発電設備、風車翼および風車翼の補強方法

申请号 JP2017021890 申请日 2017-02-09 公开(公告)号 JP6420857B2 公开(公告)日 2018-11-07
申请人 三菱重工業株式会社; 发明人 木村 保貴; 黒岩 隆夫; 太田 慶助;
摘要
权利要求

翼根部から翼先端部に向かって延在する翼本体と、 前記翼本体の前記翼根部の外表面の少なくとも一部を覆うように形成されたFRP補強層と、を備える風車翼であって、 前記翼本体は、前記風車翼をハブに取り付けるためのボルト穴を前記翼根部に有し、 前記FRP補強層は、前記翼本体の長手方向において、前記ボルト穴の延在範囲よりも翼先端側にのみ設けられ、 前記FRP補強層は、 積層された複数の繊維層と、 前記複数の繊維層に含浸された樹脂と、 を含み、 前記FRP補強層は、前記長手方向に沿った断面において、積層された前記複数の繊維層の前記長手方向における両端部がテーパ形状をなす ことを特徴とする風車翼。積層された前記複数の繊維層の前記両端部のうち翼先端側端部の第1テーパ形状が、積層された前記複数の繊維層の前記両端部のうち翼根側端部の第2テーパ形状よりも緩やかである ことを特徴とする請求項1に記載の風車翼。積層された前記複数の繊維層の前記両端部のうち前記翼先端側端部の前記第1テーパ形状は、前記長手方向に対して5%以下の勾配の傾斜面を有する ことを特徴とする請求項2に記載の風車翼。前記FRP補強層は、前記翼根部の断面において、積層された前記複数の繊維層の前記翼根部の周方向における両端部がテーパ形状をなす ことを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の風車翼。前記FRP補強層は、前記翼根部の前記外表面と前記複数の繊維層との間に位置し、多方向繊維層により形成される中間層を含む ことを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の風車翼。前記中間層は、DBM又はチョップドストランドマットである ことを特徴とする請求項5に記載の風車翼。前記繊維層の積層数は、10層以上100層以下である ことを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載の風車翼。前記樹脂は、ポリエステル樹脂又はエポキシ樹脂である ことを特徴とする請求項1乃至7の何れか一項に記載の風車翼。前記翼本体は、 背側の半割れセクションと、 前記背側の半割れセクションに接合される腹側の半割れセクションと、 を含み、 前記FRP補強層は、前記翼根部の周方向において、前記背側または前記腹側の少なくとも一方の前記半割れセクションが前記翼根部の断面にてなす円弧の中央の度位置をθ0としたとき、θ0−50度≦θ≦θ0+50度の角度範囲内に形成される ことを特徴とする請求項1乃至8の何れか一項に記載の風車翼。請求項1乃至9の何れか一項に記載の風車翼を備えた風発電設備。風車翼の翼根部の外表面の少なくとも一部を覆うように前記外表面上に繊維層を積層するステップと、 積層された前記繊維層に樹脂を含浸させて硬化し、前記翼根部の前記外表面上にFRP補強層を形成するステップと、 を備え、 前記風車翼は、前記風車翼をハブに取り付けるためのボルト穴を前記翼根部に有し、 前記風車翼の長手方向に沿った断面において、積層された前記繊維層の前記長手方向における両端部がテーパ形状をなすように前記繊維層を積層するとともに、 前記FRP補強層は、前記長手方向において、前記ボルト穴の延在範囲よりも翼先端側にのみ形成する ことを特徴とする風車翼の補強方法。積層された前記繊維層の前記両端部のうち翼先端側端部の第1テーパ形状が、積層された前記繊維層の前記両端部のうち翼根側端部の第2テーパ形状よりも緩やかとなるように、前記繊維層を積層する ことを特徴とする請求項11に記載の風車翼の補強方法。前記翼根部の前記外表面のうち、少なくとも前記FRP補強層の施工エリアを粗化するステップと、 前記翼根部の前記外表面のうち、粗化された前記施工エリアに中間層を形成するステップと、を備え、 前記繊維層は、前記中間層の上に積層される ことを特徴とする請求項11又は12に記載の風車翼の補強方法。前記FRP補強層を形成するステップでは、 積層された前記繊維層をバッグで覆い、 前記翼根部の前記外表面と前記バッグとにより囲まれる空間を減圧し、 前記空間内に樹脂を注入して、前記繊維層に前記樹脂を含浸させる ことを特徴とする請求項11乃至13の何れか一項に記載の風車翼の補強方法。

说明书全文

本発明は、風発電設備、風車翼および風車翼の補強方法に関する。

従来、風力発電設備(以下、風車とする)に用いられる風車翼には様々な方向から荷重が作用することが知られており、特に、強風時には風車翼の翼根部にフラップ方向への大きな荷重が作用する。一方で、風車には使用寿命の長期化が一般に要求される。このため、長年の使用による風車翼の劣化や疲労損傷への対応措置として、必要に応じて風車翼を追加的に補強するニーズが高まっている。

風車翼の補強に関し、特許文献1には、風車翼の翼根部の内周又は外周に、該翼根部の周方向に沿って補強用のリブを追加する技術が開示されている。具体的に、特許文献1に開示された技術は、翼根部の内周又は外周の一部又は全周に亘って円弧状の補強用リブを追加的に設けるものであり、上記リブにおける円弧の両端は、翼根部の周方向に沿ってテーパ状に形成される。

米国特許出願公開第2015/093250号明細書

しかし、上記特許文献1は、風車翼の長手方向に沿う軸方向から見た断面視にて略円筒状の翼根部が、荷重により撓んで楕円状に変形することを防止するための補強技術を開示するが、翼根部においてフラップ方向に作用する荷重への対策について何ら開示していない。このため、特許文献1では、翼根部のうちリブを追加した部分と追加しない部分との翼長方向の境界で上記リブを含めた翼根部の肉厚が急激に異なることとなり、荷重が作用した際に応力集中が起きやすいという問題があった。

本発明の少なくとも幾つかの実施形態は、風車翼の翼根部におけるフラップ方向の荷重に対して応力集中を抑制しつつ風車翼を補強することを目的とする。

(1)本発明の少なくとも一実施形態に係る風車翼は、 翼根部から翼先端部に向かって延在する翼本体と、 前記翼本体の前記翼根部の外表面の少なくとも一部を覆うように形成されたFRP補強層と、を備え、 前記FRP補強層は、 積層された複数の繊維層と、 前記複数の繊維層に含浸された樹脂と、 を含み、 前記FRP補強層は、前記翼本体の長手方向に沿った断面において、積層された前記複数の繊維層の前記長手方向における両端部がテーパ形状をなす。

上記(1)の構成によれば、樹脂が含侵した複数の繊維層を含むFRP補強層により、翼本体の翼根部の外表面の少なくとも一部を覆って補強することができる。上記FRP補強層は、翼本体の長手方向に沿った断面において、積層された複数の繊維層の長手方向における両端部がテーパ形状をなすから、該FRP補強層を含めた風車翼の翼根部の肉厚が該風車翼の長手方向において急激に変化することがない。したがって、風車翼の翼根部におけるフラップ方向の荷重に対して応力集中を適切に抑制しつつ風車翼を補強することができる。

(2)いくつかの実施形態では、上記(1)に記載の構成において、 積層された前記複数の繊維層の前記両端部のうち翼先端側端部の第1テーパ形状が、積層された前記複数の繊維層の前記両端部のうち翼根側端部の第2テーパ形状よりも緩やかである。

上記(2)の構成によれば、積層された複数の繊維層の両端部のうち、設置面積に余裕のある翼先端側端部の第1テーパ形状については、上記両端部のうち翼根側端部の第2テーパ形状よりも傾斜を十分に緩やかに形成することができる。したがって、長手方向における翼根部の肉厚の変化を十分に緩やかなものとできるため、フラップ方向の荷重に対する応力集中を好適に抑制しながら風車翼を補強することができる。

(3)いくつかの実施形態では、上記(1)又は(2)に記載の構成において、 積層された前記複数の繊維層の前記両端部のうち前記翼先端側端部の前記第1テーパ形状は、前記長手方向に対して5%以下の勾配の傾斜面を有する。

上記(3)の構成によれば、繊維層における翼先端側端部の傾斜面の勾配を風車翼の長手方向に対して5%以下の十分に緩やかなものとすることができる。これにより、長手方向における翼根部の肉厚の変化を十分に緩やかなものとできるため、フラップ方向の荷重に対する応力集中を適切に抑制しながら風車翼を補強することができる。

(4)いくつかの実施形態では、上記(1)乃至(3)の何れか1つに記載の構成において、 前記FRP補強層は、前記翼根部の断面において、積層された前記複数の繊維層の前記翼根部の周方向における両端部がテーパ形状をなす。

上記(4)の構成によれば、FRP補強層は、翼根部の周方向における両端部が断面視にてテーパ形状をなすから、周方向における翼根部の肉厚の変化を十分に緩やかなものとして応力集中を抑制しつつ風車翼を補強することができる。

(5)いくつかの実施形態では、上記(1)乃至(4)の何れか1つに記載の構成において、 前記FRP補強層は、前記翼根部の前記外表面と前記複数の繊維層との間に位置し、多方向繊維層により形成される中間層を含む。

上記(5)の構成によれば、翼根部の外表面と複数の繊維層との間に多方向繊維層により形成される中間層を配置することにより、風車翼の外表面に対する繊維層の接着性を向上させることができる。ここで、多方向繊維層とは、単一方向に繊維が並ぶ一方向繊維層とは異なり、繊維が複数方向に並んでいる層をいう。

(6)いくつかの実施形態では、上記(5)に記載の構成において、 前記中間層は、DBM又はチョップドストランドマットである。

上記(6)の構成によれば、DBM又はチョップドストランドマットにより風車翼の外表面に対する繊維層の接着性を容易に向上させることができる。

(7)いくつかの実施形態では、上記(1)乃至(6)の何れか1つに記載の構成において、 前記繊維層の積層数は、10層以上100層以下である。

上記(7)の構成によれば、風車翼の翼根部近傍における応力の分布に応じて、必要な厚さに繊維層を形成して風車翼を補強することができる。

(8)いくつかの実施形態では、上記(1)乃至(7)の何れか1つに記載の構成において、 前記樹脂は、ポリエステル樹脂又はエポキシ樹脂である。

上記(8)の構成によれば、ポリエステル樹脂又はエポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂を繊維層に含侵して硬化させることにより、FRP補強層を形成することができる。 例えば、ポリエステル樹脂を繊維層に含侵させて硬化させた場合は自己発熱で硬化するので外部からの加熱作業が不要であり、容易且つ安価にFRP補強層を形成することができる。また、エポキシ樹脂を繊維層に含侵させて硬化させた場合は翼根部の外表面との接着性に優れたFRP補強層を形成することができる。

(9)いくつかの実施形態では、上記(1)乃至(8)の何れか1つに記載の構成において、 前記翼本体は、 背側の半割れセクションと、 前記背側の半割れセクションに接合される腹側の半割れセクションと、 を含み、 前記FRP補強層は、前記翼根部の周方向において、前記背側または前記腹側の少なくとも一方の前記半割れセクションが前記翼根部の断面にてなす円弧の中央の度位置をθ0としたとき、θ0−50度≦θ≦θ0+50度の角度範囲内に形成される。

上記(9)の構成によれば、翼根部において曲げ応力によるフラップ方向への負荷が大きな部分を適切に補強することができる。

(10)いくつかの実施形態では、上記(1)乃至(9)の何れか1つに記載の構成において、 前記翼本体は、前記風車翼をハブに取り付けるためのボルト穴を前記翼根部に有し、 前記FRP補強層は、前記長手方向において、前記ボルト穴の延在範囲よりも翼先端側に設けられる。

上記(10)の構成によれば、風車翼をハブに取り付けるためのボルト穴の延在範囲よりも翼先端側にFRP補強層が設けられる。つまり、FRP補強層は、風車翼をハブに取り付けるためのボルト穴を塞ぐことがない。したがって、ボルト穴を介した風車翼のハブへの取り付け機能及び取り付け作業を阻害せずに風車翼を補強することができる。

(11)本発明の少なくとも幾つかの実施形態に係る風力発電設備は、 上記(1)乃至(10)の何れか一つに記載の風車翼を備える。

上記(11)の構成によれば、翼本体の長手方向に沿った断面において、積層された複数の繊維層の長手方向における両端部がテーパ形状をなすFRP補強層を備えることにより、風車翼の翼根部におけるフラップ方向の荷重に対して応力集中を抑制しつつ適切に補強された風車翼を備えた風力発電設備を得ることができる。

(12)本発明の少なくとも幾つかの実施形態に係る風車翼の補強方法は、 風車翼の翼根部の外表面の少なくとも一部を覆うように前記外表面上に繊維層を積層するステップと、 積層された前記繊維層に樹脂を含浸させて硬化し、前記翼根部の前記外表面上にFRP補強層を形成するステップと、 を備え、 前記風車翼の長手方向に沿った断面において、積層された前記繊維層の前記長手方向における両端部がテーパ形状をなすように前記繊維層を積層する。

上記(12)の方法によれば、上記(1)で述べたように、FRP補強層は、翼本体の長手方向に沿った断面において、積層された複数の繊維層の長手方向における両端部がテーパ形状をなすから、該FRP補強層を含めた風車翼の翼根部の肉厚が該風車翼の長手方向において急激に変化することがない。したがって、風車翼の翼根部におけるフラップ方向の荷重に対して応力集中を適切に抑制しつつ風車翼を補強することができる。

(13)いくつかの実施形態では、上記(12)に記載の方法において、 積層された前記繊維層の前記両端部のうち翼先端側端部の第1テーパ形状が、積層された前記繊維層の前記両端部のうち翼根側端部の第2テーパ形状よりも緩やかとなるように、前記繊維層を積層する。

上記(13)の方法によれば、上記(2)で述べたように、積層された複数の繊維層の両端部のうち、設置面積に余裕のある翼先端側端部の第1テーパ形状については、上記両端部のうち翼根側端部の第2テーパ形状よりも傾斜を十分に緩やかに形成することができる。したがって、長手方向における翼根部の肉厚の変化を十分に緩やかなものとできるため、フラップ方向の荷重に対する応力集中を好適に抑制しながら風車翼を補強することができる。

(14)幾つかの実施形態では、上記(12)又は(13)に記載の方法において、 前記翼根部の前記外表面のうち、少なくとも前記FRP補強層の施工エリアを粗化するステップと、 前記翼根部の前記外表面のうち、粗化された前記施工エリアに中間層を形成するステップと、を備え、 前記繊維層は、前記中間層の上に積層される。

上記(14)の方法によれば、翼根部の外表面に繊維層を直接的に積層するのではなく、翼根部の外表面のうち、少なくともFRP補強層の施工エリアを粗化するとともに、粗化された施工エリアに中間層を形成し、該中間層上に繊維層を積層することができる。したがって、中間層として、例えば、風車翼の外表面や繊維層に対する接着性の高い材料を用いることにより、風車翼の外表面に対する繊維層の接着性を向上させることができる。これにより、風車翼に対してFRP補強層をより一体的に形成することができるため、風車翼をより強固に補強することができる。

(15)幾つかの実施形態では、上記(12)乃至(14)の何れか一つに記載の方法において、 前記FRP補強層を形成するステップでは、 積層された前記繊維層をバッグで覆い、 前記翼根部の前記外表面と前記バッグとにより囲まれる空間を減圧し、 前記空間内に樹脂を注入して、前記繊維層に前記樹脂を含浸させる。

上記(15)の方法によれば、翼根部の外表面に積層された繊維層がバッグで覆われ、翼根部の外表面とバッグとで囲まれた空間が減圧され、減圧された空間内に樹脂が注入される。したがって、繊維層の隅々まで樹脂を含侵させることができるため、ボイドが少なく、強度に優れたFRP補強層を得ることができる。

本発明の少なくとも一実施形態によれば、風車翼の翼根部におけるフラップ方向の荷重に対して応力集中を抑制しつつ風車翼を補強することができる。

一実施形態に係る風力発電設備を示す概略図である。

一実施形態に係る風車翼の全体を示す斜視図である。

一実施形態に係る風車翼の補強部分(FRP補強層)を示す斜視図である。

一実施形態に風車翼の補強部分を示す図であり、翼根部の周方向におけるFRP補強層の両端部の形状及び施工エリアを示す模式図である。

風車翼の形状を説明する図であり、図2のV−V矢視を示す概略図である。

一実施形態に係る風車翼の補強部分であり、風車翼の長手方向における補強部分の両端部の形状を説明する図である。

一実施形態におけるFRP補強層の構成を示す図である。

一実施形態に係る風車翼の補強方法を示すフローチャートである。

一実施形態に係る風車翼の補強方法を示すフローチャートである。

一実施形態に係る風車翼の補強方法を示すフローチャートである。

一実施形態に係る風車翼の補強方法を示す図であり、翼表面の施工エリアを粗化する工程を示す模式図である。

一実施形態に係る風車翼の補強方法を示す図であり、粗化された施工エリアに中間層を形成する工程を示す模式図である。

一実施形態に係る風車翼の補強方法を示す図であり、中間層の上に繊維層を形成する工程を示す模式図である。

一実施形態に係る風車翼の補強方法を示す図であり、積層された繊維層をバッグで覆う工程を示す模式図である。

一実施形態に係る風車翼の補強方法を示す図であり、翼根部の外表面とバッグとで囲まれる空間を減圧する工程を示す模式図である。

一実施形態に係る風車翼の補強方法を示す図であり、繊維層に樹脂を含侵する工程を示す模式図である。

一実施形態に係る風車翼の補強方法を示す図であり、樹脂を硬化させて翼根部の外表面にFRP補強層が形成された状態を示す模式図である。

以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。 例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。 例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。 例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。 一方、一の構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。

図1は、一実施形態に係る風力発電設備を示す概略図であり、図2は、一実施形態に係る風車翼の全体を示す斜視図であり、図3は、一実施形態に係る風車翼の補強部分(FRP補強層)を示す斜視図である。 図1に示すように、本発明の少なくとも幾つかの実施形態に係る風力発電設備(以下、風車100とする)は、複数(図1に示す例では3枚)の風車翼1及び該風車翼1が取り付けられるハブ102で構成されるロータ101と、ロータ101を図示しない主軸及び主軸受を介して回転自在に支持するナセル103と、ナセル103を平旋回可能に支持するタワー104と、タワー104が設置されるベース105と、備える。なお、風車翼1は、3枚より多くてもよいし少なくても良い。

図2に示すように、幾つかの実施形態において、風車翼1は、翼根部3から翼先端部4に向かって延在する翼本体2と、翼本体2における翼根部3の外表面3Aの少なくとも一部を覆うように形成されたFRP補強層20と、を備える。以下、翼本体2について説明した後、FRP補強層20について詳述する。

翼本体2は、風車100のハブ102に取り付けられる翼根部3と、ハブ102から最も遠くに位置する翼先端部4と、翼根部3及び翼先端部4の間で翼長方向に延在する翼型部5と、を含む。また、翼本体2は、翼根部3から翼先端部4にかけて、前縁6と後縁7とを有する。また、翼本体2の外形は、背面11(負圧面)と、背面11に対向する腹面13(正圧面)とによって形成される。 なお、本明細書において、「翼長方向」とは、翼根部3と翼先端部4とを結ぶ方向であり、「コード方向(翼コード方向)」とは、翼本体2の前縁6と後縁7とを結ぶ線(コード)に沿った方向である。また、「翼根部」とは、風車翼1において断面が概ね円形となる円筒状の部分であり、風車翼1の翼本体2における翼根側の端面を基準として例えば5mの翼長方向範囲(典型的には、前記端面から1〜3mの範囲)である。

幾つかの実施形態において、翼本体2は、例えば、図2及び図3に示すように、前縁6と後縁7とを結ぶ線を境にして、上記の背面11側(背側)を構成する半割れの第1セクション10(背側の半割れセクション)と、腹面13側(腹側)を構成する半割れの第2セクション12(腹側の半割れセクション)とを含む。すなわち、幾つかの実施形態において、翼本体2は、背側の半割れセクション(第1セクション10)と、この背側の半割れセクションに接合される腹側の半割れセクション(第2セクション12)と、を含んでもよい。第1セクション10及び第2セクション12は、それぞれ前縁6及び後縁7をなす端部において互いが一体に接合されて翼本体2の外形を構成してもよい。幾つかの実施形態において、第1セクション10及び第2セクション12は、各々が向き合う内側の面が翼長方向に亘って少なくとも1本の不図示のシアウェブにより連結されてもよい。

いくつかの実施形態において、翼本体2は、風車翼1をハブ102に取り付けるためのボルト穴15を翼根部3に有していてもよい。すなわち、図3に示すように、翼根部3には、風車翼1をハブ102に取り付けるためのボルト(Tボルト)締結用の複数のボルト穴15が、該翼根部3の周方向に亘って等間隔に設けられる。ボルト穴15は、図示しないボルトの長さに応じて翼根部3のハブ側端面から所定距離離れた位置に穿設される。

幾つかの実施形態では、風車翼1の長手方向(翼長方向)において、ボルト穴15の延在範囲よりも翼先端側にFRP補強層20が設けられてもよい。このようにすれば、風車翼1をハブ102に取り付けるためのボルト穴15をFRP補強層20が塞ぐことがない。したがって、ボルト穴15を介した風車翼1のハブ102への取り付け機能及び取り付け作業を阻害せずに風車翼1を補強することが可能となる。

続いて、FRP補強層20について説明する。 幾つかの実施形態において、FRP補強層20は、積層された複数の繊維層24と、複数の繊維層24に含浸された樹脂26(図11F及び図11G参照)と、を含んで構成される。 各々の繊維層24は、例えば、炭素繊維又はガラス繊維等を含む複合材料(CFRP又はGFRP等のFRP)の繊維が単一方向に向けて揃って配置された、所謂UD(unidirection)層により構成されてもよい。この場合、FRP補強層20は、UD層の繊維方向が翼長方向に沿うように繊維層24が配向されていてもよい。 繊維層24の積層数は特に限定されないが、例えば、いくつかの実施形態では、繊維層24の積層数を10層以上100層以下としてもよい。また、幾つかの実施形態では、風車翼1の翼根部3近傍における応力の分布に応じて、必要な強度に補強可能な厚さとなるように繊維層24を積層してもよい。このようにすれば、風車翼1の翼根部3近傍における応力の分布に応じて風車翼1を適切に補強することができる。

図4は、一実施形態に係る風車翼の補強部分を示す図であり、翼根部の周方向におけるFRP補強層の両端部の形状及び施工エリアを示す模式図である。 図3及び図4に示すように、いくつかの実施形態において、FRP補強層20は、例えば、翼根部3の断面において、積層された複数の繊維層24の翼根部3の周方向における両端部がテーパ形状をなしていてもよい。このようにすれば、翼根部3の周方向における該翼根部3の肉厚の変化を十分に緩やかなものとして応力集中を抑制しつつ風車翼1を補強することが可能となる。幾つかの実施形態において、翼根部3の周方向におけるFRP補強層20の両端部のテーパ形状は、同じ勾配を有していてもよい。他の実施形態において、翼根部3の周方向におけるFRP補強層20の両端部のテーパ形状は、それぞれ異なる勾配を有していてもよい。

幾つかの実施形態において、FRP補強層20は、例えば、図4に示すように、翼根部3の周方向において、上記第1セクション10(背側の半割れセクション)又は第2セクション12(腹側の半割れセクション)の少なくとも一方が翼根部3の断面にてなす円弧の中央の角度位置をθ0としたとき、θ0−50度≦θ≦θ0+50度の角度範囲内に形成されてもよい。このようにすれば、翼根部3において曲げ応力によるフラップ方向への負荷が大きな部分を適切に補強することができる。

ここで、図5を参照し、風車翼1に作用するフラップ方向の荷重について説明する。図5は、風車翼の形状を説明する図であって図2のV−V矢視を示す概略図である。 図5に示すように、風車翼1は、翼根部3が断面形状略円形の円筒形状を有し、この翼根部3から翼先端部4にかけて、断面形状が翼型の翼型部5(図5中の破線参照)となっている。また、図5において、前縁6と後縁7とを結ぶコード方向にほぼ直交する、翼本体2の背側と腹側とを結ぶ方向がフラップ方向である。そして、強風時には、翼根部3のうち、該翼根部3のフラップ方向の両端となる背側の端部32Aと、腹側の端部32Bとに大きな荷重が作用する。このため、風車翼1の翼根部3の背側又は腹側を補強することで風車翼1に対する大きな補強効果が得られ、特に、風車翼1の長手方向となる翼長方向に対して、疲労強度を増すための補強を追加的に行う意義が大きい。

図6は、一実施形態に係る風車翼の補強部分であって風車翼の長手方向における補強部分の両端部の形状を説明する図であり、図7は、一実施形態におけるFRP補強層の構成を示す図である。 幾つかの実施形態において、FRP補強層20は、例えば、図3、図6及び図7に示すように、翼本体2の長手方向に沿った断面において、積層された複数の繊維層24の長手方向における両端部がテーパ形状をなしていてもよい。このようにすれば、樹脂26が含侵した複数の繊維層24を含むFRP補強層20により、翼本体2の翼根部3の外表面3Aの少なくとも一部を覆って補強することができる。上記FRP補強層20は、翼本体2の長手方向に沿った断面において、積層された複数の繊維層24の長手方向における両端部がテーパ形状をなすので、該FRP補強層20を含めた風車翼1の翼根部3の肉厚が該風車翼1の長手方向において急激に変化することがない。したがって、風車翼1の翼根部3におけるフラップ方向の荷重に対して応力集中を適切に抑制しつつ風車翼を補強することができる。 また、図3及び図6に示すように、翼本体2の翼根部3は中空のシェル構造を有し、必要な強度に応じて翼本体2の肉厚自体が変化する部分が存在する。このため、例えば、図6に示すように、翼本体2の厚さが変化する部分の外表面3AにFRP補強層20を設けることで、翼根部3を適切に補強することができるのである。

いくつかの実施形態では、例えば、図3、図6及び図7に示すように、積層された複数の繊維層24の両端部のうち翼先端側端部の第1テーパ形状(第1傾斜部28の傾斜角)が、積層された複数の繊維層24の両端部のうち翼根側端部の第2テーパ形状(第2傾斜部29の傾斜角)より緩やかであってもよい。

具体的に、FRP補強層20は、例えば、図6に示すように、翼長方向におけるFRP補強層20の翼根部3側の端部、すなわち、FRP補強層20の最下層の翼根部3側の端部から、FRP補強層20の最上層をなす繊維層24の最上層における翼根部3側の端部までの翼長方向に沿う距離をD1とし、FRP補強層20の最下層の翼先端部4側の端部から、FRP補強層20の最上層をなす繊維層24の最上層における翼先端部4側の端部までの翼長方向に沿う距離をD2とし、翼本体2の外表面3AからFRP補強層20の最上層の上面までの高さをHとしたとき、次式(1)の関係を満たすように構成してもよい。 [数1] H/D2

上記のように構成すれば、積層された複数の繊維層24の両端部のうち、設置面積に余裕のある翼先端側端部の第1傾斜部28については、上記両端部のうち翼根側端部の第2傾斜部29よりも傾斜を十分に緩やかに形成することができる。したがって、長手方向における翼根部3の肉厚の変化を十分に緩やかなものとすることができる。これにより、フラップ方向の荷重に対する応力集中を好適に抑制しながら風車翼1を補強することができる。

いくつかの実施形態では、積層された複数の繊維層24の両端部のうち翼先端側端部の第1傾斜部28が、長手方向に対して5%以下の勾配の傾斜面を有していてもよい。つまり、第1傾斜部28は、上述した距離D2及び高さHを用いて、次式(2)の関係を満たすように形成されてもよい。 [数2] H/D2≦0.05 ・・・(2)

上記のように構成すれば、繊維層24における翼先端側端部の傾斜面の勾配を風車翼1の長手方向に対して5%以下の十分に緩やかなものとすることができる。これにより、翼長方向における翼根部3の肉厚の変化を十分に緩やかなものとできるため、フラップ方向の荷重に対する応力集中を適切に抑制しながら風車翼1を補強することができる。

いくつかの実施形態では、積層された複数の繊維層24の両端部のうち翼根部3側端部の第2傾斜部29が、長手方向に対して10%以下の勾配の傾斜面を有していてもよい。つまり、第2傾斜部29は、上述した距離D1及び高さHを用いて、次式(3)の関係を満たすように形成されてもよい。 [数3] H/D1≦0.1 ・・・(3)

上記のように構成すれば、翼根部3側端部の第2傾斜部29についても、翼長方向における翼根部3の肉厚の変化を十分に緩やかなものとできるため、フラップ方向の荷重に対する応力集中を適切に抑制しながら風車翼1を補強することができる。

いくつかの実施形態において、FRP補強層20は、翼根部3の外表面3Aと複数の繊維層24との間に、多方向繊維層により形成される中間層22を含んでもよい(例えば、図11C及び図11G参照)。ここで、多方向繊維層とは、繊維が異なる方向に絡み合わされてなる層をいう。このように構成すれば、風車翼1の外表面3Aに対する繊維層24の接着性を向上させることができる。

いくつかの実施形態では、中間層22として、例えば、ダブルバイアスマット(double bias mat:DBM)材を用いてもよい。ダブルバイアスマット材は、異なる2方向(例えば、±45°)に向けてそれぞれ配列された繊維を組み合わせてなるマット材である。また、いくつかの実施形態では、中間層22としては、例えば、チョップドストランドマットを用いてもよい。チョップドストランドマットは、より糸(ストランド)が切断して得られる繊維片(例えば、5mm〜200mmの長さの繊維片)を無方向に均一に分散させ、結合剤(例えば、ポリエステルバインダー等)を用いてシート状(不織布)に成形したものである。このチョップドストランドマットは、基材強度に方向性がなく、含浸、脱泡、型なじみに優れるため、中間層22として好適に使用できる。このように構成すれば、繊維が多方向に入り組むように構成されたダブルバイアスマット又はチョップドストランドマットにより、風車翼1の外表面3Aに対する繊維層24の接着性を容易に向上させることができる。

幾つかの実施形態では、樹脂26としてポリエステル樹脂又はエポキシ樹脂を用いてもよい。このようにすれば、ポリエステル樹脂又はエポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂を繊維層24に含侵して硬化させることにより、FRP補強層20を形成することができる。例えば、ポリエステル樹脂を繊維層24に含侵させて硬化させた場合は自己発熱で硬化するので外部からの加熱作業が不要であり、容易且つ安価にFRP補強層20を形成することができる。また、エポキシ樹脂を繊維層24に含侵させて硬化させた場合は翼根部3の外表面3Aとの接着性に優れたFRP補強層20を形成することができる。

なお、風車翼1の翼根部3の外周側を補強することとした場合は、風車翼1をハブ102から一端取り外して陸上に下ろし、翼表面の広い範囲に対して複数の作業者で補強作業を行うことができるため、スペースの制約により少人数しか作業できない翼根部3の内周側を補強する場合に比べて、補強作業の作業性を向上させることができる。

続いて、図8〜図10、および、図11A〜図11Gを参照し、幾つかの実施形態に係る風車翼1の補強方法について説明する。図8〜図10は、それぞれ一実施形態に係る風車翼の補強方法を示すフローチャートである。図11A〜図11Gは、それぞれ一実施形態に係る風車翼の補強方法を示す模式図である。 図8に示すように、幾つかの実施形態において、風車翼1を補強する際、風車翼1の翼根部3の外表面3Aの少なくとも一部を覆うように外表面3A上に繊維層24を積層し(ステップS1)、積層された繊維層24に樹脂26を含浸させて硬化し(ステップS2)、翼根部3の外表面3A上にFRP補強層20を形成してもよい(ステップS3)。上記積層するステップでは、繊維層24として、上述したUD層を積層させてもよい(図11C参照)。また、上記樹脂26を含侵させて硬化するステップでは、積層された繊維層24の繊維間に十分に滲み込むように樹脂26を含侵(図11F参照)させた後に硬化させることが好ましい。また、上記FRP補強層20を形成するステップでは、翼根部3の外表面3Aに形成されたFRP補強層20(図11G参照)の表面に、さらに表面仕上げの加工処理を施してもよい。 繊維層24を積層するステップでは、風車翼1の長手方向に沿った断面において、積層された繊維層24の長手方向における両端部がテーパ形状(第1テーパ形状及び第2テーパ形状)をなすように繊維層24を積層してもよい。この方法によれば、FRP補強層20は、翼本体2の長手方向に沿った断面において、積層された複数の繊維層24の長手方向における両端部がテーパ形状をなすため、該FRP補強層20を含めた風車翼1の翼根部3の肉厚が該風車翼1の長手方向において急激に変化することがない。したがって、風車翼1の翼根部3におけるフラップ方向の荷重に対して応力集中を適切に抑制しつつ風車翼1を補強することができる。

いくつかの実施形態では、積層された繊維層24の両端部のうち翼先端側端部の第1傾斜部28の傾斜角が、積層された繊維層24の両端部のうち翼根側端部の第2傾斜部29の傾斜角よりも緩やかとなるように、繊維層24を積層してもよい。この方法によれば、積層された複数の繊維層24の両端部のうち、設置面積に余裕のある翼先端側端部の第1傾斜部28については、上記両端部のうち翼根側端部の第2傾斜部29よりも傾斜を十分に緩やかに形成することができる。したがって、長手方向における翼根部3の肉厚の変化を十分に緩やかなものとできるため、フラップ方向の荷重に対する応力集中を好適に抑制しながら風車翼1を補強することができる。

図9に示すように、幾つかの実施形態では、翼根部3の外表面3Aのうち、少なくともFRP補強層20の施工エリア8を粗化し(ステップS11)、翼根部3の外表面3Aのうち、粗化された施工エリア8に中間層22を形成し(ステップS12)、中間層22の上に繊維層24を積層してもよい(ステップS13)。上記粗化するステップでは、例えば、図11Aに示すように、翼根部3の外表面3Aにサンディングを施すなどして該外表面3Aのゲルコート層を除去し、翼根部3のFRP層(図7参照)を露出させてもよい。また、上記中間層22を形成するステップでは、粗化された施工エリア8に上述した多方向繊維層を含むDBMやチョップドストランドマットを張り付けてもよい(図11B参照)。 この方法によれば、翼根部3の外表面3Aに繊維層24を直接的に積層するのではなく、翼根部3の外表面3Aのうち、少なくともFRP補強層20の施工エリア8を粗化するとともに、粗化された施工エリア8に中間層22を形成し、該中間層22上に繊維層24を積層することができる。したがって、中間層22として、例えば、風車翼1の外表面3Aや繊維層24に対する接着性の高い材料を用いることにより、風車翼1の外表面3Aに対する繊維層24の接着性を向上させることができる。これにより、風車翼1に対してFRP補強層20をより一体的に形成することができるため、風車翼1をより強固に補強することができる。

図10に示すように、幾つかの実施形態において、FRP補強層20を形成するステップでは、積層された繊維層24をバッグ40で覆い(ステップS31)、翼根部3の外表面3Aとバッグ40とにより囲まれる空間を減圧し(ステップS32)、減厚された空間内に樹脂26を注入することで、繊維層24に樹脂26を含浸させてもよい(ステップS33)。すなわち、上記方法として、例えば、真空含侵工法(vacuum assisted resin transfer molding:VaRTM)を用いてもよい。この真空含侵工法によれば、風車翼1の補強に際して、例えば、オートクレーブ(圧力釜)などの大掛かりな設備が不要であり、翼本体2と補強部(FRP補強層20)との一体成型が容易であり、さらには、有機溶剤の揮発が少ないため作業環境がよい。上記のバッグ40で覆うステップでは、例えば、図11Dに示すように、積層された繊維層24を取り囲むようにして該繊維層24をバッグ40で覆い、バッグ40の端と翼根部3の外表面3Aとの間をシール46で気密に封止する。また、上記の減圧するステップでは、例えば、図11Eに示すように、バッグ40と外表面3Aとで囲まれた空間の一部に設けた吸引口44を介してこの内部空間の空気をバッグ40の外部に吸引(排気)する。そして、上記含侵させるステップでは、例えば、図11Fに示すように、減圧されたバッグ40内に、上記吸引口44とは異なる位置に設けた注入口42から樹脂26を注入する。 上記の方法によれば、翼根部3の外表面3Aに積層された繊維層24がバッグ40で覆われ、翼根部3の外表面3Aとバッグ40とで囲まれた空間が減圧され、減圧された空間内に樹脂26が注入される。したがって、繊維層24の隅々まで樹脂26を含侵させることができるため、ボイドが少なく、強度に優れたFRP補強層20を得ることができる。

以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることはなく、上述した実施形態に変形を加えた形態や、これらの形態を適宜組み合わせた形態も含む。

1 風車翼 2 翼本体 3 翼根部 3A 外表面 4 翼先端 5 翼型部 6 前縁 7 後縁 8 施工エリア 10 第1セクション(背側の半割れセクション) 11 背面(負圧面) 12 第2セクション(腹側の半割れセクション) 13 腹面(正圧面) 15 ボルト穴 20 FRP補強層 22 中間層 24 繊維層 26 樹脂 28 第1傾斜部(第1テーパ形状) 29 第2傾斜部(第2テーパ形状) 32A,32B 端部 40 バッグ 42 注入口 44 吸引口 46 シール 100 風車(風力発電設備) 101 ロータ 102 ハブ 103 ナセル 104 タワー 105 ベース

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