【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、ペットの皮膚疾患の予防及び治療に効果を有するペットフードに関する。 【0002】 【従来の技術】獣医療技術の向上によりペットの寿命が伸びるとともに、ペットフードの欧米化や動物本来の姿を無視した飼育の増加等のため、近年、ペットにおいて、成人病や代謝異常に基く種々の疾患が増加しつつある。 外的に現れるこれらの疾患の一つとして、皮膚疾患が挙げられる。 皮膚疾患は、慢性に移行し易く、長期にわたる治療を要することが多い。 【0003】皮膚疾患の治療として、一般的には、抗菌剤やステロイド剤等の筋肉注射、皮下注射、経口投与あるいは患部への塗布等が行われている。 しかしながら、 これらの薬剤だけでは短期間には治りにくいことが多く、又、これらの薬剤の長期投与により、続発性の副腎皮質機能低下、潰瘍、出血等の胃腸管障害、腎毒性、感染症の悪化等の副作用が起こる可能性がある。 【0004】必須脂肪酸とビオチンの不足が犬の皮膚病の主原因として、これらをペットフードに配合することが知られている〔 Fromageot,D. et al., Rec.Med.Ve t. ,158 (12),821-826 (1982) 〕。 また、猫においては、 Δ−6−デサチュラーゼが非常に不足しており、リノール酸からγ−リノレン酸への変換ができないため、γ− リノレン酸をペットフードに配合することも知られている〔特開昭61-149054 〕。 更に、Δ−6−デサチュラーゼは、犬においても、老化、肝疾患、糖尿病等の疾病により活性が弱められることが明らかにされており〔 Wol ter, R.,R.ウォルターの犬と猫の栄養学,71頁,日本臨床社刊,1991年〕、犬及び猫のペットフードにジホモγ −リノレン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、 γ−リノレン酸等の高度不飽和脂肪酸を配合することが知られている〔特開平1-215245〕。 しかしながら、いずれも、犬及び猫の皮膚病の予防又は治療という観点からみると、実用上、満足できるものではない。 【0005】下痢や軟便の予防、改善等のために、整腸剤が用いられることは知られている〔特開昭51-118827 等〕が、ペットの皮膚疾患の予防および治療のために用いられることは知られていない。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ペットの皮膚疾患の予防及び治療に有用なペットフードを提供することにある。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明は、高度不飽和脂肪酸及び/又はビオチンと整腸剤とを含有してなるペットフードに関する。 本発明で用いられる高度不飽和脂肪酸としては、例えば、ω3系列及びω6系列の必須脂肪酸が挙げられるが、とくに、γ−リノレン酸、α−リノレン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸 (docosahexaenoic acid; 以下、DHAと略記する)等が好ましい。 γ−リノレン酸、α−リノレン酸、エイコサペンタエン酸、DHA等は、いずれの由来のものでもよく、例えば、γ−リノレン酸としては、月見草油、モルティエレラ属やムコール属等の菌類、ユーグレナ属やクロレラ属等の藻類及びそれらの抽出エキス等由来のもの、α−リノレン酸としては、シソ、エゴマ、アマニ、 菜種、大豆等の植物種子やこれらの抽出油等由来のもの、エイコサペンタエン酸及びDHAとしては、イワシ、カツオ、マグロ等の魚油、モルティエレラ属等の微生物及びそれらの抽出液等由来のものが用いられる。 また、本発明の高度不飽和脂肪酸は、遊離体、塩及びエステル体のいずれの形態で含有されていてもよい。 塩としては、例えば、ナトリウム、カリウム、カルシウム等の金属塩が、エステル体としては、メチル、エチル等のエステルが挙げられる。 【0008】本発明で用いられるビオチンは、ビタミンHと同義であり、合成で製造されたもの、酵母、バチルス属、エシェリヒア属、コリネバクテリウム属等の細菌、植物、動物臓器及び十味敗毒湯、消風散、当帰飲子等の漢方薬から抽出されたもの等いずれでも用いられる。 本発明で用いられる整腸剤とは、有害腸内細菌の増殖を抑制する作用、有益腸内細菌の増殖を促進する作用等を有しているものであり、例えば、ラクトバチルス・ アシドフィルス、ストレプトコッカス・フェカーリス、 ラクトバチルス・ブルガリクス、ラクトバチルス・カゼイ等の乳酸菌、ビフィドバクテリウム・ビフィダム、ビフィドバクテリウム・ロンガム、ビフィドバクテリウム・ブレーベ、ビフィドバクテリウム・アドレッセンティス、ビフィドバクテリウム・シュードロンガム、ビフィドバクテリウム・テルモフィルム等のビフィズス菌、クロストリジウム・ブチリカム等の酪酸菌、納豆菌、トヨイ菌等の細菌及びその処理物等が挙げられる。 細菌の処理物としては、例えば、細菌の菌体を洗浄、乾燥、凍結、凍結乾燥、アセトン乾燥、有機溶剤又は界面活性剤等との接触、リゾチーム処理、超音波処理、機械的に磨砕等の処理を行った菌体処理物等が挙げられる。 【0009】本発明のペットフードを摂餌させるペットとしては、犬、猫等の家庭で飼育可能な小動物が挙げられる。 本発明のペットフードにおける高度不飽和脂肪酸の含有量は、0.5〜50重量%、好ましくは1〜25 重量%であり、ビオチンの含有量は0.01〜1.0重量%、好ましくは0.04〜0.4重量%である。 整腸剤の含有量は、菌体としては10 6 〜10 10個/gであり、菌体処理物としては、1〜98重量%、好ましくは5〜95重量%である。 【0010】本発明のペットフードには、整腸作用を増強させるため、フラクトオリゴ糖、大豆オリゴ糖、キシロオリゴ糖、イヌロオリゴ糖、ラクチュロース等の有用オリゴ糖等を添加することができる。 また、皮膚疾患の改善に有効とされているメチオニン、タウリン等のアミノ酸、ビタミンA,B 2 ,B 6 、ニコチン酸等のビタミン、亜鉛等を添加することもできる。 さらに、栄養を強化するため、酵母エキス、粉乳、蛋白質、酵素、カルシウム,マグネシウム,リン等の無機質、核酸,リノール酸等の必須脂肪酸等を、嗜好性を高めるため、食塩等の塩類,有機酸,砂糖等の甘味物質を、製剤化するため、 酵素分解レシチン等の乳化剤、乳糖,サイクロデキストリン,穀類等の賦形剤を、運搬時や保存時の安定性を高めるため、ビタミンE、β−カロチン、ビタミンC、レシチン等の抗酸化剤を添加することもできる。 【0011】本発明のペットフードは、抗菌剤、止痒剤、鎮痛剤、抗炎症剤、抗アレルギー剤や副腎皮質ホルモン剤等の皮膚疾患治療薬と併用することにより、これらの治療薬の治療効果を促進することもできる。 本発明のペットフードは、粉状、顆粒状、ペレット状、タブレット状、ペースト状、水溶液等の形態で、単独または他の飼料と混合して経口的にペットに与えることができる。 【0012】本発明のペットフードの摂餌量は、一日一頭当り、体重5kg未満のペットには0.1g〜2.5 g、体重5kg以上10kg未満のペットには0.2g 〜5.0g、体重10kg以上15kg未満のペットには0.3g〜7.5g、体重15kg以上のペットには0.5g〜20g摂餌させることが好ましい。 摂餌回数は、所望の効果を得ることができればとくに制限はないが、一日当たりの摂餌量を2回以上に分けて摂餌させるのが好ましい。 【0013】下記に本発明のペットフードの一日当たりの摂餌量の一例を示す。 ペットの体重が5kg未満の場合 γ−リノレン酸 4〜250mg ビオチン 0.05〜10mg ビフィズス菌 10 6 〜10 10個 ペットの体重が5kg以上10kg未満の場合 γ−リノレン酸 8〜500mg ビオチン 0.1〜20mg ビフィズス菌 10 6 〜10 10個 ペットの体重が10kg以上15kg未満の場合 γ−リノレン酸 12〜750mg ビオチン 0.15〜26mg ビフィズス菌 10 6 〜10 10個 ペットの体重が15kg以上の場合 γ−リノレン酸 20〜2000mg ビオチン 0.25〜32mg ビフィズス菌 10 6 〜10 10個 本発明のペットフードをペットに摂餌させることにより、ペットの皮膚疾患に対して、顕著な予防及び治療効果が認められる。 【0014】予防及び治療効果の作用機序は必ずしも明らかではないが、整腸剤により腸内細菌叢が改善されるため、経口摂取された高度不飽和脂肪酸及び/又はビオチンが、腸内で分解、資化等されにくく、有効に体内に吸収される結果、脂肪酸代謝等が改善され、皮膚疾患等に対して改善効果が現れるものと考えられる。 以下、実施例、参考例及び実験例により本発明を説明する。 【0015】 【実施例】 実施例1 フレーク状の「リノックス」(出光石油化学社製;γ− リノレン酸を10%含有するムコール属乾燥菌体)42 0gを乳鉢で100メッシュより細かく粉砕した。 これに、100メッシュ篩を通過させた「ロビミックスH− 2」(日本ロッシュ社製;ビオチン2%含有)80g及び「コロラックD」(日清製粉社製;ビフィドバクテリウム・シュードロンガムSS−24菌を1g中10億個以上含有)500gをロッキングミキサーで十分に混合し、ペットフードを得た。 【0016】実施例2 100メッシュ篩を通過させた「ロビミックスH−2」 (日本ロッシュ社製;ビオチン2%含有)80g、「コロラックD」(日清製粉社製;ビフィドバクテリウム・ シュードロンガムSS−24菌を1g中10億個以上含有)500g及び乳糖(メグレ社製)420gをロッキングミキサーで十分に混合し、ペットフードを得た。 【0017】実施例3 「リノックス」の代わりに、特開昭59-41395記載の方法に準じて製造したα−リノレン酸粉末(α−リノレン酸を20%含有するサイクロデキストリン包接粉末)42 0gを用いる以外は実施例1と同様にしてペットフードを得た。 【0018】実施例4 「リノックス」の代わりに、特開昭59-41395記載の方法に準じて製造したDHA粉末(DHAを14%含有するサイクロデキストリン包接粉末)420gを用いる以外は実施例1と同様にしてペットフードを得た。 【0019】実施例5 「コロラックD」の代わりに、「動物用ビオフェルミン」(ビオフェルミン製薬社製;10g中にストレプトコッカス・フェカーリス菌を10億個, ラクトバチルス・アシドフィルス菌を10億個含有)500gを用いる以外は実施例1と同様にしてペットフードを得た。 【0020】実施例6 「コロラックD」の代わりに、「配合用宮入菌末」(ミヤリサン社製;1g中にクロストリジウム・ブチリカム菌体を30mg含有)500gを用いる以外は実施例1 と同様にしてペットフードを得た。 【0021】参考例1 フレーク状の「リノックス」(出光石油化学社製;γ− リノレン酸を10%含有するムコール属乾燥菌体)42 0gを乳鉢で100メッシュより細かく粉砕した。 これに、100メッシュ篩を通過させた「ロビミックスH− 2」(日本ロッシュ社製;ビオチン2%含有)80g及び乳糖(メグレ社製)500gをロッキングミキサーで十分に混合し、ペットフードを得た。 【0022】参考例2 100メッシュ篩を通過させた「ロビミックスH−2」 (日本ロッシュ社製;ビオチン2%含有)80g及び乳糖(メグレ社製)920gをロッキングミキサーで十分に混合し、ペットフードを得た。 【0023】参考例3 100メッシュ篩を通過させた「ロビミックスH−2」 (日本ロッシュ社製;ビオチン2%含有)0.8g及び乳糖(メグレ社製)999.2gをロッキングミキサーで十分に混合し、ペットフードを得た。 【0024】参考例4 「コロラックD」(日清製粉社製;ビフィドバクテリウム・シュードロンガムSS−24菌を1g中10億個以上含有)500g及び乳糖(メグレ社製)500gをロッキングミキサーで十分に混合し、ペットフードを得た。 【0025】実験例1 犬に対する予防効果 家庭で飼われている皮膚疾患に罹りやすいという病歴のある体重5.0±1.0kgの犬を、任意に18頭選択し, 6頭ずつA,B,Cの3群に分け、通常のドッグフードに、A群には実施例1で得られたペットフードを、 B群には参考例1で得られたペットフードを、C群には乳糖のみをそれぞれ一日体重1kg当り0.1g摂餌するように混合し、一日三回餌として与えた。 各群に摂餌させた組成物1g中の各成分の含有量を第1表に示した。 【0026】2カ月間にわたって上記実験を行い、その期間中の皮膚の状態を、痒覚、発赤、湿疹、脱毛及び痂皮の有無について観察した。 その結果を第2表に示す。 【0027】 【表1】 【0028】 【表2】 【0029】第2表に示したように、本発明のペットフードを犬に摂餌することにより、皮膚疾患の予防をすることができる。 【0030】実験例2 犬に対する予防効果 家庭で飼われている皮膚疾患に罹りやすいという病歴のある体重5.0±1.0kgの犬を、任意に6頭選択し、通常のドッグフードとは別に、実施例1で得られたペットフードを体重1kg当り0.1g一日一回経口投与した。 【0031】2カ月間にわたって実験を行い、その期間中の皮膚の状態を、痒覚、発赤、湿疹、脱毛及び痂皮の有無について観察した。 その結果、2頭にのみ皮膚疾患の症状が認められた。 実験例1及び2の結果から、犬の場合、一日一回の投与よりは、一日の必要量を三回に分けて摂餌させた方が、本発明のペットフードの摂餌による皮膚疾患の予防効果が大きいことがわかる。 【0032】実験例3 猫に対する予防効果 家庭で飼われている皮膚疾患に罹りやすいという病歴のある体重3.5±1.0kgの猫を、任意に18頭選択し, 6頭ずつA,B,Cの3群に分け、通常のキャットフードに、A群には実施例1で得られたペットフードを、B群には参考例1で得られたペットフードを、C群には乳糖のみを、それぞれ一日体重1kg当り0.1g 摂餌するように混合し、一日三回餌として与えた。 各群に摂餌させた組成物1g中の各成分の含有量は第1表と同じである。 【0033】2カ月間にわたって上記実験を行い、その期間中の皮膚の状態を、痒覚、発赤、湿疹、脱毛及び痂皮の有無について観察した。 その結果を第3表に示す。 【0034】 【表3】 【0035】第3表に示したように、本発明のペットフードを猫に摂餌することにより、猫の皮膚疾患の予防をすることができる。 実験例4 猫に対する予防効果 家庭で飼われている皮膚疾患に罹りやすいという病歴のある体重3.5±1.0kgの猫を、任意に6頭選択し、通常のキャットフードとは別に、実施例1で得られたペットフードを、体重1kg当り0.1g一日一回経口投与した。 【0036】2カ月間にわたって上記実験を行い、その期間中の皮膚の状態を、痒覚、発赤、湿疹、脱毛及び痂皮の有無について観察した。 その結果、1頭にのみ皮膚疾患の症状が認められた。 実験例3及び4の結果から、 猫の場合、本発明のペットフードの摂餌による皮膚疾患の予防効果は、一日一回の投与よりは、一日の必要量を三回に分けて摂餌させた方が大きいことがわかる。 【0037】実験例5 猫に対する治療効果(痒み止め薬との併用効果) 発赤等の湿疹症状が皮膚に認められる体重3.5±1. 0kgの猫15頭を3頭ずつA,B,C,D,Eの5群に分け、通常のキャットフードとは別に、A群及びD群には実施例1で得られたペットフードを、B群には参考例1で得られたペットフードを、C群及びE群には乳糖のみを、10日間、それぞれ体重1kg当り0.3gずつ一日一回経口投与して、皮膚の状態を観察した。 なお、D群及びE群には、ペットフードに加えて、皮膚疾患治療薬であるプレドニゾロン(「プレドニゾロン注」、フジタ製薬社製)を、体重1kg当り0.4mg 毎日一回皮下注射した。 各群に投与した組成物の1g中の各成分の含有量を第4表に示した。 【0038】 【表4】 【0039】投与開始後、3日、7日、10日経過した時の症状を, 各々の猫について, 第5表に示す評点にしたがって判定した。 判定した各群の一頭当りの平均値を、第6表に示した。 【0040】 【表5】 【0041】 【表6】 【0042】第6表に示したように、本発明のペットフードを猫に摂餌することにより、皮膚疾患の治療ができ、この治療効果は、皮膚疾患治療薬との併用により向上することがわかる。 このことから、本発明のペットフードを皮膚疾患治療薬と併用することにより、皮膚疾患治療薬の投与量を減少させることができ、皮膚疾患治療薬による副作用の発現を抑止させることも可能である。 【0043】実験例6 犬に対する治療効果 発赤等の軽い湿疹症状が皮膚に認められる体重10.0 ±1.0kgの犬10頭を2頭ずつA,B,C,D,E の5群に分け、通常のドックフードとは別に、A群には実施例2で得られたペットフードを、B群、C群、D群にはそれぞれ参考例2、3、4で得られたペットフードを、E群には乳糖のみを、それぞれ14日間、体重1k g当り0.25g一日一回経口投与して、皮膚の状態を観察した。 各群に投与した組成物の1g中の各成分の含有量を第7表に示した。 【0044】 【表7】 【0045】投与開始後、3日、7日、14日経過した時の症状を, 各々の犬について, 第5表に示す評点にしたがって判定した。 判定した各群の一頭当りの平均値を、第8表に示した。 【0046】 【表8】 【0047】第8表に示したように、本発明のペットフードは、ビオチンのみ、又はビフィズス菌のみを含有する従来の組成物よりも著しい皮膚疾患治療効果が認められた。 【0048】実験例7 犬に対する治療効果 ノミの寄生による尾根部及び陰部の湿疹、痒覚のあるシーズー(3歳、メス、体重5.5kg)について、通常のドッグフードを摂餌させながら、5日間、プレドニゾロン1.25mgを一日2回経口投与したところ、皮膚の症状は改善しないばかりでなく、陰部に軽度の色素の沈着さえ認められた。 【0049】そこで、ひきつづき、プレドニゾロンを1.25mg一日2回経口投与しながら、実施例1で得られたペットフード0.55gを一日一回経口投与したところ、3日目には痒覚、湿疹及び色素が消失した。 【0050】実験例8 犬に対する治療効果 左耳が外耳導炎のため、化膿し悪臭を放っている秋田犬(3歳、オス、体重33.0kg)に、十味ハイ錠(伸和製薬社製)4錠を一日一回経口投与するとともに、通常のドッグフードを摂餌させながら、実施例1で得られたペットフード6.6gを一日一回経口投与したところ、3日目には患部が乾燥し良好になった。 【0051】実験例9 猫に対する治療効果 左後肢の脱毛、背側部の湿疹及び痂皮、痒覚、炎症のある日本猫(10歳、オス、体重4.7kg)について、 プレドニゾロン4.7mg及びクロロマイセチン118 mgを一日一回皮下注射するとともに、通常のキャットフードを摂餌させながら、実施例1で得られたペットフード1.4gを一日一回経口投与したところ、7日目には背側部の湿疹はまだ若干認められるものの、痒覚と炎症は消失した。 【0052】実験例10 α−リノレン酸含有組成物の犬に対する治療効果 尾根部に発赤等の軽い湿疹の認められるシーズー(3 歳、オス、体重4.9kg)について、通常のドッグフードを摂餌させながら、実施例3で得られたペットフードを0.5gずつ一日2回経口投与したところ、10日目には患部が良好になった。 【0053】 実験例11 DHA含有組成物の猫に対する治療効果 背側部に発赤等の軽い湿疹の認められる日本猫(9歳、 メス、体重4.9kg)について、通常のキャットフードを摂餌させながら、実施例4で得られたペットフードを0.5gずつ一日2回経口投与したところ、10日目には患部が良好になった。 【0054】 実験例12 乳酸菌含有組成物の犬に対する治療効果 尾根部に発赤等の軽い湿疹の認められるシーズー(4 歳、オス、体重6.0kg)について、通常のドッグフードを摂餌させながら、実施例5で得られたペットフードを0.5gずつ一日2回経口投与したところ、7日目には患部が良好になった。 【0055】 実験例13 酪酸菌含有組成物の犬に対する治療効果 尾根部に発赤等の軽い湿疹の認められるシーズー(3 歳、オス、体重5.5kg)について通常のドッグフードを摂餌させながら、実施例6で得られたペットフードを0.5gずつ一日2回経口投与したところ、10日目には患部が良好になった。 【0056】 【発明の効果】本発明により、ペットの皮膚疾患の予防及び治療に有用なペットフードが提供される。 |