Method of manufacturing a composite optical element

申请号 JP2005201734 申请日 2005-07-11 公开(公告)号 JP4738076B2 公开(公告)日 2011-08-03
申请人 三洋電機株式会社; 发明人 洋平 中川;
摘要
权利要求
  • 基材の表面に樹脂層を有する複合光学素子の製造方法であって、
    基材と型体のうちの少なくとも1つに紫外線硬化性樹脂液を付与する工程と、
    基材と型体の配置を調整する工程と、
    離型を容易化するために設ける と共に前記複合光学素子の中央部に設けられた離型容易化領域 の径方向における外周にある紫外線硬化性樹脂液を硬化 させて、前記離型容易化領域へ樹脂液が供給されるのを止める工程と、
    前記外周にある紫外線硬化性樹脂液を硬化する工程の後、離型容易化領域にある紫外線硬化性樹脂液を硬化 させると共に収縮させて、型体と紫外線硬化性樹脂との間に空間を形成する工程と、
    硬化により形成した樹脂層を型体から分離する離型工程とを備えることを特徴とする複合光学素子の製造方法。
  • 樹脂層の形状を安定化しようとする形状安定化領域と離型を容易化するために設ける離型容易化領域とを光軸中心から径方向外側に向けて順次有すると共に、基材の表面に樹脂層を有する複合光学素子の製造方法であって、
    基材と型体のうちの少なくとも1つに紫外線硬化性樹脂液を付与する工程と、
    基材と型体の配置を調整する工程と、
    離型容易化領域の径方向における外周にある紫外線硬化性樹脂液を硬化させて、前記離型容易化領域へ樹脂液が供給されるのを止める工程と、
    前記外周にある紫外線硬化性樹脂液を硬化させる工程の後、離型容易化領域にある紫外線硬化性樹脂液を硬化させると共に収縮させて、型体と紫外線硬化性樹脂との間に空間を形成する工程と、
    硬化により形成した樹脂層を型体から分離する離型工程と、
    を備える複合光学素子の製造方法であって、
    前記離型容易化領域は、 前記形状安定化領域の 径方向における外側領域の少なくとも一部に設けることを特徴とす る複合光学素子の製造方法。
  • 離型容易化領域にある紫外線硬化性樹脂液を硬化する前記工程は、樹脂層の形状安定化領域にある紫外線硬化性樹脂液を硬化する工程の後に実施することを特徴とする請求項 2に記載の複合光学素子の製造方法。
  • 離型容易化領域の外周にある紫外線硬化性樹脂液を完全に硬化する前に、離型容易化領域にある紫外線硬化性樹脂液を80%以下の範囲内で硬化することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の複合光学素子の製造方法。
  • 離型容易化領域の外周にある紫外線硬化性樹脂液を硬化する工程において、紫外線を遮光または減衰または集光することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の複合光学素子の製造方法。
  • 離型容易化領域にある紫外線硬化性樹脂液は、離型容易化領域の外周にある紫外線硬化性樹脂液に比べて、厚みが20%以上大きいことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の複合光学素子の製造方法。
  • 型体から樹脂層を分離する前記離型工程の後に、
    少なくとも形状安定化領域において、樹脂層と型体のうち少なくとも1つに紫外線硬化性樹脂液を付与する工程と、
    樹脂層と型体の配置を調整する工程と、
    前記紫外線硬化性樹脂液を硬化する工程と、
    硬化により形成した樹脂層を型体から分離する離型工程とを備えることを特徴とする請求項 〜6のいずれかに記載の複合光学素子の製造方法。
  • 樹脂層の形状を安定化しようとする形状安定化領域と離型を容易化するために設ける離型容易化領域とを光軸中心から径方向外側に向けて順次有すると共に、基材の表面に樹脂層を有する複合光学素子の製造方法であって、
    基材と型体のうちの少なくとも1つに紫外線硬化性樹脂液を付与する工程と、
    基体と型体の配置を調整する工程と、
    離型容易化領域の 径方向における外周と形状安定化領域にある紫外線硬化性樹脂液を硬化する工程と、
    硬化により形成した樹脂層を型体から分離する離型工程と、
    硬化していない樹脂液を洗浄する工程と、
    少なくとも形状安定化領域において、樹脂層と型体のうち少なくとも1つに紫外線硬化性樹脂液を付与する工程と、
    樹脂層と型体の配置を調整 して、離型容易化領域にある紫外線硬化性樹脂液の厚みを形状安定化領域にある紫外線硬化性樹脂液の厚みよりも大きくする工程と、
    少なくとも形状安定化領域と離型容易化領域にある紫外線硬化性樹脂液を硬化 させて、
    離型容易化領域にある紫外線硬化性樹脂液を収縮させることにより型体と紫外線硬化性樹脂との間に空間を形成する工程と、
    硬化により形成した樹脂層を型体から分離する離型工程とを備えることを特徴とする複合光学素子の製造方法。
  • 说明书全文

    本発明は、ガラス製基材レンズの表面、ガラス製基材レンズ同士の界面およびミラーなどに樹脂を密着成形した非球面レンズ、フレネルレンズ、色消しレンズ、回折格子、回折格子レンズまたはミラーなどの複合光学素子の製造方法に関する。

    近年、ガラス基材の表面に、紫外線硬化性樹脂などの活性エネルギー硬化性樹脂を密着成形する技術が開発され、非球面レンズなどの製造方法に利用されている。 たとえば、非球面に加工された金型と、レンズ基材との間に紫外線硬化性樹脂などの液状物を充填し、液状樹脂を硬化し、第1層を成形した後、離型し、その後、第1層成形工程と同じ工程を再度行ない、第2層を形成する非球面レンズの製造方法が知られている(特許文献1参照)。 この方法によれば、第1層の成形時には、通常、7%〜8%の体積収縮(ヒケ)が発生するが、第1層成形工程と同じ第2層成形工程を再度行なうことにより、見かけの体積収縮率が0.5%〜0.6%と小さくなり、精度および信頼性の高い非球面レンズを製造することができるとある。

    また、金型とレンズ基材との間に紫外線硬化性樹脂液を充填し、レンズ基材の表面に樹脂層を硬化形成した後、離型し、レンズ基材と樹脂層からなる複合光学素子を製造する方法であって、金型またはレンズ基材の樹脂層形成面外周に環状の凸条または凹溝を形成する方法が知られている(特許文献2参照)。 金型によりレンズ基材上の樹脂液を押し広げると、外周に環状に形成した凸条または凹溝に沿って樹脂液が拡がり、それより外周には拡がらないため、位置ずれがなく、真円度の高い樹脂層を形成することができるとある。

    しかしながら、レンズ基材の表面に金型を用いて樹脂層を形成しようとすると、金型と樹脂層が密着するため、金型の寿命が短くなり、離型の際にレンズ基材を傷つけやすいという問題がある。 このため、金型にフッ素系離型剤を塗布する方法、または、金型に離型用の突起物を設ける方法が紹介されている(特許文献3参照)。 しかし、離型剤は、金型に塗布すると形状精度が悪化するため、離型層を非常に薄く形成する必要があり、数回転写するごとに再度、離型剤を塗布しなければならず、量産に適さない。 また、近年、携帯電話、デジタルカメラなどの小型化により、光学系自体も小型化が進み、複合レンズの場合も外径に対する有効径が大きくなっているため、金型の光学有効径の外側に突起物を設けるスペースを確保するのは容易ではない。

    特開平1−171932号公報

    特開平3−013902号公報

    特開平5−070153号公報

    本発明の課題は、金型と樹脂層の密着により生じる金型およびレンズ基材のダメージが小さく、樹脂層の厚みのコントロールが容易で、生産性の高い複合光学素子の製造方法を提供することにある。

    本発明は、基材の表面に樹脂層を有する複合光学素子の製造方法であって、基材と型体のうちの少なくとも1つに紫外線硬化性樹脂液を付与する工程と、基材と型体の配置を調整する工程と、離型を容易化するために設けると共に前記複合光学素子の中央部に設けられた離型容易化領域の径方向における外周にある紫外線硬化性樹脂液を硬化させて、前記離型容易化領域へ樹脂液が供給されるのを止める工程と、 前記外周にある紫外線硬化性樹脂液を硬化する工程の後、離型容易化領域にある紫外線硬化性樹脂液を硬化させると共に収縮させて、型体と紫外線硬化性樹脂との間に空間を形成する工程と、硬化により形成した樹脂層を型体から分離する離型工程とを備えることを特徴とする。

    本発明は、 樹脂層の形状を安定化しようとする形状安定化領域と離型を容易化するために設ける離型容易化領域とを光軸中心から径方向外側に向けて順次有すると共に、基材の表面に樹脂層を有する複合光学素子の製造方法であって、他の局面によれば、基材と型体のうちの少なくとも1つに紫外線硬化性樹脂液を付与する工程と、基体と型体の配置を調整する工程と、離型容易化領域の径方向における外周と形状安定化領域にある紫外線硬化性樹脂液を硬化する工程と、硬化により形成した樹脂層を型体から分離する離型工程と、 硬化していない樹脂液を洗浄する工程と、少なくとも形状安定化領域において、樹脂層と型体のうち少なくとも1つに紫外線硬化性樹脂液を付与する工程と、樹脂層と型体の配置を調整して、離型容易化領域にある紫外線硬化性樹脂液の厚みを形状安定化領域にある紫外線硬化性樹脂液の厚みよりも大きくする工程と、少なくとも形状安定化領域と離型容易化領域にある紫外線硬化性樹脂液を硬化させて、離型容易化領域にある紫外線硬化性樹脂液を収縮させることにより型体と紫外線硬化性樹脂との間に空間を形成する工程と、硬化により形成した樹脂層を型体から分離する離型工程とを備えることを特徴とする。

    樹脂層の形状の制御が容易で、生産性の高い複合光学素子の製造方法を提供することができる。

    図1は、本発明に係る複合光学素子の製造方法を示す工程図である。 この製造方法は、まず、図1(a)に示すように、レンズ基材などの基材2と型体1の少なくとも1つに紫外線硬化性樹脂液7を付与し、気泡などが含まれないようにしながら、基材2と型体1の配置を調整する。 型体1には、ニッケルなどからなる金型または透明な石英型などを使用することができる。 基材と型体の配置の調整は、基材と型体との間に精密な位置決め機構がある場合には、図1(a)に示すように、基材2と型体1とを当接することなく、たとえば、10μm程度離間させて配置する態様とすることができる。 また、型体は、樹脂液と接触する面に非球面加工などの加工が施されており(図示していない。)、型体と基材とを当接させて、型体表面の凹状の加工部分などに樹脂液を配置する態様とすることができる。 つぎに、図1(b)に示すように、遮光板6を介して紫外線8を照射して、離型を容易化するために設ける離型容易化領域7aの外周7bにある紫外線硬化性樹脂液を硬化する。 つづいて、図1(c)に示すように、遮光板6を除去し、再度、紫外線8を照射することにより、離型容易化領域7aにある紫外線硬化性樹脂液を硬化し、最後に、図1(d)に示すように、型体1から樹脂層7'を分離すると、基材2の表面に樹脂層7'を有する複合光学素子10が得られる。

    基材2上の樹脂液7のうち、離型容易化領域7aが硬化収縮する際に、周辺からの樹脂液の供給を止めるために、離型容易化領域7aの外周7bから先に硬化させる。 基材2上の樹脂液7に離型容易化領域7aを設け、離型容易化領域7aの外周7bを先に硬化させ、その後、離型容易化領域7aを硬化することにより、離型容易化領域7aでは樹脂層が収縮し、離型性を良くすることができる。 また、離型容易化領域7aの外周7bでは、十分に樹脂液の供給がある状態で硬化するため、外周7bにおける樹脂層の厚みを容易に制御することができる。

    離型容易化領域の位置は、製造しようとする複合光学素子に合わせて任意に設定することができ、図1(d)に示すように、離型容易化領域7aを光学素子の中央部に設定することができる。 また、図3(d)に示すように、離型容易化領域37aを、樹脂層の形状を安定化しようとする形状安定化領域37cの外部に設けることができる。 離型容易化領域は、必ずしも形状安定化領域の外周に設ける必要はなく、形状安定化領域の外側の領域の少なくとも一部に設けることにより離型の容易化を図ることができる。 一方、離型容易化領域を、形状精度が必要な所望の領域である形状安定化領域内に形成する必要があるときは、離型容易化領域を光学的に問題のない程度に十分に小面積とする態様が好ましい。

    図3は、本発明に係る複合光学素子の製造方法の他の形態を示す工程図である。 この製造方法は、まず、図3(a)に示すように、基材32と型体31のうち少なくとも1つに紫外線硬化性樹脂液37を付与し、基材と型体の配置を調整する。 つぎに、図3(b)に示すように、遮光板36を介して紫外線38を照射して、離型容易化領域37aの外周37bと形状安定化領域37cにある紫外線硬化性樹脂液を硬化する。 つづいて、図3(c)に示すように、遮光板36を除去し、再度、紫外線38を照射することにより、離型容易化領域37aにある紫外線硬化性樹脂液を硬化し、最後に、図3(d)に示すように、型体31から樹脂層37'を分離すると、基材32の表面に樹脂層37'を有する複合光学素子30が得られる。

    このように離型容易化領域37aにある紫外線硬化性樹脂液を硬化する工程(図3(c))は、樹脂層の形状安定化領域37cにある紫外線硬化性樹脂液を硬化する工程(図3(b))の後に実施する態様が好ましい。 形状精度が必要な形状安定化領域37cを先に硬化することにより、離型容易化領域37aの樹脂液が、形状安定化領域37cが硬化収縮する際に供給されるため、形状安定化領域37cの形状精度を高めることができる。 さらに、離型容易化領域37aの外周37bと、形状安定化領域37cが同時に硬化される態様が望ましい。 同時に硬化することにより硬化時間の短縮を図ることができる。

    図6は、本発明に係る複合光学素子の製造方法の他の形態を示す工程図である。 この製造方法は、まず、図6(a)に示すように、基材62と型体61のうち少なくとも1つに紫外線硬化性樹脂液67を付与し、基材と型体の配置を調整する。 その後、紫外線68を照射して、紫外線硬化性樹脂液67を80%以下の範囲で硬化する。 つぎに、図6(b)に示すように、遮光板66を介して紫外線68を照射して、離型容易化領域67aの外周67bと形状安定化領域67cにある紫外線硬化性樹脂液を完全に硬化する。 つづいて、図6(c)に示すように、遮光板66を除去し、再度、紫外線68を照射することにより、離型容易化領域67aにある紫外線硬化性樹脂液を硬化し、最後に、図6(d)に示すように、型体61から樹脂層67'を分離すると、基材62の表面に樹脂層67'を有する複合光学素子60が得られる。

    このように離型容易化領域67aの外周67bにある紫外線硬化性樹脂液を完全に硬化する前に、離型容易化領域67aにある紫外線硬化性樹脂液を80%以下の範囲内で硬化することにより、全体の硬化時間の短縮を図ることができる。 外周67bにある紫外線硬化性樹脂液を完全に硬化する前における、離型容易化領域67aにある紫外線硬化性樹脂液の硬化の程度(重合度)と、型体の離型性との関係を表1に示す。 表1に示すとおり、離型容易化領域における樹脂液の硬化の程度(重合度)が80%以内であるときは、離型性が良好であり、硬化の程度は60%以下がより好ましい。 離型容易化領域67aにおける樹脂液の硬化の程度が80%以下であれば、外層67bが完全に硬化する際に、離型容易化領域67aから樹脂が供給されるため、型体の離型性を高めることができる。

    離型容易化領域の外周にある紫外線硬化性樹脂液を硬化する工程においては、紫外線を遮光し、または減衰し、または集光する態様が好ましい。 たとえば、図3(b)に示すように、遮光板36を利用して、任意の位置に離型容易化領域37aを設定することができる。 また、紫外線を減衰させるフィルタを利用すると、離型容易化領域の外周を先に硬化するときに同時に、離型容易化領域をある程度硬化できるため、紫外線照射の合計時間を短縮し、生産性が向上させることができる点で好ましい。 また、レンズなどの光学系を利用すると、離型容易化領域の外周に紫外線を集光して硬化させることができ、紫外線を照射している時間を短縮し、生産性を向上することができるため好ましい。

    図7は、本発明に係る複合光学素子の製造方法の他の形態を示す工程図である。 この製造方法は、まず、図7(a)に示すように、基材72上に紫外線硬化性樹脂液77を付与し、基材と型体の配置を調整する。 型体71は、図7(a)に示すように、紫外線硬化性樹脂液77と接触する面に溝71aを有するため、溝71aに紫外線硬化性樹脂が充填される。 つぎに、図7(b)に示すように、遮光板を介することなく紫外線78を照射すると、離型容易化領域77aにある紫外線硬化性樹脂液は、他の領域に比べて厚いため、硬化度が低くなる。 つづいて、型体71から樹脂層77'を分離すると、図7(c)に示すような基材72の表面に樹脂層77'を有する複合光学素子70が得られる。

    このように離型容易化領域77aにある紫外線硬化性樹脂液は、離型容易化領域77aの外周77bにある紫外線硬化性樹脂液に比べて厚みが大きいと、遮光板などを設けなくても、離型容易化領域77aの硬化が遅くすることができ、離型性を向上できる点で好ましい。 離型容易化領域の外周77bの厚さが100μmであるとき、離型容易化領域77aの厚さと離型性との関係を表2に示す。 表2から明らかなとおり、離型容易化領域77aの厚さを外周77bの厚さより20%以上厚くすると、離型性が向上する点で好ましく、30%以上厚くすると、より好ましい。

    図8は、本発明に係る複合光学素子の製造方法の他の形態を示す工程図である。 この製造方法は、まず、図8(a)に示すように、基材82と型体81のうち少なくとも1つに紫外線硬化性樹脂液87を付与し、基材と型体の配置を調整する。 つぎに、図8(b)に示すように、遮光板86を介して紫外線88を照射して、離型容易化領域87aの外周87bと形状安定化領域87cにある紫外線硬化性樹脂液を硬化する。 つづいて、図8(c)に示すように、遮光板86を除去し、再度、紫外線88を照射することにより、離型容易化領域87aにある紫外線硬化性樹脂液を硬化し、その後、図8(d)に示すように、離型する。 つぎに、少なくとも形状安定化領域において、樹脂層と型体のうち少なくとも1つに紫外線硬化性樹脂液を付与する。 図8(e)では、樹脂層87a,87b,87c上に紫外線硬化性樹脂液87dを付与する態様を例示する。 その後、樹脂層と型体の配置を調整する。 つぎに、図8(f)に示すように、紫外線88を照射して、紫外線硬化性樹脂液を硬化する。 最後に、図8(g)に示すように、型体81から樹脂層87'を分離すると、基材82の表面に樹脂層87'を有する複合光学素子80が得られる。

    このように、型体81から樹脂層を分離する離型工程の後、少なくとも形状安定化領域87cにおいて、樹脂層と型体のうち少なくとも1つに紫外線硬化性樹脂液87dを付与し、樹脂層と型体の配置を調整し、その後、紫外線硬化性樹脂液87dを硬化し、型体81から樹脂層87'を分離する工程を備えると、形状安定化領域の形状精度をさらに高めることができ、また、型体の寿命が長くなり、複合光学素子の生産性が向上する点で好ましい。

    図9は、本発明に係る複合光学素子の製造方法の他の形態を示す工程図である。 この製造方法は、まず、図9(a)に示すように、基材92と型体91のうち少なくとも1つに紫外線硬化性樹脂液97を付与し、基材と型体の配置を調整する。 つぎに、図9(b)に示すように、遮光板96を介して紫外線98を照射して、離型容易化領域97aの外周97bと形状安定化領域97cにある紫外線硬化性樹脂液を硬化する。 つづいて、図9(c)に示すように、離型する。 つぎに、図9(d)に示すように、少なくとも形状安定化領域97cにおいて、樹脂層と型体のうち少なくとも1つに紫外線硬化性樹脂液97dを付与し、樹脂層と型体の配置を調整する。 つぎに、図9(e)に示すように、紫外線98を照射して、少なくとも形状安定化領域97aと離型容易化領域97cにある紫外線硬化性樹脂液を硬化する。 最後に、図9(f)に示すように、型体91から樹脂層97'を分離すると、基材92の表面に樹脂層97'を有する複合光学素子90が得られる。 この製造方法によれば、型体と樹脂層の密着により生じる型体と基材へのダメージが小さいため、生産性が高く、また、形状精度の高い複合光学素子を提供することができる。

    本発明の複合光学素子モジュールは、かかる方法により製造した複合光学素子を、集光および/または反射のための媒体として用いることを特徴とする。 このため、ビデオディスクまたはコンパクトディスクなどの光ディスクの記録または再生を行なう高精度の光学素子モジュールを提供することができる。

    実施例1
    本実施例では、図1に示すように、材質BK−7で、直径4mmの研磨した円形平板状の市販のガラス基材2上に、泡が混入しないように紫外線硬化性樹脂液7を付与した(図1(a))。 本明細書において使用した樹脂液は、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン(MPTES)5.5mLと、エタノール20.5mLと、塩酸(2N)1.65mLと、フェニルトリメトキシシラン3.75mLとを混合し、24℃で72時間放置した後、紫外線硬化性を促進するために、光重合開始剤である1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトンを1質量%混合し、100℃で1時間加熱して、エタノールを蒸発させて製造した。

    その後、非球面加工したニッケル製金型である型体1を、基材2との距離が100μmになるように近づけて、基材と型体の配置を調整した(図1(a))。 つぎに、直径3.5mmの円形遮光板6を、ニッケル製の型体1、遮光板6、紫外線ランプが一直線上にくるように配置してから、ガラス基材2側から中心波長約365nm、照度500mW/cm 2の紫外線8を30秒間照射し、離型容易化領域7aの外周7bを硬化した(図1(b))。 その後、遮光板6を取り除き、ガラス基材2側から中心波長約365nm、照度500mW/cm 2の紫外線8を30秒間照射して離型容易化領域7aを硬化した(図1(c))。 最後に、型体1から剥離すると、ガラス基材2の表面に樹脂層7'を有し、直径4mm、有効径3.4mmの複合光学素子10が得られた(図1(d))。

    図1(d)において、型体1に密着した複合レンズを離型するときにかかるを、引っ張り試験により測定し、離型性の検討を行なった。 引っ張り速度は1mm/secとした(以下の実施例においても同様である)。 その結果、実施例1では離型にかかる力が0kgであった。 つぎに、離型容易化領域7aにおける複合光学素子10の膜厚の測定すると、設計膜厚100μmに対し、100μmであった。 つぎに、本実施例で製造した複合光学素子の非球面形状の精度の測定を行なった。 測定は、非接触式三次元形状測定機を用いて行なった(以下の実施例においても同様である)。 測定の結果、設計非球面式に対し、形状精度が5μmであった。

    比較例1
    図2は、比較例1に係る複合光学素子の製造方法を示す工程図である。 図2に示すように、比較例1では、遮光板を介することなく紫外線を照射した以外は、実施例1と同様にして複合光学素子20を製造した。 まず、市販のBK−7を研磨した直径4mmの円形平板状の基材22上に紫外線硬化性樹脂液27を付与した後、非球面加工したニッケル製の型体21を、ガラス基材22との距離が100μmになるように配置を調整した(図2(a))。 その後、遮光板を介することなく、基材22の側から中心波長約365nm、照度500mW/cm 2の紫外線28を30秒間照射して樹脂液27を硬化した(図2(b))。 最後に、型体21から剥離すると、ガラス基材22の表面に樹脂層27'を有する複合光学素子20が得られた(図2(c))。

    実施例1と同様に、離型時にかかる力を測定すると1.6kgであったことから、離型容易化領域を設け、その外側を先に硬化し、その後、離型容易化領域を硬化することで離型性を向上できることがわかった。 また、膜厚の測定を行なうと、設計膜厚100μmに対し、実施例1では100μmであり、比較例1では94μmであった。 実施例1では、樹脂層の収縮に合わせて膜厚が変化するのを、離型容易化領域の外周領域が支えることで、樹脂層が設計通りに形成されたと考えられ、膜厚精度も向上することがわかった。 つぎに、形状精度の測定を行なったところ、設計非球面式に対し、実施例1では形状精度が5μmであったのに対し、比較例1では形状精度が2μmであった。 実施例1では、離型容易化領域の樹脂が収縮する際に樹脂液の供給が無いため、供給がある比較例1より、多く収縮し、形状精度が悪くなることがわかった。

    実施例2
    本実施例では、図3に示すように、市販のBK−7を研磨した直径4mmの円形平板状の基材32上に泡が混入しないように紫外線硬化性樹脂液37を付与した。 その後、非球面加工したニッケル製の型体31を、ガラス基材32との距離が100μmになるように近づけた(図3(a))。 その後、基材32側に、外径3.8mm、内径3.4mmの円形遮光板36を配置し、ガラス基材32側から、中心波長約365nm、照度500mW/cm 2の紫外線38を30秒間照射して離型容易化領域37a以外を硬化した(図3(b))。 つぎに、遮光板36を取り除き、ガラス基材32側から中心波長約365nm、照度500mW/cm 2の紫外線38を30秒間照射して離型容易化領域37aを硬化した(図3(c))。 最後に、型体32から剥離して、基材32の表面に樹脂層37'を有し、直径4mm、有効径3.4mmの複合光学素子30を得た(図3(d))。 この複合光学素子30において、離型容易化領域37aは、形状安定化領域37cの外周にあった。

    得られた複合光学素子30について、同様に離型性の検討を行なった結果、離型時にかかる力は0.2kgであり、比較例1の1.6kgに比べると、離型容易化領域37aを最後に硬化しても離型性を向上できることがわかった。 また、同様に、形状安定化領域37cの膜厚を測定した結果、設計膜厚100μmに対し、膜厚100μmであり、離型容易化領域37aを最後に硬化しても膜厚の制御が可能であることがわかった。 つぎに、形状安定化領域37cについて形状精度の測定を行なった結果、0.5μmであり、離型容易化領域37aを最後に硬化すると形状精度がさらに向上することがわかった。

    実施例3
    図4は、本実施例に係る複合光学素子の製造方法の他の態様を示す工程図である。 本実施例では、図4に示すように、市販のBK−7を研磨した直径4mmの円形平板状の基材42上に泡が混入しないように紫外線硬化性樹脂液47を付与した後、基材42との距離が100μmになるように型体41の配置を調整した(図4(a))。 型体41は、図4(a)に示すように、外周部にガラスレンズの支えを有する非球面加工したニッケル金型とした。 その後、基材42の側に、外径3.8mm、内径3.4mmの遮光板46を配置し、基材42側から中心波長約365nm、照度500mW/cm 2の紫外線48を30秒間照射して離型容易化領域47a以外を硬化した(図4(b))。 つぎに、遮光板46を取り除き、ガラス基板42側から中心波長約365nm、照度500mW/cm 2の紫外線48を30秒間照射して離型容易化領域47aを硬化した(図4(c))。 最後に、型体41から剥離して、基材42の表面に樹脂層47'を有し、直径4mm、有効径3.4mmの複合光学素子40を得た(図4(d))。

    得られた複合光学素子40について、離型性の検討を行なった結果、離型時にかかる力は0.2kgであった。 また、形状安定化領域は、膜厚が、設計膜厚100μmに対し、100μmであった。 さらに、非球面形状精度は0.5μmであった。

    比較例2
    図5は、比較例2に係る複合光学素子の製造方法を示す工程図である。 比較例2では、図5に示すように、市販のBK−7を研磨した直径4mmの円形平板状の基材52上に、泡が混入しないように紫外線硬化性樹脂液57を付与した後、実施例3と同様に、基材52と型体51の配置を調整した(図5(a))。 その後、ガラス基材52の側に、外径4.5mm、内径3.4mmの円形遮光板56を配置し、ガラス基材52側から中心波長約365nm、照度500mW/cm 2の紫外線58を30秒間照射して形状安定化領域57cを硬化した(図5(b))。 つぎに、遮光板56を取り除き、ガラス基材52側から中心波長約365nm、照度500mW/cm 2の紫外線58を30秒間照射して離型容易化領域57aとその外周57bを硬化した(図5(c))。 最後に、型体51から剥離して、基材52の表面に樹脂層57'を有し、直径4mm、有効径3.4mmの複合光学素子50を得た(図5(d))。

    得られた複合光学素子50について、離型性の検討を行なった結果、実施例3では離型にかかる力が0.2kgであったのに対し、比較例2では1.6kgであった。 このことから、型体の外周部にガラス基材の支えを有する場合でも、離型容易化領域57aを外周57bより後で硬化することにより、離型性が向上することがわかった。 また、形状安定化領域について膜厚の測定を行なった結果、設計膜厚100μmに対し、実施例3および比較例2では膜厚100μmであった。 このことから金型の外周部にガラス基材の支えを有する金型を用いた場合でも膜厚制御が可能であることがわかった。 さらに、形状安定化領域について複合光学素子の非球面形状精度の測定を行なった結果、実施例4および比較例2では形状精度が0.5μmであった。 このことから金型の外周部にガラス基材の支えを有する金型を用いた場合でも形状精度を向上できることがわかった。

    実施例4
    図6に示すように、市販のBK−7を研磨した直径4mmの円形平板状の基材62上に泡が混入しないように紫外線硬化性樹脂液67を付与した後、非球面加工したニッケル製の型体61を、ガラス基材62との距離が100μmになるように配置を調整した(図6(a))。 つぎに、遮光板を介することなく、ガラス基材62の側から中心波長約365nm、照度500mW/cm 2の紫外線68を18秒間照射して、樹脂液の全体を重合度で60%程度硬化させた(図6(a))。 つぎに、ガラス基材62の側に、外径3.8mm、内径3.4mmの遮光板66を配置し、ガラス基材62側から中心波長約365nm、照度500mW/cm 2の紫外線68を12秒間照射して離型容易化領域67a以外を硬化した(図6(b)。その後、遮光板66を取り除き、ガラス基材62側から中心波長約365nm、照度500mW/cm 2の紫外線68を12秒間照射して離型容易化領域67aを硬化した(図6(c))。最後に、型体61から剥離して、基材62の表面に樹脂層67'を有し、直径4mm、有効径3.4mmの複合光学素子60を得た(図5(d))。

    得られた複合光学素子60について離型性の検討を行なった結果、0.3kgであり、離型容易化領域67aを60%程度硬化した後に、離型容易化領域67aの外周67bを硬化し、最後に離型容易化領域67aを硬化させても離型性が高いことがわかった。 また、形状安定化領域について膜厚の測定を行なった結果、設計膜厚100μmに対し、100μmであり、離型容易化領域を60%程度硬化した後に、離型容易化領域の外周67bを硬化し、最後に離型容易化領域67aを硬化させても膜厚の制御は可能であることがわかった。 つぎに、形状安定化領域について複合光学素子の非球面形状精度の測定を行なった結果、0.5μmであり、離型容易化領域67aを60%程度硬化した後に、離型容易化領域67aの外周67bを硬化し、最後に離型容易化領域67aを硬化しても形状精度を向上できることがわかった。 さらに、実施例2における紫外線照射の合計時間が60秒であったのに対し、本実施例では紫外線照射の合計時間を42秒に短縮可能であることがわかった。

    実施例5
    本実施例では、図3に示すように、市販のBK−7を研磨した直径4mmの円形平板状の基材32上に泡が混入しないように紫外線硬化性樹脂液37を付与した後、非球面加工したニッケル製の型体31をガラス基材32との距離が100μmになるように配置を調整した(図3(a))。 その後、基材32の側に、外径3.8mm、内径3.4mmであり、波長365nmの光透過率が20%のガラス製紫外線減衰板36を配置し、ガラス基材32側から中心波長約365nm、照度500mW/cm 2の紫外線38を30秒間照射し、離型容易化領域37a以外を硬化した(図3(b))。 つぎに、ガラス製紫外線減衰板36を取り除き、基材32側から中心波長約365nm、照度500mW/cm 2の紫外線を24秒間照射し、離型容易化領域37aを硬化した(図3(c))。 最後に、型体31から剥離して、基材32の表面に樹脂層37'を有し、直径4mm、有効径3.4mmの複合光学素子30を得た(図3(d))。

    得られた複合光学素子について離型性を検討した結果、離型時にかかる力は0.3kgであった。 遮光板を使用した実施例2において離型時に0.2kgの引っ張り力が必要であったことを考慮すると、遮光板の代わりにガラス紫外線減衰板を用いても離型性を向上できることがわかった。 つぎに、形状安定化領域について膜厚の測定を行なった結果、設計膜厚100μmに対し、実施例2では膜厚100μmであり、本実施例では膜厚100μmであった。 このことから実施例2の遮光板の代わりに、ガラス紫外線減衰板を用いても膜厚の制御が可能であることがわかった。 さらに、形状安定化領域について非球面形状精度の測定を行なった結果、実施例2では0.5μmであり、本実施例では0.5μmであったことから、実施例2の遮光板の代わりにガラス紫外線減衰板を用いても形状精度が向上することがわかった。 また、実施例2では紫外線照射の合計時間が60秒であったが、本実施例では54秒に短縮することができた。

    実施例6
    図7に示すように、市販のBK−7を研磨した直径4mmの円形平板状の基材72上に泡が混入しないように紫外線硬化性樹脂液77を付与した。 その後、形状安定化領域77cの外周77aに、円状に深さ30μm、幅200μmの溝を設け、非球面加工したニッケル製型体71を、ガラス基材72との距離が100μmになるように配置を調整したところ、型体71の溝内に樹脂液が充填し、離型容易化領域77aにおける樹脂液の厚みは130μmとなった。 他の領域における樹脂液の厚みが100μmであったことから、離型容易化領域77aの厚みは他の領域の厚みに比べて30%大きくなった(図7(a))。 つぎに、遮光板などを介することなく、ガラス基材72側から中心波長約365nm、照度500mW/cm 2の紫外線78を30秒間照射した(図7(b))。 離型容易化領域77aは、厚みが大きいため、完全には硬化しなかったが、他の領域は完全に硬化した。 最後に、型体71から剥離して、基材72の表面に樹脂層77'を有し、直径4mm、有効径3.4mmの複合光学素子70を得た(図7(c))。

    得られた複合光学素子について離型性を検討した結果、離型時にかかる力は0.4kgであり、離型容易化領域77aの膜厚を増加させても離型性を向上できることがわかった。 つぎに、複合光学素子の膜厚の測定を行なった結果、形状安定化領域77cは、設計膜厚100μmに対し、実際の膜厚は100μmであり、離型容易化領域77aの膜厚を増加させても、形状安定化領域77cにおける膜厚の制御は可能であることがわかった。 また、形状安定化領域について、非球面形状精度の測定を行なった結果、形状精度が0.6μmであり、離型容易化領域77aの膜厚を増加させても形状精度が向上することがわかった。

    実施例7
    図8に示すように、市販のBK−7を研磨した直径4mmの円形平板状の基材82上に泡が混入しないように紫外線硬化性樹脂液87を付与した。 その後、非球面加工したニッケル製の型体81とガラス基材82との距離が100μmになるように配置を調整した(図8(a))。 その後、ガラス基材82側に、外径3.8mm、内径3.4mmの遮光板86を配置し、基材82側から中心波長約365nm、照度500mW/cm 2の紫外線88を30秒間照射して離型容易化領域87a以外を硬化した(図8(b))。 つぎに、遮光板86を取り外し、ガラス基材82側から中心波長約365nm、照度500mW/cm 2の紫外線88を30秒間照射して離型容易化領域87aを硬化した(図8(c))。 その後、離型し(図8(d))、形状安定化領域87cを含む樹脂層上に、樹脂液87dを付与し、非球面加工した型体81と樹脂層の配置を調整した(図8(e))。 つづいて、ガラス基材82側から中心波長約365nm、照度500mW/cm 2の紫外線88を30秒間照射して硬化した(図8(f))。 最後に、型体81から剥離して、基材82の表面に樹脂層87'を有し、直径4mm、有効径3.4mmの複合光学素子80を得た(図8(g))。

    得られた複合光学素子について離型性を検討した結果、離型時にかかる力が、1度目の成型では0.2kgであり、2度目の成型では1.6kgであったことから、2回成型する場合には、1度目の離型性が向上することがわかった。 つぎに、形状安定化領域について膜厚の測定を行なった結果、設計膜厚100μmに対し、101μmであり、一度目に離型容易化領域87aの外周87bを硬化し、2度目に離型容易化領域を含む部分を硬化しても膜厚の制御は可能であることがわかった。 また、形状安定化領域について形状精度の測定を行なった結果、形状精度は0.3μmであり、一度目に離型容易化領域の外側87bを硬化し、2度目に離型容易化領域87aを含む部分を硬化すると形状精度がさらに向上することがわかった。

    実施例8
    図9に示すように、市販のBK−7を研磨した直径4mmの円形平板状の基材92上に泡が混入しないように紫外線硬化性樹脂液97を付与した後、非球面加工したニッケル製の型体91とガラス基材92との距離が100μmになるように配置を調整した(図9(a))。 その後、ガラス基材92側に、外径3.8mm、内径3.4mmの遮光板96を配置し、ガラス基材92側から中心波長約365nm、照度500mW/cm 2の紫外線98を30秒間照射して離型容易化領域97a以外を硬化した(図9(b))。 つぎに、型体91から分離し、樹脂液を洗浄してから(図9(c))、形状安定化領域97cを含む樹脂層上に、紫外線硬化性樹脂液97dを付与した後、非球面加工した型体91と樹脂層の配置を調整した(図9(d))。 つづいて、遮光板を介することなく、ガラス基材92側から中心波長約365nm、照度500mW/cm 2の紫外線98を30秒間照射して硬化した(図9(e))。 最後に、型体91から剥離して、基材92の表面に樹脂層97'を有し、直径4mm、有効径3.4mmの複合光学素子90を得た(図9(f))。

    得られた複合光学素子について離型性を検討した結果、離型時にかかる力が0.2kgであり、一度目に離型容易化領域97aの外周97bを硬化し、2度目に離型容易化嶺域97aを含む部分を硬化しても離型性が向上することがわかった。 つぎに、形状安定化領域について膜厚の測定を行なった結果、設計膜厚100μmに対し、101μmであり、一度目に離型容易化領域97aの外周97bを硬化し、2度目に離型容易化領域97aを含む部分を硬化しても膜厚の制御は可能であることがわかった。 また、形状安定化領域について非球面形状精度の測定を行なった結果、0.3μmであり、一度目に離型容易化領域97aの外周97bを硬化し、2度目に離型容易化領域97aを含む領域を硬化すると、形状精度がさらに向上することがわかった。

    以上の実施例では、ガラス基材の側から紫外線を照射し、ガラス基材を透過した紫外線により紫外線硬化性樹脂を硬化したが、金型の代わりに、たとえば、石英などの紫外線が透過する材料からなる型体を使用すれば、透明な型体側から紫外線を照射し、型体を通過した紫外線により硬化することができる。 また、実施例では、基材上に紫外線硬化性樹脂液を付与した後に、基材上に型体を配置したが、かかる態様のほか、型体上に紫外線硬化性樹脂液を付与した後、基材上に型体を配置する態様も有効である。 さらに、基材と型体の双方に紫外線硬化性樹脂液を付与した後、基材と型体を配置しても同様に有効である。

    今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。 本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。

    本発明の高精度な複合光学素子を、非球面レンズ、フレネルレンズ、色消しレンズ、回折格子または回折格子レンズなどとして利用して、たとえば、光ピックアップまたは携帯電話用カメラなどの複合光学素子モジュールを製造することができる。 したがって、高精度の複合光学素子モジュールを提供することができる。

    本発明(実施例1)に係る複合光学素子の製造方法を示す工程図である。

    比較例1に係る複合光学素子の製造方法を示す工程図である。

    本発明(実施例2と実施例5)に係る複合光学素子の製造方法を示す工程図である。

    本発明(実施例3)に係る複合光学素子の製造方法を示す工程図である。

    比較例2に係る複合光学素子の製造方法を示す工程図である。

    本発明(実施例4)に係る複合光学素子の製造方法を示す工程図である。

    本発明(実施例6)に係る複合光学素子の製造方法を示す工程図である。

    本発明(実施例7)に係る複合光学素子の製造方法を示す工程図である。

    本発明(実施例8)に係る複合光学素子の製造方法を示す工程図である。

    符号の説明

    1 型体、2 基材、6 遮光板、7 紫外線硬化性樹脂液、7a 離型容易化領域、7b 外周、37c 形状安定化領域、7' 樹脂層、8 紫外線、10 複合光学素子。

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