有機エアロゲルを有する真空断熱ボード

申请号 JP2016551322 申请日 2014-02-12 公开(公告)号 JP6329632B2 公开(公告)日 2018-05-23
申请人 ユッチンソン; 发明人 ナディーヌ プーパ パルシヌー; バンジャンマン スウォボダ; セドリック ユイレ; クリストフ ドミニアク;
摘要
权利要求

− 内部圧が大気圧より低い、密閉されている外被材(3)と、 − 前記外被材(3)の内部に配置されている、有機エアロゲルから成るコア材(5)とを 備えている真空断熱ボード(1)であって、 前記有機エアロゲルは、少なくとも部分的に、ポリヒドロキシベンゼンRおよびホルムアルデヒドFから成る樹脂系の部材であり、 前記有機エアロゲルは、少なくとも1種類の溶性の陽イオン高分子電解質Pを含んでいるモノリシック有機ポリマーゲルであるか、または、 少なくとも1種類の水溶性の陽イオン高分子電解質Pの熱分解生成物を含んでいる、多孔質炭素モノリスの形態の、モノリシック有機ポリマーゲルの熱分解生成物であり、 前記有機エアロゲルは、大気圧において10〜40mW・m−1・K−1の範囲の熱伝導率を有していることを特徴とする真空断熱ボード(1)。前記少なくとも1種類の水溶性の陽イオン高分子電解質Pは、第4級アンモニウム塩、ポリ(ビニルピリジニウムクロリド)、ポリエチレンイミン、ポリビニルピリジン、ポリ(塩酸アリルアミン)、ポリ(トリメチルアンモニオエチルメタクリレートクロリド)、アクリルアミドジメチルアンモニウムクロリド共重合体、およびそれらの混合物から成るグループから選択される有機ポリマーであることを特徴とする、請求項1に記載の真空断熱ボード(1)。前記少なくとも1種類の水溶性の陽イオン高分子電解質Pは、ポリ(ジアリルジメチルアンモニウムハライド)から選択される、第4級アンモニウムから誘導されるユニットを含んでいる塩であることを特徴とする、請求項2に記載の真空断熱ボード(1)。前記有機エアロゲルは、前記少なくとも1種類の水溶性の陽イオン高分子電解質Pが溶解しており、かつ触媒が存在している水性溶媒W中での、前記ポリヒドロキシベンゼンRと前記ホルムアルデヒトFとの重合反応の生成物を含んでいることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1つに記載の真空断熱ボード(1)。前記重合反応の生成物は、前記少なくとも1種類の水溶性の陽イオン高分子電解質Pを、0.2〜2%の範囲の質量分率で含んでいることを特徴とする、請求項4に記載の真空断熱ボード(1)。前記重合反応の生成物は、前記少なくとも1種類の水溶性の陽イオン高分子電解質Pを、2〜10%の範囲の、前記ポリヒドロキシベンゼンRおよび前記ホルムアルデヒドFに対する重量比P/(R+F)で含んでいることを特徴とする、請求項4または5に記載の真空断熱ボード(1)。前記重合反応の生成物は、前記少なくとも1種類の水溶性の陽イオン高分子電解質Pを、0.3〜2%の範囲の、前記ポリヒドロキシベンゼンR、前記ホルムアルデヒドFおよび前記水性溶媒Wに対する重量比P/(R+F+W)で含んでいることを特徴とする、請求項4〜6のいずれか1つに記載の真空断熱ボード(1)。前記有機エアロゲルは、 − 400〜1200m2/gの範囲の比表面積、および/または − 0.1〜3cm3/gの範囲の細孔容積、および/または − 3〜30nmの範囲の平均細孔径、および/または − 0.01〜0.4の範囲の密度を有していることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1つに記載の真空断熱ボード(1)。前記外被材(3)の内部圧力は、0.1〜500hPaの範囲にあることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1つに記載の真空断熱ボード(1)。前記外被材(3)は、20〜500μmの範囲の厚さのフィルムからなることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1つに記載の真空断熱ボード(1)。前記外被材(3)は、アルミニウムから成る少なくとも1つの層を備えていることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか1つに記載の真空断熱ボード(1)。前記外被材(3)は、ポリマーから成る少なくとも1つの層を備えていることを特徴とする、請求項1〜11のいずれか1つに記載の真空断熱ボード(1)。ポリマーから成る前記少なくとも1つの層の各々は、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、シリコーン、ポリウレタン、エチレンビニルアルコール共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミドのうちのいずれか1つのポリマーから成ることを特徴とする、請求項12に記載の真空断熱ボード(1)。前記外被材(3)は、その内側面に、ポリマー物質から成る少なくとも1つの層を有する多層のフィルムからなることを特徴とする、請求項1〜13のいずれか1つに記載の真空断熱ボード(1)。前記外被材(3)を形成している多層のフィルムは、 − ポリエチレン/ポリアクリル酸系ポリマー/アルミニウム/ポリエチレンテレフタレート、または − ポリエチレン/アルミニウム/ポリエチレンテレフタレート、または − ポリエチレン/アルミニウム/ポリエチレン/アルミニウム/ポリエチレンで 構成される多層を有していることを特徴とする、請求項14に記載の真空断熱ボード(1)。真空断熱ボード(1)の製造プロセスであって、 − コア材(5)として有機エアロゲルを調製するステップであり、 ・ 少なくとも1種類の水溶性の陽イオン高分子電解質Pが溶解しており、かつ触媒が存在している水性溶媒W中で、ポリヒドロキシベンゼンRとホルムアルデヒドFとを重合させるサブステップa)と、 ・ 前記サブステップa)において得られた溶液をゲル化させるサブステップb)と、 ・ モノリシック有機ポリマーゲルを得るために、前記サブステップb)において得られたゲルを乾燥させるサブステップc)とを有するステップと、 − 前記有機エアロゲルを、外被材(3)内に配置するステップと、 − 前記外被材(3)の内部圧力を低下させて、前記外被材(3)を密閉するステップとを含むことを特徴とする製造プロセス。有機エアロゲルを調製する前記ステップは、多孔質炭素を得るために、前記サブステップc)において得られた、乾燥したゲルを熱分解させるサブステップを、さらに有していることを特徴とする、請求項16に記載の製造プロセス。前記サブステップa)は、前記少なくとも1種類の水溶性の陽イオン高分子電解質Pを、 − 0.2〜2%の範囲の、全組成中の質量分率で、および/または − 2〜10%の範囲の、前記ポリヒドロキシベンゼンRおよび前記ホルムアルデヒドFに対する重量比P/(R+F)で、および/または − 0.3〜2%の範囲の、前記ポリヒドロキシベンゼンR、前記ホルムアルデヒドFおよび前記水性溶媒Wに対する重量比P/(R+F+W)で 用いて行われることを特徴とする、請求項16または17に記載の製造プロセス。− 前記サブステップa)は、室温において、前記ポリヒドロキシベンゼンRおよび前記少なくとも1種類の水溶性の陽イオン高分子電解質Pを、前記水性溶媒W中に溶解させ、次いで、得られた溶液に、前記ホルムアルデヒドF、および酸性触媒または塩基性触媒である前記触媒を加えることによって遂行され、 − 前記サブステップb)は、炉中で、前記サブステップa)において得られた溶液を焼成することによって遂行されることを 特徴とする、請求項16〜18のいずれか1つに記載の製造プロセス。前記サブステップc)は、 − 400〜1200m2/gの範囲の比表面積、および/または − 0.1〜3cm3/gの範囲の細孔容積、および/または − 3〜30nmの範囲の平均細孔径、および/または − 0.01〜0.4の範囲の密度を 有する前記モノリシック有機ポリマーゲルを得るために、例えば炉中、空気雰囲気での乾燥によって遂行されることを特徴とする、請求項16〜19のいずれか1つに記載の製造プロセス。外被材(3)を密閉する前記ステップは、ヒートシール法によって遂行されることを特徴とする、請求項16〜20のいずれか1つに記載の製造プロセス。

说明书全文

本発明は、断熱材の分野、より詳細には有機エアロゲルから成るコア材を有する、低熱伝導性の真空断熱ボードに関する。

断熱材の分野において、例えば建築の分野において、家を断熱するために真空断熱ボードを用いることは公知である。一般に、この真空断熱ボードは、内部を真空引きし、その内部にコア材を挿入して、密閉された外被材を備えている。

真空断熱ボードに用いられるコア材は、例えばグラスウールなどの低熱伝導性断熱材、あるいはシリカゲルなどの細孔性断熱材である。さらに、真空断熱ボード内を真空引きして、コア材の細孔中に存在する空気を希薄にすることによって、真空断熱ボードの熱伝導性を大幅に低下させることができる。

しかし、このような断熱材を用いる限り、1〜20mW・m−1・K−1の範囲の熱伝導率値を得るためには、外被材の内部圧を極めて低くする必要がある。外被材の内部をこのような低圧レベルにすると、外被材の表面に強い応力が加わり、その結果、外被材の内部圧力は、微小な漏れによって再び上昇し、真空断熱ボードの熱伝導性は高くなることがある。したがって、この方法は、長期にわたって有効な解決策にはならない。

特許文献1に開示されているように、この技術的問題に対する公知の一解決策として、コア材として、モノリシックなエアロゲル型のナノ多孔性の断熱材を用いることがある。この特許文献1に開示されている断熱ボードは、およそ0.4〜10hPa(0.4〜10mbar)の範囲の外被材内圧力に対して、5〜10mW・m−1・K−1の範囲の熱伝導率値を有している。

国際公開第WO07/001354号公報

しかしながら、従来技術において用いられている、上述のようなエアロゲルは、長時間を要し、かつ費用のかかる、超臨界二酸化炭素を用いた乾燥工程を必要とするため、生産コストが高く、かつ製造が困難なものである。

したがって、本発明は、従来技術の欠点を少なくとも部分的に克服し、原価が安く、熱伝導率が1〜20mW・m−1・K−1の範囲にある、エアロゲルから成るコア材を備える真空断熱ボードを提供することを1つの目的としている。

この目的を達成するために、本発明は、次のものを備えている真空断熱ボードを提供するものである。 − 内部圧力が大気圧より低い、密閉されている外被材と、 − 外被材の内部に配置されている、有機エアロゲルから成るコア材。 有機エアロゲルは、少なくとも部分的に、ポリヒドロキシベンゼンRおよびホルムアルデヒドFから誘導される樹脂をベースにしており、 有機エアロゲルは、少なくとも1種類の溶性の陽イオン高分子電解質Pを含んでいるモノリシック有機ポリマーゲルであるか、または、 少なくとも1種類の水溶性の陽イオン高分子電解質Pの熱分解生成物を含んでいる、多孔質炭素モノリスの形態の、モノリシック有機ポリマーゲルの熱分解生成物であり、 有機エアロゲルは、大気圧において10〜40mW・m−1・K−1の範囲の熱伝導率を有している。

本発明の一態様によれば、少なくとも1種類の水溶性の陽イオン高分子電解質Pは、第4級アンモニウム塩、ポリ(ビニルピリジニウムクロリド)、ポリエチレンイミン、ポリビニルピリジン、ポリ(塩酸アリルアミン)、ポリ(トリメチルアンモニオエチルメタクリレートクロリド)、アクリルアミドジメチルアンモニウムクロリド共重合体、およびそれらの混合物から成るグループから選択された有機ポリマーである。

本発明の別の一態様によれば、少なくとも1種類の水溶性の陽イオン高分子電解質Pは、ポリ(ジアリルジメチルアンモニウムハライド)から選択された、第4級アンモニウムから誘導されるユニットを含んでいる塩であり、好ましくはポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロリド)またはポリ(ジアリルジメチルアンモニウムブロミド)である。

本発明の別の一態様によれば、有機エアロゲルは、少なくとも1種類の水溶性の陽イオン高分子電解質Pが溶解しており、かつ触媒が存在している水性溶媒W中での、ポリヒドロキシベンゼンRとホルムアルデヒトFとの重合反応の生成物を含んでいる。

本発明の別の一態様によれば、重合反応の生成物は、少なくとも1種類の水溶性の陽イオン高分子電解質Pを、0.2〜2%の範囲の質量分率で含んでいる。

本発明の別の一態様によれば、重合反応の生成物は、少なくとも1種類の水溶性の陽イオン高分子電解質Pを、2〜10%の範囲である、ポリヒドロキシベンゼンRおよびホルムアルデヒドFに対する重量比P/(R+F)で含んでいる。

本発明の別の一態様によれば、重合反応の生成物は、少なくとも1種類の水溶性の陽イオン高分子電解質Pを、0.3〜2%の範囲である、ポリヒドロキシベンゼンR、ホルムアルデヒドFおよび水性溶媒Wに対する重量比P/(R+F+W)で含んでいる。

本発明の別の一態様によれば、有機エアロゲルは、次の特性を有している。 − 400〜1200m2/gの範囲の比表面積、および/または − 0.1〜3cm3/gの範囲の細孔容積、および/または − 3〜30nmの範囲の平均細孔径、および/または − 0.01〜0.4の範囲の密度

本発明の別の一態様によれば、外被材の内部圧力は、0.1〜500hPaの範囲にある。

本発明の別の一態様によれば、外被材は、20〜500μmの範囲の厚さのフィルムからなっている。

本発明の別の一態様によれば、外被材は、アルミニウムから成る少なくとも1つの層を備えている。

本発明の別の一態様によれば、外被材は、ポリマーから成る少なくとも1つの層を備えている。

本発明の別の一態様によれば、ポリマーから成る少なくとも1つの層の各々は、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、シリコーン、ポリウレタン、エチレンビニルアルコール共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミドのうちのいずれか1つのポリマーからなっている。

本発明の別の一態様によれば、外被材は、その内側面に、ポリマー物質から成る少なくとも1つの層を有する多層のフィルムからなっている。

本発明の別の一態様によれば、外被材を形成している多層のフィルムは、次のものからなる多層である。 − ポリエチレン/ポリアクリル酸系ポリマー/アルミニウム/ポリエチレンテレフタレート、または − ポリエチレン/アルミニウム/ポリエチレンテレフタレート、または − ポリエチレン/アルミニウム/ポリエチレン/アルミニウム/ポリエチレン。

本発明は、さらに、次のステップを含む、真空断熱ボードの製造方法を提供するものである。 − コア材として有機エアロゲルを調製するステップであって、 ・ 少なくとも1種類の水溶性の陽イオン高分子電解質Pが溶解しており、かつ触媒が存在している水性溶媒W中で、ポリヒドロキシベンゼンRとホルムアルデヒドFとを重合させるサブステップa)と、 ・ サブステップa)において得られた溶液をゲル化させるサブステップb)と、 ・ モノリシック有機ポリマーゲルを得るために、サブステップb)において得られたゲルを乾燥させるサブステップc)とを有するステップと、 − 有機エアロゲルを、外被材内に配置するステップと、 − 外被材の内部圧力を低下させて、外被材を密閉するステップ。

本発明による製造プロセスの一態様によれば、有機エアロゲルを調製するステップは、多孔質炭素を得るために、サブステップc)において得られた、乾燥したゲルを熱分解させるサブステップを、さらに有している。

本発明による製造プロセスの別の一態様によれば、サブステップa)は、少なくとも1種類の水溶性の陽イオン高分子電解質Pを、次の割合で用いて行われる。 − 0.2〜2%の範囲の、全組成中の質量分率、および/または − 2〜10%の範囲の、ポリヒドロキシベンゼンRおよびホルムアルデヒドFに対する重量比P/(R+F)、および/または − 0.3〜2%の範囲の、ポリヒドロキシベンゼンR、ホルムアルデヒドFおよび水性溶媒Wに対する重量比P/(R+F+W)。

本発明による製造プロセスの別の一態様によれば、 − サブステップa)は、室温において、ポリヒドロキシベンゼンRおよび少なくとも1種類の水溶性の陽イオン高分子電解質Pを、好ましくは水である水性溶媒W中に溶解させ、次いで、得られた溶液に、ホルムアルデヒドF、および酸性触媒または塩基性触媒を加えることによって遂行され、 − サブステップb)は、炉中で、サブステップa)において得られた溶液を焼成することによって遂行される。

本発明による製造プロセスの別の一態様によれば、サブステップc)は、次の特性を有するモノリシック有機ポリマーゲルを得るために、例えば炉中における空気雰囲気での乾燥によって遂行される。 − 400〜1200m2/gの範囲の比表面積、および/または − 0.1〜3cm3/gの範囲の細孔容積、および/または − 3〜30nmの範囲の平均細孔径、および/または − 0.01〜0.4の範囲の密度。

本発明による製造プロセスの一態様によれば、外被材の密閉は、ヒートシール法によって遂行される。

本発明による真空断熱ボードの概要的な斜視図である。

図1の真空断熱ボードの概要的な断面図である。

圧力の関数として、空気および本発明による有機エアロゲルの熱伝導率の変化を示グラフである。

圧力の関数として、相異なる平均細孔径を有する2つの多孔質材料における熱伝導率の変化を示すグラフである。

添付図面を参照しながら、例示的で非限定的な例として示す以下の説明を読むことによって、本発明の他の特徴および利点が、より明確になると思う。

全図面を通じて、同様の部分には、同一の符号を付してある。

真空断熱ボード1の概要的な斜視図である図1、および図1の真空断熱ボード1の概要的な断面図である図2に示されているように、真空断熱ボード1は、大気圧より低い内部圧力を有し、かつ密閉されている外被材3を備えている。有機エアロゲル材料から成る断熱性のコア材5が、外被材3内に配置されている。

この有機エアロゲルは、具体的には、モノリシック有機ポリマーゲル、または高断熱性の(すなわち、40mW・m−1・K−1以下の熱伝導率を有する)多孔質炭素モノリスの形態の有機ポリマーゲルの熱分解生成物である場合がある。

真空断熱ボード1は、一般に、使用形態(例えば海洋分野や建築分野における断熱への応用)に応じて変更することができる寸法および厚さを有するパネルの形態を呈している。この寸法は、例えば2〜30mmの範囲の厚さに対して、300×300mmである場合がある。

驚くべきことに、水相において、ポリヒドロキシベンゼン型およびホルムアルデヒド型の樹脂の前駆体に、水溶性の陽イオン高分子電解質を構成する特定の一群の添加物を加えることによって、溶媒交換および超臨界流体を用いる乾燥を不要にし、しかも高い比表面積、非常に低い密度、および大きな細孔容積を同時に呈するモノリシック有機ポリマーゲル、またはその熱分解生成物を得ることができるという、本出願人によって見出された事実に基づいて、上述の有機エアロゲルが得られた。

したがって、この有機エアロゲルは、少なくとも部分的に、ポリヒドロキシベンゼンRとホルムアルデヒドFとから誘導される樹脂をベースとしており、少なくとも1種類の水溶性の陽イオン高分子電解質Pを含んでいる。

陽イオン高分子電解質を組み込んでなるこの有機エアロゲルは、超臨界二酸化炭素を用いる乾燥法に比して、はるかに実行しやすく、かつはるかに少ないゲル製造コストで足りる炉乾燥法を用いて生成できることが、大きな利点であることに留意されたい。これは、本出願人が、この添加物を加えることによって、炉乾燥後に、得られたゲルに高空隙率を維持し、また高い比表面積および大きな細孔容積とともに、非常に低い密度とすることができることを見出したためである。

用語「ゲル」は、よく知られているように、自然に、または触媒の作用下において、コロイド溶液の凝集および凝固によって形成される、コロイド物質と液体との混合物を意味していると理解されたい。

用語「水溶性の高分子」は、水と混合されたときに分散系を構成することができる水分散性高分子とは異なり、添加物(特に界面活性剤)を加えることなしに、水中で溶解することができる高分子を意味していると理解されたい。

有機エアロゲルは、さらに、少なくとも1種類の陽イオン高分子電解質が溶解しており、かつ酸性触媒または塩基性触媒が存在している水性溶媒W中での、ポリヒドロキシベンゼンRとホルムアルデヒトFとの重合反応の生成物を含んでいる場合がある。

重合反応の生成物は、少なくとも1種類の陽イオン高分子電解質Pを、次の割合で含んでいることが好ましい。 − 質量分率が非常に小さく、0.2〜2%の範囲、好ましくは0.3〜1%の範囲にある、および/または − ポリヒドロキシベンゼンRおよびホルムアルデヒドFに対する重量比P/(R+F)が、2〜10%の範囲、好ましくは3〜7%の範囲にある、および/または − ポリヒドロキシベンゼンR、ホルムアルデヒドFおよび水性溶媒Wに対する重量比P/(R+F+W)が、0.3〜2%の範囲、好ましくは0.4〜1.5%の範囲にある。

このような少なくとも1種類の陽イオン高分子電解質は、完全に水溶性であり、イオン強度の低い、いかなる陽イオン高分子電解質でもあり得る。

このような少なくとも1種類の陽イオン高分子電解質は、第4級アンモニウム塩、ポリ(ビニルピリジニウムクロリド)、ポリエチレンイミン、ポリビニルピリジン、ポリ(塩酸アリルアミン)、ポリ(トリメチルアンモニオエチルメタクリレートクロリド)、アクリルアミドジメチルアンモニウムクロリド共重合体、およびそれらの混合物から成るグループから選択される有機ポリマーであることが好ましい。

このような少なくとも1種類の水溶性の陽イオン高分子電解質は、ポリ(ジアリルジメチルアンモニウムハライド)から選択される、第4級アンモニウムから誘導されるユニットを含む塩であることがさらに好ましく、ポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロリド)またはポリ(ジアリルジメチルアンモニウムブロミド)であることが好ましい。

本発明において用いることができる、上述の樹脂の前駆体のポリマーとして、特に、ポリヒドロキシベンゼン型の少なくとも1種類のモノマーと、少なくとも1種類のホルムアルデヒドモノマーとの重縮合によって得られるポリマーを挙げることができる。この重合反応には、3種類以上の相異なるモノマーが含まれる場合があり、追加のモノマーは、ポリヒドロキシベンゼン型である場合も、そうでない場合もある。ポリヒドロキシベンゼンには、ジヒドロキシベンゼンまたはトリヒドロキシベンゼンを好適に用いることができ、レゾルシノール(1,3−ジヒドロキシベンゼン)、またはレゾルシノールと、カテコール(1,2−ジヒドロキシベンゼン)、ヒドロキノン(1,4−ジヒドロキシベンゼン)、フロログルシノール(1,3,5−トリヒドロキシベンゼン)から選択される別の1つの化合物との混合物であることが好ましい。

ポリヒドロキシベンゼンRとホルムアルデヒドFとは、例えばそれらのモル比R/Fが、0.2〜1の範囲で用いられる場合がある。

このような有機エアロゲルは、400〜1200m2/gの範囲の比表面積、および/または0.1〜3cm3/gの範囲の細孔容積、および/または3〜30nmの範囲の平均細孔径、および/または0.01〜0.4の範囲の密度を呈することができるという利点である。

このような有機エアロゲルは、大気圧において10〜40mW・m−1・K−1の範囲、例えば12〜35mW・m−1・K−1の範囲の熱伝導率を呈することができることが利点である。

一方、外被材3は、20〜500μmの範囲の厚さ、好ましくはほぼ100μmの厚さの単層または多層のフィルムで形成されている。厚さをこのように薄くすることによって、外被材3を加えることによる、真空断熱ボード1の熱伝導率の上昇を抑えることができる。

外被材3のフィルムは、外被材3に低透水性を付与するためのアルミニウム、または例えば高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、シリコーン、ポリウレタン、エチレンビニルアルコール共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミドから選択されるポリマーから成る少なくとも1つの層を有していることが好ましい。水は良好な熱伝導体である。したがって、水分が外被材3内に浸入すると、その水分によって、外被材3の熱伝導性が上昇し、外被材3の断熱性能が低下する。アルミニウムまたはポリマーから成る、この少なくとも1つの層は、さらに、外被材3に低透気性を付与する。したがって、真空断熱ボード1の断熱性能は、長期間にわたって、より良好に保たれる。低透気性のために、外被材3の内部が低圧に維持され、したがって、コア材5の低熱伝導性が維持され、それによって、真空断熱ボード1の断熱性能が、長期間にわたって、より良好に保たれることとなる。

アルミニウムが、237W・m−1・K−1という高い熱伝導率を有しているから、外被材3の熱伝導性が増すことを防ぐために、アルミニウムまたはポリマーから成るこの層は、可能な限り薄くあるべきである。

外被材3は、さらに、その内面に、ポリマー材料から成る少なくとも1つの層を有する、多層のフィルムで形成されている場合がある。ポリマー材料から成る少なくとも1つのこの層の存在によって、外被材3を、ヒートシール法で密閉することができる。

外被材3は、具体的には、2つに折り畳まれた単層または多層のフィルムから成っており、密閉された外被材3が形成されるように、3つの側部を、内部に配置されているコア材5を囲んで、例えばヒートシール法によって閉じられている場合がある。

外被材3を形成している多層のフィルムは、例えば、次の層を含んでいる場合がある。 − ポリエチレン/ポリアクリル酸系ポリマー/アルミニウム/ポリエチレンテレフタレート、または − ポリエチレン/アルミニウム/ポリエチレンテレフタレート、または − ポリエチレン/アルミニウム/ポリエチレン/アルミニウム/ポリエチレン。

図3は、圧力の関数として、空気、および上述の有機エアロゲルの熱伝導率の変化を示すグラフである。空気の場合にも、有機エアロゲルの場合にも、圧力が低下するほど、熱伝導率も低下することがわかる。しかしながら、図3から見てとれるように、有機エアロゲルの熱伝導率は、圧力の低下につれて、空気だけの熱伝導率に比して、より急激に低下することに注意されたい。

したがって、真空断熱ボード1において、有機エアロゲルから成るコア材5が、0.1〜10hPa(0.1〜10mbar)の範囲の内部圧力を有する、密閉された外被材3内に配置されていることが好ましい。この圧力範囲においては、真空断熱ボード1の熱伝導率は、1〜20mW・m−1・K−1の範囲になる。

一方、図4は、相異なる平均細孔径を有する2つの多孔質材料における熱伝導率の変化を、圧力の関数として示しているグラフである。指数関数的形状の曲線Aは、100nm未満の平均細孔径を有する材料、すなわち上述の有機エアロゲルに対応する、圧力の関数としての熱伝導率の変化である。S字形状の曲線Bは、10μmの平均細孔径を有する材料、例えば従来技術において一般的に用いられている細孔性シリカゲルに対応する、圧力の関数としての熱伝導率の変化である。

したがって、0.1〜500hPa(0.1〜500mbar)の圧力範囲において、有機エアロゲルの熱伝導率は、細孔性シリカゲルの熱伝導率より低いことがわかる。有機エアロゲルの熱伝導率が、細孔性シリカゲルの熱伝導率と同等になるためには、圧力を、さらに低下させる必要がある。

したがって、有機エアロゲルから成るコア材5を備えている真空断熱ボード1は、細孔性シリカゲルから成るコア材5を備えている真空断熱ボードに比して、優れた耐久性を有しており、長期にわたって、その断熱性能を維持することができる。それは、外被材3内の圧力は、時間の経過とともに、外被材3を構成している材料の、たとえ最小限であっても存在する透気性〔3×10−4(kg/m2)/dの程度の〕および微小漏洩によって、わずかずつでも上昇するからである。コア材5が細孔性シリカゲルから成る場合には、圧力が、たとえ最小限であっても上昇すると、真空断熱ボード1の熱伝導率は、相対的により急激に増加する。コア材5が有機エアロゲルから成る場合には、熱伝導率の有意な増加のために、外被材3内の圧力の、相対的により大きな上昇が必要になる。

本発明は、さらに、以下のステップを含んでいる、真空断熱ボード1の製造プロセスにも関する。 A) コア材5として有機エアロゲルを調製する調製ステップ

この調製ステップは、次のサブステップを含んでいる。 − ポリヒドロキシベンゼンRとホルムアルデヒドFとから誘導される樹脂をベースとする溶液を得るために、少なくとも1種類の陽イオン高分子電解質Pが溶解しており、かつ触媒が存在している水性溶媒W中で、ポリヒドロキシベンゼンRとホルムアルデヒドFとを重合させるサブステップa)と、 − 樹脂のゲルを得るために、サブステップa)において得られた溶液をゲル化させるサブステップb)と、 − モノリシック有機ポリマーゲルを得るために、サブステップb)において得られたゲルを乾燥させるサブステップc)。

したがって、モノリシック有機ポリマーゲルの形態のエアロゲルが得られる。

有機エアロゲルの調製ステップは、さらに、多孔質炭素モノリスを得るために、サブステップc)において得られた、乾燥したゲルを熱分解させるサブステップd)を含んでいる場合がある。

サブステップa)の遂行に用いられる少なくとも1種類の陽イオン高分子電解質Pは、上述のように、0.2〜2%の範囲の、全組成中の質量分率、および/または2〜10%の範囲の重量比P/(R+F)、および/または0.3〜2%の範囲の重量比P/(R+F+W)であることが好ましい。

さらに、ステップa)およびb)は、より詳細には、次のようであることが好ましい。 — ステップa)は、室温において、ポリヒドロキシベンゼンRおよび少なくとも1種類の陽イオン高分子電解質Pを水性溶媒W(好ましくは水である)中に溶解させ、次いで、得られた溶液に、ホルムアルデヒドFおよび酸性触媒または塩基性触媒を加えることによって遂行され、その後、 − サブステップb)は、炉中で、得られた溶液を焼成することによって遂行される。

サブステップa)において用いることができる触媒として、例えば塩酸、硫酸硝酸、酢酸、リン酸、トリフルオロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸、過塩素酸、シュウ酸、トルエンスルホン酸、ジクロロ酢酸、またはギ酸の水溶液などの酸性触媒、または炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸アンモニウム、炭酸リチウム、アンモニア水、水酸化カリウム、または水酸化ナトリウムなどの塩基性触媒を挙げることができる。

サブステップa)において、水に対するポリヒドロキシベンゼンの重量比R/Wとして、例えば0.001〜0.3の範囲を用いることができる。

(合成条件、特にpHに応じて)400〜1200m2/gの範囲の比表面積、および/または0.1〜3cm3/gの範囲の細孔容積、および/または3〜30nmの範囲の平均細孔径、および/または0.01〜0.4の範囲の密度を呈するモノリシック有機ポリマーゲルを得るために、溶媒交換や超臨界流体による乾燥を用いずに、例えば乾燥器内、空気雰囲気での乾燥によって、サブステップc)を遂行することが好ましい。

したがって、本発明によるこの水相調製プロセスは、合成条件に応じて変更可能である、制御された多孔質構造を得ることを可能にすることに注意されたい。例えば、ナノ孔(すなわち、50nm未満の細孔径を有する)のみから成る低密度の構造を得ることも、ナノ孔とマクロ孔(すなわち、50nmを超過する細孔径を有する)とが共存する構造を得ることも可能である。

非限定的に示す、本発明のいくつかの実施例に関する次の説明を読むことによって、本発明の上記以外の特徴、利点、および詳細が明確になると思う。 本発明による有機エアロゲルの調製例

以下の例においては、2種類の「対照」用のモノリシック有機ゲルG0およびG0’、本発明による5種類のモノリシック有機ゲルG1〜G5、およびそれらに対応する多孔質炭素モノリスとして、2種類の「対照」用の多孔質炭素モノリスC0およびC0’、本発明による5種類の多孔質炭素モノリスC1〜C5の調製について説明する。これらのモノリシック有機ゲルを得るための化学反応に用いた試薬は、次のとおりである。 − レゾルシノール(R)、純度98%(アクロスオーガニクス製)、 − ホルムアルデヒド(F)、純度37%(アクロスオーガニクス製)、 − 触媒(C)としての塩酸(モノリシック有機ゲルG1〜G4の調製の場合)および炭酸ナトリウム(モノリシック有機ゲルG5の調製の場合)、および − 陽イオン高分子電解質(P)としてのポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロリド)、純度35%(水(W)溶液の形態の)(モノリシック有機ゲルG1〜G5の調製の場合)。

これらのモノリシック有機ゲルG0、G0’、およびG1〜G5は、次のようにして調製された。

第1段階において、レゾルシノールRが、またモノリシック有機ゲルG0、G0’の調製の場合を除いて、陽イオン高分子電解質Pも、容器内の水に溶解させられた。次に、完全な溶解の後に、ホルムアルデヒドFが加えられた。得られたポリマー溶液は、触媒Cで適切なpHに調整された。より正確には、これらの処理は全て、室温(およそ22℃)において行われた。第2段階において、得られた溶液が、テフロン(登録商標)製の型内に入れられた後、ゲル化のために、90℃の炉内に24時間放置された。

次いで、得られたゲルは、次の乾燥処理を受けた。 − モノリシック有機ゲルG0’、G2、G4およびG5を得る場合には、温度85℃、含水率90%の湿度室内で17時間の乾燥、また − モノリシック有機ゲルG0、G1およびG3を得る場合には、溶媒交換(トリフルオロ酢酸槽中に3日間、その後、無水エタノール槽中に4日間)の後に、超臨界二酸化炭素を用いた乾燥。

最後に、多孔質炭素モノリスC0、C0’、およびC1〜C5を得るために、モノリシック有機ゲルG0、G0’、およびG1〜G5が、温度800℃、窒素雰囲気中で熱分解させられた。

下の表1に記されている符号の定義は、次のとおりである。 − R/Fは、ホルムアルデヒドに対するレゾルシノールのモル比であり、 − R/Wは、水に対するレゾルシノールのモル比であり、 − Pは、陽イオン高分子電解質の質量分率であり、 − P/(R+F)は、レゾルシノール−ホルムアルデヒド前駆体に対する陽イオン高分子電解質の重量比であり、 − P/(R+F+W)は、レゾルシノール−ホルムアルデヒド前駆体および水に対する陽イオン高分子電解質の重量比であり、 − CO2scは、本発明において採用されている炉乾燥と対照的に、超臨界二酸化炭素を用いる乾燥を意味している。

モノリシック有機ゲルG0、G2およびG4の熱伝導率(表2を参照)、および多孔質炭素モノリスC0、C2およびC4の熱伝導率(表3を参照)が、熱伝導率計NeoTimを用いて、熱線法によって22℃において測定され、モノリシック有機ゲルG4、および対応する多孔質炭素モノリスC4の三軸圧縮および三軸引張に関する機械的特性が、「対照」用のシリカエアロゲルG0’’の機械的特性とともに、MTS引張/圧縮試験機を用いて、ASTM C165−07規格に従って測定された(表4を参照)。

多孔質炭素モノリスC0、C0’、およびC1〜C5の各々に対して、比表面積、細孔容積および平均細孔径が、マイクロメリティックス製のTrister3020を用いて測定された(表2)。

「対照」用の多孔質炭素モノリスC0、C0’を、本発明による多孔質炭素モノリスC1〜C5と比較すると、陽イオン高分子電解質Pを加えることによって、炉乾燥を用いても、ナノメートル構造を維持して、低密度を実現でき(表3から、多孔質炭素モノリスC2、C4およびC5の比表面積、細孔容積および平均細孔径の値は、「対照」用の多孔質炭素モノリスC0の値と同程度であることがわかる)、一方、陽イオン高分子電解質Pを加えない場合には、超臨界二酸化炭素による乾燥を用いることなしに、「対照」用の多孔質炭素モノリスC0のナノメートル構造を得ることはできないことは明白である。

上述の条件において、本発明によるモノリシック有機ゲルG1〜G5、およびナノメートル構造の多孔質炭素モノリスC1〜C5の密度は、全て0.4以下である。

これらの結果は、さらに、pHを1に調節することによって、極めて低い密度(0.06以下の)のモノリシックな物質を得ることができることを示している(本発明によるモノリシック有機ゲルG3およびG4、および多孔質炭素モノリスC3およびC4を参照)。

最後に、本発明によるモノリシック有機ゲルG5および対応する多孔質炭素モノリスC5の結果は、酸性度の低い媒質中、さらにはわずかに塩基性の媒質中でも(pH>6)、合成を行うことができることを示している。

* M.A. Aegerter、外「Aerogel Handbook(エアロゲルハンドブック)」Advances in Sol-Gel Derived Materials and Technologies、第22章による

表4は、本発明によるモノリシック有機ゲルおよび多孔質炭素モノリスが、公知のシリカエアロゲルの機械的特性に比して、著しく改善された機械的特性を有することを示している。 B) 真空断熱ボード1の形成ステップ

真空断熱ボード1のこの形成ステップは、具体的には、外被材3内に有機エアロゲルを配置することによって行われる。多層膜から成るフィルムを2つに折り畳むことによって、外被材3を形成することが可能である。2つの側部が、例えばヒートシール法によってくっつけ合わされる。開けられたままの1つの側部から、有機エアロゲルを入れることができる。

次に、外被材3内の圧力が、例えば真空ポンプを用いて下げられ、次いで、外被材3の開けられている側部が、例えばヒートシール法によって閉じられる。ヒートシール法による密閉は、ほぼ180℃の温度までの耐熱性を有している。外被材3の、閉じられる側部が、金属製のフィルムから成る場合には、当業者に公知の別の手段によって、例えばろう付けなどによって、または接着、赤外線溶着、超音波溶接などによって、外被材3を密閉することもできる。

したがって、本発明による真空断熱ボード1は、特定の有機エアロゲルから成るコア材5が組み込まれているために、断熱特性の長期にわたる極めて良好な耐久性を備えることができ、また、この特定の有機エアロゲルは、超臨界流体を用いる乾燥処理を要しないから、生産コストが適切なものになることは明白である。

1 真空断熱ボード 3 外被材 5 コア材

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