混合樹脂及び多層構造体 |
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申请号 | JP2012541873 | 申请日 | 2011-11-01 | 公开(公告)号 | JPWO2012060371A1 | 公开(公告)日 | 2014-05-12 |
申请人 | 株式会社クラレ; | 发明人 | 武之 五十嵐; 武之 五十嵐; 田井 伸二; 伸二 田井; | ||||
摘要 | ポリオレフィン(A)、エチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物(B)、酸変性オレフィン−カルボン酸ビニルエステル共重合体(C)を含有し、前記酸変性オレフィン−カルボン酸ビニルエステル共重合体(C)のオレフィン含有量が50〜95モル%であり、前記エチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物(B)のエチレン含有量と前記酸変性オレフィン−カルボン酸ビニルエステル共重合体(C)のオレフィン含有量との差が20〜70モル%の範囲である混合樹脂とする。これにより、ポリオレフィン及びEVOHを含有し、長時間の連続溶融成形においても劣化物のスクリュー付着量が少なく、且つ得られる成形品のフィッシュアイやスジ、ストリークの発生が低減された混合樹脂を提供することができる。 | ||||||
权利要求 | ポリオレフィン(A)、エチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物(B)、酸変性オレフィン−カルボン酸ビニルエステル共重合体(C)を含有し、前記酸変性オレフィン−カルボン酸ビニルエステル共重合体(C)のオレフィン含有量が50〜95モル%であり、前記エチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物(B)のエチレン含有量と前記酸変性オレフィン−カルボン酸ビニルエステル共重合体(C)のオレフィン含有量との差が20〜70モル%の範囲である混合樹脂。 前記酸変性オレフィン−カルボン酸ビニルエステル共重合体(C)の酸変性量が0.01〜2mmol/gである請求項1に記載の混合樹脂。 前記エチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物(B)のエチレン含有量が20〜60モル%であり、けん化度が80%以上である請求項1または2のいずれか1項に記載の混合樹脂。 前記エチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物(B)の重合体末端におけるカルボン酸類単位(I)及びラクトン環単位(II)の合計の、エチレン単位(III)、ビニルアルコール単位(IV)及びビニルエステル単位(V)の合計に対する比率((I+II)/(III+IV+V))が0.03モル%以上である請求項1〜3のいずれか1項に記載の混合樹脂。 前記酸変性オレフィン−カルボン酸ビニルエステル共重合体(C)の含有量が前記エチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物(B)の質量に対して0.1〜30質量%である請求項1〜4のいずれか1項に記載の混合樹脂。 前記エチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物(B)の含有量が混合樹脂の総質量に対して0.1〜30質量%である請求項1〜5のいずれか1項に記載の混合樹脂。 前記酸変性オレフィン−カルボン酸ビニルエステル共重合体(C)の溶解度パラメーターと前記エチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物(B)の溶解度パラメーターとの差が0.5〜4.0(cal/cm 3 ) 1/2の範囲である請求項1〜6のいずれか1項に記載の混合樹脂。 さらに、アルカリ金属を含有し、前記アルカリ金属含有量と混合樹脂の酸変性量とのモル比が0.05〜75の範囲である請求項1〜7のいずれか1項に記載の混合樹脂。 さらに、未変性オレフィン−カルボン酸ビニルエステル共重合体(D)を含有し、前記未変性オレフィン−カルボン酸ビニルエステル共重合体(D)のオレフィン含有量が50〜98モル%であり、前記未変性オレフィン−カルボン酸ビニルエステル共重合体(D)の含有量が混合樹脂の総質量に対し0.01〜20質量%である請求項1〜8のいずれか1項に記載の混合樹脂。 さらに、滑剤(E)を含有し、前記滑剤(E)の含有量が混合樹脂の総質量に対し0.005〜1.0質量%である請求項1〜9のいずれか1項に記載の混合樹脂。 さらに、顔料を含有し、前記顔料の含有量が混合樹脂の総質量に対し0.0001〜10質量%である請求項1〜10のいずれか1項に記載の混合樹脂。 請求項1〜11のいずれか1項に記載の混合樹脂を溶融成形して得られた層を有する多層構造体。 ポリオレフィン(A)を含有する樹脂組成物からなる層及びエチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物(B)からなる層を有する多層構造体の回収物と、酸変性オレフィン−カルボン酸ビニルエステル共重合体(C)を含有する樹脂組成物からなる回収助剤とを混合する工程を含む、請求項1〜11のいずれか1項に記載の混合樹脂の製造方法。 |
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说明书全文 | 本発明は、ポリオレフィン、エチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物を含有する混合樹脂に関する。 また、当該混合樹脂を溶融成形して得られた層を有する多層構造体に関する。 従来、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィンに代表される熱可塑性樹脂からなる層と、バリア性に優れるエチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物(以下、EVOHと略称することがある)からなる層とを含む多層構造体は、そのバリア性を活かして各種用途、特に食品包装容器や燃料容器などに広く用いられている。 このような多層構造体はフィルム、シート、カップ、トレイ、ボトルなどの各種成形品として用いられる。 このとき、上記各種成形品を得る際に発生する端部や不良品等を回収し、溶融成形して熱可塑性樹脂層とEVOH層を含む多層構造体の少なくとも1層として再使用する場合がある。 このような回収技術は、廃棄物削減や経済性の点で有用であり、広く採用されている。 しかしながら、熱可塑性樹脂層とEVOH層を含む多層構造体の回収物を再使用する際には、溶融成形時の熱劣化によりゲル化を起こしたり、劣化物が押出機内のスクリュー等に付着したりして、長期間の連続溶融成形を行うことが困難であった。 さらに、このような劣化物が成形品中にしばしば混入するため、得られる成形品においてフィッシュアイが発生するという問題があった。 また、熱可塑性樹脂とEVOHとの相溶性が悪いため表面にストリーク(縞模様)が発生したりする場合もあった。 このような問題を解決する方策として、特許文献1には、EVOHを含む粉砕物に配合する樹脂組成物として、オレフィン−カルボン酸ビニルエステル共重合体及び/又はそのケン化物、脂肪酸金属塩、及び/又は金属化合物を含有する樹脂組成物が記載されている。 そして、この樹脂組成物によれば、度重なるスクラップリターンや長時間の連続運転においてもポリオレフィンとEVOHの相分離異物(目ヤニ)の成形品中への混入が無く、リグラインド層の耐衝撃性等、機械的特性の低下がないとされている。 特許文献2には、EVOHを含む粉砕物に配合する樹脂組成物として、酸グラフト変性ポリオレフィン系樹脂、脂肪酸金属塩及び/又は金属化合物を含有する樹脂組成物が記載されている。 そして、この樹脂組成物によれば、度重なるスクラップリターンや長時間の連続運転においてもポリオレフィンとEVOHの相分離異物(目ヤニ)の成形品中への混入が無く、リグラインド層の耐衝撃性等、機械的特性の低下がないとされている。 しかしながら、特許文献1及び2に記載された発明では、熱可塑性樹脂とEVOHとの相容性向上による相分離異物の発生防止の効果はある程度認められるものの、より高度に外観美麗な成形品が要求される用途では成形品のフィッシュアイ、ストリークの発生を抑制する効果が不十分である場合があった。 さらに近年では、消費者ニーズの多様化により、外観の良好な着色成形品が求められるために、EVOH層と熱可塑性樹脂層を含む多層構造体が顔料を含む場合が多くなっている。 しかしながら、当該多層構造体を回収して再使用した場合に、配合される顔料とEVOHが凝集することによって、顔料を含まない場合よりも劣化物が生じやすく、問題となる場合があった。 本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、ポリオレフィン及びEVOHを含有し、長時間の連続溶融成形においても劣化物のスクリュー付着量が少なく、且つ得られる成形品のフィッシュアイやスジ、ストリークの発生が低減された混合樹脂を提供することを目的とするものである。 上記課題は、ポリオレフィン(A)、エチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物(B)、酸変性オレフィン−カルボン酸ビニルエステル共重合体(C)を含有し、前記酸変性オレフィン−カルボン酸ビニルエステル共重合体(C)のオレフィン含有量が50〜95モル%であり、前記エチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物(B)のエチレン含有量と前記酸変性オレフィン−カルボン酸ビニルエステル共重合体(C)のオレフィン含有量との差が20〜70モル%の範囲である混合樹脂を提供することによって解決される。 このとき、前記酸変性オレフィン−カルボン酸ビニルエステル共重合体(C)の酸変性量が0.01〜2mmol/gであることが好適である。 そして、前記エチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物(B)のエチレン含有量が20〜60モル%であり、けん化度が80%以上であることが好適である。 さらに、前記エチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物(B)の重合体末端におけるカルボン酸類単位(I)及びラクトン環単位(II)の合計の、エチレン単位(III)、ビニルアルコール単位(IV)及びビニルエステル単位(V)の合計に対する比率((I+II)/(III+IV+V))が0.03モル%以上であることがより好適である。 また、前記酸変性オレフィン−カルボン酸ビニルエステル共重合体(C)の含有量が前記エチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物(B)の質量に対して0.1〜30質量%であることも好適である。 前記エチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物(B)の含有量が混合樹脂の総質量に対して0.1〜30質量%であることも好適である。 前記酸変性オレフィン−カルボン酸ビニルエステル共重合体(C)の溶解度パラメーターと前記エチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物(B)の溶解度パラメーターとの差が0.5〜4.0(cal/cm 3 ) 1/2の範囲であることも好適である。 さらに、アルカリ金属を含有し、前記アルカリ金属含有量と混合樹脂の酸変性量とのモル比が0.05〜75の範囲であることも好適である。 さらに、未変性オレフィン−カルボン酸ビニルエステル共重合体(D)を含有し、前記未変性オレフィン−カルボン酸ビニルエステル共重合体(D)のオレフィン含有量が50〜98モル%であり、前記未変性オレフィン−カルボン酸ビニルエステル共重合体(D)の含有量が混合樹脂の総質量に対し0.01〜20質量%であることも好適である。 さらに、滑剤(E)を含有し、前記滑剤(E)の含有量が混合樹脂の総質量に対し0.005〜1.0質量%であることも好適である。 さらに、顔料を含有し、前記顔料の含有量が混合樹脂の総質量に対し0.0001〜10質量%であることも好適である。 また、上記課題は、上記混合樹脂を溶融成形して得られた層を有する多層構造体によっても解決される。 また、上記課題は、ポリオレフィン(A)を含有する樹脂組成物からなる層及びエチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物(B)からなる層を有する多層構造体の回収物と、酸変性オレフィン−カルボン酸ビニルエステル共重合体(C)を含有する樹脂組成物からなる回収助剤とを混合する工程を含む、上記混合樹脂の製造方法によっても解決される。 本発明の混合樹脂により、長時間の連続溶融成形においても劣化物のスクリュー付着量が少なく、且つフィッシュアイやスジ、ストリークの発生が低減された成形品、特に多層構造体を提供することができる。 1 H−NHR測定のチャートである。 1 H−NHR測定のチャートである。 1 H−NHR測定のチャートである。 本発明の混合樹脂は、ポリオレフィン(A)、エチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物(以下、EVOHと略称することがある)(B)、酸変性オレフィン−カルボン酸ビニルエステル共重合体(C)を含有する。 本発明で用いられるポリオレフィン(A)は、例えば、ポリエチレン(低密度、直鎖状低密度、中密度、高密度など);エチレンと1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテンなどのα−オレフィン類またはアクリル酸エステルを共重合したエチレン系共重合体;ポリプロピレン;プロピレンとエチレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテンなどのα−オレフィン類を共重合したプロピレン系共重合体;ポリ(1−ブテン)、ポリ(4−メチル−1−ペンテン)、上述のポリオレフィンに無水マレイン酸を作用させた変性ポリオレフィン;アイオノマー樹脂などを含んでいる。 中でも、ポリオレフィン(A)として、ポリプロピレン、プロピレン系共重合体などのポリプロピレン系樹脂、またはポリエチレン、エチレン系共重合体などのポリエチレン系樹脂が好ましい。 ポリオレフィン(A)は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を混合して用いてもよい。 ポリオレフィン(A)のメルトインデックス(MI;190℃、2160g荷重下で測定)は0.03g/10分以上が好ましく、0.05g/10分以上がより好ましい。 また、100g/10分以下が好ましく、80g/10分以下がより好ましく、70g/10分以下がさらに好ましい。 ポリオレフィン(A)の含有量は混合樹脂の総質量に対して50〜99.8質量%であることが好ましい。 50質量%未満では混合樹脂を溶融成形して得られた層を有する多層構造体においてポリオレフィン層との接着性が低くなる場合がある。 含有量は55質量%以上であることがより好ましく、60質量%以上であることがさらに好ましい。 一方、99.8質量%を超えると回収によるコスト削減の効果が乏しく、経済的な観点で好ましくない。 含有量は99.5質量%以下であることがより好ましい。 本発明で用いられるEVOH(B)は、エチレン−酢酸ビニル共重合体中の酢酸ビニル単位をけん化して得られたものである。 EVOH(B)は、その重合体末端にカルボン酸類単位(I)及びラクトン環単位(II)を有し、骨格を形成する単位としてエチレン単位(III)、ビニルアルコール単位(IV)及びビニルエステル単位(V)を有する。 [式中、Xは水素原子、水酸基またはエステル化された水酸基であり、Yは水素原子、アルカリ金属またはアルカリ土類金属を表す。 ] [式中、R 1は直鎖状または分岐鎖を有するアルキル基を表し、好ましくはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、t−ブチル基、トリフルオロメチル基である。 ] なお、本明細書中において、エチレン含有量とはエチレン単位(III)、ビニルアルコール単位(IV)及びビニルエステル単位(V)の合計に対するエチレン単位(III)の比率(III/(III+IV+V))を、ビニルエステル単位のけん化度とはビニルアルコール単位(IV)及びビニルエステル単位(V)の合計に対するビニルアルコール単位(IV)の比率(IV/(IV+V))をいう。 EVOH(B)のエチレン含有量は20〜60モル%であることが好ましい。 エチレン含有量が20モル%未満の場合はポリオレフィン(A)との相容性が不良となりやすい。 エチレン含有量は25モル%以上であることがより好ましい。 また、エチレン含有量が60モル%を超えるとガスバリア性が低下する。 エチレン含有量は55モル%以下であることがより好ましく、50モル%以下であることがさらに好ましい。 一方、EVOH(B)のビニルエステル単位のけん化度はガスバリア性の観点から、80%以上であるのが好ましく、98%以上であるのがより好ましく、99%以上であるのがさらに好ましい。 特に、エチレン含有量が20〜55モル%であり、かつけん化度が99%以上のEVOHは、バリア性に優れる容器類として使用されているので、ポリオレフィンと積層して回収物に含まれることが多い。 EVOH(B)の共重合体末端におけるカルボン酸類単位(I)およびラクトン環単位(II)の合計の、エチレン単位(III)、ビニルアルコール単位(IV)およびビニルエステル単位(V)の単位合計に対する比率((I+II)/(III+IV+V))は0.03モル%以上であるであることが好ましい。 通常、上記比率が高いと溶融成形時にEVOH(B)同士が反応してロングラン性が低下する傾向があるが、本発明では酸変性オレフィン−カルボン酸ビニルエステル共重合体(C)を含有させることでEVOH(B)同士の反応によるロングラン性の低下を抑制することができる。 一方、上記比率が0.03モル%未満では溶融成形時にEVOH(B)と酸変性オレフィン−カルボン酸ビニルエステル共重合体(C)又は接着性樹脂とが過剰反応することでロングラン性が低下する場合がある。 EVOH(B)は、本発明の効果を阻害しない範囲、一般的には5モル%以下の範囲で、他の重合性単量体が共重合されていてもよい。 このような重合性単量体としては、例えばプロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテンなどのα−オレフィン;(メタ)アクリル酸エステル;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などの不飽和カルボン酸;アルキルビニルエーテル;N−(2−ジメチルアミノエチル)メタクリルアミドまたはその4級化物、N−ビニルイミダゾールまたはその4級化物、N−ビニルピロリドン、N,N−ブトキシメチルアクリルアミド、ビニルトリメトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルジメチルメトキシシランなどが挙げられる。 EVOH(B)のメルトインデックス(MI;190℃、2160g荷重下で測定)は0.1g/10分以上が好ましく、より好適には0.5g/10分以上である。 また、100g/10分以下が好ましく、より好適には50g/10分以下、最適には30g/10分以下である。 このとき、EVOH(B)の分散性の観点から、EVOH(B)のMIをMI(B)、ポリオレフィン(A)のMI(190℃、2160g荷重下で測定)をMI(A)としたときの比[MI(B)/MI(A)]は0.1〜100であることが好ましく、0.3〜50であることがより好ましい。 但し、融点が190℃付近あるいは190℃を超えるもののMIは2160g荷重下、融点以上の複数の温度で測定し、片対数グラフで絶対温度の逆数を横軸、MIの対数を縦軸にプロットし、190℃に外挿した値を用いる。 EVOH(B)の含有量は、混合樹脂の総質量に対して0.1〜30質量%であることが好ましい。 EVOH(B)の含有量が0.1質量%未満の場合は回収によるコスト削減の効果が乏しく、経済的な観点で好ましくない。 含有量は1.0質量%以上がより好ましい。 一方、EVOH(B)の含有量が30質量%を超えると、ポリオレフィン(A)へのEVOH(B)の分散が不十分となり、スジ、ストリーク、フィッシュアイの発生、スクリュー付着のいずれに対しても十分な抑制効果が得られない虞がある。 含有量は20質量%以下がより好ましい。 本発明で用いられる酸変性オレフィン−カルボン酸ビニルエステル共重合体(C)は、オレフィン−カルボン酸ビニルエステル共重合体に酸をグラフト化させたものである。 上記オレフィン−カルボン酸ビニルエステル共重合体を構成するオレフィンの単量体としては、エチレン、プロピレン、n‐ブチレン、イソブチレン等が挙げられ、このうちエチレンが好適に用いられる。 また、カルボン酸ビニルエステルの単量体は、一般式CH 2 =CHOCORで表されるもので、Rは1〜20個の炭素原子を持った直鎖状または分岐上のアルキル基である。 カルボン酸ビニルエステルの単量体としては、例えば、蟻酸ビニル、酢酸ビニル、酪酸ビニル、イソ酪酸ビニル、バーサチック酸ビニル、カプロン酸ビニル、カプリル酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリル酸ビニル、パルミチン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、オレイン酸ビニル、ピバリン酸ビニル等が挙げられ、このうちコスト面、取扱性等の点から酢酸ビニルが最も好適に用いられる。 上記オレフィン−カルボン酸ビニルエステル共重合体にグラフト化させる酸としては、不飽和カルボン酸またはその誘導体を用いることができ、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、イタコン酸、マレイン酸;前記した酸のメチルエステルまたはエチルエステル;無水マレイン酸、無水イタコン酸などが挙げられる。 これらは1種類を単独で用いてもよく、2種以上を組合せて用いてもよい。 このうち無水マレイン酸が最も好適に用いられる。 また、上記オレフィン−カルボン酸ビニルエステル共重合体にグラフト化させる酸として、ボロン酸基又は水の存在下でボロン酸基に転化し得るホウ素含有基を有する化合物を用いることもできる。 ここで、ボロン酸基とは下記式(VI)で示されるものである。 また、水の存在下でボロン酸基に転化し得るホウ素含有基(以下、ホウ素含有官能基と略記する)とは、水の存在下で加水分解を受けてボロン酸基に転化し得るホウ素含有基を指す。 より具体的には、水単独、水と有機溶媒(トルエン、キシレン、アセトン等)との混合物、5%ホウ酸水溶液と前記有機溶媒との混合物等を溶媒とし、室温〜150℃の条件下に10分〜2時間加水分解したときに、ボロン酸基に転化し得る官能基を意味する。 このような官能基の代表例としては、下記式(VII)で示されるボロン酸エステル基、下記式(VIII)で示されるボロン酸無水物基、下記式(IX)で示されるボロン酸塩基等が挙げられる。 [式中、R 2及びR 3は水素原子、脂肪族炭化水素基(炭素数1〜20の直鎖状、又は分岐状アルキル基、又はアルケニル基等)、脂環式炭化水素基(シクロアルキル基、シクロアルケニル基等)、芳香族炭化水素基(フェニル基、ビフェニル基等)を表し、R 2及びR 3はそれぞれ同じ基でもよいし異なっていてもよい。 ただし、R 2及びR 3がともに水素原子である場合は除かれる。 ここで、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基及び芳香族炭化水素基は置換基を有していてもよく、また、R 2とR 3は結合していてもよい。 ] [式中、R 4 、R 5及びR 6は上記R 2及びR 3と同様の水素原子、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基及び芳香族炭化水素基を表し、R 4 、R 5及びR 6はそれぞれ同じ基でもよいし異なっていてもよい。 またMはアルカリ金属を表す。 ] 一般式(VII)で示されるボロン酸エステル基の具体例としては、ボロン酸ジメチルエステル基、ボロン酸ジエチルエステル基、ボロン酸ジプロピルエステル基、ボロン酸ジイソプロピルエステル基、ボロン酸ジブチルエステル基、ボロン酸ジヘキシルエステル基、ボロン酸ジシクロヘキシルエステル基、ボロン酸エチレングリコールエステル基、ボロン酸プロピレングリコールエステル基、ボロン酸1,3−プロパンジオールエステル基、ボロン酸1,3−ブタンジオールエステル基、ボロン酸ネオペンチルグリコールエステル基、ボロン酸カテコールエステル基、ボロン酸グリセリンエステル基、ボロン酸トリメチロールエタンエステル基、ボロン酸トリメチロールプロパンエステル基、ボロン酸ジエタノールアミンエステル基等が挙げら� ��る。 また、一般式(IX)で示されるボロン酸塩基としては、ボロン酸のアルカリ金属塩基等が挙げられる。 具体的には、ボロン酸ナトリウム塩基、ボロン酸カリウム塩基等が挙げられる。 このようなホウ素含有官能基のうち、熱安定性の観点からボロン酸環状エステル基が好ましい。 ボロン酸環状エステル基としては、例えば5員環又は6員環を含有するボロン酸環状エステル基が挙げられる。 具体的には、ボロン酸エチレングリコールエステル基、ボロン酸プロピレングリコールエステル基、ボロン酸1,3−プロパンジオールエステル基、ボロン酸1,3−ブタンジオールエステル基、ボロン酸グリセリンエステル基等が挙げられる。 オレフィン−カルボン酸ビニルエステル共重合体への酸のグラフト化は公知の方法により行うことができ、例えば、オレフィン−カルボン酸ビニルエステル共重合体を適当な溶媒に溶解、或いは押出機で溶融させた状態でラジカル開始剤を加えて活性化させた後に酸を加えてグラフト化させることによって酸変性オレフィン−カルボン酸ビニルエステル共重合体(C)を得ることができる。 本発明で用いられる酸変性オレフィン−カルボン酸ビニルエステル共重合体(C)のオレフィン含有量は、50〜95モル%である。 50モル%未満ではポリオレフィン(A)との相容性が乏しくなり、成形品にフィッシュアイが発生しやすくなる。 オレフィン含有量は70モル%以上であることが好ましく、80モル%以上であることがより好ましい。 一方、95モル%を越えるとEVOH(B)との反応性が乏しくなり、EVOHが均一に分散しにくくなるため、成形品にスジやストリークが発生しやすくなる。 オレフィン含有量は93モル%以下であることが好ましく、91モル%以下であることがさらに好ましい。 酸変性オレフィン−カルボン酸ビニルエステル共重合体(C)の酸変性量は、0.01〜2mmol/gであることが好ましい。 0.01mmol/g未満ではEVOH(B)との反応性が乏しくなり、成形品にスジ、ストリークが発生しやすくなる。 酸変性量は0.02mmol/g以上であることがより好ましく、0.05mmol/g以上であることがさらに好ましい。 一方、2mmol/gを越えるとEVOH(B)との反応性が過剰になるため、フィッシュアイが発生しやすくなる。 酸変性量は1.9mmol/g以下であることがより好ましく、1.5mmol/g以下であることがさらに好ましい。 なお、本発明の酸変性量とはJIS規格K2501に基づいて測定された酸価を水酸化カリウムの分子量で除することにより算出される酸性成分の量をいう。 酸変性オレフィン−カルボン酸ビニルエステル共重合体(C)のメルトインデックス(MI;190℃、2160g荷重下で測定)は0.03g/10分以上が好ましく、0.05g/10分以上がより好ましい。 また、100g/10分以下が好ましく、80g/10分以下がより好ましく、70g/10分以下がさらに好ましい。 本発明においてはEVOH(B)のエチレン含有量と酸変性オレフィン−カルボン酸ビニルエステル共重合体(C)のオレフィン含有量との差が20〜70モル%の範囲である。 20モル%未満の場合はEVOH(B)及び前記酸変性オレフィン−カルボン酸ビニルエステル共重合体(C)とポリオレフィン(A)との相容性が悪くなり、酸変性オレフィン−カルボン酸ビニルエステル共重合体(C)によるポリオレフィン(A)とEVOH(B)の相容性向上効果が得られにくくなるため、成形品にフィッシュアイや、スジ、ストリークが発生しやすくなる。 上記差は30モル%以上が好ましく、35モル%以上がより好ましく、40モル%がさらに好ましい。 一方、70モル%を超えるとEVOH(B)と酸変性オレフィン−カルボン酸ビニルエステル共重合体(C)との相容性が悪くなり、この場合も酸変性オレフィン−カルボン酸ビニルエステル共重合体(C)によるポリオレフィン(A)とEVOH(B)の相容性向上効果が得られにくくなるため、成形品にフィッシュアイやスジ、ストリークが発生しやすくなる。 上記差は68モル%以内が好ましく、65モル%以内がより好ましい。 本発明においては酸変性オレフィン−カルボン酸ビニルエステル共重合体(C)の溶解度パラメーターとEVOH(B)の溶解度パラメーターとの差が0.5〜4.0(cal/cm 3 ) 1/2の範囲であることが好ましい。 ここで、本発明において溶解度パラメーターとはFedorsの式から算出された溶解度パラメーターをいう。 溶解度パラメーターの差が0.5(cal/cm 3 ) 1/2未満の場合はEVOH(B)と酸変性オレフィン−カルボン酸ビニルエステル共重合体(C)の相容性は良好であるが、溶融成形時に過剰反応してしまい、フィッシュアイが増加するおそれがある。 上記差は0.7(cal/cm 3 ) 1/2以上がより好ましく、1.0(cal/cm 3 ) 1/2以上がさらに好ましく、1.2(cal/cm 3 ) 1/2以上が特に好ましい。 一方、4.0(cal/cm 3 ) 1/2を超えるとEVOH(B)と酸変性オレフィン−カルボン酸ビニルエステル共重合体(C)の相容性が悪くなるため、成形品にフィッシュアイやスジ、ストリークが発生しやすくなる。 上記差は3.5(cal/cm 3 ) 1/2以下がより好ましく、3.0(cal/cm 3 ) 1/2以下が特に好ましい。 酸変性オレフィン−カルボン酸ビニルエステル共重合体(C)の含有量は、EVOH(B)の質量に対して0.1〜30質量%であることが好ましい。 前記割合が0.1質量%未満であると、EVOH(B)との反応性が乏しくなり、成形品にフィッシュアイやスジ、ストリークが発生しやすくなり、さらにスクリュー付着量も増加しやすくなる。 前記割合は1.0質量%以上であることがより好ましく、2.0質量%以上であることがさらに好ましい。 一方、前記割合が30質量%を越えると溶融成形時にEVOH(B)との反応性が過剰となり、フィッシュアイが発生しやすくなる。 前記割合は28質量%以下であることが好ましく、25質量%以下であることがさらに好ましい。 また、酸変性オレフィン−カルボン酸ビニルエステル共重合体(C)の含有量は、混合樹脂の総質量に対して0.01〜10質量%であることが好ましい。 0.01質量%未満であると、EVOH(B)との反応性が乏しくなり、成形品にフィッシュアイやスジ、ストリークが発生しやすくなり、さらにスクリュー付着量も増加しやすくなる。 含有量は混合樹脂の総質量に対して0.05質量%以上であることがより好ましく、0.1質量%以上であることがさらに好ましい。 一方、10質量%を超えるとポリオレフィン(A)中に分散しにくくなるためスジ、ストリークが発生しやすくなり、また、溶融成形時にEVOH(B)との反応性が過剰となるためフィッシュアイが発生しやすくなる。 含有量は混合樹脂の総質量に対して5質量%以下であることがより好ましく、3質量%以下であることがさらに好ましい。 本発明の混合樹脂がアルカリ金属を含有することが好ましい。 アルカリ金属を含有させることで、溶融成形時のEVOH(B)と酸変性オレフィン−カルボン酸ビニルエステル共重合体(C)との反応性を上げることができるため、ポリオレフィン(A)にEVOH(B)を微分散させることが可能となる。 アルカリ金属はリチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、フランシウムが挙げられ、反応性及び経済性の観点からナトリウム、カリウムが好ましく用いられる。 アルカリ金属含有量と混合樹脂中の酸変性量とのモル比(アルカリ金属含有量/酸変性量)が0.05〜75の範囲であることが好ましい。 0.05未満の場合はEVOH(B)と酸変性オレフィン−カルボン酸ビニルエステル共重合体(C)との反応性を上げる効果が得られない場合がある。 上記モル比が0.1以上であることがより好ましく、0.16以上であることがさらに好ましい。 一方、75を越えるとEVOH(B)と酸変性オレフィン−カルボン酸ビニルエステル共重合体(C)が過剰反応によって架橋してしまい、フィッシュアイが著しく増加する虞がある。 上記比率は50以下であることがより好ましく、10以下であることがさらに好ましい。 混合樹脂にアルカリ金属を含有させる方法は特に限定されず、ポリオレフィン(A)、EVOH(B)、酸変性オレフィン−カルボン酸ビニルエステル共重合体(C)又は樹脂組成物に含有されるその他の成分に予め含まれていても構わない。 また、各成分を混合して混合樹脂を得る際に、アルカリ金属を含む化合物を加えることにより配合してもよい。 本発明の混合樹脂を構成する成分として、上記してきたポリオレフィン(A)、EVOH(B)および酸変性オレフィン−カルボン酸ビニルエステル共重合体(C)以外に、未変性オレフィン−カルボン酸ビニルエステル共重合体(D)を配合することが好ましい。 未変性オレフィン−カルボン酸ビニルエステル共重合体(D)を含有することでEVOH(B)の分散をより安定化させることができる。 本発明で用いられる未変性オレフィン−カルボン酸ビニルエステル共重合体(D)としては、前記酸変性オレフィン−カルボン酸ビニルエステル共重合体(C)に用いられるオレフィン−カルボン酸ビニルエステル共重合体を使用することができる。 未変性オレフィン−カルボン酸ビニルエステル共重合体(D)のオレフィン含有量は、50〜98モル%であることが好ましい。 オレフィン含有量が50モル%未満の場合、ポリオレフィン(A)との相容性が乏しくなり、成形品のスジ、ストリークが増加しやすくなる。 より好ましくは55モル%以上であり、さらに好ましくは60モル%以上である。 一方、オレフィン含有量が98モル%を越えると、EVOH(B)及び酸変性オレフィン−カルボン酸ビニルエステル共重合体(C)の相容性が乏しくなり、未変性オレフィン−カルボン酸ビニルエステル共重合体(D)を入れることによる効果が得られにくくなる。 未変性オレフィン−カルボン酸ビニルエステル共重合体(D)のオレフィン含有量と酸変性オレフィン−カルボン酸ビニルエステル共重合体(C)のオレフィン含有量との差が0〜15モル%の範囲内であることが好ましい。 上記差が15モル%より大きいと酸変性オレフィン−カルボン酸ビニルエステル(C)と未変性オレフィン−カルボン酸ビニルエステル共重合体(D)の相容性が悪くなり、未変性オレフィン−カルボン酸ビニルエステル共重合体(D)を入れることによる効果が得られにくくなる。 上記差は10モル%以下であることがより好ましく、7モル%以下であることがさらに好ましい。 また、未変性オレフィン−カルボン酸ビニルエステル共重合体(D)のメルトインデックス(MI;190℃、2160g荷重下で測定)は0.1〜50g/10分であることが好ましく、0.5〜30g/10分であることがより好ましく、1〜20g/10分であることがさらに好ましい。 未変性オレフィン−カルボン酸ビニルエステル共重合体(D)の含有量は、混合樹脂の総質量に対し0.01〜20質量%であることが好ましい。 含有量が0.01質量%未満では未変性オレフィン−カルボン酸ビニルエステル共重合体(D)を入れることによる効果が得られにくくなる。 含有量は0.1質量%以上であることがより好ましく、0.2質量%以上であることがさらに好ましい。 一方、含有量が20質量%を超えるとポリオレフィン(A)に対する非相容成分を過剰に加えていることになるため、スジ、ストリークが発生しやすくなる。 含有量は10質量%以下であることがより好ましく、8質量%以下であることがさらに好ましい。 本発明の混合樹脂を構成する成分として、上記してきたポリオレフィン(A)、EVOH(B)及び酸変性オレフィン−カルボン酸ビニルエステル共重合体(C)以外に、滑剤(E)を配合することが好ましい。 混合樹脂に滑剤(E)を含有させることによって、スクリュー付着量を抑制することができる。 本発明で用いられる滑剤(E)としては、例えば、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、ベヘニン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、メチロールステアリン酸アミド、N−オレイルパルミトアミド、N−ステアリルエルカアミドなどの脂肪酸アミド類;流動パラフィン、天然パラフィン、合成パラフィン、ポリオレフィンワックスなどの脂肪族炭化水素系滑剤及びこれらの部分酸化物、フッ化物、塩化物;ステアリルアルコール、ラウリルアルコールなどの脂肪族アルコール類;ステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ベヘン酸、モンタン酸などの脂肪酸及びこれらの金属塩;ステアリン酸ステアリル、ラウリン酸ステアリルなどの脂肪族エステル類などが挙げられる。 これらの中でも、好適には脂肪酸金属塩、脂肪酸エステル類、脂肪酸アミド類が、さらに好適には脂肪酸アミド類が用いられる。 滑剤(E)として脂肪酸金属塩を含有させると、劣化物の凝集に由来するフィッシュアイの発生を抑制することもできるため好ましい。 脂肪酸金属塩としては、ラウリン酸、ステアリン酸、ミリスチン酸、ベヘン酸、モンタン酸など炭素数10〜26の高級脂肪族の金属塩、特に周期律表第1族、第2族または第3族の金属塩、例えばナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩が挙げられる。 また、上記した脂肪酸の亜鉛塩、鉛塩を用いることもできる。 これらの中で、カルシウム塩、マグネシウム塩などの周期律表第2族の金属塩は、少量の添加で本発明の効果を奏する。 また、亜鉛塩、鉛塩などのオールレッド(A.L.Allred)とロコウ(E.G.Rochow)による電気陰性度が1.5以上である金属の金属塩を用いると、劣化物のスクリューへの付着を抑制することができ、長時間溶融押出加工した場合のヤケやコゲ等の劣化物を低減することができる。 また、周期律表第2族の金属塩と、オールレッド(A.L.Allred)とロコウ(E.G.Rochow)による電気陰性度が1.5以上である金属の金属塩を併用するとより効果的である。 滑剤(E)の含有量は混合樹脂の総質量に対し0.005〜1.0質量%であることが好ましい。 0.005質量%未満の場合はスクリュー付着を抑制する効果が現れない場合がある。 含有量は0.01質量%以上であることがより好ましく、0.02質量%以上であることがさらに好ましい。 一方、1質量%を超える場合はスクリュー付着量が増加する場合がある。 これは、溶融成形時に樹脂組成物を可塑化させる、或いは滑剤が樹脂組成物に相容してスクリューとの滑性を相殺してしまうためと考えられる。 含有量は0.9質量%以下であることがより好ましく、0.8質量%以下であることがさらに好ましい。 本発明の混合樹脂を構成する成分として、上記してきたポリオレフィン(A)、EVOH(B)および酸変性オレフィン−カルボン酸ビニルエステル共重合体以外に、ハイドロタルサイトを配合することが好ましい。 混合樹脂にハイドロタルサイトを含有させることにより、溶融成形時の熱劣化が抑制され、長時間溶融押出加工した場合のヤケやコゲ等の劣化物を低減することができる。 ハイドロタルサイトとしては、 上記ハイドロタルサイト中、MとしてはMg、CaまたはZnが好ましく、これらの2つ以上の組み合わせがより好ましい。 これらハイドロタルサイトの中でも特に好適なものとしては次のようなものが例示できる。 ハイドロタルサイトの含有量は混合樹脂の総質量に対して0.01〜2.0質量%であることが好ましい。 0.01質量%未満では溶融成形時の熱劣化を抑制する効果が得られにくい。 含有量は0.02質量%以上であることがより好ましく、0.03質量%以上であることがさらに好ましい。 一方、2質量%を超えるとポリオレフィン(A)中におけるハイドロタルサイトの分散性が悪くなることによって、フィッシュアイが増加する場合がある。 含有量は1.8質量%以下であることがより好ましく、1.6質量%以下であることがさらに好ましい。 必要に応じ、本発明の混合樹脂を構成する成分として、上記してきたポリオレフィン(A)、EVOH(B)および酸変性オレフィン−カルボン酸ビニルエステル共重合体以外に、顔料を配合することができる。 本発明で用いられる顔料は特に限定されず、目的とする多層構造体の色に応じて各種有機系顔料や無機系顔料が採用される。 有機系顔料としては、アゾ系顔料、キナクリドン系顔料およびフタロシアニン系顔料等が挙げられ、これらの1種又は2種以上が用いられる。 無機系顔料としては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化クロムなどの酸化物系顔料;硫化亜鉛、リトポン、カドミウムイエロー、朱、カドミウムレッドなどの硫化物系顔料;アルミナ白、酸化鉄黄、ビリジアンなどの水酸化物系顔料;沈降性硫酸バリウム、バライト粉などの硫酸塩系顔料;炭酸カルシウム、鉛白などの炭酸塩系顔料;マンガンバイオレットなどの燐酸塩系顔料;カーボンブラック;鉛系顔料;カドミウム系顔料;コバルト系顔料;鉄黒などの鉄系顔料;黄鉛、モリブデートオレンジ、ジンククロメート、ストロンチウムクロメートなどのクロム系顔料;群青および紺青;ホワイトカーボン、クレー、タルクなどの珪酸塩系顔料等が挙げられ、これらの1種又は2種以上が用いられる。 上記顔料の中でも、均一に斑なく着色が行える点、組成物の熱安定性を損ないにくい点から、無機系顔料が好ましく、酸化物系顔料がより好ましい。 酸化物系顔料の中でも、食品衛生性の観点から酸化チタン(二酸化チタン)、酸化亜鉛が好ましく、特に酸化チタン(二酸化チタン)が好ましい。 顔料の含有量は顔料の種類にもよるが、混合樹脂の総質量に対して0.0001〜10質量%であることが好ましい。 0.0001質量%未満では特に樹脂の溶融混練時間が短い場合、分散不良によって成形品の色相にムラが生じる場合がある。 含有量は0.0005質量%であることがより好ましく、0.001質量%以上であることがさらに好ましい。 一方、10質量%を超えるとポリオレフィン(A)中で顔料が凝集することによって、フィッシュアイが増加する場合がある。 含有量は9質量%以下であることがより好ましく、7質量%以下であることがさらに好ましい。 本発明の効果を阻害しない範囲で、本発明の混合樹脂を構成する成分として、上記してきたポリオレフィン(A)、EVOH(B)および酸変性オレフィン−カルボン酸ビニルエステル共重合体以外に、エチレン−酢酸ビニル共重合体の部分けん化物(以下、S−EVOHと称する場合がある)を配合することも好ましい。 S−EVOHは、エチレン含有量68〜98モル%、酢酸ビニル単位のけん化度20%以上のエチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物である。 S−EVOHのエチレン含有量は70モル%以上であるのが好ましく、72モル%以上であるのがより好ましい。 一方、エチレン含有量は96モル%以下であることが好ましく、94モル%以下であることがより好ましい。 また、酢酸ビニル単位のけん化度は30%以上であるのがより好ましく、40%以上であるのがさらに好ましい。 けん化度の上限には特に限定はなく、99モル%以上であってもよく、実質的にほぼ100%のけん化度のものも使用できる。 エチレン含有量が68モル%未満である場合、98モル%を超える場合、または酢酸ビニル単位のけん化度が20%未満の場合では、ポリオレフィン(A)およびEVOH(B)の相容性改善の効果が不十分である。 S−EVOHのメルトインデックス(190℃、2160g荷重下で測定)は0.1g/10分以上であることが好ましく、0.5g/10分以上であることがより好ましく、1g/10分以上であることがさらに好ましい。 一方、S−EVOHのメルトインデックスは、100g/10分以下であることが好ましく、50g/10分以下であることがより好ましく、30g/10分以下であることがさらに好ましい。 S−EVOHの含有量は、混合樹脂の総質量に対して0.01〜2質量%であることが好ましい。 0.01質量%未満では、ポリオレフィン(A)およびEVOH(B)の相容性改善の効果が得られない場合がある。 含有量は0.02質量%であることがより好ましく、0.004質量%以上であることがさらに好ましい。 一方、2質量%を超えると溶融成形時に酸変性オレフィン−カルボン酸ビニルエステル共重合体(C)や接着性樹脂に含まれる酸変性ポリオレフィンと過剰に反応してしまい、フィッシュアイが増加する場合がある。 含有量は1.8質量%以下であることがより好ましく、1.6質量%以下であることがさらに好ましい。 本発明の効果を阻害しない範囲で、本発明の混合樹脂を構成する成分として、上記してきたポリオレフィン(A)、EVOH(B)および酸変性オレフィン−カルボン酸ビニルエステル共重合体以外に、酸化防止剤を配合することも好ましい。 酸化防止剤を添加することで溶融成形後の成形品の黄色化を抑制することができる。 酸化防止剤としては、例えば、2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノン、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、4,4'−チオビス(6−t−ブチルフェノール)、2,2'−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、オクタデシル−3−(3',5'−ジ−t−ブチル−4'−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、4,4'−チオビス(6−t−ブチルフェノール)などが挙げられる。 酸化防止剤の含有量は、混合樹脂の総質量に対して0.0001〜2質量%であることが好ましい。 0.0001質量%未満では、溶融成形時の熱劣化改善効果が不十分である。 含有量は0.0002質量%以上であることがより好ましく、0.0004質量%以上であることがさらに好ましい。 一方、2質量%を超えると、混合樹脂を溶融成形して得られた層を有する多層構造体を製造するときに隣層との接着性が低くなる場合がある。 含有量は1.8質量%以下であることが好ましく、1.6質量%以下であることがさらに好ましい。 また、本発明の混合樹脂に、本発明の効果を阻害しない範囲で他の添加剤を配合することもできる。 このような添加剤の例としては、紫外線吸収剤、可塑剤、帯電防止剤、充填剤、または他の高分子化合物を挙げることができる。 添加剤の具体的な例としては次の様なものが挙げられる。 添加剤の含有量は混合樹脂の総質量に対して30質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましい。 紫外線吸収剤:エチレン−2−シアノ−3,3'−ジフェニルアクリレート、2−(2'−ヒドロキシ−5'−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−3'−t−ブチル−5'−メチルフェニル)5−クロロベンゾトリアゾール、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2'−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノンなど。 帯電防止剤:ペンタエリスリットモノステアレート、ソルビタンモノパルミテート、硫酸化ポリオレフィン類、ポリエチレンオキシド、カーボワックスなど。 また、他の多くの高分子化合物も、本発明の作用効果が阻害されない程度に本発明の混合樹脂に配合することもできる。 次に、ポリオレフィン(A)、EVOH(B)、酸変性オレフィン−カルボン酸ビニルエステル共重合体(C)を混合して、本発明の混合樹脂を得る方法、および当該混合樹脂の成形方法について述べる。 本発明の混合樹脂を得るための混合方法について特に制限はなく、ポリオレフィン(A)、EVOH(B)、酸変性オレフィン−カルボン酸ビニルエステル共重合体(C)を一度に混合する方法;ポリオレフィン(A)、EVOH(B)、酸変性オレフィン−カルボン酸ビニルエステル共重合体(C)の一部を予め混合してから、他の成分を配合して混合する方法;ポリオレフィン(A)、EVOH(B)、酸変性オレフィン−カルボン酸ビニルエステル共重合体(C)の一部を含有する多層構造体と、他の成分を配合して混合する方法が挙げられる。 中でも、ポリオレフィン(A)、EVOH(B)を含有する多層構造体からなる成形物を得る際に発生する端部や不良品を回収したスクラップと、酸変性オレフィン−カルボン酸ビニルエステル共重合体(C)を含む樹脂組成物とを混合する方法が好適である。 回収されたスクラップを溶融混練する際に配合される添加剤を回収助剤といい、ここでは、酸変性オレフィン−カルボン酸ビニルエステル共重合体(C)が回収助剤として用いられる。 このとき、酸変性オレフィン−カルボン酸ビニルエステル共重合体(C)に他の成分を追加する場合は、それらを予め溶融混練して、それら全てを含有する樹脂組成物としてからスクラップに添加することが好ましい。 このような回収助剤は、好適にはペレット形状でスクラップに配合される。 スクラップは、適当な寸法に粉砕しておくことが好ましく、粉砕されたスクラップに対してペレット形状の回収助剤を混合するのが、本発明の混合樹脂の好適な製造方法である。 なお、スクラップとしては、一つの成形物から得られるスクラップを用いてもよいし、二つ以上の成形物から得られる関連するスクラップを混合して使用してもよい。 特に好適な実施態様は、ポリオレフィン(A)を含有する樹脂組成物からなる層及びEVOH(B)からなる層を含む多層構造体の回収物と、酸変性オレフィン−カルボン酸ビニルエステル共重合体(C)含有する樹脂組成物からなる回収助剤とを混合する方法である。 さらに、本発明の樹脂組成物の原料とされるスクラップが、回収物層を含有する多層構造体からなるものであってもよい。 すなわち、回収物から得られた混合樹脂を溶融成形して得られた回収物層を含有する多層構造体からなる成形品を製造し、その成形品のスクラップ回収物を、再び同様の多層構造体における回収物層の原料として用いてもよい。 本発明の混合樹脂が、ポリオレフィン(A)、EVOH(B)、酸変性オレフィン−カルボン酸ビニルエステル共重合体(C)以外の成分を含む場合、それらの成分を配合する方法は特に限定されず、上述の(A)、(B)、(C)の各成分と同様の操作で配合することができる。 中でも、本発明の混合樹脂が未変性オレフィン−カルボン酸ビニルエステル共重合体(D)を含有する場合、酸変性オレフィン−カルボン酸ビニルエステル共重合体(C)に加えて回収助剤として用いることが好適である。 また、本発明の混合樹脂が滑剤、ハイドロタルサイト、酸化防止剤を含有する場合にも酸変性オレフィン−カルボン酸ビニルエステル共重合体(C)に加えて回収助剤として用いることが好適である。 このような回収助剤の製造方法は、前述と同様の方法が採用される。 本発明の混合樹脂が滑剤、ハイドロタルサイト、酸化防止剤及び顔料を含有する場合、ポリオレフィン(A)又はEVOH(B)に予め含有させてもよく、酸変性オレフィン−カルボン酸ビニルエステル共重合体(C)に加えて回収助剤として用いてもよい。 あるいは、混合樹脂を製造する際に配合することもできる。 本発明の混合樹脂を長時間溶融押出加工したときに生じるヤケやコゲ等の劣化物、特にEVOH(B)の劣化に起因するヤケやコゲの発生を抑制する観点からはEVOH(B)に予め滑剤を含有させておくのが好ましい。 各成分を混合する方法としては、ロッキングミキサー、リボンブレンダー、スーパーミキサー、ラインミキサー等の公知の混合装置を用いることができる。 得られた混合樹脂をそのまま成形機に供給して成形品を得ることもできるし、事前に押出機を用いて通常150〜300℃で溶融混練して再ペレット化を行ってから、かかるペレットを成形機に供給して成形品を得ることもできる。 混合樹脂を再ペレット化せずに、そのまま成形機に供給したほうが成形性や成形品の色相に優れ、且つ生産性、経済性の点で有利であるため、好ましい。 尚、混合樹脂にさらにオレフィン系重合体を適量混合してから成形機に供給することも可能である。 本発明の混合樹脂は、周知の溶融押出成形機、圧縮成形機、トランスファ成形機、射出成形機、吹込成形機、熱成形機、回転成形機、ディップ成形機などを使用して、フィルム、シート、チューブ、ボトル、カップなどの任意の成形品に成形することができる。 成形に際しての押出温度は、本発明の混合樹脂を構成するポリオレフィン(A)の種類、ポリオレフィン(A)およびEVOH(B)のメルトインデックス、ポリオレフィン(A)およびEVOH(B)の組成比または成形機の種類などにより適宜選択されるが、多くの場合170〜350℃の範囲である。 本発明の好適な実施様態は、上記混合樹脂を溶融成形して得られた層を有する多層構造体であり、より好適には、上記混合樹脂を溶融成形して得られた層と、EVOH(B)からなる層の少なくとも2層を含む多層構造体である。 その層構成の適当な例としては、本発明の混合樹脂をc、ポリオレフィンをa、EVOHをb、接着性樹脂をadで表わすと、例えば次のような層構成として表される。 ここでadとしては、不飽和カルボン酸またはその誘導体で変性された変性ポリオレフィン樹脂を好適に用いることができる。 またこのような多層構造体のスクラップから本発明の混合樹脂を得ることもできる。 したがって多層構造体にad層が存在する場合には、本発明の混合樹脂中に接着性樹脂(ad)が構成成分として含まれることになる。 多層構造体の製造方法としては、樹脂層の種類に対応する数の押出機を使用し、この押出機内で溶融された樹脂の流れを重ねあわせた層状態で同時押出成形する、いわゆる共押出成形により実施する方法が好適である。 別の方法として、押出コーティング、ドライラミネーションなどの成形方法も採用され得る。 また、本発明の混合樹脂の単独成形品または本発明の混合樹脂を溶融成形して得られた層を含む多層構造体を一軸延伸、二軸延伸またはブロー延伸などの延伸を実施することにより、力学的物性、ガスバリア性などに優れる成形物を得ることができる。 上記の層構成の多層構造体は、ガスバリア性に優れたEVOHを含有しているので、ガスバリア性の要求される食品、医薬品、医療用具などの包装材として有用である。 本発明の混合樹脂は、溶融成形時のEVOHの分散性が高いことから、長時間の連続溶融成形においても劣化物のスクリュー付着量が少なく、フィッシュアイやスジ、ストリークの発生の少ない成形品を得ることができる。 力学的物性やガスバリア性に優れ、外観の美麗な成形品が得られることから、その工業的意義は大きい。 本実施例では以下の原料を使用した。 <EVOH(B)> B−4:EVOH[エチレン含有量32モル%、けん化度99.7%、密度1.19g/cm 3 、メルトインデックス1.5g/10分(ASTM−D1238、190℃、2160g荷重)、溶解度パラメーター12.3(cal/cm 3 ) 1/2 、末端カルボン酸及びラクトン環量0.02モル%] <酸変性オレフィン−カルボン酸ビニルエステル共重合体(C)> C−4:無水マレイン酸変性エチレン−酢酸ビニル共重合体[オレフィン含有量78モル%、酸変性量0.18mmol/g、密度0.98g/cm 3 、メルトインデックス14.5g/10分(ASTM−D1238、190℃、2160g荷重)]、溶解度パラメーター10.63(cal/cm 3 ) 1/2 ] C−7:無水マレイン酸変性エチレン−酢酸ビニル共重合体[オレフィン含有量96モル%、酸変性量0.18mmol/g、密度0.93g/cm 3 、メルトインデックス12.4g/10分(ASTM−D1238、190℃、2160g荷重)]、溶解度パラメーター9.09(cal/cm 3 ) 1/2 ] <未変性オレフィン−カルボン酸ビニルエステル共重合体(D)> <滑剤(E)> <その他> 各物性の測定・評価は、それぞれ以下の方法で実施した。 [EVOH(B)の一次構造の定量(NMR法)] (1)末端カルボン酸及びラクトン環量測定 重合体末端におけるカルボン酸類単位(I)及びラクトン環単位(II)の合計の、エチレン単位(III)、ビニルアルコール単位(IV)及びビニルエステル単位(V)の合計に対する比率((I+II)/(III+IV+V)、末端カルボン酸及びラクトン環量)は、H−NMR測定(水/メタノール溶媒、80℃で測定)を用いて算出した(化学シフト値はTMSのピーク0ppmを基準とした)。 図1のチャートに示すように0.7〜2.0ppmのメチレン水素の積分値(I 1 )、2.2〜2.5ppmのピークの積分値(I 2 )、2.5〜2.65ppmのピークの積分値(I 3 )を用いて、下記の式1により末端カルボン酸およびラクトン環量の算出を行った。 下記式にあるEtとはエチレン含有量である。 (式1) 図1において、積分値(I 1 )は、エチレン単位(III)、ビニルアルコール単位(IV)およびビニルエステル単位(V)に含まれるすべてのCH 2単位の水素に由来する。 積分値(I 2 )は、末端カルボン酸類単位(I)のカルボキシル基に隣接するCH 2単位の水素に由来する。 積分値(I 3 )は、末端ラクトン環単位(II)のカルボニル基に隣接するCH 2単位の水素に由来する。 (2)エチレン含有量測定 エチレン含有量はH−NMR測定(DMSO溶媒、40℃と95℃で測定)を用いて算出した(化学シフト値は溶媒のピーク2.5ppmを基準とした)。 図2,3のチャートに示すように0.7〜1.8ppmのメチレン水素の積分値(I 1 ),(I 3 )を基準として、それぞれの積分値をもとめた。 図2,3の積分値(I 1 ),(I 2 ),(I 3 ),(I 4 ),(I 5 ),(I 6 )を用いて、下記の式2によりエチレン含有量の算出を行った。 (式2) 図2,3において、積分値(I 1 ),(I 3 )は、図1の積分値(I 1 )と同様の水素に由来し、積分値(I 2 )は、ビニルアルコール単位(IV)のメチン水素(同単位の両隣がビニルアルコールのメチン水素)に由来し、積分値(I 4 )は、ビニルアルコール単位(IV)のメチン水素(同単位の両隣がエチレンの場合とエチレン−ビニルアルコールに挟まれている場合のメチン水素)に由来し、積分値(I 5 )は、1,2−グライコール構造のメチン水素に由来し、積分値(I 6 )は、ビニルエステル単位(V)におけるR 1に相当するメチル基の水素に由来し、積分値(I 7 )は、EVOH末端に存在する−CH 2 CH 3基におけるメチル基の水素に由来する。 [酸変性量の定量] [アルカリ金属含有量の定量] [スクリュー付着量の評価] [スジ、ストリークの評価] [フィッシュアイの評価] 実施例1 続いて、得られた多層フィルムを径8mmφメッシュの粉砕機で粉砕して回収物を得た。 得られた回収物の質量比は、ポリオレフィン(A−1)/EVOH(B−1)/接着性樹脂=85.9/5.5/8.6であった。 酸変性オレフィン−カルボン酸ビニルエステル共重合体(C)としてC−1を用い、得られた回収物、C−1及び顔料を回収物/C−1/顔料=100/0.45/0.3の質量比になるようにドライブレンドし、混合樹脂を得た。 得られた混合樹脂を用いて上記の方法で各評価を実施した。 結果を表1に纏めて記載する。 実施例2〜11 比較例1 比較例2〜4 比較例5 比較例6 上記結果によると、酸変性オレフィン−カルボン酸ビニルエステル共重合体(C)のオレフィン含有量及びEVOH(B)のエチレン含有量と酸変性オレフィン−カルボン酸ビニルエステル共重合体(C)のオレフィン含有量との差のいずれも請求項の範囲内である実施例1は、スクリュー付着量が少なく、また、スジ、ストリークの発生が殆どなく、フィッシュアイも少ない成形物が得られた。 一方、酸変性オレフィン−カルボン酸ビニルエステル共重合体(C)を含有しない比較例1、5及び6、酸変性オレフィン−カルボン酸ビニルエステル共重合体(C)のオレフィン含有量が大きい比較例2、EVOH(B)のエチレン含有量と酸変性オレフィン−カルボン酸ビニルエステル共重合体(C)のオレフィン含有量との差が大きい比較例3、並びに前記差が小さい比較例4では、スクリュー付着量、スジ、ストリークの発生、フィッシュアイの発生の改善が不十分であった。 実施例12〜15 実施例16 実施例17 実施例18 実施例19、20 実施例21 実施例22 実施例23 実施例24 実施例25 実施例26 実施例27 実施例28 |