複合材要素、及びその使用

申请号 JP2016528401 申请日 2014-07-11 公开(公告)号 JP2016531067A 公开(公告)日 2016-10-06
申请人 ショット アクチエンゲゼルシャフトSchott AG; ショット アクチエンゲゼルシャフトSchott AG; 发明人 マイス イェンス; マイス イェンス; オッターマン クレメンス; オッターマン クレメンス; エーゼマン ハウケ; エーゼマン ハウケ; ヒンリヒ フェヒナー イェアク; ヒンリヒ フェヒナー イェアク; オアトナー アンドレアス; オアトナー アンドレアス; リーバルト ライナー; リーバルト ライナー; クーレク クラウス−ペーター; クーレク クラウス−ペーター; ハイス−シュケ マークス; ハイス−シュケ マークス;
摘要 本発明は、少なくとも1つの無機のガラス若しくはガラスセラミックと、少なくとも1つの有機層Aとを有する、軽量合わせガラス板に関する。軽量合わせガラス板の単位面積当たり質量は、0.5kg/m2〜5.5kgkg/m2の範囲にあり、1つ以上の無機ガラスの総厚と全ての有機層の総厚の比は、1:0.01から1:1であり、全ての有機層の総厚は、350μm以下である。この軽量合わせガラス板は、航空当局の熱的な安全基準を満たし、JAR/FAR/CS 25, App.(Appendix) F, Part IV & AITM (Airbus Industries Test Method) 2.0006に準じて測定した「総発熱量(Total Heat Release)」が、65kW×分/m2未満であり、AR/JAR/CS 25, App. F, Part I & AITM 2.0002Aに従って「垂直式ブンゼンバーナー試験」で炎から離した後の残炎時間が、15秒未満である。本発明はさらに、軽量窓ガラス板、特に航空機用内部ガラス及び/又は他、及び煙遮断要素に関する。
权利要求

少なくとも1つの無機のガラス板若しくはガラスセラミック板と、少なくとも1つの有機層Aとを有する、軽量合わせガラス板において、前記軽量合わせガラス板の単位面積あたりの質量は、その下限が、0.5kg/m2であり、その上限が5.5kg/m2であり、1つ以上の無機のガラス板若しくはガラスセラミック板の総厚対、全ての有機層の総厚の比が、1:0.01から1:1であり、全ての有機層の総厚は、450μm以下であり、前記軽量合わせガラス板は、JAR/FAR/CS 25, App.(Appendix) F, Part IV & AITM 2.0006に従って測定した絶対的な熱放出量が、65kW×分/m2未満である、前記軽量合わせガラス板。前記単位面積あたりの質量の下限は、1kg/m2以上、好ましくは1.3kg/m2以上、とりわけ1.5kg/m2以上、とりわけ1.8kg/m2以上、とりわけ2kg/m2以上であり、 前記単位面積あたりの質量の上限は、3kg/m2以下、好ましくは2.5kg/m2以下、特に好ましくは2.3kg/m2以下であり、 前記1つ以上の無機のガラス板若しくはガラスセラミック板の総厚対、前記全ての有機層の総厚の比が、1:0.01から1:0.9、好ましくは1:0.01から1:0.6、とりわけ1:0.01から1:0.3、特に好ましくは1:0.01から1:0.25、とりわけ1:0.01から1:0.2、極めて特に好ましくは1:0.01から1:0.15、とりわけ1:0.01から1:0.1であり、 前記全ての有機層の総厚は、350μm以下、とりわけ300μm以下、とりわけ240μm以下、好ましくは200μm以下、とりわけ150μm以下、特に好ましくは100μm以下、とりわけ80μm以下、極めて特に好ましくは70μm以下、とりわけ50μm以下、とりわけ30μm以下、とりわけ25μm以下であり、 前記軽量合わせガラス板は、JAR/FAR/CS 25, App.(Appendix) F, Part IV & AITM 2.0006に従って測定した絶対的な熱放出量が、50kW×分/m2未満、好ましくは40kW×分/m2未満、特に好ましくは20kW×分/m2未満である、請求項1に記載の軽量合わせガラス板。前記軽量合わせガラス板が耐火性を有し、該耐火性は、FAR/JAR/CS 25, App. F, Part Iに従って測定した、垂直式ブンゼンバーナー試験において炎から外した後の残炎時間が、15秒未満、好ましくは8秒未満、特に好ましくは3秒未満、とりわけ好ましくは1秒未満というものである、請求項1又は2に記載の軽量合わせガラス板。前記軽量合わせガラス板の透明度が、80%超、好ましくは85%超、特に好ましくは88%超、とりわけ好ましくは90%超である、請求項1から3までのいずれか1項に記載の軽量合わせガラス板。前記軽量合わせガラス板の光学的な散乱性が、1.5%以下、好ましくは1.0%以下、特に好ましくは0.5%以下である、請求項1から4までのいずれか1項に記載の軽量合わせガラス板。前記少なくとも1つの無機のガラス板若しくはガラスセラミック板の厚さが、1mm以下、好ましくは0.8mm以下、特に好ましくは0.6mm以下であり、かつ200μm以上、とりわけ250μm以上、好ましくは350μm以上、特に好ましくは450μm以上、とりわけ好ましくは500μm以上、とりわけ530μm以上である、請求項1から5までのいずれか1項に記載の軽量合わせガラス板。前記少なくとも1つの無機のガラス板が、リチウムアルミニウムケイ酸塩ガラス、ソーダ石灰ケイ酸塩ガラス、ホウケイ酸塩ガラス、アルカリ金属アルミノケイ酸塩ガラス、アルカリ金属不含若しくはアルカリ金属含分が低いアルミノケイ酸塩ガラスから、とりわけ化学的及び/又は熱により硬化させたリチウムアルミニウムケイ酸塩ガラス、ソーダ石灰ケイ酸塩ガラス、ホウケイ酸塩ガラス、アルカリ金属アルミノケイ酸塩ガラス、アルカリ金属不含若しくはアルカリ金属含分が低いアルミノケイ酸塩ガラスから成る、請求項1から6までのいずれか1項に記載の軽量合わせガラス板。前記少なくとも1つの無機のガラスセラミック板が、セラミック化したアルミノケイ酸塩ガラス、若しくはリチウムアルミノケイ酸塩ガラスから、とりわけ化学的及び/又は熱により硬化されセラミック化されたアルミノケイ酸塩ガラス又はリチウムアルミノケイ酸塩ガラスから成る、請求項1から7までのいずれか1項に記載の軽量合わせガラス板。少なくとも1つの無機のガラス板若しくはガラスセラミック板の化学的な硬化のイオン交換深さが、30μm以上、好ましくは40μm以上、特に好ましくは50μm以上、とりわけ好ましくは80μm以上である、請求項7又は8に記載の軽量合わせガラス板。前記少なくとも1つの無機のガラス板若しくはガラスセラミック板の表面圧縮応が、500MPa以上、好ましくは600MPa以上、好ましくは700MPa以上、特に好ましくは800MPa以上、とりわけ好ましくは900MPa以上である、請求項1から9までのいずれか1項に記載の軽量合わせガラス板。前記少なくとも1つの無機のガラス板若しくはガラスセラミック板の内部引張応力が、50MPa以下、好ましくは30MPa以下、特に好ましくは20MPa以下、とりわけ好ましくは15MPa以下である、請求項1から10までのいずれか1項に記載の軽量合わせガラス板。前記少なくとも1つの無機のガラス板若しくはガラスセラミック板の4点曲げ強度が、550MPa以上、好ましくは650MPa以上、特に好ましくは800MPa以上である、請求項1から11までのいずれか1項に記載の軽量合わせガラス板。前記少なくとも1つの無機のガラス板若しくはガラスセラミック板のヤング率が、68GPa以上、好ましくは73GPa以上、特に好ましくは74GPa以上、とりわけ好ましくは80GPa以上である、請求項1から12までのいずれか1項に記載の軽量合わせガラス板。前記少なくとも1つの無機のガラス板若しくはガラスセラミック板の剪断モジュールが、25GPa以上、好ましくは29GPa以上、特に好ましくは30GPa以上、とりわけ好ましくは33GPa以上である、請求項1から13までのいずれか1項に記載の軽量合わせガラス板。前記少なくとも1つの無機のガラス板若しくはガラスセラミック板のビッカース硬度が、プレストレス加工されていない状態で、500HV2/20以上、好ましくは560HV2/20以上、特に好ましくは610HV2/20以上であるか、又は少なくとも1つの無機のガラス板若しくはガラスセラミック板のビッカース硬度は、プレストレス加工された状態で550HV2/20以上、好ましくは600HV2/20以上、特に好ましくは650HV2/20以上、特に好ましくは680HV2/20以上である、請求項1から14までのいずれか1項に記載の軽量合わせガラス板。前記少なくとも1つの無機のガラス板若しくはガラスセラミック板の透明度が、80%超、好ましくは85%超、特に好ましくは88%超、とりわけ好ましくは90%超である、請求項1から15までのいずれか1項に記載の軽量合わせガラス板。前記軽量合わせガラス板が、第二の無機のガラス板若しくはガラスセラミック板を有し、少なくとも1つの有機層Aが、1つのガラス板若しくはガラスセラミック板と、第二のガラス板若しくはガラスセラミック板との間に配置されている、請求項1から16までのいずれか1項に記載の軽量合わせガラス板。前記第二の無機のガラス板若しくはガラスセラミック板が、薄層ガラスシートから、好ましくはアルミノケイ酸塩ガラス、若しくはホウケイ酸塩ガラスから成る、請求項17に記載の軽量合わせガラス板。前記第二の無機のガラス板若しくはガラスセラミック板の厚さが、1000μm以下、好ましくは550μm以下、特に好ましくは350μm以下、とりわけ好ましくは210μm以下であり、かつ20μm以上、好ましくは40μm以上、特に好ましくは70μm以上、とりわけ好ましくは100μm以上である、請求項17又は18に記載の軽量合わせガラス板。1つの無機のガラス板若しくはガラスセラミック板と、第二の無機のガラス板若しくはガラスセラミック板の熱膨張係数の差が、7×10-6K-1以下、好ましくは5×10-6K-1以下、好ましくは3×10-6K-1以下、好ましくは2.5×10-6K-1以下、特に好ましくは2×10-6K-1以下、とりわけ好ましくは1×10-6K-1以下である、請求項17から19までのいずれか1項に記載の軽量合わせガラス板。前記軽量合わせガラス板が、第二の有機層Dを有し、少なくとも1つの有機層Aが、1つの無機のガラス板若しくはガラスセラミック板と、前記第二の有機層Dとの間に配置されている、請求項1から16までのいずれか1項に記載の軽量合わせガラス板。前記第二の有機層Dがポリマーシートである、請求項21に記載の軽量合わせガラス板。前記ポリマーシートの透明度が、70%超、好ましくは85%以上、特に好ましくは88%以上、とりわけ92%以上である、請求項22に記載の軽量合わせガラス板。前記ポリマーシートの厚さが、300μm以下、好ましくは100μm以下、特に好ましくは50μm以下、とりわけ20μm以下である、請求項22又は23に記載の軽量合わせガラス板。前記ポリマーシートが、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリアミド(PA)、ポリイミド(PI)、又はポリオレフィン、例えばポリエチレン(PE)、若しくはポリプロピレン、又はこれらの各種ブレンド、コポリマー、若しくは誘導体の1つから、又はフッ化及び/又は塩化されたポリマー、例えばエチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリエチレンナフタレート(PEN)から、又はテトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、及びフッ化ビニリデンからのターポリマー(THV)から成る、請求項21から23までのいずれか1項に記載の軽量合わせガラス板。前記軽量合わせガラス板が、第二の有機層B、及び第三の有機層Cを有し、前記第二の有機層Bが、前記第一の有機層Aと、前記第三の有機層Cとの間に配置されたポリマーフィルムであり、これら3つの有機層A、B、及びCは、1つの無機のガラス板若しくはガラスセラミック板と、第二の無機のガラス板若しくはガラスセラミック板との間に、又は1つの無機のガラス板若しくはガラスセラミック板と、第二の有機層Dとの間に配置されている、請求項17から25までのいずれか1項に記載の軽量合わせガラス板。前記ポリマーフィルムの厚さが、100μm以下、好ましくは50μm以下、特に好ましくは20μm以下、とりわけ好ましくは12μm以下である、請求項26に記載の軽量合わせガラス板。前記ポリマーフィルムが、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリアミド(PA)、ポリイミド(PI)、又はポリオレフィン、例えばポリエチレン(PE)、若しくはポリプロピレン、又はこれらの各種ブレンド、コポリマー、若しくは誘導体の1つから、又はフッ化及び/又は塩化されたポリマー、例えばエチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリエチレンナフタレート(PEN)から、又はテトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、及びフッ化ビニリデンからのターポリマー(THV)から成る、請求項26又は27に記載の軽量合わせガラス板。有機層Aの厚さが、350μm以下、好ましくは200μm以下、好ましくは100μm以下、特に好ましくは60μm以下、とりわけ30μm以下である、請求項1から28までのいずれか1項に記載の軽量合わせガラス板。第三の有機層Cの厚さが、200μm以下、好ましくは100μm以下、特に好ましくは60μm以下、とりわけ30μm以下である、請求項1から29までのいずれか1項に記載の軽量合わせガラス板。有機層A及び/又は第三の有機層Cの純透過率は、88%超、好ましくは92%以上、特に好ましくは96%以上、とりわけ99%以上である、請求項1から30までのいずれか1項に記載の軽量合わせガラス板。有機層A及び/又は第三の有機層Cが、ホットメルト接着剤から、特に接着フィルムとしてのポリビニルブチラール(PVB)、又はウレタン系の熱可塑性エラストマー(TPE−U)、又はイオノマー、又はポリオレフィン、例えばエチレンビニルアセテート(EVA)、又はポリエチレン(PE)、又はポリエチレンアクリレート(EA)、又はシクロオレフィンコポリマー(COC)から、又は熱可塑性シリコーンから成る、請求項1から31までのいずれか1項に記載の軽量合わせガラス板。有機層A及び/又は第三の有機層Cが、透明接着フィルム、特に光学透明接着剤(OCA)から成る、請求項1から32までのいずれか1項に記載の軽量合わせガラス板。軽量合わせガラス板にそれぞれ配置された全ての材料の屈折率の差が、0.3以下、好ましくは0.25以下、好ましくは0.2以下、特に好ましくは0.15以下、とりわけ好ましくは0.09以下である、請求項1から33までのいずれか1項に記載の軽量合わせガラス板。請求項1から34までのいずれか1項に記載の軽量合わせガラス板の製造方法であって、以下の工程: ・第一のガラス板若しくはガラスセラミック板を用意する工程、ここで前記ガラス板若しくはガラスセラミック板は、第一の面で下地に置き、 ・有機層Aを用意し、存在する場合には保護フィルムを、前記有機層Aの第一の面から引き剥がす工程、 ・前記有機層Aを、その第一の面で、前記ガラス板若しくはガラスセラミック板の第二の面にローラで施与する工程、 ・存在する場合には保護フィルムを、前記有機層Aの第二の面から引き剥がす工程、 ・前記第二のガラスセラミック板若しくはガラスセラミック板、又は有機層Dを、傾いた平面を介して、又はガラスロールによって、前記有機層Aの第二の面に施与する工程、ここで前記有機層Aの第二の面と、前記第二のガラス板若しくはガラスセラミック板、又は有機層Dとの間に、閉じていく度が存在し、前記第二のガラス板若しくはガラスセラミック板、又は前記有機層Dは、施与の前にたわみを有し、前記第二のガラス板若しくはガラスセラミック板、又は前記有機層Dが、施与後直ちに、ローラによってプレス加工される、 を有することを特徴とする、前記製造方法。前記有機層A、及び/又は前記第二のガラス板若しくはガラスセラミック板をプレス加工するためのローラが、温度調整されており、好ましくは25℃以上、特に好ましくは45℃以上に温度調整されている、請求項35に記載の軽量合わせガラス板の製造方法。前記有機層Aの位置に、第一の有機層A、第二の有機層B、及び第三の有機層Cからの複合材、又はさらなる付加的な有機層との複合材、又は第一の有機層A、及び第二の有機層Dからの複合材を、前記第一のガラス板若しくはガラスセラミック板にローラで施与し、3つの有機層A、B、及びCの複合材、又はさらなる有機層との複合材、又は両方の有機層A及びDの複合材を事前に作製する、請求項35又は36に記載の軽量合わせガラス板の製造方法。請求項35から37までのいずれか1項に記載の軽量合わせガラス板の製造方法であって、前記第二のガラス板若しくはガラスセラミック板、又は前記有機層Dを施与及びプレス加工した後に、さらなる工程: 軽量合わせガラス板の積層体を後処理する工程、ここで前記有機層Aは、溶融及び/又は架橋させて硬化させ、この後処理は温度、好適には120℃〜160℃の範囲の温度で最大6時間、任意で真空及び/又は圧力、好適には5〜15kg/cm2の圧力を用いて行う、 が意図されている、前記製造方法。輸送分野における車両キャビン用、特に航空機若しくは電気自動車の車両キャビン用の内装要素としての、請求項1から38までのいずれか1項に記載の軽量合わせガラス板の使用。輸送分野における、特に航空機若しくは電気自動車の車両キャビン用の、窓要素若しくはドア要素としての、又は窓若しくはドアの構成部材としての、又は間仕切りとしての、又は机要素としての、請求項39に記載の軽量合わせガラス板の使用。航空機の内部窓ガラス板として、又は電気自動車の窓ガラス板としての、請求項39又は40に記載の軽量合わせガラス板の使用。建築分野における耐火性軽量部材としての、特に煙遮蔽要素、間仕切り、窓要素、ドア要素、壁要素、若しくは天井要素としての、又は窓、ドア、壁、若しくは天井の構成部材としての、又は展示用ガラス板としての、又は家具の構成部材としての、請求項1から38までのいずれか1項に記載の軽量合わせガラス板の使用。請求項1から38までのいずれか1項に記載の軽量合わせガラス板を用いた、航空機用内部窓ガラス板又は軽量窓ガラス板。請求項43に記載の軽量合わせガラス板を有する、航空機内部窓ガラス板又は窓ガラス板であって、前記航空機内部窓ガラス板又は前記窓ガラス板がさらに、窓枠を有し、軽量合わせガラス板の基礎担持基材として用いられる第一のガラス板若しくはガラスセラミック板は、第二のガラス板若しくはガラスセラミック板よりも幅が広く、前記窓枠は、第一のガラス板若しくはガラスセラミック板の突出面に設けられている、前記航空機内部窓ガラス板又は前記窓ガラス板。請求項1から38までのいずれか1項に記載の軽量合わせガラス板を用いた、煙遮断要素。

说明书全文

本発明は、無機のガラス層若しくはガラスセラミック層少なくとも1つと、前記ガラス層若しくはガラスセラミック層に隣接する有機層少なくとも1つとを有する、単位面積あたりの総質量が小さく、発熱速度が低い複合要素に関し、またその製造方法、及びこのような複合要素の使用に関する。本発明はさらに、航空機用内側窓ガラス板、又は軽量窓ガラス板、及びこのような複合要素を有する煙遮断要素を含む。

陸上、上、及び航空用車両で用いるため、また建築分野及び屋内施設領域で用いるためのガラス/プラスチック複合ガラス板は、多くの方法で従来技術に記載されており、課せられた多くの要求を満たしている。しかしながら幾つかの適用、特に輸送の分野、例えば航空機構造、及び電気自動車構造では、従来技術ではこれまで何ら解決策が示されなかった要求特性がある。ここで挙げるのは特に、面積当たりの質量が小さく、同時に熱的な安全性が高いガラス板であって、光学的な透明度が高く、耐引掻性が良好であり、耐薬品性が良好という特性も併せ持つものである。

キャビン領域、例えば内装要素としてのガラス板、例えば間仕切り、又は窓用若しくはドア用のガラス板、及び高い熱的な安全性基準が求められ、これは例えば、C.F.R.(Code of Federal Re-gulations), Title 14 Aeronautics and Space, Chapter I Federal Aviation Administrations, Departement of Transportation, Part 25 Airworthiness Standards, Transport Categories Airplanes, Appendix F"、又はEnvironmental Conditions and Test Procedures for Airborne Equipment、RTCA (Radio Technical Commission for Aeronautics )/DO-160G"、又はMaterial Qualification Requirements Glass Materials der Lufthansa Technik、又は相応するEASA (European Aviation Safety Agency)の規定、例えばCS-25 (Certification Specifications for Large Aeroplanes)に詳細に記載されている。熱的な安全性及び/又は防火性の要求を判断するための重要な値が、発熱速度(Heat Release)であり、また耐熱性、難燃性、燃焼長さ、残炎時間、滴下物残炎時間、煙密度、及び煙ガスの毒性限度といった特性である。これらについて、それぞれ厳しい規定と、狭い制限範囲がある。

「Heat Release Rate Test for Cabin Materials」では、FAR (Federal Aviation Regulation) 25.853c/d App. F Part IVの基準に準じて、試験体をチャンバ内で試験の間、規定の熱と表面燃焼の作用にさらす。65kW/m2未満の「ピーク発熱速度(Peak Heat Release Rate)」、及び2分以内に65kW*分/m2の「総発熱量(Total Heat Release)」が要求される。「燃焼性(flammability)」についてはさらなる要求があり、例えばFAR 25.853a App. F Part I (a)(1 )(i)に記載されており、「垂直式ブンゼンバーナー試験(Vertical Bunsen Burner Test)」によって測定でき、燃焼長さは152mm未満、残炎時間は15秒未満、及び液滴状材料を燃焼させる際の滴下物残炎時間は、3秒未満である。 このために、試験体を試験の間、19mmの間隔で1分間の間、規定の炎(長さ38mm、内径10mmのブンゼンバーナー)を有する縁部に直接さらす。

その他に、このような内装要素の面積当たり質量に関する境界があり、これは例えば航空産業からの要求に基づき、遵守すべきものである。熱的な安全性の要求を満たしても、公知の形状のガラス板は、単位面積あたりの質量に基づく充分な強度、又は強度不足に基づき要求される単位面積当たりの質量の遵守、又は破壊された場合の破片の拡散傾向に基づき、区別される。ポリマー材料性のガラス板は、確かに面積当たりの質量に対する要求を満たすが、現行の耐火性基準を満たさない。しながらこのようなポリマーガラスに対する耐火性の改善は常に、このような材料について透明度が失われることになり、これは例えば目視用窓としての用途には使えなくなってしまう。ガラス/ポリマーの積層合わせガラス製の公知のガラスは、確かに透明度と熱的な安全性の基準を満たすが、例えば合わせガラス(例えば乗用車のフロントガラスとして、若しくは建築分野で公知の積層合わせガラスとして知られるもの)は、単位面積当たりの質量の基準を満たさない。ガラス/ポリマーの別の積層合わせガラス(以下の従来技術で説明するもの)は、現行の耐火性基準を満たさない。

従来技術によるガラスは、航空機構造における現行の条件を満たしていないため、これまで担当の各航空当局の特別な認可が通用していた。そこで現在では、窓要素若しくはドア要素、又は窓の構成部材若しくはドアの構成部材のため、又は間仕切りとしては、ポリカーボネート(PC)又はポリメチルメタクリレート(PMMA)製のガラス板が標準的に使用されている。これは例えば、押出成形されたプレートとして製造され、このプレートから適切な輪郭が切り出されるか、又は輪郭を直接形作る噴霧法で製造される。耐火安全性を改善させるために、材料は添加剤を備えることができる。このようなガラス板は、耐火安全性について国際的な基準の要求(例えば米国のFAA (Federal Aviation Administration)が提示したもの)、又は国際的に適用された耐火性基準(例えばJAR:Joint Aviation Requirements、又はEASAのCS:Certification Specificationsで提示されたもの)を総体的には決して満たしていない。このようなガラス板はまた、従来技術で公知のように、一部、さらなる硬質物質被覆を有するものの、ガラスに匹敵する耐引掻性を有さない。有利な点は唯一、単位面積当たりの質量が軽いことである。航空機における内装の窓用ガラス板として使用されるPC又はPMMAガラス板の標準的な厚さは、通常約2mm、単位面積あたりの質量は2.4kg/m2であり、相応するさらなる開発又は代替法のための目安となる。

従来技術によればDE 44 15 878 A1は、航空機で使用することが意図された合わせガラス板を開示している。この合わせガラス板は、2つのガラス層により三層から形成されており、2つのガラス層の間に、プラスチックプレートが配置されている。厚さが1〜4mmのプラスチック芯材が、2つのガラス層を支えており、これにより厚さが0.2〜1.5mmと薄いにも拘わらず、合わせガラス板は一定の強度を有する。これらのガラス層はプラスチック芯材により、弾性のある二成分系シリコーンゴム(厚さ0.01〜0.5mm)を介して接合されており、このゴムは、プラスチックプレートと各ガラス層との間の応を調整する接着層として、成形されたものである。これによって既に、合わせガラス板の質量が著しく低減できた。しかしながらここでは、外部的な作用、例えば落石による危険に対抗するため、ガラス層の最小厚さを維持しなければならず、このことが質量の節約を制限した。ここで提案された合わせガラス板の厚さは全体で、理論的には1.42〜8.0mmである。有機層が比較的厚いため、この合わせガラス板は充分な耐火安全性(例えば航空機の基準で要求されるもの)を有さない。

同様にDE 102009021938 A1は、DE 44 15 878 A1のさらなる発展形で、特に耐引掻性ガラス板又はファサード上張りとして用いるための、合わせガラス板を提示しており、これは厚さ1mm〜10mmの透き通ったプラスチック製のプラスチックプレートと、このプラスチックプレートと強固に結合された少なくとも1つのガラス層とから成るものである。さらに質量を節約するために中間層が省略され、ガラス層は厚さが0.02mm〜0.1mmと、さらに薄くなっている。ここでも、比較的厚いプラスチックプレートが提案されており、これも同様に実質的にガラス層よりも厚いため、この合わせガラス板は、熱的な安全性基準(例えば航空機に必要とされる基準)を満たさない。

これに相当する提案は、EP 0 669 205、DE 10 2010 037、及びWO 201 1/152380でもなされている。その欠点は常に、ガラスの厚さに比べて、プラスチック層が厚すぎるということである。このようなガラス板は、航空機の熱的な安全性基準を、少なくとも「発熱速度(heat release rate)」の点で満たさない。と言うのも常に、熱放出量が高すぎ、このため燃焼がサポートされることになるからであり、また合わせガラスにおける有機物の割合が高すぎるため、「垂直式バーナー試験(vertical burner test)」も満たさない。

DE 20 2010 013 869 U1は、車両キャビン用、特に航空機用の内装要素を提示している。特に、車両キャビン用のために改善された内装要素が提供されており、これは透明なプラスチック担持基材を有することができる第一の区画を少なくとも1つ有し、その表面に、ガラス層が設けられたものである。このようなガラス層によって、特に耐引掻性の表面、また耐引掻性と難燃性の点で利点が得られる。ガラスで被覆された第一の区画は、好適には複合材から製造された第二の区画(例えば窓枠)を有することができ、この窓枠は、第一の区画と、物質結合、形状結合、及び/又は摩擦結合している。この際に、第一及び第二の区画は、相互に強固に結合していてよい。確かに「軽量構造要素」という概念が一般的な形で提示されているが、ここでもガラス被覆の厚さは、プラスチック担持材料の厚さに比べて、比較的厚さが薄い。ガラス被覆の厚さは、機械的に充分に安定的であるように、また場合によってはさらなる要求を満たすように選択される。しかしながら総じて従来技術では、何ら尺度が提示されていない。しかしながらプラスチック材料の厚さは、ガラス被覆の厚さに比べて、比較的厚く、この合わせガラスは同様に、耐火性の基準(例えば航空機で必要とされる基準)を満たさない。

よって本発明の課題は、充分に軽い単位面積あたりの質量に加えて、航空機で必要とされる現行の規定の熱的安全性基準も充分に満たす、複合要素を提供することである。ここで単位面積あたりの質量としては、2.4kg/m2という比較値を、そして熱的な安全性基準としては、FAAの規定を引用して、相応する「Aircraft Materials Fire Test Handbook」、特に「総発熱速度(Total Heat Release Rate)」を用いる。

本発明はこの課題を、独立請求項に記載の特徴によって解決する。本発明のさらなる有利な実施態様、及びさらなる構成は、各従属請求項から読み取れる。

本発明による軽量合わせガラス板は、熱的な安全性基準を満たす。軽量合わせガラス板は重要な尺度として、「総発熱量」、すなわち絶対放熱量、又は熱の絶対的な放出量に関する基準を満たし、これはFAAの相応する「Aircraft Materials Fire Test Handbook」、DOT/FAA/AR-00/12, Chapter 5 "Heat Release Rate Test fuer Cabin Materials"に相当し、JAR/FAR/CS 25, App.(Appendix) F, Part IV & AITM (Airbus Industries Test Method) 2.0006に従って測定した「総発熱量」が、65kW×分/m2、好ましくは50kW×分/m2、特に好ましくは40kW×分/m2、とりわけ好ましくは20kW×分/m2である。

熱的な安全性基準に関する別の基準として、軽量合わせガラス板は、「垂直式ブンゼンバーナー試験(Vertical Bunsen Burner Test)」、すなわち試験材料の下端に垂直に向けた炎による試験、この試験の手順と試験条件は、FAAの"Aircraft Materials Fire Test Handbook", DOT/FAA/AR-00/12, Chapter 1、"Vertical Bunsen Burner Test for Cabin and Cargo Com-partment Materials"に相当し、試験において炎を離した後の残炎時間(FAR/JAR/CS 25, App. F, Part Iに従って測定)が、15秒未満、好ましくは8秒未満、特に好ましくは3秒未満、とりわけ好ましくは1秒未満である。このように短い残炎時間は、自己消火性によって達成され、これは本発明による軽量合わせガラス板の構造によって達成されるものである。これは特に好ましい態様では、残炎時間は、最小0秒となる。

これらの要求を満たすために、本発明による軽量合わせガラス板は、少なくとも1つのガラス板若しくはガラスセラミック板と、少なくとも1つの有機層Aを有し、かつ単位面積当たりの質量は、その下限が0.5kg/m2以上、好ましくは1kg/m2以上、特に好ましくは1.3kg/m2以上、とりわけ1.5kg/m2以上、とりわけ1.8kg/m2以上、とりわけ2kg/m2以上であり、その上限は5.5kg/m2以下、好ましくは3kg/m2以下、特に好ましくは2.5kg/m2以下、とりわけ2.3kg/m2以下である。さらに有利な態様では、軽量合わせガラス板の単位面積あたりの質量は、下限が0.6kg/m2以上、とりわけ0.8kg/m2以上、0.9kg/m2以上、1.1kg/m2以上、1.2kg/m2以上、1.4kg/m2以上、1.6kg/m2以上、1.7kg/m2以上、1.9kg/m2以上、及び2.1kg/m2以上である。さらに有利な態様では、軽量合わせガラス板の単位面積あたりの質量は、上限が5.5kg/m2以下、とりわけ5.0kg/m2以下、4.5kg/m2以下、4.0kg/m2以下、3.5kg/m2以下、2.8kg/m2以下、2.6kg/m2以下、2.4kg/m2以下、及び2.2kg/m2以下である。

単位面積当たりの質量に加えて、熱的な安全性基準を満たすため、ここで本発明による方法では、少なくとも1つの、すなわち1つ又は複数の無機ガラス板若しくはガラスセラミック板の総厚対、全ての有機層の総厚が、1:0.01から1:1、特に1:0.01から1:0.9、好ましくは1:0.01から1:0.6、特に好ましくは1:0.01から1:0.3、特に1:0.01から1:0.25、特に好ましくは1:0.01から1:0.2、極めて特に好ましくは1:0.01から1:0.15、特に1:0.01から1:0.1であり、全ての有機層の総厚は、450μm以下、特に350μm以下、特に300μm以下、特に240μm以下、好ましくは200μm以下、特に150μm以下、特に好ましくは100μm以下、特に80μm以下、極めて特に好ましくは70μm以下、特に50μm以下、特に30μm以下、特に25μm以下である。

「垂直式ブンゼンバーナー試験」での残炎時間に関する熱的な安全性基準を遵守するため、熱の絶対量、軽量合わせガラス板における有機物の割合、及び/又は燃焼性は重要であるため、有機層の総厚は本発明による方法において、規定の単位面積あたり質量に制限されている。しかしながら、放出される及び/又は燃焼性有機物の絶対量のみならず、規定の単位面積あたり質量の範囲において、非燃焼性無機ガラス若しくはガラスセラミックと、有機物の合計割合との比も、熱的な安全性基準を遵守するために、このような軽量合わせガラス板では非常に重要である。ここで重要となるのは、どれくらいの熱容量が軽量合わせガラス板におけるガラス若しくはガラスセラミックの側でもたらされ、ひいてはこの熱を、軽量合わせガラス板に対して単位面積当たりの質量境界以内にあるガラス若しくはガラスセラミックにより吸収できるかということである。

様々な適用のためのこのような軽量合わせガラス板を特に輸送及び建築の領域で経済的に使用可能にするため、また耐火性要求の点で有機物の絶対的な割合を、制限したままにするためには、本発明による耐火性合わせガラス板が、非燃焼性ガラス若しくはガラスセラミックと、有機物の割合との所定の比を保ちながら、規定の質量当たり面積という特徴を有する必要がある。

多くの適用にとって、光学特性、特に軽量合わせガラス板の透明度は、重要な特徴である。これには、窓若しくはドアの要素、又は窓若しくはドアの構成部材、間仕切り若しくは煙ガス遮断要素、いわゆるスモークバリア、建築における領域で、又は輸送分野における車両キャビンのための内装要素としてのもの、例えば航空機における内部窓ガラス、又は電気自動車におけるグレージングとしてのものが含まれる。単位面積あたりの質量が重要な役割を引き受ける場合、軽量材料を熱的な安全性基準に適合させようという従来の試みは、光学的特性の等級という点で失敗していた。重合材料の熱的な特性を、難燃性又は防炎性の方向へと明らかに改善させるためには常に、負担出来ないほど、透明度のコストがかかっていた。

透明度とは、層、ガラス板、若しくは合わせガラスの特性であり、380nm〜900nm、特に420〜800nmの可視光波長領域において80パーセント以上の透過率を有することと理解される。

発明者らは、熱的な安全性基準と、規定の単位面積あたり質量の小ささを保ちながら、様々な使用領域のために目視用ガラス板のための光学特性に関する要求が考慮された軽量合わせガラス板を提供することに成功した。そこで軽量合わせガラス板の透明度は、好ましい実施態様においてそれぞれ、80%超、好ましくは85%超、特に好ましくは88%超、特に好ましくは90%超である。ここで軽量合わせガラス板の透明度は、91%超でもあり得る。本発明による方法では、ガラス若しくはガラスセラミック層は、相応する透明度を有し、有機層の透明度は一部では、制限された層厚に基づいても、さらに高い。そこで有機層は、光学透明接着剤(OCA)の態様における透明接着フィルムとしての特に好ましい態様において、純透過率が、99%超である。純透過率(内部透過率)とは、反射損失を考慮せずに、層材料を通過させた純粋な透光性であると理解される。

加えて、良好な光学特性を有する軽量合わせガラス板の好ましい態様ではまた、縞模様が無いこと(Schlierenfreiheit)、曇り度が低いこと、及び/又は散乱性(ヘーズ)が低いこと、歪みがないこと、及び/又は演色性が中性である無いこと(演色性指数DIN EN 410に相当)がもたらされている。ここでも、1つ以上の無機ガラス若しくはガラスセラミックの総厚対、すべての有機層総厚の比が利点となる。よって軽量合わせガラス板の光学的な散乱性(ヘーズ)は、ASTM D1003 D1044に従ったHazeGardで測定して、1.5%以下、好ましくは1.0%以下、特に好ましくは0.5%以下である。DIN EN 410に従った軽量合わせガラス板の演色指数は、95超、好ましくは98超、特に好ましくは99超である。

本発明による軽量合わせガラス板の基礎担持プレートは、無機ガラス、又はガラスセラミックであり、ここで少なくとも1つのガラス板、又はガラスセラミック版の厚さは、1mm以下、好ましくは0.8mm以下、特に好ましくは0.6mm以下であり、かつ200μm以上、好ましくは350μm以上、特に好ましくは450μm以上、とりわけ好ましくは500μm以上、とりわけ530μm以上である。有利な厚さは、0.2mm、0.21mm、0.3mm、0.4mm、0.55mm、0.7mm、0.9mm、又は1.0mmである。

ここで好ましくは、プレストレス加工されたガラス又はガラスセラミックを使用する。このガラス又はガラスセラミックは、イオン交換により化学的に、又は熱により、又は熱と化学の組み合わせによって、プレストレス加工されていてよい。

少なくとも1つの無機ガラス板(すなわちガラス板、若しくは第二のガラス板、又はさらに少なくとも1つさらなるガラス板)は好ましくは、リチウムアルミニウムケイ酸塩ガラス、ソーダ石灰ケイ酸塩ガラス、ホウケイ酸塩ガラス、アルカリ金属アルミノケイ酸塩ガラス、アルカリ金属不含、若しくはアルカリ金属含分が低いアルミノケイ酸塩ガラスから成る。このようなガラスは例えば、引き上げ法、例えばダウンドロー引き上げ法、オーバーフローフュージョン法、又はフロート技術によって得られる。

有利には、鉄の少ない、又は鉄不含のガラス、特にFe2O3含分が0.05質量%未満、好ましくは0.03質量%未満のものを使用することができる。と言うのもこれらは吸収性が低減されているからであり、このため特に高い透明度が可能になる。

他の適用のためにはまた、灰色のガラス、又は着色ガラスも好ましい。基礎担持材料としてはまた、光学ガラスも使用でき、それは例えば、重フリントガラス、ランタン重フリントガラス、フリントガラス、軽フリントガラス、クラウンガラス、ホウケイ酸クラウンガラス、バリウムクラウンガラス、重クラウンガラス、又はフッ素クラウンガラスである。

以下の成分から成るガラス組成のリチウムアルミニウムケイ酸塩ガラスを、担体材料として使用するのが好ましい(質量%): 並びに任意で、着色性酸化物、例えばNd2O3、Fe2O3、CoO、NiO、V2O5、Nd2O3、MnO2、TiO2、CuO、CeO2、Cr2O3、希土類酸化物を0〜1質量%、並びに清澄剤、例えばAs2O3、Sb2O3、SnO2、SO3、Cl、F、CeO2を0〜2質量%。

さらに、以下の成分から成るガラス組成のソーダ石灰ケイ酸塩ガラスを、担体材料として使用するのが好ましい(質量%): 並びに任意で、着色性酸化物、例えばNd2O3、Fe2O3、CoO、NiO、V2O5、Nd2O3、MnO2、TiO2、CuO、CeO2、Cr2O3、希土類酸化物を0〜5質量%、又は「黒色ガラス」のためには0〜15質量%、並びに清澄剤、例えばAs2O3、Sb2O3、SnO2、SO3、Cl、F、CeO2を0〜2質量%。

さらに、以下の成分から成るガラス組成のホウケイ酸塩ガラスを、担体材料として使用するのが好ましい(質量%): 並びに任意で、着色性酸化物、例えばNd2O3、Fe2O3、CoO、NiO、V2O5、Nd2O3、MnO2、TiO2、CuO、CeO2、Cr2O3、希土類酸化物を0〜5質量%、又は「黒色ガラス」のためには0〜15質量%、並びに清澄剤、例えばAs2O3、Sb2O3、SnO2、SO3、Cl、F、CeO2を0〜2質量%。

さらに、以下の成分から成るガラス組成のアルカリ金属アルミノケイ酸塩ガラスを、担体材料として使用するのが好ましい(質量%): 並びに任意で、着色性酸化物、例えばNd2O3、Fe2O3、CoO、NiO、V2O5、Nd2O3、MnO2、TiO2、CuO、CeO2、Cr2O3、希土類酸化物を0〜5質量%、又は「黒色ガラス」のためには0〜15質量%、並びに清澄剤、例えばAs2O3、Sb2O3、SnO2、SO3、Cl、F、CeO2を0〜2質量%。

さらに、以下の成分から成るガラス組成のアルカリ金属不含アルミノケイ酸塩ガラスを、担体材料として使用するのが好ましい(質量%): 並びに任意で、着色性酸化物、例えばNd2O3、Fe2O3、CoO、NiO、V2O5、Nd2O3、MnO2、TiO2、CuO、CeO2、Cr2O3、希土類酸化物を0〜5質量%、又は「黒色ガラス」のためには0〜15質量%、並びに清澄剤、例えばAs2O3、Sb2O3、SnO2、SO3、Cl、F、CeO2を0〜2質量%。

さらに、以下の成分から成るガラス組成のアルカリ金属含分が少ないアルミノケイ酸塩ガラスを、担体材料として使用するのが好ましい(質量%): 並びに任意で、着色性酸化物、例えばNd2O3、Fe2O3、CoO、NiO、V2O5、Nd2O3、MnO2、TiO2、CuO、CeO2、Cr2O3、希土類酸化物を0〜5質量%、又は「黒色ガラス」のためには0〜15質量%、並びに清澄剤、例えばAs2O3、Sb2O3、SnO2、SO3、Cl、F、CeO2を0〜2質量%。

特に好ましいのは例えば、薄層ガラスであり、例えばSchott AG社から市販のD263、D263 eco、B270、B270 eco、Borofloat、Xensation Cover、Xensation cover 3D、AF45、AF37、AF 32、又はAF32 ecoという名称のものである。

さらなる態様では、少なくとも1つの無機ガラス板(すなわち、1つのガラス板、若しくは第二のガラス板、若しくはさらなる少なくとも1つの別のガラス板)はガラスセラミックであり、ここで無機ガラス板若しくはセラミックガラス板は、セラミック化されたアルミノケイ酸塩ガラス、又はリチウムアルミノケイ酸塩ガラスから、特に化学的及び/又は熱的に硬化されたセラミック化されたアルミノケイ酸塩ガラスから、又はリチウムアルミノケイ酸塩ガラスから成る。さらなる態様では、1つ以上のガラス板はセラミック化可能な出発ガラスから成り、これは燃焼した場合、熱の作用のもとでセラミック化するか、又はさらに続いてセラミック化し、これにより耐火安全性が高められたものである。

出発ガラスの以下の組成を有するガラスセラミック又はセラミック化可能なガラスを使用することが好ましい(質量%):

別の実施態様では、出発ガラスの以下の組成を有するガラスセラミック又はセラミック化可能なガラスを使用することが好ましい(質量%):

別の実施態様では、出発ガラスの以下の組成を有するガラスセラミック又はセラミック化可能なガラスを使用することが好ましい(質量%):

少なくとも1つのガラスセラミック板について80%超という透明度のためには、TiO2含分が2質量%未満であることが特に有利であり、SnO2の含分は特に有利には、0.5質量%未満、Fe2O3の含分は、特に有利には200ppm未満である。

少なくとも1つのガラスセラミック板は、高石英混晶又はキータイト混晶を、主な結晶相として含有する。結晶子の大きさは好適には、70nm未満、特に好ましくは50nm未満、極めて特に好ましくは10nm未満である。

特に、少なくとも1つの無機ガラス板若しくはガラスセラミック板の破断強度と耐引掻性を改善させるため、これを本発明の好ましい態様において、熱により及び/又は化学的にプレストレス加工する。とりわけ、航空機における内装要素としての特別な適用(例えば内部ガラス板)のため、このような軽量合わせガラス板は、「濫用負荷試験(Abuse load test)」、及び「ボール落下試験(Ball drop test)」を耐えなければならず、これは例えば「Lufthansa Technik Material Qualifikation Requirements」に記載されている。これは、熱的に及び/又は化学的にプレストレス加工されていれば、本発明による軽量合わせガラス板のためにガラス板若しくはガラスセラミック板の厚さが制限された場合でも、守ることができる。

熱的な、また化学的なプレストレス加工は、公知である。熱によるプレストレス加工の場合、ガラス対象物全体を加熱し、それから冷たい空気を吹き付けることによって、ガラス表面を迅速に急冷する。これによって表面が直ちに硬化し、その一方でガラス内部は、さらに収縮する。こうして内部では収縮が生じ、表面では相応して圧縮応力が生じる。ただし熱的なプレストレス加工は通常、厚さが1mm未満、又は0.5mm未満の薄いガラスに適している。

本発明の態様において、少なくとも1つのガラス板若しくはガラスセラミック板は、有利には化学的なプレストレスの前に、熱的にプレストレス加工されている。

本発明は特に好ましくは、化学的にプレストレス加工された基材としてのガラス板若しくはガラスセラミック板に関する。化学的なプレストレス加工は、一段階で、又は多段階で行うことができる。特に、アルカリ金属若しくはリチウム含有ガラス又はガラスセラミックは、ナトリウムイオンがカリウムイオンと、及び/又はリチウムイオンがナトリウムイオンと交換されているものを使用する。比較的小さいイオンが比較的大きなイオンと交換されていることにより、このようにしてガラス板若しくはガラスセラミック板において、圧縮応力が生じる。イオン交換は例えば、相応する塩浴(例えばKNO3、又はNaNO3、又はAgNO3、又はこれらの塩の任意の混合物)において行われ、又は多段階法では、KNO3、及び/又はNaNO3、及び/又はAgNO3を用いて行われる。ここでプレストレス加工の温度は、350〜490℃の範囲にあり、温度処理時間は、1〜16時間である。イオン交換は特にAgNO3塩浴で行い、銀イオンを堆積させることによって、表面を抗菌性にする。

一段階でプレストレス加工されたガラス板若しくはガラスセラミック板による本発明の態様では、交換されたイオンの侵入深さが30μm以上、好ましくは40μm以上で、表面の圧縮応力が少なくとも600MPa、好適には少なくとも800MPaである。

多段階で化学的にプレストレス加工されたガラス板若しくはガラスセラミック板による本発明の態様では、表面における圧縮応力が小さくてよいが、多段階のプレストレス加工では、交換されたイオンの侵入深さが増大しており、これによりプレストレス加工されたガラスの強度、若しくはプレストレス加工されたガラスセラミックの強度は、総体的に高くなり得る。特に、ガラス板若しくはガラスセラミック板の表面における圧縮応力は、50μm以上、とりわけ80μm以上の侵入深さで、少なくとも500MPaである。多段階のプレストレス加工によって、侵入深さはまた、100μm超になり得る。

軽量合わせガラス板におけるガラス板若しくはガラスセラミック板に対する化学的な硬化のイオン交換深さは、30μm以上、好ましくは40μm以上、特に好ましくは50μm以上、とりわけ好ましくは80μm以上であり、軽量合わせガラス板におけるガラス板若しくはガラスセラミック板の表面圧縮応力は、500MPa以上、好ましくは600MPa以上、好ましくは700MPa以上、特に好ましくは800MPa以上、特に好ましくは900MPa以上である。

交換されたイオンの侵入深さ、ひいてはガラス板若しくはガラスセラミック板におけるより高い圧縮応力の表面帯域は、ガラス板若しくはガラスセラミック板の強度を向上させる。しかしながらこの侵入深さは、それぞれのガラス板若しくはガラスセラミック板の厚さに合わせることができる。と言うのも、ガラス板若しくはガラスセラミック板の内部に化学的な硬化の際に生じる引張応力が高すぎた場合、ガラス板若しくはガラスセラミック板が破損し得るからである。外的な力の作用により曲げに関してガラス板若しくはガラスセラミック板にストレスがかかる場合、自身の引張応力が原因となって、ガラス板は敏感に反応する。このため、ガラス板若しくはガラスセラミック板における内部引張応力は、50MPa以下、好ましくは30MPa以下、特に好ましくは20MPa以下、特に15MPa以下である。ガラス板若しくはガラスセラミック板の表面圧縮応力は、500MPa以上、600MPa以上、好ましくは700MPa以上、特に好ましくは800MPa以上、特に好ましくは900MPa以上である。

DIN EN 843-1、及び/又はDIN EN 1288-3による、軽量合わせガラス板における少なくとも1つの無機のガラス板若しくはガラスセラミック板、又はガラス板若しくはガラスセラミック板4点曲げ強度は、550MPa以上、好ましくは650MPa以上、特に好ましくは800MPa以上である。

軽量合わせガラス板における少なくとも1つの無機のガラス板若しくはガラスセラミック板、又はガラス板若しくはガラスセラミック板のヤング率、及び/又は弾性モジュールは、68GPa以上、好ましくは73GPa以上、特に好ましくは74GPa以上、特に好ましくは80GPa以上である。

軽量合わせガラス板における少なくとも1つの無機のガラス板若しくはガラスセラミック板、又はガラス板若しくはガラスセラミック板の剪断モジュールは、25GPa以上、好ましくは29GPa以上、特に好ましくは30GPa以上、特に好ましくは33GPa以上である。

特に、プレストレス加工されたガラス板若しくはガラスセラミック板は、表面硬度が高く、引掻及び外部からの力の作用による刻み込みに対する耐性が高い。プレストレス加工されていない無機のガラス板若しくはガラスセラミック板、又はプレストレス加工されていない状態のガラス板若しくはガラスセラミック板のビッカース硬度は、DIN EN 843-4、及び/又はEN ISO 6507-1に従って、試験で2Nの力(200gの質量に相当)のもと、500HV2/20以上、好ましくは560HV2/20以上、特に好ましくは610HV2/20以上であるか、又はプレストレス加工された状態の少なくとも1つの無機のガラス板若しくはガラスセラミック板のビッカース硬度は、550HV2/20以上、特に好ましくは600HV2/20以上、特に好ましくは650HV2/20以上、特に好ましくは680HV2/20以上である。

ガラス板若しくはガラスセラミック板を軽量合わせガラス板用の外層として用いると、耐火性及び耐引掻性という作用以外に、良好な耐薬品性、特に洗浄剤に対する耐性が得られる。これにより、非常に様々な洗浄剤が制限無く使用でき、また表面品質の長時間安定性、及び光学特性が、何回もの洗浄サイクルにも拘わらず、保証される。

軽量合わせガラス板における少なくとも1つの無機のガラス板若しくはガラスセラミック板、又はガラス板若しくはガラスセラミック板は、透明度が80%超、好ましくは85%超、特に好ましくは88%超、特に90%超である。この透明度はまた、91%超であり得る。

本発明による軽量合わせガラス板は、破損した場合に高い破片保護性が保証される。すなわち、破片が周辺に放出されない。こうして熱的な安全性基準を遵守しながら、少なくとも1つの無機ガラス板若しくはガラスセラミック板が、有機層と組み合わせられる。よりよ理解のため、この少なくとも1つの有機層を、「有機層A」と呼びたい。

この層は有利には、接着層として実施されていてよく、この接着層は破損した場合にガラス板の破損部を一体化させるか、又は強固に保持し、さらに、軽量合わせガラス板の弾性及び信頼性を向上させるものである。

好ましい態様において、第二のガラス板若しくはガラスセラミック板を有する軽量合わせガラス板を実施することが利点であり、ここでは少なくとも1つの有機層が、1つのガラス板若しくはガラスセラミック板と、第二のガラス板若しくはガラスセラミック板との間に配置されている。

この第二のガラス板は、第一のガラス板と同様に、無機ガラスから成っており、相応して第一のガラス板と同様に、リチウムアルミニウムケイ酸塩ガラス、ソーダ石灰ケイ酸塩ガラス、ホウケイ酸塩ガラス、アルカリ金属アルミノケイ酸塩ガラス、アルカリ金属不含、若しくはアルカリ金属含分が低いアルミノケイ酸塩ガラスから、特に、化学的及び/又は寝付きにより硬化させたリチウムアルミニウムケイ酸塩ガラス、ソーダ石灰ケイ酸塩ガラス、ホウケイ酸塩ガラス、アルカリ金属アルミノケイ酸塩ガラス、アルカリ金属不含、若しくはアルカリ金属含分が低いアルミノケイ酸塩ガラスから成っていてよい。このようなガラスは、引き上げ法によって、例えばダウンドロー引き上げ法、オーバーフローフュージョン法、又はフロート技術によって得られる。

第二のガラス板をガラスセラミック板として実施する場合、これは、セラミック化されたアルミノケイ酸塩ガラス、又はリチウムアルミノケイ酸塩ガラスから、特に化学的及び/又は熱的に硬化されたセラミック化されたアルミノケイ酸塩ガラス又はリチウムアルミノケイ酸塩ガラスから成る。

この第二のガラス板若しくはガラスセラミック板は、1つの、すなわち第一のガラス板若しくはガラスセラミック板と同一であってよく、基礎担持ガラス板として役立つ。

しかしながら好ましい実施態様において、第二のガラス板若しくはガラスセラミック板は、より薄い。これは例えば、薄層ガラスシートから、好ましくはアルミノケイ酸塩ガラス、若しくはホウケイ酸塩ガラスから成っていてよく、これはまた巻取られた薄層ガラスリボンとしても得られる。第二のガラス板若しくはガラスセラミック板の厚さは、1000μm以下、好ましくは550μm以下、特に好ましくは350μm以下、とりわけ好ましくは210μm以下であり、20μm以上、好ましくは40μm以上、特に好ましくは70μm以上、とりわけ好ましくは100μm以上である。

軽量合わせガラス板にとって望ましくない歪み又はふくれを回避するため、ガラス板若しくはガラスセラミック板双方の熱膨張係数を、相互に調整する。1つのガラス板若しくはガラスセラミック板と、第二のガラス板若しくはガラスセラミック板の熱膨張係数の差は、7×10-6K-1以下、好ましくは5×10-6K-1以下、好ましくは3×10-6K-1以下、好ましくは2.5×10-6K-1以下、特に好ましくは2×10-6K-1以下、とりわけ好ましくは1×10-6K-1以下である。

軽量合わせガラス板の弾性と信頼性をさらに改善させるため、1つの実施態様では、熱安全性基準を保ったまま、第二のガラス板若しくはガラスセラミック板の代わりに、第二の有機層が意図されており、ここで少なくとも1つの有機層Aは、ガラス板と第二の有機層との間に配置されている。よりよい理解のため、この第二の有機層を、「有機層D」と呼びたい。

この第二の有機層Dは、有利な構成においてポリマーシートである。良好な光学特性に関連する適用のためには、ポリマーシートは透明度が70%超、好ましくは85%以上、特に好ましくは88%以上、とりわけ好ましくは92%以上である。例えば、記載された厚さ範囲のPMMA製のポリマーシートは、透明度が92%以上であり、PET製のポリマーシートは相応して、88%以上であり、PC製のポリマーシートは相応して、85%以上である。しかしながら他の適用、特に建築及び家具の分野では、このシートは着色、半透明、又は不透明で構成されていてよいか、又は図像若しくは文字の担持体であってよい。

このようなポリマーシートは厚さが、300μm以下、好ましくは100μm以下、特に好ましくは50μm以下、とりわけ好ましくは20μm以下である。ポリマーシートの厚さを選択する際には、本発明が基礎とする、ガラス板若しくはガラスセラミック板の総厚対、全ての有機層の総厚の比は保たれ、これは例えば、ガラス板若しくはガラスセラミック板の厚さ対、有機層A及びDの厚さの合計での比である。

ポリマーシートは好ましくは、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリアミド(PA)、ポリイミド(PI)、又はポリオレフィン、例えばポリエチレン(PE)、若しくはポリプロピレン、又はこれらの各種ブレンド、コポリマー、若しくは誘導体の1つから、又はフッ化及び/又は塩化されたポリマー、例えばエチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリエチレンナフタレート(PEN)から、又はテトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、及びフッ化ビニリデンからのターポリマー(THV)から成る。

さらなる好ましい実施態様において、軽量合わせガラス板は、第二の有機層B、及び第三の有機層Cを有し、ここで第二の有機層Bはポリマーフィルムであり、これは第一の有機層Aと、第三の有機層Cとの間に配置されている。3つの有機層A、B、及びCは、1つの実施態様において、1つのガラス板若しくはガラスセラミック板と、第二のガラス板若しくはガラスセラミック板との間に配置されている。別の態様ではこれらの層が、1つのガラス板若しくはガラスセラミック板と、第二の有機層D(この実施では、第四の有機層ということになるだろう)との間に配置されている。有機層A及びCはそれぞれ特に接着層として実施されており、この接着層は、軽量合わせガラス板の要素又は材料(第一のガラス板若しくはガラスセラミック板、第二のガラス板若しくはガラスセラミック板、ポリマーシート、ポリマーフィルム、それぞれ組み合わせで)を、持続的に相互に接合、及び接着させ、1つ若しくは複数のガラス板若しくはガラスセラミック板が破損した場合には、破損部をそれぞれ一体化させるか、及び/又は強固に保持する。このようにして接着層は、破片保護として働く。さらに、軽量合わせガラス板の弾性及び信頼性が、接着層によって向上する。しかしながら、破片保護性、軽量合わせガラス板の弾性と信頼性をさらになお改善させるために、有機層Aと有機層Cとの間にさらなる有機層Bが、ポリマーフィルムの形状で配置されている。

このポリマーフィルムの厚さは、100μm以下、好ましくは50μm以下、特に好ましくは20μm以下、とりわけ12μm以下である。ポリマーフィルムの厚さを選択する際、本発明が基礎とする、1つ若しくは複数のガラス板若しくはガラスセラミック板の総厚対、全ての有機層の総厚の比は保たれ、それは例えば、ガラス板若しくはガラスセラミック板双方の厚さ対、有機層A、B、及びCの厚さの合計の比である。

このポリマーフィルムは好ましくは、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリアミド(PA)、ポリイミド(PI)、又はポリオレフィン、例えばポリエチレン(PE)、若しくはポリプロピレン(PP)から成る。さらにポリマーシートは好ましくは、これらのブレンド、コポリマー、若しくは誘導体の1つから、又はフッ化及び/又は塩化されたポリマー、例えばエチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、又はポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリエチレンナフタレート(PEN)から、又はテトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、及びフッ化ビニリデンからのターポリマー(THV)から成る。

有機層Aの厚さは、350μm以下、好ましくは200μm以下、好ましくは100μm以下、特に好ましくは60μm以下、とりわけ30μm以下である。有機層Cの厚さは、200μm以下、好ましくは100μm以下、特に好ましくは60μm以下、とりわけ30μm以下である。有機層A及び/又は第三の有機層Cの厚さを選択する際には、本発明が基礎とする、1つ以上のガラス板若しくはガラスセラミック板の総厚対、全ての有機層の総厚の比を保つ。

有機層Aの純透過率は、88%以上、好ましくは92%以上、特に好ましくは96%以上、とりわけ99%以上である。有機層Cの純透過率は同様に、88%以上、好ましくは92%以上、特に好ましくは96%以上、とりわけ99%以上である。

有機層A、又は有機層C、又はこれら2つの有機層は、封入材料若しくは埋め込み材料の意味合いでは、ホットメルト接着剤から成っていてよく、特に接着フィルムとしてのポリビニルブチラール(PVB)、又はウレタン系の熱可塑性エラストマー(TPE−U)、又はイオノマー、又はポリオレフィン、例えばエチレンビニルアセテート(EVA)、又はポリエチレン(PE)、又はポリエチレンアクリレート(EA)、又はシクロオレフィンコポリマー(COC)から、又は熱可塑性シリコーンから成っていてよい。特に好ましい実施態様では、有機層A、又は有機層C、又はこれら2つの有機層は、低分子有機化合物、光学的な透明度の高さ、ガラス若しくはガラスセラミックに対する持続的な接着性、及び応力平衡と破片保護性のための、ガラス若しくはガラスセラミックに充分な弾性という点で優れた接着フィルムから成る。これは例えば、接着テープであり得る。中間層は、アクリレート系粘着フィルムから、特に光学透明接着剤(OCA:optical clear adhesive)から成っていてよく、これは例えば米国ミネソタ州のSt.Paul在、3M(Minnesota Mining and Manufacturing)社から、3M(登録商標)Optically Clear Adhesiveとして、又はドイツHamburg在のtesa SE社からtesa(登録商標)OCA tesa 69xxxという名称で、例えばtesa 69301〜69305、又はtesa 69401〜69405として提供されている。

特定の適用について(例えば車両キャビンのための目視用窓として)、軽量合わせガラス板の良好な光学特性を保証するため、好ましい実施態様において、軽量合わせガラス板の全ての要素若しくは材料の屈折率を、相応する実施態様において(第一のガラス板若しくはガラスセラミック板、第二のガラス板若しくはガラスセラミック板、ポリマーシート、ポリマーフィルム、接着層、それぞれ組み合わせで)、相互に調整する。軽量合わせガラス板の各実施に配置された材料の屈折率の差は、0.3以下、好ましくは0.25以下、好ましくは0.2以下、特に好ましくは0.15以下、とりわけ好ましくは0.09以下である。そこで例えば、第一及び/又は第二のガラス板若しくはガラスセラミック板の屈折率、又は屈折値は典型的に、アルミノケイ酸塩ガラスについては1.50〜1.53(588又は633nmで)、及び/又は化学的なプレストレス加工後の圧縮応力層では、1.51〜1.54(588又は633nmで)、又はホウケイ酸塩ガラスについては、1.523(588nmで)、又はアルカリ金属不含アルミノケイ酸塩ガラスについては、1.510(588nmで)、又はソーダ石灰ガラスについては1.52(588nmで)である。OCAとしての有機層A又は有機層Cの屈折率は、1.47である。有機層B又はDの屈折率は、例えばPETとして近似値が1.56〜1.64、例えばPCとして近似値が1.58、例えばPMMAとして近似値が1.49、例えばPEとして近似値が1.50〜1.54、例えばPPとして近似値が1.49〜1.6、例えばPAとして近似値が1.53、例えばPIとして近似値が1.66〜1.78である。

1つ若しくは複数のガラス板又はガラスセラミック板の総厚対、全ての有機層の総厚の比を維持したまま、本発明による軽量合わせガラスにおけるそれぞれの層厚を特定するため、例えば以下の近似値を記載する:アルミノケイ酸塩ガラスについては、密度2.39〜2.48g/cm3、ホウケイ酸塩ガラスについては、密度2.51g/cm3、アルカリ金属不含のアルミノケイ酸塩ガラスについては、密度2.43g/cm3、ソーダ石灰ガラスについては、密度2.5g/cm3、リチウムアルミノケイ酸塩ガラスについては、密度2.5g/cm3、OCAとしての有機層A又は有機層Cについては、密度1.05g/cm3、有機層B若しくは有機層Dについては例えばPETとして、密度1.3〜1.4g/cm3、例えばPCとして密度1.2g/cm3、例えばPMMAとして密度1.19g/cm3、例えばPEとして密度0.92〜0.95g/cm3、例えばPPとして密度0.9g/cm3、例えばPAとして密度1.13g/cm3、例えばPIとして密度1.42g/cm3、例えばTPUとして密度1.15g/cm3である。

本発明にはさらに、このような軽量合わせガラス板を製造するための方法も含まれる。好ましい製造方法としては、ローラ積層法を使用する。この製造法は、シート・ツー・シート法として、又はロール・ツー・シート法として、クリーンルーム条件下で行われる。

シート・ツー・シート法の場合、第一の工程でガラス板若しくはガラスセラミック板(これが軽量合わせガラス板のための基礎担持基材となる)を用意する。これは、貯蔵サイズ若しくは最終サイズとしてのガラス板の形状で行う。このガラス板又はガラスセラミック板を、第一の面(後に軽量合わせガラス板において外側面を形成する)によって、強固な下地(ガラス板を担持し、工程区間へともたらす)の上に置く。この下地には、ガラス板若しくはガラスセラミック板を保護するため、また後続の工程段階を容易にするために、一緒に流れる別の下地(例えば紙、又はポリテトラフルオロエチレン(PTFE)製のシート)が備えられていてよい。第二の工程では、有機層Aを用意し、これは通常、ロールから取られたものである。これは好ましくは、接着性の粘着フィルム、とりわけ例えばOCAであり、これによってガラス板若しくはガラスセラミック板が、第三の工程で接着される。このためにまず、存在する場合には、接着フィルムの第一の面に保護フィルム(これをガラス面又はガラスセラミック面に施与する)を引く。このような保護フィルムは例えば、厚さが50μmのPETフィルムであってよい。これには、ローラを供給して接着工程が続く。接着フィルムの第一の面は、ローラによってガラス板若しくはガラスセラミック板の表側の開放面に、面状にローラで施与される。有機層Aをプレス加工するためのローラは好ましくは、積層体へのプレス加工の際に押圧点を防止するために、ゴム加工されている。さらにローラは、プレス加工の際に温度調整されている。ここで積層体における縞模様の形成を完全にさけるために、25℃超、とりわけ45℃以上の温度調整が適切である。嵌合スリットからの空気の絞り出しは、温度調整によってサポートされる。と言うのも、有機層が柔らかくなるからである。

有機層Aは好ましくは、ガラス板若しくはガラスセラミック板に対して張り出すように広げる。ガラス板若しくはガラスセラミック板を超えて張り出す接着フィルムが、輸送システム又はその他の接触点と接着することに伴うさらなる工程の妨害を回避するため、製造工程全体の間、一緒に流す紙、又は相応する下地の上で積層体を輸送する。

第四の工程段階では保護フィルムを、第二の、いまや開放された有機層Aの面から引き剥がす。このような保護フィルムは例えば同様に、厚さが50又は125μmのPETフィルムであってよく、ここで有機層Aの第二の面への、保護フィルムの接着性は、第一の面への接着性よりも高い。

それに続く第五の工程では、第二のガラス板若しくはガラスセラミック板を、又は第二のガラス板若しくはガラスセラミック板を用いない実施態様によれば有機層Dを用意し、有機層Aの第二の開放面に施与する。これは、ガラス板形状における貯蔵サイズ、又は最終サイズとして、又はロールに巻取った薄層ガラスリボン、又はポリマーリボンとして行う。薄層ガラス板、又は有機層D用の材料は上方から、傾いた平面を介して供給され、有機層Aの表面と接触する。まず、第二のガラス板若しくはガラスセラミック板、又は有機層D用の材料を、係留システムによって位置決めする。第一のガラス板若しくはガラスセラミック板の前方端部に沿って直線的な接触が一貫して行われる場合、この係留システムを開放し、さらなる輸送手段にまかせる。薄層ガラス若しくは有機層D用の材料のローラによる施与は、有機層Aで被覆された、第一のガラス板若しくはガラスセラミック板の面で行う。第二のガラス板若しくはガラスセラミック板、又は有機層D用の材料を載せる際、傾いた供給平面から接着フィルムの表面へと、閉じていく度が存在し、この角度は、載せる前の第二のガラス板若しくはガラスセラミック板、又は有機層D用の材料のたわみによって規定されるものである。第二のガラス板若しくはガラスセラミック板、又は有機層D用材料をローラで施与するため、プレス加工のためのローラは、好ましくはゴム加工され、かつ温度調整もされている。ここでは同様に、25℃超、とりわけ45℃以上の温度調節が適切である。様々なガラス板若しくはガラスセラミック板、又はポリマーシートの厚さを可能にするために、このローラは好適には、バネ式で置かれている。第二のガラス板若しくはガラスセラミック板、又は有機層D用材料を用意するために、ガラス板若しくはガラスセラミック板、又はポリマーシートロールを使用する際、所望の面を覆った後にそれぞれのリボンを切断する。このために、従来の方法、例えばガラス切り機、ガラスナイフ、又はレーザー破断による切断が適用される。

さらなる実施態様では、有機層Aの位置で、第一の有機層A、第二の有機層B、及び第三の有機層Cからの複合材、又はさらに別の付加的な有機層との複合材を、第一のガラス板若しくはガラスセラミック板にローラで施与する。ここで3つの有機層A、B、及びCの複合材、又はさらなる有機層との複合材は、層状に、第一のガラス板若しくはガラスセラミック板に載せる。この方法の好ましい実施態様では、複合材をそれぞれ別々に事前に作製し、事前に作製した複合材として、相応して有機層Aに代えて、第一のガラス板若しくはガラスセラミック板にローラで施与する。

さらなる実施態様では、有機層Aの位置で、第一の有機層A、及び第二の有機層Dからの複合材を、第一のガラス板若しくはガラスセラミック板にローラで施与する。ここで2つの有機層A及びDの複合材は、別個に事前に作製され、事前に作製された複合材として、第一のガラス板若しくはガラスセラミック板にローラで施与する。よってこの実施態様の場合、引き続く別個の工程として第二のガラス板若しくはガラスセラミック板、又は第二の有機層Dの施与は、省略される。

特に、有機層について、とりわけ有機層Aについて、封入材料又は埋め込み材料の意味合いでホットメルト接着剤を使用する場合、また他の全ての実施態様において軽量合わせガラス板の品質を向上させるためにも、さらなる好ましい実施態様では、第二のガラス板若しくはガラスセラミック板、又は有機層Dを施与及びプレス加工した後に、さらなる工程において、軽量合わせガラス板の積層体を後処理する。このさらなる加工工程(先行する工程段階とは別個に行うことができる)では、有機層が溶融及び/又は架橋して硬化するように方法を行う。このために、温度(好適には120〜160℃の範囲)による後処理を、最大6時間以内に、任意で真空及び/又は圧力(好適には5〜15kg/cm2)を用いて実施する。この後処理工程は好ましくは、オートクレーブにより行う。

さらなる工程において有機層Aは、ガラス板若しくはガラスセラミック板の端部によって単純に切断されるか、又は積層体から軽量合わせガラス板が最終サイズで切断される。

本発明にはさらに、このような軽量合わせガラスの使用も含まれる。このような軽量合わせガラスは特に、輸送分野における車両キャビン用内装要素として、特に航空機若しくは電気自動車の車両キャビンのために、また船舶航行、又はその他の輸送手段における適用にも、適している。従来技術で公知のガラス板に比べて、本発明による軽量合わせガラス板は、単位面積あたり質量が小さいことに加えて、高い耐引掻性、表面硬度、表面品質、洗浄剤に対する良好な耐薬品性、及び非常に良好な耐火特性(例えば防火性、難燃性、又は煙遮断性など)に関連する適用が可能になり、それぞれ前述の態様に相応しい。

単位面積あたり質量が小さく、耐引掻性が高く、表面硬度、表面品質、洗浄剤に対する良好な耐薬品性、さらに高い光学的透明度、及び非常に良好な光学特性、例えば縞状模様のなさ、及び曇り度の低さ(それぞれ前述の特性)を有する特に好ましい態様では、高い耐火性に必要とされる特性を満たすことと結びつくことによって、本発明による軽量合わせガラス板は、例えば航空分野(ここでは特に厳しい要求が課される)において、窓若しくはドアの要素として、又は窓若しくはドアの構成部材として、又は間仕切りとして、又は机要素として、及び/又は机の構成部材として、折りたたみ式机の構成部材として適用される。これら全てのガイドラインと規則(例えばFAA、RTCA、EASA、又は航空機製造会社の規定)を満たすことにより、航空機用内装要素として使用できる。全ての良好な特性において単位面積あたりの質量が小さいことにより、本発明はまた、輸送分野における車両キャビン用の内装要素として、特に航空機用の車両キャビンに加えて、電気自動車用の車両キャビンのための使用に関する。ここで本発明は特に、窓要素若しくはドア要素としての使用、又は窓若しくはドアの構成要素としての使用、又は間仕切りとしての、又は机要素としての使用に関する。間仕切りは、特定の旅客領域を相互に分離するために用いられる。机要素として、軽量合わせガラス板は、例えば航空機で慣用の折りたたみ式机の構成要素であってよい。

本発明による軽量合わせガラス板を、航空機又は電気自動車の内部窓ガラス板として用いることは、特に有利である。火災の場合には、燃焼の加速の危険、又はこれと結びついた旅客に対する危険は、ガラス板から発生しない。

本発明は同様に、上記態様のいずれか、又はこれらの組み合わせに従い、本発明による軽量合わせガラスを有する、飛行機の内部窓ガラス又は軽量合わせガラス板を包含する。航空機用内部窓ガラス板、又は軽量窓ガラス板は、1つの態様において軽量合わせガラス板に加えてさらに、軽量合わせガラス板と強固に結合されている窓枠を有する。好ましい態様においてこの窓枠は、軽量合わせガラス板に接着されている。ここで、第一のガラス板若しくはガラスセラミック板(軽量合わせガラス板の基礎担持基材として用いられる)は、第二のガラスセラミック板よりも幅が広いため、開放された突出部が生じる。この窓枠は、第一のガラス板若しくはガラスセラミック板の突出面に設けられている。ここで有利な態様では有機層Aが、第一のガラス板若しくはガラスセラミック板上の接着フィルムとして、窓枠を固定するためにも役立つ。

窓枠は、窓ガラス板及び/又は航空機内部窓ガラス板の構造のために規定された外部形状を有する。この形状は、アルミニウム、又は適切なポリマーから作製された窓枠によって用意され、使用する軽量合わせガラスの端部を保護し、航空機、若しくは車両の規定の位置において、又は建築分野において、窓の構造のさらなる位置づけ補助を可能にするものである。例えば開放された、接着フィルムとしての有機層Aにより、例えばOCAで覆われた、第一のガラス板若しくはガラスセラミック板の面により、嵌合面として用いることによって、窓枠を軽量合わせガラス板に接着させる。ここで、第一のガラス板若しくはガラスセラミック板(軽量合わせガラス板の基礎担持基材として用いられる)は相応して、第二のガラス板若しくはガラスセラミック板よりも幅が広く実施される。

窓枠を用いない別の実施態様において軽量合わせガラス板は、相応する保持部によって、軽量合わせガラス板を担持する部材にはめ込まれ、設置されている。このような部材は例えば、壁であり得る。

本発明はさらに、建築領域における耐火性軽量部材、特に煙遮断要素、間仕切り、窓要素、ドア要素、壁要素、又は天井要素、又は窓、ドア、壁、若しくは天井の構成部材として、展示用ガラス板として、又は家具の構成部材としての、軽量合わせガラス板の使用を包含する。

本発明は同様に、上記態様のいずれか、又はこれらの組み合わせに従い、本発明による軽量合わせガラス板を有する煙遮断要素(スモークバリア)を包含する。煙遮断要素としての、このような本発明による軽量合わせガラス板は例えば、天井から垂線方向に20〜100cm、この天井にぶら下がって設置されており、空間において煙の広がり又はさらなる伝播を防止する。火事の場合の危険性はしばしば、建築物における煙の広がりに由来し、人に対する煙の毒性という危険性を伴う。このように耐火性で軽量な煙遮断要素によって、火災の場合に危険なく逃げる時間が明らかに長くなる。軽量合わせガラス板の質量が小さく、またその耐火性が高いことによって、建材の静的な負荷が小さく、ひいてはコストが低いという解決策が提供される。

本発明を、以下の実施例により、詳細に説明したい。

比較例1:「ブンゼンバーナー試験」に耐えない合わせガラス板の構造 比較例2:「総発熱量試験」に耐えない合わせガラス板の構造 例4〜12は、様々な実施態様における軽量合わせガラス板を示す。

3つの層構造を有する軽量合わせガラス板を示す。

図1による軽量合わせガラス板について、発熱速度の典型的な経過を示す。

5つの層構造を有する軽量合わせガラス板を示す。

3つの層構造を有する軽量合わせガラス板を示す。

軽量合わせガラス板と窓枠を有する窓ガラス板を示す。

第一の比較例では、化学的にプレストレス加工されたアルミノケイ酸塩ガラス製の第一のガラス板(例えばMainz在のSchott AG社からXensation(登録商標)Coverという名称で得られるもの:厚さ0.55mm、密度2.48g/cm3)から3層の合わせガラスを作製し、有機層Aとしては、熱可塑性ポリウレタンのエラストマー(TPU)製の中間層(厚さ380μm、密度1.15g/cm3)を使用し、第二のガラス板としては、プレストレス加工されていないホウケイ酸塩ガラス製の薄層シート(例えばMainz在のSchott AG社からD 263(登録商標)Tという名称で得られるもの:厚さ0.21mm、密度2.51g/cm3)を使用した。単位面積あたりの質量は2.33kg/m2となり、この値は、航空機空間における純粋なPC若しくはPMMA窓ガラス板の2.4kg/m2という比較値を辛うじて満たすが、この比較例としての合わせガラス板は、ブンゼンバーナー試験には耐えられなかった。この試験は、FAR/JAR/CS 25, App. F, Part Iの規定と規則に従って行った。ここでは確かに、両方のガラス板の厚さ対、有機層の厚さの比は、1:0.5だが、有機層の厚さは、ブンゼンバーナー試験に耐えるには厚過ぎたのである。

第二の比較例では、5層の合わせガラスを、プレストレス加工されていないホウケイ酸塩ガラス製の第一のガラス板(比較例1の第二のガラス板に相当)から作製し、有機層Aとしては、OCA(例えばドイツHamburg在のtesa SE社からtesa(登録商標)OCA tesa 69402という名称で得られるもの:厚さ50μm、密度1.05g/cm3)を使用し、有機層Bとしては、ポリマーフィルムとして耐火性ポリカーボネート(例えばドイツDarmstadt在、Evonik Industries AG社からEuroplex(登録商標)F7という名称で得られるもの:厚さ1500μm、密度1.2g/cm3)を使用し、第三の有機層Cとしては、有機層Aに相当するOCAを使用し、第二のガラス板としては、第一のガラス板に相当する薄層ガラスシートを使用した。単位面積あたりの質量は2.96kg/m2となり、この値は、航空機空間における純粋なPC若しくはPMMA窓ガラス板の2.4kg/m2という比較値をそれほど高く超えてはいないが、この比較例としての合わせガラス板は、総発熱量試験には耐えられなかった。この試験は、FAR/JAR/CS 25, App. F, Part IV & AITM 2.0006の規定と規則に従って行った。 両方のガラス板の厚さ対、3つの有機層の厚さの比は1:3.810であり、明らかに高過ぎたため、純粋なPCガラス板に比べて、総発熱量に関して明確な差違はなかった。

全ての有機層の総厚の特定の境界と、1つ若しくは複数のガラス板の総厚対、全ての有機層の総厚の比を維持してのみ、また記載した単位面積あたりの質量を遵守しながら、軽量合わせガラス板について充分な熱的安全性、特にブンゼンバーナー試験による残炎試験と総発熱量試験による総発熱量について、本発明により実現可能なことを、以下の実施例は示している。

図1は第一の例において、3層の軽量合わせガラス板1の構造を示す。基礎担持基材は、化学的にプレストレス加工されたアルミノケイ酸塩ガラス製の第一のガラス板11(例えばMainz在のSchott AG社からXensation(登録商標)Coverという名称で得られるもの:厚さ0.55mm、密度2.48g/cm3)を形成し、有機層A31としては、OCA(例えばドイツHamburg在のtesa SE社からtesa(登録商標)OCA tesa 69402という名称で得られるもの:厚さ50μm、密度1.05g/cm3)を使用し、第二のガラス板21としては、プレストレス加工されていないホウケイ酸塩ガラス製の薄層シート(例えばMainz在のSchott AG社からD 263(登録商標)Tという名称で得られるもの:厚さ0.21mm、密度2.51g/cm3)を使用した。1.99kg/cm2という単位面積あたりの質量が得られ、比較値として2.4kg/m2という航空機内部空間で標準的な、純粋なPC又はPMMA製のガラス板と比べて、18%の質量節約となった。両方のガラス板の厚さ対、有機層の厚さの比は、1:0.066であった。

この軽量合わせガラス板1は、FAR/JAR/CS 25, App. F, Part I & AITM 2.0002Aの規定と規則に従って行ったブンゼンバーナー試験に耐えた。 試料の端部をそれぞれ60秒間、バーナーの炎にさらした。炎を取り外した後の残炎時間(Flame Time)は、全ての試料において0秒であった(15秒未満であることが必要)。滴下物残炎時間(Drip Flame Time)は、全ての試料において0秒であり(3秒未満であることが必要)、材料の滴下は、この試験では観察されなかった。燃焼長さ(Burn length)は、3つの試料の平均で83mmであった(152mm未満であることが必要)。ここで燃焼長さは、元々の試料端部の距離によって、これらの箇所の燃焼、部分的な破壊、又は脆性化の結果としての最も遠い部分に対して規定される。

この軽量合わせガラス板1は、発熱試験にも耐えた。この試験は、FAR/JAR/CS 25, App. F, Part IV & AITM 2.0006の規定と規則に従って行った。図2は、この例による軽量合わせガラス板1からの試料について、発滅速度の展開的な経過を示す。この試験は、燃焼した場合、5分にわたり材料の放熱量を測る熱量測定である。放熱速度とは、燃焼した場合に、試料材料が一定の時間にわたって放出するエネルギー量の値である。材料が非常に激しく燃える場合、この値は非常に高くなり、このことは曲線のピークで明らかになる。この値は3つの試料の平均で、5分間にわたり5分×65kW/m2を上回ってはならない。最初の2分間にわたる積分値が、3つの試料の平均で65kW/m2を超えてはならない総発熱量の値を特徴付ける。発熱量とは、燃焼した場合に、試料材料が放出するエネルギー量に対する尺度である。軽量合わせガラス板1は、発熱速度が17.53kW/m2であり、総発熱量が13.54kW×分/m2であった。

以下の例2及び3は、軽量合わせガラス板の代替的な実施を示し、これらはブンゼンバーナー試験、及び発熱試験に耐えた。

図3は第二の例によって、5層の軽量合わせガラス板2の構造を示す。基礎担持基材は第一のガラス板12を、プレストレス加工されていないホウケイ酸塩ガラス製の薄層ガラスシート(Mainz在のSchott AG社からD 263(登録商標)という名称で得られるもの:厚さ0.21mm、密度2.51g/m3)から形成する。或いはまた、化学的にプレストレス加工したホウケイ酸塩ガラス、又は例えばアルミノケイ酸塩ガラスも使用できる。有機層A32としては、OCA(例えばドイツHamburg在のtesa SE社から、tesa(登録商標)OCA tesa 69402という名称で得られるもの:厚さ50μm、密度1.05g/cm3)を使用した。有機層B41としては、厚さ12μm、密度1.2g/cm3のPETフィルムを使用した。有機層C51としては、OCA(例えばドイツHamburg在のtesa SE社から、tesa(登録商標)OCA tesa 69402 という名称で得られるもの:厚さ50μm、密度1.05g/cm3)を使用した。第二のガラス板22としては、プレストレス加工されていないホウケイ酸塩ガラス(例えばMainz在のSchott AG社から、D 263(登録商標)Tという名称で得られるもの:厚さ0.21mm、密度2.51g/cm3)を使用した。或いはここでまた、化学的にプレストレス加工したホウケイ酸塩ガラス、又は例えばアルミノケイ酸塩ガラスも使用できる。1.17kg/cm2という単位面積あたりの質量が得られ、比較値として2.4kg/m2という航空機内部空間で標準的な、純粋なPC又はPMMA製のガラス板と比べて、51%の質量節約となった。両方のガラス板の厚さ対、112μmの有機層の総厚の比は、1:0.267であった。

図4は例3Aによって、さらなる3層の軽量合わせガラス板3の構造を示す。基礎担持基材は第一のガラス板13を、化学的にプレストレス加工されたアルミノケイ酸塩ガラス(例えばMainz在のSchott AG社製のXensation(登録商標)Cover:厚さ0.7mm、密度2.48g/cm3)から形成し、有機層A33として、OCA(例えばドイツHamburg在のtesa SE社から、tesa(登録商標)OCA tesa 69401という名称で得られるもの:厚さ25μm、密度1.05g/cm3)を使用する。第二の有機層D61としては、厚さ100μm、密度1.2g/cm3のPETフィルムを使用した。1.88kg/cm2という単位面積あたりの質量が得られ、比較値として2.4kg/m2という航空機内部空間で標準的な、純粋なPC又はPMMA製のガラス板と比べて、21%の質量節約となった。ガラス板の厚さ対、125μmの有機層の総厚の比は、1:0.179であった。

例3Aに代えてさらなる例3Bを、3層の軽量合わせガラス板3の構造として提示する。基礎担持基材はここでも、第一のガラス板13を、化学的にプレストレス加工されたアルミノケイ酸塩ガラス(例えばMainz在のSchott AG社製のXensation(登録商標)Cover:厚さ0.55mm、密度2.48g/cm3)から形成する。有機層A33としては、OCA(例えばドイツHamburg在のtesa SE社から、tesa(登録商標)OCA tesa 69401という名称で得られるもの:厚さ25μm、密度1.05g/cm3)を使用した。第二の有機層D61としては、厚さ36μm、密度1.2g/cm3のPETシートを使用した。1.43kg/cm2という単位面積あたりの質量が得られ、比較値として2.4kg/m2という航空機内部空間で標準的な、純粋なPC又はPMMA製のガラス板と比べて、40%の質量節約となった。ガラス板の厚さ対、61μmの有機層の総厚の比は、1:0.111であった。「垂直式ブンゼンバーナー試験」に相当する残炎時間の試験は、FAAの規定と試験条件に従って、" Aircraft Materials Fire Test Handbook", DOT/FAA/AR-00/12, Chapter 1 "Vertical Bunsen Burner Test for Cabin and Cargo Compartment Materials"に相応して得たものであり、FAR/JAR/CS 25, App. F, Part Iに従って、試験において炎を外した後に測定した残炎時間は、ここでは層構造の自己消火性に基づき、1秒未満〜0秒の残炎時間であった。軽量合わせガラス板の透明度は90.1%であり、光学的な散乱性は0.66%であった。ガラス板13の屈折率は1.51(588nmで)であり、事前複合材としての両方の有機層の屈折率は、1.48(588nmで)であった。よって屈折率の差は、0.3であった。第一の層A、及び第二の有機層Dは、事前複合材において相互に接合されており、それからガラス板に気泡が生じないように、クリーンルームでローラにより施与した。ローラは、28℃の温度に調節した。

以下の例4〜12は、図1〜4の実施に相当する軽量合わせガラス板のさらに代替的な実施を示し、これらはブンゼンバーナー試験、及び発熱試験に耐えた。

例4

・単位面積あたりの質量:2.78kg/m2 ・有機層の総厚:50μm ・ガラス板の厚さ対、有機層の総厚の比、1:0.045。

例5

・単位面積あたりの質量:4.61kg/m2 ・有機層の総厚:350μm ・ガラス板の厚さ対、有機層の総厚の比、1:0.206。 例6

・単位面積あたりの質量:2.10kg/m2 ・有機層の総厚:200μm ・ガラス板の厚さ対、有機層の総厚の比、1:0.263。

例7

・単位面積あたりの質量:0.65kg/m2 ・有機層の総厚:25μm ・ガラス板の厚さ対、有機層の総厚の比、1:0.10。

例8

・単位面積あたりの質量:5.12kg/m2 ・有機層の総厚:125μm ・ガラス板の厚さ対、有機層の総厚の比、1:0.063。

例9

・単位面積あたりの質量:0.63kg/m2 ・有機層の総厚:62μm ・ガラス板の厚さ対、有機層の総厚の比、1:0.276。

例10

・単位面積あたりの質量:5.22kg/m2 ・有機層の総厚:200μm ・ガラス板の厚さ対、有機層の総厚の比、1:0.10。

例11

・単位面積あたりの質量:5.02kg/m2 ・有機層の総厚:25μm ・ガラス板の厚さ対、有機層の総厚の比、1:0.013。

例12

・単位面積あたりの質量:1.31kg/m2 ・有機層の総厚:350μm ・ガラス板の厚さ対、有機層の総厚の比、1:0.933。

図5は、軽量合わせガラス板4と、窓枠7とを有する、本発明による窓ガラス5を示す。軽量合わせガラス板4は、ガラス板14、及び第二のガラス板23、並びに有機層A34からなっていてよい。軽量合わせガラス板は、他のあらゆる実施態様を有していてもよい。窓枠7、及び軽量合わせガラス4は、窓枠7が有機層A34によって、又は別の実施態様では有機層Cが、ガラス板14により接着されていることにより、本発明によれば相互に強固に接合されている。このために第二のガラス板23は、相応して後退しており、これにより、有機層A34の形態の、又は別の実施態様では有機層Cの形態の接着フィルムが、窓枠の嵌合面を受け入れるために、張り出している。窓枠の他の箇所は、窓枠の接着された箇所と、例えば当業者に知られているように結合していてよい。

本発明は、前述の特徴の組み合わせに制限されず、当業者は本発明の特徴全体を、有意義である限り、本発明の範囲を離れることなく、任意で組み合わせて、又は単独で使用できることは明らかである。

1、2、3、4 軽量合わせガラス板の実施態様、 5 軽量合わせガラス板と窓枠を有する窓ガラス板、 11、12、13、14 ガラス板、 21、22、23 第二のガラス板、 31、32、33、34 有機層A、 41 第二の有機層B、 51 第三の有機層C、 61 第二の有機層D、 7 窓枠

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