Speaker device, the mounting body of the speaker device, and a mobile equipped with a speaker device

申请号 JP2007525962 申请日 2006-07-12 公开(公告)号 JP4535128B2 公开(公告)日 2010-09-01
申请人 日本ビクター株式会社; 发明人 正宏 渡邊; 学 面田;
摘要
权利要求
  • 移動 体に装着して使用するスピーカ装 置において、
    振動 板を有するスピーカユニッ トと
    前記移動 体が移動するときに前記スピーカ装 置に対して流れる空気を遮るように前記スピーカユニットを覆う、開口を形成していない上面 部と 、前記スピーカユニットが発する音を外部に放出するための音放出 部とを有する風防カバ ーと
    前記風防カバーの底面に結合され、前記振動板の振動方向と前記音放出部によって形成される音放出面とが0度以上90度以下の角度をなすように前記スピーカユニットを支持するキャビネッ トと
    を備えることを特徴とするスピーカ装 置。
  • 振動 板を有するスピーカユニッ トと
    前記スピーカユニットを覆うと共に前記スピーカユニットが発する音を外部に放出するための音放出 部を有する風防カバ ーと
    前記風防カバーの底面に結合され、前記振動板の振動方向と前記音放出部によって形成される音放出面とが0度以上90度以下の角度をなすように前記スピーカユニットを支持するキャビネッ トとを備え、
    前記風防カバ ーは 、前記音放出部の前記キャビネット側の端部に連結して前記音放出部が形成する面より前記風防カバーの外側に広がるように傾斜した突出 部を備えることを特徴とするスピーカ装 置。
  • 前記風防カバー内と前記スピーカ装置外とで空気を流通させる通気 孔を更に備えることを特徴とする請求の範囲第1項又は第2項に記載のスピーカ装 置。
  • 前記キャビネットの側面と底面とを取り囲むように設けられており、前記スピーカ装置が移動した際に前記スピーカ装置の周囲を流れる空気を前記キャビネットの周りに流す風 路を備えることを特徴とする請求の範囲第3項に記載のスピーカ装 置。
  • 前記風防カバ ーの前記スピーカユニットと対向する 面は 、前記振動板に向かって凸となっていることを特徴とする請求の範囲第1項ないし第4項のいずれかに記載のスピーカ装 置。
  • 振動 板を有するスピーカユニッ トと 、前記スピーカユニットを覆うと共に前記スピーカユニットが発する音を外部に放出するための音放出 部を有する風防カバ ーと 、前記風防カバーの底面に結合され前記スピーカユニットを支持するキャビネッ トとを有するスピーカ装 置を取り付けるための取付体であり、
    前記キャビネットと所定の距離離間している凹 部を有し、
    前記キャビネットと前記凹部とで形成される空間は、前記スピーカ装置を取り付けた前記取付体が移動した際に前記スピーカ装置の周囲を流れる空気を前記キャビネットの周りに流す風 路となることを特徴とする取付体。
  • 前記凹部に接着する状態で装着された支持 体を有し、前記風路は前記キャビネットと前記支持体との間に形成されていることを特徴とする請求の範囲第6項に記載の取付体。
  • 前記キャビネットに接着する状態で前記凹部に設けられた支持 体を有し、前記風路は前記キャビネットと前記凹部との間に形成されていることを特徴とする請求の範囲第6項に記載の取付体。
  • 前記取付体は移動 体のトラン クであることを特徴とする請求の範囲第6項ないし第8項のいずれかに記載の取付体。
  • 請求の範囲第6項ないし第9項のいずれかに記載の取付体が取り付けられていることを特徴とする移動 体。
  • 说明书全文

    【技術分野】
    【0001】
    本発明は、特に強風下での使用に好適なスピーカ装置、スピーカ装置の取付体、及びスピーカ装置を搭載した移動体に関する。
    【背景技術】
    【0002】
    従来、自動二輪車に搭載されているオーディオ用のスピーカ装置は、自動二輪車の前部カウリング内に設置されている。 前部カウリングにより、スピーカ装置へ作用する風圧が低減されスピーカユニットへの影響が少なくできるため、運転者向けのオーディオシステムを構成するものとして普及している。 かかるスピーカ装置は、例えば、特開2000−228793号公報や、実開昭62−52586号公報に開示されている。
    【0003】
    最近、自動二輪車のリアシートに乗客を乗せたタンデム走行を、日本の高速道路でもできるように法律が改正された。 これに伴って、リアシートの搭乗者も良好な音が聴取できるリアシート向けのスピーカ装置を、リアシートの近傍に設置する要望が高まってきている。
    【0004】
    しかしながら、スピーカ装置をリアシート付近に設置すると、前部カウリング内に設置した場合とは異なり風防効果を及ぼすものがなく、大きな風圧がスピーカ装置へ作用する。 このため、スピーカユニットの振動板が風圧で押し込まれて音が出にくくなると共に、長時間その状態が続くとボイスコイルが過熱状態となって破壊する恐れがある。
    【0005】
    また、このような問題は、自動二輪車に搭載されるスピーカ装置に限られるものではなく、強風下で使用されるスピーカ装置であれば、同様に存在する。
    【発明の開示】
    【0006】
    本発明は上述した問題点に鑑みてなされたものであり、大きな風圧や強風に対して耐性があると共に、高音質の音が再生できるスピーカ装置を提供することを目的とする。
    [0007]
    上記した課題を解決するために本発明は、次の(a)〜(j)のスピーカ装置、スピーカ装置の取付体、及び、スピーカ装置を搭載した移動体を提供するものである。
    [0008]
    (a)移動体(101)に装着して使用するスピーカ装置(100,200,300,400,500)において、振動板(6)を有するスピーカユニット(2)と、前記移動体(101)が移動するときに前記スピーカ装置(100,200,300,400,500)に対して流れる空気を遮るように前記スピーカユニットを覆う、開口を形成していない上面部(30)と、前記スピーカユニットが発する音を放出するための音放出部(130)とを有する風防カバー(3)と、前記風防カバーの底面に結合され、前記振動板の振動方向と前記音放出部によって形成される音放出面とが0度以上90度以下の度をなすように前記スピーカユニットを支持するキャビネット(5)とを備えることを特徴とするスピーカ装置(100,200,300,400,500)。
    [0009]
    (b)振動板(6)を有するスピーカユニット(2)と、前記スピーカユニットを覆うと共に前記スピーカユニットが発する音を外部に放出するための音放出部(130)を有する風防カバー(3)と、前記風防カバーの底面に結合され、前記振動板の振動方向と前記音放出部によって形成される音放出面とが0度以上90度以下の角度をなすように前記スピーカユニットを支持するキャビネット(5)とを備え、前記風防カバー(3)は、前記音放出部の前記キャビネット側の端部に連結して前記音放出部が形成する面より前記風防カバーの外側に広がるように傾斜した突出部(22)を備えることを特徴とするスピーカ装置(100,200,300,400,500)。
    [0010]
    (c)前記風防カバー内と前記スピーカ装置外とで空気を流通させる通気孔19を備えることを特徴とする(a)または(b)に記載のスピーカ装置(100,200,300,400)。
    [0011]
    (d)前記キャビネットの側面と底面とを取り囲むように設けられており、前記スピーカ装置が移動した際に前記スピーカ装置の周囲を流れる空気を前記キャビネットの周りに流す風路(26)を備えることを特徴とする(c)に記載のスピーカ装置(100,200,300,400)。
    [0012]
    (e)前記風防カバー(3)の前記スピーカユニットと対向する面(3a)は、前記振動板に向かって凸となっていることを特徴とする(a)ないし(d)のいずれかに記載のスピーカ装置(400)。
    [0013]
    (f)振動板(6)を有するスピーカユニット(2)と、前記スピーカユニットを覆うと共に前記スピーカユニットが発する音を外部に放出するための音放出部(130)を有する風防カバー(3)と、前記風防カバーの底面に結合され前記スピーカユニットを支持するキャビネット(5)とを有するスピーカ装置(100,200,300,400,500)を取り付けるための取付体であり、前記キャビネットと所定の距離離間している凹部(105)を有し、前記キャビネットと前記凹部とで形成される空間は、前記スピーカ装置を取り付けた前記取付体が移動した際に前記スピーカ装置の周囲を流れる空気を前記キャビネットの周りに流す風路(26,108,201)となることを特徴とする取付体。
    【0014】
    (g)前記凹部に接着する状態で装着された支持体(106)を有し、前記風路は前記キャビネットと前記支持体との間に形成されていることを特徴とする(f)に記載の取付体。
    【0015】
    (h)前記キャビネットに接着する状態で前記凹部に設けられた支持体(107)を有し、前記風路は前記キャビネットと前記凹部との間に形成されていることを特徴とする(f)に記載の取付体。
    【0016】
    (i)前記取付体は移動体(101)のトランク(103)であることを特徴とする(f)ないし(h)のいずれかに記載の取付体。
    【0017】
    (j)(f)ないし(i)のいずれかに記載の取付体が取り付けられていることを特徴とする移動体(101)。
    【図面の簡単な説明】
    【0018】
    【図1】図1は、スピーカ装置を搭載した自動二輪車の側面図である。
    【図2】図2は、自動二輪車の要部を上方から見た概略図である。
    【図3】図3は、第1実施形態のスピーカ装置の対の斜視図である。
    【図4】図4は、第1実施形態のスピーカ装置の分解斜視図である。
    【図5】図5は、第1実施形態のスピーカ装置の正面図である。
    【図6】図6は、第1実施形態のスピーカ装置を図5のA−A線で切断した断面図である。
    【図7】図7は、周波数特性を示す図である。
    【図8】図8は、第1実施形態のスピーカ装置の風洞実験図である。
    【図9】図9は、第1実施形態のスピーカ装置の風洞実験図である。
    【図10】図10は、第1実施形態のスピーカ装置の風洞実験図である。
    【図11】図11は、突出部22を有していない場合の風洞実験図である。
    【図12】図12は、突出部22を有していない場合の風洞実験図である。
    【図13】図13は、突出部22を有していない場合の風洞実験図である。
    【図14】図14は、第1実施形態の取付体を示す縦断面図である。
    【図15】図15は、第1実施形態の取付体を用いた場合の風洞実験図である。
    【図16】図16は、第1実施形態の取付体を用いた場合の風洞実験図である。
    【図17】図17は、第1実施形態の取付体を用いた場合の風洞実験図である。
    【図18】図18は、第2実施形態の取付体を示す縦断面図である。
    【図19】図19は、第3実施形態の取付体を示す縦断面図である。
    【図20】図20は、第3実施形態のスピーカ装置を示す図である。
    【図21】図21は、第4実施形態のスピーカ装置を示す図である。
    【図22】図22は、第5実施形態のスピーカ装置を示す図である。
    【図23】図23は、第5実施形態のスピーカ装置の制御システムの概略構成図である。
    【図24】図24は、第5実施形態のスピーカ装置の動作説明図である。
    【発明を実施するための最良の形態】
    【0019】
    図1に、本発明の一実施形態であるスピーカ装置100を搭載した自動二輪車101の側面図を示す。 スピーカ装置100は、リアシート102の後方に設置されたトランク103の前面の左右両側に埋め込まれた状態で、図2、3に後述するように取り付けられている。 各スピーカ装置100は、自動二輪車101の前部カウリング104の内側に設置されたオーディオ機器39にケーブルを介して接続され、音量等がコントロールされる。
    【0020】
    図2は、自動二輪車101の要部を上方から見た概略図である。 スピーカ装置100は、リアシート102に着席しているリスナーLの左右両側に位置するように、トランク103に取り付けられている。
    【0021】
    図3にスピーカ装置100の対の斜視図を示す。 スピーカ装置100は、音放出窓13と突出部22とを有する風防カバー3と、風防カバー3の下端に接続されるキャビネット5とを備えている。 ここでの上下方向は、後述する図4における上下方向をいう。 スピーカ装置100の詳細は図4から図6を用いて後述する。
    【0022】
    また、スピーカ装置100は、図2に示したようにリアシート102の左右両側において、風防カバー3の音放出窓13の開口面が自動二輪車101の移動方向と略平行になるように自動二輪車101上に搭載されている。 後述するように自動二輪車101の走行に伴って生じる外気流が、音放出窓13から風防カバー3内に侵入しにくい構成となっている。
    【0023】
    図4にスピーカ装置100の分解斜視図を示す。 風防カバー3はダイキャストや射出成形等によって形成された中空状で、底面が開口している。 風防カバー3は、上面部30と、スリット状の音放出窓13が複数設けられている音放出部130と、音放出部130の下端部に一体的に形成された突出部22と、音放出部130及び突出部22の両側に形成された曲面状の側面部12とからなる。
    【0024】
    側面部12に沿って曲線を描く上面部30によって、DW方向から流れる空気の流れがスムーズになる。
    【0025】
    突出部22は、音放出部130の下端部と連結している端部(上側端部)から、その反対側であり風防カバー3の底面の一辺を構成している端部(先端部)に向かって傾斜をつけて設けられている。 傾斜は、先端部が音放出部130より風防カバー3の外側にあるような角度でつけられている。 更に、突出部22の先端部の一部には、切欠部21が形成されている。
    【0026】
    音放出窓13は角を落とした長方形であり、風防カバー3の底面に対して垂直方向に長い形状である。 音放出窓13は、音放出部130の長手方向に一定間隔をおいて配置されている。 なお音放出窓13は、本実施形態の形状に限定されることはなく網の目状のような他の形状でもよい。 更には、サランネットなどを音放出部130に設けてもよい。
    【0027】
    風防カバー3の底面には、キャビネット5が結合される。 キャビネット5は、開口している面を上面とする略箱形状で、上面はキャビネット5の底面に対して所定角度傾斜している面を有する。 キャビネット5の側壁14の外面には、外面に対して垂直に張り出したフランジ17が全周にわたって形成されており、フランジ17には、風防カバー3を固定するためのネジ(図示せず)がねじ込まれるネジ孔18が複数個形成されている。 更にフランジ17には、音放出窓13から風防カバー3内に流入した外気を外部に排出する、あるいは風防カバー3内部が負圧の場合に外部から空気を吸入する通気孔19(図6参照)を形成するための孔20が複数個形成されている。
    【0028】
    キャビネット5の側壁14の内面には、底面に対して垂直(上下方向)に延びる筒状のリブ15が複数本形成されている。 これらのリブ15には、スピーカ支持部4を固定するためのタッピングネジ16がねじ込まれる。
    【0029】
    スピーカ支持部4は矩形の板状のもので、中央部はスピーカユニット2を取り付ける(支持する)ことができるように開口している。 スピーカ支持部4の長手方向に平行な方向の両側端部は、互いに平行となるように折曲されてキャビネット5との取付部24を形成している。 取付部24には、長手方向に間隔をおいて貫通孔25が複数個形成されており、貫通孔25にはスピーカ支持部4をキャビネット5に取り付けるためのタッピングネジ16の軸部が貫通する。
    【0030】
    スピーカ支持部4の開口は、スピーカユニット2が装着され、開口の両側に設けられたネジ孔(図示せず)にネジ23を介してスピーカユニット2が固定されている。 スピーカユニット2は、ダイレクトドライブ方式のフルレンジ再生用のもので、振動板6を有している。
    【0031】
    振動板6は、振動板6の振動方向X(図6参照)から見て角を落とした長方形である。 振動板6には、振動時の変形を防ぎ、高品位の音が得られるよう、補強用の窪み9が長手方向に間隔をおいて複数個形成されている。
    【0032】
    キャビネット5を上端側から風防カバー3の底面の開口に押し込んで、図5に示すスピーカ装置100となる。 図5はスピーカ装置100の正面図である。
    【0033】
    スピーカ装置100を図5に示したA−A線で切断した断面図を図6に示す。
    【0034】
    図6に示すように、フランジ17が風防カバー3の底面の周縁部に当接するため、キャビネット5が風防カバー3に対して位置決めされる。 上面部30は、キャビネット5の底面及び音放出部130からから見て凸となるような円弧状の断面となっている。 図6における二点鎖線は、音放出部130によって形成される音放出面である。
    【0035】
    突出部22の先端部に設けられた切欠部21は、フランジ17に設けられた孔20と協働して通気孔19を形成している。 通気孔19を介して、風防カバー3内の空気が外部に吸引され、あるいは風防カバー3内に外部の空気が流入して、風防カバー3内の圧調整が促進される。
    【0036】
    スピーカユニット2の振動板6は、その外周部が環状のエッジ7を介してフレーム8に弾性支持され、矢印X方向に振動可能となっている。 振動板6の下端部にはボイスコイル10が全周にわたって接続されており、ボイスコイル10は磁気回路11に形成された磁気ギャップ内に遊挿されている。 ボイスコイル10に電流が流れると、振動板6が矢印X方向に振動して音波を発する。 振動板6が振動方向Xと直交する方向に細長く延びる形状(角を落とした長方形)に形成されたことで、スピーカユニット2は音波を長手方向の軸まわりに向けて放射状に発する指向特性となっており、高い能率と良好な周波数特性を得ることができる。
    【0037】
    スピーカユニット2は、磁気回路11がキャビネット5側に突出するようにスピーカ支持部4の開口に固定されている。 更にスピーカユニット2は、振動板6が音放出部130(音放出窓13)に対向していると共に、振動板6の振動方向Xが音放出部130に対して所定角度α傾斜した状態で対向するように、キャビネット5にスピーカ支持部4を介して支持されている。
    【0038】
    ここで、振動板6の振動方向Xの音放出部130に対する傾斜角度αは、以下のように定義した。 振動板6の振動方向Xがキャビネット5の底面に対して垂直であり、音放出部130と平行である場合をα=0度とし、振動板6の振動方向Xがキャビネット5の底面に対して平行であり、音放出部130に垂直である場合をα=90度とした。
    【0039】
    振動板6は、角度αが0度以上90度以下となるように設けることが必要である。 角度αを0度以上90度以下とすることにより、スピーカユニット2から出力される音波が、音放出部130より放出されやすい。
    【0040】
    続いて、0度から90度の間で角度αを変化させ、角度αが音に与える影響について検討した。 スピーカユニット2及びスピーカ支持部4を音放出部130に対して平行となるように順次近づけてキャビネット5で支持し、角度αを増大させた。
    【0041】
    角度αを0度とすると、振動板6が音放出部130に対して平行に振動するため、音の多くは風防カバー3で反射されて音放出部130より放出される。 従って、音放出部130から直接放出される音はごく一部となり、効率よく放出されない。 このことより、角度αは0度より大きいことが好ましい。
    【0042】
    また図2に示すように角度αを、音の放出方向が概ねリスナーLの頭部の方向となるように設定することが好ましい。 従って角度αを90度とすると、音は音放出部130に対して垂直に放出されるので、リスナーLに対して真横から音が放出されることとなり、聴取が良好でない。 従って、角度αは90度より小さいことが好ましい。
    【0043】
    図7に角度αが30度〜60度の場合の周波数特性を示す。 図7の横軸は周波数[Hz]、縦軸は増幅度[dB]である。
    【0044】
    図7より、3kHz付近において40dB程度に落ちこんでいた増幅度が、角度αが増大して90度に近づくと80dB程度となり、改善される傾向にあることが判明した。 特に、α=60度付近が最も音質が良好となるため好ましい。 従って、振動板6の振動方向Xの音放出部130に対する傾斜角度αが大きくなるように、スピーカ支持部4を音放出部130に対して平行に近づけるように傾斜させて配置すると、良好な音が得られて好ましい。 特に、角度αを50度より大きくすると周波数特性も改善されて好ましい。
    【0045】
    以上のことより振動板6は、音放出部130に対して0度以上90度以下の角度αを有するように取り付けられることが、必要である。 更に、振動板6の振動方向Xを音放出部130に対して0度より大きく90度より小さい角度αを有するように傾斜させることで、音響的により良い音質と充分な音量で音を音放出窓13から放出することが可能となる。 なかでも、50度より大きく90度より小さい角度αであると、周波数特性の改善もでき音質が良好となる。
    【0046】
    本実施形態では図6に示すように、上面部30の音放出部130側の端部が、振動板6の音放出部130側の端部より外側に位置する。 こうすることで風防カバー3が振動板6を完全に覆うため、自動二輪車101の走行に伴って生じる外気流の振動板6に対する影響を小さくすることができる。
    【0047】
    従って、上面部30の音放出部130側の端部が、振動板6の音放出部130側の端部より外側となるように音放出部130を設けることが好ましい。 本実施形態では、音放出部130とキャビネット5の側面とを一直線上になるように形成した。
    【0048】
    ところで、スピーカ装置100をトランク103の一部に埋め込むように設置する場合、トランク103の容量はスピーカ装置100の分だけ容量が小さくなる。 トランク103の容量確保のため、キャビネット5の容量にも制限がある。 上記したようにスピーカユニット2を音放出部130に対して角度α傾斜させて配置することで、キャビネット5の内容積をより増加させることができる。 このようにすることで、低音特性が良好となり、リスナーに対して高音質の音楽を提供することができる。
    【0049】
    図8から図10は、自動二輪車101の走行に伴って図4に示すDW方向からの風を受けたスピーカ装置100の、周辺に生じる気流の状態をベクトルで示した図である。 黒い部分は気流、白い部分は無風の状態を表している。 なお、図8は風速50km/h、図9は風速100km/h、図10は風速180km/hの場合を示す。
    【0050】
    いずれの風速の場合も風防カバー3内に侵入する気流は弱く、その方向はスピーカユニット2の振動板6の振動方向Xとほとんど一致していないため、振動板6が風圧によって押されにくい状態であることがわかる。
    【0051】
    図11から図13は、風防カバー3が突出部22を有していない場合を示しており、図11は風速50km/h、図12は風速100km/h、図13は風速180km/hの場合を示す。 いずれの風速の場合も風防カバー3内に侵入する気流は弱く、振動板6が風圧によって押されにくい状態であるが、先述した突出部22を有している本実施形態のスピーカ装置100を用いた場合に比べて、風防カバー3内の流量が増加している。
    【0052】
    以上より、スピーカ装置100は突出部22を設けることで、風防カバー3内に侵入する気流が弱くなることが判明した。
    【0053】
    本実施形態のスピーカ装置100は、図4に示すDW方向からの風を受けると、突出部22が傾斜しているため、風防カバー3に沿った風の流れ(気流)は突出部22で増速される。 また、突出部22で増速された気流により、突出部22の切欠部21が構成する通気孔19を通じて風防カバー3内の空気の出入りが促進される。
    【0054】
    上記の特徴により、風防カバー3内の空気が通気孔19を介して外部に吸引され、通気孔19による風防カバー3内の空気の圧力調整が適切に行われる。 従って、スピーカユニット2に作用する風圧を小さくでき、振動板6が押し込まれて音が出にくくなったり、ボイスコイルが熱破壊されたりすることを、より効果的に防ぐことができる。
    【0055】
    図14(a)、(b)は本発明の第2実施形態であるスピーカ装置200を自動二輪車101に取り付けるための本発明の取付体の第1実施形態を示す縦断面図である。 図15から図17は、第1実施形態の取付体における風洞実験結果を示す図である。 図6のスピーカ装置100と同一部分には同一の符号を付し、その説明を省略する。
    【0056】
    図14(a)、(b)に示したスピーカ装置200は、キャビネット5の背面側側面と上面30との空間40が埋められている。
    【0057】
    図14(a)に示すように第1実施形態の取付体は、トランク103に形成された凹部105と、凹部105に接着する状態で装着されるスピーカ装置支持部106とを備える。 スピーカ装置支持部106は、スピーカ装置200のキャビネット5の側面と底面を取り囲むようにかつ、キャビネット5とスピーカ装置支持部106とが所定の距離離間するようにスピーカ装置200を支持する。
    【0058】
    キャビネット5とスピーカ装置支持部106との間に形成された空間は、自動二輪車101が移動する際に突出部22の外面に沿って流れる空気をキャビネット5の正面側から底面を経て背面側へと導く風路26として作用する。
    【0059】
    なお、スピーカ装置支持部106とスピーカ装置200とを一体的に形成してから、凹部105に装着してもよい。 スピーカ装置200は例えば、スピーカ装置支持部106に図4の側面方向の両端部の少なくとも一方で支持されている。
    【0060】
    図14(b)は、スピーカ装置200を第1実施形態の取付体を用いて自動二輪車101に取り付けた図である。
    【0061】
    図15から図17は第1実施形態の取付体によって自動二輪車101に取り付けられたスピーカ装置200周辺の気流の状態を示しており、図15は風速50km/h、図16は風速100km/h、図17は風速180km/hの場合である。
    【0062】
    図15から図17より、第1実施形態のスピーカ装置100のみで風路26を設けていない図8から図10の場合と比較して、風防カバー3内の流量が更に減少していることがわかる。
    【0063】
    従って、キャビネット5の側面と底面とを取り囲み、キャビネット5と所定の距離離間するようにスピーカ装置支持部106でスピーカ装置200を支持すると、キャビネット5とスピーカ装置支持部106との間に形成された風路26によって、突出部22の外面に沿う気流がよりスムーズに流れるようになって風防カバー3内の空気が通気孔19より吸引されやすくなり、風防カバー3内の圧力調整がより促進される。
    【0064】
    なお、第1実施形態の取付体及び後述する他の実施形態の取付体では第2実施形態のスピーカ装置200を取り付けた例を示したが、取り付けられるスピーカ装置は、第1実施形態のスピーカ装置100でもよく、後述する他の実施形態のスピーカ装置でもよい。
    【0065】
    図18(a)に、第2実施形態の取付体の縦断面図を示す。 図14と同一部分には同一の符号を付し、その説明を省略する。 第2実施形態の取付体は、トランク103に形成された凹部105と、スピーカ装置200を支持するためのスピーカ装置支持部107とを備える。 スピーカ装置支持部107は、凹部105と所定の距離離間するように設けられていて、キャビネット5に接着する状態でスピーカ装置200を支持する。 スピーカ装置支持部107と凹部105との間に形成された空間は風路108として作用する。 風路108は、図14(a)に示した風路26と同様の効果を奏する。
    【0066】
    スピーカ装置支持部107は、キャビネット5が収まるような寸法であり、その側面は通気孔19からの空気の流れを妨げない高さで設けられている。 スピーカ装置支持部107は、例えばトランク103の上下端部の少なくとも一方で支持されている。
    【0067】
    図18(b)はスピーカ装置200を第2実施形態の取付体を用いて自動二輪車101に取り付けた図である。
    【0068】
    図19(a)に、第3実施形態の取付体の縦断面図を示す。 図14と同一部分には同一の符号を付し、その説明を省略する。 第3実施形態の取付体は、トランク103に形成された凹部105と、トランク103の上下端部の少なくとも一方に設けられているスピーカ装置支持部(図示せず)とを備える。 スピーカ装置支持部はスピーカ装置200を、凹部105の内面がキャビネット5の側面と底面とを取り囲み、かつ所定の距離離間するように支持する。 キャビネット5と凹部105との間に形成された空間は風路201として作用する。 風路201は、図14(a)に示した風路26と同様の効果を奏する。
    【0069】
    図19(b)は、スピーカ装置200を第3実施形態の取付体を用いて自動二輪車101に取り付けた図である。
    【0070】
    次に、図20に本発明の第3実施形態であるスピーカ装置300の縦断面図を示す。 図6のスピーカ装置100と同一部分には同一の符号を付し、その説明を省略する。
    【0071】
    スピーカ装置300では、キャビネット5の内部と風防カバー3の内部とを連通する貫通孔28がキャビネット5の背面側の側壁14に設けられている。
    【0072】
    このような貫通孔28を設けると、意図せずスピーカユニット2の振動板6が風圧で押し込まれたときに、キャビネット5内の空気圧の増加分を風防カバー3内に逃がすことができる。 そのため音質低下等の不具合が生じるのを防ぐことができ、信頼性が向上する。
    【0073】
    また、この場合、貫通孔28をバスレフ効果も生じるように形成しておくと、低音特性が改善されて音質が向上するので好ましい。
    【0074】
    なお、キャビネット5内の空気圧の大きさに応じて動作する弁を貫通孔28に設けておき、通常時はこの弁によって貫通孔28を塞ぎ、振動板6が押し込まれてキャビネット5内の空気圧が高くなった場合にのみ貫通孔28が開くようにしてもよい。
    【0075】
    図21に、本発明の第4実施形態であるスピーカ装置400の縦断面図を示す。 図6のスピーカ装置100と同一部分には同一の符号を付し、その説明を省略する。
    【0076】
    スピーカ装置400では、上面部30の外面部3bは他の実施形態と同様にキャビネット5の底面から見て断面が上(外側)に凸となる略円弧状、内面部3aは振動板6(内側)に向かって断面が凸となる略円弧状となるように形成した。
    【0077】
    外面部3bは、他の実施形態と同様に外気が流れやすくて風切り音が生じにくい形状である。 また内面部3aは、断面が内側に凸となる略円弧状としたことで、スピーカユニット2が発する音波が音放出窓13に向けてより反射されやすくなり、音圧が高くなると共に聴感上の特性(音質や音量)も良好となる。
    【0078】
    続いて、本発明の第5実施形態であるスピーカ装置500について説明する。 図22は第5実施形態のスピーカ装置500の縦断面図、図23はスピーカ装置500の制御システムの概略構成図、図24はスピーカ装置500の動作説明図である。 図6のスピーカ装置100と同一部分には同一の符号を付し、その説明を省略する。
    【0079】
    スピーカ装置500では、図22に示すように、音放出窓13を開閉するためのシャッター29を設ける。 シャッター29は上下方向dsに移動可能に風防カバー3に支持され、ギア等の適宜の動力伝達部材30を介してモータ31に接続されている。 モータ31を駆動すると、シャッター29は上下方向dsに移動する。 スピーカ装置500近傍には、後述する風圧センサ36が設置されているが、ここでは図示していない。
    【0080】
    シャッター29は、図23に示す制御システムによって開口量が調節され、スピーカ装置500の音量も種々の条件に応じて調節される。
    【0081】
    図23に示すように、モータ31はアンプ32を介して開口量演算制御部33に接続され、スピーカ装置500はアンプ34を介して音量演算制御部35に接続されている。 開口量演算制御部33と音量演算制御部35とは互いに接続しており、開口量演算制御部33及び音量演算制御部35は、CPU、RAM、ROM等を含むマイクロコンピュータにより構成されている。 更に開口量演算制御部33はスピーカ装置500近傍に設置された風圧センサ36に接続され、音量演算制御部35はオーディオ機器39に接続されている。
    【0082】
    開口量演算制御部33は、風圧センサ36から入力される信号及びROM等に記憶されたプログラムに基づいてモータ31を制御し、シャッター29の開口量を調節する。 また、開口量を示す信号を音量演算制御部35に出力する。
    【0083】
    音量演算制御部35は、オーディオ機器39からオーディオ信号37が入力される。 また音量演算制御部35は、開口量演算制御部33から入力された信号(開口量)及びROM等に記憶されたプログラムに基づいて、スピーカ装置500を制御して出力される音量を調節する。
    【0084】
    本実施形態では、風圧センサ36でスピーカ装置500近傍の風圧を検知し、風圧が大きくなるほどシャッター29の開口量を小さくするように制御している。 このようにすることで、振動板6が風圧で押されるのをより確実に防ぐことができる。 更に、風圧がある所定値を超えるとシャッター29を完全に閉じるように制御すると、振動板6が風圧で押されることを防ぐ効果をあげることができる。 このとき併せて、スピーカ装置500への音声信号の出力を停止するようにすると、無駄な電力の消費を防ぐことができる。
    【0085】
    なお、風圧センサ36に代えて、風圧を類推することができる物理量を検知するセンサ(例えば車速センサ)を用いるようにしても、同様の効果を得ることができる。
    【0086】
    更に本実施形態では、シャッター29の開口量が小さくなるほど音量が大きくなるように制御している。 シャッター29の開口量が小さくなるほど、音が外部に放出されにくくなり風切り音が大きくなるが、音量を大きくすることで、リアシート102に着席したリスナーLがスピーカ装置500の再生音を聞きにくくなることがない。
    【0087】
    また、オーディオ機器39のスイッチがオンのときにのみシャッター29を開き、スイッチがオフのときにはシャッター29を完全に閉じるようにすると、振動板6が風圧で押されるのを完全に防ぐことができる。 更に、オーディオ機器39を使用していない時にスピーカ装置500内に異物が侵入し、スピーカユニット2が破損されるのを防ぐことができる。
    【0088】
    なお、スピーカ装置500は、モータ31を少なくとも備えていればよく、アンプ32、開口量演算制御部33、アンプ34、音量演算制御部35はこれら全ての手段又はいずれかの手段を備えていればよい。
    【0089】
    図24(a)にシャッター29がキャビネット5の底面の方向(下方向)に移動し、音放出窓13が完全に開放された状態を示し、図24(b)にシャッター29が上方向に移動し音放出窓13が完全に閉鎖された状態を示す。
    【0090】
    以上、具体例を挙げて本発明のスピーカ装置及び取付体の各実施形態について説明したが、本発明は上記の各実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で上記の各実施形態に種々の改変を施すことができる。 また、各実施形態を適宜組み合わせてもよい。 スピーカ装置100、200、300、400、500(以下、各スピーカ装置)は、トランク103に取り付けられることに限らず、リアシート102やその近傍に設置されていてもよい。
    【0091】
    また、各スピーカ装置の適用形態も自動二輪車等の移動体に限らず、防災用として例えば海岸において、台風等の強い海風に抗して音声情報を提供する際にも適用できる。 各スピーカ装置の風防カバー3を風上側に向け、風の吹く方向と音放出窓13の開口面とが略平行になるように設置することで、スピーカユニット2が強烈な風圧により破壊されることなく、相応の音量と明瞭な音質とで音声情報を提供することができる。
    【0092】
    以上説明した本発明の各実施形態のスピーカ装置は、風防カバー3を設けたことで、振動板6が風圧で押し込まれて音が出にくくなったり、ボイスコイル8が熱破壊したりするのを防ぐことができる。 また、突出部22、通気孔19を設けたり、取付体と共に風路26、108、201を形成したことで周波数特性等の改善がなされ、音質が向上した。
    【産業上の利用可能性】
    【0093】
    本発明によれば、スピーカ装置は大きな風圧や強風の下でも使用でき、高音質の音を再生することができる。

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