【0001】 (技術分野) 本発明は、たとえば、包装および構造用のサンドイッチ材として使用されるハニカムコア層並びにこのハニカムコア層を製造する方法及び装置に関する。 【0002】 (背景技術) ハニカムコアは、航空及び宇宙飛行分野で、へこみ及び曲げに強いサンドイッチ構造の曲面板及び平板のコアとして数十年にわたって使用されてきた。 多くの場合六角形か過度に膨張させたこれらのハニカムコアは、主としてアルミニウムか、フェノール樹脂を含浸させたアラミド繊維紙から成り、普通、膨張法によって製造される。 普通には接着剤で2枚のライナをはり合わせたサンドイッチ構造は、きわめて大きな剛性−重量比および強度−重量比を与える。 重量当たりの材料特性値が優れている軽いサンドイッチコア材料は、別の大きな工業分野でも関心が高まっており、ハニカムコア材料の半分以上が別の分野で使用されるようになってきた。 【0003】 ハニカム構造を、自動車製造業およびそれに比肩する市場で梱包剤として使用するためには、ハニカムコア層を迅速に連続生産する必要がある。 これによって、段ボールおよびその他の高価な材料と競争できる製品を製造することができる。 【0004】 ハニカムコアを持つサンドイッチ材は、ライナに対して方向性のほとんどない優れた支持性能を持ち、材料平面における高い比圧力強度を有している。 波形コアを持つサンドイッチ材(たとえば段ボール)と比べて、特に機械の調整時における、稜に加わる力に対する抵抗性及び曲げ剛性に優れている。 それゆえ、重量及び材料をかなり節減することができる。 セル(ハニカムの小室)の垂直な壁が持つ相互支持力ために、材料面に対して垂直方向の圧縮特性値も格段に優れている。 さらに、ハニカムコアを持つサンドイッチ材は、より優れた表面品質を有しており、この特性は特に包装材の印刷にとって重要である。 こうした利点と、安価なサンドイッチコア材に対するますます高まる要求により、ハニカムコアの高い製造コストを引き下げようとする多くの努力が傾けられてきた。 【0005】 1つ1つ独立した材料ストリップ、または連結してつながった材料ウェブを交互の位置に接着して拡げる方法が数多く知られている(Bova,米国特許第4,500,380号、Hering,DE 196,09,309,Schmidlin,米国特許第4,992,132号、Meier,米国特許第5,334,276号)。 このような方法は、すでにセルの大きさが約10mmを超える内部包装材、角エレメント及び稜エレメント用及びパレット用の紙製ハニカム構造の半自動での製造に導入されている。 拡げる時に要求される力及び材料応力は、接着剤とセル壁の接着に大きな応力をもたらす。 この力は折りたたみ線をあらかじめ入れておけば確かに軽減することができる。 しかしそれでも、拡げる過程で、特にセルが小さい紙製のハニカムでは、その幾何的形状の規則性が損なわれる。 内部応力及び必要とされる拡げる力が、セルが小さくなるほどいちじるしく高くなる。 したがって、より小さなセルを対象とする本発明では問題が大きくなり、自動化がさらに難しくなる。 さらに、ウェブの必要とされる横切断によって生産速度が制限を受ける。 【0006】 同じく、個々の波形又は台形の材料ウェブまたはストリップを位置をずらして接着する多くの方法も知られている(Jurisisch,米国特許第3,887,418号、Fell,米国特許第5,217,556号、Casella,米国特許第5,399,221号、Duffy,米国特許第5,324,465号)。 これらの方法では材料ウェブ毎に位置決めやその他の操作が必要であるため、生産速度の高い連続法への技術的な変換は困難である。 【0007】 段ボールをハニカムコアに加工する方法も知られている。 1つの方法では、段ボールがハニカムコアのセル壁に使用される(Hess,米国特許第4,948,445号)。 この方法では、全紙の大きさの個々の段ボールが、流れ方向に進行する波で供給され、段ボールの全厚さを通って進む短い横断面が導入される。 したがって、流れ方向に折りたたみ拡げたあとに出来上がるハニカムコアは、セルが比較的大きくその壁は比較的厚い。 原理的にはこの方法は、つながった材料ウェブを使用する展開法に似ている。 【0008】 さらに、段ボールのウェブ(Kunz,米国特許3,912,573号)又は個々の波形ウェブ(Kunz,WO91/00803)を流れ方向に対して横方向に切断してストリップにするハニカム構造と方法も知られている。 ウェブを切断したあとで、個々のストリップを接着剤ではり合わせてハニカムコア層を作る。 この方法では、個々のストリップをある大きさにするか、特別な位置決めベルトを必要とし、それによってその取扱いが保証される。 ストリップの大きさを通して、ストリップ回転後のウェブ幅はいちじるしく狭くなる。 ハニカムコア層の幅が狭く成りすぎないようにするためには、ストリップを別の生産工程で切断し、流れ方向に対して横方向に格段にゆっくり送られるハニカムブロックにはり付ける。 ハニカムの高さが低い時は、それに合わせてこのハニカムブロックを適当に切らなければならない。 このような方法で製造されるハニカム構造は、波形又は台形をした各セルの壁ストリップの間に、それぞれまっすぐなストリップを持たなければならない。 このような補強したハニカム構造も、ブロックを使用する手動による製造法ですでに知られている(Darfler,WO95/10412)。 この方法では、各波形層の間にそれぞれ平らな層が挿入、接着されている。 【0009】 さらに、つながった材料ウェブに切り込みを入れてから、まず波形又は台形に成形し、それから、つながったセル壁を互いに相手側に向かって折りたたみ、接着するウェブとその製造方法も知られている(Pflug,WO97/03816)。 包装材へ使用する場合に、特に段ボールと比較して、材料を節減するためには、きわめて薄い紙(40〜80g/m 2 )を使用することが好ましい。 この坪量(Grammaturen)が小さい波形の場合は、コルゲート加工後直ちにウェブに接着して安定化させることが有利である。 通常、350m/分までの速度で段ボールを製造する時に見られるように、特に流れ方向に対して横方向に波形を形成する場合は、すぐに上張り(いわゆるライナー)をはらなければならない。 波形にしたウェブのみでは、材料ウェブを迅速に送るために必要な引っ張り応力を受け入れることはできない。 【0010】 さらに、段ボールに切り込みを入れる方法と装置が知られている(Cummings,米国特許第5,690,601号)。 この切り込みは、折り目を分かりやすくするために各段ボールの全紙の波形に沿って入れられる(段ボールの本来の流れ方向に対して横方向に)。 この方法では折りたたみによって切断され、それでこの切断は終了する。 【0011】 (発明の開示) 本発明の解決すべき課題は、段ボールの製造に匹敵する生産速度で、セルの大きさが比較的小さいハニカムを連続的に製造することができるハニカムコア層、方法及び装置を記載することにある。 さらに、優れた表面品質及び信頼性が高くかつ迅速なライナの接合も期待されている。 【0012】 設定された課題は特許請求項1,7及び14の実施によって、請求項23に従う中間製品によって解決され、従属請求項に記載されている別の特徴によってさらに展開される。 【0013】 本発明によれば、少なくとも1つ、できれば2つのライナを有する波形又は台形の材料ウェブを供給することが好ましい。 これには段ボールを使用することができるが、プラスチック、繊維複合材又は金属の波形コア板を使用することもできる。 複数個の波形コアを持つウェブ、たとえば複両面段ボール(BC段、AA段)を使用することもできる。 折りたたみハニカム構造の好ましい変種では、ライナは、二重に上張りされることになるため非常に薄い材料(60〜100g/m 2の坪量)から成り、波形コア層はライナの最大2倍の厚さの材料から成ることが好ましい。 ライナの品質並びに波形コアウェブの厚さトレランス及び表面品質は最終製品の品質への影響が小さいため、請求項の対象になっている例は非常に少ない。 【0014】 ハニカムセルの大きさは、波形コアウェブの厚さによって決定される。 波形コアにライナストリップを上張りしたものは、追加的な上張りを形成して、ライナがセル内にへこむ(Dimpling)ことを防止するため、セルサイズは4.7mm(A段)もあればライナを支持するに十分であり、坪量が非常に小さいときでも3.6mm(C段)で十分である。 しかし、段の高さが低い波形コアウェブと段の高さが高い波形コアウェブ(たとえばK段)から、それぞれセルサイズの小さいハニカムコアとセルサイズの大きいハニカムコアを作ることもできる。 【0015】 本発明の実施態様に従えば、まず多層ウェブの上面と下面に多数の連続的な折り目を流れ方向に入れる。 この折り目は、たとえばウエブに型押しするか縦方向に切り込みを入れることによって形成される。 厚さ方向への切り込みは完全には入れず、各ライナ(又は段頂のライナ)がつながっているようにする。 その場合、上側の切り込みは可能な限り下側の切り込みのちょうど間にあるようにする。 段ボールで普通であるライナの起伏と、段頂の間に切り込みを入れる時の力の違いによって、完全に切り通された所とそうでない所とが生じる可能性がある。 これは、波形コアストリップが横方向につながったままにしておくには望ましいことである。 折りたたみに必要な力は、このライナのわずかな切り込みまたは穿孔によって、またはあらかじめ折り目を作っておくことによって少なくすることができる。 波形コアストリップは、まず完全に切断し、それと同時にかまたは直後に、接着フィルムを接着してつなぎ合わせることもできる。 この材料はウェブ材料と比べて曲げたり折りたたむことが容易である。 したがって、「一体として形成される」という表現は、ライナで連結されている波形ストリップを含むばかりでなく、接着フィルムで互いにつなぎ合わされる切り離された波形ストリップも含んでいる。 つながっている波形コアストリップの幅と高さの比は0.5ないし2.0の範囲にあることが好ましい。 【0016】 そこで波形コアストリップは、それぞれ90゜回転させて、切り込み部分を開いて、隣接するストリップのつながったライナが180゜折りたたまれる。 ストリップはつながっているため、厚さ方向又は縦方向の位置合わせは必要ない。 ストリップはつながったライナと互いに面で接して折りたたみハニカムを形成している。 ストリップは接着するか、別の方法で連結するか、又は新しいライナをはり付けてはじめて連結される。 接着剤の塗布はロール、ノズル又はブラシで行うことができるが、接着剤は比較的少量を一定して使用することが好ましい。 二層のライナから成る波形コアウェブを使用する場合、ライナが単層だけの場合より本質的に安定しており、1回圧力を加えるだけで接着させることができる。 場合によっては、段ボールを製造するときにしばしば表面品質を損なう波形コアの変形も、折りたたみハニカム構造の表面品質及び厚さの許容範囲に影響を及ぼさない。 【0017】 ハニカム構造の中で平坦な波形コアライナストリップは垂直に立っていて、製造工程で引っ張り応力を吸収することができるため、材料ウェブの搬送を速くすることが可能になる。 その後、ハニカム構造のせん断および圧縮特性値を高め、段ボールのすべての材料がそこから折りたたまれるハニカムコアに使用される。 【0018】 ハニカム板紙を製造するため、ハニカム構造が作られたら直ちにハニカムコア層の上に新しいライナを接着することができる。 そのとき、ハニカム構造の加圧強度が大きいことが役立つ。 縦方向に切り込みを入れる時に、稜の繊維を軽くほぐすことで、ライナのハニカム構造への接着性が向上する。 波形コア層の稜以外にも折りたたんだ波形コアライナストリップの小さい側面もライナの接着に利用することができる。 【0019】 ハニカムコア層、製造法および装置の実施例を以下の図を使って説明する。 図1は流れ方向に対して横方向に波形を持つ送られてきた波形コアウェブと、縦方向に入れられた切り込みの位置を示す平面図及び側面図である。 波形コアウェブの材料はプラスチック、織物、繊維複合材、紙、板紙などをベースにすることができる。 波形コアウェブ1はそれぞれ2本の切り込み2及び3によって分けられている。 波形コアウェブは、材料ウェブの厚さ方向に完全には入れられていないこの切り込みによって、上と下から交互に刻まれている。 残った材料(ライナ及び/又は波形コアの段頂)は、後の工程でこの位置の折り目4および5で折りたたまれる。 図2は縦方向に入れられた切り込みの位置と折り目の正面図である。 各波形コアストリップの幅と高さの比は、0.5ないし2の範囲にあることが好ましい。 【0020】 図3および6はつながった波形コアストリップを折りたたむ過程を段階的に示す正面図である。 包装用の場合にはデンプン又はPVAをベースにしたものが好ましい接着剤6は、折りたたむ前に波形コアライナのストリップに塗布することができる。 接着剤は全面に塗布してもよいし、隣接する波形コアストリップの段頂又は谷に相当する場所だけに塗布してもよい。 図7から図10までは製造工程の同じ中間段階の透視図である。 【0021】 図11は段ボールから折りたたみハニカム構造を製造する方法を示す平面図である。 図12は各工程の位置を示す。 まず、10の位置で材料ウェブに縦方向に切り込みが入れられる。 つづいて11から13の位置で材料ストリップに回転が加えられる。 ここで回転が行われている間(ほぼ12の時点)に初めて、任意に接着剤を塗布することができる。 つづいて、図14でライナを折りたたみハニカム構造に張ることができる。 【0022】 連続法の場合、つながった波形コアストリップを回転させることによってねじれ応力が生じる。 この応力は、薄く幅の狭いストリップはねじり剛性が低いため、比較的小さい。 したがって、ウェブ幅を変更しない限りこの加工工程の長さは比較的短い(<0.5m)。 波形コアウェブの厚さとハニカムコア層の厚さの間の比は、必然的に両材料ウェブの比に対応する(bハニカム=b波形・tハニカム/t波形)。 【0023】 波形コアの厚さ(t波形)は、ハニカムコアと同じ厚さ(tハニカム)にすることが好ましい。 そうすれば、装置の幅は一定となる(bハニカム=b波形)。 いずれにしても、ウェブ幅は、材料ストリップを回転させる間に最大になる。 【0024】 【数1】
【0025】 材料の厚さが同じ(t波形=tハニカム)時は、幅について近似的にb
max =1.41・b波形が成立する。 このウェブ幅の変化は、ウェブ面から材料ストリップを短時間に案内することで防止することができる。 【0026】
図13はウェブ面から材料ウェブを案内する様子を示す側面図である。 つながった波形コアストリップは、90゜ねじる間、容易にたわませることができる。 しかしねじった波形コアストリップをたわませるには、たわみ部分の長さをより長くなる必要がある。 したがって、ウェブ面からの変形を制限するには、幅全体にわたってウェブを軽く波形にすることが重要である。 図14から図16は、つながった波形コアストリップのウェブ面から可能性のある変形に際して、ウェブ幅が変化するのを防止するための各工程を示す。
【0027】
さらに、波形コアストリップを逐次回転させると、幅の変化を大幅に減らすことができる。 その場合、まず、3番目の各波形コアストリップを回転させることが有利である。 このようにすれば、幅の大きな変化をきたさないで、すべての波形コアストリップを3段階で回転させることができる。 図17は各3番目の波形コアストリップを3段階に分けて回転する方法と、それによってウェブ面からの変形が小さいことを示す正面図である。 幅の変化を制限するために、1個または複数個を別の順番で順次回転することもできる。
【0028】
しかし厚さがより厚い(tハニカム>t波形)ハニカムコア層を製造する時は、装置の順応性に応じて、ある程度までウェブ幅を縮小し、逆に厚さがより薄い(tハニカム<t波形)ハニカムコア層を製造する時はウェブ幅を拡大することが、場合によっては有利である。 その場合、波形コアウェブの厚さ(t波形)とハニカムコア層の厚さ(tハニカム)の比は0.5ないし2の範囲にあることが好ましい。 図18は縦方向に切り込みを入れるための装置を示す。 この装置は縦方向に切り込みを入れる単純な刃20から成り、それらの刃は上の軸21と下の軸22、又は多数の分離した軸で回転する。 高い切断精度を実現してハニカムコアの厚さをきわめて一定にするためには、上の刃と上の刃、上の刃下の刃の間の距離はできるだけ一様でなければならない。 さらに、切れ込みの深さを正確にするためには、材料ウェブはできる限り正確に案内すべきである(たとえばロールによる)。 流れ方向における波形コアの迅速で正確な切り込みは、すでに段ボールの製造で行われている。 回転刃の好ましい使用の他に、静止した刃による切り込みも考えられる。 つながった波形コアストリップは比較的安定したウェブを形成する。 そのため、長さ方向に切る刃の後ろに切り込みを入れた後は、ロール又はベルトで波形コアウェブを送ることができる。
【0029】
図19は長さ方向に切り込みを入れる可変式の装置24を示す。 各刃20の横幅方向の間隔を一様に設定することによって、厚さの違うハニカムコア層を作ることができる。 さらに、組になった切断ロールを迅速に交換することも考えられる(いわゆるレボルバー方式)。
【0030】
図20はつながった波形コアストリップを回転させ一斉に折りたたむ装置を示す。 この装置は、固定された簡単な案内機構23、回転ロール又は送りベルトから成る。 つながった波形コアストリップがどのように回転して互いの方向に折りたたまれるかは、この案内機構の幾何学的形状によって決定される。 その際、波形コアストリップを順次に回転させ、幅方向に沿って波形をきわめて小さくなるまで階段的に小さくすることもできるし、幅に沿ってより大きな波形を形成させ、それと同時に回転させることもできる。
【0031】
図21はつながった波形コアストリップを、波形の形成と同時に回転させて一斉に折りたたむ可変式装置を示す。 図17は3番目の波形コアストリップを3段階で回転させる時に、各材料ストリップをどのように案内したらよいかが示してある。 この変法では間に挟まれた波形コアストリップをそれぞれ90゜回転させるために、それぞれ回転しない2つの波形コアストリップを上又は下に向かって案内するだけでよいという利点がある。
【0032】
段ボールで作られるこの折りたたみハニカム、前記の方法及び装置によって、あらゆる材料特性において段ボールより明らかに優れているハニカム材料の製造が可能となる。 2つの波形コアが重ねられた段ボールと比べて材料の節減が格段に大きいため、ハニカムコア層の厚さを4mmより厚くすることが好ましい。 しかし高さをより小さくした場合も、ハニカム構造は明らかにより良い材料特性を与える。 このハニカム構造の材料は、たとえ軽くても同じ紙(クラフトライナー又はテストライナー)と、デンプン又はPVAをベースにした接着剤から、開発が進んでいる段ボール製造装置と本質的な部品が同じ装置で製造することができる。 追加された2つの工程(長さ方向の切り込み及びつながった段ボールストリップの折りたたみ)は、生産速度を落とすことなく、前記の簡単な装置によって実施することができる。
【0033】
調節が可能な、縦方向に切り込みを入れる装置と案内装置、又は段ボール製造業界で普通に使用されているロール及び部品を交換することにより、両面段ボール用設備を利用して、厚さが異なるきわめて柔軟な折りたたみハニカム構造を製造することができる。 生産コストは、二層段ボールを製造する場合よりは低いと予想される。 さらに、両面段ボール製造設備を基礎にしたこのハニカム板紙製造装置の生産速度は、現在広く普及している複両面段ボール製造設備の生産速度よりおそらく大きくすることが可能である。
【0034】
段ボールから折りたたみハニカム構造を製造する場合、コア層を作ったすぐその後に同じ設備を使ってライナをはることができ、そしてさらにハニカム板紙を加工するために、段ボール加工業界で普通に使用されている切断、型抜き、圧縮の各機械を使うことができる。
【0035】
ハニカム板紙は、段ボールと比べて、材料平面の圧縮強度(稜の圧縮抵抗性、ECT)、特に流れ方向(機械の方向)の圧縮強度がかなり大きい。 その上、材料平面と直角方向の圧縮強度(平面圧縮抵抗性、FCT)もずっと高く、かつ衝撃吸収特性も大きい。 重量及び材料節減の可能性、全方向に対する強度、より優れた表面品質ばかりでなく、さらに追加生産工程の時間費用コストが低いことも、段ボールから製造される折りたたみハニカム板紙が、段ボールと競合できることを期待させる。
【0036】
また、ライナをはらない折りたたみハニカムは、さらにさまざまなサンドイッチ型部材に加工することができる。 ハニカムセルは、防音及び断熱性を良くするために、フォーム材に併用することができる。 さらにまた、ハニカムセル壁材は、浸漬浴を使って含浸させたり吹き付け塗装することもできる。 材料特性が優れているばかりでなく生産コストも低いため、包装材以外に、自動車用内装部材、家具、床張り、壁張りといった別の分野への応用も期待される。
【0037】
本発明による折りたたみハニカム構造材の利点は次の通りである:
a)表面品質が上がるために印刷品質が向上。
b)平面圧縮抵抗性、稜圧縮抵抗性、たわみ強度、たわみ剛性などの機械特性が向上。
c)軽くて同じ機械特性が得られる。
d)打撃または衝突後の優れた耐衝撃性および機械特性e)原料使用量が20ないし25%少なくて済むなど、環境に優しく、折りたたみハニカム材は従来再使用ができなかった材料が使用できる分野に使用される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は波形コアウェブ及び縦方向に入れた切り込みの位置を示す平面図および側面図である。
【図2】 図2は波形ウェブの縦方向に入れた切り込みの位置を示す正面図である。
【図3】 図3はつながった波形コアストリップをわずかに折りたたんだ図である。
【図4】 図4はつながった波形コアストリップを30゜折りたたんだ図である。
【図5】 図5はつながった波形コアストリップを60゜折りたたんだ図である。
【図6】 図6はつながった波形コアストリップをほとんど完全に折りたたんだ図である。
【図7】 図7は波形コアウェブをわずかに折りたたんだ透視図である。
【図8】 図8は波形コアウェブを30゜折りたたんだ透視図である。
【図9】 図9は波形コアウェブを60゜折りたたんだ透視図である。
【図10】 図10は段ボールをほとんど完全に折りたたんで作った折りたたみハニカム構造の透視図である。
【図11】 図11は段ボールから折りたたみハニカム構造を作る製造法を示した平面図である。
【図12】 図12は段ボールから折りたたみハニカム構造を作る製造法を示した透視図である。
【図13】 図13は材料ウェブをウェブ平面から案内する側面図である。
【図14】 図14はまだ平面のままの波形コアウェブの正面図である。
【図15】 図15は波形コアウェブを5゜折り曲げた時のウェブ平面からの変形を示す。
【図16】 図16は波形コアウェブを45゜折り曲げた時のウェブ平面からの変形を示す。
【図17】 図17は各3番目の波形コアストリップを3段階に回転した時のウェブ平面からの変形を示す。
【図18】 図18は折りたたみハニカム構造を製造するために縦方向に切り込みを入れる装置の正面図である。
【図19】 図19は縦方向に可変の切り込みを入れる装置の正面図である。
【図20】 図20は段ボールから折りたたみハニカム構造を製造するためにつながった波形コアストリップを回転し一斉に折りたたむ装置の断面図である。
【図21】 図21はつながった波形コアストリップを可変式に回転し一斉に折りたたむ装置の断面図である。
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