熱転写テキスタイルインク

申请号 JP2014548817 申请日 2012-12-19 公开(公告)号 JP2015508432A 公开(公告)日 2015-03-19
申请人 ダウ コーニング コーポレーションDow Corning Corporation; ダウ コーニング コーポレーションDow Corning Corporation; 发明人 デリーズ ナンシー; デリーズ ナンシー; ホフィー キャサリン; ホフィー キャサリン; ルイ ジュリアン ルノーブル バートランド; ルイ ジュリアン ルノーブル バートランド; バスケス−カリーリョ フェルナンド; バスケス−カリーリョ フェルナンド;
摘要 (a)シリコーン・インク・ベース組成物と、(b)1種類以上の顔料と、(c)熱転写接着促進剤と、を含む、熱転写テキスタイルインク製品。
权利要求
  • (a)シリコーン・インク・ベース組成物と、
    (b)顔料と、
    (c)熱転写接着促進剤であって、
    (i)水素結合ケイ素と、
    (ii)オルガノシランと、
    (iii)金属キレートと、を含む群の1つ以上である、熱転写接着促進剤と、を含む、熱転写テキスタイルインク。
  • 前記熱転写接着促進剤は、水素結合ケイ素を含む、請求項1に記載の熱転写テキスタイルインク。
  • 前記熱転写接着促進剤は、少なくとも1種類のオルガノシラン、あるいは2種類の異なるオルガノシランと、少なくとも1種類のジルコニウムキレートと、を含む、請求項1又は2に記載の熱転写テキスタイルインク。
  • 群(i)の前記水素結合ケイ素は、

    (式中、mは0及び120の範囲内にあり、nは1〜120の範囲内にある)を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の熱転写テキスタイルインク。
  • 前記水素結合ケイ素は、2×10 −5m2 /s(20cst)の粘度を有し、mは0であり、nは平均して60に等しく、かつ、2500の平均分子量を有する、請求項4に記載の熱転写テキスタイルインク。
  • 群(ii)の前記オルガノシランは、
    (i)式R SiR (4−b) (式中、それぞれのR は独立して一価有機基であり、それぞれのR はアルコキシ基であり、bは0、1、2、又は3である)、又は (ii)式R Si(OR 4−(c+d) (式中、それぞれのR は独立して、少なくとも1つの炭素原子を有する、置換又は非置換一価炭化水素基であり、それぞれのR はアミノ基、エポキシ基、メルカプト基、又はアクリレート基などの接着促進基を有する少なくとも1つのSiC結合基を含有し、cは0、1又は2であり、dは1又は2であり、c+dの合計が3以下である)、のどちらかを含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の熱転写テキスタイルインク。
  • 前記オルガノシランは、ビニルトリエトキシシラン、(メタクリルオキシプロピル)トリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、及びこれらの組み合わせなどの、トリアルコキシシランを含む群の1つ以上である、請求項6に記載の熱転写テキスタイルインク。
  • 群(iii)の前記金属キレートは、金属(ジルコニウム(IV)若しくはチタンなど)テトラアセチルアセトネート、金属ヘキサフルオロアセチルアセトネート、金属トリフルオロアセチルアセトネート、金属テトラキス(エチルトリフルオロアセチルアセトネート)、金属テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−ヘプタンジオナト)、金属ジブトキシビス(エチルアセトネート)、金属ジイソプロポキシビス(2,2,6,6−テトラメチル−ヘプタンジオナト)、又は金属β−ジケトン(これらのアルキル置換型及びフルオロ置換型を含む)を含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の熱転写テキスタイルインク。
  • 前記金属キレートはジルコニウムキレート、好ましくはジルコニウムアセチルアセトネートである、請求項8に記載の熱転写テキスタイルインク。
  • 前記熱転写接着促進剤は、メタクリルオキシプロピルトリメトキシシランと、グリシドキシプロピルトリメトキシシランと、ジルコニウムアセチルアセトネートと、を含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載の熱転写テキスタイルインク。
  • 前記シリコーン・インク・ベース組成物は、
    (A)100重量部の、それぞれの分子中に少なくとも2つのアルケニルラジカルを含有する液状ポリジオルガノシロキサンと、
    (B)それぞれの分子中に少なくとも3つのケイ素結合水素原子を含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンであって、この成分(B)中の前記ケイ素結合水素原子の総数の、成分(A)中の全アルケニルラジカルの総量に対するモル比が0.5:1〜20:1となる量の、オルガノハイドロジェンポリシロキサンと、
    (C)成分(A)の量に対して5〜50重量部の、補強充填剤と、
    (D)成分(A)、(B)、及び(C)を合わせた重量100重量部に対して、0.05〜4.5重量部の、5〜50モル%のポリエーテルを含有するポリジオルガノシロキサン−ポリエーテルコポリマーと、
    (E)ヒドロシリル化触媒と、を含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載の熱転写テキスタイルインク。
  • 1種類以上の熱転写接着剤を更に含む、請求項1〜11のいずれか一項に記載の熱転写テキスタイルインク。
  • 熱転写コーティングを含み、前記熱転写コーティングは請求項1〜12のいずれか一項に記載の熱転写テキスタイルインクを含む、積層熱転写製品。
  • 少なくとも、ライナー層と、トップ熱転写コーティング層と、ベース熱転写コーティング層と、接着剤層と、を含む、請求項13に記載の積層熱転写製品。
  • (a)1種類以上の熱転写接着剤と、
    (b)請求項1〜10のいずれか一項で定義した熱転写接着促進剤と、を含む、熱転写製品。
  • 熱転写印刷加工中における、1つ以上の熱転写コーティングと接着剤との間の接着促進剤としての、請求項1〜10のいずれか一項で定義した熱転写接着促進剤の使用。
  • 積層熱転写製品の1つ以上のコーティングから、テキスタイル基材に、画像を転写する、熱転写印刷方法であって、少なくとも、
    (i)請求項13又は14で定義した積層熱転写製品を提供する工程と、
    (ii)工程(i)の該積層熱転写製品を、該テキスタイル基材と結合させる工程と、
    (iii)該積層熱転写製品の該1つ以上のコーティングから該基材上に該画像を転写する工程と、を含む、方法。
  • 請求項1〜12のいずれか一項で定義した前記熱転写テキスタイルインクを含む、インプリントされた紡織衣類又は物品。
  • 請求項13又は14で定義した前記積層熱転写製品を含む、インプリントされた紡織衣類又は物品。
  • 说明书全文

    (関連出願の相互参照)
    なし

    (発明の分野)
    本発明は、テキスタイル用コーティング、具体的には熱転写加工によるテキスタイル用コーティングで有用な熱転写テキスタイルインクに関する。 また、本発明は、そのような熱転写テキスタイルインクを含む積層熱転写製品、及びそのような熱転写製品を使用した熱転写印刷方法に関する。

    シリコーン業界では、硬化前には液状形態であり、硬化後にはエラストマー生成物を形成するシリコーン・インク・ベース組成物が周知である。 シリコーン・インク・ベースは、得られる処理済みテキスタイルの柔らかな手触りと洗濯耐久性を理由として、テキスタイル向け印刷用途で用いられている、特化された液状シリコーンゴム(LSR)である。

    国際公開第2007/039763(A1)号は、既知である液状シリコーンゴム(LSR)と比較して、よりよいフィルムの外観と、よりよい物性(柔軟性、低粘着性、及び伸長性など)と、を有する、テキスタイル向けコーティング用の改良されたシリコーン・インク・ベース組成物を開示している。

    一方、「熱転写」印刷は、熱転写製品から様々な基材に対して画像を迅速に適用するために、特に好適な既知の技術又は方法である。 一般的には、熱転写製品は積層体であり、該積層体上に1つ以上のコーティングによって作成された画像を有しており、(具体的には、基材販売の現場における、又は基材の位置が固定されていることに起因した、)迅速かつ簡便な印刷方法で、基材に接着させることができる、提供された絵及び/又は印刷デザイン若しくはメッセージ(例えば、ラベル、デカールなど)に対して使用されることを意図したものである。 基材としては、例えば、必要な画像が店頭にのみあることが所望される被服(典型的にはTシャツなど)のテキスタイル及び布地、又は、定位置に固定され、個別印刷のために取り外すことができない、車両の表面、硬質プラスチック製の構成部品などが挙げられる。

    しかしながら、一部の現在入手可能なシリコーンインクでは、熱転写印刷加工中における、一部の基材及び/又は接着剤への接着が困難である。

    本発明は、熱転写印刷加工中において、シリコーン・インク・ベース及び/又は1又は複数の接着剤の、基材に対する改良された接着性を提供することができる、熱転写テキスタイルインクに関する。 本明細書において使用される際、冠詞「a」、「an」及び「the」は、それぞれ、1つ以上を意味する。

    ある態様では、本発明は、
    (a)シリコーン・インク・ベース組成物と、
    (b)顔料と、
    (c)熱転写接着促進剤であって、
    (i)素結合ケイ素と、
    (ii)オルガノシランと、
    (iii)金属キレートと、を含む群の1つ以上である、熱転写接着促進剤と、を含む、熱転写テキスタイルインクを提供する。

    好適な顔料は当該技術分野で既知であるため、更に詳細な説明は行わない。 好適な顔料としては、あらゆる種類の顔料、インク、チンキ剤、染料、着色剤及び「絵の具」が挙げられ、これらは、必要な画像の量と質を提供するために、当該技術分野で既知の適切な割合で含まれる。 好適な顔料及び染料としては、カーボンブラック、二酸化チタン、酸化クロム、バナジン酸ビスマスなどが挙げられるが、これらに限定されない。 本発明の一実施形態では、顔料及び染料は、当該技術分野で既知である、顔料マスターバッチの形態で使用される。 顔料は、シリコーン・インク・ベースに対して25:75〜70:30の比率で、熱転写テキスタイルインク組成物中に分散させてもよい。

    熱転写テキスタイルインクは、上に列挙した熱転写接着促進剤を、任意の割合及び/又は比率(例えば、0.1重量%〜10重量%の量、あるいは0.5重量%〜5重量%の範囲)で含んでよい。

    (c)の群(i)の水素結合ケイ素は、


    (式中、mは0及び120の範囲内にあり、nは1〜120の範囲内にある)を、含んでよい。

    あるいは、任意選択で、前記水素結合ケイ素は、2×10 −5m2 /s(20cst)の粘度を有し、mは0であり、nは平均して60に等しく、かつ、2500の平均分子量を有する。 あるいは、1種類以上の異なる水素結合ケイ素を、接着促進剤として含んでもよい。

    あるいは、前記水素結合ケイ素は、後述するように、シリコーン・インク・ベースのアルケニルオルガノシロキサンの量と比較して、少なくとも1.5のモル比で提供される。

    (c)の群(ii)のオルガノシランは、シラン、シランのオリゴマー反応生成物、又はこれらの組み合わせ、具体的にはアルコキシシランであってもよい。 あるいは、1種類以上、あるいは2種類の、異なるオルガノシランが含まれていてもよい。

    あるいは、前記オルガノシランは、(i)式R SiR (4−b) (式中、それぞれのR は独立して一価有機基であり、それぞれのR はアルコキシ基であり、bは0、1、2、又は3である)、又は(ii)式R Si(OR 4−(c+d) (式中、それぞれのR は独立して、少なくとも1つの炭素原子を有する、置換又は非置換一価炭化水素基であり、それぞれのR はアミノ基、エポキシ基、メルカプト基、又はアクリレート基などの接着促進基を有する少なくとも1つのSiC結合基を含有し、cは0、1又は2であり、dは1又は2であり、c+dの合計が3以下である)、又は、これらの部分縮合物、のいずれかを含んでよい。

    前記オルガノシランは、ジアルコキシシラン(ジアルキルジアルコキシシランなど)、トリアルコキシシラン(アルキルトリアルコキシシラン若しくはアルケニルトリアルコキシシランなど)、により例示されるアルコキシシラン、又は、これらの部分若しくは完全加水分解生成物、又はこれらの他の組み合わせを含んでよい。 好適なトリアルコキシシランの例としては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、及びこれらの組み合わせが挙げられる。 アルコキシシラン架橋剤の例は、米国特許第4,962,076号、第5,051,455号、及び第5,053,442号に開示されている。

    あるいは、前記オルガノシランは、クロロメチルメチルジメトキシシラン、クロロメチルメチルジエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、メチル−n−プロピルジメトキシシラン、(2,−ジクロロシクロプロピル)−メチルジメトキシシラン、(2,2−ジフルオロシクロプロピル)−メチルジエトキシシラン、(2,2−ジクロロシクロプロピル)−メチルジエトキシシラン、フルオロメチル−メチルジエトキシシラン、フルオロメチルジメトキシシラン、又はこれらの組み合わせ、から選択されるジアルコキシシランを含んでもよい。

    あるいは、前記オルガノシランは、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、シクロペンチルトリメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、2−エチル−ヘキシルトリメトキシシラン、2,3−ジメチルシクロヘキシルトリメトキシシラン、グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、アミノエチルアミノプロピルトリメトキシシラン、(エチレンジアミンプロピル)トリメトキシシラン、3−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、クロロメチルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、トリクロロフェニルトリメトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、4,4,4,3,3−ペンタフルオロブチルトリメトキシシラン、2,2−ジフルオロシクロプロピルトリエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、シクロヘキシルトリエトキシシラン、クロロメチルトリエトキシシラン、テトラクロロフェニルトリエトキシシラン、フルオロメチルトリエトキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、メチル−トリス(メトキシエトキシ)シラン、n−プロピル−トリス(3−メトキシエトキシ)シラン、フェニルトリス−(メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、又はこれらの他の組み合わせ、から選択されるトリアルコキシシランを含んでよい。

    あるいは、前記オルガノシランは、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、又はこれらの他の組み合わせ、から選択されるテトラアルコキシシランを含んでもよい。

    あるいは、前記オルガノシランは、ビニルトリエトキシシラン、(メタクリルオキシプロピル)トリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、及びこれらの組み合わせなどの、トリアルコキシシランを含む群の1つ以上である。

    あるいは、前記オルガノシラン群は、アミノエチルアミノプロピルトリメトキシシラン、(エチレンジアミンプロピル)トリメトキシシラン、3−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、又はこれらの他の組み合わせ、から選択されるトリアルコキシシランである。 他の例としては、フェニルトリメトキシシラン及びイソブチルトリメトキシシランが挙げられる。

    (c)の群(iii)の金属キレートは、テトラアセチルアセトネート錯体、ヘキサフルオロアセチルアセトネート錯体、トリフルオロアセチルアセトネート錯体、テトラキス(エチルトリフルオロアセチルアセトネート)錯体、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−ヘプタンジオナト)錯体、ジブトキシビス(エチルアセトネート)錯体、ジイソプロポキシビス(2,2,6,6−テトラメチル−ヘプタンジオナト)錯体、又はβ−ジケトン錯体など(これらのアルキル置換型及びフルオロ置換型を含む)の、好適なキレート錯体形態である、任意の好適な金属(ジルコニウム(IV)若しくはチタンなど)を含んでよい。

    あるいは、前記金属キレートは、ジルコニウムキレートであり、任意選択的には、ジルコニウムテトラキスアセチルアセトネート(「Zr(AcAc) 」とも称される)などのジルコニウムアセチルアセトネート(これらのアルキル置換型及びフルオロ置換型を含む)である。

    他の金属キレートの例は、参照により本明細書に援用される米国特許出願公開第2010/0190396(A)号に開示されている。

    一実施形態では、本発明の印刷用組成物における熱転写接着促進剤は、ケイ素結合水素を含む。 他の実施形態では、本発明の印刷用組成物における熱転写接着促進剤は、ケイ素結合水素と、オルガノシランと、金属キレートと、を含む。 他の実施形態では、熱転写接着促進剤は、ケイ素結合水素と、少なくとも2種類のオルガノシランと、少なくとも1種類の金属キレートと、を含む。 他の実施形態では、熱転写接着促進剤は、ケイ素結合水素と、メタクリルオキシプロピルトリメトキシシランと、グリシドキシプロピルトリメトキシシランと、ジルコニウムアセチルアセトネートと、を含む。

    前記シリコーン・インク・ベース組成物は、当該技術分野で既知である、1種類以上のシリコーン・インク・ベース組成物を含んでもよいが、本発明はそれに限定されない。 あるいは、前記シリコーン・インク・ベースは、参照により本明細書に援用される国際公開第2007/039763(A1)号に定義されている。

    あるいは、本発明の熱転写テキスタイルインク用のシリコーン・インク・ベース組成物は、
    (A)それぞれの分子中に少なくとも2つのアルケニルラジカルを含有する100重量部の液状ポリジオルガノシロキサンと、
    (B)それぞれの分子中に少なくとも3つのケイ素結合水素原子を含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンであって、この成分中の前記ケイ素結合水素原子の総数の、成分(A)中の全アルケニルラジカルの総量に対するモル比が0.5:1〜20:1となる量の、オルガノハイドロジェンポリシロキサンと、
    (C)成分(A)の量に対して5〜50重量部の、補強充填剤と、
    (D)成分(A)、(B)、及び(C)を合わせた重量100重量部に対して、5〜50モル%のポリエーテルを含有する0.05〜4.5重量部のポリジオルガノシロキサン−ポリエーテルコポリマーと、
    (E)ヒドロシリル化触媒と、を含んでもよい。

    成分(A)は、それぞれの分子中に少なくとも2つのケイ素結合アルケニルラジカルを含有する液状ポリジオルガノシロキサンである。 成分(A)における好適なアルケニルラジカルは、2〜10の炭素原子を含有してもよく、好ましい例は、ビニル基、イソプロペニル基、アリル基、及び5−ヘキセニル基である。 成分(A)は、追加的にアルケニルラジカル以外の、ケイ素結合有機基を含んでいてもよい。 典型的には、このようなケイ素結合有機基は、1〜10の炭素原子を含有してもよい一価飽和炭化水素ラジカル、及び6〜12の炭素原子を含有してもよい一価芳香族炭化水素ラジカルから選択される。 そして、これらの炭化水素ラジカルは、非置換であるか、又は、本発明の組成物の硬化を妨げることのない基(ハロゲン原子など)によって置換されている。 ケイ素結合有機基の代替的な化学種としては、例えば、アルキル基(メチル基、エチル基及びプロピル基など)、ハロゲン化アルキル基(3,3,3−トリフルオロプロピルなど)、及びアリール基(フェニル基など)が挙げられる。

    成分(A)の分子構造は、典型的には直鎖状であるが、分子内の三価のシロキサン単位の存在に起因した、いくらかの分岐が存在していてもよい。 本発明のシリコーン・インク・ベース組成物を硬化させることによって調製されるエラストマーにおいて、有用な水準の物性を達成するため、25℃で少なくとも0.1Pa. sの粘度を達成するように、成分(A)の分子量は十分なものであるべきである。 成分(A)の分子量の上限は特に制限されないが、典型的には、本発明のシリコーン・インク・ベース組成物の加工性によってのみ制限される。

    成分(A)の実施形態は、2つの末端にアルケニルラジカルを含有するポリジオルガノシロキサンであり、一般式(I)で表すことができる。
    R'R''R'''SiO−(R''R'''SiO) −SiR'''R''R' (I)
    式(I)において、それぞれのR'は、ビニル基、アリル基、及び5−ヘキセニル基などの、2〜10の炭素原子を含有してもよい、アルケニルラジカルである。

    R''はエチレン性不飽和を含有せず、それぞれのR''は同一でも、異なってもよく、かつ1〜10の炭素原子を含有してもよい一価飽和炭化水素ラジカル及び6〜12の炭素原子を含有してもよい一価芳香族炭化水素ラジカルから個別に選択される。 R''は、非置換でもよく、又は、本発明の組成物の硬化を妨げることのない1つ以上の基(ハロゲン原子など)によって置換されていてもよい。 R'''はR'又はR''であり、pは、成分(A)が25℃で少なくとも0.1Pa. sの粘度(例えば、0.1〜300Pa.s)を有するために好適な重合度を表す。

    あるいは、式(I)に従った化合物に含有される全てのR''及びR'''基がメチル基である。 あるいは、式(I)に従った化合物の少なくとも1つのR''及び/又はR'''基がメチル基であり、その他はフェニル基又は3,3,3−トリフルオロプロピル基である。 この選択は、前記ポリジオルガノシロキサン(成分(A))を調製するために典型的に使用される反応物質が利用可能かどうか、及びこのようなポリジオルガノシロキサンを含む組成物から調製される硬化エラストマーに対して所望される特性に基づくものである。

    末端基にのみ、エチレン性不飽和炭化水素ラジカルを含有する成分(A)の例としては、ジメチルビニルシロキシ末端ポリジメチルシロキサン、ジメチルビニルシロキシ末端ポリメチル−3,3,3−トリフルオロプロピルシロキサン、ジメチルビニルシロキシ末端ジメチルシロキサン−3,3,3−トリフルオロプロピルメチルシロキサンコポリマー、及びジメチルビニルシロキシ末端ジメチルシロキサン/メチルフェニルシロキサンコポリマー、又はこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。

    一般的に、成分(A)は、25℃で少なくとも0.1Pa. s、あるいは0.1〜300Pa. s、あるいは25℃で0.1〜100Pa. sの粘度を有する。

    成分(B)は、以下に述べる成分(E)の触媒活性の下で、成分(B)のケイ素結合水素原子と成分(A)のアルケニル基との付加反応によって、成分(A)を硬化するための架橋剤として作用するオルガノハイドロジェンポリシロキサンである。 通常、成分(B)は、成分(B)の水素原子が成分(A)のアルケニルラジカルと十分に反応し、該アルケニルラジカルとネットワーク構造を形成し、それによって組成物を硬化させることができるように、3以上のケイ素結合水素原子を含有している。

    成分(B)の分子構造は特に限定されず、直鎖状でも、分岐を含む直鎖状でも、又は環状でもよい。 成分(B)の分子量は特に限定されないが、任意選択で、成分(A)との優れた混和性を得るために、粘度は25℃で0.001〜50Pa. sである。

    成分(B)は、成分(B)中のケイ素結合水素原子の総数の、成分(A)中の全アルケニルラジカルの総数に対するモル比が0.5:1〜20:1となるような量で、添加されてもよい。 この比が0.5:1未満であるときは、十分に硬化した組成物が得られない。 この比が20:1より大きいときは、加熱されたときに、硬化した組成物の硬度が増加する傾向がある。

    成分(B)の例としては、
    (i)トリメチルシロキシ末端メチルハイドロジェンポリシロキサン、
    (ii)トリメチルシロキシ末端ポリジメチルシロキサン−メチルハイドロジェンシロキサン、
    (iii)ジメチルハイドロジェンシロキシ末端ジメチルシロキサン−メチルハイドロジェンシロキサンコポリマー、
    (iv)ジメチルシロキサン−メチルハイドロジェンシロキサン環状コポリマー、
    (v)(CH HSiO 1/2単位と、SiO 4/2単位と、からなるコポリマー、及び (vi)(CH SiO 1/2単位と、(CH HSiO 1/2単位と、SiO 4/2単位と、からなるコポリマー、が挙げられるが、これらに限定されない。

    本発明のシリコーン・インク・ベース組成物を使用して調製できる硬化エラストマーのいくつかの種類を特徴付ける、高水準の物性を達成するため、超微粒子状シリカなどの補強充填剤を含むことが望ましい。 大抵、シリカ及び他の補強充填剤は、硬化性組成物の加工中における、「クレーピング」又は「クレープ硬化(crepe hardening)」と呼ばれる現象を防ぐために、1つ以上の既知の充填剤処理剤で処理される。

    超微粒子状形態のシリカは、好ましい補強充填剤である。 典型的に1グラム当たり少なくとも50平方メートルの比較的大きな表面積を有することから、具体的には、コロイダルシリカ又は非晶質シリカが好ましい。 本発明における使用では、1グラム当たり少なくとも200平方メートルの表面積を有する充填剤が好ましい。 コロイダルシリカは、沈殿シリカ又はヒュームドシリカの形態で提供できる。 どちらの種類のシリカも、市販されている。

    本発明のシリコーンインク組成物で使用される超微粒子状シリカ、又は他の補強充填剤の量は、少なくとも部分的には、硬化エラストマーで所望される物性によって決定される。 典型的には、本発明のシリコーンインク組成物は、ポリジオルガノシロキサン(成分(A))の重量に対して、5〜50重量部、あるいは10〜30重量部の補強充填剤(例えば、シリカ)を含み、あるいは、いずれの成分A100部に対しても、それぞれの場合で、5〜50部、又は10〜30部を含む。

    充填剤が本来的に親水性のときには(例えば、未処理のシリカ充填剤)、該充填剤を、処理剤で処理してもよい。 この処理は、組成物への導入前に、又はその場で(in situ)(即ち、本発明のシリコーンインク組成物の他の成分の少なくとも一部の存在下で、充填剤の処理が完了し、かつ、均質な材料へと均一に分散されるまで、これらの成分を共に混合することによって)、行われる。 あるいは、成分(A)の存在下で、未処理の充填剤を処理剤により、その場で、処理する。

    任意選択的に、1又は複数の種類の充填剤を疎水性にすることで、扱いやすくするために、かつ他の成分との均一な混合物を得るために、例えば、ステアリン酸などの脂肪酸若しくは脂肪酸エステルで、又は、オルガノシラン、ポリジオルガノシロキサン、又はオルガノシラザンヘキサアルキルジシラザン、又は短鎖シロキサンジオールで、充填剤を、表面処理してもよい。 充填剤の表面処理によって、充填剤はシリコーンポリマーによって容易に湿潤されるようになる。 これらの表面改質された充填剤は凝集することがなく、シリコーンポリマーに均一に組み込むことができる。 これにより未硬化の組成物の室温の機械的特性が改善される。

    任意選択により、充填剤処理剤は、加工中のオルガノシロキサン組成物のクレーピングを防ぐために適用可能な、当該技術分野で開示されている任意の低分子量有機ケイ素化合物であってもよい。

    処理剤の例としては、それぞれの分子に、ジオルガノシロキサンの繰り返し単位が平均して2〜20含有される液状ヒドロキシル末端ポリジオルガノシロキサン、ヘキサオルガノジシロキサン、ヘキサオルガノジシラザンなどが挙げられるが、これらに限定されない。 ヘキサオルガノジシラザンは、充填剤の処理で使用する条件下で加水分解して、ヒドロキシル基を有する有機ケイ素化合物を形成しようとする。 任意選択で、処理剤中に存在するケイ素結合炭化水素ラジカルの少なくとも一部は、成分(A)及び(B)中に存在する炭化水素ラジカルの大半と同一である。 加工助剤として、少量の水を、1又は複数の種類のシリカ処理剤と共に添加してもよい。

    処理剤は、シリカ又は他の充填剤粒子の表面上に存在するケイ素結合ヒドロキシル基との反応によって、これらの粒子間の相互作用を減らすように機能すると考えられている。

    充填剤は、配合前に処理剤によって処理されてもよく、処理された充填剤は市販されている。

    成分(D)は、ポリジオルガノシロキサン−ポリエーテルコポリマーであり、以下の一般式(II)で示される。
    3−w SiO(R SiO) (R XSiO) s' SiR 3−w (II)
    (ここで、Xは−R 10 −(OC (OA) Eである。)
    (式中、R 、R 、R 、及びR は、1〜10の炭素原子を含有してもよい一価飽和炭化水素ラジカル、及び6〜12の炭素原子を含有してもよい一価芳香族炭化水素ラジカルから独立して選択され、Eは同一又は異なっており、かつヒドロキシ基、アルコキシ基から選択され、かつ1〜6の炭素原子及びカルボキシル基を含有してもよく、Aはアルキレン基であり、かつ1〜6の炭素原子を含有してもよく、R 10はアルキレンラジカルを示し、かつ2〜6の炭素原子を含有してもよく、wは0、1、又は2の整数であり、かつd'がゼロのときは1又は2でなければならず、sは0〜200の整数であり、s'は0〜15の整数であり、ここで、s及びs'は成分(D)が1分子当たりポリエーテルを5〜50モル%含有するように互いに相関する量で存在し、y及びzは独立して0〜30の整数であり、yとzの合計は2〜50の範囲内にある。)

    あるいは、それぞれのR 、R 、R 、及びR はメチル基である。 あるいは、R 10はプロピレン基又はイソブチレン基である。 あるいは、Eはヒドロキシル基、メトキシ基、又はアセトキシ基である。 あるいは、Aは、プロピレン基、イソプロピレン基、又はブチレン基である。

    一般的に、成分(D)は、ポリエーテル単位を5〜50モル%有している。 成分(D)は不溶性であるが、上述したポリジオルガノシロキサン流体(成分(A)及び(Bなど)中に分散させることができる。混合後の安定性を維持するために、ポリエーテルの含有量の上限は50モル%、あるいは30モル%である。ポリエーテル基のモル%は次の式を使用して計算できることが知られている。

    成分(D)は、成分(A)、(B)、及び(C)を合わせた重量100重量部毎に、0.05〜4.5重量部の量をする。

    本発明の熱転写テキスタイルインク組成物の硬化は成分(E)(周期表の白金族から選択される金属、又はこのような金属の化合物である、ヒドロシリル化触媒)によって触媒される。 前記金属には、白金、パラジウム、及びロジウムが含まれる。 白金及び白金化合物が、ヒドロシリル化反応におけるこれらの触媒の活性水準の高さから、好ましい。

    硬化触媒の例としては、白金黒、様々な固体担体上の白金、塩化白金酸、塩化白金酸のアルコール溶液、液状エチレン性不飽和化合物(エチレン性不飽和ケイ素結合した炭化水素ラジカルを含有するオレフィン及びオルガノシロキサンなど)との塩化白金酸の錯体が挙げられるが、これらに限定されない。 エチレン性不飽和炭化水素ラジカルを含有するオルガノシロキサンとの塩化白金酸の錯体は、米国特許第3,419,593号に記載されている。

    本発明のシリコーン・インク・ベース組成物における成分(E)の濃度は、成分(A)及び(B)を合わせた重量に対して、百万部当たり(ppm)で、白金族金属0.1〜500重量部の白金族金属濃度に等しい。

    上述した成分(A)、(B)及び(E)の混合物は、周囲温度で、硬化が開始してもよい。 液状シリコーンゴム(LSR)では典型的であるように、所望により、シリコーン・インク・ベース組成物、又は熱転写テキスタイルインクの貯蔵寿命を伸ばすために、成分(B)及び(E)を別の部分に分離してもよく、ケイ素結合水素を用いるときに、成分(B)に含めてもよい。 その後、使用する直前に、前記2つの部分を混合し、シリコーン・インク・ベース組成物、又は熱転写テキスタイルインクが形成される。 また、上記したオルガノシランを含む接着促進剤成分、及び金属キレートの混合物もまた、周囲温度で反応を開始してもよい。 混合して熱転写テキスタイルインクを形成する前に、1又は複数の種類のオルガノシラン(ii)と、1又は複数の種類の金属キレート(iii)の両方を、別々に分離しておくことにより、熱転写テキスタイルインクの貯蔵寿命を伸ばすことができる。

    また、本発明の熱転写テキスタイルインク組成物の加工時間又は可使時間を長くするために、触媒の活性を遅延又は抑制するための好適な阻害剤を使用してもよい。 例えば、米国特許第3,989,887号に記載されているようなアルケニル置換シロキサンが使用されてもよい。 環状メチルビニルシロキサンが好ましい。

    白金触媒に対する既知の阻害剤の他の一群としては、米国特許第3,445,420号に開示されているアセチレン化合物が挙げられる。 2−メチル−3−ブチン−2−オールなどのアセチレンアルコールは、25℃にて、白金含有触媒の活性を抑制する阻害剤の好ましい一群を構成している。 典型的には、これらの阻害剤を含有する組成物は、実用的な速度での硬化のために、70℃以上の温度に加熱することを必要とする。

    場合によっては、金属1モル当たり1モルの阻害剤と同程度の、低濃度の阻害剤により、十分な貯蔵安定性及び硬化速度がもたらされる。 他の場合では、金属1モル当たり500モル以下の阻害剤の阻害剤濃度が必要である。 所与の組成物における、所与の阻害剤に対する最適な濃度は、通常の実験で容易に決定できる。

    所望により、本発明のシリコーン・インク・ベース組成物は、末端位置に2つのケイ素結合水素原子を含有する、ジシロキサン又は低分子量のポリオルガノシロキサンである、成分(F)を含んでよい。

    成分(F)がジシロキサンのときは、該ジシロキサンは一般式(HR Si) Oで表され、成分(F)がポリオルガノシロキサンのときは、一般式HR SiO 1/2の末端単位と、式R SiOの非末端単位を有する。 これらの式において、R 及びR は、独立して、エチレン性不飽和を有さない、非置換又は置換の一価炭化水素ラジカルを表し、1〜10の炭素原子を含有するアルキル基、1〜10の炭素原子を含有する置換アルキル基(クロロメチル基及び3,3,3−トリフルオロプロピル基など)、3〜10の炭素原子を含有するシクロアルキル基、6〜10の炭素原子を含有するアリール基、7〜10の炭素原子を含有するアルカリル基(トリル基及びキシリル基など)、及び7〜10の炭素原子を含有するアラルキル基(ベンジル基など)が含まれるが、これらに限定されない。

    任意選択で、成分(F)は、テトラメチルジハイドロジェンジシロキサン又はジメチルハイドロジェン末端ポリジメチルシロキサンである。

    成分(F)は、成分(A)に対する鎖延長剤として機能する。 言葉を換えれば、成分(F)は成分(A)のアルケニルラジカルと反応することによって、成分(A)の2つ以上の分子を連結し、有効分子量及び潜在的な架橋部位間の距離を増加させる。

    成分(F)は、成分(A)の重量に対して、1〜10重量部、あるいは成分A 100部当たり1〜10部の量が添加されてもよい。

    硬化エラストマー組成物の特性における鎖延長剤の効果は、高分子量のポリオルガノシロキサンを使用した効果と類似しているものの、高粘度硬化性オルガノシロキサン組成物に関連する、加工その他の困難性を有していない。

    本発明の組成物での使用に好適な鎖延長剤は、ケイ素結合水素原子の濃度を最大にし、かつ本発明のエラストマー組成物の粘度を最小にするために、25℃で約0.001〜1Pa. s、任意選択的には、約0.001〜0.1Pa. sの粘度を有する。

    成分(F)(及び、存在するときには、成分(B))中に付与されるケイ素結合水素基の数は、本発明のエラストマー組成物を所望の物性へと硬化させるのに必要とされる架橋度を付与するのに十分なものである。 架橋剤によってもたらされるケイ素結合水素原子の総量は、架橋剤と鎖延長剤との両方によってもたらされるケイ素結合水素原子の、本発明のエラストマー組成物中に存在するビニルラジカル又は他のアルケニルラジカルに対するモル比が0.5〜20になる量である。

    本発明の熱転写テキスタイルインクは、周囲温度で、成分又は構成成分の全てを組み合せることによって、調製されてもよい。 この目的のために、先行技術に開示されている、任意の混合技術及び装置を用いることができる。 使用する具体的な装置は、インクの成分及び最終硬化性コーティング組成物の粘度によって決定される。 好適なミキサーとしては、パドルタイプのミキサー又はニーダータイプのミキサーが挙げられるが、これらに限定されない。 混合中の成分の冷却によって、インク組成物の早期硬化を避けることが望ましい場合がある。

    本発明の他の実施形態によると、前記熱転写テキスタイルインクは、1種類以上の熱転写接着剤を更に含んでもよい。 このような接着剤は当該技術分野で周知であり、本明細書では更に詳細な説明は行わない。 この目的のために、様々なポリエステル接着剤がよく知られている。

    本発明の熱転写テキスタイルインクは、熱転写印刷用の積層熱転写製品において、使用可能である。 また、このような熱転写製品は、「ラベル」又は「ラミネート(laminate)」又は「デカール」とも呼ばれることもある。 これらは、平坦で、かつ大抵は薄いシート形態の画像又はしるし(indicia)を提供する簡便な方法を提供するものであり、これらによって、容易に大量生産することが可能となり、容易かつ迅速に好適な基材へ付加するために運搬することが可能となる。 このような基材としては、被服(Tシャツ、スカーフ、「トップス」など)などの布地及びテキスタイルと並んで、他に、それぞれの位置に固定されている基材が挙げられる。 一般的には、積層製品は基材の上に配置されて、熱が加えられ、続いて前記積層製品の1つ以上の層が取り除かれて、耐久性のある画像が基材上に残る。

    熱転写製品の典型的な構成は、1つ以上のライナー(具体的には後で画像から取り除かれるトップライナー)、意図する画像を作成するための特定の又はそれぞれの顔料などを含む1つ以上のコーティング、及び粘着剤又は接着剤層、及び印刷加工前に取り除かれるように適合させた、任意選択的な1つ以上の「バッキング」層である。

    それ故、本発明の第2の態様によると、熱転写コーティングを含み、前記熱転写コーティングは本明細書で定義したような熱転写テキスタイルインクを含む、積層熱転写製品が提供される。

    あるいは、本発明の熱転写製品は、少なくとも、ライナー層と、トップ熱転写コーティング層と、ベース熱転写コーティング層と、接着剤層と、を含む。

    本発明の第3の態様によると、
    (a)1種類以上の熱転写接着剤と、
    (b)本明細書で定義したような熱転写接着促進剤と、を含む、熱転写製品が提供される。

    このように、前記熱転写接着促進剤は、熱転写テキスタイルインク中の含有物に代えて、又は加えて、熱転写製品の接着剤へと添加することができる。

    本発明の他の態様によると、本明細書で定義したような熱転写接着促進剤の、熱転写印刷加工中における、1つ以上の熱転写コーティングと接着剤との間の接着促進剤としての、使用が提供される。

    上述したように、熱転写印刷は、熱転写製品から様々な基材に対して画像を迅速に適用するための、技術又は方法である。 一般的には、熱転写製品は積層体であり、該積層体上に1つ以上のコーティングによって作成された画像を有しており、(具体的には、基材販売の現場における、又は基材の位置が固定されていることに起因した、)迅速かつ簡便な印刷加工で、基材に接着させることができる、提供された絵及び/又は印刷デザイン若しくはメッセージ(例えば、ラベル、デカールなど)に対して使用されることを意図したものである。

    それ故、本発明の第4の態様によると、積層熱転写製品の1つ以上のコーティングから、基材あるいはテキスタイル基材に、画像を転写する、熱転写印刷方法であって、少なくとも、
    (i)本明細書で定義したような積層熱転写製品を提供する工程と、
    (ii)工程(i)の前記積層熱転写製品を、前記基材と統合する工程と、
    (iii)前記積層熱転写製品の前記1つ以上のコーティングから前記基材上に前記画像を転写する工程と、を含む、方法が提供される。

    当業者であれば、これらに限定されるものではないが、難燃剤、紫外線安定剤、非補強充填剤(炭酸カルシウムなど)などの1つ以上の更なる成分、又は構成成分を熱転写テキスタイルインクにおいて使用することができ、本発明の熱転写テキスタイルインクを含む熱転写製品は、1つ以上の更なる成分若しくは構成成分又は層を含んでよい。

    テキスタイル及び他の基材を含む、多くの基材が、本発明の熱転写テキスタイルインク組成物でコーティングされてもよい。 本発明の熱転写テキスタイルインクでコーティングできるテキスタイル基材としては、綿、ポリエステル、ナイロン、及びそれらの混合物、又は他の材料と組み合せた混合物(2〜20%の伸縮性のある繊維(Lycra(Du Pont companyの商標)など)を含むナイロンの混合物など)が挙げられるが、これらに限定されない。

    本発明の熱転写テキスタイルインクが使用されてもよい他の基材としては、ラベル、パッチ、プラスチック製の構成部品(具体的には、自動車などの車両の硬質プラスチック製構成部品)、車両の布地製構成部品、革、紙、金属、プラスチックが挙げられる。

    それ故、本発明の他の態様によると、本明細書で定義したような熱転写テキスタイルインクを含む、又は本明細書で定義したような熱転写製品を含む、インプリントされた紡織衣類又は物品が提供される。

    本発明の好ましい実施形態を実証するため、以下の実施例が挙げられる。 実施例中に開示される技術は、発明者により見出された、本発明の実施に際して良好に機能する技術を示すものであって、それ故、本発明の実施に対する好ましい態様を構成するものとみなすことができることが、当業者には認識されるべきである。 しかしながら、本開示に照らして、開示される特定の実施形態において、本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく、多くの変更をなすことができ、依然として類似する、又は同様の結果を得ることができることが、当業者には認識されるべきである。

    実施例では、次の成分及び方法を使用した。
    成分:
    シリコーン・インク・ベースとして、Dow Corning(登録商標)社製の、LCF 9601 textile printing ink base
    触媒として、Dow Corning(登録商標)社製の、LCF 9600 Catalyst
    白色顔料として、Dow Corning(登録商標)社製の、LPX White 5
    抑制剤として、Dow Corning(登録商標)社製の、LC−9608 printing retardant

    プレミックスの添加剤は、以下のうちの1つ以上を含有:
    水素結合ケイ素として、25℃で2×10 −5 /s(20cst)の粘度を有する、トリメチルシロキシ末端ポリジメチル−メチルハイドロジェンシロキサン エポキシシランとして、グリシドキシイソプロピルトリメトキシシラン メタクリルオキシシランとして、メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン ZrAcAcとして、Matsumoto(Japan)社製の、Orgatix ZC 152のジルコニウムテトラキスアセチルアセトネート Schaetti(Switzerland)社製の、粉末状の熱可塑性ポリエステルからなる、接着剤374及び376

    使用した全般的な方法:
    白色顔料ペースト、シリコーン・インク・ベース及び触媒の混合物並びに様々なプレミックス添加剤を作製し、その後、歯科用ミキサーで、3500rpmで30秒混合した。 その後、この混合物を、手作業で、棒を用いて、60μ又は120μで、PVCフィルムの上に塗った。 熱可塑性の粉末接着剤を、この湿潤シリコーンコーティング上に添加し、超過分を除去した。 その後、このシリコーンコーティングを(使用した接着剤に応じて)130℃又は150℃のオーブンに2分間入れ、前記シリコンを乾燥させるとともに、接着剤を溶解させた。 硬化後、このシリコーンコーティングを冷却し、一枚の布地を、アイロンを使用して上面に積層した。 その後、このフィルムを剥離させ、この布地(WFK社製のStandard Cotton)上における、前記シリコーンコーティングの外観及び接着性を調べた。

    印刷の接着性は、摩耗輪H18及び250gの追加重量を用い、テーバー摩耗試験機を使用して、測定した。

    50サイクルまでに、剥離の最初の兆候が発生したとき、印刷が「悪い」とみなした。 1000サイクルまでに、剥離の兆候が発生しなかったとき、印刷は「OK」とみなした。

    配合及び結果

    接着剤中に添加剤を使用した更なる実施例4〜6:

    熱可塑性の接着剤を従来型のオーブン内で溶解させてから、プレミックス添加剤を、スパチュラを使用して添加した。 混合物を冷却した後、この接着剤を凍結させて、粉砕し、熱可塑性の粉末を得た。 その後、この粉末を、転写印刷能を確保するために、硬化前の新規に適用したインクの上に使用した。

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