Method of manufacturing Fisheries fermented food

申请号 JP2001238004 申请日 2001-08-06 公开(公告)号 JP4243442B2 公开(公告)日 2009-03-25
申请人 日本水産株式会社; 发明人 信彦 堂本; 隆史 森;
摘要
权利要求
  • 魚介肉の可食部位を、そのままの状態又はミンチにして原料とし、 10℃以下で発酵し耐塩性抗菌性を有する乳酸菌 であるラクトバチルス・サケ(Lactobacillus sake)D−1001(微工研菌寄第11708号)を用い て乳酸発酵することで酸味を抑えた、畜肉様の食感の水産加工品を得ること特徴とする水産加工製品の製造法。
  • 10℃以下で発酵させ、その後、燻煙、乾燥を行う請求項 の水産加工製品の製造法。
  • 請求項 1または2の製造法で製造された 酸味を抑えた、畜肉様の食感の水産加工製品。
  • 说明书全文

    【0001】
    【産業の属する技術分野】
    本発明は魚介類を原料とする産加工製品の製造方法およびその水産加工製品に関し、より詳細には本発明は乳酸菌を用いた水産加工製品の製造方法およびその水産加工製品に関する。
    【0002】
    【従来の技術】
    従来、畜肉および魚肉からハムやソーセージ等を製造する場合、生物汚染を防ぐために、相当長時間、食塩、硝酸カリウム等を含有する液で塩漬を行っていた。 たとえば熟成タイプのハムの場合には、塩漬、熟成で1ヵ月から半年を要していた。 そのため、製品中の塩分もかなり高いものになっていた。
    【0003】
    魚介類に微生物が作用してできる水産発酵食品は古来から鮒すしやいずしなどがあり、地方の伝統的な特産品として現在でも親しまれている。 これらの伝統食品は桶や倉などの環境中の乳酸菌等の微生物が作用してできたものであり、積極的に選択した微生物を作用させているわけではなかった。 一方、昨今、微生物を積極的に作用させ、その効果を利用しようとする試みはいくつかなされている。 例えば、魚介類のすりみにラクトバチルス・プランタラム(Lactobacillus plan-tarum)やラクトバチルス・カゼイ(Lactobacillus casei)を用いた例(特開平3−280862号公報)、鮭すりみやホタテガイ貝柱に乳酸菌スターターを使用した例(特開平7−16079号公報、特開平8−116928号公報)がある。 これらは主に、すりみの品質を向上させること、すなわちゲル強度、弾性に富む物性を得ることを目的にしているものであり、従来の蒲鉾等のゲル化食品を製造するための手段として乳酸菌を利用しようとするものであった。
    【0004】
    【発明が解決しようとする課題】
    従来の熟成タイプの畜肉ハム、ソーセージは1ヵ月から半年の製造期間を必要としていた。 本発明は、魚肉を原料にして、乳酸発酵によって付与される特有の味・風味を有し、畜肉様の食感を持つ新規な魚肉発酵食品を提供することを目的にするものである。
    【0005】
    【課題を解決するための手段】
    本発明は、魚介類を乳酸発酵するに際し、10℃以下で発酵し耐塩性抗菌性を有する乳酸菌を用いることを特徴とする水産加工製品の製造法を要旨としている。
    【0006】
    10℃以下で発酵し、耐塩性、抗菌性を有する乳酸菌が、ロイコノストック属(Leuconostoc)、ラクトバチルス属(Lactobacillus)、ラクトコッカス属(Lactococcus)およびペディオコッカス属(Pediococcus)からなる群から選ばれる属に属する乳酸菌であり、本発明は魚介類を乳酸発酵するに際し、ロイコノストック属(Leuconostoc)、ラクトバチルス属(Lactobacillus)、ラクトコッカス属(Lactococcus)およびペディオコッカス属(Pediococcus)からなる群から選ばれる属に属する10℃以下で発酵し耐塩性抗菌性を有する乳酸菌を用いることを特徴とする水産加工製品の製造法である。
    【0007】
    ラクトバチルス属(Lactobacillus)に属する乳酸菌が、ラクトバチルス・サケ(Lactobacillus sake)であり、本発明は、魚介類を乳酸発酵するに際し、10℃以下で発酵し耐塩性抗菌性を有する乳酸菌として、ラクトバチルス・サケ(Lactobacillus sake)に属する乳酸菌を用いることを特徴とする水産加工製品の製造法である。
    【0008】
    ラクトバチルス・サケ(Lactobacillus sake)に属する乳酸菌が、ラクトバチルス・サケ(Lactobacillus sake)D−1001(微工研菌寄第11708号)であり、本発明は、魚介類を乳酸発酵するに際し、10℃以下で発酵し耐塩性抗菌性を有する乳酸菌として、ラクトバチルス・サケ(Lactobacillus sake)D−1001(微工研菌寄第11708号)を用いることを特徴とする水産加工製品の製造法である。
    【0009】
    10℃以下で発酵させ、その後、燻煙、乾燥を行うことを特徴としており、本発明は魚介類を乳酸発酵するに際し、10℃以下で発酵し耐塩性抗菌性を有する乳酸菌、より具体的にはロイコノストック属(Leuconostoc)、ラクトバチルス属(Lactobacillus)、ラクトコッカス属(Lactococcus)およびペディオコッカス属(Pediococcus)からなる群から選ばれる属に属する乳酸菌、好ましくはラクトバチルス・サケ(Lactobacillus sake)、より好ましくはD−1001(微工研菌寄第11708号)を用いること、10℃以下で発酵させ、その後、燻煙、乾燥を行うことを特徴とする水産加工製品の製造法である。
    【0010】
    また、本発明は、上記の本発明の製造法で製造された水産加工製品を要旨としている。
    【0011】
    【発明の実施の形態】
    耐塩性、抗菌性を有し、低温で生育する乳酸菌を用い、魚介類原料を、食塩および、あらかじめ培養、増殖させた乳酸菌と混合し、10℃以下の低温で乳酸発酵させ、燻煙し、温度と湿度を制御しながら乾燥させることで、乳酸発酵由来の味・風味と畜肉様の食感を有する魚肉発酵食品が得られる。
    【0012】
    本発明は、使用する原料が水産物であり、畜肉に比較して腐敗の速度が早く、低温でないと異臭、異味を発生させる可能性があることから低温での製造が必須である。 したがって、使用する乳酸菌も低温で生育する低温乳酸菌が望ましい。 この乳酸菌は低温乳酸菌であれば属を問わない。 すなわち、ロイコノストック属(Leuconostoc)、ラクトバチルス属(Lactobacillus)、ラクトコッカス属(Lactococcus)、ペディオコッカス属(Pediococcus)などが使用可能である。 その中でも比較的に酸の生産力が低く、耐塩性、抗菌性を有する低温乳酸菌であるラクトバチルス・サケ(Lactobacillus sake)が好ましい。 また、これらの各属に属する微生物を保有する食品から新しく分離して利用することも可能である。
    【0013】
    微生物汚染からの腐敗や酸化されることによる異臭の発生を防ぎ、一方で味・風味を引き立たせるためには、耐塩性、抗菌性を有し低温でも生育可能であるラクトバチルス・サケ(Lactobacillus sake)が好ましく、ラクトバチルス・サケ(Lactobacillus sake)D−1001(微工研菌寄第11708号)がより好ましい。
    【0014】
    このラクトバチルス・サケ(Lactobacillus sake)D−1001(微工研菌寄第11708号)は次の菌学的性質を有する。
    ▲1▼グラム陰性、無芽胞子形成、通性嫌気性桿菌▲2▼グルコースよりDL−乳酸を生成し、ガスの発生はしない。
    ▲3▼0℃での生育は認められず1、5、10、20、37℃で生育し、運動性は陰性である。
    ▲4▼グルコース、マルトース、マンノース、フルクトース、ガラクトース、シュクロース、セロビオース、ラクトース、エクスリン、グルコネイト、サリシン、トレハロース、メリビオース、およびリボースより酸を生成し、キシロース、ソルビトール、ソルボース、マンニトール、メレチトール、ラフィノース、ラムノースよりの酸の産生は認められない。
    【0015】
    本発明に用いる水産発酵食品の製造原料の魚介類はホキ、サケ、アジ、マグロ、カツオ、タラ、イカ、タコ、エビ、オキアミなど、魚介類であればなんでもよい。
    【0016】
    これら魚介類に、食塩、副原料および、あらかじめ培養、増殖させた乳酸菌を添加混合し、10℃以下の低温で保持する。 その後、燻煙と乾燥を行う。 その間に乳酸発酵が進むと共に、緩慢な乾燥が起こり、乳酸発酵由来の味・風味と畜肉様の食感を有する魚肉発酵食品が得られる。
    【0017】
    前述したように、本発明の水産発酵食品は、予め培養した乳酸菌を食塩と共に、魚介肉に添加して乳酸発酵させ、さらに乾燥熟成工程を行わせることによって製造される。 良好な発酵状態および高い品質を維持するためには、一般細菌数が10 3以下であることが望ましい。
    【0018】
    本発明の水産発酵食品の一般的な製造法は、以下に述べる通りである。 まず、原料魚介類は生であっても冷凍であっても構わないが、微生物汚染を極力避けて慎重に取り扱うことが好ましい。 原料魚介類の可食部位を、そのままの状態かあるいは、ミンチにして使用する。 用いる乳酸菌は、予め10 9 /g程度になるまで、培養しておく。 乳酸菌と食塩および副原料を混合し、魚介類がミンチの場合はそのまま、混合する。 魚介類がフィレーの場合は注射器などで魚肉にインジェクションまたは漬け込みを行う。 これらをケーシングした後、通気性のよい浅い容器に入れ、温度10℃以下、湿度40%〜95%で1〜2週間発酵させる。 温度を10℃以下に保つことで、雑菌の繁殖を防ぐとともに、発酵の調整と湿度の維持という技術的意義がある。
    【0019】
    上記の乳酸発酵処理の後、燻煙し、温度と湿度を制御しながら乾燥する。 この工程は一般的な方法をとればよく、特に手法は問わない。 この工程を経てできた発酵食品は乳酸発酵由来の味・風味と魚介類由来の独特のうま味、こくを有し、畜肉様の食感を呈するものとなった。 この食品は乳酸菌が生産する抗菌物質によって保存性が優れ、乾燥の度合い、水分活性に応じて常温保存、チルド保存、冷凍保存が可能である。
    【0020】
    【作用】
    本発明の水産発酵食品は微生物汚染を防ぎ、味・風味を引き立たせるために、耐塩性、抗菌性を有し低温乳酸菌であるラクトバチルス・サケ(Lactobacillus sake)D−1001(微工研菌寄第11708号)を使用すること、ならびに、主原料として魚介類を使用することが重要である。 さらに、乳酸菌による乳酸発酵と温度と湿度を制御した燻煙、乾燥をおこなわせることで、乳酸発酵が進むと共に、緩慢な乾燥が起こり、乳酸発酵由来の味・風味と畜肉様の食感を有する魚肉発酵食品が得ら、今までにない全く新しい食感の水産発酵食品が得られる。
    【0021】
    【実施例】
    本願発明の詳細を実施例で説明する。 本願発明はこれら実施例によって何ら限定されるものではない。
    【0022】
    実施例1
    フードカッターにて細切した冷凍ホキ落し身1kgにマグロ油(日本水産製)100g、食塩10g、グルコース10gを添加し十分混合した後、ラクトバチルス・サケD−1001株を、菌数が10 7個/gになるように添加し、100gずつセルロースチューブにケーシングした。 ケーシング後、5℃にて7日間発酵させ、(株)日立製作所製人工気象機で15℃にて7日間乾燥させ、水産発酵ソーセージを得た。
    【0023】
    実施例2
    フードカッターにて細切したホキ落し身1kgにマグロ油〔日本水産(株)製〕100g、食塩10g、グルコース10gを添加し十分混合した後、ラクトバチルス・プランタルムJCM1149株を、菌数が10 7個/gになるように添加し、100gずつセルロースチューブにケーシングした。 ケーシング後、15℃にて7日間発酵させ、(株)日立製作所製人工気象機で15℃にて7日間乾燥させ、水産発酵ソーセージを得た。
    【0024】
    実施例1および実施例2で得られた水産発酵ソーセージの調製段階での結果を表1に示す。 また、実施例1および実施例2で得られた水産発酵ソーセージをよく訓練された官能評価パネル15名を用い、実施例2のサンプルの評価を0点とした時の実施例1のサンプルを−4〜+4の順位法により評価した。 その結果を表2に示す。
    【0025】
    【表1】

    【0026】


    表1よりラクトバチルス・サケD−1001株を使用して調製した実施例1もラクトバチルス・プランタルムJCM1149株を使用して調製した実施例2も十分な乳酸菌の生育が認められた。 また、酸の生産力の高いラクトバチルス・プランタルムJCM1149株を使用した実施例2の方がpHの低下が早くなった。


    【0027】


    【表2】


    【0028】


    表2からわかるように実施例1で調製した水産発酵ソーセージの方が、実施例2で調製したものより酸臭、酸味が弱くなっている。 これは、表1からも明らかなように、実施例1で使用した乳酸菌ラクトバチラス・サケ−1001株が実施例2で使用したラクトバチラス・プランタルムJCM1149株よりも酸を生産する能力が弱いため酸臭、酸味が弱くなったと思われる。 さらに、実施例1は全体的に味が濃厚であり、かつこく味に富んでいた。 また、パネラーの自由意見によれば、臭いに関して、実施例2ではムレ臭が感じられたが、実施例1では感じられなかった。 さらに、食感に関して、実施例2に比較して実施例1では畜肉様の食感を感じたというコメントが得られた。


    【0029】


    実施例3


    フードカッターにて細切した冷凍サケおよびマグロ落し身1kgにマグロ油(日本水産製)100g、食塩10g、グルコース10gを添加し十分混合した後、ラクトバチルス・サケD−1001株を、菌数が10

    7個/gになるように添加し、100gずつセルロースチューブにケーシングした。 ケーシング後、5℃にて7日間発酵させ、(株)日立製作所製人工気象機で15℃にて3〜15日間乾燥させ、水産発酵ソーセージを得た。 その結果、乾燥の度合いに応じて食感の異なる水産発酵ソーセージを得ることができた。


    【0030】


    実施例4


    冷凍サケ落し身およびマグロ落し身各1kgを解凍後、植蛋30g(フジプロテイン)、乾燥卵白20g、食塩20g、発酵調味料TN(日本水産製)5g、トレハロース40g、水300gでピックル液を作製後、菌数が10

    7個/gのラクトバチルス・サケD−1001株を75g添加混合後、注射器にてサケおよびマグロにインジェクションした。 セルロースチューブにケーシング後、5℃にて7日間発酵させ、スモークハウスにて熟成(60℃、20分)、乾燥(65℃、20分)、燻煙(70℃、20分)、蒸煮(80、60分)を行い、(株)日立製作所製人工気象機で15℃にて2時間乾燥させた。 その結果、原料由来の味と風味を有し、ジューシーな食感を持つ発酵ハムを得た。 また、冷凍サケを原料として使用した発酵ハムにおいて、油の酸化を示すPOV、COVを測定したところ表3に示すように、乳酸菌によって乳酸発酵させた発酵ハムは乳酸菌無添加品と比較して酸化が抑えられていることが明らかとなった。


    【0031】


    【表3】


    【0032】


    【発明の効果】


    本発明に従って、低温で生育可能かつ、耐塩性、抗菌性を有する乳酸菌を魚介類に作用させ、乳酸発酵、燻煙および乾燥させて得られる水産発酵食品は、酸味の抑えられた畜肉様の食感を有し、良好な風味を有する水産加工製品である。

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