ポリカーボネート層を有する多層フィルムコンポジット

申请号 JP2011548575 申请日 2010-01-27 公开(公告)号 JP5776121B2 公开(公告)日 2015-09-09
申请人 バイエル・マテリアルサイエンス・アクチェンゲゼルシャフト; Bayer MaterialScience AG; 发明人 ヘルムート−ヴェルナー・ホイヤー; ロルフ・ヴェーアマン;
摘要
权利要求

ポリカーボネートまたはコポリカーボネートから成る少なくとも1つの層を有し、ポリカーボネートまたはコポリカーボネートは一般式(1)〜(8)の化合物の群: (ここで、R1は互いに独立して、C10〜C25−アルキル、C10〜C25−アルコキシ、およびC10〜C25−アルキル置換アリールから成る群から選択され、 R2は互いに独立して、C10〜C25−アルキルカルボニルまたは素の群から選択され、 R3は互いに独立して、C10〜25−アルキルの群から選択され、 一般式(1)〜(8)の化合物の群から選択される添加剤の全体濃度は、組成物の重量に基づいて、2.1〜6重量%である) から選択される1以上の添加剤をも含有することを特徴とする多層ホイルコンポジットを備えるスマートIDカード、認証書類、ポータブルデータキャリア、ECカード、健康保険証、クレジットカードまたは携帯電話カード。前記添加剤はペンタエリトリトールテトラステアレート、グリセロールモノステアレート、ステアリルステアレートおよび前記化合物の混合物からなる群から選択される、請求項1による多層ホイルコンポジットを備えるスマートIDカード、認証書類、ポータブルデータキャリア、ECカード、健康保険証、クレジットカードまたは携帯電話カード。前記コンポジットの厚さは0.1〜2mmである、請求項1による多層ホイルコンポジットを備えるスマートIDカード、認証書類、ポータブルデータキャリア、ECカード、健康保険証、クレジットカードまたは携帯電話カード。前記少なくとも1つの層は共押出し層である、請求項1による多層ホイルコンポジットを備えるスマートIDカード、認証書類、ポータブルデータキャリア、ECカード、健康保険証、クレジットカードまたは携帯電話カード。ポリカーボネートまたはコポリカーボネートから成る少なくとも1つの層を有し、ポリカーボネートまたはコポリカーボネートは一般式(1)〜(8)の化合物の群: (ここで、R1は互いに独立して、C10〜C25−アルキル、C10〜C25−アルコキシ、およびC10〜C25−アルキル置換アリールから成る群から選択され、 R2は互いに独立して、C10〜C25−アルキルカルボニルまたは水素の群から選択され、 R3は互いに独立して、C10〜25−アルキルの群から選択され、 一般式(1)〜(8)の化合物の群から選択される添加剤の全体濃度は、組成物の重量に基づいて、2.1〜6重量%である) から選択される1以上の添加剤をも含有することを特徴とする多層ホイルコンポジットのスマートIDカード、認証書類、ポータブルデータキャリア、ECカード、健康保険証、クレジットカードまたは携帯電話カードとしての使用。

说明书全文

本発明は、ポリカーボネートまたはコポリカーボネートから成り、ポリカーボネートまたはコポリカーボネートが1以上の特定の添加剤をも含有することを特徴とする少なくとも1つの層を有する多層ホイルコンポジットに関する。

ポリカーボネート、ポリエステルカーボネートまたはPCおよびポリエステル、たとえば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートまたはポリシクロヘキサンジメタノールシクロヘキサンジカルボキシレート(PCCD)から成る他の混合物から製造される押出しホイルは、特に電気分野で、家庭用品分野の装飾および機能パネル用に、たとえば、スポーツ用品用トップコートホイルとして、およびIDカードおよびブリスタパック用に使用され、商品の例にはレクサン(Lexan)SLX(登録商標)およびXYLEX(登録商標)(共にサビック・イノベイティブ・プラスチック(Sabic Innovative Plastic)から)がある。さらなる用途分野が見出されており、自動車構造の分野では、たとえば、本体部品または外装ミラーであり、通信分野では、たとえば、携帯電話ケーシングおよび携帯電話キーパッドである。このホイルは高い透明性、衝撃耐性および熱耐性を特徴とする。

ホイル製造のために基材材料を使用する特定の分野は、ポータブルデータキャリアの分野である。非常に幅広い種類の実施の形態で、ポータブルデータキャリアを使用する用途は多く存在する。ここでのポータブルデータキャリアは多くの場合、書込みを有する、またはセキュリティ機能を組み込んだ、または磁気ストリップおよび/または集積回路を有するものである。特に、ポータブルデータキャリアは標準的サイズを有するプラスチックカードとして設計され、たとえば、キャッシュレス支払取引用に、または携帯電話ネットワークにアクセスするための権利の証明等として使用されうる。また、預金通帳では、ポータブルデータキャリアはページとして一般的に一体化され、標準的プラスチックカードより厚さは薄いが、より大きい面積を有していることは公知である。

ポータブルデータキャリアは幅広く利用されているので、製造コストと並んで、使用される材料の環境適合性もまた別の非常に重要な要素となる。大抵の用途では、ポータブルデータキャリアは長寿命であることも求められる。さらに、ポータブルデータキャリアは、関連する品質要求のレベルの増加と共に、書込みおよび付加要素を多く備える。

高品質ポータブルデータキャリアの公知の製造方法の1つは、複数のプラスチックホイルからのラミネーションである。しかし、多くの個別のホイルから複雑な構造のポータブルデータキャリアを製造することは困難で、特に隣接する個別のホイルについての材料の選択に関して、厳しく制限される。さらに、個別のホイルは、取り扱いが可能な所定の最小限の厚さを有さねばならない。したがってポータブルデータキャリアの製造は、既に、複数の層から成る共押出しホイルの使用に切換えられている。これらの材料を製造する処理時に、個別の層を接着して多層ホイルを得る。次に、前記多層ホイルを複数、ラミネーションによって互いに接着することができる。

このタイプの手順はたとえば、欧州特許出願第EP−A 0 640 940号公報から公知であり、コアホイルが2つのトップホイル間に配置されてなるコンタクトレスチップカードを開示している。各トップホイルは、接着層によってコアホイルに接着される。各接着層は特に、トップホイルおよび/またはコアホイルと共押出しされる層として設計される。トップホイルおよびコアホイルはたとえば、ポリカーボネートから成る。接着層は、PETGと呼ばれる変性ポリエステルから成るものでもよい。

米国特許公開第US−A 5,928,788号公報は特に、コアホイルと2つのトップホイルのラミネーションを介して製造された多層データキャリアを開示している。コアホイルとトップホイルは特に、PETGから成る。ラミネーティングプレスのプレートへの過剰な粘着を防ぐために、トップホイルの外側領域は「アンチブロック」物質を高濃度で有する。つまり、各トップホイルは2層から共押出されるのだが、これらの層の一方のみアンチブロック物質を含有する。

国際特許出願第WO 2002/41245 A2号公報は、複数のホイルがラミネーションを介して互いに接着することで形成される多機能カード本体を開示しており、ここで少なくとも1つのホイルは少なくとも2つの共押出し層から成る。特に、コアホイルは各場合トップホイルに対称に接着される。各トップホイルは、2または3個の共押出し層を備える共押出しポリカーボネートホイルとして設計されうる。コアホイルは異なる2つのタイプの共押出し層を有しうる。2つのタイプの共押出し層は互いに交互にあり、ある層構造体はここでは、3または5個の交互の共押出し層から形成される。一方のタイプの共押出し層はポリカーボネートまたはポリエチレンテレフタレート(PET)から成るものでもよい。他方のタイプの共押出し層は熱可塑性エラストマーから成るものでもよい。

欧州特許出願第EP−A 0 706 152号公報は、熱可塑性プラスチック材料から成るラミネートチップカードまたはスマートカードを開示している。ラミネート可能なホイルから製造された前記コンポジットは、たとえば、シアノアクリレート接着剤による複雑な接着法を介して製造されたカードを遥かに上回る優位性を有する。

ポリカーボネートは、その良好な機械特性のために、特に上記ホイルに好適である。

たとえば、国際特許出願第WO 99/05205 A号公報または米国特許公開第US−A 6,008,280号公報には、離型剤に属する添加剤を含有するポリカーボネートが記載される。これらの材料は射出成形法でより良好な処理特性を有するので、これらのポリカーボネートをたとえば、光学データキャリア用基材材料として使用している。しかし、上記のようなカード用途、またはこのように変性されたポリカーボネートのラミネーション特性についての記載はない。

ドイツ特許公開第DE 10 2007 004 322 A1号公報は、離型剤、たとえば、ペンタエリトリトールテトラステアレートおよびグリセロールモノステアレートを、好ましくは0.02〜1重量%の量で任意に含有する少なくとも1つのポリカーボネート層を備える多層コンポジット材料を開示している。記載の化合物は共に本発明による添加剤1〜8の群の範囲内である。離型剤の主な機能は、その名前が示すように、剥離剤としての役割を果たすことである。そういうものとして、前記薬剤は比較的良好な粘着抑制作用を有することで知られている。したがって、記載の離型剤が比較的高濃度で粘着性を改良する特性を有することを、引用文献から結論付けることはできない。

最終的なカード本体または多層コンポジット材料は、特にラミネーションプレスを介して製造され、ここでホイル束を圧に暴露することで密着させる。ここで、コアホイルまたはトップホイルの少なくとも1つが、ラミネーション処理時に非常に粘着しやすい傾向を有するなら、好都合である。その結果、前記ホイルコンポジットの製造処理は促進される。さらに、コアホイルへのトップホイルの粘着性を改良する。前記コアホイルは透明および/または着色ホイルであってもよく、良好な機械特性を有しうる。トップホイルはさらに、レーザ印刷可能であってもよい。したがって、ここではポリカーボネートを使用するのが好ましい。

しかし、ポリカーボネートから成るホイルは、ラミネーション法では処理温度が高いといった不都合を有する。さらに、ホイルのラミネーションに長時間を要する。その結果、上記ラミネーションサイクルが長くなり、長い製造時間が必要となる。ホイル間の不十分な粘着性のために、最終のホイルラミネートを使用する際に、層間剥離も生じうる。

したがって、多層システムを製造することができ、良好な機械特性の要求に従し、かつ先行技術と比べた場合に、改良されたラミネート性、ラミネーション時の改良された粘着性および改良された処理性を有するホイルを提供することが、目的であった。同時に、前記改良されたホイルは、透明性、着色性およびレーザ印刷可能性について、想定される要求に従うものである。

驚くべきことに、ポリカーボネートまたはコポリカーボネートを含有する少なくとも1つのホイル/層を有し、ポリカーボネートまたはコポリカーボネートは一般式(1)〜(8)の化合物の群:

(ここで、R1は互いに独立して、C10〜C25−アルキル−、C10〜C25−アルコキシ−、およびC10〜C25−アルキル置換アリールから成る群から選択され、ここで、「C10〜C25−アルキル」という表現は、10〜25個の炭素原子を有する線形または分岐炭化素部分を表し、特に線形C12〜C20−アルキルおよび非常に特にペンタデシルを表し、ここで「C10〜C25−アルキル置換アリール」という表現は、C10〜C25−アルキル部分で置換されたフェニルまたはナフチル部分を表し、 R2は互いに独立して、C10〜C25−アルキルカルボニルまたは水素の群から選択され、 R3は互いに独立して、C10〜25−アルキルの群から選択され、 ここでR2およびR3での「C10〜C25−アルキル」という表現は、10〜25個の炭素原子を有する線形または分岐炭化水素部分を表し、特に線形C12〜C20−アルキルおよび非常に特にC12〜C18−アルキルを表す) から選択される1以上の添加剤をも含有することを特徴とする多層コンポジット材料を提案することを介して、この目的は達成された。

たとえば、ペンタエリトリトールテトラステアレート、グリセロールモノステアレート、プロパンジオールジステアレートおよびステアリルステアレートが好ましい。これらは単独でまたは混合物で、好ましくは組成物の重量に基づいて、1〜10重量%、好ましくは1.1〜8重量%、特に好ましくは1.5〜7重量%、非常に特に好ましくは2.1〜6重量%の量で使用される。

驚くべきことに、このタイプの多層コンポジット材料は上で求められる特性を有することを見出した。

ここで「多層ホイルコンポジット」という用語は、2、3、4、5層以上の層がたとえば、共押出しまたはラミネーションを介して互いに接着してなる材料を意味する。ここで層は同じでも異なる材料から成るものでもよい。たとえ層が大部分同じ材料から成る場合でも、本発明の目的では、たとえば、これらが別個の作業工程で塗布され、または異なる添加剤を含有するなら、やはり異なる層である。

「少なくとも1つの層」という用語は、多層ホイルコンポジットがこれらの層を1以上有しうることを意味する。

システム1〜8の多層ホイルコンポジットと市販のホイルの多層ホイルコンポジットの層間剥離試験によって評価し、集計した結果のグラフである。

本発明のプラスチック組成物の製造に好適なポリカーボネートは公知のポリカーボネートのいずれかである。これらはホモポリカーボネートおよび熱可塑性ポリエステルカーボネート、およびさらにはコポリカーボネートであり、ビスフェノレートのいずれの所望の混合物を用いてもよい。好ましくは、これらは18,000〜40,000g/mol、好ましくは26,000〜36,000g/molおよび特に28,000〜35,000g/molの平均分子量Mwを有し、これはゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を介してキャリブレーション物質としてポリカーボネートを用いて決定される。

使用されるポリカーボネートの製造に好適なジフェノールの例は、ヒドロキノン、レゾルシノール、ジヒドロキシビフェニール、ビス(ヒドロキシフェニル)アルカン、ビス(ヒドロキシフェニル)-シクロアルカン、ビス(ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(ヒドロキシフェニル)ケトン、ビス(ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(ヒドロキシフェニル)スルホキシド、α,α’−ビス(ヒドロキシフェニル)ジイソプロピルベンゼンおよびさらにはこれらから誘導されるアルキレート化(環アルキレート化を含む)および環ハロゲン化化合物である。

好ましいジフェノールは、4,4’−ジヒドロキシビフェニール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルプロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルエタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルブタン、1,3−ビス[2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル]ベンゼン(ビスフェノールM)、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、2,4−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルブタン、1,3−ビス[2−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル]ベンゼンおよび1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン(ビスフェノールTMC)である。

特に好ましいジフェノールは4,4’−ジヒドロキシビフェニール、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニル-エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン (ビスフェノールA,BPA)、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシ-フェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ-フェニル)シクロ-ヘキサンおよび1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン(ビスフェノールTMC)である。

これらのおよび他の好適なジフェノールはたとえば、米国特許公開第US−A 2 999 835、3 148 172、2 991 273、3 271 367、4 982 014および2 999 846号公報、ドイツ特許公開明細書第1 570 703、2 063 050、2 036 052、2 211 956および3 832 396号公報、フランス特許明細書第1 561 518号公報、論文「H.シュネル(Schnell),ポリカーボネートの化学と物理(Chemistry and Physics of Polycarbonates),インターサイエンス・パブリッシャーズ(Interscience Publishers),ニューヨーク1964,pp.28ff.;pp.102ff.」、および「D.G.レグランド(Legrand),J.T.ベンドラー(Bendler),ポリカーボネート科学技術ハンドブック(Handbook of Polycarbonate Science and Technology),マルセル・デッカー(Marcel Dekker)ニューヨーク2000,pp.72ff.」に記載される。

ホモポリカーボネートの場合には、1個のみのジフェノールを使用するが、コポリカーボネートの場合には、複数のジフェノールを使用し、ここで、使用されるビスフェノール、同様に合成反応に添加される全ての他の化学物質および補助剤は、最大限の純度の原材料を用いて作業するのが望ましいのだが、合成、これらの化合物の取り扱いおよび貯蔵に由来する不純物による汚染物質を有しうることは自明である。

分子量を制御するために、単官能性フェノールを使用してもよく、その例はフェノール、p−tert−ブチルフェノール、イソオクチルフェノール、クミルフェノール、またはこれらのクロロ蟻酸エステル、またはモノカルボン酸のアシルクロライドまたはこれらの混合物である。

鎖重合停止剤の量は各場合、フェノール性鎖重合停止剤の場合には、ジフェノールのモルに基づいて、0.1〜10mol%である。

また、使用されるポリカーボネートの製造では3官能性化合物が使用されてもよく、これは合成反応時に分岐剤として添加される。トリスフェノール、4価フェノール、トリまたはテトラカルボン酸のアシルクロライド、またはポリフェノールまたはアシルクロライドの他の混合物を用いるのが有用である。

使用されてもよい3以上のフェノール性ヒドロキシ基を有する化合物の例のいくつかは: フロログルシノール、 4,6−ジメチル−2,4,6−トリ(4−ヒドロキシフェニル)−2−ヘプタン、 4,6−ジメチル−2,4,6−トリ(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、 1,3,5−トリ(4−ヒドロキシフェニル)ベンゼン、 1,1,1−トリ(4−ヒドロキシフェニル)エタン、 トリ(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、 2,2−ビス(4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキシル]プロパン、 2,4−ビス(4−ヒドロキシフェニルイソプロピル)フェノール、 テトラ(4−ヒドロキシフェニル)メタン である。

他の3官能性化合物のいくつかは、2,4−ジヒドロキシ安息香酸、トリメシン酸、塩化シアヌル酸および3,3−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−2−オキソ−2,3−ジヒドロインドールである。

好ましい分岐剤は3,3−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−2−オキソ−2,3−ジヒドロインドール(IBK)および1,1,1−トリ(4−ヒドロキシフェニル)エタン(THPE)である。

ビスフェノールAホモポリカーボネートに加えて、好ましいポリカーボネートは、ビスフェノールAと、ジフェノールの全モル量に基づいて15mol%までの量の、好ましいまたは特に好ましいとして記載したもの以外の他のジフェノールとのコポリカーボネートである。

各種添加剤を記載のポリカーボネートと混合してもよい。

添加剤を添加することは、使用寿命を延ばし、または色堅ろう度を高め(安定剤)、処理を簡略化し(たとえば、上記のようなさらなる離型剤、流動性補助剤、帯電防止剤)、または特定のストレスに対してポリマーを適合させる(衝撃改良剤、たとえば、ゴム;難燃剤、着色剤、ガラスファイバ)といった役割を果たす。

これらの添加剤は、個別にまたは、いずれか所望の混合物で、または複数の異なる混合物で、ポリマー溶融物に添加されてもよく、かつ特に直接ポリマーの単離時に、または混練工程として公知のペレットの溶融後のいずれかのときに、添加されてもよい。ここで添加剤またはこれらの混合物をポリマー溶融物に添加する場合の形態は、固体でも、パウダーでもまたは溶融物の形態でもよい。別の計量添加法は、マスターバッチや、添加剤のマスターバッチ混合物、または添加剤混合物を使用するものである。

好適な添加剤はたとえば、「プラスチック用添加剤ハンドブック(Additives for Plastics Handbook),ジョン・マーフィ(John Murphy),エルセビア(Elsevier),オックスフォード1999」、「プラスチック添加剤ハンドブック(Plastics Additives Handbook),ハンズ・ツバイフェル(Hans Zweifel),ハンサー(Hanser),ミュンヘン,2001」に記載される。

好適な酸化防止剤または熱安定剤の例は: アルキレート化モノフェノール、アリルチオメチルフェノール、ヒドロキノン、アルキレート化ヒドロキノン、トコフェノール、ヒドロキシレート化チオジフェニルエーテル、アルキリデンビスフェノール、O−、N−およびS−ベンジル化合物、ヒドロキシベンジレート化マロネート、芳香族ヒドロキシ化合物、トリアジン化合物、アシルアミノフェノール、β−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸のエステル、β−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロピオン酸のエステル、β−(3,5−ジシクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸のエステル、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル酢酸のエステル、β−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸のアミド、好適なチオ協力剤、二次酸化防止剤、ホスフィトおよびホスホニト、ベンゾフラノンおよびインドリノンである。

有機ホスフィト、ホスホネートおよびホスファンが好ましく、ここでこれらの大部分では、その有機部分が完全にまたはある程度任意に置換された芳香族部分から成る。

重金属用およびアルカリの痕跡の中和用に好適な錯化剤は、o/m−リン酸または完全にまたは部分的にエステル化されたホスフェートまたはホスフィトである。

好適な光安定剤(UV吸収剤)は:2−(2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-ヒドロキシベンゾフェノン、置換および非置換安息香酸のエステル、アクリレート、立体障害型アミン、オキサミド、2.8.2−(2−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリアジンである。置換ベンゾトリアゾールが好ましい。

ポリプロピレングリコールを単独で、またはガンマ波によるダメージを抑制するために、安定剤として、たとえば、スルホンまたはスルホンアミドと組み合わせて使用してもよい。

これらおよび別の安定剤を個別にまたは組み合わせて使用してもよく、これらをポリマーに添加する場合には、記載のいずれの形態であってもよい。

好適な難燃剤添加剤は、ホスフェートエステル、すなわちトリフェニルホスフェート、レゾルシノールジホスフェート、臭素含有化合物たとえば、臭素化リン酸エステル、臭素化オリゴカーボネートおよびポリカーボネート、およびさらには好ましくはフッ素化有機スルホン酸の塩である。

好適な衝撃改良剤は、スチレン−アクリロニトリルまたはメチルメタクリレートがグラフトされたブタジエンゴム(butadiene rubber with grafted−on styrene−acrylonitrile or methyl methacrylate)、マレイン酸無水物がグラフトされたエチレン−プロピレンゴム、メチルメタクリレートまたはスチレン−アクリロニトリルがグラフトされたエチルおよびブチルアクリレートゴム、相互貫入シロキサンおよびメチルメタクリレートまたはスチレン−アクリロニトリルがグラフトされたアクリレートネットワークである。

また着色剤たとえば、有機染料または顔料または無機顔料、またはIR吸収剤を、個別に、混合物で、または安定剤、ガラスファイバ、(中空)ガラスビーズ、または無機充填剤と組み合わせて添加してもよい。添加剤としてカーボンブラックを使用することもできる。

ホイル自身の各種層固有の機能は、様々なタイプの添加剤を介して達成することができる。

外側層として、本発明のポリカーボネート層はレーザ感応性添加剤を含有してもよい。好適な添加剤はカーボンブラックまたは赤外光を吸収する染料である。

標準的なレーザ、特に幅広く使用される波長1.06μmを有するNd−VAG固体状態レーザを使用する場合には、色変化または色変移が材料表面上のレーザ衝撃地点に起こり、高明瞭性、高コントラストの書込みおよびマーキングが得られる。

特に好適な添加剤は、カラー顔料および金属塩、水酸化銅リン酸塩、イリオジン、メルク(Merck)から市販入手可能なパール光沢顔料、および特にカーボンブラックである。本発明のポリカーボネートと混合されるこれらの添加剤の量は、特に1000当たり数部からせいぜい10%の量単位である。

また、本発明のポリカーボネート層はさらに、無機充填剤を含有してもよい。不透明または半透明のポリカーボネート層を達成するのに好適な無機充填剤の例は、常套の無機顔料、特に金属または金属酸化物、たとえば、酸化アルミニウム、シリカ、チタナイト、およびさらにはアルカリ金属塩たとえば、カルシウムまたはバリウムの炭酸塩または硫酸塩である。好適な粒子状充填剤は均一でありうり、大部分が1つの材料、たとえば、二酸化チタンまたは硫酸バリウムのみから成る。場合によっては、充填剤の少なくとも一部は不均質であってもよい。たとえば、改良剤が実際の充填剤と混合されてもよい。またたとえば、実際の充填剤が表面改良剤、たとえば、顔料、処理助剤、界面活性剤またはポリカーボネートとの適合性を改良しまたは変更するために、他のいずれかの改良剤を備えてもよい。ある特別の実施の形態では、ポリカーボネート層は二酸化チタンを含有する。

ポリカーボネート中の前記無機充填剤の量は、好ましくは2〜50重量%、特に好ましくは3〜30重量%である。

ホイルまたは共押出しホイル用に使用されるポリカーボネートを製造するために用いられる方法の1つは、界面法である。このポリカーボネート合成法は文献に幅広く記載され;たとえば、H.シュネル(Schnell),ポリカーボネートの化学と物理(Chemistry and Physics of Polycarbonates),ポリマー・レビューズ(Polymer Reviews),Vol.9,インターサイエンス・パブリッシャーズ(Interscience Publishers),ニューヨーク1964,pp.33ff.、ポリマー・レビューズ(Polymer Reviews),Vol.10,「界面法および溶液法による縮合ポリマー(Condensation Polymers by Interfacial and Solution Methods)」,ポール(Paul)W.モーガン(Morgan),インターサイエンス・パブリッシャーズ(Interscience Publishers),ニューヨーク1965,VIII章,p.325、ドレス(Dres.)U.グリゴ(Grigo),K.キルヒャー(Kircher)およびP.R−ミュラー(Muller)「ポリカーボネート(Polycarbonate)」,ベッカー/ブラウン(Becker/Braun),クンストストッフーハンドブッフ(Kunststoff−Handbuch)[プラスチックハンドブック],3/1巻,ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリエステル、セルロースエステル(Polycarbonate、Polyacetale、Polyester、Celluloseester)[Polycarbonates、polyacetals、polyesters、cellulose esters],カール・ハンサー・ベラグ(Carl Hanser Verlag)ミュンヘン,ウィーン1992,pp.118−145およびさらには欧州特許出願第EP−A 0 517 044号公報を参照してもよい。前記方法によれば、ビスフェノール(または異なるビスフェノールの混合物)の二ナトリウム塩のアルカリ水溶液(または懸濁液)を初期充填物として用い、第2の相を形成する不活性有機溶媒または溶媒混合物の存在中で、ホスゲン化する。主に有機相中に存在する形成されたオリゴカーボネートを、好適な触媒の助けを得て縮合し、有機相に溶解した高分子量のポリカーボネートを得る。最後に、有機相を単離し、ポリカーボネートを各種作業工程を介してそこから単離する。

使用されるポリカーボネートの好適な製造方法は、界面法を用いた連続ポリカーボネート製造法、およびさらには溶融縮合法である。

個々の構成要素は公知の方法で、連続的にまたは同時に、特に室温でまたは高温で混合されてもよい。

添加剤の本発明の組成物への導入は、好ましくは公知の方法で、ポリマーペレットと添加剤とを、約200〜330℃の温度で、常套の設備、たとえば、内部混練機、一軸性押出し成形機および二軸性押出し成形機において混合することを介して、たとえば、溶融混練または溶融押出しによって、またはポリマー溶液と添加剤溶液とを混合し、次に公知の方法で溶媒を蒸発させることによって、行われる。ホイルは好ましくは、押出しまたは共押出しによって製造される。

押出しを介してホイルを製造するために、ポリカーボネートのペレットを押出し成形機のホッパーに投入し、これを通じてスクリューおよびバレルから成る可塑化システムへとポリカーボネートを送る。材料を運搬して可塑化システム内で溶融する。プラスチック溶融物がスロットダイを通るように圧力を加える。可塑化システムとスロットダイ間には、フィルター装置、溶融物ポンプ、設置型混合要素およびさらなる成分が配置されてもよい。適当な場合には、ダイを出た溶融物をポリシングカレンダ上へと送る。最終成形は、ポリシングカレンダのニップで行われる。形状は最終的に冷却を介して固定され、冷却はたとえば、ポリシングロール上でかつ大気中で、各側について行われる。輸送用、保護ホイル塗布用、および押出されたホイルの巻上げ用設備もさらに存在する。

共押出し法の場合には、共押出し用材料を1以上のさらなる押出し成形機で同様に可塑化する。共押出し溶融物を、ダイの手前の特別の共押出しアダプタ内で、または特別の共押出しダイにおいて主材料と組み合わせる。共押出し層をベース層の片側または両側に塗布してもよい。ホイルに次に機械的作業を施し、熱形成または表面処理を介して、たとえば、引っ掻き耐性コーティング、水滴を分散する層および他の機能層を提供してもよい。ホイルの片側または両側は光沢化されても、艶なしでもまたは構造化されてもよい。

ホイルの厚さは1〜2000μm、好ましくは5〜1000μm、非常に特に好ましくは10〜850μmである。

本発明のホイルは上記カード、たとえば、スマートIDカード、一般的チップカード、ECカード、クレジットカード、セキュリティカード、許可証、RFIDタグ、運転免許証等の製造に特に好適である。前記データキャリアは様々に構造化されたコアとトップホイルから成る。共押出しホイルはここでも使用される。本発明の共押出しまたは他のホイルを、いずれの所望の方法で、他のホイル、たとえば、常套のポリカーボネートホイル、またはポリエステル、コポリエステルおよび/または結晶、半結晶または微晶質ポリエステルから成るホイルと構造化してもよい。また、PVC、ABS、PETGまたはPETから成るホイル、またはこれらの混合形態たとえば、PC/ABSをさらに使用してもよい。したがって本発明は、前記材料と、さらには変性ポリカーボネートから成るコンポジットシステムをも提供する。ホイルの配置は、用途の関数として様々な方法で選択されうる。ここで個々のホイルまたは共押出しホイルは様々な厚さを有してもよい。データキャリアまたはカードは対称構造でも非対称構造を有してもよい。データキャリアはたとえば、預金通帳の1ページとして設計されてもよい。

データキャリアをプラスチックカードとして、特に磁気ストリップカードまたはチップカードとして設計することも同様に可能である。

データキャリアに求められる特性を得るために、本発明のホイルを、たとえば、導電体トラックを備えるように、金属化、構造化または印刷してもよい。スクリーン印刷法を構造化および印刷に使用することができる。

ホイルの用途は上記データキャリアに制限されず、チップセミカード、キーヘッド、ボタン、アームバンド、時計の構成要素等に使用されてもよい。

以下の実施例はさらに本発明を説明するものである。

1.混練ポリカーボネート材料の製造 ポリカーボネート/添加剤混合物を製造し、これはマクローロン(Makrolon)M3108ポリカーボネート(バイエル・マテリアルサイエンス(Bayer MaterialScience)AG)と、表1に記載する添加剤(プロピレングリコールジステアレート(ファシ(Faci),イタリアから);ロキシオール(Loxiol)G32、およびグリセロールモノステアレート(コグニス・オレオケミカルズ(Cognis Oleochemicals),ドイツから);二量体ペンタデシルフェノールホルマール(欧州特許出願第EP 1664174−B1号公報に基づく方法によって内部合成)を、そこに示される濃度で含有して成るものであった。マクローロンM3108に基づくポリカーボネート/添加剤ペレット(化合物材料1〜8)を、ベルストルフ(Berstorf)からのZE 25/5二軸性押出し成形機において、300℃の温度で混練することを介して製造した。

2.ホイルの製造 ラミネーション特性を試験するために、ホイルを製造し、これは混練材料1〜8の20%濃度の塩化メチレン溶液から誘導した。

この溶液を用いて、エリクソン(Erichson)からのコートマスター(Coatmaster)509MC自動ホイルまたはフィルム延伸アプリケータにおいて、溶媒を(30℃で5mm/秒のドクター前進速度で)蒸発させながら、200mmの幅のポリカーボネートホイルにした。得られたホイル厚さは約50μmであり、多層コンポジットの製造用に50×50mmサイズに切断した。

3.多層ホイルコンポジットの製造 混練材料1〜8から得られた各キャストホイルを、5分間、マクローロンM3108から成るホイル(市販入手可能または内部製造)上に、ポール・オットー・ウェーバ(Pual Otto Weber)からのPN200加熱プレスにおいて、200kNの圧力を用いて、様々な温度(150、140、130および120℃)でプレスした。混練材料1からのキャストホイルを備える多層ホイルコンポジットを、ここでは「システム1」と呼び、混練材料2から誘導されたものを「システム2」というように呼ぶ。対応する用語を他の多層ホイルコンポジットについて使用する。

4.システム1〜8の多層ホイルコンポジットと市販入手可能なホイルの多層ホイルコンポジットの試験 システム1〜8の層間粘着性を層間剥離試験によって評価した。ここでの手順は次の通りであった: 評価およびランク付け:ホイルを層間剥離させてみる。これが困難であるほど、より高い評価点が与えられる(0=非常に簡単、6=非常に困難)。ホイルの接着品質について外観評価も行う(0=劣悪、6=非常に良好)。結果が良好なほど、より高い点が与えられる。添加剤なしのホイル(ブラインド値1および2)は比較例として提供した。ブラインド値1は内部製造されたものであり、ブラインド値2はバイエル・マテリアルサイエンスAGから市販入手可能なホイル(マクロホール(Makrofol)ID)である。

この後に記載の点を集計した。図1はその結果のグラフを示したものである。

ラミネーションにおける本発明のホイルの粘着性は、2つのブラインド値1および2に比べて増加していることを、実施例は証明している。特に、比較的低いラミネーション温度でさえ粘着性が増加していることを、コンポジットは証明している。

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