Air cell dunnage

申请号 JP2000598341 申请日 2000-01-31 公开(公告)号 JP2002536220A 公开(公告)日 2002-10-29
申请人 エブラヒム・シンハイー; 发明人 エブラヒム・シンハイー;
摘要 (57)【要約】 厚さ変更が可能な領域を複数有するプラスチック製のシートを予め作成する工程と、領域からバブル部を 真空 成形してバブル層を形成する工程と、バブル層を基層に融着してバブルシートを形成する工程とによってエア・セル荷敷を製造する。 このとき、バブル部領域25を形成するようにシート22を真空成形し、この成形されたシートを、密閉される複数のエア・セル24を形成するようにプラスチック製の基層34に結合することによりエア・セル荷敷を製造する方法。 二面型バブルシートは、二つのバブルシートを、プラスチック製の基層の互いに反対の側に結合することにより形成される。
权利要求 【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】 厚さ変更が可能な領域を複数有するプラスチック製のシートを予め作成する工程と、 前記領域からバブル部を真空成形してバブル層を形成する工程と、 前記バブル層を基層に融着してバブルシートを形成する工程とを有するエア・
    セル荷敷の製造方法。
  • 【請求項2】 前記領域の厚さ形状を、該領域の中心部が周囲部よりも厚くなるようにすることを特徴とする請求項1に記載のエア・セル荷敷を形成する製造方法。
  • 【請求項3】 前記領域の厚さ形状を選定して、真空成形によって前記領域から形成された前記バブル部が略均一な厚さの壁を有するようにすることを特徴とする請求項1に記載のエア・セル荷敷の製造方法。
  • 【請求項4】 (a)不均一な開口部を有するダイによってプラスチック製のシートを押し出し加工する工程と、 (b)前記不均一な開口部を予め選択された複数の領域に周期的にかぶせ、該開口部を介して前記プラスチック製のシートを押し出し、これにより縁から縁へ厚さが変化する領域を有するプラスチックフィルムを押し出し成形する工程と、 (c)複数の凹んだ部分を有するモールドの表面によって前記プラスチックフィルムを成形する工程と、 (d)前記プラスチックフィルムをプラスチック製のベースシートに接合して、複数のエア・セルを有するエア・セル荷敷を形成する工程と、 を有するエア・セル荷敷のためのプラスチック製のシートの製造方法。
  • 【請求項5】 縁から縁へ厚さが変化する領域を有する第2のプラスチックフィルムを押し出し成形する工程と、 複数の凹んだ部分を有していて、これらの部分により前記プラスチックフィルムにおけるエア・セルの数が決定されるモールドの表面に向けて、前記プラスチックフィルムを寄せつけて成形する工程と、 前記ベースシートの第1の前記プラスチックフィルムと反対の側で、前記プラスチック製のベースシートに前記第2のプラスチックフィルムを接合する工程とを有することを特徴とする請求項4に記載の製造方法。
  • 【請求項6】 前記(d)の工程は、前記基層に前記第1と第2のプラスチックフィルムを融着し、前記プラスチックフィルムと前記ベースシートの間に空気が捉えられるようにする工程を有していることを特徴とする請求項5に記載の製造方法。
  • 【請求項7】 プラスチック製のシートを押し出し加工する工程と、 前記シートを、真空成形に用いられるモールドの複数の雌側のダイと接触するように配置する工程と、 前記雌側のダイに対して選択的に真空を形成し、各々のダイの基部での前記シートの伸びが前記ダイの底部での伸びより大きくなるようにして、前記プラスチック製のシートを前記雌側のダイの内方に引き寄せるようにする工程とを有するエア・セル荷敷の製造方法。
  • 【請求項8】 半球面状とされた前記ダイは、複数の吸引口が並べられた列を複数有し、 前記ダイの前記基部から前記底部にかけて順次前記列に吸引作用を働かせることを特徴とする請求項7に記載のエア・セル荷敷の製造方法。
  • 【請求項9】 前記雌側のダイは、複数の吸引口が並べられた列を複数有し、 前記ダイの前記基部において最大の吸引作用が働き、かつ、前記ダイの前記底部において最小の吸引作用が働くようにして、前記列に働く吸引作用を変化させることを特徴とする請求項7に記載のエア・セル荷敷の製造方法。
  • 【請求項10】 (a)モールド表面を有していて、このモールド表面には、半球面形の凹んだ領域と、前記モールド表面の前記複数の凹んだ領域の間に配置された複数の平らな領域とが備えられ、各々の前記半球面形の凹んだ領域は、
    基部及び底部を画定しており、かつ、真空生成源につながった複数の吸引口を有しているモールドを設ける工程と、 (b)前記モールド表面の前記半球面形の凹んだ領域ならびに前記平らな領域に向けてプラスチックフィルムを引き寄せる工程と、 (c)前記半球面形の凹んだ領域の各々において、前記吸引口に対して選択的に真空を形成し、最初に前記半球面形の凹んだ領域の前記基部に近い方に配置された前記吸引口に真空を形成し、前記半球面形の凹んだ領域の前記底部に近い方に配置された前記吸引口へと順次真空を形成して行き、これにより、前記プラスチックフィルムを、前記半球面形の凹んだ領域の前記基部からはじめて前記底部へと引き寄せるようにする工程と、 (d)前記引き寄せられたプラスチックフィルムを前記モールドから取り出す前にプラスチック製のベースシートに接合し、複数のエア・セルを有するエア・
    セル荷敷を形成するようにする工程とを有するエア・セル荷敷のためのプラスチック製のシートの製造方法。
  • 【請求項11】 前記(a)〜(d)の工程によって、第2の引き寄せられたプラスチックフィルムを形成し、前記第2の引き寄せられたプラスチックフィルムを、前記モールドから取り出す前に、前記ベースシートの前記第1のプラスチックフィルムと反対の側で前記ベースシートに接合する工程を有することを特徴とする請求項10に記載の製造方法。
  • 【請求項12】 前記(d)の工程は、前記第1のプラスチックフィルムと前記第2の引き寄せられたプラスチックフィルムを前記ベースシートに融着し、
    これらのプラスチックフィルムと前記ベースシートの間に空気が捉えられるようにする工程を有していることを特徴とする請求項11に記載の製造方法。
  • 【請求項13】 (a)モールド表面を有していて、このモールド表面に、
    半球面形の複数の凹んだ領域と、前記モールド表面の前記複数の凹んだ領域の間に配置された複数の平らな領域とが備えられ、各々の前記半球面形の凹んだ領域は、基部と底部を画定しており、かつ、真空生成源につながった複数の吸引口を有しているモールドを設ける工程と、 (b)前記モールド表面の前記半球面形の凹んだ領域ならびに前記平らな領域に向けてプラスチックフィルムを寄せつける工程と、 (c)前記半球面形の凹んだ領域の各々において、前記半球面形の凹んだ領域の前記基部に近い方に配置された前記吸引口での最大吸引圧と、前記半球面形の凹んだ領域の前記底部に近い方に配置された前記吸引口での最小吸引圧との間の値とされるいくつかの吸引圧を用い、これらの異なる吸引圧で前記吸引口に対して選択的に真空を形成し、これにより、前記複数の凹んだ領域、ならびに前記モールド表面の前記複数の凹んだ領域の間に配置された複数の平らな部分に向けて、前記プラスチックフィルムを均等に引き寄せるようにする工程と、 (d)前記引き寄せられたプラスチックフィルムをプラスチック製のベースシートに接合し、複数のエア・セルを有するエア・セル荷敷を形成するようにする工程とを有するエア・セル荷敷のためのプラスチック製のシートの製造方法。
  • 【請求項14】 前記(a)〜(c)の工程によって、第2の引き寄せられたプラスチックフィルムを形成し、前記ベースシートの前記第1のプラスチックフィルムと反対の側で、前記第2の引き寄せられたプラスチックフィルムを前記ベースシートに接合する工程を有することを特徴とする請求項13に記載の製造方法。
  • 【請求項15】 前記(d)の工程は、前記第1のプラスチックフィルムと前記第2の引き寄せられたプラスチックフィルムを前記ベースシートに融着し、
    これらのプラスチックフィルムと前記ベースシートの間に空気が捉えられるようにする工程を有していることを特徴とする請求項14に記載の製造方法。
  • 【請求項16】 (a)複数の凹んだ領域と、これらの凹んだ領域の間に配置された複数の平らな領域とが備えられたモールド表面を有する第1のモールドを設ける工程と、 (b)前記凹んだ領域に向けてプラスチックフィルムを引き寄せる工程と、 (c)複数の凹んだ領域と、これらの凹んだ領域の間に配置された複数の平らな領域とが備えられたモールド表面を有する第2のモールドを設ける工程と、 (d)前記第2のモールドの前記凹んだ領域に向けて第2のプラスチックフィルムを引き寄せる工程と、 (e)前記第1のプラスチックフィルムと前記第2の引き寄せられたプラスチックフィルムをベースシートの互いに対向する側に結合する工程とを有する二面型バブルシートの製造方法。
  • 【請求項17】 中間のベースシートの両側に接続された第1及び第2のバブル層を備え、 これらのバブル層のそれぞれは、複数の開放されたバブル部を備え、 これらのバブル部は、複数の平らな部分によって隔てられ、 当該平らな部分は、前記ベースシートに密閉されて、これにより前記バルブ部が閉鎖されている二面型バブルシート。
  • 【請求項18】 前記ベースシートは、二枚の積層された基層を備え、 それぞれの基層は、前記バブル層の一方に密閉されていることを特徴とする請求項17に記載の二面型バブルシート。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】

    【0001】

    【発明の属する技術分野】

    本発明は、包装一般に係り、とくに、衝撃や振動による損傷を防ぐため、搬送されるべき対象物の保護に用いられるエア・セル・バブルシートないしは荷敷を製造する新しい方法に関する。

    【0002】

    【従来の技術】

    従来より、輸送される品物を衝撃から保護するため、層構造とされたシート状のバブルラップを用いる技術が知られている。 従来のエア・セル荷敷は、通常、
    複数の層の集合体として形成され、薄くて平らな基層と、その上に積まれるバブル層とを有している。 バブル層は、基層より厚さ寸法の大きいプラスチック製のシートから形成されている。 例えば直径1インチといった、比較的大きいバブル部を有する場合、基層に対するバブルシートの厚さの比は、大体2:1となる。
    この厚さの比は、例えば直径5/16インチといったような、もっと小さなバブル部に対しては、大体3:2となる。 バブル層は、半球状の雌のダイを用いて、
    平らなプラスチック製のシートに真空成形を施すことによって作成される。 このバブル層は、基層に融着され、包装された品物を保護ないしは支持する多数の気密なセルを有する積層物を形成する。

    【0003】

    【発明が解決しようとする課題】

    従来のシートの一つの問題点は、真空成形によって生じるバブル部の不均一な壁の厚さである。 バブル部の直径が大きい場合、この状況は悪化する。 バブル部の直径が大きくなればなるほど、バブル部の頂部と基部との間の距離は、ますます大きくなる。 真空成形工程において、プラスチックは、それぞれのバブル部の基部から頂部に向かって引き伸ばされ、これにより、頂点の領域における壁の厚さが相対的に薄くなるという結果を生じる。 その結果、シートが引き降ろされると、要求される構造上の強度を与えるはずのバブル部の頂部の付近で、バブルシートの最終的な厚さが薄くなりすぎる可能性がある。 真空成形後、バブル部の頂点の領域に十分な厚さの壁が確実に残るようにするためには、バブルシートのもとの壁の厚さが基層の2倍以上の厚さでなければならない。

    【0004】 品物を輸送用に保護するため、輸送者や消費者は、対象物の周りに従来のバブルシートをぴったりと巻き付け、このとき、バブル部が対象物と箱の内面の間で押されるようする。 バブル部は、対象物の周りのエア・クッションとなり、対象物を宙吊りの状態に保って、箱が落されたり衝撃を受けたりした場合に、衝撃で起こる損傷から対象物を保護する。

    【0005】 最終製品における十分なバブル部の壁の厚さを保証するため、必要以上の材料を使用しなければならない。 これは、エア・セル荷敷を製造するには非効率な方法であり、しかも資源の無駄である。

    【0006】 従来の二重に積層されたバブルシートのデザインでは、所期の機能は果たされるものの、緩衝体としてバブル部を一重に包装する場合、包装された対象物に隣接する幾つかのバブル部が早く破裂したりすると、対象物が適切に保護されない可能性がある。 このため、衝撃に対して十分な保護を与えるために、輸送業者は、従来のバブルシートを用いる際には、対象物を幾重にも包装するであろう。 このようにアレンジすることにより、少なくとも一重の予備のバブル層が得られ、
    幾つかのバブル部が損傷を被った場合でも対象物が保護されるようになる。 しかしながら、バブル部を形成する物質の層で何重にも対象物を包み、輸送容器の空いている空間を「詰め物」によって詰めなければならないのは、プラスチックの無駄になる。 結局、高いコストは、消費者にしわ寄せされ、また、より多くのプラスチックが廃棄されるために環境への負の影響も生まれることになる。

    【0007】 本発明の目的は、輸送中、包装された品物を保護するためのより良いエア・セル荷敷を提供することにある。

    【0008】 本発明の他の目的は、原材料のコストを削減して製造することのできるエア・
    セル荷敷を提供することにある。

    【0009】 本発明のさらなる目的は、資源の浪費による環境への悪影響を低減するエア・
    セル荷敷を提供することにある。

    【0010】 本発明のさらに他の目的は、必要な原材料を低減しながら輸送の間に包装された品物を保護するためのエア・セル荷敷を提供することにある。

    【0011】 本発明のさらに他の目的は、材料の厚さの不均衡を低減する成形工程によって、構造上の強度を増加させるエア・セル荷敷を提供することにある。

    【0012】

    【課題を解決するための手段】

    本発明は、バブル部の壁の厚さの変化を有意に低減する、エア・セル荷敷を製造するための幾つかの異なる方法を提供する。 一の実施態様において、バブル部は、厚さが変わる領域を複数有するプラスチック製のシートから成形される。 これにより、これらの領域が真空成形によってバブル部に成形されると、これらは、略均一な壁の厚さを有するバブル部になる。 シートは、ダイによる押し出し加工によって成形してもよい。 このとき、ダイは、シートの厚さがなす断面形状(
    以後厚さ形状と称する場合もある)を横から横へ形成するように形作られている。 さらに、厚さ形状を縦方向に変更するために、押出加工されるシートに対して垂直に動く成形棒によって、厚さに関する断面形状を形成することができる。

    【0013】 また、従来のプラスチック製のシートを用いながら、バブル部を成形する半球面状のダイに対して真空の形成のしかたを制御することによって、壁の厚さの変化の度合いを低減することができることも考えられる。 一実施態様においては、
    バブル部の底部、すなわち、開口部から、バブル部の上部、すなわち、頂部にかけて、複数の吸引口からなるリング状の列(以後単にリングと称する)を複数用いて漸次真空が形成される。 これにより、プラスチックの伸びが基部で増加されるとともに、上部での伸びが低減され、その結果、より均一な壁の厚さが得られる。 あるいはまた、半球面状のダイにおいて、複数の吸引口からなる個々のリングに働かされる吸引作用が変更されてもよい。 すなわち、この場合も、基部での伸びを増加させ、上部での伸びを低減させる目的で、より大きい吸引作用を基部に働かせるとともに、より小さい吸引作用を上部に働かせるのである。

    【0014】 本発明の他の観点に従い、二面型バブルシートを設けることにより、エア・セル荷敷に必要な材料がかなり節約される。 これを達成するため、二つのバブル層は、上述したやり方を用いたいかなる方法によっても成形される。 二枚のバブル層は、基層の互いに対向する側に接合される。 あるいはまた、バブル層のそれぞれが薄い基層に接合され、これら基層同士を重ね合わせて、二面型バブルシートを形成してもよい。

    【0015】

    【発明の実施の形態】

    この明細書中、「バブル層」という語は、(例えば、真空成形によって)バブル部が形成されたプラスチックのシートないしはフィルムのことを意味する。 「
    基層」は、バブル層が接合されるプラスチック製のシートのことであって、これにより、バブル部内に空気が保持されるようになる。 バブル層と基層の組み合わせが「バブルシート」と称され、ときとして「エア・セル荷敷」と称されることもある。

    【0016】 さて、図1には、搬送されるべき対象物10の周りに巻きつけられた従来のバブルシート12が示されている。 上述したように、いくつかのバブル部が破裂した場合に、衝撃に対して要求される保護の度合いに応じて、バブルシート12は、通常、幾重にも対象物の周りに巻きつけられている。

    【0017】 バブルシート12は、多数のバブル部16を有したバブル層14を有している。 このバブル層14は、高温でシートを一緒に融合させることによって、プラスチック製の基層18に貼着されている。 このように、個々のバブル部16の間の複数の平らな領域は、個々のバブル部、換言すれば、個々のセルの中に空気を捕らえるシール部として機能する。

    【0018】 図2及び図3に示すように、バブル層14内のプラスチックの分布は、一様ではない。 なぜなら、プラスチック材料は、バブル部が形成される真空成形工程の間に伸びるからである。 バブル部の直径が2センチメートル以上となるバブルシートにおいては、バブル部の開口部に近いバブル部の壁の最初の25%の部分は、平均して、バブル部が形成されたもとのシートの75%の厚さを有している。
    壁の次に続く25%の部分は、平均して、シートの約58%の厚さを有している。 というのも、この部分は、進む距離がより長くなることに起因して、それだけたくさん伸びる傾向にあるからである。 次に続く25%の部分は、基層の42%
    に略等しい平均の厚さを有しており、また、バブル部の最上部ないしは頂部付近の最後の25%の部分は、シートの25%に等しい平均の厚さを有している。 図3は、バブル部が形成されたもとのシートの厚さが60μmであるとした場合の、バブル部のそれぞれの部分に関する壁の厚さを示すものである。

    【0019】 図3及び以下の表1は、従来のバブルシートの代表的な一例に関して、バブル部のパラメータ間の関係を示すものである。

    【表1】

    【0020】 本発明は、真空成形後、全体に均一なバブル部の壁の厚さを有するバブル層を製造するための様々な方法を提供する。 本発明により、必要になるプラスチック材料の量が低減され、耐衝撃性にいっそう優れた、均一なバブル構造が保証され、そして、保護すべき対象物を二重に包装する必要性が少なくなる。 プラスチック製のシートは、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、エチレンビニルアセテート、ポリブタジエンスチレン、ポリアミド等といったような可撓性を有する熱可塑性ポリマーから形成されていてもよい。

    【0021】 図4は、バブル層シート上のバブル部16の位置を示している。 本発明の一実施の形態において、プラスチック製のシートは、バブル層を形成するためにシートが真空成形される際、バブル部の壁の厚さが略均一になるように、押し出し加工され、厚さがある断面形状をなすように成形される。

    【0022】 図2及び図3を参照して再度思い起こすと、均一な厚さを有したフィルムがバブル部を形成するように真空成形される場合、バブル部の周りの基部は、実質的に上部ないしは頂部より厚くなる。 図2の代表的な例において、周りの基部の厚さは、頂部の略3倍になる。 したがって、理想的には、均一なバブル部の壁の厚さを形成するため、真空成形に先立ち、中央の部分が周辺の部分より厚くなる領域をシートに設け、真空成形後にバブル部の壁の厚さが略均一となるようにする必要がある。 例えば、引き続き図2の例を用いるなら、例えば、真空成形されるべき領域が、周辺の部分より3倍厚い中心の部分を有していたとしたら、真空成形工程後、二つの領域は、略等しい厚さとなるであろう。

    【0023】 斯かる厚さ形状を、図4に示されるようなバブル部の位置に略一致する領域に形成するためには、押し出し加工されたプラスチックフィルムの厚さがなす断面形状が横方向に対して次々に、また、縦方向に対しても変えられる必要がある。
    すなわち、図5から分るように、左から右へ(横方向に次々に)、そして、上から下へ(縦方向に)変えられる必要がある。 図6Aに示されるような所望の厚さ形状に対応させて形作られた押出成形用のダイを用いることによって、上記横から横への変更が行われる。 縦方向の形状は、複数の成形棒23a,23bの二つの配列をそれぞれ用いることによって得られる。 複数の成形棒23aは一体となって働き、また、複数の成形棒23bも一体となって働く。 成形棒のセットはいずれも、プラスチック製のシートの縦方向の厚さ形状を制御するため、フィルムに対して上下(図5の紙面に出入りする方向)に動く。 成形棒の動きとフィルムの押出加工とは調和的に働き、図6Aに示されるような所望の縦方向の形状が成形されるようになっている。 押出加工に対して、成形棒の動作の適切なタイミングを図ることによって、所望の横から横への、そして縦への厚さ形状が与えられる。 すなわち、バブル層を形成するために用いられるプラスチック製のシートは、各バブル部に対応する多数のバブル部領域25(以後、単に領域とのみ称することもある)を有することになる。 ここで、このバブル部領域25では、中央が最も厚い部分となり、バブル部の領域の周辺に向かって予め定められた仕方で漸次減少する。 これにより、真空成形の際に、この領域でフィルムが伸び、略均一な壁の厚さを有するバブル部が形成される。

    【0024】 バブル部の間の引き伸ばされないプラスチック製シートの部分は、基層と一体に貼り合わせられるため、10μm程度の比較的薄いものでもかまわない。

    【0025】 図6Cには、プラスチック製のシートの断面形状を有したバブル部領域の典型的な寸法が示されている。 このようなシートが、バブル部の壁の厚さが約30μ
    m、かつ、バブル部の基部の直径が約1インチとなるようなバブル層の形成に用いられる。 この代表的な実施形態において、プラスチック製のシートは、バブル部の間の平らな領域を形成する部分の10μmの厚さから、バブル部の頂部を形成する各セルの中心部分の120μmの最大厚さまで変化する厚さによる形状(
    厚さ形状)を有している。 厚さ形状は、異なる引き伸ばし方でも壁の厚さが均一になるように選択される。 これは、例えば、上部が周囲の基部の3倍に引き伸ばされる場合には、上部を形成するバブル部形成部25は、周囲の基部を形成する部分より3倍厚いということである。

    【0026】 上述したように断面形状を有したシートが成形された後、従来のモールド内で真空成形が行われる。 このモールドは、ローラ表面44によって隔てられた複数の凹んだバブル部ダイ38(以後単にダイと称することもある)(図7及び図9
    A参照)を有するシリンダもしくはローラを備えている。 複数の吸引口45によって、ダイ38をバブル部の真空成形のために真空状態にすることが可能となる。 厚さに断面形状が形成されるプラスチック製のシート22のバブル部領域25
    は、無論、バブル部ダイ38のそれぞれの上側に位置付けられ、これにより、断面形状を有する領域からバブル部が成形されるようになっている。

    【0027】 シートは、(大体110〜120℃の温度で)液状もしくは半液状である間に、モールドの吸引口45に接続された真空生成源(図示せず)からの吸引によって、バブル部ダイ38の中に引張り降ろされる。 このモールディングの操作によって、バブル層が形成される。 バブル部は、シートの厚さに断面形状が与えられる領域25から成形されるので、形成されるバブル部は、従来のプラスチック製のシートから製造されたバブル部に比べて、壁の厚さの均一性が十分高められている。

    【0028】 バブル層が成形された後、バブル層は、モールドから取り外される前に、プラスチック製の基層34に接合され、これにより、平らなシール部分(図9B参照)によって離間された複数のエア・セル24を有するバブルシートを形成する。
    なお、バブル層と基層の双方が半液状(すなわち、約105℃〜115℃の間の温度)である間に、バブル層が基層に融着されるのが好ましい。

    【0029】 本発明のさらなる実施形態により、断面形状を有した複数のバブル部領域が設けれるプラスチック製のシート22と全く異なり、均一な厚さを有するプラスチック製のシート材料から、より均一な壁の厚さを有したバブル部を形成することができる。 これは、(図7中、点線によって示されている)円形リングA,B,
    C,D及びE(この明細書中リングとのみ称する場合もある)のそれぞれにおける各吸引口45に対して選択的に真空を形成することによって行われる。 本実施形態においては、周囲の基部、言い換えればバブル部の開口部に近い吸引口、すなわちリングAに最初に吸引作用が働き、続いて残りの複数の吸引口からなるリングに働く。 このような仕方で、プラスチック製のシートは、最初にバブル部の周囲の基部、言い換えれば開口部で引かれ、それから、中心に向かって、言い換えればバブル部の形に形成されたモールドの表面(この明細書中、単にモールド表面と称する場合もある)の底部に向かって段階的に内側へ引かれ、伸展が最小化されるようになる。

    【0030】 各リングA,B,C,D,E及びF上に位置する吸引口の数と寸法は、バブル部の寸法、真空成形工程の間のシート22の流動状態の度合い、製造の速さ、そして、使用される原材料の種類といったような変量の数に依存する。 これらの変量は、時や場所とともに変化する可能性があり、最適な組み合わせは、それぞれの製造設備に合わせて経験や実験を通して決められるべきものである。

    【0031】 必要であれば、バブル部の壁における厚さの差を小さくするように真空の圧が変更されてもよい。 例えば、バブル部の基部(リングA)に与える負圧を、リングB等における吸引口に与える負圧よりも大きくし、このようにして、バブル部の頂部(すなわちダイの底部の部分)近くの吸引口で圧力が最小になるようにして、吸引圧力のこのような変更は、これだけが施されてもよいし、また、先に述べたように、真空成形を順番に行う技術と組み合わせて施されてもかまわない。

    【0032】 なお、本発明は、最も実用的で好ましい実施形態であると考えられるものについて説明したが、本実施形態に限られることはなく、当業者ならば実施するであろう程度に自明な変更も可能である。

    【0033】 従来のエア・セル荷敷製品は、一面型バブルシート12は、(図1ないし3に示すように)保護すべき対象物の周りに巻き付けられる。 幾つかのバブル部が破裂する場合に備え、衝撃に対して十分な保護を与えるため、二重もしくはそれ以上の荷敷の層を重ねることが望まれることが極めて多い。 典型的な例では、バブル部の平均の壁の厚さを30μmにするには、もとのシートは約60μmの厚さとされる必要がある。 基層もまた(バブル部の一部を形成し、それゆえ、破裂に対する保護に役立たなければならない)、30μmの厚さを有する必要がある。
    これは、それぞれのバブルシートが、全体で90μmの厚さに及ぶ2枚のシートを必要とすることを意味する。 もし二重の包装が求められるなら、必要となる材料は2倍の量、すなわち180μmとなる。 本発明のさらに他の特徴によれば、
    二面型バブルシートが図10及び11に示されるように形成されると、プラスチックをかなり節約することができる。 この場合、バブル部24,30を備えている二つの別々のバブル層22,28は、それぞれ、基層34の互いに対向する両側に溶着される。 二つのバブル層が設けられるため、保護作用は、図1に示すような二重の包装がなされた場合に得られる保護作用と同程度のものとなる。 しかし、材料の量が少なくなる。 例えば、仮に単一の基層が必要とされるだけならば、上記の例における節約量は30μm、すなわち、30(単一の基層を用いることによる節約量)÷180(二つの別個のバブルシートに要求されるフィルムの量)より、16.67%となる。

    【0034】 さらに、バブルシートの平らな基層34(図10及び11参照)は、主として防壁として機能する。 そして、図1におけるバブルシート12の平らな基層ほどには、包装された品物からの圧力にさらされることはなく、二面型バブルシートにおける基層34の厚さは、15μmより薄くすることができる。 この場合、材料が約25%節約されるであろう。

    【0035】 同様の効果は、二つのバブル層を基層の対向する両側に融着するかわりに、二つのバブル層を比較的薄い基層にそれぞれ別個に融着し、その後これらの基層を一体に融着することによっても得られる。 例えば、標準の基層の厚さが30μm
    であるとすると、二つのバブル層は、それぞれ15μmもしくはそれよりも薄い別個の基層に融着することができるであろう。 その後、二つの基層は、熱的、もしくは、適当な接着剤を用いて一体に粘着することができるであろう。 これにより、二つのバブル層に関する所望の結果が得られ、従来のバブルシートによる二重の包装と比較して、プラスチックの量が削減される。

    【0036】 図10の二面型シート(二面型バブルシート)は、二つの観点において優れている。 先ず、二重のエア・セル得るために、対象物を一重に包装することが必要になるだけである。 次に、上述したように、二面型バブルシートは、一面型バブルシートを二層用いるよりも、かなり少ないプラスチック原料しか必要としない。 従来に比べて少ない材料しか必要としないため、二面型バブルシートは、空いている空間を埋めるためにバブルシートが必要とされるような包装をするには、
    より効率的な「詰め物」である。

    【0037】 本発明のこの観点による二面型バブルシートは、(バブル部の厚さが均一でない)従来のバブル層からも作成することができる。 あるいは、厚さが均一、ないしは略均一であるような、上述の如く製造されたバブルシートから作成することもできる。

    【0038】 二面型シートの製造においては、それぞれ複数の半球状のバブル部ダイを有する一対の大きなローラが、わずかな隙間が設けられるようにして互いに離間されて配置され、これにより、真空成形されているプラスチック製のシートならびに基層が、モニターローラの間を通過する際、一体に挟まれることができるようになっている。 製作工程の間、バブル層が軟化温度まで熱せられながら、ローラが逆方向に回転し、これにより、同時にそれぞれのウェブが定められた空間に導かれる。 軟化したバブル層がローラと接触する際、バブル部が真空成形される。 バブル層がピンチ領域(挟み領域)を通って前進させられる一方で、基層のウェブがこれらの間に導かれる。 こうして、軟化されたバブル層が基層に向けて押し付けられ、それによって、基層の対向する両側のバブル部の構成部分と気密な溶着が形成される。

    【図面の簡単な説明】

    【図1】従来のバブルラップを用いて包装された対象物の端面図である。

    【図2】従来のバブルシートにおいて、もとのシートに対するバブル層の壁の厚さのパーセンテージを概略的に示す図である。

    【図3】従来のバブルシートにおいて、バブル層の異なる部分における壁の厚さの絶対値を概略的に示す図である。

    【図4】本発明による第一の観点によるエア・セル荷敷の構成の好ましい実施形態を示す部分平面図である。

    【図5】バブル部の厚さが略均一となるバブル層を作成するための本発明の一実施形態に用いられることができる押し出し加工が施されたプラスチック製のシートの上部平面図であって、さらに、シートを成形するための装置を概略的に示す図である。

    【図6A】図5のA-A線断面図であって、成形棒の動きの結果として、押し出し加工されたシートの厚さがなす縦方向の断面形状を示す図である。

    【図6B】図5のB-B線断面図であって、押し出し加工されたプラスチック製のシートの厚さがなす横への断面形状を示す図である。

    【図6C】断面形状が形成された、一つのバブル部が形成される領域の一断面領域を示す図であって、代表的な一例として様々な領域の厚さを示す図である。

    【図7】真空モールディング表面の半球面状のバブル部成形領域の拡大上部平面図である。

    【図8】図7に示される半球面状の引上げられたバブル部成形領域の側面断面図であって、真空成形工程において引かれる前のプラスチック製のシートを示す図である。

    【図9A】図7に示される半球面状のバブル部成形領域の側面断面図であって、真空成形工程において引かれた後のプラスチック製のシートを示す図である。

    【図9B】図9Aと類似の側面断面図であって、基層がバブル層に接合されてバブルシートが形成される様子を説明する図である。

    【図10】本発明の他の観点による二面型バブルシートの斜視図である。

    【図11】図10における11-11線断面図である。

    【符号の説明】

    10・・・対象物 12・・・バブルシート(エア・セル荷敷) 14;22,28・・・バブル層 16;24,30・・・バブル部(エア・セル) 18;34・・・基層 22・・・シート 23a,23b・・・成形棒 25・・・バブル部領域(領域) 38・・・バブル部ダイ(ダイ) 45・・・吸引口 A,B,C,D,E,F・・・円形リング(列)

    【手続補正書】

    【提出日】平成13年8月24日(2001.8.24)

    【手続補正1】

    【補正対象書類名】明細書

    【補正対象項目名】特許請求の範囲

    【補正方法】変更

    【補正の内容】

    【特許請求の範囲】

    ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ, BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,C R,CU,CZ,DE,DK,DM,EE,ES,FI ,GB,GD,GE,HR,HU,ID,IL,IN, IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,L K,LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK ,MN,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO, RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,T M,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VN ,YU,ZA,ZW Fターム(参考) 3E066 AA22 BA02 CA01 DB01 KA05 KA20 LA01 MA01 3E086 AB01 AD22 BA04 BA15 BA46 BB84 DA08 4F100 AK01A AK01B AK01C BA02 BA03 BA06 BA10A BA10C DD23A DD23C EC032 EH171 EH901 GB15 JK10

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