ワイヤ放電加工機および表示方法

申请号 JP2017095521 申请日 2017-05-12 公开(公告)号 JP2018192537A 公开(公告)日 2018-12-06
申请人 ファナック株式会社; 发明人 富岡 竜之介;
摘要 【課題】ワークテーブル内の複数の移動領域毎に、ワークテーブルに対してワイヤ電極が移動している移動時間の積算値に関する情報をオペレータに提供することができるワイヤ放電加工機を提供する。 【解決手段】ワークテーブル44に対してワイヤ電極12が移動可能な範囲を複数のワイヤ電極移動領域に分け、それぞれのワイヤ電極移動領域内をワイヤ電極12が移動している移動時間の積算値であるワイヤ電極移動時間積算値に相関する値を算出するワイヤ電極移動時間積算値算出部と、ワイヤ電極移動領域毎のワイヤ電極移動時間積算値に相関する値に関する情報を表示部120に表示させる表示制御部104と、を備える。 【選択図】図6
权利要求

ワイヤ電極とワークとにより形成される極間に電圧を印加して放電を発生させることで、前記ワークに対して放電加工を施すワイヤ放電加工機であって、 前記ワークが設置されるワークテーブルと、 前記ワイヤ電極と前記ワークテーブルとを相対移動させる駆動機構と、 前記ワークテーブルに対して前記ワイヤ電極が移動可能な範囲を複数のワイヤ電極移動領域に分け、それぞれの前記ワイヤ電極移動領域内を前記ワイヤ電極が移動している移動時間の積算値であるワイヤ電極移動時間積算値に相関する値を算出するワイヤ電極移動時間積算値算出部と、 前記ワイヤ電極移動領域毎の前記ワイヤ電極移動時間積算値に相関する値に関する情報を表示部に表示させる表示制御部と、 を備えるワイヤ放電加工機。請求項1に記載のワイヤ放電加工機であって、 前記表示制御部は、前記表示部に前記ワークテーブルに対する前記複数のワイヤ電極移動領域の位置を示す図を表示させ、前記複数のワイヤ電極移動領域の位置を示す図に、それぞれの前記ワイヤ電極移動領域の前記ワイヤ電極移動時間積算値に相関する値に関する情報を表示させる、ワイヤ放電加工機。請求項1または2に記載のワイヤ放電加工機であって、 前記表示制御部は、前記ワイヤ電極移動時間積算値が第1所定値未満である前記ワイヤ電極移動時間積算値に相関する値に関する情報の表示の色を、前記ワイヤ電極移動時間積算値が第1所定値以上である前記ワイヤ電極移動時間積算値に相関する値に関する情報の表示の色とは異ならせて表示する、ワイヤ放電加工機。請求項1〜3のいずれか1項に記載のワイヤ放電加工機であって、 前記ワークテーブルに対して、前記ワークが設置された位置に相関する情報を取得するワーク設置位置取得部と、 前記ワイヤ電極移動時間積算値が第2所定値以上である前記ワイヤ電極移動領域に前記ワークが設置されたときには、その旨を報知部により報知を行う報知制御部と、 を備えるワイヤ放電加工機。請求項1〜4のいずれか1項に記載のワイヤ放電加工機であって、 前記駆動機構は、前記ワークテーブルを移動させ、 前記駆動機構による前記ワークテーブルの移動位置に相関する情報を取得する移動位置取得部と、 前記駆動機構による前記ワークテーブルの移動速度に相関する情報を取得する移動速度取得部と、 前記駆動機構により前記ワークテーブルを移動する範囲を複数のワークテーブル移動領域に分け、前記ワークテーブルの前記移動位置に相関する情報および前記移動速度に相関する情報から、それぞれの前記ワークテーブル移動領域内を前記ワークテーブルが移動している移動時間の積算値であるワークテーブル移動時間積算値を算出するワークテーブル移動時間積算値算出部を備え、 前記ワイヤ電極移動時間積算値算出部は、それぞれの前記ワークテーブル移動領域の前記ワークテーブル移動時間積算値に基づいて、前記ワイヤ電極移動時間積算値に相関する値を算出する、ワイヤ放電加工機。請求項5に記載のワイヤ放電加工機であって、 前記表示制御部は、前記表示部に前記ワークテーブル移動領域の位置を示す図を表示させ、前記ワークテーブル移動領域の位置を示す図に、それぞれの前記ワークテーブル移動領域のワークテーブル移動時間積算値を表示させる、ワイヤ放電加工機。請求項5または6に記載のワイヤ放電加工機であって、 前記駆動機構による前記ワークテーブルの移動加速度に相関する情報を取得する加速度取得部を備え、 前記ワークテーブル移動時間積算値算出部は、前記ワークテーブルの前記移動加速度に相関する情報に応じて、それぞれの前記ワークテーブル移動領域の前記ワークテーブルの前記移動時間を補正する、ワイヤ放電加工機。請求項5〜7のいずれかに記載のワイヤ放電加工機であって、 前記ワークの重量に相関する情報を取得するワーク重量取得部を備え、 前記ワークテーブル移動時間積算値算出部は、前記ワークの重量に相関する情報に応じて、それぞれの前記ワークテーブル移動領域の前記ワークテーブルの前記移動時間を補正する、ワイヤ放電加工機。請求項5〜8のいずれか1項に記載のワイヤ放電加工機であって、 前記ワークテーブルを内部に収容し、加工液が貯留される加工槽と、 前記加工槽内の前記加工液の量に相関する情報を取得する加工液量取得部と、 を備え、 前記駆動機構は、前記加工槽とともに前記ワークテーブルを駆動し、 前記ワークテーブル移動時間積算値算出部は、前記加工液の量に相関する情報に応じて、それぞれの前記ワークテーブル移動領域の前記ワークテーブルの前記移動時間を補正する、ワイヤ放電加工機。請求項5〜9のいずれか1項に記載のワイヤ放電加工機であって、 前記ワークテーブル移動時間積算値算出部は、前記駆動機構に対する前記ワークテーブルの移動位置に応じて、それぞれの前記ワークテーブル移動領域の前記ワークテーブルの前記移動時間を補正する、ワイヤ放電加工機。請求項5〜10のいずれか1項に記載のワイヤ放電加工機であって、 いずれかの前記ワークテーブル移動領域における前記ワークテーブル移動時間積算値が、第3所定値以上となったときには、オペレータに前記駆動機構の保全を促す旨を報知部により報知を行う報知制御部を有するワイヤ放電加工機。ワークとの間で形成される極間に電圧を印加して放電を発生させるワイヤ電極と、前記ワークが設置されるワークテーブルと、前記ワイヤ電極と前記ワークテーブルとを相対移動させる駆動機構と、を有するワイヤ放電加工機に関する情報を表示する表示方法であって、 前記ワークテーブルに対して前記ワイヤ電極が移動可能な範囲を複数のワイヤ電極移動領域に分け、それぞれの前記ワイヤ電極移動領域内を前記ワイヤ電極が移動している移動時間の積算値であるワイヤ電極移動時間積算値に相関する値を算出するワイヤ電極移動時間積算値算出ステップと、 前記ワイヤ電極移動領域毎の前記ワイヤ電極移動時間積算値に相関する値に関する情報を表示部に表示させる表示制御ステップと、 を備える表示方法。

说明书全文

本発明は、ワークに対して放電加工を施すワイヤ放電加工機、および、ワイヤ放電加工機に関する情報の表示方法に関する。

下記特許文献1には、ガイドレールおよび駆動モータによって、ワークテーブルを平方向に移動させるワイヤ放電加工機が開示されている。

特開2012−200854号公報

オペレータがワークをワークテーブルに設置する場合、オペレータはワークテーブルの特定の箇所にワークを設置することが多い。この場合、ワークの加工中は、ワイヤ電極がワークの設置されている範囲を含む特定の範囲内でワークに対して相対移動するように、ワークテーブルを移動させるため、ワークテーブルは特定の領域内で駆動されることが多くなる。それにより、ボールねじ機構、リニアガイド等の駆動機構の特定箇所が他の箇所よりも摩耗が進み、ワークの加工精度を確保できなくなるおそれがあった。上記特許文献に記載の技術では、オペレータに、ワークテーブルの特定の箇所以外の箇所にワークを設置させるように促す手段について開示がなく、オペレータが特定の箇所にワークを設置することを続けた場合、駆動機構の特定箇所の摩耗が進む問題がある。

本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、ワークテーブル内の複数の移動領域毎に、ワークテーブルに対してワイヤ電極が移動している移動時間の積算値に関する情報をオペレータに提供することができるワイヤ放電加工機、および、表示方法を提供することを目的とする。

本発明の態様は、ワイヤ電極とワークとにより形成される極間に電圧を印加して放電を発生させることで、前記ワークに対して放電加工を施すワイヤ放電加工機であって、前記ワークが設置されるワークテーブルと、前記ワイヤ電極と前記ワークテーブルとを相対移動させる駆動機構と、前記ワークテーブルに対して前記ワイヤ電極が移動可能な範囲を複数のワイヤ電極移動領域に分け、それぞれの前記ワイヤ電極移動領域内を前記ワイヤ電極が移動している移動時間の積算値であるワイヤ電極移動時間積算値に相関する値を算出するワイヤ電極移動時間積算値算出部と、前記ワイヤ電極移動領域毎の前記ワイヤ電極移動時間積算値に相関する値に関する情報を表示部に表示させる表示制御部と、を備える。

本発明によれば、ワークテーブル内の複数の移動領域毎に、ワークテーブルに対してワイヤ電極が移動している移動時間の積算値に関する情報をオペレータに提供することができる。

ワイヤ放電加工機の構成を示す模式図である。

ワイヤ放電加工機の構成を示す模式図である。

ワイヤ放電加工機の構成を示す模式図である。

ワイヤ放電加工機の制御系の構成を示すブロック図である。

ワークテーブルに対するワイヤ電極の移動について説明する図である。

ワークテーブルに対するワイヤ電極の移動について説明する図である。

制御装置において行われる表示部による表示、および、報知部による報知を行う処理の流れを示すフローチャートである。

ワイヤ放電加工機の制御系の構成を示すブロック図である。

ワークテーブルに対するワイヤ電極の動きに対応する、ワークテーブルの動きを示す図である。

ワークテーブルが、X軸方向に移動するときの時間と移動位置との関係を示すグラフである。

ワークテーブルの移動速度の時間変化を示すグラフである。

ワークテーブルの移動位置に対するX軸ワークテーブル移動時間を示すグラフである。

補正後のワークテーブルの移動位置に対する移動時間の関係を示すグラフである。

X軸方向における各ワークテーブル移動領域のX軸ワークテーブル移動時間積算値と、Y軸方向における各移動領域のY軸ワークテーブル移動時間積算値を示す図である。

X軸ワークテーブル移動時間積算値とY軸ワークテーブル移動時間積算値とから、ワイヤ電極移動時間指数を算出する方法について説明する図である。

表示部に表示する各ワイヤ電極移動領域におけるワイヤ電極移動時間指数の表示例を示す図である。

制御装置において行われる表示部による表示、および、報知部による報知を行う処理の流れを示すフローチャートである。

加工槽の内部の構成を示す模式図である。

以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明する。下記の実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。実施の形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。

〔第1の実施の形態〕 [ワイヤ放電加工機の構成] 図1、図2および図3は本実施の形態のワイヤ放電加工機10の構成を示す模式図である。図1はワイヤ放電加工機10の正面図、図2はワイヤ放電加工機10の側面図、図3はワイヤ放電加工機10の上面図である。以下では、水平面上であって、図1において左右方向に延びる軸をX軸、水平面上であってX軸に対して直交する軸をY軸、X軸およびY軸に垂直な軸をZ軸とする。なお、図1において右方向をX軸正方向、上方向をZ軸正方向、図2において左方向をY軸正方向とする。

ワイヤ放電加工機10は、ワイヤ電極12とワークWとにより形成される極間に電圧を印加して放電を発生させることで、ワークWに対して放電加工を施す工作機械である。ワイヤ電極12の材質は、例えば、タングステン系、銅合金系、黄銅系等の金属材料である。一方、ワークWの材質は、例えば、鉄系材料または超硬材料等である。

ワイヤ放電加工機10は、ワイヤ電極12を走行させる走行機構14を有している。走行機構14は、ワイヤ電極12が巻かれたワイヤボビン16、ワイヤボビン16に対してトルクを付与するトルクモータ18、ワイヤ電極12に対して摩擦による制動を付与するブレーキローラ20、ブレーキローラ20に対してブレーキトルクを付与するブレーキモータ22、ワイヤ電極12を案内するガイドローラ24、ワークWの上方でワイヤ電極12を案内する上ワイヤガイド26、ワークWの下方でワイヤ電極12を案内する下ワイヤガイド28、ワイヤ電極12をワイヤ回収ボックス30に回収するフィードローラ32およびピンチローラ34、フィードローラ32にトルクを付与するトルクモータ36を有している。これにより、ワイヤ電極12は、上ワイヤガイド26と下ワイヤガイド28との間でZ軸負方向に走行することができる。

上ワイヤガイド26は、Z軸駆動機構38に支持されている。Z軸駆動機構38は、図示しないZ軸モータを有し、上ワイヤガイド26をZ軸方向に移動させる。下ワイヤガイド28は、ワイヤ回収ボックス30から延びるアーム40に支持されている。

ワイヤ放電加工機10は、ワークWを放電加工の際に使用される脱イオン水または油等の加工液を貯留可能な加工槽42を備えている。加工槽42内にはワークWが設置されるワークテーブル44が設置されている。

加工槽42は、リニアガイド64を介して、サドル46に対してY軸方向に移動可能に設置されている。リニアガイド64は、加工槽42の下面(Z軸負方向側側面)に設けられたガイドブロック48と、サドル46の上面(Z軸正方向側側面)に設けられ、Y軸方向に延びる2本のガイドレール50とを有している。ガイドブロック48がガイドレール50に係合し、加工槽42はサドル46に対してY軸方向に移動する。

サドル46の上面であって、2本のガイドレール50の間には、ボールねじ機構52が設けられている。ボールねじ機構52は、Y軸モータ54の回転運動をY軸方向の直線運動に変換して、加工槽42に伝達する。ボールねじ機構52は、Y軸方向に延びて設置されるねじ軸56、ねじ軸56を回転可能に支持するベアリング58a、58b、加工槽42の下面に固定され、ねじ軸56の回転により、Y軸方向に移動するナット60を有している。Y軸モータ54が駆動することにより、ワークテーブル44をY軸方向に移動させることができる。Y軸モータ54には、Y軸レゾルバ62が設けられている。Y軸レゾルバ62は、Y軸モータ54の所定時間当たりの回転量を検出する。Y軸モータ54の回転量から、ワークテーブル44のY軸上の移動位置、移動速度および移動加速度を求めることができる。

サドル46は、リニアガイド66を介して、ベッド70に対してX軸方向に移動可能に設置されている。リニアガイド66は、サドル46の下面(Z軸負方向側側面)に設けられたガイドブロック72と、ベッド70の上面(Z軸正方向側側面)に設けられ、X軸方向に延びる2本のガイドレール74とを有している。ガイドブロック72がガイドレール74に案内され、サドル46はベッド70に対してX軸方向に移動する。

ベッド70の上面であって、2本のガイドレール74の間には、ボールねじ機構76が設けられている。ボールねじ機構76は、X軸モータ78の回転運動をX軸方向の直線運動に変換して、サドル46に伝達する。ボールねじ機構76は、X軸方向に延びて設置されるねじ軸80、ねじ軸80を回転可能に支持するベアリング82a、82b、サドル46の下面に固定され、ねじ軸80の回転により、X軸方向に移動するナット84を有している。X軸モータ78が駆動することにより、ワークテーブル44をX軸方向に移動させることができる。X軸モータ78には、X軸レゾルバ86が設けられている。X軸レゾルバ86は、X軸モータ78の所定時間当たりの回転量を検出する。X軸モータ78の回転量から、ワークテーブル44のX軸上の移動位置、移動速度および移動加速度を求めることができる。

ワイヤ放電加工機10は、加工槽42内を撮影するカメラ88を有している。カメラ88が撮影した画像を解析することで、ワークテーブル44とワイヤ電極12との相対移動位置、および、ワークWがワークテーブル44に設置されている位置を求めることができる。

[制御装置の構成] 図4はワイヤ放電加工機10の制御系の構成を示すブロック図である。ワイヤ放電加工機10は、各モータ等を制御する制御装置90を有している。制御装置90は、記憶部92と演算処理部94とを有している。記憶部92は、ハードディスクや半導体メモリ等であって、NCプログラム等を記憶するプログラム記憶部96を有している。演算処理部94は、プロセッサ、メモリ等から構成されており、各種の演算および制御処理等を行う。演算処理部94は、加工制御部98、ワイヤ電極移動時間積算値算出部100、ワーク設置位置解析部102、表示制御部104および報知制御部106を有している。

加工制御部98は、NCプログラムに規定された加工形状にワークWを加工するように、走行機構14(トルクモータ18、ブレーキモータ22、トルクモータ36)、X軸モータ78、Y軸モータ54およびZ軸駆動機構38を制御する。

ワイヤ電極移動時間積算値算出部100は、カメラ88が撮影した加工槽42内の画像を入力し、入力した画像からワークテーブル44に対するワイヤ電極12の移動時間積算値を算出する。ワークテーブル44に対するワイヤ電極12の移動時間積算値については、後に詳述する。

ワーク設置位置解析部102は、カメラ88から加工槽42内の画像を入力し、入力した画像から、ワークテーブル44上のワークWの設置位置を求める。

表示制御部104は、例えば液晶ディスプレイ等である表示部120に指令信号を出力し、文字、記号、数字や画像等を表示させる。報知制御部106は、例えばスピーカである報知部122に指令信号を出力し、音声等によりオペレータに報知を行う。

[ワイヤ電極の移動時間積算値について] 図5は、ワークテーブル44に対するワイヤ電極12の移動について説明する図である。本実施の形態のワイヤ放電加工機10では、ワークテーブル44は水平面上を移動する。上ワイヤガイド26がX軸に平行なU軸およびY軸に平行なV軸上を移動することにより、ワイヤ電極12も水平面上を移動するが、ここではワイヤ電極12は水平面上においては移動しないと仮定する。

実際にはワークテーブル44が水平面上を移動するが、ワークテーブル44から見ると図5に示すようにワイヤ電極12が移動しているように見える。ワイヤ電極移動時間積算値算出部100では、ワークテーブル44の枠内においてワイヤ電極12が移動可能な範囲(移動可能範囲E)を、X軸方向に7分割、Y軸方向に12分割し、84個のワイヤ電極移動領域R(1)〜R(84)に分けている。そして、各ワイヤ電極移動領域R(1)〜R(84)内をワイヤ電極12が移動している時間(ワイヤ電極移動時間)を所定期間にわたって積算して、ワークテーブル44に対するワイヤ電極12の移動時間積算値(ワイヤ電極移動時間積算値)を求める。所定期間は、例えば、ワイヤ放電加工機10を初めて起動してから現在までの期間であってもよいし、ボールねじ機構52、76およびリニアガイド64、66の保全を行ってから現在までの時間であってもよく、適宜設定すればよい。

カメラ88が撮影した加工槽42内の画像から、ワークテーブル44に対するワイヤ電極12の移動経路を求めることができる。ワイヤ電極移動時間積算値算出部100は、カメラ88が撮影した加工槽42内の画像から、各ワイヤ電極移動領域R(1)〜R(84)におけるワイヤ電極移動時間を求める。なお、ワイヤ電極移動時間は、ワイヤ電極12がワークテーブル44に対して移動しているときの時間であって、ワイヤ電極12がワークテーブル44に対して移動していない間の時間は、ワイヤ電極移動時間には含まれない。

X軸レゾルバ86が検出したX軸モータ78の回転量およびY軸レゾルバ62が検出したY軸モータ54の回転量から、ワークテーブル44のX軸方向およびY軸方向の移動経路を求めることができ、ワークテーブル44に対するワイヤ電極12の移動経路も求めることができる。ワイヤ電極移動時間積算値算出部100は、X軸レゾルバ86が検出したX軸モータ78の回転量およびY軸レゾルバ62が検出したY軸モータ54の回転量から、ワイヤ電極移動領域R(1)〜R(84)におけるワイヤ電極移動時間を求めてもよい。

[ワイヤ電極移動時間積算値の表示について] 本実施の形態では、表示部120に、各ワイヤ電極移動領域R(1)〜R(84)におけるワイヤ電極移動時間積算値を表示する。図6は、ワークテーブル44に対するワイヤ電極12の移動について説明する図である。図6に示すように、表示部120にワークテーブル44に対するワイヤ電極移動領域R(1)〜R(84)の位置を示す図を表示し、この図上に各ワイヤ電極移動領域R(1)〜R(84)におけるワイヤ電極移動時間積算値を表示する。さらに、ワイヤ電極移動時間積算値の大きさに応じて、表示を変更する。例えば、ワイヤ電極移動時間積算値が「350」以上のワイヤ電極移動領域R(1)〜R(84)(図6に濃いドットで示す範囲)の背景を赤色で表示し、ワイヤ電極移動時間積算値の値が「200」以上のワイヤ電極移動領域R(1)〜R(84)(図6に薄いドットで示す範囲)の背景を黄色で表示する。

[表示報知制御処理] 図7は、制御装置90において行われる表示部120による表示、および、報知部122による報知を行う処理の流れを示すフローチャートである。ステップS1では、ワイヤ電極移動時間積算値算出部100において、各ワイヤ電極移動領域R(1)〜R(84)におけるワイヤ電極移動時間積算値を算出して、ステップS2へ移行する。

ステップS2では、表示制御部104において、表示部120に、図6に示すように、ワークテーブル44内の各ワイヤ電極移動領域R(1)〜R(84)の位置を示す図にワイヤ電極移動時間積算値を表示するように指令信号を出力して、ステップS3へ移行する。

ステップS3では、報知制御部106において、ワーク設置位置解析部102が求めたワークテーブル44上のワークWの設置位置を入力し、ワークWがワークテーブル44に対して、ワイヤ電極移動時間積算値が所定値(例えば、「350」)以上となる領域に設置されているか否かを判定する。ワークWがワークテーブル44に対して、ワイヤ電極移動時間積算値が所定値以上となる領域に設置されているときには、ステップS4へ移行し、ワークWがワークテーブル44に対して、ワイヤ電極移動時間積算値が所定値以上となる領域に設置されていないときには、処理を終了する。

ステップS4では、報知制御部106において、報知部122に、ワークWがワークテーブル44のワイヤ電極移動時間積算値が大きい領域に設置されている旨を、オペレータに報知するように指令信号を出力して、処理を終了する。

[作用効果] オペレータがワークWをワークテーブル44に設置する場合、オペレータはワークテーブル44の特定の箇所にワークWを設置することが多い。この場合、ワークWの加工中は、ワイヤ電極12がワークWの設置されている範囲を含む特定の範囲内でワークWに対して相対移動するように、ワークテーブル44を移動させるため、ワークテーブル44は特定の領域内で駆動されることが多くなる。それにより、ねじ軸56、80およびガイドレール50、74の特定箇所が他の箇所よりも摩耗が進み、ワークWの加工精度を確保できなくなるおそれがある。

そこで本実施の形態では、ワークテーブル44内のワイヤ電極移動領域R(1)〜R(84)内をワイヤ電極12が移動するワイヤ電極移動時間積算値を算出する。そして、表示部120に、ワイヤ電極移動領域R(1)〜R(84)の位置を示す図を表示するとともに、各ワイヤ電極移動領域R(1)〜R(84)のワイヤ電極移動時間積算値を表示する。したがって、表示部120の表示により、オペレータに、ワイヤ電極移動領域R(1)〜R(84)毎のワイヤ電極移動時間積算値に関する情報を提供することができる。また、表示部120の表示により、ワイヤ電極移動時間積算値が大きい領域と小さい領域の分布の情報を、オペレータが把握しやすい表示によって、オペレータに提供することができる。表示部120を見たオペレータが、ワイヤ電極移動時間積算値が小さい領域にワークWを設置することにより、領域毎のワイヤ電極移動時間積算値の偏りを小さくすることができる。したがって、ねじ軸56、80やガイドレール50、74の特定の範囲の摩耗が進むことを抑制することができる。

また、本実施の形態では、表示部120において、ワイヤ電極移動時間積算値の大きさに応じて、ワイヤ電極移動時間積算値を表示するワイヤ電極移動領域R(1)〜R(84)の背景の色を変更する。これにより、ワイヤ電極移動時間積算値が大きい領域と小さい領域の分布の情報を、オペレータが一目で把握できるように、オペレータに提供することができる。

さらに、本実施の形態では、ワークWがワークテーブル44に対して、ワイヤ電極移動時間積算値が所定値以上となる領域に設置されているときには、報知部122により、その旨をオペレータに報知する。これにより、ワイヤ電極移動時間積算値が大きい領域にオペレータがワークWを設置したことを、オペレータに認識させることができるように、オペレータに報知することができる。

〔第2の実施の形態〕 第1の実施の形態では、カメラ88が撮影した画像、または、X軸レゾルバ86が検出したX軸モータ78の回転量およびY軸レゾルバ62が検出したY軸モータ54の回転量から、ワイヤ電極移動時間積算値を求めていた。本実施の形態では、X軸レゾルバ86が検出したX軸モータ78の回転量から、X軸方向のワークテーブル44の移動時間積算値(以下、X軸ワークテーブル移動時間積算値とも記載する。)を求める。また、Y軸レゾルバ62が検出したY軸モータ54の回転量から、Y軸方向のワークテーブル44の移動時間積算値(以下、Y軸ワークテーブル移動時間積算値とも記載する。)を求める。さらに、X軸ワークテーブル移動時間積算値およびY軸ワークテーブル移動時間積算値から、ワイヤ電極移動時間積算値に相関するワイヤ電極移動時間指数を求める。本実施の形態のワイヤ放電加工機10の機械的な構成は、第1の実施の形態と同様であるが、制御装置90の構成が一部異なる。

[制御装置の構成] 図8は、ワイヤ放電加工機10の制御系の構成を示すブロック図である。本実施の形態では、制御装置90の演算処理部94の構成の一部が第1の実施の形態と異なる。第1の実施の形態と異なる構成として、演算処理部94は、位置算出部108、速度算出部110、加速度算出部112、X軸移動時間積算値算出部114、Y軸移動時間積算値算出部116および移動時間指数算出部118を有している。一方、第1の実施の形態の演算処理部94が有していたワイヤ電極移動時間積算値算出部100を、本実施の形態の演算処理部94は有していない。

位置算出部108は、X軸レゾルバ86からX軸モータ78の回転量の情報を入力し、X軸モータ78の回転量からワークテーブル44のX軸上の移動位置を算出する。また、位置算出部108は、Y軸レゾルバ62からY軸モータ54の回転量の情報を入力し、Y軸モータ54の回転量からワークテーブル44のY軸上の移動位置を算出する。X軸レゾルバ86およびY軸レゾルバ62が検出する、X軸モータ78およびY軸モータ54の回転量は相対量である。位置算出部108は、例えば、ワークテーブル44をX軸負方向端部およびY軸負方向端部に移動させた位置を初期位置とし、初期位置からのX軸モータ78およびY軸モータ54の回転量を計測することにより、ワークテーブル44のX軸上およびY軸上の移動位置を算出する。

速度算出部110は、X軸レゾルバ86からX軸モータ78の回転量の情報を入力し、X軸モータ78の回転量からワークテーブル44のX軸方向の移動速度を算出する。また速度算出部110は、Y軸レゾルバ62からY軸モータ54の回転量の情報を入力し、Y軸モータ54の回転量から、ワークテーブル44のY軸方向の移動速度を算出する。

加速度算出部112は、X軸レゾルバ86からX軸モータ78の回転量の情報を入力し、X軸モータ78の回転量からワークテーブル44のX軸方向の移動加速度を算出する。また加速度算出部112は、Y軸レゾルバ62からY軸モータ54の回転量の情報を入力し、Y軸モータ54の回転量から、ワークテーブル44のY軸方向の移動加速度を算出する。

X軸移動時間積算値算出部114は、X軸ワークテーブル移動時間積算値を算出する。Y軸移動時間積算値算出部116は、Y軸ワークテーブル移動時間積算値を算出する。移動時間指数算出部118は、ワイヤ電極移動時間指数を算出する。X軸ワークテーブル移動時間積算値、Y軸ワークテーブル移動時間積算値およびワイヤ電極移動時間指数については、後に詳述する。

[ワークテーブル移動時間積算値について] X軸ワークテーブル移動時間積算値およびY軸ワークテーブル移動時間積算値は、ワークテーブル44がX軸上またはY軸上における所定の領域内を、ワークテーブル44が移動している移動時間を所定期間にわたって積算したものである。

図9は、ワークテーブル44に対するワイヤ電極12の動きに対応する、ワークテーブル44の動きを示す図である。図9において、実線で示すワークテーブル44は、ワイヤ電極12がワークテーブル44の枠内において、最もX軸負方向側であって、かつ、最もY軸負方向側に位置するように、ワークテーブル44を移動させた状態を示す。点線で示すワークテーブル44は、ワイヤ電極12がワークテーブル44の枠内において、最もX軸正方向側であって、かつ、最もY軸正方向側に位置するように、ワークテーブル44を移動させた状態を示す。

ワイヤ電極12のワークテーブル44の枠内におけるX軸方向の移動可能範囲に対応するワークテーブル44のX軸方向の移動範囲をExとし、ワイヤ電極12のワークテーブル44の枠内におけるY軸方向の移動可能範囲に対応するワークテーブル44のY軸方向の移動範囲をEyとする。

まず、X軸移動時間積算値算出部114は、移動可能範囲Exを7つのワークテーブル移動領域Rx(1)〜Rx(7)に分け、Y軸移動時間積算値算出部116は、移動可能範囲Eyを12個のワークテーブル移動領域Ry(1)〜Ry(12)に分ける。

つぎに、X軸移動時間積算値算出部114は、各ワークテーブル移動領域Rx(1)〜Rx(7)内をワークテーブル44が移動している移動時間(以下、X軸ワークテーブル移動時間とも記載する。)を求め、Y軸移動時間積算値算出部116は、各ワークテーブル移動領域Ry(1)〜Ry(14)内をワークテーブル44が移動している移動時間(以下、Y軸ワークテーブル移動時間とも記載する。)を求める。以下に、各ワークテーブル移動領域Rx(1)〜Rx(7)のX軸ワークテーブル移動時間の求め方について説明する。なお、各ワークテーブル移動領域Ry(1)〜Ry(12)のY軸ワークテーブル移動時間は、X軸ワークテーブル移動時間と同様にして求めればよい。

各ワークテーブル移動領域Rx(1)〜Rx(7)のX軸ワークテーブル移動時間は、ワークテーブル44のX軸上の移動位置XとX軸方向の移動速度Vxとから求めることができる。図10は、ワークテーブル44が、X軸方向において、図9に示す移動位置X0から移動位置X5に移動するときの時間tと移動位置Xとの関係を示すグラフである。ワークテーブル44が図10のグラフに示すように移動していた場合、ワークテーブル44の移動速度Vxの時間変化は、図11に示すグラフのようになる。ワークテーブル44の移動速度Vxが低い区間では、X軸ワークテーブル移動時間Txは長くなり、ワークテーブル44の移動速度Vxが高い区間ではX軸ワークテーブル移動時間Txは短くなる。そのため、ワークテーブル44の移動位置Xに対するX軸ワークテーブル移動時間Txは、図12に示すグラフようになる。なお、X軸ワークテーブル移動時間Txは、ワークテーブル44が移動しているときの時間であって、ワークテーブル44が停止している時間はX軸ワークテーブル移動時間Txとして計算しない。

さらに、X軸移動時間積算値算出部114は、ワークテーブル44の移動加速度に応じて、X軸ワークテーブル移動時間Txを補正する。ワークテーブル44が加速する移動位置X0と移動位置X1との間のX軸ワークテーブル移動時間Txの値、および、ワークテーブル44が減速する移動位置X4と移動位置X5との間のX軸ワークテーブル移動時間Txの値に、所定の係数(例えば、「1.2」)を掛ける。図13は、補正後のワークテーブル44の移動位置Xに対する移動時間Tの関係を示すグラフである。なお、図13中の一点鎖線は、補正前の移動時間Tを示す。なお、前述の所定の係数は、ワークテーブル44の移動加速度に応じて可変に設定するようにしてもよい。例えば、低加速時または減速時には係数を「1.2」に設定し、高加速時には係数を「1.4」に設定し、起動時または停止時には係数を「1.1」に設定する。

各ワークテーブル移動領域Rx(1)〜Rx(7)のX軸ワークテーブル移動時間Txは、ワークテーブル44の移動位置Xに対するX軸ワークテーブル移動時間Txを、各ワークテーブル移動領域Rx(1)〜Rx(7)に対応する区間において積分することにより求めることができる。例えば、ワークテーブル移動領域Rx(3)のX軸ワークテーブル移動時間Txは、X軸ワークテーブル移動時間Txを移動位置X1〜移動位置X2の区間で積分した値であり、図13においては斜線を施した部分の面積として表される。

次に、X軸移動時間積算値算出部114は、各ワークテーブル移動領域Rx(1)〜Rx(7)のX軸ワークテーブル移動時間Txを、所定期間にわたって積算し、その値を、各ワークテーブル移動領域Rx(1)〜Rx(7)内をワークテーブル44が移動する移動時間積算値(X軸ワークテーブル移動時間積算値)とする。

同様にして、Y軸移動時間積算値算出部116は、各ワークテーブル移動領域Ry(1)〜Ry(12)のY軸ワークテーブル移動時間Tyを、所定期間にわたって積算し、その値を、各ワークテーブル移動領域Ry(1)〜Ry(12)内をワークテーブル44が移動する移動時間積算値(Y軸ワークテーブル移動時間積算値)とする。

図14は、X軸方向における各ワークテーブル移動領域Rx(1)〜Rx(7)のX軸ワークテーブル移動時間積算値と、Y軸方向における各ワークテーブル移動領域Ry(1)〜Ry(12)のY軸ワークテーブル移動時間積算値を示す図である。図14に示すように、X軸上およびY軸上におけるワークテーブル移動領域Rx(1)〜Rx(7)およびワークテーブル移動領域Ry(1)〜Ry(12)の位置を示す図に、X軸ワークテーブル移動時間積算値およびY軸ワークテーブル移動時間積算値を表示する。例えば、図14に示すような図を表示部120に表示することによって、オペレータは、X軸ワークテーブル移動時間積算値およびY軸ワークテーブル移動時間積算値が大きい領域を把握することができる。さらに、X軸ワークテーブル移動時間積算値およびY軸ワークテーブル移動時間積算値が大きい領域に対応するねじ軸56、80やガイドレール50、74の領域が、他の領域に比べて摩耗が進んでいるおそれがあることを把握することができる。

[ワイヤ電極移動時間指数について] ワイヤ電極移動時間指数と、第1の実施の形態のワイヤ電極移動時間積算値とは相関を有する。ワイヤ電極移動時間指数は、X軸ワークテーブル移動時間積算値とY軸ワークテーブル移動時間積算値とから求める。

図15は、X軸ワークテーブル移動時間積算値とY軸ワークテーブル移動時間積算値とから、ワイヤ電極移動時間指数を算出する方法について説明する図である。移動時間指数算出部118は、ワークテーブル44に対してワイヤ電極12が移動可能な範囲(移動可能範囲E)を、X軸方向においてワークテーブル移動領域Rx(1)〜Rx(7)に対応し、Y軸方向においてワークテーブル移動領域Ry(1)〜Ry(12)に対応するワイヤ電極移動領域R(1)〜R(84)に分ける。なお、ワークテーブル44に対するワイヤ電極12の動きと、ワークテーブル44の動きとは逆方向となる。そのため、図15ではワークテーブル44におけるワイヤ電極12の移動方向を示すX軸およびY軸の方向と、ワークテーブル44の移動方向を示すX軸およびY軸の方向とは逆方向となっている。

各ワイヤ電極移動領域R(1)〜R(84)のワイヤ電極移動時間指数は、ワイヤ電極移動領域R(1)〜R(84)に対応する、ワークテーブル移動領域Rx(1)〜Rx(7)のX軸ワークテーブル移動時間積算値と、ワークテーブル移動領域Ry(1)〜Ry(12)のY軸ワークテーブル移動時間積算値との和として求められる。例えば、ワイヤ電極移動領域R(1)のワイヤ電極移動時間指数は、ワークテーブル移動領域Rx(1)のX軸ワークテーブル移動時間積算値「200」と、ワークテーブル移動領域Ry(1)のY軸ワークテーブル移動時間積算値「300」の和である「500」として求められる。

[ワイヤ電極移動時間指数の表示について] 本実施の形態では、表示部120に、各ワイヤ電極移動領域R(1)〜R(84)におけるワイヤ電極移動時間指数を表示する。

図16は、表示部120に表示する各ワイヤ電極移動領域R(1)〜R(84)におけるワイヤ電極移動時間指数の表示例を示す図である。図16に示すように、表示部120にワークテーブル44に対するワイヤ電極移動領域R(1)〜R(84)の位置を示す図を表示し、この図上に各ワイヤ電極移動領域R(1)〜R(84)におけるワイヤ電極移動時間指数を表示する。さらに、ワイヤ電極移動時間指数の値の大きさに応じて、表示を変更する。例えば、ワイヤ電極移動時間指数の値が「500」以上のワイヤ電極移動領域R(1)〜R(84)(図16に濃いドットで示す範囲)の背景を赤色で表示し、ワイヤ電極移動時間指数の値が「200」以上のワイヤ電極移動領域R(1)〜R(84)(図16に薄いドットで示す範囲)の背景を黄色で表示する。

[表示報知制御処理] 図17は、制御装置90において行われる表示部120による表示、および、報知部122による報知を行う処理の流れを示すフローチャートである。ステップS11では、X軸移動時間積算値算出部114において、各ワークテーブル移動領域Rx(1)〜Rx(7)のX軸ワークテーブル移動時間を算出して、ステップS12へ移行する。ステップS12では、X軸移動時間積算値算出部114において、各ワークテーブル移動領域Rx(1)〜Rx(7)のX軸ワークテーブル移動時間積算値の前回値と、各ワークテーブル移動領域Rx(1)〜Rx(7)のX軸ワークテーブル移動時間との和を、新たなX軸ワークテーブル移動時間積算値として、ステップS13へ移行する。

ステップS13では、Y軸移動時間積算値算出部116において、各ワークテーブル移動領域Ry(1)〜Ry(12)のY軸ワークテーブル移動時間を算出して、ステップS14へ移行する。ステップS14では、Y軸移動時間積算値算出部116において、各ワークテーブル移動領域Ry(1)〜Ry(12)のY軸ワークテーブル移動時間積算値の前回値と、各ワークテーブル移動領域Ry(1)〜Ry(12)のY軸ワークテーブル移動時間との和を、新たなY軸ワークテーブル移動時間積算値として、ステップS15へ移行する。ステップS15では、移動時間指数算出部118において、ワークテーブル44に対する各ワイヤ電極移動領域R(1)〜R(84)のワイヤ電極移動時間指数を算出して、ステップS16へ移行する。

ステップS16では、表示制御部104において、オペレータにより図示しない表示切替スイッチが操作され、ワイヤ電極移動時間指数またはワークテーブル移動時間積算値の表示が選択されたか否かを判定する。表示スイッチにより、ワイヤ電極移動時間指数の表示が選択されたときには、ステップS17へ移行し、ワークテーブル移動時間積算値の表示が選択されたときには、ステップS18へ移行し、いずれも選択されなかったときには、ステップS19へ移行する。

ステップS17では、表示制御部104において、表示部120に、図16に示すように、各ワイヤ電極移動領域R(1)〜R(84)の位置を示す図に、ワイヤ電極移動時間指数を表示するように指令信号を出力して、ステップS19へ移行する。ステップS18では、表示制御部104において、表示部120に、図14に示すように、各ワークテーブル移動領域Rx(1)〜Rx(7)の位置を示す図にX軸ワークテーブル移動時間積算値を表示するとともに、各ワークテーブル移動領域Ry(1)〜Ry(12)の位置を示す図にY軸ワークテーブル移動時間積算値を表示するように指令信号を出力して、ステップS19へ移行する。

ステップS19では、報知制御部106において、ワーク設置位置解析部102が算出したワークテーブル44上のワークWの設置位置を入力し、ワークWがワークテーブル44に対して、ワイヤ電極移動時間指数が所定値(例えば、「500」)以上となる領域に設置されているか否かを判定する。ワークWがワークテーブル44に対して、ワイヤ電極移動時間指数が所定値以上となる領域に設置されているときには、ステップS20へ移行し、ワークWがワークテーブル44に対して、ワイヤ電極移動時間指数が所定値以上となる領域に設置されていないときには、ステップS21へ移行する。

ステップS20では、報知制御部106において、報知部122に、ワークWがワークテーブル44のワイヤ電極移動時間指数が大きい領域に設置されている旨を、オペレータに報知するように指令信号を出力して、ステップS21へ移行する。

ステップS21では、報知制御部106において、ワークテーブル移動領域Rx(1)〜Rx(7)のいずれかのX軸ワークテーブル移動時間積算値、または、ワークテーブル移動領域Ry(1)〜Ry(12)のいずれかのY軸ワークテーブル移動時間積算値が、所定値(例えば、「400」)以上であるか否かを判定する。いずれかのワークテーブル移動時間積算値が所定値以上であるときには、ステップS22へ移行し、いずれのワークテーブル移動時間積算値も所定値未満であるときには、処理を終了する。

ステップS22では、報知制御部106において、報知部122に、ボールねじ機構52、76およびリニアガイド64、66の保全を促す旨を、オペレータに報知するように指令信号を出力して処理を終了する。

[作用効果] 本実施の形態では、ワークテーブル44内のワイヤ電極移動領域R(1)〜R(84)内をワイヤ電極12が移動するワイヤ電極移動時間積算値に相関するワイヤ電極移動時間指数を算出する。そして、表示部120に、ワイヤ電極移動領域R(1)〜R(84)の位置を示す図を表示するとともに、各ワイヤ電極移動領域R(1)〜R(84)のワイヤ電極移動時間指数を表示する。したがって、表示部120の表示により、オペレータに、ワイヤ電極移動領域R(1)〜R(84)毎のワイヤ電極移動時間指数に関する情報を提供することができる。また、表示部120の表示により、ワイヤ電極移動時間積算値が大きい領域と小さい領域の分布の情報を、オペレータが把握しやすい表示によって、オペレータに提供することができる。表示部120を見たオペレータが、ワイヤ電極移動時間指数が小さい領域にワークWを設置することにより、領域毎のワイヤ電極移動時間指数の偏りを小さくすることができる。したがって、ねじ軸56、80やガイドレール50、74の特定の範囲の摩耗が進むことを抑制することができる。

また、本実施の形態では、ワイヤ電極移動時間指数の大きさに応じて、ワイヤ電極移動時間指数の表示するワイヤ電極移動領域R(1)〜R(84)の背景の色を変更する。これにより、ワイヤ電極移動時間積算値が大きい領域と小さい領域の分布の情報を、オペレータが一目で把握できるように、オペレータに提供することができる。

さらに、本実施の形態では、ワークWがワークテーブル44に対して、ワイヤ電極移動時間指数が所定値以上となる領域に設置されているときには、報知部122により、その旨をオペレータに報知する。これにより、ワイヤ電極移動時間積算値が大きい領域にオペレータがワークWを設置したことを、オペレータに認識させることができるように、オペレータに報知することができる。

また、本実施の形態では、X軸ワークテーブル移動時間積算値およびY軸ワークテーブル移動時間積算値から、ワイヤ電極移動時間積算値に相関するワイヤ電極移動時間指数を求める。一旦、X軸ワークテーブル移動時間積算値およびY軸ワークテーブル移動時間積算値を求めた後に、ワイヤ電極移動時間指数を求めることができる。そのため、X軸レゾルバ86が検出したX軸モータ78の回転量およびY軸レゾルバ62が検出したY軸モータ54の回転量からワイヤ電極移動時間積算値を直接求める場合に比べて、演算処理部94の処理負荷を抑制することができる。

さらに、本実施の形態では、表示部120に、ワークテーブル移動領域Rx(1)〜Rx(7)、Ry(1)〜Ry(12)の位置を示す図を表示させ、ワークテーブル移動領域Rx(1)〜Rx(7)、Ry(1)〜Ry(12)の位置を示す図に、それぞれのワークテーブル移動領域Rx(1)〜Rx(7)、Ry(1)〜Ry(12)のワークテーブル移動時間積算値を表示させる。これにより、表示部120に、ワークテーブル44の移動位置に対応する位置に、ワークテーブル移動時間積算値を表示することができる。よって、ワークテーブル移動時間積算値が大きい領域と小さい領域の分布の情報を、オペレータが把握しやすい表示により、オペレータに提供することができる。

また、本実施の形態では、ワークテーブル移動時間を、ワークテーブル44の移動加速度に応じて補正する。ワークテーブル44が等速の場合に比べて、ワークテーブル44が加速または減速する場合には、ねじ軸56、80やガイドレール50、74の摩耗が早く進む。これにより、ねじ軸56、80やガイドレール50、74の摩耗の程度に応じたワークテーブル移動時間積算値を求めることができる。

さらに、本実施の形態では、ワークテーブル移動領域Rx(1)〜Rx(7)のいずれかのX軸ワークテーブル移動時間積算値、または、ワークテーブル移動領域Ry(1)〜Ry(12)のいずれかのY軸ワークテーブル移動時間積算値が、所定値以上であるときには、報知部122により、オペレータにボールねじ機構52、76およびリニアガイド64、66の保全を促す旨を報知する。これにより、ボールねじ機構52、76およびリニアガイド64、66の保全が必要である旨の情報を、オペレータに提供することができる。

〔第3の実施の形態〕 第1の実施の形態では、ワークテーブル44の移動加速度に応じて、X軸ワークテーブル移動時間、Y軸ワークテーブル移動時間を補正するようにしていた。第3の実施の形態では、ワークテーブル44の移動加速度に加えて、ワークWの重量、加工液の量、ワークテーブル44の移動位置に応じて、X軸ワークテーブル移動時間、Y軸ワークテーブル移動時間を補正する。

図18は、加工槽42の内部の構成を示す模式図である。ワークテーブル44の脚には、ロードセル130が設けられている。ロードセル130は、ワークテーブル44に設置されたワークWの重量を計測する。加工槽42の底部には、水量計132が設けられている。水量計132は、加工槽42に貯留された加工液の量を計測する。

X軸移動時間積算値算出部114およびY軸移動時間積算値算出部116は、ワークテーブル44に設置されたワークWの重量に応じて、X軸ワークテーブル移動時間およびY軸ワークテーブル移動時間を補正する。ワークWの重量による補正の係数は、例えば、ワークWの重量が0[kg]以上10[kg]未満のときには係数を「1.0」に設定し、10[kg]以上50[kg]未満のときには係数を「1.1」に設定し、50[kg]以上200[kg]未満のときには係数を「1.5」に設定し、200[kg]以上のときには係数を「3.0」に設定する。

さらに、X軸移動時間積算値算出部114およびY軸移動時間積算値算出部116は、加工槽42内の加工液の量に応じて、X軸ワークテーブル移動時間およびY軸ワークテーブル移動時間を補正する。加工液の量による補正の係数は、例えば、加工液の量が0[l]以上10[l]未満のときには係数を「1.0」に設定し、10[l]以上50[l]未満のときには係数を「1.1」に設定し、50[l]以上200[l]未満のときには係数を「1.5」に設定し、200[l]以上のときには係数を「3.0」に設定する。

またさらに、X軸移動時間積算値算出部114およびY軸移動時間積算値算出部116は、ワークテーブル44の移動位置に応じて、X軸ワークテーブル移動時間およびY軸ワークテーブル移動時間を補正する。ワークテーブル44の移動位置による補正は、X軸のボールねじ機構76のナット84が、ねじ軸80のX軸方向の中心に位置するときであって、かつ、Y軸のボールねじ機構52のナット60が、ねじ軸56のY軸方向の中心に位置するときのワークテーブル44の位置の距離偏差に応じて設定される。例えば、距離偏差が0[mm]以上100[mm]未満のときには係数を「1.0」に設定し、100[mm]以上200[mm]未満のときには係数を「2.0」に設定し、200[mm]以上300[mm]未満のときには係数を「3.0」に設定し、300[mm]以上のときには係数を「5.0」に設定する。

[作用効果] 本実施の形態では、ワークテーブル移動時間を、ワークテーブル44に設置されたワークWの重量に応じて補正する。ワークWが重いほど、ねじ軸56、80やガイドレール50、74の摩耗が早く進む。これにより、ねじ軸56、80やガイドレール50、74の摩耗の程度に応じたワークテーブル移動時間積算値を求めることができる。

さらに、本実施の形態では、ワークテーブル移動時間を、加工槽42に貯留される加工液の量に応じて補正する。加工槽42内の加工液の量が多いほどねじ軸56、80やガイドレール50、74の摩耗が早く進む。これにより、ねじ軸56、80やガイドレール50、74の摩耗の程度に応じたワークテーブル移動時間積算値を求めることができる。

また、本実施の形態では、ワークテーブル移動時間を、ねじ軸56、80やガイドレール50、74に対するワークテーブル44の移動位置に応じて補正する。ワークテーブル44が、ねじ軸56、80やガイドレール50、74の端部側に位置する場合は、中央部付近に位置する場合に比べて、ねじ軸56、80やガイドレール50、74の摩耗が早く進む。これにより、ねじ軸56、80やガイドレール50、74の摩耗の程度に応じたワークテーブル移動時間積算値を求めることができる。

〔他の実施の形態〕 以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることはもちろんである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。

例えば、上記の実施の形態のワイヤ放電加工機10は、ワークテーブル44がワイヤ電極12に対して移動するものであったが、ワークテーブル44は固定され、ワイヤ電極12側が移動する、いわゆるコラム式のワイヤ放電加工機に適用してもよい。

また、上記の実施の形態では、ワイヤ電極移動時間積算値またはワイヤ電極移動時間指数の大きさに応じて、ワイヤ電極移動時間積算値またはワイヤ電極移動時間指数を表示するワイヤ電極移動領域R(1)〜R(84)の背景の色を変更していた。これを、背景ではなく、ワイヤ電極移動時間積算値またはワイヤ電極移動時間指数のフォントの色を変更するようにしてもよい。また、ワイヤ電極移動時間積算値またはワイヤ電極移動時間指数自体は表示せず、ワイヤ電極移動時間積算値またはワイヤ電極移動時間指数に応じて背景の色のみを変更するようにしてもよい。

また、上記の実施の形態では、報知部122としてスピーカを例として挙げ、音声等によりオペレータに報知を行うようにしていた。報知部122はスピーカに限らず、液晶ディスプレイ、電光表示板またはライト等、オペレータの視覚に対し報知するものであってもよい。

〔実施の形態から得られる技術的思想〕 上記実施の形態から把握しうる技術的思想について、以下に記載する。

ワイヤ電極(12)とワーク(W)とにより形成される極間に電圧を印加して放電を発生させることで、ワーク(W)に対して放電加工を施すワイヤ放電加工機(10)であって、ワーク(W)が設置されるワークテーブル(44)と、ワイヤ電極(12)とワークテーブル(44)とを相対移動させる駆動機構(52、64、66、76)と、ワークテーブル(44)に対してワイヤ電極(12)が移動可能な範囲を複数のワイヤ電極移動領域(R(1)〜R(84))に分け、それぞれのワイヤ電極移動領域(R(1)〜R(84))内をワイヤ電極(12)が移動している移動時間の積算値であるワイヤ電極移動時間積算値に相関する値を算出するワイヤ電極移動時間積算値算出部(100、118)と、ワイヤ電極移動領域(R(1)〜R(84))毎のワイヤ電極移動時間積算値に相関する値に関する情報を表示部(120)に表示させる表示制御部(104)と、を備える。これにより、ワイヤ電極移動領域(R(1)〜R(84))毎のワイヤ電極移動時間積算値に相関する値に関する情報を、オペレータに提供することができる。

上記ワイヤ放電加工機(10)において、表示制御部(104)は、表示部(120)にワークテーブル(44)に対する複数のワイヤ電極移動領域(R(1)〜R(84))の位置を示す図を表示させ、複数のワイヤ電極移動領域(R(1)〜R(84))の位置を示す図に、それぞれのワイヤ電極移動領域(R(1)〜R(84))のワイヤ電極移動時間積算値に相関する値に関する情報を表示させてもよい。これにより、ワイヤ電極移動時間積算値が大きい領域と小さい領域の分布の情報を、オペレータが把握しやすい表示によって、オペレータに提供することができる。

上記ワイヤ放電加工機(10)において、表示制御部(104)は、ワイヤ電極移動時間積算値が第1所定値未満であるワイヤ電極移動時間積算値に相関する値に関する情報の表示の色を、ワイヤ電極移動時間積算値が第1所定値以上であるワイヤ電極移動時間積算値に相関する値に関する情報の表示の色とは異ならせて表示する。これにより、ワイヤ電極移動時間積算値が大きい領域と小さい領域の分布の情報を、オペレータが一目で把握できる表示により、オペレータに提供することができる。

上記ワイヤ放電加工機(10)において、ワークテーブル(44)に対して、ワーク(W)が設置された位置に相関する情報を取得するワーク設置位置取得部(102)と、ワイヤ電極移動時間積算値が第2所定値以上であるワイヤ電極移動領域(R(1)〜R(84))にワーク(W)が設置されたときには、その旨を報知部(122)により報知を行う報知制御部(106)と、を備えてもよい。これにより、ワイヤ電極移動時間積算値が大きい領域にオペレータがワーク(W)を設置したことを、オペレータに認識させることができるように、オペレータに報知することができる。

上記ワイヤ放電加工機(10)において、駆動機構(52、64、66、76)は、ワークテーブル(44)を移動させ、駆動機構(52、64、66、76)によるワークテーブル(44)の移動位置に相関する情報を取得する移動位置取得部(108)と、駆動機構(52、64、66、76)によるワークテーブル(44)の移動速度に相関する情報を取得する移動速度取得部(110)と、駆動機構(52、64、66、76)によりワークテーブル(44)を移動する範囲を複数のワークテーブル移動領域(Rx(1)〜Rx(7)、Ry(1)〜Ry(12))に分け、ワークテーブル(44)の移動位置に相関する情報および移動速度に相関する情報から、それぞれのワークテーブル移動領域(Rx(1)〜Rx(7)、Ry(1)〜Ry(12))内をワークテーブル(44)が移動している移動時間の積算値であるワークテーブル移動時間積算値を算出するワークテーブル移動時間積算値算出部(114、116)を備え、ワイヤ電極移動時間積算値算出部(118)は、それぞれのワークテーブル移動領域(Rx(1)〜Rx(7)、Ry(1)〜Ry(12))のワークテーブル移動時間積算値に基づいて、ワイヤ電極移動時間積算値に相関する値を算出してもよい。一旦、ワークテーブル移動時間積算値を算出した後に、ワークテーブル移動時間積算値に基づいて、ワイヤ電極移動時間積算値に相関する値を算出するため、ワイヤ電極移動時間積算値算出部(118)の処理の負荷を抑制することができる。

上記ワイヤ放電加工機(10)において、表示制御部(104)は、表示部(120)にワークテーブル移動領域(Rx(1)〜Rx(7)、Ry(1)〜Ry(12))の位置を示す図を表示させ、ワークテーブル移動領域(Rx(1)〜Rx(7)、Ry(1)〜Ry(12))の位置を示す図に、それぞれのワークテーブル移動領域(Rx(1)〜Rx(7)、Ry(1)〜Ry(12))のワークテーブル移動時間積算値を表示させてもよい。これにより、ワークテーブル移動時間積算値が大きい領域と小さい領域の分布の情報を、オペレータが把握しやすい表示により、オペレータに提供することができる。

上記ワイヤ放電加工機(10)において、駆動機構(52、64、66、76)によるワークテーブル(44)の移動加速度に相関する情報を取得する加速度取得部(112)を備え、ワークテーブル移動時間積算値算出部(114、116)は、ワークテーブル(44)の移動加速度に相関する情報に応じて、それぞれのワークテーブル移動領域(Rx(1)〜Rx(7)、Ry(1)〜Ry(12))のワークテーブル(44)の移動時間を補正してもよい。これにより、駆動機構(52、64、66、76)の摩耗の程度に応じたワークテーブル移動時間積算値を求めることができる。

上記ワイヤ放電加工機(10)において、ワーク(W)の重量に相関する情報を取得するワーク重量取得部(130)を備え、ワークテーブル移動時間積算値算出部(114、116)は、ワーク(W)の重量に相関する情報に応じて、それぞれのワークテーブル移動領域(Rx(1)〜Rx(7)、Ry(1)〜Ry(12))のワークテーブル(44)の移動時間を補正してもよい。これにより、駆動機構(52、64、66、76)の摩耗の進行を反映したワークテーブル移動時間積算値を求めることができる。

上記ワイヤ放電加工機(10)において、ワークテーブル(44)を内部に収容し、加工液が貯留される加工槽(42)と、加工槽(42)内の加工液の量に相関する情報を取得する加工液量取得部(132)と、を備え、駆動機構(52、64、66、76)は、加工槽(42)とともにワークテーブル(44)を駆動し、ワークテーブル移動時間積算値算出部(114、116)は、加工液の量に相関する情報に応じて、それぞれのワークテーブル移動領域(Rx(1)〜Rx(7)、Ry(1)〜Ry(12))のワークテーブル(44)の移動時間を補正してもよい。これにより、駆動機構(52、64、66、76)の摩耗の進行を反映したワークテーブル移動時間積算値を求めることができる。

上記ワイヤ放電加工機(10)において、ワークテーブル移動時間積算値算出部(114、116)は、駆動機構(52、64、66、76)に対するワークテーブル(44)の移動位置に応じて、それぞれのワークテーブル移動領域(Rx(1)〜Rx(7)、Ry(1)〜Ry(12))のワークテーブル(44)の移動時間を補正してもよい。これにより、駆動機構(52、64、66、76)の摩耗の進行を反映したワークテーブル移動時間積算値を求めることができる。

上記ワイヤ放電加工機(10)において、いずれかのワークテーブル移動領域(Rx(1)〜Rx(7)、Ry(1)〜Ry(12))におけるワークテーブル移動時間積算値が、第3所定値以上となったときには、オペレータに駆動機構(52、64、66、76)の保全を促す旨を報知部(122)により報知を行う報知制御部(106)を有してもよい。これにより、駆動機構(52、64、66、76)の保全が必要である旨の情報を、オペレータに提供することができる。

ワーク(W)との間で形成される極間に電圧を印加して放電を発生させるワイヤ電極(12)と、ワーク(W)が設置されるワークテーブル(44)と、ワイヤ電極(12)とワークテーブル(44)とを相対移動させる駆動機構(52、64、66、76)と、を有するワイヤ放電加工機(10)に関する情報を表示する表示方法であって、ワークテーブル(44)に対してワイヤ電極(12)が移動可能な範囲を複数のワイヤ電極移動領域(R(1)〜R(84))に分け、それぞれのワイヤ電極移動領域(R(1)〜R(84))内をワイヤ電極(12)が移動している移動時間の積算値であるワイヤ電極移動時間積算値に相関する値を算出するワイヤ電極移動時間積算値算出ステップと、ワイヤ電極移動領域(R(1)〜R(84))毎のワイヤ電極移動時間積算値に相関する値に関する情報を表示部(120)に表示させる表示制御ステップと、を備える。これにより、ワイヤ電極移動領域(R(1)〜R(84))毎のワイヤ電極移動時間積算値に相関する値に関する情報を、オペレータに提供することができる。

10…ワイヤ放電加工機 12…ワイヤ電極 42…加工槽 44…ワークテーブル 52、76…ボールねじ機構(駆動機構) 64、66…リニアガイド(駆動機構) 100…ワイヤ電極移動時間積算値算出部 102…ワーク設置位置解析部(ワーク設置位置取得部) 104…表示制御部 106…報知制御部 108…位置算出部(移動位置取得部) 110…速度算出部(移動速度取得部) 112…加速度算出部(加速度取得部) 114…X軸移動時間積算値算出部(ワークテーブル移動時間積算値算出部) 116…Y軸移動時間積算値算出部(ワークテーブル移動時間積算値算出部) 118…移動時間指数算出部 120…表示部 122…報知部 130…ロードセル(ワーク重量取得部) 132…水量計(加工液量取得部) W…ワーク

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