Film partial cutter

申请号 JP2009256925 申请日 2009-11-10 公开(公告)号 JP2010137559A 公开(公告)日 2010-06-24
申请人 Fuji Yuatsu Seiki Kk; Sanki Eng Co Ltd; 三機工業株式会社; 富士油圧精機株式会社; 发明人 OKUMA ATSUSHI; KIJIMA OSAMU;
摘要 PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a film partial cutter for cutting automatically and partially a folding margin of a film cover bonded on a surface of a booklet. SOLUTION: This film partial cutter 500 cuts partially the folding margin 12 in the film cover 10 under a condition bonded on the surface of the booklet 20 and having the folding margin 12 projected from a surface edge part of the booklet 20. The film partial cutter 500 includes a corner removing cutter 572, as a corner cutter, for cutting circular-arc-shapedly a corner part of the folding margin 12. COPYRIGHT: (C)2010,JPO&INPIT
权利要求
  • 冊子類の表面に貼り付けられるとともに当該冊子類の表面縁部から折り代が張り出した状態のフィルムカバーに対し、前記折り代を部分的に切断するためのフィルム部分カット装置であって、
    前記折り代のコーナー部分を円弧状に切り取るコーナー除去カッタを備えたことを特徴とするフィルム部分カット装置。
  • 冊子類を中身とおもて表紙とうら表紙の3つに分けて、開いたままの姿勢で搬送しながら冊子類の表面にフィルムカバーを貼り付けるシステムの途中に設置され、
    冊子類の表面に貼り付けられると共に当該冊子類の表面縁部から折り代が張り出した状態のフィルムカバーに対し、折り代を部分的に切断するためのフィルム部分カット装置であって、
    冊子類表面縁部から張り出した折り代のコーナー部分を、表面側から表紙支持ガイドで押えながら、中身側からフィルムカバーのコーナー部分を円弧状に切り取るコーナー除去カッタを備えたことを特徴とするフィルム部分カット装置。
  • 更に、前記コーナー除去カッタにより切り取られるフィルムカバーの切断片を貼り付け保持する切断片保持盤を備えたことを特徴とする請求項1又は2のフィルム部分カット装置。
  • 前記切断片保持盤は、外周縁が前記フィルムカバーの折り代コーナー部分を切断する円弧軌道に対応して円周状に形成してあり、
    前記コーナー除去カッタは、前記切断片保持盤の外周縁に沿って移動し、前記フィルムカバーの折り代コーナー部分を円弧状に切断することを特徴とする請求項3のフィルム部分カット装置。
  • 前記コーナー除去カッタ及び前記切断片保持盤は、一体となって動くコーナーカット装置に組み込まれており、当該コーナーカット装置を移動させる駆動機構を含むことを特徴とする請求項3又は4に記載のフィルム部分カット装置
  • 更に、前記フィルムカバーの切断片の前記切断片保持盤に対する貼付力よりも大きな貼付力をもって当該フィルムカバーの切断片を貼り付け、前記切断片保持盤から引き剥がす切断片回収手段を含み、
    前記駆動機構は、前記切断片回収手段にフィルムカバーの切断片を受け渡し可能な位置まで前記切断片保持盤を移動させる構成であることを特徴とする請求項5のフィルム部分カット装置。
  • 前記切断片回収手段は、供給側リールと、巻取り側リールと、前記供給側リールに巻回された切断片貼付テープと、前記巻取りリールを回転駆動するテープ巻取シリンダとを含み、
    前記切断片貼付テープには、フィルムカバーに塗布された粘着剤よりもさらに粘着力の強い粘着剤が塗布されており、
    前記テープ巻取シリンダにより前記巻取りリールを回転駆動して、前記切断片貼付テープを前記供給側リールから前記巻取り側リールへ移送するとともに、これら各リールの中間部でフィルムカバーの切断片を前記切断片保持盤から前記切断片貼付テープへ移行させる構成であることを特徴とする請求項6のフィルム部分カット装置。
  • 冊子類がジャケットを有している場合、前記冊子類の背部近傍において当該冊子類の表面縁部から張り出したフィルムの折り代を切断し、当該背部近傍の折り代背折り部をジャケットに折り込むため、背部切断カッタを備えたことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載のフィルム部分カット装置。
  • 機構本体と、この機構本体を移動させる移動手段と、前記機構本体に軸方向への移動自在に支持された棒状のカッタアームと、このカッタアームを軸方向へ駆動するカッタアーム伸縮モータとを含むカッタアーム機構を備え、
    前記カッタアームの先端に、前記背部切断カッタが設けられており、
    前記機構本体に対する前記カッタアームの軸方向移動と、前記機構本体の移動とにより、前記背部切断カッタを前記冊子類の表面縁部から張り出したフィルムの折り代に対して位置決めし、且つ、前記機構本体の移動に伴い当該背部切断カッタによってフィルムの折り代を切断する構成であることを特徴とする請求項8のフィルム部分カット装置。
  • 说明书全文

    この発明は、本などの冊子類の表面に貼り付けたフィルムカバーの折り代を、部分的に切断するためのフィルム部分カット装置に関し、特にフィルムカバーを冊子類の表紙に自動的に貼付けるフィルムカバー貼付けシステムに好適なフィルム部分カット装置に関する。

    本などの冊子類の損傷を防ぐため、樹脂製フィルムからなるカバーを冊子類の表面に貼り付けることが行われている。 この種の冊子類の保護に用いられるフィルムカバーとしては、例えば、特許文献1に開示されているようなものがある。
    従来、冊子類の表面へのフィルムカバーの貼付け作業は、もっぱら手作業で行われていた。 したがって、例えば、図書館から注文のあった大量の本に、フィルムカバーを貼り付けて納品するには、多くの作業員の手を借りて貼り付け作業を行わなければならず、きわめて非効率であった。 また、最近では個人の購入者からもフィルムカバー貼付けサービスの希望が増えており、フィルムカバー貼付け作業の効率化を図りたいという要望が寄せられていた。

    本発明者らはこのような事情に鑑みて、各種サイズの冊子類の表面に樹脂製のフィルムカバーを自動的に貼り付けるフィルムカバー貼付けシステムの開発を進めてきた。 そして、当該フィルムカバー貼付けシステムに好適なフィルム部分カット装置を完成するに至った。

    特開平6−92063号公報

    すなわち、本発明は、各種サイズの冊子類の表面に樹脂製のフィルムカバーを自動的に貼り付けるフィルムカバー貼付けシステムに好適であって、冊子類の表面に貼り付けたフィルムカバーの折り代を、部分的に自動切断することのできるフィルム部分カット装置の提供を目的とする。

    上記目的を達成するために、本発明は、冊子類の表面に貼り付けられるとともに当該冊子類の表面縁部から折り代が張り出した状態のフィルムカバーに対し、折り代を部分的に切断するためのフィルム部分カット装置であって、
    折り代のコーナー部分を円弧状に切り取るコーナー部除去カッタを備えたことを特徴とする。

    具体的には、冊子類を中身とおもて表紙とうら表紙の3つに分けて、開いたままの姿勢で搬送しながら冊子類の表面にフィルムカバーを貼り付けるシステムの途中に設置され、
    冊子類の表面に貼り付けられると共に当該冊子類の表面縁部から折り代が張り出した状態のフィルムカバーに対し、折り代を部分的に切断するためのフィルム部分カット装置であって、
    冊子類表面縁部から張り出した折り代のコーナー部分を、表面側から表紙支持ガイドで押えながら、中身側からフィルムカバーのコーナー部分を円弧状に切り取るコーナー除去カッタを備えたことを特徴とする。

    このように構成することで、コーナー部除去カッタを円弧状に移動させるだけの単純な動作で、フィルムカバーの折り代コーナー部分を切り取ることができ、動作の効率化ひいては迅速化を実現することができる。

    更に、本発明は、コーナー部除去カッタにより切り取られるフィルムカバーの切断片を貼り付け保持する切断片保持盤を備えた構成とすることが好ましい。
    かかる構成とすれば、コーナー部除去カッタにより切り取られるフィルムカバーの切断片を、切断片保持盤によって貼り付け保持するので、当該切断片が飛散して装置の内部や周囲を汚損することがなく、最適な動作環境下でフィルムカバーの自動切断を繰り返し実行することが可能となる。

    ここで、切断片保持盤は、外周縁がフィルムカバーの折り代コーナー部分を切断する円弧軌道に対応して円周状に形成し、
    コーナー部除去カッタは、切断片保持盤の外周縁に沿って移動し、フィルムカバーの折り代コーナー部分を円弧状に切断する構成とすることができる。
    更に、コーナー部除去カッタおよび切断片保持盤は、一体となって動くコーナーカット装置に組み込まれており、当該コーナーカット装置を移動させる駆動機構を含む構成とすることができる。

    更に、本発明は、フィルムカバーの切断片の切断片保持盤に対する貼付よりも大きな貼付力をもって当該フィルムカバーの切断片を貼り付け、切断片保持盤から引き剥がす切断片回収手段を含み、
    上記駆動機構が、切断片回収手段にフィルムカバーの切断片を受け渡し可能な位置まで切断片保持盤を移動させる構成とすることができる。

    かかる構成とすれば、切断片保持盤によって貼り付け保持した切断片を、適宜、切断片回収手段により回収することで、切断片保持盤が常時支障なくフィルムカバーの切断片を貼り付け保持することが可能となる。

    切断片回収手段は、供給側リールと、巻取り側リールと、供給側リールに巻回された切断片貼付テープと、巻取りリールを回転駆動するテープ巻取シリンダとを含み、
    切断片貼付テープには、フィルムカバーに塗布された粘着剤よりもさらに粘着力の強い粘着剤が塗布されており、
    テープ巻取シリンダにより巻取りリールを回転駆動して、切断片貼付テープを供給側リールから巻取り側リールへ移送するとともに、これら各リールの中間部でフィルムカバーの切断片を切断片保持盤から切断片貼付テープへ移行させる構成とすることができる。

    さらに、冊子類がジャケットを有している場合にあっては、冊子類の背部近傍において当該冊子類の表面縁部から張り出したフィルムの折り代を切断し、当該背部近傍の折り代背折り部をジャケットに折り込むため、背部切断カッタを備えることが好ましい。

    ここで、本発明は、機構本体と、この機構本体を移動させる移動手段と、機構本体に軸方向への移動自在に支持された棒状のカッタアームと、このカッタアームを軸方向へ駆動するカッタアーム伸縮モータとを含むカッタアーム機構を備え、
    カッタアームの先端に、背部切断カッタが設けられており、
    機構本体に対するカッタアームの軸方向移動と、機構本体の移動とにより、背部切断カッタを冊子類の表面縁部から張り出したフィルムの折り代に対して位置決めし、且つ、機構本体の移動に伴い当該背部切断カッタによってフィルムの折り代を切断する構成とすることができる。

    本発明のフィルム部分カット装置によれば、冊子類の表面に貼り付けたフィルムカバーの折り代を、部分的に自動切断することができ、フィルムカバー貼付けシステムに組み込めば、各種サイズの冊子類の表面に樹脂製のフィルムカバーを自動的に貼り付けることが可能となる。

    本実施形態に係るフィルムカバー貼付けシステムによるフィルムカバーの貼付け手順の概要を示す図である。

    本実施形態に係るフィルムカバー貼付けシステムの全体構成図である。

    本実施形態に係るフィルムカバー貼付けシステムによりフィルムカバーを貼り付けていく各工程を示す流れ図である。

    本実施形態に係るフィルム部分カット装置の背カット装置を示す正面図である。

    図4のA方向から見た拡大側面図である。

    図5のB−B線断面図である。

    本実施形態に係る背カット装置のブロック図である。

    本実施形態に係る背カット装置の上流側の切り込み動作を示すフローチャートである。

    上流側の切り込み動作に続いて行う下流側の切り込み動作を示すフローチャートである。

    背カット装置が上流側のフィルムに切り込みを入れる動作を順に示した側面図である。

    本実施形態に係るフィルム部分カット装置のコーナーカット装置を示す正面図である。

    (a)は図11のC部の拡大図、(b)は(a)をD方向から見た側面図、(c)は(a)のE−E線側面断面図、図12(d)は要部概略図である。

    本実施形態に係るコーナーカット装置の切断片処理装置を示す正面図である。

    (a)は切断片処理装置の上面図、(b)は切断片処理装置の側面図である。

    図14(a)のF部拡大図であり、(a)はラックギアの前進時、(b)はラックギアの後退時である。

    本実施形態に係る切断片処理装置による切断片の貼り付け状態を示す概略図である。

    本実施形態に係るコーナーカット装置のブロック図である。

    本実施形態に係るコーナーカット装置のメインルーチンを示すフローチャートである。

    図18の上流側コーナー部分検出ルーチンを示すフローチャートである。

    コーナー部分を検出する動作を示す概略側面図である。

    図18の上流側コーナーカットルーチンを示すフローチャートである。

    図18の下流側コーナー部分検出ルーチンを示すフローチャートである。

    図18の下流側コーナーカットルーチンを示すフローチャートである。

    図18の切断片処理ルーチンを示すフローチャートである。

    以下、この発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
    本実施形態に係るフィルム部分カット装置500は、各種サイズの冊子類の表面にフィルムカバー10を自動的に貼り付けるフィルムカバー貼付けシステムに組み込まれている。 なお、本実施形態では、フィルムカバー10の貼付け対象となる冊子20として、表面がジャケット30で覆われた本を採用しているが、これに限定されるものではなく背部分で綴られた形態の各種冊子類を貼付け対象にできることは勿論である。

    図1(a)〜(c)は、フィルムカバー貼付けシステムによるフィルムカバーの貼付け手順の概要を示している。
    フィルムカバー(以下、フィルムということもある)10は、柔軟性を有する透明な樹脂製フィルムからなり、片面に粘着剤が塗布されている。 樹脂製フィルムは、粘着剤の塗布面に剥離紙が貼り付けてあり、帯状の状態でリールに巻回されている。 フィルムカバー10は、この帯状の樹脂製フィルムを剥離紙から剥がし、貼付け対象となる冊子20のサイズに応じて切断した後、冊子20の表面に貼り付けられる。

    図1(a)に示すように、フィルム10は、粘着面が冊子20の表面にあたる「おもて表紙21」「うら表紙22」「背23」の三面に、ジャケット30の表面から貼り付けられる。 ここで、冊子20の表面における「小口24」「天25」「地26」の各端縁からは、フィルム10の折り代12を張り出してある。

    次に、図1(b)に示すように、フィルム10の折り代12に対して、そのコーナー部分を切断するとともに、ジャケット30の背33を中間にしてその両近傍部分に切り込み15が入れられる。
    続いて、図1(c)に示すように、冊子20の小口24の端縁から張り出したフィルム10の折り代12が、各表紙21、22の裏面側に折り込まれる。 ジャケット30の背33部分には、切り込み15によって折り代12から切り離された背折り部10cが、裏面側へ折り込まれる。 さらに、冊子20の天25、地26の端縁から張り出した折り代12も、各表紙21、22の裏面側に折り込まれる。 このようにして、冊子20の表面がフィルムカバー10によって被覆された形態が完成する。

    図2は、フィルムカバー貼付けシステムの全体構成図、図3は、フィルムカバー貼付けシステムによりフィルムカバーを貼り付けていく各工程を示す流れ図である。
    図2に示すように、本実施形態のフィルムカバー貼付けシステムは、次の各部、各装置を備えている。
    (1)装置貼付け対象となる冊子20の供給部100
    (2)供給された冊子20の寸法測定装置101
    (3)フィルムカバー用のフィルム10を切断して供給するフィルム供給装置200
    (4)冊子20の表面に対するフィルム10の貼付け装置(表面貼付け装置300)
    (5)冊子20を自動搬送する搬送装置400
    (6)ジャケット30の背33に折り込まれるフィルム10の背折り部10cを形成する背カット装置510
    (7)フィルム10のコーナー部分を円弧状に切断するコーナーカット装置550
    (8)冊子20の小口24の端縁でフィルム10を折り返す小口折込み装置600
    (9)ジャケット30の背33に対して、背折り部10cを端縁から裏面側に折り返す背折込み装置700
    (10)冊子20の部に残存するフィルム10の突き出しをなくすコーナー仕舞装置800
    (11)冊子20の天25、地26の端縁でフィルム10を裏面側に折り返す天地折込み装置900
    (12)フィルムカバー10が貼り付けられた冊子20を排出する排出部999

    〔システム全体構成〕
    次に、図3を参照して、フィルムカバー貼付けシステムによりフィルムカバーを貼り付けていく各工程の概要を説明する。
    供給部100からは、作業員の手作業をもって冊子20が投入され、寸法測定装置101の第1測定部110に配置される。 第1測定部110では、冊子20の厚さと、冊子20の背23から小口24までの長さとが計測される。 次いで、冊子20は第2測定部120まで搬送され、第2測定部120では、冊子20の天25、地26間の寸法と、冊子20の中身27の厚さと、冊子20の表紙の厚さとが計測される。 寸法測定が終了した冊子20は、フィルム供給装置200の一部で、剥離紙11を剥離しリールから切り出されたフィルムが、フィルムカバー10として供給されるフィルム供給位置201の上方へと搬送される。

    本実施形態のフィルムカバー貼付けシステムには、各種サイズの冊子類がランダムに供給されてくる。 そこで、まず寸法測定装置101において供給されてきた冊子20の寸法を測定し、この測定データに基づいて、下流に設置してある各装置について構成要素の位置や動作等を調整している。

    フィルム供給装置200では、帯状の樹脂製フィルムをリールから引き出し、粘着面に貼り付けてある剥離紙11を剥離した後、寸法測定装置101からの寸法情報により、貼付け対象となる冊子20の外形寸法に合わせて切断し、フィルム供給装置200の後段部分であり、かつ切り出したフィルム10を寸法測定測定装置101から搬送されてくる冊子20と位置合わせして表面貼付け装置300の準備段階とするフィルム供給位置201へ配置する。 このようにフィルム供給位置201へ配置されたフィルムがフィルムカバー10となる。

    表面貼付け装置300では、寸法測定装置101からの寸法情報により、フィルム供給位置201と冊子20との位置関係を調整後、フィルムカバー10に交差するように冊子20を下降させながら、冊子20の表面にフィルム10を貼り付けていく。 ここで、冊子20の表面にあるおもて表紙21、うら表紙22、背23の三面にフィルム10が貼り付けられる。 表面にフィルム10が貼り付けられた冊子20は、搬送装置400により背カット装置500へ搬送される。

    背カット装置510は、本実施形態のフィルム部分カット装置500に含まれる装置である。 この背カット装置510は、冊子20の天25、地26から張り出すフィルム10の折り代12に対し、背23の近傍から切り込み15を入れて、ジャケット30の背33に折り込まれるフィルム10の背折り部10cを形成する。 背折り部10cが形成された冊子20はコーナーカット装置550へ搬送される。

    コーナーカット装置550は、背カット装置510と同様に、フィルム部分カット装置500に含まれる装置である。 このコーナーカット装置550は、冊子20の表面縁部から張り出したフィルム10のコーナー部分を円弧状に切断するとともに、切断したフィルム10の切断片16を回収する。 フィルム10のコーナー部分が切断された冊子20は小口折込み装置600へ搬送される。

    小口折込み装置600では、冊子20の小口24から張り出すフィルム10の折り代12を、各表紙21、22の小口24端縁で折り返し、当該表紙21、22の裏面側へ貼り付ける。 小口24側のフィルム10を折り込んだ後、冊子20は背折込み装置700へ搬送される。

    背折込み装置700では、背カット装置510で形成されたフィルム10の背折り部10cを、ジャケット30の背33に対して端縁から折り返し、当該背33の裏面側へ貼り付ける。 このとき、冊子20の背23とジャケット30との間に隙間をつくり、その隙間から背折り部10cをジャケット30の裏面側へ折り返している。 背折り部10cを折り込んだ後、冊子20はコーナー仕舞装置800へ搬送される。

    コーナー仕舞装置800では、小口24でフィルム10を折り返したとき、冊子20の角部にフィルム10の折返し端が突き出して残存することがあるため、この折返し端を押し潰して角部の突き出しをなくす。 冊子20の角部にフィルム10の突き出しが残存すると、冊子20の所有者がその突き出しにより手や肌を引っ掻いて傷つくおそれがある。 コーナー仕舞装置800はそのような不都合を解消する機能を有している。 フィルム10の突き出しを無くした後、冊子20は天地折込み装置900へ搬送される。

    天地折込み装置900では、冊子20の各表紙21、22の天25、地26から張り出すフィルム10の折り代12を、当該天25、地26の端縁で折り返し、表紙の裏面側へ貼り付ける。 これにより冊子20に対するフィルム10の貼付けが完了する。 フィルム10の貼付けが完了した冊子20は排出部999へと搬送され、排出部999から排出される。

    〔フィルム部分カット装置〕
    次に、このフィルムカバー貼付けシステムに設けられたフィルム部分カット装置500について詳細に説明する。 本実施形態では、フィルム部分カット装置500を、図2に示した背カット装置510とコーナーカット装置550とに分けて構成してある。 表面貼付け装置300によってフィルム10が表面に貼り付けられた冊子20は、背カット装置510、コーナーカット装置550の順に搬送され、各装置においてフィルム10の特定部分が切断される。
    以下、背カット装置510とコーナーカット装置550とに分けて詳細に説明する。

    〔背カット装置の構成〕
    図4は、本実施形態に係るフィルム部分カット装置の背カット装置を示す正面図であり、図5は、図4のA方向から見た拡大側面図であり、図6は、図5のB−B線断面図である。
    なお、以下の説明における方向の指示は、特に指定のない限り、図4および図11を基準に上下左右の方向を示すとともに、これらの図の紙面垂直方向を経路方向とし、さらに図2の右方向を下流方向、同図の左方向を上流方向とする。

    図4に示すように、背カット装置510は、冊子20の搬送経路を挟む左右一対の背カットユニット520および背カットユニット駆動機構530を備える。 この背カット装置510は、既述したように、冊子20の天25、地26から張り出したフィルム10の折り代12に対し、冊子20における背23の近傍(ジャケット30の背33の近傍でもある)から斜めに切り込み15を入れて、ジャケット30の背33に折り込まれる台形状の背折り部10cを形成する(図1(b)参照)。 このため、一対の背カットユニット520は、一方がおもて表紙21の天25と地26から張り出すフィルム10にそれぞれ切り込み15を入れ、他方がうら表紙22の天25と地26から張り出すフィルム10にそれぞれ切り込み15を入れる構成となっている。

    また、背カット装置510は、一方の側面から他方の側面に向かって一定角度傾斜した基台511を備えている。 一対の背カットユニット520および背カットユニット駆動機構530は、この基台511に沿って傾斜するように取付台531および搬送装置400を介して設置される。
    なお、背カットユニット520および背カットユニット駆動機構530は、一方が可動側の取付台(図4中の右側)531aに、他方が固定側の取付台(図4中の左側)531bに設置されている。 可動側の取付台531aは、背カットユニット駆動機構530として、一方の背カットユニット520を移動して両ユニットの間隔を調整する機能を有している。 これは、寸法測定装置101によって測定された冊子20の厚さに応じて、例えば、基台511上の搬送方向と直交するレールに可動側の取付台531aが嵌合し、図示しない可動側取付台駆動手段をもってレール方向に自在に駆動されて、離間距離の調整が行われる。

    また、搬送装置400は、冊子20を背カット装置510に搬送する構成として、ベルトコンベヤ430と、冊子20の各表紙21、22をV字形に開いた状態で支持する一対の表紙支持ガイド410と、冊子20の中身27を一方の側面で支持する中身支持板420と、冊子20の中身27に他方の側面から軽く接触して開きを防止する補助ガイド板(図示せず)と、を含む構成である。 表紙支持ガイド410と中身支持板420と図示しない補助ガイド板は、冊子20の搬送経路に沿って延びており、冊子20の中身27はこれら中身支持板420と補助ガイド板の間に差し込まれるようにして配置される。

    冊子20は、背23がベルトコンベヤ430に載置され、各表紙21、22がV字形に開いた状態で表紙支持ガイド410に支持され、中身支持板420と補助ガイド板とにより中身27が挟まれた状態で、ベルトコンベヤ430の駆動力をもって搬送される。 また冊子20は、基台511の傾斜に沿って一定の角度だけ傾いて搬送される。 これにより、冊子20の中身27は一方の側方寄りに寝た状態で保持されるため、不安定に振らつくことがなくなる。
    冊子20が背カット装置510の作業位置に搬送された状態では、図4に示すように各表紙21、22がV字状に開いている。 背カット装置510は、各表紙21、22がV字状に開いた状態で張り出されたフィルム10に対し、各表紙21、22の裏面側から切り込み15を入れる動作を行う。

    なお、搬送装置400の所定位置には、冊子検出センサ440が取り付けられている。 この冊子検出センサ440は、例えば投光素子と受光素子によって構成することができ、搬送経路に沿って延びる表紙支持ガイド410の所々切れている隙間や所々に開設される開口から光を通過させ、ベルトコンベヤ430の直上部分を透過する光を検知して、冊子20の搬送を検出する。 具体的な図示はしていないが、本実施形態では冊子20の搬送経路上に第1の冊子検出センサ(440a)と、第2の冊子検出センサ(440b)を設けており、冊子20の搬送においてまず第1の冊子検出センサ(440a)が冊子20を検出すると冊子20の搬送を減速して、第2の冊子検出センサ(440b)が冊子20を検出すると、その位置で搬送を停止する。 背カット装置510は、この冊子20が停止した作業位置で、予め設定した動作フローを実施する。

    また、冊子20の作業位置の上方には、一対の表紙押えシリンダ540が設けてある。 この表紙押えシリンダ540は、固定部が装置の上方に支持され、中身支持板420および補助ガイド板と同方向に可動部が延在している。 この可動部の先端には押え部材541が取り付けられている。 表紙押えシリンダ540は、冊子20が作業位置に搬送されると、押え部材541を冊子20の中身27と各表紙21、22の間に延出し、押え部材541によって各表紙21、22の裏面側の付け根を押える。 これにより作業時の各表紙21、22の動きを抑止する。

    次に、背カット装置510の背カットユニット駆動機構530および背カットユニット520について説明する。 なお、以降の説明では、図4中の片側(右側)の構成のみを述べていく。
    図6に示すように、背カットユニット駆動機構530は、経路方向用サーボモータ532と、ユニット用シリンダ533と、ブラケット534とを含む構成である。

    経路方向用サーボモータ532は先端にピニオン532aを備え、このピニオン532aは表紙支持ガイド410に固定されたラック535と噛み合っている。 また、経路方向用サーボモータ532は、ブラケット534に保持されている。 このブラケット534は、図では省略してあるが、図4に示した基台511にスライダ(図示せず)を介して装着されており、経路方向(図6の紙面垂直方向)へスライド自在となっている。 このため、経路方向用サーボモータ532を回転駆動すると、ピニオン532aがラック535上を移動することになり、その結果経路方向用サーボモータ532、ブラケット534が経路方向に移動する。

    ブラケット534には、ユニット用シリンダ533の固定部も保持されており、上記経路方向用サーボモータ532の回転駆動によってユニット用シリンダ533も経路方向に移動する。 ユニット用シリンダ533は、摺動可能な可動部を備え、この可動部は背カットユニット520を表紙支持ガイド410と平行となるように支持している。 これによりユニット用シリンダ533は、可動部を駆動して、背カットユニット520を表紙支持ガイド410に近接または離間移動(図4のa方向)させることができる。

    また、背カット装置510は、天地端縁検出センサ536を備えている。 この天地端縁検出センサ536は、ブラケット534に固定され、ブラケット534と一体に経路方向へ移動して、表紙支持ガイド410に支持された冊子20の天25または地26の端縁を検出する。 この天地端縁検出センサ536によって、冊子20の表面側から端縁を検出することで、背カットユニット520と冊子20との干渉を防止している。 さらに、背カット装置510は、この天地端縁検出センサ536の検出信号をもって背カットユニット520による切り込み開始の位置決めを行う構成となっている。
    天地端縁検出センサ536としては、例えば、冊子20とフィルム10の光の反射性の相違からその境界を検出するレーザセンサ等を適用することができる。

    図5に示すように、背カットユニット520は、冊子20から張り出した上流側のフィルム10に切り込みを入れる上流側カッタアーム機構521aと、同じく下流側のフィルム10に切り込みを入れる下流側カッタアーム機構521bと、これら各カッタアーム機構521を駆動するカッタ斜行シリンダ522と、各カッタアーム機構521およびカッタ斜行シリンダ522を保持するユニット基台523と、を含む構成である。

    各カッタアーム機構521は、機構本体524、連結部材525、レール526、カッタアーム527、カッタアーム伸縮モータ528、カッタアーム傾斜シリンダ529をそれぞれ備えている。 機構本体524は、ユニット用シリンダ533の可動部に支持されたユニット基台523に並行するように延びる部材であり、この部材にカッタアーム機構521の各構成が取り付けられる。 機構本体524の略中央部には連結部材525が接続され、この連結部材525により機構本体524が支持されている。 さらに機構本体524は、図示しない案内溝が形成してあり、この案内溝がレール526に対し案内自在に支持されている。 さらに、機構本体524の案内溝は、レール526に対し所定の長さを持って摺動自在に嵌合していることから、連結部材525がカッタ斜行シリンダ522の駆動をリンクとして伝達しても、機構本体524の垂直に対する姿勢を保ったまま、2つの機構本体524は、連結部材525の回転によってお互いに平行に移動する。

    連結部材525は、一端が機構本体524に、他端がカッタ斜行シリンダ522の可動部に、それぞれ回転自在に接続されている。 またレール526は、ユニット基台523に対し所定角度傾斜して固定されており、このユニット基台523から斜め上方に延出している。 機構本体524は、カッタ斜行シリンダ522が可動部を移動すると、連結部材525が回動してその駆動力が伝達される。 これによりレール526に沿って図5中のb方向に移動する構成となっている。

    一方、カッタアーム527は、機構本体524の内部を延びる棒状の部材であり、その先端部に背部切断カッタ527aが形成されている。 背部切断カッタ527aは、軸方向から機構本体524の移動方向と同じ方向に斜行して形成されている。 カッタアーム527は、機構本体524の先端部から突き出しており、機構本体524に設けられたカッタアーム伸縮モータ528によって上下方向(図5中のc方向)に摺動自在となっている。 カッタアーム伸縮モータ528は、機構本体524の後端側に設けられており、カッタアーム527に摺接するベルト528aを駆動してカッタアーム527を前進後退させる。

    カッタアーム傾斜シリンダ529は、固定部がユニット基台523に設けてあり、可動部が機構本体524の後端側に接続してある。 このカッタアーム傾斜シリンダ529は、可動部を摺動して機構本体524の後端側を図6中のd方向に移動することで、ユニット基台523に対する機構本体524やカッタアーム527の傾斜角度を変動させる。

    また、カッタ斜行シリンダ522は、上流側カッタアーム機構521aと下流側カッタアーム機構521bの中間において、固定部がユニット基台523に固定されるとともに、可動部が上下方向に摺動するように設置されている。 この可動部には、既述したように各カッタアーム機構521の連結部材525の他端が接続される。 カッタ斜行シリンダ522は可動部を前進すると、接続点を支点に連結部材525を回動させ、これにより機構本体524をレールに沿って斜め上方に移動させる。 また可動部を後退すると、機構本体524を元の位置に復帰させる。

    〔背カット装置のブロック図〕
    図7は、本実施形態に係る背カット装置のブロック図である。
    図7に示すように、背カット装置510の各駆動装置(モータおよびシリンダ等)は、フィルムカバー貼付けシステムの制御部1の一部であるフィルム部分カット制御部1aに接続されており、このフィルム部分カット制御部1aによって駆動が制御される。 また、フィルム部分カット制御部1aには、第1の冊子検出センサ440a、第2の冊子検出センサ440b、天地端縁検出センサ536、寸法測定装置101の第1測定部110及び第2測定部120からの冊子20の各寸法信号はもちろん入力部に、そして各種の操作部のリミットスイッチなど駆動検出センサの返信信号も入力部に、タッチパネル等は設定信号入力部に各々接続されている。 なお、駆動検出センサとは、各駆動装置によって駆動した構成の駆動状態(位置や限界点等)を検出するセンサであり、リミットスイッチやエンコーダなど図示は省略するが、背カット装置510の操作器近傍各所に設けられている。 またタッチパネルは、作業者がフィルムカバー貼付けシステムの各種駆動状態を確認および設定することができる入出力装置である。
    フィルム部分カット制御部1aは、第1の冊子検出センサ440a、第2の冊子検出センサ440b、天地端縁検出センサ536の検出信号や、寸法測定装置101の第1測定部110及び第2測定部120からの冊子20の各寸法信号を受けて、背カット装置510の各駆動装置の駆動を制御し、フィルム10に切り込み15を入れる動作フローを実施する。

    〔背カット装置の動作フロー〕
    図8は、本実施形態に係る背カット装置の上流側の切り込み動作を示すフローチャートであり、図9は、上流側の切り込み動作に続いて行う下流側の切り込み動作を示すフローチャートであり、図10は、同じく背カット装置が上流側のフィルムに切り込みを入れる動作を順に示した側面図である。
    次に、上述した制御部1による背カット装置510の動作について図8乃至図10を参照して説明する。 フィルムカバー貼付けシステムは、フィルム10が表面に貼り付けられた冊子20を、搬送装置400によって背カット装置510に搬送する(ステップS10)。 なお、このとき背カットユニット520および背カットユニット駆動機構530は、装置上流側の原点位置において待機状態となっている。

    第1の冊子検出センサが搬送されてきた冊子20を検出すると(ステップS11)、ベルトコンベヤ430を減速し、冊子20をゆっくり搬送する(ステップS12)。 さらに第2の冊子検出センサが冊子20を検出すると(ステップS13)、第2測定部120からの寸法情報(天地間寸法)を加味して寸法位置を演算し、ベルトコンベヤ430を停止し、冊子20を所定の作業位置に配置する(ステップS14)。

    次に、可動側の取付台531aを移動して、背カットユニット520や表紙支持ガイド410等の間隔を、第2測定部120からの中身の厚さ、表紙の厚さ等の寸法情報を加味して演算して狭め、作業位置に配置された冊子20を適切な作業状態とする(ステップS15)。 さらに、表紙押えシリンダ540を駆動して、押え部材541を前進させ、おもて表紙21(うら表紙22の場合もあるが、以下おもて表紙21で統一)の裏面側を押える(ステップS16)。 これによりおもて表紙21は、作業位置において開いた状態で表紙支持ガイド410に支持される。

    冊子20の作業位置への配置が終わると、経路方向用サーボモータ532を駆動して、背カットユニット520および背カットユニット駆動機構530を下流方向に移動させる(ステップS17)。 この下流方向の移動において、天地端縁検出センサ536が冊子20の上流側の端縁を検出する(ステップS18)。

    上流側の端縁を検出すると、図10(a)に示すように、背カットユニット20および背カットユニット駆動機構530を一定量移動して停止する(ステップS19)。 この移動量は天地端縁検出センサ536から背部切断カッタ527aの先端までの間隔であり、これにより背部切断カッタ527aの先端は冊子20の上流側の端縁に正確に位置決めされる。 停止後は、ユニット用シリンダ533を、第1測定部110の(冊子20の厚さ)信号、第2測定部120の(冊子20の中身の厚さ)信号により駆動して、背カットユニット520を表紙支持ガイド410に近接させ、ユニット基台523によっておもて表紙21を押える(ステップS20)。

    続いて、図10(b)に示すように、上流側カッタアーム機構521aのカッタアーム伸縮モータ528を駆動して、カッタアーム527を所定量前進させる(ステップS21)。 そして、カッタアーム傾斜シリンダ529を駆動して、上流側カッタアーム機構521aの機構本体524およびカッタアーム527を傾斜させていき、先端にある背部切断カッタ527aをフィルム10に当接させる(ステップS22)。

    さらに、図10(c)に示すように、カッタ斜行シリンダ522を駆動して、機構本体524を上流側斜め上方向に移動させる(ステップS23)。 これにより、フィルム10に当接していた背部切断カッタ527aを斜め上方向に移動させて、冊子20の上流側端縁から張り出したフィルム10の背部に切り込み15を入れることができる。

    切り込み15を入れた後は、カッタアーム傾斜シリンダ529を駆動して、傾斜していた機構本体524およびカッタアーム527を元の角度に戻し、背部切断カッタ527aをフィルム10から離間させる(ステップS24)。 その後、上流側カッタアーム機構521aのカッタアーム伸縮モータ528を駆動して、前進していたカッタアーム527を後退させて元の位置に戻し(ステップS25)、ユニット用シリンダ533を駆動して、背カットユニット520を表紙支持ガイド410から離間し、おもて表紙21を押えていたユニット基台523を表紙から離す(ステップS26)。 さらにカッタ斜行シリンダ522を駆動して、斜め上方向に移動していた機構本体524を元の位置に戻す(ステップS27)。 以上の動作によって、冊子20の上流側の端縁に張り出したフィルム10には、切り込み15が形成される。

    次に、背カット装置510は、冊子20の下流側の端縁に張り出したフィルム10の背部に切り込みを行う。 図9に示すように、上流側の切り込み15形成後は、経路方向用サーボモータ532を駆動して、背カットユニット520および背カットユニット駆動機構530をさらに下流方向に移動させる(ステップS28)。 この下流方向の移動において、天地端縁検出センサ536が冊子20の下流側の端縁を検出する(ステップS29)。

    冊子20の端縁を検出すると、上流側のステップと同様に、背カットユニット520および背カットユニット駆動機構530を一定量移動して停止する(ステップS30)。 停止後は、ユニット用シリンダ533を駆動して、背カットユニット520を表紙支持ガイド410に近接させ、ユニット基台523によっておもて表紙21を押える(ステップS31)。

    そして、下流側カッタアーム機構521bのカッタアーム伸縮モータ528を駆動して、カッタアーム527を所定量前進させる(ステップS32)。 その後、カッタアーム傾斜シリンダ529を駆動して、下流側カッタアーム機構521bの機構本体524およびカッタアーム527を傾斜させていき、先端にある背部切断カッタ527aをフィルム10に当接させる(ステップS33)。

    さらに、カッタ斜行シリンダ522を駆動して、機構本体524およびカッタアーム527を下流側斜め上方向に移動させる(ステップS34)。 これにより、フィルム10に当接した背部切断カッタ527aを斜め上方向に移動させて、冊子20の下流側端縁から張り出したフィルム10の背部に切り込み15を入れることができる。

    切り込み15を入れた後は、カッタアーム傾斜シリンダ529を駆動して、傾斜していた機構本体524およびカッタアーム527を元の角度に戻し、背部切断カッタ527aをフィルム10から離間させる(ステップS35)。 その後、下流側カッタアーム機構521bのカッタアーム伸縮モータ528を駆動して、前進していたカッタアーム527を後退させて元の位置に戻し(ステップS36)、ユニット用シリンダ533を駆動して、背カットユニット520を表紙支持ガイド410から離間し、おもて表紙21を押えていたユニット基台523を表紙21から離す(ステップS37)。 さらにカッタ斜行シリンダ522を駆動して、斜め上方向に移動していた機構本体524を元の位置に戻す(ステップS38)。

    背カット装置510は、経路方向用サーボモータ532を駆動して、背カットユニット520および背カットユニット駆動機構530を原点位置に移動させる(ステップS39)。 以上の動作によって、背カットユニット520および背カットユニット駆動機構530は元の位置に戻ることとなり、次の冊子20が搬送されるまで待機状態となる。
    最後に、フィルムカバー貼付けシステムは、表紙押えシリンダ540を駆動して、表紙の裏面側を押えていた押え部材541を後退させ(ステップS40)、可動側の取付台531aを移動して、背カットユニット520および表紙支持ガイド410の間隔を開けて、冊子20を搬送可能状態とする(ステップS41)。 さらに、ベルトコンベヤ430を駆動して、冊子20を背カット装置510から排出する(ステップS42)。
    なお、ここでは片側の背カットユニット520および背カットユニット駆動機構530の動作について説明したが、冊子20を挟んで反対側にある背カットユニット520および背カットユニット駆動機構530も同様のステップを実施することは勿論である。

    このように背カット装置510は、一対の背カットユニット520および背カットユニット駆動機構530を駆動することで、背部切断カッタ527aにより冊子20の表面縁部から張り出したフィルム10の折り代12を切断することができる。 これにより冊子20の天25および地26から張り出すフィルム10には、台形状の背折り部10cが背部近傍に形成される。

    〔コーナーカット装置の構成〕
    次に、フィルム部分カット装置500のコーナーカット装置550の構成について述べていく。
    図11は、本実施形態に係るフィルム部分カット装置のコーナーカット装置を示す正面図であり、図12(a)は図11のC部の拡大図、図12(b)は(a)をD方向から見た側面図、図12(c)は(a)のE−E線側面断面図、図12(d)は要部概略図である。

    図11に示すように、コーナーカット装置550は、冊子20の搬送経路を挟む左右一対のコーナーカットユニット(メインユニット)560、コーナーカットユニット駆動機構(駆動機構)580、切断片処理装置(切断片回収手段)590を備える。 このコーナーカット装置550は、既述したように、冊子20の表面縁部から張り出したフィルム10の折り代12のコーナー部分を円弧状に切り取る装置である(図1(b)参照)。 このため、一対のコーナーカットユニット560は、一方が冊子20のおもて表紙21から張り出すフィルム10の二カ所のコーナー部分を切り取り、他方がうら表紙22側から張り出すフィルム10の二カ所のコーナー部分を切り取る構成となっている。

    また、コーナーカット装置550は、背カット装置510と同様に、一方の側面から他方の側面に向かって一定角度傾斜した基台551を備えている。 一対のコーナーカットユニット560、コーナーカットユニット駆動機構580、切断片処理装置590は、この基台551に沿って傾斜するように取付台581および搬送装置400を介して設置される。
    なお、コーナーカットユニット560、コーナーカットユニット駆動機構580、切断片処理装置590も、一方が可動側の取付台(図11中の右側)581aに、他方が固定側の取付台(図11中の左側)581bに設置され、冊子20の厚さに応じて同コーナーカットユニット560を適切な位置に配置する構成となっている。 また、コーナーカット装置550に冊子20を搬送する搬送装置400および表紙押えシリンダ540も背カット装置510に設けた構成と同じであるため、同一の符号を付し説明は省略する。

    次に、コーナーカット装置550のコーナーカットユニット560、コーナーカットユニット駆動機構580、切断片処理装置590について説明する。 なお、以降の説明では、図11中の片側(右側)の構成のみを述べていく。
    図12(a)に示すように、コーナーカットユニット駆動機構580は、背カットユニット駆動機構530と同様に、経路方向用サーボモータ582と、ユニット用シリンダ583と、ブラケット584とを含む構成である。

    経路方向用サーボモータ582は先端にピニオン582aを備え、このピニオン582aは表紙支持ガイド410に固定されたラック585と噛み合っている。 また、経路方向用サーボモータ582はブラケット584に保持されている。 このブラケット584は、表紙支持ガイド410に経路方向に沿って設けた雄レールに嵌合し摺動する雌レールを有し、経路方向へスライド自在となっている。 このため、経路方向用サーボモータ582を回転駆動すると、ピニオン582aがラック585上を移動することになり、その結果経路方向用サーボモータ582、ブラケット584が経路方向に移動する。

    ブラケット584には、ユニット用シリンダ583の固定部が保持されており、上記経路方向用サーボモータ582の回転駆動によってユニット用シリンダ583も経路方向に移動する。 ユニット用シリンダ583は、摺動可能な可動部を備え、この可動部はコーナーカットユニット560を表紙支持ガイド410と平行となるように支持している。 これによりユニット用シリンダ583は、可動部を駆動して、コーナーカットユニット560を表紙支持ガイド410に近接または離間移動(図11のe方向)させることができる。

    コーナーカットユニット560は、図12に示すように、ユニット支持体561、上下方向駆動機構562、センサ回転駆動機構567、コーナーカット機構571、切断片保持盤576を含む構成である。 ユニット支持体561は、ユニット用シリンダ583の可動部に取り付けられるとともに、コーナーカットユニット560の姿勢を安定的に維持する。 コーナーカットユニット560の各構成は、このユニット支持体561に支持される。

    上下方向駆動機構562は、ユニット支持体561に固定された上下方向用サーボモータ563と、この上下方向用サーボモータ563の先端に取り付けられる上下方向用ピニオン564と、この上下方向用ピニオン564に噛み合う上下方向用ラック565と、上下方向用ラック565に連結されユニット支持体561に対して摺動自在となった保持部材566と、を備える。 上下方向用サーボモータ563は、先端の上下方向用ピニオン564を回転駆動することで、噛み合っている上下方向用ラック565を上下方向(図11のf方向)に移動させる。 これにより上下方向用ラック565は、上下に延びる保持部材566とともに、上下方向に移動することになる。 保持部材566は、センサ回転駆動機構567、コーナーカット機構571、切断片保持盤576等を一体に保持しており、上下方向用ラック565の移動とともに各構成を同時に上下方向に移動させる。

    センサ回転駆動機構567は、図12(b)に示すように、コーナー位置検出センサ568、回転体569、センサシリンダ570を備えている。 コーナー位置検出センサ568は、天地端縁検出センサ536と同様のセンサを用いることができ、冊子20の角部を算出するため、当該冊子20の小口24と天25および地26の端縁を検出するコーナー位置検出センサ568は、待機状態ではコーナーカットユニット560の側方にあり、端縁を検出する際にはコーナーカットユニット560の下方先端に移動する。
    なお、コーナー位置検出センサ568による冊子20の角部の検出フローについては後述する。

    回転体569は、板材を略T字形状に形成したもので、中央突部が保持部材566下部側において回転自在に支持されている。 コーナー位置検出センサ568は、この回転体569の一端部に取り付けられる。 また回転体569の他端部にはセンサシリンダ570の可動部が接続されている。 センサシリンダ570は、固定部が保持部材566の上方側に固定されており、下方側にある可動部を上下方向に摺動する。 センサ回転駆動機構567は、可動部の駆動によって回転体569の他端部が移動し、これにより回転体569が回転することで、コーナー位置検出センサ568を側方から下端先端方向(図12のg方向)に移動することができる。

    コーナーカット機構571は、図12(c)(d)に示すように、コーナー部除去カッタ572、従動ギア573、主動ギア574、カッタシリンダ575を備える。 コーナー除去カッタ572は、従動ギア573から延出する突出部573aに対し、中心部が回転自在に軸支された円盤状の部材であり、その周縁に刃が形成されている。 コーナー除去カッタ572は、待機状態ではコーナーカットユニット560の側方にあり、フィルム10のコーナー部分の切断において待機していた側方から円弧状の軌跡を描いて反対側の側方(図12のh方向)に移動する。 フィルム10のコーナー部分はこのコーナー除去カッタ572の移動によって切断される。

    従動ギア573は、略半円形状に形成された歯車であり、中心部が保持部材566の下方側において軸支され、周縁の歯部が主動ギア574の歯部に噛み合っている。 また主動ギア574は、従動ギア573と噛み合う歯車として略扇状に形成されており、支点が保持部材566に軸支されるとともに、一方の側縁にカッタシリンダ575の可動部が接続されている。 カッタシリンダ575は、センサシリンダ570と同様に、保持部材566に固定部が固定され、下方側にある可動部を上下方向に摺動する。 主動ギア574は可動部の駆動によって支点を中心に回転し、これにより噛み合っている従動ギア573を180°回転させる。 従動ギア573から突出したコーナー除去カッタ572は、この従動ギア573の回転によって180°(一方の側方から反対側の側方へ)移動する。

    また、切断片保持盤576は、円盤状に形成され、コーナーカットユニット560下方側の表紙支持ガイド410寄りに設けられている。 この切断片保持盤576は、中心部が保持部材566の従動ギア573と同じ位置に固定され、外周縁がフィルム10のコーナー部分を切断するコーナー部除去カッタ572の円弧軌道に対応した円周状に形成されている。 これによりコーナー除去カッタ572は、従動ギア573の回転にともない、ちょうど切断片保持盤576の周縁を回るように移動する。 切断片保持盤576は、フィルム10のコーナー部分に当接することで、コーナー除去カッタ572の移動によって切り取られた切断片16を貼り付け保持する。
    このように切断片保持盤576によって保持することで、切断片16が飛散してコーナーカット装置550の内部や周囲を汚損することがなく、最適な動作環境下でフィルム10の自動切断を繰り返し実行することが可能となる。

    図13は、本実施形態に係るコーナーカット装置の切断片処理装置を示す正面図であり、図14(a)は同装置の上面図、図14(b)は同装置の側面図である。
    図13、図14に示すように、切断片処理装置590は、切断片保持盤576に保持された切断片16を回収するための装置として、コーナーカット装置550にある搬送装置400の表紙支持ガイド410側方に配設されている。

    切断片処理装置590は、表紙支持ガイド410に対して支持フレーム591が取り付けられており、この支持フレーム591は表紙支持ガイド410の傾きに平行となるように切断片処理装置590の各構成を支持している。 また支持フレーム591は経路方向に延びるとともに、その両端部から一対のリール設置部591a、591bが表紙支持ガイド410に直交するように延出している。 切断片処理装置590は、供給側リール592、巻取側リール593、ローラ594、ラックピニオン595、ラックギア596、テープ巻取シリンダ597、クサビ機構598等がこの支持フレーム591に取り付けられる。

    供給側リール592は、支持フレーム591の下流側のリール設置部591aに取り付けられており、この供給側リール592には粘着性を有した切断片貼付テープ599が巻き付けられる。 なお、切断片貼付テープ599には、フィルムカバー10に塗布された粘着剤よりもさらに粘着力の強い粘着剤が塗布されている。

    一方、巻取側リール593は、支持フレーム591の上流側のリール設置部591bに取り付けられており、この巻取側リール593には、供給側リール592から繰り出された切断片貼付テープ599が巻き取られる。 また支持フレーム591には複数のローラ594が設けられており、切断片貼付テープ599はこのローラ594を経由して搬送される。

    また、上流側のリール設置部591bには、ラックピニオン595が配設されており、巻取側リール593はこのラックピニオン595により回転が軸支されている。 ラックピニオン595は、ワンウェイクラッチ機能を備えており、軸支した巻取側リール593を、切断片貼付テープ599を巻き取る方向のみに回転させ、逆方向の回転においては巻取側リール593を空転状態とする。 また、ラックピニオン595には、すべりクラッチが内蔵されている。 切断片貼付テープ599が巻取側リール593に巻き取られていくにしたがい、そのテープ巻取り径が増大していく。 そこで、一定の回転角度に対して一定の巻取り量を保持するために、テープ巻取り径の増大に伴う余剰巻取り分をすべりクラッチで逃がすように構成してある。

    テープ巻取シリンダ597は、支持フレーム591から上流側のリール設置部591bに延びる延出部分に設けられており、可動部にラックギア596が取り付けてある。 このラックギア596はラックピニオン595に噛み合っている。 テープ巻取シリンダ597は、所定のタイミングでラックギア596を前進することで、ラックピニオン595を回転させ、これによって巻取側リール593を切断片貼付テープ599を巻き取る方向に回転させる。 また、前進後にはラックギア596を後退することになるが、このときラックギア596によってラックピニオン595が逆回転しても、ワンウェイクラッチ機能によって軸支している巻取側リール593を回転させることがない。

    図15は、図14(a)のF部拡大図であり、(a)はラックギアの前進時、(b)はラックギアの後退時である。
    図15に示すように、ラックギア596の側部にはクサビ機構598が設けられている。 このクサビ機構598は、切断片貼付テープ599を中間に挟む狭持部598aを備え、ラックギア596とともに移動する。 これによりラックギア596の前進時には、狭持部598aの一方が所定位置にあるバネ片598bに押圧され、切断片貼付テープ599を狭持してテープに張りを付与する。 また、後退時には狭持部598aに対するバネ片598bの押圧が解除される。

    図14に示すように、切断片処理装置590は、切断片貼付テープ599の粘着面が切断片保持盤576に対向するように搬送される。 切断片貼付テープ599の搬送経路の所定位置には、支持フレーム591に対し5mm程度突き出した貼付用スポンジ591cが設けられており、この貼付用スポンジ591cは搬送されてきたテープの粘着面を裏面側から突き出させる。 ここで、コーナーカットユニット560は、同ユニットが待機する原点位置において、切断片保持盤576が貼付用スポンジ591cと対向するように調整されている。
    切断片16が貼り付け保持された切断片保持盤576は、コーナーカットユニット560が原点位置に戻った後、この貼付用スポンジ591cに押しつけられる。 その結果、切断片16は、切断片保持盤576から剥がれて、より粘着性の強い切断片貼付テープ599に貼り付けられる。 切断片16が貼り付けられた切断片貼付テープ599は、前進するラックギア596によってラックピニオン595が回転することで、巻取側リール593が回転し、この巻取側リール593に巻き取られる。

    本実施形態の切断片処理装置590は、ラックギア596の一回の前進によるラックピニオン595の回転量が調整されている。 具体的には、テープ巻取シリンダ597によるラックギア596の一回の前進において、巻取側リール593による切断片貼付テープ599の巻き取り(搬送)が50mmとなるように制動されている。 この制動は、ラックピニオン595の下方に設けたスプリング595aのバネ圧によって調整されている。

    図16は、本実施形態に係る切断片処理装置による切断片の貼り付け状態を示す概略図である。
    図16に示すように、切断片保持盤576は、上流側と下流側の切断片16を貼り付け保持した状態において、両片の中間部に、両片の幅と同じ程度の幅(約50mm)からなる隙間Xが作られる。 この状態のまま切断片貼付テープ599に貼り付けていくと、テープの無駄が多くなるため、切断片処理装置590は、50mmの搬送を行う第1駆動モードと、150mmの搬送を行う第2駆動モードを実施することで、切断片16の貼り付け位置を調整している。 すなわち、一度目の切断片16の貼り付け後は第1駆動モードにより切断片貼付テープ599を50mm搬送する。 これにより切断片16の貼り付け位置を調整し、二度目の切断片16の貼り付けによって隙間Xに切断片16を貼り付ける。 その後は、第2駆動モードにより切断片貼付テープ599を150mm搬送して次の貼り付け位置に移行する。 以上のように二つの駆動モードを繰り返すことで、切断片処理装置590は、効率的に切断片16を回収していくことができる。

    図17は、本実施形態に係るコーナーカット装置のブロック図である。
    図17に示すように、コーナーカット装置550の各駆動装置(モータおよびシリンダ等)は、背カット装置510と同様に、フィルムカバー貼付けシステムの制御部1の一部であるコーナーカット制御部1bに接続されており、このコーナーカット制御部1bによって駆動が制御される。 また、コーナーカット制御部1bには、第1の冊子検出センサ440a、第2の冊子検出センサ440b、コーナー位置検出センサ568、寸法測定装置101の第1測定部110及び第2測定部120からの冊子20の各寸法信号はもちろん入力部に、そして各種の操作器のリミットスイッチなど駆動検出センサの返信信号も入力部に、タッチパネル等は設定信号入力部に各々接続されている。
    コーナーカット制御部1bは、第1の冊子検出センサ440a、第2の冊子検出センサ440b、コーナー位置検出センサ568の検出信号や、寸法測定装置101の第1測定部110及び第2測定部120からの冊子20の各寸法信号を受けて、コーナーカット装置550の各駆動装置の駆動を制御し、フィルム10のコーナー部分を切り取る動作を実施する。

    〔コーナーカット装置の動作フロー〕
    次に、上述した制御部によるコーナーカット装置の動作について図18乃至図24を参照して説明する。 図18は、本実施形態に係るコーナーカット装置のメイン工程を示すフローチャートであり、図19は、図18の上流側コーナー部分検出工程を示すフローチャートであり、図20は、コーナー部分を検出する動作を示す概略側面図である。

    図18に示すように、コーナーカット装置550は、制御部1によって以下の工程を含むメイン工程を順次実施する。
    (ア)冊子20の搬送を行う冊子搬送工程(イ)冊子20の小口24の端縁と上流側の天25(または地26)の端縁が交わるコーナー部分を検出する上流側コーナー部分検出工程(ウ)フィルム10の折り代12のコーナー部分を切り取る上流側コーナーカット工程(エ)冊子20の小口24の端縁と下流側の地26(または天25)の端縁が交わるコーナー部分を検出する下流側コーナー部分検出工程(オ)フィルム10の折り代12のコーナー部分を切り取る下流側コーナーカット工程(カ)切り取ったコーナー部分(切断片16)を処理する切断片処理工程(キ)コーナーカットした冊子20を排出する冊子排出工程

    これら(ア)乃至(キ)の工程のうち、冊子搬送工程および冊子排出工程は、背カット装置510の動作フローにも含まれている。 冊子搬送工程は、ステップS10乃至ステップS16のフローにあたり、冊子搬出工程は、ステップS40乃至ステップS42のフローにあたる。 よってこれらの工程については説明を省略する。

    コーナーカット装置550の上流側コーナー部分検出工程は、図19に示すように、開始後、センサシリンダ570を駆動して、コーナーカットユニット560の側方に待機していたコーナー位置検出センサ568を回転させ、コーナーカットユニット560の下方側先端に移動させる(ステップS50)。 その後、経路方向用サーボモータ582と、上下方向用サーボモータ563とを駆動して、上流側の原点位置で待機していたコーナーカットユニット560およびコーナーカットユニット駆動機構580を下流方向に移動させる(ステップS51)。 このステップでは寸法測定装置101において測定した冊子20の寸法を補正したデータが用いられ、図20(a)に示すように、コーナー位置検出センサ568は、補正データに従って表紙21内の上流側の角部近傍まで大まかに移動する。

    次に、図20(b)に示すように、上下方向用サーボモータ563を駆動して、コーナー位置検出センサ568を上方向に移動させ(ステップS52)、冊子20の小口24の端縁を検出する(ステップS53)。 検出後は、図20(c)に示すように、上下方向用サーボモータ563を駆動して、コーナー位置検出センサ568を一定量下降させる(ステップS54)。

    その後、図20(d)に示すように、経路方向用サーボモータ582を駆動して、コーナー位置検出センサ568を横方向に移動させ(ステップS55)、冊子20の上流側にある天25(または地26)の端縁を検出する(ステップS56)。 検出後は、検出した小口24の端縁および上流側の端縁から冊子20の上流側の角部位置を算出する(ステップS57)。 さらに、算出した角部位置に応じて、測定済みの表紙厚さデータを補正して、コーナーカットユニット560の移動位置(すなわちコーナー除去カッタ572がコーナー部分を切り取る位置)を決定する(ステップS58)。 また、センサシリンダ570を駆動して、コーナーカットユニット560の下方側先端に移動していたコーナー位置検出センサ568をコーナーカットユニット560の側方に移動させる(ステップS59)。
    上流側コーナー部分検出工程は、以上のステップを行うと同工程を終了して、メイン工程に戻る。

    図21は、図18の上流側コーナーカット工程を示すフローチャートである。
    上流側コーナー部分検出工程の後は、次の上流側コーナーカット工程を実施する。 図21に示すように、上流側コーナーカット工程は、開始後、経路方向用サーボモータ582および上下方向用サーボモータ563を駆動して、ステップS58で決定した移動位置に、コーナーカットユニット560を移動させる(ステップS60)。

    コーナーカットユニット560を移動した後は、ユニット用シリンダ583を駆動して、コーナーカットユニット560を表紙支持ガイド410に近接させる(ステップS61)。 これにより、コーナーカット機構571のコーナー除去カッタ572、および切断片保持盤576を表紙支持ガイド410に当接させる。 このとき切断片保持盤576には、フィルム10のコーナー部分が貼り付く。

    次に、カッタシリンダ575を駆動して、コーナー除去カッタ572を、待機していたコーナーカットユニット560の一方の側方から他方の側方に円弧状を描いて移動させる(ステップS62)。 この移動において、コーナー除去カッタ572は冊子20の角部近傍を通ることになり、フィルム10のコーナー部分を切断することができる。

    コーナー除去カッタ572の移動後は、ユニット用シリンダ583を駆動して、表紙支持ガイド410に近接していたコーナーカットユニット560を離間させる(ステップS63)。 このときコーナー除去カッタ572によって切断された切断片16は、切断片保持盤576に貼り付け保持されて、冊子20に貼られているフィルム10から取り除かれる。 最後に、経路方向用サーボモータ582と上下方向用サーボモータ563を駆動して、コーナーカットユニット560を下流側に移動させる(ステップS64)。
    上流側コーナーカット工程は、以上のステップを行うと同工程を終了して、メイン工程に戻る。

    図22は、図18の下流側コーナー部分検出工程を示すフローチャートである。
    上流側コーナーカット工程の後は、次の下流側コーナー部分検出工程を実施する。 下流側コーナー部分検出工程は、上流側コーナー部分検出工程と同じであり、図22に示すように、開始後、センサシリンダ570を駆動して、コーナーカットユニット560の側方に待機していたコーナー位置検出センサ568を回転させ、コーナーカットユニット560の下方側先端に移動させる(ステップS70)。 その後、経路方向用サーボモータ582、上下方向用サーボモータ563を駆動して、コーナーカットユニット560およびコーナーカットユニット駆動機構580を下流方向に移動させ、コーナー位置検出センサ568を表紙21の下流側の角部近傍まで大まかに移動させる(ステップS71)。

    次に、上下方向用サーボモータ563を駆動して、コーナー位置検出センサ568を上方向に移動させ(ステップS72)、冊子20の小口24の端縁を検出する(ステップS73)。 検出後は、上下方向用サーボモータ563を駆動して、コーナー位置検出センサ568を一定量下降させる(ステップS74)。

    そして、経路方向用サーボモータ563を駆動して、コーナー位置検出センサ568を横方向に移動させ(ステップS75)、冊子20の下流側にある地26(または天25)の端縁を検出する(ステップS76)。 検出後は、検出した小口24の端縁および下流側の端縁から冊子20の下流側の角部位置を算出する(ステップS77)。 さらに、算出した角部位置に応じて、測定済みの表紙厚さデータを補正して、コーナーカットユニット560の移動位置(すなわちコーナー除去カッタ572がコーナー部分を切り取る位置)を決定する(ステップS78)。 また、センサシリンダ570を駆動して、コーナーカットユニット560の下方側先端に移動していたコーナー位置検出センサ568をコーナーカットユニット560の側方に移動させる(ステップS79)。
    下流側コーナー部分検出工程は、以上のステップを行うと同工程を終了して、メイン工程に戻る。

    図23は、図18の下流側コーナーカット工程を示すフローチャートである。
    下流側コーナー部分検出工程の後は、次の下流側コーナーカット工程を実施する。 図23に示すように、下流側コーナーカット工程は、開始後、経路方向用サーボモータ582と上下方向用サーボモータ563を駆動して、ステップS78で決定した移動位置に、コーナーカットユニット560を移動させる(ステップS80)。

    コーナーカットユニット560を移動した後は、ユニット用シリンダ583を駆動して、コーナーカットユニット560を表紙支持ガイド410に近接させる(ステップS81)。 これにより、コーナーカット機構571のコーナー除去カッタ572、および切断片保持盤576を表紙支持ガイド410に当接させる。 このとき切断片保持盤576には、フィルム10のコーナー部分が貼り付く。

    次に、カッタシリンダ575を駆動して、コーナー除去カッタ572を、待機していたコーナーカットユニット560の一方の側方から他方の側方に円弧状を描いて移動させる(ステップS82)。 この移動において、コーナー除去カッタ572は冊子20の角部近傍を通ることになり、フィルム10のコーナー部分を切断することができる。

    コーナー除去カッタ572の移動後は、ユニット用シリンダ583を駆動して、表紙支持ガイド410に近接していたコーナーカットユニット560を離間させる(ステップS83)。 このときコーナー除去カッタ572によって切断された切断片16は、切断片保持盤576に貼り付け保持されて、冊子20に貼られているフィルム10から取り除かれる。 最後に、経路方向用サーボモータ582および上下方向用サーボモータ563を駆動して、コーナーカットユニット560を上流側原点位置に復帰させる(ステップS84)。
    下流側コーナーカット工程は、以上のステップを行うと同工程を終了して、メイン工程に戻る。

    図24は、図18の切断片処理工程を示すフローチャートである。
    下流側コーナーカット工程後は、次の切断片処理工程を実施する。 図24に示すように、切断片処理工程は、開始後、ユニット用シリンダ583を駆動して、コーナーカットユニット560の切断片保持盤576を移動させ、貼付用スポンジ591cに押圧する(ステップS90)。 この押圧によって、切断片保持盤576に保持されていた上流側と下流側の切断片16が、貼付用スポンジ591cの表面に配置されていた切断片貼付テープ599に貼り付けられる。

    その後、ユニット用シリンダ583を駆動して、貼付用スポンジ591cに押圧されていた切断片保持盤576を離間させる(ステップS91)。 これにより切断片保持盤576から切断片16が回収された状態で、コーナーカットユニット560が原点位置に復帰する。

    次に、前回切断片貼付テープ599を搬送した駆動モードが第2駆動モードか否か判別され(ステップS92)、第2駆動モードの場合はステップS93に進み、違う場合はステップS94に進む。 ステップS93では、第1駆動モードとして、テープ巻取シリンダ597の可動部を1回往復動させ、切断片貼付テープ599を50mm搬送させる。 一方、ステップS94では、第2駆動モードとして、テープ巻取シリンダ597の可動部を3回往復動させ、切断片貼付テープ599を150mm搬送させる。
    切断片処理工程は、以上のステップを行うと同工程を終了して、メイン工程に戻る。

    その後、コーナーカット装置550は、図18に示すように、メイン工程として冊子排出工程を実施し、冊子20をコーナーカット装置550から次の工程へ排出する。 制御部1は、この冊子排出工程が終わると、メイン工程の開始に戻り、新たな冊子20のコーナーカットフローに入る。
    なお、ここでは片側のコーナーカットユニット560およびコーナーカットユニット駆動機構580の動作について説明したが、冊子20を挟んで反対側にあるコーナーカットユニット560およびコーナーカットユニット駆動機構580も同様のステップを実施することは勿論である。

    このように制御部1がコーナー部分をカットするフローを実施することで、冊子20から張り出したフィルム10のコーナー部分を切り取ることができる。 このコーナーカット装置550によれば、コーナー除去カッタ572を円弧状に移動させるだけの単純な動作で、フィルムカバー10の折り代12コーナー部分を切り取ることができるため、動作の効率化ひいては迅速化を実現することができる。
    フィルムカバー貼付けシステムは、上述した背カット装置510およびコーナーカット装置550からなるフィルム部分カット装置500によって、フィルム10が各表紙21、22の裏側に無理なく折り込めるようになり、冊子類にフィルムカバー10を綺麗に貼り付けることが可能となる。

    なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、種々の変形実施や応用実施が可能であることは勿論である。 例えば、本発明のフィルム部分カット装置は、図2及び図3に示したようなフィルムカバー貼付けシステムへの適用に限定されるものではなく、単体の装置として利用することも可能である。

    1:制御部、
    10:フィルムカバー(フィルム)、10c:背折り部、11:剥離紙、12:折り代、15:切り込み、16:切断片、
    20:冊子、21:おもて表紙、22:うら表紙、23:背、24:小口、天:25、26:地、27:中身、30:ジャケット、33:背 400:搬送装置、410:表紙支持ガイド、420:中身支持板、430:ベルトコンベヤ、440:冊子検出センサ、
    500:フィルム部分カット装置、
    510:背カット装置、511:基台、
    520:背カットユニット、521a:上流側カッタアーム機構、521b:下流側カッタアーム機構、522:カッタ斜行シリンダ、523:ユニット基台、524:機構本体、525:連結部材、526:レール、527:カッタアーム、527a:背部切断カッタ、528:カッタアーム伸縮モータ、528a:ベルト、529:カッタアーム傾斜シリンダ、
    530:背カットユニット駆動機構、531:取付台、532:経路方向用サーボモータ、533:ユニット用シリンダ、534:ブラケット、535:ラック、536:天地端縁検出センサ、
    540:表紙押えシリンダ、541:押え部材、
    550:コーナーカット装置、551:基台、
    560:コーナーカットユニット、561:ユニット支持体、562:上下方向駆動機構、563:上下方向用サーボモータ、564:上下方向用ピニオン、565:上下方向用ラック、566:保持部材、567:センサ回転駆動機構、568:コーナー位置検出センサ、569:回転体、
    570:センサシリンダ、571:コーナーカット機構、572:コーナー除去カッタ、573:従動ギア、574:主動ギア、575:カッタシリンダ、576:切断片保持盤、
    580:コーナーカットユニット駆動機構、581:取付台、582:経路方向用サーボモータ、583:ユニット用シリンダ、584:ブラケット、585:ラック、
    590:切断片処理装置、591:支持フレーム、592:供給側リール、593:巻取側リール、594:ローラ、595:ラックピニオン、596:ラックギア、597:テープ巻取シリンダ、598:クサビ機構、599:切断片貼付テープ、
    X:隙間

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