【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】 本発明は、ハンドルと一体をなすようにハンドルに固定されたブレードを有するナイフ型の切断具の技術分野に関するものである。 【0002】 【従来の技術】 より詳しくいえば、本発明は異なる種類の生産物を切断するのにプロが使用するナイフに関するものである。 特別な例は、たとえば肉などを解体処理したりあるいは切り分けるといった農産物産業に使用されるナイフである。 また、肉などを切り分けるために家庭で使用されるナイフも本発明の範囲内に含まれることは明らかなことである。 【0003】 一般に広く知られているように、ナイフは適切な人間工学的(労力が少なくてすむ)形状を有するハンドルに取り付けられた切断ブレードを有している。 このブレードは通常、処理されたステンレス鋼から作られるとともに、ハンドルは木、プラスチックなどのような種々の異なる材料から作ることができる。 【0004】 意図した目的に応じて、ブレードは一方では異なる形状を有し、他方ではブレード自体が切断を行うための異なる特徴を有している。 【0005】 これらブレードがどのような形状で作られたとしても、ある作業状態を考えたとき、これらナイフは使用者にとって必ずしも安全なものではない。 しばしば使用者は、切断するのに下方向に力を生じさせるばかりでなく、使用者が作業している生産物内にブレードを突き刺すためにハンドルに沿って押し込み力を生じさせる必要がある。 それゆえ、この押し込み力を与えるとき、使用者の手がハンドルの方に滑るとともにブレードの刃の上に手が移動してしまうという重大な危険がある。 すなわち、多かれ少なかれこのような危険を伴った切断は、時々使用者の手の靱帯をも切断してしまうといった危険性を含んでいる。 【0006】 これらナイフがブレードと接合する場所において、ある種のナイフハンドルは決まった場合において使用者の手に対して支持部として使用することができる延長部を有しているが、手がブレードの刃の上に滑ってしまうことを防止できる構成を有するものではない。 言い換えれば、実質的な保護具を有するナイフはない。 この技術分野における上記構成は、英国特許第 2171628 号明細書および欧州特許第 0283445 号明細書に開示されている。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】 本発明によって取り組まれた問題は、ナイフハンドルを握っている使用者の手の指を、簡単、安全、効果的、および有効な方法で、手がブレードの刃の上に滑ることができないようにすることによっていかに守るかということである。 ブレードの刃の取付位置の問題を考慮することが重要であることと、ブレードの刃は与えられた作業面に対してできるだけ低い位置に取り付けられなければならないということがわかった。 ブレードの寸法、特に長さ、厚み、および高さはもちろん、行われるべき作業の本質に直接依存する用途(directives)によって決められる。 【0008】 【課題を解決するための手段】 これら種々の問題を解決するために、以下のような切断具が案出されるとともに開発された。 この種の切断具は、実質的に公知である、ハンドルと一体をなすようにそのハンドルに固定されたブレードが、使用者の指を前記ブレードの刃から守るように、ハンドルとブレードとの間の境界部付近に特徴を持つハンドルを備えるものである。 【0009】 使用者の指に効果的かつ確実な保護をいかに与えるかの問題は、人差し指などを保護するように一般にC形状を有してブレードから遠ざかって曲げられる部分を与えるため、ハンドルの特徴部がハンドルとブレードとの間の境界部の厚みおよび延長部において非常に大まかに形成されたフック形状部であることによって解決される。 【0010】 手の指をいかに保護するかとともに必要に応じて手をハンドルから非常に簡単に開放することのできる目的を有する保護具の問題を解決するために、前記フック形状部はC形状を有する非常に大まかな内側に開口したループを規定している。 また、そのフック形状部の外側には、ハンドルの真っ直ぐな上側端に略平行に延在するとともに、作業者が与えられた作業面に対してブレードを常に傾けることができ、十分な接触長さを刃に対して与えることのできる角度で設定された直線部を介してハンドルの境界部に接合される直線部が設けられている。 【0011】 この発明の基本的概念として、フック形状部はブレードの刃と略一致して設けられても良いし、あるいはブレードの背部と略一致して設けられても良い。 【0012】 作業面に対する切断ブレードの取付位置の問題を解決するために、ブレードはハンドルの上側端に対して低い位置でかつ傾斜して取り付けられ、これにより前記ブレードの刃が作業面にできるだけ近づくようになっている。 【0013】 作業面に対するブレードの刃を下げる問題を解決するために、特にブレードの接触部(attacking portion)、すなわち自由端側において、ブレードがハンドルと接合する角度は略5゜〜略25゜の範囲内としている。 このブレードが接合される角度は好適に10゜であることが望ましい。 【0014】 ハンドルおよび保護用フック形状部は、プラスチック射出成形によって一体に作り出されている。 【0015】 【発明の実施の形態】 以下、本発明を添付した図面に基づいてより詳細に説明する。 【0016】 公知の慣例に従って、ナイフはハンドル2に取り付けられたブレード1を備えている。 このブレード1は、折りたたみ式ではないナイフを構成するため決まった角度位置で適切な公知の手段によってハンドル2に取り付けられている。 符号1aはブレードの背部を示し、かつ符号1bはブレードの刃を示している。 【0017】 本発明の基本的特徴によれば、ハンドル2はブレード1との境界部2a付近に使用者の指を保護する開口下側ガードとして機能するフック形状部2bを備えている。 このフック形状部2bのハンドルとブレードとの間の境界部2aの厚みおよび延長部については非常に大まかに形成されている。 フック形状部2bの形状は開口した内側ループ部2b1を非常に大まかなC型形状として規定したものである。 また、フック形状部2bの外側には、ハンドルの真っ直ぐな上側端2cと略平行に延在する直線部2b2を備えている。 この直線部2b2はある角度で設定された直線部2b3を介してハンドルの境界部と接合されている。 これは、使用者が与えられた作業面に対して常にブレードを傾けることができるようにするとともに、十分な接触長さを前記ブレードの刃部1bに対して与えることができるようするためのものである。 【0018】 ナイフブレードの刃1bが当該作業面にできるだけ近づくようにするにはどのように位置決めするばよいかという問題を解決するため、およびブレードの標準的な寸法を考慮して、ブレード1全体はハンドル2の上側端2cよりも下に取り付けられている。 ブレード1がハンドル2に接合される角度は、5゜〜25゜の範囲内である。 有利には、この角度は10゜であることが望ましい。 【0019】 保護用フック形状部2bを有するナイフ2に対するブレード1の位置決めのこれら組み合わせ配置は、実際の切断動作を考慮するときナイフが従来の方法で使用し続けることができるとともに、使用者の手がブレードの刃1bの方向に滑ることがないようにすることによって使用者の指を効果的に保護するものである。 【0020】 保護用フック形状部2bは開口しているので、手がハンドル上から離れなくなるということはなく、かつ必要ならば自動的にハンドルから逃れることができることも理解できるであろう。 【0021】 本発明は意図した用途に応じてすべての種類(直線型あるいは湾曲型)のナイフブレード(図2および図4)に適用することができる。 同様に、ブレードの刃1bはどのような形状を有するものであっても良い。 したがって、ブレード自体は形状、寸法、および用途を考慮して従来の方法で作られる。 ただハンドルに対するブレードの位置のみが、高さおよび傾斜の両方を考慮して変更されている。 【0022】 ハンドル2および保護用フック形状部は、プラスチック射出成形によって一体に作られるのが望ましい。 【0023】 本発明はすべての種類のナイフに適用することができる。 特にこれらのナイフは農産物産業において、肉を解体処理したりあるいは切り分けたりするとともに、レタスやカリフラワーなどのようなある種の野菜を切るのに用いられるものである。 一方、これらナイフには家庭にある他の適用に使用するナイフも含まれている。 【0024】 保護用形状部は、意図した用途に対して要求された場所に、ブレードの背部と略一致するかあるいは刃およびブレードの背部の両方と略一致して配置することができることにも留意しなければならない。 【0025】 本発明の有利な点は以上の説明から明らかである。 特に繰り返して述べるとともに重要なことは、とりわけナイフが使用されるときの使い方から生じる切断特性にいかなる変更をも与えることなく、使用者の手の指の安全性および効果的な保護できるという点である。 【図面の簡単な説明】 【図1】 従来技術による切断ナイフの一実施形態を示す正面図である。 【図2】 図1に示すナイフと同じタイプのナイフに、本発明の特徴を付加した図であって、本発明の一実施形態を示す正面図である。 【図3】 図2の3−3矢視線断面図である。 【図4】 本発明の特徴を有する別のタイプのナイフの正面図である。 【符号の説明】 1 ブレード 1b 刃 2 ハンドル 2a 境界部 2b フック形状部(特徴部) 2b1 内側開口ループ 2b2 直線部 2b3 直線部 2c 上側端 【手続補正書】 【提出日】平成12年12月27日(2000.12.27) 【手続補正1】 【補正対象書類名】明細書 【補正対象項目名】特許請求の範囲 【補正方法】変更 【補正内容】 【特許請求の範囲】 【手続補正2】 【補正対象書類名】明細書 【補正対象項目名】0009 【補正方法】変更 【補正内容】 【0009】 使用者の指に効果的かつ確実な保護をいかに与えるかの問題は、 人差し指以外 の指は自由にすることができて、人差し指などを保護するように一般にC形状を有してブレードから遠ざかって曲げられる部分を与えるため、ハンドルの特徴部がハンドルとブレードとの間の境界部の厚みおよび延長部において非常に大まかに形成されたフック形状部であることによって解決される。 【手続補正3】 【補正対象書類名】明細書 【補正対象項目名】0010 【補正方法】変更 【補正内容】 【0010】 手の指をいかに保護するかとともに必要に応じて手をハンドルから非常に簡単に開放することのできる目的を有する保護具の問題を解決するために、 内側に開 口したループを規定する前記C形状部の外側には、ハンドルの真っ直ぐな上側端に略平行に延在するとともに、作業者が与えられた作業面に対してブレードを常に傾けることができ、十分な接触長さを刃に対して与えることのできる角度で設定された直線部を介してハンドルの境界部に接合される直線部が設けられている。 |