衛生的プリンタ用キャビネット

申请号 JP2017565172 申请日 2016-06-14 公开(公告)号 JP2018521881A 公开(公告)日 2018-08-09
申请人 ヴィデオジェット テクノロジーズ インコーポレイテッド; 发明人 スミス ロバート; オマル サルハディン;
摘要 衛生的環境中で用いられるインクジェットプリンタ用キャビネットが基部、頂部および基部と頂部との間に延びる1つまたは2つ以上の壁によって形成されたハウジングを有する。ハウジングは、インクジェットプリンタのコンポーネントを受け入れるよう構成された内部を定める。ハウジングは、1つまたは2つ以上の孔を定め、各孔は、この孔を経てコンポーネントのうちの少なくとも一つへの接近を可能にする。ハウジングは、ハウジングの表面上への望ましくない物体の堆積およびハウジングの内部への望ましくない物体の堆積のうちの少なくとも一方を減少させるようになった1つまたは2つ以上の特徴部を組み込んでいる。 【選択図】図1
权利要求

衛生的環境中で用いられるインクジェットプリンタ用キャビネットであって、前記キャビネットは、基部、頂部および前記基部と前記頂部との間に延びる1つまたは2つ以上の壁によって形成されたハウジングを有し、前記ハウジングは、インクジェットプリンタのコンポーネントを受け入れるよう構成された内部を定め、前記ハウジングは、孔を定め、前記孔は、前記孔を経て前記コンポーネントのうちの少なくとも一つへの接近を可能にし、前記ハウジングは、前記ハウジングの表面上への望ましくない物体の堆積および前記ハウジングの前記内部への望ましくない物体の堆積のうちの少なくとも一方を減少させるようになった1つまたは2つ以上の特徴部を組み込んでいる、インクジェットプリンタ用キャビネット。前記頂部は、前記基部に対してゼロではない度をなして配置されている、請求項1記載のインクジェットプリンタ用キャビネット。少なくとも1つのハンドルを有し、前記少なくとも1つのハンドルは、前記1つまたは2つ以上の壁と前記基部との間の縁部のところに設けられた凹部によって提供されている、請求項1または2記載のインクジェットプリンタ用キャビネット。少なくとも1つのドアを更に有し、前記少なくとも1つのドアは、前記ハウジングに回動可能に連結され、少なくとも、前記ドアが対応する1つまたは2つ以上の前記孔のうちの1つへの接近を妨害する閉じ位置と、前記対応の孔が接近可能である開き位置との間でピボット回りに動くことができる、請求項1〜3のうちいずれか一に記載のインクジェットプリンタ用キャビネット。前記ハウジングは、前記少なくとも1つのドアがその閉じ位置に配置されているとき、前記基部に対してゼロではない角度をなして配置されるよう形作られている、請求項4記載のインクジェットプリンタ用キャビネット。前記ドアの各々は、内部ヒンジを備えている、請求項4または5記載のインクジェットプリンタ用キャビネット。前記内部ヒンジは、前記ドアの前記ピボットが前記ドアの凹部またはハウジング内に位置するよう配置されている、請求項6記載のインクジェットプリンタ用キャビネット。前記孔の周囲に沿ってぐるりと設けられていて、前記ハウジングと前記1つまたは2つ以上のドアのうちの1つとの間にシールを提供する封止部材を更に有する、請求項4〜7のうちいずれか一に記載のインクジェットプリンタ用キャビネット。2つのドアを有するとともに前記2つのドアのうちの一方または両方に設けられていて、前記2つのドアが両方ともこれらのそれぞれの閉じ位置にあるとき、前記2つのドア相互間にシールを提供するよう構成された封止部材を更に有する、請求項4〜8のうちいずれか一に記載のインクジェットプリンタ用キャビネット。インクジェットプリンタであって、請求項1〜9のうちいずれか一に記載の前記インクジェットプリンタ用キャビネットを有する、インクジェットプリンタ。印刷ヘッドと、 インク供給システムと、 制御信号を前記印刷ヘッドおよびインク供給システムに提供して前記インクジェットプリンタを通るインクおよび溶剤の流れを制御するよう動作可能な制御装置とを更に有し、 前記インク供給システムおよび/または前記制御装置は、前記キャビネット内に少なくとも部分的に収容されている、請求項10記載のインクジェットプリンタ。前記インクジェットプリンタは、連続式インクジェットプリンタである、請求項10または11記載のインクジェットプリンタ。

衛生的環境中で用いられるインクジェットプリンタ用キャビネットであって、前記キャビネットは、基部、頂部および前記基部と前記頂部との間に延びる1つまたは2つ以上の壁によって形成されたハウジングを有し、前記ハウジングは、インクジェットプリンタのコンポーネントを受け入れるよう構成された内部を定め、前記ハウジングは、孔を定め、前記孔は、前記孔を経て前記コンポーネントのうちの少なくとも一つへの接近を可能にし、前記ハウジングは、前記ハウジングの表面上への望ましくない物体の堆積および前記ハウジングの前記内部への望ましくない物体の堆積のうちの少なくとも一方を減少させるようになった1つまたは2つ以上の特徴部を組み込んでいる、インクジェットプリンタ用キャビネット。前記頂部は、前記基部に対してゼロではない角度をなして配置されている、請求項1記載のインクジェットプリンタ用キャビネット。少なくとも1つのハンドルを有し、前記少なくとも1つのハンドルは、前記1つまたは2つ以上の壁と前記基部との間の縁部のところに設けられた凹部によって提供されている、請求項1記載のインクジェットプリンタ用キャビネット。少なくとも1つのドアを更に有し、前記少なくとも1つのドアは、前記ハウジングに回動可能に連結され、少なくとも、前記ドアが対応する1つまたは2つ以上の前記孔のうちの1つへの接近を妨害する閉じ位置と、前記対応の孔が接近可能である開き位置との間でピボット回りに動くことができる、請求項1記載のインクジェットプリンタ用キャビネット。前記ハウジングは、前記少なくとも1つのドアがその閉じ位置に配置されているとき、前記基部に対してゼロではない角度をなして配置されるよう形作られている、請求項4記載のインクジェットプリンタ用キャビネット。前記ドアの各々は、内部ヒンジを備えている、請求項4記載のインクジェットプリンタ用キャビネット。前記内部ヒンジは、前記ドアの前記ピボットが前記ドアの凹部またはハウジング内に位置するよう配置されている、請求項6記載のインクジェットプリンタ用キャビネット。前記孔の周囲に沿ってぐるりと設けられていて、前記ハウジングと前記1つまたは2つ以上のドアのうちの1つとの間にシールを提供する封止部材を更に有する、請求項4記載のインクジェットプリンタ用キャビネット。2つのドアを有するとともに前記2つのドアのうちの一方または両方に設けられていて、前記2つのドアが両方ともこれらのそれぞれの閉じ位置にあるとき、前記2つのドア相互間にシールを提供するよう構成された封止部材を更に有する、請求項4記載のインクジェットプリンタ用キャビネット。インクジェットプリンタであって、請求項1記載の前記インクジェットプリンタ用キャビネットを有する、インクジェットプリンタ。印刷ヘッドと、 インク供給システムと、 制御信号を前記印刷ヘッドおよびインク供給システムに提供して前記インクジェットプリンタを通るインクおよび溶剤の流れを制御するよう動作可能な制御装置とを更に有し、 前記インク供給システムおよび/または前記制御装置は、前記キャビネット内に少なくとも部分的に収容されている、請求項10記載のインクジェットプリンタ。前記インクジェットプリンタは、連続式インクジェットプリンタである、請求項10記載のインクジェットプリンタ。

说明书全文

本発明は、インクジェット印刷、特にインクジェットプリンタ、例えば連続式インクジェットプリンタ用のキャビネットに関する。

インクジェット印刷システムでは、印刷物または印字は、ノズルのところで生じて基材の方へ推進されるインクの個々の液滴で構成される。2つの主要なシステムが存在し、すなわち、印刷のためのインク液滴を必要に応じてそして必要なときに表示させるドロップ・オン・デマンド(drop on demand)および液滴を連続的に生じさせ、そして選択された液滴だけを基材の方へ差し向け、他の液滴をインク供給源に再循環させる連続式インクジェット印刷が存在する。

連続式インクジェットプリンタは、加圧インクを印刷ヘッドドロップ発生器に供給し、ここで、ノズルから出たインクの連続流は、例えば振動圧電素子によって個々の規則的な液滴に分解される。液滴は、電荷電極を過ぎて差し向けられ、この電荷電極において、液滴には選択的にかつ別々に所定の電荷が与えられ、その後、液滴は、1対の偏向板を横切って作られている横方向電極を通過する。各荷電液滴は、電界によって、その電荷の大きさに応じた量だけ偏向され、その後基材に当たり、これに対し、非荷電液滴は、偏向しないで進んでガターのところに集められ、非荷電液滴は、ガターから再使用のためにインク供給源に再循環される。荷電液滴は、ガターをバイパスして液滴上の電荷および印刷ヘッドに対する基材の位置によって定められた位置のところで基材に当たる。典型的には、基材は、印刷ヘッドに対して一方向に動かされ、液滴は、これに対して略垂直な方向に偏向され、ただし、偏向板は、基材の速度を補償するよう垂直に対して勾配をなして差し向けられるのが良い(到達する液滴相互間における印刷ヘッドに対する基材の運動は、もしそのように構成されていない場合に液滴の線が基材の運動方向に対して垂直にそれほどは延びないことを意味している)。

連続式インクジェット印刷では、文字は、潜在的な液滴位置の規則的なアレイを含むマトリックスから印刷される。各マトリックスは、複数のコラム(ストローク)を含み、各コラムは、液滴に印加された電荷によって定められる複数の潜在的な液滴位置(例えば、7つ)を含む線によって定められる。かくして、各有効液滴は、ストローク中のその意図した位置に応じて荷電される。特定の液滴を用いない場合、液滴は、荷電されず、この液滴は、再循環のためのガターのところに捕捉される。このサイクルは、マトリックス内で全てのストロークについて繰り返し、次の文字マトリックスについて再び始まる。

インクは、インク供給システムによって圧下で印刷ヘッドに送り出され、このインク供給システムは、一般に、キャビネットの密閉コンパートメント内に収容され、このキャビネットは、制御回路のための別個のコンパートメントおよびユーザインターフェースパネルを有する。システムは、インクをフィルタ経由でリザーバまたはタンクから引き出してこれを圧力下で印刷ヘッドに送り出す主ポンプを含む。インクが消費されているとき、リザーバは、必要に応じて交換式インクカートリッジから補充され、この交換式インクカートリッジは、供給導管によってリザーバに解除可能に連結される。インクは、リザーバから柔軟性送り出し導管を経て印刷ヘッドに供給される。ガターによって捕捉された未使用インク液滴は、ポンプによって戻り導管経由でリザーバに再循環される。導管の各々内のインクの流量は、一般に、ソレノイド弁(電磁弁)および/または他の同様なコンポーネントによって制御される。

インクがシステムを通って循環しているとき、インクが溶剤蒸発の結果として、特にノズルとガターとの間でのその通過の際に空気にさらされた再循環インクが濃くなる傾向が存在する。これを補償するため、「補給」溶剤が必要に応じて交換式インクカートリッジからインクに追加されてインク粘度を所定の限度内に維持する。この溶剤はまた、クリーニングサイクルにおいて印刷ヘッドのコンポーネント、例えばノズルおよびガターをフラッシングするためにも用いられる場合がある。

インクおよび溶剤カートリッジには所定量の流体が充填され、これらインクおよび溶剤カートリッジは、一般に、インク供給システムのリザーバに解除可能に連結され、その結果、インクおよび/または溶剤を必要に応じてカートリッジから引き出すことによってリザーバへの継ぎ足しを間欠的に行うことができるようになっている。カートリッジを供給導管と正確に位置合わせするようにするため、カートリッジは、代表的には、カートリッジホルダを含むドッキングステーションによりインク供給システムに連結される。カートリッジが正確にドッキングされると、カートリッジの出口ポートとの流体連通が保証される。

インクジェットプリンタは、正確な種類および量のインク(または溶剤)だけを消費することが製造業者の視点から見て重要である。誤ったインクを収容したカートリッジが用いられた場合、印刷品質が損なわれる場合があり、極端な場合、プリンタの故障の原因となる場合がある。したがって、インクジェットプリンタの中には、カートリッジ内に収容された流体に関する情報を伝える、外部から機械可読のラベル(例えば、バーコード)をカートリッジに与えることが知られている。ラベルをプリンタの制御システムと関連したリーダ(読み取り装置)上でスワイプして先へ進め、その後、カートリッジを取り付け、そしてプリンタの制御システムがラベルの情報を読み取ってインクがプリンタでの動作に適していることを確認した場合にのみ、インクまたは溶剤をカートリッジから引き出すことができる。

連続式インクジェットプリンタは、食品調理環境で使用される場合がある。さらに、かかる食品調理環境において他の装置とともに、インクジェットプリンタにホースでをかけることによってインクジェットプリンタを定期的にクリーニングして食品衛生規格を満たすようにするのが良い。例えば、製造ラインが2種類以上の食料の調理に用いられる場合、製造ライン上での2つの互いに異なる食品の調理相互間で製造ライン上の全ての機器(かかる機器は、インクジェットプリンタを含む場合がある)にホースで水をかける場合がある。これにより第1の食品による第2の食品の汚染を減少させることができる。

本発明の目的は、とりわけ、インクジェットプリンタ用の改良型または別のキャビネットを提供することにある。本発明の別の目的は、衛生的環境、例えば食品製造環境での使用に特に適したインクジェットプリンタ用のキャビネットを提供することにある。

本発明の第1の観点によれば、清潔な環境中で用いられるインクジェットプリンタ用キャビネットであって、キャビネットは、基部、頂部および基部と頂部との間に延びる1つまたは2つ以上の壁によって形成されたハウジングを有し、ハウジングは、インクジェットプリンタのコンポーネントを受け入れるよう構成された内部を定め、ハウジングは、1つまたは2つ以上の孔を定め、孔は、孔を経てコンポーネントのうちの少なくとも一つへの接近を可能にし、ハウジングは、ハウジングの表面上への望ましくない物体の堆積およびハウジングの内部への望ましくない物体の堆積のうちの少なくとも一方を減少させるようになった1つまたは2つ以上の特徴部を組み込んでいることを特徴とするインクジェットプリンタ用キャビネットが提供される。

ハウジングの表面上における望ましくない物質の堆積およびハウジング内部への望ましくない物質の堆積のうちの少なくとも一方を減少させる1つまたは2つ以上の特徴により、本発明の第1の観点のインクジェットプリンタ用キャビネットは、衛生的環境、例えば食品製造環境における使用に特に適したものになる。

「衛生的環境」という用語は、清潔に保つことが望ましいどのような環境をも含む場合があることが理解されよう。かかる環境としては、食品調理環境、医療または医薬品環境(例えば、病院内)などが挙げられる。

頂部は、基部に対してゼロではない度をなして配置されるのが良い。頂部は、基部に対して傾けられるのが良い。頂部の平面と基部の平面とのなす角度は、10°を超え、例えば15°を超え、20°を超えるのが良い。頂部の平面と基部の平面とのなす角度は、15°〜25°であるのが良い。使用にあたり、基部を架台などで支持するのが良く、この基部は、実質的に水平であるのが良い。頂部が基部に対してゼロではない角度をなして配置されるので、頂部は、使用中、水平ではないであろう。これにより、インクジェットプリンタ用キャビネット上における物質(例えば、製造ラインからの食品デブリ)の収集量が減少し、と言うのは、かかる物質は、頂部によって形成される傾斜した表面を滑り落ちる傾向があるからである。さらに、頂部を基部に対して傾けることにより、インクジェットプリンタ用キャビネットにホースで水をかけたときにインクジェットプリンタ用キャビネットからの水または他の洗浄用流体の排出が助けられ、それにより洗浄用流体(潜在的に食品デブリを含む)がキャビネットの表面上にたまるのが阻止される。

インクジェットプリンタ用キャビネットは、1つまたは2つ以上のハンドルを有するのが良く、1つのハンドルまたは各ハンドルは、1つまたは2つ以上の壁と基部との間の縁部のところに設けられた凹部によって提供される。凹部は、握りとしての使用のためである。インクジェットプリンタ用キャビネット16を持ち上げことが望ましい場合、ユーザが手を凹部中に差し込むのが良い。かかる構成により、物質が集まる場合がありまたは洗浄用流体がたまる場合のある上方に向いた水平面(外部ハンドルによって提供される場合がある)の提供が回避される。

インクジェットプリンタ用キャビネットは、1つまたは2つ以上のドアを更に有するのが良く、1つのドアまたは各ドアは、ハウジングに回動可能に連結されかつ少なくとも、ドアが1つまたは2つ以上の孔のうちの対応の1つへの接近を妨害する閉じ位置と、対応の孔が接近可能である開き位置との間でピボット回りに動くことができるのが良い。

ハウジングは、1つ又は各々のドアがその閉じ位置に配置されているとき、基部に対してゼロではない角度をなして配置されるよう形作られるのが良い。少なくとも1つのドアは、基部に対して傾けられるのが良い。ドア(閉じられている場合)の平面と基部の平面とのなす角度は、50°を超え、例えば60°を超え、70°を超えるのが良い。ドア(閉じられている場合)の平面と基部の平面とのなす角度は、65°〜75°であるのが良い。使用にあたり、基部は、架台またはテーブルなどで支持されるのが良く、基部は、実質的に水平であるのが良い。ドアが基部に対してゼロではない角度をなして配置されるので、閉じられたとき、使用中、水平ではないであろう。これにより、インクジェットプリンタ用キャビネット上における物質(例えば、製造ラインからの食品デブリ)の収集量が減少し、と言うのは、かかる物質は、ドアによって形成される傾斜した表面を滑り落ちる傾向があるからである。さらに、頂部を基部に対して傾けることにより、インクジェットプリンタ用キャビネットにホースで水をかけたときにインクジェットプリンタ用キャビネットからの水または他の洗浄用流体の排出が助けられ、それにより洗浄用流体(潜在的に食品デブリを含む)がキャビネットの表面上にたまるのが阻止される。

1つまたは2つ以上のドアの各々は、内部ヒンジを備えるのが良い。

内部ヒンジは、ドアのピボットがドアの凹部またはハウジング内に位置するよう配置されるのが良い。

インクジェットプリンタ用キャビネットは、1つ又は各々の孔の周囲に沿ってぐるりと設けられていて、ハウジングと1つまたは2つ以上のドアのうちの1つとの間にシールを提供する封止部材を更に有するのが良い。

インクジェットプリンタ用キャビネットは、2つのドアを有するとともに、2つのドアのうちの一方または両方に設けられていて、2つのドアが両方ともこれらのそれぞれの閉じ位置にあるとき、2つのドア相互間にシールを提供するよう構成された封止部材を更に有するのが良い。

本発明の第2の観点によれば、インクジェットプリンタであって、第1の観点のインクジェットプリンタ用キャビネットを有するインクジェットプリンタが提供される。

インクジェットプリンタは、印刷ヘッドと、インク供給システムと、制御信号を印刷ヘッドおよびインク供給システムに提供してインクジェットプリンタを通るインクおよび溶剤の流れ(流量)を制御するよう動作可能な制御装置とを更に有するのが良く、インク供給システムおよび/または制御装置は、キャビネット内に少なくとも部分的に収容されている。

インクジェットプリンタは、連続式インクジェットプリンタであるのが良い。

次に添付の図面を参照して本発明の実施形態について例示として説明する。

本発明の実施形態としての連続式インクジェットプリンタの略図である。

図1の連続式インクジェットプリンタの略図である。

本発明の実施形態としてのキャビネットの斜視図である。

図3に示されたキャビネットの側面図である。

図3および図4に示されたキャビネットの一部をなすハウジングの斜視図である。

図3および図4に示されたキャビネットのヒンジの一部をなすブラケットの斜視図である。

図3および図4に示されたキャビネットの一部をなす下側ドアおよび各々が図6のブラケットを組み込んだ2つのヒンジの斜視図である。

図3および図4に示されたキャビネットの一部をなす封止部材の正面図である。

図8Aに示された封止部材のA‐A線矢視断面図である。

図3および図4に示されたキャビネットのヒンジの斜視図である。

図3および図4に示されたキャビネットの一部をなす上側ドアおよび図9に示されているような2つのヒンジの斜視図である。

図3および図4に示されたキャビネットの一部をなす別の封止部材の正面図である。

図11Aに示された封止部材のB‐B線矢視断面図である。

図11Aに示された封止部材のA‐A線矢視断面図である。

2つのヒンジのうちの一方を通る図10に示されている上側ドアの後側プレートの部分断面図である。

図1は、インクジェットプリンタ1を概略的に示している。インクジェットプリンタ1は、インク供給システム2、印刷ヘッド3および制御装置4を有する。インク供給システム2は、インク貯蔵システム5およびサービスモジュール6を含む。図1では、インクジェットプリンタを通る流体の流れは、実線矢印で図式的に示され、制御信号は、破線矢印で図式的に示されている。サービスモジュール6は、インクジェットプリンタ1と解除可能に係合できるよう構成されており、その結果、モジュールを点検整備または交換のためにインクジェットプリンタ1から容易に取り外すことができるようになっている。したがって、サービスモジュール6は、インクジェットプリンタから取り外し可能なモジュールである。

サービスモジュール6は、流体カートリッジに解除可能に係合する2つのカートリッジ連結部を有する。特に、サービスモジュール6は、インクカートリッジ8に解除可能に係合するインクカートリッジ連結部7および溶剤カートリッジ10に解除可能に係合する溶剤カートリッジ連結部9を有する。サービスモジュール6は、インクジェットプリンタに解除可能に係合するプリンタ連結部11を更に有する。使用にあたり、サービスモジュール6は、インクジェットプリンタ1の一部をなし、この関係で、「インクジェットプリンタに解除可能に係合する」という表現中の「インクジェットプリンタ」という用語は、サービスモジュール6を含まないインクジェットプリンタの部分を意味していることは理解されよう。

プリンタ連結部11は、複数の流体ポートを有し、各流体ポートは、インクジェットプリンタ1内の流体通路に結合するよう配置され、それにより流体がサービスモジュール6とインクジェットプリンタ1の他の部分、例えばインク貯蔵システム5および印刷ヘッド3との間で流れることができるようになっている。プリンタ連結部11は、インクジェットプリンタ1に設けられたコネクタとは対応関係をなして係合するよう配置された電気コネクタを更に含む。

インクおよび溶剤カートリッジ連結部7,9の各々は、流体がインクおよび溶剤カートリッジ8,10からサービスモジュール6中に流れることができるようインクおよび溶剤カートリッジ8,10のそれぞれの出口に係合する流体コネクタを有する。インクおよび溶剤は、サービスモジュール6からプリンタ連結部11を経てインク貯蔵システム5に流れることができる。作動の際、インクカートリッジ8からのインクと溶剤カートリッジ10からの溶剤をインク貯蔵システム5内で混合させて印刷の際に用いるのに適した所望の粘度の印刷用インクを生じさせることができる。このインクを印刷ヘッド3に供給し、未使用インクを印刷ヘッド3からインク貯蔵システム5に戻す。サービスモジュール6はまた、クリーニング目的で溶剤の流れをプリンタ連結部11経由で印刷ヘッド3に提供するよう動作可能である。

インクジェットプリンタ1は、制御装置4によって制御される。制御装置4は、インクジェットプリンタ1内に設けられている種々のセンサから信号を受け取り、そして適当な制御信号をインク供給システム2および印刷ヘッド3に提供してインクジェットプリンタ1を通るインク及び溶剤の流れ(流量)を制御することがようになっている。制御装置4は、当該技術分野において知られている任意適当な装置であって良く、代表的には、少なくとも、プロセッサおよびメモリを含む。

インクカートリッジ8は、入っているインクに関連したデータ(例えば、インクの種類および量)を記憶または格納する電子データストレージ装置12を備えるのが良い。同様に、溶剤カートリッジ10は、入っている溶剤に関連したデータ(例えば、溶剤の種類および量)を記憶または格納する電子データストレージ装置13を備えるのが良い。サービスモジュール6は、電子データストレージ装置14を有する。電子データストレージ装置14は、識別データ(例えば、認証コード)を記憶するのが良い。電子データストレージ装置14は、他の形式のデータ、例えばサービスモジュール6に使用できる(又は以前使用された)インクおよび/または溶剤の種類に関する認証データ、サービスモジュール6またはインクジェットプリンタ1のモデル番号、シリアル番号、製造日、有効期限、最初に供用された日付、サービスモジュール6がインクジェットプリンタ1で使用された時間数、有効寿命などもまた記憶することができる。電子データストレージ装置12,13,14のうちの任意の1つに記憶された情報を暗号化形態で記憶されるのが良い。これは、データのいたずら(tampering 不正な解析や改変)を防止することができる。電子データストレージ装置14は、適当なまたは認識されたサービスモジュール6だけインクジェットプリンタ1に用いることができるようセキュリティデータを含むのが良い。電子データストレージ装置14は、書き込み可能データ部分を更に含むのが良い。インクジェットプリンタ1は、サービスモジュール6がその有効寿命の終わりに達してサービスモジュール6はもはやインクジェットプリンタ1または任意他のプリンタで用いることができないことが分かるようにするよう電子データストレージ装置14に書き込みを行うことができる。

制御装置4は、電子データストレージ装置12,13と情報のやりとりをするよう構成されている。カートリッジ8,10の電子データストレージ装置12,13とのこのやりとりは、サービスモジュール6を介して行われる。インクおよび溶剤カートリッジ連結部7,9の各々は、係合状態のインクまたは溶剤カートリッジ8,10に設けられた接点に対応して接触するよう配置された電気接点を含む。カートリッジ8,10に設けられた対応の接点により、情報をサービスモジュール6のプリンタ連結部11を介してそれぞれデータストレージ装置12,13から読み取ったり/あるいはこれらに書き込んだりすることができる。

例えば、インク供給システム2が最初に用いられると、電子データストレージ装置12および/または電子データストレージ装置13からのデータを読み取って使用されているインクおよび/または溶剤の種類を確認する。その後、新たなインクカートリッジまたは溶剤カートリッジがプリンタ1内で用いられると、適合性を保証するために、制御装置4によってインクカートリッジ8および溶剤カートリッジ10のそれぞれの電子データストレージ装置12,13に記憶されているデータのチェックを行うのが良い。このように、インク供給システム2が特定の種類のインクとともに用いられると、制御装置4は、電子データ貯蔵装置12,13上に記憶されているインクカートリッジ8および/または溶剤カートリッジ10と関連したデータが適合性を示す場合にのみプリンタ1が動作可能であるようにする(すなわち、インクがインクカートリッジ8から流れるようにするとともに/あるいは溶剤が溶剤カートリッジ10から流れるようにする)。

次に図2を参照してインクジェットプリンタ1、特にインク供給システム2についてさらに詳細に説明する。図2は、図1のインクジェットプリンタ1の構成要素を詳細に概略的に示しており、分かりやすくするために、制御装置4および関連の信号が、省かれている。

作動を説明すると、インクを圧力下でインク供給システム2から印刷ヘッド3に送り出し、そして可撓性管(これら可撓性管は、他の流体管および電線(図示せず)と一緒に束にされている)を経て当該技術分野において「アンビリカル(umbilical )」15と呼ばれている導管中に戻す。インク供給システム2は、本発明の実施形態としてのキャビネット16内に配置され、印刷ヘッド3は、キャビネット16の外側に配置される。キャビネット16は、代表的には、架台(スタンド)に取り付けられる。

インク貯蔵システム5は、インクのたまりまたはインクリザーバ18を貯蔵するミキサータンク17および溶剤のたまりまたは溶剤リザーバ20を貯蔵する溶剤タンク19を含む。ミキサータンクは、インクリザーバ18が入れられる略テーパ付きの下側部分を有する。

作動を説明すると、インクをミキサータンク17内のインクリザーバ18からシステムポンプ21によって引き出す。ミキサータンク17に必要に応じて交換可能なインクおよび溶剤カートリッジ8,10からインクおよび補給溶剤を一杯まで継ぎ足す。インクおよび溶剤をインクおよび溶剤カートリッジ8,10からサービスモジュール6経由でミキサータンク17に移送し、これについては以下に更に説明する。

以下の説明から理解されるように、インク供給システム2および印刷ヘッド3は、同一の一般形式の多数の流量制御弁、すなわち、デュアルコイルソレノイド操作式二方向流量制御弁を有する。弁の各々の作動は、制御装置4によって定められる。

ミキサータンク17から引き出されたインクを先ず最初にシステムポンプ21の下流側に設けられた第1の(比較的粗い)フィルタ22によって濾過し、次に選択的に圧力下で2つのベンチュリポンプ23,24およびフィルタモジュール25に送り出す。フィルタモジュール25は、第2の細かいインクフィルタ26および流体ダンパ27を有する。流体ダンパ27は、従来構造のものであり、この流体ダンパは、システムポンプ21の作動によって生じた圧力脈動を除く。供給ライン28を通ってインクを圧力トランスデューサ29経由で印刷ヘッド3に供給する。

印刷ヘッド3のところで、供給ライン28からのインクを第1の流量制御弁31経由で液滴発生器30に供給する。液滴発生器30は、加圧インクを排出するノズル32および圧力摂動を所定の周波数および振幅でインク流れ中に生じさせてインク流を規則的なサイズおよび間隔の液滴33の状態にばらばらにする圧電振動子(図示せず)を有する。ばらばらにする箇所は、ノズル32の下流側に位置し、電荷電極34と略一致しており、この電荷電極34では、所定の電荷が各液滴33に印加される。この電荷は、液滴33が1対の偏向板35を通るときに液滴33の偏向度を定め、これら偏向板相互間に実質的に一定の電界が維持される。非荷電液滴は、実質的に非偏向状態でガター36に至り、このガターから、非荷電液滴は、戻りライン37を通って第2の流量制御弁38経由でインク供給システム2にリサイクルされる。荷電液滴は、印刷ヘッド3を通り過ぎる基材(図示せず)に向かって射出される。各液滴33が基材に当たる位置は、液滴の偏向量および基材の運動速度によって定められる。

液滴発生器30の有効作動を保証するため、印刷ヘッド3に流入するインクの温度は、加熱器(図示せず)によって所望レベルに維持されるのが良く、その後、インクは、第1の流量制御弁31に至る。プリンタが休止状態から始動される場合、インクがガター36または基材に向かって射出されるのではなく、ノズル32を通ってブリードすることができるようにすることが望ましい。かかる場合、インクは、第1の制御弁31からノズル32に流れ、次にブリードライン39経由で第2の制御弁38に戻り、この第2の制御弁のところで、ブリードラインは、戻りライン37につながる。インクがブリード流れであるかガター36によって捕捉されたリサイクル未使用インクであるにせよいずれにせよ、インクが戻りライン37中へ流れることは、第2の流量制御弁38によって制御される。戻っているインクは、ベンチュリポンプ23によってミキサータンク17に引き戻される。

ベンチュリポンプ23,24は、公知構造のものであり、これらベンチュリポンプは、ベルヌーイの原理を利用しており、それにより導管内のしぼりを通って流れている流体は、しぼり部のところで高速ジェットに増速して低圧領域を生じさせる。側部ポートがこのしぼり部のところに設けられている場合、この低圧を用いると第2の流体を側部ポートに連結されている導管中に引き込んで運ぶことができる。この場合、加圧インクは、1対の導管40,41を通って流れ、そしてミキサータンク17内のリザーバ18に戻る。各導管40,41は、ベンチュリしぼり部のところに側部ポート42,43を備えている。インクの流速の増加により、側部ポート42,43のところに吸引圧力が生じ、これは、戻っているインクおよび/または溶剤を戻りライン37および供給ライン44中にそれぞれ引き込むのに役立つ。

インクがシステムを通って流れて印刷ヘッド3のところでミキサータンク17内の空気に接触すると、その溶剤含有量の一部分は、蒸発する傾向がある。したがって、インク供給システム2は、必要に応じて補給溶剤を供給してインクの粘度を使用に適した既定の範囲内に維持するよう作動することができる。

サービスモジュール6は、複数の流体導管(図2にライン46として概略的に示されている)を備えた本体45を有する。サービスモジュール6は、フラッシュポンプ47および4つの弁48,49,50,51を更に有し、これら4つの弁は、複数の流体導管46のうちの2つまたは3つ以上を選択的につないで本体45中に1つまたは2つ以上の流体通路を形成するよう配置されている。フラッシュポンプ47および弁48,49,50,51は、プリンタ連結部または接続部11を通って1つまたは2つ以上の制御信号を送ることによって制御装置4により制御される。適当な制御信号を用いて、サービスモジュール6は、インクまたは溶剤が次に説明する複数の互いに異なるモードでインクジェットプリンタ1を通って流れることができるよう複数の互いに異なる形態で配置されるのが良い。以下において、4つの弁48,49,50,51の各々が別段の指定がなければ閉じられているということを前提とする。

作動を説明すると、インクカートリッジ8からのインクおよび溶剤カートリッジ10からの溶剤を必要に応じてミキサータンク17に加えて印刷に適した所望の粘度の印刷用インクを生じさせるのが良い。このようにインクおよび/または溶剤をミキサータンク17に加えることは、ベンチュリポンプ24を用いることによって行われる。

ミキサータンク17は、ミキサータンク17内におけるインクのレベルを求めてこのレベルを表す信号を制御装置4に出力するよう動作できるレベルセンサ(図示せず)を備えている。インクは、印刷中に消費され、したがって、通常の作動中、ミキサータンク17内のインクのレベルは、経時的に下がる。ミキサータンク内のインクのレベルが下しきい値を下回ると、制御装置4は、インク供給システム2を制御してインクをミキサータンク17に追加するよう動作可能である。適当な制御信号を用いて、インクは、システムポンプ21によってミキサータンク17から引き出されて圧力下でベンチュリポンプ24に送り出され、それにより側部ポート43のところに吸引圧力を生じさせる。インクをミキサータンク17に追加するため、サービスモジュール6内の弁50,51が開かれる。インクは、ベンチュリポンプ24からの吸引圧力下でインクカートリッジ8から引き出されて供給ライン44に沿って流れる。インクは、ミキサータンク17中に排出されてレベルが増大する。ミキサータンク17内のインクのレベルが上しきい値に達すると、制御装置4は、ミキサータンク17へのインクの供給を止めるよう動作可能である。これを達成するため、ベンチュリポンプ24への流れを止め、弁50,51を閉じる。

ミキサータンク17内のインクのレベルを継ぎ足すかかるプロセスに続き、制御装置4は、カートリッジ8からミキサータンク17に移送されたインクの量を表す信号をインクカートリッジ8に設けられているデータストレージ装置12に送る。インクカートリッジ8内に残っているインクの量をデータストレージ装置12に記憶させるのが良く、そして制御装置4からの信号に応答してアップデートするのが良い。

上述したように、インクがシステムを通って流れてミキサータンク17および印刷ヘッド3内の空気に接触すると、その溶剤含有量の一部分が蒸発する傾向がある。定期的に、ミキサータンク17内のインクの粘度(またはこれを表す量)は、ミキサータンク17内に設けられた粘度計52を用いて求められる。

粘度計52には定期的にシステムポンプ21からフィルタモジュール25経由で圧力下でインクが供給される。粘度計中へのインクの流量は、制御弁53によって制御される。制御弁53を用いて、所定量のインクが粘度計52内のチャンバに供給され、粘度計へのインクの供給が止められる。次にインクは、重力の作用下でチャンバから流れ出る。インクがチャンバから流れ出る量は、インクの粘度で決まり、そしてチャンバ内の互いに異なる高さ位置のところに設けられた複数の電極を用いてモニタされる。複数の電極からの信号は、制御装置4によって受け取られ、この制御装置は、ミキサータンク17内のインクの粘度が下および上しきい値によって定められた所望の動作範囲内にあるかどうかを判定するよう動作可能である。

粘度が上しきい値を超えている場合、次に説明するように溶剤を溶剤タンク19内の溶剤リザーバ20からミキサータンク17に追加する。インクをミキサータンク17から引き出し、そして圧力下でベンチュリポンプ24に送り出して側部ポート43のところに吸引圧力を生じさせる。溶剤を追加するため、サービスモジュール6内の弁49,50を開く。ベンチュリポンプ24からの吸引圧力下で、溶剤が溶剤リザーバ20から引き出されてライン62に沿ってサービスモジュール6に送られ、そして供給ライン44に沿ってミキサータンク17に戻される。溶剤は、ミキサータンク17中に排出してリザーバ18内のインクの粘度を減少させる。

制御装置4は、インクの求められた粘度に基づいてミキサータンク17に加えられるべき溶剤の量を求めることができる。所望量の溶剤がミキサータンク17に加えられると、ベンチュリポンプ24への流れが止められ、そして弁49,50が閉じられる。

溶剤がミキサータンク17にいったん追加されると、粘度計52を再び用いてインクの粘度を求めるのが良い。溶剤の追加とインクの粘度の再チェックとの間には時間の遅延が存在する場合があり、それにより溶剤がインクと混じり合うことができる。ミキサータンク17内のインクの粘度を再チェックする際に、この粘度が依然として上しきい値を上回っている場合、溶剤を溶剤タンク19内の溶剤リザーバ20からミキサータンク17に追加するのが良い。このプロセスは、ミキサータンク17内のインクの所望の粘度に達するまで繰り返されるのが良い。

溶剤タンク19は、溶剤タンク19内における溶剤のレベルを求めてこのレベルを表す信号を制御装置4に出力するよう動作できるレベルセンサ(図示せず)を備えている。溶剤は、プリンタ1の作動中に消費される。と言うのは、溶剤は、リザーバ18内のインクの粘度を調節するためにミキサータンク17内に追加されるからである。したがって、溶剤タンク19内の溶剤リザーバ20中の溶剤のレベルは、経時的に下がる。

溶剤タンク19内の溶剤のレベルが下しきい値を下回ると、制御装置4は、溶剤供給システム2を制御して溶剤を溶剤タンク19に追加するよう動作可能である。適当な制御信号を用いて、サービスモジュール6内の弁48,49を開く。溶剤は、サービスモジュール6内の電気フラッシュポンプ47によって溶剤カートリッジ10から引き出されてライン62を通って溶剤リザーバ20に供給される。溶剤は、溶剤リザーバ20中に排出されてレベルが増大する。

溶剤タンク19内の溶剤のレベルが上しきい値に達すると、制御装置4は、溶剤タンク19への溶剤の供給を止めるよう動作可能である。これを達成するため、フラッシュポンプ47への流れを止めて弁48,49を閉じる。

溶剤タンク19内の溶剤のレベルを継ぎ足すかかるプロセスに続き、制御装置4は、溶剤カートリッジ10から溶剤タンク19に移送された溶剤の量を表す信号を溶剤カートリッジ10に設けられているデータストレージ装置13に送る。溶剤カートリッジ10内に残っている溶剤の量をデータストレージ装置13に記憶させるのが良く、そして制御装置4からの信号に応答してアップデートするのが良い。

溶剤カートリッジ10から提供される補給溶剤はまた、以下に説明するように印刷ヘッド3を閉塞しないよう保つために適当な時期に印刷ヘッド3をフラッシングするために用いられる。インクは、ミキサータンク17から引き出されて圧力下でベンチュリポンプ23に送り出され、それにより吸引圧力を側部ポート42のところに生じさせる。溶剤は、サービスモジュール6内に設けられている電気フラッシュポンプ47によって溶剤カートリッジ10から引き出され、そしてフラッシュライン54を通ってフィルタ55経由で印刷ヘッド3に供給される。サービスモジュール6から印刷ヘッド3への溶剤の流れ(流量)は、第1の制御弁31によって制御される。

圧力逃がし弁56がフラッシュポンプ47の入口と出口の間に連結されており、この圧力逃がし弁は、フラッシュポンプ47の吸引側への過度の圧力を逃がすよう働く。例えば、圧力逃がしポンプ56は、フラッシュポンプ47の下流側の所望の圧力、例えば2.5barを維持するよう構成されているのが良い。

溶剤は、第1の制御弁31を通ってノズル32に流れる。ノズル32を通過してガター36中に入ったあと、溶剤(印刷ヘッド3からの溶解インクとともに)がベンチュリポンプ23からの吸引圧力下で戻りライン37中に引き込まれる。溶剤およびインクは、ミキサータンク17中に出る。

上述したように、ミキサータンク17中へのインクおよび溶剤の流れは、ベンチュリポンプ24を用いて達成され、そのためには、ミキサータンク17内に最小量の流体が必要である。ベンチュリポンプ24の作動にとってミキサータンク17内に入っている流体の量が不十分である場合(例えば、インク供給システム2の最初の使用前において)、サービスモジュール6内のフラッシュポンプ47を用いて流体用ミキサータンク17に流体を追加することによってミキサータンク17をプライミングすることができる。

ミキサータンク17をプライミングするため、インクカートリッジを溶剤カートリッジ連結部9に係合させる。インクをミキサータンク17に追加するため、サービスモジュール6内の弁48,50を開く。インクは、サービスモジュール6内の電気フラッシュポンプ47によってインクカートリッジ(溶剤カートリッジ連結部9内の)から引き出され、そして供給ライン44を通って側部ポート42経由でミキサータンク17に供給される。十分な量のインクがいったんミキサータンク17に追加されると、フラッシュポンプ47を止め、弁48,50を閉じる。

使用にあたり、ミキサータンク17および溶剤タンク19内の雰囲気は、溶剤で飽和状態になり得る。凝縮器ユニット57が溶剤タンク19の上側部分内に設けられている。凝縮器ユニット57は、例えば、ペルチエ型凝縮器を含むのが良い。

空気がミキサータンク17と溶剤タンク19との間で流れることができるようにするために換気管58がミキサータンク17と溶剤タンク19との間で設けられている。換気管58は、これがインクリザーバ18の上方の空間を溶剤リザーバ20の上方の空間に通じさせるよう配置されている。ミキサータンク17からの溶剤含有蒸気は、換気管58を経て溶剤タンク19に入る。ミキサータンク17からの空気は、溶剤タンク内の空気よりも暖かく(システムポンプ21の作用に起因する)、したがって、この空気は、換気管58を経て溶剤タンクの頂部まで上昇し、ここで、この空気は凝縮器ユニット57に入る。

溶剤は、空気が凝縮器ユニット57内の能動素子に接触して冷却されると凝縮する。凝縮物(溶剤)は、溶剤リザーバ20中に排出する。乾燥状態の空気(この空気からは溶剤が除去されている)は、三方制御弁59の共通ポートに入る。システムを通る空気の流れ(流量)は、以下に説明するように制御弁59を用いて制御されるのが良い。

凝縮器ユニット57からの乾燥空気は、出口ライン60を通って流れることができ、この出口ライン経由でこの乾燥空気は、プリンタキャビネット16内の空隙に逃がされる。この空気流路は、制御弁59にとってデフォルトの構成であるのが良い。

変形例として、凝縮器ユニット57からの乾燥空気は、ライン61を通って流れることができ、ライン61は、アンビリカル15を通って印刷ヘッド3に至る。ライン61は、印刷ヘッド3内でガター36の近くの戻りライン37のところで終端する。真空圧力が逃がされた空気を戻りライン37に沿って第2の制御弁38に向かって引く(ガター36に入ったインクとともに)。ベンチュリポンプ23の通常の作動により、未使用インク液滴および逃がし空気が戻りライン37に沿ってアンビリカル15を通って側部ポート42に引き戻される。未使用インクと逃がし空気は両方とも、ミキサータンク17中に排出される。

制御弁59を用いて乾燥空気を凝縮器ユニット57からライン61に通して差し向ける場合、「閉」ハイドロリックループ(hydraulic loop)が作られる。凝縮器ユニット57によって回収されない溶剤蒸気は、ライン61,32を経てミキサータンク17に戻り、したがって、インクジェットプリンタ1からの溶剤の損失は、最小限に抑えられる。システムは、同じ空気を連続的に再循環させ、それによりもしそのようにしなければガター36経由で入る(例えば、制御弁59が凝縮器ユニット57からの乾燥空気を出口ライン60経由でプリンタキャビネット16内の空隙に抜いている場合)ことになる周囲空気の流れ込みが阻止される(または少なくとも最小限に抑えられる)。このように周囲空気がシステムに入るのを防ぐことは、ガター36経由の酸素の取り込みを阻止するのに役立ち、それによりインク酸化の蓋然性を減少させることによって長期間にわたるインク性能の向上が促進される。

図3および図4は、それぞれ、インクジェットプリンタ1のキャビネット16の実施形態の斜視図および側面図である。キャビネット16は、キャビネット16中への物質の侵入を最小限に抑えるとともに物質がキャビネットの外部上に集まる可能性を減少させるようになっており、これについては以下において説明する。これは、キャビネット16を衛生的環境、例えば食品製造環境における使用に特に適したものにする。

キャビネット16は、後壁101、側壁102,103、基部104および頂部105を有する。後壁101、側壁102,103、基部104および頂部105は、ハウジングを形成するものと見なすことができる。

キャビネット16のフロントは、上側ドア106および下側ドア107を備え、これらドアの各々は、ハウジングに回動可能に取り付けられている。図5は、キャビネット16のハウジングを示しており、すなわち、上側および下側ドア106,107が取り外された状態を示している。

上側ドア106は、これが全体として矢印Aで示されているようにピボット108回りにハウジングに対して回転することができるようハウジングに回動可能に取り付けられている。上側ドア106は、上側コンパートメント109への接近を可能にする。上側ドア106は、少なくとも、閉じ位置(図3および図4参照)と開き位置との間で回転するよう動作可能である。開き位置にあるとき、上側コンパートメント109に対する接近(アクセス)は、略長方形の孔109aを経て可能である。閉じ位置にあるとき、上側ドア106は、上側コンパートメント109への接近(アクセス)を妨害する。

上側コンパートメント109は、制御装置4の一部をなすのが良い制御回路(図示せず)を収容している。ディスプレイスクリーン110が上側ドア106に設けられている。ディスプレイスクリーン110は、ユーザが接近(アクセス)するインクジェットプリンタ1に関する情報を表示するよう動作できる。ディスプレイスクリーン110は、タッチスクリーンであるのが良く、このディスプレイスクリーンは、ユーザ入力装置を提供することができ、それによりユーザは、インクジェットプリンタ1の1つまたは2つ以上のパラメータを制御することができる。変形例として、別個の入力装置(図示せず)を上側ドア106に設けても良い。

下側ドア107は、これが全体として矢印Bで示されているようにピボット111回りにハウジングに対して回転することができるようハウジングに回動可能に取り付けられている。下側ドア107は、ハウジングの下側コンパートメント112への接近を可能にする。下側ドア107は、少なくとも、閉じ位置と開き位置(図3および図4参照)との間で回転するよう動作可能である。開き位置にあるとき、下側コンパートメント112に対する接近(アクセス)は、略長方形の孔112aを経て可能である。閉じ位置にあるとき、下側ドア107は、下側コンパートメント112への接近(アクセス)を妨害する。

使用にあたり、インク供給システム2の要素を下側コンパートメント112内に配置する。サービスモジュール6、インクカートリッジ8および溶剤カートリッジ10を下側ドア107に取り付ける。インク貯蔵システム5をハウジング内に配置し、このインク貯蔵システムは、例えば、キャビネット16の基部104に取り付けられても良い。

キャビネット16は、食品調理環境で使用できる。したがって、衛生上の理由で、物質がキャビネット16の外部上に集まる可能性を減少させることが望ましい。使用にあたり、キャビネット16を架台(スタンド)(図示せず)に取り付けるのが良く、そしてこのキャビネットを基部104が略水平になるように差し向けるのが良い。さらに、キャビネット16にホースで水をかけることによってキャビネット16を定期的にクリーニングして食品衛生規格を満たすようにするのが良い。例えば、製造ラインが2種類以上の食料の調理に用いられる場合、製造ライン上での2つの互いに異なる食品の調理相互間で製造ライン上の全ての機器(かかる機器は、インクジェットプリンタ1を含む)にホースで水をかける場合がある。これにより第1の食品による第2の食品の汚染を減少させることができる。

キャビネット16の頂部105は、基部104に対して傾けられている。したがって、頂部105は、基部104に対してゼロではない角度をなして配置される。さらに、ハウジングは、上側ドア106が閉じ位置にあるとき、この上側ドアが基部104に対して傾けられるよう形作られている。したがって、閉じられると、上側ドア106は、基部104に対してゼロではない角度で配置される。したがって、使用にあたり、基部104が水平であるとき、頂部105および上側ドア106(閉じ位置にあるとき)は、そうではない。これにより、キャビネット16上への物質(例えば、製造ラインからの食品デブリ)の収集が減少し、と言うのは、かかる物質は、頂部105および上側ドア106によって形成される傾斜した表面を滑り落ちる傾向があるからである。さらに、頂部105および上側ドア106を基部104に対して傾けることにより、キャビネットにホースで水をかけたときにキャビネット16からの水または他の洗浄用流体の排出が助けられ、それにより洗浄用流体(潜在的に食品デブリを含む)がキャビネット16の表面上にたまるのが阻止される。

キャビネット16は、外部持ち上げハンドルを備えておらず、これとは異なり、キャビネット16は、各側壁102,103と基部104との間の縁部のところでキャビネット16の各側に設けられた凹部113を備えている。凹部113は、握りとしての使用のためである。キャビネット16を持ち上げことが望ましい場合、ユーザが手を各凹部113中に差し込むのが良い。この場合もまた、かかる構成により、物質が集まる場合がありまたは洗浄用流体がたまる場合のある、上方に向いた水平面(外部ハンドルによって提供される場合がある)の提供が回避される。

キャビネット16中への物質の侵入を最小限に抑えるため、上側および下側ドア106,107の各々は、以下に説明するように内部ヒンジおよび封止部材を備えている。

図5で最も明確に理解できるように、下側コンポーネント112に通じる孔112aは、側壁102から側壁103まで延びてはいない。これとは異なり、下側前壁区分114が孔112aの周囲に沿ってぐるりと設けられている。キャビネット16は、孔112aの周囲周りに封止部材115(図3に示されている)を備え、この封止部材115は、下側前壁区分114に係合する。

キャビネット16は、キャビネット16のハウジングと下側ドア107との間の回動取り付け部を形成する2つの下側ヒンジ(図6および図7を参照して以下に詳細に説明する)を有する。下側ヒンジの各々は、キャビネット16の基部104に固定されたブラケット122を有し、下側ドア107は、このブラケット122に回動可能に取り付けられている。

図6は、ブラケット122のうちの1つを示し、図7は、下側ドア107に回動可能に取り付けられた両方のブラケット122を示している。各ブラケット122は、キャビネット16の基部104に取り付け可能な略扁平な区分123を定めている。この目的のため、略扁平な区分123は、略扁平な区分123を基部104に取り付けることができるようにするための固定孔124を備えている。第2の区分125が略扁平な区分123(および取り付けられたときには基部104)から遠ざかって第3の区分126まで延びる。

キャビネット16の下側ドア107は、前側パネル127および周辺リム128を有する。前側パネル127は、下側ドア107が閉じ位置にあるとき、孔112aを略横切って延びる。周辺リム128は、前側パネル127の周囲周りに延び、前側パネル127に略垂直にこれから遠ざかって延びて凹部を形成している。

ブラケット122の第3の区分126は、下側ドア107が閉じ位置にあるとき、キャビネット16のハウジングから遠ざかって下側ドア107によって定められた凹部中に延びる。第4の部分129が、これが第2の部分125に略平行になるように第3の部分126から延びている。第4の部分129は、第2の部分125よりも短い。第5の部分130が第3の区分126に略平行であり、この第5の部分は、第4の区分129から第2の区分125に向かって延びている。第5の部分130の遠位端部は、ヒンジピン(図示せず)を受け入れる貫通ボア131を備えている。第5の部分130は、第4の部分129よりも短い。

下側ドア107へのブラケット122の回動取り付けは、2本のヒンジピン(図示せず)により行われ、これらヒンジピンの各々は、貫通ボア131の各々内にそれぞれ受け入れられる。ヒンジピンは、ブラケットまたは支持体(図示せず)によって下側ドア107に対して固定されている。図7では、左側ブラケット122は、下側ドア107に対して第1の向きに配置され、右側ブラケット122は、下側ドア107に対して第2の向きに配置されている。下側ドア107が開き位置にあるとき、両方のブラケット122は、第1の向きに配置され、下側ドア107が閉じ位置にあるとき、両方のブラケット122は、第2の向きに配置される。

2つのブラケット122の貫通ボア131は、ピボット111(図4参照)と略整列している。ブラケット122は、ピボット111が下側ドア107の凹部内に位置するようキャビネット16の基部104から下側ドア107によって定められた凹部中に延びている。かかる構成では、ヒンジの全ての部分は、ドアが閉じ位置にあるとき、キャビネット16内に位置し、それにより封止部材115によってハウジングと下側ドア107との間で下側ドア107の周囲全体に沿ってぐるりとシールを形成することができる。

封止部材115は、図8Aおよび図8Bに示されている。図8Bの断面図でより明確に理解できるように、封止部材115は、下側前壁区分114に係合する後面116を有する。封止部材115は、任意の都合の良い仕方で下側前壁区分114に連結されるのが良くまたはこれに係合するのが良い。一実施形態では、封止部材115は、適当な接着剤によって下側前壁区分114にくっつけられるのが良い。別の実施形態では、フランジ(図示せず)が下側前壁区分に設けられるのが良く、フランジは、後面116に設けられた溝117内に受け入れられるのが良い。かかる実施形態に関し、封止部材115と下側前壁区分114との係合は、別の封止部材(以下に説明する封止部材135)とキャビネット16の対応の係合とほぼ同じであるのが良い。

封止部材115のフロント119は、下側ドア107が閉じられると、下側ドア107に係合するよう配置されている。有効シールの実現を達成するため、封止部材115は、下側ドア107の凹部内に受け入れ可能な第1の厚い部分120、および下側ドア107の周辺リム128に係合する第2の薄い部分121を備えている。第2の部分121は、下側ドア107の周辺リム128を受け入れる溝122を定める。

ふたたび図5を参照すると、上側コンパートメント109の孔109aは、側壁102から側壁103に延びてはいない。これとは異なり、上側前壁区分132が孔109aの周囲に沿ってぐるりと設けられている。フランジ133が孔109aの周囲に沿ってぐるりと延びている。フランジ133は、上側前壁区分132に対して略垂直にこれから遠ざかって延びている。キャビネット16は、孔109aの周囲に沿ってぐるりと設けられた封止部材134(図11A〜図11Cを参照して以下に詳細に説明する)を備え、封止部材134は、上側前壁区分132に係合している。

キャビネットは、キャビネット16のハウジングと上側ドア106との間に回動取り付け部を形成する2つの上側ヒンジを有する。上側ヒンジの各々は、図9に示されているように第1のブラケット135および1対の第2のブラケット136を有する。1対の第2ブラケット136の各々は、第1のブラケット135に回動可能に取り付けられている。第1のブラケット135は、キャビネット16の頂部105に固定されている。1対の第2のブラケット136の各々は、上側ドア106に固定されている。

図10に示されているように、上側ドア106は、種々の制御エレクトロニクスのためのハウジング139を有する。ハウジング139の後側パネル140は、凹み部分141を有し、この凹み部分は、隆起部分142によって画定されている。2つの孔143が後側パネル140の凹み部分141に設けられている。第1のブラケット135は、キャビネット16の頂部105に固定され、第1のブラケットの各々は、キャビネット16の頂部105から孔143のうちの1つを通って上側ドア106のハウジング139内に延びている。その結果、ピボット108は、上側ドア106のハウジング139内に位置する。1つまたは2つ以上の追加の孔144が上側コンパートメント109からのハウジング139への接近(アクセス)を可能にするとともに/あるいは電気ケーブルなどがハウジング139と上側コンパートメント109との間を通ることができるよう、後側パネル140に設けられている。

封止部材134は、図11A〜図11Cに示されている。図11Bおよび図11Cの断面図で明確に理解できるように、封止部材134は、後面145を有し、この後面は、上側前壁区分132および孔109aの周囲に沿うフランジ133に係合する。溝146が後面145に設けられており、溝146は、封止部材134の周囲に沿ってぐるりと延びている。フランジ133は、封止部材134の後面145がハウジングの上側前壁区分132に接触するよう溝146内に受け入れられる。

封止部材134のフロント147は、上側ドア106が閉じられると上側ドア106に係合するよう配置されている。信頼性のあるシールの実現を保証するため、フロント147は、上側ドア106の後側プレート140に設けられた凹部141内に受け入れる第1の厚い部分148、および後側パネル140の隆起部分142に係合する第2の薄い部分149を備えている。第2の部分149は、後側パネル140の隆起部分142を受け入れる溝150を定める。

上側ドア106の後側パネル140は、上側ドア106が閉じられると、孔109aを略横切って延びる。

ふたたび図9を参照すると、第1のブラケット135は、キャビネット16の基部104に取り付け可能な略扁平な区分137を備えている。この目的のため、略扁平な区分137は、略扁平な区分137をキャビネット16の頂部105に固定することができるようにするための固定孔138を備えている。

第1のブラケット135の略扁平な区分137は、上側ドア106が閉じ位置にあるとき、キャビネット16のハウジングから遠ざかって上側ドア106のハウジング139内に延びている。

第1のブラケット135の第2の区分151が略扁平な区分137から遠ざかって延びかつ略扁平な区分137に略垂直である。第3の区分152は、これが略扁平な区分137に略平行になるように第2の区分151から延びている。第3の区分152は、略扁平な区分137よりも短い。第4の区分153が第3の区分152から延びている。切除区分154が第4の区分153を貫通するとともに第3の区分152を部分的に貫通して延び、その結果、第4の区分153は、2つの別々の部分を有している。ヒンジピン155が第4の区分153の2つの別々の部分相互間に延びている。

1対の第2のブラケット136の各々は、断面が略p字形であり、ループ区分156およびこれらから延びる略扁平な区分157を備えている。ヒンジピン155は、1対の第2のブラケット136の各々が第1のブラケット135に回動可能に連結されるよう、1対の第2のブラケット136の各々のループ区分156を貫通している。

1対の第2のブラケット136の各々の略扁平な区分157は、固定孔158を介して後側プレート140の内部フェースに取り付けられている。両方の上側ヒンジの第2のブラケット136のループ区分156は、ピボット108(図4参照)と略整列している。第1のブラケット135がキャビネット16の頂部105から上側ドア106のハウジング139内に延びているので、ピボット108は、ハウジング139の内側に位置する。

かかる構成では、上側ヒンジの全ての部分は、上側ドア106が閉じられたとき、キャビネット16内に位置し、それによりシールを封止部材134によってハウジングと上側ドア106との間で孔109aの周囲全体に沿ってぐるりと形成することができる。

図10に示されているように、追加の封止部材159が上側ドア106のハウジング139の周囲に沿ってぐるりと延びる溝内に設けられている。封止部材159は、上側ドア106と下側ドア107の両方が閉じられると、上側ドア106と下側ドア107との間に追加のシールを提供する。

封止部材115,134,159の各々は、適当な硬度の任意適当な材料で形成できる。適当な材料としては、ゴム、シリコーンなどが挙げられる。ゴムは、合成ゴム、例えばEPDMゴム(エチレンプロピレンジエンモノマー(Mクラス)ゴム)であるのが良い。適当な材料としては、約50または60のショア硬度を有するのが良い。一実施形態では、封止部材115は、EPDM50ショアで作られ、封止部材134は、シリコーン60ショアで作られ、封止部材159は、シリコーン60ショアで作られる。

インクジェットプリンタ1用の上述のキャビネット16は、2つのドア106,107を備えた構造体を提供し、これらドアの各々は、内部ヒンジおよびそのそれぞれのドア106,107の周囲全体に沿ってぐるりと延びる封止部材115,134を備えている。さらに、追加の封止部材159が2つのドア相互間のインターフェースのところに設けられている。かかる構成により、キャビネット16の内部への物質の侵入が最小限に抑えられる。

使用にあたり、キャビネット16を衛生的環境、例えば食品製造環境で用いることができる。かかる環境内の全ての機器が所与の侵入防護(Ingress Protection、IP)定格を有することが望ましくまたは必要な場合があり、このIP定格は、固体および液体(または水)の侵入に対してどのようなレベルの保護が提供されるかを特定している。かかる環境中で使用されるインクジェットプリンタ1は、所要のIP定格を有することが必要とされる場合がある。したがって、上記において開示したキャビネット16の特徴は、産業環境において利用される所要のIP定格、例えばIP65、IP66またはIP55を提供するようになっているのが良い。

さらに、インクジェットプリンタ1用の上述のキャビネット16は、物質がキャビネット16の外面上に集まる可能性を最小限に抑える構造を提供し、と言うのは、上方に向いた水平面が回避されるからである。これは、(a)頂部105が基部104に対して傾けられ、(b)ハウジングが、上側ドア106が閉じられると、この上側ドアが基部104に対して傾けられるよう形作られ、(c)外部持ち上げハンドルではなく、凹部113が設けられている構成によって達成される。

上述のキャビネット16は、衛生的環境、例えば食品製造環境内で用いられるのに特に適している。

本発明の特定の実施形態を上述したが、本発明は、上述した形態以外の形態で実施できることは理解されよう。上記説明は、本発明を限定するものではない。

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