提示情報との違いは、近接車両と判定する他車両と自車両との距離が、第1提示情報と比べて第2提示情報の方が長いことである。近接車両判定部27が、自車両の運転技量が「低」の判定の場合、判断基準として長い距離基準を採用するので、第1提示情報において近接車両として表示される範囲よりもより広い範囲で他車両が近接車両として表示される。第1提示情報では枠表示されていない前方を走行する他車両のアイコン1gが第2提示情報では枠表示されている。また、周辺車両情報の文字情報としても、新たに枠表示された車両に関する情報が警告表示されている。

このように第2提示情報を生成し表示することで、運転者は問題のある車両の存在をより早く察知することができる。運転者の運転技量が低くても早めに問題車両を察知することで、運転者は時間的余裕を持って問題のある車両に対して回避行動を行うことができる。

3.5 第3提示情報表示 自車両運転者の運転技量が「高」であり認知判断能力が「低」の場合、提示情報生成部36が第3提示情報を生成してモニタ19およびスピーカ48から提示する。提示される第3提示情報を図8を参照して説明する。図8は、モニタ19に提示される第3提示情報を示す説明図であり、自車両周囲の他車両の走行状態および運転者状態は図6で表示される第1提示情報と同様である。

運転者の認知判断能力が「低」の場合、多くの情報を提示しても運転者が全てを理解するのに時間を要するので、第3提示情報は第1提示情報と比べて提示する情報量を低減する。すなわち、第3提示情報で提示される情報は、緊急度の高い情報である。緊急度の高い情報として、たとえば、運転者の運転技量および認知判断能力が共に「低」と判定された周辺車両のみを「低」特性を表わす色、すなわち、赤色をもつアイコンで表示する。さらに、警告情報を発する際に、モニタ19からの映像による視覚表示に加えて、スピーカ48からの音声による聴覚提示も併用する。たとえば、図8に示す第3提示情報がモニタ19に表示されると同時にスピーカ48から「左側車両に注意して下さい」と音声情報が出力される。

このような第3提示情報を提示することで、運転者は特に注意を要する情報に容易に注意を向けることができる。これより、運転者の認知判断能力が低く、多くの情報を短時間で認識できない状況であっても、注意すべき情報の効率的な取得が可能となり、運転者は問題車両の存在を察知することができる。この結果、運転者は問題車両に近づかない、車間距離に余裕を持たせる等、適切な回避行動をとることができる。

3.6 第4提示情報表示 自車両の運転者の運転技量および認知判断能力が共に「低」と判定された場合、提示情報生成部36が第4提示情報を生成してモニタ19およびスピーカ48から提示する。提示される第4提示情報を図9を参照して説明する。図9は、モニタ19に提示される第4提示情報を示す説明図であり、自車両周囲の他車両の走行状態および運転者状態は図6で表示される第1提示情報と同様である。

運転者の運転技量および認知判断能力が共に「低」であるので、第4提示情報は第2提示情報と第3提示情報の両方の特徴を併せ持つ。すなわち、近接車両判定部27が、自車両の運転技量が「低」の判定の場合、判断基準として長い距離基準を採用するので、第1提示情報において近接車両として表示される範囲よりもより広い範囲で前方を走行する他車両が近接車両として表示される。第1提示情報では枠表示されていない他車両のアイコン1gが第4提示情報では枠表示されている。また、周辺車両情報の文字情報としても、新たに枠表示された車両に関する情報が警告表示されている。

また、運転者の認知判断能力が「低」であるので、第4提示情報で提示される情報は、第3提示情報と同様に緊急度の高い情報である。さらに、警告情報を発する際に、モニタ19からの映像による視覚表示に加えて、スピーカ48からの音声による聴覚提示も併用する。たとえば、図9に示す第4提示情報がモニタ19に表示されると同時にスピーカ48から「左側車両、左前方車両に注意して下さい」と音声情報が出力される。

このような第4提示情報を提示することで、運転者の認知判断能力が低く、多くの情報を短時間で認識できない状況であっても、注意すべき情報の効率的な取得が可能となり、運転者は問題車両の存在を察知することができる。また、運転者は問題のある車両の存在をより早く察知することができので、運転者の運転技量が低くても、運転者は時間的余裕を持って問題のある車両に対して回避行動を行うことができる。この結果、運転者は問題車両に近づかない、車間距離に余裕を持たせる等、適切な回避行動をとることができる。

また、提示情報生成部36は近接車両判定部27から他車両との異常接近の判定結果が入力されると、シート10の内部に埋め込まれた振動子49を振動させることで、運転者に他車両との異常接近を警告してもよい。情報提示部29の各情報提示器に提示情報が提示されると運転状態情報案内が終了し、再びステップS01から運転状態検出が始まる。

このように、実施例1の運転状態共有装置20によれば、道路交通環境に存在する車両の運転者間で、各車両の位置情報と、運転者状態を共有できるので、車両の運転者は目視だけでは判断できない、自車両周辺の他車両の運転者状態を知ることができる。この結果、車両の運転者は自車両周辺の他車両の運転者状態にあわせた運転操作および回避行動をとることができるようになる。

また、道路交通環境に存在する車両の運転者間で、各車両の位置情報、各運転者の運転技量および道路交通環境に対する各運転者の認知判断能力を共有することができる。これより、たとえば、運転技量の低い運転者や認知判断能力が低い運転者が運転する車両が自車両の周辺に存在する場合、無理な追い越しや不用意な接近を避けるなど、車両の運転者は予め回避行動をとることができるので、他車両との接触の発生の抑制につながる。また、車両の運転者間で各運転者の運転技量の情報を共有できるので、高い運転技量がステイタスとなり、運転者の運転技量向上のためのモチベーションが向上する。

また、自車両と他車両の運転者の状態に応じて、他車両の運転者状態の提示内容および提示方法が選択されるので、適切な情報量を、適切な強度で、自車両の運転者に他車両の運転者の状態を提示することができる。自車両の運転者の認知判断能力が低い場合は、緊急度の高い情報のみを提示することで、運転者が処理しなければならない情報量が低減し、適切な回避行動をとることができる。

また、他車両の運転者の運転技量が低く、認知判断能力も低い状態の車両が自車両の周辺に存在する場合には、強い刺激強度で自車両の運転者に他車両の運転者の状態を提示することで、緊急度または優先度が高い情報であることが運転者に分かりやすくなる。この結果、運転者は適切な運転および回避行動をとることができる。

また、自車両と他車両の走行位置に応じて、他車両の運転者の状態の提示内容または提示方法を選択することで、適切なタイミングで自車両の運転者に他車両の運転者の状態を提示することができる。自車両の運転者の技量や認知判断能力が低い場合は、早いタイミング、つまり、他車両までの距離がある程度離れている段階で他車両の運転者の状態を提示することで、自車両の運転者は時間的余裕を持って、周辺に存在する他車両に対して必要な対処ができるようになる。

また、道路交通環境に存在する車両の運転者間で、運転者の運転者状態の推移を共有することで、運転者は他車両の運転者の状態が車両を運転するのに適した状態から適さない状態へ変化しているのか、または、車両を運転するのに適した状態に復帰する方に運転者の状態が変化しているのかを知ることができる。これより、車両の運転者は、他車両の運転者状態が車両の運転に適した状態であったとしても、その状態から適さない状態へ推移している場合は、正常に車両を運行できる状態からの逸脱を予期することができ、より早い段階から無理な追い越しや、不用意な接近を避けるなど、回避行動をとることができるので、接触の発生の抑制につながる。

図10を参照して実施例2に係る運転者状態共有システムについて説明する。 実施例2では、自車両および他車両間で各通信部を介して直接、各車両の運転者状態の情報および走行位置情報を送受信していたが、実施例2では、さらにウェブサーバを介して各車両の運転者状態の情報および走行位置情報の送受信を実施する運転者状態共有システムである。

図10は実施例2に係る運転状態共有システムの構成を示すブロック図である。図10において、実施例1に示した符号と同一の符号で示した部分は、実施例1と同様の構成であるのでここでの説明は省略する。第2実施例は、第1実施例において、自車両と他車両との間における各車両の運転者状態および走行位置の送受信を、ウェブサーバを中継して行う構成である。よって、ここで記載した以外の運転状態共有装置および車両の構造は実施例1と同様である。

実施例2の特徴は、自車両および他車両の運転者状態および走行位置が通信部22を介してウェブサーバ51にアップロードされ、自車両周辺を走行する他車両に関する運転状態の情報がウェブサーバ51から自車両の通信部22にダウンロードされることである。ウェブサーバ51は、通信部52と、運転状態データベース53と、周囲走行車両判定部54とを備える。

各車両の通信部22からアップロードされる各車両のID情報が付された運転者状態および走行位置は、通信部52で受信され、運転状態データベース53に保管される。運転状態データベース53には、アップロードされた全ての車両の運転者状態および走行位置の情報が保管されている。周囲走行車両判定部54は、アップロードされた各車両の走行位置を基に、各車両の周囲を走行する車両を判定する。この判定基準は、アップロードされた各車両の運転状態の情報を、どの範囲の車両のものまでダウンロードするかの基準である。たとえば、実施例1(図6)における自車両1cに対して他車両1d〜1hが含まれる距離範囲を基準として判定する。各車両は、周囲走行車両判定部54により周囲走行車両と判定された車両の運転状態の情報を、通信部22を介して運転者状態データベース23へダウンロードする。

このように、実施例2の運転状態共有システム50によれば、道路交通環境に存在する車両の運転者間で、各車両の位置情報と、運転者状態を共有できるので、車両の運転者は目視だけでは判断できない、自車両周辺の他車両の運転者状態を知ることができる。この結果、車両の運転者は自車両周辺の他車両の運転者状態にあわせた運転操作および回避行動をとることができるようになる。また、走行する車両の運転者状態および走行位置が全てウェブサーバ51内の運転者データベース53に蓄積される。

本発明は、上記実施例のものに限らず、次のように変形実施することができる。

(1)上記実施例において、自車両と他車両との距離および相対角度は相対位置関係として図示表示されていたがこれに限られない。たとえば、図11に示すように、自車両1cと他車両1gおよび1fとの距離、相対角度を文字表示して運転者に提示してもよい。

(2)上記実施例において、他車両の走行位置は、各車両に備えられたGPS47の検出値を通信部22を介して受信することで検出していたが、これに限られない。他にも、たとえば、自車両にレーザーレーダーセンサ等の測距センサを備えて、他車両との距離、方角および進行方向を測定する構成でもよい。

(3)上記実施例において、情報提示部29および通信部22はそれぞれ別の構成であったが、これに限られない。たとえば、モニタ、スピーカ、振動子および通信回路を一体的に備える携帯電話やスマートフォンを情報提示部29および通信部22として採用してもよい。

1a … 自動二輪車 1b … 自動四輪車 20 … 運転状態共有装置 21 … 運転者状態検出部 22 … 通信部 23 … 運転者状態データベース 25 … 運転者状態推移算出部 28 … 状態情報生成部 29 … 情報提示部 33 … 認知判断能力判定部 34 … 運転技量判定部 47 … GPS 50 … 運転状態共有システム 51 … ウェブサーバ

QQ群二维码
意见反馈