異方性フォームの繊維強化

申请号 JP2017533963 申请日 2015-12-15 公开(公告)号 JP2018506610A 公开(公告)日 2018-03-08
申请人 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア; BASF SE; 发明人 ルックデシェル,ホルガー; アルプター,レネ; シュタイン,ロベルト; ロンゴ−シェデル,ダニエラ; ディールマン,ティム; サムパート,バンガルー ダルマプリ スリラムル; グートマン,ペーター; テレノワール,アレクサンドル; ハルテンシュタイン,マルクス; キルギス,アンドレアス; ダウン,グレゴール; マルティン、マルク クラウデ; メルケル,ペーター; キツィアク,トマス; モリノ,アレッシオ;
摘要 本発明は、少なくとも1本の繊維(F)が、繊維領域(FB2)が成型品の内部に入っている状態で存在し、押出フォームによって取り囲まれている一方で、繊維(F)の繊維領域(FB1)が、成型品の第1の面から突出しており、繊維(F)の繊維領域(FB3)が、成型品の第2の面から突出している、押出フォームから構成された成型品であって、押出フォームが、I) ポリマー溶融物を押出機内に供給する工程、II) 工程I)において供給されたポリマー溶融物に少なくとも1種の発泡剤を導入して、発泡性ポリマー溶融物を得る工程、III) 工程II)において得られた発泡性ポリマー溶融物を、発泡性ポリマー溶融物を膨張させながら、少なくとも1個のダイ開口部の中を通ってより低い圧 力 の領域に入るように押出機から押出して、膨張フォームを得る工程およびIV) 工程III)から得た膨張フォームを、整形工具の中を通るように膨張フォームを誘導することによって較正して、押出フォームを得る工程を含む、押出方法によって作製されている、成型品に関する。
权利要求

少なくとも1本の繊維(F)が、繊維領域(FB2)が成型品の内部に入っている状態で存在し、押出フォームによって取り囲まれている一方で、繊維(F)の繊維領域(FB1)が、成型品の第1の面から突出しており、繊維(F)の繊維領域(FB3)が、成型品の第2の面から突出している、押出フォームから製造された成型品であって、押出フォームが、 I) ポリマー溶融物を押出機内に供給する工程、 II) 工程I)において供給されたポリマー溶融物に少なくとも1種の発泡剤を導入して、発泡性ポリマー溶融物を得る工程、 III) 工程II)において得られた発泡性ポリマー溶融物を、発泡性ポリマー溶融物を膨張させながら、少なくとも1個のダイ開口部の中を通ってより低い圧の領域に入るように押出機から押出して、膨張フォームを得る工程および IV) 工程III)から得た膨張フォームを、整形工具の中を通るように膨張フォームを誘導することによって較正して、押出フォームを得る工程 を含む、押出方法によって作製されており、 繊維(F)が、成型品の厚さ方向(d)に対して10°から70°までの度αで押出フォーム中に導入されている、 成型品。i) 工程I)において供給されたポリマー溶融物が、少なくとも1種の添加剤を含み、ならびに/または ii) 少なくとも1種の添加剤が、工程II)中にポリマー溶融物に添加され、および/もしくは工程II)と工程III)との間に発泡性ポリマー溶融物に添加され、ならびに/または iii) 少なくとも1種の添加剤が、工程III)中に膨張フォームに加えられ、および/もしくは工程IV)中に膨張フォームに加えられ、ならびに/または iv) 少なくとも1つの層(S2)が、工程IV)の最中および/もしくは直後に押出フォームに装着され、ならびに/または v) 次のプロセス工程、すなわち、 V) 工程IV)において得られた押出フォームの材料除去処理 が、工程IV)後に実施される、 請求項1に記載の成型品。押出フォームが、ポリスチレン、ポリエステル、ポリフェニレンオキシド、フェニレンオキシドから製造されるコポリマー、スチレンから製造されるコポリマー、ポリアリールエーテルスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリールエーテルケトン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリカルボネート、ポリアクリレート、ポリ乳酸、ポリビニルクロリドまたはこれらの混合物から選択される少なくとも1種のポリマーを主体としており、 ポリマーが好ましくは、ポリスチレン、ポリフェニレンオキシド、ポリスチレンとポリフェニレンオキシドとの混合物、ポリエチレンテレフタレート、ポリカルボネート、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリエーテルイミド、スチレンから製造されるコポリマーまたはスチレンから製造されるコポリマーの混合物から選択され、 ポリマーがより好ましくは、ポリスチレン、ポリスチレンとポリ(2,6−ジメチルフェニレンオキシド)との混合物、スチレン−無マレイン酸ポリマーとスチレン−アクリロニトリルポリマー(SMA/SAN)との混合物またはスチレン−無水マレイン酸ポリマー(SMA)であり、 スチレンから製造されるコポリマーが好ましくは、α−メチルスチレン、環ハロゲン化スチレン、環アルキル化スチレン、アクリロニトリル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、N−ビニル化合物、無水マレイン酸、ブタジエン、ジビニルベンゼンおよびブタンジオールジアクリレートから選択されるモノマーを、スチレンのためのコモノマーとして有する、 請求項1または2に記載の成型品。押出フォームが、セルを含み、 i) セルの少なくとも50%、好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも90%が、異方性であり、および/または ii) セルの少なくとも50%、好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも90%の最小寸法(c方向)に対する最大寸法(a方向)の比が、≧1.05、好ましくは1.1から10までの範囲、特に好ましくは1.2から5までの範囲であり、および/または iii) セルの少なくとも50%、好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも90%の最小寸法(c方向)の平均サイズが、0.01mmから1mmまでの範囲、好ましくは0.02mmから0.5mmまでの範囲、特に0.02mmから0.3mmまでの範囲であり、および/または iv) セルの少なくとも50%、好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも90%が、直交異方性もしくは横等方性であり、および/または v) セルの少なくとも50%、好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも90%が、セルの最大寸法(a方向)に基づいて成型品の厚さ方向(d)に対して≦45°、好ましくは≦30°、より好ましくは≦5°の角度γで整列されており、および/または vi) 押出フォームが、少なくとも80%、好ましくは少なくとも95%、より好ましくは少なくとも98%の独立セル含量を有し、および/または vii) 繊維(F)が、押出フォームのセルの少なくとも50%、好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも90%の最大寸法(a方向)に対して≦60°、好ましくは≦50°の角度εをなしている、 請求項1から3のいずれか一項に記載の成型品。i) 押出フォームの少なくとも1種の機械的特性、好ましくはすべての機械的特性が、異方性、好ましくは直交異方性もしくは横等方性であり、ならびに/または ii) 押出フォームの少なくとも1種の弾性率、好ましくはすべての弾性率が、異方性材料、好ましくは直交異方性もしくは横等方性材料のように振る舞い、ならびに/または iii) 長さ(x方向)の押出フォームの圧縮強さに対する厚さ(z方向)の押出フォームの圧縮強さの比および/または幅(y方向)の押出フォームの圧縮強さに対する厚さ(z方向)の押出フォームの圧縮強さの比が、≧1.1、好ましくは≧1.5、特に好ましくは2から10の間である、 請求項1から4のいずれか一項に記載の成型品。i) 押出フォームが、4mmから200mmまでの範囲、好ましくは5mmから60mmまでの範囲の厚さ(z方向)、少なくとも200mm、好ましくは少なくとも400mmの長さ(x方向)および少なくとも200mm、好ましくは少なくとも400mmの幅(y方向)を有し、ならびに/または ii) 成型品の少なくとも1つの面の表面が、好ましくはスロットまたは穴であり、より好ましくは請求項1に記載の工程IV)の実施後に成型品の少なくとも1つの面の表面上に作製された、少なくとも1個の凹みを有し、ならびに/または iii) 成型品の少なくとも1つの面の表面が、好ましくはスロットまたは穴であり、より好ましくは請求項2に記載の工程V)の実施後に成型品の少なくとも1つの面の表面上に作製された、少なくとも1個の凹みを有する、 請求項1から5のいずれか一項に記載の成型品。i) 繊維(F)が、単繊維もしくは繊維束、好ましくは繊維束であり、ならびに/または ii) 繊維(F)が、有機繊維、無機繊維、金属繊維もしくはセラミック繊維またはこれらの組合せ、好ましくはポリマー繊維、玄武岩繊維、ガラス繊維、炭素繊維もしくは天然繊維、特に好ましくはポリアラミド繊維、ガラス繊維、玄武岩繊維もしくは炭素繊維であり、ポリマー繊維が好ましくは、ポリエステル、ポリアミド、ポリアラミド、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリビニルクロリド、ポリイミドおよび/もしくはポリアミドイミドからできた繊維であり、天然繊維が好ましくは、サイザル麻、麻、亜麻、竹、ココナッツおよび/もしくはジュートからできた繊維であり、ならびに/または iii) 繊維(F)が、1束当たりガラス繊維の場合で少なくとも10本、好ましくは100本から100000本まで、より好ましくは300本から10000本までの数、炭素繊維の場合で1000本から50000本までの数、特に好ましくは、ガラス繊維の場合で500本から5000本までの数、炭素繊維の場合で2000本から20000本までの数の単繊維を有する繊維束の形態で使用され、ならびに/または iv) 繊維領域(FB1)および繊維領域(FB3)がそれぞれ独立に、繊維(F)の全長の1%から45%まで、好ましくは2%から40%まで、より好ましくは5%から30%までを占め、繊維領域(FB2)が、10%から98%まで、好ましくは20%から96%まで、より好ましくは40%から90%までを占め、ならびに/または v) 繊維(F)が、成型品の厚さ方向(d)に対して30°から60°まで、好ましくは30°から50°まで、さらにより好ましくは30°から45°まで、特に45°の角度αで押出フォーム中に導入されており、ならびに/または vi) 成型品において、そこから繊維(F)の繊維領域(FB1)が突出している成型品の第1の面が、そこから繊維(F)の繊維領域(FB3)が突出している成型品の第2の面に対向しており、ならびに/または vii) 成型品が、多数の繊維(F)、好ましくは繊維束を含み、および/もしくは1m2当たり10本より多い、好ましくは1m2当たり1000本より多い、より好ましくは1m2当たり4000本から40000本までの繊維(F)または繊維束を含む、 請求項1から6に記載の成型品。請求項1から7のいずれか一項に記載の少なくとも1つの成型品および少なくとも1つの層(S1)を含む、パネル。層(S1)が、好ましくは反応性のある熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂であり、より好ましくはエポキシド、アクリレート、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエステル、不飽和ポリエステル、ビニルエステルまたはこれらの混合物を主体としており、特にアミン硬化エポキシ樹脂、潜在硬化エポキシ樹脂、無水物硬化エポキシ樹脂またはイソシアネートおよびポリオールから形成されるポリウレタンである、少なくとも1種の樹脂を含む、請求項8に記載のパネル。層(S1)が、少なくとも1種の繊維材をさらに含み、 i) 繊維材が、チョップドファイバー、ウェブ、スクリム、編み物および/もしくは織り組織からできた1つまたは複数の薄層の形態、好ましくはスクリムもしくは織り組織の形態、より好ましくはスクリムもしくは織り組織1つ当たり150g/m2から2500g/m2までの基本質量を有する、スクリムもしくは織り組織の形態の繊維を含み、ならびに/または ii) 繊維材が、有機繊維、無機繊維、金属繊維もしくはセラミック繊維、好ましくはポリマー繊維、玄武岩繊維、ガラス繊維、炭素繊維もしくは天然繊維、より好ましくはガラス繊維もしくは炭素繊維を含む、 請求項8または9に記載のパネル。パネルが、2つの層(S1)を有し、2つの層(S1)がそれぞれ、成型品の他方の面に対向する、成型品の一面上に取り付けられている、請求項8から10のいずれか一項に記載のパネル。i) 繊維(F)の繊維領域(FB1)が、第1の層(S1)と部分的もしくは完全に接触しており、好ましくは完全に接触しており、および/または ii) 繊維(F)の繊維領域(FB3)が、第2の層(S1)と部分的もしくは完全に接触しており、好ましくは完全に接触しており、および/または iii) パネルが、成型品の少なくとも1つの面と少なくとも1つの層(S1)との間に、好ましくは二次元的な繊維材料もしくはポリマーフィルム、より好ましくはガラス繊維もしくは炭素繊維から構成された、ウェブ、スクリムもしくは織り組織の形態の少なくとも1つの層(S2)を有し、および/または iv) 少なくとも1つの層(S1)が、樹脂を含み、パネルの成型品の押出フォームが、≦2000g/m2、好ましくは≦1000g/m2、より好ましくは≦500g/m2、最も好ましくは≦100g/m2の表面吸樹脂量を有し、および/または v) 少なくとも1つの層(S1)が、樹脂を含み、パネルが、≧200J/m2、好ましくは≧500J/m2、より好ましくは≧2000J/m2のはく離抵抗性を有する、 請求項8から11のいずれか一項に記載のパネル。少なくとも1本の繊維(F)を部分的に押出フォーム中に導入することを含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の成型品を作製するための方法であって、この部分的な導入の結果、繊維(F)が、繊維領域(FB2)が成型品の内部に入っている状態で存在し、押出フォームによって取り囲まれている一方で、繊維(F)の繊維領域(FB1)が、成型品の第1の面から突出しており、繊維(F)の繊維領域(FB3)が、成型品の第2の面から突出しており、この結果、繊維(F)が、成型品の厚さ方向(d)に対して10°から70°までの角度αで押出フォーム中に導入されている、方法。少なくとも1本の繊維(F)が部分的に、針を使用して少なくとも1本の繊維(F)縫い付けることによって押出フォーム中に導入され、 この部分的な導入を、 a) 任意に、少なくとも1つの層(S2)を押出フォームの少なくとも1つの面に装着する工程、 b) 押出フォームおよび任意の層(S2)中の繊維(F)1本当たり1個の穴を作製する工程であって、穴が第1の面から任意の層(S2)の中を通って押出フォームの第2の面まで延在する、工程、 c) 少なくとも1本の繊維(F)を押出フォームの第2の面上に供給する工程、 d) 押出フォームの第1の面から穴の中を通って押出フォームの第2の面まで針を通り抜けさせ、針に任意の層(S2)を通り抜けさせる工程、 e) 少なくとも1本の繊維(F)を押出フォームの第2の面上の針にしっかりと固定する工程および f) 繊維(F)付きの針を、穴の中を通るように送り返し、この結果、繊維(F)が、繊維領域(FB2)が成型品の内部に入っている状態で存在し、押出フォームによって取り囲まれている一方で、繊維(F)の繊維領域(FB1)が、成型品の第1の面または任意の層(S2)から突出しており、繊維(F)の繊維領域(FB3)が、成型品の第2の面から突出している状態になる工程、 によって実施することが好ましく、 工程b)と工程d)とを同時に実施することがより好ましい、 請求項13に記載の方法。反応性のあるねばついた樹脂の形態の少なくとも1つの層(S1)を請求項1から7のいずれか一項に記載の成型品上に、好ましくは液体含浸法、より好ましくは圧力または真空支援含浸法、特に好ましくは真空インフュージョン法または圧力支援注入法、最も好ましくは真空インフュージョンによって作製し、装着し、硬化させることを含む、請求項8から12のいずれか一項に記載のパネルを作製する方法。風車の動翼のために、輸送分野において、建設分野において、自動車製造において、造船において、鉄道車両製造において、コンテナ製造のために、衛生設備のためにおよび/または航空宇宙において、請求項1から7のいずれか一項に記載の成型品または請求項8から12のいずれか一項に記載のパネルを使用する方法。

少なくとも1本の繊維(F)が、繊維領域(FB2)が成型品の内部に入っている状態で存在し、押出フォームによって取り囲まれている一方で、繊維(F)の繊維領域(FB1)が、成型品の第1の面から突出しており、繊維(F)の繊維領域(FB3)が、成型品の第2の面から突出している、押出フォームから製造された成型品であって、押出フォームが、 I) ポリマー溶融物を押出機内に供給する工程、 II) 工程I)において供給されたポリマー溶融物に少なくとも1種の発泡剤を導入して、発泡性ポリマー溶融物を得る工程、 III) 工程II)において得られた発泡性ポリマー溶融物を、発泡性ポリマー溶融物を膨張させながら、少なくとも1個のダイ開口部の中を通ってより低い圧力の領域に入るように押出機から押出して、膨張フォームを得る工程および IV) 工程III)から得た膨張フォームを、整形工具の中を通るように膨張フォームを誘導することによって較正して、押出フォームを得る工程 を含む、押出方法によって作製されており、 繊維(F)が、成型品の厚さ方向(d)に対して10°から70°までの角度αで押出フォーム中に導入されており、2本以上の繊維(F)が、成型品中で互いに対して角度βをなしており、角度βが、β=360°/nの範囲であり、ここで、nは整数である、 成型品。i) 工程I)において供給されたポリマー溶融物が、少なくとも1種の添加剤を含み、ならびに/または ii) 少なくとも1種の添加剤が、工程II)中にポリマー溶融物に添加され、および/もしくは工程II)と工程III)との間に発泡性ポリマー溶融物に添加され、ならびに/または iii) 少なくとも1種の添加剤が、工程III)中に膨張フォームに加えられ、および/もしくは工程IV)中に膨張フォームに加えられ、ならびに/または iv) 少なくとも1つの層(S2)が、工程IV)の最中および/もしくは直後に押出フォームに装着され、ならびに/または v) 次のプロセス工程、すなわち、 V) 工程IV)において得られた押出フォームの材料除去処理 が、工程IV)後に実施される、 請求項1に記載の成型品。押出フォームが、ポリスチレン、ポリエステル、ポリフェニレンオキシド、フェニレンオキシドから製造されるコポリマー、スチレンから製造されるコポリマー、ポリアリールエーテルスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリールエーテルケトン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリカルボネート、ポリアクリレート、ポリ乳酸、ポリビニルクロリドまたはこれらの混合物から選択される少なくとも1種のポリマーを主体としており、 ポリマーが好ましくは、ポリスチレン、ポリフェニレンオキシド、ポリスチレンとポリフェニレンオキシドとの混合物、ポリエチレンテレフタレート、ポリカルボネート、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリエーテルイミド、スチレンから製造されるコポリマーまたはスチレンから製造されるコポリマーの混合物から選択され、 ポリマーがより好ましくは、スチレン、ポリスチレンとポリ(2,6−ジメチルフェニレンオキシド)との混合物、スチレン−無水マレイン酸ポリマーとスチレン−アクリロニトリルポリマー(SMA/SAN)との混合物またはスチレン−無水マレイン酸ポリマー(SMA)であり、 スチレンから製造されるコポリマーが好ましくは、α−メチルスチレン、環ハロゲン化スチレン、環アルキル化スチレン、アクリロニトリル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、N−ビニル化合物、無水マレイン酸、ブタジエン、ジビニルベンゼンおよびブタンジオールジアクリレートから選択されるモノマーを、スチレンのためのコモノマーとして有する、 請求項1または2に記載の成型品。押出フォームが、セルを含み、 i) セルの少なくとも50%、好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも90%が、異方性であり、および/または ii) セルの少なくとも50%、好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも90%の最小寸法(c方向)に対する最大寸法(a方向)の比が、≦1.05、好ましくは1.1から10までの範囲、特に好ましくは1.2から5までの範囲であり、および/または iii) セルの少なくとも50%、好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも90%の最小寸法(c方向)の平均サイズが、0.01mmから1mmまでの範囲、好ましくは0.02mmから0.5mmまでの範囲、特に0.02mmから0.3mmまでの範囲であり、および/または iv) セルの少なくとも50%、好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも90%が、直交異方性もしくは横等方性であり、および/または v) セルの少なくとも50%、好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも90%が、セルの最大寸法(a方向)に基づいて成型品の厚さ方向(d)に対して≦45°、好ましくは≦30°、より好ましくは≦5°の角度γで整列されており、および/または vi) 押出フォームが、少なくとも80%、好ましくは少なくとも95%、より好ましくは少なくとも98%の独立セル含量を有し、および/または vii) 繊維(F)が、押出フォームのセルの少なくとも50%、好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも90%の最大寸法(a方向)に対して≦60°、好ましくは≦50°の角度εをなしている、 請求項1から3のいずれか一項に記載の成型品。i) 押出フォームの少なくとも1種の機械的特性、好ましくはすべての機械的特性が、異方性、好ましくは直交異方性もしくは横等方性であり、ならびに/または ii) 押出フォームの少なくとも1種の弾性率、好ましくはすべての弾性率が、異方性材料、好ましくは直交異方性もしくは横等方性材料のように振る舞い、ならびに/または iii) 長さ(x方向)の押出フォームの圧縮強さに対する厚さ(z方向)の押出フォームの圧縮強さの比および/または幅(y方向)の押出フォームの圧縮強さに対する厚さ(z方向)の押出フォームの圧縮強さの比が、≧1.1、好ましくは≧1.5、特に好ましくは2から10の間である、 請求項1から4のいずれか一項に記載の成型品。i) 押出フォームが、4mmから200mmまでの範囲、好ましくは5mmから60mmまでの範囲の厚さ(z方向)、少なくとも200mm、好ましくは少なくとも400mmの長さ(x方向)および少なくとも200mm、好ましくは少なくとも400mmの幅(y方向)を有し、ならびに/または ii) 成型品の少なくとも1つの面の表面が、好ましくはスロットまたは穴であり、より好ましくは請求項1に記載の工程IV)の実施後に成型品の少なくとも1つの面の表面上に作製された、少なくとも1個の凹みを有し、ならびに/または iii) 成型品の少なくとも1つの面の表面が、好ましくはスロットまたは穴であり、より好ましくは請求項2に記載の工程V)の実施後に成型品の少なくとも1つの面の表面上に作製された、少なくとも1個の凹みを有する、 請求項1から5のいずれか一項に記載の成型品。i) 繊維(F)が、単繊維もしくは繊維束、好ましくは繊維束であり、ならびに/または ii) 繊維(F)が、有機繊維、無機繊維、金属繊維もしくはセラミック繊維またはこれらの組合せ、好ましくはポリマー繊維、玄武岩繊維、ガラス繊維、炭素繊維もしくは天然繊維、特に好ましくはポリアラミド繊維、ガラス繊維、玄武岩繊維もしくは炭素繊維であり、ポリマー繊維が好ましくは、ポリエステル、ポリアミド、ポリアラミド、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリビニルクロリド、ポリイミドおよび/もしくはポリアミドイミドからできた繊維であり、天然繊維が好ましくは、サイザル麻、麻、亜麻、竹、ココナッツおよび/もしくはジュートからできた繊維であり、ならびに/または iii) 繊維(F)が、1束当たりガラス繊維の場合で少なくとも10本、好ましくは100本から100000本まで、より好ましくは300本から10000本までの数、炭素繊維の場合で1000本から50000本までの数、特に好ましくは、ガラス繊維の場合で500本から5000本までの数、炭素繊維の場合で2000本から20000本までの数の単繊維を有する繊維束の形態で使用され、ならびに/または iv) 繊維領域(FB1)および繊維領域(FB3)がそれぞれ独立に、繊維(F)の全長の1%から45%まで、好ましくは2%から40%まで、より好ましくは5%から30%までを占め、繊維領域(FB2)が、10%から98%まで、好ましくは20%から96%まで、より好ましくは40%から90%までを占め、ならびに/または v) 繊維(F)が、成型品の厚さ方向(d)に対して30°から60°まで、好ましくは30°から50°まで、さらにより好ましくは30°から45°まで、特に45°の角度αで押出フォーム中に導入されており、ならびに/または vi) 成型品において、そこから繊維(F)の繊維領域(FB1)が突出している成型品の第1の面が、そこから繊維(F)の繊維領域(FB3)が突出している成型品の第2の面に対向しており、ならびに/または vii) 成型品が、多数の繊維(F)、好ましくは繊維束を含み、および/もしくは1m2当たり10本より多い、好ましくは1m2当たり1000本より多い、より好ましくは1m2当たり4000本から40000本までの繊維(F)または繊維束を含む、 請求項1から6に記載の成型品。請求項1から7のいずれか一項に記載の少なくとも1つの成型品および少なくとも1つの層(S1)を含む、パネル。層(S1)が、好ましくは反応性のある熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂であり、より好ましくはエポキシド、アクリレート、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエステル、不飽和ポリエステル、ビニルエステルまたはこれらの混合物を主体としており、特にアミン硬化エポキシ樹脂、潜在硬化エポキシ樹脂、無水物硬化エポキシ樹脂またはイソシアネートおよびポリオールから形成されるポリウレタンである、少なくとも1種の樹脂を含む、請求項8に記載のパネル。層(S1)が、少なくとも1種の繊維材をさらに含み、 i) 繊維材が、チョップドファイバー、ウェブ、スクリム、編み物および/もしくは織り組織からできた1つまたは複数の薄層の形態、好ましくはスクリムもしくは織り組織の形態、より好ましくはスクリムもしくは織り組織1つ当たり150g/m2から2500g/m2までの基本質量を有する、スクリムもしくは織り組織の形態の繊維を含み、ならびに/または ii) 繊維材が、有機繊維、無機繊維、金属繊維もしくはセラミック繊維、好ましくはポリマー繊維、玄武岩繊維、ガラス繊維、炭素繊維もしくは天然繊維、より好ましくはガラス繊維もしくは炭素繊維を含む、 請求項8または9に記載のパネル。パネルが、2つの層(S1)を有し、2つの層(S1)がそれぞれ、成型品の他方の面に対向する、成型品の一面上に取り付けられている、請求項8から10のいずれか一項に記載のパネル。i) 繊維(F)の繊維領域(FB1)が、第1の層(S1)と部分的もしくは完全に接触しており、好ましくは完全に接触しており、および/または ii) 繊維(F)の繊維領域(FB3)が、第2の層(S1)と部分的もしくは完全に接触しており、好ましくは完全に接触しており、および/または iii) パネルが、成型品の少なくとも1つの面と少なくとも1つの層(S1)との間に、好ましくは二次元的な繊維材料もしくはポリマーフィルム、より好ましくはガラス繊維もしくは炭素繊維から構成された、ウェブ、スクリムもしくは織り組織の形態の少なくとも1つの層(S2)を有し、および/または iv) 少なくとも1つの層(S1)が、樹脂を含み、パネルの成型品の押出フォームが、≦2000g/m2、好ましくは≦1000g/m2、より好ましくは≦500g/m2、最も好ましくは≦100g/m2の表面吸樹脂量を有し、および/または v) 少なくとも1つの層(S1)が、樹脂を含み、パネルが、≧200J/m2、好ましくは≧500J/m2、より好ましくは≧2000J/m2のはく離抵抗性を有する、 請求項8から11のいずれか一項に記載のパネル。少なくとも1本の繊維(F)を部分的に押出フォーム中に導入することを含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の成型品を作製するための方法であって、この部分的な導入の結果、繊維(F)が、繊維領域(FB2)が成型品の内部に入っている状態で存在し、押出フォームによって取り囲まれている一方で、繊維(F)の繊維領域(FB1)が、成型品の第1の面から突出しており、繊維(F)の繊維領域(FB3)が、成型品の第2の面から突出しており、この結果、繊維(F)が、成型品の厚さ方向(d)に対して10°から70°までの角度αで押出フォーム中に導入されている、方法。少なくとも1本の繊維(F)が部分的に、針を使用して少なくとも1本の繊維(F)縫い付けることによって押出フォーム中に導入され、 この部分的な導入を、 a) 任意に、少なくとも1つの層(S2)を押出フォームの少なくとも1つの面に装着する工程、 b) 押出フォームおよび任意の層(S2)中の繊維(F)1本当たり1個の穴を作製する工程であって、穴が第1の面から任意の層(S2)の中を通って押出フォームの第2の面まで延在する、工程、 c) 少なくとも1本の繊維(F)を押出フォームの第2の面上に供給する工程、 d) 押出フォームの第1の面から穴の中を通って押出フォームの第2の面まで針を通り抜けさせ、針に任意の層(S2)を通り抜けさせる工程、 e) 少なくとも1本の繊維(F)を押出フォームの第2の面上の針にしっかりと固定する工程および f) 繊維(F)付きの針を、穴の中を通るように送り返し、この結果、繊維(F)が、繊維領域(FB2)が成型品の内部に入っている状態で存在し、押出フォームによって取り囲まれている一方で、繊維(F)の繊維領域(FB1)が、成型品の第1の面または任意の層(S2)から突出しており、繊維(F)の繊維領域(FB3)が、成型品の第2の面から突出している状態になる工程、 によって実施することが好ましく、 工程b)と工程d)とを同時に実施することがより好ましい、 請求項13に記載の方法。反応性のあるねばついた樹脂の形態の少なくとも1つの層(S1)を請求項1から7のいずれか一項に記載の成型品上に、好ましくは液体含浸法、より好ましくは圧力または真空支援含浸法、特に好ましくは真空インフュージョン法または圧力支援注入法、最も好ましくは真空インフュージョンによって作製し、装着し、硬化させることを含む、請求項8から12のいずれか一項に記載のパネルを作製する方法。風車の動翼のために、輸送分野において、建設分野において、自動車製造において、造船において、鉄道車両製造において、コンテナ製造のために、衛生設備のためにおよび/または航空宇宙において、請求項1から7のいずれか一項に記載の成型品または請求項8から12のいずれか一項に記載のパネルを使用する方法。

说明书全文

本発明は、少なくとも1本の繊維(F)が部分的に、成型品の内部に入っており、すなわち、押出フォームによって取り囲まれている、押出フォームから製造された成型品に関する。したがって、押出フォームによって取り囲まれていない各繊維(F)の2つの端部はそれぞれ、対応する成型品の1つの面から突出している。押出フォームは、押出フォームが整形用の型を用いた較正によって得られる押出方法によって、作製される。

本発明は、少なくとも1つのこのような成型品および少なくとも1つのさらなる層(S1)を含む、パネルをさらに提供する。本発明は、押出フォームまたは本発明のパネルから本発明の成型品を作製するための方法、および、例えば風車の動翼として本発明の成型品を使用する方法をさらに提供する。

WO2006/125561は、強化発泡材料の第1の表面から第2の表面まで延在する少なくとも1個の穴が、第1のプロセス工程において強化発泡材料内に作製される、強化発泡材料を作製するための方法に関する。発泡材料の第2の表面の他の面上には、少なくとも1本の繊維束が用意されており、前記繊維束は、針を使って、穴の中を通って発泡材料の第1の面まで引き寄せられる。しかしながら、針に繊維束を保持させる前に、最初に針を、特定の穴の中を通るように引っ張り、発泡材料の第1の面から出てくるようにする。さらに、WO2006/125561による方法の結論部分において、繊維束は、対応する穴を充填しているため、発泡材料の内部に部分的に入っており、対応する繊維束が、発泡材料の第1の表面および第2の表面から各面上に部分的に突出している。

WO2006/125561に記載の方法により、前記発泡材料のコアおよび少なくとも1本の繊維束を含む、サンドイッチ状部品を作製することができる。樹脂層および繊維強化樹脂層を、実際のサンドイッチ状部品を作製するために、このコアの表面に装着してもよい。サンドイッチ状部品のコアを形成するために使用される発泡材料は例えば、ポリビニルクロリドまたはポリウレタンであってよい。有用な繊維束の例には、炭素繊維、ナイロン繊維、ガラス繊維またはポリエステル繊維が挙げられる。

しかしながら、WO2006/125561は、サンドイッチ状部品内にコアを作製するための発泡材料として、押出フォームを使用することもできることを開示していない。WO2006/125561によるサンドイッチ状部品は、航空機製造における使用のために適している。

WO2011/012587は、複合材料から製造されたパネルのために統合された架橋繊維を有する、コアを作製するためのさらなる方法に関する。コアは、軽量な材料から製造された「ケーク」と呼ばれるものの表面上に用意された架橋繊維を、針を用いて、前記ケークの中を部分的にまたは完全に通るように引っ張ることによって作製される。「ケーク」は、ポリウレタンフォーム、ポリエステルフォーム、ポリエチレンテレフタレートフォーム、ポリビニルクロリドフォームまたはフェノールフォーム、特にポリウレタンフォームから形成されていてもよい。使用される繊維は原則的に、任意の種類の単一または複数の糸および他のヤーンであってよい。

このようにして作製されたコアは、複合材料から製造されたパネルの一部であってもよく、コアは、1つまたは2つの面上で、樹脂マトリックスおよびサンドイッチ状の構成になった樹脂マトリックスと繊維との組合せによって取り囲まれている。しかしながら、WO2011/012587は、押出フォームを、対応するコア材料の作製のために使用できることを開示していない。

WO2012/138445は、低い密度を有する発泡材料からできた多数の長手方向に向かっているストリップを使用して、複合材料コアパネルを作製するための方法に関する。二重層型繊維マットが個々のストリップ間に導入されると、これにより、樹脂を使用して個々のストリップを接合して、複合材料コアパネルを形成する。WO2012/138445によれば低い密度を有し、長手方向に向かっているストリップを形成する、発泡材料は、バルサ材、弾性フォームおよび繊維強化複合材料フォームから選択される。二重層形態で個別のストリップ間に導入される繊維マットは例えば、多孔性ガラス繊維マットであってよい。接着剤として使用される樹脂は例えば、ポリエステル、エポキシ樹脂もしくはフェノール樹脂または熱により活性化された熱可塑性物質、例えばポリプロピレンまたはPETであってよい。しかしながら、WO2012/138445は、押出フォームを、細長いストリップのための発泡材料としても使用できることを開示していない。WO2012/138445には、個別の繊維または繊維束を、強化のために発泡材料に組み込むことができることも開示されていない。WO2012/138445によれば、コア材料を得るための樹脂による接着剤を用いた個々のストリップの接合の文脈において、接合要素をさらに構成する、繊維マットのみが、この目的のために使用されている。

GB−A2455044は、多層複合材料物品を作製するための方法を開示しており、第1のプロセス工程において、多数の熱可塑性材料のビーズおよび発泡剤が供給される。熱可塑性材料は、少なくとも20%から70質量%までのPPOを含む、ポリスチレン(PS)およびポリフェニレンオキシド(PPO)の混合物である。第2の工程において、ビーズを膨張させ、第3の工程において、ビーズを、熱可塑性材料の独立セルフォームを形成するための型に溶かし込んで、成型品を得るが、独立セルフォームは、型の形状になっていると想定している。次のプロセス工程において、繊維強化材料の層を独立セルフォームの表面に装着するが、各表面の取付けは、エポキシ樹脂を使用して実施される。しかしながら、GB−A2455044は、繊維材料を、多層複合材料物品のコアに導入できることを開示していない。

(GB−A2455044におけるものと)同様の方法および同様の多層複合材料物品も、WO2009/047483において開示されている。これらの多層複合材料物品は例えば、(風車の)動翼に関するまたは船殻としての使用に適している。

US−B7,201,625は、例えばスポーツ分野においてサーフボードとして使用することができる、フォーム製品を作製するための方法およびフォーム製品自体を開示している。フォーム製品のコアは、例えばポリスチレンフォームを主体とした成型フォームによって形成される。この成型フォームは、特殊な型によって作製されており、プラスチック外皮が成型フォームを取り囲んでいる。プラスチック外皮は例えば、ポリエチレンフィルムであってよい。しかしながら、US−B7,201,625は、材料の強化のための繊維が、成型フォーム中に存在してもよいことも開示していない。

US−B6,767,623は、2mmから8mmまでの範囲の粒径および10g/lから100g/lまでの範囲のバルク密度を有する粒子を主体とした成型ポリプロピレンフォームのコア層を有する、サンドイッチ型パネルを開示している。さらに、サンドイッチ型パネルは、繊維強化ポリプロピレンからできた2つの外層を含み、サンドイッチ構造物を形成するように個別の外層がコアの周りに配置されている。任意に、なおさらなる層が、装飾目的でサンドイッチ型パネル中に存在してもよい。外層は、ガラス繊維または他のポリマー繊維を含んでもよい。

EP−A2420531は、≦10μmの粒径を有する少なくとも1種の鉱物充填剤および少なくとも1種の核形成剤が存在する、ポリスチレン等のポリマーを主体とした押出フォームを開示している。これらの押出フォームは、改良された剛性という点で注目すべきである。このようなポリスチレンを主体とした押出フォームのための対応する押出方法も、さらに記述されている。押出フォームは、独立セルを有してもよい。しかしながら、EP−A2480531は、押出フォームが繊維を含むことを記述していない。

WO2005/056653は、充填剤を含む膨張性ポリマービーズから形成された、成型フォームに関する。成型フォームは、充填剤を含む膨張性熱可塑性ポリマービーズから形成された予備発泡フォームビーズを溶接することによってでき、成型フォームは、8g/lから300g/lまでの範囲の密度を有する。熱可塑性ポリマービーズは特に、スチレンポリマーを含む。使用される充填剤は、粉状の無機物質、金属、白亜、酸化アルミニウム、炭酸カルシウムもしくはアルミナ、または、ガラスビーズ、ガラス繊維もしくは炭素繊維等のビーズもしくは繊維の形態の無機物質であってよい。

US3,030,256は、繊維を使用して、フォームまたは膨張ポリマーから作製されたコアを強化することによって作製された、ラミネート加工パネルに関する。コアに関して記述された材料は、膨張および押出ポリスチレンならびにフェノール、エポキシドおよびポリウレタンである。繊維の導入のために、針を使用して、コアの第1の面からコアの第2の面に至る穴を作製し、同じ針を使用して、繊維束を、第2の面から第1の面に至る穴の中を通るように引っ張り、この結果、繊維束が部分的にコアの内部に入っており、第1の面および第2の面から部分的に突出している状態になる。繊維材料は、コアの厚さ方向に対して0°の度でコア中に導入されている。

WO2006/125561

WO2011/012587

WO2012/138445

GB−A2455044

WO2009/047483

US−B7,201,625

US−B6,767,623

EP−A2420531

WO2005/056653

US3,030,256

本発明の基礎をなす目的は、新規な繊維強化成型品または繊維強化パネルを提供することである。

本発明によれば、上記目的は、少なくとも1本の繊維(F)が、繊維領域(FB2)が成型品の内部に入っている状態で存在し、押出フォームによって取り囲まれている一方で、繊維(F)の繊維領域(FB1)が、成型品の第1の面から突出しており、繊維(F)の繊維領域(FB2)が、成型品の第2の面から突出している、押出フォームから製造された成型品であって、押出フォームが、 I) ポリマー溶融物を押出機内に供給する工程、 II) 工程I)において供給されたポリマー溶融物に少なくとも1種の発泡剤を導入して、発泡性ポリマー溶融物を得る工程、 III) 工程II)において得られた発泡性ポリマー溶融物を、発泡性ポリマー溶融物を膨張させながら、少なくとも1個のダイ開口部の中を通ってより低い圧の領域に入るように押出機から押出して、膨張フォームを得る工程および IV) 工程III)から得た膨張フォームを、整形工具の中を通るように膨張フォームを誘導することによって較正して、押出フォームを得る工程 を含む、押出方法によって作製されており、 繊維(F)が、成型品の厚さ方向(d)に対して10°から70°までの角度αで押出フォーム中に導入されている、成型品によって達成される。

本発明は、少なくとも1本の繊維(F)が、繊維領域(FB2)が成型品の内部に入っている状態で存在し、押出フォームによって取り囲まれている一方で、繊維(F)の繊維領域(FB1)が、成型品の第1の面から突出しており、繊維(F)の繊維領域(FB2)が、成型品の第2の面から突出している、押出フォームから製造された成型品であって、押出フォームが、 I) ポリマー溶融物を押出機内に供給する工程、 II) 工程I)において供給されたポリマー溶融物に少なくとも1種の発泡剤を導入して、発泡性ポリマー溶融物を得る工程、 III) 工程II)において得られた発泡性ポリマー溶融物を、発泡性ポリマー溶融物を膨張させながら、少なくとも1個のダイ開口部の中を通ってより低い圧力の領域に入るように押出機から押出して、発泡フォームを得る工程および IV) 工程III)から得た発泡フォームを、整形工具の中を通るように発泡フォームを誘導することによって較正して、押出フォームを得る工程 を含む、押出方法によって作製されている、成型品をさらに提供する。

図1は透視図として、押出フォームから製造された本発明の成型品(1)の好ましい一実施形態の概略図を示している。

図2は、本発明のさらなる好ましい一実施形態を示している。

図3は例示として、いくつかの異なる角度の概略図を示している。

図4は例示として、セル(8)の最大寸法(a方向)に対する異なる角度の概略図を示している。

下記の詳細および好ましいとされているものは、押出フォームから製造された本発明の成型品の両方の実施形態に当てはまる。

有利なことに、本発明の成型品は、低い吸樹脂量と良好な界面固着とを兼ね備えることを特徴とする。この効果は、特に本発明のパネルを得るために本発明の成型品をさらに加工しているときに重要となる。

成型品の好ましい一実施形態において、押出フォームがセルを含み、これらのセルが、少なくとも50%程度、好ましくは少なくとも80%程度、より好ましくは少なくとも90%程度の異方性であるため、押出フォームの機械的特性、したがって、成型品の機械的特性も同様に、異方性であり、このことは特に風車の動翼のために、輸送分野において、建設分野において、自動車製造において、造船において、鉄道車両製造において、コンテナ製造において、衛生施設においておよび/または航空宇宙において、本発明の成型品を使用することに関して有利である。

本発明の成型品は、異方性のため、少なくとも1つの方向に特に高い圧縮強さを有する。本発明の成型品は、高い独立セル含量および良好な真空安定性をさらに特徴とする。

さらなる好ましい一実施形態において、少なくとも1本の繊維(F)が、異方性セルの最大寸法に対して≦60°の角度εで押出フォーム中に導入されているため、少なくとも1本の繊維(F)を導入したときに破壊されるセルの数は、従来技術に記載のフォームの場合より少なくなり、この結果、やはり、パネルを得るための加工における成型品の吸樹脂量に肯定的な効果を及ぼす。

さらに、セルの異方性が理由となって、本発明の一実施形態における成型品を作製するための方法の縫い付けにくさは、従来技術に記載のフォームの場合より小さい。これにより、より速い縫い付けプロセスが可能になり、さらに、針の耐用寿命も長くなる。これにより、本発明の方法は、特に採算性の良いものになる。

本発明によれば、固着をさらに改良し、同時に吸樹脂量も低減することが、本発明の成型品または本成形品から作り出されたパネル中の押出フォームを繊維により強化することによって可能になる。有利なことに、本発明によれば、最初に繊維を(個別にまたは好ましくは繊維束の形態で)、押出フォーム中に乾燥形態で導入することおよび/または機械的プロセスによって導入することができる。繊維または繊維束は、各押出フォーム表面と同一平面に配設されていないが、過剰な状態になっており、したがって、本発明のパネル中にある対応する外側プライへの固着または直接接続を改良することができる。このように改良できることは、本発明の成型品に装着された外側プライが本発明によって、パネルを形成するような少なくとも1つのさらなる層(S1)である場合に特に当てはまる。同じであっても異なっていてもよい2つの層(S1)を装着することが、好ましい。より好ましくは、2つの同一の層(S1)、特に2つの同一の繊維強化樹脂層を、本発明の成型品において対向する面に装着して、本発明のパネルを形成する。このようなパネルは、「サンドイッチ型材料」とも呼ばれるが、この場合、本発明の成型品は、「コア材料」と呼ぶこともできる。

したがって、本発明のパネルは、良好なはく離強さと結び付いた低い吸樹脂量という点で注目すべきである。さらに、セルの異方性、したがって、フォームの機械的特性を用いて、防しわ性を制御することもできる。有利には、押出フォームは、機械的特性がパネルの厚さ方向において最も高くなるように使用され、したがって、最大の防しわ性を達成することができる。さらに、高い強度および剛性特性は、繊維種類の選択ならびに繊維種類の比率および配置によって制御される方式で、確立することができる。このようなパネル(サンドイッチ型材料)を使用する場合には、質量を最小にしながら構造的特性を高めるべきという一般的な目的があるため、低い吸樹脂量の効果は重要である。繊維強化外側プライを使用する場合、例えば実際の外側プライおよび成型品(サンドイッチ型コア)に加えて、成型品(コア材料)の吸樹脂量も、総質量に寄与する。しかしながら、本発明の成型品または本発明のパネルは、吸樹脂量を低減することができ、この結果、質量およびコストを節減することができる。

本発明の成型品の一実施形態における特定の利点は、押出フォームの密封された表面であると考えることができる。押出フォームの較正後には一般に、高い表面品質を有する封止された(密封された)表面が存在するが、このことは、最小の吸樹脂量、および、押出フォームのコアから表面まで密度が増大していく押出フォームのコアから表面までに至る密度勾配という点で注目すべきである。したがって、特に本発明の成型品を得るために導入された繊維を組み合わせることにより、最大の機械的特性と結び付いた最小の質量を達成することができる。

本発明の成型品またはパネルのさらなる一利点は、押出フォームの使用および関連の作製により、スロットまたは穴等の一体構造を成型品の表面に導入すること、および成型品をさらに加工することが、比較的簡単になることであると考えられる。連続製造により、本方法において構造体を、熱成形または材料除去処理等の整形工程によって直接一体化させることができるようになる。このような成型品(コア材料)を使用する場合、この種類の構造体が高頻度で、ドレーピングのため、真空インフュージョン(穴)等の液体樹脂法による加工性の改良のためおよび言及した加工操作の加速(浅いスロット)のために、例えば湾曲構造(深いスロット)に導入される。

さらに、さらなる層(S2)を、製造の途中または製造後に押出フォームに装着してもよい。この種類の層は、押出フォームまたは本発明の成型品の全体的完全性を改良する。

押出フォームは一般に、熱可塑性ポリマーから作製される。この結果、押出フォームと成型品の両方を、熱成形によって所望の幾何形状に成形することができ、したがって、材料除去処理工程を省略することができる。

繊維が、押出フォームの厚さ方向(d)に対して10°から70°までの範囲、より好ましくは30°から50°までの角度αで押出フォーム中に導入された場合には、さらなる改良/利点を達成することができる。一般に、0°から<90°までの角度での繊維の導入は、自動式の方法によって工業的に実施することができる。

繊維が、平行になるように押出フォーム中に導入されているだけでなく、さらなる繊維も、互いに対して好ましくは>0°から180°までの範囲の角度で導入された場合には、さらなる改良/利点を達成することができる。これにより、相異なる方向における本発明の成型品の機械的特性によって制御された改良もさらに達成される。

本発明のパネル中の(外側)樹脂層を液体注入法または液体インフュージョン法によって装着する場合も同様に有利であり、加工中の繊維に樹脂を含侵させ、繊維の機械的特性を改良することができる。さらに、コストも節約することができる。

以下、本発明をさらに明細に述べる。

本発明によれば、成型品は、押出フォームおよび少なくとも1本の繊維(F)を含む。

押出フォームは、 I) ポリマー溶融物を押出機内に供給する工程、 II) 工程I)において供給されたポリマー溶融物に少なくとも1種の発泡剤を導入して、発泡性ポリマー溶融物を得る工程、 III) 工程II)において得られた発泡性ポリマー溶融物を、発泡性ポリマー溶融物を膨張させながら、少なくとも1個のダイ開口部の中を通ってより低い圧力の領域に入るように押出機から押出して、膨張フォームを得る工程および IV) 工程III)から得た膨張フォームを、整形工具の中を通るように膨張フォームを誘導することによって較正して、押出フォームを得る工程 を含む、押出方法によって作製されている(または作製することができ、もしくは作製された)。

工程I)において押出機内にポリマー溶融物を供給するための適切な方法は原則的に、当業者に公知のすべての方法であるが、例えば、ポリマー溶融物は、前もって重合可能な状態にしておいたポリマーを溶融させることによって押出機内に供給することができる。ポリマーは、押出機内で直接溶融させてもよいが、溶融形態のポリマーを押出機に供給することもでき、したがって、工程I)において押出機内にポリマー溶融物を供給することもできる。ポリマー溶融物のポリマーの製造に必要な対応するモノマーが押出機内で互いに反応し、したがって、ポリマー溶融物が供給されるのであれば、ポリマー溶融物を工程I)において供給することもできる。

本発明の文脈において、ポリマー溶融物は、ポリマーが、半結晶性ポリマーの場合の融点(TM)または非晶性ポリマーの場合のガラス転移温度(TG)を超えた状態にあることを意味すると理解される。

一般的に、プロセス工程I)におけるポリマー溶融物の温度は、100℃から450℃までの範囲、好ましくは150℃から350℃までの範囲、特に好ましくは160℃から300℃までの範囲である。

工程II)において、少なくとも1種の発泡剤が、工程I)において供給されたポリマー溶融物に導入される。この目的のための方法自体は、当業者に公知である。

適切な発泡剤は例えば、二酸化炭素、プロパン、イソブタンおよびペンタン等のアルカン、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチルプロパノールおよびtert−ブタノール等のアルコール、ジメチルエーテル等のエーテル、アセトンおよびメチルエチルケトン等のケトン、ヒドロフルオロプロパン等のハロゲン化炭化水素、水、窒素ならびにこれらの混合物からなる群より選択される。

したがって、工程II)において、発泡性ポリマー溶融物が得られる。発泡性ポリマー溶融物は一般的に、いずれの場合においても発泡性ポリマー溶融物の総質量に対して1質量%から15質量%までの範囲、好ましくは2質量%から10質量%までの範囲、特に好ましくは3質量%から8質量%までの範囲の少なくとも1種の発泡剤を含む。

工程II)における押出機内の圧力は一般的に、20barから500barまでの範囲、好ましくは50barから400barまでの範囲、特に好ましくは60barから300barまでの範囲である。

工程III)において、工程II)において得られた発泡性ポリマー溶融物を、発泡性ポリマー溶融物を膨張させながら、少なくとも1個のダイ開口部の中を通ってより低い圧力の領域に入るように押出機から押出して、膨張フォームを得る。

発泡性ポリマー溶融物の押出方法自体は、当業者に公知である。

発泡性ポリマー溶融物の押出のための適切なダイ開口部は、当業者に公知のすべてのダイ開口部である。ダイ開口部は、任意の所望の形状を有することができ、例えば、長方形、円形、楕円形、正方形または六角形であってよい。長方形のスロットダイおよび円形の丸ダイが好ましい。

一実施形態において、発泡性ポリマー溶融物は、1個のダイ開口部、好ましくはスロットダイの中を正確に通って押出される。さらなる一実施形態において、発泡性ポリマー溶融物を、多数のダイ開口部、好ましくは円形ダイ開口部または六角形ダイ開口部の中を通るように押出して、多数のストランドを得、これらの多数のストランドを、ダイ開口部から出てきた直後に組み合わせて、膨張フォームを形成する。多数のストランドは、工程IV)においてのみ、整形工具を通り抜けさせることによって組み合わせてもよい。

好ましくは、少なくとも1個のダイ開口部が、加熱される。特に好ましくは、ダイ開口部は、ポリマーが非晶性ポリマーである場合、工程I)において供給されたポリマー溶融物中に存在するポリマーのガラス転移温度(TG)に少なくとも加熱され、ポリマー溶融物が半結晶性ポリマーである場合、工程I)において供給されたポリマー溶融物中に存在するポリマーの融点(TM)に少なくとも加熱されるが、例えば、ダイ開口部の温度は、80℃から400℃までの範囲、好ましくは100℃から350℃までの範囲、特に好ましくは110℃から300℃までの範囲である。

発泡性ポリマー溶融物は、工程III)において、より低い圧力の領域に入るように押出される。より低い圧力の領域における圧力は一般的に、0.05barから5barまでの範囲、好ましくは0.5barから1.5barまでの範囲である。

工程III)においてダイ開口部から発泡性ポリマー溶融物が押出される圧力は一般的に、20barから600barまでの範囲、好ましくは40barから300barまでの範囲、特に好ましくは50barから250barまでの範囲である。

工程IV)において、工程III)から得た膨張フォームを、整形工具の中を通るように膨張フォームを誘導することによって較正して、押出フォームを得る。

膨張フォームの較正は、工程IV)において得られる押出フォームの外形を決定する。較正の方法自体は、当業者に公知である。

整形工具は、ダイ開口部に直接配置されていてもよい。整形工具を、ダイ開口部からある距離をとって配置することもできる。

膨張フォームの較正のための整形工具自体は、当業者に公知である。適切な整形工具には例えば、シート型較正器、ローラー型引取機、マンドレル型較正器、チェーン型引取機およびベルト型引取機が挙げられる。整形工具と押出フォームとの摩擦係数を低減するために、工具を被覆および/または加熱してもよい。

したがって、工程IV)における較正は、少なくとも1つの寸法において、本発明の押出フォームの断面の幾何学的形状を定着させる。好ましくは、押出フォームは、事実上直交する断面を有する。較正が、特定の方向にのみ部分的に実施される場合、押出フォームは、自由表面において、理想的な幾何形状から逸脱する可能性がある。押出フォームの厚さは、第一には、ダイ開口部によって決定され、第二には、整形工具によっても決定されるが、同じ事柄が、押出フォームの幅にも当てはまる。

直交座標系に基づいて、このようにして得られたフォームの長さは、x方向と呼ばれ、フォームの幅は、y方向と呼ばれ、フォームの厚さは、z方向と呼ばれる。x方向は、フォームの押出方向に対応する。

さらに、本発明によれば、 i) 工程I)において供給されたポリマー溶融物が、少なくとも1種の添加剤を含み、ならびに/または ii) 少なくとも1種の添加剤が、工程II)中にポリマー溶融物に添加され、および/もしくは工程II)と工程III)との間に発泡性ポリマー溶融物に添加され、ならびに/または iii) 少なくとも1種の添加剤が、工程III)中に膨張フォームに加えられ、および/もしくは工程IV)中に膨張フォームに加えられ、ならびに/または iv) 少なくとも1つの層(S2)が、工程IV)の最中および/もしくは直後に押出フォームに装着され、ならびに/または v) 次のプロセス工程、すなわち、 V) 工程IV)において得られた押出フォームの材料除去処理 が、工程IV)後に実施される ことが、好ましい。

適切な添加剤は原則的に、当業者に公知のすべての添加剤、例えば核形成剤、難燃剤、染料、加工安定剤、加工助剤、光安定剤および顔料である。

一実施形態において押出フォームに装着される層(S2)に関しては、以下にさらに記載された詳細および好ましいとされているものを適用することができる。

工程IV)において得られた押出フォームを工程V)において材料除去処理するための適切な方法は原則的に、当業者に公知のすべての方法である。例えば、押出フォームには、ノコギリを使った切断、ミリング、穴開け加工または平削りによる材料除去処理を施すことができる。押出フォームが熱可塑性押出フォームである場合はさらに、熱成形を行うことも可能であるが、これにより、材料除去処理を省略し、繊維(F)の切断による損失および損傷をなくすことができる。

本発明の一実施形態において、工程IV)および/または工程V)において得られた少なくとも2個の押出フォームを互いに接合して、多層型押出フォームを得る。本発明の文脈における「多層型」は、少なくとも二層型押出フォームを意味すると理解され;押出フォームは同様に、例えば三層型、四層型または五層型であってもよい。当業者には、二層型押出フォームが、工程IV)および/または工程V)において得られた2個の押出フォームを組み合わせることによって得られること、および三層型押出フォームが、得られた3個の押出フォームを組み合わせることによって得られること等は、明らかである。得られた押出フォームを互いに組み合わせることは、「一体化」とも呼ばれる。この目的のための適切な方法自体は、当業者に公知である。例えば、得られた押出フォームは、接合および/または熱溶接によって互いに組み合わせることができる。少なくとも二層型押出フォームが、工程IV)および/または工程V)において得られた少なくとも2個の押出フォームより厚い厚さを有することは、明らかである。

本発明の押出フォームは、任意の所望の寸法を有することができる。

本発明によって作製された押出フォームは一般的に、4mmから200mmまでの範囲、好ましくは5mmから60mmまでの範囲の厚さ(z方向)、少なくとも200mm、好ましくは少なくとも400mmの長さ(x方向)および少なくとも200mm、好ましくは少なくとも400mmの幅(y方向)を有する。

押出フォームは一般的に、4000mm以下、好ましくは2500mm以下の長さ(x方向)および/または4000mm以下、好ましくは2500mm以下の幅(y方向)を有する。

押出フォーム自体は、当業者に公知である。一実施形態において、押出フォームは、例えば、ポリスチレン、ポリエステル、ポリフェニレンオキシド、フェニレンオキシドから製造されるコポリマー、スチレンから製造されるコポリマー、ポリアリールエーテルスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリールエーテルケトン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリカルボネート、ポリアクリレート、ポリ乳酸、ポリビニルクロリドまたはこれらの混合物から選択される少なくとも1種のポリマーを主体としており、ポリマーが好ましくは、ポリスチレン、ポリフェニレンオキシド、ポリスチレンとポリフェニレンオキシドとの混合物、ポリエチレンテレフタレート、ポリカルボネート、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリエーテルイミド、スチレンから製造されるコポリマーまたはスチレンから製造されるコポリマーの混合物から選択される。より好ましくは、ポリマーは、ポリスチレン、ポリスチレンとポリ(2,6−ジメチルフェニレンオキシド)との混合物、スチレン−無水マレイン酸ポリマーとスチレン−アクリロニトリルポリマーとの混合物またはスチレン−無水マレイン酸ポリマー(SMA)である。

熱可塑性エラストマーも同様に、押出フォームとして適切である。熱可塑性エラストマー自体は、当業者に公知である。

ポリフェニレンオキシドは好ましくは、ポリ(2,6−ジメチルフェニレンオキシド)とも呼ばれる、ポリ(2,6−ジメチルフェニレンエーテル)である。

フェニレンオキシドから製造された適切なコポリマーは、当業者に公知である。フェニレンオキシドのための適切なコモノマーも同様に、当業者に公知である。

スチレンから製造されるコポリマーは好ましくは、α−メチルスチレン、環ハロゲン化スチレン、環アルキル化スチレン、アクリロニトリル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、N−ビニル化合物、無水マレイン酸、ブタジエン、ジビニルベンゼンおよびブタンジオールジアクリレートから選択されるモノマーを、スチレンのためのコモノマーとして有する。

押出フォームが、セルを含み、 i) セルの少なくとも50%、好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも90%が、異方性であり、および/または ii) セルの少なくとも50%、好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも90%の最小寸法(c方向)に対する最大寸法(a方向)の比が、1.05、好ましくは1.1から10までの範囲、特に好ましくは1.2から5までの範囲であり、および/または iii) セルの少なくとも50%、好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも90%の最小寸法(c方向)の平均サイズが、0.5mm未満、好ましくは0.2mm未満であり、および/または iv) セルの少なくとも50%、好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも90%が、直交異方性もしくは横等方性であり、および/または v) セルの少なくとも50%、好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも90%が、セルの最大寸法(a方向)に基づいて成型品の厚さ方向(d)に対して≦45°、好ましくは≦30°、より好ましくは≦5°の角度γで整列されており、および/または vi) 押出フォームが、少なくとも80%、好ましくは少なくとも95%、より好ましくは少なくとも98%の独立セル含量を有し、および/または vii) 繊維(F)が、押出フォームのセルの少なくとも50%、好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも90%の最大寸法(a方向)に対して≦60°、好ましくは≦50°の角度εをなしている、 本発明の成型品も同様に好ましい。

代替的な一実施形態において、選択肢v)によれば、セルの少なくとも50%、好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも90%が、セルの最大寸法(a方向)に基づいて成型品の厚さ方向(d)に対して50°から130°までの範囲、好ましくは70°から110°までの範囲、より好ましくは85°から95°までの範囲の角度γで整列されていることを除いて、上記i)からvii)までの選択肢の少なくとも1つを満たす本発明の成型品が好ましい。

異方性セルは、相異なる空間的方向に向かって相異なる寸法を有する。セルの最大寸法は、「a方向」と呼ばれ、最小寸法は、「c方向」と呼ばれるが、第3の寸法は、「b方向」と呼ばれる。

セルの少なくとも50%、好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも90%の最小寸法(c方向)の平均サイズは一般的に、0.01mmから1mmまでの範囲、好ましくは0.02mmから0.5mmまでの範囲、特に0.02mmから0.3mmまでの範囲である。

セルの少なくとも50%、好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも90%の最大寸法(a方向)の平均サイズは一般的に、概ね20mm以下、好ましくは0.01mmから5mmまでの範囲、特に0.03mmから1mmまでの範囲、より好ましくは0.03mmから0.5mmの間である。

セルの寸法は例えば、光学顕微鏡写真または走査型電子顕微鏡写真によって測定することができる。

直交異方性セルは、異方性セルの特殊な場合を意味すると理解される。直交異方性は、セルが3つの対称面を有することを意味する。対称面が、直交座標系に基づいて互いに対して直交するように配向されている場合、セルの寸法が、3つすべての空間的方向、すなわち、a方向、b方向およびc方向で異なる。

横等方性は、セルが3つの対称面を有することを意味する。しかしながら、セルは、2つの対称面の交点の軸である軸周りの回転によって変化することがない。対称面が互いに対して直交するように配向されている場合、1つの空間的方向のセルの寸法のみが、他の2つの方向のセルの寸法と異なる。例えば、a方向のセルの寸法は、b方向のセルの寸法およびc方向のセルの寸法と異なっており、b方向のセルの寸法とc方向のセルの寸法は、同じである。

押出フォームの独立セル含量は、DIN ISO4590(2003年独国版に準拠)に従って測定される。独立セル含量は、押出フォームの総体積中の独立セルの体積による比率について述べている。

押出フォームのセルの異方性は、本発明の押出方法に起因する。発泡性ポリマー溶融物が工程III)において押出され、このようにして得られた膨張フォームが工程IV)において較正されることにより、このようにして作製された押出フォームは一般的に、異方性セルに起因した異方性をもたらす。さらに、特性には、膨張特性および引取り操作パラメーターも同様に影響する。発泡性ポリマー溶融物が、例えば膨張フォームが得られるように非常に著しく膨張する場合、発泡性ポリマー溶融物は、特にx方向、すなわち、長さ方向に向かって膨張し、この結果として好ましくは、厚さ方向(d)に対して50°から130°までの範囲で、セルがa方向に整列する。

例えば、膨張フォームが迅速に引き取られる場合、すなわち、整形工具を素早く通過する場合、セルのa方向は好ましくは、厚さ方向(d)に対して50°から130°までの範囲で整列される。

押出フォームの特性が異方性である場合、このことは、押出フォームの特性が、相異なる空間的方向で異なることを意味する。例えば、厚さ(z方向)の押出フォームの圧縮強さは、長さ(x方向)および/または幅(y方向)の押出フォームの圧縮強さと異なっていてもよい。

i) 押出フォームの少なくとも1種の機械的特性、好ましくはすべての機械的特性が、異方性、好ましくは直交異方性もしくは横等方性であり、および/または ii) 押出フォームの少なくとも1種の弾性率、好ましくはすべての弾性率が、異方性材料、好ましくは直交異方性もしくは横等方性材料のように振る舞い、および/または iii) 長さ(x方向)の押出フォームの圧縮強さに対する厚さ(z方向)の押出フォームの圧縮強さの比および/または幅(y方向)の押出フォームの圧縮強さに対する厚さ(z方向)の押出フォームの圧縮強さの比が、≧1.1、好ましくは≧1.5、特に好ましくは2から10の間である、 本発明の成型品が、さらに好ましい。

機械的特性は、押出フォームにおいて当業者に公知のすべての機械的特性、例えば強度、剛性または弾性、延性および靱性を意味すると理解される。

弾性率自体は、当業者に公知である。弾性率には例えば、弾性係数、圧縮弾性率、ねじり弾性率およびせん断弾性率が挙げられる。

機械的特性または弾性率に関する「直交異方性」は、材料が、3つの対称面を有することを意味する。対称面が、互いに対して直交するように配向されている場合、直交座標系を適用することができる。したがって、押出フォームの機械的特性または弾性率は、3つすべての空間的方向、x方向、y方向およびz方向で異なる。

機械的特性または弾性率に関する「横等方性」は、材料が3つの対称面を有し、弾性率が、2つの対称面の交点の軸である軸周りの回転によって変化することがないことを意味する。対称面が互いに対して直交するように配向されている場合、1つの空間的方向の押出フォームの機械的特性または弾性率は、他の2つの空間的方向の機械的特性または弾性率と異なるが、他の2つの空間的方向の機械的特性または弾性率は、同じである。例えば、z方向の機械的特性または弾性率は、x方向の機械的特性または弾性率およびy方向の機械的特性または弾性率と異なっているが、x方向とy方向の機械的特性または弾性率は、同じである。

成型品の押出フォームの圧縮強さは、DIN EN ISO844(2009年10月独国版に準拠)に従って測定される。

厚さ(z方向)の押出フォームの圧縮強さは一般的に、0.05MPaから5MPaまでの範囲、好ましくは0.1MPaから2MPaまでの範囲、より好ましくは0.1MPaから1MPaまでの範囲である。

長さ(x方向)および/または幅(y方向)の方向の押出フォームの圧縮強さは一般的に、0.05MPaから5MPaまでの範囲、好ましくは0.1MPaから2MPaまでの範囲、より好ましくは0.1MPaから1MPaまでの範囲である。

成型品中に存在する繊維(F)は、単繊維または繊維束、好ましくは繊維束である。適切な繊維(F)は、繊維を形成することができる当業者に公知のすべての材料である。例えば、繊維(F)は、有機繊維、無機繊維、金属繊維もしくはセラミック繊維またはこれらの組合せ、好ましくはポリマー繊維、玄武岩繊維、ガラス繊維、炭素繊維または天然繊維、特に好ましくはポリアミド繊維、ガラス繊維、玄武岩繊維または炭素繊維であり、ポリマー繊維は好ましくは、ポリエステル、ポリアミド、ポリアラミド、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリビニルクロリド、ポリイミドおよび/またはポリアミドイミドの繊維であり、天然繊維は好ましくは、サイザル麻、麻、亜麻、竹、ココナッツおよび/またはジュートの繊維である。

一実施形態において、繊維束が使用される。繊維束は、いくつかの単繊維(フィラメント)から構成されている。1束当たりの単繊維の数は、ガラス繊維の場合で少なくとも10本、好ましくは100本から100000本まで、より好ましくは300本から10000本までであり、炭素繊維の場合で1000本から50000本までであり、特に好ましくは、ガラス繊維の場合で500本から5000本までであり、炭素繊維の場合で2000本から20000本までである。

本発明によれば、少なくとも1本の繊維(F)が、繊維領域(FB2)が成型品の内部に入っている状態で存在し、押出フォームによって取り囲まれている一方で、繊維(F)の繊維領域(FB1)が、成型品の第1の面から突出しており、繊維(F)の繊維領域(FB3)が、成型品の第2の面から突出している。

繊維領域(FB1)、繊維領域(FB2)および繊維領域(FB3)はそれぞれ、繊維(F)の全長のうちの任意の所望の比率を占めることができる。一実施形態において、繊維領域(FB1)および繊維領域(FB3)はそれぞれ独立に、繊維(F)の全長の1%から45%まで、好ましくは2%から40%まで、より好ましくは5%から30%までを占め、繊維領域(FB2)は、10%から98%まで、好ましくは20%から96%まで、より好ましくは40%から90%までを占める。

さらなる好ましい一実施形態において、そこから繊維(F)の繊維領域(FB1)が突出している成型品の第1の面は、そこから繊維(F)の繊維領域(FB3)が突出している成型品の第2の面に対向している。

繊維(F)は、成型品の厚さ方向(d)に対して、または成型品の第1の面の(表面の)直交方向に対して10°から70°までの角度αで成型品中に導入されている。好ましくは、繊維(F)は、成型品の厚さ方向(d)に対して30°から60°まで、好ましくは30°から50°まで、さらにより好ましくは30°から45°まで、特に45°の角度αで押出フォーム中に導入されている。

本発明のさらなる一実施形態において、角度αは、0°から90°までの任意の所望の値を想定することができる。この場合、例えば繊維(F)は、成型品の厚さ方向(d)に対して0°から60°まで、好ましくは0°から50°まで、より好ましくは0°から15°までまたは30°から50°まで、さらにより好ましくは30°から45°まで、特に45°の角度αで押出フォーム中に導入されている。

さらなる一実施形態において、少なくとも2本の繊維(F)が、異なる2つの角度α、α1およびα2で導入され、ここで、角度α1が好ましくは、0°から15°までの範囲であり、第2の角度α2が好ましくは、30°から50°までの範囲であり、特に好ましくは、α1が、0°から5°までの範囲であり、α2が、40°から50°までの範囲である。

好ましくは、すべての繊維(F)は、成型品の厚さ方向(d)に対して10°から70°まで、好ましくは30°から60°まで、特に好ましくは30°から50°まで、さらにより好ましくは30°から45°までの範囲、最も好ましくは45°の角度αで押出フォーム中に導入されている。

少なくとも1本の繊維(F)以外にさらなる繊維が押出フォーム中に導入されていないことが、さらに好ましい。

好ましくは、本発明の成型品は、多数の繊維(F)を、好ましくは繊維束として含み、および/もしくは1m2当たり10本より多い、好ましくは1m2当たり1000本より多い、より好ましくは1m2当たり4000本から40000本までの繊維(F)または繊維束を含む。好ましくは、本発明の成型品中のすべての繊維(F)は、同じ角度αまたは少なくとも概ね同じ角度(+/−5°以下、好ましくは+/−2°、より好ましくは+/−1°の差異)を有する。

すべての繊維(F)は、成型品中に互いに対して平行に存在してもよい。本発明によれば、2本以上の繊維(F)が、成型品中に互いに対して角度βで存在することも可能であり、好ましい。本発明の文脈において、角度βは、両方の繊維が成型品中に導入されているときの、成型品の第1の面の表面上への第1の繊維(F1)の直交方向への突出と、成型品の表面上への第2の繊維(F2)の直交方向への突出との角度を意味すると理解される。

角度βは好ましくは、β=360°/nの範囲であり、ここで、nが、整数である。好ましくは、nは、2から6までの範囲、より好ましくは2から4までの範囲である。例えば、角度βは、90°、120°または180°である。さらなる一実施形態において、角度βは、80°から100°までの範囲、110°から130°までの範囲または170°から190°までの範囲である。さらなる一実施形態において、2本より多い繊維(F)、例えば3本または4本の繊維(F)が、角度βで導入されている。これらの3本または4本の繊維(F)はそれぞれ、隣接する2本の繊維に対して異なる2つの角度β、β1およびβ2を有することができる。好ましくは、すべての繊維(F)は、隣接する2本の繊維(F)に対して同じ角度β=β12を有する。例えば、角度βが90°である場合、第1の繊維(F1)と第2の繊維(F2)との角度β1が90°であり、第2の繊維(F2)と第3の繊維(F3)との角度β2が90°であり、第3の繊維と第4の繊維(F4)との角度β3が90°であり、第4の繊維(F4)と第1の繊維(F1)との角度β4も同様に、90°である。したがって、第1の繊維(F1)(基準)と第2の繊維(F2)、第3の繊維(F3)および第4の繊維(F4)との角度βは、時計回りの意味において、90°、180°および270°である。同様の想定が、他の可能な角度にも当てはまる。

上記の場合、第1の繊維(F1)は、第1の方向を有し、第1の繊維(F1)に対して角度βで配置された第2の繊維(F2)は、第2の方向を有する。好ましくは、第1の方向と第2の方向に同様の数の繊維が存在する。本発明の文脈における「同様の」は、他の方向に対する各方向の繊維の数の差異が、<30%、より好ましくは<10%、特に好ましくは<2%であることを意味すると理解される。

繊維または繊維束は、不規則的なパターンまたは規則的なパターンで導入することができる。規則的なパターンによる繊維または繊維束の導入が、好ましい。本発明の文脈における「規則的なパターン」は、すべての繊維が、互いに対して平行に整列されており、少なくとも1本の繊維または繊維束が、直接隣接するすべての繊維または繊維束から同じ距離(a)をとっていることを意味すると理解される。特に好ましくは、すべての繊維または繊維束は、直接隣接するすべての繊維または繊維束から同じ距離をとっている。

さらなる好ましい一実施形態において、繊維または繊維束は、厚さ方向(d)がz方向に対応する直交座標系に基づいて繊維または繊維束がそれぞれ、互いに対して、x方向において同じ距離(ax)を有し、y方向において同じ距離(ay)を有するように導入される。特に好ましくは、繊維または繊維束は、x方向およびy方向において同じ距離(a)を有し、ここで、a=ax=ayである。

2本以上の繊維(F)が互いに対して角度βをなしている場合、互いに対して平行な第1の繊維(F1)は好ましくは、第1の距離(a1)を置いた規則的なパターンを有し、互いに対して平行で第1の繊維(F1)に対して角度βをなしている第2の繊維(F2)は好ましくは、第2の距離(a2)を置いた規則的なパターンを有する。好ましい一実施形態において、第1の繊維(F1)および第2の繊維(F2)はそれぞれ、ある距離(a)をとった規則的なパターンを有する。この場合、a=a1=a2である。

繊維または繊維束が互いに対して角度βで押出フォーム中に導入される場合、繊維または繊維束は、各方向において、規則的なパターンに従っていることが好ましい。

本発明による成型品の好ましい一実施形態において、 i) 成型品の少なくとも1つの面の表面が、好ましくはスロットもしくは穴であり、より好ましくは押出方法の工程IV)の実施後に成型品の少なくとも1つの面の表面上に作製された、少なくとも1個の凹みを有し、および/または ii) 成型品の少なくとも1つの面の表面が、好ましくはスロットもしくは穴であり、より好ましくは押出方法の工程V)の実施後に成型品の少なくとも1つの面の表面上に作製された、少なくとも1個の凹みを有する。

図1は透視図として、押出フォームから製造された本発明の成型品(1)の好ましい一実施形態の概略図を示している。(2)は、成型品の第1の面(の表面)を表し、(3)は、対応する成型品の第2の面を表す。図1からさらに明らかなように、成型品の第1の面(2)は、この成型品の第2の面(3)に対向している。繊維(F)は、(4)によって表されている。この繊維の一方の端部(4a)、したがって、繊維領域(FB1)は、成型品の第2の面(2)から突出しているが、繊維領域(FB3)を構成する繊維の他方の端部(4b)は、成型品の第2の面(3)から突出している。中間繊維領域(FB2)は、成型品の内部に入っており、したがって、押出フォームによって取り囲まれている。

図1において、例えば単繊維または繊維束、好ましくは繊維束である繊維(4)が、成型品の厚さ方向(d)に対して、または成型品の第1の面(2)の(表面の)直交方向に対して角度αをなしている。角度αは、10°から70°まで、好ましくは30°から60°まで、より好ましくは30°から50°まで、さらにより好ましくは30°から45°まで、特に45°である。分かりやすくするために、図1は、1本だけの単繊維(F)を示している。

図3は例示として、いくつかの異なる角度の概略図を示している。図3に示されている押出フォームから製造された成型品(1)は、第1の繊維(41)および第2の繊維(42)を含む。図3において、より分かりやすくするために、2本の繊維(41)および(42)に関しては、成型品の第1の面(2)から突出した繊維領域(FB1)のみが示されている。第1の繊維(41)は、成型品の第1の面(2)の表面の直交方向(O)に対して第1の角度α(α1)を形成する。第2の繊維(42)は、第1の面(2)の表面の直交方向(O)に対して第2の角度α(α2)を形成する。成型品の第1の面(2)上への第1の繊維(41)の垂直投影(41p)は、成型品の第1の面(2)上への第2の繊維(42)の垂直投影(42p)との間に角度βを形成する。

図4は例示として、セル(8)の最大寸法(a方向)に対する異なる角度の概略図を示している。図4に示されている押出フォームから製造された成型品(1)は、繊維(4)およびセル(8)を含む。分かりやすくするために、図4は、1本のみの繊維(4)および1個のセル(8)を示している。成型品が一般的に、1個より多いセル(8)を含むことは明らかである。セル(8)の最大寸法(a)は、成型品の厚さ方向(d)に対して≦45°、好ましくは≦30°、より好ましくは≦5°の角度γを有する。繊維(4)は、セル(8)の最大寸法(a)に対して≦60°、好ましくは≦50°の角度εで押出フォーム中に導入されている。

本発明は、少なくとも1つの本発明の成型品および少なくとも1つのさらなる層(S1)を含む、パネルをさらに提供する。場合によっては、「パネル」は専門家の間で、「サンドイッチ構造物」、「サンドイッチ型材料」、「ラミネート」および/または「複合材料物品」と呼ばれることもあり得る。

パネルの好ましい一実施形態において、パネルは、2つの層(S1)を有し、2つの層(S1)はそれぞれ、成型品の他方の面に対向する、成型品の一面上に取り付けられている。

本発明のパネルの一実施形態において、層(S1)は、好ましくは反応性のある熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂であり、より好ましくはエポキシド、アクリレート、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエステル、不飽和ポリエステル、ビニルエステルまたはこれらの混合物を主体としており、特にアミン硬化エポキシ樹脂、潜在硬化エポキシ樹脂、無水物硬化エポキシ樹脂またはイソシアネートおよびポリオールから形成されるポリウレタンである、少なくとも1種の樹脂を含む。この種類の樹脂系は例えば、Penczekら(Advances in Polymer Science、184、1〜95頁、2005年)、Phamら(Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry、第13巻、2012年)、Fahnler(Polyamide, Kunststoff Handbuch 3/4、1998年)およびYounes(WO12134878A2)から当業者に公知である。

本発明によれば、 i) 繊維(F)の繊維領域(FB1)が、第1の層(S1)と部分的もしくは完全に接触しており、好ましくは完全に接触しており、および/または ii) 繊維(F)の繊維領域(FB3)が、第2の層(S1)と部分的もしくは完全に接触しており、好ましくは完全に接触しており、および/または iii) パネルが、成型品の少なくとも1つの面と少なくとも1つの層(S1)との間に、好ましくは二次元的な繊維材料もしくはポリマーフィルム、より好ましくはガラス繊維もしくは炭素繊維から構成された、ウェブ、スクリムもしくは織り組織の形態の少なくとも1つの層(S2)を有し、および/または iv) 少なくとも1つの層(S1)が、樹脂を含み、パネルの成型品の押出フォームが、≦2000g/m2、好ましくは≦1000g/m2、より好ましくは≦500g/m2、最も好ましくは≦100g/m2の表面吸樹脂量を有し、および/または v) 少なくとも1つの層(S1)が、樹脂を含み、パネルが、≧200J/m2、好ましくは≧500J/m2、より好ましくは≧2000J/m2のはく離抵抗性を有する、 パネルも同様に好ましい。

押出フォームに関しては、特に低い吸樹脂量が、例えば表面の封止または熱切断による押出フォームの整形によって達成される。

同様に、本発明の成型品において、製造後の押出フォームの密封された表面を直接使用することもできる。押出フォームの較正後には一般に、最小の吸樹脂量および表面に向かって密度が増大していく密度勾配を特徴とする、高い表面品質を有する封止された表面が存在する。

本発明の文脈において、表面吸樹脂量およびはく離抵抗性は、実施例に記載のように測定される。

本発明のパネルのさらなる一実施形態において、少なくとも1つの層(S1)は、少なくとも1種の繊維材をさらに含み、 i) 繊維材が、スクリムもしくは織り組織1つ当たり150g/m2から2500g/m2までの基本質量を有する、チョップドファイバー、ウェブ、スクリム、編み物および/もしくは織り組織からできた1つもしくは複数の薄層の形態、好ましくはスクリムもしくは織り組織の形態、より好ましくはスクリムもしくは織り組織の形態の繊維を含み、ならびに/または ii) 繊維材が、有機繊維、無機繊維、金属繊維もしくはセラミック繊維、好ましくはポリマー繊維、玄武岩繊維、ガラス繊維、炭素繊維もしくは天然繊維、より好ましくはガラス繊維もしくは炭素繊維のうちの繊維を含む。

上記詳細は、天然繊維およびポリマー繊維にも適用することができる。

少なくとも1種の繊維材をさらに含む層(S1)は、層(S1)が樹脂を含む場合、繊維強化層、特に繊維強化樹脂層とも呼ばれる。

図2は、本発明のさらなる好ましい一実施形態を示している。例えば図1の実施形態の文脈において詳細に上述したように、本発明の成型品(1)を含む本発明のパネル(7)の二次元側面図が、示されている。そうではないとの記載がない限り、参照番号は、図1および図2の他の略語の場合においても同じ意味を有する。

図2による実施形態において、本発明のパネルは、(5)および(6)によって表される2つの層(S1)を含む。2つの層(5)および(6)はそれぞれ、成型品(1)において互いに対向する面上にある。2つの層(5)および(6)は好ましくは、樹脂層または繊維強化樹脂層である。図2から明らかなように、繊維(4)の2つの端部は、それぞれの層(5)および(6)によって取り囲まれている。

任意に、1つまたは複数のさらなる層が、成型品(1)と第1の層(5)との間および/または成型品(1)と第2の層(6)との間に存在することもできる。図1に関して上述したように、簡潔にするために、図2は、単繊維(F)と(4)も示している。実際に、繊維または繊維束の数に関しては、同様の記載事項が、図1に関して詳細に上述した繊維または繊維束の数にも当てはまる。

本発明は、少なくとも1本の繊維(F)が部分的に、押出フォーム中に導入される、本発明の成型品を作製するための方法であって、この部分的な導入の結果、繊維(F)が、繊維領域(FB2)が成型品の内部に入っている状態で存在し、押出フォームによって取り囲まれている一方で、繊維(F)の繊維領域(FB1)が、成型品の第1の面から突出しており、繊維(F)の繊維領域(FB3)が、成型品の第2の面から突出している、方法をさらに提供する。

本発明は、少なくとも1本の繊維(F)が部分的に、押出フォーム中に導入される、本発明の成型品を作製するための方法であって、この部分的な導入の結果、繊維(F)が、繊維領域(FB2)が成型品の内部に入っている状態で存在し、押出フォームによって取り囲まれている一方で、繊維(F)の繊維領域(FB1)が、成型品の第1の面から突出しており、繊維(F)の繊維領域(FB3)が、成型品の第2の面から突出しており、この結果、繊維(F)が、成型品の厚さ方向(d)に対して10°から70°までの角度αで押出フォーム中に導入されている、方法をさらに提供する。

繊維(F)および/または繊維束を導入する適切な方法は原則的に、当業者に公知のすべての方法である。適切な方法は例えば、WO2006/125561またはWO2011/012587において記述されている。

本発明の方法の一実施形態において、少なくとも1本の繊維(F)が部分的に、針を使用して少なくとも1本の繊維(F)を縫い付けることによって押出フォーム中に導入され、この部分的な導入を、 a) 任意に、少なくとも1つの層(S2)を押出フォームの少なくとも1つの面に装着する工程、 b) 押出フォームおよび任意の層(S2)中の繊維(F)1本当たり1個の穴を作製する工程であって、穴が第1の面から任意の層(S2)の中を通って押出フォームの第2の面まで延在する、工程、 c) 少なくとも1本の繊維(F)を押出フォームの第2の面上に供給する工程、 d) 押出フォームの第1の面から穴の中を通って押出フォームの第2の面まで針を通り抜けさせ、針に任意の層(S2)を通り抜けさせる工程、 e) 少なくとも1本の繊維(F)を押出フォームの第2の面上の針にしっかりと固定する工程および f) 繊維(F)付きの針を、穴の中を通るように送り返し、この結果、繊維(F)が、繊維領域(FB2)が成型品の内部に入っている状態で存在し、押出フォームによって取り囲まれている一方で、繊維(F)の繊維領域(FB1)が、成型品の第1の面または任意の層(S2)から突出しており、繊維(F)の繊維領域(FB3)が、成型品の第2の面から突出している状態になる工程 によって実施することが好ましく、 工程b)と工程d)とを同時に実施することがより好ましい。

工程a)における少なくとも1つの層(S2)の装着は例えば、上記のように、工程IV)の最中および/または直後に実施することができる。

特に好ましい一実施形態において、工程b)およびd)は、同時に実施される。この実施形態において、第1の面から押出フォームの第2の面への穴は、押出フォームの第1の面から押出フォームの第2の面まで針を通り抜けさせることによって作製される。

この実施形態において、少なくとも1本の繊維(F)の導入は例えば、 a) 任意に、層(S2)を押出フォームの少なくとも1つの面に装着する工程、 b) 少なくとも1本の繊維(F)を押出フォームの第2の面上に供給する工程、 c) 押出フォームおよび任意の層(S2)中の繊維(F)1本当たり1個の穴を作製する工程であって、穴が第1の面から任意の層(S2)の中を通って押出フォームの第2の面まで延在し、穴が、針に押出フォームおよび任意の層(S2)を通り抜けさせることによって作製される、工程 d) 少なくとも1本の繊維(F)を押出フォームの第2の面上の針にしっかりと固定する工程、 e) 繊維(F)付きの針を、穴の中を通るように送り返し、この結果、繊維(F)が、繊維領域(FB2)が成型品の内部に入っている状態で存在し、押出フォームによって取り囲まれている一方で、繊維(F)の繊維領域(FB1)が、成型品の第1の面または任意の層(S2)から突出しており、繊維領域(FB3)が、成型品の第2の面から突出している状態になる工程、 f) 任意に、第2の面上の繊維(F)を切り取る工程および g) 任意に、針に付いて形成された繊維(F)のループを切開する工程 を含んでもよい。

好ましい一実施形態において、使用される針は、かぎ針であり、少なくとも1本の繊維(F)が、工程d)においてかぎ針につなぎとめられる。

さらなる好ましい一実施形態において、複数の繊維(F)が、上記工程によって押出フォーム中に同時に導入される。

本発明は、反応性のあるねばついた樹脂の形態の少なくとも1つの層(S1)を、好ましくは液体含浸法、より好ましくは圧力または真空支援含浸法、特に好ましくは真空インフュージョン法または圧力支援注入法、最も好ましくは真空インフュージョンによって本発明の成型品に装着し、硬化させる、本発明のパネルを作製するための方法をさらに提供する。液体含浸法自体は、当業者に公知であり、例えば、Wiley Encyclopedia of Composites(第2版、Wiley、2012年)、Parnasら(Liquid Composite Moulding、 Hanser、2000年)およびWilliamsら(Composites Part A、27、517〜524頁、1997年)において詳細に記述されている。

様々な補助材料を、本発明のパネルの作製のために使用することができる。真空インフュージョンによる作製のための適切な補助材料は例えば、好ましくはナイロンから製造された真空フィルム、好ましくはナイロンから製造された真空封止テープ、流動助剤、好ましくはポリオレフィンから製造された分離フィルム、好ましくはポリエステルから製造されたはく離織布および半透過フィルム、好ましくはメンブレンフィルム、より好ましくはPTFEメンブレンフィルムならびに好ましくはポリエステルから製造された吸収フリースである。適切な補助材料の選択は、製造しようとする部品、選択された方法および使用される材料、特に樹脂系によって導き出される。エポキシドおよびポリウレタンを主体とした樹脂系を使用する場合、ナイロンから製造された流動助剤、ポリオレフィンから製造された分離フィルム、ポリエステルから製造されたはく離織布およびPTFEメンブレンフィルムとしての半透過フィルムならびにポリエステルから製造された吸収フリースを使用することが好ましい。

これらの補助材料は、本発明のパネルを作製するための方法において、様々な態様で使用することができる。パネルはより好ましくは、真空インフュージョンにより繊維強化外側プライを装着することによって成型品から作製される。一般的な一構築様式において、本発明のパネルの作製のために、繊維材および任意にさらなる層を成型品の上面および下面に装着する。続いて、はく離織布および分離フィルムを位置決めする。液体状樹脂系のインフュージョンにおいて、流動助剤および/またはメンブレンフィルムを用いて処理することができる。次の変更形態が、特に好ましい: i) 構造体の1つだけの面上への流動助剤の使用および/または ii) 構造体の両面上への流動助剤の使用および/または iii) 半透膜を有する構造体(VAP構造体);半透膜は好ましくは、成型品の全領域にわたって覆いかぶせられており、半透膜を覆いかぶせた成形品の1つの面または両面上には、流動助剤、分離フィルムおよびはく離織布が使用されているが、真空封止テープを使って半透膜により成型品の表面を封止し、吸収フリースを、成型品から遠くにある方の半透膜の面上に取り付けており、この結果、空気が、全領域にわたって上方に排気されるようになっている、および/または iv) ゲートに対向している成型品の面に位置決めされ、この結果、空気が反対側の面からゲートに排気されるようになることが好ましいメンブレンフィルムから製造された、真空ポケットの使用。

続いて、構造体に、樹脂系のためのゲートおよび排気のためのゲートを備え付ける。最後に、真空フィルムを構造体全体にわたって装着し、封止テープによって封止し、構造体全体を排気する。樹脂系のインフュージョン後、樹脂系の反応の反応を、真空を維持した状態で実施する。

本発明は、風車の動翼のために、輸送分野において、建設分野において、自動車製造において、造船において、鉄道車両製造において、コンテナ製造のために、衛生設備のためにおよび/または航空宇宙において、本発明の成型品または本発明のパネルを使用する方法をさらに提供する。

以下、本発明を例によって説明する。

[実施例1] a) フォームの作製 すべての本発明の実験において、様々な押出フォーム(例IF1からIF6)を使用している。比較のために、ポリマーフォームを、粒子を発泡させる型のプロセスによって作製した(比較例CF7およびCF8)。表1は、使用されたフォームおよびこれらのフォームの特徴的な性質の概要を提供している。個別のフォームを下記のように作製した後、強化のために20mmに切り詰める。

IF1、IF2およびIF3 本発明のフォームスラブが、タンデム型押出システム内で作製される。100部のポリスチレン(PS148H、BASF)を難燃剤および添加剤(0.2部のタルク)と一緒に、溶融押出機に継続的に供給する。難燃剤および添加剤は、ポリスチレン(PS148H、BASF)に取り込まれたマスターバッチの形態である。溶融押出機(ZSK120)に組み込まれた注入口を介して、発泡剤(CO2、エタノール、i−ブタン)を継続的に送り込む。発泡剤を含む総処理能力は、750kg/hである。発泡剤を含有する溶融物を、下流側の冷却押出機(KE400)内で冷却し、スロットダイの中を通るように押出する。発泡している溶融物を、表面がTeflonによって被覆されている加熱された較正器により、コンベヤベルトを用いて相異なる引取り速度で引き取り、スラブに形成する。機械的加工前の一般的なスラブ寸法は、概ね幅700mm(y方向)および厚さ50mm(z方向)である。

IF4 IF1と同様に、フォームスラブが、タンデム型押出システム内で作製される。25部のPPEおよび75部のPSからなる総体としての配合物を作製するために、溶融押出機(ZSK120)に、ポリフェニレンエーテルマスターバッチ(PPE/PSマスターバッチ、Noryl C6850、Sabic)およびポリスチレン(PS148H、BASF)を継続的に供給する。さらに、タルク(0.2部)等の添加剤をPSマスターバッチ(PS148H、BASF)として、取入れ口を介して計量供給する。発泡剤(CO2、エタノールおよびi−ブタン)を、加圧下で注入口に注入する。発泡剤および添加剤を含む総処理能力は、750kg/hである。発泡剤を含有する溶融物を、下流側の冷却押出機(ZE400)内で冷却し、スロットダイの中を通るように押出する。発泡している溶融物を、表面がTeflonによって被覆されている加熱された較正器により、コンベヤベルトを用いて引き取り、スラブに形成する。機械的加工前の一般的なスラブ寸法は、概ね幅800mm(y方向)および厚さ60mm(z方向)である。

IF5 IF1と同様に、同じタンデム型押出システムを、同じ処理能力を用いて使用する。使用されるポリマーは、50部のスチレン−無水マレイン酸ポリマー(SMA)(Xiran SZ26080、Polyscope)および50部のスチレン−アクリロニトリルポリマー(SAN)(VLL25080、BASF)の配合物である。さらに、核形成剤(0.2部のタルク)および安定剤(0.2部のTinuvin234)を添加する。使用される発泡剤は、CO2、アセトンおよびi−ブタンである。

IF6 ポリエステルフォームを、押出システム内で多口ダイの中を通るように発泡押出する。熱可塑性ポリマー(脱水PETビーズ)を、二軸押出機(スクリュー直径=132mm、直径に対する長さの比=24)の溶融区域において溶融させ、核形成剤と混合する。溶融後、シクロペンタンを発泡剤として添加する。総処理能力は、約150kg/hである。発泡剤の添加直後に、均一な溶融物を下流側ハウジングおよび静的ミキサーによって冷却する。溶融物は、多口ダイに到達する前に、溶融物用フィルターを通り抜けなければならない。膨張性溶融物を、多口ダイによって発泡させ、個々のストランドを、較正装置によって合わせて一塊にする。続いて、押出されたスラブに、一定の幾何学的外形になるような材料除去によって仕上げ加工を施し、押出方向に対して平行な熱溶接によって一体化する。フォームの平均密度は、60kg/m3である。

CF7 使用されるフォームは、ポリエステル主体型成型フォームである。膨張性ビーズおよびフォームスラブを、WO2012/020112、例7と同様に作製する。

CF8 使用されるフォームは、粒子を発泡させる型の機械装置内でフォームスラブとして作製されたポリスチレン主体型成型フォームであり、後で、ノコギリで切断してスラブにする(原材料の主成分:Styropor P326、BASF)。

b) フォームのキャラクタリゼーション フォームの特性を次のように測定する。

− ガラス転移温度(TG):ガラス転移温度は、ISO11357−2(2014年7月版)に従って、窒素雰囲気下において20K/分の加熱速度での2回目の加熱を実行したときに測定される。

− 異方性:異方性の測定に関しては、フォームの中間領域のセルの顕微鏡像を、統計的に評価する。セルの最大寸法は、「a方向」と呼ばれ、直交するように配向されている他の2つの寸法(b方向およびc方向)は、このa方向に対して導き出されている。異方性は、a方向とc方向との商として計算される。

− 厚さ方向(d)に対するセルのa方向の配向、角度γ:セルのa方向の配向も同様に、顕微鏡像によって評価される。a方向と厚さ方向(d)との間に形成された角度により、配向が与えられる。

− セル(c方向)の最小寸法:異方性と同様に、セルの最小寸法は、顕微鏡像の統計的分析によって測定される。

− z方向の圧縮強さ:圧縮強さは、DIN EN ISO844(2009年10月独国版に準拠)に従って測定される。

− x方向のフォームの圧縮強さに対するz方向のフォームの圧縮強さの比(圧縮強さz/x):x方向の圧縮強さに対するz方向の圧縮強さの比は、2つの個別の値の商によって測定される。

− 独立セル含量:独立セル含量は、DIN EN ISO4590(2003年8月独国版に準拠)に従って測定される。

− 密度:純粋なフォームの密度が、ISO845(2009年10月版)に従って測定される。

− 吸樹脂量:吸樹脂量に関しては、平削りによって表面から材料を除去した後にフォームを比較する。使用される樹脂系、フォームスラブおよびガラスロービングに加えて、次の補助材料も使用される:ナイロン真空フィルム、真空封止テープ、ナイロン流動助剤、ポリオレフィン分離フィルム、ポリエステルはく離織布およびPTFEメンブレンフィルムならびにポリエステル吸収フリース。パネルは、真空インフュージョンにより繊維強化外側プライを装着することによって成型品から作製される。2つのプライのQuadraxガラスロービング(EガラスSE1500、OCV;テキスタイル:Saertex、いずれの場合においても1200g/m2の等方性ラミネート[0°/−45°/90°45°])がそれぞれ、フォームの上面および下面に装着される。標準的なパネルの作製とは著しく異なり、吸樹脂量の測定のために、分離フィルムをフォームとガラスロービングとの間に挿入する。このようにすれば、純粋なフォームの吸樹脂量を測定することができる。はく離織布および流動助剤は、ガラスロービングのいずれかの面上に取り付けられている。続いて、構造体に、樹脂系のためのゲートおよび排気のためのゲートを備え付ける。最後に、真空フィルムを構造体全体にわたって装着し、封止テープによって封止し、構造体全体を排気する。構造体は、ガラス表面が、電気加熱可能なステージ上にあるように製造される。

使用される樹脂系は、アミン硬化エポキシド(樹脂:BASF Baxxores 5400、硬化剤:BASF Baxxodur5440、混合比およびさらなる加工はデータシートに準拠)である。2種の成分を混合した後、樹脂を、20mbarになるまで10分抜き出す。23+/−2℃の樹脂温度において、インフュージョンを、予備加熱された構造体(ステージ温度:35℃)を対象にして実施する。続いて、0.3K/分で35℃から75℃まで昇温し、75℃で6時間等温硬化することによって、成型品およびガラス繊維強化外側プライからなるパネルを作製することができる。

最初に、フォームの見かけの密度を得るために、フォームをISO845(2009年10月版)に従って分析する。樹脂系が硬化したら、加工済みパネルを、真空フィルムのはめ合いが不完全な結果として起きる縁部領域における過剰な樹脂の蓄積を回避するために切り詰める。続いて、外側プライを除去し、存在するフォームを再度、ISO845によって分析する。密度の差異により、絶対吸樹脂量が与えられる。したがって、フォームの厚さをかけることにより、kg/m2として、対応する吸樹脂量が与えられる。

− 真空安定性:真空安定性は、定性的に査定される。フォームをアルミニウムプレートに装着し、ポリエステルフリースによって被覆し、真空フィルムを装着した後、10〜20mbarの範囲の減圧に晒す。寸法の変化を、定性的に観察する。

− 熱成形性:熱成形性は、定性的に査定される。この目的のために、加熱されたアルミニウム製の本体を、温和な圧力下でフォームに装着し、熱劣化を同時に回避しながら成形性を査定する。

本発明の押出フォームは、高い異方性、高い独立セル含量および良好な真空安定性という点で注目すべきである。さらに、すべての押出フォームは、熱によるプロセスによって成形することができる。さらに、厚さ方向の高い圧縮強さを、低い密度において達成することができ、特にIF1からIF5の場合、吸樹脂量を非常に低く保持することができる。

c) 成型品の作製(フォームの強化) すべてのフォームは、ガラス繊維によって強化される。成型品は、次のように作製され、成型品の特性は、表2に示されている。実験に応じて、手に乗せられる供試材から、より大きな試料に至るまでが、作製される。

CM1 フォームIF1を、ガラス繊維(ロービング、S2ガラス、406tex、AGY)によって強化する。ロービングの形態のガラス繊維を、0°の角度αで導入する。ガラス繊維は、a1=a2=12mmの等距離になるように、規則的な長方形パターンで導入されている。後で外側プライとして導入されるガラス繊維マットへの固着を改良するために、両面上には、約5.5mmのガラス繊維が余剰部分として、外側プライにさらに残されている。繊維または繊維ロービングは、針とかぎとを併用する型のプロセスによって自動的に導入される。最初に、かぎ針(約0.80mmの直径)を、第1の面から押出フォームの第2の面まで完全に貫入するように使用する。第2の面上には、ロービングをかぎ針のかぎにつなぎとめ、次いで、針によって第2の面から押出フォームの第1の面まで引っ張り戻す。最後に、第2の面上のロービングを切り取り、針に付いて形成されたロービングのループを切開する。この結果、かぎ針は、次の操作に使える状態になる。

IM2 フォームIF1を、ガラス繊維(ロービング、S2ガラス、406tex、AGY)によってCM1と同様に強化する。ロービングの形態のガラス繊維を、90°の角度βで相異なる異なる4つの空間的方向に向かって、45°の角度αで導入する。

CM3 フォームIF2をCM1と同様に強化するが、角度εのみは、異なる。

CM4 フォームIF3をCM1と同様に強化する。

IM5 フォームIF4をIM2と同様に強化する。

IM6 フォームIF4をIM2と同様に強化する。強化前に、スロットの付いているスラブを、丸ノコギリを使った材料除去処理によって作製する。長手方向および横方向のスロットの間隔は、30mmである。スロットは、2mmのスロット幅および19mmのスロット深さ(20mmのスラブ厚さ)を有するスラブの1つの面上にのみ導入されている。

IM7 IM7の作製は、IM6と同様である。スロットの導入に加えて、テキスタイル裏当て用のテキスタイル(キャンバス地、50g/m2、熱可塑性バインダー含有のEガラス)も、熱的手段によってスロットの付いていない面上に装着する。

IM8 フォームIF4を、IM5と同様に強化する。相違点は、異なるかぎ針(直径約1.12mm)およびより厚いロービング(Eガラス、SE1500、900tex、3B)が使用されることである。

IM9 フォームIF4を、かえし付きのかぎ針によって強化する。この目的のために、30mmの長さを有するロービング(Eガラス)から構成されたチョップドグラスファイバーを、フォームの全領域にわたって施用した後、いくつかのかえし付きのかぎ針を有する針棒とつながった針によって押し込み、フォーム中に差し入れる。針を引き出した後には、繊維の大部分がフォーム中に残留しているが、表面の過剰な繊維を吸引によって除去する。この工程を、すべての所望の方向に向けて繰り返す。相異なる方向の繊維の比率は、事実上同一である。

IM10 フォームIF5をIM2と同様に強化する。

IM11 フォームIF6をIM2と同様に強化する。

CM12 フォームCF7をIM2と同様に強化する。

CM13 フォームCF8をIM2と同様に強化する。

d) 成型品のキャラクタリゼーション − ドレープ性:成型品のドレープ性は、定性的に測定される。この目的のために、成型品を、2mの曲率半径を有する湾曲した型上に配置する。型の曲率への適合および材料の損失または成型品の欠陥の回避を査定する。

− 縫い付けにくさ:ロービングによる強化における製造上の利点の査定のために、比較用の貫入試験を実施する。針を、動的試験機に機械的にしっかりと固定する。続いて、針を使用して、異なる5つの箇所においてフォームを貫入させ、力−距離プロファイルを記録する。正弦半波は、25mmの振幅を有し、このため、針がフォームに25mm貫入する。針が衝突するとき、針は、2m/秒の速度を有する。試料の厚さに応じて、試料は貫入される。試料表面が、測定のゼロ位を形成する。力は、圧電式力トランスデューサによって測定されている。報告した値は、5回の測定の平均値であり、貫入深さ10mmにおけるニュートン(N)としての力を反映している。

本発明の押出フォームを、再現性の良い簡単な方法により繊維によって加工して、本発明の成型品を得ることができる。セルの最大寸法(a方向)に対して60°未満の角度εで繊維を導入することは、この導入の結果として、強化プロセスにおける耐貫通性を低下させることができる(CM1からCM3までの角度および縫い付けにくさの高まりを参照されたい。)ため、有利である。さらに、密度が低下した押出フォーム(CM4)によって、耐貫通性をさらに低下させることができる。成型品のドレープ性は、スロットによって達成することができるが、スロットは有利には、成型品(IM6とIM5との対比)への繊維の導入前に導入される。さらなる改良は、裏面上のテキスタイルキャリアによって達成することができ、この結果、切断されたフォーム要素が抜け出ないようになり、全体的完全性(IM7)が改良される。最後に、異なる繊維種類(IM8)、導入プロセス(IM9)および押出フォーム(IM10、IM11)を利用することができる。

e) パネルの作製 続いて、成型品を使用して、節a)(吸樹脂量の測定)において上述したように真空インフュージョン(VI)により繊維強化外側プライを装着することによって、パネルを作製する。しかしながら、フォームではなく成型品を使用しており、吸樹脂量の測定とは著しく異なり、成型品とガラスロービングとの間に分離フィルムがさらに導入されることはない。

f) パネルのキャラクタリゼーション − せん断剛性および安定性:せん断特性は、DIN53294に従って、23℃および50%の相対湿度(1982年2月版)で測定される。

− はく離抵抗性:パネルのはく離抵抗性は、単一の片持ち梁(SCB)試料によって測定される。試料の成型品高さは、20mmであり、外層はそれぞれ、厚さ約2mmの準等方性ガラス繊維強化エポキシ樹脂層からなる。試料は、各供試材への荷重の負荷および各供試材の除去が(3回から4回)繰り返されるようにして、Zwick Z050引張試験器内において5mm/分の速度で試験される。割れの成長または増大(Δa)を、荷重サイクルごとに目視により査定する。力−距離プロットを使用して、割れ成長エネルギー(ΔU)を確定する。この割れ成長エネルギーを使用して、

(式中、Bが、試料幅である。)として引裂強さまたははく離抵抗性を確定する。

− 防しわ性:外側プライのしわ形成(微細なしわの形成)に対する抵抗性を、測定された材料の基本特性に基づいて計算する。外側プライのしわ形成に対する耐膨れ性は、

(式中、EC3が、厚さ方向のコア剛性であり、Efが、外層の剛性であり、GCが、コア材料のせん断剛性である。)として測定することができる。

すべての本発明のパネルは、特にスラブの直交方向に対して平行にセル主軸が配向されている場合(IP2とCP3との対比)、低い密度と結び付いた高い防しわ性(IP2およびIP5からIP11)という点で注目すべきである。したがって、使用時に故障する可能性をなくすことができる。スロットダイの中を通るようにした押出によって作製されたフォーム(IP2およびIP5からIP10)を使用することは、特に有利であることがさらに判明している。はく離抵抗性およびせん断剛性/せん断抵抗は、密度が低い場合に高い。対照的に、比較用フォームの防しわ性は低く、またはより高い特性を達成するために必要な密度が高い。

[実施例2] (好ましい繊維角度の例示用のパネルの設計、理論的な判定) 押出フォームIF4を含む成型品の機械的特性を、理論的に判定した。使用された繊維(F)は、ガラス繊維(ロービング、Eガラス、900tex、3B)だった。繊維(F)が導入されたと想定した角度αは、0°から80°までの範囲だった。>0°の角度αにおいて、繊維(F)は、互いに対して角度β(0°、90°、180°、270°)で異なる4つの空間的方向に向かっていると想定した。規則的な長方形パターンがa=16mmの等距離を有し、0°の角度αにおいては、1m2当たり15625本のガラス繊維要素があると想定した。

せん断弾性率を、相異なる角度αについて計算した。この目的のために、しなやかな支柱によるストラット−タイモデルを使用して、上側の外層と下側の外層とを接続した。外層は、無限に堅いものであると想定した。押出フォームは、25mmの厚さ、せん断剛性G=14MPaおよび圧縮剛性E=35MPaを有していた。フォームの表面における吸樹脂量は、0.2kg/m2であると想定した。

繊維束は、Eガラス繊維からなる。製造プロセスの結果、強化要素は、2×900tex(=1800tex)の厚さを有しており、繊維の体積含量は、40体積%であると想定し、直径は、1.5mmであると想定した。これにより、角度αに応じて、表4において報告されているせん断弾性率、加工済みパネル中の成型品の密度および固有せん断弾性率の数値が高まる。

せん断剛性は、繊維角度の高まりに伴って迅速に増大していった後、約60°を超えると再度低下していくことが、はっきりと明らかになっている。

パネルの使用に関しては一般に、曲げ剛性または耐膨れ性が非常に重要である。平行になった対称の外層を有するパネルの膨れ剛性は、端部に導入される標準的な力によって、次のように測定することができる:

(式中、Fが、全体的な膨れの発生前の力(=耐膨れ性)であり、Dが、パネルの曲げ剛性であり、Gが、成型品(=コア材料)のせん断弾性率であり、tが、パネルの成型品の厚さであり、bが、パネルの幅であり、dが、成型品(=コア材料)の厚さと1つの外層の厚さとの合計である。)。

パネルの曲げ剛性は、

から計算され、EDが、外層の弾性係数であり、EKが、成型品(=コア材料)の弾性係数であり、tDが、一面当たりの外層の厚さであり、tkが、成型品(=コア材料)の厚さであり、dが、コア材料の厚さと1つの外層の厚さとの合計である。

パネルの幅は、0.1mであると想定したが、長さは、0.4mだった。成型品の厚さは、25mmであり、外層の厚さは、2mmであり、外層の弾性係数は、39GPaだった。

使用された成型品は、例CM14からCM23による成型品だった。

表5には、結果が記載されている。

膨れ安定性は、角度αの高まりに伴って迅速に増大していった後、約60°を超えると再度低下していくことが、はっきりと明らかになっている。

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