マイクロチップ及びマイクロチップの製造方法

申请号 JP2014524677 申请日 2013-05-09 公开(公告)号 JPWO2014010299A1 公开(公告)日 2016-06-20
申请人 ソニー株式会社; 发明人 英俊 渡辺; 英俊 渡辺; 瀬川 雄司; 雄司 瀬川; 加藤 義明; 義明 加藤;
摘要 マイクロチップを構成する複数の 基板 層の、各々の基板層間の接合強度を高めるための技術の提供。複数の基板層と、前記基板層の界面に設けられた、ケイ素化合物からなる接合層とからなり、前記接合層のうち少なくとも1つは有機ケイ素化合物からなる、マイクロチップを提供する。このマイクロチップにおいては、材質の異なる複数の基板層が組み合わされた場合であっても、複数の基板層の各々の基板層間の接合強度が高められ得る。
权利要求

複数の基板層と、 前記基板層の界面に設けられた、ケイ素化合物からなる接合層とからなり、 前記接合層のうち少なくとも1つは有機ケイ素化合物からなる、 マイクロチップ。前記複数の基板層は、非シリコーン樹脂からなる基板層と、ポリジメチルシロキサンからなる基板層と、を含み、 前記ポリジメチルシロキサンからなる基板層の両面は、第1の非シリコーン樹脂からなる基板層及び第2の非シリコーン樹脂からなる基板層と、前記接合層を介して、接合している、 請求項1記載のマイクロチップ。前記第1の非シリコーン樹脂からなる基板層は前記ポリジメチルシロキサンからなる基板層との接合面に溝を有し、 前記ポリジメチルシロキサンからなる基板層との接合面に溝を有していない前記第2の非シリコーン樹脂からなる基板層と、前記ポリジメチルシロキサンからなる基板層とは、前記有機ケイ素化合物からなる接合層を介して接合している、 請求項2記載のマイクロチップ。前記ポリジメチルシロキサンからなる基板層と、 前記第1の非シリコーン樹脂からなる基板層とは、 無機ケイ素化合物からなる接合層を介して接合している、 請求項3記載のマイクロチップ。前記ポリジメチルシロキサンからなる基板層は前記第1の非シリコーン樹脂からなる基板層との接合面に溝を有し、 前記第1の非シリコーン樹脂からなる基板層と前記第2の非シリコーン樹脂からなる基板層とが、各々前記ポリジメチルシロキサンからなる基板層と、前記有機ケイ素化合物からなる接合層を介して接合している、 請求項2記載のマイクロチップ。前記第1の非シリコーン樹脂からなる基板層及び第2の非シリコーン樹脂からなる基板層は、アクリル樹脂又はポリカーボネートからなる、 請求項4記載のマイクロチップ。前記第1の非シリコーン樹脂からなる基板層及び第2の非シリコーン樹脂からなる基板層は、ガス不透過性である、 請求項6記載のマイクロチップ。前記ポリジメチルシロキサンからなる基板層は弾性変形による自己封止性を備え、 前記溝の内空が大気圧に対して負圧とされている、 請求項7記載のマイクロチップ。溝が設けられた第1の非シリコーン樹脂からなる基板層の溝形成面をケイ素化合物を含む架橋性組成物で被覆する蒸着工程と、 第2の非シリコーン樹脂からなる基板層の溝が設けられていない面を有機ケイ素化合物を含む架橋性組成物で被覆する塗工工程と、 を含む、 マイクロチップの製造方法。前記ケイ素化合物を含む架橋性組成物で被覆された、前記第1の非シリコーン樹脂からなる基板層の前記溝形成面と、 前記有機ケイ素化合物を含む架橋性組成物で被覆された、前記第2の非シリコーン樹脂からなる基板層の前記溝が設けられていない面と、を 各々ポリジメチルシロキサンからなる基板層と、貼り合わせる接合工程を含む、 請求項9記載のマイクロチップの製造方法。

说明书全文

本技術は、複数の基板層からなるマイクロチップに関する。より詳しくは、基板層の界面に接合層が設けられたマイクロチップに関する。

近年、半導体産業における微細加工技術を応用し、シリコンやガラス製の基板上に化学的及び生物学的分析を行うためのウェルや流路を設けたマイクロチップが開発されてきている。これらのマイクロチップは、例えば、液体クロマトグラフィーの電気化学検出器や医療現場における小型の電気化学センサなどに利用され始めている。

このようなマイクロチップを用いた分析システムは、μ−TAS(micro−Total−Analysis System)やラボ・オン・チップ、バイオチップ等と称され、化学的及び生物学的分析の高速化や高効率化、集積化あるいは、分析装置の小型化を可能にする技術として注目されている。μ−TASは、少量の試料で分析が可能なことや、マイクロチップのディスポーザブルユーズ(使い捨て)が可能なことから、特に貴重な微量試料や多数の検体を扱う生物学的分析への応用が期待されている。

上記のマイクロチップは、一般に、ウェルや流路が成形された基板に、他の基板を貼り合わせて製造される。基板の接合においては、基板に設けた流路等の微細構造を損なうことなく、かつ、試料が導入される微細構造を確実に封止する必要がある。

例えば、特許文献1には、「溶液が導入される領域が、内部を大気圧に対して負圧とされて配設されたマイクロチップ」が開示されている。このマイクロチップは、材質の異なる複数の基板層が貼り合わさって、形成されている。このような複合材料基板層のマイクロチップでは、基板層間の接合強度が不十分となる場合がある。

特開2011−163984号公報

マイクロチップを構成する基板層の材質の組み合わせによっては、基板層間の接合強度が不十分となる場合がある。そこで本技術は、基板層間の接合強度を高めるための技術を提供することを主な目的とする。

上記課題解決のため、本技術は、複数の基板層と、前記基板層の界面に設けられた、ケイ素化合物からなる接合層とからなり、前記接合層のうち少なくとも1つは有機ケイ素化合物からなる、マイクロチップを提供する。 前記複数の基板層は、非シリコーン樹脂からなる基板層と、ポリジメチルシロキサンからなる基板層と、を含み、前記ポリジメチルシロキサンからなる基板層の両面は、第1の非シリコーン樹脂からなる基板層及び第2の非シリコーン樹脂からなる基板層と、前記接合層を介して、接合していてもよい。 また、前記第1の非シリコーン樹脂からなる基板層は前記ポリジメチルシロキサンからなる基板層との接合面に溝を有し、前記ポリジメチルシロキサンからなる基板層との接合面に溝を有していない前記第2の非シリコーン樹脂からなる基板層と、前記ポリジメチルシロキサンからなる基板層とは、前記有機ケイ素化合物からなる接合層を介して接合している、マイクロチップであってもよい。 さらに、前記ポリジメチルシロキサンからなる基板層と、前記第1の非シリコーン樹脂からなる基板層とは、無機ケイ素化合物からなる接合層を介して接合していてもよい。 その他、前記ポリジメチルシロキサンからなる基板層は前記第1の非シリコーン樹脂からなる基板層との接合面に溝を有し、前記第1の非シリコーン樹脂からなる基板層と前記第2の非シリコーン樹脂からなる基板層とが、各々前記ポリジメチルシロキサンからなる基板層と、前記有機ケイ素化合物からなる接合層を介して接合している、マイクロチップであってもよい。 前記第1の非シリコーン樹脂からなる基板層及び第2の非シリコーン樹脂からなる基板層は、アクリル樹脂又はポリカーボネートからなるものであってもよくガス不透過性であってもよい。 さらに、前記ポリジメチルシロキサンからなる基板層は弾性変形による自己封止性を備え、前記溝の内空が大気圧に対して負圧とされていてもよい。

また、本技術は、溝が設けられた第1の非シリコーン樹脂からなる基板層の溝形成面をケイ素化合物を含む架橋性組成物で被覆する蒸着工程と、第2の非シリコーン樹脂からなる基板層の溝が設けられていない面を有機ケイ素化合物を含む架橋性組成物で被覆する塗工工程と、を含む、マイクロチップの製造方法を提供する。 マイクロチップの製造方法には、前記ケイ素化合物を含む架橋性組成物で被覆された、前記第1の非シリコーン樹脂からなる基板層の前記溝形成面と、前記有機ケイ素化合物を含む架橋性組成物で被覆された、前記第2の非シリコーン樹脂からなる基板層の前記溝が設けられていない面と、を各々ポリジメチルシロキサンからなる基板層と、貼り合わせる接合工程を含んでいてもよい。

本技術により、基板層間の接合強度が高められたマイクロチップが提供される。

A及びBは、本技術の第一実施形態に係るマイクロチップ1aの構成を説明するための模式図である。

マイクロチップ1aの製造方法を説明するためのフローチャートである。

A〜Fは、マイクロチップ1aの製造方法を説明するための模式図である。

本技術の第二実施形態に係るマイクロチップ1bの構成を説明するための模式図である。

マイクロチップ1bの製造方法を説明するためのフローチャートである。

A〜Fは、マイクロチップ1bの製造方法を説明するための模式図である。

本技術の第三実施形態に係るマイクロチップ1cの構成を説明するための模式図である。

A〜Fは、マイクロチップ1cの製造方法を説明するための模式図である。

以下、本技術を実施するための好適な形態について説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本技術の代表的な実施形態を示したものであり、これにより本技術の範囲が狭く解釈されることはない。説明は以下の順序で行う。 1.本技術の第一実施形態に係るマイクロチップの構成 2.本技術の第一実施形態に係るマイクロチップの製造方法 (1)基板層の成形 (2)架橋性組成物の積層 (3)架橋性組成物の硬化 (4)基板層の接合 3.本技術の第二実施形態に係るマイクロチップの構成 4.本技術の第二実施形態に係るマイクロチップの製造方法 (1)架橋性組成物の塗工 5.本技術の第三実施形態に係るマイクロチップの構成 6.本技術の第三実施形態に係るマイクロチップの製造方法 (1)基板層の成形 (2)架橋性組成物の塗工

1.本技術の第一実施形態に係るマイクロチップの構成 図1は、本技術の第一実施形態に係るマイクロチップ1aの構成を示す模式図である。図1Aは上面模式図であり、図1Bは、図1AのP−P断面に対応する断面模式図である。

図中符号1aで示すマイクロチップには、試料溶液等の液体が導入される領域として、外部から液体が導入される導入部3と、分析対象物の反応場となるウェル51〜55と、導入部3と各ウェル51〜55とを接続する流路41〜45が設けられている。図1及びその説明においては、流路41により液体が供給される5つのウェルを全てウェル51とし、同様に流路42,43,44,45により液体の供給を受ける各々の5つのウェルを、ウェル52,53,54,55として説明する。なお、本技術に係るマイクロチップの構成は、図1に示す導入部3、流路41〜45、ウェル51〜55の数や配置に限定されることはない。

本技術に係るマイクロチップは、複数の基板層と、基板層の界面に設けられたケイ素化合物からなる接合層からなる。また、接合層のうち、少なくとも1つは有機ケイ素化合物からなる。図1Bに示す本実施形態に係るマイクロチップ1aは、例えば、3つの基板層11,12,13から構成されている。マイクロチップ1aを構成する複数の基板層11,12,13には、非シリコーン樹脂からなる基板層と、ポリジメチルシロキサンからなる基板層とが含まれていることが好ましい。また、ポリジメチルシロキサンからなる基板層の両面は、第1の非シリコーン樹脂からなる基板層及び第2の非シリコーン樹脂からなる基板層と、接合層を介して接合している。本実施形態に係るマイクロチップ1aにおいては、説明の便宜上、ポリジメチルシロキサンからなる基板層を基板層11とし、基板層11と接合する2つの基板層のうち、「第1の非シリコーン樹脂からなる基板層」を「基板層12」、「第2の非シリコーン樹脂からなる基板層」を「基板層13」と称する。これは、後述する第二実施形態及び第三実施形態においても同様である。

マイクロチップ1aにおいて、基板層12は基板層11との接合面に溝を有し、この溝が、導入部3、流路41〜45及びウェル51〜55の試料溶液等の液体が導入される領域に相当する。基板層12は、ケイ素化合物からなる接合層22bを介して基板層11と接合している。この接合層22bは、無機ケイ素化合物からなる接合層である。一方、基板層13は基板層11との接合面に溝を有しておらず、基板層13は、有機ケイ素化合物からなる接合層22aを介して基板層11と接合している。

マイクロチップ1aにおいて、基板層12に形成された溝は、基板層11との接合面に設けられているため、マイクロチップ1aに設けられた導入部3等の液体が導入される領域は、マイクロチップ1aの外部と連絡していない。基板層11が弾性を有する材料からなる場合、針などの穿刺部材の一部をマイクロチップ1a外部から、基板層13に形成された導入口31を看過して、導入部3に穿通することが可能である。針を接続したシリンジ等に予め液体を充填しておき、基板層11をその針で穿通すれば、マイクロチップ1a内の導入部3等の領域に液体を導入することができる。さらに、基板層11の針等による穿通によって、封止されていた領域はシリンジ内部とだけ接続されるため、流路41〜45やウェル51〜55に気泡が入ることなく、液体を導入することができる。

液体を導入した後に、針等を導入部3から抜いた際、基板層11が弾性を有する材質であれば、基板層11の自己封止性により穿刺箇所が自然に封止されるようにできる。本技術においては、基板層の弾性変形による針などの穿刺箇所の自然封止を、基板層の「自己封止性」と定義する。

マイクロチップ1aに導入する液体とは、分析対象物、又は他の物質と反応して分析対象物を生成する物質を含む試料溶液等を指す。分析対象物としては、DNAやRNA等の核酸、ペプチド、抗体等を含めたタンパク質など、を挙げることができる。また血液等、前記の分析対象物を含んだ生体試料自体、又はその希釈溶液も、マイクロチップ1aに導入する液体とすることができる。また、マイクロチップ1aを用いる分析手法としては、例えば、温度サイクルを実施する従来のPCR(Polymerase Chain Reaction)法や温度サイクルを伴わない各種等温増幅法等の、核酸増幅反応を利用した分析手法が含まれる。

2.本技術の第一実施形態に係るマイクロチップの製造方法 マイクロチップ1aの製造方法について、図2に示すフローチャートを参照して説明する。

(1)基板層の成形 図2中、符号S1は基板層の成形工程である。本工程では、基板層12に、導入部3、流路41〜45、及びウェル51〜55に相当する溝と、基板層13に導入口31に相当する孔を成形する。基板層12,13の材料には、ガラス、プラスチック類、金属類及びセラミック類などを採用できるが、特に、プラスチック類が好ましい。また、後述するように、基板層12,13にはガス不透過性を有する材料が好ましい。ガス不透過性を有するプラスチック類としては、PMMA(ポリメチルメタアクリレート:アクリル樹脂)、PC(ポリカーボネート)、PS(ポリスチレン)、PP(ポリプロピレン)、PE(ポリエチレン)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート、SAN樹脂(スチレン−アクリロニトリル共重合体)、MS樹脂(MMA−スチレン共重合体)、TPX(ポリ(4−メチルペンテン−1))、ポリオレフィン、SiMA(シロキサニルメタクリレートモノマー)−MMA共重合体、SiMA−フッ素含有モノマー共重合体、シリコーンマクロマー(A)−HFBuMA(ヘプタフルオロブチルメタクリレート)−MMA3元共重合体、ジ置換ポリアセチレン系ポリマー等が挙げられる。このうち、非シリコーン樹脂である、アクリル樹脂やPCが好適である。

なお、マイクロチップ1aの各ウェル51〜55に保持された物質を、光学的に分析する場合は、基板層11,12,13の材質には、光透過性を有し自家蛍光が少なく波長分散が小さいことで光学誤差の少ない材料を選択することが好ましい。

基板層12,13への導入部3等の成形は、公知の手法によって行うことができる。例えば、ガラス製基板層のウェットエッチング又はドライエッチングによって、あるいはプラスチック製基板層のナノインプリント、射出成型又は切削加工である。また、マイクロチップ1aは、図1に示す構成に限定されず、導入部3等の液体が導入される領域を、基板層11に成形することも可能であり、あるいは基板層11に一部を、基板層12に残りの部分を成形してもよい。

なお、図2に示すマイクロチップ1aの製造方法において、基板層の成形工程S1は必須の工程ではなく、予め溝や孔が成形された基板層12,13を別途用意し、次に述べる、基板層12,13への架橋性組成物の積層工程S2から行うこともできる。

(2)架橋性組成物の積層 図2中、符号S2(S2a及びS2b)は、基板層12,13への架橋性組成物の積層工程である。また、図3は、本工程から、基板層の接合工程S4までの各工程を模式的に示す図である。図3Aに示すように、本工程では、基板層12にケイ素化合物を含む架橋性組成物21bを、基板層13に、ケイ素化合物を含む架橋性組成物21aを積層する。具体的には、導入口31に相当する孔のみが形成された基板層13の、溝が設けられていない面に、有機ケイ素化合物を含む架橋性組成物21aを塗工し(架橋性組成物の塗工工程S2a)、導入部3等に相当する溝が形成された基板層12の溝形成面に、ケイ素化合物を含む架橋性組成物21bを蒸着する(架橋性組成物の蒸着工程S2b)。

[架橋性組成物の塗工工程S2a] マイクロチップ1aの製造工程で用いる、ケイ素化合物を含む架橋性組成物とは、例えば、アルコキシシラン類が加分解・部分縮合により生成されたシラノール基を含有する縮合物であり、この縮合物がアルコール溶媒などの液体に分散されている状態であってもよい。塗工工程S2aにおいて用いる架橋性組成物21aは、有機ケイ素化合物を含むものが好ましい。有機ケイ素化合物を含む架橋性組成物は、例えば、先のシラノール基を含有する縮合物が分散された溶媒に、有機官能基を含むアルコキシシランの縮合物が加えられたものである。具体的には、例えば、アルキルトリアルコキシシランとテトラアルコキシシランとの縮合物が含まれる溶媒などである。この他、有機ケイ素化合物を含む架橋性組成物には、上記の縮合物の他、コロイド状のシリカなどが添加されていてもよい。

本工程で用いるケイ素化合物を含む架橋性組成物21aは、市販のシリコーンハードコート剤などとすることもできる。PCからなる基板層13に対しては、例えば、日本精化株式会社製ハードコート剤「NSC−1600」が使用できる。また、PMMAからなる基板層13に対しては、例えば、日本精化株式会社製ハードコート剤「NSC−2705」が使用できる。

有機ケイ素化合物を含む架橋性組成物21aの基板層13への塗工は、公知の手法によって行うことができる。例えば、ディピングコート、スプレーコート、フローコート、スピンコートなどである。架橋性組成物21aに含まれる有機鎖が保持されるような塗工方法であれば、基板層13の材料の特性や形状等に合わせ適切な手法を選択すれば良く、塗工方法は特に限定されない。

[架橋性組成物の蒸着工程S2b] 一方、蒸着工程S2bで用いる架橋性組成物21bも、ケイ素化合物が含まれているが、有機ケイ素化合物を含む縮合物には限定されず、有機鎖を含まないケイ素化合物を含む縮合物であってもよい。本実施形態では、有機鎖を含まないケイ素化合物を、「無機ケイ素化合物」と称する。架橋性組成物21bとしては、例えば、ポリシロキサンオリゴマーなどのアルコキシシラン類の縮合物を含む溶液などが挙げられる。

無機ケイ素化合物を含む架橋性組成物21bの基板層12への蒸着は、公知の手法によって行うことができる。例えば、真空蒸着、イオンプレーティング、スパッタリングなどである。これらの手法の中から、基板層13の材料の特性や形状等に合わせ適切な手法を選択すればよく、蒸着方法は特に限定されない。

なお、図3に示すマイクロチップ1aの製造工程においては、基板層12,13の、各々の基板層11と接する面にのみ架橋性組成物21a,21bを塗工、あるいは蒸着しているが、架橋性組成物21a,21bを、基板層12,13の他の部分に塗工、あるいは蒸着してもよい。本技術の第一実施形態に係るマイクロチップ1aにおいて、基板層12,13の、各々の基板層11との接合面以外への架橋性組成物21a,21bの塗工、あるいは蒸着の有無は、特に限定されない。また、この点は、後述する第二実施形態に係るマイクロチップ1bや第三実施形態に係るマイクロチップ1cについても同様である。

例えば、架橋性組成物21aを基板層13に塗工する手法としてディッピングコートを選択することで、基板層13を構成する全ての面に同時に塗工することが可能となる。マイクロチップ1aの外面に架橋性組成物21a,21bが塗工、あるいは蒸着された場合、後述する架橋性組成物21a,21bの硬化処理によって、架橋性組成物21a,21bは硬化し、マイクロチップ1aの外面は架橋性組成物21a,21bが硬化して形成される層に被覆される。この層で覆われることにより、マイクロチップ1aの外面は、傷つきにくくなり、マイクロチップ1aの耐久性が向上する。

(3)架橋性組成物の硬化 図2中、符号S3は架橋性組成物を重合して硬化する工程である。本工程では、図3A及び図3Bに示すように、基板層12,13に積層された架橋性組成物21a,21bを加熱して、硬化させる。すなわち、本工程は、架橋性組成物21a,21bを重合させて接合層22a,22bを形成させる工程である。架橋性組成物21a,21bに含まれるシラノール基が加熱により縮合し、シロキサン結合(Si−O−Si)が形成される。このシロキサン結合を含む、架橋性組成物21a,21bが硬化して形成された層が、接合層22a,22bである。

架橋性組成物21aは基板層13を、架橋性組成物21bは基板層12を、各々被覆した状態で、加熱されるため、加熱温度は、各基板層12,13の材料に応じて決めればよい。加熱温度は、例えばPCを基板層12,13に用いた場合は、80〜120℃が望ましく、PMMAを用いた場合には、60〜80℃が望ましい。

(4)基板層の接合 図2中、符号S4は基板層の接合工程である。本工程では、ケイ素化合物を含む架橋性組成物21bで被覆された基板層12の溝形成面(領域が形成された面)と、有機ケイ素化合物を含む架橋性組成物21aで被覆された、基板層13の溝が設けられていない面とを、基板層11と貼り合わせる接合工程である。具体的には、例えば、基板層11に基板層12を貼り合わせ、次いで基板層11と基板層13とを貼り合わせる。基板層11,12,13の貼り合わせの順序は、基板層11と基板層13との接合から始めてもよい。

基板層11は、基板層12,13に積層された接合層22a,22bにシロキサン結合が含まれるため、接合層22a,22bとシロキサン結合を形成可能なシリコーン樹脂からなる材料が好適である。さらに、基板層11には弾性を有するシリコーン系エラストマーが好適であり、例えば、ポリジメチルシロキサン(PDMS)が望ましい。また、本実施形態に係るマイクロチップ1aにおいて、マイクロチップを構成する複数の基板層には、上述した非シリコーン樹脂からなる基板層である基板層12,13と、PDMSからなる基板層11と、を含み、PDMSからなる基板層の両面が、各々非シリコーン樹脂からなる基板層(基板層12,13)と接合層22a,22bを介して接合していることが好ましい。この好適な構成については、後述する第二実施形態及び第三実施形態についても同様である。

図3Cに示すように、基板層11と基板層12との貼り合わせにおいては、基板層12の接合層22bが設けられた面と基板層11の一の面について、各々活性化処理を行う。活性化処理は、酸素プラズマや紫外線を照射することで可能であり、その他、イオンビーム照射など公知の手法を用いればよい。活性化処理によって、基板層12上の接合層22bの表面には、OH基の結合手が生成される。同様に、基板層11がシリコーン樹脂からなる場合、活性化処理を行った面には、OH基の結合手が生成される。基板層11と接合層22bに生成されたOH基の結合手は反応性が高く、互いの処理面を貼り合わせると、シロキサン結合が生じ、強固に結合される(図3D)。この結果、基板層11と基板層12とは、無機ケイ素化合物からなる接合層22bを介し接合される。また、基板層12に形成された溝の内空は、気密に封止される。

マイクロチップ1aの製造において、基板層11と基板層12との貼り合わせを大気圧に対して負圧下で行った場合、導入部3等の領域に相当する基板層12に設けられた溝の内空を、大気圧に対して負圧(1/100気圧)となるように気密に封止することができる。液体が導入されるマイクロチップ内の領域を大気圧に対し負圧とすることにより、液体の導入時にマイクロチップ1a内部の陰圧によって液体が自動的に吸引され、微細な流路構造が形成されたマイクロチップ1a内への液体の導入が、より短時間で行えるようになる。

また、上記のマイクロチップ1a内の負圧を維持するためには、基板層12,13の材料は、ガス不透過性を有することが好ましい。マイクロチップ1aの外面を構成する基板層12,13をPCなどのガス不透過性を備える材料とすることで、マイクロチップ1aが大気下に保管された場合であっても、導入部3等の領域が負圧に保持される。さらに、基板層12,13をガス不透過性を有する材料で構成した場合、分析過程でマイクロチップ1aの加熱が行われた時にも、ウェル51〜55内に導入された液体が加熱によって気化し、基板層11を透過して消失(液抜け)するのを防止できる。

基板層13と基板層11との貼り合わせについても、同様に、接合層22aと基板層11の表面を活性化処理し(図3E)、処理面にOH基を生成させた後、互いの処理面を貼り合わせる(図3F)。この結果、基板層11は、基板層13の溝が形成されていない面と、有機ケイ素化合物からなる接合層22aを介して接合される。

本技術の第一実施形態に係るマイクロチップ1aにおいては、基板層11,12,13の各々の接合面に、ケイ素化合物を含む接合層22a,22bを設け、シロキサン結合を介して接合することによって、基板層11,12,13を強固に結合することができる。そのため、基板層に形成された微細な流路等の構造を確実に封止した状態とすることが可能である。

また、本技術に係るマイクロチップ1aにおいては、ガラス製基板層を用いずとも、シロキサン結合を形成して強固な接合状態にできる。ガラス製基板を用いないことにより、ガラス製基板層を用いたマイクロチップに比べ、マイクロチップ1aは、破損の懸念が少なくなる。また、ガラス製基板層を使用しないことによって、マイクロチップ1aの軽量化も可能である。

マイクロチップ1aにおける接合層22a,22bは、基板層11,12,13の接合を強固にする効果の他、マイクロチップ1a自体の強度を高めるための効果も有している。基板層11,12,13の間に接合層22a,22bが挟まれていることによって、マイクロチップ1aの変形が防止される。特に、マイクロチップ1aの少なくとも一の接合層22aは、有機ケイ素化合物からなるため、有機鎖を含まないケイ素化合物からなる接合層に比べ、柔軟で亀裂などを生じにくく、マイクロチップ1aの耐久性を向上させる。

3.本技術の第二実施形態に係るマイクロチップの構成 図4は、本技術の第二実施形態に係るマイクロチップ1bの構成を示す断面模式図である。マイクロチップ1bは、基板層11と基板層12の界面に設けられる接合層22a以外の構成については、第一実施形態と同一である。第一実施形態と同一の構成については、同一の符号を付し、説明については省略する。また、マイクロチップ1bを構成する基板層11,12,13の材料は、マイクロチップ1aにおいて同一の符号を付した基板層と同じである。マイクロチップ1bでは、基板層12の導入部3等の領域に相当する溝が形成された面と基板層11との界面にも、基板層11と基板層13の界面と同じように、接合層22aが設けられている。

4.本技術の第二実施形態に係るマイクロチップの製造方法 マイクロチップ1bの製造方法について、図5に示すフローチャートを参照して説明する。マイクロチップ1bの製造工程では、基板層の成形工程S1、架橋性組成物の硬化工程S3、及び基板層の接合工程S4については、第一実施形態に係るマイクロチップ1aの製造工程と同様である。そこで、マイクロチップ1aの製造工程と異なる架橋性組成物の塗工工程S2aについて、図6を参照して説明する。

(1)架橋性組成物の塗工 本工程では、図6Aに示すように、基板層12の導入部3等の領域に相当する溝が形成されている面と、基板層13の一の面に、各々、有機ケイ素化合物を含む架橋性組成物21aを塗工する。本実施形態では、基板層12,13を被覆する架橋性組成物21aは、何れも有機ケイ素化合物を含んでいる。有機ケイ素化合物を含む架橋性組成物21aの、各基板層12,13への塗工方法は、第一実施形態において挙げた手法と同様である。また、基板層12への架橋性組成物21aの塗工工程S2aでは、基板層12において基板層11と接する部分のみに塗工した。

基板層12に部分的に架橋性化合物21aを塗工するために、塗工を行う前に基板層12の塗工しない部分にマスキングを施してもよい(図6Aにおいて、マスキング層は不図示。)。マスキングには、例えば、水溶性レジストを用いることができる。基板層12のウェル等が形成された部分を、水溶性レジストで被覆し、架橋性化合物21aを基板層12に塗工する。基板層12からの水溶性レジストの除去は、例えば水を用いて行う。水溶性レジストの除去を促進するために、超音波などの手法を併用してもよい。

マスキングにはまた、金属薄膜を用いてもよい。例えば、アルミニウムなどの金属を、蒸着やスパッタリングによって基板層12に100nm程度の厚みで被覆する。金属薄膜の基板層12からの除去は、例えばアルカリ水溶液を用いて行う。必要に応じて超音波などの手法も併用して、金属薄膜を基板層12から剥離させる。なお、塗工工程S2aにおいて、マスキングを施す部分は、導入部3等の液体が導入される領域には限定されない。例えば、架橋性組成物21aの塗工方法にディピングコートを選択し、架橋性組成物21aをマイクロチップ1bの外面に配される基板層12の一の面に塗工しない場合は、この面をマスキングすればよい。

また、基板層12にマスキングを施さずに、精密スクリーン印刷等によって、部分的に架橋性組成物21aを基板層12に塗工してもよい。

なお、第二実施形態に係るマイクロチップ1bにおいては、第一実施形態に係るマイクロチップ1aと同様に、導入部3等の液体が導入される領域に接合層22aが形成されてもよい。マイクロチップ1bにおいて、試料溶液やマイクロチップ1bを用いた解析などへの影響が生じない限り、架橋性組成物21aの基板層12の溝部分への塗工の有無については、特に限定されない。この点については、第一実施形態に係るマイクロチップ1a及び後述する第三実施形態に係るマイクロチップ1cも同様である。

図6Aにおいては、基板層12を被覆する、有機ケイ素化合物を含む架橋性組成物と、基板層13を被覆する、有機ケイ素化合物を含む架橋性組成物の、何れについても符号21aが付されているが、各基板層12,13を被覆する架橋性組成物の組成は同一である必要はない。例えば、基板層12にPCを用い、基板層13にPMMAを用いた場合は、各々の材料に合わせて、適当な有機ケイ素化合物を含む架橋性組成物21aを選択すればよい。

塗工工程S2aを経た基板層12,13については、第一実施形態と同様に、硬化工程S3によって有機ケイ素化合物を含む架橋性組成物21aを重合させ、接合層22aを形成させる(図6B)。その後、基板層の接合工程S4において、基板層12に設けられた接合層22aと、ポリジメチルシロキサンなどのシリコーン樹脂からなる基板層11の一の面とを活性化処理し(図6C)、基板層11と基板層12とを貼り合わせる(図6D)。基板層13についても、同様に、基板層13に設けられた接合層22aと基板層11のもう一の面について活性化処理を行い(図6E)、基板層11と基板層13とを貼り合わせる(図6F)。

本技術の第二実施形態に係るマイクロチップ1bにおいては、第一実施形態と同様に、基板層11,12,13の各々の接合面で、ケイ素化合物を含む接合層22aを設けることで、基板層11,12,13を強固に結合することができる。さらに、マイクロチップ1bにおいて基板層12及び基板層13に積層された接合層22a,22aは、何れも有機ケイ素化合物を含むため、柔軟で亀裂などを生じにくく、有機鎖を含まない接合層に比べ、より基板層11,12,13から剥離しにくく、マイクロチップ1bの耐久性を向上させる。

5.本技術の第三実施形態に係るマイクロチップの構成 図7は、本技術の第三実施形態に係るマイクロチップ1cの構成を示す断面模式図である。マイクロチップ1cにおいては、基板層11は、基板層12との接合面に溝を有している。また、基板層12,13は、各々基板層11と有機ケイ素化合物からなる接合層を介して接合している。すなわち、マイクロチップ1cは、第一実施形態に係るマイクロチップ1a及び第二実施形態に係るマイクロチップ1bと異なり、基板層11に導入部3等の液体が導入される領域が形成されている。その他の構成については、マイクロチップ1bと同一である。マイクロチップ1bと同一の構成については、同一の符号を付し、説明については省略する。また、マイクロチップ1cを構成する基板層11,12,13の材料は、第一実施形態に係るマイクロチップ1aにおいて同一の符号を付した基板層と同じである。

6.本技術の第三実施形態に係るマイクロチップの製造方法 マイクロチップ1cの製造方法については、第二実施形態に係るマイクロチップ1bの製造工程と同一の製造工程であるため、フローチャートは省略する。マイクロチップ1bの製造工程と一部異なる、基板層の成形工程S1と架橋性組成物の塗工工程S2aについては、図8を参照して説明する。

(1)基板層の成形 基板層の成形工程S1では、ポリジメチルシロキサンなどのシリコーン樹脂からなる基板層11に、導入部3などの領域に相当する溝を成形する。そのため、図8Aに示すように、基板層12及び基板層13には、導入口31は成形されるものの、ウェル51〜55等の凹凸が成形されない。

(2)架橋性組成物の塗工 架橋性組成物の塗工工程S2aでは、基板層12,13の各々一の面に、有機ケイ素化合物を含む架橋性組成物21aを塗工する(図8A)。マイクロチップ1cの製造工程においても、第二実施形態に係るマイクロチップ1bと同様に、基板層12,13を被覆する架橋性組成物21aは何れも、有機ケイ素化合物を含んでいる。有機ケイ素化合物を含む架橋性組成物21aの各基板層12,13への塗工方法は、マイクロチップ1aの製造方法において挙げた手法と同様である。なお、各基板層12,13を被覆する有機ケイ素化合物を含む架橋性組成物21a,21aの組成は、同一である必要はない。

有機ケイ素化合物を含む架橋性組成物21aで被覆された基板層12,13は、マイクロチップ1aの製造工程と同様に、硬化工程S3において有機ケイ素化合物を含む架橋性組成物21a,21aを重合させ、接合層22a,22aを形成させる(図8B)。その後、基板層の接合工程S4において、基板層12に設けられた接合層22aと、基板層11の溝が形成された面とを活性化処理し(図8C)、基板層11と基板層12とを貼り合わせる(図8D)。基板層13についても、同様に、基板層13に設けられた接合層22aと基板層11のもう一の面について活性化処理を行い(図8E)、基板層11と基板層13とを貼り合わせる(図8F)。

本技術の第三実施形態に係るマイクロチップ1cにおいては、第一実施形態及び第二実施形態と同様に、基板層11,12,13の各々の接合面に、ケイ素化合物を含む接合層を設けることによって、基板層11,12,13を強固に結合することができる。また、第二実施形態と同様に、マイクロチップ1cの接合層22a,22aは、何れも有機ケイ素化合物を含むため、柔軟で亀裂などを生じにくい。さらに、マイクロチップ1cの製造工程においては、シリコーン樹脂からなる基板層11に溝が形成されていることにより、接合層22a,22aが積層される基板層12,13の面が平坦である。このため、有機鎖を含んでいることにより蒸着等の手法を選択できない有機ケイ素化合物を含む架橋性組成物21aの、基板層12,13への塗工が容易となる。

なお本技術は、以下のような構成もとることができる。 (1)複数の基板層と、前記基板層の界面に設けられた、ケイ素化合物からなる接合層とからなり、前記接合層のうち少なくとも1つは有機ケイ素化合物からなる、マイクロチップ。 (2)前記複数の基板層は、非シリコーン樹脂からなる基板層と、ポリジメチルシロキサンからなる基板層と、を含み、前記ポリジメチルシロキサンからなる基板層の両面は、第1の非シリコーン樹脂からなる基板層及び第2の非シリコーン樹脂からなる基板層と、前記接合層を介して、接合している、上記(1)記載のマイクロチップ。 (3)前記第1の非シリコーン樹脂からなる基板層は前記ポリジメチルシロキサンからなる基板層との接合面に溝を有し、前記ポリジメチルシロキサンからなる基板層との接合面に溝を有していない前記第2の非シリコーン樹脂からなる基板層と、前記ポリジメチルシロキサンからなる基板層とは、前記有機ケイ素化合物からなる接合層を介して接合している、上記(2)記載のマイクロチップ。 (4)前記ポリジメチルシロキサンからなる基板層と、前記第1の非シリコーン樹脂からなる基板層とは、無機ケイ素化合物からなる接合層を介して接合している、上記(3)記載のマイクロチップ。 (5)前記ポリジメチルシロキサンからなる基板層は前記第1の非シリコーン樹脂からなる基板層との接合面に溝を有し、前記第1の非シリコーン樹脂からなる基板層と前記第2の非シリコーン樹脂からなる基板層とが、各々前記ポリジメチルシロキサンからなる基板層と、前記有機ケイ素化合物からなる接合層を介して接合している、上記(2)記載のマイクロチップ。 (6)前記第1の非シリコーン樹脂からなる基板層及び第2の非シリコーン樹脂からなる基板層は、アクリル樹脂又はポリカーボネートからなる、上記(2)〜(5)の何れかに記載のマイクロチップ。 (7)前記第1の非シリコーン樹脂からなる基板層及び第2の非シリコーン樹脂からなる基板層は、ガス不透過性である、上記(2)〜(6)の何れかに記載のマイクロチップ。 (8)前記ポリジメチルシロキサンからなる基板層は弾性変形による自己封止性を備え、前記溝の内空が大気圧に対して負圧とされている、上記(2)〜(7)の何れかに記載のマイクロチップ。

本技術に係るマイクロチップによれば、マイクロチップ内の微細構造が気密に封止されることにより、貴重な微量試料を確実に分析することができる。また、ガラス製基板層を使用しないことによって、マイクロチップの軽量化も可能である。このため、持ち運びが容易となり、臨床における遺伝子型判定や病原体判定などのため、本技術に係るマイクロチップは用いられ得る。

1a,1b,1c:マイクロチップ、11,12,13:基板層、21a,21b:架橋性組成物、22a,22b:接合層、3:導入部、31:導入口、41,42,43,44,45:流路、51,52,53,54,55:ウェル

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