可塑性PCMシート材

申请号 JP2016568623 申请日 2015-05-19 公开(公告)号 JP2017523061A 公开(公告)日 2017-08-17
申请人 スマートポリマー、ゲゼルシャフト、ミット、ベシュレンクテル、ハフツングSmartpolymer Gmbh; スマートポリマー、ゲゼルシャフト、ミット、ベシュレンクテル、ハフツングSmartpolymer Gmbh; 发明人 ディルク、ビュットナー; アンジェロ、シュッツ; マルティン、ガイセンヘーナー;
摘要 本発明は、熱調節目的に高潜熱蓄熱 密度 を有する可塑性PCMシート材に関する。可塑性PCMシート材は、可塑性支持構造およびその上に別々に配置された特定の形状の相変化物質を含んでなる。相変化物質要素自体にポリマー結合相変化物質から成る幾何学的に画定した構造が含まれている。可塑性PCMシート材は、高潜熱蓄熱容量および最適化された熱伝導性によって特徴付けられ、 温度 変化および相転移後の場合においても寸法的に安定であり、問題なく、ロール状にし、折りたたみ、巻き付け、またはサイズに合わせて切断することができ、単一層または多層で輸送、保存、処理または使用することができる。
权利要求

高潜熱蓄熱容量を有する可変性PCMシート材であって、 表面上に、キャリア構造に強く固定されたポリマー結合相変化物質が別々に配置され、幾何学的に画定した構造を有する可塑性2次元キャリア構造を有し、 前記相変化物質が、少なくとも2つのポリマーで結合され、 少なくとも1つのポリマーがスチレン含有ブロック共重合体の群から選択され、少なくとも1つのポリマーがスチレンを含まないエチレン/ブチレン共重合体の群から選択され、 前記可変性PCMシート材は、相変化に対して寸法的に安定であり、100〜250J/gおよび/または300〜1000kJ/m2の潜熱蓄熱エネルギー容量を有し、ロール状、折り畳み状、巻き付け状態、サイズに合わせて切断または多層の形態に処理可能であることを特徴とする、可塑性PCMシート材。前記キャリア構造が、ウェブ、不織品、ニットウェア、編み物、繊維または毛糸またはスリットフィルムの組紐、フィルムまたは膜を含んでなり、好ましくは大きなメッシュサイズ状または多孔状のまたは縒り合わさった構造を有するウェブを含んでなることを特徴とする、請求項1に記載の可塑性PCMシート材。前記キャリア構造の材料が、ポリアミド、ポリエステル、ポリプロピレン、セルロース、炭素、金属、ガラス、天然繊維またはこれら材料の混合物を含んでなることを特徴とする、請求項2に記載の可塑性PCMシート材。1〜10重量%のキャリア構造および90〜99重量%の前記キャリア構造に適用された前記ポリマー結合相変化物質の幾何学的に画定された構造を含んでなることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の可塑性PCMシート材。前記ポリマー結合相変化物質が、キャリアポリマーの10〜30重量%、および相変化物質の90〜70重量%を含んでなることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の可塑性PCMシート材。鋳造した材料全ての重量に対して5〜20重量%の無機または有機添加剤を含むことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の可塑性PCMシート材。高分子材、金属材またはセラミック材の厚さ3〜10μmの層で表面が被覆された、またはこれら材料を含んでなるテキスタイルシートで被覆されたことを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の可塑性PCMシート材。前記ポリマー結合相変化物質の単位面積あたりの重量が1〜4kg/m2であることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の可塑性PCMシート材。液体または気体の熱媒体によって流動透過性であることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の可塑性PCMシート材。請求項1〜9のいずれか一項に記載の高潜熱蓄熱エネルギー容量を有する可塑性PCMシート材の製造方法であって、 ポリマー結合相変化物質の可塑化質量が、幾何学的に画定された構造で布調キャリア材に強く固定され、 溶融液化、ポリマー結合相変化物質が、連続的または不連続的工程において成形装置によって射出成形、噴霧、塗り延ばし被覆、または加圧されていない鋳造によって、1〜10mm、好ましくは1〜5mmの厚さを有する球状、四形状、長方形状または多角形状の個別に形作られた要素としてキャリア材に適用されることを特徴とする、製造方法。特に建物管理、電気工学におけるヒートシンク用途、乗り物構造における熱/冷熱調節における、熱および冷気の蓄積のためおよび熱調節のため、またはパイプラインの単一層または複数層の被覆のための、請求項1〜9のいずれか一項に記載の可塑性PCMシート材の使用。

说明书全文

本発明は、熱調節に使用する、高潜熱蓄熱エネルギー密度を有する可塑性PCMシート材に関する。可塑性PCMシート材は、可塑性キャリア構造およびその上に別々に配置された特定の形状の相変化物質要素から形成される。相変化物質要素自体に、ポリマー結合相変化物質の幾何学的に画定された構造が含まれている。可塑性PCMシート材は、高潜熱蓄熱容量および最適化された熱伝導性によって区別され、温度変化の間および相転移後でさえも寸法的に安定であり、すぐにロール状にし、折りたたみ、巻き付け、またはサイズに合わせて切断し、単層または多層の形態のいずれかで輸送、保存、処理または使用することができる。

米国特許出願第20020164474号明細書において、靴下、履物の裏地、または衣類の他の品目において使用されている可塑性熱調節材が開示されている。液相において層変化物質(PCM)の浸み出し(bleeding)を防止するため、これらPCMは、可塑性マトリックス材中にカプセル化され分配される。カプセル化する別の理由は、冷却で、可塑性でない剛性PCM凝集体の形成を防止するためである。カプセル化して作動しない場合、PCMは、ポリアクリルまたはカルボキシメチルセルロース等の吸収剤または超吸収剤中にしっかりと吸収される。マトリックス材は、好ましくは可塑性ポリマーまたはポリマーフォームである。他の態様は、外部に絶縁層および真ん中にPCM含有層を有する積層体、または第一にポリマー層が鋳造物であり、部分的に加硫処理され、次いでPCMを多く含有する第二層が鋳造物であり、同様に部分的に加硫処理され、その後マトリックス材の第三層がその上の鋳造物であり、組み立て品が完全に加硫処理された組込構造に関する。この解決策の不利な点は、液体/固体PCMカプセル化が必要となり、カプセルが一切の所望の形をとることができず、また便宜的に変形できず、全体の組み立て品の可塑性が制限されることである。英国特許第2495938号明細書において、PCM材を有する多数のカプセルが、キャリア上に固定されるかまたは部分的にキャリア内部に固定される、エネルギー蓄積システムが開示されている。キャリアは、剛性(プレート)または可塑性(シート)であってもよい。カプセルは、ポリマー(PVC)材または金属(アルミ)材で形成される。熱伝導性を改善するため、PCM材を黒鉛または金属粉末と混合する。カプセルは、同一のPCM材または異なるPCM材を含んでもよい。カプセルは、キャリア上に固定されるか、またはキャリアにPCM用に陥凹(凹み)が有り、PCMが陥凹内に充填され、最終的に充填された陥凹が密封されるかのいずれかである。ここで不利な点は、同様に、PCM材がカプセル化されていなければならず、可塑性が制限されていることである。さらに、米国特許出願第20020164474号明細書の場合におけるように、液体または気体熱性キャリア媒体を有する熱分量を載荷および脱荷する間の流動耐性が非常に高いため、熱透過の妨げとなる。記載された必要なカプセル化の理由で、PCMに対して大量の質量および容積が失われ、それによって全体の容量が著しく低減し、全体としてシステム内でほとんど有意な容量が残らない。カプセル化が漏出してしまっているならば、液化PCMがその環境と接触することとなる。このような種類のシート材は、切断することによっても容易に正確な形にすることができない。損傷の頻度は、予見できない統計的変数である。例えば、壁が薄すぎる場合、システムが完全に失敗するかもしれない。他方で、選択された被覆層が厚すぎる場合、上記のエンタルピー低減のシナリオが発生する。

米国特許出願第2002164474号明細書の場合において、PCMの基本機能は、熱伝導性の基本機能である。記載された、開放されたおよび/または閉鎖されたセルフォームへの導入によって、熱条件では非常に緩慢なシステムが作り出され、非常に小さい表面積および弱い熱伝導性の意味するところは、ここでは対流によって改善が得られないことである。

(例えば、プラスチック被覆された)マクロカプセル化されたPCMが、可塑性マトリックス上に接着した場合、常に当該要素のサイズが、折り曲げおよび巻き付けの半径ならびに同様に調整能を決定する。含有物が浮上するため、マクロカプセル化を切断することはできない。これは、使用(例えば、壁への取り付け)における損傷にも影響する。

ドイツ国特許第10022287号明細書において、層間に配置された潜熱蓄熱材の粒子を有する編み上げた3Dスペーサー布が記載されている。未カプセル化PCM粒子を(編み上げた)スペーサー布の層における開口部へ押し込むことが記載されている。これらPCM粒子が、使用の過程または洗濯の間に落下することを防止するため、PCM粒子を含有する層を、PCM粒子サイズより小さい開口部を有する裏地、またはフィルムで裏打ちする。PCM粒子はスペーサー材に強く連結していないため、後者の材料を適宜サイズに合わせて切断することができない。キャリア材としてのスペーサー材は、ミリメートルにおける多数の高さを有するため、適宜可塑性ではない。引用された、編み上げたスペーサー布は、片側で開放したセルのままである場合に限り、すぐにロール状にできる。開放されたチャンバが、PCM粒子で充填された後に密閉(表面結合)されると、もはやコイル巻きすることができない。巻き付けコアは、PCM粒子の直径と比較して、編み上げたスペーサー布の場合における方が遥かに大きい。さらに、PCM粒子での充填密度は、開口部の数によって制限され、液体および気体媒体の流れを受け取るためのPCM粒子のアクセス性は、非常に制限されている。

目的は、PCMのカプセル化なく作動し、温度変化および相転移においても寸法的に安定のままであり、かつシート材上で成形されたPCM要素の特定の幾何学的な可変性配置の結果として、熱透過に対して最適化された容量を有する、完全に可塑性の熱調節複合材を提供することである。さらに、この複合材は、サイズに合わせて切断可能であり、ロール状にすることが可能であり、堆積可能であり、かつ、熱透過改善のために液体および気体媒体の浸透性は制御可能であるべきである。

目的は、キャリア構造上に幾何学的に画定した構造のポリマー結合相変化物質の可塑化質量を強く固定することによって達成される。ここでの固定は、溶融液化ポリマー結合相変化物質(以下、PCMに省略する)が、連続的または不連続的操作で、成形装置によって、射出成形、噴霧塗布、塗り延ばし、または加圧しない鋳造によって、1〜10mm、好ましくは1〜5mmの厚さを有する、球状、四形状、長方形状または多角形状に成形された要素としてキャリア構造に適用されるように達成される。ポリマー結合相変化物質(PCM)のこれら球状または多角形状に成形された要素は、以下、PCMポリマー鋳造物と称する。キャリア構造は、実質的に2次元であり、これら構造の高さは、その長さおよび幅と比較して無視してもよいという意味である。有利なキャリア構造は、織物、非常に好ましくはポリアミド、ポリエステル、ポリプロピレン、炭素繊維、金属繊維、ガラス繊維または天然繊維(綿、レーヨン−ビスコース繊維)およびこれら記載された繊維の混合繊維から成る、大きなメッシュサイズを有する織物であることが証明されている。これらの材料から成る他の潜在的キャリア構造は、不織品、ニットウェア、チュール、編み物、組紐、繊維または毛糸またはスリットフィルムのネット調の布等から成るテキスタイル構造である。フィルムまたは膜も同様に可能であり、好ましくは多孔性の、穿孔したかまたは縒り合わさった構造である。キャリア構造は、シート材の伸張強度の改善等の機械的機能を充足し、かつ因子として可塑性および流動透過性の程度を決定する。それは、熱性または電気的導体の形態、例えば、抵抗ヒーター、可塑的に変形可能なマトリックスで、またはさもなければ完全に可塑性の形態で構成されてもよい。電気的導体または半導体が用いられた場合、PCM材の蓄熱効果の他にペルチェ効果を引き出すことが可能である。ポリマー結合PCMポリマー鋳造物の別々の配置、特に大きなメッシュ構造の場合においては、同様にキャリア構造の伸縮性および順応性によって、PCMの相変化においてさえも可塑性PCMシート材の寸法安定性が生まれる。PCMポリマー鋳造物は、キャリア構造に強く連結され、結合されまたは融合され、かつキャリア構造の表面上に固定されるかまたはキャリア構造内に部分的に浸透する。

キャリア構造の材料および構成によってPCMシート材が、PCMが融合可能かまたはさらに繊維を閉じこめるその固着を強化させる開放構造を有するか決定される。流動浸透性は、例えば、鋳造樹脂または接着剤によって、同様に他の成形要素に接続することを容易にする。PCM要素のサイズは、可塑性を決定する因子である一方、熱輸送/蓄積においては、第一にPCM材およびPCM層の厚さが重大である。同様に、熱輸送は、キャリア構造の材料の選択によって例えば熱伝導性材料を用いることによって、またはさもなければシート材の流動浸透性を調節することによって影響され得る。当該PCMシート材およびそれから生産される製品(堆積形態、ロール状形態等)を通る液体および気体熱性転換媒体(、冷却剤、空気等)の流動浸透性は、成形されたPCM要素の充填密度、固定された成形されたPCM要素間の横方向距離、PCMシート材の複数の層間の距離、同様に成形要素自体の幾何学的構造によった、本発明による標的方法で正確に調整することができる。それによって得られた可塑性PCMシート材によって、第一に相変化温度範囲における熱ストレス下で寸法安定性を保持し、第二にPCM材の任意の幅広い種類の構成用途用に折りたたまれ、ロール状にされ、巻き付けまたはサイズに合わせて切断でき、PCMポリマー鋳造物が別々に上に配置されたその幾何学的キャリア構造のために、具体的にPCMシート材中で保存された熱エンタルピーを充填および放出する間、空気、水および/または他の熱キャリア媒体の流動経路が妨害されないよう確実にすることができるPCM製品が提供される。本発明により、PCMシート材の層の折りたたみやすさまたは巻きやすさは、正確な形状を有するキャリアシート材上に強く固定され、好ましくは線状の列になった、端部スペースが小さい、PCM成形要素によって促進される。本発明によるPCMシート材は、好ましくは連続的PCM成形要素シート材の形態で生産され、好ましくはこれらPCM成形要素の列における中間スペースに沿って適切なサイズに切断される。しかし、PCMポリマー鋳造物を破壊的に切断したとしても、PCM材の一切の浸み出しにはつながらず、それ故に使用において一切の損傷にもつながらない。

PCMポリマー鋳造物の互いの距離が短いほど、熱容量は大きい。距離は、0.5mm未満であるべきではなく、それはさもなければ保存の間、特に相変化温度が超過した場合、PCMポリマー鋳造物が互いに表面接着する場合があり得るからである。2mmの距離が生産および使用の観点では最適であることが証明された。

用途で特に別の指定がない限り、好ましくは厚さ(高さ)は5mmを超えてはならず、より好ましくはこの厚さは5mmである。最大5mmまでPCMは、ほぼ完全に熱的に利用でき、高さが5mmを超えると、側面の表面冷却および熱伝導性の弱まりに起因するエネルギー交換工程にもはや関与しない。

ポリマー結合相変化物質の可塑化質量は、スチレン含有ブロック共重合体、好ましくはスチレン−エチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体および/またはスチレン−エチレン−プロピレンブロック共重合体(それぞれSEBSおよびSEEPS)の群から選択される、少なくとも2つのキャリアポリマーを含み、ランダム分布のポリオレフィン共重合体、好ましくはエチレン−ブチレン共重合体成分の群から選択されるスチレンを含まない成分も含む。ポリオレフィン共重合体成分は、好ましくは15〜30%の範囲の高い結晶化度を有する。エチレン含有量は、好ましくは約35〜45重量%、より好ましくは約40重量%である。質量は、低融点(好ましくは約70〜90℃、より好ましくは75〜85℃、それぞれの場合において10K/分の加熱率でDSCによって決定される)および低粘性値(DINISO1133によって決定された、2.16kgの負荷下での230℃でのMFIは、好ましくは約0.5〜5.0g/10分である)も有する。モル質量は、好ましくは250000〜500000g/モルである。この目的の一つは、鋳造化合物の処理温度を最低化し、キャリア構造への適用の間のPCM材の蒸発を防止することである。鋳造化合物の処理温度は、100〜140℃の範囲に定まり、好ましくは約120℃である。ヒドロキシル基で終端したスチレン含有ブロック共重合体は、特に問題のPCM材が、それ自体がヒドロキシル基および/またはカルボキシル基を有する極性材である際に用いられる。

スチレン含有ブロック共重合体中のスチレンブロックの割合は、実用的に、約25〜35重量%、好ましくは約30重量%である。スチレンブロック共重合体中3〜35重量%の割合のヒドロキシ基で終端した、スチレン含有ブロック共重合体の使用によって、通常極性のキャリア構造へのPCMポリマー混合物の接着を向上させる、かつ、同時にPCMポリマー混合物内への、金属、金属酸化物、好ましくは酸化亜鉛等の、または黒鉛、カーボンブラック、および多層カーボンナノチューブの特定の無機添加剤、同様に有機添加剤の均一混入を促進する、天然および剛性パラフィン類、低溶融アルカン類、脂肪アルコール類、脂肪酸類、長鎖ジアルキルエステル類、ポリエチレングリコール類、高結晶性PEワックス類等のPCM成分の流出または浸出を防止するPCMポリマー混合物が得られる。これら添加剤は、好ましくは熱伝導性、それ故の熱交換を向上させるために用いられる。さらに、PCMの密度は、実質的に1g/cm3より高い密度を有する、金属酸化物、純金属粉末、セラミック物質等を用いて調節することができる。これは、PCM(密度およそ0.9)が液体媒体(例えば、水)中で浮上してはならない用途において必要である。他の潜在的添加剤として、相変化温度の範囲で作動し、相変化工程の進行および/または均一性を示す(好ましくは0.1〜3重量%の割合での)サーモクロミック染料が挙げられる。さらなる潜在的添加剤として、PCMまたは/およびマトリックス内への難燃剤が挙げられる。

スチレン含有ブロック共重合体中の極性末端OH基の別の効果は、キャリアポリマー組成物の他のキャリアポリマー内の、添加剤、さらに具体的には、酸化亜鉛、カーボンブラック、黒鉛またはカーボンナノチューブの改善された均一性である。キャリアポリマーマトリックス混合物中でのたとえ3〜8重量%の少量のポリオレフィン共重合体の使用を通してでも、PCMポリマー化合物の生産において、同様に本発明によるテキスタイルキャリアウェブへのPCMポリマー鋳造物の実際の適用の間、遥かに低い処理温度が可能である。他方で、これら共重合体は、PCMの相変化温度(純スチレン含有トリブロック共重合体の場合、より低い)でのポリマーマトリックス全体のより大きな容量膨張に作用する。相変化温度でのポリマーマトリックスのより大きな容量膨張効果は、液化相変化物質の低減した浸出である。

スチレン含有ブロック共重合体対ポリオレフィン共重合体の比は、10:1〜1:1、好ましくは4:1〜2:1の範囲で変動してもよい。

相変化物質の浸出挙動をさらに改善するため、かつより良い表面感触を得るため、PCMポリマー鋳造物をフィルムまたは箔の形態の薄い、伸縮性の層またはテキスタイル布で被覆してもよい。これは、ポリマー、金属またはセラミックの層であってもよい。被覆の厚さは3〜10μmである。本内容において、特に好ましいのは、Ultramid1Cポリアミドから成る箔層である。アルカリ性過マンガン酸塩溶液でキャリアポリマーのブタジエンの割合を事前表面エッチングすることによって、Ultramid1CフィルムがPCMポリマー鋳造物へ非常に良く接着することとなる。

本発明は、さらに可塑性PCMシート材に関し、それは幾何学的容量要素または多層テキスタイルPCMシート材を得るために折り曲げまたはロール状にすることができ、該PCMシート材を介して水または他の液体熱キャリア媒体がPCMポリマー単位の周りに流れやすくなり、そのため熱エネルギーの連結および切断が非常に素早く行われる。これら可塑性PCMシート材は、キャリア構造の1〜10重量%、およびポリマー結合相変化物質の90〜99重量%から成る。ポリマー結合相変化物質は、キャリアポリマーの10〜30重量%、PCMの70〜90重量%から成る。ポリマー結合相変化物質は、PCM、ポリマーおよび添加剤から成る鋳造物材全体の重量に対して、追加的に5〜25重量%の有機および/または無機添加剤を含んでもよい。

相変化物質の相転移温度では、本発明の可塑性PCMシート材は、最大250J/gの蓄熱エンタルピーおよび1〜4kg/m2の単位面積あたりの重量を有する。単位面積あたりの重量は、キャリア構造上のPCMポリマー鋳造点の隙間によって、鋳造されたポリマー要素の高さによって、使用された添加剤の性質および量によって、同様にテキスタイルキャリア構造自体の純基本重量によって決定される。蓄熱エンタルピーは、使用されたPCMの性質、ポリマー結合PCM中のPCMの割合、同様にキャリア構造(材料および重量)およびポリマー結合PCM材の単位面積あたりの質量およびPCMポリマー鋳造物の厚さ(高さ)に著しく依存する。PCMシート材の単位面積あたりの蓄熱エンタルピーは、最大1000kJ/m2であり得る。

本発明の有利な効果は、PCMシート材は、生産された形態において永久的に弾性かつ成形可能のままであることである。マトリックス材に強く連結したPCM要素の配置、粒子の厚さ、および成形を介して、巻き付き半径および蓄熱容量を決定することが可能である。

PCMポリマーを含んだこれら可塑性シート材は、特にビル管理(冷却パネル)、電気工学におけるヒートシンク用途、乗り物構造における熱/冷熱調節における熱および冷熱の蓄積および調節、パイプラインの単一層または多数層被覆(パイプ、ボックス等の内部は、層が巻かれ、および/または平面に互いに重なって置かれ、そこを空気または水が通過するため)に好適である。用途として、例えば空気の熱調節が挙げられる。堆積されたまたは(パイプ用には)ロール状にされたシート材は、対応の容器に充填され、熱交換器として機能する。さらなる潜在的用途は、例えば機械の上の比較的大きな表面の熱調節にある。ここでの構造は、単純かつ任意の角度、屈折等で搭載し得る。

キャリア構造の材料および構成を通して、追加的な機能を導入することが可能である。

機械的安定性の他には、金属製キャリア構造を用いた場合、電気抵抗加熱を用いて、および/またはペルチェ効果によって、PCM内に「熱」または「冷熱」を蓄積することが可能である。

具体的には、キャリア構造に適用されたPCMポリマー混合物の相変化の温度範囲内でのテキスタイルキャリア構造の寸法安定性を通して、相変化域における所望しない収縮および変形が常に存在していた、純PCMポリマーフィルムおよびPCMポリマープレートの他の伝統的な不利益を補うことが可能である。

本発明を例証するために、4つの図面が添付されている。

図1は、一定の画定した端部スペースの平行列における立方形PCMポリマー鋳造物(2)を有する、ネット調のキャリア構造(1)を図式的に示す。PCMポリマー鋳造物の別々の配置およびキャリア構造の構成を考慮すると、液体および気体が通流する容量が依然良好であることが明白である。

図2において、PCMポリマー鋳造物(2)の形状は、シリンダー状であり、シリンダー状PCM鋳造物は、同様にキャリア構造に平行列に適用される。

図3は、接着結合された可変体(例えば、天然/合成繊維のフィラメント、通気孔構造)中の、鋳造されたPCMポリマー鋳造物(2)を有するキャリア構造(3)の断面の図形表示である。接着結合は、キャリア構造の材料に依存して、完全または部分的に浸透するまで、液体溶融適用上で繊維表面と物理的接着を発生させるための、換言すると、表面上でマトリックスへの結合を経るための、ポリマー結合PCM材の容量に関係する。

図4は、鋳造されたPCMポリマー鋳造物(2)が、キャリア構造を形成する繊維(3)を囲んだ(陽性接続)、可変体の図式的表示を示す。ポリマー結合相変化物質の可塑化質量は、キャリア構造の隙間に浸透することができる。

実施例1: 52:1のl/d比を有するZSE40 2軸押出機(ライストリッツ社)を用いて、以下の出発材料から、PCMポリマーペレットを第一に形成した。 −80重量%のPCM材(サソール社、Nacol(商標)ether 12、32°Cの融点を有する長鎖ジアルキルエーテル) −10重量%のスチレンブロック共重合体SEEPS(ポリスチレン−b−ポリ(エチレン−エチレン/プロピレン)−b−ポリスチレン;株式会社クラレ、(商標)セプトン4055((登録商標)Septon 4055)) −5重量%のOH−末端スチレンブロック共重合体(株式会社クラレ、セプトン(商標)HG 252 (Septon(登録商標)HG 252)) −5重量%結晶性エチレンエチレン−ブチレン共重合体(JSR ダイナロン社、type 6201B)

押出しダイスを、アダプタープレートを介してGala水中ペレット化装置(ガラ社)の切断ヘッドに接続した。4〜5mmの直径を有するペレットを得た。

32℃の切り替え温度を有するPCMの相変化温度における得られたペレットの蓄熱容量は、215J/gであった。

PCMポリマーペレットを、25℃の室温にて強制空気乾燥キャビネ内で乾燥した。これらペレットを120℃にて垂直単一軸押出機内で溶融し、PCMポリマー溶融物をアダプターを介して多数の円錐状立方形状または円錐状円筒状の開口を有するダイスに供給し、非常に低粘性PCMポリマー溶融物を立方形状または円筒状の開口を通して、多鋳造ダイスの直下に位置していた幅15cmの広いメッシュのポリアミドネット上に鋳造した。PCMポリマー溶融鋳造物を冷却後、鋳造ダイスを取り出し、それぞれの場合についてポリアミド布をベルトコンベイヤーに載せて進め、その後溶融ダイスを介してさらなる鋳造を実施した。

この方法によって、PCMポリマーブロックまたはPCMポリマーシリンダーが密接に施された、ポリアミドネットテープを得た。PCMポリマーブロックまたはPCMポリマーシリンダー間の最短距離は1mmであった。PCMポリマーブロックまたはPCMポリマーシリンダーの高さは3mmであった。PCMポリマーは端部長さ10mmであり、PCMポリマーシリンダーは直径10mmであった。適用されたPCMポリマーブロックまたはPCMポリマーシリンダーで被覆された、得られたポリアミド布の単位面積あたりの重量は、従って1950および1850g/m2であった。得られたポリアミド布/PCMポリマー組立品の蓄熱容積は、200J/gであり、または単位面積あたり390KJ/m2および370KJ/m2であった。

立方形状または円筒状PCMポリマー鋳造物は、対応する相変化温度においてでさえも、ポリアミド織布に非常に固く連結した。得られたポリアミド布のマットおよびその上に施されたPCMポリマー鋳造物(図1および2を参照のこと)を、シリンダーとして巻き付けるか、または多層の形態に互いに重ねることができ、温風および水で搭載する試験において、これらマット構成が熱流の流入および流出に対して非常に低い流動抵抗しか提示しないことが示された。

本発明の具体的な有利性は、これらPCMシート材が、高い相転移温度でPCM鋳造物を用いた場合であっても、同様にロール状または堆積された品物を形成するために、いつでも低温状態において変形することができることである。比較的固いPCM鋳造物の剛性は、PCMシート材が、端部中間スペースで非常に可塑的に変形可能であるため、ここでは破壊的因子ではい。

試験チャンバにおいて、多数のこれらポリアミド布/PCMポリマーマット片は2つの横フレーム内へ強く固定され、従って互いに近接して直列に配置された。ポリアミド布/PCMポリマーマットを熱で荷載するため、および32℃でそれらが含有するPCM(Nacol ether 12)を溶融するため、40℃にて熱気を試験チャンバ内に通過させた。この相転移温度でポリアミド布/PCMポリマーマットは、中で強く固定されたままであって、比較的厚いポリマーフィルムおよびポリマープレートにおいて観察されたような、沈下または下垂がなかった。

実施例2: 実施例1に同様に示されたように、以下の組成のPCMポリマーペレットを、ライストリッツ社ZSE40 2軸押出機および下流水中ペレット化装置で再び生産し、乾燥させ、特別な鋳造ダイスを用いて、単一軸押出機において広いメッシュのポリアミド布に施した。 −80重量%のPCM材(サソール社、Nacol(商標)ether 12、長鎖ジアルキルエーテル) −10重量%のスチレンブロック共重合体SEBS(ポリスチレン−b−ポリ(エチレン/ブチレン)−b−ポリスチレン;クラレ株式会社、セプトン8004(Septon 8004)) −5重量%のOH−末端スチレンブロック共重合体(クラレ株式会社、セプトンHG 252(Septon HG 252)) −5重量%の結晶性エチレン−ブチレン共重合体(JSRダイナロン社、type 6201B)

次いで、PCMポリマー鋳造物(立方形状または円筒状)を有するポリアミド布の両側面上に5質量%の(Ultramid1Cの)PA溶液を噴霧し、余分な溶液を室温で蒸発させた。PA被覆の厚さは約5μmであった。それは、PCMの浸出に対する100%のバリアとなることが証明された。

実施例3: 実施例1において同じだけ指示されているように、PCMポリマーペレットを、ライストリッツ社ZSE40 2軸押出機および下流水中ペレット化装置で再び生産し、次いで乾燥させ、続けて特別な鋳造ダイスを用いて、単一軸押出機において広いメッシュのポリアミド布に施した。

しかし、この場合において、PCMポリマーの材料組成を以下に変更し、Leistritz社ZSE40 2軸押出機および下流水中ペレット化装置で生産し、次いで乾燥させ、特別な鋳造金型を用いて、単一軸押出機において広いメッシュのポリアミド布に施した。 −70重量%のPCM材(サソール社、Nacol(商標)ether16、長鎖ジアルキルエーテル) −8重量%のスチレンブロック共重合体SEEPS(株式会社クラレ、セプトン4055(Septon 4055)) −4重量%のOH−末端スチレンブロック共重合体(株式会社クラレ、セプトンHG 252 (Septon HG252)) −3重量%の結晶性エチレン−ブチレン共重合体(JSR ダイナロン社、type 6021B) −15重量%の酸化亜鉛粉末

酸化亜鉛物、熱伝導性を0.2W/mK(純PCMポリマー化合物)から0.6W/mKの値へ改善しただけでなく、PCMの相転移でのパラフィンの急激な低減をももたらした。

様々な用途に関連した側面の要件を満たすために、化粧工程によって、結果として得られたポリアミド布/PCMポリマープレートポリマーマットに追加的な薄い綿の被覆を設けた。

得られたPCMポリマーペレットの蓄熱容量は175J/gであり、得られたポリアミド布/PCMポリマーシート材の熱容量は160J/gであった。これは、面積に対してPCMポリマーブロック構造を有する鋳造物は341KJ/m2であり、シリンダー構造を有するPCMポリマー鋳造物は323KJ/m2であった。

実施例4: PCMポリマー鋳造物の規定の形状および寸法、ならびにPCMの蓄熱容量について、PCMポリマー鋳造物によってキャリア材の包装パラメータを計算し、表の形式で提示することができる。当該表を活用することで、ある用途に要求される包装構成の計算をすることが可能である。本実施例の計算は、248kJ/kg*15Kの相変化エンタルピーを有する合成パラフィンに基づいている。配合でこの容量は20%減少する。この式に基づく5mmの高さを有する全域プレートは、794kJ/m2の容量を有するであろう。

この数値は、残留分を計算するための基準比較数値として採用された。例えば、600kJ/m2の容量が必要ならば、(予備設定:高さ:5mm、上記の化合物)表1から下記が明白である。 1.円形系形態は不可能 2.四角形系形態は1〜2の間の距離で必要容量を提供する 3.計算: 600(kJ/m2)/198kJ/kg*15K=3.03kgの(上記明細書の)PCM 3.03kgのPCM/0.8(g/cm3)=3.79dm3=3790cm3 3790cm3/0.5cm3=7580個の片 √7580=87,87に端数切り捨て 100(cm)/87=1.15mm

600kJ/m2の容量を達成するため5mmの厚さおよび1cmの端部長さに対して、PCM鋳造物間の距離は1.15mmでなければならない。

表1:PCMシート材を連続的PCM被覆で形成するために別々のPCMポリマー鋳造物が荷載されたキャリア構造の蓄熱容量の比較。 鋳造物の高さ=5mm

表から見られるように、四角形の底面を用いることにより、単位面積あたりにより大きな容量を達成することができる。円形の底面は、より小さな単位面積容量を生じさせる。ずらした場合、これら数値は少し改善するが、四角形の面積と同一の数値を達成することはできない。

「全面被覆に対する%での容量」の欄は、全面PCM層に対する、異なる形状(四角形または円形)および距離寸法について、どれほどの容量が残存しているかを示している。

鋳造物の高さおよびPCM層の高さが5mmであると仮定すると、高さが減少すると容量は直線状に低下し、従って表には記録されていない。

%での荷載数値においては、軽い上昇がある。この上昇は、要素スペースによって、全体列が端部にもはや発生しないという事実に起因する。慣例において、それらは機械的に切断することができ、そうすれば比は直線状になるであろう。全ての他の底部形状(例えば、三角形、長方形等)は、それぞれの場合において、単位面積あたりの荷載の使用の観点では、四角形および円形の数値の間に定まっているため、表にさらに列挙されていない。

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