易開裂部形成装置

申请号 JP2013547188 申请日 2012-11-28 公开(公告)号 JP6040164B2 公开(公告)日 2016-12-07
申请人 加川 清二; 发明人 加川 清二; 加川 洋一郎;
摘要
权利要求

長尺のプラスチックフィルムに複数対の斜めの易開裂部(各対はハの字状に配置された第一及び第二の斜めの易開裂部からなる。)を周期的に形成する装置であって、 (a) 前記プラスチックフィルムを一定速度で進行させるガイドロールと、 (b) 前記プラスチックフィルムに摺接して前記第一の斜めの易開裂部を形成する複数の第一の刻印部材と、 (c) 前記第一の刻印部材の下流側に配置され、前記プラスチックフィルムに摺接して前記第二の斜めの易開裂部を形成する複数の第二の刻印部材と、 (d) 前記複数の第一の刻印部材を一定の間隔で支持するとともに前記プラスチックフィルムの横手方向に往復動させる第一の直線運動ガイド装置と、 (e) 前記複数の第二の刻印部材を一定の間隔で支持するとともに前記プラスチックフィルムの横手方向に往復動させる第二の直線運動ガイド装置と、 (f) 前記第一の直線運動ガイド装置を前記プラスチックフィルムに対して垂直方向に移動させる第三の直線運動ガイド装置と、 (g) 前記第二の直線運動ガイド装置を前記プラスチックフィルムに対して垂直方向に移動させる第四の直線運動ガイド装置とを具備し、 (h) (1) 前記第一の刻印部材だけが前記プラスチックフィルムに接触した状態で横手方向に移動することにより、前記第一の易開裂部を形成し始め、(2) 前記プラスチックフィルムの進行方向に関して前記第一の易開裂部が前記第二の刻印部材の位置に到達したときに、前記第二の刻印部材は前記プラスチックフィルムに摺接し始め、(3) 前記第一の易開裂部が所定の大きさになったときに、前記第一の刻印部材は前記プラスチックフィルムから離隔し、(4) 前記第二の易開裂部が前記第一の易開裂部と同じ大きさになったときに、前記第二の刻印部材は前記プラスチックフィルムから離隔し、(5) 所定の時間前記第一及び第二の刻印部材は前記プラスチックフィルムから離隔することからなるサイクルを繰り返すことを特徴とする装置。請求項1に記載の装置において、前記刻印部材が鋭い部を有するモース硬度が5以上の多数の硬質粒子により構成されていることを特徴とする装置。請求項1に記載の装置において、前記刻印部材がロールの外周面に形成された複数の平行なエッジにより構成されていることを特徴とする装置。請求項3に記載の装置において、前記エッジに周期的に切欠き部が設けられていることを特徴とする装置。請求項1〜4のいずれかに記載の装置において、前記プラスチックフィルムの背後にプラテン部材が配置されており、前記第一及び第二の刻印部材は前記プラテン部材上の前記プラスチックフィルムに押圧され、もって前記第一及び第二の易開裂部が形成されることを特徴とする装置。請求項1〜5のいずれかに記載の装置において、複数の前記第一の刻印部材は前記第一の直線運動ガイド装置に沿って移動する1つのスライド部材に等間隔に固定されており、複数の前記第二の刻印部材は前記第二の直線運動ガイド装置に沿って移動する1つのスライド部材に等間隔に固定されていることを特徴とする装置。請求項1〜6のいずれかに記載の装置において、前記第一の刻印部材と前記第二の刻印部材との長手方向間隔が前記第一及び第二の易開裂部の長手方向長さの半分であることを特徴とする装置。請求項1〜7のいずれかに記載の装置において、隣接する前記第一及び第二の刻印部材の横手方向間隔が前記第一の易開裂部と前記第二の易開裂部の狭い方の間隔に等しいことを特徴とする装置。

说明书全文

本発明は長尺のプラスチックフィルムに複数の斜めの易開裂部を周期的に効率良く形成する装置に関する。

レトルトパウチのように高い気密性、耐熱性及び強度を要するプラスチック包装容器は、例えばポリエチレンテレフタレート等の高耐熱性・高強度樹脂のフィルムと、アルミニウム箔のような高気密性層と、無延伸ポリエチレン又はポリプロピレン等のシーラント層からなる。レトルトパウチの場合、熱湯又は電子レンジにより加熱した後、開封して内容物を取り出すが、パウチが高強度であるため、パウチの辺にノッチ(切込み)が形成されていても、手で開封するのは困難なことが多い。特に高齢化により握が不十分な人が増加したために、ノッチだけでは手で開封できず、ハサミを使わなければならないことが多い。

易カット性積層フィルム包材の製造方法として、特開平11-77872号は、基材フィルム層と、総厚の1/2以上の厚さを有するシーラント層とからなる積層フィルムに対して、シーラント層側からレーザー光線を照射することによりシーラント層を薄化し、もって連続的又は断続的なハーフカット状切り離し線を形成する方法を開示している。この方法によりレトルトパウチに斜めのハーフカット状切り離し線を形成する場合、個々のレトルトパウチを製造した後で斜めのハーフカット状切り離し線を形成しなければならず、効率が悪いという問題がある。

延伸フィルムは延伸方向に避け易いので、開口部が延伸方向と平行になるように袋を形成し、開口部に隣接する一辺に切欠き部を形成すると、開口部付近のフィルムを容易に引き裂くことができる。しかし、このような方法では開口部と平行にしか開封できない。飲料や流動食品等では小さな開封の方が好ましいことが多いので、斜めの開封部を有する容器(袋)が望まれている。斜めの開封部を有する袋を得るには、傾斜した易開裂部が周期的に形成された長尺のプラスチックフィルムを製造する必要がある。

従って本発明の目的は、長尺のプラスチックフィルムに複数の斜めの易開裂部を周期的に効率良く形成する装置を提供することである。

上記目的に鑑み鋭意研究の結果、本発明者等は、(a) 一定方向に定速で進行するプラスチックフィルムに対して横手方向及び垂直方向に移動する複数の刻印部材を、プラスチックフィルムの進行方向に離隔させて二組設け、(b) 両組の刻印部材を所定のタイミングでプラスチックフィルムに摺接させると、各対がハの字状に配置された複数対の易開裂部が周期的に形成されることを発見し、本発明に想到した。

すなわち、本発明の装置は、長尺のプラスチックフィルムに複数対の斜めの易開裂部(各対はハの字状に配置された第一及び第二の斜めの易開裂部からなる。)を周期的に形成するもので、 (a) 前記プラスチックフィルムを一定速度で進行させるガイドロールと、 (b) 前記プラスチックフィルムに摺接して前記第一の斜めの易開裂部を形成する複数の第一の刻印部材と、 (c) 前記第一の刻印部材の下流側に配置され、前記プラスチックフィルムに摺接して前記第二の斜めの易開裂部を形成する複数の第二の刻印部材と、 (d) 前記複数の第一の刻印部材を一定の間隔で支持するとともに前記プラスチックフィルムの横手方向に往復動させる第一の直線運動ガイド装置と、 (e) 前記複数の第二の刻印部材を一定の間隔で支持するとともに前記プラスチックフィルムの横手方向に往復動させる第二の直線運動ガイド装置と、 (f) 前記第一の直線運動ガイド装置を前記プラスチックフィルムに対して垂直方向に移動させる第三の直線運動ガイド装置と、 (g) 前記第二の直線運動ガイド装置を前記プラスチックフィルムに対して垂直方向に移動させる第四の直線運動ガイド装置とを具備し、 (h) (1) 前記第一の刻印部材だけが前記プラスチックフィルムに接触した状態で横手方向に移動することにより、前記第一の易開裂部を形成し始め、(2) 前記プラスチックフィルムの進行方向に関して前記第一の易開裂部が前記第二の刻印部材の位置に到達したときに、前記第二の刻印部材は前記プラスチックフィルムに摺接し始め、(3) 前記第一の易開裂部が所定の大きさになったときに、前記第一の刻印部材は前記プラスチックフィルムから離隔し、(4) 前記第二の易開裂部が前記第一の易開裂部と同じ大きさになったときに、前記第二の刻印部材は前記プラスチックフィルムから離隔し、(5) 所定の時間前記第一及び第二の刻印部材は前記プラスチックフィルムから離隔することからなるサイクルを繰り返すことを特徴とする装置。

前記刻印部材の第一の例は、鋭い部を有するモース硬度が5以上の多数の硬質粒子により構成されている。

前記刻印部材の第二の例は、ロールの外周面に形成された複数の平行なエッジにより構成されている。前記エッジに周期的に切欠き部を設けても良い。

前記プラスチックフィルムの背後にプラテン部材が配置されており、前記第一及び第二の刻印部材は前記プラテン部材上の前記プラスチックフィルムに押圧され、もって前記第一及び第二の易開裂部が形成されるのが好ましい。

複数の前記第一の刻印部材は前記第一の直線運動ガイド装置に沿って移動する1つのスライド部材に等間隔に固定されており、複数の前記第二の刻印部材は前記第二の直線運動ガイド装置に沿って移動する1つのスライド部材に等間隔に固定されているのが好ましい。

前記第一の刻印部材と前記第二の刻印部材との長手方向間隔は前記第一及び第二の易開裂部の長手方向長さの半分であるのが好ましい。

隣接する前記第一及び第二の刻印部材の横手方向間隔は前記第一の易開裂部と前記第二の易開裂部の狭い方の間隔に等しいのが好ましい。

長尺のプラスチックフィルムに各対がハの字状に配置された複数対の斜めの易開裂部を周期的に形成する本発明の装置は、(a) 一定方向に定速で進行するプラスチックフィルムと、(b) プラスチックフィルムの進行方向に離隔し、プラスチックフィルムに対して横手方向及び垂直方向に移動する複数の刻印部材を二組具備し、(c) 両組の刻印部材を所定のタイミングでプラスチックフィルムに摺接させる構造を有するので、いかなる傾斜角、サイズ及び間隔の複数対の易開裂部でも正確に形成することができる。

本発明の易開裂部形成装置を示す斜視図である。

本発明の易開裂部形成装置を示す側面図である。

本発明の易開裂部形成装置を示す平面図である。

図2のA-A断面図である。

図3(a) のB-B断面図である。

図3(c) の部分Bを示す拡大断面図である。

第一及び第二の刻印部材の配置と易開裂部との関係を示す概略図である。

易開裂部の配置の一例を示す図である。

易開裂部の配置の別の例を示す図である。

易開裂部の形成の原理を示す概略図である。

第一及び第二の刻印部材の第一の配置状態と易開裂部との関係を示す概略図である。

第一及び第二の刻印部材の第二の配置状態と易開裂部との関係を示す概略図である。

第一及び第二の刻印部材の第三の配置状態と易開裂部との関係を示す概略図である。

第一及び第二の刻印部材の第四の配置状態と易開裂部との関係を示す概略図である。

第一及び第二の刻印部材の第五の配置状態と易開裂部との関係を示す概略図である。

図7(a) に相当する第一及び第二の刻印部材の配置状態を示す断面図である。

図7(b) 及び図7(c) に相当する第一及び第二の刻印部材の配置状態を示す断面図である。

図7(d) に相当する第一及び第二の刻印部材の配置状態を示す断面図である。

第一及び第二の刻印部材の両方ともプラスチックフィルムから離隔した状態を示す断面図である。

刻印部材の第一の例の詳細を示す平面図である。

図9のC-C断面図である。

刻印部材の第一の例に用いる突起部の別の例を示す断面図である。

刻印部材の第二の例の詳細を示す平面図である。

図12のD-D断面図である。

刻印部材の第二の例に用いるエッジの詳細を示す断面図である。

刻印部材の第二の例に用いるエッジの別の例を詳細に示す平面図である。

刻印部材の第二の例に用いるエッジのさらに別の例を詳細に示す断面図である。

本発明の易開裂部形成装置に用いる第一及び第二の直線運動ガイドの別の例を示す概略図である。

易開裂部を形成したプラスチックフィルムから包装袋を形成する工程を示す図である。

本発明の実施形態を添付図面を参照して以下詳細に説明するが、本発明はそれらに限定されず、本発明の技術的思想の範囲内で種々の変更を施しても良い。なお、第一及び第二の刻印部材の長手方向間隔、及び第三及び第四の直線運動ガイド装置の移動距離は小さいが、説明のために大きく図示している。

図1〜図3は本発明の易開裂部形成装置の一例を示す。この易開裂部形成装置は、(a) 長尺のプラスチックフィルム1が一定方向に定速で進行するように巻回する上下のガイドロール11,12と、(b) プラスチックフィルム1に摺接して第一の斜めの易開裂部100aを形成する複数(図示の例では4つ)の第一の刻印部材21と、(c) 第一の刻印部材21の下流側(図示の例では上方)に配置され、プラスチックフィルム1に摺接して第二の斜めの易開裂部100bを形成する複数(図示の例では4つ)の第二の刻印部材22と、(d) 複数の第一の刻印部材21を一定の間隔で支持するとともにプラスチックフィルム1に対して横手方向に移動させる第一の直線運動ガイド装置31と、(e) 複数の第二の刻印部材22を一定の間隔で支持するとともにプラスチックフィルム1に対して横手方向に移動させる第二の直線運動ガイド装置32と、(f) 第一の直線運動ガイド装置31をプラスチックフィルム1に対して垂直方向に移動させる第三の直線運動ガイド装置41と、(g) 第二の直線運動ガイド装置32をプラスチックフィルム1に対して垂直方向に移動させる第四の直線運動ガイド装置42とを具備する。この易開裂部形成装置はさらに、(h) プラスチックフィルム1の背後で第一及び第二の刻印部材21,22に対応する位置に平坦面を有するプラテン部材5と、(i) 第一及び第二の直線運動ガイド装置41,42及びプラテン部材5を支持するフレーム6とを具備する。

各ガイドロール11,12は、長尺のプラスチックフィルム1の進行速度を制御するために、駆動ロールとするとともに、図2に示すようにもう一つのガイドロール11’,12’と組合せ、ニップロールとするのが好ましい。プラスチックフィルム1は各対のガイドロール11,11’,及び12,12’に把持される。ガイドロール11,12の回転速度を制御することにより、プラスチックフィルム1にかかる張力を調整するのが好ましい。またプラテン部材5の平坦な前面5aは一対のガイドロール11,12に接する直線(接線)より僅かに前方に(プラスチックフィルム1を押圧するように)位置するので、プラスチックフィルム1は必ずプラテン部材5の前面5aにピッタリ接触する。これにより、プラテン部材5上で形成されるプラスチックフィルム1の易開裂部100の深さを正確に制御することができる。プラテン部材5は常時プラスチックフィルム1に接するので、テフロン(登録商標)のような低摩擦材により形成するのが好ましい。

図1及び図3(c) に示すように、フレーム6は、テーブル7aが固定された一対の平フレーム部6aと、テーブル7bが固定された一対の水平フレーム部6bと、水平フレーム部6a,6bを支持する複数の垂直フレーム部6cと、プラテン部材5を支持するように水平フレーム部6a,6b及び垂直フレーム部6cに固定されたフレーム部6dとを有する。第三の直線運動ガイド装置41はテーブル7aに支持されており、第四の直線運動ガイド装置42はテーブル7bに支持されている。

プラテン部材5の位置を調整するために、プラテン部材5は四角形状の箱型のフレーム体5bに固定されている。水平フレーム部6a,6bはフレーム体5bを水平に移動させるガイドとして機能する。フレーム部6dのメネジ部(図示せず)に螺合するネジ部材16は先端部が丸棒状でネジが切られておらず、ネジ部材16の先端部はフレーム体5bの開口部を貫通している。ネジ部材16の先端部にはストッパが固定されており、かつフレーム体5bとフレーム部6dとの間にコイルバネ17が設けられているので、フレーム体5bは常に前方に押圧されているとともに、ネジ部材16の後端部に固定されたハンドル16aの回転により水平方向に移動する。従って、フレーム体5bに固定されたプラテン部材5はプラスチックフィルム1に対して垂直方向に移動し、もってプラスチックフィルム1はプラテン部材5の平坦な前面5aに密着する。

図3及び図4に示すように、プラスチックフィルム1に斜めの易開裂部100a,100bからなる対を複数形成する複数(図示の例では4つ)の第一及び第二の刻印部材21(21a,21b,21c,21d),22(22a,22b,22c,22d)はそれぞれ第一及び第二の直線運動ガイド装置31,32に一定の間隔で設けられている。図3(a) 及び図3(b) に示すように、第三の直線運動ガイド装置41は、水平フレーム部6aに固定されたテーブル7aの上面に固定された一対のガイド41a,41aと、一対のガイド41a,41aに沿って移動し得るようにテーブル7a上に設けられたテーブル41bと、テーブル41bを駆動するようにテーブル7aの中心に設けられたネジ部材41cと、ネジ部材41cに連結したモータM1とからなる。また第四の直線運動ガイド装置42は、水平フレーム部6bに固定されたテーブル7bの上面に固定された一対のガイド42a,42aと、一対のガイド42a,42aに沿って移動し得るようにテーブル7b上に設けられたテーブル42bと、テーブル42bを駆動するようにテーブル7bの中心に設けられたネジ部材42cと、ネジ部材42cに連結したモータM2とからなる。第一及び第二の直線運動ガイド装置31,32の駆動はモータM3,M4により行われる。

モータM1の駆動によりネジ部材41cが回転すると、テーブル41bはガイド41a,41aに沿って水平に(プラスチックフィルム1に対して垂直方向に)移動し、第三の直線運動ガイド装置41に固定された第一の直線運動ガイド装置31もプラスチックフィルム1に対して垂直方向に移動する。またモータM2の駆動によりネジ部材42cが回転すると、テーブル42bはガイド42a,42aに沿って水平に(プラスチックフィルム1に対して垂直方向に)移動し、第四の直線運動ガイド装置42に固定された第二の直線運動ガイド装置32もプラスチックフィルム1に対して垂直方向に移動する。このように、第一及び第三の直線運動ガイド装置31,41、及び第二及び第四の直線運動ガイド装置32,42はそれぞれいわゆるXYステージとして機能する。

本発明の特徴は、第一及び第二の直線運動ガイド装置31,32がタイミングをとって周期的にプラスチックフィルム1に接近するとともに、プラスチックフィルム1に接触した各刻印部材21,22が各直線運動ガイド装置31,32に沿って横手方向に移動することにより、ハの字状に傾斜した複数対の易開裂部100a,100bを形成することである。ここで「ハの字状」とは、逆方向に傾斜した一対の易開裂部100a,100bが、それらの間の中心軸線Cに関して線対象であることを意味する。図4に示す例では4対の易開裂部100a,100bが形成されるので、プラスチックフィルム1は3本の直線Fに沿ってスリットされ、各帯片101の中心軸線Cは折り目になる。

図5(a) に示す帯片101では、一対の易開裂部100a,100bの間隔が狭い方の端部がプラスチックフィルム1の進行方向前方にあり、中心軸線Cに沿って折り畳まれて筒状帯片105が得られるが、図5(b) に示す帯片101’では、一対の易開裂部100a,100bの間隔が狭い方の端部がプラスチックフィルム1の進行方向後方にあり、中心軸線Cに沿って折り畳まれて筒状帯片105’が得られる。重ねられた易開裂部100a,100bの付近で切断すると、筒状帯片105及び筒状帯片105’から実質的に同じ袋が得られる。従って、「ハの字状」というときに、必ずしも一対の易開裂部100a,100bの狭い方の間隔G2が進行方向前方にある訳ではない。

図6は直線的に進行するプラスチックフィルム1に接触しながら横手方向に移動する刻印部材21が斜めの易開裂部100を形成する原理を示す。(x1,y1)の位置Aにいた刻印部材21が(x2,y1)の位置Cまで横手方向に移動する間にプラスチックフィルム1が長手方向にy2まで進行すると、刻印部材21により形成された(x1,y1)の位置Aにある切れ目は(x1,y2)の位置Bまで移動する。従って、線分B-Cに沿って易開裂部100が形成される。例えば、刻印部材21が45°だけ傾斜し、かつ刻印部材21の横手方向移動速度とプラスチックフィルム1の進行速度とが同じであると、図6に示すように、45°だけ傾斜した易開裂部100が得られる。

第一及び第二の刻印部材21,22を用いてハの字状に傾斜した易開裂部100a,100bを形成する原理を、図7(a)〜図7(e) 及び図8(a)〜図8(d) を参照して以下詳細に説明する。図7(a) に示すように、隣接する第一の刻印部材21は横手方向(第一の直線運動ガイド装置31に沿った方向)にG1だけ離隔しており、また隣接する第二の刻印部材22も横手方向(第二の直線運動ガイド装置32に沿った方向)にG1だけ離隔している。さらに、隣接する第一の刻印部材21及び第二の刻印部材22の横手方向間隔(第一及び第二の直線運動ガイド装置31,32に沿った方向の間隔)はG2である。第一及び第二の刻印部材21,22は逆方向に同速度で移動する。なお図7(a)〜図7(e) において、●は刻印部材21,22がプラスチックフィルム1に接触している状態を示し、○は刻印部材21,22がプラスチックフィルム1に接触していない状態を示す。

まず図7(a) 及び図8(a) に示す第一の配置状態では、下方の第一の直線運動ガイド装置31はプラスチックフィルム1に接近し、第一の刻印部材21はプラスチックフィルム1に接触しているが、上方の第二の直線運動ガイド装置32はプラスチックフィルム1から離隔し、第二の刻印部材22はプラスチックフィルム1に接触していない。図7(b) 及び図8(b) に示すように、プラスチックフィルム1が距離Y1だけ移動する間に第一の刻印部材21が距離X1だけ移動すると、第一の刻印部材21により形成された易開裂部の端部は距離Y1だけ移動し、半分の長さの傾斜した易開裂部100a’が得られる。この時点で、第二の直線運動ガイド装置32はプラスチックフィルム1に接近し、第二の刻印部材22はプラスチックフィルム1に接触する。

図7(c) 及び図8(b) に示すように、プラスチックフィルム1がさらに距離Y1だけ移動する間に、第一及び第二の刻印部材21,22はそれぞれ逆方向に距離X1だけ移動する。第一の刻印部材21によりさらに形成された易開裂部の端部は距離Y1だけ移動し、得られた半分の長さの傾斜した易開裂部100a’は先に形成された半分の長さの傾斜した易開裂部100a’と直線状に連続し、所定の長さの斜めの易開裂部100aが得られる。同時に、第二の刻印部材22により形成された易開裂部の端部も距離Y1だけ移動し、半分の長さの傾斜した易開裂部100b’が得られる。斜めの易開裂部100aは所定の長さに達したので、第一の直線運動ガイド装置31はプラスチックフィルム1から離隔し、第一の刻印部材21はプラスチックフィルム1に接触しなくなる。

図7(d) 及び図8(c) に示すように、プラスチックフィルム1がさらに距離Y1だけ移動する間に、第二の刻印部材22は距離X1だけ移動するとともに、新たに形成された易開裂部の端部も距離Y1だけ移動し、半分の長さの斜めの易開裂部100b’が得られる。新たに形成された半分の長さの斜めの易開裂部100b’は先に形成された半分の長さの斜めの易開裂部100b’と直線状に連続するので、所定の長さの斜めの易開裂部100bが得られる。この状態で、両易開裂部100a,100bとも所定の長さに達する。易開裂部100bは長手方向距離Y1だけ遅れて形成されるが、形成中のプラスチックフィルム1の移動距離は易開裂部100aの場合と同様に2Y1であるので、易開裂部100bの長さ及び位置は必ず易開裂部100aの長さ及び位置と同じになる。図7(d) から明らかなように、第一の刻印部材21と第二の刻印部材22との長手方向間隔Y1は、第一及び第二の易開裂部100a,100bの長手方向長さ2Y1の半分である。第一及び第二の易開裂部100a,100bの傾斜角θが45°の場合、X1=Y1である。

次いで図8(d) に示すように、第二の直線運動ガイド装置32もプラスチックフィルム1から離隔する。プラスチックフィルム1から離隔した状態では、いずれの直線運動ガイド装置31,32でも刻印部材21,22は図7(a) に示す初期位置(ただし、刻印部材21はプラスチックフィルム1に接していない。)に戻る。プラスチックフィルム1が所定の距離Y2だけ移動すると、図7(e) に示すように、第一の直線運動ガイド装置31は再度プラスチックフィルム1に接近し、第一の刻印部材21はプラスチックフィルム1に接触するようになる。このように、第一及び第二の直線運動ガイド装置31,32がプラスチックフィルム1への接近及び離隔を繰り返しつつ、第一及び第二の刻印部材21,22が横手方向に移動してプラスチックフィルム1に凹部(傷)を付けることにより、プラスチックフィルム1にハの字状に傾斜した複数対の易開裂部100a,100bを形成することができる。各易開裂部100a,100bの長手方向長さは第一の刻印部材21と第二の刻印部材22の長手方向間隔Y1の2倍であり、長手方向ピッチはY2である。

第一の刻印部材21を例にとって、各刻印部材の構造を説明する。刻印部材21の第一の例は、図9及び図10に示すように、ネジ部材31a及びガイド部31bを具備する直線運動ガイド装置31に沿って移動自在なスライド部材21aに固定された支持体21bと、支持体21bの中央部に一体的に形成された突起部21cと、突起部21cの上面中央に設けられたスクラッチ部121と、スクラッチ部121の両側に設けられた溝部122とを有する。ネジ部材31aはモータM3により駆動される。スクラッチ部121の両側の溝122によりスクラッチ部121の輪郭がシャープになり、綺麗な易開裂部100が得られる。

スクラッチ部121は、例えば鋭い角部を有するモース硬度が5以上の多数の硬質粒子からなる。硬質粒子としてはダイヤモンド微粒子が好ましい。ダイヤモンド微粒子は、金属製突起部21cの表面にニッケルめっき等により付着している。硬質粒子の平均粒径は、プラスチックフィルム1の厚さ及び層構成に応じて適宜決める。例えばプラスチックフィルム1が、厚さ15μmのポリエチレンテレフタレート(PET)層と、厚さ20μmのナイロン層と、アルミニウム箔と、厚さ40μmのポリエチレン(シーラント)層とからなる場合、PET層とナイロン層に十分な切れ目を形成する必要があるので、15μm+20μm=35μmに近い深さまで傷(凹部)が形成できるように、硬質粒子の平均粒径を30〜200μmの範囲内で決めるのが好ましい。スクラッチ部121における硬質粒子の割合(面積率)は一般に10〜50%であり、好ましくは15〜30%である。

突起部21cは直線運動ガイド装置31の軸線方向に対して傾斜しているのが好ましい。傾斜角θはプラスチックフィルム1の進行速度と刻印部材21の横手方向移動速度との比により決まるが、易開裂部100は包装袋の角部に45°の角度に延在するのが好ましいので、傾斜角θも45°であるのが好ましい。傾斜した突起部21cの傾斜方向DDに直交する方向にスクラッチ部121を形成する。これにより、スクラッチ部121の幅Wが易開裂部100の幅になる。なお、スクラッチ部121がプラスチックフィルム1に接触する圧力が過大になるのを防止するために、スライド部材21aと支持体21bとの間にゴム板等の弾性材(図示せず)を介在させるのが好ましい。

図11はスクラッチ部121の両側に設けた溝部122の幅を大きくした例を示す。溝部122の幅を大きくすることにより、スクラッチ部121の幅W(従って、易開裂部100の幅)を適宜調節することができる。

図12〜図14は刻印部材21の第二の例を示す。この刻印部材21は、直線運動ガイド装置31に沿って移動自在なスライド部材21aに固定された支持体21bと、支持体21bの中央部から一体的に突出する一対の支柱部131,131と、支柱部131,131に回転自在に支持されたシャフト132と、シャフト132に固定されたロール133と、ロール133の外周面中央に設けられた凸条134と、凸条134の上面に設けられた複数列の平行なエッジ135とを有する。エッジ135がプラスチックフィルム1に食い込むのを容易にするために、図15に示すようにエッジ135に周期的に切欠き部136を設けても良い。刻印部材21のエッジ135は、まず金属ロール133の表面(ロール面)に研削により凸条134を形成し、次いで凸条134の上面にグラインダーにより複数の平行な溝137を形成することにより得られる。エッジ135の高さは、上記の例では約35μmの深さまで切れ目を入れるのに十分でなければならず、具体的には100〜300μm程度が好ましい。エッジ135が十分な強度及び硬度を有するために、刻印部材21を形成する金属ロールは高速度鋼、工具鋼、超硬等により形成するのが好ましい。

図16は刻印部材21の第三の例を示す。この例は上記第二の例の変形である。この例では、凸条134がなく、両側の第一の溝137とエッジ135間の第二の溝138とが深く形成されている。第一の溝137の深さD1>第二の溝138の深さD2であるので、エッジ135の高さHはD1−D2である。エッジ135の高さHは、形成すべき易開裂部100の深さに相当するので、易開裂部100の深さに応じて決める。例えば上記の例ではエッジ135の高さHを約35μmとする。ロール面により、エッジ135はHの深さまでしかプラスチックフィルム1に食い込まないので、この刻印部材21を用いれば易開裂部100の深さを正確に制御することができる。なお、ロール133がプラスチックフィルム1に接触する圧力が過大になるのを防止するために、スライド部材21aと支持体21bとの間にゴム板等の弾性材(図示せず)を介在させるのが好ましい。

図4に示すように、第一及び第二の直線運動ガイド装置31,32の各々に複数の第一及び第二の刻印部材21,22が等間隔G1で配置されているので、隣接する第一の刻印部材21により形成された易開裂部100a,100aの一端の横手方向間隔、及び隣接する第二の刻印部材22により形成された易開裂部100b,100bの一端の横手方向間隔も同じくG1である。また、隣接する易開裂部100aと易開裂部100bとの横手方向間隔G2は第一の刻印部材21と第二の刻印部材22との横手方向間隔と同じである。従って、第一の刻印部材21同士の間隔、第二の刻印部材22同士の間隔、及び第一の刻印部材21と第二の刻印部材22との間隔を適宜設定することにより、いかなる間隔の易開裂部100でも形成することができる。一方、第一及び第二の直線運動ガイド装置31,32をプラスチックフィルム1に対して垂直方向に移動させる第三及び第四の直線運動ガイド装置41,42の移動量は、易開裂部100の深さが数十μm程度であるので、せいぜい1 mm程度で良いが、勿論限定的でない。このように第一〜第四の直線運動ガイド装置31,32,41,42の移動量を任意に設定できるので、本発明の装置はいかなる形状、サイズ及び間隔の易開裂部でも形成することができ、極めて汎用性が高い。

上記の通り第一の直線運動ガイド装置31に沿った刻印部材21a,21b,21c,21dの移動量及び第二の直線運動ガイド装置32に沿った刻印部材22a,22b,22c,22dの移動量は一定であるので、全ての刻印部材21a〜21d及び22a〜22dをそれぞれ1つのスライド部材31,32に固定しても良い。図17は、4つの刻印部材21a〜21dが所定の横手方向間隔G1で固定された第一のスライド部材23と、4つの刻印部材22a〜22dが所定の横手方向間隔G1で固定された第二のスライド部材24とを示す。両スライド部材23,24は、隣接する刻印部材21a,22aの横手方向間隔がG2となるように配置されているので、ハの字状に配置された易開裂部100a,100bの横手方向間隔もG2となる。全ての刻印部材21a〜21d及び22a〜22dがそれぞれ1つのスライド部材31,32に固定されているので、横手方向間隔G1及びG2を常に一定に保つことができ、易開裂部100a,100bの配置を正確に制御できるという利点が得られる。

通常包装袋の一辺は折り目であるので、一対の易開裂部100a,100bを折り目に対向する辺側に設ける。また、見開きでは一対の易開裂部100a,100bは図4に示すようにハの字状に配置された状態にする。そのため、第一の直線運動ガイド装置31上の第一の刻印部材21a〜21dを易開裂部100aの一端(図4では右端)に対応する位置に配置し、第二の直線運動ガイド装置32上の第二の刻印部材22a〜22dを易開裂部100bの他端(図4では左端)に対応する位置に配置する。

シーラント層がプラテン部材5側になるように長尺のプラスチックフィルム1を一対のガイドロール11,12に巻回すると、図2に示すようにプラテン部材5の前面5aはプラスチックフィルム1を僅かに押圧するので、プラスチックフィルム1はプラテン部材5の前面5aにピッタリ摺接する。この状態で、第一及び第二の刻印部材21,22を図7及び図8に示すように移動させ、ハの字状に配置された各対の易開裂部100a,100bを形成する。

複数対の易開裂部100a,100bを形成したプラスチックフィルム1を直線Fに沿ってスリットし、図18に示すように、得られた各帯片101を中心軸線Cに沿って折り畳むと、一対の易開裂部100a,100bは完全に重なる(工程A)。次に易開裂部100の外端102に沿って長手方向にヒートシールするとともに、得られたヒートシール部103に沿って側端部を切り落とし、平坦な筒状の帯片105とする(工程B)。さらに各易開裂部100に近い横手方向線101aに沿ってヒートシール部107を形成するとともに、筒状帯片105を切断し、個々の袋109にする(工程C)。個々の袋109に内容物を充填した後、入口をヒートシール(ヒートシール部111を形成)し、内容物を含有する袋113とする(工程D)。ヒートシール部111の易開裂部100に接する位置に切欠き部115を設けると、易開裂部100に沿って袋113を開封するのが容易になる。

QQ群二维码
意见反馈