Sound deadening and a manufacturing method to improve the attenuation characteristics of the selected frequency

申请号 JP2010515234 申请日 2008-06-30 公开(公告)号 JP2010532500A 公开(公告)日 2010-10-07
申请人 シリアス・マテリアルズ・エルエルシー; 发明人 ティニアノフ、ブランドン・ディー;
摘要 本発明の積層構造体は、複数の特定の周 波数 帯域において改善された音響防音を示すパネル(間仕切り、壁、天井、床またはドア)として建築構造体に使用される。 本積層構造体は、互いに異なるせん断弾性係数を有し、接着剤及びエネルギ分散層としても作用する1または複数の粘弾性材料層と、1または複数の拘束層とを有する。 前記拘束層は、一実施形態では、プラスチック、ビニル、プラスチックまたはゴムのような石油系製品、金属、セルロース若しくは木材などから構成される。 また、一実施形態では、本積層構造体の外側面は、標準的ウォールボード(通常 石膏 )で構成される。
【選択図】図1
权利要求
  • 積層パネルであって、
    外側面及び内側面を有する第1の材料層と、
    外側面及び内側面を有する第2の材料層と、
    前記第1の材料層の前記内側面及び前記第2の材料層の前記内側面に接触することによって前記第1及び第2の材料層を互いに接合させる接着剤層とを備え、
    前記接着剤層が、第1のせん断弾性係数を有する第1の接着剤及び第2のせん断弾性係数を有する第2の接着剤を含む少なくとも2種類の互いに異なる接着剤からなることを特徴とする積層パネル。
  • 請求項1に記載のパネルであって、
    前記第1の接着剤が第1のパターンで塗布され、
    前記第2の接着剤が前記第1の接着剤と物理的に重ならないように第2のパターンで塗布されることを特徴とするパネル。
  • 請求項2に記載のパネルであって、
    前記第1のせん断弾性係数によって、前記第1の接着剤が第1の周波数帯域において最も効果的な第1の損失係数を有し、
    前記第2のせん断弾性係数によって、前記第2の接着剤が第2の周波数帯域において最も効果的な第2の損失係数を有するようにしたことを特徴とするパネル。
  • 請求項3に記載のパネルであって、
    前記第1の周波数帯域と前記第2の周波数帯域とが互いに異なるようにしたことを特徴とするパネル。
  • 請求項3に記載のパネルであって、
    前記第1の周波数帯域において前記第1の損失係数が最大となる周波数と、前記第2の周波数帯域において前記第2の損失係数が最大となる周波数とが互いに異なるようにしたことを特徴とするパネル。
  • 請求項3に記載のパネルであって、
    前記第1の周波数帯域において前記第1の損失係数が最大となる周波数と、前記第2の周波数帯域において前記第2の損失係数が最大となる周波数とが互いに異なるようにし、
    前記第1の接着剤が、相対的に低い周波数帯域において音響エネルギを減衰させ、前記第2の接着剤が、相対的に高い周波数帯域において音響エネルギを減衰させるようにしたことを特徴とするパネル。
  • 請求項6に記載のパネルであって、
    前記音響エネルギが、音エネルギ及び振動エネルギを含むことを特徴とするパネル。
  • 請求項7に記載のパネルであって、
    前記音響エネルギが、空気伝送音エネルギ及び構造振動エネルギを含むことを特徴とするパネル。
  • 請求項1に記載のパネルであって、
    外側面及び内側面を有する第3の材料層と、
    前記第2の材料層の前記外側面及び前記第3の材料層の前記内側面に接触することによって前記第2及び第3の材料層を互いに結合させる第2の接着剤層とをさらに備えることを特徴とするパネル。
  • 請求項9に記載のパネルであって、
    前記第2の接着剤層が、前記第1及び第2の接着剤の前記せん断弾性係数とは互いに異なる特有のせん断弾性係数を有し、該せん断弾性係数によって、前記第2の接着剤層が第3の周波数帯域においてピーク損失係数を有するようにしたことを特徴とするパネル。
  • 請求項9に記載のパネルであって、
    前記第2の接着剤層が、第3のせん断弾性係数を有する第3の接着剤及び第4のせん断弾性係数を有する第4の接着剤を含む少なくとも2種類の互いに異なる接着剤からなることを特徴とするパネル。
  • 請求項9に記載のパネルであって、
    前記第3の接着剤が、別の第1のパターンで塗布され、
    前記第4の接着剤が、前記第3の接着剤と物理的に重ならないように別の第2のパターンで塗布されることを特徴とするパネル。
  • 請求項12に記載のパネルであって、
    前記第3のせん断弾性係数によって、前記第3の接着剤が第3の周波数帯域において最も効果的な第3の損失係数を有し、
    前記第4のせん断弾性係数によって、前記第4の接着剤が第4の周波数帯域において最も効果的な第4の損失係数を有するようにしたことを特徴とするパネル。
  • 請求項12に記載のパネルであって、
    前記第3の周波数帯域と前記第4の周波数帯域とが互いに異なるようにしたことを特徴とするパネル。
  • 請求項12に記載のパネルであって、
    前記第3の周波数帯域において前記第3の損失係数が最大となる周波数と、前記第4の周波数帯域において前記第4の損失係数が最大となる周波数とが互いに異なるようにしたことを特徴とするパネル。
  • 請求項12に記載のパネルであって、
    前記第3の周波数帯域において前記第3の損失係数が最大となる周波数と、前記第4の周波数帯域において前記第4の損失係数が最大となる周波数とが互いに異なるようにし、
    前記第3の接着剤が、相対的に低い周波数帯域において音響エネルギを減衰させ、前記第4の接着剤が、相対的に高い周波数帯域において音響エネルギを減衰させるようにしたことを特徴とするパネル。
  • 請求項16に記載のパネルであって、
    前記音響エネルギが、音エネルギ及び振動エネルギを含むことを特徴とするパネル。
  • 請求項17に記載のパネルであって、
    前記音響エネルギが、空気伝送音エネルギ及び構造振動エネルギを含むことを特徴とするパネル。
  • 積層パネルであって、
    外側面と内側面を有する第1及び第2の層、前記2つの層の前記内側面の間に拘束材料層として配置される内側面のみを有する第3の層、及び内側面のみを有する任意の追加的な層を含む3つ以上の材料層と、
    各々が前記3つ以上の材料層のうちの2つの層の前記内側面に接触することによってその2つの層を互いに結合させる少なくとも2つの接着剤層とを備え、
    前記少なくとも2つの接着剤層のうちの少なくとも1つの層が、前記少なくとも2つの接着剤層の他の層とは互いに異なるせん断弾性係数を有するようにしたことを特徴とするパネル。
  • 請求項19に記載のパネルであって、
    前記少なくとの2つの接着剤層のうちの少なくとも1つの層が、第1のせん断弾性係数を有する第1の接着剤及び第2のせん断弾性係数を有する第2の接着剤を含む少なくとも2種類の互いに異なる接着剤からなることを特徴とする積層パネル。
  • 請求項19に記載のパネルであって、
    前記少なくとの2つの接着剤層のうちの少なくとも1つの層が、
    第1のパターンで塗布される第1の接着剤及び前記第1の接着剤と物理的に重ならないように第2のパターンで塗布される第2の接着剤からなることを特徴とするパネル。
  • 請求項19に記載のパネルであって、
    前記第1のせん断弾性係数によって、前記第1の接着剤が第1の周波数帯域において最も効果的な第1の損失係数を有し、
    前記第2のせん断弾性係数によって、前記第2の接着剤が第2の周波数帯域において最も効果的な第2の損失係数を有するようにしたことを特徴とするパネル。
  • 請求項22に記載のパネルであって、
    前記第1の周波数帯域と前記第2の周波数帯域とが互いに異なるようにしたことを特徴とするパネル。
  • 請求項22に記載のパネルであって、
    前記第1の周波数帯域において前記第1の損失係数が最大となる周波数と、前記第2の周波数帯域において前記第2の損失係数が最大となる周波数とが互いに異なるようにしたことを特徴とするパネル。
  • 請求項22に記載のパネルであって、
    前記第1の周波数帯域において前記第1の損失係数が最大となる周波数と、前記第2の周波数帯域において前記第2の損失係数が最大となる周波数とが互いに異なるようにし、
    前記第1の接着剤が、相対的に低い周波数帯域において音響エネルギを減衰させ、前記第2の接着剤が、相対的に高い周波数帯域において音響エネルギを減衰させるようにしたことを特徴とするパネル。
  • 請求項25に記載のパネルであって、
    前記音響エネルギが、音エネルギ及び振動エネルギを含むことを特徴とするパネル。
  • 請求項26に記載のパネルであって、
    前記音響エネルギが、空気伝送音エネルギ及び構造振動エネルギを含むことを特徴とするパネル。
  • 積層パネルの製造方法であって、
    外側面及び内側面を有する第1の材料層を作製するステップと、
    外側面及び内側面を有する第2の材料層を作製するステップと、
    前記第1の材料層の前記内側面及び前記第2の材料層の前記内側面に、第1のせん断弾性係数を有する第1の接着剤及び第2のせん断弾性係数を有する第2の接着剤を含む少なくとも2種類の接着剤からなる接着剤層を接触させて、前記第1及び第2の材料層を互いに接合させるステップとを含むことを特徴とする方法。
  • 請求項28に記載の方法であって、
    前記第1の接着剤が、第1のパターンで塗布され、
    前記第2の接着剤が、前記第1の接着剤と物理的に重ならないように第2のパターンで塗布されることを特徴とする方法。
  • 請求項29に記載の方法であって、
    前記第1のせん断弾性係数によって、前記第1の接着剤が第1の周波数帯域において最も効果的な第1の損失係数を有し、
    前記第2のせん断弾性係数によって、前記第2の接着剤が第2の周波数帯域において最も効果的な第2の損失係数を有するようにしたことを特徴とする方法。
  • 請求項30に記載の方法であって、
    前記第1の周波数帯域と前記第2の周波数帯域とが互いに異なるようにしたことを特徴とする方法。
  • 請求項31に記載の方法であって、
    前記第1の周波数帯域において前記第1の損失係数が最大となる周波数と、前記第2の周波数帯域において前記第2の損失係数が最大となる周波数とが互いに異なるようにしたことを特徴とする方法。
  • 請求項31に記載の方法であって、
    前記第1の周波数帯域において前記第1の損失係数が最大となる周波数と、前記第2の周波数帯域において前記第2の損失係数が最大となる周波数とが互いに異なるようにし、
    前記第1の接着剤が、相対的に低い周波数帯域において音響エネルギを減衰させ、前記第2の接着剤が、相対的に高い周波数帯域において音響エネルギを減衰させるようにしたことを特徴とする方法。
  • 請求項33に記載の方法であって、
    前記音響エネルギが、音エネルギ及び振動エネルギを含むことを特徴とする方法。
  • 請求項34に記載の方法であって、
    前記音響エネルギが、空気伝送音エネルギ及び構造振動エネルギを含むことを特徴とする方法。
  • 請求項28に記載の方法であって、
    外側面及び内側面を有する第3の材料層を作製するステップと、
    前記第2の材料層の前記外側面及び前記第3の材料層の前記内側面に第2の接着剤層を接触させて前記第2及び第3の材料層を互いに接合させるステップとをさらに含むことを特徴とする方法。
  • 請求項36に記載の方法であって、
    前記第2の接着剤層が、前記第1及び第2の接着剤の前記せん断弾性係数とは互いに異なる特有のせん断弾性係数を有し、該せん断弾性係数によって、前記第2の接着剤層が第3の周波数帯域においてピーク損失係数を有するようにしたことを特徴とする方法。
  • 請求項36に記載の方法であって、
    前記第2の接着剤層が、第3のせん断弾性係数を有する第3の接着剤及び第4のせん断弾性係数を有する第4の接着剤を含む少なくとも2種類の互いに異なる接着剤からなることを特徴とする方法。
  • 請求項38に記載の方法であって、
    前記第3の接着剤が、別の第1のパターンで塗布され、
    前記第4の接着剤が、前記第3の接着剤と物理的に重ならないように別の第2のパターンで塗布されることを特徴とする方法。
  • 請求項38に記載の方法であって、
    前記第3のせん断弾性係数によって、前記第3の接着剤が第3の周波数帯域において最も効果的な第3の損失係数を有し、
    前記第4のせん断弾性係数によって、前記第4の接着剤が第4の周波数帯域において最も効果的な第4の損失係数を有するようにしたことを特徴とする方法。
  • 請求項38に記載の方法であって、
    前記第3の周波数帯域と前記第4の周波数帯域とが互いに異なるようにしたことを特徴とする方法。
  • 請求項38に記載の方法であって、
    前記第3の周波数帯域において前記第3の損失係数が最大となる周波数と、前記第4の周波数帯域において前記第4の損失係数が最大となる周波数とが互いに異なるようにしたことを特徴とする方法。
  • 請求項38に記載の方法であって、
    前記第3の周波数帯域において前記第3の損失係数が最大となる周波数と、前記第4の周波数帯域において前記第4の損失係数が最大となる周波数とが互いに異なるようにし、
    前記第3の接着剤が、相対的に低い周波数帯域において音響エネルギを減衰させ、前記第4の接着剤が、相対的に高い周波数帯域において音響エネルギを減衰させるようにしたことを特徴とする方法。
  • 請求項43に記載の方法であって、
    前記音響エネルギが、音エネルギ及び振動エネルギを含むことを特徴とする方法。
  • 請求項44に記載の方法であって、
    前記音響エネルギが、空気伝送音エネルギ及び構造振動エネルギを含むことを特徴とする方法。
  • 说明书全文

    (技術分野)
    本願発明は、選択周波数での減衰特性を向上させた音響防音材及びその作製方法に関する。

    (関連出願の相互参照)
    本出願は、ブランドン(Brandon D. Tinianov)による2007年6月30日出願の米国特許出願第11/772、197号(発明の名称:「選択周波数での減衰特性を向上させた音響防音材及びその作製方法」)の一部継続出願である(この米国特許出願は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるものとする)。

    防音は、建設業界において関心が急速に高まっている経済的問題及び社会的問題である。 様々な目的で、遮音性の高い(一般的に「防音された」と呼ばれる)エリアが必要とされている。 アパート、共同住宅、ホテル、学校及び病院は全て、音の透過を減少させることにより隣の部屋にいる人に対する不快感を最小化または無くする天井及び床を備えた部屋を必要としている。 騒音制御は、高速道路、空港、鉄道などの公共輸送機関に隣接した建物では、特に重要である。 加えて、映画館、ホームシアター、音楽練習室、レコーディングスタジオなどは、より一層の騒音低減が求められている。 同様に、病院及び一般の医療機関は、音の快適性が患者の回復期間の重要な要素であることを認識し始めた。 集合住宅及び商業施設における防音問題の深刻さの一面は、建築物内の特定の壁構造についての音響透過クラス(Sound Transmission Class:STC)評価の下限を規定する建築法規及び設計ガイドラインが広範に生じていることである。 容認し難い騒音について住宅所有者と建築業者との間で訴訟問題が広範に生じていることもこの問題の深刻さを示している。 米国経済にとって不利益なことに、どちらの問題も、ある自治体において大手建築業者が住宅、マンション、及びアパートの建築を拒否したり、建築業者に対する責任保険の解約が広範に生じたりすることにつながっている。 国際基準評議会(International Code Council)は、複数の賃貸住宅間、または賃貸住宅と廊下との間の最小限の遮音値を、実験室測定されたSTC50に制定している。 これらの壁の地域法規または建築者仕様は、STC60またはそれ以上であることが多い。 前記問題は、材料及び作製中の作業を最小化するために単一の壁または構造体をバリューエンジニアリング(value engineering)した場合に悪化することは明らかである。

    建造物の間仕切りの性能を改善するためには、STCの計算方法の理解が役立つ。 STCは、幅広い音響周波数に渡る間仕切りの音減衰値(透過損失値とも呼ばれる)の荷重平均としての役割を果す単一数評価値である。 STCは、125ないし4000ヘルツ(Hz)の公称中心周波数を含む16の連続する3分の1オクターブ周波数帯域について標準的な方法で測定された音響透過損失(TL)値と基準評価曲線とを一致させることにより求められる。 基準評価曲線と16個の測定されたTL値との一致は、不足値(基準評価曲線未満のTL値)の合計が32デシベルを超えないように、かつ8デシベルを超える不足値が1つも存在しないように行われる。 STC値は、500Hzでの基準曲線の公称値である。 STC評価値を最大にするためには、間仕切りの性能が基準曲線の形状と一致し、不足値の合計数を最小にすることが望ましい。

    STC基準評価に従った性能が低く設計された材料の例は、多くの典型的な木造枠組壁組立体の場合に明らかである。 タイプXの石膏壁ボードの単一層を各面に有する単一スタッド壁組立体は、音響性能が不十分だと見なされている。 その単一スタッド壁を実験室で試験した結果、建設法規の要求をはるかに下回るSTC34であった。 一方の面がタイプXの石膏壁ボードの2つの層から構成され、他方の面がタイプXの石膏壁ボードの1つの層から構成される同様の壁構造体は、わずかにより良好な結果であるSTC36であった。 両方の場合において、壁の評価は、125Hz、160Hz、及び2500Hzでの透過損失値が低いことにより制限される。 多くの場合、壁の性能は、隣接する他の周波数での場合よりも約5ないし10デジベル低くなる。 例えば、200Hzでは、壁の性能は、隣接する測定周波数160Hzの場合よりも、約12デシベル向上する。 同様に、同じ組立体は、3150Hzでは、2500Hzの場合よりも、5デシベル向上する。

    さらに、いくつかの壁は、或るSTC曲線に関して良好に機能するのではなく、特定の音源を軽減するように設計されている。 ホームシアターの騒音が良い例である。 マルチチャンネル音響再生システム及び低周波スピーカー(「サブウーハー」と呼ばれる)の出現により、100Hz未満の騒音が特に問題となる。 STC曲線は、この周波数帯域においては、壁または他の間仕切りを評価しない。 材料または壁組立体は、この低周波数音を遮断するように選択されるべきである。

    騒音制御の問題に対処するために、様々な建築技法及び製品が生まれているが、問題となる特定の周波数を対象とするのに十分に適しているものはほんのわずかである。 現在利用可能な選択肢には、石膏ドライウォール層の追加、弾性チャネルと追加的な分離されたドライウォールパネルの追加、及び質量荷重されたビニルバリアと追加的なドライウォールパネルの追加、またはセルロース遮音板が含まれる。 これらの変更は全て騒音の透過を減少させるための付加的な助けとなるが、やはり、問題となる特定の周波数を十分に減衰させる(プライバシーまたは快適性を回復させる)程ではない。 各方法は、付加質量、遮音または減衰に関連する問題に幅広く対処する。 換言すれば、それらの各々は、一般的なアプローチであり、特定の周波数に対応するものではない。

    最近、粘弾性接着剤を用いた積層構造体を有する代替的な建築用防音製品が市場に導入された。 そのような構造体は、特許文献1に開示されている(特許文献1は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるものとする)。 特許文献1に開示されている積層構造体は、石膏ボード層を含み、これらの積層構造体(「パネル」と呼ばれることもある)は、初期建設において弾性チャネル、質量荷重されたビニルバリア、及び追加的なドライウォール層などの追加材料を必要としない。 その結果得られる構造体は、ある場合では、音響特性を従来のパネルよりも10デシベル以上向上させる。 そのため、上述した構造体は、別の一般的な周波数アプローチである。 これらの構造体のいくつかでは、単一の粘弾性接着剤(減衰性を有する)が積層パネルに組み込まれる。 後述するが、そのような接着剤は、単一の周波数帯域において音エネルギを減衰させるように設計されており、それ以外の音響周波数帯域では性能が十分ではない。 この理由により、これらの構造体は、STC曲線との一致を最善にするために、特定の周波数帯域における性能については妥協している。

    従って、低周波数、高周波数及び両周波数において同時に、騒音透過を最大限に低減させることができる新規な材料及び新規な作製方法が求められている。 また、問題となる複数の周波数に対する性能が調節されたパネルが求められている。

    建築材料または方法の騒音減衰性についての性能指標は、材料の音響透過クラス(STC)である。 STCの数値は、間仕切り、ドア及び窓における音響透過の低減効果を評価するために建築分野で用いられている評価値である。 特定の間仕切りデザインに与えられる評価は音響試験の結果であり、音響透過クラスを規定する曲線のセットに対するベストフィット型アプローチを表している。 音響試験は、間仕切りの測定を試験環境から独立したものとし、間仕切りの性能についてのみ数値を与えるようになされる。 このようなSTC測定方法は、所与の構造体について音響透過損失データからSTC評価値を計算するのに用いられるASTM E90(建築物の間仕切り及び要素の空気伝達音響透過損失を実験室測定するための標準的試験方法)及びASTM E413(遮音のクラス分け)によって規定されている。 これらの基準は、http://www.astm.orgにおいてインターネットから入手可能である。

    第2の性能指標は、パネルの損失係数である。 損失係数は、材料の特性であり、材料における減衰量の測定値である。 損失係数が大きいほど、減衰量は大きい。 パネルの減衰量を大きくすることの主要効果は、共鳴時の振動の減少、自由振動のより迅速な吸収、パネル内における構造体生成波の減衰、及び遮音の向上である。

    損失係数は、典型的には、ギリシャ文字「η」で与えられる。 単一コーティング材料の場合、損失係数は、ASTM試験方法E756−04(材料の振動減衰特性を測定するための標準的な試験方法)により測定される。 この基準は、http://www.astm.orgにおいてインターネットから手可能である。 本発明において説明されるようなより複雑な構造体については、前記複雑な材料の損失係数を予測または測定するために、非標準的な試験方法またはコンピュータモデルを用いる必要がある。 0.10の損失係数は一般的に、大幅減衰のための最小値と見なされる。 この値と比べると、最も一般的に使用される材料、例えば木材、鋼、セラミック及び石膏などの減衰値は高くない。 例えば、鋼の損失係数は約0.001であり、石膏の損失係数は約0.03であり、アルミニウムの損失係数は約0.006である。

    拘束層による減衰を用いる積層パネルを設計、或るいは積層パネル該減衰特性を評価するために、ロス、カーウィン及びアンガー(Ross, Kerwin, and Ungar)により初めて提案された公知のモデルなどの予測モデルが使用される。 ロス、カーウィン及びアンガー(RKU)モデルは、等価複素剛性として表される3層積層システムのサンドイッチ構造を有する均一な梁について、4次微分方程式を用いる。

    RKUモデルは、文献「"Damping of plate flexural vibrations by means of viscoelastic laminae" by D. Ross, EE Ungar, and EM Kerwin-Structural Damping, Section IIASME, 1959, New York」に詳細に記載されている(この文献の内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるものとする)。 また、特にパネルに関しては、「Eric Ungar in Chapter 14, "Damping of Panels" in Noise and Vibration Control edited by Leo Beranek, 1971.」に詳細に記載されている。 このモデルの、3層以上を有するシステムへの拡張については、「David Jones in section 8.3 of his book Viscoelastic Vibration Damping」に記載されている。 このモデルは、本発明のために使用される予測計算の全てに使用される。

    米国特許第7,181,891号明細書

    本発明によれば、壁、天井、床またはドアにおける、或る部屋から隣接する部屋への、外から或る部屋の中への、または或る部屋の中から外への、低周波数及び高周波数の両方の騒音の透過を遮断する性能を大幅に向上させる新規な積層構造体及びそれに関連する作製プロセスが開示される。

    一実施形態では、本発明の構造体は、複数の互いに異なる材料からなる積層体を含む。 一実施形態では、ドライウォールの代わりとなる積層構造体は、32ゲージ鋼板などの中央拘束材料に接着された選択された厚さの石膏ボードからなる第1の層を含む。 前記第1の接着剤層は、例えば160Hzなどの標的周波数において最大減衰を実現するように設定されたせん断弾性係数を有する。 前記鋼含有層の第2の面に、選択された厚さの石膏ボードからなる第2の層が、第2の接着剤層を使用して所定位置に接着される。 前記第2の接着層は、例えば2500Hzなどの別の周波数において最大減衰を実現するための別のせん断弾性係数を有する。 一実施形態では、前記接着剤層は2種類の粘弾性材料からなる。 前記粘弾性材料は、特別に調合されたQuietGlue(登録商標)接着剤であり、シリアス・マテリアルズ社(Serious Materials,1259 Elko Drive, Sunnyvale, CA 94089)から入手可能である。 別の周波数における最大減衰を実現すべく前記せん断弾性係数のシフトを助けるために、QuietGlue(登録商標)接着剤を構成する典型的な化学剤に加えてさらなる可塑化化合物が、その他の接着材料の性質を一定に維持しながら加えられる。

    2つの石膏ボードの内側面に設けられた接着剤層は、各々約1.6mm(1/16インチ)の厚さである。 一例では、6.4mm(1/4インチ)厚さの2つの石膏ウォールボードパネルを30ゲージ鋼板上に1.6mm(1/16インチ)厚さの2つの接着剤層を用いて積層させて構成した1.2m×2.4m(4フィート×8フィート)のパネルは、約15.9mm(5/8インチ)の全体厚さを有する。 標準的な単一木製スタッドフレームの両面に用いた場合、前記組立体は約54のSTC値を有する。 それに対し、1.27mm(1/2インチ)厚さの標準的な石膏ウォールボードで構成された同様の壁組立体は、約34のSTC評価値を有する。 その結果、同等の質量及び厚さを有する一般的な(未処理の)石膏ボードを用い、同等の労により作製した同一の構造体と比べると、本壁構造体を透過する騒音は約20デシベル減少する。

    本発明は以下の詳細な説明と図面によってより良く理解されるだろう。

    材料を透過する音を最小限に抑えるための本発明に従って作製された積層構造体の一実施形態を示す。

    材料を透過する音を最小限に抑えるための本発明に従って作製された積層構造体の別の一実施形態を示す。

    材料を透過する音を最小限に抑えるための本発明に従って作製された積層構造体のさらなる別の実施形態を示す。

    単一の接着剤組成物を有するいくつかの積層パネルの計算された損失係数を示す。

    単一の接着剤組成物を有するいくつかの積層パネルの計算された損失係数と、本発明の複数の接着剤組成物を有する積層パネルの計算された損失係数を示す。

    1つのパネルが本発明の一実施形態に従って作製された積層パネルを含む壁構造体600の平面図である。

    図6Aにおける6B−6B線断面図である。

    2つのパネルが本発明に従って作製された本発明の一実施形態に従って作製された積層パネルを含む壁構造体700の平面図である。

    図7Aにおける7B−7B線断面図である。

    以下の詳細な説明は例示のみを意図しており、本発明を限定するものではない。 外層材料及び内層材料の数、種類、厚さ、寸法、面積、形状及び配置順序などの本発明の他の実施形態は、以下の説明から当業者には明らかであろう。

    本発明に従って積層パネルを作製するプロセスには、接着剤の正確な化学組成、加圧プロセス、乾燥及び脱湿プロセスなどの様々な因子が考慮される。

    図1は本発明の一実施形態による積層構造体100を示す。 図1では、本構造体は平に示されており、本構造体の各層は上側から下側へ説明される。 しかしながら、本発明の積層構造体は、垂直な壁やドアに設置される場合は垂直に配置され、天井や床に設置される場合は水平にまたは水平に対して或る度をなして設置されることを理解されたい。 従って、最上層及び最下層と称するのは図1のような水平配置においてこれらの層について説明するためであり、本構造体を垂直方向またはその他の方向に用いる場合はこの限りではないことを理解されたい。 図1において、符号100は、積層パネル全体を示す。 最上層101は標準的な石膏材料で作られており、一実施形態では6.4mm(1/4インチ)の厚さである。 当然ながら、所望に応じて、いずれの層に対しても様々なその他の組み合わせ及び厚さを用いることができる。 厚さは、積層構造体に求められる音響減衰値(すなわち、STC評価値)及び積層構造体の重さによってのみ制限される。 構造体の重さにより、その使用目的のために積層パネルを壁、天井、床及びドアに設置する作業員の能力が制限される。

    最上層101の石膏ボードは通常は標準的な公知の技法を用いて作製されるので、石膏ボードの作製方法については説明しない。 或いは、層101は、セメント系ボード、木材、酸化マグネシウム系ボード、またはケイ酸カルシウム系ボードのいずれかであり得る。 次に、石膏ボード101の底面101−1には、「QuietGlue(登録商標)」接着剤と呼ばれるパターン形成された接着剤層104が配置される。 硬化時に所定のせん断弾性係数を与えるために添加剤により改質された粘弾性ポリマー製の接着剤層104は、特定の周波数帯域における音吸収が最適化される。 接着剤層104は、0.4ないし3.2mm(約1/64ないし1/8インチ)の厚さを有し得るが、その他の厚さを用いることもできる。 周囲の層により拘束された接着剤層に音エネルギが衝突したとき、接着剤層が音エネルギを大幅に吸収することより、標的周波数帯域の全域で音の振幅を減少させる。 その結果、積層構造体を透過する音エネルギは大幅に低減する。 通常、接着剤層104は表1に示した材料から作成されるが、表1の直後に記載する特性と類似する特性を有する別の接着剤を本発明において用いることもできる。

    接着剤組成物及び積層構造体全体の重要な特徴は、前記接着剤の硬化時のせん断弾性係数(shear modulus)である。 せん断弾性係数は、表1に列記した所与の範囲の所与の材料の対象となる周波数帯域に応じて、10 〜10 N/m (またはパスカル)まで調整することができる。

    QuietGlue(登録商標)接着剤の化学組成

    表1に示すように、前記接着剤によって最も良く減衰させられる音周波数は、せん断弾性係数が約10 パスカルの場合は約160Hz、約10 パスカルの場合は約2500Hz、及び約10 パスカルの場合は約5500Hzと様々であることに留意されたい。 表1に示すように、せん断弾性係数は、他の成分は全て一定に保ったままで、アクリレートポリマーの重量%を減少させる及びアクリルポリマーまたはラテックスの重量%を増加させることにより増加する。

    表1の第4列に、160Hzで最適な音減衰を有する粘弾性接着剤の好ましい実施形態が示される。 この好ましい組成物は、粘弾性接着剤の一例にすぎない。 同様の結果を達成するために他の組成物を用いることもできる。 また、表1に示した所与の範囲は、ここで検討された好適な組成物の一例である。

    QuietGlue(登録商標)接着剤の固体状態における物理的特性には以下が含まれる。
    1)室温より低い、幅広いガラス転位温度2)ゴムに典型的な物理的反応(すなわち、破断時の伸張、低弾性率)
    3)室温における高い剥離強度4)室温におけるせん断弾性係数が10 ないし10 N/m
    6)水に溶解しない(わずかに膨張する)
    7)ドライアイスの温度において容易に基材から剥離するQuietGlue(登録商標)接着剤は、シリアス・マテリアルズ社(Serious Materials,1259 Elko Drive, Sunnyvale, CA 94089)から入手可能である。

    接着剤層104には、石膏、ビニル、鋼、木材、セメントまたは塗布に適した他の材料からなる拘束層102が接合される。 拘束層102がビニルの場合、そのビニルは質量荷重されており、一実施形態では、47.8Pa(1ポンド/平方フィート)以上の表面密度を有する。 質量荷重されたビニルは、テクニフォーム社(Technifoam, Minneapolis, Minn)を含む多くの作製業者から入手可能である。 拘束層102は、このように構成された積層パネルの音響減衰特性及び物理的特性を改善することができる。

    さらなる例として、拘束層102は、30ゲージ(0.12インチの厚さ)の亜鉛めっき鋼であり得る。 鋼はビニルよりも大きなヤング率を有しているので、音響拘束層としての性能はビニルよりも優れている。 しかしながら、切断の容易さなどの他の理由により、本積層構造体において鋼の代わりにビニルを用いることもできる。 また、ビニルまたは金属の代わりに、セルロース、木材、プラスチック、セメント、または他の拘束材料を用いることもできる。 前記代替材料は、任意の種類及び任意の適切な厚さとすることができる。 図1の例では、拘束材料102は、それが接合される接着剤層104及び上側パネル101とほぼ等しいサイズ及び形状を有する。

    拘束層102の第2の面に、粘弾性接着剤層105の第2の層が接合される。 接着剤層105は、硬化状態におけるせん断弾性係数以外は、接着剤層104と全て同様である。 接着剤層104と同様に、所定のせん断弾性係数は、特定の周波数帯域における音吸収の最適化を可能にする。 接着剤層105のせん断弾性係数(従って標的周波数も)を接着剤層104のせん断弾性係数(従って標的周波数も)とは異なる値に設定することで、本積層パネルが、2つの周波数帯域における音吸収を同時に行うことが可能となり、それにより、本パネル全体の音響減衰を向上させることができる。 1つ以上の追加的な拘束層と該拘束層の追加に伴い必要となる1つ以上の追加的な接着剤層とを追加することにより、本積層パネルは3つ以上の標的周波数を減衰させるように調整されることができる。

    そして、構造体の最下層に、石膏ボード層103が配置される。 石膏ボード層103には、均一な圧力(パスカル(ポンド/平方インチ)で測定)、温度及び時間の制御下で、慎重に圧力が加えられる。 代替的に、層103は、セメント系ボード、木材、酸化マグネシウム系ボード、またはケイ酸カルシウム系ボードのいずれかであり得る。

    最後に、パネルを乾燥させるため、本組立体は通常48時間脱湿及び乾燥させられる。

    本発明の一実施形態では、接着剤104を最上層101の底面101−1または他の材料の表面に塗り広げた際に、該接着剤を或る気体流に約45秒間曝し、該接着剤を部分乾燥させる。 気体を流す時間を短縮させたい場合は、前記気体を高温にする。 接着剤104は、それが塗布される任意の材料の表面に最初に塗り広げられる際は、液体である。 選択された時間にわたる空気乾燥または接着剤の表面上への気体流の供給のいずれかにより接着剤104を部分乾燥させることによって、接着剤104は、一般的に感圧接着剤(PSA)と呼ばれているテープ接着剤によく似た、粘着性を持つペースト状態になる。 接着剤104の表面上を流れる気体は、例えば、空気または乾燥窒素であり得る。 前記気体は接着剤104を脱湿するので、層103を所定位置に配置する前に接着剤104を長時間乾燥させることをしない例えば特許文献1に記載されている加圧プロセスに比べて作製処理能力が改善される。

    その後、第2のパネル(例えば拘束層102)を接着剤104上に配置し、接着剤104の真下の材料(図1では最上層101)に対して、選択された圧力で選択された時間押し付ける。

    第2の接着剤層105を、拘束材料102における最上層101とは反対側の面に配置する。 一実施形態では、接着剤層105は、層102に配置する代わりに、最下層103の内側面に配置される。 所望に応じて、接着剤層105をPSAに変化させるために、接着剤層105の表面上に気体を流すまたは強制送風することができる。 そして、層101、104、102及び105の積層体の上側に、最下層103が配置される。 結果として得られる構造体は、各組立体の正確な要求に応じて約13.8ないし34.5kPa(約2ないし5ポンド/平方インチ)の圧力下で、最終組立体における接着剤層104及び105の状態に応じて数分間から数時間までの範囲でセットさせられる。 所望により他の圧力を用いてもよい。

    一実施形態では、接着剤層104及び105は、1.6mm(1/16インチ)の厚さである。 しかし、他の厚さを用いてもよい。 接着剤層104及び105は、ブラシ、パテナイフ、コーキング銃、スプレー、接着剤テープ、またはその他の周知の手段を用いて塗布することができる。

    図2は、拘束層を含まない積層パネル200に関する本発明の第2の実施形態を示す。 図2では、最上層101は、標準的な石膏材で作られており、一実施形態では、2.1mm(5/6分インチ)の厚さである。 次に、石膏ボード201の底面101−1に、QuietGlue(登録商標)接着剤と呼ばれる粘弾性接着剤204のパターン形成層を配置する。 粘弾性接着剤204のパターンは、石膏ボード201の底面101−1の20ないし80%の範囲を被覆する。 石膏ボード201の底面101−1には、第2の接着剤層205も配置される。 第2の接着剤層205もまた、底面101−1の20ないし80%の範囲を被覆する。 第2の接着剤層205は、底面101−1のいずれの位置においても、粘弾性接着剤204と物理的または実質的に重ならないように配置される。 粘弾性接着剤204及び205は、それらのせん断弾性係数以外は、多くの点で物理的に類似している。 組立体100と同様に、接着剤204及び205は、互いに異なる周波数帯域においてエネルギを吸収するように、互いに異なるせん断弾性係数を持つように設計される。 層201、204、及び205の積層体の上側に、最下層(材料層)203が配置される。 結果として得られる構造体は、各組立体の正確な要求に応じて、約13.8ないし34.5kPa(約2ないし5ポンド/平方インチ)の圧力下で、選択された時間でセットさせられる。 しかし、所望に応じて、他の圧力を用いてもよい。 圧力下でのセット時間は、前記組立体にパネル203を接合した際の接着剤層204及び205の状態に応じて、上述したように数分間から数時間までの範囲で変更することができる。

    図2の構造体を作製する際、その作製方法は、図1の構造体について説明した方法と同様であり得る。 図2の一実施形態では、外側層201及び203は、それぞれ7.9mm(5/16インチ)の厚さを有する石膏ボードである。

    図3は、図1に示した組立体に第2の拘束層306及び第3の接着剤層307が追加された構成を有する第3の積層体パネル300の一例である。 外側層301及び303は、一実施形態では、6.4mm(1/4インチ)の厚さを有する石膏ボードである。 図3の積層構造体300を作製する場合、その作製方法は、図1及び図2の積層構造体100及び200についてそれぞれ説明した方法と同様である。 しかし、最下層303(最下層303は、図1及び図2の最下層103及び203のそれぞれに対応する)を配置する前に、接着剤304の上側に第1の拘束材料302を配置し、その次に、第1の拘束材料302における最上層301とは反対側の面に第2の接着剤層305を配置する。 そして、最後の層303を追加する前に、前記組立体上に、さらなる拘束層306及び接着剤層307を配置する。 一実施形態では、接着剤層305は、第2の拘束層306の露出面(層303側の面)に配置される。 他の実施形態では、接着剤層307は、拘束層306に配置する代わりに最下層303の内側面に配置される。 拘束層302及び306に好適な材料は、拘束層102について上述した材料と同様である。 そして、層301、304、302及び305、306、及び307の積層体の上側に、最下層303が配置される。 積層構造体300は、各組立体の正確な要求に応じて約13.8ないし34.5kPa(約2ないし5ポンド/平方インチ)の圧力下で、所定の方法で乾燥される。 所望により他の圧力を用いてもよい。 乾燥は通常は、約32ないし48℃(約90ないし120F)の範囲で、約24ないし48時間加熱することにより行われる。 最終組立体についての乾燥時間は、各接着剤層から水などの液体を除去して接着剤層をPSAに変化させるために、各接着剤層に対して空気または他の適切な気体を流す、吹き付けるまたは強制送風することにより、数分まで短縮することができる。

    図4は、図1に示した実施形態において接着剤層104及び105が互いに同一の所与のせん断弾性係数を有する場合の計算された損失係数を示す。 接着剤層における10 ないし10 Paのせん断弾性係数をそれぞれ示す全部で9つの曲線が示されている。 1パスカルは、1ニュートン/平方メートルである。 曲線401は、せん断弾性係数が5×10 Paの接着剤104及び105を含む積層パネル100についての、計算されたパネル損失係数を表す。 パネル100は、1500Hzにおいて約0.25の最大損失係数を有する。 曲線402は、せん断弾性係数が1×10 Paの接着剤104及び105を含む積層パネル100についての、計算されたパネル損失係数を表す。 曲線402は、6000Hzから10000Hzの全域において約0.25の最大損失係数を有することを示す。 曲線403は、せん断弾性係数が1×10 Paの接着剤104及び105を含む積層パネル100についての、計算されたパネル損失係数を表す。 曲線403は、10000Hz及びそれ以上の周波数において約0.14の最大損失係数を有することを示す。

    図5は、図1に示した実施形態において接着剤層104及び105が互いに異なる所与のせん断弾性係数を有する場合の計算された損失係数を示す。 曲線504は、図1に示した実施形態のようなパネルにおいて、接着剤層104のせん断弾性係数が1×10 Paであり、接着剤層105のせん断弾性係数が1×10 Pの場合の、予測されるパネル損失係数を表す。 曲線504で表されるように、前述したような2種類の互いに異なる接着剤層104及び105を含むパネル100は、100Hz周辺で0.25の最大損失係数を有し、4600〜10000Hzで0.1を超える損失係数を有する。 曲線501、502及び503(図4に示した曲線401、402、及び403の写しである)が、2種類の互いに異なる接着剤層を含むパネル100の予測される損失係数と、互いに同一のせん断弾性係数を有する接着剤層104及び105を有するパネル100の予測される損失係数との比較のために示されている。 前記複合材料(2種類の互いに異なる接着剤層を含むパネル)は、全てではないが多くの周波数帯域において、一種類の接着剤組成物をベースにしたパネルのいずれよりも性能が高いことが見てとれる。 このような2種類の接着剤層を含むパネルは、最近の典型的な壁組立体に顕著な低周波数及び高周波数の問題に対処することができる。

    粘弾性接着剤材料の性質は、該材料の周波数への依存性と同様な温度に対する関数関係を有し、温度に応じて著しく変化することに留意することが重要である。 例えば、所与の粘弾性接着剤材料のせん断弾性係数及び損失係数は、10Hz、25℃の場合の値と、700Hz、50℃の場合の値とが同一であり得る。 粘弾性材料は、高い周波数では、「より緩やか(colder)」挙動し、低い周波数では、「より激しく(warmer)」挙動する。 換言すれば、温度と周波数との間には、直接的及び比例的な関係が存在する。 実際、所与の粘弾性材料の性質を実証するための様々な方法が存在する。 温度を一定に保ち、材料を非常に広い周波数帯域に渡って試験する。 或いは、温度を変更し、材料をより狭い周波数帯域で試験する。 その後、最終的に前記データを「圧縮(reduce)」し、前記材料を特徴付けるために、温度/周波数の同値が適用される。 この現象は、David Jones著の「Viscoelastic Vibration Damping」に記載されている(この参照によりその内容は本明細書に組み込まれるものとする)。

    このような理由のため、本発明は、広範囲の温度に曝される組立体のために向上した遮音を提供するのに有用であると見なすこともできる。 このような場合、同一パネルにおいて、第1の接着剤層は0℃で最大減衰値を有し(寒冷気候における冬季の推定温度)、第2の接着剤層は25℃で最大減衰値を有する(寒冷気候における夏季の推定温度)ように設計され得る。

    図6A及び図6Bに、壁組立体600が示されている。 この組立体は、図1に開示した積層混合物100などの材料を用いて作製された前側パネル610と、タイプXの石膏壁ボードの単一層であり得る後側パネル608とを含む。 パネル608及び610は、2×4スタッド602、604及び606に取り付けられている。 このことは、図6Bの断面図を参照することによって、より良く理解できるであろう。 打面型または吹付型の断熱材612が、2×4スタッド構造体間に形成された空洞618及び620の各々に配置される。

    図7A及び図7Bに、前側パネル710及び後側パネル708を含む壁パネル700が示されている。 前側パネル710及び後側パネル708の各々は、図1に示した積層構造体100を用いて作製された6.4mm(1/4インチ)の石膏ボードの積層構造体を使用している。 図6A及び図6Bに関して説明したのと同様に、パネル組立体700は、2×4スタッド構造体702、704及び706を含む。 図6Bに示したのと同様に、空洞718及び720は、打面型またはそれと同等の断熱材712を含む。 パネル組立体700は、積層された前側パネル及び後側パネルを有するので、向上した音響透過クラス評価が提供されると共に、追加的な耐火性も提供される。

    本発明の積層構造体の各材料に与えられる寸法は、コスト、全体厚さ、重量、及び所望の音響透過特性を考慮して変更することができる。 例えば、2つ以上の互いに異なる周波数帯域におけるピーク音響減衰を実現するために、互いに異なるせん断弾性係数を有する接着剤層の2つ以上の非重複パターンを、図2の実施形態において用いることもできる。 同様に、図1及び図3の各実施形態に示した各接着剤層を、互いに異なる特有のせん断弾性係数を有する2種類以上のパターン形成された接着剤から作製し、そのことにより、前記接着剤の種類数と同数の互いに異なる周波数帯域におけるピーク音響減衰を実現するパネルを提供することもできる。

    本発明の一実施形態では、図1の構造体または図3の構造体の各接着剤層に、互いに異なるせん断弾性係数を有する2つ以上の接着剤層を使用する。 各接着剤層は、互いに同一のせん断弾性係数を有する接着剤が、各接着剤層において互いに直接的に上下に位置するように構成され得る。 或いは、各接着剤層は、互い同一のせん断弾性係数を有する接着剤が、各接着剤層において互いに直接的に上下に位置しないように構成することもできる。

    上述の説明から明らかなように、選択された周波数帯域における所望の音響減衰を与えるように、前記接着剤のパターン形成を調整することができる。

    各接着剤層を作る接着剤のパターンは、ブラシまたは公知のデザインの接着剤塗布器を使用して、縞状または千鳥格子状または他の形状で塗布することができる。

    上記した実施形態及びそれらの寸法は例示的なものであって限定的なものではない。 加えて、本発明のさらに別の実施形態は上記記載から明らかであろう。

    このように、本発明の積層構造体はそれに関連する音響透過クラスの数値において大幅な向上を提供し、それにより、或る部屋から隣接した部屋へと透過する音を大幅に減少させると同時に、複数の周波数帯域における特定の追加的な吸音特性をさらに提供することができる。

    本発明の他の実施形態は上記記載から明らかであろう。

    QQ群二维码
    意见反馈