繊維強化複合成形品

申请号 JP2013517085 申请日 2011-07-01 公开(公告)号 JP5927183B2 公开(公告)日 2016-06-01
申请人 ヘクセル ホールディング ゲーエムベーハー; 发明人 ボルヤ、アダスメ ヤラ ミラレイ; ドゥモラール、ジャン クロード; ラーセン、フレミング; ショエフリンガー、マンフレット;
摘要
权利要求

表面構造体及び内部構造体を有する繊維強化複合成形品又は組立品であって、表面構造体は、繊維強化材料及び第1の樹脂材料の少なくとも1層から形成され、内部構造体は、第2の樹脂材料を含む樹脂含浸繊維強化材料又はプリプレグの複数の層から形成され、前記成形品又は組立品は、第1の樹脂フローポイント、第2の樹脂フローポイント、及び該第1の樹脂の流れを制御するための除去可能な流れ制限を更に有し、第1の樹脂材料が内部構造体の下にある表面構造体に注入され、その後、内部構造体の上にある表面構造体に完全に注入される、上記繊維強化複合成形品又は組立品。第1及び第2の樹脂材料が、同時に硬化又は部分硬化される、請求項1に記載の繊維強化複合成形品又は組立品。繊維強化複合成形品が、荷重がかかるコア構造体を含み、前記コア構造体が、組立品中の樹脂の場所の目視による確認を可能にする開口部を含む、請求項1又は2に記載の繊維強化複合成形品又は組立品。内部構造体が、コア構造体を含む、請求項3に記載の繊維強化複合成形品又は組立品。繊維強化複合成形品の製造方法であって、 a)繊維強化材料の少なくとも1層を型面上に置いて、表面構造体の少なくとも一部分を形成する工程、 b)第2の樹脂材料が含浸された複数のプリプレグ層を表面構造体の少なくとも一部分上に置いて、内部構造体を形成する工程、 c)複数のプリプレグ層を繊維強化材料の少なくとも1層で覆って、表面構造体を完成させる工程、 d)組立品を形成する内部及び表面構造体の組立品に減圧をかける工程、 e)減圧下で、流動性の第1の樹脂材料を組立品に注入又は射出する工程、及び f)第1及び第2の樹脂材料を硬化させる工程 を含み、工程e)は、第1の注入工程及びその後の第2の注入工程を含み、第1の注入工程において、内部構造体の下にある表面構造体に注入され、その後、プリプレグ層の上にある表面構造体に完全に注入される、上記繊維強化複合成形品の製造方法。第1の樹脂及び第2の樹脂が、同時に硬化又は部分硬化される、請求項5に記載の繊維強化複合成形品の製造方法。工程e)における注入又は射出の前に、第1の樹脂の流れを制御するために、組立品に関連して流れ制限を設ける工程を含む、請求項5又は6に記載の繊維強化複合成形品の製造方法。流れ制限が、除去可能である、請求項7に記載の繊維強化複合成形品の製造方法。工程e)における注入又は射出の前に、構築品又は組立品に関連して第1の樹脂フローポイント及び第2の樹脂フローポイントを設け、樹脂流れ制限を樹脂フローポイント間に設ける工程を含む、請求項7又は8に記載の繊維強化複合成形品の製造方法。工程e)において、第1の樹脂フローポイントが作動して、第2の樹脂フローポイントが作動せずに組立品の一部分に注入し、続いて、第2の樹脂フローポイントが作動して、完全な組立品に注入する、請求項9に記載の繊維強化複合成形品の製造方法。第2の樹脂フローポイントが作動する場合、第1の樹脂フローポイントが作動しない、請求項9又は10に記載の繊維強化複合成形品の製造方法。樹脂フローポイントが、樹脂が組立品中の所望の場所に達した際に、作動する及び/又は作動しない、請求項9から11までに記載の繊維強化複合成形品の製造方法。組立品が、荷重がかかるコア構造体を含み、コア構造体が、組立品中の樹脂の場所の目視による確認を可能にする開口部を含む、請求項5から12までのいずれか一項に記載の繊維強化複合成形品の製造方法。内部構造体が、荷重がかかるコア構造体又はコア材料を含み、コア材料が、樹脂材料に対して不浸透性である、請求項5から13までのいずれか一項に記載の繊維強化複合成形品の製造方法。第1及び第2の樹脂材料が、70℃から140℃の間の温度で100から600分の間の時間、特に80℃から100℃の間の温度で120から480分の間の時間、同時に硬化されることを特徴とする、請求項5から14までのいずれか一項に記載の繊維強化複合成形品の製造方法。表面構造体への含浸に必要とされる第1の樹脂材料の80%が、120分未満の時間内に注入されることを特徴とする、請求項5から15までのいずれか一項に記載の繊維強化複合成形品の製造方法。請求項5から16までのいずれか一項に記載の繊維強化複合成形品の製造方法を利用して、及び/又は請求項1から4までのいずれか一項に記載の繊維強化複合成形品を用いて、風タービンブレードを製造する方法。

说明书全文

本発明は、表面構造体及び内部構造体を有する繊維強化複合成形品であって、表面構造体は、繊維強化材料及び硬化した第1の樹脂材料の少なくとも1層から形成され、内部構造体は、繊維強化材料及び第2の硬化した樹脂材料の複数の層から形成される、繊維強化複合成形品に関する。本発明はまた、このような繊維強化複合成形品の製造方法に関する。

繊維強化プラスチック(FRP)は、繊維で強化されたポリマーマトリックスから作られた複合材料である。繊維は、例えば、ガラス、炭素、ケブラー、アラミド、玄武岩(鉱物)作られている又は綿、麻若しくは亜麻のような有機由来のものであることができるが、マトリックスのポリマーは、通常エポキシ、ビニルエステル、熱可塑性又はポリエステル熱硬化性プラスチックである。FRPは、一般に航空宇宙、自動車、海洋、及び建設産業において使用される。

マトリックスに接着される前に、繊維は、プリプレグ又は「乾燥」繊維強化材料のいずれかとして、繊維プレフォームに製作される。

プリプレグは、「予備含浸」複合繊維についての用語である。プリプレグでは、繊維強化材料は、繊維強化樹脂材料が完全又は部分的に含浸されている。本出願のこの文脈において、プリプレグは繊維強化材料も含み、繊維強化材料は樹脂層に結合しており、それにより繊維層の外面が乾燥した感触であり、樹脂含浸を全く含まない若しくはそれを低いレベルで含み、又は実質的に粘着性でない。プリプレグは通常、織りの形態又は一方向を取り、製作の間にそれらを一緒に及び他の構成要素に接着させるために使用される量のマトリックス材料又は樹脂材料を既に含有する。プリプレグは、活性化がほとんど通常は熱により行われるので、冷却区域にほとんど保存される。したがって、プリプレグから構築される複合構造体は、十分に硬化させるためにオーブン又はオートクレーブを大部分は必要とする。

「乾燥」繊維強化材料はしばしば、主として織り(weaving)、編み(knitting)、編み組み(braiding)及び縫合(stitching)のテキスタイル加工技術によって、シート、連続マット、又はスプレー用途のための連続フィラメントで作られる。

縫合は、ほぼ間違いなく主たる4つのテキスタイル製作技術のうちで最も簡単なものである。基本的に、縫合法は、針を挿入し、織物層のスタックを通して縫合糸を運んで、三次元構造を形成することからなる。プリプレグ材料の場合、縫合は、それが、製作の間にそれらを一緒に及び他の構成要素に接着させるために使用される量のマトリックス材料を既に含有するので通常必要ない。多軸型プリプレグは、縫合されるが、一方向プリプレグ材料は、典型的には縫合されない。

次いで、このような繊維強化材料及びポリマー材料(又はプリプレグ、それぞれ)は、成形によってそれらの最終形状にされる。FRPプラスチックを使用する成形法の異なった2つの主なカテゴリー、すなわち、複合成形及び湿式成形がある。複合成形は、プリプレグを使用し、すなわち、プリプレグのシート又はスタックは、異なる様式で加熱又は圧縮されて、幾何学的形状を作り出す。湿式成形は、成形法の間に繊維強化材とポリマーマトリックスとを組み合わせる。

当然、成形法のより多くのカテゴリーがある。

浮のう成形(bladder moulding)の場合、プリプレグ材料の個々のシートは、積層され、風船様浮のうと一緒に雌型の中に置かれる。型は、密閉され、加熱プレスの中に置かれ、浮のうは、加圧されて、材料の層を型壁に対して押しつける。次いで、材料は硬化されて、高温の型から取り出される。浮のう成形は、15から60分の間の比較的短い硬化サイクルの密閉成形法である。

圧縮成形は、SMC、BMC又は時にプリプレグ織物の「プレフォーム」又は「チャージ」を型穴の中に置くことを含む。型を密閉し、材料は、圧及び熱により締め固められ硬化される。

オートクレーブ/真空バッグ成形は、プリプレグ材料の個々のシートが積層され、開放型の中に置かれることを意味する。材料は、離型フィルム、ブリーダ/ブリーザ材及び真空バッグで覆われる。真空がある程度引かれ、型全体をオートクレーブの中にさらに置くことができる。材料は連続的真空で硬化されて、取り込まれたガスをラミネートから引き出す。これは、それが、長くて遅い硬化サイクルに起因して、成形法に対する正確な制御を可能にするので、航空宇宙産業において非常に一般的な方法である。この正確な制御は、強度及び安全を確実にするために必要とされる厳密なラミネートの幾何学的形態を作り出す。

マンドレル包装は、別の可能性であり、ここで、プリプレグ材料のシートはスチール又はアルミニウム製マンドレルの周りに巻き付けられる。プリプレグ材料は、ナイロン又はプロピレンセロテープ(登録商標)により締め固められ、部品は、典型的にはオーブン中に吊るすことによってバッチ硬化される。硬化後、セロ及びマンドレルは除かれて、FRP材料から作られた中空チューブを残す。

湿式レイアップによって、繊維強化織物は、開放型の中に置かれ、次いで、ポリマーマトリックス材料を織物の上に注ぐこと、及びポリマーマトリックス材料を織物及び型中に入り込ませることによりポリマーマトリックス材料で飽和させる。次いで、型は、樹脂が通常室温で硬化するように放置されるが、適切な硬化過程を確実にするために時に熱が使用される。ガラス繊維(glass fibre)は、この方法に最も一般的に使用され、その結果は、ガラス繊維(fibreglass)として広く知られており、スキー、カヌー、カヤック及びサーフボードのような一般製品を作るために使用されている。

使用がより限定されたさらなる方法は、チョッパーガン、フィラメントワインディング及び引抜き成形である。

注入技術とも呼ばれる、RTM及びVARTMは、特に興味深い。ここでは、織物は、型の中に置かれ、次いで、その中に容易に流動できる樹脂が射出される。RTM(樹脂トランスファー成形)法では、樹脂は、典型的には加圧されて、真空下にあるキャビティ中に押し込められるのに対して、VARTM(真空補助樹脂トランスファー成形)法に関しては、樹脂は、真空下でキャビティ中に全体的に引き込まれる。この後者の成形法は、正確な許容範囲及び詳細な形状化を可能にするが、時に織物を十分に飽和させることができず、これにより弱い箇所を最終形状中にもたらす。液体樹脂フィルム注入(LRI)は、別の技術であり、これは、強化材層に注入するための樹脂フィルムを使用する。フィルムは加熱され、液化され、このようにして強化材層の繊維に浸透する。

繊維強化プラスチック構成要素は、典型的には、サーフボードの場合におけるように、時に構造用フォームが内側に充填された、薄肉「シェル」構築のものである。構成要素は、ほとんど任意の形状のものであってもよく、シェルを製作するために使用される型の複雑性及び許容範囲のみで制限される。プリプレグ及び繊維ロービングなどの進んだ製作技術は、用途及び繊維強化プラスチックで可能な引張り強度を拡大する。

FRPの使用は、風力タービン設計において特に興味深いが、それに決して限定されない。

新世代風力タービン設計は、発電を一桁メガワット範囲から10メガワット以上、間もなくよりさらに推進している。これらの大容量設計の共通の傾向は、ますます大きいタービンブレードである。現行の製造の風力タービンブレードは、原型が150から200メートルの範囲である直径125メートル程度の大きさで製作される。

より大きいブレードシステムを設計する場合の最も重要な目標の一つは、ブレード重量を制御下に保つことである。ブレード質量は、タービン半径の3乗として重さがあるので、重力による荷重が、より大きいブレードをもつシステムにとって制約設計要因になる。

40から50メートル範囲のブレードの現行の製作方法は、様々な実績のあるガラス繊維複合材作製技術を含む。一部の製作は、ブレード製作のための注入法を使用し、他は、この技術についての変形を使用し、一部はエポキシマトリックス中にガラス繊維とともにカーボン及び木材を含む。選択肢はまた、プリプレグガラス繊維及び真空補助樹脂トランスファー成形を含む。本質的に、これらの選択肢のそれぞれは、同じ主題、すなわち、複雑性が異なる様々な手段によって構築されるガラス繊維強化ポリマー複合材についての変形である。恐らくは、より単純化した開放型の湿式システムの最大の問題点は、大気中に放出される揮発性有機物を伴う排気である。予備含浸材料及び樹脂注入技術は、反応ガスのすべてを抑制することによって揮発性物質の放出を回避する。しかし、これらの抑制方法は、それら自体の課題、すなわち、構造用構成要素に必要な厚肉ラミネートの製造がますます困難になるという課題を有する。プレフォーム樹脂浸透性は、ラミネートの最大厚さを決定づけるので、ボイドをなくし且つ適切な樹脂分布を保証するためにブリーディングが必要とされる。解決策は、例えば、WO2008/119941A1に示されており、これは、審美的及び保護的な仕上げを与えるために外面コーティングを有する繊維強化複合材構成要素を製作する方法を開示している。表面層は、型の中に置かれ、構造用乾燥織物強化材を含む構造層は、表面層の上に置かれる。プリプレグ層は、表面層の繊維強化材料の少なくとも1層の内部に又はそれに近接して提供されてもよい。プリプレグ層は、一方向繊維を第3の樹脂材料の層の中に含む。表面層、及び繊維強化材料の少なくとも1層は、通常の工程において型面の一部上に配置される。表面層と、繊維強化材料の少なくとも1層との異なる樹脂材料は、硬化工程において少なくとも部分的に同時に硬化される。排気の間に、乾燥織物は、気流の経路を与え、熱及び圧力がかけられるとすぐに、樹脂は、乾燥領域に流入することができ、結果として、徹底的に含浸されたラミネート構造をもたらすことが想定される。

エポキシ系複合材は、それらが、他の樹脂系を上回る環境、製造、及び費用の利点の重要な組合せを与えるので、風力タービン製造業者にとって最も興味深い。エポキシはまた、より短い硬化サイクル、耐久性の増加、及び表面仕上げの向上を可能にすることによって、風力タービンブレード複合材の製作を改善する。プリプレグ操業は、湿式レイアップシステムに関して、処理サイクル、したがって、製作時間を減少させることによって費用効率的な操業をさらに改善する。タービンブレードは、60メートル以上に達するので、注入技術は、伝統的な樹脂トランスファー成形射出時間が、樹脂準備時間と比較して長過ぎ、したがってラミネート厚さを制限するので、ますます普及している。射出は、より厚いプライスタックを通して樹脂を押し進め、したがって、ラミネート構造においてゲル化が生じる前に樹脂を堆積させる。射出用途における樹脂性能を調整するように、存続時間及び粘度をカスタマイズするために、特殊化エポキシ樹脂が開発されてきた。

最近、炭素繊維強化荷重負担スパーも、重量の低下及び剛性の増加のための費用効率的な手段として確認されてきた。60メートルのタービンブレードにおける炭素繊維の使用は、100%ガラス繊維設計と比較して、ブレード全質量において38%の低下及び費用において14%の減少をもたらすと推定される。炭素繊維の使用は、ガラス繊維ラミネートセクションの厚さを減少させて、肉厚レイアップセクションの樹脂ぬれに関連する問題にさらに対処するという追加の利益も有する。

米国特許出願US2009/008836A1には、互いに近接しているが、異なる様式で構築されている2つの領域を有する、一緒に結合した繊維複合材構成要素を製造する方法が開示されている。第1の領域は、プレフォームから調製されるが、第2の領域はプリプレグから調製される。2つの領域は、ポリマーマトリックス中に埋め込まれた強化繊維を有し、過渡的フィルムがそれらの間に配置される。過渡的フィルムは、真空気密であり、2つの領域を空間的に分離するが、熱処理過程によって2つの領域のマトリックスと永続的に接着するようになる。特許出願は、2つの領域が、異なる場所で異なる時間に調製され得るという利益を主張する。しかし、2つの領域は、異なる樹脂を使用したことが想定されなければならない。このために、異なる強さの真空を2つの領域にかけることを可能にするトランスファーフィルムが必要とされ、これは、また2つの真空バッグが必要とされることを意味する。

US7,419,627B2は概して、複合材の構築の分野及び特に、共硬化樹脂真空補助トランスファー成形製作方法に関する。

GB2,351,937Bには、繊維強化プラスチック構成要素の製造方法が開示されている。構成要素の一部分は、プリプレグ半製品として前もって作製されているが、他の部分は、炭素繊維、ガラス繊維又はアラミド繊維から作られており、且つ縫製、刺繍、編み組み又は織りにより前もって作製されているテキスタイル半製品として前もって作製されている。樹脂フィルムは、プリプレグ製品と一緒に硬化装置の中に置かれるテキスタイル製品に適用される。プリプレグ及びテキスタイル製品は、排気され、一緒に硬化される。

上述の文献WO2008/119941A1には、概ね、プリプレグ層と乾燥織物強化材との組合せが開示されているが、記載されているように、これらの層は、交互差込みされており、荷重がかかる内部構造体は、その不利点すべてを有する乾燥織物強化材から少なくとも部分的に構築されている。

特に、注入技術による風力タービンブレードの製作は、多くの問題に関連している。

第1の問題は、注入技術により製作されるブレードの内部構造体の比較的悪い品質及び不良な再現性に関する。これは、注入された内部構造体の比較的不良な機械的特性をもたらす。

第2の問題は、内部構造体用の乾燥縫合一方向材料(以後「UD」)の注入が、実際、注入技術を使用するブレード製作方法の処理量におけるボトルネックであるという事実に関する。

第3の問題は、製作が2つの方法工程を含む場合(例えば、ブレードの内部及び表面構造体が別個に製作される場合)、ブレード製造の製造時間及び高費用に関する。

2つの製造工程が、風力タービン用ブレードの製造において使用される場合、長い製作時間が大きな部品には必要であり、1つの代わりに2つの型が必要であり、余分な型に対する資本費用の増加があり、且つ高いエネルギー及び労働費用が伴う。

内部構造体が、注入技術により製造される場合、やはり以下の問題が確認されている:

注入技術の固有の特性として樹脂含有量の制御不良があり、特に内部構造体の長くて厚いUDスタックに関して長い注入時間が必要とされ、注入された部分の樹脂含有量の高変動が生じて、最終ブレード重量の偏差をもたらす。さらに、注入された区域における低真空による注入された部分における低い締固め、内部構造体の内側の樹脂の含浸の制御不良があり、これにより、特に目視で検出することが困難である肉厚部分の内側で、潜在的な乾燥箇所が生じる。上述の要因は、ブレード重量の増加(及び材料費用)をもたらす類似の高い安全要因の適用を意味する。

手動での乾燥縫合UDプライのレイアップ(通常、注入された内部構造体を製作するために適用されるもの)は、ロービング、トウ又はプライの張力のいかなる制御も可能にしない。マルチプライレイアップでは、この作用は、今日の大きな構造/ブレードに使用される厚いレイアップの誤配置、皺及び折り目、機械的特性(特に圧縮及び疲労性能)の低下を不可避的にもたらす。炭素UDの特定の場合、それらの問題は、さらにより決定的である。

本発明は、上記の問題を未然に防ぎ及び/若しくは軽減すること並びに/又は概して改善を与えることを目的とする。

本発明によれば、添付の特許請求の範囲のいずれか一項に定義されるとおりの成形品及び方法が提供される。

本発明の1つの目的は、上述の現況技術の不利点を克服し、表面構造体及び内部構造体を有する繊維強化複合成形品であって、表面構造体は、繊維強化材料及び硬化した第1の樹脂材料の少なくとも1層から形成され、内部構造体は、繊維強化材料及び第2の硬化した樹脂材料の複数の層から形成される、繊維強化複合成形品を提供することである。本発明によれば、これは、未硬化の第1の樹脂材料の粘度が未硬化の第2の樹脂材料の粘度よりも低いこと、及び複合成形品において、2つの硬化した樹脂材料が互いに少なくとも部分的に混合されていることで達成される。言い換えれば、本発明によれば、通常審美的及び保護的機能を与える表面構造体は、良好な流動性を有する樹脂を使用する注入技術によって作られ、荷重がかかる内部構造体は、プリプレグ、すなわち、好ましくは第2の樹脂が含浸されたUD層から構築される。この独特の構築により、乾燥領域がプリプレグから構築されている内部構造体中にないので、樹脂が内部構造体の乾燥領域に流入する必要性がない。縫合及び注入されたUDに代えてUDプリプレグを使用することは、繊維の皺を回避し、したがって、内部構造体の機械的性能は、縫合及び注入されたUD材料の場合よりも非常に良好である。追加的に及び内部構造体に隣接して又はその内部に、さらなる荷重がかかる構成要素並びに/又は座屈防止構造及び構成要素(例えば、フォーム、木材、軽量金属又は複合材から作られた構成要素)を含めることができる。

本出願の文脈において、表面構造体及び内部構造体という用語は、成形品、組立品又は構築品の1部分を成形品の別の部分と単に区別するものである。好ましくは、成形品の内側にある成形品の一部分は、内部構造体であるが、成形品の内側に存在しない部分は、それが成形部分の外側の部分により近い又はそれを形成するので、表面構造体である。内部構造体は、コア材料又はコア構造体を含んでもよい。コア材料は、荷重がかかるものであってもよい。コア材料は、樹脂に対して不浸透性であってもよい。コア材料は、フォーム又は木材を含んでもよい。

本発明の好ましい実施形態によれば、表面構造体は、層間流動媒体を追加的に含む。層間流動媒体は、処理の間に空気及び揮発性物質を成形品から除去し、層間流動媒体に含浸させる第1樹脂を受け入れるようになされている。層間流動媒体は、ガス及び樹脂の両方に対して浸透性である。

このような層間流動媒体は、好ましくは成形される全構造の下方側に位置し、第1の樹脂材料による表面構造体への完全な注入を有するのに助けとなる。それは、様々な手段、例えば、表面構造体を形成する繊維強化材料の層(単数又は複数)の内部に溝を与えるグリッドの連続的な細断製繊維マットによって形成され得る。層間流動媒体の目的は、流動危機的な区域における樹脂(表面構造体のための低粘度樹脂)の最適な流れをもたらし、したがって、表面構造体の繊維強化材料の乾燥層中での起こり得る空気取込みを回避し、第1の樹脂の注入の間に逃げを与えることである。

本発明のさらなる好ましい実施形態は、未硬化の第1の樹脂材料の粘度が、0.14から0.4Pa.sの間にあり、未硬化の第2の樹脂材料の粘度が、0.7・104から8・105Pa.sの間にある(両方とも25℃で測定した)ことを特徴とする。より具体的には、第1(注入)樹脂の初期の混合粘度は、25℃で0.14(超低粘度樹脂)から0.4Pa.sの間で変化したが、この樹脂は、直ちに硬化し始め、25℃で4時間後、粘度は約6から10Pa.sになる。プリプレグに使用される第2の樹脂の粘度は、必要とされる特定のプリプレグに依存し、一部の用途では、25℃で0.7・104から8・105Pa.sの間で変化させることができた。プリプレグとともに使用した樹脂は、2.2から6.5・104の間の粘度を有するM9.6F(Hexcel、オーストリア国製)、及び0.9から1.9・105Pa.sの間の粘度を有するM9.6LT(やはり、Hexcel、オーストリア国製)であった。例えば、注入樹脂が、完全な注入を達成するために低粘度で機能することが重要であり、プリプレグの場合、実用的観点から低粘着性が重要である。この低粘着性は、高粘度樹脂(M9.6LT又は恐らくはより良好なM19.6LT樹脂(同じ粘度だが、より低い反応性)、両方ともHexcel オーストリア国製)を使用して、又は例えば、いくらかの乾燥フリースを間に有して、プリプレグに乾燥した感触を与え、レイアップを容易にさせ、空気を逃げさせて、低気孔率を有するレイアップを達成するプリプレグ(M9.6F又はより良好なM19.6樹脂(同じ粘度だが、より低い反応性)、両方ともHexcel オーストリア国製)を使用して達成することができた。さらに、例えば、M19.8(Hexcel オーストリア国製)は、超高粘度(4〜8・105Pa.s)を有し、さらにより低い反応性を有するはずである。注入樹脂とプリプレグ樹脂との間の相互作用に関して、別の重要な点は、両樹脂、プリプレグ及び注入樹脂の間の適合性である。好ましくは、両方の場合に、化学的に適合性であるエポキシ樹脂が使用される。プリプレグ樹脂の場合、型の表面における高温を回避するために、特に硬化サイクルが注入型で行われる場合、低い反応性樹脂が選択されるべきである。

好ましくは、表面構造体は、縫合又は接着された繊維強化材料の少なくとも1層を含む。これにより、UD材料を、表面構造体において使用することができるが、それにもかかわらず、繊維強化材料の繊維は、第1の樹脂による注入前に安全に一緒に保持されることが守られる。

本発明のさらなる好ましい実施形態によれば、内部構造体は、プリプレグから作られた非縫合、非接着又は不織の繊維強化材料の層で構成されている。プリプレグを利用すると、縫合された、接着された又は織られた布地を利用する注入のような他の公知の技術と比較して、プリプレグは、繊維の樹脂固定からもっぱら得られた(すなわち、縫合、接着又は織りの技術を必要とせずに)まっすぐに平らで均一な繊維配置に起因して、向上した機械的特性を守る。本発明の場合、プリプレグと注入技術とを組み合わせることよって、長いスケールの複合部品、例えば、風力エネルギーブレードを1工程及び1つの型で作製することができる。この概念を使用すると、内部構造体は、プリプレグを使用して作られ、表面構造体は、注入技術を使用することによって作られる。両構造体とも、同じ型で製造され、1工程で硬化される。

長いスケールの複合部品を製作するための本発明の技術の使用は、とりわけ、型時間、エネルギー費用及び資本費用の節減をもたらす(内部及び表面構造体の場合、これまでは別個の型で製作されてきた)。注入された複合部品と比較して、内部構造体用のプリプレグの使用と組み合わされた表面構造体のための注入は、 ・樹脂含有量の優れた制御(複合部品の重量の一貫性の改善をもたらす)、 ・内部構造体の製作方法の優れた再現性、 ・荷重負担内部構造体の一貫した高品質レベル、 ・内部構造体への炭素UDの導入を、ガラスUDと同じ品質レベルで容易に行うことができる ・内部構造体におけるプリプレグの限定的な使用は、一定で且つ制御された樹脂含有量及び樹脂分布を確実にする、 ・プリプレグの使用は、繊維すべてに含浸されることを確実にする、 ・それは、プリプレグにおいて使用されるように、伸長された非縫合繊維に由来する内部構造体における機械的利益をもたらす、 ・さらに、厚い内部構造体レイアップの構築の間の粘着性による位置決め及び位置決めの確保が確実にされる、 ・一般に、より良好な機械的性能(特に、圧縮強度に関して)、ILS及び疲労性能が与えられる、 ・UD内部プライレイアップ及び位置決めを自動化する可能性があり、それにより手動プロセスからの破損リスクを回避する を含む、プリプレグ材料の利益を十分に利用する。

本発明の技術を使用する場合、予備圧密時間も必要としない。プリプレグの「共注入」、すなわち、特に長いスケールの複合部品のための、表面構造体のための注入技術及び内部構造体のためのプリプレグ技術の同時使用は、注入法の時間を著しく減少させて、より高い型の生産量をもたらす。

内部構造体のためのプリプレグと、表面構造体のための注入技術との組み合わせた使用によって、特に内部構造体及び表面構造体の両方に注入される場合に風力タービン用の長いブレードの製造において生じる問題が解決される。これは、とりわけ、内部構造体への注入、及び縫合の両方に起因して繊維の配置に関係し、これは、注入技術を使用する場合に大きな問題であり、本発明によるものと比較して、注入された内部構造体の劣った機械的性能をもたらす。さらにまた、本発明の場合、例えば、「低発熱」プリプレグを使用することによって、発熱を制御すること、したがって、全構造を製造する時間を制御することもより容易である。結果として、本発明はまた、生産性及び品質管理を改善するために役立つ。

本発明の別の目的は、上述の繊維強化複合成形品の製造方法であって、 ・繊維強化材料の少なくとも1層を型面上に置いて、表面構造体の少なくとも一部分を形成する工程、 ・第2の樹脂材料が含浸された複数のプリプレグ層を表面構造体の少なくとも一部分上に置いて、内部構造体を形成する工程、 ・複数のプリプレグ層を繊維強化材料の少なくとも1層で覆って、表面構造体を仕上げる工程、 ・組立品に減圧をかける工程、 ・減圧下で、流動性の第1の樹脂材料を構築品に注入する工程、及び ・第1及び第2の樹脂材料を同時に硬化させる工程 を含む方法を提供することである。

本発明の方法は、実施することが容易であり、迅速な注入の利益及びまた全構造体への完全な含浸を与える。第1の樹脂材料(これは、注入に使用される)は、成形材料の内部構造体までの長い道のりを行く(現況技術の実施形態におけるように)必要がなく、注入は表面構造体において起こる。内部構造体は、それ自体公知のプリプレグからなり、内部構造体に対する完全な含浸を与えるために樹脂を追加的に供給する必要はない。プリプレグは、樹脂からの粘着性を利用して互いの上に置かれて、それらの位置を確保する。プリプレグはまた、剛性シートと多かれ少なかれ同様であり、これは、樹脂粘着性によって一旦位置決めされると、まっすぐなプライ及び繊維位置/配向を確保する、すなわち、プリプレグは、位置決め後及び真空適用の間に、十分に固定され、したがって、内部構造体の荷重がかかる構築品中の折り目及び皺を回避する。コアは、全成形品の荷重がかかる部分を形成するので、コアが、その構造中にボイドを有しないことが特に重要である。樹脂材料は、互いに適合性であるべきであり、プリプレグ樹脂は通常、遅延樹脂であるが、注入樹脂は、迅速に反応する。すべての従来のタイプの樹脂又は樹脂の組合せを使用することができるが、それらは混合するので、それらは適合性であるべきである。

好ましくは、本方法は、層間流動媒体を、表面構造体の構築の間に適用する工程を追加的に含む。このような媒体によって、表面構造体への完全な注入が守られるが、この理由は、それが、内部構造体の下に及び表面構造体の内部に取り込まれた空気が容易且つ完全に逃げる手段を与えるからである。

本発明の好ましい実施形態によれば、方法は、荷重がかかるコア構造体を、内部構造体に隣接して適用する工程を追加的に含む。本発明の方法を使用する場合、プリプレグ内部構造体に隣接して、追加的な荷重がかかる構造としてフォーム体を(又は軽い木材、金属、炭素繊維などから作られた物体も)加えることも可能である。このような物体は、硬化の間に、第1及び第2の樹脂材料の両方が流動性になり互いに少なくとも部分的に混合して(注入樹脂は、プリプレグ樹脂中に移行する)、均質な接着性マトリックスを繊維強化複合成形品の内部に形成するとき、内部構造体の一部分になる。

さらに、第1及び第2の樹脂材料が、70℃から140℃の間の温度で100から600分の間の時間、特に80℃から100℃の間の温度で120から480分の間の時間、同時に硬化される場合が好ましい。これらの温度及び時間間隔は、現況技術を上回る実質的な改善を示し、本発明の方法による硬化は、より速く、従来の注入法又はプリプレグ技術におけるよりも低い温度で実施することができる。上記の硬化サイクルは、両方の樹脂に対して実質的に適合性であり、内部構造体のプリプレグの発熱反応による最大温度は、型表面のTgを超えてはならないものとする。

本発明による方法のさらに好ましい実施形態は、表面構造体への含浸に必要とされる第1の樹脂材料の80%が、120分未満の時間内に注入されることを特徴とする。また、これは、現況技術の方法を上回る実質的な改善であり、表面構造体への含浸(注入)は、以前より非常に速く行うことができる。

本発明の別の実施形態によれば、表面構造体及び内部構造体を有する繊維強化複合成形品又は組立品であって、表面構造体は、繊維強化材料及び第1の樹脂材料の少なくとも1層から形成され、内部構造体は、第2の樹脂材料を含む樹脂含浸繊維強化材料又はプリプレグの複数の層から形成され、成形品又は組立品は、成形品への流動性の第1の樹脂材料の注入によって処理し、且つ第1及び第2の樹脂材料を硬化させるように構成されている、繊維強化複合成形品又は組立品が提供される。第1及び第2の樹脂材料は、好ましくは同時に硬化又は部分的に硬化される。

硬化前の成形品又は組立品は、繊維強化材料に流入する第1の樹脂が注入され、その後、第1及び第2の樹脂材料は、硬化される。

表面構造体の繊維強化材料は、乾燥していても(未含浸)、注入前に樹脂が部分的に含浸されていてもよい。内部構造体は、硬化した樹脂含浸繊維強化材料又は硬化したプリプレグの1層又は複数層を含み得る。有利な実施形態において、内部構造体は、未硬化又は未処理のプリプレグ材料と組み合わせて、未硬化の及び/又は部分硬化した若しくは部分処理された樹脂予備含浸繊維層(プリプレグ層)を含む。

硬化又は部分硬化した樹脂含浸繊維層を含めることの重要な利点は、これが、成形品を処理して硬化させるために必要とされるエネルギー投入量を減少させることである。また、これは、成形品の硬化の間に発熱エネルギー放出のより良好な制御を可能にし、これは、温度が一定時間、一定に保持される複数の休止段階を含む硬化スケジュールを必要とすることを防ぐ。これは、組立品又は成形品を硬化させるためのより速い処理時間をもたらす。

好ましい実施形態において、注入の間に最初に、第1の樹脂材料は内部構造体の下にある表面構造体に注入され、その後、プリプレグ層の上にある表面構造体は完全に含浸される。成形品は、荷重がかかるコア構造体を含んでもよく、コア構造体は、組立品中の樹脂の場所の目視による確認を可能にする開口部を含む。

本発明のさらなる実施形態によれば、繊維強化複合成形品の製造方法であって、 a)繊維強化材料の少なくとも1層を型面上に置いて、表面構造体の少なくとも一部分を形成する工程、 b)第2の樹脂材料を含浸した複数のプリプレグ層を表面構造体の少なくとも一部分上に置いて、内部構造体を形成する工程、 c)複数のプリプレグ層を繊維強化材料の少なくとも1層で覆って、表面構造体を仕上げ、構築品又は組立品を形成する工程、 d)組立品を排気する、又は組立品からガスを引き抜く工程、 e)流動性の第1の樹脂材料を組立品に注入又は射出する工程、及び f)第1及び第2の樹脂材料を硬化させる工程 を含み、工程e)は、第1の注入工程及びその後の第2の注入工程を含み、第1の注入工程において、内部構造体の下にある表面構造体に注入され、その後、プリプレグの上にある表面構造体に注入する、方法が提供される。

方法の工程d)はまた、組立品に減圧をかける工程を含んでもよい。第1及び第2の樹脂材料は、同時に硬化されてもよい。樹脂は、組立品に注入又は射出されて、表面構造体に注入してもよく又は含浸させてもよい。

工程e)における注入前に、方法は、構築品に関連して第1の樹脂フローポイント及び第2の樹脂フローポイントを設け、樹脂流れ制限を樹脂フローポイント間に設ける工程を含んでもよい。樹脂流れ制限は、圧縮部材からなってもよく、これは、圧縮部材が適用される場所における表面構造体を通る樹脂の流れを阻止する。典型的には、成形品が、可撓性真空チャンバ又は真空バッグの内部にある場合、圧縮部材は、真空バッグの内部の表面構造体に適用され、且つ成形品の排気の際に表面構造体上に圧縮される任意の部材によって形成されてもよい。これは、局所的な樹脂流れ制限をもたらす。樹脂硬化処理の流れを制御するために、流れ制限は除去可能であってもよい。

別の実施形態において、樹脂フローポイントは、成形品に関連して位置する。樹脂フローポイントは、樹脂が流出し得る又は樹脂が流入し得る点である。したがって、樹脂フローポイントは、樹脂を樹脂フローポイントに向かって成形品中に引き込む排気若しくは吸気ポイントによって、又は樹脂を成形品中に押し込む樹脂供給ラインによって形成され得る。好ましくは、樹脂フローポイントは、成形品から空気及び/又は樹脂を引き出すための排気又は吸気ポイントである。フローポイントは、必要に応じて樹脂が組立品に流入することができるように作動可能であってもよい。

好ましい実施形態において、工程e)において、第1の樹脂フローポイントが作動して、第2の樹脂フローポイントが作動せずに組立品の1部分に注入し、続いて、第2の樹脂フローポイントが作動して、完全な組立品に注入する。第2の樹脂フローポイントが作動する場合、第1の樹脂フローポイントは、作動しなくてもよい。また、樹脂フローポイントは、樹脂が組立品中の所望の場所に達した際に、作動してもよく及び/又は作動しなくてもよい。

別の実施形態において、組立品は、荷重がかかるコア構造体を含んでもよく、コア構造体は、組立品中の樹脂の場所の目視による確認を可能にする開口部を含む。

本発明は、これから以下の実施例及び図によって説明されるが、本発明はそれに限定されるべきではない。

図1において、それぞれの参照番号は、以下の意味を有する: 1)スクリンプネット、 2)剥離層、 3)二軸ガラス織物の層 4)フォーム構造 5)二軸ガラス織物の層 6)入口チャネル 7)出口チャネル 8)UDプリプレグの層

図2は、本発明の別の実施形態による、20プライのUDプリプレグ、フォーム及び多軸織物(3×3プライ)を含む成形品の概略図を示す。

図3は、本発明の別の実施形態による成形品の概略図を示す。

(例1) 長さ4メートル及び幅1.9メートルである複合部品を、以下の手順に従って、並びに図1及び図2に概略的に示すとおりに、本発明から作った。

適切に処理されたレイアップテーブルに、2層の800gsmの二軸ガラス織物(例えば、Saertex S32EX021−00820−01270−250000)、続いて、二軸織物の長さの中心線に沿って、500〜600mm幅の層間流動媒体(例えば、Aerovac X.Fuse−CS200)の層を置いた。次いで、二軸ガラス織物のさらなる層を、既存の層の上に置いた。2片以上の二軸ガラス織物をそれぞれの層に使用して、織物の近接した片について50mmの重なりを許容することによって1900mmの所望の幅を達成した。

既存の組立品の長さの中心線に沿って、幅440mm及び長さ4000mmから3800mmの間の20プライの一方向プリプレグ(例えば、Hexply M9.6F/32%/1600+50/G)を置いて、プリプレグのガラスフリース部が、既存の二軸ガラス織物のプライに対して下向きに面するようにした。プリプレグの最長片(例えば、4000mm)を最初に、続いて漸進的により短い長さ(例えば、3800mmまで短く)を置いて、面取りした面がプリプレグスタックの長さの端のいずれかで達成されるようにした。

このプリプレグスタックの縦方向側の両方に突き合わせて、幅550mm及び長さ4000mmであり、プリプレグスタックと同じ高さに切断されたフォームコア(例えば、DIAB Inc.Divinylcell H80)を置いて、置かれた場合にコア片の表面端の面取りをするようにした。図1による断面において、右側のフォームコアのみを図示する。

合計で幅1900mm及び長さ4000mmになるさらなる3層の同じ二軸織物を、既存の材料の上層の上に置いて、本発明の全体の組立品を達成した。

次いで、組立品は、組立品全体にわたって剥離層の層、孔あき離型ホイル及び注入ネットを適用し、その後、必要な真空及び樹脂チャネル、続いて、真空ポート及び2つの樹脂ポートを備えた適切な真空バッグを置くことによって、注入のために調製された。樹脂ポートを、低粘度注入樹脂及び硬化剤(例えば、100重量部のHexion Epikote MGS RIM 135樹脂及び30重量部のHexion RIMH 137硬化剤)の混合物に接続した

次いで、真空をかけることによって、組立品から空気を排気した。所望のレベルの真空が達成されたら、第1の樹脂ポートを開いて、樹脂を周囲温度で組立品に注入することを可能にした。14分後、第2の樹脂ポートを開いて、さらなる注入を可能にした。組立品は22分後に完全に注入され、その後、合計で35kgの注入樹脂及び硬化剤を費やした。次いで、組立品を断熱材で覆い、組立品を90℃で硬化させるように設定した。

(例2) 長さ4メートル及び幅1.9メートルであるさらなる複合部品を、以下の手順に従って及び図1及び図2に概略的に示すように、本発明から作った。

適切に処理されたレイアップテーブルに、2層の800gsmの二軸ガラス織物(例えば、Saertex S32EX021−00820−01270−250000)、続いて、二軸織物の長さの中心線に沿って、500mm幅の層間流動媒体(例えば、Aerovac X.Fuse−CS200)の層を置いた。次いで、二軸ガラス織物のさらなる層を、既存の層の上に置いた。2片以上の二軸ガラス織物をそれぞれの層に使用して、織物の近接した片について50mmの重なりを許容することによって1900mmの所望の幅を達成した。

既存の組立品の長さの中心線に沿って、幅440mm及び長さ4000mmから3800mmの間の20プライの一方向低粘着性プリプレグ(例えば、Hexply M9.6LT/32%/1600/G)を置いた。プリプレグの最長片(例えば、4000mm)を最初に、続いて漸進的により短い長さ(例えば、3800mmまで短く)を置いて、面取りした面をプリプレグスタックの長さの端のいずれかで達成した。

このプリプレグスタックの縦方向側の両方に、幅550mm及び長さ4000mmであり、プリプレグスタックと同じ高さに切断されたフォームコア(例えば、DIAB Inc.Divinylcell H60)を置いて、置かれた場合にコア片の表面端の面取りをするようにした。図1による断面において、右側のフォームコアのみを図示する。

合計で幅1900mm及び長さ4000mmになるさらなる3層の同じ二軸織物を、既存の材料の上層の上に置いて、本発明の全体の組立品を達成した。

次いで、組立品は、組立品全体にわたって剥離層の層、孔あき離型ホイル及び注入ネットを適用し、その後、必要な真空及び樹脂チャネル、続いて、真空ポート及び2つの樹脂ポートを備えた適切な真空バッグを置くことによって、注入のために調製された。樹脂ポートを、低粘度注入樹脂及び硬化剤(例えば、100重量部のHexion Epikote MGS RIM 135樹脂及び30重量部のHexion RIMH 137硬化剤)の混合物に接続した。

次いで、真空をかけることによって、組立品から空気を排気した。所望のレベルの真空が達成されたら、第1の樹脂ポートを部分的に開いて、樹脂を周囲温度で組立品に注入することを可能にした。15分後、第2の樹脂ポートを部分的に開いて、さらなる注入を可能にした。21分後に第2の樹脂ポートを十分に開き、組立品は27分後に完全に注入され、31kgの注入樹脂及び硬化剤を費やした。次いで、組立品を断熱材で覆い、組立品を90℃で硬化させるように設定した。

上記の実施例における場合と同様のサイズの部品を、LRI及び乾燥繊維のみを使用して製造し、得られたラミネートの品質は不良であるとともに、注入するのに45分を超えてかかることがわかった。使用することができる樹脂入口ポートの限定された数に起因して、注入時間を減らす試みは困難であることが判明した一方、部品への完全な注入を達成することができる前に許容されないほど高い粘度に達した反応性樹脂混合物に起因して、注入時間を増加させることによってラミネートの品質を改善する試みは失敗した。

上記の実施例から、本発明によれば、現況技術を上回る多くの利益が達せられ得ることが明らかである。LRIを使用する場合、2つの別個の方法工程(レイアップ、注入及び肉厚の荷重負担スパーセクションの硬化のためのもの、並びにレイアップ、注入及び硬化した荷重負担スパーを有するシェルセクションのインサイチューでの硬化のためのもの)を有する必要があり、これは、時間がかかり、硬化の間に荷重負担スパースタックを保存するための余分の空間を必要とする。現況技術の方法によれば、複合部品のコア中の荷重負担構造は、言及した不利点のすべて(例えば、ロービング、トウ又はプライの張力の制御の欠如は、誤配置、皺、折り目及び機械的特性の低下をもたらす)を有する縫合された乾燥繊維材料を含む。さらに、複合部品のコア中の荷重負担構造における縫合された乾燥繊維材料の使用は、荷重負担構造の樹脂含有量の制御に関して困難性をもたらし、特に乾燥繊維材料の厚いスタックの場合、それぞれの樹脂材料のコア荷重負担構造への十分な含浸を得ることは困難であり時間がかかる。含浸不良、すなわち、仕上げられた荷重負担構造における乾燥繊維の区域は、修復されてもよいが、このような修復は、困難であり且つ費用がかかるである。最後に、乾燥繊維材料の厚いスタックがコア荷重負担構造において使用される場合、注入時間も長い。

本発明によれば、1つの方法工程が必要なだけであり、この工程は、表面構造への注入及びその硬化を、内部プリプレグ構造の硬化と組み合わせる。コア荷重負担構造は、いかなる縫合もないUDプリプレグ材料のスタックからなり、それにより、スタックの内部の比較的剛性且つ粘着性のプリプレグ材料の誤配置、皺及び折り目を容易に回避することができ、機械的特性を維持することができる。当然に、樹脂材料が既に存在し、且つ一様に分布しているプリプレグにおいて、一様な分布の樹脂材料をコアスタック中に持ち込む必要がないので、樹脂制御も容易である。最後に、本発明の方法はまた、樹脂があまり必要とされないので注入時間に関してより速く、この樹脂も、コア荷重負担構造ではなく、組立品の表面構造に注入しなければならないだけである。

図3は、繊維強化複合成形品の組立品100の製造方法を例示する。成形品の組立品は、型面110上に置かれて表面構造の少なくとも一部分を形成する乾燥繊維強化材料102の層からなる。第2の樹脂材料が含浸された複数のプリプレグ層104は、表面構造上に位置している。プリプレグ層104は、繊維強化材料102で覆われて、表面構造を仕上げる。組立品又は構築品又は成形品100は、プリプレグ層104のいずれかの側に位置するコア材料106をさらに含む。コア材料106は、樹脂に対して非常に不浸透性であり、材料106を通って樹脂を流れさせない。コア材料106は、プリプレグの1側に開口部108を含む。コア材料は、任意の適切な材料、例えば、フォーム(例えば、Diab Europeにより供給されるdivinycell(商標))又は木材によって形成され得る。

組立品100は、真空バッグ114の形態の密封排気チャンバの内側に位置する。成形品の組立品100は、樹脂を成形品に供給するための樹脂供給ライン116、排気又は吸気ポイント118、120の形態の2つの樹脂フローポイント、及び樹脂の流れを妨げ得るテープ112の形態の樹脂流れ制限をさらに含む。

使用において、減圧が組立品100にかけられる。これにより真空バッグが収縮され、それによりテープ112を表面構造上に押しつけ、これは樹脂流れ制限をもたらす。組立品100は、第1の樹脂フローポイント118が作動することによって注入される。これにより、樹脂を、プリプレグ層104の上及びプリプレグ層104の下の両方にある表面構造に注入する。樹脂が開口部108を通って流れたことが観察される場合、第2の樹脂フローポイント120も作動し、これにより、樹脂を組立品100の表面構造に完全に注入する。この段階で、第1の樹脂フローポイント118は、作動しなくてもよい。注入が完了すると直ぐに、第1及び第2の樹脂材料は、同時に硬化される。次いで、これは、プリプレグ材料と樹脂が注入された繊維材料との両方を含む硬化した成形品をもたらす。

本明細書に記載の成形品及び方法は、特に風力タービンブレードなどのブレード、特にブレードの表面構造又はシェルの製作に適している。したがって、さらなる実施形態において、本明細書に記載の方法によって製作される風力タービン及びブレードが提供される。 なお、下記[1]から[26]は、いずれも本発明の一形態又は一態様である。 [1] 表面構造体及び内部構造体を有する繊維強化複合成形品であって、表面構造体は、繊維強化材料及び第1の樹脂材料の少なくとも1層から形成され、内部構造体は、第2の樹脂材料を含む樹脂含浸繊維強化材料又はプリプレグの複数の層から形成され、前記成形品は、前記成形品への流動性の第1の樹脂材料の注入又は射出によって処理し、且つ第1及び第2の樹脂材料を硬化させるように構成されている、上記繊維強化複合成形品。 [2] 第1及び第2の樹脂材料が、同時に硬化又は部分硬化される、[1]に記載の成形品。 [3] 注入の間に、第1の樹脂材料が内部構造体の下にある表面構造体に注入され、その後、内部構造体の上にある表面構造体に完全に注入される、[1]又は[2]に記載の成形品。 [4] 成形品が、荷重がかかるコア構造体を含み、前記コア構造体が、組立品中の樹脂の場所の目視による確認を可能にする開口部を含む、[1]から[3]までのいずれか一項に記載の成形品。 [5] 内部構造体が、コア構造体を含む、[4]に記載の成形品。 [6] 繊維強化複合成形品の製造方法であって、 a)繊維強化材料の少なくとも1層を型面上に置いて、表面構造体の少なくとも一部分を形成する工程、 b)第2の樹脂材料が含浸された複数のプリプレグ層を表面構造体の少なくとも一部分上に置いて、内部構造体を形成する工程、 c)複数のプリプレグ層を繊維強化材料の少なくとも1層で覆って、表面構造体を完成させる工程、 d)組立品を形成する内部及び表面構造体の組立品に減圧をかける工程、 e)減圧下で、流動性の第1の樹脂材料を組立品に注入又は射出する工程、及び f)第1及び第2の樹脂材料を硬化させる工程 を含み、工程e)は、第1の注入工程及びその後の第2の注入工程を含み、第1の注入工程において、内部構造体の下にある表面構造体に注入され、その後、プリプレグ層の上にある表面構造体に完全に注入される、上記方法。 [7] 第1の樹脂及び第2の樹脂が、同時に硬化又は部分硬化される、[6]に記載の方法。 [8] 工程e)における注入又は射出の前に、第1の樹脂の流れを制御するために、組立品に関連して流れ制限を設ける工程を含む、[6]又は[7]に記載の方法。 [9] 流れ制限が、除去可能である、[8]に記載の方法。 [10] 工程e)における注入又は射出の前に、構築品又は組立品に関連して第1の樹脂フローポイント及び第2の樹脂フローポイントを設け、樹脂流れ制限を樹脂フローポイント間に設ける工程を含む、[8]又は[9]に記載の方法。 [11] 工程e)において、第1の樹脂フローポイントが作動して、第2の樹脂フローポイントが作動せずに組立品の一部分に注入し、続いて、第2の樹脂フローポイントが作動して、完全な組立品に注入する、[10]に記載の方法。 [12] 第2の樹脂フローポイントが作動する場合、第1の樹脂フローポイントが作動しない、[10]又は[11]に記載の方法。 [13] 樹脂フローポイントが、樹脂が組立品中の所望の場所に達した際に、作動する及び/又は作動しない、[10]から[12]までに記載の方法。 [14] 組立品が、荷重がかかるコア構造体を含み、コア構造体が、組立品中の樹脂の場所の目視による確認を可能にする開口部を含む、[6]から[13]までのいずれか一項に記載の方法。 [15] 内部構造体が、荷重がかかるコア構造体又はコア材料を含み、コア材料が、樹脂材料に対して不浸透性である、[6]から[14]までのいずれか一項に記載の方法。 [16] 表面構造体及び内部構造体を有する繊維強化複合成形品であって、表面構造体は、繊維強化材料及び硬化した第1の樹脂材料の少なくとも1層から形成され、内部構造体は、繊維強化材料及び第2の硬化した樹脂材料の複数の層から形成され、未硬化の第1の樹脂材料の粘度は、未硬化の第2の樹脂材料の粘度よりも低く、前記複合成形品において、2つの硬化した樹脂材料は、互いに少なくとも部分的に混合されている、上記繊維強化複合成形品。 [17] 表面構造体が層間流動媒体を追加的に含むことを特徴とする、[16]に記載の繊維強化複合成形品。 [18] 未硬化の第1の樹脂材料の粘度が、0.14から0.4Pa.sの間にあり、未硬化の第2の樹脂材料の粘度が、0.7・104から8・105Pa.sの間にある(両方とも25℃で測定した)ことを特徴とする、[16]又は[17]に記載の繊維強化複合成形品。 [19] 表面構造体が、縫合又は接着された繊維強化材料の少なくとも1層を含むことを特徴とする、[16]から[18]までのいずれか一項に記載の繊維強化複合成形品。 [20] 内部構造体が、プリプレグから作られた非縫合、非接着又は不織の繊維強化材料の層で構成されていることを特徴とする、[16]から[19]までのいずれか一項に記載の繊維強化複合成形品。 [21] [16]から[20]までのいずれか一項に記載の繊維強化複合成形品の製造方法であって、 繊維強化材料の少なくとも1層を型面上に置いて、表面構造体の少なくとも一部分を形成する工程、 第2の樹脂材料が含浸された複数のプリプレグ層を表面構造体の少なくとも一部分上に置いて、内部構造体を形成する工程、 複数のプリプレグ層を繊維強化材料の少なくとも1層で覆って、表面構造体を仕上げる工程、 組立品に減圧をかける工程、 減圧下で、流動性の第1樹脂材料を構築品に注入する工程、及び 第1及び第2の樹脂材料を同時に硬化させる工程 を含む上記方法。 [22] 層間流動媒体を、表面構造体の構築の間に適用する工程を追加的に含むことを特徴とする、[21]に記載の方法。 [23] 荷重がかかるコア構造体を、内部構造体に隣接して適用する工程を追加的に含むことを特徴とする、[21]又は[22]に記載の方法。 [24] 第1及び第2の樹脂材料が、70℃から140℃の間の温度で100から600分の間の時間、特に80℃から100℃の間の温度で120から480分の間の時間、同時に硬化されることを特徴とする、[21]から[23]までのいずれか一項に記載の方法。 [25] 表面構造体への含浸に必要とされる第1の樹脂材料の80%が、120分未満の時間内に注入されることを特徴とする、[21]から[24]までのいずれか一項に記載の方法。 [26] [6]から[14]までのいずれか一項に記載の方法によって製作される、及び/又は[1]から[5]までのいずれか一項に記載の成形品を含む風力タービンブレード。

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