情報記録媒体、情報記録媒体の印刷方法

申请号 JP2012538739 申请日 2011-10-17 公开(公告)号 JP6107137B2 公开(公告)日 2017-04-05
申请人 大日本印刷株式会社; 发明人 元井 あゆみ; 小川 達之助; 西岡 徹; 元井 拓実;
摘要
权利要求

基材と、 樹脂シート材であり、前記基材よりも上層側に積層され、レーザ照射により発色することによりレーザ印刷が可能なレーザ発色層と、 樹脂シート材であり、前記レーザ発色層よりも上層側に積層され、透光性を有する下側透明層と、 前記下側透明層よりも上層側に積層され、透光性を有する機能性フィルム層と、 前記下側透明層と同一の材料からなり、前記機能性フィルム層よりも上層側に積層され、透光性を有する上側透明層と、を備え、 前記下側透明層は、レーザ印刷にともなう前記レーザ発色層の発熱を、前記機能性フィルム層が損傷しない程度に断熱する断熱性を有し、 前記機能性フィルム層は、この情報記録媒体の表面の法線方向から見たときに、前記上側透明層、前記下側透明層よりも小さく、 前記上側透明層と前記下側透明層とは、前記機能性フィルム層の外形よりも外側の領域で接着していること、 を特徴とする情報記録媒体。請求項1に記載の情報記録媒体において、 前記機能性フィルム層は、この情報記録媒体の表面の法線方向から見たときに、 前記レーザ発色層のうち前記レーザ照射により発色した領域に重なる領域を有すること、 を特徴とする情報記録媒体。請求項1又は請求項2に記載の情報記録媒体において、 前記機能性フィルム層は、ホログラム層又はマイクロタガントフィルム層であること、 を特徴とする情報記録媒体。請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の情報記録媒体において、 前記機能性フィルム層は、前記上側透明層側及び前記下側透明層側のうち少なくとも一方の面に、ヒートシール層を備えること、 を特徴とする情報記録媒体。請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の情報記録媒体において、 前記レーザ発色層は、透光性を有すること、 を特徴とする情報記録媒体。請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の情報記録媒体の印刷方法において、 前記情報記録媒体の表面側からレーザ光を照射して、前記レーザ光を、前記上側透明層、前記機能性フィルム層及び前記下側透明層を通過させて、前記レーザ発色層を発色させ、 前記レーザ光の強度を、前記下側透明層が前記レーザ発色層の発熱を断熱することにより、前記機能性フィルム層が損傷しない程度にすること、 を特徴とする情報記録媒体の印刷方法。

说明书全文

本発明は、機能性フィルム層を備える情報記録媒体、情報記録媒体の印刷方法に関するものである。

従来、ホログラム層よりも下層側に赤外線吸収層を設けて、レーザ光をホログラム層を透過させて赤外線吸収層に照射して、赤外線吸収層を変色させて情報を記録する情報記録体があった(例えば特許文献1)。 しかし、従来の情報記録体は、赤外線吸収層にレーザ照射することにより、その発熱により、ホログラム層が損傷してしまう場合があった。このため、レーザ光の強さが低く制限されてしまい、印刷品質に限界があった。

特開2002−32724号公報

本発明の課題は、機能性フィルム層よりも下層側のレーザ発色層への印刷品質を従来よりも向上できる情報記録媒体、情報記録媒体の印刷方法を提供することである。

本発明は、以下のような解決手段により、課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。また、符号を付して説明した構成は、適宜改良してもよく、また、少なくとも一部を他の構成物に代替してもよい。

・第1の発明は、基材(11)と、前記基材よりも上層側に積層され、レーザ照射により発色するレーザ発色層(12)と、前記レーザ発色層よりも上層側に積層され、透光性を有する下層側透層(13)と、前記下層側透明層よりも上層側に積層され、透光性を有する機能性フィルム層(14)と、前記機能性フィルム層よりも上層側に積層され、透光性を有する上側透明層(15)と、を備える情報記録媒体である。 第2の発明は、第1の発明の情報記録媒体において、前記下側透明層(13)は、前記レーザ発色層(12)へのレーザ照射の発熱性に対する耐熱性を備えること、を特徴とする情報記録媒体である。 第3の発明は、第1又は第2の発明の情報記録媒体において、前記機能性フィルム層(14)は、ホログラム層又はマイクロタガントフィルム層であること、を特徴とする情報記録媒体である。 第4の発明は、第1から第3までのいずれかの発明の情報記録媒体において、前記機能性フィルム層(14)は、この情報記録媒体(1)の表面(1a)の法線方向から見たときに、この情報記録媒体よりも小さいこと、を特徴とする情報記録媒体である。 第5の発明は、第1から第4までのいずれかの発明の情報記録媒体において、前記機能性フィルム層(14,214)は、この情報記録媒体(1,201)の表面(1a)の法線方向から見たときに、前記レーザ発色層(12)のうち前記レーザ照射により発色した領域(1b,201b)に重なる領域を有すること、を特徴とする情報記録媒体である。 第6の発明は、第1から第5までのいずれかの発明の情報記録媒体において、前記機能性フィルム層(14)は、前記上側透明層側及び前記下側透明層側のうち少なくとも一方の面に、ヒートシール層(14a)を備えること、を特徴とする情報記録媒体である。 第7の発明は、第1から第5までのいずれかの発明の情報記録媒体において、前記機能性フィルム層(214)は、この情報記録媒体(201)の表面の法線方向から見たときに、前記レーザ発色層(12)のうち前記レーザ照射により発色した領域(201b)の外周よりも内側に形成されていること、を特徴とする情報記録媒体である。 第8の発明は、第1から第7までのいずれかの発明の情報記録媒体において、前記レーザ発色層(12)は、透光性を有すること、を特徴とする情報記録媒体である。

第9の発明は、第1から第8までのいずれかの発明の情報記録媒体の印刷方法において、前記情報記録媒体(1)の表面(1a)側からレーザ光(L)を照射して、前記レーザ光を、前記上側透明層(15)、前記機能性フィルム層(14)及び前記下側層側透明層(13)を通過させて、前記レーザ発色層(12)を発色させること、を特徴とする情報記録媒体の印刷方法である。

本発明によれば、以下の効果を奏することができる。 ・第1の発明は、下層側透明層がレーザ発色層よりも上層側に積層され、機能性フィルム層が下層側透明層よりも上層側に積層されるので、レーザ発色層及び機能性フィルム層の間に、下側透明層を設けることができる。このため、レーザ照射によりレーザ発色層に発生する熱が機能性フィルム層に伝わることを、下層側透明層が抑制できるので、機能性フィルム層の損傷を抑制できる。これにより、レーザ発色層により強いレーザ光を照射でき、発色効果を向上できるので、印刷品質を向上できる。 ・第2の発明は、下側透明層が、レーザ発色層へのレーザ照射の発熱性に対する耐熱性を備えるので、レーザ照射にともなう下側透明層の損傷(発泡等)を抑制でき、一層強いレーザ光を照射できるため、印刷品質を向上できる。 ・第3の発明は、機能性フィルム層が、ホログラム層又はマイクロタガントフィルム層であるので、ホログラムや微細な印刷によって、偽造防止効果を得るこができる。 ・第4の発明は、機能性フィルム層が情報記録媒体よりも小さいので、機能性フィルム層を一部の領域に配置でき、コストを低減できる。 さらに、機能性フィルム層とレーザ印字領域が重なることによって機能性フィルム層の下にあるレーザ印字情報を改ざんしようとすると、機能性フィルム層を破壊しなければならず、高い偽造・改ざん防止効果を得ることができる。 ・第5の発明は、機能性フィルム層が上側透明層側及び下側透明層側のうち少なくとも一方の面に、ヒートシール層を備えるので、機能性フィルム層と、上側透明層側及び下側透明層側のうち少なくとも一方との間の熱圧着の効果を向上でき、剥離を抑制できる。 ・第6の発明は、機能性フィルム層がレーザ照射により発色した領域に重なる領域を有するので、例えば、写真等の画像をレーザ照射により発色させて印刷する場合に、その画像の一部に機能性フィルム層の効果を発現させることができる。 ・第7の発明は、機能性フィルム層がレーザ照射により発色した領域の外周よりも内側に形成されているので、機能性フィルム層の全てを、発色した領域の内側に納めることができるため、偽装判別をより一層容易にすることができる。 ・第8の発明は、レーザ発色層が透光性を有するので、レーザ発色層よりも下側の層に印刷層設け、この印刷内容を視認できる。 ・第9の発明は、レーザ光を、上側透明層、機能性フィルム層及び下側透明層を通過させて、レーザ発色層を発色させるので、第1から第8の発明と同様な効果を奏することができる。

第1実施形態のカード1の平面図、断面図、積層構成を説明する斜視図である。

比較実験に使用した第1実施形態のカード1の層構成と、比較例のカード101の層構成を説明する断面図である。

第2実施形態のカード201の平面図である。

第3実施形態のカード301の断面図(図2(a)に相当する図)である。

第3実施形態及び比較例のレーザ照射による発泡確認試験の結果を示す表である。

第3実施形態のカード301に対して、レーザ照射条件を変更した場合の各発色濃度を確認した結果を示す表である。

第4実施形態のカード401の平面図(図1(a)に相当する図)、断面図(図1(b)に相当する図)である。

(第1実施形態) 以下、図面等を参照して、本発明の実施形態について説明する。 図1は、第1実施形態のカード1の平面図、断面図、積層構成を説明する斜視図である。 図1(a)は、カード1の平面図(カード1の表面1aの法線方向から見た図)である。 図1(b)は、カード1の断面図(図1のB−B部矢視断面図)である。 図1(c)は、カード1の積層構成を説明する斜視図である。

カード1(情報記録媒体)は、基材11上に下層側Z1から、レーザ発色層12、透明層13(下側透明層)、リップマンホログラム層14(機能性フィルム層)、透明層15(上側透明層)が積層されている。これらの各層は、PET、PET−G、PVC等の樹脂シート材により形成される。各層間は、接着層、粘着層によって接合したり、熱圧着によって接合できる。

基材11は、カード1のベースとなる部材である。なお、第1実施形態では、基材11の上層側Z2に層構成を設けた例を説明するが、必要に応じて、基材11の下層側Z1にも層構成を設けてもよい。 レーザ発色層12は、通常レーザ照射により発色効果を高める発色剤を含有しており、レーザ照射によって印刷可能な層である。レーザ発色層12は、透光性を有している。このため、仮に、レーザ発色層12よりも下層側Z1に、レーザ発色層12とは異なる印刷層を設け、この印刷層に地紋等の印刷をした場合には、この印刷内容を視認できるようになっている。レーザ発色層12は、外部からの熱や光等のエネルギーにより発色又は変色する材料であれば、発色材の有無に関わらず、例えば、ポリカーボネイト単体や塩化ビニル系の材料を使用してもよい。 透明層13は、透光性を有した層である。

リップマンホログラム層14は、透光性を有するタイプのホログラムである。リップマンホログラム層14は、リップマン型のホログラムを有する層である。 リップマンホログラム層14は、フィルム上に特殊なポリマー層を塗布し、そのポリマー層内に屈折率の変化による干渉縞を形成するものである。リップマンホログラム層14は、この干渉縞に光を入射されると、回折現象によってホログラム像を再生する。リップマンホログラム層14は、上下左右の立体感や奥行き感の表現に優れ、より本物の物体に近い立体感が得られる。リップマンホログラム層14は、使用する材料や製造プロセスが特殊なことから、偽造することが極めて困難であり、例えばエンボス型のホログラムよりも、改ざん防止性を向上できる。

図1(a)に示すように、リップマンホログラム層14の外形は、カード1の外形よりも小さい。すなわち、基材11、レーザ発色層12、透明層13、透明層15は、カード外形と同様な大きさであり、リップマンホログラム層14は、透明層13上の一部の領域のみに配置されている。これは、高価なリップマンホログラム層14を小さくすることにより、コストを低減するためである。 透明層15は、透光性を有する層である。

次に、カード1の製造方法について説明する。 カード1の製造は、以下の工程に従う。 (積層工程) 基材11上に下層側Z1から、印刷前の状態のレーザ発色層12、透明層13、既にホログラムが形成されたリップマンホログラム層14、透明層15を積層して、各層間を、接着層、粘着層、熱圧着等によって接合する。 なお、カード1を多面取りにする場合には、この積層工程の後に抜き加工を設けて、カード1単体に加工する。

(印刷工程) レーザ光Lを、カード表面1a、つまり透明層15の表面から照射して、印刷画像1b、1cを印刷した。 印刷画像1bは、平面図(図1(a))において、一部がリップマンホログラム層14に重なるように配置される。印刷画像1bのように、リップマンホログラム層14が存在する領域では、レーザ光Lは、透明層15を通過し、このリップマンホログラム層14を通過する。レーザ光Lは、さらに、透明層13を通過して、レーザ発色層12に到達して、レーザ発色層12を発色させる。 一方、印刷画像1cのように、リップマンホログラム層14が存在しない領域では、レーザ光Lは、透明層15を通過し、続いて透明層13を通過して、レーザ発色層12に到達して、レーザ発色層12を発色させる。 上記工程を経て、カード1を製造できる。

上記印刷工程において、レーザ発色層12は、レーザ照射により発熱する。リップマンホログラム層14が存在する領域では、レーザ発色層12の熱がリップマンホログラム層14に伝わる場合、まず透明層13に伝わり、そして、透明層13に伝わった熱がリップマンホログラム層14に伝わる。このため、透明層13が断熱材のように機能して、レーザ発色層12の熱は、リップマンホログラム層14に直接伝わることが抑制される。そのため、透明層13が存在する場合には、透明層13が存在しない場合よりも、レーザ光Lの強度を強くしても、リップマンホログラム層14の損傷が抑制される。これにより、レーザ発色層12により強いレーザ光Lを照射でき、レーザ発色層12の発色効果を向上できるので、印刷品質を向上できる。

(比較実験) 図2は、比較実験に使用した第1実施形態のカード1の層構成と、比較例のカード101の層構成を説明する断面図である。 比較例のカード101は、従来の積層構成であり、透明層13を備えていない所が、第1実施形態のカード1とは異なる。 各層の材料は、以下の通りである。 ・基材11:PET−G/ポリカーボネイトアロイ樹脂:住友ベークライト株式会社製G7260 厚さ610μm ・透明層13、透明層15:耐熱PET−G:三菱樹脂株式会社製PA−C 厚さ50μm ・レーザ発色層12:PET−G/ポリカーボネイトアロイ樹脂:三菱樹脂社製PG−CLE−HL 厚さ50μm

(実験方法) (1)Muhlbauer社製発行機「SCOPE5400」のレーザユニット「Rofin社製レーザユニット」を用いて、第1実施形態のカード1のレーザ発色層12のうち、リップマンホログラム層14が存在する領域に対して、以下の条件に印刷を行った。なお、印刷画像1bは、図1(a)に示すような、人物の写真画像とした。 レーザ波長:1064nm 電流値:37.0A 描画速度:800m/s 周波数:45KHz 画素数:400dpi (2)上記条件の印刷を行い、印刷品質(発色濃度、コントラスト等)、第1実施形態のカード1のリップマンホログラム層14の損傷がないことを肉眼で確認した。

(3)上記条件と同じ条件にて、比較例のカード101に対して、印刷を行った。比較例のカード101には、リップマンホログラム層14の発泡(変色はなし)が肉眼で確認できた。つまりリップマンホログラム層14が損傷した。

以上の実験から、第1実施形態のカード1は、比較例のカード101よりも、レーザ光Lの強度を強くしても、リップマンホログラム層14が損傷せず、印刷品質を向上できることが確認できた。

以上説明したように、第1実施形態のカード1は、レーザ発色層12及びリップマンホログラム層14の間に、下側透明層を設けることにより、印刷時におけるリップマンホログラム層14の損傷を抑制でき、印刷品質を向上できる。

(第2実施形態) 次に、本発明の第2実施形態について説明する。 なお、以下の説明及び図面において、前述した第1実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号又は末尾に同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。 図3は、第2実施形態のカード201の平面図(図1(a)に相当する図)である。 カード201の層構成は、第1実施形態のカード1と同様であるが(図1(b)、図1(c)参照)、平面図において、リップマンホログラム層214が、印刷画像201bの内側に配置されている。つまり、レーザ照射によりレーザ発色層12(図1参照)を発色させて印刷画像201bを形成する場合に、レーザ照射により発色する印刷画像201bの外周よりも内側に形成されている。このため、リップマンホログラム層214の全てを、印刷画像201bの内側に納めることができ、印刷画像201bとリップマンホログラム層214とが重なる領域を多くすることができる。 これにより、カード201は、リップマンホログラム層214のホログラムの効果を最大限に利用でき、リップマンホログラム層214の改造等による偽装判別をより一層容易に行うことができる。

(第3実施形態) 次に、本発明の第3実施形態について説明する。 図4は、第3実施形態のカード301の断面図(図2(a)に相当する図)である。 第3実施形態のリップマンホログラム層14は、下層側Z1からヒートシール層14a、ホログラム形成層14b、PET層14cが積層されている。 ヒートシール層14aは、熱圧着により、リップマンホログラム層14を透明層13に接合するためのシートである。ヒートシール層14aの厚さは、4μmである。 ホログラム形成層14bは、ホログラム画像が実際に形成されている層である。ホログラム形成層14bの厚さは、10μmである。 PET層14cは、ホログラム形成層14bを保護するための層である。PET層14cの厚さは、16μmである。

以上の構成により、カード301は、透明層13からのリップマンホログラム層14の剥離を抑制できる。 また、リップマンホログラム層14の総厚みは、30μm(=4μm+10μm+16μm)である。このため、リップマンホログラム層14は、他の層に比べると薄い。これは、リップマンホログラム層14の厚みを薄くすることにより、カード表面の凹凸を減らして、外観の品位を向上するためである。

なお、カード301は、図4とは反対に、ヒートシール層14aをホログラム形成層14bの上層側Z2に形成し、PET層14cをホログラム形成層14bの下層側Z1に形成してもよい。この場合には、透明層15からのリップマンホログラム層14の剥離を抑制できる。 又は、カード301は、ヒートシール層14aをホログラム形成層14bの上下の両方に設けてもよい。この場合には、透明層13,15からのリップマンホログラム層14の剥離を抑制できる。

(発泡確認試験) レーザ照射時における、第3実施形態のカード301と、他の比較例のカード301−1,301−2との発泡(損傷)状態を確認するための確認試験を行った。 図5は、第3実施形態及び比較例のレーザ照射による発泡確認試験の結果を示す表である。 第3実施形態のカード301の各層の材料は、以下の通りである。 ・基材11:PET−G/ポリカーボネイトアロイ樹脂:三菱樹脂社製 PG−WET−HC 厚さ100μm ・レーザ発色層12:PET−G/ポリカーボネイトアロイ樹脂 三菱樹脂社製PG−CLE 厚さ50μm ・透明層13、透明層15:耐熱PET−G 三菱樹脂株式会社製PA−C 厚さ50μm

比較例のカード301−2,301−3は、下層側Z1の透明層13の材料を、以下の通り耐熱性ではないものに変更した。 比較例のカード301−2 ・透明層13:低温PET−G 三菱樹脂社製 PG−CHI 厚さ50μm 比較例のカード301−3 ・透明層13:PET−Gの3層共押し出し構成(低温/耐熱/低温) 三菱樹脂社製PG−MCT 厚さ50μm

(実験方法、実験結果) 第3実施形態のカード301に、レーザ照射(レーザ印刷)後にレーザ発色層12及び透明層13に、目視による確認において、発泡が「無し」となる同じ条件で、比較例のカード301−2,301−3に対してレーザ照射を行った。 結果は、比較例のカード301−2,301−3の両方で、透明層13に発泡が確認された。また、発泡に起因して、カード表面に凹凸が発生した。低温PET−Gを用いたカード301−2の状態は、著しく悪かった。

以上により、第3実施形態のカード301は、透明層13に耐熱PET−Gを配置することにより、レーザ照射時の発泡の発生を抑制できることを確認できた。

(レーザ印字テスト) レーザ照射時の発泡を抑えながら、印字画像の濃度をより濃く印字するための印字条件を見つけるために、以下のように、レーザ印字テストを行った。 図6は、第3実施形態のカード301に対して、レーザ照射条件を変更した場合の各発色濃度を確認した結果を示す表である。 Muhlbauer社製発行機「SCOPE5400」のレーザユニット「Rofin社製レーザユニット」を用いて、カード301のレーザ発色層12のうち、リップマンホログラム層14が存在する領域に対して印字を行った。 印字条件は、以下の条件を適宜組み合わせた。 レーザ光(mA):31、34、37 印字速度(m/s):800(共通) レーザ光周波数(kHz):40、45、50、55 ドット密度(dpi):300、350、400、450、500 カード301の層構成は、上記発泡確認試験と同様とした。 印字結果の発色濃度は、目視により確認した。

(レーザ印字確認結果) 図6の表中の発色濃度は、以下の内容を示す。 ××:濃淡が著しく低い ×:濃淡が低い △:濃淡がやや低い ○:濃淡が良好 ○○:濃淡が特に良好 図6に示すように、以下の条件の印字結果が良好、又は特に良好であることが確認できた。 ・6−1:31mA、800mA、45kHz、500dpi ・6−2:37mA、800mA、40kHz、400dpi ・6−3:37mA、800mA、45kHz、400dpi

以上説明したように、本実施形態のカード301は、リップマンホログラム層14がヒートシール層14aを備えるので、熱圧着の効果を向上でき、透明層13等からの剥離を抑制できる。 また、カード301は、下層側Z1の透明層13が耐熱性を備えるので、強いレーザ光を照射できるため、印刷品質を向上できる。

(第4実施形態) 次に、本発明の第4実施形態について説明する。 図7は、第4実施形態のカード401の平面図(図1(a)に相当する図)、断面図(図1(b)に相当する図)である。 図7(a)に示すように、本実施形態のリップマンホログラム層14の外形は、カード401の外形よりも、一回り小さい程度である。 本実施形態では、リップマンホログラム層14は、ヒートシール層が設けられていない。このため、リップマンホログラム層14と、透明層13及び透明層15とは、直接接着されてはいない。透明層13及び透明層15が、外縁部A401が接着されることにより、リップマンホログラム層14は、カード内部に保持されるようになっている。 これにより、カード401は、層構成を簡単にすることができる。

また、図7(a)に示すように、印刷画像1bは、リップマンホログラム層14よりも内側に配置されている。これにより、カード401は、印刷画像1bをリップマンホログラム層14の輪郭が横切ることがないので、印刷画像1bの見栄えを向上できる。

なお、本実施形態も、第3実施形態と同様に、リップマンホログラム層14の剥離抑制のために、ヒートシール層を設けてもよい。

以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前述した実施形態に限定されるものではなく、後述する変形形態のように種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の技術的範囲内である。また、実施形態に記載した効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、実施形態に記載したものに限定されない。なお、前述した実施形態及び後述する変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。

(変形形態) (1)実施形態において、平面図において、リップマンホログラム層14は、カード1の一部の領域に設けられている例を示したが、これに限定されない。例えば、リップマンホログラム層14は、他の層と同様に、カード1の外形と同様な大きさにして、カード全面に設けてもよい。

(2)実施形態において、透明層15は、印刷層ではない例を示したが、これに限定されない。例えば、透明層15は、レーザ発色層12と同様に、レーザ照射によって印刷可能な印刷層にしてもよい。これにより、印刷層が、合計2層になり、意匠性、セキュリティ性を向上できる。 また、透明層15及びレーザ発色層12に一体的な形状の図形等を印刷することにより、偽造防止の効果を向上でき、セキュリティ性を一層向上できる。

(3)実施形態において、機能性フィルム層は、リップマンホログラム層14である例を示したが、これに限定されない。機能性フィルム層は、レーザ光を透過するものであればよく、例えば、エンボスホログラム層、マイクロタガントフィルム層(外形100〜200μm×100〜200μm程度の図形、文字等の印刷が施され、ルーペ等を用いることにより、印刷内容を確認するフィルム層)、無色蛍光フィルム等でもよい。

(4)実施形態において、基材11、レーザ発色層12、透明層13の層間は、接着層、粘着層、熱圧着等によって接合する例を示したが、これに限定されない。例えば、基材11、レーザ発色層12を共押出しにより、一体的に成形したものを利用してもよい。同様に、基材11、レーザ発色層12、透明層13を共押出しにより、一体的に成形したものを利用してもよい。

(5)実施形態において、レーザ発色層12に印刷される画像は、写真画像である例を示したが、これに限定されない。例えば、レーザ発色層12に印刷される画像は、リップマンホログラム層14のホログラム画像と補色関係にある色彩を、下地として印刷してもよい(例えば、ホログラムが緑色の場合に、レーザ発色層12の色彩が黒色)。これにより、ホログラム画像の外観(質感)を向上できる。なお、下地印刷は、基材11に施してもよい。

(6)実施形態において、印刷は、レーザ発色層12に行われる例を示したが、これに限定されない。印刷は、いずれの層に行ってもよい。例えば、最表層である透明層15と、基材11とに、一体的な形状の図形等を印刷することにより、偽造防止の効果を向上でき、セキュリティ性を向上できる。

1,201,301,401…カード 11…基材 12…レーザ発色層 13…透明層 14…リップマンホログラム層 14a…ヒートシール層 15…透明層

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