段ボールシートの印刷装置、段ボールシート製函機、および段ボールシート製函機のための管理装置

申请号 JP2012172407 申请日 2012-08-02 公开(公告)号 JP5911142B2 公开(公告)日 2016-04-27
申请人 株式会社ISOWA; 发明人 児玉 純一; 岡本 勉; 戸塚 雄介;
摘要
权利要求

給紙装置から送り出される段ボールシートを搬送経路に沿って搬送するために、段ボールシートを吸引するサクション機能を有する搬送装置と、 搬送装置により搬送される段ボールシートに一連の印刷を施すために、搬送経路に沿って配列された複数の印刷ユニットと、 段ボールシートの坪量を表す坪量情報を、各オーダに従って生成する情報生成部と、 複数の印刷ユニットが段ボールシートに印刷する複数の印刷タイミングを補正するための複数の補正情報と、段ボールシートの坪量を表す坪量情報とを対応付けて記憶する記憶部と、 情報生成部により生成された坪量情報に対応付けられた複数の補正情報を記憶部から読み出す読出部と、 読出部により読み出された補正情報に従って、各印刷ユニットの印刷タイミングを補正し、その補正された印刷タイミングで各印刷ユニットが作動するように、複数の印刷ユニットを設定する制御部と、を備える段ボールシートの印刷装置。記憶部は、段ボールシートの坪量が大きくなるほど、各印刷ユニットの印刷タイミングの遅れ量が大きくなるように定められた複数の補正情報を記憶する請求項1に記載の段ボールシートの印刷装置。記憶部は、段ボールシートの坪量、および段ボールシートの搬送方向のシート長さに対応付けて、複数の補正情報を記憶する請求項2に記載の段ボールシートの印刷装置。記憶部は、段ボールシートの坪量が大きくなるほど、各印刷ユニットの印刷タイミングの遅れ量が大きくなり、段ボールシートの搬送方向のシート長さが長くなるほど、各印刷ユニットの印刷タイミングの遅れ量が小さくなるように定められた複数の補正情報を記憶する請求項3に記載の段ボールシートの印刷装置。記憶部は、各印刷ユニットについて、段ボールシートの坪量に対応付けて、各印刷ユニットの印刷タイミングを補正するための補正情報を記憶し、 記憶部は、搬送経路に沿って下流側に配置される印刷ユニットであるほど、その印刷ユニットの印刷タイミングの遅れ量が累積されるように定められた補正情報を記憶する請求項2〜4のいずれかに記載の段ボールシートの印刷装置。各印刷ユニットは、 段ボールシートに印刷するために回転可能な印刷シリンダと、 給紙装置による段ボールシートの送出開始タイミングに対して、印刷シリンダの印刷タイミングを調整するタイミング調整部と、を含み、 制御部は、読出部により読み出された補正情報に従って、印刷シリンダの印刷タイミングを補正するために、タイミング調整部を制御する請求項1〜5のいずれかに記載の段ボールシートの印刷装置。給紙装置から送り出される段ボールシートを搬送経路に沿って搬送する搬送装置と、 搬送装置により搬送される段ボールシートに一連の印刷を施す複数の印刷ユニットと、その一連の印刷後に段ボールシートに一連の加工を施す複数の加工ユニットとが搬送経路に沿って配列された加工ラインと、 段ボールシートの坪量を表す坪量情報を、各オーダに従って生成する情報生成部と、 複数の印刷ユニットが段ボールシートに印刷を施す複数の印刷タイミング、および複数の加工ユニットが段ボールシートに加工を施す複数の加工タイミングを補正するための複数の補正情報と、段ボールシートの坪量を表す坪量情報とを対応付けて記憶する記憶部と、 情報生成部により生成された坪量情報に対応付けられた複数の補正情報を記憶部から読み出す読出部と、 読出部により読み出された補正情報に従って、各印刷ユニットの印刷タイミングおよび各加工ユニットの加工タイミングを補正し、その補正された印刷タイミングおよび加工タイミングで各印刷ユニットおよび各加工ユニットが作動するように、複数の印刷ユニットおよび複数の加工ユニットを設定する制御部と、を備え、 搬送装置は、複数の印刷ユニットが配列された領域において、段ボールシートを吸引して搬送するサクション機能を有する段ボールシート製函機。給紙装置から送り出される段ボールシートを搬送経路に沿って搬送する搬送装置と、搬送装置により搬送される段ボールシートに一連の印刷を施す複数の印刷ユニットと、その一連の印刷後に段ボールシートに一連の加工を施す複数の加工ユニットとが搬送経路に沿って配列された加工ラインと、を備え、搬送装置が、複数の印刷ユニットが配列された領域において、段ボールシートを吸引して搬送するサクション機能を有する段ボールシート製函機のための管理装置であって、 段ボールシートの坪量を表す坪量情報を、各オーダに従って生成する情報生成部と、 複数の印刷ユニットが段ボールシートに印刷を施す複数の印刷タイミング、および複数の加工ユニットが段ボールシートに加工を施す複数の加工タイミングを補正するための複数の補正情報と、段ボールシートの坪量を表す坪量情報とを対応付けて記憶する記憶部と、 情報生成部により生成された坪量情報に対応付けられた複数の補正情報を記憶部から読み出す読出部と、 読出部により読み出された補正情報に従って、各印刷ユニットの印刷タイミングおよび各加工ユニットの加工タイミングを補正し、その補正された印刷タイミングおよび加工タイミングで各印刷ユニットおよび各加工ユニットが作動するように、複数の印刷ユニットおよび複数の加工ユニットを設定する制御部と、を備える管理装置。

说明书全文

本発明は、給紙装置から給紙される段ボールシートを搬送経路に沿って搬送するためにサクション機能を有する搬送装置と、その搬送される段ボールシートに一連の印刷を順次行うために搬送経路に沿って配列された複数の印刷ユニットとを備えた段ボールシートの印刷装置に関する。詳細には、本発明は、搬送装置により搬送される段ボールシートが各印刷ユニットに到達するタイミングが遅れるという搬送ずれの量に応じて各印刷ユニットの印刷タイミングを補正する段ボールシートの印刷装置に関する。

従来、給紙装置から段ボールシートを所定の搬送方向に搬送しながら、一連の印刷を段ボールシートに行う複数の印刷ユニットを備えた段ボールシート製函機の印刷装置が、知られている。この種の印刷装置において、各印刷ユニットにより実際に行われた段ボールシートの印刷位置が、所望の印刷位置に対して、搬送方向にずれることがある。印刷位置が搬送方向にずれるという位置ずれを解消するために、位置ずれ量に応じて各印刷ユニットの印刷タイミングを調整することが行われる。この印刷タイミングを調整するために、試し通しシートを搬送しながら、一連の印刷を試し通しシートに行う必要がある。通常、1回の印刷タイミングの調整によって位置ずれを解消することは困難であることから、試し通しシートへの印刷による位置ずれ量の測定、および印刷タイミングの調整を複数回繰り返す必要がある。

試し通しシートに実際に印刷を行うことで位置ずれ量を測定する方法は、段ボールシート製函機の加工運転前の準備作業として手間のかかる作業であるとともに、試し通しシートとして複数枚の段ボールシートを無駄に使用してしまう問題があった。しかも、位置ずれ量の測定は、オーダが変更される度に行われることから、段ボールシートの生産効率を低下させる問題もあった。

上記の問題を改善するために、特許文献1に記載された段ボールシート製函機が提案された。この提案された段ボールシート製函機において、加工運転前の準備段階に、1枚の段ボールシートが試し通しシートとして給紙され、印刷および溝切りなどの加工処理が段ボールシートに施される。少なくとも1台のカメラが、段ボールシートに施された印刷および溝切りなどの加工位置を撮影する。撮影された加工位置は、基準となる見本の加工位置と比較され、位置ずれ量が算出される。印刷ユニットおよびスロッタなどの各加工ユニットにおいて、位置調整機構が、この算出された位置ずれ量を基に、印刷版およびスロッタナイフなどの位置を調整する。

特開2012−11600号公報

特許文献1に記載の段ボールシート製函機は、試し通しシートの枚数を1枚まで減らし、各加工ユニットの加工位置の位置ずれを自動的に調整することができる点で有効である。しかし、少なくとも1台のカメラ、位置ずれ量を正確に検出するためには複数の加工ユニットにそれぞれ対応して複数台のカメラを設置する必要があり、各カメラの検出精度を維持するために保守点検作業も必要となる問題があった。しかも、多種類で少量のオーダに対応する必要がある今日では、オーダ替えの度に、1枚の試し通しシートの給紙と、位置ずれ量の算出とを頻繁に行う必要があり、特許文献1に記載の段ボールシート製函機でも、段ボールシートの生産効率を低下させる問題を完全に解消することはできなかった。

ところで、段ボールシート製函機の印刷装置は、複数の印刷ユニットを備えるとともに、段ボールシートに搬送を確実に付与するためにサクション機能を有する搬送装置を備えるのが一般的である。本件出願の発明者は、各印刷ユニットにおける印刷位置のずれが、主として、段ボールシートが各印刷ユニットに到達するタイミングが遅れる搬送ずれに起因していると考え、その搬送ずれ量と段ボールシートの坪量との間に一定の関係が存在することを、実験を通して見つけ出した。ここで、段ボールシートの坪量は、ライナおよび中芯を含む段ボールシートの単位面積当たりの重量を意味する。実験結果から、搬送ずれ量は、段ボールシートの坪量が大きくなるほど、大きくなり、坪量が小さくなるほど、小さくなることが判明した。

上記の実験結果から判明したことを基に、本発明者は、印刷される段ボールシートについて搬送ずれ量を実際に測定することなく、その段ボールシートの坪量に応じて各印刷ユニットの印刷タイミングを調整することを考え出した。

本発明は、従来の問題に鑑みて発明者が実験を通して見つけ出した搬送ずれ量と坪量との関係を基になされたものであり、サクション機能を有する搬送装置により搬送される段ボールシートの坪量に応じて各印刷ユニットの印刷タイミングを補正することができる段ボールシートの印刷装置を提供することを目的とする。

(第1の発明態様およびその具体的態様) 上記目的を達成するために、請求項1に記載の第1の発明態様は、給紙装置から送り出される段ボールシートを搬送経路に沿って搬送するために、段ボールシートを吸引するサクション機能を有する搬送装置と、搬送装置により搬送される段ボールシートに一連の印刷を施すために、搬送経路に沿って配列された複数の印刷ユニットと、段ボールシートの坪量を表す坪量情報を、各オーダに従って生成する情報生成部と、複数の印刷ユニットが段ボールシートに印刷する複数の印刷タイミングを補正するための複数の補正情報と、段ボールシートの坪量を表す坪量情報とを対応付けて記憶する記憶部と、情報生成部により生成された坪量情報に対応付けられた複数の補正情報を記憶部から読み出す読出部と、読出部により読み出された補正情報に従って、各印刷ユニットの印刷タイミングを補正し、その補正された印刷タイミングで各印刷ユニットが作動するように、複数の印刷ユニットを設定する制御部と、を備える。

第1の発明態様では、サクション機能を有する搬送装置は、各印刷ユニットが段ボールシート上の所望の位置に印刷している間、段ボールシートの大部分を吸引することができるように、搬送方向において各印刷ユニットの上流側および下流側に設置される。

第1の発明態様では、段ボールシートの坪量は、段ボールシートを構成するライナおよび中芯を合わせた単位面積当たりの重量を表す。

第1の発明態様では、記憶部が、複数の印刷ユニットについてそれぞれ定められた複数の補正情報を纏めて記憶する1つのメモリにより構成されても、複数の印刷ユニットにそれぞれ設けられた複数のユニット別メモリにより構成されてもよい。また、読出部、および制御部も、記憶部と同様に、纏めて1つの手段によりそれぞれ構成されても、複数の印刷ユニットにそれぞれ設けられた複数のユニット別読出部、および複数のユニット別制御部により構成されてもよい。

第1の発明態様では、記憶部が、インターネットなどのネットワークを介して読出部により補正情報が読み出される外部メモリにより構成されてもよい。

第1の発明態様では、制御部は、先回のオーダが終了してから次回のオーダが開始されるまでの間に、補正情報に従って複数の印刷ユニットを設定するのであれば、いかなる構成でもよい。たとえば、制御部は、複数の印刷ユニットのうち、搬送方向において上流側に配置された印刷ユニットから順番に設定する構成でも、全ての印刷ユニットを同時に設定する構成でもよい。

一般に、給紙装置から段ボールシートが送り出される送出開始タイミングに対して、各印刷ユニットの基準となる印刷タイミングが定められる。第1の発明態様では、補正情報は、基準となる印刷タイミングから実際の印刷タイミングを遅らせるための情報である。

請求項2に記載の具体的態様では、記憶部が、段ボールシートの坪量が大きくなるほど、各印刷ユニットの印刷タイミングの遅れ量が大きくなるように定められた複数の補正情報を記憶する。

具体的態様では、補正情報が表す印刷タイミングの遅れ量は、段ボールシートの坪量が大きくなることに伴い、連続的に大きくなるように定められる必要はなく、坪量が大きくなることに伴い、段階的に大きくなるように定められてもよい。

請求項3に記載の具体的態様では、記憶部が、段ボールシートの坪量、および段ボールシートの搬送方向のシート長さに対応付けて、複数の補正情報を記憶する。

具体的態様では、補正情報が、段ボールシートの坪量、および段ボールシートの搬送方向のシート長さの他に、搬送方向と直交する方向における段ボールシートのシート幅に対応付けて記憶されてもよい。通常、シート幅は、搬送方向のシート長さに応じて大きくなることから、シート長さに対応付けられることは、段ボールシートの表面積に対応付けられることと考えることもできる。

請求項4に記載の具体的態様では、記憶部が、段ボールシートの坪量が大きくなるほど、各印刷ユニットの印刷タイミングの遅れ量が大きくなり、段ボールシートの搬送方向のシート長さが長くなるほど、各印刷ユニットの印刷タイミングの遅れ量が小さくなるように定められた複数の補正情報を記憶する。

具体的態様では、補正情報が表す印刷タイミングの遅れ量は、段ボールシートの搬送方向のシート長さが長くなることに伴い、連続的に小さくなるように定められる必要はなく、シート長さが長くなることに伴い、段階的に小さくなるように定められてもよい。

請求項5に記載の具体的態様では、記憶部が、各印刷ユニットについて、段ボールシートの坪量に対応付けて、各印刷ユニットの印刷タイミングを補正するための補正情報を記憶し、記憶部が、搬送経路に沿って下流側に配置される印刷ユニットであるほど、その印刷ユニットの印刷タイミングの遅れ量が累積されるように定められた補正情報を記憶する。

具体的態様では、補正情報が表す印刷タイミングの遅れ量が、印刷ユニットが搬送経路に沿って下流側に配置されることに伴い、常に大きくなるように定められる必要はなく、隣り合う2つの印刷ユニットについて、同じ遅れ量が定められてもよい。

請求項6に記載の具体的態様では、各印刷ユニットが、段ボールシートに印刷するために回転可能な印刷シリンダと、給紙装置による段ボールシートの送出開始タイミングに対して、印刷シリンダの印刷タイミングを調整するタイミング調整部と、を含み、制御部が、読出部により読み出された補正情報に従って、印刷シリンダの印刷タイミングを補正するために、タイミング調整部を制御する。

具体的態様では、タイミング調整部は、給紙装置による段ボールシートの送出開始タイミングに対して、各印刷ユニットの印刷シリンダの印刷タイミングを調整する構成であれば、いかなる構成でもよい。たとえば、タイミング調整部は、「ハーモニックドライブ」(登録商標)と称する差動機構と差動用モータとを含み、差動用モータの回転制御により印刷シリンダの停止位置を設定する構成でも、各印刷ユニットの印刷シリンダを個別に回転駆動するサーボモータの回転制御により印刷シリンダの回転速度を制御する構成でもよい。

具体的態様では、制御部は、先回のオーダに関する各印刷ユニットの印刷シリンダの停止位置から、次回のオーダに関する各印刷ユニットの印刷シリンダの停止位置までの回転変位量を、読出部により読み出された補正情報に従って制御する構成でも、各印刷ユニットの印刷シリンダの予め決められた基準位置から、次回のオーダに関する各印刷ユニットの印刷シリンダの停止位置までの回転変位量を、読出部により読み出された補正情報に従って制御する構成でもよい。

(第2の発明態様) 上記目的を達成するために、請求項7に記載の第2の発明態様は、給紙装置から送り出される段ボールシートを搬送経路に沿って搬送する搬送装置と、搬送装置により搬送される段ボールシートに一連の印刷を施す複数の印刷ユニットと、その一連の印刷後に段ボールシートに一連の加工を施す複数の加工ユニットとが搬送経路に沿って配列された加工ラインと、段ボールシートの坪量を表す坪量情報を、各オーダに従って生成する情報生成部と、複数の印刷ユニットが段ボールシートに印刷を施す複数の印刷タイミング、および複数の加工ユニットが段ボールシートに加工を施す複数の加工タイミングを補正するための複数の補正情報と、段ボールシートの坪量を表す坪量情報とを対応付けて記憶する記憶部と、情報生成部により生成された坪量情報に対応付けられた複数の補正情報を記憶部から読み出す読出部と、読出部により読み出された補正情報に従って、各印刷ユニットの印刷タイミングおよび各加工ユニットの加工タイミングを補正し、その補正された印刷タイミングおよび加工タイミングで各印刷ユニットおよび各加工ユニットが作動するように、複数の印刷ユニットおよび複数の加工ユニットを設定する制御部と、を備え、搬送装置が複数の印刷ユニットが配列された領域において、段ボールシートを吸引して搬送するサクション機能を有する。

第2の発明態様では、複数の加工ユニットは、搬送経路に沿って搬送される段ボールシートに加工処理を施す加工タイミングを設定する必要がある構成を有するが、加工ラインは、加工タイミングを設定する必要がない加工ユニットを含む構成でもよい。加工タイミングを設定する必要がない加工ユニットとして、搬送方向における加工位置の調整が必要ない加工ユニット、たとえば、段ボールシートに罫線加工を施すクリーザが考えられる。

第2の発明態様では、複数の加工ユニットが配列された領域において、サクション機能を有する搬送装置が設けられる構成でも、サクション機能を有しない搬送装置が設けられる構成でもよい。

(第3の発明態様) 上記目的を達成するために、請求項8に記載の第3の発明態様は、給紙装置から送り出される段ボールシートを搬送経路に沿って搬送する搬送装置と、搬送装置により搬送される段ボールシートに一連の印刷を施す複数の印刷ユニットと、その一連の印刷後に段ボールシートに一連の加工を施す複数の加工ユニットとが搬送経路に沿って配列された加工ラインと、を備え、搬送装置が、複数の印刷ユニットが配列された領域において、段ボールシートを吸引して搬送するサクション機能を有する段ボールシート製函機のための管理装置であって、段ボールシートの坪量を表す坪量情報を、各オーダに従って生成する情報生成部と、複数の印刷ユニットが段ボールシートに印刷を施す複数の印刷タイミング、および複数の加工ユニットが段ボールシートに加工を施す複数の加工タイミングを補正するための複数の補正情報と、段ボールシートの坪量を表す坪量情報とを対応付けて記憶する記憶部と、情報生成部により生成された坪量情報に対応付けられた複数の補正情報を記憶部から読み出す読出部と、読出部により読み出された補正情報に従って、各印刷ユニットの印刷タイミングおよび各加工ユニットの加工タイミングを補正し、その補正された印刷タイミングおよび加工タイミングで各印刷ユニットおよび各加工ユニットが作動するように、複数の印刷ユニットおよび複数の加工ユニットを設定する制御部と、を備える。

第2および第3の発明態様も、第1の発明態様と同様に、各構成要件を種々の態様で具体化してもよい。

(第1〜第3の発明態様の効果) 各発明態様では、記憶部が、段ボールシートの坪量に対応付けて、複数の印刷ユニットの印刷タイミングをそれぞれ補正するための複数の補正情報を記憶する。読出部が、情報生成部により生成された坪量情報に対応付けられた複数の補正情報を記憶部から読み出す。制御部が、読出部により読み出された補正情報に従って、各印刷ユニットの印刷タイミングを補正し、その補正された印刷タイミングで各印刷ユニットが作動するように、複数の印刷ユニットを設定する。この結果、サクション機能を有する搬送装置により搬送される段ボールシートの坪量に応じて各印刷ユニットの印刷タイミングを補正することから、印刷される段ボールシートについて搬送ずれ量を実際に測定する手間のかかる準備作業が不要になり、しかも各印刷ユニットは段ボールシートの所定位置に印刷を正確に施すことができる。また、第2および第3の発明態様では、複数の印刷ユニットの下流側に配列された各加工ユニットの加工タイミングも段ボールシートの坪量に応じて補正することから、加工される段ボールシートについても、搬送ずれ量を実際に測定する手間のかかる準備作業が不要になり、しかも各加工ユニットは段ボールシートの所定位置に加工を正確に施すことができる。

(具体的態様の効果) 請求項2に記載の具体的態様では、制御部は、記憶部に記憶された複数の補正情報に従って、段ボールシートの坪量が大きくなるほど、複数の印刷ユニットの印刷タイミングの遅れ量がそれぞれ大きくなるように、複数の印刷ユニットを設定する。一般に、段ボールシートの坪量が大きくなるほど、段ボールシートの剛性が大きくなる。サクション機能を有する搬送装置により段ボールシートが吸引されたとき、坪量の大きな段ボールシートは、変形し難いことから、搬送装置との摩擦力が小さくなり、スリップし易い。このようにスリップし易い段ボールシートについては、印刷タイミングの遅れ量を大きくすることにより、各印刷ユニットは段ボールシートの所定位置に印刷を正確に施すことができる。

請求項3に記載の具体的態様では、制御部は、記憶部に記憶された複数の補正情報に従って、複数の印刷ユニットの印刷タイミングをそれぞれ補正し、段ボールシートの坪量、および段ボールシートの搬送方向のシート長さに応じた印刷タイミングで複数の印刷ユニットが作動するように、複数の印刷ユニットを設定する。一般に、シート長さが長いほど、段ボールシートは、サクション機能を有する搬送装置により広い範囲で吸引されることから、搬送装置との摩擦力が大きくなり、スリップし難い。このように、搬送精度に影響を与える段ボールシートのシート長さに応じて印刷タイミングを補正することにより、各印刷ユニットは段ボールシートの所定位置に印刷を一層正確に施すことができる。

請求項4に記載の具体的態様では、制御部は、記憶部に記憶された複数の補正情報に従って、段ボールシートの坪量が大きくなるほど、複数の印刷ユニットの印刷タイミングの遅れ量がそれぞれ大きくなり、段ボールシートの搬送方向のシート長さが長くなるほど、複数の印刷ユニットの印刷タイミングの遅れ量がそれぞれ小さくなるように、複数の印刷ユニットを設定する。一般に、シート長さが長いほど、段ボールシートは、サクション機能を有する搬送装置との摩擦力が大きくなり、スリップし難い。このように、搬送精度に影響を与える段ボールシートのシート長さに応じて印刷タイミングの遅れ量を小さくすることにより、各印刷ユニットは段ボールシートの所定位置に印刷を一層正確に施すことができる。

請求項5に記載の具体的態様では、記憶部が、搬送経路に沿って下流側に配置される印刷ユニットであるほど、その印刷ユニットの印刷タイミングの遅れ量が累積されるように定められた補正情報を記憶する。通常、同じ種類および同じ寸法の段ボールシートであれば、搬送経路の単位長さにおいて、段ボールシートが搬送装置に対してスリップする量はほぼ同じ量であると考えられるので、印刷ユニットが下流側に配置されるほど、スリップ量は累積して大きくなる。このように、累積したスリップ量に影響する印刷ユニットの配置に応じて印刷タイミングの遅れ量を設定することにより、各印刷ユニットは段ボールシートの所定位置に印刷を一層正確に施すことができる。

請求項6に記載の具体的態様では、各印刷ユニットは、給紙装置による段ボールシートの送出開始タイミングに対して、印刷シリンダの印刷タイミングを調整するタイミング調整部を含み、制御部は、補正情報に従って、印刷前に印刷シリンダが待機する停止位置を設定するためにタイミング調整部を制御する。この結果、給紙装置による段ボールシートの送出開始タイミングに対して、印刷シリンダの印刷タイミングを正確に調整することができ、印刷シリンダは段ボールシートの所定位置に印刷を正確に施すことができる。

本発明の実施形態に係る段ボールシート製函機1の全体的構成を示す正面図である。

段ボールシート製函機1の給紙装置2および印刷装置4を拡大して示す正面図である。

段ボールシート製函機1のクリーザ装置5、スロッタ装置6およびダイカッタ装置7を拡大して示す正面図である。

段ボールシート製函機1の電気的構成を示すブロック図である。

段ボールシート製函機1の補正メモリ150の記憶内容を示す説明図である。

段ボールシートSHが、給紙ユニット20のフロントゲート24の配置位置に定められた給紙開始位置PFから、印刷ユニット4Aの配置位置DP1、印刷ユニット4Bの配置位置DP2、および印刷ユニット4Cの配置位置DP3を順番に通過して、スロッタユニット6Aの配置位置DP4まで搬送されながら、印刷されるプロセスを模式的に示す説明図である。

[実施形態] 給紙装置から送り出された段ボールシートに、印刷、罫入れおよび溝切りなどの加工を行う段ボールシート製函機に本発明を適用した実施形態について、図面を参照して以下に説明する。なお、図面において矢印で示す方向に従って、上下方向、左右方向および前後方向が定められる。

《全体的構成》 図1は、本実施形態の段ボールシート製函機1の全体的構成を示す図面である。段ボールシート製函機1は、段ボールシートSHを搬送経路PLに向かって1枚ずつ供給する給紙装置2と、その給紙装置2から供給された段ボールシ−トSHを搬送経路PLに沿って搬送する搬送装置3と、その搬送される段ボールシートSHに順次加工を行うために搬送経路PLに沿って配列された複数の加工ユニットとからなる。本実施形態では、複数の加工ユニットとして、段ボールシートSHに3種類の印刷を行う3つの印刷ユニット4A〜4Cと、段ボールシートSHに搬送方向の罫線を施すクリーザ装置5と、段ボールシートSHの前端および後端に溝切りを行う2つのスロッタユニット6A、6Bと、段ボールシートSHに打ち抜き加工を施すダイカッタ装置7とが設けられる。本実施形態では、3つの印刷ユニット4A〜4Cが、印刷装置4を構成し、2つのスロッタユニット6A、6Bが、スロッタ装置6を構成する。

〈給紙装置2の構成〉 図2は、段ボールシート製函機1の給紙装置2および印刷装置4を拡大して示す。図2において、給紙装置2は、給紙ユニット20と、第1フィードロール21A、21Bと、第2フィードロール22A、22Bとを備える。給紙装置2は、給紙ユニット20から1枚ずつ給紙される段ボールシートSHを、第1フィードロール21A、21Bおよび第2フィードロール22A、22Bにより順次挟持しながら搬送し、印刷装置4に送り出す。第1フィードロール21A、21Bは、段ボールシートSHの給紙方向DFにおいて、給紙ユニット20の下流側に配置される。第2フィードロール22A、22Bは、給紙方向DFにおいて、第1フィードロール21A、21Bの下流側に配置される。第1および第2フィードロールの各フィードロールは、同じ直径のロールであり、主駆動モータMTに連結されて駆動される。

(給紙ユニット20の詳細な構成) 給紙ユニット20は、給紙テーブル23の上方に、フロントゲート24と、バックガイド25とを備える。フロントゲート24は、給紙方向DFにおいて一定の位置に配置される。フロントゲート24は、積層される多数の段ボールシートの前端、すなわち図1において段ボールシートの左側の端部と当接し、段ボールシートの前端の位置を揃える。バックガイド25は、給紙方向DFにおける段ボールシートの長さに応じて、フロントゲート24に対して左右方向に移動可能に配置される。バックガイド25は、段ボールシートの後端、すなわち図1において段ボールシートの右側の端部と当接し、段ボールシートの後端の位置を揃える。

給紙ユニット20は、給紙テーブル23の下方に、4列の給紙ロール26A〜26Dと、サクション機構27と、グレイト28とを備える。サクション機構27は、積層された段ボールシートを下方に吸引する。サクション機構27は、公知の構成を有し、吸引室と、ダクトと、ブロアモータとを備える。ブロアモータの回転駆動により、大きな負圧が吸引室内に発生し、積層される段ボールシートは、大きな吸引力で給紙ロール26A〜26Dに向かって吸引される。

グレイト28は、図示しないカムの回転により、給紙ロール26A〜26Dに対して昇降運動を行う。グレイト28は給紙ロール26A〜26Dより上方に上昇したとき、段ボールシートSHを給紙ロール26A〜26Dから引き離す。グレイト28は給紙ロール26A〜26Dの上面より下方に下降したとき、段ボールシートSHを給紙ロール26A〜26Dに接触させる。グレイト28を昇降させる上記カムは、駆動軸に固定され、この駆動軸は減速機構を介して主駆動モータMTに連結される。上記カムは、給紙ユニット20が1枚の段ボールシートSHを給紙する間に、1回だけ回転する。なお、グレイト28を昇降させる構成は、米国特許第5184811号明細書および図面などにより公知である。

給紙ロール26A〜26Dは、伝達機構を介して、上記カムが固定される駆動軸に連結される。その伝達機構は、ゼネバ歯車および遊星歯車を備える。伝達機構の構成は、米国特許第5184811号明細書および図面などにより公知である。この伝達機構により、給紙ロール26A〜26Dの周速度は、1枚の段ボールシートの給紙動作を行う間に、回転停止状態から、第1フィードロール21A、21Bの所定の周速度まで増速し、その所定の周速度を維持し、その後に、所定の周速度から回転停止状態まで減速する。グレイト28が給紙ロール26A〜26Dの上面より下方に下降した時点である給紙動作の開始時点では、給紙ロール26A〜26Dの周速度は、ほぼ回転停止状態にある。

〈搬送装置3の構成〉 図3は、段ボールシート製函機1のクリーザ装置5、スロッタ装置6およびダイカッタ装置7を拡大して示す。図2および図3において、搬送装置3は、印刷用搬送部30A〜30Cと、クリーザ用搬送部31と、スロッタ用搬送部32とを備える。これらの搬送部は、右から左へ向かう搬送方向に段ボールシートSHを搬送するために搬送経路PLに沿って配置される。印刷用搬送部30A〜30Cの基本的な構成は、段ボールシートSHを吸引するサクション機能を有する点で同じである。印刷用搬送部として、段ボールシートを挟んで搬送するニップローラを使用した場合、段ボールシート上の印刷インクが未乾燥であるときに、その印刷インクがニップローラに付着し、次に搬送される段ボールシートを汚すおそれがある。このため、印刷用搬送部として、ニップローラではなく、印刷用搬送部30A〜30Cのようなサクション機能を有する搬送部が使用される。印刷用搬送部30Aは、搬送経路PLに沿って配列された多数の搬送ローラ33Aと、これらの搬送ローラの下方に設けられたサクション機構34Aとを備える。サクション機構34Aは、吸引室と、ダクトと、ブロアモータとを備える。多数の搬送ローラ33Aは、公知の動力伝達機構を介して主駆動モータMTに連結され、その主駆動モータMTの回転に伴い、第1フィードロール21A、21Bの周速度と同じ周速度で回転する。印刷用搬送部30B、30Cも、印刷用搬送部30Aと同様に、搬送経路PLに沿って配列された多数の搬送ローラ33B、33Cと、これらの搬送ローラの下方に設けられたサクション機構34B、34Cとを備える。

クリーザ用搬送部31およびスロッタ用搬送部32の基本的な構成は、段ボールシートSHを挟んで搬送する一対のフィードロールの構成である点で同じである。クリーザ用搬送部31は、クリーザ装置5の上流側に配置されたフィードロール35A、35Bと、下流側に配置されたフィードロール36A、36Bとを備える。スロッタ用搬送部32は、スロッタユニット6Aの下流側に配置されたフィードロール37A、37Bと、スロッタユニット6Bの下流側に配置されたフィードロール38A、38Bとを備える。クリーザ用搬送部31およびスロッタ用搬送部32の各フィードロールは、第1フィードロール21A、21Bと同じ直径のロールであり、主駆動モータMTに連結されて駆動される。

〈印刷装置4の構成〉 本実施形態では、印刷装置4は、印刷用搬送部30A〜30Cにより搬送される段ボールシートSHに3種類の印刷、たとえば、3色の印刷を行うために、3つの印刷ユニット4A〜4Cを備える。印刷ユニット4A〜4Cの基本的な構成は同じである。印刷ユニット4Aは、印刷シリンダ40Aと、段ボールシートSHに印刷するための印版部材41Aと、インキ塗布装置42Aと、プレスロール43Aとから主に構成される。印刷シリンダ40Aは、印刷ユニット4Aのフレームに回転可能に支持され、公知の動力伝達機構を介して主駆動モータMTに連結され、その主駆動モータMTの回転により図2に示す矢印の方向に回転する。

印版部材41Aは、印刷シリンダ40Aの外周面に巻装される。印版部材41Aは、合成樹脂からなる台座フィルム上に、印刷版が貼り合わされて構成される。印版部材41Aの一方の端部は、印刷シリンダ40Aの外周面に形成された固定溝に嵌入されることで印刷シリンダ40Aに固定され、他方の端部は、印刷シリンダ40Aの外周面に設けられた巻取機構により巻き取られることで印刷シリンダ40Aに取り付けられる。印刷部材41Aは、オーダ変更の際に、オーダに応じた印刷パターンの印刷部材と交換可能である。

プレスロール43Aは、搬送経路PLを挟んで印刷シリンダ40Aと対向する位置に配設され、公知の動力伝達機構を介して主駆動モータMTに連結され、その主駆動モータMTの回転により図2に示す矢印の方向に回転する。印刷用搬送部30Aの多数の搬送ローラ33Aは、印刷シリンダ40Aとプレスロール43Aとの対向位置の上流側および下流側に配置される。プレスロール43Aは、印刷用搬送部30Aにより搬送される段ボールシートSHを、印刷シリンダ40Aに巻装された印刷部材41Aの印刷版との間で狭持して所望の印刷を行う。印刷ユニット4B、4Cも、印刷ユニット4Aと同様に、印刷シリンダ40B、40Cと、印版部材41B、41Cと、インキ塗布装置42B、42Cと、プレスロール43B、43Cとから主に構成される。

(差動機構44A〜44Cの構成) 印刷ユニット4A〜4Cは、差動機構44A〜44Cと、サーボモータからなる差動モータ45A〜45Cとを備える。各差動機構は、各印刷シリンダにより印刷される段ボールシートSH上での印刷位置が所定の位置になるように、各印刷シリンダの回転位相を調整する機構である。本実施形態では、各差動機構は、ハーモニックドライブ(登録商標)から構成される。ハーモニックドライブ(登録商標)は、ウェーブ・ジェネレータと、フレクスプラインと、サーキュラ・スプラインとから構成される。ウェーブ・ジェネレータが、各差動モータの回転軸に連結される。フレクスプラインが、各印刷シリンダが固定された回転軸に連結される。サーキュラ・スプラインが、主駆動モータMTから動力が伝達される各プレスロールに連結される。各差動モータが回転駆動されることにより、主駆動モータMTから動力伝達される各プレスロールに対する各印刷シリンダの回転位相が、調整される。なお、段ボールシートを加工する加工ユニットの回転主軸に動力を伝達するためにハーモニックドライブ(登録商標)を使用した動力伝達機構は、米国特許第3882745号の明細書および図面(第7図)などにより公知であるので、その動力伝達機構の詳細な構成および動作について説明が省略される。

各差動モータの回転駆動により、各印刷シリンタの回転位相が各プレスロールに対して調整された状態で、各印刷シリンダおよび各プレスロールは、主駆動モータMTの回転駆動により、第1フィードロール21A、21Bの周速度と同じ周速度で、図2に示す矢印の方向に回転する。

〈クリーザ装置5の構成〉 クリーザ装置5は、図3に示すように、搬送経路PLを挟んで上部罫線ロール50と、下部罫線ロール51とを有する。両ロール50、51は、公知の動力伝達機構を介して主駆動モータMTに連結され、その主駆動モータMTの回転により、第1フィードロール21A、21Bの周速度と同じ周速度で、図3に示す矢印の方向に回転する。両ロール50、51は、クリーザ用搬送部31により搬送される段ボールシートSHの所望の位置に、搬送方向の罫線を施す。

〈スロッタ装置6の構成〉 本実施形態では、スロッタ装置6は、スロッタ用搬送部32により搬送される段ボールシートSHの前端および後端に溝切り加工を行うために、搬送経路PLに沿って、上流側に配置されたスロッタユニット6Aと、下流側に配置されたスロッタユニット6Bとを備える。図3において、スロッタユニット6Aは、搬送経路PLを挟んで配設された上部スロッタ60Aと下部スロッタ61Aとからなる。スロッタ刃62Aが、上部スロッタ60Aの外周面に位置調整可能に取り付けられる。スロッタ刃62Aと嵌合する溝が、下部スロッタ61Aの外周面に形成される。下部スロッタ61Aは、搬送経路PLを挟んで上部スロッタ60Aと対向する位置に配設され、公知の動力伝達機構を介して主駆動モータMTに連結され、その主駆動モータMTの回転により、図3に示す矢印の方向に回転する。また、スロッタユニット6Bは、搬送経路PLを挟んで配設された上部スロッタ60Bと下部スロッタ61Bとからなる。スロッタ刃62Bが、上部スロッタ60Bの外周面に位置調整可能に取り付けられる。スロッタ刃62Bと嵌合する溝が、下部スロッタ61Bの外周面に形成される。下部スロッタ61Bは、搬送経路PLを挟んで上部スロッタ60Bと対向する位置に配設され、公知の動力伝達機構を介して主駆動モータMTに連結され、その主駆動モータMTの回転により、図3に示す矢印の方向に回転する。

(差動機構63A、63Bの構成) スロッタユニット6A、6Bは、差動機構63A、63Bと、サーボモータからなる差動モータ64A、64Bとを備える。各差動機構は、各スロッタ刃により形成される段ボールシートSH上での溝切り位置が所定の位置になるように、各上部スロッタの回転位相を調整する機構である。本実施形態では、差動機構63A、63Bは、差動機構44A〜44Cと同様に、ハーモニックドライブ(登録商標)から構成される。ウェーブ・ジェネレータが、各差動モータの回転軸に連結される。フレクスプラインが、各上部スロッタが固定された回転軸に連結される。サーキュラ・スプラインが、主駆動モータMTから動力が伝達される各下部スロッタに連結される。各差動モータが回転駆動されることにより、主駆動モータMTから動力伝達される各下部スロッタに対する各上部スロッタの回転位相が、調整される。

各差動モータの回転駆動により、各上部スロッタの回転位相が各下部スロッタに対して調整された状態で、各上部スロッタおよび各下部スロッタは、主駆動モータMTの回転駆動により、第1フィードロール21A、21Bの周速度と同じ周速度で、図3に示す矢印の方向に回転する。

〈ダイカッタ装置7の構成〉 ダイカッタ装置7は、搬送経路PLを挟んでダイシリンダ70と、アンビルシリンダ71とを有する。段ボールシートSHを打ち抜くための打ち抜きダイ72が合板ベニヤなどの板状体に取り付けられ、この板状体が、ダイシリンダ70の外周面に巻装される。アンビルシリンダ71は、搬送経路PLを挟んでダイシリンダ70と対向する位置に配設され、公知の動力伝達機構を介して主駆動モータMTに連結され、その主駆動モータMTの回転により、図3に示す矢印の方向に回転する。打ち抜きダイ72は、連続して搬送される段ボールシートSHの所望の位置に打ち抜き加工を施す。打ち抜きダイ72は、オーダ変更の際に、オーダに応じた打ち抜きパターンの打ち抜きダイと交換可能である。

(差動機構73の構成) ダイカッタ装置7は、差動機構73と、サーボモータからなる差動モータ74とを備える。差動機構73は、打ち抜きダイ72により打ち抜かれる段ボールシートSH上での打ち抜き位置が所定の位置になるように、ダイシリンダ70の回転位相を調整する機構である。本実施形態では、差動機構73は、差動機構44A〜44Cと同様に、ハーモニックドライブ(登録商標)から構成される。ウェーブ・ジェネレータが、差動モータ74の回転軸に連結される。フレクスプラインが、ダイシリンダ70が固定された回転軸に連結される。サーキュラ・スプラインが、主駆動モータMTから動力が伝達されるアンビルシリンダ71に連結される。差動モータ74が回転駆動されることにより、主駆動モータMTから動力伝達されるアンビルシリンダ71に対するダイシリンダ70の回転位相が、調整される。

差動モータ74の回転駆動により、ダイシリンダ70の回転位相がアンビルシリンダ71に対して調整された状態で、ダイシリンダ70およびアンビルシリンダ71は、主駆動モータMTの回転駆動により、第1フィードロール21A、21Bの周速度と同じ周速度で、図3に示す矢印の方向に回転する。

(印刷ユニット4A〜4Cなどの配置位置) フロントゲート24は、給紙方向DFにおいて一定の位置に配置されることから、フロントゲート24の配置位置を段ボールシートSHの給紙開始位置として、印刷ユニット4A〜4Cなどの加工ユニットの配置位置が定められる。印刷ユニット4Aの印刷シリンダ41Aの回転軸およびプレスロール43Aの回転軸は、段ボールシートSHの搬送方向において給紙開始位置から距離L1だけ離れた位置に配置される。印刷ユニット4Bの印刷シリンダ41Bの回転軸およびプレスロール43Bの回転軸は、段ボールシートSHの搬送方向において給紙開始位置から距離L2だけ離れた位置に配置される。印刷ユニット4Cの印刷シリンダ41Cの回転軸およびプレスロール43Cの回転軸は、段ボールシートSHの搬送方向において給紙開始位置から距離L3だけ離れた位置に配置される。

スロッタユニット6Aの上部スロッタ60Aの回転軸および下部スロッタ61Aの回転軸は、段ボールシートSHの搬送方向において給紙開始位置から距離L4だけ離れた位置に配置される。スロッタユニット6Bの上部スロッタ60Bの回転軸および下部スロッタ61Bの回転軸は、段ボールシートSHの搬送方向において給紙開始位置から距離L5だけ離れた位置に配置される。ダイカッタ装置7のダイシリンダ70の回転軸およびアンビルシリンダ71の回転軸は、段ボールシートSHの搬送方向において給紙開始位置から距離L6だけ離れた位置に配置される。

《電気的構成》 図4を参照して本実施形態の段ボールシート製函機1の電気的構成を説明する。図4は、段ボールシート製函機1の電気的構成を示すブロック図である。図4において、段ボールシート製函機1において段ボールシートの加工を全般的に管理するために、上位管理装置100および下位管理装置110が設けられる。本実施形態では、上位管理装置100は、予め決められた順序で多数のオーダを実行するための管理計画を記憶する。上位管理装置100は、オーダ毎に、主駆動モータMTの回転速度、段ボールシートのサイズ、段ボールシートの総坪量、および加工数量などに関する制御指令情報を、下位管理装置110に送る。

下位管理装置110は、上位管理装置100から送られる制御指令情報に従って、主駆動モータMTおよび印刷用搬送部30A〜30Cのブロアモータなどの駆動部の動作を制御するとともに、段ボールシートの加工数量を計数して上位管理装置100に送るなどの管理制御を行う装置である。下位管理装置110は、プログラムメモリ120と、作業メモリ130とに接続され、これらのメモリとともに、本実施形態の段ボールシート製函機1を制御するコンピュータを構成する。プログラムメモリ120は、段ボールシート製函機1の全体を制御する制御プログラムおよび所定の設定値などを固定記憶するメモリである。作業メモリ130は、制御プログラムを実行する際に、上位管理装置100から送られる種々の情報および演算処理結果を一時記憶するメモリである。

下位管理装置110は、操作パネル140に接続される。操作パネル140は、給紙ボタン141と、オーダ終了ボタン142とを有する。給紙ボタン141は、給紙ユニット20による段ボールシートSHの給紙を開始させるために操作される。オーダ終了ボタン142は、現在実行されているオーダを終了するために操作される。

〈補正メモリ150の記憶内容〉 下位管理装置110は、補正メモリ150に接続される。補正メモリ150は、加工される段ボールシートの総坪量と、搬送方向における段ボールシートのシート長さとに対応付けて、複数の補正情報を記憶する。図5は、補正メモリ150に記憶される補正情報を示す。本実施形態では、図5に示すように、補正メモリ150は、印刷ユニット4A〜4C、スロッタ装置6、およびダイカッタ装置7にそれぞれ対応する5つの記憶領域に区分けされる。段ボールシートの総坪量とは、段ボールシートを構成するライナおよび中芯を合わせた単位面積当たりの重量を表す。本実施形態では、図5に示す総坪量は、「LL」、「L」、「M」、「H」、「HH」、および「HHH」の6段階に区分される。たとえば、「LL」の総坪量は「400g以下」であり、「L」の総坪量は「401g〜460g」であり、「M」の総坪量は「461g〜519g」であり、「H」の総坪量は「520g〜599g」であり、「HH」の「600g〜680g」であり、「HHH」の総坪量は「681g以上」である。また、本実施形態では、図5に示すシート長さは、「450mm以下」、「451〜900mm」、「901〜1200mm」、および「1201mm以上」の4段階に区分される。

補正メモリ150に記憶される補正情報は、印刷ユニット4A〜4C、スロッタ装置6、およびダイカッタ装置7の各々により段ボールシートに加工される加工位置が所望の位置からずれることから、この位置ずれ量を補正するために設定される。印刷された段ボールシート上の未乾燥の印刷インクが次に印刷される段ボールシートに付着することを防ぐために、印刷用搬送部30A〜30Cはサクション機能を有する搬送部から構成される。印刷用搬送部30A〜30Cは段ボールシートを吸引しながら搬送するが、搬送ローラ33A〜33Cと段ボールシートとの間にスリップが生ずることから、段ボールシートが各印刷ユニットに到達するタイミングが遅れる。

本発明者は、種々の実験を行った結果、段ボールシートが各印刷ユニットに到達するタイミングが遅れる搬送ずれの量と段ボールシートの総坪量との間に一定の関係が存在することを見つけ出した。実験結果から、総坪量が大きくなるほど、搬送ずれ量も大きくなり、シート長さが長くなるほど、搬送ずれ量は小さくなる傾向にあることが判明した。補正メモリ150に記憶される補正情報は、総坪量およびシート長さを種々の値に変化させた場合に、印刷ユニット4A〜4C、スロッタ装置6、およびダイカッタ装置7の5つの加工領域において生じた搬送ずれ量に基いて、予め定められた。印刷ユニット4Bの印刷領域において生じた搬送ずれ量は、その上流側に配置された印刷ユニット4Aの印刷領域において生じた搬送ずれ量を合わせた値になる。また、印刷ユニット4Cの印刷領域において生じた搬送ずれ量は、その上流側に配置された印刷ユニット4Bの印刷領域において生じた搬送ずれ量を合わせた値になる。

図5に示すように、補正情報の値は、総坪量が「LL」から「HHH」に向かって大きくなるほど、大きくなる。また、補正情報の値は、シート長さが「450mm以下」から「1201mm以上」に向かって長くなるほど、小さくなる。たとえば、印刷ユニット4Aに対応する補正情報であって、シート長さ「450mm以下」と、総坪量「LL」から「HHH」までの各総坪量とに対応付けられた補正情報の値は、「1」、「1」、「1」、「2」、「3」、「4」である。総坪量「LL」、「L」、「M」に対応付けられる補正情報の値は同じ値になるが、補正情報の値は、総坪量「LL」から総坪量「HHH」に向かって大きくなる。また、印刷ユニット4Aに対応する補正情報であって、総坪量「HH」と、シート長さ「450mm以下」から「1201mm以上」までの各シート長さとに対応付けられた補正情報の値は、「3」、「2」、「2」、「1」である。シート長さ「451〜900mm」、「901〜1200mm」に対応付けられる補正情報の値は同じ値になるが、補正情報の値は、シート長さ「450mm以下」からシート長さ「1201mm以上」に向かって小さくなる。印刷ユニット4B、4C、スロッタ装置6およびダイカッタ装置7に対応する補正情報の値も、印刷ユニット4Aに対応する補正情報の値と同様に、総坪量が「LL」から「HHH」に向かって大きくなるほど、大きくなり、シート長さが「450mm以下」から「1201mm以上」に向かって長くなるほど、小さくなる。

クリーザ用搬送部31およびスロッタ用搬送部32は、一対の搬送ロールにより挟んで段ボールシートSHを搬送することから、段ボールシートSHを吸引して搬送する印刷用搬送部30A〜30Cに比べ、搬送ロールと段ボールシートSHとの間のスリップは小さく、クリーザ用搬送部31およびスロッタ用搬送部32により段ボールシートSHが搬送されている間に、搬送ずれはほとんど生じない。このことから、本実施形態では、スロッタ装置6に対応して記憶される補正情報は、図5に示すように、ダイカッタ装置7に対応して記憶される補正情報と同じ値に定められる。ただ、スロッタ装置6に対応して記憶される補正情報は、印刷ユニット4Cに対応して記憶される補正情報より大きな値に定められる。補正情報の値は、搬送装置3の各搬送部の搬送構造および搬送方向の長さに起因して変化する。たとえば、本実施形態では、印刷ユニット4Cからスロッタ6に向かって搬送される段ボールシートについて、印刷用搬送部30Cの吸引力が段ボールシートに部分的に作用する状況が存在することから、搬送遅れ量が比較的大きくなる。この結果、印刷ユニット4Cおよびスロッタ装置6に対応して記憶される補正情報の増加分は、印刷ユニット4B、4Cに対応して記憶される補正情報の増加分より、大きく設定される。

〈制御装置160〜166の構成〉 下位管理装置110は、駆動制御装置160、第1乃至第3印刷制御装置161〜163、第1および第2スロッタ制御装置164、165、およびダイカッタ制御装置166にそれぞれ接続される。下位管理装置110は、図2には図示されないが、印刷用搬送部30A〜30Cのサクション機構34A〜34Cのブロアモータを駆動制御する制御装置にも接続される。駆動制御装置160は、下位管理装置110からの制御指令情報に従って、主駆動モータMTの駆動および停止と、その回転速度とを制御する。第1乃至第3印刷制御装置161〜163は、下位管理装置110からの制御指令情報に従って、印刷ユニット4A〜4Cの動作を制御するとともに、差動モータ54A〜45Cの駆動および停止と、その回転量とを制御する。第1および第2スロッタ制御装置164、165は、下位管理装置110からの制御指令情報に従って、スロッタユニット6A、6Bの動作を制御するとともに、差動モータ64A、64Bの駆動および停止と、その回転量とを制御する。ダイカッタ制御装置166は、下位管理装置110からの制御指令情報に従って、ダイカッタ装置7の動作を制御するとともに、差動モータ73の駆動および停止と、その回転量とを制御する。

〈エンコーダEC1〜EC6およびセンサSN1〜SN6の構成〉 エンコーダEC1〜EC6が、差動モータ45A〜45C、64A、64B、73の回転軸に連結され、各差動モータの回転量および回転方向を検出するために設けられる。基準点センサSN1〜SN6が、印刷ユニット4A〜4Cの印刷シリンダ40A〜40C、スロッタユニット6A、6Bの上部スロッタ60A、60B、およびダイカッタ装置7のダイシリンダ70上で定められた基準点RP1〜RP6を検出するために設けられる。

基準点センサSN1は、印刷ユニット4Aのフレームに固定され、印刷シリンダ40Aが図4に示す所定の回転位相に達したときに、印刷シリンダ40A上に定められた基準点RP1を検出する。すなわち、段ボールシートSHの前端が、給紙ユニット20から距離L1だけ搬送されて印刷シリンダ40Aとプレスロール43Aとが対向して配置される配置位置DP1に達したときに、印刷シリンダ40Aの回転方向における印刷部材41Aの先端も配置位置DP1に達するように、基準点RP1が、印刷シリンダ40A上に定められる。基準点センサSN2は、印刷ユニット4Bのフレームに固定され、印刷シリンダ40Bが図4に示す所定の回転位相に達したときに、印刷シリンダ40B上に定められた基準点RP2を検出する。すなわち、段ボールシートSHの前端が、給紙ユニット20から距離L2だけ搬送されて印刷シリンダ40Bとプレスロール43Bとが対向して配置される配置位置DP2に達したときに、印刷シリンダ40Bの回転方向における印刷部材41Bの先端も配置位置DP2に達するように、基準点RP2が、印刷シリンダ40B上に定められる。基準点センサSN3は、印刷ユニット4Cのフレームに固定され、印刷シリンダ40Cが図4に示す所定の回転位相に達したときに、印刷シリンダ40C上に定められた基準点RP3を検出する。すなわち、段ボールシートSHの前端が、給紙ユニット20から距離L3だけ搬送されて印刷シリンダ40Cとプレスロール43Cとが対向して配置される配置位置DP3に達したときに、印刷シリンダ40Cの回転方向における印刷部材41Cの先端も配置位置DP3に達するように、基準点RP3が、印刷シリンダ40C上に定められる。

基準点センサSN4は、スロッタユニット6Aのフレームに固定され、上部スロッタ60Aが図4に示す所定の回転位相に達したときに、上部スロッタ60A上に定められた基準点RP4を検出する。すなわち、段ボールシートSHの前端が、給紙ユニット20から距離L4だけ搬送されて上部スロッタ60Aと下部スロッタ61Aとが対向して配置される配置位置DP4に達したときに、上部スロッタ60Aの回転方向におけるスロッタ刃62Aの先端も配置位置DP4に達するように、基準点RP4が、上部スロッタ60A上に定められる。基準点センサSN5は、スロッタユニット6Bのフレームに固定され、上部スロッタ60Bが図4に示す所定の回転位相に達したときに、上部スロッタ60B上に定められた基準点RP5を検出する。すなわち、段ボールシートSHの前端が、給紙ユニット20から距離L5だけ搬送されて上部スロッタ60Bと下部スロッタ61Bとが対向して配置される配置位置DP5に達したときに、上部スロッタ60Bの回転方向におけるスロッタ刃62Bの先端も配置位置DP5に達するように、基準点RP5が、上部スロッタ60B上に定められる。基準点センサSN6は、ダイカッタ装置7のフレームに固定され、ダイシリンダ70が図4に示す所定の回転位相に達したときに、ダイシリンダ70上に定められた基準点RP6を検出する。すなわち、段ボールシートSHの前端が、給紙ユニット20から距離L6だけ搬送されてダイシリンダ70とアンビルシリンダ71とが対向して配置される配置位置DP6に達したときに、ダイシリンダ70の回転方向における打ち抜きダイ72の先端も配置位置DP6に達するように、基準点RP6が、ダイシリンダ70上に定められる。

《実施形態の動作および作用》 本実施形態の段ボールシート製函機1の動作および作用について、以下に説明する。なお、段ボールシート製函機1が、給紙装置2から送り出される段ボールシートSHに、印刷、罫線入れ、溝切り、および打ち抜きの各加工処理を施す動作は、特開2000−62981号公報などにより公知であるので、これらの加工処理を実行する前に印刷タイミングおよび加工タイミングを補正する動作および作用についてのみ、説明する。

上位管理装置100は、順次実行される複数のオーダに関する制御指令情報を下位管理装置110に送る。下位管理装置110は、制御指令情報に従って、各オーダを実行するために、制御装置160〜166に制御指令情報を送る。作業者が、操作パネル140のオーダ終了ボタン142を操作したとき、下位管理装置110は、オーダの終了操作に従って、現在実行しているオーダを終了するためのオーダ終了処理を実行する。オーダ終了処理として、下位管理装置110は、図示しないセンサからの検出信号により、給紙ユニット20に段ボールシートSHが存在しないことを確認し、その後に、現在実行しているオーダの最後の段ボールシートがダイカッタ装置7の出口から送出されたことを確認する。下位管理装置110が、上記の確認動作を行った後に、段ボールシート製函機1の全体の動作を停止させる。

段ボールシート製函機1の全体の動作が停止している間に、作業者は、次に実行されるオーダのために、印刷ユニット4A〜4Cの印刷部材41A〜41Cの印刷版を交換するとともに、ダイカッタ装置7の打ち抜きダイ72を交換する。これらの交換作業が終了した後に、作業者が操作パネル140中の図示しない補正実行ボタンを操作すると、下位管理装置110は、次に実行されるオーダのために印刷タイミングおよび加工タイミングを補正する動作を開始する。

先ず、下位管理装置110は、上位管理装置100から受け取った制御指令情報を作業メモリ130に一時記憶し、その記憶されている制御指令情報のうちで、次に実行されるオーダに関して、段ボールシートの総坪量を表す坪量情報と、段ボールシートの搬送方向の長さを表すシート長さ情報とを抽出する。

下位管理装置110は、抽出した坪量情報およびシート長さ情報に基いて、補正メモリ150から補正情報を読み出す。たとえば、段ボールシートが両面段ボールから形成され、中芯およびその両側のライナの総坪量が「650g」であり、段ボールシートの搬送方向の長さが「750mm」である場合、下位管理装置110は、「650g」を表す坪量情報と「750mm」を表すシート長さ情報とに基いて、総坪量「HH」とシート長さ「451〜900mm」とに対応付けられた補正情報であって、印刷ユニット4A〜4C、スロッタ装置6およびダイカッタ装置7に対応する補正情報を、補正メモリ150から読み出し、作業メモリ130に一時記憶する。印刷ユニット4A〜4Cにそれぞれ対応する補正情報は、「2」、「3」および「5」であり、スロッタ装置6に対応する補正情報は、「7」であり、ダイカッタ装置7に対応する補正情報は、「7」である。

また、下位管理装置110は、作業メモリ130に記憶されている制御指令情報のうちで、次に実行されるオーダに関して、段ボールシートの前端および後端に施される溝切りの溝深さを表す溝深さ情報を抽出する。そして、下位管理装置110は、上記抽出したシート長さ情報と、抽出した溝深さ情報とに基いて、作業メモリ130に一時記憶されたスロッタ装置6に対応する補正情報を変更する。たとえば、段ボールシートの前端に溝切りを施すスロッタユニット6Aについては、補正情報が表す値から、上部スロッタ60Aの回転方向におけるスロッタ刃62Aの長さと溝深さとの差分を差し引き、その差し引いた結果の値を前端変更情報として作業メモリ130に一時記憶する。また、段ボールシートの後端に溝切りを施すスロッタユニット6Bについては、補正情報が表す値に、シート長さと溝深さとの差分を加え、その加えた結果の値を後端変更情報として作業メモリ130に一時記憶する。

下位管理装置110は、基準点RP1〜RP6が基準点センサSN1〜SN6により検出される位置まで、印刷シリンダ40A〜40C、上部スロッタ60A、60B、およびダイシリンダ70が回転して位置決めされるように、制御装置161〜166に基準点位置決め指令を送る。制御装置161〜166は、基準点位置決め指令に従って、差動モータ45A〜45C、64A、64B、73を回転させる。制御装置161〜166は、基準点センサSN1〜SN6からの検出信号を基に、印刷シリンダ40A〜40C、上部スロッタ60A、60B、およびダイシリンダ70が基準点RP1〜RP6にそれぞれ到達したことを確認したときに、差動モータ45A〜45C、64A、64B、73の回転を停止させる。この結果、印刷シリンダ40A〜40C、上部スロッタ60A、60B、およびダイシリンダ70は、基準点RP1〜RP6が図2および図3に示すように基準点センサSN1〜SN6に対向する所定の基準回転位相にそれぞれ位置決めされる。

所定の基準回転位相への位置決めが終了した後に、下位管理装置110は、作業メモリ130に一時記憶された補正情報および変更情報に基いて、印刷シリンダ40A〜40C、上部スロッタ60A、60B、およびダイシリンダ70の回転位相を、所定の基準回転位相から変化させる補正動作を実行する。たとえば、下位管理装置110は、一時記憶された補正情報を第1印刷制御装置161に送り、印刷シリンダ40Aの回転位相の補正を指令する。第1印刷制御装置161は、受け取った補正情報が示す値「2」に従って、差動モータ45Aの回転量および回転方向を制御し、エンコーダEC1からの検出信号を基に、差動モータ45Aが補正情報の値に相当する回転量だけ回転したときに、差動モータ45Aの回転を停止させる。第2印刷制御装置162、163も、第1印刷制御装置161と同様に、下位管理装置110から受け取った補正情報が示す値「3」および値「5」に従って、差動モータ45B,45Cの回転量および回転方向を制御し、エンコーダEC2、EC3からの検出信号を基に、差動モータ45B、45Cが補正情報の値に相当する回転量だけ回転したときに、差動モータ45B、45Cの回転を停止させる。

また、下位管理装置110は、一時記憶された前端変更情報を第1スロッタ制御装置164に送り、上部スロッタ60Aの回転位相の補正を指令する。第1スロッタ制御装置164は、受け取った前端変更情報が示す値に従って、差動モータ64Aの回転量および回転方向を制御し、エンコーダEC4からの検出信号を基に、差動モータ64Aが前端変更情報の値に相当する回転量だけ回転したときに、差動モータ64Aの回転を停止させる。第2スロッタ制御装置165も、第1スロッタ制御装置164と同様に、下位管理装置110から受け取った後端変更情報が示す値に従って、差動モータ64Bの回転量および回転方向を制御し、エンコーダEC5からの検出信号を基に、差動モータ64Bが後端変更情報の値に相当する回転量だけ回転したときに、差動モータ64Bの回転を停止させる。

更に、下位管理装置110は、一時記憶された補正情報をダイカッタ制御装置166に送り、ダイシリンダ70の回転位相の補正を指令する。ダイカッタ制御装置166は、受け取った補正情報が示す値「7」に従って、差動モータ73の回転量および回転方向を制御し、エンコーダEC6からの検出信号を基に、差動モータ73が補正情報の値に相当する回転量だけ回転したときに、差動モータ73の回転を停止させる。

作業者は、補正動作が終了したことを図示しない表示装置の表示を通して認識した後に、給紙ユニット20に段ボールシートSHを積載する。この状態で、作業者が操作パネル140の給紙ボタン141を操作すると、下位管理装置110は、次のオーダを実行するために、駆動制御装置160に主駆動モータMTの駆動を指令する。この結果、主駆動モータMTが駆動され、給紙装置2は給紙動作を開始する。同時に、搬送装置3、印刷装置4、クリーザ装置5、スロッタ装置6およびダイカッタ装置7が主駆動モータMTの駆動により作動する。なお、本実施形態では、搬送装置3の印刷用搬送部30A〜30Cのサクション機構34A〜34Cの吸引力は、段ボールシートの総坪量に関係なく一定の値に設定される。

〈補正動作の具体例〉 印刷シリンダ40A〜40Cの回転位相を補正する補正動作を中心に補正動作の具体例を説明する。図6の(A)〜(C)は、段ボールシートSHが、給紙ユニット20のフロントゲート24の配置位置に定められた給紙開始位置PFから、印刷ユニット4Aの配置位置DP1、印刷ユニット4Bの配置位置DP2、および印刷ユニット4Cの配置位置DP3を順番に通過して、スロッタユニット6Aの配置位置DP4まで搬送されながら、印刷されるプロセスを模式的に示す。図6の(A)に示すプロセスは、印刷用搬送部30A〜30Cによる段ボールシートSHの搬送に、搬送遅れが生じていない理想的な状態でのプロセスを示す。図6の(B)に示すプロセスは、搬送遅れが生じているが、補正動作が実行されない未補正状態でのプロセスを示す。図6の(C)は、搬送遅れが生じており、この搬送遅れに対して補正動作が実行された補正済みの状態でのプロセスを示す。図6において、段ボールシートSHの搬送方向は、右から左に向かう方向である。

図6において、段ボールシートSHの左側に位置する前端が、配置位置DP1に達する際には、搬送遅れ量D1が生ずる。図6の(A)〜(C)において、印刷ユニット4Aにより印刷される予定の印刷画像は、画像GA1〜GC1として示される。図6の(B)に示す画像GB1は、図6の(A)に示す画像GA1と比べ、段ボールシート上で、搬送遅れ量D1だけ左側にずれて形成される。印刷シリンダ40Aの回転位相が補正情報により補正されると、図6の(C)に示すように、画像GC1は右側に搬送遅れ量D1だけ移動されて形成される。この結果、搬送遅れ量D1による画像の位置ずれが解消される。

段ボールシートSHの前端が、配置位置DP2に達する際には、搬送遅れ量D2が生じ、配置位置DP3に達する際には、搬送遅れ量D3が生ずる。図6の(A)〜(C)において、印刷ユニット4Bにより印刷される予定の印刷画像は、画像GA2〜GC2として示され、印刷ユニット4Cにより印刷される予定の印刷画像は、画像GA3〜GC3として示される。図6の(B)に示す画像GB2は、図6の(A)に示す画像GA2と比べ、段ボールシート上で、搬送遅れ量D2だけ左側にずれて形成され、図6の(B)に示す画像GB3は、図6の(A)に示す画像GA3と比べ、段ボールシート上で、搬送遅れ量D3だけ左側にずれて形成される。印刷シリンダ40B、40Cの回転位相が補正情報により補正されると、図6の(C)に示すように、画像GC2は右側に搬送遅れ量D2だけ移動されて形成され、画像GC3は右側に搬送遅れ量D3だけ移動されて形成される。この結果、搬送遅れ量D2、D3による画像の位置ずれが解消される。

段ボールシートSHの前端が、配置位置DP4に達する際には、搬送遅れ量D4が生ずる。図6の(A)〜(C)において、スロッタユニット6Aにより段ボールシートSHの前端に形成される予定の溝は、溝SA〜SCとして示され、段ボールシートSHの継しろを形成する予定の切欠きは、切欠きCA〜CCとして示される。図6の(B)に示す溝SBの溝深さは、図6の(A)に示す溝SAの溝深さに比べ、搬送遅れ量D4だけ小さくなる。スロッタユニット6Aの上部スロッタ60Aの回転位相が補正情報により補正されると、図6の(C)に示すように、溝SCおよび切欠きCCは右側に搬送遅れ量D4だけ移動されて形成される。この結果、搬送遅れ量D4による溝および切欠きの位置ずれが解消される。

スロッタユニット6Bの上部スロッタ60Bにより形成される溝および切欠きも、上部スロッタ60Aにより形成される溝および切欠きと同様に、補正情報に従って移動される。この結果、搬送遅れ量による溝および切欠きの位置ずれが解消される。また、ダイカッタ装置7のダイシリンダ70により形成される打ち抜きも、印刷シリンダにより形成される印刷画像と同様に、補正情報に従って移動される。この結果、搬送遅れ量による打ち抜きの位置ずれが解消される。

《実施形態の効果》 本実施形態では、補正メモリ150が、坪量情報とシート長さ情報とに対応付けて補正情報を記憶する。この補正情報の値は、搬送遅れ量が段ボールシートの総坪量およびシート長さに応じて変化する一定の関係を基に、実験を通して予め定められた。各オーダを実行するために印刷などの加工処理が施される段ボールシートの総坪量とシート長さとに対応付けられた補正情報が、補正メモリ150から読み出される。印刷シリンダなどの回転位相は、補正情報に従って設定される。この結果、加工処理の実行前の準備段階で、試し通しシートの給紙と、位置ずれ量の算出とを行う必要がなくなり、印刷シリンダなどの回転位相の設定を容易に行うことができる。

本実施形態では、段ボールシートの搬送遅れ量に応じて、印刷シリンダなどの回転方向と反対方向に所定の基準回転位相から、印刷シリンダなどの回転位相を変化させる、すなわち、回転位相を遅らせる。補正メモリ150が記憶する補正情報の値は、印刷シリンダなどの回転位相を遅らせる量を表す。図5に示すように、補正情報の値は、総坪量が「LL」から「HHH」に向かって大きくなるほど、大きくなる。また、補正情報の値は、シート長さが「450mm以下」から「1201mm以上」に向かって長くなるほど、小さくなる。総坪量が大きくなると、段ボールシートの剛性が大きくなると考えられることから、サクション機構34A〜34Cにより段ボールシートを吸引したときに、段ボールシートは変形し難く、多数の搬送ローラ33A〜33Cと段ボールシートとの接触面積が小さく、両者の間でスリップし易くなる。一方、シート長さが長くなると、段ボールシートが搬送経路の長い範囲でサクション機構34A〜34Cにより吸引され、段ボールシートに作用する吸引力の総和が大きくなり、多数の搬送ローラ33A〜33Cと段ボールシートとの間でスリップし難くなる。この結果、補正情報の値が、図5に示すように、総坪量およびシート長さに応じて定められることにより、段ボールシートの種類に応じて変化する搬送遅れ量に見合った回転位相に、印刷シリンダなどの回転位相を設定することができる。

[本発明と実施形態との構成の対応関係] 段ボールシート製函機1、給紙装置2、印刷ユニット4A〜4C、および印刷装置4が、本発明の段ボールシート製函機、給紙装置、複数の印刷ユニット、および印刷装置の一例である。印刷用搬送部30A〜30C、クリーザ用搬送部31、スロッタ用搬送部32、および搬送装置3が、本発明の搬送装置の一例である。印刷シリンダ40A〜40Cが、本発明の印刷シリンダの一例である。差動機構44A〜44C、および差動モータ45A〜45Cが、本発明のタイミング調整部の一例である。補正メモリ150が、本発明の記憶部の一例である。上位管理装置100が、本発明の情報生成部の一例である。下位管理装置110が、本発明の読出部の一例である。第1乃至第3印刷制御装置161〜163、第1および第2スロッタ制御装置164、165、およびダイカッタ制御装置166が、本発明の制御部の一例である。

[変形例] 本発明の実施形態について以上説明したが、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において当業者であれば種々の変形を加えることができる。

(1)本実施形態では、印刷ユニット4A〜4C、クリーザ装置5、スロッタユニット6A、6B、およびダイカッタ装置7は、主駆動モータMTに動力伝達機構を介して連結される。そして、印刷シリンダ40A〜40C、上部スロッタ60A、60B、およびダイシリンダ70の回転位相は、差動機構44A〜44C、63A、63B、73と、差動モータ45A〜45C、64A、64B、74とにより調整される。本実施形態の主駆動モータに代えて、各印刷ユニットの印刷シリンダ、各スロッタユニットの上部スロッタ、およびダイカッタ装置のダイシリンダを、個別のサーボモータにより駆動する構成でもよい。この場合には、本実施形態の差動機構および差動モータに代えて、各サーボモータの回転速度を可変制御することにより、印刷シリンダなどの回転位相を調整する構成でもよい。各サーボモータの回転速度を可変制御する構成でも、印刷シリンダなどの回転位相は、サーボモータの回転制御により所定の基準回転位相に一旦位置決めされる。その後に、補正情報に従って印刷シリンダなどの回転速度が回転開始時に可変制御され、以後は、給紙装置のフィードロールの周速度と同じ一定の速度で回転駆動される。

(2)本実施形態では、印刷用搬送部30A〜30Cのみがサクション機構34A〜34Cを備える構成であるが、クリーザ用搬送部およびスロッタ用搬送部も、サクション機構を備える構成でもよい。

(3)本実施形態では、補正メモリ150が、総坪量と、段ボールシートの搬送方向の長さであるシート長さとに対応付けて、補正情報を記憶する構成であるが、総坪量と、搬送方向に直交する方向の段ボールシートの幅とに対応付けて、補正情報を記憶する構成でも、総坪量と、段ボールシートの表面積とに対応付けて、補正情報を記憶する構成でもよい。また、本実施形態では、スロッタ装置6およびダイカッタ装置7に対応して記憶される補正情報が同じ値に設定されるが、スロッタ用搬送部32の搬送ロールと段ボールシートとの間のスリップが小さくても、そのスリップによる搬送遅れ量を考慮して、ダイカッタ装置7に対応して記憶される補正情報をスロッタ装置6に対応して記憶される補正情報より大きく設定する構成でもよい。

(4)本実施形態では、補正メモリ150は、段ボールシート製函機1に内蔵される構成であるが、段ボールシート製函機1の下位管理装置110などの制御部がインターネットなどのネットワークを介してアクセスすることができる外部メモリから構成されてもよい。

(5)本実施形態では、作業者が操作パネル140中の補正実行ボタンを操作すると、下位管理装置110は、次に実行されるオーダのために、補正情報および変更情報に従って、印刷シリンダ、上部スロッタおよびダイシリンダの回転位相を設定する構成であるが、この構成に限定されない。作業者が操作パネル140のオーダ終了ボタン142を操作してから、作業者が操作パネル140の給紙ボタン141を操作するまでの間に、回転を停止した印刷シリンダから順番に、補正情報および変更情報に従って印刷シリンダなどの回転位相を自動的に設定する構成でもよい。また、作業者が操作パネル140の給紙ボタン141を操作したときに、補正情報および変更情報に従って印刷シリンダなどの回転位相を設定する構成でもよい。

(6)本実施形態では、上位管理装置100が、連続する複数のオーダを順番に実行するために、段ボールシートの総坪量を表す坪量情報、および搬送方向の長さを表すシート長さ情報を含む各オーダに関する制御指令情報を、下位管理装置110に送る構成であるが、この構成に限定されない。作業者が、操作パネル140を操作して坪量情報およびシート長さ情報を設定する構成でもよい。

1 段ボールシート製函機 2 給紙装置 3 搬送装置 4 印刷装置 4A〜4C 印刷ユニット 6A、6B スロッタユニット 7 ダイカッタ装置 30A〜30C 印刷用搬送部 34A〜34C サクション機構 40A〜40C 印刷シリンダ 44A〜44C 差動機構 45A〜45C 差動モータ 100 上位管理装置 110 下位管理装置 150 補正メモリ 161〜163 第1乃至第3印刷制御装置 164、165 第1および第2スロッタ制御装置 166 ダイカッタ制御装置 SH 段ボールシート PL 搬送経路

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