New fungus main producing conjugated linoleic acid, capsules and a manufacturing method thereof containing the same

申请号 JP2003584288 申请日 2003-04-12 公开(公告)号 JP2005522216A 公开(公告)日 2005-07-28
申请人 チェビジェン・インコーポレイテッドChebigen Inc.; 发明人 ウム・ソジョン; オー・ドククン; キム・ソミ; キム・ドンミョン; シン・ホンシグ; パク・シホ; パク・ジョンスプ; ベク・デヒョン; リー・ユジン; ロ・ヨンソイ;
摘要 本発明は共役リノール酸(CLA)を生産することのできる新規の菌主に関するものである。 本発明の菌主にはビフィドバクテリウムブレベ(Bifidobacterium breve)CBG-C2菌主、ビフィドバクテリウムシュドカルテヌラチューム(Bifidobacterium pseudocartenulatum)CBG-C4菌主及びエンテロコッカスフェシウム(Enterococcus faecium)CBG-C5菌主が含まれる。 本発明の菌主はCLA生産能 力 が優れており、CLAを生成して培地に分泌する一方、菌体内に蓄積することができる。 また、本発明の菌主は胃酸や胆汁等の酸と抗 生物 質に対して強い耐性を持つ。 本発明の菌主を含む組成物は 水 溶性多糖類からなる被覆物質内に本発明の菌主とCLAを含むカプセル剤形態で製造され、機能性食品及び医薬品として使用することができる。
权利要求
  • LA(Linoleic acid)をCLA(conjugated linoleic acid)に転換させることのできる新菌主。
  • 請求項1に記載の、ビフィドバクテリウムブレベ(Bifidobacterium breve)CBG-C2菌主。
  • 請求項1に記載の、寄託番号KACC 91001で寄託された菌主。
  • 請求項2に記載の、寄託番号KCTC 10462BPで寄託された菌主。
  • 請求項1に記載の、ビフィドバクテリウムシュドカルテヌラチューム(Bifidobacterium pseudocartenulatum)CBG-C4菌主。
  • 請求項5に記載の、寄託番号KACC 91003で寄託された菌主。
  • 請求項1に記載の、エンテロコッカスフェシウム(Enterococcus faecium)CBG-C5菌主。
  • 請求項7に記載の、寄託番号KACC 91002で寄託された菌主。
  • 請求項7に記載の、寄託番号KCTC 10208BPで寄託された菌主。
  • 請求項1乃至請求項9のうち何れか1つに記載の菌主の菌体を有効成分とするCLA生成用組成物。
  • 請求項10に記載の、癌、動脈硬化、糖尿病及び肥満等、CLAにより抑制される疾患の予防又は治療用組成物。
  • 請求項1乃至請求項9のうち何れか1つに記載の菌主の菌体とCLAを核物質として含有し、水溶性多糖類を被覆物質として含有するカプセル剤。
  • 請求項1乃至請求項9のうち何れか1つに記載の菌主を利用してLAからCLAを生成する方法。
  • 請求項1乃至請求項9のうち何れか1つに記載の菌主の菌体を食品又は医薬品の有効成分として添加してCLAを生成する方法。
  • 说明书全文

    発明の詳細な説明

    技術分野

    本発明は、共役リノール酸(conjugated linoleic acid、以下'CLA'という)を生産することができる新規の菌主に関するものである。
    背景技術

    CLAは必須脂肪酸であるリノール酸(linoleic acid、以下'LA'という)の共役化異性体であって、反芻動物の乳や筋肉にから微量に発見される天然脂肪酸成分である。
    CLAは鎖内部のシス(cis)−9及びトランス(trans)−11、又はトランス−10及びシス−12位置に鎖内部の及びトランス(trans)配列に共役化二重結合を持つが、特にシス−9及びトランス−11部位の共役化二重結合により人体に有用な生理活性が現れる。
    CLAは動脈硬化症の発生低下(Artery.1977.22:266-277)、免疫機能向上(J.Nut.1999.129:32-38)、抗癌作用(Anticancer research.1997.17:969-973)、成長促進(J.Nut.2000.130:2981-2989)及び糖尿病等の疾患に対し優秀な治療効果を現し、体脂肪減少(Am.J.Physiol.1998.275:R667-R672)を通じて肥満を抑制するとも知られている。 このような特性によりCLAは機能性食品及び医薬品の有効成分として有用に利用することができる。

    CLAは主に動物性食品に含有されており、特に反芻動物に多く存在するものとして知られている。 肉のCLA含量は2.9〜4.3mgCLA/fatであり、子羊においては5.6mgCLA/fatで、海産物においては0.3〜0.6mgCLA/fatの少量が存在し、乳製品における含量は牛乳の場合5.5mgCLA/fat、またチーズにおいては3〜7mgCLA/fatの量が確認される。 人間の一日 CLA摂取量は主に菜食である東洋人の場合には0.1g/dayであり、肉食を多くする西洋人の場合は0.4g/dayと予想されている。
    現在までCLAの大量生産のために様々な方法が開発されてきた。 既存の方法は尿素付加法、分子蒸留法、HPLC方法等、CLAをLAから化学的に合成する方法があり、LAをCLAに転換することのできる活性を持つ生物が多数分離されたことがある。
    しかし、化学的合成法は高価な装備を必要としたり、工程に非常に長い時間が所要される等の問題が多い。 また、これらの方法は単一種類のCLAだけでなく多様な種類の異性体を一緒に生成するので、既存の化学的方法で単一種類のCLA異性体のみを生産するということは非常に非効率的である。
    従ってCLAを最も効率的に生産できる方法はCLAを生成できる微生物からCLAを生産、分離することである。 CLAを生産すると知られている代表的な微生物はラクトバチルス(Lactobacillus)、プロピオニバクテリウム(Propionibacterium)、ブチリビブリオフィブリソルベンス(Butyrivibrio fibrisolvens)等の腸内微生物であり、多くの国家においてこれらは家畜に投与する生菌剤(probiotics)、飼料等の機能性食品や医薬品の有効成分として有用に使用されている。
    しかしながら、国内においてはCLAを食品や医薬品の有効成分として直接添加することが未だ許可されていない。 従って、CLAを食品及び医薬品の有効成分として使用しようとすれば、微生物からCLAを分離して添加する方法よりは、CLAを生成できる微生物の菌体自体を直接添加してCLAを間接的に生成するようにする方法を使用せねばならない。

    現在までに知られているところによれば、腸内微生物により合成されたCLAは、シス−9、トランス−11とシス−12、トランス−10の比率が約50%ずつ生成される化学的な合成方法とは違い、シス−9とトランス−11のみ特異的に生成される。 反芻動物由来の肉類においては少量のシス−9とトランス−11が確認されるが、脱脂乳を利用した発酵乳製品においては非常に低いシス−9とトランス−11が検出されるだけで、特に各種乳酸菌を利用した発行キムチにおいてもシス−9とトランス−11が存在しないものと知られている。 従って、大韓民国特許出願番号2001−0047292ではラクトバチルス属微生物を利用して微生物によって合成された純粋なシス−9とトランス−11型のCLAを食品に添加する方法を開示したことがあるが、実際の食品においては極微量のCLA含量が確認されただけである。
    また、CLA生成微生物が食品又は医薬品の有効成分として使用され得るためには、製造された製品の流通期間の間中、微生物が製品製造時と同じように高い比率で残存せねばならず、人等、動物の体内へ摂取された後は腸内で高い生存率と活性を保たねばならない。 またスーパーバクテリア(superbacteria)を始めとした腸内の有害な菌と競争して優位を占めるためには抗生物質に対して優秀な耐性を備えねばならない。
    しかし、現在市販中の製品の有効成分として使用される微生物のうち多くの菌主は、貯蔵中の製品だけでなく摂取後に胃を通過する過程においてさえ存在することができず、抗生物質に対する耐性も微弱であることが分かった。
    発明の開示
    発明が解決しようとする課題

    従って、優秀なCLA生産能と共に、動物の体内において高い生存力と活性を現し、菌体自体を食品及び医薬品の有効成分として直接添加できる菌主に対する発明は依然として課題として残っている。
    課題を解決するための手段

    前記課題を達成するため、本発明では共役リノール酸を生産でき、酸と抗生物質に対して優れた耐性を持ち、菌体自体を食品及び医薬品に添加する時CLAを間接的に生成できる新規の菌主を提供する。
    また、本発明では前記菌主とCLAを含有するカプセル剤を提供することにより、機能性発酵食品、乳製品及び医薬品を製造することのできる方法を提供する。

    本発明はCLAを生産することのできる新規の菌主を提供する。
    本発明の菌主は韓国人嬰児の糞便から分離された菌主であり、LAをCLAに変換できることを特徴とする。
    本発明の菌主にはビフィドバクテリウムブレベ(Bifidobacterium breve)CBG-C2菌主、ビフィドバクテリウムシュドカルテヌラチューム(Bifidobavterium pseudocartenulatum)CBG-C4菌主及びエンテロコッカスフェシウム(Enterococcus faecium)CBG-C5菌主が含まれる。
    発明を実施するための最良の形態

    本発明の菌主を分離する方法は次の通りである。
    韓国人嬰児の糞便から菌主を分離し、300個程度の菌落(colony)を任意に採取して基質であるLAが添加された培地で培養する。 培養液をヘキサン(hexane)で抽出した後、吸光度を測定してCLA生成能力が優秀な菌主を選別する。
    前記過程により選別された菌主に対し、各菌主が生成する脂肪酸をガスクロマトグラフィ(Gas Chromatograph;以下GCという)法で分析し、LAからCLAを生成することができるかどうかを再度確認する。
    このようにして選別された本発明の菌主は3種類で、夫々CBG−C2、CBG−C4及びCGB−C5と命名され、2002年4月3日農業生命工学研究院農用微生物保存センターに夫々寄託番号KACC 91001、KACC 91003及びKACC 91002として寄託された状態である。 また、CBG-C2(KCTC 10462BP)とCBG-C4(KCTC 10208BP)は生命工学研究院遺伝資源センター遺伝子銀行にも夫々2002年3月25日と2003年4月10日付で寄託された状態である。

    上記のような方法で得られた本発明の菌主はCLA生産能力が優れており、胃酸や胆汁等の酸と抗生物質に対し強い耐性を持っている。
    本発明の微生物から生産されるCLAはシス−9とトランス−11の立体構造のみを含むが、これらは既に公知である通り多様な生理活性を持つ異性体であるため、これら構造物を含む脂肪酸とアシルグリセロールは各種動物性由来の乳製品、植物由来の原料物質による乳製品、発酵食品及び健康性機能性食品と生菌剤(probiotics)等の開発のため広範囲に利用することができる。
    従って、本発明の菌主は菌体固定化等の生物学的方法によりCLAの異性体を大量に生合成するにおいて効率的に利用することができる。
    本発明の菌主は生菌体だけでなく死菌体形態でも食医薬品添加が可能であるが、これは本発明の菌主がCLAを培養液或いは反応液に分泌しながら、同時に相当量のCLAを菌体内蓄積できる特性を有しているためである。
    従って、本発明の菌主はLA添加培地で培養した菌体自体を食品及び医薬品等多様な組成物の有効成分として添加してCLAが間接的に生成されるようにすることができるので、CLAを食品及び医薬品に直接添加することのできなかった既存の問題を解決し、CLAを多量含有した機能性製品の開発を促進することができる。
    本発明はまた、前記菌主を含有する食品及び薬剤学的組成物を提供する。 本発明の組成物は本発明のビフィドバクテリウムブレベCBG-C2菌主、ビフィドバクテリウムシュドカルテヌラチュームCBG-C4菌主又はエンテロコッカスフェシウムCBG-C5菌主のうち、選択された一つ以上の菌体を有効成分として含有する。
    本発明の組成物はCLA生成率を高め菌主の生育安定性を増大させるために有機酸等を追加の有効成分として含有することができる。 本発明の組成物において有機酸は化学的に合成されたり、又は微生物から精製されて分離されたCLAになることができる。
    具体的に本発明の組成物は、本発明の菌主のうち選択された一つの菌体とCLAを一緒に含むこととができる。

    本発明の組成物は、前記有効成分以外にも必要に応じて多様な補助成分を追加で含むことができる。
    本発明の食品組成物の場合、ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB3、ビタミンB6、ビタミンB12、葉酸(folic acid)、ビタミンC、ビタミンD3、ビタミンE等のビタミン類と、銅、カルシウム、鉄、マグネシウム、カリウム、亜鉛等のミネラル又は乳酸菌等を含有することができる。
    また、本発明の食品組成物のうち、健康飲料組成物は、通常の飲料のように様々な香味剤又は天然炭化物等を追加成分として含有することができる。 香味剤としてはタウマチン、ステビア抽出物のような天然甘味剤や、サッカリン、アスファルタムのような合成甘味剤等を挙げることができる。 天然炭水化物としてはブドウ糖、果糖等の単糖類、マルトース、スクロース等の二糖類、デクストリン、サイクロデクストリン等の多糖類、キシリトール、ソルビトール、エリトリトール等の糖アルコール類が挙げられる。
    本発明の薬剤学的組成物の投与量又は摂取量は60〜130μM(Cancer Epidemiol.Biol.Prev.2000.9:689-696)、また、食品組成物の投与量又は摂取量は3.4〜6g/日(J.Nutr.2000.130:2943-2948)であることが望ましいが、必要に応じて加減することができる。 本発明の組成物は摂取量に関係なく体内に安全に吸収される。 投与量又は摂取量は組成物に含有された有効成分及び別の成分の種類及び含量、剤形の種類及び患者の年齢、体重、一般健康状態、性別及び食餌、投与時間、投与経路及び組成物の分泌率、治療期間、同時使用される薬物を始めとした多様な因子により調節することができる。
    本発明の組成物は人体に投薬する場合、化学的に合成されたCLA含有食品及び医薬品に比べ副作用の憂慮がない。

    本発明の組成物は前記有効成分以外にも薬剤学的又は食品において許容可能な担体を1種以上含んで製剤化することができる。
    薬剤学的又は食品において許容可能な担体は食塩水、滅菌水、リンガー液、デクストローズ溶液、マルトデクストリン溶液、グリセロール、エタノール及びこれら成分のうち1成分以上を混合して使用することができ、必要に応じて抗酸化剤、緩衝液、静菌剤等、別の通常の添加剤を添加することができる。 また、希釈剤、分散剤、界面活性剤、結合剤及び潤滑剤を付加的に添加して水溶液、懸濁液、乳濁液等のような注射用剤形、丸薬、カプセル、顆粒又は錠剤として製剤化することができる。 さらに、当分野の適正な方法により、又はRemington's Pharmaceutical Science(最近版)、Mack Publishing Company, Easton PAに開示されている方法を利用して各疾患に応じて、又は成分に応じて望ましく製剤化することができる。
    本発明の組成物の製剤形態は顆粒剤、散剤、顆粒剤、被覆錠、錠剤、カプセル剤、煎薬、エキス剤、座剤、シロップ、汁、懸濁剤、乳剤及び活性化学物の徐放型製剤等にすることができる。
    本発明は前記組成物のカプセル剤を提供する。
    本発明のカプセル剤は被覆物質(coating material)と、被覆される内部の核物質(core material)で成り立つ。

    本発明のカプセル剤において核物質は本発明の菌主のうち選択された一つとCLAを一緒に含むことが望ましい。
    本発明のカプセル剤において核物質を囲む被覆物質は吸水性、分散性、粘着性が優れた水溶性多糖類を使用する。
    本発明において使用可能な水溶性多糖類は澱粉、寒天、カラギナン、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム(sodium alginate)、ポリメチルメタクリレート(polymetacrylate)、小麦蛋白、大豆蛋白を始めとし、メチルセルロース(methylcellulose)、ハイドロプロピルセルロース(hydroxylpropylcellulose)、ハイドロプロピルメチルセルロース(hydroxyl-propylmethylcellulose)等のセルロース誘導体、キサンタンガム(xanthan gum)、アラビアガム(arabic gum)、ローカストビーンガム(locust bean gum)、グアガム(guar gum)、タマリンドガム(tamarind gum)、タラガム(Tara gum)、カラヤガム(karaya gum)、トラガカンスガム(tragacanth gum)、ガティガム(ghatti gum)等のガム類、それからジェラン(gellan)、キサンタン(xanthan)、ペクチン(LA、HM type)、デクストラン(dextran)、グルカン(glucan)、グルコマンナン(glucomannan)、アラビノガラクタン(arabinogalactan)、ファセレラン(furcelleran)、プルラン(pullulan)、グルコサミン(glucosamine)、ゼラチン(gelatin)、カゼイン(casein)のうち、選択された一つ以上にすることができる。
    本発明のカプセル剤製造時、コーティング物質の量は用途及び目的に応じてその量を適宜加減することができ、核を基準として一般的に使用される範囲である1〜80重量%範囲の量で使用するのが良い。
    本発明のカプセル剤は前記水溶性多糖類以外にも、放出制御効果を高めたり溶解度を高めるために一般的に使用されるコーティング物質を追加で含むことができる。
    また、本発明のカプセル剤は必要に応じて乳化剤、保護剤及び可塑剤を追加で含むことができる。

    本発明のカプセル剤の製造方法は、通常的に使用されるカプセル化方法のうち適切な方法を選んで使用することができる。 例えば、本発明のカプセル剤を製造する方法は、乳化安定性を有する分散媒に本発明の菌主の培養菌体、有機酸及びカプセル被覆物質を分散させる乳化工程、乳化分散液を攪拌させてカプセル膜を製造するカプセル膜生成工程、それから硬化剤と反応剤を添加してカプセル膜を硬化させる硬化工程を含む一般的なカプセル化製造工程から成る。
    発明の効果

    このように製造された本発明のカプセル剤は、酸化防止を通じて外部環境から菌主を保護するので低温で長期間安定的に貯蔵が可能である。
    CLAのような脂肪酸は本来、熱、酵素、酸、アルカリ、微生物などに対し不安定であるが、適切な被覆物質により微細カプセル化(microencapsulation)されると、貯蔵-安定性及び服用上の便宜性が増加する。
    本発明のカプセル剤は、酸性条件である腸内においても一定の放出調節により一定水準の生菌数を維持することになる。

    また、本発明のカプセル剤は、微細カプセル化により体内水溶系における比重及び分散性を増加させるので、生体利用率がさらに高まり貯蔵食品及び乳飲料及び乳製品に対する適応性を向上させることができる。
    従って、本発明のカプセル剤は腸内において本発明の菌主が安定して生育できるようにする。 腸内で増殖した本発明の菌主は持続的にCLAを生産するので動脈硬化の発生低下、体脂肪減少、免疫機能向上、抗癌効果、成長促進効果等を得ることができる。 また、本発明の菌主が腸内において優占種の位置を占めることにより、腸内で有害な微生物の成長を阻害する生菌剤(probiotics)として作用するようになるので、持続的に腸機能を活性化して改善することができる。
    本発明のカプセル剤を含む組成物は、具体的に乳製品(牛乳、豆乳、加工乳)、発酵乳(液状ヨーグルト、糊状ヨーグルト)、発酵性食品(キムチ類、醤類)、家畜用飼料、健康補助食品等にすることができる。
    本発明の菌主を有効成分として含有する食品組成物は家畜用飼料を始めとして各種キムチ類、醤類等の発酵食品及びヨーグルト、チーズ等の発酵乳製品で、抗癌、免疫増強、体脂肪減少等の効果を期待することができる。
    本発明の菌主を有効成分として含有する薬剤学的組成物は、癌、動脈硬化、糖尿病及び肥満等、CLAにより抑制される疾患の予防又は治療に使用することができる。



    実施例

    以下、本発明の菌主を下記実施例においてより詳細に説明するが、実施例により本発明が制限されるものではない。

    実施例1
    本発明の菌主分離、同定及び特性確認
    1)本発明の菌主の分離及び同定 本発明の菌主を分離するため、嬰児の糞便を採取した。
    CLAを生成する微生物を分離するため、母乳、混合、離乳栄養児の糞便10種を採取し、滅菌流動パラフィンが重層されたMRS培地に接種した。 滅菌生理食塩水(0.5%w/v)で30〜150個程度の菌落(colony)が生じるように希釈し、L-cysteineが0.05%添加されたMRS(Man Rogosa Sharpe)培地に塗抹した後、嫌気槽にガスパック(Gas Pack、MGC、mitsubishi)と一緒に入れ37℃で72時間培養した。 この時、LAを0.5%(w/v)ツイーン80(tween 80)によく乳化させて綿濾過した後MRS培地に添加し、菌培養時に嫌気条件を造成するため、滅菌された培養容器にMRS培地を隙間なくぎっしりと分株した。
    培養された培地において300個程度の菌落を任意選択し、各菌主をMRS培地に2回継代培養した後20ml試験管に1%接種し48時間培養した。 培養液をヘキサン(hexane)で抽出した後、233nmにおいて吸光度を測定してCLA生成量を得、これを菌体量、すなわち600nmにおける吸光度値に補正し相対的なCLA生成量を比較した。
    生菌数測定はMRS寒天培地を利用して10倍希釈法により平板培養し、これを嫌気槽(Difco、USA)に入れてガスパックと一緒に48時間経過後、生成された菌落の数を数えて測定した。
    このようにしてCLA生成能力が優秀な3菌主を選抜し、CBG-C2、CBG-C4及びCBG-C5と夫々命名した。 本発明の菌主に対しrRNAの塩基序列を分析してその属と種を同定した。
    その結果、CBG-C2菌主はビフィドバクテリウムブレベ、CBG-C4菌主はビフィドバクテリウムシュドカルテヌラチューム、CBG-C5菌主はエンテロコッカスフェシウムに属するものと判明した。
    各菌主は2002年4月3日農業生命工学研究院農用微生物保存センターにCBG-C2(KACC 91001)、CBG-C4(KACC 91003)、CBG-C5菌主は寄託番号KACC 91002として寄託された。 また、CGB-C2(KCTC 10462BP)とCBG-C4(KCTC 10208BP)は生命工学研究院遺伝資源センター遺伝子銀行にも夫々2003年3月25日と2003年4月10日付で寄託された状態である。

    2)本発明の菌主が生成する脂肪酸の組成確認 本発明の菌主が生成する脂肪酸の組成を確認し、本発明の菌主がCLAを生成するかどうか再度確認するため、次のようにGCを行った。
    菌体をLA(500μg/ml)が含まれた培地において48時間培養した後、遠心分離した。
    培養液或いは蒸留水に懸濁した菌体に2倍の体積のイソプロピルアルコール(isopropyl alcohol)を添加して激しく混合した後、ここに1.5倍の体積のヘキサンを加えて3分間揺らしながら混合した。
    前記混合液を常温で3000rpmで5分間遠心分離した後、233nmにおいて上清液の吸光度を測定した。 抽出した脂肪酸はAmerican Oil Chemists's Society:Official Method and Recommended Practoces pf AOCS, 4th.ed(1989)方法によりメチルエステル(methly ester)化してGC分析に必要な試料を準備した。
    GC分析時の条件は次の通りである。 この時、FIDが附着されたGC DS-6200(DONAM)を使用し、コラムはHP-FFAP capillary column(30m×0.25mm、厚さ0.25μm)を使用し、オーブン温度は210℃、インジェクター(injector)温度は250℃、デテクター(detector)温度は270℃であった。 運搬気体はヘリウムを使用し1ml/分 流速で湧出させ、分解比(split ratio)は50:1とした。 各ピークの面積は機器に連結された積分計(model 3390A、Hewlett-packard、USA)を利用して求めた。 CLAの同定は標準物質の停泊時間と比較して確認し、CLAの含量は標準物質の面積とCLAの面積比により分析試料として使用し、その結果を図1に示した。
    図1に示された通り、全ての菌主においてLAピークとCLAピークが同時に観察された。
    従って、本発明の菌主はLAを基質としてCLAを生成できることがわかる。

    3)本発明の菌主において、CLA生成の最適条件確認本発明の菌主において、CLA生成の最適条件を確認するため、基質であるLAが培地に存在する場合と存在しない場合の2条件において、各菌主の生育特性を観察した。
    まず、前培養して活性化された菌主をLA(500μg/ml)が含まれたMRS培地2lに1%になるように接種した後、時間別で培養液を回収して菌体濃度、CLA生成量及び培養液のpHを測定してその結果を図2に示した。
    図2に示された通り、各菌主は対数期(log phase)にさしかかるに従ってCLA生成量も増加し、停止期(stationary phase)に到達する直前にCLAを最大に生成した。 培養液の最初pHは6.5程度であったが、培養時間が経つ程に下がって約50時間発酵後にはpH4.2程度を示した。
    一方、前培養した菌主をLAが含まれていないMRS培地に1%になるように接種した後、20ml試験管に分株して培養し生長曲線を測定し、18時間培養後から6〜12時間毎に培養液のpHを測定した。 菌体を回収して菌体量の10倍の体積のトリス(Tris)緩衝液に懸濁させた後、酵素反応を行い生長曲線の変化によるCLAイソメラーゼ(isomerase)の力価変化を観察した。 この時、酵素反応に添加したLAの濃度は100μg/mlであり、その結果を図3に示した。
    図3に示された通り、LAを添加せずに培養した場合はLAを添加して培養した場合よりも停止期に至る時間がより長かった。 培養液の最終pHは4.2程度であった。
    従って、本発明の菌主は対数期から停止期に移る直前に最大にCLAを生成することが分かる。
    また、前記結果のうち、LAが存在する時に得た実験結果は基質存在下に菌を発酵反応させて製品を開発する時、またLAが存在しない時に得た実験結果は菌自体を製品の有効成分として添加してCLAを間接的に生成しようとする場合に、単位菌体当たり最大力価を示す菌体の成長時期を把握するにおいて有用に使用することができる。

    4)本発明の菌主培養時、培養液と菌体に夫々分布するCLAの量確認 本発明の菌主培養時、培養液と菌体に夫々分布するCLAの量を確認するため、次の通り実験を行った。
    まず、LAが含まれた培養液に各菌主を接種した後、18、24、36、48時間毎に菌体濃度及びCLA生成程度を測定し、その結果を図4に示した。
    図4に示された通り、菌体と培養液に夫々存在するCLAの比率は初期、即ち18時間後にはCBG−C2の場合1:1.85、CBG−C4の場合1:2.1、CBG−C5の場合1:1.54であった。 次第に生育時間が経つ程に培地内のCLA量が増加し、48時間後には下記表1に示した通り、CBG−C2の場合1:3.5、CBG−C4の場合1:2.9、CBG−C5の場合1:2の比率を示した。

    表1

    一方、LAを添加していない培養液に各菌主を接種した後、18、24、36、48時間培養した菌体を回収してLAが含有された緩衝液と混合した後、1時間反応させた後、生成されたCLAの分布を測定してその結果を図5に示した。


    図5に示された通り、生育時間が次第に経つ程に培地内にCLA量が増加した。 培養36時間後には表2に示された通り、菌体により1時間生成されたCLAの分布は菌体と培地の比がCBG−C2、CBG−C4、CBG−C5が夫々1.3:1、1.6:1、0.6:1であった。

    表2


    従って、本発明の菌主はCLAを生成して培地へ分泌する一方、菌体内にも蓄積することができる。


    本発明の菌主のこのような特性は、菌体自体を食品及び医薬品の有効成分として添加してCLAが生成されるようにするにおいて使用することができる。

    5)本発明の菌主において、炭素元の種類による菌の成長及びCLA生成量の変化確認本発明の菌主において、糖元の種類による生長及びCLA生成量の変化を確認するため、ブドウ糖(glucose)、果糖(fructose)、乳糖(lactose)及び砂糖(sucrose)等、多様な炭素元が添加された培地において菌主を培養して生長程度とCLA生成量を測定し、その結果を図6に示した。
    各菌主の成長に最も適した炭素元は図6aに示された通り、培地にLAが存在する場合CBG-C2はブドウ糖、CBG-C4は乳糖と砂糖、CBG-C5は乳糖であり、培地にLAが存在しない場合CBG-C2は乳糖、CBG-C4は乳糖と砂糖であった。
    一方、LA添加培地において48時間培養した後のCLA生成量は図6bに示された通り、CBG−C2とCBG−C4はブドウ糖を炭素元として使用した時に最大値を示した反面、CBG−C5は炭素元によって殆ど影響を受けなかった。

    6)本発明の菌主のpH、胆汁及び抗生物質に対する耐性確認 本発明の菌主のpH耐性、胆汁耐性及び抗生物質耐性等の特性を次の通り確認した。
    分離、同定された新菌主を利用してCLA生産乳酸菌を接種して発酵させた製品や或いは菌体内に含有されているCLAを利用した添加剤としての用途のため各菌主の生育特性を比較した。

    1)pH耐性 本発明の菌主のpH耐性を確認するため、培地にLAが含まれている場合と含まれない場合の2条件下において菌を培養しながら培養液のpH変化を観察し、その結果を図2と図3に示した。
    図2と図3に示された通り、培地にLAが含まれているかどうかに関係なく、菌生育が停止期にさしかかりながら培養液のpHが急激に減少した。 最終pHが4.2程度まで下がることから見て、典型的な乳酸菌の発酵の様相を備えている。
    前記結果を元に、培養液のpH変化による菌の生育の如何を確認するため、塩酸を使用してMRS培地をpH2〜6まで多様に準備した。 各培地に各菌主を接種し37℃で48時間培養しながら菌の生育の如何を観察し、その結果を表3に示した。

    表3

    (−:全く増殖しない、+:若干増殖、++:非常に増殖)


    表3によれば、本発明の菌主はpH3.0〜6.0の範囲において全て生育が可能であり、特にCBG−C4菌主が最も優れたpH耐性を示した。


    従って、本発明の菌主は弱アルカリと弱酸性に渡る広い範囲において全て生育が可能であり、特に胃酸が分泌されて酸性環境が造成される胃において充分に生存できることがわかる。

    2)胆汁耐性 本発明の菌主の胆汁耐性を確認するため、胆汁の成分であるソジュームデオキシコレート(sodium deoxycolate)が0、100、300、500、800及び1000μg/mlと多様に添加されたMRS培地を準備した。 各培地に菌主を接種して37℃で48時間培養しながら生育の如何を検討し、この時、対照菌主としては胆汁耐性を全く持たないバチラスサブチリス(Bacillus subtilis)を使用し、その結果を表4に示した。

    表4

    表4に示された通り、本発明の菌主は全て胆汁濃度1000μg/mlまでも良好に生育した反面、対照菌主であるバチラスサブチリスの場合は100μg/mlにおいても生育が不可能であった。


    従って、本発明の菌主は胆汁が分泌される胃腸管において安定的に生育できることが分かる。

    3)抗生物質耐性 本発明の菌主の抗生物質耐性を確認するため、20ml試験管に夜通し培養した菌主をMRS培地に希釈して固体培地を製造した。 対照菌主としてはラクトバチラスローテリ(Lactobacillus reuteri)を使用した。
    抗生物質として本実験に使用した抗生剤はアンピシリン(ampicillin)、テトラサイクリン(tetracycline)、ストレプトマイシン(streptomycin)、リファマイシンsv(rifamycin sv)及びカナマイシン(kanamycin)であり、夫々50μg/ml、1000μg/ml及び10000μg/mlの3濃度を準備した。
    前記の通り準備された抗生物質を夫々紙ディスク(paper disc)に40μlずつ落とした後、ディスクを乾燥させた。 ディスクを菌が混合された培地上に載せ、37℃で48時間培養しながら生育の如何を観察してその結果を表5に示した。

    表5

    表5に示された通り、本発明の菌主は全て2〜3個の抗生物質に対して耐性を示した。 特にCBG-C5菌主は1000μg/mlのカナマイシン及び10000μg/mlのテトラサイクリン等、高い濃度で処理された抗生物質に対しても耐性を示し、抗生物質に対する耐性が最も良好であった。


    従って、本発明の菌主は広範囲な種類と濃度範囲の抗生物質に対し耐性を持っていることが分かる。

    実施例2
    発明の菌主及びCLAを含有するカプセル剤及び乳製品の製造本発明の菌主及びCLAを含有するカプセル剤及び乳製品を次の通り製造した。
    共役リノール酸の微細カプセル化のためのコーティング物質を製造するため、植物性多糖類であるジェラン、キサンタン、澱粉、寒天が1〜5%(w/v)の濃度で含まれた混合物を準備した。 前記混合物に乳化剤としてHLB(hydrophilic lipophilic balance)の数値が4.7であるソルビタンモノスティアレートを添加した後、60℃で加熱して完全に溶解した後、加熱殺菌して40℃に冷却して混合水溶液を製造した。 この時、ソルビタンモノスティアレートの濃度は0.01−1%(w/v)になるように処理し、コーティング剤と菌体の混合比率は7:3(w/w)にして均質化した。
    均質化された菌体懸濁液を10℃の冷却水に噴霧器で噴霧し微細カプセルの懸濁菌体液を製造した。
    製造された微細カプセルは低温発酵製品であるキムチ製造時1%(w/v)を加えた。 製品別カプセル添加量は、牛乳、豆乳、液状ヨーグルトの場合4.2%(w/v)を添加し、糊状ヨーグルトと豆乳発酵乳には7.3%(w/v)を添加して各乳製品を製造した。 乳製品は4℃又は10℃で低温状態が維持される冷蔵庫で保管された。
    前記の通り製造された乳製品に対して微細カプセルの保存性を実験した結果、4℃及び10℃の冷蔵温度で7〜14日間保管された場合、10 1~2個/ml程度の生菌数が減少する傾向を示した。 この程度の減少率は通常的な基準で見る時、非常に微弱な数値である。
    従って、本発明のカプセル剤は長期間経過しても生菌数が安定的に維持され、貯蔵安定性が優れていることがわかる。
    産業上の利用可能性

    本発明の菌主はLAからCLAを優れた効率で生成できるだけでなく、胃酸と胆汁酸、それから抗生物質に対して優秀な耐性を持つ。
    本発明の菌主はCLAを生産した後、菌体内に蓄積できるため、CLAが間接的に生成されるようにする効果がある。
    従って、本発明の菌主を含む組成物は、水溶性多糖類からなる被覆物質内に本発明の菌主とCLAを含むカプセル剤形態等で製造され、機能性食品及び医薬品として有用に使用することができる。
    また、本発明の菌主は菌体固定化等の生物学的方法によりCLA以外にもCLAの異性体を多量に生合成するにおいて効率的に利用することができる。

    本発明の菌主が生成する脂肪酸の組成物を確認するためのHPLC分析結果を示した図である。

    リノール酸(LA)が添加された培地において本発明の菌主の成長状態、CLA生成及び培養液のpH変化を示した図である。

    リノール酸(LA)が添加されていない培地において本発明の菌主の生長状態及びCLA生成を示した図である。

    リノール酸(LA)が添加された培地において本発明の菌主を培養した時、培養液と菌体に夫々分布するCLAの量を比較して示した図である。

    リノール酸(LA)が添加されていない培地において本発明の菌主を培養した時、培養液と菌体に夫々分布するCLAの量を比較して示した図である。

    本発明の菌主をブドウ糖、果糖、乳糖及び砂糖が夫々炭素元として添加された培地において培養し、生長程度(a)とCLA生成量(b)を測定した結果を示した図である。

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