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Process for producing potassium / molybdenum composite metal powder, the powder blend, the product, and the photovoltaic cell

申请号 JP2013518853 申请日 2011-07-08 公开(公告)号 JP2013536316A 公开(公告)日 2013-09-19
申请人 クライマックス・エンジニアード・マテリアルズ・エルエルシー; 发明人 ホネッカー,デーヴィッド; カーダッチ,マイケル; コックス,カール; ミカルク,クリストファー;
摘要 A method for producing a composite metal powder according to one embodiment of the invention may comprise: Providing a supply of molybdenum metal powder; providing a supply of a potassium compound; combining the molybdenum metal powder and the potassium compound with a liquid to form a slurry; feeding the slurry into a stream of hot gas; and recovering the composite metal powder.
权利要求
  • モリブデン金属粉末の供給物を与え;
    第IA族アルカリ金属化合物の供給物を与え;
    モリブデン金属粉末及び第IA族アルカリ金属化合物を液体と混合してスラリーを形成し;
    スラリーを高温ガスの流れの中に送り込み;そして 第IA族アルカリ金属化合物及びモリブデンを含む複合金属粉末を回収する;
    ことを含む、複合金属粉末の製造方法。
  • 第IA族アルカリ金属化合物の供給物を与えることがカリウム化合物の供給物を与えることを含む、請求項1に記載の方法。
  • カリウム化合物の供給物を与えることがモリブデン酸カリウム粉末の供給物を与えることを含む、請求項2に記載の方法。
  • スラリーを高温ガスの流れの中に送り込むことが、スラリーを霧化し、霧化したスラリーを高温ガスの流れと接触させることを含む、請求項2に記載の方法。
  • モリブデン金属粉末及びカリウム化合物を液体と混合することが、モリブデン金属粉末及びカリウム化合物を水と混合してスラリーを形成することを含む、請求項2に記載の方法。
  • スラリーが約15重量%〜約25重量%の間の液体を含む、請求項2に記載の方法。
  • バインダー材料の供給物を与え;そして バインダー材料を、モリブデン金属粉末、カリウム化合物、及び水と混合してスラリーを形成する;
    ことを更に含む、請求項2に記載の方法。
  • バインダーが、ポリビニルアルコール及びポリエチレングリコールからなる群から選択される1以上を含む、請求項7に記載の方法。
  • カリウム化合物がモリブデン酸カリウムを含み、スラリーが、約15重量%〜約25重量%の間の液体、約0重量%〜約2重量%のバインダー、約1重量%〜約31重量%のモリブデン酸カリウム、及び約52重量%〜約84重量%のモリブデン金属粉末を含む、請求項7に記載の方法。
  • 回収した複合金属粉末を、バインダーの実質的に全部を除去するのに十分な温度で加熱することを更に含む、請求項7に記載の方法。
  • 加熱が水素雰囲気中で加熱することを更に含む、請求項10に記載の方法。
  • 水素雰囲気中での加熱を約500℃〜約1050℃の範囲の温度で行う、請求項11に記載の方法。
  • モリブデン金属粉末の供給物を与え;
    モリブデン酸カリウム粉末の供給物を与え;
    モリブデン金属粉末及びモリブデン酸カリウム粉末を水と混合してスラリーを形成し;
    スラリーを高温ガスの流れの中に送り込み;そして 複合金属粉末を回収する;
    ことを含む、複合金属粉末の製造方法。
  • 第IA族アルカリ金属化合物の供給物を与えることが、カリウム化合物の供給物を与え、そしてナトリウム化合物の供給物を与えることを含む、請求項1に記載の方法。
  • カリウム化合物の供給物を与えることがモリブデン酸カリウムの供給物を与えることを含み、ナトリウム化合物の供給物を与えることがモリブデン酸ナトリウムの供給物を与えることを含む、請求項14に記載の方法。
  • モリブデン金属の粉末供給物を与え;
    第IA族アルカリ金属を含む粉末供給物を与え;
    モリブデン金属の粉末供給物、及び第IA族アルカリ金属を含む粉末供給物の少なくとも1つを粉砕して、粉末供給物の少なくとも1つの粒径を減少させ;そして モリブデン金属粉末の粉末供給物及び第IA族アルカリ金属を含む粉末供給物を混合して乾式ブレンド金属粉末を形成する;
    ことを含む、乾式ブレンド金属粉末の製造方法。
  • 第IA族アルカリ金属化合物を含む粉末供給物を与えることがカリウム化合物の粉末供給物を与えることを含む、請求項16に記載の方法。
  • カリウム化合物の粉末供給物を与えることがモリブデン酸カリウム粉末から実質的に構成される粉末供給物を与えることを含む、請求項17に記載の方法。
  • 混合が、モリブデン金属粉末の粉末供給物及び第IA族アルカリ金属を含む粉末供給物を媒体ベースのミルに加え、粉末を粉砕することを含む、請求項16に記載の方法。
  • 混合が、モリブデン金属粉末の粉末供給物及び第IA族アルカリ金属を含む粉末供給物をブレンダーに加え、粉末をブレンドすることを含む、請求項16に記載の方法。
  • 第IA族アルカリ金属化合物の粉末供給物を与えることが、カリウム化合物の供給物を与え、ナトリウム化合物の供給物を与えることを含む、請求項16に記載の方法。
  • カリウム化合物の供給物を与えることがモリブデン酸カリウム粉末の供給物を与えることを含み、ナトリウム化合物の供給物を与えることがモリブデン酸ナトリウム粉末の供給物を与えることを含む、請求項21に記載の方法。
  • 請求項1に記載の方法にしたがって製造される複合金属粉末。
  • 請求項13に記載の方法にしたがって製造される複合金属粉末。
  • 約1.5g/cc〜約3g/ccの範囲のスコット密度を有する、請求項24に記載の複合金属粉末生成物。
  • 約0.3重量%〜約11.3重量%の残留カリウムを含む、請求項24に記載の複合金属粉末生成物。
  • 約9重量%未満の残留酸素を含む、請求項24に記載の複合金属粉末生成物。
  • 一緒に融着して複合金属粉末の個々の粒子を形成しているカリウムを含む亜粒子及びモリブデン亜粒子の実質的に均質な分散物を含むカリウム/モリブデン複合金属粉末。
  • 約1.5g/cc〜約3g/ccの範囲のスコット密度を有する、請求項24に記載のカリウム/モリブデン複合金属粉末生成物。
  • 約0.3重量%〜約11.3重量%の残留カリウムを含む、請求項28に記載のカリウム/モリブデン複合金属粉末生成物。
  • 複合金属粉末生成物を含む個々の粒子が約1μm〜約150μmの範囲の寸法を有する、請求項28に記載のカリウム/モリブデン複合金属粉末生成物。
  • 複合金属粉末生成物を含む個々の粒子が約5μm〜約75μmの範囲の寸法を有する、請求項31に記載のカリウム/モリブデン複合金属粉末生成物。
  • 請求項16に記載の方法にしたがって製造される乾式ブレンド粉末。
  • モリブデン金属粒子及びモリブデン酸カリウム粒子の実質的に均質なブレンドを含むカリウム/モリブデン乾式ブレンド粉末生成物。
  • モリブデン金属粉末の供給物を与え;
    カリウム化合物の供給物を与え;
    モリブデン金属粉末及びカリウム化合物を液体と混合してスラリーを形成し;
    スラリーを高温ガスの流れの中に送り込み;そして 複合金属粉末を回収する;
    ことによって複合金属粉末の供給物を生成させ;そして 複合金属粉末を固化成形して、カリウム/モリブデン金属マトリクスを含む金属物品を形成する;
    ことを含む金属物品の製造方法。
  • 複合金属粉末を固化成形することが冷間等方圧プレスすることを含む、請求項35に記載の方法。
  • 固化成形が複合金属粉末を所定の形状物にプレスし、形状物を焼結することを含む、請求項35に記載の方法。
  • 焼結を水素雰囲気中で行う、請求項37に記載の方法。
  • 焼結を約825℃未満の温度で行う、請求項38に記載の方法。
  • 固化成形が熱間等方圧プレスすることを含む、請求項35に記載の方法。
  • カリウム/モリブデン複合金属粉末の供給物を与え;
    カリウム/モリブデン複合金属粉末を、予備成形物品を形成するのに十分な圧力下で圧縮成形し;
    予備成形した物品を密閉容器内に配置し;
    密閉容器の温度を、モリブデンの最適焼結温度よりも低い温度に上昇させ;そして 密閉容器を、物品の密度を少なくとも理論密度の約90%に増加させるのに十分な時間等方圧にかける;
    ことを含む金属物品の製造方法。
  • 密閉容器の温度を上昇させることが、密閉容器の温度を約890℃〜約1250℃の範囲の温度に上昇させることを含む、請求項41に記載の方法。
  • 密閉容器の温度を上昇させることが、密閉容器の温度を約1075℃の温度に上昇させることを含む、請求項41に記載の方法。
  • 密閉容器を等方圧にかけることが、密閉容器を約102MPa〜約205MPaの範囲の等方圧にかけることを含む、請求項41に記載の方法。
  • 密閉容器を等方圧にかけることが、密閉容器を約203MPaの等方圧にかけることを含む、請求項41に記載の方法。
  • 密閉容器を熱間等方圧プレスプロセスにかけることを約4時間〜約8時間の範囲の時間行う、請求項41に記載の方法。
  • 密閉容器を熱間等方圧プレスプロセスにかけることを約4時間の時間行う、請求項41に記載の方法。
  • 圧縮成形が、カリウム/モリブデン複合金属粉末を約67MPa〜約1,103MPaの範囲の一軸圧力にかけて予備成形物品を形成することを含む、請求項41に記載の方法。
  • 圧縮成形が、カリウム/モリブデン複合金属粉末を約138MPa〜約414MPaの範囲の冷間等方圧にかけて予備成形物品を形成することを含む、請求項41に記載の方法。
  • 密閉容器を等方圧にかける前に、密閉容器を加熱しながら密閉容器を排気することによって予備成形物品を脱気することを更に含む、請求項41に記載の方法。
  • 脱気が密閉容器を約800ミリトルの圧力まで排気することを含む、請求項50に記載の方法。
  • 脱気が密閉容器をモリブデンの酸化温度より低い温度に加熱することを含む、請求項50に記載の方法。
  • 脱気が密閉容器を約100℃〜約400℃の範囲の温度に加熱することを含む、請求項50に記載の方法。
  • 脱気が密閉容器を約250℃の温度に約2時間の時間加熱することを含む、請求項50に記載の方法。
  • 密閉容器を等方圧にかけることが、密閉容器を、物品の密度を少なくとも理論密度の約95%に増加させるのに十分な時間等方圧にかけることを含む、請求項41に記載の方法。
  • 密閉容器内に予備成形物品を配置する前に、予備成形物品を約100℃〜約200℃の範囲の温度に加熱することによって予備成形物品を乾燥することを更に含む、請求項41に記載の方法。
  • 予備成形物品の乾燥が予備成形物品を約110℃の温度に約16時間の時間加熱することを含む、請求項56に記載の方法。
  • 圧縮成形の前に、カリウム/モリブデン複合金属粉末の供給物を約100℃〜約200℃の範囲の温度に加熱することによってカリウム/モリブデン複合金属粉末の供給物を乾燥することを更に含む、請求項41に記載の方法。
  • カリウム/モリブデン複合金属粉末の供給物の乾燥が、カリウム/モリブデン複合金属粉末の供給物を約110℃の温度に約2時間〜約24時間の範囲の時間加熱することを含む、請求項58に記載の方法。
  • カリウム/モリブデン複合金属粉末の供給物を与え;
    カリウム/モリブデン複合金属粉末を、予備成形物品を形成するのに十分な圧力下で圧縮成形し;
    予備成形物品を密閉容器内に配置し;
    密閉容器の温度を、モリブデン酸カリウムの融点よりも低い温度に上昇させ;そして 密閉容器を、物品の密度を少なくとも理論密度の約90%に増加させるのに十分な時間等方圧にかける;
    ことを含む金属物品の製造方法。
  • 第IA族アルカリ/モリブデン複合金属粉末の供給物を与え;
    第IA族アルカリ/モリブデン複合金属粉末を、予備成形物品を形成するのに十分な圧力下で圧縮成形し;
    予備成形物品を密閉容器内に配置し;
    密閉容器の温度を、モリブデンの最適焼結温度よりも低い温度に上昇させ;そして 密閉容器を、物品の密度を少なくとも理論密度の約90%に増加させるのに十分な時間等方圧にかける;
    ことを含む金属物品の製造方法。
  • 第IA族アルカリ/モリブデン乾式粉末ブレンドの供給物を与え;
    第IA族アルカリ/モリブデン乾式粉末ブレンドを、予備成形物品を形成するのに十分な圧力下で圧縮成形し;
    予備成形物品を密閉容器内に配置し;
    密閉容器の温度を、モリブデンの最適焼結温度よりも低い温度に上昇させ;そして 密閉容器を、物品の密度を少なくとも理論密度の約90%に増加させるのに十分な時間等方圧にかける;
    ことを含む金属物品の製造方法。
  • 第IA族アルカリ/モリブデン乾式粉末ブレンドの供給物を与え;
    第IA族アルカリ/モリブデン乾式粉末ブレンドの供給物をダイに充填し;そして 第IA族アルカリ/モリブデン乾式粉末ブレンドを、ダイ内において、予備成形物品を形成するのに十分な圧力下で圧縮成形する;
    ことを含む金属物品の製造方法。
  • 圧縮成形を約100℃より高い温度で行う、請求項63に記載の方法。
  • 請求項35に記載の方法によって製造される金属物品。
  • 金属物品が約0.3重量%〜約11.3重量%の残留カリウムを含む、請求項65に記載の金属物品。
  • 金属物品がスパッタターゲットを含む、請求項65に記載の金属物品。
  • カリウムが少なくとも約2重量%の量で存在している、モリブデン及びカリウムを含む金属物品。
  • 金属物品が、カリウム、酸素、及びモリブデンに関して実質的に化学的に均質である、請求項68に記載の金属物品。
  • 金属物品が硬度に関して実質的に物理的に均質である、請求項68に記載の金属物品。
  • モリブデン、カリウム、及び酸素を除いて約1000ppm未満の不純物を有する、請求項68に記載の金属物品。
  • 金属物品がスパッタターゲットを含む、請求項68に記載の金属物品。
  • 請求項60に記載の方法にしたがって製造される金属物品。
  • 金属物品のカリウム含量が約2重量%以上である、請求項73に記載の金属物品。
  • 基材を与え;
    基材上にモリブデン金属層を堆積させ;
    モリブデン金属層上にカリウム/モリブデン金属層を堆積させ;
    カリウム/モリブデン金属層の上に吸収層を堆積させ;そして 吸収層の上に接合相手層を堆積させる;
    ことを含む光電池セルの製造方法。
  • カリウム/モリブデン金属層を堆積させることが、カリウム/モリブデン金属マトリクスを含むターゲットをスパッタし、材料をターゲットからスパッタしてカリウム/モリブデン金属層を形成することを含む、請求項75に記載の方法。
  • カリウム/モリブデン金属層を堆積させることが、
    モリブデン及びカリウムを含む複合金属粉末の供給物を与え;
    熱溶射によって基材上に複合金属粉末を堆積させる;
    ことを含む、請求項76に記載の方法。
  • カリウム/モリブデン金属層を堆積させることが、
    モリブデン及びカリウムを含む複合金属粉末の供給物を与え;そして 印刷によって基材上に複合金属粉末を堆積させる;
    ことを含む、請求項76に記載の方法。
  • カリウム/モリブデン金属層を堆積させることが、
    モリブデン及びカリウムを含む複合金属粉末の供給物を与え;そして 蒸着によって基材上に複合金属粉末を堆積させる;
    ことを含む、請求項78に記載の方法。
  • 接合相手層の上に透明導電酸化物層を堆積させることを更に含む、請求項76に記載の方法。
  • 吸収層が、銅、インジウム、及びセレンからなる群から選択される1以上を含む、請求項80に記載の方法。
  • 接合相手層が、硫化カドミウム及び硫化亜鉛からなる群から選択される1以上を含む、請求項81に記載の方法。
  • CIGS吸収層;
    ベース導電体層及びドープ導電体層を含み、ドープ導電体層がベース導電体層とCIGS吸収層との間に配置されており、ベース導電体層が実質的にモリブデンから構成され、ドープ導電体層が実質的にモリブデン及び第IA族アルカリ金属から構成され、ドープ導電体層中の第IA族アルカリ金属が、第IA族アルカリ金属の一部がCIGS吸収層中に拡散する結果として光電池セルの変換効率を増加させるのに十分な量で存在している導電体層;
    を含む光電池セル。
  • モリブデン及びカリウムを含む複合金属粉末の供給物を与え;
    熱溶射によって基材上に複合金属粉末を堆積させる;
    ことを含む、基材上に膜を堆積させる方法。
  • カリウム/モリブデン金属マトリクスを含むターゲットをスパッタし、材料をターゲットからスパッタしてカリウム/モリブデン金属層を形成することを含む、基材上に膜を堆積させる方法。
  • モリブデン及びカリウムを含む複合金属粉末の供給物を与え;
    複合金属粉末の供給物をビヒクルと混合し;そして 複合金属粉末とビヒクルとの混合物を印刷によって基材上に堆積させる;
    ことを含む、基材上に被膜を形成する方法。
  • モリブデン及びカリウムを含む複合金属粉末の供給物を与え;
    蒸着によって基材上に複合金属粉末を堆積させる;
    ことを含む、基材上に膜を堆積させる方法。
  • 说明书全文

    本出願は、2010年7月9日出願の米国仮特許出願61/363,051(開示されている全ての事項に関して参照として本明細書中に包含する)の利益を主張する。
    本発明は、概してモリブデン含有材料及び被膜に関し、より具体的には光電池セルの製造において用いるのに好適なモリブデン被膜に関する。

    モリブデン被膜は当該技術において周知であり、広範囲の用途において種々のプロセスによって適用することができる。 モリブデン被膜に関する1つの用途は、光電池セルの製造におけるものである。 より具体的には、1つのタイプの高効率多結晶質薄膜光電池セルは、CuInGaSe を含む吸収層を含む。 かかる光電池セルは、通常は、吸収層を含む部材の後に「CIGS」光電池セルと呼ばれる。 通常の構造においては、CuInGaSe 吸収層は、その上にモリブデン膜が堆積されているソーダ石灰ガラス基材上に形成又は「成長」される。 興味深いことに、モリブデン膜を通って拡散するソーダ石灰ガラス基材からの少量のナトリウムがセルの効率を増加させるように働くことが見出された。 例えば、K. Ramanathanら, Photovolt. Res. Appl. 11 (2003), 225;John H. Scofieldら, Proc. of the 24th IEEE Photovoltaic Specialists Conference, IEEE, New York, 1995, 164-167を参照。 かかる効率向上は、CIGSセルがソーダ石灰ガラス基材上に堆積されている構造において自然に実現されるが、他のタイプの基材を用いる場合に効率向上を実現することは相当により困難であることが分かっている。

    例えば、可撓性の基材上にCIGSセルを形成して、セルをより軽量にすることができ且つ種々の形状により容易に適合させることができるようにすることに大きな興味が持たれている。 かかるセルが製造されて使用されているが、用いられている可撓性の基材はナトリウムを含まない。 したがって、かかる基材上に製造されるCIGSセルの性能は、モリブデン層にナトリウムをドープすることによって向上させることができる。 例えば、Jae Ho Yunら, Thin Solid Films, 515, 2007, 5876-5879を参照。

    K. Ramanathanら, Photovolt. Res. Appl. 11 (2003), 225 John H. Scotfieldら, Proc. of the 24th IEEE Photovoltaic Specialists Conference, IEEE, New York, 1995, 164-167 Jae Ho Yunら, Thin Solid Films, 515, 2007, 5876-5879

    本発明の一態様による複合金属粉末を製造する方法には、モリブデン金属粉末の供給物を与え;カリウム化合物の供給物を与え;モリブデン金属粉末及びカリウム化合物を液体と混合してスラリーを形成し;スラリーを高温ガスの流れの中に送り込み;そして複合金属粉末を回収する;ことを含ませることができる。 この方法にしたがって製造される複合金属粉末も開示する。

    複合金属粉末を製造する他の態様には、モリブデン金属粉末の供給物を与え;モリブデン酸カリウム粉末の供給物を与え;モリブデン金属粉末及びモリブデン酸カリウム粉末をと混合してスラリーを形成し;スラリーを高温ガスの流れの中に送り込み;そして複合金属粉末を回収する;ことを含ませることができる。 この方法にしたがって製造される複合金属粉末も開示する。

    また、モリブデン金属粉末の供給物を与え;カリウム化合物の供給物を与え;モリブデン金属粉末及びカリウム化合物を液体と混合してスラリーを形成し;スラリーを高温ガスの流れの中に送り込み;そして複合金属粉末を回収する;ことによって複合金属粉末の供給物を製造し;複合金属粉末を固化成形して、カリウム/モリブデン金属マトリクスを含む金属物品を形成する;ことを含む金属物品の製造方法も開示する。 この方法にしたがって製造される金属物品も開示する。

    本明細書に与える教示による光電池セルを製造する方法には、基材を与え;基材上にカリウム/モリブデン金属層を堆積させ;カリウム/モリブデン金属層の上に吸収層を堆積させ;そして、吸収層の上に接合相手層を堆積させる;ことを含ませることができる。

    基材上にカリウム/モリブデン膜を堆積させる方法には、モリブデン及びカリウムを含む複合金属粉末の供給物を与え;そして、熱溶射によって基材上に複合金属粉末を堆積させる;ことを含ませることができる。 基材上に膜を堆積させる他の方法には、カリウム/モリブデン金属マトリクスを含むターゲットをスパッタし;材料をターゲットからスパッタしてカリウム/モリブデン膜を形成する;ことを含ませることができる。 基材を被覆する他の方法には、モリブデン及びカリウムを含む複合金属粉末の供給物を与え;そして複合金属粉末を蒸着してカリウム/モリブデン膜を形成する;ことを含ませることができる。 基材を被覆する方法には、モリブデン及びカリウムを含む複合金属粉末の供給物を与え;複合金属粉末の供給物をビヒクルと混合し;そして複合金属粉末とビヒクルの混合物を印刷によって基材上に堆積させる;ことを含ませることができる。

    一態様による金属物品を製造する方法には、カリウム/モリブデン複合金属粉末の供給物を与え;カリウム/モリブデン複合金属粉末を、予備成形物品を形成するのに十分な圧下で圧縮成形し;予備成形物品を密閉容器内に配置し;密閉容器の温度を、モリブデンの焼結温度よりも低い温度に上昇させ;そして、密閉容器を、物品の密度を少なくとも理論密度の約90%に増加させるのに十分な時間等方圧にかける;ことを含ませることができる。 また、この方法にしたがって製造される金属物品も開示する。

    金属物品を製造する他の方法には、カリウム/モリブデン複合金属粉末の供給物を与え;カリウム/モリブデン複合金属粉末を、予備成形物品を形成するのに十分な圧力下で圧縮成形し;予備成形物品を密閉容器内に配置し;密閉容器の温度を、モリブデン酸カリウムの融点よりも低い温度に上昇させ;そして密閉容器を、物品の密度を少なくとも理論密度の約95%に増加させるのに十分な時間等方圧にかける;ことを含ませることができる。

    本発明の代表的で現在好ましい態様を添付の図面に示す。

    図1は、カリウム/モリブデン複合金属粉末を製造するために用いることができる基本的なプロセス工程の一態様の概要図である。

    図2は、複合金属粉末混合物を処理するための方法を示すプロセスフローチャートである。

    図3は、カリウム/モリブデン金属層を有する光電池セルの拡大立面断面図である。

    図4は、カリウム/モリブデン複合金属粉末生成物の第1の試料部分の500倍の走査電子顕微鏡写真である。

    図5aは、カリウム/モリブデン複合金属粉末生成物の第2の試料部分の走査電子顕微鏡写真である。

    図5bは、図5aの画像におけるカリウムの分散を示すエネルギー分散型X線分光法によって作成したスペクトルマップである。
    図5cは、図5aの画像のモリブデンの分散を示すエネルギー分散型X線分光法によって作成したスペクトルマップである。

    図6は、パルス燃焼噴霧乾燥装置の一態様の概要図である。

    図7は、モリブデン金属層上に形成されたカリウム/モリブデン金属層を有する光電池セルの他の態様の拡大立面断面図である。

    図8aは、容器及び予備成形金属物品の分解斜視図である。

    図8bは、予備成形金属物品を含む密閉容器の斜視図である。

    図9は、実施例の方法にしたがって製造することができる金属物品の絵画図である。

    図10は、カリウム/モリブデン乾式ブレンド粉末を製造する方法のプロセスフローチャートである。

    「ナトリウム/モリブデン複合金属粉末、その生成物、及び光電池セルを製造する方法」と題された米国特許出願公開2009/0181179(開示されている全ての事項に関して参照として本明細書中に明確に包含する)においては、ナトリウム/モリブデン複合金属粉末に関する本発明者らのこれまでの研究が記載されている。 より具体的には、この特許出願には、ナトリウム/モリブデン複合金属粉末、かかる粉末をどのようにして製造するか、及びこのナトリウム/モリブデン複合金属粉末をCIGSデバイスの製造においてそれらの効率を増加させるためにどのようにして用いることができるかが記載されている。 また、「黄銅鋼吸収層を有する太陽電池」と題されたProbstらの米国特許5,626,688において説明されているように、カリウム(K)及びリチウム(Li)のような他の第IA族アルカリ金属を加えても同様の効率の向上が得られる。 また、第IA族アルカリ金属を加えるとCIGSデバイスにおける欠陥を消滅させることもできる。

    本発明は、第IA族アルカリ/モリブデン複合金属粉末及び粉末ブレンド、かかる複合金属粉末及び粉末ブレンドの製造方法、並びにかかる複合金属粉末及び粉末ブレンドをCIGSデバイスの製造においてそれらの効率を増加させるためにどのようにして用いることができるかに関する。 理論実施例及び実施例は、モリブデン酸カリウムなどの種々のカリウム化合物からカリウム/モリブデン複合金属粉末及び粉末ブレンドを製造することを包含する。 また、スパッタターゲットとして用いるのに好適な金属物品の製造を包含する理論実施例及び実施例も与える。 スパッタターゲットを用いて、CIGSデバイスの製造においてカリウムをドープしたモリブデン金属被膜を堆積させることができる。

    ここで図1を参照すると、カリウム/モリブデン複合金属粉末生成物12を製造するための噴霧乾燥プロセス又は方法10には、モリブデン金属粉末の14の供給物、及び例えばモリブデン酸カリウム(K MoO )粉末のようなカリウム化合物16の供給物を与えることを含ませることができる。 モリブデン金属粉末14及びモリブデン酸カリウム粉末16を、水のような液体18と混合してスラリー20を形成する。 次に、カリウム/モリブデン複合金属粉末12を生成させるために、スラリー20を例えばパルス燃焼噴霧乾燥機22によって噴霧乾燥することができる。

    主として図2を参照すると、噴霧乾燥プロセス10によって生成するカリウム/モリブデン複合金属粉末12を、種々のプロセス及び用途(これらの多くは本明細書において示され且つ記載し、他のものは本明細書に与える教示を熟知するようになった後は当業者に明らかになるであろう)のための供給材料24として、回収したまま又は「未処理」形態で用いることができる。 或いは、「未処理」複合金属粉末12は、供給材料24として用いる前に、例えば焼結26、分級28、又はこれらの組合せによって更に処理することができる。

    カリウム/モリブデン複合金属粉末供給材料24(例えば「未処理」形態か又は処理形態のいずれか)は、図3において最もよく示されているように、基材34上にカリウム/モリブデン膜32を堆積させるために、熱溶射堆積プロセス30において用いることができる。 かかるカリウム/モリブデン膜32は、広範囲の用途において用いて利益をもたらすことができる。 例えば、下記に更に詳細に記載するように、カリウム/モリブデン膜32は光電池セル36の一部を構成することができ、光電池セル36の効率を向上させるために用いることができる。 別の堆積プロセスにおいては、複合金属粉末12は印刷プロセス38において供給材料24として用いることもでき、これを用いて基材34上に印刷されたカリウム/モリブデン膜又は被膜32'を形成することもできる。 更に他の形態においては、複合金属粉末12は、蒸着プロセス39において供給材料24として用いて、蒸着カリウム/モリブデン膜又は被膜32”を堆積させることができる。

    更に他の態様においては、複合金属粉末供給材料24(ここでも「未処理」形態か又はその処理形態のいずれか)は、スパッタターゲット44のような金属生成物42を製造するために、工程40において固化成形することができる。 金属生成物42は、固化成形から直接「そのまま」で使用することができる。 或いは、固化成形した生成物を例えば焼結46によって更に処理することができ、この場合には、金属生成物42は焼結金属生成物を構成する。 金属生成物42がスパッタターゲット44(即ち、焼結形態又は非焼結形態のいずれか)を含む場合には、スパッタターゲット44は、基材34上にスパッタカリウム/モリブデン膜32”'を堆積させるためにスパッタ堆積装置(図示せず)において用いることができる。図3を参照。

    ここで図4及び5a〜cを参照すると、カリウム/モリブデン複合金属粉末生成物12は、それ自体はより小さい粒子の凝集体である概して球状の複数の粒子を含む。 更に、図5a〜cによって分かるように、カリウムはモリブデン内に高度に分散している。 即ち、本発明のカリウム/モリブデン複合粉末は、カリウム金属粉末とモリブデン金属粉末の単なる配合物ではなく、一緒に融着又は凝集しているカリウム及びモリブデンの亜粒子の実質的に均質な分散物又は複合混合物を構成する。

    本明細書に与える教示によるカリウム/モリブデン金属複合粉末12はまた、約1.5g/cc〜約3g/ccの範囲のスコット密度を有する高密度のものでもある。 カリウム/モリブデン複合金属粉末12はまた、適当な篩別又は分級の後に流動性でもある。

    本発明の大きな有利性は、カリウム/モリブデン複合金属粉末生成物12によって、従来の方法によっては達成するのが困難なモリブデンとカリウムの組合せを与えることである。 更に、カリウム/モリブデン複合金属粉末12は粉末材料を構成するが、これはカリウム及びモリブデン粒子の単なる混合物ではない。 そうではなく、複合粉末12は、実際に一緒に融着しているカリウム及びモリブデンを含む亜粒子を含んでいるので、粉末金属生成物12の個々の粒子はカリウム及びモリブデンの両方を含む。 したがって、本発明によるカリウム/モリブデン複合粉末12を含む粉末供給材料24は、カリウム粒子及びモリブデン粒子に(例えば比重の差によって)分離しない。 更に、堆積プロセスはそれぞれ異なる堆積速度を有する別々のモリブデン及びカリウムの共堆積には依存していないので、複合金属粉末12から形成される金属物品(例えば42)、並びにカリウム/モリブデン複合金属粉末12又は金属物品42から製造される被膜又は膜(例えば、32、32'、32”、及び32”')は、カリウム/モリブデン金属複合粉末12又は物品42の組成と同様の組成を有する。

    カリウムがモリブデン全体にわたって高度に且つ均質に分散されている複合金属粉末生成物12を与える能力に関連する有利性に加えて、モリブデン酸カリウムは、モリブデン酸ナトリウムとは異なり水和形態を有しない。 したがって、本明細書に記載するカリウム/モリブデン複合金属粉末12から形成されるプレス又は圧縮成形物品42は、ナトリウム/モリブデン複合金属粉末から形成される物品と比較して、時間と共に生起する可能性があるクラッキング及び他の構造的な問題を起こす傾向をより低くすることができる。

    更に他の有利性は、本発明のカリウム/モリブデン複合金属粉末12の比較的高い密度及び流動性(即ち篩別の後)に関連するものである。 高い密度及び流動性により、カリウムモリブデン複合金属粉末12を、広範囲の熱溶射堆積装置及び関連するプロセスにおいて容易に用いて、種々の基材上にカリウム/モリブデン膜又は被膜を堆積させることができる。 粉末12はまた、冷間及び熱間等方圧プレスプロセス、並びにプレス及び焼結プロセスのような広範囲の固化成形プロセスにおいて用いることもできる。 良好な流動性(即ち篩別の後)によって、本明細書に開示する粉末を成形型キャビティーに容易に充填することができ、一方、高い密度はその後の焼結中に起こる可能性がある部品の収縮を最小にするように働く。 焼結は、所望の場合には成形体の酸素含量を更に減少させるために不活性雰囲気中又は水素中で加熱することによって行うことができる。

    他の態様においては、カリウム/モリブデン複合金属粉末12を用いてスパッタターゲット44を形成することができ、これは次に引き続くスパッタ堆積プロセスにおいて用いてカリウム/モリブデン膜又は被膜を形成することができる。 一態様においては、かかるカリウム/モリブデン膜を用いて、CIGSタイプの光電池セルのエネルギー変換効率を増加させることができる。

    本発明のカリウム/モリブデン複合金属粉末12を簡単に記載したが、それらを製造する方法、及びそれらをどのようにして用いて基材上のカリウム/モリブデン被膜又は膜を生成させることができるか、複合粉末の種々の態様、並びに複合粉末を製造する方法及び使用する方法を、ここで詳細に記載する。

    ここで主として図1に戻って参照すると、カリウム/モリブデン複合粉末12を製造する方法10には、モリブデン金属粉末14の供給物、及び第IA族アルカリ金属又は金属化合物16の供給物を与えることを含ませることができる。 第IA族アルカリ金属又は金属化合物16の例としては、カリウム、カリウム化合物、リチウム、及びリチウム化合物が挙げられる。 他の態様には、ナトリウム及び/又はナトリウム化合物、カリウム及び/又はカリウム化合物、リチウム及び/又はリチウム化合物のような第IA族アルカリ金属化合物の混合物を含ませることができる。

    モリブデン金属粉末14は、約0.1μm〜約15μmの範囲の粒径を有するモリブデン金属粉末を含んでいてよいが、他の寸法を有するモリブデン金属粉末14を用いることもできる。 本発明において用いるのに好適なモリブデン金属粉末は、Climax Molybdenum, a Freeport-McMoRan Companyから商業的に入手することができる。 或いは、他の供給源から及び他のプロセスから製造されるモリブデン金属粉末を同様に用いることができる。 例えば、他の態様においては、モリブデン金属粉末14は、噴霧乾燥モリブデン金属粉末を含んでいてよい。 更に他の態様においては、モリブデン金属粉末14は、「モリブデン金属粉末」と題されたKhanらの米国特許7,625,421(開示されている全ての事項に関して参照として明確に本明細書中に包含する)に記載されている任意のもののような、高い密度を低い焼結温度と組み合わせて有するモリブデン金属粉末を含んでいてよい。

    第IA族アルカリ金属又は金属化合物16がカリウムを含む例においては、モリブデン酸カリウム(K MoO )を用いることができる。 或いは、元素状カリウム、酸化カリウム(K O)、及び水酸化カリウム(KOH)など(しかしながらこれらに限定されない)の他の形態のカリウムを用いることができる。 モリブデン酸カリウム(K MoO )は水性形態で与えることができ、本明細書に記載するスラリーを形成するために好都合に用いることができる。 或いは、粉末形態のモリブデン酸カリウムをカリウム化合物16として用いることもできる。 粉末形態を用いる場合には、モリブデン酸カリウムは水中に可溶であるので、液体18として水を用いる態様においてはモリブデン酸カリウム粉末の粒径は特に重要ではない。 本発明において用いるのに好適なモリブデン酸カリウム粉末は、Broomfield, CO, 80020 (米国)のAAA Molybdenum Products, Inc.から商業的に入手することができる。 或いは、他の供給源からのモリブデン酸カリウム粉末を同様に用いることができる。

    第IA族アルカリ金属又は金属化合物16がリチウムを含む態様においては、モリブデン酸リチウム(Li MoO )を用いることができる。 或いは、例えば水酸化リチウム(LiOH)、炭酸リチウム(Li CO )、及び酸化リチウム(Li O)などの他の形態のリチウムを用いることができる。

    ナトリウムとカリウムの組合せのような複数の第IA族アルカリ金属化合物の混合物を含む態様においては、モリブデン酸ナトリウム(Na MoO )とモリブデン酸カリウム(K MoO )の混合物を用いることができる。 本発明者らは、モリブデン酸ナトリウムとモリブデン酸カリウムの混合物から形成される複合金属粉末は、ナトリウム及びカリウムの両方に関連する有利性を与えると考える。 例えば、ナトリウム−カリウム/モリブデン複合金属粉末から形成されるスパッタターゲット44から製造されるCIGSタイプの光電池セルは、通常はナトリウムの存在に関連する効率の向上を示すことができ、一方、スパッタターゲット44自体は本明細書に記載するカリウムの存在に関連する利益を示すことができる。

    モリブデン金属粉末14及び第IA族アルカリ金属又は金属化合物16(例えばモリブデン酸カリウム)を、液体18と混合してスラリー20を形成することができる。 一般的に言えば、液体18は脱イオン水を含んでいてよいが、本明細書に与える教示に熟知するようになった後には当業者に明らかとなるように、アルコール、揮発性液体、有機液体、及びこれらの種々の混合物のような他の液体を用いることもできる。 したがって、本発明は、本明細書に記載する特定の液体18に限定されるとみなすべきではない。 液体18に加えて、バインダー48を同様に用いることができるが、バインダー48の添加は必須ではない。

    本発明において用いるのに好適なバインダー48としては、ポリビニルアルコール(PVA)、多数のポリエチレングリコールの任意のもの(例えば、Carbowaxの登録商標のバリエーションで販売されているもの)、並びにこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。 バインダー48は、モリブデン金属粉末14及びモリブデン酸カリウム16を加える前に液体18と混合することができる。 或いは、バインダー48は、スラリー20に、即ちモリブデン金属14及びモリブデン酸カリウム16を液体18と混合した後に加えることができる。

    スラリー20には、約15重量%〜約25重量%の液体(例えば、液体18単独、或いはバインダー48と混合した液体18のいずれか)を含ませることができ、残りはモリブデン金属粉末14及び第IA族金属又は金属化合物16を含む。 第IA族金属又は金属化合物16(例えばモリブデン酸カリウム)は、所望量の「残留」カリウムを有する複合金属粉末12及び/又は最終生成物を与えるのに好適な量で加えることができる。 残留カリウムの量は広範囲のファクターによって変動するので、本発明はいかなる特定の量のカリウム化合物16の供給にも限定されるとみなすべきではない。

    スラリー20中に与えられるカリウム化合物16の量に影響を与える可能性があるファクターとしては、製造する特定の生成物、カリウム/モリブデン複合金属粉末12をその後に焼結するかどうかによって、及び所望量の残留カリウムが粉末供給材料(例えば24)中又は堆積した膜又は被膜(例えば32、32'、32”、32”')中に存在するかどうかによって用いる可能性がある特定の「下流」のプロセスが挙げられるが、これらに限定されない。 例として、モリブデン金属14とモリブデン酸カリウム16の混合物には、約1重量%〜約31重量%のモリブデン酸カリウム16を含ませることができる。 しかしながら、幾つかの用途、例えばカリウム/モリブデン複合金属粉末12をその後にスパッタターゲット44に圧縮成形する場合には、スパッタターゲット44の製造中にクラックが形成される可能性を減少させるために、スラリー20中のモリブデン酸カリウム16の量を、約10重量%以下、より好ましくは約9重量%以下に制限することが好ましい可能性がある。 したがって、スラリー20全体に約0重量%(即ちバインダーなし)〜約2重量%のバインダー48を含ませることができる。 スラリー20の残りは、(例えば約52重量%〜約84重量%の範囲の量の)モリブデン金属粉末14、及び(例えば約1重量%〜約31重量%の範囲の量の)モリブデン酸カリウム16を含んでいてよい。

    モリブデン酸ナトリウム及びモリブデン酸カリウムの組合せを用いて形成されるスラリーのような複数の第IA族アルカリ金属の組合せを含む態様においては、モリブデン酸塩化合物(例えばナトリウム及びカリウムのモリブデン酸塩)の合計の全量は、単一のアルカリ化合物を含むスラリーに関するものとほぼ同等である。 例えば、モリブデン酸ナトリウム及びモリブデン酸カリウムのスラリー20の態様においては、モリブデン酸ナトリウムは約5重量%の量で加えることができる。 同様に、モリブデン酸カリウムは約5重量%の量で加えることができる。 或いは、本明細書に与える教示に熟知するようになった後は当業者に明らかになるように、他の割合を用いることができる。 したがって、本発明は、スラリー20又は最終の噴霧乾燥複合粉末生成物12中のナトリウム及びカリウムのいかなる特定の割合にも限定されるとみなすべきではない。

    形成した後は、スラリー20は、複合金属粉末生成物12を製造するための当該技術において現在公知であるか或いは将来開発される可能性がある任意の広範囲のプロセスによって噴霧乾燥することができる。 したがって、本発明は、いかなる特定の乾燥プロセスにも限定されるとみなすべきではない。 しかしながら、一態様においては、スラリー20をパルス燃焼噴霧乾燥機22内で噴霧乾燥することができる。 パルス燃焼噴霧乾燥機22は、「金属粉末及びその製造方法」と題されたLarink, Jr.の米国特許7,470,307(開示されている全ての事項に関して明確に参照として本明細書中に包含する)に示され且つ記載されているタイプのものであってよい。

    ここで図1及び6を参照すると、スラリー20をパルス燃焼噴霧乾燥機22中に供給して、それによってスラリー20を、音速又はそれ付近のパルス状の高温ガス(又は複数種のガス)50の流れに衝突させることができる。 高温ガス50の音波パルスがスラリー20に接触し、スラリー20を構成する水及び揮発性成分の実質的に全部を除去して、複合金属粉末生成物12が形成される。 高温ガス50のパルス流の温度は、約300℃〜約800℃、例えば約465℃〜約537℃の範囲、より好ましくは約500℃であってよい。 高温ガス50のパルス流の温度は、スラリー20中のモリブデンの融点より低いが、スラリー20中に含まれる第IA族アルカリ金属又は金属化合物の融点に近いか又は更にはこれよりも僅かに高くてよい。 しかしながら、スラリー20は、通常はスラリー20に相当量の熱が移動するのに十分に長くは高温ガス50と接触させない。 これは、カリウム及び幾つかのカリウム化合物の低い融点のために重要である。 例えば、典型的な態様においては、スラリー20は一般に高温ガス50のパルス流との接触中に約93℃〜約121℃の範囲の温度に加熱される。

    上述したように、高温ガス50のパルス流は、当該技術において周知であり、容易に商業的に入手できるタイプのパルス燃焼システム22によって生成させることができる。 パルス燃焼システム22には、米国特許7,470,307に示され且つ記載されているタイプのパルス燃焼システムを含ませることができる。 ここで図6を参照すると、燃焼空気51を、入口52を通してパルス燃焼システム22の外側シェル54中に低い圧力で供給(例えばポンプ送入)することができ、これによって一方向空気バルブ56を通して流れる。 空気は次に同調燃焼室58に導入され、ここで燃料バルブ又はポート60を介して燃料を加える。 次に、燃料−空気混合物をパイロット62によって点火して高温燃焼ガス64のパルス流を生成させ、これは例えば燃焼ファン圧よりも約15kPa(約2.2psi)〜約20kPa(約3psi)高い範囲の種々の圧力に加圧することができる。 高温燃焼ガス64のパルス流は、排気管66を噴霧器68に向かって下方に高速で流れる。 噴霧器68の直上において、入口72を通して急冷空気70を供給することができ、所望の温度を有する高温ガス50のパルス流を得るために、これを高温燃焼ガス64とブレンドすることができる。 噴霧器68を通してスラリー20を高温ガス50のパルス流中に導入する。 次に、噴霧したスラリーを円錐形の出口74内に分散させて、その後に通常の大型の乾燥室(図示せず)に導入することができる。 更に下流において、サイクロン及び/又はバグハウス(これも図示しない)のような標準的な回収装置を用いて複合金属粉末生成物12を回収することができる。

    パルス運転において、空気バルブ56をサイクルで開放及び閉止して、交互に、空気を燃焼室58中に導入し、その燃焼のために閉止する。 かかるサイクル運転においては、空気バルブ56は、前段の燃焼を行った直後に次のパルスのために再開放することができる。 次に、再開放によってその後の空気充填物(例えば燃焼空気51)を導入することができる。 次に、燃料バルブ60によって燃料を再導入し、上記に記載のように燃焼室58内で混合物を自動点火する。 空気バルブ56の開放及び閉止、並びにパルス形態の室58内での燃料の燃焼のこのサイクルは、種々の周波数、例えば約80Hz〜約110Hzで制御することができるが、他の周波数を用いることもできる。

    本明細書に記載するパルス燃焼噴霧乾燥プロセスによって製造することができる「未処理」のカリウム/モリブデン複合金属粉末生成物12を図4に示し、これは、それ自体はより小さい粒子の凝集体である概して球状の形状の複数の粒子を含む。 カリウムはモリブデン内に高度に分散しているので、粉末生成物12は、一緒に融着しているカリウム及びモリブデンの亜粒子の実質的に均質な分散物又は複合混合物を含む。 図5a〜cを参照。

    本明細書に与える教示にしたがって製造することができる複合金属粉末生成物12は広範囲の粒径を含み、例えば約5μm〜約75μmの範囲の寸法のような約1μm〜約150μmの範囲の寸法を有する粒子は、本明細書に与える教示にしたがうことによって容易に製造することができる。 勿論、これらの範囲の外側の寸法を有する粒子の小さいフラクションが製造される可能性もある。 複合金属粉末生成物12は、所望の場合には例えば工程28(図2)において篩別又は分級して、所望の場合にはより狭い寸法範囲及び増加した流動性を有する生成物12を与えることができる。

    カリウム/モリブデン複合金属粉末12は高密度のものであり、適当な篩別/分級28の後に完全に流動性である。 例えば、本明細書に与える教示にしたがって製造される複合金属粉末生成物12は、約1.5g/cc〜約3g/ccの範囲のスコット密度(即ち見かけ密度)を示すことができ、1つの特定の粉末の例は表IIIにおいて報告するように約2.7g/ccのスコット密度を示す。

    幾つかの場合においては、残留量の液体(例えば液体18及び/又は用いる場合にはバインダー48)が、得られる「未処理」の複合金属粉末生成物12中に残留する可能性がある。 その場合には、残留液体18は、その後の焼結又は加熱工程26によって(例えば部分的又は完全に)除去することができる。 図2を参照。 加熱又は焼結プロセス26は、液体成分及び酸素を除去するために適度な温度で行わなければならない。 例として、加熱26は約500℃〜約1050℃の範囲内の温度で行うことができるが、より高い温度は最終複合金属粉末生成物12中の残留カリウムの量を減少させると思われる。 多少のカリウムが加熱26中に失われて、これによって焼結又は供給材料生成物24中の残留カリウムの量が減少する可能性がある。 加熱26に起因するカリウムの考えられる損失は、スラリー20に供給するカリウムの量を増加させることによって補償することができる。

    かかる加熱26を行う場合には、複合金属粉末12の酸化を最小にするために、水素雰囲気中でかかる加熱26を行うことが一般に好ましいが、必須ではない。 残留酸素は低く、約31重量%のカリウムを含むスラリーに関しては約9%未満でなければならず、1つの特定の粉末の例は、これも表IIIにおいて報告するように約1.7重量%の残留酸素レベルを示す。

    金属粉末生成物の凝集体は、加熱工程26の後においてもそれらの形状(例えば実質的に球状)を保持すると考えられる。 而して、カリウム/モリブデン複合金属粉末12の流動性は、行う可能性がある全てのかかる加熱26によって影響を受けないと考えられる。

    上述したように、幾つかの場合においては、種々の寸法の凝集生成物が乾燥プロセス中に生成すると考えることができ、複合金属粉末生成物12を更に分離又は分級して所望の生成物寸法範囲内の寸法範囲を有する金属粉末生成物にすることが望ましい可能性がある。 例えば、多くの態様においては、生成する複合金属粉末材料の殆どは広範囲(例えば約1μm〜約150μm)の粒径を含み、生成物の相当量は約5μm〜約75μm(即ち−200USメッシュ)の範囲である。

    このプロセスによってこの生成物寸法範囲内の相当割合の生成物を生成させることができるが、所望の生成物寸法範囲の外側の残りの生成物、特により小さい生成物が存在する可能性があり、これらはシステムを通して再循環することができるが、液体18(例えば水)を再び加えて適当なスラリー組成物を生成させなければならない。 かかる再循環は随意的な代わりの(又は更なる)1つ又は複数の工程である。

    複合金属粉末12は、種々のプロセス及び用途(これらの幾つかは本明細書に示し且つ記載しており、他のものは本明細書に与える教示に熟知するようになった後は当業者に明らかになるであろう)のための供給材料24として、その回収したまま又は「未処理」の形態で用いることができる。 或いは、「未処理」の複合金属粉末生成物12は、供給材料24として用いる前に、例えば上記に記載したように、加熱又は焼結26によるか、分級28によるか、及び/又はこれらの組合せなどによって更に処理することができる。

    カリウム/モリブデン複合金属粉末12は、種々の装置及びプロセスにおいて用いて、基材上にカリウム/モリブデン膜を堆積させることができる。 1つの用途においては、かかるカリウム/モリブデン膜を用いて、光電池セルの製造において利益を与えることができる。 例えば、CIGS光電池セルのエネルギー変換効率は、光電池セルのオーミック接触を形成するのに通常用いられるモリブデン層中にナトリウムを拡散させると増加させることができることが公知である。 ナトリウムに加えて、カリウム及びリチウムのような他の第IA族アルカリ金属は同様の効率の向上を与える。

    ここで図3を参照すると、光電池セル36には、その上にカリウム/モリブデン膜32、32'、32”、32”'を堆積させることができる基材34を含ませることができる。 基材34には、例えばステンレススチール、可撓性ポリマーフィルム、或いは、かかる装置のために好適であるか又は好適であると思われる当該技術において現在公知であるか又は将来開発される可能性がある他の基材材料のような任意の広範囲の基材を含ませることができる。 次に、カリウム/モリブデン膜32、32'、32”、32”'を、当該技術において現在公知であるか又は将来開発される可能性がある任意の広範囲のプロセスによって、しかしながら幾つかの形態においては、カリウム/モリブデン複合金属粉末材料12を用いて、基材34上に堆積させることができる。 例えば、下記に更に詳細に記載するように、カリウム/モリブデン膜は、熱溶射堆積、印刷、蒸着、又はスパッタリングによって堆積させることができる。

    カリウム/モリブデン膜(例えば、32、32'、32”、32”')を基材34上に堆積させた後、吸収層76をカリウム/モリブデン膜上に堆積させることができる。 例として、吸収層76には、銅、インジウム、ガリウム、及びセレンからなる群から選択される1以上を含ませることができる。 吸収層76は、所期の用途のために好適であるか又は好適であると思われる当該技術において公知であるか又は将来開発される可能性がある任意の広範囲の方法によって堆積させることができる。 したがって、本発明はいかなる特定の堆積プロセスにも限定されるとみなすべきではない。

    次に、接合相手層78を吸収層76上に堆積させることができる。 接合相手層78には、硫化カドミウム及び硫化亜鉛からなる群から選択される1以上を含ませることができる。 最後に、透明導電酸化物層80を接合相手層78上に堆積させて光電池セル36を形成することができる。 接合相手層78及び透明導電酸化物層80は、これらの材料を堆積させるのに好適であるか又は好適であると思われる当該技術において現在公知であるか或いは将来開発される可能性がある任意の広範囲のプロセス及び方法によって堆積させることができる。 したがって、本発明はいかなる特定の堆積プロセスにも限定されるとみなすべきではない。

    他の態様においては、カリウム/モリブデン膜(例えば、32、32'、32”、32”')は、他の構造配置を有するCIGS光電池セル中に含ませることができる。 例えば、セル構造が基材の構造と比べて反転又は逆転しているスーパーストレート構造(その一例をちょうど記載した)にしたがってCIGS光電池デバイスを構成することも公知である。 また多接合構造も公知であり、これも本発明の教示から利益を享受することができるであろう。 しかしながら、CIGS光電池デバイスに関する種々のタイプの構造、配置、及び製造技術は当該技術において公知(活性層に隣接する層の上にカリウム/モリブデン膜を与えることは除く)であり、本発明の教示に熟知するようになった後は当業者によって容易に実施することができるので、CIGS光電池セルを構成するために用いることができる特定の構造及び製造技術は本明細書において更に詳細には記載しない。

    上述したように、カリウム/モリブデン層又は膜32、32'、32”、32”'は、任意の広範囲のプロセスによって堆積させることができる。 約1原子%〜約15原子%の範囲(約1〜3原子%が好ましい)のカリウム濃度が、殆どのCIGSタイプの光電池セルにおいて所望の効率の増大を与えるのに十分であると考えられる。 したがって、供給材料24中に存在する残留カリウムは、得られるカリウム/モリブデン膜32中のカリウムの所望のレベルを与えるために、必要に応じて調節又は変化させることができる。 一般的に言えば、供給材料24中に約0.3重量%〜約11.3重量%の範囲の残留カリウムレベルが、カリウム/モリブデン膜32中の所望の程度のカリウムの富化を与えるのに十分であると考えられる。 かかる残留カリウムレベル(例えば約0.3重量%〜約11.3重量%)は、約3重量%〜約31重量%のモリブデン酸カリウムを含むスラリー20から製造される「未処理」及び焼結(即ち加熱)供給材料24において達成することができる。

    一態様においては、カリウム/モリブデン膜32は、供給材料24を用いて熱溶射プロセス30によって堆積させることができる。 熱溶射プロセス30は、所望の厚さ及び特性を有するカリウム/モリブデン膜32を基材34上に堆積させるために、任意の広範囲の熱溶射ガンを用い、任意の広範囲のパラメーターにしたがって運転することによって行うことができる。 しかしながら、熱溶射プロセスは当該技術において周知であり、本明細書に与える教示を熟知するようになった後は当業者はかかるプロセスを用いることができるので、用いることができる特定の熱溶射プロセス30は本明細書で更に詳細には記載しない。

    他の態様においては、供給材料24を用いて、印刷プロセス38によってカリウム/モリブデン膜32'を基材34上に堆積させることができる。 供給材料24を好適なビヒクル(図示せず)と混合してインク又は塗料を形成することができ、これを次に任意の広範囲の印刷プロセスによって基材34上に堆積させることができる。 ここでも、かかる印刷プロセスは当該技術において周知であり、本明細書に与える教示に熟知するようになった後は当業者によって容易に実施できるので、用いることができる特定の印刷プロセス38は本明細書において更に詳細には記載しない。

    更に他の態様においては、供給材料24を用いて、蒸着プロセス39によってカリウム/モリブデン膜32”を基材34上に堆積させることができる。例として、一態様においては、蒸着プロセス39は、好適な蒸着装置(これも図示しない)のるつぼ(図示せず)内に供給材料24を配置することを含む。供給材料24は、緩い粉末、圧縮ペレット、又は他の固化成形形態、或いはこれらの任意の組合せのいずれかの形態でるつぼ内に配置することができる。次に、供給材料24をるつぼ内で蒸発するまで加熱し、それによって蒸発した材料を基材34上に堆積させて、カリウム/モリブデン膜32”を形成する。

    蒸着プロセス39は、供給材料24を蒸発させて基材34上に膜32”を堆積させるのに用いることができる当該技術において現在公知であるか又は将来開発される可能性がある任意の広範囲の蒸着装置を用いることができる。したがって、本発明は、いかなる特定のパラメーターにしたがって運転されるいかなる特定の蒸着装置と共に用いることにも限定されるとみなすべきではない。更に、かかる蒸着装置は当該技術において周知であり、本明細書に与える教示を熟知するようになった後は当業者によって容易に実施することができるので、用いることができる特定の蒸着装置は本明細書において更に詳細には記載しない。

    更に他の態様においては、スパッタ堆積プロセスによってカリウム/モリブデン膜32”'を基材34上に堆積させることができる。供給材料24をスパッタターゲット44に処理又は成形し、これを次に膜32”'を形成するためにスパッタする。 当該技術において現在公知であるか又は将来開発される可能性がある任意の広範囲のスパッタ堆積装置を用いて、基材34上に膜32”'をスパッタ堆積させることができる。したがって、本発明は、いかなる特定のパラメーターにしたがって運転されるいかなる特定のスパッタ堆積装置と共に用いることにも限定されるとみなすべきではない。更に、かかるスパッタ堆積装置は当該技術において周知であり、本明細書に与える教示を熟知するようになった後は当業者によって容易に実施することができるので、用いることができる特定のスパッタ堆積装置は本明細書で更に詳細には記載しない。

    カリウムをCIGS光電池デバイス中に含ませるための更に他のバリエーション及び構造が可能である。 例えば、図7に示す他の態様においては、カリウム/モリブデン膜(例えば、132、132'、132”、又は132”')は、基材134上に直接ではなく、基材134上に与えられているモリブデン金属層133上に与えることができる。 即ち、「サブストレート」タイプの構造を有するCIGS光電池セルにおいては、実質的に純粋なモリブデン金属のバックコンタクト層133を基材134上に直接与えることができる。 次に、カリウム/モリブデン膜(例えば、本明細書に記載する種々の技術によって堆積させた132、132'、132”、又は132”')を、モリブデン金属バックコンタクト層133上に堆積させることができる。 吸収層176をカリウム/モリブデン膜層(例えば、132、132'、132”、又は132”')上に与え、次に接合相手層178及び透明導電酸化物層180を既に記載したようにして与えることができる。 かかる構造によって、実質的に純粋なモリブデン金属バックコンタクト層133を用いることを可能にしながら吸収層176に所望量のカリウムが与えられる。

    カリウム/モリブデン膜32”'、132”'をスパッタ堆積によって堆積させる態様においては、工程40においてカリウム/モリブデン複合金属粉末12を固化成形又は成形することによって製造することができる金属生成物12をスパッタターゲット44に含ませることができる。 或いは、スパッタターゲット44は熱溶射30によって形成することができる。 スパッタターゲット44を固化成形40によって製造する場合には、供給材料24を、その「未処理」形態又は処理形態で、工程40において固化成形又は成形して金属生成物(例えばスパッタターゲット44)を生成させることができる。 固化成形プロセス40には、任意の広範囲の圧縮成形、プレス、並びに、特定の用途のために好適であると思われる当該技術において現在公知であるか又は将来開発される可能性がある成形プロセスを含ませることができる。 したがって、本発明はいかなる特定の固化成形プロセスにも限定されるとみなすべきではない。

    固化成形プロセス40には、当該技術において周知である任意の広範囲の冷間等方圧プレスプロセス又は任意の広範囲の熱間等方圧プレスプロセスを含ませることができる。 公知なように、冷間及び熱間等方圧プレスプロセスは両方とも、一般に複合金属粉末供給材料24を所望の形状に固化成形又は成形するために相当な圧力及び熱(熱間等方圧プレスの場合)を適用することを含む。 熱間等方圧プレスプロセスは890℃以上の温度で行うことができる。

    固化成形40の後、得られる金属生成物42(例えばスパッタターゲット44)は「そのまま」用いることができ、或いは更に処理することができる。 例えば、金属生成物42は、金属生成物42の密度を更に増加させるために工程46において加熱又は焼結することができる。 かかる加熱プロセス46は、金属生成物42が酸化され始める可能性を最小にするために水素雰囲気中で行うことが望ましい可能性がある。 一般的に言えば、より高い温度は残留カリウムの量の相当な減少を引き起こす可能性があるので、かかる加熱は約1050℃より低く、より好ましくは約825℃より低い温度で行うことが好ましい。 得られる金属生成物42はまた、使用する前に必要な場合又は所望の場合には機械加工することができる。 かかる機械加工は、最終生成物42を焼結したかどうかにかかわらず行うことができる。

    上記に記載したように、カリウム/モリブデン複合金属粉末12を用いて、スパッタターゲット44のような種々の金属物品42を形成又は製造することができる。 スパッタターゲット44は次に、既に記載したようにして、光電池セルにおいて用いるのに好適であると考えられるカリウム含有モリブデン膜(例えば、膜32”'、132”')を堆積させるために用いることができる。 勿論、スパッタターゲット44を用いて他の用途のためのカリウム含有モリブデン膜を同じように堆積させることができる。

    「ナトリウム/モリブデン粉末成形体及びその製造方法」と題された米国特許出願公開2009/0188789(開示されている全ての事項に関して明確に参照として本明細書中に包含する)には、ナトリウム/モリブデン複合金属粉末を固化成形してスパッタターゲットのような金属物品を形成することに関する本発明者らのこれまでの研究が記載されている。 同様の技術を用いて、CIGSデバイスの製造において好適なスパッタターゲットのようなカリウム/モリブデン粉末成形体を製造することができる。

    より詳しくは、任意のかかるスパッタターゲット44は、ターゲット中の相互接続細孔の存在を減少又は排除し、ターゲットの寿命を最大にし、そして真空スパッタリング室のポンプダウン時間を最小にするために高い密度(例えば少なくとも理論密度の約90%)を有することが望ましい。 かかるスパッタターゲット44は、約3重量%のカリウム含量及び約2.5重量%未満の酸素含量を有することができる。 多くの用途において、約2.5重量%のカリウムレベル及び約2.2重量%未満の酸素レベルを有するスパッタターゲット44は、その後のCIGS製造プロセスにおいて良好な結果を与える。 更に、スパッタターゲット44は、カリウム、酸素、及びモリブデンに関して実質的に化学的に均質である。 即ち、カリウム、酸素、及びモリブデンの量は、ターゲット44全体にわたって約20%より多く変動しない。 また、任意のかかるターゲット44は硬度に関して実質的に物理的に均質であることが一般に望ましい。 即ち、材料の硬度は与えられたターゲット44にわたって約20%より多く変動しない。

    ここで主として図2、8a、及び8bを参照すると、例えばスパッタターゲット44(図2及び9)のような金属物品42(図2)は、所定量のカリウム/モリブデン複合金属粉末12(即ち、供給材料24として)を、予備成形金属物品82を形成するのに十分な圧力下で圧縮成形することによって製造することができる。 図8aを参照。 予備成形金属物品82は、次に、熱間等方圧プレス(図示せず)において用いるのに好適な容器又は型84内に配置することができる。 次に、型84を、例えば型84上にリッド又はキャップ86を溶接して密閉容器88を形成することなどによって密閉することができる。 図8bを参照。 キャップ86には、下記により詳細に記載するようにして密閉容器88を排気して予備成形金属物品82を脱気するために、流体導管又はチューブ90を備えることができる。

    予備成形金属物品82を形成するのに用いるカリウム/モリブデン複合金属粉末12(即ち、供給材料24として)は、上記に記載のようにしてパルス燃焼噴霧乾燥機22からその回収されたまま又は「未処理」の形態で用いることができる。 或いは、既に上記に記載したように、複合金属粉末12は、予備成形金属物品82のための供給材料24として用いる前に、例えば加熱26、分級28、及び/又はこれらの組合せなどによって更に処理することができる。

    更に、粉末12を(例えば工程26において)加熱するか又は(例えば工程28において)分級するかどうかにかかわらず、殆どの場合には、「未処理」のカリウム/モリブデン複合金属粉末生成物12を、低温加熱工程にかけることによってまず乾燥することは必要ではない。 しかしながら、特定の状況に応じて、未処理カリウム/モリブデン複合金属粉末生成物12のかかる低温乾燥は、噴霧乾燥プロセスの後に粉末12中に残留する可能性がある残留湿分及び/又は揮発性化合物を除去するために行うことができる。 また、粉末12を低温乾燥することによって、粉末12の流動性を向上させる更なる利益を与えることもでき、これは粉末12をその後に篩別又は分級する場合に有益である可能性がある。 勿論、加熱工程26に伴うより高い温度のために、粉末12を上記に記載の工程26にしたがって加熱する場合には、かかる低温乾燥プロセスは行う必要はない。

    かかる低温乾燥プロセスを用いることが所望の場合には、このプロセスには、カリウム/モリブデン複合金属粉末12を、乾燥空気のような乾燥雰囲気中で、約100℃〜約200℃の範囲の温度に約2時間〜約24時間の時間加熱することを含ませることができる。

    好適な及び/又は所望の粒径範囲の供給材料24(例えばその「未処理」形態又は乾燥形態のいずれか)を与えた後、カリウム/モリブデン複合金属粉末12を含む供給材料24を、次に圧縮成形して予備成形物品82を形成することができる。 製造する金属物品42がスパッタターゲット44を含む場合には、予備成形物品82には、図8aにおいて最もよく分かるように概して円筒形状の本体を含ませることができるが、他の形状又は構造を用いることができる。

    本明細書に記載するようにして完全に固化成形した後、最終金属物品生成物42(即ち現時点では固化成形した予備成形円筒体)は、次に複数のディスク形状の切片又は片に切断することができる。 ディスク形状の切片又は片は、続いて機械加工して1以上のディスク形状のスパッタターゲット44を形成することができる。 図2及び9を参照。 或いは、勿論、本明細書に与える教示を熟知するようになった後は当業者に明らかになるように、他の形状及び構造を有して他の用途を対象とする金属物品42を本明細書に与える教示にしたがって製造することができる。 したがって、本発明は、特定の形状、構造、及び本明細書に記載する所期の用途を有する金属物品に限定されるとみなすべきではない。

    一態様においては、予備成形物品82は、供給材料24(図2)を円筒形状のダイ(図示せず)内に配置し、粉末供給材料を加圧又は圧縮成形してほぼ固体の物体として挙動するようにするために軸圧力にかける。 一般的に言えば、約69MPa(約5(ショート)トン/平方インチ(tsi))〜約1,103MPa(約80tsi)の範囲の圧縮成形圧によって粉末供給材料24の十分な圧縮成形が与えられて、得られる予備成形物品82が崩壊することなくその後の取扱い及び処理に耐えることができるようになる。

    他の態様においては、予備成形物品82は、供給材料24(図2)を好適な成形型又は型(図示せず)内に配置し、粉末供給材料24を加圧又は圧縮成形して予備成形物品82を形成するために「冷間」等方圧にかける冷間等方圧プレスプロセスによって形成することができる。 約138MPa(約10tsi)〜約414MPa(約30tsi)の範囲の等方圧によって十分な圧縮成形を与える。

    (例えば一軸プレスによるか、冷間等方圧プレスによるか、或いは幾つかの他の圧縮成形プロセスによって)予備成形物品82を製造した後、これを容器84内に密閉し、加熱し、本明細書に記載するようにして等方圧プレスにかけることができる。 しかしながら、場合によっては、それを容器84内に密閉する前に予備成形物品82を加熱することによって、「未処理」の予備成形物品82を更に乾燥することができる。 かかる加熱プロセスを用いる場合には、これは予備成形物品82中に存在する可能性がある湿分又は揮発性化合物を除去するように働く。 かかる加熱は、乾燥した不活性雰囲気(例えばアルゴン)、又は単純に乾燥空気内で行うことができる。 或いは、かかる加熱は真空中で行うことができる。 かかる随意的な加熱工程を用いる場合には、予備成形物品82を、乾燥空気中において、約100℃〜約200℃の範囲の温度(約110℃が好ましい)で約8時間〜約24時間の範囲の時間(約16時間が好ましい)加熱することができる。 或いは、予備成形物品82は、それが重量の更なる損失を示さなくなるまで加熱することができる。

    金属物品42(例えばスパッタターゲット44)を製造するためのプロセス又は方法における次の工程は、熱間等方圧プレス(図示せず)において用いるのに好適な容器又は型84内に予備成形物品82を配置することを含む。 図8aを参照。 一態様においては、容器84には、実質的に固体の円筒形状の予備成形物品82をぴったりと受容するような寸法の概して中空の円筒形状の部材を含ませることができる。 その後、密閉容器88を形成するために、例えばそれに蓋又はキャップ86を溶接することによって型84を密閉することができる。 図8bを参照。 キャップ86には、密閉容器88を排気することができるように流体導管又はチューブ90を備えることができる。

    密閉容器88を構成する種々の部品(例えば84、86、及び90)には、所期の用途のために好適な任意の広範囲の材料を含ませることができる。 しかしながら、最終金属物品生成物42(例えばスパッタターゲット44)中に望ましくない汚染物質又は不純物を導入する可能性がある材料を避けるように、特定の材料を選択する際に注意を払わなければならない。 供給材料24として本明細書に記載するカリウム/モリブデン粉末12を用いる態様においては、容器材料には軟鋼(即ち低炭素鋼)又はステンレススチールを含ませることができる。 いずれの場合においても、特にこれらが低炭素鋼から製造される場合には、型84及びキャップ86の内部部分をバリヤ材料でライニングして、不純物が型84及びキャップ86から拡散することを抑止することが有益である可能性がある。 好適なバリヤ材料にはモリブデン箔(図示せず)を含ませることができるが、他の材料を用いることができる。

    予備成形物品82を容器88内に配置した後、これは、場合によってはチューブ90を好適な真空ポンプ(図示せず)に接続して容器88を排気することによって脱気して、容器88又は金属物品82内に含まれる可能性がある望ましくない湿分又は揮発性化合物を除去することができる。 排気プロセス中は、脱気の進行を助けるために容器88を加熱することができる。 脱気プロセス中に適用することができる真空の量及び温度は特に重要ではないが、一態様においては、密閉容器88を、約1ミリトル〜約1,000ミリトルの範囲の圧力(約750ミリトルが好ましい)に排気することができる。 温度はモリブデンの酸化温度より低い(例えば約395〜400℃)ことが一般に好ましい。 温度は約100℃〜約400℃の範囲であってよく、約250℃の温度が好ましい。 真空及び温度は、約1時間〜約4時間の範囲の時間(約2時間が好ましい)適用することができる。 脱気プロセスが完了したら、汚染物質が密閉容器88に再導入されるのを阻止するためにチューブ90を折り曲げるか又は他の形態で密閉することができる。

    密閉容器88内に与えられる予備成形金属物品82は、次に同時に密閉容器88を等方圧にかけながら更に加熱することができる。 容器88は、予備成形金属物品82の密度を少なくとも理論密度の約90%に増加させるのに十分な時間、それを等方圧にかけながらモリブデン粉末成分の最適焼結温度未満の温度(例えば約1250℃未満の温度など)に加熱しなければならない。 約102メガパスカル(MPa)(約7.5tsi)〜約205MPa(約15tsi)の範囲内で、約4時間〜約8時間の範囲内の時間適用する等方圧が、少なくとも理論密度の約90%、より好ましくは少なくとも理論密度の約95%の密度レベルを達成するのに十分である。

    加熱し且つ等方圧にかけた後、最終圧縮成形物品を密閉容器88から取り出し、最終形態に機械加工することができる。 圧縮成形物品は、モリブデン金属の機械加工に一般的に適用できる技術及び手順にしたがって機械加工することができる。

    燃焼ガスの分析によって測定して約3重量%以上の金属物品スパッタターゲット44のカリウム濃度を容易に得ることができる。 同様に重要なことには(即ち光電池セルの製造のためのカリウム含有モリブデン膜を製造することを目的とするスパッタターゲットに関しては)、鉄レベルは、約3重量%のカリウムレベルにおいても約50ppm未満でなければならない。 スパッタターゲット44の純度は高くなければならず、一般に約1000ppm未満のレベルの不純物(酸素、モリブデン、及びカリウムを除く)を含む。

    上記の記載は、パルス燃焼噴霧プロセス10によって製造される複合金属粉末12、並びに種々の堆積プロセス(例えば熱堆積30、印刷38、及び蒸着39)のため及び金属物品42の製造のための供給材料24としての複合金属粉末12の使用に関する。 しかしながら、幾つかの用途においては、本明細書に記載する種々のプロセス及び金属物品のための供給材料として乾式ブレンド金属粉末を用いることもできる可能性があり、又は更には有利である可能性がある。

    ここで主として図10を参照すると、乾式ブレンドプロセス210によって乾式ブレンドカリウム/モリブデン粉末生成物212を製造することができる。 下記により詳細に記載するように、乾式ブレンドプロセス210を用いて、単純にモリブデン金属粉末と混合する第IA族アルカリ金属又は金属化合物の量を単純に変化させることによって、乾式ブレンド粉末生成物212に、任意の所望量の第IA族アルカリ金属又は金属化合物(例えばモリブデン酸カリウム)又は複数のアルカリ金属化合物(例えば、モリブデン酸ナトリウム及びモリブデン酸カリウム)の組合せを与えることができる。 一般的に言えば、プロセス210はスラリーを構成する液体中の第IA族金属又は金属化合物(例えばモリブデン酸カリウム)の最大溶解度に制限されないので、噴霧乾燥生成物12と比べてより高いレベルの第IA族アルカリ金属(例えば、単独か又はモリブデン酸ナトリウムとブレンドしたモリブデン酸カリウム)を最終乾式粉末ブレンド生成物212中に与えることができる。 しかしながら、得られる乾式粉末ブレンド212は噴霧乾燥粉末生成物12と同じではないことに留意すべきである。 即ち、噴霧乾燥粉末生成物12は一緒に融着又は凝集しているカリウム及びモリブデンを含む亜粒子の実質的に均質な分散物又は複合混合物を含むが、乾式粉末ブレンド212はモリブデン金属とモリブデン酸カリウム粉末の単純な混合物又は配合物を含む。 しかしながら、乾式粉末ブレンド212を用いて利益を与えることができる用途及び状況が存在する可能性がある。

    乾式ブレンドプロセス210には、モリブデン金属粉末214の供給物、及び第IA族アルカリ金属又は金属化合物粉末216の供給物を与えることを含ませることができる。 しかしながら、図1に示す第1の態様10に関する場合のように2種類の粉末供給物214、216を一緒に混合してスラリーを形成する代わりに、乾式ブレンド粉末生成物212を形成するために、2種類の粉末供給物214、216を乾燥形態で一緒に混合又はブレンドする。

    より具体的には、図10に示す配置においては、モリブデン金属粉末214の供給物には、噴霧乾燥プロセス10に関して上記に記載したタイプの「標準的な」モリブデン金属粉末(即ち、従来の技術によって製造されるもの)を含ませることができる。 或いは、モリブデン金属粉末214に噴霧乾燥モリブデン金属粉末を含ませることができる。 更に他の態様においては、モリブデン金属粉末214に、上記で引用した「モリブデン金属粉末」と題されたKhanらの米国特許7,625,421に記載されている任意のもののような高い密度を低い焼結温度と組み合わせて有するモリブデン金属粉末を含ませることができる。

    モリブデン金属粉末供給物214の粒径、及び乾式ブレンド粉末生成物212の所望の粒径に応じて、工程219においてモリブデン金属粉末214を粉砕及び/又は篩別して所望の粒径を生成させることが必要又は望ましい可能性がある。 粉砕工程219には、特定の用途のために好適であるか又は好適であると思われ、モリブデン金属粉末214に関する所望の粒径を達成する当該技術において現在公知であるか又は将来開発される可能性がある任意の広範囲の粉砕装置及び方法を含ませることができる。 代表的な粉砕プロセスとしては、ジェットミル、ボールミル、及び摩擦粉砕が挙げられる。

    モリブデン金属粉末供給物214はまた、モリブデン金属粉末供給物214中に存在する可能性がある湿分を除去又は追い出すために乾燥工程221にかけることができる。 一般的に言えば、乾燥工程221は、存在する湿分(例えば典型的には水)が除去されるのを確保するためにモリブデン金属粉末214を少なくとも約100℃の温度に加熱しなければならない。 乾燥工程221は、粉砕/篩別工程219の前又は後のいずれかに行うことができる。 或いは、乾燥221は粉砕/篩別工程219の不存在下においても行うことができるが、必要な場合には乾燥した生成物の篩別を行って所望の粒径を有する供給材料223を生成させることができる。

    モリブデン金属粉末供給物214を粉砕/篩別219、乾燥221、又はこれらの組合せにかけたかどうかにかかわらず、得られるモリブデン金属粉末は、2種類の粉末を混合するために用いることができる下記に記載するブレンド及び粉砕プロセス231及び233のための供給材料223として用いることができる。

    方法210はまた、第IA族アルカリ金属又は金属化合物216の供給物を与えることを含む。 上記に説明したように、第IA族アルカリ金属又は金属化合物216の例としては、カリウム、カリウム化合物、リチウム、及びリチウム化合物が挙げられる。 本明細書に示し且つ記載する特定の態様においては、第IA族アルカリ金属又は金属化合物はモリブデン酸カリウム(K MoO )を含む。 第IA族アルカリ金属又は金属化合物(例えばモリブデン酸カリウム)は、乾式ブレンドプロセスを促進させるために粉末形態で与えなければならない。

    モリブデン酸カリウム粉末供給物216の粒径、及び乾式ブレンド粉末生成物212の所望の粒径に応じて、工程225においてモリブデン酸カリウム216を粉砕及び/又は篩別して所望の粒径を生成させることが必要又は望ましい可能性がある。 粉砕225には、特定の用途のために好適であるか又は好適であると思われ、モリブデン酸カリウム216の供給物に関する所望の粒径を達成する当該技術において現在公知であるか又は将来開発される可能性がある任意の広範囲の粉砕装置及び方法を含ませることができる。 代表的な粉砕プロセスとしては、ジェットミル、ボールミル、及び摩擦粉砕が挙げられる。

    モリブデン酸カリウム216はまた、モリブデン酸カリウム216中に存在する可能性がある湿分を除去又は追い出すために乾燥工程227にかけることができる。 乾燥工程227は、存在する湿分(例えば典型的には水)が除去されるのを確保するためにモリブデン酸カリウム粉末216を少なくとも約100℃の温度に加熱するように行わなければならない。 乾燥工程227は、粉砕/篩別工程225の前又は後のいずれかに行うことができる。 或いは、乾燥227は粉砕/篩別工程225の不存在下においても行うことができるが、必要な場合には乾燥した生成物の篩別を行って所望の粒径を有する供給材料229を生成させることができる。

    モリブデン酸カリウム216の供給物を粉砕/篩別225、乾燥227、又はこれらの組合せにかけたかどうかにかかわらず、得られるモリブデン酸カリウム粉末は、モリブデン金属粉末供給材料223と混合するための供給材料229として用いることができる。 一態様においては、工程231においてそれらを一緒に混合又はブレンドすることによって、モリブデン酸カリウム粉末供給材料229(即ち、場合によって未処理、粉砕、及び/又は乾燥)をモリブデン金属粉末供給材料223と配合することができる。 ブレンド231には、関与する特定の材料に関して好適であるか又は好適であると思われる当該技術において現在公知であるか又は将来開発される可能性がある任意の広範囲のブレンド又は混合装置及び方法を含ませることができる。 代表的なブレンド装置としては、Vブレンダー及びタービュライザーブレンダーが挙げられる。

    他の態様においては、モリブデン金属粉末供給材料223とモリブデン酸カリウム粉末供給材料229を工程233において粉砕によって混合することができる。 粉砕233には、ボールミル及びジャーミルなどの任意の広範囲の媒体ベースの粉砕プロセスを含ませることができる。 粉砕233は、粉末供給材料233及び229が十分に混合されるまで行うことができる。 粉砕233はまた、混合粉末が所望の粒径を達成するまで行うことができる。

    粉末供給材料223及び229を混合するのに用いる特定のプロセス(例えばブレンド231又は粉砕233)に関係なく、得られる混合粉末は、粉末ブレンド中に存在している可能性がある湿分を除去又は追い出すために乾燥工程235にかけることができる。 乾燥工程235は、粉末ブレンドを少なくとも約100℃の温度に加熱して存在する湿分(例えば水)が除去されるのを確保するように行うことができる。

    モリブデン金属粉末供給材料223と、即ちブレンド231又は粉砕233中に混合するモリブデン酸カリウム粉末供給材料229の量を変化させることによって、得られる乾式粉末ブレンド212(即ち、場合によって未乾燥又は乾燥)に所望量のカリウムを好都合に与えることができる。 一般的に言えば、プロセス210はスラリーを構成する液体中の第IA族金属又は金属化合物(例えばモリブデン酸カリウム)の最大溶解度に制限されないので、噴霧乾燥生成物12と比べてより高いレベルの第IA族アルカリ金属(例えばカリウム)を最終乾式粉末ブレンド212中に与えることができる。 しかしながら、得られる乾式粉末ブレンド212は噴霧乾燥粉末生成物12と同じでないことに留意すべきである。 即ち、乾式粉末ブレンド212はモリブデン金属とモリブデン酸カリウム粉末の単純な混合物又は配合物を含むが、噴霧乾燥粉末生成物12は一緒に融着又は凝集しているカリウム及びモリブデンの亜粒子の実質的に均質な分散物又は複合混合物を含む。 しかしながら、乾式粉末ブレンド212を用いて利益を与えることができる用途及び状況が存在する可能性がある。

    モリブデン及び単一の第IA族アルカリ金属又は金属化合物を含む態様に加えて、本発明の他の態様には、モリブデン及び2種類以上の第IA族アルカリ金属又は金属化合物を含ませることができる。 例えば、他の態様には、モリブデン、カリウム、及びナトリウムを含む粉末を含ませることができる。 更に、本明細書に記載する噴霧乾燥プロセス10又は乾式ブレンドプロセス210にしたがってかかる粉末を生成させて、噴霧乾燥粉末生成物又は乾式ブレンド粉末生成物のいずれかを形成することができる。 得られる粉末生成物(例えば、モリブデン、及び2種類以上の第IA族アルカリ金属又は金属化合物を含む)は、任意の広範囲の用途のために有用である可能性がある。 例えば、2種類以上の第IA族アルカリ金属又は金属化合物を含むかかる粉末生成物を用いて、ナトリウム/モリブデン、カリウム/モリブデン、及びリチウム/モリブデンを含む粉末生成物に関して本明細書に記載するようにしてCIGSタイプの光電池セルの効率を向上させることができる。

    2種類以上の第IA族アルカリ金属又は金属化合物は、噴霧乾燥(例えばプロセス10による)又は乾式ブレンド(例えばプロセス210による)を行う前に、他の態様に関して本明細書に規定する任意の形態で与えることができる。 一例の態様においては、特定の第IA族アルカリ金属はこれらの金属のモリブデン酸塩として与えることができる。 例えば、カリウムはモリブデン酸カリウムとして与えることができ、ナトリウムはモリブデン酸ナトリウムとして与えることができる。

    所望量の2種類以上の第IA族アルカリ金属又は金属化合物を含む任意の特定の粉末生成物に関して、前駆体として(例えばスラリー又はブレンドのための供給材料として)与えなければならない成分の相対割合は、粉末生成物が噴霧乾燥粉末生成物を含むか又は乾式ブレンド粉末生成物を含むかによって異なる可能性がある(これは、これらが異なる物理相を含むからである)。 例えば、得られる粉末生成物を噴霧乾燥プロセス10によって製造する場合には、粉末生成物を乾式ブレンドプロセス210によって製造する場合よりも高い割合の第IA族アルカリ金属を加える必要がある。

    理論実施例−粉末:
    図1に示す噴霧乾燥プロセス10にしたがって幾つかの粉末ロットを製造することができる。 噴霧乾燥粉末ロットは、本明細書に規定するようにモリブデン金属粉末14及びモリブデン酸カリウム16のそれぞれの供給物を用いて製造することができる。 種々の割合のモリブデン粉末及びモリブデン酸カリウムを混合して種々のスラリー20を形成することができる。 必要な場合には、本明細書に規定する値にしたがう種々のスラリー成分の相対的な重量%を達成するために更なる量の脱イオン水を加えることができる。 より具体的には、約20重量%の水(即ち液体18)を含み、残りがモリブデン金属粉末及びモリブデン酸カリウムである一例のスラリー20を調製することができる。 モリブデン金属粉末とモリブデン酸カリウムとの比は、約1重量%〜約31重量%のモリブデン酸カリウムの範囲に変化させることができる。 より具体的には、理論実施例は、3、7、15、及び31重量%の量のモリブデン酸カリウムを含ませることができる。

    次に、スラリー20を本明細書に記載するようにしてパルス燃焼噴霧乾燥システム22中に供給することができる。 高温ガス50のパルス流の温度は、約465℃〜約537℃の範囲内に制御することができる。 パルス燃焼システム22によって生成する高温ガス50のパルス流によって、スラリー20から水を実質的に除去して複合金属粉末生成物12を形成する。 接触区域及び接触時間は非常に短くなくてはならない。 接触区域は約5.1cmのオーダーの長さを有していてよく、接触時間は0.2マイクロ秒のオーダーであってよい。 得られる金属粉末生成物12は、実質的に固体で概して球状の形状を有するより小さい粒子の凝集体を含む。

    図10に示す乾式ブレンドプロセス210の幾つかの工程を実施することによって、幾つかの乾式ブレンド粉末ロットを製造することができる。 より具体的には、「標準的な」モリブデン金属粉末供給物214及びモリブデン酸カリウム粉末供給物216を用いることによって、第1の粉末ロットを製造することができる。 モリブデン金属粉末214の供給物を、上記に記載したようにして粉砕219及び乾燥221して、粉砕及び乾燥したモリブデン金属粉末供給材料223を形成することができる。 モリブデン酸カリウム粉末供給物216は、同様に粉砕225及び乾燥227して、粉砕及び乾燥したモリブデン酸カリウム粉末供給材料229を製造することができる。 次に、2種類の粉末供給材料223及び229を、工程231において混合又はブレンドすることによって配合することができる。 混合された粉末は、次に第1の乾式ブレンド粉末生成物ロット212を製造するために乾燥235することができる。

    また、第2の乾式ブレンド粉末生成物ロットを製造することもできる。 第2の乾式ブレンド粉末ロットは、ブレンド231することによって2種類の粉末供給材料223及び229を混合するのに代えて、粉砕233によって2種類の粉末供給材料223及び229を混合する他は、第1の乾式ブレンド粉末ロットに関して上記に記載したプロセスにしたがうことによって製造することができる。 次に、第2の乾式ブレンド粉末生成物ロット212を製造するために、混合した粉末を乾燥235することができる。

    第3の乾式ブレンド粉末生成物ロットは、「標準的な」モリブデン金属粉末供給物214及びモリブデン酸カリウム粉末供給物216を用いることによって製造することができる。 乾燥モリブデン金属粉末供給材料223を形成するために、モリブデン金属粉末214の供給物を乾燥221することができる。 モリブデン酸カリウム粉末供給物216を粉砕225及び乾燥227して、粉砕及び乾燥したモリブデン酸カリウム粉末供給材料229を製造することができる。 次に、第3の乾式ブレンド粉末生成物ロット212を製造するために、工程231において混合又はブレンドすることによって2種類の粉末供給材料223及び229を配合することができる。

    第4の乾式ブレンド粉末生成物ロットは、上記で引用したKhanらの米国特許7,625,421に記載されている任意のもののような高密度で低焼結温度のモリブデン金属粉末を用いることによって製造することができる。 粉砕及び乾燥したモリブデン金属粉末供給材料223を形成するために、高密度で低焼結温度のモリブデン金属粉末214を粉砕219及び乾燥221することができる。 モリブデン酸カリウム粉末供給物216は、同様に、既に記載したようにして粉砕225及び乾燥227して、粉砕及び乾燥したモリブデン酸カリウム粉末供給材料229を製造することができる。 次に、第4の乾式ブレンド粉末生成物ロット212を製造するために、混合又はブレンド231することによって2種類の粉末供給材料223及び229を配合することができる。

    理論実施例−金属物品:
    図1に示す噴霧乾燥プロセス10によって製造されるカリウム/モリブデン複合金属粉末12から、複数の金属物品42(例えばスパッタターゲット44として)を製造又は作製することができる。 或いは、図10に示す乾式ブレンドプロセス210によって製造される乾式ブレンド粉末生成物212から、金属物品42を製造又は作製することができる。 金属物品42を形成するために用いる特定のプロセスは、用いる粉末供給材料がカリウム/モリブデン複合金属粉末12を含むか又は乾式ブレンド粉末生成物212を含むかに関係なく同一であってよい。

    プロセスAにおいて用いる予備成形金属物品82は、篩別した「未処理」のカリウム/モリブデン複合金属粉末12から形成して、粒径が約105μm未満(−150タイラーメッシュ)になるようにすることができる。 第2の予備成形金属物品82は、約53μm〜約300μm(−50+270タイラーメッシュ)の寸法範囲の粒子を有する粒子混合物が得られるように乾燥及び篩別したカリウム/モリブデン乾式ブレンド粉末生成物212を用いて製造することができる。

    予備成形金属物品82を製造するために用いることができるカリウム/モリブデン複合金属粉末12及び乾式ブレンド粉末212は、約225MPa(約16.5tsi)〜約275MPa(約20tsi)の範囲の一軸圧力下で冷間プレスして、予備成形円筒体(例えば予備成形金属物品82)を得ることができる。 予備成形金属物品82を、広範囲の材料、ステンレススチール、モリブデン箔でライニングされている低炭素鋼、及びプレイン(即ち非ライニング)炭素鋼から製造される密閉容器84内に配置することができる。

    種々の容器84(例えば、ステンレススチール又は低炭素鋼から製造され、モリブデン箔でライニングされているか又はライニングされていない)の中に配置する前に、予備成形円筒体82中に含まれている可能性のある残留量の湿分及び/又は揮発性成分を除去するために、予備成形円筒体82を乾燥空気雰囲気中で約110℃の温度に約16時間の間加熱することができる。 乾燥した円筒体82は、次に本明細書に記載するようにしてそれらのそれぞれの容器内に配置して密閉することができる。 密閉容器88は、次に、それらを動的真空(約750ミリトル)にかけながら密閉容器を約400℃の温度に加熱することによって、本明細書に記載するようにして脱気することができる。 密閉し、脱気した容器88は、次に、約890℃の温度において約205MPa(即ち14.875tsi)の等方圧に約4時間の時間かけることができる。

    得られる圧縮成形金属円筒体は、次に密閉容器88から取り出してディスク形に切断することができ、これを次に引き続き機械加工して最終スパッタターゲット44を形成することができる。 カリウム/モリブデン複合金属粉末生成物12から製造することができるであろう代表的な機械加工ディスク(即ちスパッタターゲット44)を図9に示す。

    本明細書に記載するカリウム/モリブデン複合金属粉末12及び/又は乾式ブレンド金属粉末212を用いて金属物品を製造するための更に他のバリエーションが可能である。 例えば、他の態様においては、クローズドダイに、カリウム/モリブデン粉末(例えば、複合金属粉末12又は乾式ブレンド金属粉末212のいずれか)の供給物を充填することができる。 次に、得られる金属物品の密度を少なくとも理論密度の約90%に増加させるのに十分な温度及び圧力において、粉末を軸方向に圧縮成形することができる。 更に他のバリエーションには、カリウム/モリブデン粉末(例えば、複合金属粉末12又は乾式ブレンド金属粉末212のいずれか)の供給物を与え、粉末を圧縮成形して予備成形金属物品を形成することを含ませることができる。 次に、物品を密閉容器内に配置し、モリブデン酸カリウムの融点よりも低い温度に加熱することができる。 次に、物品の密度を少なくとも理論密度の約90%に増加させるのに十分な縮小率で密閉容器を押し出すことができる。

    実施例−粉末:
    本明細書に与える教示にしたがって実施例のスラリー20を調製した。 次に、スラリー20を(例えばプロセス10によって)噴霧乾燥して、代表的な複合金属粉末生成物12を調製した。 実施例の複合金属粉末生成物12の第1の試料部分の走査電子顕微鏡写真(SEM)を図4に示す。 実施例の複合金属粉末生成物12の第2の試料部分の走査電子顕微鏡写真を図5aに示す。 第2の試料部分におけるカリウムの分散を示すエネルギー分散型X線分光法(EDS)によって作成した対応するスペクトルマップを図5bに示し、一方、モリブデンの分散を示すEDSスペクトルマップを図5cに示す。 次に、代表的な複合金属粉末生成物12を分析し、その結果を表II〜IVに示す。

    特に、スラリー組成物20は、まず約10kg(22ポンド)の液体18を約3.6kg(約8ポンド)のモリブデン酸カリウム16と混合することによって調製した。 この特定の例においては、液体18は脱イオン水を含んでおり、一方、モリブデン酸カリウム16はここに規定するようにAAA Molybdenum Products, Inc.からのモリブデン酸カリウム粉末を含んでいた。 脱イオン水18及びモリブデン酸カリウム粉末16を、約60分間の時間一緒に混合又はブレンドして、モリブデン酸カリウム粉末16が脱イオン水18中に完全に溶解することを確保した。 その後、約45kg(100ポンド)のモリブデン金属粉末14を加えてスラリー20を形成した。 モリブデン金属粉末はClimax Molybdenum Companyから製品「FM1」として入手できるモリブデン金属粉末を含んでいた。 FM1モリブデン金属粉末は、1.8〜3.1g/ccの嵩密度仕様、約3.5g/ccより大きいタップ密度仕様、及び−325USメッシュの粒径分布仕様を有する高純度(即ち最小で99.95%)のモリブデン金属粉末である。 良く混合した(即ち実質的に均質な)スラリー20を確保するように、得られたスラリー20を60分間一緒にブレンド又は混合した。

    次に、スラリー20を本明細書に記載するようにしてパルス燃焼噴霧乾燥機22中に供給して、複合金属粉末生成物12を製造した。 噴霧乾燥機22は、約84,400kJ/時(約80,000btu/時)の放熱、約70%の排気空気設定点、及び約110kPa(約16psi)のノズル空気圧を与えるように運転した。 スラリー20の供給速度を制御して、約116℃(約240°F)の材料出口温度を維持した。 噴霧乾燥機22の他の運転パラメーターを表Iに与える。

    得られた複合金属粉末生成物12は、図4において最もよく分かるようにそれ自体は小さい亜粒子の凝集体である概して球状の形状の粒子を含んでいた。 幾つかの場合においては、より小さい亜粒子も概して球状の形状であるので、複合金属粉末生成物12を含む凝集粒子は別の概念では「球体から形成されるボール」として特徴付けることができる。

    「製造されたまま」の複合金属粉末生成物12の篩別分析を表IIに与える。 篩別分析により、複合金属粉末生成物12が約74μm〜約37μmの範囲の粒子(例えば約33重量%)を含み、粒子の相当数(例えば約67重量%)が37μmより小さい寸法を有することが示される。

    更なる物理特性及び粉末分析結果を表III及びIVに示す。 より具体的には、表IIIはスコット密度及びタップ密度を報告する。 また、比較の目的のために理論密度も与える。 表IIIはまた残留酸素(重量%)も報告する。 窒素、炭素、及びイオウ含量もppm基準で報告する。

    表IVは、誘導結合プラズマ質量分析法(ICP)によって測定した残留カリウムレベル(重量%及び原子%の両方)を報告する。 グロー放電質量分析法(GDMS)によって測定した鉄、ニッケル、クロム、及びタングステンの痕跡量もppm基準で与える。

    実施例−金属粒子:
    実施例のカリウム/モリブデン複合金属粉末12を用いて、複数の金属物品42(例えばスパッタターゲット44)を製造した。 簡単に言うと、冷間等方圧プレス(CIP)プロセスによって複合金属粉末12を圧縮成形して予備成形金属物品82を形成することによって、金属物品42を製造した。 次に、予備成形金属物品82を熱間等方圧プレス(HIP)プロセスにかけて、最終金属物品又は鋼片42を形成した。 次に、金属物品又は鋼片42を機械加工して、ディスク又はパック形状のスパッタターゲット44を形成した。 スパッタターゲット44に関するデータを表VI〜VIIIに与える。

    特に、「未処理」の複合金属粉末生成物12を冷間等方圧プレスによって圧縮成形又は固化成形して、図8aに最も良く示される概して円筒形の形状又は構造を有する予備成形金属物品82を形成した。 次に、予備成形金属物品82をモリブデン箔内に被包し、低炭素鋼を含み、本明細書に記載するようにキャップされている容器又は缶84内に配置した。 容器88内に配置した後、それを約800ミリトルの真空下で加熱することによって、予備成形円筒成形体82を脱気した。 次に、脱気した容器を(例えば流体導管90を折り曲げることによって)密閉し、表Vに示す温度及び等方圧のスケジュールにかけた。

    表Vにおいて、上向きの矢印(即ち「↑」)は、特定の運転中に圧力が規定の圧力まで上昇したことを示す。 同様に、下向きの矢印(即ち「↓」)は、特定の運転中に圧力が規定の圧力まで低下したことを示す。 矢印が示されていないことは、運転中に圧力が実質的に一定に維持されたことを示す。 冷却運転中に、圧力は温度の低下と共に、安全排気温度(この実施例においては約120℃(250°F)であった)に達するまで自然に低下した。

    熱間等方圧圧縮成形プロセスが完了した後、金属物品又は鋼片42を容器84から取り出した。 次に、鋼片42を旋盤内に配置し、下記に記載するように機械加工してスパッタターゲット44の形態の4つのディスク形状の物品を製造した。

    容器84から取り出した後は、鋼片42は頂部付近においてその中に亀裂を有していたことが注目された。 亀裂はドーム形の形状を有しており、鋼片42は機械加工プロセスの初期に亀裂において分離した。 その後の分析によって、亀裂は初期固化成形プロセス中(即ち冷間等方圧プレスプロセス中)に成長したことが示唆された。 次に、亀裂によって、その後の熱間等方圧プレスプロセス中に亀裂の領域内にモリブデン酸カリウムが濃縮された。 しかしながら、この分析は完全に結論的なものではなかった。 しかしながら、亀裂の存在にもかかわらず、鋼片42の残りは外観が実質的に均質であり、4つの高品質のスパッタターゲットディスク44を与えた。 このディスク44は金属光沢を有するような視覚的特徴を有し、均質であるように見えた。

    機械加工の種々の段階中に生成する削り屑を回収することによって、鋼片42のカリウム及び微量内容物を種々の位置において測定した。 これらの分析の結果を表VI及びVIIに示す。 より詳しくは、表VIはICPによって測定した測定カリウム含量(重量%)を列記する。 興味深いことに、削り屑のカリウム分析は、鋼片42を形成するのに用いた複合粉末生成物12中に存在していたものよりも高いカリウムの濃度を示す。 削り屑から得られるカリウムレベルはスラリー20中に与えられるモリブデン酸カリウムの量に基づいて複合粉末生成物12中にあるべきであったカリウムレベルにより合致しているので、この相違は複合粉末生成物12の測定エラーによるものであると考えられる。 表VIはまた、複合則(ROM)近似式を用いる種々の削り屑からのカリウム分析に基づく鋼片42の理論密度も含む。

    表VIIは、GDMSによって測定した種々の削り屑に関するナトリウム、鉄、ニッケル、クロム、タングステン、及びケイ素の痕跡量(ppmの単位)を示す。

    種々のディスク44の見かけ及び理論密度(g/ccの単位)を表VIIIに示す。 ディスクの見かけ密度は8.46〜8.51g/ccの密度の範囲であった。 表VIIIに示す見かけ密度は、機械加工したディスク44の寸法を測定してディスクの体積を計算することによって求めた。 次に、それぞれの機械加工したディスク44の測定質量をその測定体積で割って密度を得た。 ディスク44の理論密度は、複合則(ROM)近似式を用いて、ディスク1と2及びディスク3と4の間の削り屑のカリウム分析に基づいて求めた。 而して、ディスク44の近似密度は、複合則(ROM)に基づいて理論値の96.1〜96.7%の範囲であった。 モリブデンに関する近似密度(ROMに基づく)も表VIIIに示す。

    本発明の好ましい態様をここに示したが、好適な修正をそれに対して行うことができ、これらはそれでもなお本発明の範囲内に留まると考えられる。 したがって、本発明は特許請求の範囲によってのみ解釈される。

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