Film and method for producing the same

申请号 JP2005018200 申请日 2005-01-26 公开(公告)号 JP2005213501A 公开(公告)日 2005-08-11
申请人 Mitsubishi Polyester Film Gmbh; ミツビシ ポリエステル フィルム ジーエムビーエイチ; 发明人 KLIESCH HOLGER; KIEHNE THORSTEN; HILKERT GOTTFRIED; FISCHER INGO;
摘要 PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a film containing a metallic compound capable of being released as a form of a metallic element inside a polyester by electromagnetic irradiation, capable of well conducting a metal deposition process in after-processing, capable of being given at a low production cost, having good drawability, excellent in mechanical characteristics, such as a high modulus of elasticity in the longitudinal direction and in the transverse direction, having a prescribed shrinkage percentage, and having good adhesion of the film itself to a metal of a circuit pattern. SOLUTION: This film has a total thickness of 5-500 μm and comprises a single layer or multilayer film formed out of a thermoplastic polymer and at least monoaxially oriented, wherein the film contains 0.5-15 wt% of the metallic compound which is activated by the electromagnetic irradiation and at least one layer composing the film is composed of a polymer having amide groups. COPYRIGHT: (C)2005,JPO&NCIPI
权利要求
  • 全厚みが5〜500μmであり、熱可塑性ポリマーから成る少なくとも1軸に延伸された単層または多層フィルムであって、当該フィルムは、電磁波照射により活性化する金属化合物を0.5〜15重量%含有し、フィルムを構成する少なくとも1層が、アミド基を有するポリマーから構成されていることを特徴とするフィルム。
  • 熱可塑性ポリマーが、ポリエステル、ポリアミド又はそれらの混合物である請求項1に記載のフィルム。
  • ポリエステルが、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートから成る群より選択される少なくとも1種である請求項2に記載のフィルム。
  • 金属化合物の含有量が1.5〜10重量%である請求項1〜3の何れかに記載のフィルム。
  • さらに、電磁波吸収材を含有する請求項1〜4の何れかに記載のフィルム。
  • 電磁波吸収材の含有量が0.5〜5重量%である請求項5に記載のフィルム。
  • 金属化合物が非導電性有機または無機化合物である請求項1〜6の何れかに記載のフィルム。
  • 金属化合物が金属酸化物および/またはスピネルである請求項1〜7の何れかに記載のフィルム。
  • 電磁波吸収材が、黒鉛、カーボンブラック、無機黒色顔料および有機黒色顔料から成る群から選択される少なくとも1種である請求項5〜9の何れかに記載のフィルム。
  • フィルムが粒状添加剤を含有する請求項1〜9の何れかに記載のフィルム。
  • 添加剤が二酸化ケイ素粒子および/または酸化アルミニウム粒子である請求項10に記載のフィルム。
  • 二酸化ケイ素粒子および/または酸化アルミニウム粒子の含有量が0.1〜20重量%である請求項11に記載のフィルム。
  • 二酸化ケイ素粒子および/または酸化アルミニウム粒子の平均粒径d 50が1μm以下である請求項12又は13に記載のフィルム。
  • ベース層と外層の少なくとも2層から成る請求項1〜13の何れかに記載のフィルム。
  • フィルムの構造が、ベース層Bと2つの外層Aから成るABA構造、または、ベース層Bと2つの外層A及びCから成るABC構造の3層構造である請求項1〜14の何れかに記載のフィルム。
  • さらに、中間層を有する請求項1〜15の何れかに記載のフィルム。
  • フィルムの全厚さから外層および中間層の厚さを減じて得られるベース層の厚さが0.1〜10μmである請求項1〜16の何れかに記載のフィルム。
  • フィルムの長手方向および/または横方向の弾性率が500N/mm 以上である請求項1〜17の何れかに記載のフィルム。
  • 再生ポリエステルを含有する請求項1〜18の何れかに記載のフィルム。
  • 全厚みが5〜500μmであり、熱可塑性ポリマーから成る少なくとも1軸に延伸された、請求項1〜19に記載の単層または多層フィルムの製造方法であって、当該製造方法は、各層に対応する溶融体を押出す工程、押出されたシートを冷却する工程、シートを再加熱する工程、少なくとも1軸にシートを延伸する工程、および、熱固定工程から成り、押出工程で使用する溶融体の少なくとも1つが、電磁波照射により活性化する金属化合物と電磁波吸収材とアミド基を有するポリマーとから構成されていることを特徴とするフィルムの製造方法。
  • 押出工程で使用する溶融体の少なくとも1つに電磁波吸収材が含有されている請求項20に記載の製造方法。
  • 電磁波照射により活性化する金属化合物の含有量が0.5〜15重量%である請求項20又は21に記載の製造方法。
  • 電磁波吸収材の含有量が0.1〜15重量%である請求項21又は22に記載の製造方法。
  • 電磁波照射により活性化する金属化合物および/または電磁波吸収材がマスターバッチ法により添加される請求項20〜23の何れかに記載の製造方法。
  • 说明书全文

    本発明はフィルムに関し、詳しくは、電磁波照射により金属元素形態としてポリエステル中に遊離できる金属化合物を含有し、後加工における金属堆積工程を良好に行うことが出来、製造コストが低く、延伸性が良好で、長手方向および横方向の弾性率が高い等の機械的物性に優れ、所定の収縮率を有し、回路部分の金属とフィルムとの接着性が良好であるフィルムに関する。 本発明は、更に、上記フィルムの製造方法にも関する。

    ポリエステルフィルムが電気絶縁体として使用されていることは公知である。 小さなスペースに複雑化した電気回路を収納できる回路基板を製造するに当たって、ポリエステルフィルムに対し、回路基板が可撓性を有し、低コストで、生産性が高く、更なる加工性に優れるという様な、より厳しい要求が求められている。

    可撓性の回路基板を製造する一般的な方法としては、フィルムウェブの全表面をメタル化するか、フィルムウェブに金属ホイルを積層した後、エッチングや機械的除去などの種々の方法により、不要な部分の金属部分を除去し、導電部分を構築する。 更に、エンボス加工/印刷が金属部分に施されたり、カーボン/銀から成る導電性ペーストが塗布されたりする。 このような製造方法は、基盤の可撓性が悪く、寸法の正確性に欠けるために導電部分間の間隔を広くしなければならず、更に上記の製造工程を必要とすることからコスト高となり、生産性が悪いという問題点がある。

    レーザー照射により銅を含有する金属酸化物から銅原子の形態に変化させ、引き続いて電気メッキを行い、銅原子の上に銅をメッキする方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。 しかしながら、この方法に使用されている部材は射出成型品であり、一般的なフィルム、特にポリエステルフィルムについてこの方法が可能であるかについては知られていない。 特に、延伸フィルムとして必要なポリマーや添加剤の種類については全く知られていない。 この方法で使用されているポリブチレンテレフタレート(PBT)/SiO /スピネルから成る組成物は、PBTの結晶化率が高いこと及び高い含有率で添加されているヒュームドシリカがPBTの加工安定性を阻害することから、延伸フィルムに使用することは不適当である。

    したがって、電磁波照射を行い、更なる加工を行った後、局部的に加熱を行った際に寸法安定性に優れたフィルムの供給が求められている。

    さらに、別の問題として、フィルムの厚さが薄いと、照射された電磁波の吸収が不十分であり、金属塩が金属元素に変換されるのに不十分なエネルギー量となることがある。 この場合、電磁波照射により活性である銅などの重金属化合物を高濃度で含有させる必要があり、環境問題が生じる。

    また、フィルムウェブの高い可撓性が問題になることがある。 射出成形により得られる回路基板と比較して、より機械的応を受けやすい。 そのため、回路部分の金属とフィルムとの接着性が重要な課題となるが、従来の技術においてこの点が解決されていない。

    欧州特許出願公開第1274288号明細書

    本発明は、上記の実情に鑑みなされたものであり、その目的は、電磁波照射により金属元素形態としてポリエステル中に遊離できる金属化合物を含有し、後加工における金属堆積工程を良好に行うことが出来、製造コストが低く、延伸性が良好で、長手方向および横方向の弾性率が高い等の機械的物性に優れ、所定の収縮率を有し、回路部分の金属とフィルムとの接着性が良好であるフィルムを提供することである。

    上記の目的を達成するために、本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、電磁波照射により活性化する金属化合物と、アミド基を有するポリマーとを組合せて使用することにより、上記課題を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。

    すなわち、本発明の第1の要旨は、全厚みが5〜500μmであり、熱可塑性ポリマーから成る少なくとも1軸に延伸された単層または多層フィルムであって、当該フィルムは、電磁波照射により活性化する金属化合物を0.5〜15重量%含有し、フィルムを構成する少なくとも1層が、アミド基を有するポリマーから構成されていることを特徴とするフィルムに存する。

    本発明の第2の要旨は、全厚みが5〜500μmであり、熱可塑性ポリマーから成る少なくとも1軸に延伸された、上記の単層または多層フィルムの製造方法であって、当該製造方法は、各層に対応する溶融体を押出す工程、押出されたシートを冷却する工程、シートを再加熱する工程、少なくとも1軸にシートを延伸する工程、および、熱固定工程から成り、押出工程で使用する溶融体の少なくとも1つが、電磁波照射により活性化する金属化合物と電磁波吸収材とアミド基を有するポリマーとから構成されていることを特徴とするフィルムの製造方法に存する。

    本発明のフィルムは、電磁波照射により金属元素形態としてポリエステル中に遊離できる金属化合物を含有し、後加工における金属堆積工程を良好に行うことが出来、製造コストが低く、延伸性が良好で、長手方向および横方向の弾性率が高い等の機械的物性に優れ、所定の収縮率を有し、回路部分の金属とフィルムとの接着性が良好である。

    以下、本発明を詳細に説明する。 本発明のフィルムは、熱可塑性ポリマーから成り、電磁波照射により活性化する金属化合物を含有し、少なくとも1軸に延伸されている。 フィルムの構造は、単層構造、ベース層と外層から成る2層構造、ベース層Bと外層A及び/又はCから成るABAまたはABC構造を有する3層構造などの多層構造を有し、外層とベース層の間に中間層を有してもよい。

    本発明のフィルムの主構成成分である熱可塑性ポリマーとしては、ポリエステル及び/又はポリアミドが例示される。 各層におけるポリエステル及び/又はポリアミドの使用量は、通常55〜100重量%、好ましくは70〜100重量%、より好ましくは90〜100重量%である。 しかしながら、本発明のフィルムは、フィルムを構成する少なくとも1層が、アミド基を有するポリマーから構成されている。

    ポリエステルとしては、ホモポリマー、コポリマー及び種々のポリエステルのブレンド体が使用できる。 また、新品のポリエステルであっても、リサイクル品を混合したポリエステルであってもよい。

    ポリエステルは、ジカルボン酸(100%)とジオール(100%)とから誘導される繰り返し単位を有する。 本発明で使用するポリエステルとしては、ジカルボン酸としてテレフタル酸または2,6−ナフタレンジカルボン酸が好ましく、ジオールとしてはエチレングリコール又は1,4−ブタンジオールが好ましい。 すなわち、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)及びポリエチレンナフタレート(PEN)が好ましい。 特に、ジカルボン酸として、テレフタレート単位10〜100モル%又は2,6−ナフタレート単位10〜100モル%を含有するのが好ましい。

    ジカルボン酸の共重合成分としては、主成分がテレフタレート単位の場合、0〜50モル%の2,6−ナフタレート単位、主成分が2,6−ナフタレート単位の場合、0〜50モル%のテレフタレート単位を含有することが好ましい。 また、0〜20モル%、好ましくは0.5〜4モル%のイソフタレート単位や、10〜60モル%の4,4'−ジフェニルジカルボン酸単位を含有していてもよい。 更に、1,5−ナフタレート単位30モル%未満、好ましくは10モル%未満、より好ましくは2モル%未満の範囲で含有してもよい。

    ジオール成分としては、総ジオール単位中10〜100モル%のエチレングリコール(EG)単位であることが好ましい。 ジオール成分としてジエチレングリコール単位を含有する場合、その含有量は10モル%を超えないことが好ましく、0.5〜5モル%であることがより好ましい。 ジオールの共重合成分としては、シクロヘキサンジメタノール単位、1,3−プロパンジオール単位、1,4−ブタンジオール単位などが挙げられ、その含有量は50モル%未満、好ましくは30モル%未満、より好ましくは10モル%未満である。 上記ポリエステルは2種以上を組合せて使用してもよい。

    上記のポリエステルは、公知の方法により上記のジカルボン酸エステルとジオールから製造される。 製造方法としては、亜鉛塩、カルシウム塩、リチウム塩、マンガン塩などのエステル交換反応用触媒を使用してエステル交換反応により製造する方法および直接エステル化反応により製造する方法の何れであってもよい。

    ポリアミドとしては、ホモポリマー、コポリマー及び種々のポリアミドルのブレンド体が使用できる。 また、新品のポリアミドであっても、リサイクル品を混合したポリアミドであってもよい。

    具体的なポリアミドとしては、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン612、MXD6(メタキシレンアジパミド)等の半結晶性(セミクリスタリン)ポリアミドが好ましい。 半結晶性ポリアミド以外にも、ナイロン6I/6T(ヘキサメチレンイソフタルアミド−ヘキサメチレンテレフタルアミド共重合体)、ナイロン6I/6Tとナイロン6Iとのブレンド物(例えば、Dupont社製「Selar(登録商標) Pa」、EMS Chemie社製「Grivory(登録商標)」などの非晶性ポリアミドも使用できる。さらに、上記ポリアミド中の所定量を他のポリアミドで置き換えたポリアミドを使用してもよい。

    本発明のフィルムは、フィルムを構成する少なくとも1層が、アミド基を有するポリマーから構成されている。 好ましくは、電磁波照射により活性化する金属化合物を含有する層が、1重量%以上、より好ましくは3重量%以上、特に好ましくは10重量%以上のポリアミドを含有する。

    本発明のフィルムは、主成分とする上記ポリマー以外に、他のポリマーを通常45重量%、好ましくは30重量%、より好ましくは20重量%含有していてもよい。 他のポリマーとしては、GE Plastics Europe社製「Ultem」1000(登録商標、オランダ)等のポリエーテルイミド、Bayer社製「Makrolon」(登録商標、ドイツ)等のポリカーボネート、Ticona社製「Topas」(登録商標、シクロオレフィン共重合体、ドイツ)などのポリオレフィン、BASF社製「Ultramid」(登録商標、ドイツ)等のポリアミド等が例示される。

    単層フィルムにおける好ましい態様としては、フィルムが1〜35重量%、より好ましくは3〜20重量%、特に好ましくは10〜15重量%のポリアミドから成る。 多層フィルムにおける好ましい態様としては、電磁波照射により活性化する金属化合物を含有する層が、1〜35重量%、より好ましくは3〜20重量%、特に好ましくは10〜15重量%のポリアミドから成る。 ベース層がこの態様である場合、外層はポリエステルから成ることが好ましく、より好ましくは0〜15重量%、特に好ましくは0.5〜5重量%のポリアミドを含有する。

    フィルムの主構成ポリマー(50%を超える)がポリアミドの場合、他の成分として、好ましくは20重量%未満、より好ましくは5重量未満のポリエステルから成る。

    本発明のフィルムは、電磁波照射により活性化し、金属元素形態としてポリエステル中に遊離できる金属化合物を含有する。 金属化合物は、電気的に非導電性を有し、高温における熱安定性を有する有機または無機金属化合物である。 この種の金属化合物は欧州特許出願公開第1274288号明細書に記載されている。 金属化合物としては、周期表のdブロック(Sc〜Zn、Y〜Cd,Hf〜Hg及びRf〜Mt)fブロック(ランタノイド及びアクチノイド)等に属する金属化合物(非金属も含む)が好ましく、周期表のdブロック、fブロック等に属する金属の酸化物がより好ましく、周期表のdブロックに属する金属の1酸化物が特に好ましい。

    また、酸価数の高い金属酸化物は特に好ましい。 具体的には、酸価数の高いスピネル(センショウ石)、特に、銅含有スピネルである重クロム酸銅(CuCr )が好ましい。 Ferro社製「PK 3095」(ドイツ)、Johnson Matthey社製「34E23」、「34E30」(ドイツ)等が市販品として入手できる。 酸化銅としては、CuO又はCu Oが好ましく、ナノ粒子を使用することが好ましい。 具体的には、Nanophase Technologies Corporation(米国イリノイ州)社製NanoArc(登録商標、酸化銅)が市販品として入手できる。

    フィルム中の金属化合物の含有量は、0.1〜15重量%、好ましくは1.5〜10重量%、より好ましくは2〜8重量%である。

    金属化合物がフィルムを構成するポリエステルに不溶の場合、金属化合物の平均粒径(d 50値)は、通常0.01〜20μm、好ましくは0.02〜5μm、より好ましくは0.05〜3μmである。

    上記金属化合物は、電磁波照射によって電磁波を吸収して化学反応が起こり、遊離元素状態(金属状態)に変化できる無機または有機金属化合物である。 ここで起る化学反応において、他の反応種を含んでいてもよい。 さらに、金属化合物が電磁波を直接吸収しなくてもよく、金属化合物を遊離元素状態に変化できる様に、吸収された電磁波のエネルギーが変換されてもよい。 電磁波としては、紫外線(波長100〜400nm)、可視光(波長400〜800nm)、赤外線(波長800〜25000nm)が例示され、赤外線が好ましい。 また、他の電磁波として、X線、γ線、粒子線(電子線、α線、β線など)等が例示される。

    電磁波照射によって遊離元素状態に変化した金属化合物上に、電気メッキ法(溶液化学)により、さらに金属を堆積させる。

    本発明のフィルムは、電磁波吸収材を0.1〜15重量%、好ましくは0.5〜5重量%、特に好ましくは0.8〜2重量%含有することが好ましい。 電磁波吸収材は使用する電磁波の波長帯の電磁波を吸収し、金属化合物を遊離元素状態(金属状態)に変化させることを補助する働きを有する。

    電磁波吸収材としては、黒鉛、カーボンブラック、無機黒色顔料および有機黒色顔料などが例示される。 上記顔料の具体例としては、Anirox Pigments Limted社(インド)製Pigment Black 26(Fe /MnO /SiO /Al )、アニリンブラック(例えばDegussa社(ドイツ)製)などが例示される。 電磁波吸収材として黒鉛および/またはカーボンブラックを使用する場合は、低導電率を有するグレードを選択することが好ましく、例えば、Degussa社(ドイツ)製Spezialschwarz 4又はAerospace 15が例示される。

    本発明のフィルムが多層構造を有する場合は、金属化合物および電磁波吸収材が同一の層に含有されていることが好ましい。 別々の層に含有される態様も可能であるが、制約を受ける。

    本発明のフィルムには、充填剤や耐ブロッキング剤を含有させてもよい。 充填剤や耐ブロッキング剤としては、二酸化珪素(天然シリカ、沈殿法シリカ、ヒュームドシリカ等)、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、リン酸リチウム、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、二酸化チタン(ルチル型、アナターゼ型など)、カオリン(素化、焼結型)、酸化アルミニウム、アルミニウムシリケート、LiF、ジカルボン酸のカルシウム、バリウム、亜鉛またはマンガン塩、架橋ポリスチレン粒子や架橋メチルメタクリレート粒子などの架橋ポリマー粒子などの無機および/または有機粒子が例示される。

    上記粒子は、2種以上組合せて使用してもよく、また、同じ種類で粒径や粒径分布が異なる2種以上を組合せて使用してもよい。 上記の粒子は、ポリエステルの溶融開始前に添加することが好ましい。

    上記粒子の含有量は、フィルムの重量を基準として、通常20重量%未満、好ましくは15重量%未満、より好ましくは5重量%未満である。 上記粒子の平粒粒径d 50は、通常0.01〜15μm、好ましくは0.03〜10μm、より好ましくは0.05〜1μmである。 好ましい態様としては、粒径d 50が3μm以上の粒子の含有量が2000ppm以下、特に好ましくは1000ppm以下である。

    本発明のフィルムは、金属化合物以外の添加剤を添加しなくても使用することが出来る。 しかしながら、金属化合物が金属元素形態としてポリエステル中に遊離することをより改良するために、上記で説明した粒径および添加量の二酸化珪素を充填剤として添加することが好ましい。 特に、0.1〜20.0重量%の濃度、好ましくは0.5〜15.0重量%の濃度で、粒径d 50が1μm以下の二酸化珪素粒子を添加することにより、電磁波照射による金属化合物の活性化が高まり、金属化合物が金属元素形態として良好に存在するので好ましい。

    また、上記の二酸化珪素の代りに、Al を使用してもよい。 Al としては、Degussa社(ドイツ)製AEROXIDE(登録商標)Alu Cがが市販品として入手できる。 添加量および粒径は上記の二酸化珪素の場合と同じである。

    本発明のフィルムは、更に、紫外線安定剤、難燃剤、耐加水分解剤、酸化防止剤、紫外線安定剤などの他の添加剤を含有してもよい。 特に、電磁波として紫外線を使用する場合、紫外線安定剤を含有させることにより、紫外線のエネルギーを吸収し、金属化合物を遊離元素状態(金属状態)に変化させることを補助できるため、好ましい。 紫外線安定剤としては、Ciba社(スイス)製Tinuvin(登録商標)が例示される。

    好ましい実施態様として、本発明のフィルムは難燃性を有する。 ここで、難燃性とは、UL94−VTM法により測定した耐火テストにおいて、少なくともVTM−2の評価を達成できることである。 難燃性を付与するために難燃剤を添加するが、フィルムの機械的性質に影響を及ぼさないように、難燃剤がポリエステルに可溶であることが好ましい。

    難燃剤としては、有機臭素化合物、有機塩素化合物、有機窒素化合物、金属水酸化物、金属酸化物三水素化物などが例示されるが、ハロゲン化合物は火災の際に有毒で腐食性のハロゲン化水素が発生し、好ましくない。 更に、ハロゲン化合物は耐光性に劣る。

    他の好ましい難燃剤としては、有機リン化合物が挙げられ、具体的にはカルボキシホスフィン酸およびその無水物やジメチルメチルホスフェートが例示される。 特に好ましい難燃剤は、ポリエステル分子に化学結合しているリン化合物であり、以下の化学式で示されるビス(2−ヒドロキシエチル)[(6−オキシド−6H−ジベンゾ[c,e][1,2]オキサフォスフォリン−6−イル)メチル]ブタンジカルボキシレートが特に好ましい。

    難燃剤の含有量はフィルムの重量に対し、通常0.2〜30重量%、好ましくは0.5〜20重量%、より好ましくは1〜20重量%である。 上記の好ましい態様では、ポリエステル、金属化合物、電磁波吸収材およびその他の添加剤以外に、ポリエステル中に溶解する難燃剤としての有機リン化合物を1〜20重量%含有する。

    難燃剤は一般的に加水分解を受けやすい。 そこで、耐加水分解剤を合わせて使用することが好ましい。 通常使用される耐加水分解剤としては、Rheinchemie社(ドイツ)製「Stabaxol P(登録商標)等のポリマー性カルボジイミドが例示される。耐加水分解剤の使用量は、フィルムの重量を基準として、通常0.1〜1重量%である。上記の難燃剤と耐加水分解剤の使用量の比は、ポリエステルがポリエチレンテレフタレートの場合だけでなく、他のポリエステルにおいても好ましい。

    金属化合物、および、任意成分として電磁波吸収剤、紫外線吸収剤、難燃剤、耐加水分解剤および酸化防止剤は、原料グリコール中に分散させて、ポリエステル製造時に添加することが好ましい。 また、金属化合物および/または上記添加剤は、マスターバッチ法により、押出中のポリエステルに添加してもよい。

    本発明のフィルムは、更なる機能を付与するため、塗布層を有していてもよい。 更なる塗布層としては、接着促進層、帯電防止層、滑り性改良層、離型層などが例示される。 これらの塗布層は、長手方向の延伸後、横方向の延伸前に、水分散液をインラインコーティングすることによって形成することが好ましい。

    好ましい態様として、フィルムの少なくとも片面に、米国特許第5728339号明細書に記載のシリコンコーティングを施す。 このシリコンコーティングにより、電磁波照射処理後の電気メッキ処理における腐食を防ぎ、電気メッキをメッキ浴で施した後に、余剰のメッキ液を容易に除去できる。

    塗布層の形成を確かなものとするために、フィルムの表面に酸を使用して化学処理(エッチング)を施すことが好ましい。 上記のエッチング処理に使用する酸としては、短時間(5〜120秒程度)で処理が可能で、エアーナイフにより除去できる点から、トリクロロ酢酸、ジクロロ酢酸、フッ化水素酸などが好ましい。 エッチング処理したフィルム表面は反応性であり、アモルファスである。

    電磁波照射により活性化する少なくととも1種の金属化合物および他の充填剤ならびに添加剤をポリマー中に導入する方法としては、市販品として入手できる二軸押出機(例えばCoperion社製)を使用することが好ましい。 ポリエステルペレットに金属化合物および他の充填剤ならびに添加剤を押出機に投入し、押出し、水浴中で冷却し、ペレットとする。

    また、上記の各種添加剤は、ポリエステルの製造工程において直接添加することも出来る。 この場合(DMT(ジメチルテレフタレート)法)、通常エステル交換反応後または重縮合反応に先立って、例えばエステル交換反応容器と重縮合反応容器との間の移送管に、各種添加剤のグリコール分散液を直接添加するが、エステル交換反応前に上記グリコール分散液を添加してもよい。 また、重縮合反応の開始後に添加してもよい。 一方、TPA(テレフタル酸)法においては、通常重縮合反応の開始時に、上記グリコール分散液を添加するが、重縮合反応の開始後に添加してもよい。 以上の添加方法において、グリコール分散液は、添加前にHayward Ind. 社製「PROGAF PGF 57」(米国)などのフィルターを使用して濾過することが好ましい。

    本発明のフィルムは、単層構造であっても、ベース層Bと外層A及び/又はC及び/又は中間層などの構成から成る多層構造であってもよい。 例えば、ベース層Bと外層Aとから成る2層構造、ベース層と2つの外層を有する3層構造であってもよい。 3層構造を有する場合、ABA構造であっても、ABC構造であってもよい。 外層を構成するポリマーの溶融粘度はベース層を構成するポリマーの溶融粘度に近いことが好ましい。

    本発明のフィルムの全厚さは、5〜500μm、好ましくは12〜200μm、より好ましくは30〜150μmである。

    外層の厚さは、通常0.1〜10μm、好ましくは0.2〜5μm、より好ましくは1〜3μmである。 2つの外層を有する場合は、その厚さは独立して決定することが出来る。 なお、ベース層の厚さはフィルムの全厚さから外層の厚さを減じたものであり、フィルム全厚さと同様に様々な厚さとすることが出来る。

    次に、本発明のフィルムの製造方法について説明する。 本発明の製造方法は、全厚みが5〜500μmであり、熱可塑性ポリマーから成る少なくとも1軸に延伸された上記単層または多層フィルムの製造方法であって、各層に対応する溶融体を押出す工程、押出されたシートを冷却する工程、シートを再加熱する工程、少なくとも1軸にシートを延伸する工程、および、熱固定工程から成り、押出工程で使用する溶融体の少なくとも1つが、電磁波照射により活性化する金属化合物と電磁波吸収材とアミド基を有するポリマーとから構成されていることを特徴とする。

    本発明のポリエステル/ポリアミドフィルムは、公知の単層または多層フィルムの製造方法により、ポリマー、電磁波照射により活性化する金属化合物、および、任意成分である電磁波吸収剤および添加剤を原料として製造できる。 押出工程は、公知の押出法が使用できる。 電磁波照射により活性化する金属化合物、および、任意成分である電磁波吸収剤、粒子、紫外線安定剤、難燃剤、耐加水分解剤、酸化防止剤などの添加剤は、予備乾燥化または予備結晶化したマスターバッチの形態で、押出し工程に先立って添加しておくことが好ましい。

    マスターバッチの粒径および嵩密度は、ポリエステルの粒径および嵩密度にほぼ等しいことが好ましい。 これにより、均一に添加剤が分散し、均一なフィルム物性が得られる。

    電磁波照射により活性化する金属化合物、および、任意成分である電磁波吸収剤、粒子、紫外線安定剤、難燃剤、耐加水分解剤、酸化防止剤などの添加剤を含有するマスターバッチは、予備結晶化または予備乾燥化を施すことが好ましい。 この予備乾燥は、原料成分またはマスターバッチを撹拌しながら減圧下で(通常20〜80mbar、好ましくは30〜60mbar、より好ましくは40〜50mbar)徐々に加熱する。 必要であれば上昇して一定となった温度で後乾燥してもよい。 計量容器からベース層用および/または外層用ポリマー及び必要であれば他の原料のブレンドを必要量だけ室温にてマスターバッチに供給することが好ましい。 原料のブレンドの乾燥または滞留時間の間、原料成分またはマスターバッチ容器内の温度を通常10〜160℃、好ましくは20〜150℃、より好ましくは30〜130℃に、徐々に昇温させる。 滞留時間は通常約6時間、好ましくは約5時間、より好ましくは約4時間であり、通常10〜70rpm、好ましくは15〜65rpm、より好ましくは20〜60rpmで撹拌することが好ましい。 得られた予備結晶化または予備乾燥した原料混合物は、さらに、下向流にある容器内で温度が通常90〜180℃、好ましくは100〜170℃より好ましくは110〜160℃で、通常2〜8時間、好ましくは3〜7時間、より好ましくは4〜6時間減圧下で後乾燥する。

    二軸または多軸押出機を使用する場合は、マスターバッチ及び/又は他の原料の予備結晶化または予備乾燥化を行うことなく直接押出すことが出来る。

    好ましい押出方法としては、押出機内において、原料を溶融し(多層フィルムの場合は共押出機内で、各層に対応する原料をそれぞれ溶融し)、フラットフィルムダイを介して溶融物を押出し、冷却ロールで冷却し、アモルファスシートを得る。 得られたアモルファスシートは、再加熱され、少なくとも1軸方向、すなわちに長手方向および/または横方向、好ましくは長手方向および横方向、横方向および長手方向、あるいは長手方向、横方向および再度長手方向および/または横方向に延伸される。 一般的に、延伸温度はポリマーのガラス転移温度をTgとした場合、Tg+10〜Tg+60℃で行い、長手方向には通常2〜6倍、好ましくは3〜4.5倍に、横方向には通常2〜5倍、好ましくは3〜4.5倍に延伸する。 再度長手方向または横方向に延伸する場合の延伸比は、通常1.1〜5倍である。 最初の長手方向の延伸において同時に横方向の延伸を行う2軸延伸法(同時二軸延伸)で延伸を行ってもよい。

    延伸後、通常180〜260℃、好ましくは220〜250℃で熱固定を行い、冷却後巻取る。

    好ましい態様としては、熱固定処理の際、220〜250℃の温度で、横方向に1%以上、好ましくは2%以上の弛緩処理を行い、再度180〜150℃の冷却過程で、横方向に1%以上、好ましくは2%以上の弛緩処理を行う。

    他の好ましい態様としては、同一フレームを使用して長手方向および横方向に3倍以上の同時延伸を行う。 この場合、220〜250℃の温度で熱固定を行うと共に、長手方向および横方向に1%以上の弛緩処理を行う。

    本発明のフィルムは、延伸性に優れており、1軸または2軸に破断することなく延伸することが出来る。

    本発明の単層または多層フィルムは優れた機械的性質を有する。 長手方向および/または横方向の弾性率は、通常500N/mm を超え、好ましくは2000N/mm を超え、より好ましくは4000N/mm を超える。 200℃における長手方向および/または横方向の収縮率は、通常25%以下、好ましくは15%以下、より好ましくは5%以下である。

    本発明のフィルムは上記の機能を有するため、プリント基板、リボンケーブル、スマートカード(ICカード)、RFIDラベル(スマートラベル)、膜キーボード(感圧膜キーボード)、フィルム状回路などの幅広い分野で使用することが出来る。

    以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、これらの実施例に限定されるものではない。 以下の実施例に於て使用した測定方法を以下に記す。

    (1)機械的性質:
    フィルムの長手方向および横方向の弾性率、引張強度、伸長破断強度およびF5値は、ISO 527−1−2に従い、引張応力測定装置(Ulm(ドイツ)社製「Zwick 010」)を使用して測定した。

    (2)収縮率:
    熱収縮率は、10cm四方のフィルムについて測定した。 サンプルの長さを正確に測定した後(L )、循環オーブン内で所定の温度で15分間加熱した。 サンプルを取出し、室温で正確に長さを測った(L)収縮率は以下の式で算出した。

    (3)平均粒径d 50
    平均粒径d 50はMalvern Master Sizerを使用したレーザーによる一般的な方法で測定した(Horiba LA 500又はSympathec Helos装置でも基本的に同一の測定である)。 水を入れたセルにサンプルを入れ、試験装置にセットする。 試験は自動的に行われ、粒径d 50の数学的な計算も一緒に行われる。 粒径d 50の値は、図1に示す累積粒径分布曲線から決定し、50%における横軸の値を粒径d 50とした。

    実施例、比較例で使用したポリマー及びマスターバッチを以下に示す。

    ポリマーP1:
    KoSa(ドイツ)社製ポリエチレンテレフタレート「RT−49」(PET)100重量%。

    ポリマーP2:
    Degussa(ドイツ)社製「Aerosil 90」25重量%と、Ferro(ドイツ)社製「PK 3095」5重量%と、ポリブチレンテレフタレート(PBT)70重量%とから成る。

    ポリマーP3:
    三菱瓦斯化学社製「Nylon MXD6 6001」(ポリ(m−キシレンアジパミド)(MXD6)溶融粘度:1440 poise)100重量%。

    ポリマーP4:
    EMS Chemie(スイス)社製「Grivory G 21」(部分芳香族コポリアミド、非晶性)100重量%。

    マスターバッチMB1:
    Ferro(ドイツ)社製「PK 3095」15重量%とKoSa(ドイツ)社製ポリエチレンテレフタレート「RT−49」(PET)85重量%とから成るマスターバッチ。

    マスターバッチMB2:
    Degussa(ドイツ)社製「AEROXIDE(登録商標) Alu C」(Al 、凝集粒子のd 50 =約300nm、一次粒子のd 50 =約50nm)10重量%と、ポリエチレンテレフタレート「RT−49」(PET)90重量%とから成るマスターバッチ。

    マスターバッチMB3:
    Nanophase Technologies Corporation(米国イリノイ州)社製酸化銅「NanoArc」(登録商標、CuO)ナノ粒子15重量%と、ポリエチレンテレフタレート「RT−49」(PET)85重量%とから成るマスターバッチ。

    マスターバッチMB4:
    Aniroz Pigments Limited(インド)社製「Pigment Black 26」(Fe /MnO ・SiO ・Al )15重量%と、ポリエチレンテレフタレート「RT−49」(PET)85重量%とから成るマスターバッチ。

    マスターバッチMB5:
    Degussa(ドイツ)社製「Spezialschwarz4」15重量%と、ポリエチレンテレフタレート「RT−49」(PET)85重量%とから成るマスターバッチ。

    フィルムの製造:
    二軸押出機内で、ポリマーチップを予備乾燥することなく各実施例および比較例に示す比率で混合し、溶融した。 共押出ダイを介して共押出し、引取りロールで引取って冷却固化し(ロール温度:20℃)、アモルファスシートを得た。 得られたアモルファスシートを長手方向に116℃(延伸間におけるフィルム温度)で3.5倍に、横方向に110℃で3.2倍に延伸を行った。 次いで、229℃で熱固定を行い、229℃から200℃に降温しながら横方向に1%の弛緩処理を行い、更に、180℃から150℃に降温しながら1%の弛緩処理を行った。 フィルムの製造速度は300m/分であった。 得られたフィルムの厚さは100μmであった。

    各実施例および比較例において得られたフィルムに対し、以下の物性評価を行った。

    導電トラックの形成:
    ダイオードポンピングNd:YAGレーザー(LPKF AG社製「Microline 3D IR 160」(ドイツ))によって赤外線を照射し、導電トラック領域を形成した。 照射強度は、金属の遊離に伴ってわずかに融除が生じる程度であった。 脱イオン水中で超音波洗浄を短時間行った後、市販の化学的還元銅メッキ装置を使用して赤外線照射部分に銅メッキを施した。 銅メッキの厚さは0.5〜1.0μmであった。

    導電トラックの形成評価:
    導電トラックの形成評価は、光学顕微鏡(入射光)で20倍の倍率でトラックを見て評価した。 トラック中の銅層の一貫性について、◎:優、○:良、△:可、×:不可で評価した。 また、フィルムと銅メッキ層との接着性を評価するため、上記の方法により、長さ2.5cm、幅3mmの導電トラックを形成し、その上に、粘着テープ(3M社製「スコッチテープ(登録商標)600」(米国))を横切るように密着させた。 0.2cm/秒の速度、剥離度90°で粘着テープを剥離させた。 粘着テープを光学顕微鏡(入射光)で20倍の倍率で観察し、脱離した銅層の付着が認められない場合は○、認められる場合は×と評価した。

    実施例1:
    上記方法により、外層A及びCの厚さがそれぞれ3μmで、フィルム総厚さ94μmのABC構造を有するポリエステルフィルムを製造した。 外層Aの組成は50重量%のMB1と、10重量%のMB2と、10重量%のMB4と、20重量%のP1と、10重量%のP3とから成る。 ベース層Bは100重量%のP1から成る。 外層Cの組成は20重量%のMB2と、80重量%のP1とから成る。 評価結果を表1に示す。

    実施例2:
    実施例1において、外層Aの組成を60重量%のMB3と、10重量%のMB2と、10重量%のMB5と、12重量%のP1と、8重量%のP4とに変更した以外は、実施例1と同様の方法で厚さ94μmのポリエステルフィルムを製造した。 評価結果を表1に示す。

    実施例3:
    実施例1において、外層Aの組成を60重量%のMB3と、10重量%のMB2と、12重量%のP1と、18重量%のP4とに変更した以外は、実施例1と同様の方法で厚さ94μmのポリエステルフィルムを製造した。 評価結果を表1に示す。

    実施例4:
    実施例1において、外層A、ベース層B及び外層Cの組成を50重量%のMB3と、10重量%のMB2と、10重量%のMB5と、22重量%のP1と、8重量%のP4とに変更した以外は、実施例1と同様の方法で厚さ94μmのポリエステルフィルムを製造した。 評価結果を表1に示す。

    比較例1:
    実施例1と同様の方法で、外層A及びベース層Bが100重量%のP2から成る(欧州特許出願公開第1274288号明細書の実施例で使用しているポリマーと同等)、ABA構造を有する厚さ50μmのポリエステルフィルムの製造を試みた。 ベース層Bの厚さは46μmであり、それぞれの外層Aの厚さは2μmであった。 フィルムは延伸性に劣り、延伸中にしばしばフィルム破断が生じたため、フィルムの製造が困難であった。 評価結果を表2に示す。

    参考例1:
    実施例1において、外層Aの組成を50重量%のMB1と、10重量%のMB2と、10重量%のMB5と30重量%のP1とに変更した以外は、実施例1と同様の方法で厚さ94μmのポリエステルフィルムを製造した。 評価結果を表2に示す。 金属とフィルムとの接着性が劣っていた。

    参考例2:
    実施例1において、熱固定温度を229℃から150℃に変更し、熱弛緩処理を行わなかった以外は、実施例1と同様の方法で厚さ94μmのポリエステルフィルムを製造した。 評価結果を表2に示す。 実施例1〜4と同レベルの導電トラックの形成を達成出来たものの、フィルムにしわが発生した。

    平均粒径d

    50を求めるための累積粒径分布曲線

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